JP2004053769A - 撮像装置及びその調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造を簡素化し、複数のレンズの固体撮像素子に対する光軸調整を容易且つ適切に行う。
【解決手段】被写体の像を結像させる複数のレンズ7,11と、複数のレンズ7,11が光軸を一致させた状態で配置されると共に、少なくとも光軸の前後方向で前部鏡筒3と後部鏡筒4とに分割される鏡筒本体2と、前部鏡筒3と後部鏡筒4とに両端部が支持され、鏡筒本体2に収納された一部のレンズ11を光軸方向に移動可能に支持する一対のガイド軸22a,22bと、後部鏡筒4に取り付けられ、複数のレンズ7,11により結像された被写体の像を撮像する固体撮像素子17とを備え、後部鏡筒4は、複数のレンズ7,11により結像される被写体の像面側に位置して、固体撮像素子17aが固定される固定部83aと、一対のガイド軸22a,22bを支持する一対の受部90a,90bとを有する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鏡筒本体に配置された複数のレンズのうち一部のレンズを光軸方向に変位させることによって被写体の像を結像し、結像された被写体の像を固体撮像素子により撮像する撮像装置及びその調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鏡筒本体に光軸を一致させた状態で配置された複数のレンズのうち、鏡筒本体に収納された一部のレンズを光軸方向に変位させることによって、被写体の像を結像する結像レンズ装置がある。また、このような結像レンズ装置で結像された被写体の像をCCD(charge−coupled device)やCMOS(complementary mental−oxide semiconductor device)等の固体撮像素子で受像し、この固体撮像素子が受像した光を光電変換して電気信号として出力し、被写体の像に対応したデジタル画像データを生成するデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置がある。そして、このような撮像装置では、携帯の利便性や使い勝手の良さを向上させるために、装置全体の小型化が積極的に進められている。
【0003】
例えば図30に示す撮像装置200は、上述した複数のレンズが光軸を一致させた状態で配置された鏡筒本体201に固体撮像素子202を取り付けることによって、装置全体を小型パッケージ化したものである。
【0004】
この撮像装置200において、鏡筒本体201は、光軸方向の前後方向で主鏡筒201aと後部鏡筒201bとに分割された構造を有し、主鏡筒201aには、複数のレンズが光軸を一致させた状態で配置されている。複数のレンズは、図31に示すように、主鏡筒201aに固定された固定レンズ群203aと、主鏡筒201aの内部で光軸方向に変位駆動される可動レンズ群203bとから構成されている。また、固定レンズ群203aと可動レンズ群203bとの間には、絞り204aの開口を調節するアイリスユニット204が設けられている。
【0005】
また、主鏡筒201aと後部鏡筒201bとの間には、可動レンズ群203bを光軸方向に移動可能に支持するレンズ支持機構205が設けられている。このレンズ支持機構205は、可動レンズ群203bの外周部を保持するレンズ支持部材206と、このレンズ支持部材206を光軸方向にスライド可能に支持する一対のガイド軸207a,207bとを有している。一対のガイド軸207a,207bは、光軸と平行に配置されており、それぞれの両端部が主鏡筒201a及び後部鏡筒201bに設けられた受部208a,208bにより固定支持されている。また、主鏡筒201aには、図30に示すように、レンズ支持機構205により移動可能に支持された可動レンズ群203bを光軸方向に変位駆動するための駆動モータ209等が設けられている。
【0006】
一方、後部鏡筒201bには、図31及び図32に示すように、これら複数のレンズにより結像される被写体の像面側に位置して、固体撮像素子202が配置されている。この固体撮像素子202は、配線基板210上に実装されたCCDやCMOS等の半導体チップからなり、板金211に取り付けられた状態で後部鏡筒201bに固定されている。このため、板金211には、後部鏡筒201bに固体撮像素子202を位置決めするための一対の位置決め孔212と、後部鏡筒201bにネジ止めされるネジ213を貫通させる一対の貫通孔214とが形成されている。一方、後部鏡筒201bの背面側には、一対の位置決め孔212に係合される一対の位置決め突部215と、一対の貫通孔214を貫通したネジ213が螺合される一対のネジ孔216とが形成されている。また、固体撮像素子202には、後部鏡筒201bの背面側に圧着される矩形枠状のシールゴム217が嵌合されている。
【0007】
また、後部鏡筒201bには、可動レンズ群203bと固体撮像素子202との間に位置して、赤外カットフィルタ218と、ローパスカットフィルタ219とが配置されている。このため、後部鏡筒201bの背面側には、これら赤外カットフィルタ218、ローパスカットフィルタ219及びシールゴム217が嵌め込まれる枠状の段差部220が形成されている。
【0008】
したがって、固体撮像素子202が取り付けられた板金211は、後部鏡筒201bの枠状の段差部220に、赤外カットフィルタ218、ローパスカットフィルタ219及びシールゴム217が嵌め込まれた状態で、一対の位置決め孔212に一対の位置決め突部215が係合されると共に、一対の貫通孔214を通して一対のネジ孔216にネジ213が螺合されることによって、後部鏡筒201bの背面側に固定されている。
【0009】
以上のように構成される撮像装置200では、複数のレンズのうち可動レンズ群203bを光軸方向に変位駆動しながら後部鏡筒201b側に被写体の像を結像する。そして、これら複数のレンズにより結像された被写体の像を固体撮像素子202が受像し、この固体撮像素子202から出力される電気信号を処理することで、被写体の像に対応したデジタル画像データを生成する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した撮像装置200の更なる小型化を図るためには、各構成部品の精度や位置決め精度の累積誤差を少なくし、レンズの結像性能の劣化を防ぐと共に、固体撮像素子202の受光面に対する光軸のずれや傾きの発生を防ぐ必要がある。
【0011】
しかしながら、上述した撮像装置200では、固体撮像素子202が板金211を介して後部鏡筒201bに固定されるため、組付誤差による固体撮像素子202の受光面に対する光軸のずれや傾きが発生しやすくなる。また、固体撮像素子202は、板金211に接着等により取り付けられるため、接着時に塗布される接着剤の塗布量や塗布位置によって板金211に対する位置ずれや傾き等が生じてしまう。さらに、固体撮像素子202は、配線基板210に実装される際にも位置ずれや傾き等が生じてしまう。
【0012】
また、上述した撮像装置200では、複数のレンズが配置された主鏡筒201aを後部鏡筒201bに対して位置決めし、固体撮像素子202が取り付けられた板金211を後部鏡筒201bに対して位置決めすることから、複数のレンズを固体撮像素子202に対して直接位置決めすることができず、複数のレンズと固体撮像素子202との間の位置精度には自ずと限界が生じてしまう。
【0013】
さらに、後部鏡筒201bは、一般的に射出成形によって作製されるが、金型の構造上、後部鏡筒201bの正面側を成形する一方の金型と、後部鏡筒201bの背面側を成形する他方の金型との型締め精度の限界によって、後部鏡筒201bの正面側に形成されるガイド軸207a,207bの受部208bと、後部鏡筒201bの背面側に形成される位置決め突部215との間で位置ずれが生じてしまう。この場合も、固体撮像素子202の受光面に対する光軸のずれや傾き等を生じさせてしまう。
【0014】
したがって、上述した撮像装置200では、固体撮像素子202の受光面に対する光軸のずれや傾きによって、片ボケやシェーディングが発生してしまう、或いは十分な解像力が得られないとった問題があった。
【0015】
また、上述した撮像装置200では、板金211に固体撮像素子202を接着するための接着構造を設けたり、後部鏡筒201b及び板金211にネジ止めするための締結構造を設ける必要がある。また、後部鏡筒201bに板金211を固定するためのネジ213やシールゴム217等を用いることで部品点数も多くなる。さらに、接着時や締結時の鏡筒本体201の変形によるレンズの結像性能の劣化を防ぐためには、鏡筒本体201の強度を確保するための変形防止構造が必要となる。したがって、上述した撮像装置200では、部品点数の増加によって製造コストが嵩むだけでなく、装置全体を小型化することが非常に困難となるといった問題があった。
【0016】
また、撮像装置200では、図33に示すように、固体撮像素子202の受光面に対する光軸のずれや傾きによって、固体撮像素子202の受光面の中心(有効画素中心O’)と、レンズの光軸中心(読み出し中心O’)とが大きなずれを生じさせてしまう。この場合、固体撮像素子202の画面寸法が小さくなっても、ずれの大きさは画面寸法に比例して小さくならないことから、予め有効像円径(画角)を大きく設計しておく必要がある。したがって、上述した撮像装置200では、固体撮像素子202を小さくするのに比例して、レンズを小型化することができないといった問題があった。
【0017】
また、撮像装置200では、固体撮像素子202の有効画素全域S’を読み出してデジタル画像データを生成するだけでなく、有効画素全域S’から一部の有効画面S’を切り出すことによって手振れ補正を行うことができる。したがって、上述した有効画素中心O’と読み出し中心O’との大きなずれが生じた場合には、有効画素全域S’に対する有効画面S’の手振れ補正に使用可能な領域(図中斜面で示す領域S’)の幅X’,Y’が狭くなり、最悪の場合、有効画素全域S’から有効画面S’を切り出すことができずに手振れ補正を適切に行うことが不可能となってしまう。
【0018】
さらに、撮像装置200では、上述した固体撮像素子202の受光面に対する光軸のずれや傾きによって、可動レンズ群203bを光軸方向に変位させた際に、可動レンズ群203bの位置による結像性能に大きな差が生じてしまう。この場合、単焦点レンズやズームレンズにおいて結像性能を保証する範囲が狭くなってしまう。特にズームレンズにおいては、ズーミングした際の中心像の移動が大きくなってしまい、ユーザにとってフレーミングが難しくなる等の不具合が生じてしまう。
【0019】
