JP2004055236A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】凸部付きの係合片と係合穴によるロック構造のみによってコネクタ構成部材間の前後、左右、上下各方向の相対移動を抑制する。
【解決手段】雌側コネクタを構成する雌端子13に係合穴15、この雌端子13が結合される雌側ハウジング11に弾性を備えた係合片17をそれぞれ設けるとともに、係合片17の先端部に、周面が係合穴15に向かって先すぼまりのテーパ面となった角錐台状の凸部16を設け、この凸部16を係合穴17に互いの周面が接触する状態で係合させるように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】雌側コネクタを構成する雌端子13に係合穴15、この雌端子13が結合される雌側ハウジング11に弾性を備えた係合片17をそれぞれ設けるとともに、係合片17の先端部に、周面が係合穴15に向かって先すぼまりのテーパ面となった角錐台状の凸部16を設け、この凸部16を係合穴17に互いの周面が接触する状態で係合させるように構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハウジングと端子、もしくは雄・雌両ハウジング同士、または端子同士の結合部分の振動によるがたつきを抑制する耐振動型のコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車配線等において電線同士、または電線と電装品を接続するコネクタは、雄側・雌側双方とも、図10〜図12に示すように、複数のキャビティ(端子収容室。ここでは一つのみを示す)1を備えたハウジング2と、電線3の端末に装着される端子4とから成り、この端子4がキャビティ1内に挿入・収容されて構成される。
【0003】
なお、図では、雌側コネクタを例にとっているが、雄側コネクタの場合もこの雄側コネクタと基本的に同じ構成となっている。
【0004】
この場合、挿入した端子4がキャビティ1内から抜けないようにロックする手段として、端子4の底壁に係合穴5、ハウジング2における各キャビティ1の底壁に上下方向の弾力を備えた係合片6をそれぞれ設け、図11,12に示すように端子4をキャビティ1内に挿入した状態で、係合片5の先端部に設けた逆止突起状の凸部7を係合穴5に弾性的に係合させて抜け止め作用を発揮させる構造が採用されている(たとえば特開平7−22112号、特開平6−82522号両公報参照)。
【0005】
図中、8は端子4の接触片で、図示しない雄側コネクタにおける雄端子のピン状接触子9がこの接触片8に弾性的に接触して電気的に接続される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この公知のロック構造においては、係合片6の凸部7が係合穴5に係合した状態で、両者間にクリアランスがあるため、このクリアランスの範囲でハウジング2と端子4が前後、左右に相対移動し得る状態となるが、この移動を止める手段は一切講じられていない。
【0007】
すなわち、従来のコネクタにおけるロック構造は、ハウジング2と端子4の抜け止め作用と上下方向の動き止め作用のみを行うものであった。
【0008】
このため、とくに自動車に使用されるコネクタの場合、車体の振動によって端子4がハウジング2に対して細かく相対移動(微摺動)し、この微摺動が原因となって接触片8と接触子9の電気的な接触状態が悪化するおそれがあった。この問題は、最近のコネクタの小形化による低接触荷重化、及びエンジン性能の向上による高振動化に伴って深刻となっていた。
【0009】
なお、係合片6の凸部7と係合穴5の間のクリアランスを最小限に小さくすることは可能であるが、おのずと限界があるため根本的な解決策とならない。しかも、クリアランスが小さくなることで両者がうまく係合しなくなるおそれが生じる。
【0010】
また、特開2000−277209号後方等に示されているように、上記ロック構造に加えて、相結合される部材間にバネを介在させ、このバネ力によって二部材間の前後または左右方向のがたつきを抑える技術が提案されているが、このような別の振動抑制手段を付加する構成によると部品点数、組立工数の増加、コスト増となる等、弊害が多いため得策でない。
【0011】
一方、雄・雌両ハウジング同士の抜け止め策として、上記ハウジング/端子のロック手段と基本的に同じロック構造(一方に設けられた凸部が他方の穴に弾性係合する構造)が用いられており、この部分でも同様の問題があった。
【0012】
