JP2010091808A - 撮像レンズユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】端子と高分子アクチュエータとの接触圧を高めて端子と高分子アクチュエータとを安定的に接続させ、かつ、撮像レンズユニットの防塵性を高める。
【解決手段】支持枠30の載置部31に端子33、高分子アクチュエータ40、端子32を順次、載置すると、端子32,33の接続端子部32a、33aは、支持枠30の段差凹部39に嵌合し、支持枠30の外周面と接続端子部32a、33aとが面一に連続する。この状態で支持枠30のボス部35にホルダ1の孔部5にボス部35を圧入し、支持枠30とホルダ1とを一体化する。ホルダ1のバネ片37により上下の端子32、33を高分子アクチュエータ40に圧接した後、ホルダ1の外面にカバー50に固定するとカバー50の側板部52によってホルダ1の開口部36が塞がれる。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学系機器における撮像レンズユニット、特に、カメラ機能を備えた携帯電話機などに組み込まれた焦点調整を自動化(オートフォーカス)した撮像レンズユニットに関する。
近年、携帯電話に搭載したカメラとしてレンズユニットの焦点調整を自動で行うオートフォーカス機能を備えたカメラが普及しつつある。このような、オートフォーカス機能を備えたカメラとして、例えば、特許文献1には、被写体の光学像を形成するための光学素子と、光学素子を所定の方向に案内し移動可能に支持するための支持機構と、光学素子を移動させるための第一と第二の高分子アクチュエータとを備え、この第一と第二の高分子アクチュエータに電圧の印加に応じて変形する高分子部を形成し、電圧の印加による前記高分子部の変形により光学素子を移動させることにより、レンズユニットの焦点調整を自動化した光学装置およびデジタルカメラが知られている。
前記デジタルカメラにおけるオートフォーカス機能は、光学レンズを移動するために二つの高分子アクチュエータを用いるとともに、高分子アクチュエータを撓ませた際、レンズ群を位置決めする構造を採用している。このため、高分子アクチュエータを撓ませた際に、レンズユニットの位置決め手段が必要であるとともに、2つの高分子アクチュエータを用いることから、部品点数も多い。このため、組付け作業に手間が掛かるとともに、例えば、携帯電話に組込む場合、小型化にも不利である。一方、携帯電話に組み込まれるカメラに用いられる撮像レンズユニットも必然的に小型・薄型化が要求される。このような携帯電話に組み込まれるオートフォーカス機能を備えた撮像レンズユニットに求められる小型・薄型化に対して本願出願人は、レンズユニットを組み込む鏡筒と、この鏡筒を光軸方向に移動自在に保持するホルダと、このホルダの支持枠と、この支持枠と前記ホルダとの間に介在する高分子アクチュエータと、端子からの電圧の印加に応じて変位する前記高分子アクチュエータに形成した複数の変位部とを備え、この高分子アクチュエータに形成した複数の変位部を鏡筒の外周面に形成した係合溝に係合させ、高分子アクチュエータで直接的にレンズユニットを駆動した撮像レンズユニットを先に特願2007−338795号で出願している。この撮像レンズユニットは、高分子アクチュエータの変位に連動してレンズユニットを光軸方向に移動してオートフォーカスする時、鏡筒をホルダに沿わせて案内するガイド機構としてホルダにガイドリブを形成し、鏡筒の外周面にガイド溝を形成し、高分子アクチュエータの変位によってレンズユニットを光軸方向に移動する際、ガイドリブに沿って鏡筒がスライド自在に案内されている。
特開2006−301203号公報