従来では、これらの問題を解決するために、撮像装置のレンズ性能を過剰に向上させたり、撮像装置に光軸調整を行うための機構を設けること等が行われている。しかしながら、レンズ性能を過剰に向上させた場合には、コストが嵩むだけでなく、近年の撮像装置の小型化及び高画質化の要求に応えることは困難である。また、撮像装置に光軸調整を行うための機構を設けた場合には、部品点数が増加し、構造も複雑となることから、撮像装置の小型化が困難となるだけでなく、仮に治具による調整を行ったとしても、組付工数の増加によって製造コストの増加を招いてしまう。
【0020】
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、構造を簡素化し、複数のレンズの固体撮像素子に対する光軸調整を容易且つ適切に行うことによって、更なる小型化及び低コスト化を可能とした撮像装置及びその調整方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、被写体の像を結像させる複数のレンズと、複数のレンズが光軸を一致させた状態で配置されると共に、少なくとも光軸の前後方向で前部鏡筒と後部鏡筒とに分割される鏡筒本体と、前部鏡筒と後部鏡筒とに両端部が支持され、鏡筒本体に収納された一部のレンズを光軸方向に移動可能に支持する一対のガイド軸と、後部鏡筒に取り付けられ、複数のレンズにより結像された被写体の像を撮像する固体撮像素子とを備え、後部鏡筒は、複数のレンズにより結像される被写体の像面側に位置して、固体撮像素子が固定される固定部と、一対のガイド軸を支持する一対の受部とを有することを特徴としている。
【0022】
以上のように、本発明に係る撮像装置では、後部鏡筒の複数のレンズにより結像される被写体の像面側に位置して、固体撮像素子が固定される固定部と、一対のガイド軸を支持する一対の受部とが設けられていることから、複数のレンズの光軸中心と固体撮像素子の受光面の中心とを高精度に位置決めすることができ、固体撮像素子の受光面に対する光軸のずれや傾きの発生を防止することができる。
【0023】
また、本発明に係る撮像装置の調整方法は、被写体の像を結像させる複数のレンズと、複数のレンズが光軸を一致させた状態で配置されると共に、少なくとも光軸の前後方向で前部鏡筒と後部鏡筒とに分割される鏡筒本体と、前部鏡筒と後部鏡筒とに両端部が支持され、鏡筒本体に収納された一部のレンズを光軸方向に移動可能に支持する一対のガイド軸と、後部鏡筒に取り付けられ、複数のレンズにより結像された被写体の像を撮像する固体撮像素子とを備える撮像装置の光軸調整を行う際に、前部鏡筒に対して後部鏡筒を相対的に光軸と直交する方向にずらし、固定撮像素子の受光面に対して一対のガイド軸を傾けながら、固体撮像素子の受光面の中心を通る中心軸と、複数のレンズの光軸とが略一致した位置にて後部鏡筒を前部鏡筒に固定することを特徴としている。
【0024】
以上のように、本発明に係る撮像装置の調整方法では、前部鏡筒に対して後部鏡筒を相対的に光軸と直交する方向にずらし、固定撮像素子の受光面に対して一対のガイド軸を傾けながら、固体撮像素子の受光面の中心を通る中心軸と、複数のレンズの光軸とが略一致した位置にて後部鏡筒を前部鏡筒に固定することによって、複数のレンズの固体撮像素子に対する光軸調整を容易且つ適切に行うことができる。
【0025】
また、本発明に係る撮像装置の調整方法は、被写体の像を結像させる複数のレンズと、複数のレンズが光軸を一致させた状態で配置されると共に、少なくとも光軸の前後方向で前部鏡筒と中間鏡筒と後部鏡筒とに分割される鏡筒本体と、前部鏡筒と後部鏡筒とに両端部が支持され、鏡筒本体に収納された一部のレンズを光軸方向に移動可能に支持する一対のガイド軸と、後部鏡筒に取り付けられ、複数のレンズにより結像された被写体の像を撮像する固体撮像素子とを備える撮像装置の光軸調整を行う際に、中間鏡筒に対して前部鏡筒及び/又は後部鏡筒を相対的に光軸と直交する方向にずらし、固定撮像素子の受光面に対して一対のガイド軸を傾けながら、固体撮像素子の受光面の中心を通る中心軸と、複数のレンズの光軸とが略一致した位置にて前部鏡筒及び後部鏡筒を中間鏡筒に固定することを特徴としている。
【0026】
以上のように、本発明に係る撮像装置の調整方法では、中間鏡筒に対して前部鏡筒及び/又は後部鏡筒を相対的に光軸と直交する方向にずらし、固定撮像素子の受光面に対して一対のガイド軸を傾けながら、固体撮像素子の受光面の中心を通る中心軸と、複数のレンズの光軸とが略一致した位置にて前部鏡筒及び後部鏡筒を中間鏡筒に固定することによって、複数のレンズの固体撮像素子に対する光軸調整を容易且つ適切に行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した撮像装置及びその調整方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図1及び図2に示すように、本発明を適用した撮像装置1は、鏡筒本体2に光軸を一致させた状態で配置された複数のレンズのうち、鏡筒本体2に収納された一部のレンズを光軸方向に変位させることによって、被写体の像を結像する結像レンズ装置に、これら複数のレンズにより結像された被写体の像を撮像する固体撮像素子を取り付けることによって、装置全体を小型パッケージ化したものである。そして、このような撮像装置1は、小型化が図られることによって、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等を構成するに好適なものとして使用されている。なお、本例では、結像レンズ装置の前玉有効径を約5.2mmとして設計したが、そのような設計範囲に限定されるものではなく、更に小型化することも可能である。
【0029】
鏡筒本体2は、光軸の前後方向で前部鏡筒である主鏡筒3と後部鏡筒4とに分割されており、主鏡筒3には、複数のレンズが光軸を一致させた状態で配置され、後部鏡筒4には、複数のレンズにより結像される被写体の像面に位置して、固体撮像素子が取り付けられている。
【0030】
複数のレンズは、図3に示すように、被写体側から、主鏡筒3に固定された第1のレンズ5及び第2のレンズ6からなる固定レンズ群7と、主鏡筒3の内部で光軸方向に変位駆動される第3のレンズ8、第4のレンズ9及び第5のレンズ10からなる可動レンズ群11とを有して構成されている。なお、複数のレンズのうち、第1のレンズ5乃至第4のレンズ9は、光学ガラスからなり、第5のレンズ10は、光学プラスチックからなる。また、固定レンズ群7と可動レンズ群11との間には、絞り12が配置されている。そして、これら複数のレンズにより結像される被写体の像面側には、後部鏡筒4に固定された赤外カットフィルタ13と、ローパスカットフィルタ14と、シールゴム15と、カバーガラス16と、固体撮像素子17とが配置されている。
【0031】
主鏡筒3は、図4に示すように、強度及び量産性があり且つ遮光性を有する黒色の樹脂材料、例えばガラス繊維を含有するポリカーボネート樹脂が全体略直方体状に成形されてなる。また、この主鏡筒3の被写体側に位置する前面には、固定レンズ群7が固定される略円筒状のレンズ取付部18が設けられている。このレンズ取付部18は、第1のレンズ5と第2のレンズ6とを隣接させた状態で熱カシメ等によりその外周部を固定支持している。
【0032】
また、主鏡筒3には、図5に示すように、内部に可動レンズ群11を収納するためのレンズ収納空間19が形成されており、背面側が開放された形状を有している。そして、このレンズ収納空間19には、可動レンズ群11を光軸方向に移動可能に支持するレンズ支持機構20が配設されている。
【0033】
レンズ支持機構20は、可動レンズ群11を支持するレンズ支持部材21と、このレンズ支持部材21を光軸方向にスライド可能に支持する一対のガイド軸22a,22bとを有している。
【0034】
レンズ支持部材21は、図6及び図7に示すように、強度及び量産性があり且つ遮光性を有する黒色の樹脂材料等からなる。なお、レンズ支持部材21は、後述するカムピン43とサイドカム58との摺動特性に優れたものであれば、このような材料からなるものに必ずしも限定されるものではない。
【0035】
レンズ支持部材21は、後述するレンズ保持枠23と共に可動レンズ群11の外周部を保持するレンズ支持枠21aを有し、このレンズ支持枠21aの中央部には、可動レンズ群11が収納されるレンズ収納凹部24が設けられている。このレンズ収納凹部24は、互いに接合された第3のレンズ8と第4のレンズ9とのうち、第4のレンズ9が嵌合される第1の凹部24aと、この第1の凹部24aの底面中央に、第4のレンズ9よりも径の小さい第3のレンズ8が収納される第2の凹部24bを有して構成される。また、第2の凹部24bの底面中央には、第3のレンズ8を所定の径で臨ませる開口部25が形成されている。また、第1の凹部24aの内側面は、3面の補正面と3面の副補正面との計6面から構成されており、各内側面が第4のレンズ9の外周部と当接されることによって、互いに接合された第3のレンズ8及び第4のレンズ9をレンズ収納凹部24に位置決めする。
【0036】
一方、レンズ保持枠23は、第5のレンズ10の一面と当接される環状部26と、この環状部26から第5のレンズ10の外周部に沿って折り曲げ形成された一対の連結片27a,27bとを有している。
【0037】
環状部26には、第5のレンズ10の一面と当接されることによって一対の連結片27a,27bを所定の弾性力でレンズ支持枠21aを挟み込む方向へと撓ませる複数の突起部28が形成されている。また、一対の連結片27a,27bの先端部には、それぞれレンズ支持枠21aの外周部に形成された一対の係止溝29と係合される係止爪30が形成されている。また、環状部26には、第5のレンズ10の外周部と当接される複数の爪部31が、一対の連結片27a,27bと同一方向に折り曲げ形成されている。
【0038】
一対の連結片27a,27bは、レンズ保持枠23とレンズ支持枠21aとを連結するものであり、環状部26の外周部において互いに対向配置されており、この環状部26からレンズ支持枠21aに向かって光軸方向に延長して設けられている。
【0039】
レンズ支持枠21aの外周部には、一対のガイド軸22a,22bのうち、一方のガイド軸22aを挿通するガイド孔32が形成された筒状部33と、他方のガイド軸22bを挟み込むガイド溝34が形成された支持片35とが互いに対向する位置から突出形成されている。また、これら筒状部33と支持片35とは、レンズ支持枠21aの外周部において一対の係止溝29が形成された位置と略直交する位置に設けられている。
【0040】
また、レンズ支持枠21aの支持片35と隣接した位置には、第5のレンズ10を位置決めする位置決め部36が突出形成されている。そして、この位置決め部36には、第5のレンズ10の外周部から光軸と直交する方向に突出されたゲート部37が係合される係合凹部38が形成されている。