そこで本発明は、凸部付きの係合片と係合穴によるロック構造のみによってコネクタ構成部材間の前後、左右、上下各方向の相対移動を抑制でき、しかも両者を確実に係合させることができるコネクタを提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、コネクタを構成するコネクタ構成部材同士を結合する手段として、結合される一方のコネクタ構成部材に係合穴、他方のコネクタ構成部材に弾力を備えた係合片がそれぞれ設けられ、上記係合片の先端部に設けられた凸部が上記係合穴に弾性的に係合することによって両コネクタ構成部材が相互に抜け止めされるように構成されたコネクタにおいて、上記係合片の凸部の周面が、上記係合穴に向かって先すぼまりのテーパ面に形成され、上記係合状態でこのテーパ面が上記係合片の係合穴の周面に対して係合片の弾力の方向と直交する二方向に接触するように構成されたものである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、コネクタ構成部材として、キャビティを有するハウジングと、上記キャビティ内に収容される端子とを備え、これらの一方に係合穴、他方に係合片が設けられたものである。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成において、コネクタ構成部材として雄側及び雌側両ハウジングを備え、これらの一方に係合穴、他方に係合片がそれぞれ設けられたものである。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成において、係合穴が多角形に、係合片の凸部がこの係合穴に対応する多角形の角錐台状にそれぞれ形成されたものである。
【0017】
上記構成によると、係合片の凸部の周面が係合穴に向かって先すぼまりのテーパ面に形成され、凸部が係合穴に係合した状態で、凸部周面が係合穴の周面に対して係合片の弾力の方向と直交する二方向に接触するため、この接触部分によって両者の相対移動(係合片の弾力の方向を上下方向とすると前後及び左右方向の動き)を阻止することができる。
【0018】
これにより、係合片の弾力による移動抑制作用と合わせて、両コネクタ構成部材(請求項2ではハウジングと端子、請求項3では雄側・雌側両ハウジング)間の全方向のがたつきを確実に抑制することができる。
【0019】
しかも、この全方向の動き止め作用を係合片と係合穴によるロック構造のみによって行うことができるため、相結合されるコネクタ構成部材間にバネを介在させる等、ロック構造以外の振動抑制手段を付加する必要がなく、部品点数、組立工数、コストの点で有利となる。
【0020】
また、係合片の凸部の先端部は係合穴よりも充分小さくできるため、両者を確実に係合させることができる。
【0021】
この場合、凸部と係合穴の形状の組み合わせは、係合状態で凸部のテーパ面が係合穴の周面に対して係合片の弾力の方向と直交する二方向に接触する、という条件を満足するものであればよい。
【0022】
従って、平面形状でいうと、請求項4のように多角形と多角形をはじめ、円形と円形、円形と多角形、楕円形と楕円形、楕円形と多角形等、種々のうちから選択することができる。
【0023】
また、凸部は、角錐台状、円錐台状、楕円錐台状に限らず、角錐状、円錐状、楕円錐状としてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1〜図9によって説明する。
【0025】
第1実施形態(図1〜図5参照)
第1実施形態では、雌側コネクタを適用対象として例にとっている。
【0026】
11はキャビティ12を有する雌側ハウジング、13は電線14の端末に装着された雌端子で、この雌端子13の底壁ほぼ中央部に四角形の係合穴15が設けられている。
【0027】
一方、雌側ハウジング11の底壁には、先端部に上向きの凸部16を備えた係合片17が係合穴15(上方)に向かう弾力を付与された状態で設けられ、図2,3,5に示すように雌端子13を雌側ハウジング11のキャビティ12内に挿入した状態で、係合片17の凸部16が係合穴15に弾性的に係合することにより、雌側ハウジング11と雌端子13が抜け止めされるように構成されている。
【0028】
ここで、係合片17の凸部16は、平面から見て係合穴15に対応する四角形(たとえば係合穴15が正方形であれば正方形)で、その四周面が係合穴15に向かって先すぼまりのテーパ面となった四角錐台状に形成されている。
【0029】
また、この凸部16の先端部の寸法は係合穴15よりも充分小さく、根元部分の寸法は係合穴15よりも大きく設定されている。
【0030】
こうすれば、凸部16は、先端部が係合穴15に充分なクリアランスをもって確実に嵌まり込み、中間部の全周面(係合片17の弾力の方向と直交する前後及び左右方向の各面)が係合穴15の全周面に接触(線接触)する状態で係合する。
【0031】