ところで、前記撮像レンズユニットは、端子からの電圧の印加に応じて高分子アクチュエータに形成した複数の変位部を変位させて、この変位部に係合する鏡筒を光軸方向に上下動させて、被写体との焦点距離を自動化(オートフォーカス)するように構成しているから、上下の端子と、この端子に挟まれた高分子アクチュエータとを安定的に接触させる構造が望まれている。このような要望に対して前記撮像レンズユニットは、支持枠とホルダの間に挟着された上下の端子と高分子アクチュエータとの接触圧を高めるために、ホルダの下部に横長な開口部を形成して弾性変形可能なバネ片を形成し、このバネ片を上下の端子と、この端子に挟まれた高分子アクチュエータを介して支持枠に圧接させる構造を採用していた。このように、ホルダの下部に弾性変形可能なバネ片を一体形成することによって、部品点数を増やすことなく、端子と高分子アクチュエータとの接触圧を高めることができる反面、ホルダにバネ片を形成するために横長な開口部を形成することから、その開口部から撮像レンズユニットの内部に細かな塵や埃が侵入しやすい。特に細かな埃が光学レンズユニットに付着してしまうと、光学性能の低下を招くことから、防塵性を高めることは、この種の撮像レンズユニットにとっては重要な課題である。また、前記撮像レンズユニットは、端子に外部からの電源を供給する必要があるため、端子の端部に外部配線部材と接続する接続端子部を一体形成していたが、この接続端子部が支持枠から水平方向に突出するように形成されているため、構造的に接続端子部が外部に突出してしまい、撮像レンズユニットの小型化を損なう、という課題を有していた。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、撮像レンズユニットの小型化を図るとともに、端子と高分子アクチュエータとの接触圧を高めて端子と高分子アクチュエータとを安定的に接続させ、かつ、撮像レンズユニットの防塵性を高めることができる撮像レンズユニットを提供することを目的とする。
請求項1の撮像レンズユニットは、鏡筒内に組み込まれるレンズユニットと、前記鏡筒を光軸方向に移動自在に保持するホルダと、このホルダの支持枠と、この支持枠と前記ホルダとの間に介在する高分子アクチュエータと、端子からの電圧の印加に応じて変位する前記高分子アクチュエータに形成した複数の変位部と、前記鏡筒の後面側に固定して前記変位部と係合可能な受部材とを備え、前記端子からの電圧の印加に応じて前記変位部を変位させ、その変位部の変位量に応じてレンズユニットを光軸方向に移動させて被写体とのピント合わせを自動化するように構成した撮像レンズユニットであって、前記ホルダと支持枠との重ね合わせ部に近接して該ホルダ又は支持枠の少なくとも一方に横長な開口部を形成して弾性変形可能なバネ片を形成し、このバネ片の付勢力によって前記端子を前記高分子アクチュエータ側に押し付けるとともに、前記支持枠に前記開口部を塞ぐカバーを設けたことを特徴とする。
請求項1の構成により、支持枠に端子、高分子アクチュエータ、端子を順次、載置して支持枠とホルダとを固定することによって、上下一対の端子の間に高分子アクチュエータがサンドイッチ状態で挟着される。この時、ホルダ又は支持枠の一方に開口部を形成して薄肉状のバネ片を形成し、この突き当て片を上下の端子の一方に押圧させることによって、上下一対の端子と高分子アクチュエータとの接触圧を高めた状態でホルダと支持枠とを固定し、この後、ホルダの外面にカバーを固定することによって、カバーでホルダの開口部が塞がれる。
請求項2の撮像レンズユニットは、前記端子の端部より外部に露出して外部配線部材と接続する接続端子部をL字状に折曲形成し、この接続端子部を前記支持枠の外周面に形成する段差凹部に収納し、前記支持枠の外周面と前記接続端子部とをほぼ面一に連続させたことを特徴とする。
請求項2の構成により、端子の接続端子部を支持枠の段差凹部に嵌合すると、支持枠の外周面と接続端子部とが面一に連続する。この接続端子部に外部配線部材を接続し、端子から高分子アクチュエータに電圧を印加すると、高分子アクチュエータの変位部が撓み、変位部の変位量に応じてレンズユニットが光軸方向に移動して被写体とのピント合わせが自動化される。
請求項3記載の撮像レンズユニットは、ホルダに係止爪を設け、この係止爪を前記カバーに形成する係止孔に係止して前記ホルダに前記カバーを保持したことを特徴とする。