【0041】
ここで、ゲート部37は、第5のレンズ10を射出成形することにより生じるものであり、第5のレンズ10は、このようなゲート部37を切断せずに残しておくことで、切断時の応力の発生により光学特性が劣化するのを防止している。本例では、この第5のレンズ10に残されたゲート部37をレンズ支持枠21aに保持する際の位置決めに利用している。
【0042】
そして、このレンズ支持部材21に可動レンズ群11を固定支持する際は、先ず、互いに接合された第3のレンズ8及び第4のレンズ9をレンズ支持枠21aのレンズ収納凹部24に収納する。このとき、第3のレンズ8が第2の凹部24bに収納され、第4のレンズ9が第1の凹部24aに嵌合されることによって、互いに接合された第3のレンズ8及び第4のレンズ9がレンズ支持枠21aに位置決めされる。
【0043】
次に、第5のレンズ10を第4のレンズ9に嵌合させる。これにより、第4のレンズが第5のレンズ10の外周部に設けられた保持枠10aに内接した状態で保持される。また、第5のレンズ10のゲート部37をレンズ支持枠21aの係合凹部38に係合させる。これにより、第5のレンズ10がレンズ支持枠21aに対して位置決めされる。このように、第5のレンズ10のゲート部37をレンズ支持枠21aの係合凹部38に係合させることで、第5のレンズ10が光軸の軸周りに回転するのを規制することが可能であり、また、ゲート部37による第5のレンズ10の光学特性の変化を一定方向にすることで補正を容易に行うことが可能である。
【0044】
以上のようにして、これら可動レンズ群11を構成する第3のレンズ8、第4のレンズ9及び第5のレンズ10が光軸方向に重ね合わされた状態でレンズ支持枠21aに対して位置決めされる。
【0045】
次に、この可動レンズ群11をレンズ支持枠21aと共にレンズ保持枠23で挟み込みながら、一対の連結片27a,27bの係止爪30をレンズ支持枠21aの係止溝29に係合させる。このとき、レンズ保持枠23に設けられた複数の爪部31が第5のレンズ10の外周部を保持することによって、環状部26の中心と第5のレンズ10の光軸とが一致した状態となる。また、レンズ保持枠23に設けられた複数の突起部28が第5のレンズ10の一面と当接されることによって、一対の連結片27a,27bを所定の弾性力でレンズ支持枠21aを挟み込む方向へと撓ませる。これにより、レンズ支持枠21aとレンズ保持枠23との間で可動レンズ群11を挟み込みながら、一対の連結片27a,27bの先端部に設けられた係止爪30をレンズ支持枠21aに設けられた係止溝29に係合させ、レンズ支持枠21aとレンズ保持枠23との間を一対の連結片27a,27bにより連結することができる。そして、レンズ支持枠21aとレンズ保持枠23との間に可動レンズ群11を保持することができる。
【0046】
一対のガイド軸22a,22bは、図3に示すように、光軸と平行に配置されており、それぞれの両端部が主鏡筒3と後部鏡筒4との間で固定支持される。このうち、一方のガイド軸22aは、図5中に示すレンズ収納空間19の左上コーナー部に位置しており、他方のガイド軸22bは、図5中に示すレンズ収納空間19の右下のコーナー部に位置している。この場合、レンズ支持部材21は、主鏡筒3に対して略45゜傾けられた状態で配置されることによって、一対のガイド軸22a,22bに対するガタツキの発生を抑制することができる。
【0047】
また、主鏡筒3の一対のガイド軸22a,22bが固定される面には、図8に示すように、一対の受部39a,39bが形成されており、これら一対の受部39a,39bは、圧入される一対のガイド軸22a,22bの先端を保持するように、内面が四方に亘って平坦化された形状を有している。
【0048】
また、一方のガイド軸22aには、図9及び図10に示すように、レンズ支持部材21を背面側に付勢する圧縮コイルバネ40が挿通されている。一方、図8に示す主鏡筒3の一方の受部39a及び図9に示すレンズ支持部材21の筒状部33の一端には、圧縮コイルバネ40の両端部と当接されるバネ受41,42がそれぞれ突出形成されている。
【0049】
そして、レンズ支持部材21は、図9及び図10に示すように、筒状部33のガイド孔32に一方のガイド軸22aが挿通され、支持片35のガイド溝34に他方のガイド軸22bが挟み込まれることによって、一対のガイド軸22a,22bに沿ってスライド可能に支持されている。
【0050】
また、レンズ支持部材21には、筒状部33の近傍から背面側に向かってカムピン43が突出形成されている。このカムピン43は、レンズ支持部材21が圧縮コイルバネ40に付勢されることによって、後述するレンズ駆動機構49のサイドカム58と当接される。また、このカムピン43は、サイドカム58との摺動性及び耐摩耗性を良くするために、その先端部が例えば半球面とされている。また、このカムピン43は、レンズ支持部材21と一体に成形されているが、サイドカム58との摺動性及び耐摩耗性に優れた材料を用いてレンズ支持部材21とは別個に作製した後に、このレンズ支持部材21に取り付けた構造としてもよい。また、圧縮コイルバネ40は、所定の面圧でカムピン43がサイドカム58と当接されるように、内周部がガイド軸22aに接触せず、且つ、圧縮された際に外周部が主鏡筒3側のバネ受41と干渉しない寸法で形成されている。
【0051】
また、このレンズ支持部材21には、後述するリセットセンサ74と協働して初期化の動作を行う突出片44が、筒状部33の近傍から前面側に向かって所定の長さで突出形成されている。さらに、レンズ支持部材21には、一対のガイド軸22a,22bに沿って前面側にスライドされた際に主鏡筒3と当接される規制突部45と、背面側にスライドされた際に後部鏡筒4と当接される規制片46とが互いに逆向きに突出形成されている。一方、主鏡筒3には、図8に示すように、このレンズ支持部材21の規制突部45と当接される受け面47が形成されている。
【0052】
また、主鏡筒3には、図11に示すように、上述した絞り12の開口12aを調節する絞り調節機構48と、上述したレンズ支持部材21を光軸方向に変位駆動するレンズ駆動機構49とが配設されている。
【0053】
絞り調節機構48は、図12に示すように、絞り12と一体に形成された第1の保持部材50と、第1の保持部材50に取り付けられた第1の駆動モータ51とを有し、第1の駆動モータ51の駆動により絞り12の開口12aを2枚のシャッタ部材(図示せず。)により調節するアイリスユニットを構成している。
【0054】
第1の保持部材50は、強度及び量産性があり且つ遮光性を有する黒色の樹脂材料等が全体略矩形平板状に成形されてなる。また、第1の保持部材50の先端部には、絞り12の開口12aが光軸と一致するように形成されている。また、第1の保持部材50には、基端部側の一方の主面に位置して、第1の駆動モータ51が光軸と平行となるように取り付けられている。一方、第1の駆動モータ51が取り付けられた面とは反対側の面には、絞り12の開口12aを調節する2枚のシャッタ部材が設けられている。これら2枚のシャッタ部材は、第1の駆動モータ51の駆動により互いに逆向きにスライドされて、開口12aの径を変化させる。
【0055】
また、第1の保持部材50の主鏡筒3と当接される面には、主鏡筒3に対して位置決めされるボス穴52が形成されている。また、第1の保持部材50の一側面部には、後述する主鏡筒3の位置決め凹部55に係合されると共に、後述する第2の保持部材61の押付片63に押し付けられる被押付片53が突出形成されている。
【0056】
一方、主鏡筒3には、図11に示すように、光軸と平行な一側面(以下、第1の側面という。)3aに、上述した絞り12を固定レンズ群7と可動レンズ群11との間に挿入するための第1の挿入口54が形成されている。また、第1の側面3aには、第1の保持部材50の被押付片53が係合される位置決め凹部55が第1の挿入口54と隣接して形成されている。また、第1の側面3aには、第1の保持部材50のボス穴52に係合されるボス56と、第1の駆動モータ51の外形に対応した切欠き部57とが形成されている。
【0057】
レンズ駆動機構49は、図13に示すように、レンズ支持部材21のカムピン43と当接されるサイドカム58と、このサイドカム58が取り付けられた駆動軸59を回転駆動する第2の駆動モータ60とを有している。
【0058】
サイドカム58は、駆動軸59の回転に応じてレンズ支持部材21を光軸方向に変位させるものであり、樹脂材料等を用いて高精度に成形されてなる。また、サイドカム58の中心部は、第2の駆動モータ60の駆動軸59に圧入若しくは接着により固定されている。なお、サイドカム58は、カムピン43との摺動性を良くするために、カムピン43と摺接される面にグリスを塗布した構成としてもよい。また、サイドカム58を摺動性に優れた材料を用いて作製し、レンズ支持部材21を耐摩耗性に優れた材料を用いて作製することによって、このようなグリスを塗布しない構成とすることもできる。
【0059】
第2の駆動モータ60は、ステッピングモータであり、供給される駆動パルスに応じて駆動軸59に取り付けられたサイドカム58の回転を駆動制御する。そして、この第2の駆動モータ60は、第2の保持部材61により支持されている。第2の保持部材61は、両端部が同一方向に折り曲げられた板金からなり、一端側に駆動軸59を貫通させた状態で第2の駆動モータ60が固定され、他端側に設けられた軸受62に駆動軸59の先端が軸支されている。
【0060】
また、第2の保持部材61の一端側には、上述した第1の保持部材50の被押付片53を主鏡筒3の第1の側面3aに押し付ける押付片63が折り曲げ形成されている。この押付片63は、所定の弾性を有するように、板金の板厚、幅、材質等が決められており、上述した主鏡筒3の位置決め凹部55に第1の保持部材50の被押付片53が係合された際の寸法バラツキを吸収する。
【0061】
また、第2の保持部材61の一端と他端との間には、主鏡筒3に対して位置決めされるボス孔64が形成されている。さらに、このボス孔64が形成された位置からは、主鏡筒3に固定される固定片65が、第2の駆動モータ60側に駆動軸59と平行となるように延長して形成されている。この固定片65には、第1の孔部66と、この第1の孔部66よりも拡径された第2の孔部67とが駆動軸59と平行な方向に沿って連続して形成されている。このうち、第1の孔部66は、主鏡筒3にネジ止めされる際の固定片65の回転を防止する長孔であり、第2の孔部67は、主鏡筒3にネジ止めされる際のネジ68を貫通させる貫通孔である。
【0062】