従って、この係合状態で、図5に示すように凸部16がX(前後)、Y(左右)両方向の動きを阻止され、Z(上下)方向の動きは係合片17のバネ力によって抑えられるため、自動車のようにX、Y、Z各方向の振動が激しい環境下でも、雌側ハウジング11と雌端子13の相対移動(微摺動)を効果的に抑制することができる。
【0032】
このため、微摺動によって雌端子13の接触片18と雄端子の接触子19(図2参照)の電気的な接触状態が悪化するおそれがなくなる。
【0033】
他の実施形態
(1)係合片17の凸部16と係合穴15の形状の組み合わせは、両者が前後及び左右方向に移動不能に係合し得るものであればよく、上記実施形態以外に、図6に示す円錐台状凸部16と円形係合穴15の組み合わせ(第2実施形態)、または図7に示す楕円錐台状の凸部16と楕円形係合穴15の組み合わせを(第3実施形態)採用することができる。
【0034】
また、凸部16と係合穴15は必ずしも全面接触させる必要はなく、係合片17の弾力の方向と直交する二方向に接触するという条件を満足すれば、点接触する形状の組み合わせであってもよい。
【0035】
従って、他に、平面形状でいうと円形または楕円形と多角形の組み合わせでもよいし、円形と楕円形の組み合わせでもよい。
【0036】
なお、平面から見て円形同士、または円形と多角形の組み合わせを採用すると、凸部16と係合穴15の周方向の位置関係にずれが生じても両者を確実に係合させることができる。
【0037】
(2)上記実施形態では、雌側コネクタのハウジング11と端子13とを結合する場合を例にとったが、本発明は、図8,9に示すように雄側・雌側両コネクタのハウジング同士を結合する場合にも上記同様に適用することができる。
【0038】
図8,9の例では、雌側ハウジング11の上壁に弾力を備えた係合片18を設け、この係合片18の先端部に設けた四角錐台状の凸部19を、雄側ハウジング20の上壁に設けた係合穴21に係合させるようにしている。なお、ここでは両コネクタにおける端子の図示を省略している。
【0039】
また、本発明は、雄側ハウジング21と雄端子(図示しない)の結合部分にも適用できるし、場合によっては雄・雌両端子同士の結合部分に適用してもよい。さらに、これら各結合部分のすべて、またはそのうちの複数の結合部分に同時に適用してもよい。
【0040】
【発明の効果】
上記のように本発明によると、結合される両コネクタ構成部材の一方に設けた係合片の凸部を、他方に設けた係合穴に弾性的に係合させて抜け止めするロック構造を備えたコネクタにおいて、係合片の凸部の周面を係合穴に向かって先すぼまりのテーパ面に形成し、凸部が係合穴に係合した状態で、凸部周面が係合穴の周面に対して係合片の弾力の方向と直交する二方向に接触する構成としたから、この接触部分によって両者間の二方向の相対移動を阻止することができる。
【0041】
これにより、係合片と係合穴の弾性係合による移動抑制作用と合わせて、両コネクタ構成部材の前後、左右、上下の全方向のがたつきを確実に抑制することができる。
【0042】
このため、自動車のように振動の激しい環境で使用されるコネクタにおいても、コネクタ構成部材間の相対移動(微摺動)による端子接触状態の悪化を防止することができる。
【0043】
しかも、係合片凸部の先端側は係合穴よりも充分小さくできるため、両者を確実に係合させることができる。
【0044】
また、上記全方向の相対移動抑制作用を係合片と係合穴によるロック構造のみによって行うことができるため、コネクタ構成部材間にバネを介在させる等、ロック構造以外の振動抑制手段を付加する必要がなく、部品点数、組立工数、コストの点で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる雌側ハウジングと雌端子の分解斜視図である。
【図2】同雌側ハウジングと雌端子の結合状態の断面図である。
【図3】図2の一部拡大図である。
【図4】同一部の拡大分解斜視図である。
【図5】同結合状態の図4相当図である。
【図6】本発明の第2実施形態を示す図4相当図である。
【図7】本発明の第3実施形態を示す図4相当図である。
【図8】本発明の第4実施形態にかかる雄側・雌側両ハウジングの結合前の断面図である。
【図9】同結合状態の断面図である。
【図10】従来技術による雌側ハウジングと雌端子の結合前の断面図である。
【図11】同結合状態の断面図である。
【図12】図11の一部拡大図である。
【符号の説明】
11 雌側コネクタのハウジング
12 キャビティ
13 雌端子
14 電線
15 係合穴
16 凸部
17 係合片
18 係合片
19 凸部
20 雄側ハウジング
21 係合穴
【発明の属する技術分野】