ホルダにカバーを被せると、カバーに形成する係止孔がホルダの係止爪が係止してホルダにカバーが固定される。
請求項1の撮像レンズユニットによれば、鏡筒内に組み込まれるレンズユニットと、前記鏡筒を光軸方向に移動自在に保持するホルダと、このホルダの支持枠と、この支持枠と前記ホルダとの間に介在する高分子アクチュエータと、端子からの電圧の印加に応じて変位する前記高分子アクチュエータに形成した複数の変位部と、前記鏡筒の後面側に固定して前記変位部と係合可能な受部材とを備え、前記端子からの電圧の印加に応じて前記変位部を変位させ、その変位部の変位量に応じてレンズユニットを光軸方向に移動させて被写体とのピント合わせを自動化するように構成した撮像レンズユニットであって、前記ホルダと支持枠との重ね合わせ部に近接して該ホルダ又は支持枠の少なくとも一方に横長な開口部を形成して弾性変形可能なバネ片を形成し、このバネ片の付勢力によって前記端子を前記高分子アクチュエータ側に押し付けるとともに、前記支持枠に前記開口部を塞ぐカバーを設けたものであるから、ホルダ又は支持枠の一方に開口部を形成することによって薄肉状のバネ片が形成され、このバネ片を端子に押圧させることによって、上下一対の端子と高分子アクチュエータとの接触圧を高めて端子と高分子アクチュエータとを確実に接続させることができるとともに、バネ片を形成するための開口部がカバーによって塞がれ、開口部からの塵や埃の侵入を防止することができ、撮像レンズユニットの防塵性を高めることができる。
請求項2の撮像レンズユニットによれば、前記端子の端部より外部に露出して外部配線部材と接続する接続端子部をL字状に折曲形成し、この接続端子部を前記支持枠の外周面に形成する段差凹部に収納し、前記支持枠の外周面と前記接続端子部とをほぼ面一に連続させたものであるから、端子の接続端子部が水平方向に突出することなく、段差凹部に収まり、支持枠の外周面と前記端子の接続端子部とがほぼ面一に連続することから、撮像レンズユニットをよりコンパクトに小型化することができる。
請求項3記載の撮像レンズユニットによれば、ホルダに係止爪を設け、この係止爪を前記カバーに形成する係止孔に係止して前記ホルダに前記カバーを保持したものであるから、ホルダにカバーを被せてホルダの係止爪にカバーに形成する係止孔に係止するだけでカバーをワンタッチで固定することができる。
本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施例を示す撮像レンズユニットの斜視図、図2は撮像レンズユニットの分解斜視図、図3は一部を切り欠いた撮像レンズユニットの斜視図、図4は撮像レンズユニットの断面図、図5は撮像レンズユニットの組み付け手順を示す分解斜視図、図6はカバーの斜視図、図7はホルダの斜視図である。
本発明の実施例における撮像レンズユニットは、CCD等の撮像素子が組込まれたホルダ1と、複数のレンズ7で構成されるレンズユニット15と、このレンズユニット15を保持する鏡筒10と、前記ホルダ1を支持する支持枠30と、この支持枠30と前記ホルダ1との間に介在する高分子アクチュエータ40、この高分子アクチュエータ40と係合する受部材45などを主要構成部品として、前記高分子アクチュエータ40を電圧の印加に応じて変位させ前記レンズユニット15を光軸方向に移動させることによって焦点合わせを自動で行うオートフォーカス(AF)機能を備えている。なお、前記高分子アクチュエータ40を除くホルダ1、レンズ7、鏡筒10、支持枠30、受部材45は樹脂による成形品である。