一方、主鏡筒3には、図11に示すように、第1の側面3a及び当該第1の側面3aと隣接する光軸と平行な一側面(以下、第2の側面という。)3bに亘って、上述したサイドカム58をレンズ収納空間19に挿入するための第2の挿入口69が形成されている。そして、主鏡筒3の内面には、この第2の挿入口69から挿入された第2の保持部材61の先端から突出する軸受62が係合される位置決め凹部70が形成されている。
【0063】
また、第2の側面3bには、上述した固定片65の第1の孔部66と係合される回転防止用の位置決め突部71と、固定片65の第2の孔部67を通してネジ68が螺合されるネジ孔72aが形成された座面突部72とが突出形成されている。位置決め突部71は、座面突部72よりも低く且つ当該ネジ孔72aに螺合されるネジ68の頭部を投影した領域内に少なくとも一部が位置している。座面突部72は、ネジ孔72aから位置決め突部71に向かって一部が切り欠かれた形状を有している。なお、これら位置決め突部71及び座面突部72は、それぞれ先端部に面取りが施されており、基端部が主鏡筒3の第2の面に対して曲面形状を有している。また、第2の側面3bには、上述した第2の保持部材61のボス孔64と係合される位置決め用のボス73が突出形成されている。
【0064】
そして、これら絞り調節機構48及びレンズ駆動機構49を主鏡筒3に取り付ける際は、先ず、主鏡筒3の第1の挿入口54から絞り12を主鏡筒3の内部に挿入する。このとき、主鏡筒3の位置決め凹部55に第1の保持部材50の被押付片53が係合され、第1の保持部材50のボス穴52に主鏡筒3のボス56が係合され、主鏡筒3の切欠き部57に第1の保持部材50に取り付けられた第1の駆動モータ51が係合される。なお、この位置決め凹部55に係合された被押付片53は、第1の側面3aと同一主面を形成している。また、図示を省略するが、主鏡筒3の内部に挿入された絞り12の先端は、主鏡筒3の内面に形成された位置決め凹部と係合されると共に、上述したレンズ取付部18とレンズ収納空間19との間を遮断することになる。これにより、絞り調節機構48は、固定レンズ群7と可動レンズ群11との間の光路上に絞り12の開口12aが位置するように、主鏡筒3に対して正確に位置決めされた状態となる。
【0065】
次に、主鏡筒3の第2の挿入口69から、サイドカム58がレンズ収納空間19に収納されたレンズ支持部材21のカムピン43と当接されるように、レンズ駆動機構49を主鏡筒3の内部に挿入する。このとき、主鏡筒3の内面に形成された位置決め凹部70に第2の保持部材61の先端から突出する軸受62が係合される。また、第2の保持部材61のボス孔64に主鏡筒3の第2の面3bに形成されたボス73が係合される。また、図14に示すように、第2の保持部材61の押付片63が第1の保持部材50の被押付片53と当接され、上述した位置決め凹部55に係合された被押付片53を主鏡筒3の第1の側面3aに所定の力量で押し付けた状態とする。また、図1及び図2に示すように、固定片65が主鏡筒3の座面突部72と当接された状態で、第2の保持部材61の第1の孔部66に主鏡筒3の位置決め突部71が係合されると共に、第2の孔部67を通してネジ孔72aにネジ68が螺合される。これにより、第2の保持部材61の固定片65が主鏡筒3の第2の側面3bに固定される。
【0066】
このように、撮像装置1では、第1の保持部材50の被押付片53が第2の保持部材61の押付片63により主鏡筒3の第1の側面3aに押し付けられた状態で、第2の保持部材61の固定片65が主鏡筒3の第2の側面3bに固定されることから、主鏡筒3に対する絞り調節機構48とレンズ駆動機構49との組付工数及び固定箇所を削減しながら、これら絞り調節機構48とレンズ駆動機構49とを主鏡筒3に対して適切に位置決め固定することが可能である。
【0067】
なお、第2の保持部材61の押付片63は、第1の保持部材50の被押付片53を主鏡筒3の第1の側面3aに押し付けることによって、主鏡筒3に対して絞り調節機構48を絞り12の挿入方向に固定すると共に、この絞り12の挿入方向と直交する方向にも固定することが可能である。
【0068】
また、この撮像装置1では、レンズ駆動機構49が主鏡筒3のレンズ収納空間19に挿入されたときに、主鏡筒3の内面に形成された位置決め凹部70に第2の保持部材61の先端から突出する軸受62が係合されることから、第2の駆動モータ60の駆動軸59の位置精度を向上させることが可能であり、サイドカム58によるレンズ支持部材21の光軸方向の移動操作を適切に行うことが可能となる。また、撮像装置1では、このようなサイドカム58からなるレンズ駆動機構49によって、レンズ支持部材21の駆動ストロークを従来よりも小さくすることが可能であり、可動レンズ群11を高分解能で変位駆動することが可能である。
【0069】
上述した絞り調節機構48及びレンズ駆動機構49が取り付けられた主鏡筒3の第1の側面3aには、図15及び図16に示すように、絞り調節機構48よりも前面側に位置してリセットセンサ74が配設されている。
【0070】
このリセットセンサ74は、上述したレンズ支持部材21の突出片44に沿った溝部75を有し、この溝部75を突出片44が通過することによって、これを感知し、電源投入時等においてレンズ駆動機構49の初期化を行う。また、このリセットセンサ74は、略矩形状のフレキシブル配線基板76にハンダ付けされており、このフレキシブル配線基板76には、上部にネジ77を貫通させる貫通孔78と、両側縁部に一対の切欠き部79とが形成されている。
【0071】
一方、主鏡筒3の第1の側面3aには、このリセットセンサ74をレンズ収納空間19に挿入するための第3の挿入口80が形成されている。また、第1の側面3aには、フレキシブル配線基板76の貫通孔78を通してネジ77が螺合されるネジ孔81と、フレキシブル配線基板76の一対の切欠き部79に係合されることによって、フレキシブル配線基板76を主鏡筒3に対して位置決めする或いはネジ止めされるフレキシブル配線基板76の回転を防止する一対の突起部82とが形成されている。
【0072】
そして、リセットセンサ74を主鏡筒3に取り付ける際は、図1に示すように、第3の挿入口80からリセットセンサ74を挿入する。このとき、フレキシブル配線基板76の一対の切欠き部79に一対の突起部82が係合された状態で、フレキシブル配線基板76の貫通孔78を通して主鏡筒3のネジ孔81にネジ77が螺合される。これにより、リセットセンサ74が取り付けられたフレキシブル配線基板76を主鏡筒3の第1の側面3aに位置決め固定することができる。
【0073】
リセットセンサ74が取り付けられた主鏡筒3には、図17及び図18に示すように、後部鏡筒4が取り付けられる。
【0074】
この後部鏡筒4は、図19,図20及び図21に示すように、強度及び量産性があり且つ遮光性を有する黒色の樹脂材料等が略矩形状に成形されてなる。また、後部鏡筒4の正面側の略中央部には、複数のレンズにより結像される被写体の像面に位置して、赤外カットフィルタ13と、ローパスカットフィルタ14と、シールゴム15と、カバーガラス16と、固体撮像素子17とが配置される矩形状の収納凹部83が形成されている。
【0075】
赤外カットフィルタ13は、近赤外光が固体撮像素子17に到達しないようにするためのものである。この赤外カットフィルタ13には、大別して2種類の方式があり、一つは、金属イオンを含有することで特定の波長(ここでは赤外光)を吸収する、いわゆる吸収フィルタと、もう一つは、誘電体の多層構造をもつ、いわゆるダイクロイックフィルタである。ローパスカットフィルタ14は、固体撮像素子17に向かう光から特定の空間周波数成分を取り出すためのものである。すなわち、複数のレンズを透過した光は、このローパスカットフィルタ14を透過することで特定の空間周波数成分のみが取り出され、この特定の空間周波数成分の光が固体撮像素子17に入射することになる。また、赤外カットフィルタ13とローパスカットフィルタ14とは、互いに貼り合わされて一体化されることによって、ひとつの光学フィルタ84を構成している。
【0076】
固体撮像素子17は、入射した光を光電変換して電気信号として出力するものであり、CCD(charge−coupled device)やCMOS(complementary mental−oxide semiconductor device)等の半導体チップ17aが、収納凹部83の底面部に形成されたチップ搭載面83aに搭載された構造を有している。このチップ搭載面83aには、半導体チップ17aの周囲に設けられた図示しない信号入出力端子と電気的に接続される複数のピン85がリードフレーム86に沿って設けられている。一方、後部鏡筒4の背面側には、この固体撮像素子17から出力される電気信号を外部の信号処理回路等に供給するために、チップ搭載面83aに設けられた複数のピン85と電気的に接続される複数の接続端子87が突出して設けられている。
【0077】
そして、この後部鏡筒4に光学フィルタ84及び固体撮像素子17を取り付ける際は、先ず、半導体チップ17aをチップ搭載面83aに位置決めした状態で、この半導体チップ17aの信号入出力端子をワイヤーボンディングやダイボンディング等によりチップ搭載面83aの複数のピン85と電気的に接続する。これにより、固体撮像素子17が後部鏡筒4に対して位置決め固定される。次に、収納凹部83の開口を閉塞するように、透明なガラス製のカバーガラス16を接着等により取り付ける。次に、この収納凹部83に矩形枠状のシールゴム15を嵌合し、このシールゴム15を介して光学フィルタ84を収納凹部83に嵌合する。そして、この収納凹部83に嵌合された光学フィルタ84を固定枠88により後部鏡筒4に固定する。
【0078】
この固定枠88は、所定の大きさの開口部88aを有し、固体撮像素子17への不要な光の侵入を防止すると共に、光学フィルタ84に当接されることによって、この光学フィルタ84をシールゴム15に押圧し、押圧されたシールゴム15の弾性力によって、カバーガラス16との間に挟持された光学フィルタ84のガタツキの発生を防止する。また、固定枠88には、後部鏡筒4に対して位置決めされる一対の切欠部89a,89bが略半円状に形成されている。
【0079】
一方、後部鏡筒4の正面側には、上述した一対のガイド軸22a,22bの他端を固定支持する一対の受部90a,90bが形成されている。これら一対の受部90a,90bは、圧入される一対のガイド軸22a,22bの他端を保持するように、内面が四方に亘って平坦化された形状を有している。
【0080】
そして、固定枠88は、この後部鏡筒4に設けられた一対の受部90a,90bに一対の切欠部89a,89bが係合された状態で、接着やスナップフィット等により後部鏡筒4の正面側に位置決め固定される。
【0081】