本発明はハウジングと端子、もしくは雄・雌両ハウジング同士、または端子同士の結合部分の振動によるがたつきを抑制する耐振動型のコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車配線等において電線同士、または電線と電装品を接続するコネクタは、雄側・雌側双方とも、図10〜図12に示すように、複数のキャビティ(端子収容室。ここでは一つのみを示す)1を備えたハウジング2と、電線3の端末に装着される端子4とから成り、この端子4がキャビティ1内に挿入・収容されて構成される。
【0003】
なお、図では、雌側コネクタを例にとっているが、雄側コネクタの場合もこの雄側コネクタと基本的に同じ構成となっている。
【0004】
この場合、挿入した端子4がキャビティ1内から抜けないようにロックする手段として、端子4の底壁に係合穴5、ハウジング2における各キャビティ1の底壁に上下方向の弾力を備えた係合片6をそれぞれ設け、図11,12に示すように端子4をキャビティ1内に挿入した状態で、係合片5の先端部に設けた逆止突起状の凸部7を係合穴5に弾性的に係合させて抜け止め作用を発揮させる構造が採用されている(たとえば特開平7−22112号、特開平6−82522号両公報参照)。
【0005】
図中、8は端子4の接触片で、図示しない雄側コネクタにおける雄端子のピン状接触子9がこの接触片8に弾性的に接触して電気的に接続される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この公知のロック構造においては、係合片6の凸部7が係合穴5に係合した状態で、両者間にクリアランスがあるため、このクリアランスの範囲でハウジング2と端子4が前後、左右に相対移動し得る状態となるが、この移動を止める手段は一切講じられていない。
【0007】
すなわち、従来のコネクタにおけるロック構造は、ハウジング2と端子4の抜け止め作用と上下方向の動き止め作用のみを行うものであった。
【0008】
このため、とくに自動車に使用されるコネクタの場合、車体の振動によって端子4がハウジング2に対して細かく相対移動(微摺動)し、この微摺動が原因となって接触片8と接触子9の電気的な接触状態が悪化するおそれがあった。この問題は、最近のコネクタの小形化による低接触荷重化、及びエンジン性能の向上による高振動化に伴って深刻となっていた。
【0009】
なお、係合片6の凸部7と係合穴5の間のクリアランスを最小限に小さくすることは可能であるが、おのずと限界があるため根本的な解決策とならない。しかも、クリアランスが小さくなることで両者がうまく係合しなくなるおそれが生じる。
【0010】
また、特開2000−277209号後方等に示されているように、上記ロック構造に加えて、相結合される部材間にバネを介在させ、このバネ力によって二部材間の前後または左右方向のがたつきを抑える技術が提案されているが、このような別の振動抑制手段を付加する構成によると部品点数、組立工数の増加、コスト増となる等、弊害が多いため得策でない。
【0011】
一方、雄・雌両ハウジング同士の抜け止め策として、上記ハウジング/端子のロック手段と基本的に同じロック構造(一方に設けられた凸部が他方の穴に弾性係合する構造)が用いられており、この部分でも同様の問題があった。
【0012】
そこで本発明は、凸部付きの係合片と係合穴によるロック構造のみによってコネクタ構成部材間の前後、左右、上下各方向の相対移動を抑制でき、しかも両者を確実に係合させることができるコネクタを提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、コネクタを構成するコネクタ構成部材同士を結合する手段として、結合される一方のコネクタ構成部材に係合穴、他方のコネクタ構成部材に弾力を備えた係合片がそれぞれ設けられ、上記係合片の先端部に設けられた凸部が上記係合穴に弾性的に係合することによって両コネクタ構成部材が相互に抜け止めされるように構成されたコネクタにおいて、上記係合片の凸部の周面が、上記係合穴に向かって先すぼまりのテーパ面に形成され、上記係合状態でこのテーパ面が上記係合片の係合穴の周面に対して係合片の弾力の方向と直交する二方向に接触するように構成されたものである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、コネクタ構成部材として、キャビティを有するハウジングと、上記キャビティ内に収容される端子とを備え、これらの一方に係合穴、他方に係合片が設けられたものである。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成において、コネクタ構成部材として雄側及び雌側両ハウジングを備え、これらの一方に係合穴、他方に係合片がそれぞれ設けられたものである。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成において、係合穴が多角形に、係合片の凸部がこの係合穴に対応する多角形の角錐台状にそれぞれ形成されたものである。