前記ホルダ1の下部には矩形状の基台部2が形成され、この基台部2を、当該基台部2と同形状(矩形状の)支持枠30上に載置する。また、基台部2の上部は、四隅を切り欠いて段差部3を形成することによって八角形状の角筒部4が形成され、前記段差部3には、支持枠30を固定するための孔部5が形成されている。また、レンズユニット15を組み込む鏡筒10はバレル10aとバレルホルダ20とで構成され、前記バレル10aの外周面に雄ネジ部22を形成し、この雄ネジ部22を前記バレルホルダ20の内周面に形成した雌ネジ23に螺着することによって、バレルホルダ20にバレル10aを組み込む。この時、バレル10aのネジ込み量によって、バレル10aと、このバレル10aに一体的に組み込まれるレンズ7とが光軸方向に位置調整可能となる。また、バレル10aの上面開口部周縁に位置してテーパ状の凹面12が形成され、雄ネジ部22と雌ネジ部23との螺合によってバレルホルダ20に対するバレル10aの光軸方向の位置を調整した後、凹面12に接着剤を充填してバレルホルダ20とバレル10aとを一体化している。また、前記角筒部4の内面には複数、本実施例では3本のガイドリブ6が形成され、一方、前記バレルホルダ20に形成する矩形状の枠部8aにはガイドリブ6と係合するガイド溝8が形成され、このガイド溝8にホルダ1に形成するガイドリブ6を挿入することによってホルダ1に対してバレルホルダ20を光軸方向に案内する。これにより、バレル10aに組み付けたレンズユニット15が前記ガイドリブ6に沿って光軸方向にスライドし、かつ、ガイドリブ6とガイド溝8との係合によってホルダ1にバレルホルダ20が回り止め状態で保持される。また、ホルダ1は後述するカバー50で覆われ、支持枠30に形成するフランジ部30aとカバー50との間にガイドリブ6に沿って案内されるバレルホルダ20が配置され、そのカバー50とバレルホルダ20とでバレルホルダ20の上下動を規制するように構成している。
前記支持枠30は、ホルダ1の基台部2と同一の矩形状に形成され、前記支持枠30の上面の載置部31に端子33、高分子アクチュエータ40、端子32を介して前記ホルダ1の基台部2を載置する。また、載置部31の四隅にはボス部35が突設され、前記上下一対の端子32、33と高分子アクチュエータ40にはボス部35の基端部の段部35aと嵌合する切欠部34が形成されている。また、支持枠30の内周面には前記ホルダ1のカバー50と対向するフランジ部30aが形成され、前記ホルダ1のカバー50と支持枠30のフランジ部30aとの間に前記バレルホルダ20が配置され、カバー50とフランジ部30aとでバレルホルダ20の光軸方向の移動範囲を制限している。そして、図1に示すように、載置部31のボス部35の段部35aに端子33、高分子アクチュエータ40、端子32の切欠部34を嵌合させて載置部31上に順次、載置した状態で前記ホルダ1の孔部5にボス部35を圧入することによって、支持枠30とホルダ1とを一体的に固定する。
このように、支持枠30とホルダ1とをボス部35と孔部5との圧入嵌合によって一体化することによって、上下一対の端子32、33の間に高分子アクチュエータ40がサンドイッチ状態で挟着される。さらに、上下一対の端子32、33の間に高分子アクチュエータ40をより強固に挟着するために、前記ホルダ1の基台部2の下端縁寄りに横長な開口部36を形成することによって、前記基台部2の下端縁に薄肉状のバネ片37を形成するとともに、そのバネ片37の中央部に下方に向かって湾曲状に突出する突き当て片38を形成し、この突き当て片38を上側の端子33に押圧させる。また、前記端子32、33の縁部にはそれぞれ下方に向かってL字状に折曲した接続端子部32a、33aが一体形成され、この接続端子部32a、33aに図示しない外部配線部材を接続することによって、前記端子32、33に電源を供給している。さらに、前記支持枠30の外周面には、前記各端子32、33に形成する接続端子部32a、33aと対応して段差凹部39が形成されており、この段差凹部39に接続端子部32a、33aを嵌合させることによって、支持枠30の外周面と接続端子部32a、33aとが面一に連続する。