また、この後部鏡筒4の正面側には、図17及び図18に示すように、上述したレンズ支持部材21の規制片46と当接される規制突部91が突出形成されている。また、この後部鏡筒4の正面側には、図17中に示す左下コーナー部及び右上のコーナー部に位置して、主鏡筒3に対して位置決される一対の位置決め突部92a,92bと、主鏡筒3にネジ止めされるネジ93を貫通させる一対の貫通孔94a,94bとが、それぞれ一対の貫通孔94a,94bから順に上方又は下方に並ぶように形成されている。また、後部鏡筒4の正面側には、主鏡筒3の背面側に嵌合されるように、一対の位置決め突部92a,92b及び一対の貫通孔94a,94bの周囲が主鏡筒3の背面側の形状に対応して一段低くなされた段差部95が形成されている。また、後部鏡筒4の背面側には、この後部鏡筒4が主鏡筒3にネジ止めされた際にネジ93の頭部の突出を防ぐため、一対の貫通孔94a,94bの周囲がネジ93の頭部に対応して一段低くなされた段差部96が形成されている。一方、主鏡筒3の背面側には、一対の位置決め突部92a,92bが嵌合される位置決め穴97a,97bと、一対の貫通孔94a,94bを貫通したネジ93が螺合される一対のネジ孔98a,98bとが形成されている。
【0082】
そして、この後部鏡筒4は、図2に示すように、正面側の一対の位置決め突部92a,92bが主鏡筒3の一対の位置決め穴97a,97bに係合されることによって主鏡筒3に対して位置決めされると共に、一対の貫通孔94a,94bを通して主鏡筒3の一対のネジ孔98a,98bにネジ93が螺合されることによって、主鏡筒3の背面側に固定される。
【0083】
以上のように構成される撮像装置1では、固定レンズ群7に対してレンズ支持機構20により支持された可動レンズ群11をレンズ駆動機構49により光軸方向に変位駆動することによって、この鏡筒本体2の背面側に被写体の像を結像する。すなわち、第2の駆動モータ60の回転駆動に応じてサイドカム58が一対のガイド軸22a,22bに支持されたレンズ支持部材21を光軸方向にスライドさせる。また、このレンズ支持部材21は、一対のガイド軸22a,22bに沿って前面側にスライドされた際に、主鏡筒3の受け面47と規制突部45とが当接される一方、背面側にスライドされた際に後部鏡筒4の規制突部91と規制片46とが当接されることによって、その光軸方向の移動範囲が規制されている。このように、サイドカム58は、メカストローク以上の駆動ストロークを保証し、可動レンズ群11を高分解能で変位駆動することが可能である。そして、この撮像装置1では、複数のレンズにより結像された被写体の像を固体撮像素子17で受像し、この固体撮像素子17から出力される電気信号を処理することで、被写体の像に対応したデジタル画像データを生成することができる。
【0084】
上述した撮像装置1では、後部鏡筒4の正面側に、固体撮像素子17の半導体チップ17aが搭載されるチップ搭載面83aと、一対のガイド軸22a,22bの他端を固定支持する一対の受部90a,90bとが設けられている。したがって、後部鏡筒4に固体撮像素子17を配置する際には、例えば半導体の製造工程において通常行われる画像処理技術を用いて、基準となる一対の受部90a,90bに対する半導体チップ17aの位置検出を行いながら、この半導体チップ17aをチップ搭載面83aに高精度に位置決め固定することが可能である。
【0085】
また、この撮像装置1では、半導体チップ17aの信号入出力端子がワイヤーボンディングやダイボンディング等によりチップ搭載面83aの複数のピン85と電気的に接続されることによって、固体撮像素子17が後部鏡筒4に対して正確に位置決め固定されている。したがって、この撮像装置1では、半導体チップ17aのチップ搭載面83aに対して当接する面積を小さくし、従来のような接着時に塗布される接着剤の塗布量や塗布位置による位置ずれや傾き等の発生を防止することが可能である。
【0086】
また、この撮像装置1では、一対の金型を用いて後部鏡筒4を射出成形する際に、後部鏡筒4の正面側を一方の金型によって成形することから、この後部鏡筒4の正面側に形成されるチップ搭載面83aと一対の受部90a,90bとの間の精度を向上させることが可能である。そして、この後部鏡筒4を主鏡筒3に位置決め固定した際には、固体撮像素子17に対する一対のガイド軸22a,22bの位置や角度の精度を向上させることが可能であり、複数のレンズの光軸を固体撮像素子17の受光面に対して高精度に位置決めすることが可能である。
【0087】
したがって、この撮像装置1では、複数のレンズにより結像される被写体の像面に位置して、固体撮像素子17が高精度に位置決めされた状態で配置されていることから、固体撮像素子17の受光面に対する光軸のずれや傾きによって、片ボケやシェーディングが発生するのを防止することが可能であり、十分な解像力を得ることが可能である。
【0088】
また、この撮像装置1では、複数のレンズにより結像される被写体の像面に位置して、固体撮像素子17が高精度に位置決めされた状態で配置されていることから、従来のようなレンズ性能を過剰に向上させたり、光軸調整を行うための機構を設ける必要が無くなることから、部品点数を削減し、構造を簡素化することによって、装置全体を小型化することが可能であり、組付を容易とすることによって、低コスト化が可能である。
【0089】
また、この撮像装置1では、従来のような板金211に固体撮像素子202を接着するための接着構造を設けたり、後部鏡筒201b及び板金211にネジ止めするための締結構造を設ける必要がなくなるため、接着時や締結時の鏡筒本体201の変形によるレンズの結像性能の劣化を防ぐことが可能である。さらに、固定構造や鏡筒本体2の強度を確保するための変形防止構造も不要となることから、装置全体を小型化することが可能である。
【0090】
さらに、この撮像装置1では、上述した後部鏡筒4の構成に限定されず、図22に示す後部鏡筒4のように、チップ搭載面83aに半導体チップ17aが搭載された収納凹部83を閉塞するように、光学フィルタ84を接着等により取り付けた構造としてもよい。
【0091】
この場合、シールゴム15、カバーガラス16及び固定枠88が不要となり、固体撮像素子17を薄型化することが可能であり、可動レンズ群11の駆動ストロークを広げることも可能である。また、組立工数も削減されることから、更なる低コスト化が可能である。なお、図22に示す後部鏡筒4においては、固体撮像素子17への不要な光の侵入を防止するためのマスクを半導体チップ17a又は光学フィルタ84の表面に設けた構造としてもよい。
【0092】
また、この撮像装置1では、図23に示すように、固体撮像素子17の受光面に対する光軸のずれや傾きを防止することによって、固体撮像素子17の受光面の中心(有効画素中心O)と、レンズの光軸中心(読み出し中心O)とを高精度に一致させることが可能であり、有効画素全域Sに対する有効画面Sの手振れ補正に使用可能な領域(図中斜面で示す領域S)の幅X,Yが広がることから、有効画素全域Sから有効画面Sを切り出して適切な手振れ補正を行うことが可能である。さらに、手振れ補正の範囲を従来と同じとすることで、有効画面Sを大きくすることも可能であり、固体撮像素子17を小さくした場合でも、レンズを小型化し、有効像円径(画角)を小さくすることが可能なことから、装置全体を小型化することが可能である。
【0093】
また、上述した撮像装置1では、片ボケやシェーディングが発生するのを防止することによって、可動レンズ群11を光軸方向に変位させた際の結像性能の劣化を防止することが可能である。したがって、この撮像装置1では、結像性能を保証する範囲を広げることが可能である。
【0094】
ところで、上述した撮像装置1の光軸調整を行う際には、主鏡筒3側の位置決め穴97a,97bと後部鏡筒4側の位置決め突部92a,92bとの係合に遊びを持たせ、主鏡筒3に対して後部鏡筒4を相対的に光軸と直交する方向にずらすことによって、一対のガイド軸22a,22bを固定撮像素子17の受光面に対して傾けながら、固体撮像素子17の受光面の中心を通る中心軸と、複数のレンズの見かけ上の光軸(最適軸)とが略一致した位置にて後部鏡筒4を主鏡筒3に固定する。これにより、複数のレンズの固体撮像素子17に対する光軸調整を容易且つ適切に行うことが可能である。
【0095】
次に、図24に示す撮像装置100に本発明を適用した例について説明する。
【0096】
この撮像装置100は、鏡筒本体101に光軸を一致させた状態で配置された複数のレンズのうち、鏡筒本体101に収納されたズーミング用のレンズとフォーカス用のレンズとを光軸方向に変位させることによって、ズーミング(変倍操作)とフォーカッシング(焦点調節操作)とを行うレンズ装置に、これら複数のレンズにより結像された被写体の像を撮像する固体撮像素子を取り付けることによって、装置全体を小型パッケージ化したものである。
【0097】
鏡筒本体101は、強度及び量産性があり且つ遮光性を有する黒色の樹脂材料、例えばガラス繊維を含有するポリカーボネート樹脂等からなり、光軸の前後方向で前部鏡筒102と中間鏡筒103と後部鏡筒104とに分割された構成を有している。
【0098】
そして、前部鏡筒102は、中間鏡筒103の前面側に位置決め固定されている。具体的に、前部鏡筒102の背面側には、中間鏡筒103に対して位置決される複数の位置決め突部と、中間鏡筒にネジ止めされるネジを貫通させる複数の貫通孔とが形成されている。一方、中間鏡筒103の正面側には、これら複数の位置決め突部が嵌合される位置決め穴と、これら複数の貫通孔を貫通したネジが螺合される複数のネジ孔とが形成されている。そして、前部鏡筒102は、位置決め突部が中間鏡筒103の位置決め穴に係合されることによって中間鏡筒103に対して位置決めされると共に、貫通孔を通して中間鏡筒103のネジ孔にネジが螺合されることによって、中間鏡筒103の正面側に固定されている。
【0099】
また、後部鏡筒104は、中間鏡筒103の背面側に位置決め固定されている。具体的に、後部鏡筒104の正面側には、中間鏡筒103に対して位置決される複数の位置決め突部と、中間鏡筒103にネジ止めされるネジを貫通させる複数の貫通孔とが形成されている。一方、中間鏡筒103の背面側には、これら複数の位置決め突部が嵌合される位置決め穴と、これら複数の貫通孔を貫通したネジが螺合される複数のネジ孔とが形成されている。そして、後部鏡筒104は、位置決め突部が中間鏡筒103の位置決め穴に係合されることによって中間鏡筒103に対して位置決めされると共に、貫通孔を通して中間鏡筒103のネジ孔にネジが螺合されることによって、中間鏡筒103の背面側に固定されている。
【0100】