【0017】
上記構成によると、係合片の凸部の周面が係合穴に向かって先すぼまりのテーパ面に形成され、凸部が係合穴に係合した状態で、凸部周面が係合穴の周面に対して係合片の弾力の方向と直交する二方向に接触するため、この接触部分によって両者の相対移動(係合片の弾力の方向を上下方向とすると前後及び左右方向の動き)を阻止することができる。
【0018】
これにより、係合片の弾力による移動抑制作用と合わせて、両コネクタ構成部材(請求項2ではハウジングと端子、請求項3では雄側・雌側両ハウジング)間の全方向のがたつきを確実に抑制することができる。
【0019】
しかも、この全方向の動き止め作用を係合片と係合穴によるロック構造のみによって行うことができるため、相結合されるコネクタ構成部材間にバネを介在させる等、ロック構造以外の振動抑制手段を付加する必要がなく、部品点数、組立工数、コストの点で有利となる。
【0020】
また、係合片の凸部の先端部は係合穴よりも充分小さくできるため、両者を確実に係合させることができる。
【0021】
この場合、凸部と係合穴の形状の組み合わせは、係合状態で凸部のテーパ面が係合穴の周面に対して係合片の弾力の方向と直交する二方向に接触する、という条件を満足するものであればよい。
【0022】
従って、平面形状でいうと、請求項4のように多角形と多角形をはじめ、円形と円形、円形と多角形、楕円形と楕円形、楕円形と多角形等、種々のうちから選択することができる。
【0023】
また、凸部は、角錐台状、円錐台状、楕円錐台状に限らず、角錐状、円錐状、楕円錐状としてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1〜図9によって説明する。
【0025】
第1実施形態(図1〜図5参照)
第1実施形態では、雌側コネクタを適用対象として例にとっている。
【0026】
11はキャビティ12を有する雌側ハウジング、13は電線14の端末に装着された雌端子で、この雌端子13の底壁ほぼ中央部に四角形の係合穴15が設けられている。
【0027】
一方、雌側ハウジング11の底壁には、先端部に上向きの凸部16を備えた係合片17が係合穴15(上方)に向かう弾力を付与された状態で設けられ、図2,3,5に示すように雌端子13を雌側ハウジング11のキャビティ12内に挿入した状態で、係合片17の凸部16が係合穴15に弾性的に係合することにより、雌側ハウジング11と雌端子13が抜け止めされるように構成されている。
【0028】
ここで、係合片17の凸部16は、平面から見て係合穴15に対応する四角形(たとえば係合穴15が正方形であれば正方形)で、その四周面が係合穴15に向かって先すぼまりのテーパ面となった四角錐台状に形成されている。
【0029】
また、この凸部16の先端部の寸法は係合穴15よりも充分小さく、根元部分の寸法は係合穴15よりも大きく設定されている。
【0030】
こうすれば、凸部16は、先端部が係合穴15に充分なクリアランスをもって確実に嵌まり込み、中間部の全周面(係合片17の弾力の方向と直交する前後及び左右方向の各面)が係合穴15の全周面に接触(線接触)する状態で係合する。
【0031】
従って、この係合状態で、図5に示すように凸部16がX(前後)、Y(左右)両方向の動きを阻止され、Z(上下)方向の動きは係合片17のバネ力によって抑えられるため、自動車のようにX、Y、Z各方向の振動が激しい環境下でも、雌側ハウジング11と雌端子13の相対移動(微摺動)を効果的に抑制することができる。
【0032】
このため、微摺動によって雌端子13の接触片18と雄端子の接触子19(図2参照)の電気的な接触状態が悪化するおそれがなくなる。
【0033】
他の実施形態
(1)係合片17の凸部16と係合穴15の形状の組み合わせは、両者が前後及び左右方向に移動不能に係合し得るものであればよく、上記実施形態以外に、図6に示す円錐台状凸部16と円形係合穴15の組み合わせ(第2実施形態)、または図7に示す楕円錐台状の凸部16と楕円形係合穴15の組み合わせを(第3実施形態)採用することができる。
【0034】
また、凸部16と係合穴15は必ずしも全面接触させる必要はなく、係合片17の弾力の方向と直交する二方向に接触するという条件を満足すれば、点接触する形状の組み合わせであってもよい。
【0035】
従って、他に、平面形状でいうと円形または楕円形と多角形の組み合わせでもよいし、円形と楕円形の組み合わせでもよい。
【0036】
なお、平面から見て円形同士、または円形と多角形の組み合わせを採用すると、凸部16と係合穴15の周方向の位置関係にずれが生じても両者を確実に係合させることができる。