カバー50は前記ホルダ1を覆う薄板状であり、このカバー50は外部に露出する前記ホルダ1のほぼ全域を覆うように、前記ホルダ1の角筒部4の前面を覆う八角形状の天板部51と、この天板部51の周縁からホルダ1の基台部2の外周面を覆うように垂設した4枚の側板部52とで構成されている。前記側板部52には左右一対の係止孔53が形成されるとともに、前記ホルダ1の基台部2には、係止孔53と係合する係止爪54が形成され、ホルダ1にカバー50を被せ、ホルダ1の係止爪54にホルダ1の係止孔53を係止して、ホルダ1にカバー50に固定することによって、側板部52でホルダ1の基台部2の下端縁寄りに形成された開口部36が塞がれる。
前記高分子アクチュエータ40は、上下一対の端子32、33からの電圧の印加に応じて変位する複数の変位部41を備える。この変位部41は、変位部41間の分割溝aによって、上下方向(光軸方向)に変位可能であり、形状としてはほぼ半楕円の舌片状である。また、図4に示すように、前記バレルホルダ20の後面に凹溝24が形成され、この凹溝24に前記レンズユニット15の後方遮光として機能する前記受部材45が接着剤25によって一体的に固定され、この受部材45の外周面に形成する係合溝46に前記高分子アクチュエータ40の各変位部41を係合させ、変位部41の変位に連動して、バレルホルダ20を光軸方向に移動する。すなわち、バレルホルダ20を光軸方向に移動することによって、バレルホルダ20に螺着したバレル10aに組み込んだレンズユニット15の焦点合わせが成される。なお、変位部41の先端部を挿入係合する係合溝46は、上下面がテーパ面47となっている。さらに、受部材45の下端周縁部は、変位部41を係合溝46に誘い込むようテーパ状の案内部48が形成されている。なお、図中55は赤外線をカットするIRカットガラスである。
以上のように構成される本実施例における組立手順について主に図5を参照して説明する。まず、支持枠30の載置部31に形成するボス部35に端子33、高分子アクチュエータ40、端子32の切欠部34を通して位置決め保持する。この時、端子32,33に形成する接続端子部32a、33aは、支持枠30に形成する段差凹部39に嵌合し、支持枠30の外周面と接続端子部32a、33aとが面一に連続する。また、ホルダ1に形成するガイドリブ6にバレルホルダ20に形成するガイド溝8を嵌め入れて、予めホルダ1にバレルホルダ20を組み付けた状態で支持枠30の載置部31に形成するボス部35にホルダ1の孔部5にボス部35を圧入し、支持枠30とホルダ1とを一体化する。また、ホルダ1の孔部5にボス部35を通してホルダ1を支持枠30に組み付ける際、高分子アクチュエータ40の変位部41がバレルホルダ20の下端部に形成する案内部48に当接し、ホルダ1への支持枠30の押し込み動作に追従して変位部41は案内部48に沿って係合溝46に誘い込まれ、孔部5とボス部35との圧入嵌合によって、支持枠30とホルダ1とが完全に一体化した状態では、高分子アクチュエータ40の変位部41はバレルホルダ20の係合溝46に挿入係合する。これとともに、ホルダ1と支持枠30との間に介在する高分子アクチュエータ40が上下の端子32、33の間に挟まれて挟着保持されるとともに、ホルダ1の基台部2の下端縁に形成するバネ片37の突き当て片38が上側の端子33に圧接してバネ片37のバネ圧が上側の端子33に作用し、そのバネ片37のバネ付勢によって上下の端子32、33の間に高分子アクチュエータ40が強固に挟着される。このように、支持枠30にホルダ1とバレルホルダ20とを組み付けた後、バレルホルダ20の内周面に形成する雌ネジ部23にレンズユニット15を組み込んだバレル10aの外周に形成する雄ネジ部22を螺着した後、ホルダ1にカバー50を被せ、ホルダ1の係止爪54にホルダ1の係止孔53を係止して、ホルダ1にカバー50に固定することによって、カバー50の側板部52によってホルダ1の基台部2の下端縁寄りに形成された開口部36を塞ぐことによって撮像レンズユニットの組み付け作業が完了する。