複数のレンズは、図25に示すように、被写体側から、前部鏡筒102に固定された第1のレンズ105、第2のレンズ106及び第3のレンズ107からなる固定レンズ群108と、中間鏡筒103の内部で光軸方向に変位駆動される第4のレンズ109、第5のレンズ110及び第6のレンズ111からなるズーム用の可動レンズ群112と、中間鏡筒103に固定された第7のレンズ(固定レンズ)113と、中間鏡筒103の内部で光軸方向に変位駆動される第8のレンズ114、第9のレンズ115及び第10のレンズ116からなるフォーカス用の可動レンズ群117とを有し、いわゆる4群インナーフォーカス式のズームレンズとして構成されている。
【0101】
固定レンズ群108は、前部鏡筒102の前面に設けられた略円筒状のレンズ取付部118に取り付けられている。また、固定レンズ113は、中間鏡筒103の内周部に設けられた略円環状のレンズ取付枠119に取り付けられている。
【0102】
一方、ズーム用の可動レンズ群112及びフォーカス用の可動レンズ群117は、レンズ支持機構によって光軸方向に移動可能に支持されている。このレンズ支持機構は、ズーム用の可動レンズ群112を支持するズーム用のレンズ支持部材120と、フォーカス用の可動レンズ群117を支持するフォーカス用のレンズ支持部材121と、これらズーム用及びフォーカス用のレンズ支持部材120,121を光軸方向にスライド可能に支持する一対のガイド軸122a,122bとを有している。
【0103】
ズーム用及びフォーカス用のレンズ支持部材120,121は、強度及び量産性があり且つ遮光性を有する黒色の樹脂材料等からなり、それぞれ可動レンズ群112,117の外周部を保持するレンズ支持枠120a,121aを有している。
【0104】
また、ズーム用のレンズ支持部材120は、一対のガイド軸122a,122bのうち、一方のガイド軸122aを挿通するガイド孔123aが形成された筒状部123と、他方のガイド軸122bを挟み込むガイド溝124aが形成された支持片124とを有し、これら筒状部123と支持片124とは、レンズ支持枠120aの外周部において互いに対向する位置から突出形成されている。そして、ズーム用のレンズ支持部材120は、筒状部123のガイド孔123aに一方のガイド軸122aが挿通され、支持片124のガイド溝124aに他方のガイド軸122bが挟み込まれることによって、固定レンズ群108と固定レンズ113との間で、一対のガイド軸122a,122bに沿ってスライド可能に支持されている。
【0105】
一方、フォーカス用のレンズ支持部材121は、一対のガイド軸122a,122bのうち、他方のガイド軸122bを挿通するガイド孔125aが形成された筒状部125と、一方のガイド軸122aを挟み込むガイド溝126aが形成された支持片126とを有し、これら筒状部125と支持片126とは、レンズ支持枠121aの外周部において互いに対向する位置から突出形成されている。そして、フォーカス用のレンズ支持部材121は、筒状部125のガイド孔125aに他方のガイド軸122bが挿通され、支持片126のガイド溝126aに一方のガイド軸122aが挟み込まれることによって、後述する絞り129と固体撮像素子131との間で、一対のガイド軸122a,122bに沿ってスライド可能に支持されている。
【0106】
一対のガイド軸122a,122bは、中間鏡筒103の内部で光軸と平行に配置されると共に、それぞれの両端部が前部鏡筒102と後部鏡筒104との間で固定支持されている。このため、前部鏡筒102には、一対のガイド軸122a,122bの一端を固定支持する一対の受部127a,127bが形成されている。また、後部鏡筒104には、一対のガイド軸122a,122bの他端を固定支持する一対の受部128a,128bが形成されている。そして、これら一対の受部127a,127b、128a,128bは、軽圧入される一対のガイド軸122a,122bの先端を保持するように、内面が四方に亘って平坦化された形状を有している。
【0107】
また、一方のガイド軸122aと他方のガイド軸122bとは、ズーム用及びフォーカス用のレンズ支持部材120,121が重力方向に対して略45゜傾けられた状態で配置されるように、鏡筒本体101内において互いに対向するコーナー部に位置して設けられている。さらに、ズーム用のレンズ支持部材120とフォーカス用のレンズ支持部材121とは、一対のガイド軸122a,122bに対して互いに180゜の位相差をもって配置されている。これにより、一対のガイド軸122a,122bに対するズーム用及びフォーカス用のレンズ支持部材120,121のガタツキの発生を抑制することが可能である。
【0108】
また、中間鏡筒103には、これらズーム用のレンズ支持部材120とフォーカス用のレンズ支持部材121とをそれぞれ一対のガイド軸122a,122bに沿って光軸方向に変位駆動するためのレンズ駆動機構が設けられている。なお、レンズ駆動機構は、上述した撮像装置1のレンズ駆動機構49と同様の構成を有するものであり、レンズ支持部材120,121に設けられたカムピンと当接されるサイドカムが駆動モータの駆動に応じて一対のガイド軸122a,122bに支持されたレンズ支持部材120,121をそれぞれ独立に光軸方向へと変位駆動する。なお、中間鏡筒103には、電源投入時等においてレンズ駆動機構の初期化を行うためのリセットセンサ等が設けられている。
【0109】
また、中間鏡筒103には、固定レンズ113とフォーカス用の可動レンズ群117との間に位置して、絞り129が配置されている。絞り129は、上述した撮像装置1の絞り調節機構48と同様に、駆動モータの駆動により絞り129の開口129aを2枚のシャッタ部材により調節するアイリスユニットを構成している。
【0110】
そして、複数のレンズにより結像される被写体の像面側には、後部鏡筒104に固定された光学フィルタ130と、固体撮像素子131とが配置されている。このため、後部鏡筒104の正面側の略中央部には、これら光学フィルタ130及び固体撮像素子131が配置される矩形状の収納凹部132が形成されている。
【0111】
光学フィルタ130は、近赤外光が固体撮像素子131に到達しないようにするための赤外カットフィルタ130aと、固体撮像素子131に向かう光から特定の空間周波数成分を取り出すためのローパスカットフィルタ130bとが貼り合わされて一体化された構造を有している。
【0112】
固体撮像素子131は、入射した光を光電変換して電気信号として出力するものであり、CCD(charge−coupled device)やCMOS(complementary mental−oxide semiconductor device)等の半導体チップ131aが、収納凹部132の底面部に形成されたチップ搭載面132aに搭載された構造を有している。このチップ搭載面132aには、図示を省略するが、半導体チップ131aの周囲に設けられた図示しない信号入出力端子と電気的に接続される複数のピンがリードフレームに沿って設けられている。一方、後部鏡筒104の背面側には、この固体撮像素子131から出力される電気信号を外部の信号処理回路等に供給するために、チップ搭載面132aに設けられた複数のピンと電気的に接続される複数の接続端子133が突出して設けられている。
【0113】
そして、この後部鏡筒104に光学フィルタ130及び固体撮像素子131を取り付ける際は、先ず、半導体チップ131aをチップ搭載面132aに位置決めした状態で、この半導体チップ131aの信号入出力端子をワイヤーボンディングやダイボンディング等によりチップ搭載面132aの複数のピンと電気的に接続する。これにより、固体撮像素子131が後部鏡筒104に対して位置決め固定される。次に、収納凹部132の開口を閉塞するように、光学フィルタ130を接着等により取り付ける。
【0114】
以上のように構成される撮像装置100では、ズーム用の可動レンズ群112を光軸方向に変位させるズーミング(変倍操作)を行いながら、複数のレンズにより結像される被写体の像面と固体撮像素子131の受光面とが一致するように、フォーカス用の可動レンズ群117を光軸方向に変位させるフォーカッシング(焦点調節操作)を行う。これにより、複数のレンズにより結像される被写体の像面と固体撮像素子131の受光面とを一致させたまま、焦点距離を連続的に変化させることができる。
【0115】
なお、この撮像装置100において、レンズが最も広角となるのは、図24中の実線で示すズーム用の可動レンズ群112が最も固定レンズ群108に近接する前面側(ワイド端)に位置するときであり、レンズが最も望遠となるのは、図24中の破線で示すズーム用の可動レンズ群112が最も固定レンズ113に近接する背面側(テレ端)に位置するときである。
【0116】
そして、この撮像装置100では、複数のレンズにより結像された被写体の像を固体撮像素子131で受像し、この固体撮像素子131から出力される電気信号を処理することで、被写体の像に対応したデジタル画像データを生成することができる。
【0117】
この撮像装置100では、上述した撮像装置1と同様に、後部鏡筒104の正面側に、固体撮像素子131の半導体チップ131aが搭載されるチップ搭載面132aと、一対のガイド軸122a,122bの他端を固定支持する一対の受部128a,128bとが設けられている。したがって、後部鏡筒104に固体撮像素子131を配置する際には、例えば半導体の製造工程において通常行われる画像処理技術を用いて、基準となる一対の受部128a,128bに対する半導体チップ131aの位置検出を行いながら、この半導体チップ131aをチップ搭載面132aに高精度に位置決め固定することが可能である。
【0118】
また、この撮像装置100では、半導体チップ131aの信号入出力端子がワイヤーボンディングやダイボンディング等によりチップ搭載面131aの複数のピンと電気的に接続されることによって、固体撮像素子131が後部鏡筒104に対して正確に位置決め固定されている。したがって、この撮像装置100では、半導体チップ131aのチップ搭載面132aに対して当接する面積を小さくし、従来のような接着時に塗布される接着剤の塗布量や塗布位置による位置ずれや傾き等の発生を防止することが可能である。
【0119】
また、この撮像装置100では、一対の金型を用いて後部鏡筒104を射出成形する際に、この後部鏡筒104の正面側を一方の金型によって成形することから、後部鏡筒104の正面側に形成されるチップ搭載面132aと一対の受部128a,128bとの間の精度を向上させることが可能である。そして、この後部鏡筒104を中間鏡筒103に位置決め固定した際には、固体撮像素子131に対する一対のガイド軸122a,122bの位置や角度の精度を向上させることが可能であり、複数のレンズの光軸を固体撮像素子131の受光面に対して高精度に位置決めすることが可能である。
【0120】
したがって、この撮像装置100では、複数のレンズにより結像される被写体の像面に位置して、固体撮像素子131が高精度に位置決めされた状態で配置されていることから、固体撮像素子131の受光面に対する光軸のずれや傾きによって、片ボケやシェーディングが発生するのを防止することが可能であり、十分な解像力を得ることが可能である。