【0037】
(2)上記実施形態では、雌側コネクタのハウジング11と端子13とを結合する場合を例にとったが、本発明は、図8,9に示すように雄側・雌側両コネクタのハウジング同士を結合する場合にも上記同様に適用することができる。
【0038】
図8,9の例では、雌側ハウジング11の上壁に弾力を備えた係合片18を設け、この係合片18の先端部に設けた四角錐台状の凸部19を、雄側ハウジング20の上壁に設けた係合穴21に係合させるようにしている。なお、ここでは両コネクタにおける端子の図示を省略している。
【0039】
また、本発明は、雄側ハウジング21と雄端子(図示しない)の結合部分にも適用できるし、場合によっては雄・雌両端子同士の結合部分に適用してもよい。さらに、これら各結合部分のすべて、またはそのうちの複数の結合部分に同時に適用してもよい。
【0040】
【発明の効果】
上記のように本発明によると、結合される両コネクタ構成部材の一方に設けた係合片の凸部を、他方に設けた係合穴に弾性的に係合させて抜け止めするロック構造を備えたコネクタにおいて、係合片の凸部の周面を係合穴に向かって先すぼまりのテーパ面に形成し、凸部が係合穴に係合した状態で、凸部周面が係合穴の周面に対して係合片の弾力の方向と直交する二方向に接触する構成としたから、この接触部分によって両者間の二方向の相対移動を阻止することができる。
【0041】
これにより、係合片と係合穴の弾性係合による移動抑制作用と合わせて、両コネクタ構成部材の前後、左右、上下の全方向のがたつきを確実に抑制することができる。
【0042】
このため、自動車のように振動の激しい環境で使用されるコネクタにおいても、コネクタ構成部材間の相対移動(微摺動)による端子接触状態の悪化を防止することができる。
【0043】
しかも、係合片凸部の先端側は係合穴よりも充分小さくできるため、両者を確実に係合させることができる。
【0044】
また、上記全方向の相対移動抑制作用を係合片と係合穴によるロック構造のみによって行うことができるため、コネクタ構成部材間にバネを介在させる等、ロック構造以外の振動抑制手段を付加する必要がなく、部品点数、組立工数、コストの点で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる雌側ハウジングと雌端子の分解斜視図である。
【図2】同雌側ハウジングと雌端子の結合状態の断面図である。
【図3】図2の一部拡大図である。
【図4】同一部の拡大分解斜視図である。
【図5】同結合状態の図4相当図である。
【図6】本発明の第2実施形態を示す図4相当図である。
【図7】本発明の第3実施形態を示す図4相当図である。
【図8】本発明の第4実施形態にかかる雄側・雌側両ハウジングの結合前の断面図である。
【図9】同結合状態の断面図である。
【図10】従来技術による雌側ハウジングと雌端子の結合前の断面図である。
【図11】同結合状態の断面図である。
【図12】図11の一部拡大図である。
【符号の説明】
11 雌側コネクタのハウジング
12 キャビティ
13 雌端子
14 電線
15 係合穴
16 凸部
17 係合片
18 係合片
19 凸部
20 雄側ハウジング
21 係合穴
Claims (4)
- コネクタを構成するコネクタ構成部材同士を結合する手段として、結合される一方のコネクタ構成部材に係合穴、他方のコネクタ構成部材に弾力を備えた係合片がそれぞれ設けられ、上記係合片の先端部に設けられた凸部が上記係合穴に弾性的に係合することによって両コネクタ構成部材が相互に抜け止めされるように構成されたコネクタにおいて、上記係合片の凸部の周面が、上記係合穴に向かって先すぼまりのテーパ面に形成され、上記係合状態でこのテーパ面が上記係合片の係合穴の周面に対して係合片の弾力の方向と直交する二方向に接触するように構成されたことを特徴とするコネクタ。
- コネクタ構成部材として、キャビティを有するハウジングと、上記キャビティ内に収容される端子とを備え、これらの一方に係合穴、他方に係合片が設けられたことを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- コネクタ構成部材として雄側及び雌側両ハウジングを備え、これらの一方に係合穴、他方に係合片がそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1または2記載のコネクタ。
- 係合穴が多角形に、係合片の凸部がこの係合穴に対応する多角形の角錐台状にそれぞれ形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコネクタ。
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