以上のように構成される撮像レンズユニットは、端子32、33から高分子アクチュエータ40に電圧が印加されると、高分子アクチュエータ40の変位部41が撓むことによって、変位部41と係合溝46との係合によってバレルホルダ20がガイドピン6に沿って上下に移動する。これにより、バレルホルダ20に螺着したバレル10aに組み込んだレンズユニット15が光軸方向に移動して被写体とのピント合わせが自動化(オートフォーカス)される。すなわち、高分子アクチュエータ40は電圧印加に応じて変位し、自由端の変位部41が撓んで鏡筒10を介してレンズユニット15が光軸方向に移動し、被写体との焦点距離を自動的に合わせる。高分子アクチュエータ40への電圧印加が解除されると、高分子アクチュエータ40が初期状態に戻る。このように、本実施例においては、端子32、33からの電圧印加に応じて高分子アクチュエータ40の変位部41を変位させて焦点距離を合わせることから、変位部41の変位量によってレンズユニット15の焦点距離が決定する。また、変位部41によって駆動されるバレルホルダ20と、レンズユニット15を組み込んだバレル10aとが雄ネジ部22と雌ネジ部23との螺合によって組み付けられているため、バレルホルダ20へのバレル10aのネジ込み量を調整することによって、バレルホルダ20に対してバレル10aの光軸方向に位置を調整することが可能である。このため、バレルホルダ20にバレル10aをネジ込んだ状態で仮り止めし、高分子アクチュエータ40に電圧印加して高分子アクチュエータ40の変位部41を撓ませた際、バレル10aの位置を調整した後、バレルホルダ20と鏡筒10との間に形成した凹面12に接着剤などを充填して一体化することで、高分子アクチュエータ40の個体差などに起因して高分子アクチュエータ40の変位部41の変位量にバラツキが生じたとしても、バレル10aの位置が調整可能である。これにより、ピントが合った正確な位置にレンズユニット15を配置することができる。また、ホルダ1の基台部2の下端縁に形成するバネ片37の突き当て片38を上側の端子33に圧接することによってバネ片37のバネ圧が上側の端子33に作用し、そのバネ片37のバネ付勢によって上下の端子32、33の間に高分子アクチュエータ40が強固に挟着されるため、上下に端子32、33と高分子アクチュエータ40とを確実に接触させて、安定的に電気接続させることができるとともに、上側の端子33に圧接するためのバネ片37を形成するために、ホルダ1の基台部2の下端縁寄りに形成された開口部36がホルダ1に被せたカバー50の側板部52で塞がれるため、開口部36から塵や埃が撮像レンズユニットの内部に侵入することなく、撮像レンズユニットの防塵性を高めることができる。また、カバー50の固定は、ホルダ1にカバー50を被せ、ホルダ1に形成する係止爪54にホルダ1の係止孔53を係止するだけで簡単かつ迅速に固定することができ、組付作業性にも優れる。さらに、端子32、33の接続端子部32a、33aは、支持枠30に形成する段差凹部39に嵌合し、支持枠30の外周面と接続端子部32a、33aとが面一に連続することから、接続端子部32a、33aが支持枠30から突出することなく、支持枠30の外形寸法内に接続端子部32a、33aを収めることができ、撮像レンズユニットの小型化が可能となる。また、高分子アクチュエータ40の変位量によってレンズユニット15を光軸に沿って移動させて焦点調節するものであるから、例えばステッピングモーターなどによって焦点調節する構造に比べ構造の簡略化、駆動伝達機構の小型化が可能となり、携帯電話などのカメラとして組み込む場合、カメラ機構の小型化並びに薄型化が可能である。
以上のように、本実施例においては、ホルダ1の基台部2の下端縁寄りに形成された開口部36を形成して上側の端子33に圧接させるバネ片37を形成し、このバネ片37によって、上下に端子32、33と高分子アクチュエータ40とを確実に接触させて、端子32、33と高分子アクチュエータ40とを安定的に電気接続させることができるとともに、前記開口部36がホルダ1に被せたカバー50の側板部52で塞がれるため、撮像レンズユニット内への塵や埃の侵入を確実に防止して撮像レンズユニットの防塵性を高めることができる。