【0121】
また、この撮像装置100では、複数のレンズにより結像される被写体の像面に位置して、固体撮像素子131が高精度に位置決めされた状態で配置されていることから、従来のようなレンズ性能を過剰に向上させたり、光軸調整を行うための機構を設ける必要が無くなることから、部品点数を削減し、構造を簡素化することによって、装置全体を小型化することが可能であり、組付を容易とすることによって、低コスト化が可能である。
【0122】
また、この撮像装置100では、従来のような板金211に固体撮像素子202を接着するための接着構造を設けたり、後部鏡筒201b及び板金211にネジ止めするための締結構造を設ける必要がなくなるため、接着時や締結時の鏡筒本体201の変形によるレンズの結像性能の劣化を防ぐことが可能である。さらに、固定構造や鏡筒本体101の強度を確保するための変形防止構造も不要となることから、装置全体を小型化することが可能である。
【0123】
また、この撮像装置100では、図23に示すように、固体撮像素子17の受光面に対する光軸のずれや傾きを防止することによって、固体撮像素子17の受光面の中心(有効画素中心O)と、レンズの光軸中心(読み出し中心O)と高精度に一致させることが可能であり、有効画素全域Sに対する有効画面Sの手振れ補正に使用可能な領域(図中斜面で示す領域S)の幅X,Yが広がることから、有効画素全域Sから有効画面Sを切り出して適切な手振れ補正を行うことが可能である。さらに、手振れ補正の範囲を従来と同じとすることで、有効画面Sを大きくすることも可能であり、固体撮像素子17を小さくした場合でも、レンズを小型化し、有効像円径(画角)を小さくすることが可能なことから、装置全体を小型化することが可能である。
【0124】
また、この撮像装置100では、片ボケやシェーディングが発生するのを防止することによって、ズーム用及びフォーカス用の可動レンズ群112,117を光軸方向に変位させた際の結像性能の劣化を防止することが可能である。したがって、結像性能を保証する範囲を広げることが可能であり、特に、この撮像装置100のようにズームレンズを構成する場合には、固体撮像素子131の受光面に対する光軸のずれや傾きを防止することによって、上述したユーザにとってフレーミングが難しくなる等の不具合が生じるのを防ぐことが可能である。
【0125】
ところで、上述した撮像装置100において、例えば一対のガイド軸122a,122bの他端を固定支持する一対の受部128a,128bに部品精度や組立精度のバラツキ等が生じた場合には、一対の受部128a,128bを支点にして一対のガイド軸122a,122bが固体撮像素子131の受光面に対して傾くことが考えられる。
【0126】
この場合、ズーム用及びフォーカス用の可動レンズ群112,117が一対のガイド軸122a,122bに連れ回されることによって、固体撮像素子131の受光面の中心を通る中心軸Aと、複数のレンズの見かけ上の光軸(最適軸)Bにとが一致せずに、図26に示すような中心軸Aに対する光軸Bの倒れが生じることになる。
【0127】
そして、この中心軸Aに対する光軸Bの倒れは、固定レンズ群108が中間鏡筒103に対してずれる方向(シフト方向)と、ズーム用及びフォーカス用の可動レンズ群112,117が傾く方向(ティルト方向)とが一致することから、必ず一対のガイド軸122a,122bが固体撮像素子131の受光面に対して傾く方向と同一方向となる。これは、固体撮像素子131の半導体チップ131aがチップ搭載面132aに対して傾いてしまった場合と光学的には同じである。
【0128】
したがって、この撮像装置100では、一対のガイド軸122a,122bが固体撮像素子131の受光面に対して傾いたとしても、複数のレンズの見かけ上の光軸Bも固体撮像素子131の受光面を基準にして倒れることから、ズーム用の可動レンズ群112をワイド端とテレ端との間で複数のレンズの最適軸Bに沿って変位させることが可能であり、ズーミングした際の中心像の移動を防止することが可能である。
【0129】
しかしながら、この中心軸Aに対する光軸Bの倒れは、一対のガイド軸122a,122bが固体撮像素子131の受光面に対して傾く方向に片ボケを生じさせてしまう。
【0130】
そこで、この撮像装置100では、前部鏡筒102側の位置決め突部と中間鏡筒103側の位置決め穴との係合に遊びを持たせ、中間鏡筒103に対して前部鏡筒102を相対的に光軸と直交する方向にずらすことによって、一対のガイド軸122a,122bを固定撮像素子131の受光面に対して傾けながら、固体撮像素子131の受光面の中心を通る中心軸Aと、複数のレンズの見かけ上の光軸(最適軸)Bとが略一致した位置にて前部鏡筒102を中間鏡筒103に固定する。これにより、複数のレンズの固体撮像素子131に対する光軸調整を容易且つ適切に行うことが可能である。
【0131】
ところで、上述した撮像装置100では、図27に示すように、固体撮像素子131の受光面の中心を通る中心軸Aと、複数のレンズの見かけ上の光軸(最適軸)Bとが高精度に一致した場合でも、ズーム用の可動レンズ群112が最適軸Bに対して所定の距離rだけずれた状態で光軸方向に変位駆動される場合も考えられる。
【0132】
ここで、複数のレンズ全体の焦点距離をf、ワイド端側における複数のレンズ全体の焦点距離をf、テレ端側における複数のレンズ全体の焦点距離をf、固定レンズ群108の焦点距離をf、ズーム用の可動レンズ群112の横倍率をβ、固定レンズ113の横倍率をβ、フォーカス用の可動レンズ群117の横倍率をβ、ワイド端側の結像面上における中心像の位置をΔZ、テレ端側の結像面上における中心像の位置をΔZ、ワイド端とテレ端との間における中心像の移動量をΔZとしたときに、下記に示す数1及び数2の関係が成り立つ。
【0133】
【数1】
Figure 2004053769
【0134】
【数2】
Figure 2004053769
【0135】
この場合、β×β×β=f/fとなるから、ΔZは、下記に示す数3で表すことができる。
【0136】
【数3】
Figure 2004053769
【0137】
以下、同様にして、ΔZは、下記に示す数4で表すことができる。
【0138】
【数4】
Figure 2004053769
【0139】
したがって、ΔZは、下記に示す数5で表すことができる。
【0140】
【数5】
Figure 2004053769
【0141】
ここで、r、fは一定であるから、ズーム用の可動レンズ群112が最適軸Bに対して所定の距離rだけずれている場合には、上述した撮像装置100において中心像の移動が発生することがわかる。但し、この中心像の移動量ΔZが十分小さく且つズーム用の可動レンズ群112のずれによる光学性能の設計値からの低下が十分に小さい場合には、ユーザの使用上問題ないものもある。
【0142】
一方、この中心像の移動量ΔZがユーザの使用上許容できないレベルにある場合には、上述した光軸調整を行った場合と同様に、中間鏡筒103に対して前部鏡筒102を相対的に光軸と直交する方向にずらし、一対のガイド軸122a,122bを固定撮像素子131の受光面に対して傾けることによって、図28に示すように、固体撮像素子131の受光面の中心を通る中心軸Aと複数のレンズの見かけ上の光軸(最適軸)Bとを略一致させた状態で、ズーム用の可動レンズ群112を最適軸Bに近づけることが可能である。
【0143】
すなわち、この撮像装置100では、一対のガイド軸122a,122bを固体撮像素子131の受光面に対して傾けた際に、複数のレンズの見かけ上の光軸Bが固体撮像素子131の受光面を基準にして同一方向に倒れることから、最適軸Bの倒れによる中心軸Aに対する軸心のずれの影響を基準となる固体撮像素子側で小さくすることが可能である。
【0144】
ここで、ズーム用の可動レンズ群112のワイド端側における見かけ上のシフト量をr、テレ端側における見かけ上のシフト量をrとすると、上述したΔZ及びΔZは、下記に示す数6及び数7となる。
【0145】
【数6】
Figure 2004053769
【0146】
【数7】
Figure 2004053769
【0147】
この場合、ΔZは、下記に示す数8となる。
【0148】
【数8】
Figure 2004053769
【0149】
したがって、この撮像装置100では、r:f=f:rという関係を満足させることによって、中心像の移動を防止することが可能である。また、この撮像装置100では、上述した中心軸Aに対する光軸Bの倒れを調整することによって、r、rを共に微小とすることが可能なことから、ズーム用の可動レンズ群112を最適軸Bに近づけて、見かけ上のシフト成分を低減することによって、中心像の移動を防止することが可能である。
【0150】
また、この撮像装置100では、上述した構成に限定されず、図29に示すように、上述した固定レンズ113がレンズ取付枠119によって中間鏡筒103の内部に固定支持された構造の代わりに、固定レンズ117を支持する固定用のレンズ支持部材134が一対のガイド軸122a,122bに固定支持された構成としてもよい。
【0151】
この固定用のレンズ支持部材134は、強度及び量産性があり且つ遮光性を有する黒色の樹脂材料等からなり、固定レンズ113の外周部を保持するレンズ支持枠134aと、一対のガイド軸122a,122bに挿通される挿通孔135a,136bが形成された一対の支持片135,136とを有し、これら一対の支持片135,136は、レンズ支持枠134aの外周部において互いに対向する位置から突出形成されている。そして、固定用のレンズ支持部材134は、一対の支持片135,136の挿通孔135a,136bに一対のガイド軸122a,122bが挿通された状態で一対のガイド軸122a,122bに固定支持されている。
【0152】
この場合、中間鏡筒103に対して前部鏡筒102を相対的に光軸と直交する方向にずらし、一対のガイド軸122a,122bを固定撮像素子131の受光面に対して傾けることによって、固定レンズ113を一対のガイド軸122a,122bと一緒に連れ回すことが可能であり、固体撮像素子131の受光面の中心を通る中心軸Aと複数のレンズの見かけ上の光軸(最適軸)Bとを高精度に一致させた状態で、ズーム用及びフォーカス用の可動レンズ群112,117と共に、固定レンズ113を最適軸Bに近づけることが可能である。
【0153】
また、この撮像装置100では、図示を省略するが、絞り129を構成するアイリスユニットについても一対のガイド軸122a,122bに固定支持された構造とし、上述した光軸調整を行う際に、絞り129が一対のガイド軸122a,122bと一緒に連れ回されることによって、固体撮像素子131の受光面の中心を通る中心軸Aと複数のレンズの見かけ上の光軸(最適軸)Bとを高精度に一致させた状態で、絞り129を最適軸Bに近づけることも可能である。
【0154】
なお、上述した撮像装置100では、後部鏡筒104側の位置決め突部と中間鏡筒103側の位置決め穴との係合に遊びを持たせ、中間鏡筒103に対して後部鏡筒104を相対的に光軸と直交する方向にずらすことによって、一対のガイド軸122a,122bを固定撮像素子131の受光面に対して傾けながら、固体撮像素子131の受光面の中心を通る中心軸Aと、複数のレンズの見かけ上の光軸(最適軸)Bとが略一致した位置にて後部鏡筒104を中間鏡筒103に固定してもよい。この場合、上述した場合と同様の効果を得ることが可能であり、複数のレンズの固体撮像素子131に対する光軸調整を容易且つ適切に行うことが可能である。
【0155】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、複数のレンズの光軸中心と固体撮像素子の受光面の中心とが高精度に位置決めされることから、固体撮像素子の受光面に対する光軸のずれや傾きの発生を防止することが可能である。したがって、固体撮像素子の受光面に対する光軸のずれや傾きによって、片ボケやシェーディングが発生するのを防止することが可能であり、十分な解像力を得ることが可能である。
【0156】
また、複数のレンズにより結像される被写体の像面に位置して、固体撮像素子が高精度に位置決めされた状態で配置されていることから、従来のようなレンズ性能を過剰に向上させたり、光軸調整を行うための機構を設ける必要が無くなることから、部品点数を削減し、構造を簡素化することによって、装置全体を小型化することが可能であり、組付を容易とすることによって、低コスト化が可能である。
【0157】
また、従来のような板金に固体撮像素子を接着するための接着構造を設けたり、後部鏡筒及び板金にネジ止めするための締結構造を設ける必要がなくなるため、接着時や締結時の鏡筒本体の変形によるレンズの結像性能の劣化を防ぐことが可能である。さらに、固定構造や鏡筒本体の強度を確保するための変形防止構造も不要となることから、装置全体を小型化することが可能である。
【0158】
また、固体撮像素子の受光面に対する光軸のずれや傾きを防止することによって、固体撮像素子の受光面の中心と、レンズの光軸中心とを高精度に一致させることが可能であり、固体撮像素子を小さくした場合でも、レンズを小型化し、有効像円径(画角)を小さくすることが可能なことから、装置全体を小型化することが可能である。
【0159】
また、片ボケやシェーディングが防止するのを防止することによって、可動レンズ群を光軸方向に変位させた際の結像性能の劣化を防止することが可能である。したがって、単焦点レンズやズームレンズにおいて結像性能を保証する範囲を広げることが可能であり、特にズームレンズにおいては、固体撮像素子の受光面に対する光軸のずれや傾きを防止することによって、上述したユーザにとってフレーミングが難しくなる等の不具合が生じるのを防ぐことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した撮像装置を前面側から見た斜視図である。
【図2】上記撮像装置を背面側から見た斜視図である。
【図3】上記撮像装置の内部構成を示す断面図である。
【図4】主鏡筒及び固定レンズ群の構成を示す斜視図である。
【図5】主鏡筒及びレンズ支持機構の構成を示す斜視図である。
【図6】レンズ支持部材、レンズ保持枠及び可動レンズ群の構成を前面側から見た斜視図である。
【図7】レンズ支持部材、レンズ保持枠及び可動レンズ群の構成を背面側から見た斜視図である。
【図8】主鏡筒の構成を示す背面図である。
【図9】レンズ支持機構及びレンズ駆動機構を前面側から見た斜視図である。
【図10】レンズ支持機構及びレンズ駆動機構を背面側から見た斜視図である。
【図11】主鏡筒、絞り調節機構及びレンズ駆動機構の構成を示す斜視図である。
【図12】絞り調節機構の構成を示す斜視図である。
【図13】レンズ駆動機構の構成を示す斜視図である。
【図14】絞り調節機構及びレンズ駆動機構の組付状態を示す斜視図である
【図15】主鏡筒とリセットセンサとの構成を示す斜視図である。
【図16】レンズ支持機構とリセットセンサの構成示す斜視図である。
【図17】主鏡筒及び後部鏡筒の構成を正面側から見た斜視図である。
【図18】主鏡筒及び後部鏡筒の構成を背面側から見た斜視図である。
【図19】後部鏡筒の構成を正面側から見た分解斜視図である。
【図20】後部鏡筒の構成を正面側から見た斜視図である。
【図21】後部鏡筒の構成を背面側から見た斜視図である。
【図22】後部鏡筒の別の構成を正面側から見た斜視図である。
【図23】有効画素中心と読み出し中心とが一致した状態を説明するための模式図である。
【図24】本発明を適用した他の撮像装置の構成を示す斜視図である。
【図25】上記他の撮像装置の内部構成を示す断面図である。
【図26】上記他の撮像装置において、中心軸Aに対する光軸Bの倒れが生じた状態を示す断面図である。
【図27】上記他の撮像装置において、ズーム用の可動レンズ群が最適軸Bに対して所定の距離rだけずれた状態を示す断面図である。
【図28】上記他の撮像装置において、中心軸Aと光軸Bとが略一致した状態を示す断面図である。
【図29】上記他の撮像装置の変形例を示す断面図である。
【図30】従来の撮像装置の構成を示す斜視図である。
【図31】従来の撮像装置の内部構成を示す断面図である。
【図32】鏡筒本体、赤外カットフィルタ、ローパスカットフィルタ及び固体撮像素子の取付構造を示す分解斜視図である。
【図33】有効画素中心と読み出し中心とのずれが生じた状態を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 撮像装置、2 鏡筒本体 3 主鏡筒、4 後部鏡筒、7 固定レンズ群、11 可動レンズ群、12 絞り、 13 赤外カットフィルタ、14 ローパスカットフィルタ、15、シールゴム、16 カバーガラス、17 固体撮像素子、17a 半導体チップ、18 レンズ取付部、19 レンズ収納空間、20 レンズ支持機構、21 レンズ支持部材、22a,22b 一対のガイド軸、23 レンズ保持枠、39a,39b 主鏡筒側の受部、40 圧縮コイルバネ、48 絞り調節機構、49 レンズ駆動機構、74 リセットセンサ、83収納凹部、83a チップ搭載面、84 光学フィルタ、88 固定枠、89a,89b 切欠部、90a,90b 後部鏡筒側の受部、92a,92b 位置決め突部、93 ネジ、94a,94b 貫通孔、97a,97b 位置決め穴、98a,98b ネジ孔、100 撮像装置、101 鏡筒本体、102 前部鏡筒、103 中間鏡筒、104 後部鏡筒、108 固定レンズ群、112 ズーム用の可動レンズ群、113 固定レンズ、117 フォーカス用の可動レンズ群、122a,122b 一対のガイド軸、127a,127b 前部鏡筒側の受部、128a,128b 後部鏡筒側の受部、129 絞り、130光学フィルタ、131 固体撮像素子、131a 半導体チップ、132 収納凹部、132a チップ搭載面

Claims (7)

  1. 被写体の像を結像させる複数のレンズと、
    上記複数のレンズが光軸を一致させた状態で配置されると共に、少なくとも光軸の前後方向で前部鏡筒と後部鏡筒とに分割される鏡筒本体と、
    上記前部鏡筒と上記後部鏡筒とに両端部が支持され、上記鏡筒本体に収納された一部のレンズを光軸方向に移動可能に支持する一対のガイド軸と、
    上記後部鏡筒に取り付けられ、上記複数のレンズにより結像された被写体の像を撮像する固体撮像素子とを備え、
    上記後部鏡筒は、上記複数のレンズにより結像される被写体の像面側に位置して、上記固体撮像素子が固定される固定部と、上記一対のガイド軸を支持する一対の受部とを有することを特徴とする撮像装置。
  2. 上記後部鏡筒は、上記前部鏡筒に対して相対的に光軸と直交する方向にずらすことが可能とされていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 上記鏡筒本体は、上記前部鏡筒と上記後部鏡筒との間に中間鏡筒を有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  4. 上記前部鏡筒及び/又は上記後部鏡筒は、上記中間鏡筒に対して相対的に光軸と直交する方向にずらすことが可能とされていることを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
  5. 上記一対のガイド軸は、上記鏡筒本体に収納されたレンズのうち、ズーム用のレンズとフォーカス用のレンズとを光軸方向に移動可能に支持することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  6. 被写体の像を結像させる複数のレンズと、上記複数のレンズが光軸を一致させた状態で配置されると共に、少なくとも光軸の前後方向で前部鏡筒と後部鏡筒とに分割される鏡筒本体と、上記前部鏡筒と上記後部鏡筒とに両端部が支持され、上記鏡筒本体に収納された一部のレンズを光軸方向に移動可能に支持する一対のガイド軸と、上記後部鏡筒に取り付けられ、上記複数のレンズにより結像された被写体の像を撮像する固体撮像素子とを備える撮像装置の光軸調整を行う際に、
    上記前部鏡筒に対して上記後部鏡筒を相対的に光軸と直交する方向にずらし、上記固定撮像素子の受光面に対して上記一対のガイド軸を傾けながら、上記固体撮像素子の受光面の中心を通る中心軸と、上記複数のレンズの光軸とが略一致した位置にて上記後部鏡筒を上記前部鏡筒に固定することを特徴とする撮像装置の調整方法。
  7. 被写体の像を結像させる複数のレンズと、上記複数のレンズが光軸を一致させた状態で配置されると共に、少なくとも光軸の前後方向で前部鏡筒と中間鏡筒と後部鏡筒とに分割される鏡筒本体と、上記前部鏡筒と上記後部鏡筒とに両端部が支持され、上記鏡筒本体に収納された一部のレンズを光軸方向に移動可能に支持する一対のガイド軸と、上記後部鏡筒に取り付けられ、上記複数のレンズにより結像された被写体の像を撮像する固体撮像素子とを備える撮像装置の光軸調整を行う際に、
    上記中間鏡筒に対して上記前部鏡筒及び/又は上記後部鏡筒を相対的に光軸と直交する方向にずらし、上記固定撮像素子の受光面に対して上記一対のガイド軸を傾けながら、上記固体撮像素子の受光面の中心を通る中心軸と、上記複数のレンズの光軸とが略一致した位置にて上記前部鏡筒及び上記後部鏡筒を上記中間鏡筒に固定することを特徴とする撮像装置の調整方法。
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