また、端子32、33の接続端子部32a、33aを支持枠30に形成する段差凹部39に嵌合させて、支持枠30の外周面と接続端子部32a、33aとを面一に連続させることによって、接続端子部32a、33aが支持枠30から突出することなく、支持枠30の外形寸法内に接続端子部32a、33aを収めることができ、撮像レンズユニットの外形寸法を抑えることができ、撮像レンズユニットの小型化が可能となる。さらに、ホルダ1へのカバー50の取り付けは、ホルダ1にカバー50を被せ、ホルダ1の係止爪54にカバー50に形成する係止孔53に係止するだけでカバー50をワンタッチで固定することができるから、組み付け作業性にも優れる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。また、ホルダ1や支持枠30の形状や変位部41の形状、個数などは適宜選定すればよい。さらに、ホルダ1や支持枠30の固定手段などレンズユニットとしての基本的構成は適宜選定すればよい。また、前記実施例ではレンズ7を樹脂で成形した所謂、プラスチックで成形した例を示したがガラス製のレンズで成形してもよい。また、ホルダ1に開口部36を形成してホルダ1にバネ片37を形成した例を示したが、支持枠30側に開口部36を形成してもよく、さらに、開口部36に形状なども前記実施例に限るものではなく、適宜選定すればよい。
本発明の一実施例を示す撮像レンズユニットの斜視図である。 同上、図2は撮像レンズユニットの分解斜視図である。 同上、一部を切り欠いた撮像レンズユニットの斜視図である。 同上、撮像レンズユニットの断面図である。 同上、撮像レンズユニットの組み付け手順を示す分解斜視図であり、図5(a)は組み付け前のホルダ、図5(b)は端子を組み付けた状態、図5(c)は端子と高分子アクチュエータと鏡筒のバレルホルダを組み付けた状態、図5(d)は高分子アクチュエータ上に端子を組み付けた状態、図5(e)は支持枠にホルダを組み付けて固定した状態、図5(f)はホルダにカバーを組み付けた状態、図5(g)はバレルホルダにレンズユニットを組み付けて撮像レンズユニットの組み付けが完了した状態を示している。 同上、カバーの斜視図である。 同上、ホルダの斜視図である
1 ホルダ
7 レンズ
6 ガイドピン
8 ガイド溝
10 鏡筒
15 レンズユニット
20 バレルホルダ
22 雄ネジ部
23 雌ネジ部
30 支持枠
32,33 端子
41 変位部
45 受部材
50 カバー
53 係止孔
54 係止爪

Claims (3)

  1. 鏡筒内に組み込まれるレンズユニットと、前記鏡筒を光軸方向に移動自在に保持するホルダと、このホルダの支持枠と、この支持枠と前記ホルダとの間に介在する高分子アクチュエータと、端子からの電圧の印加に応じて変位する前記高分子アクチュエータに形成した複数の変位部と、前記鏡筒の後面側に固定して前記変位部と係合可能な受部材とを備え、前記端子からの電圧の印加に応じて前記変位部を変位させ、その変位部の変位量に応じてレンズユニットを光軸方向に移動させて被写体とのピント合わせを自動化するように構成した撮像レンズユニットであって、前記ホルダと支持枠との重ね合わせ部に近接して該ホルダ又は支持枠の少なくとも一方に横長な開口部を形成して弾性変形可能なバネ片を形成し、このバネ片の付勢力によって前記端子を前記高分子アクチュエータ側に押し付けるとともに、前記支持枠に前記開口部を塞ぐカバーを設けたことを特徴とする撮像レンズユニット。
  2. 前記端子の端部より外部に露出して外部配線部材と接続する接続端子部をL字状に折曲形成し、この接続端子部を前記支持枠の外周面に形成する段差凹部に収納し、前記支持枠の外周面と前記接続端子部とをほぼ面一に連続させたことを特徴とする請求項1記載の撮像レンズユニット。
  3. 前記ホルダに係止爪を設け、この係止爪を前記カバーに形成する係止孔に係止して前記ホルダに前記カバーを保持したことを特徴とする請求項3記載の撮像レンズユニット。
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