JP2004053720A - 赤外線透過フィルターの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】少ない積層数で耐久性のよい赤外線透過フィルターを生産性よく製造する。
【解決手段】イオン銃16によりイオンビームを照射しながら、あるいは基板ホルダ6と基板11を収容するチャンバー1との間に高周波プラズマを発生させながら、シリコン基板やゲルマニウム基板などの赤外線透過性基板11の少なくとも一方の面に、ゲルマニウムからなる高屈折率物質層12と、フッ化イットリウム、フッ化イッテルビウム、フッ化ネオジム、フッ化ランタンなどの希土類フッ化物からなる低屈折率物質層13を交互に電子ビーム蒸着により積層する。好ましくは基板11を100℃以上に加熱しながら積層する。
【選択図】 図1
【解決手段】イオン銃16によりイオンビームを照射しながら、あるいは基板ホルダ6と基板11を収容するチャンバー1との間に高周波プラズマを発生させながら、シリコン基板やゲルマニウム基板などの赤外線透過性基板11の少なくとも一方の面に、ゲルマニウムからなる高屈折率物質層12と、フッ化イットリウム、フッ化イッテルビウム、フッ化ネオジム、フッ化ランタンなどの希土類フッ化物からなる低屈折率物質層13を交互に電子ビーム蒸着により積層する。好ましくは基板11を100℃以上に加熱しながら積層する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は赤外線透過フィルター、特に高屈折率物質層と低屈折率物質層を交互に積層した赤外線透過フィルターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば人体検知センサーや炎検知センサーに使用される赤外線検知センサーは、その用途に応じて検出に必要とされる波長が特定されている。図5は赤外線検知センサー20の一例を示す分解斜視図である。検知センサー20は、検知素子22が配置されたセンサー本体21とカバー体23とから構成されている。カバー体23には赤外線透過フィルター10が配設されており、図6に示す如く当該フィルター10は必要としない波長の光を反射し、必要とする波長の光を透過させ、透過した光を検知素子22に入射させる。
【0003】
このような赤外線透過フィルター10として、例えば特開平1−108504号公報に開示されたものがある。当該赤外線透過フィルター10は、シリコン(Si)基板表面に、ゲルマニウム(Ge)からなる高屈折率物質層と硫化亜鉛(ZnS)からなる低屈折率物質層が交互に積層された多層膜が形成されたものである。
【0004】
この透過フィルターは、例えば図7に示すような真空蒸着装置によって形成される。基板11は、真空チャンバー1内の基板ホルダ6の所定位置に取り付けられ、駆動装置9によって所定の回転数で回転される。基板ホルダ6の背面側には、基板11を一定温度に加熱する加熱ヒータ7が備えられている。加熱蒸着機構は、蒸着物質が収納されるハース2と電子銃2を備える。多層膜の形成は、真空ポンプ5によって真空にされたチャンバー1内にて、電子銃2等により加熱蒸発させられた蒸着物質が回転している基板11に付着することにより行なわれる。なお、真空蒸着装置は、2つの蒸着物質を納める2つのハース2を備えており、それぞれのハース2に備えられたシャッター4が交互に開かれ、2種の蒸着物質が交互に蒸着される。また、光学式の膜厚モニター8によって蒸着された各層の膜厚が検知され、所定厚になれば自動的にシャッター4が閉じられ、蒸着がストップする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような真空蒸着方法により得られた多層膜の強度が弱いものであった。特にゲルマニウム層の付着強度が比較的低く、耐久性が不十分であった。また、低屈折率物質層に用いる硫化亜鉛は、真空蒸着装置内部に存在する微小な隙間に侵入、堆積しやすく、ダストを発生し、膜品質の低下を引き起こす原因ともなっていた。このため、装置内部の清掃を頻繁に行なわなければならず、生産性の低下にも繋がっていた。
【0006】
一方、ゲルマニウムの屈折率は約4、硫化亜鉛の屈折率は約2.2であって、この両者の組み合わせでは分光特性的に不十分なものである。すなわち、図8のような反射特性を示す多層反射膜を考えてみた場合、次の式1から理解されるように、積層数が多く、高屈折率物質と低屈折率物質の屈折率比(nH/nL)が大きい程反射率が高く、式2から理解されるように、高屈折率物質と低屈折率物質の屈折率比(nH/nL)が大きい程反射率の高い波長帯域(Δλ/λ)が広くなる。しかし、この程度の屈折率比では、必要な反射帯域、反射率を得ようとすれば積層する数を多くしなければならず、成膜時間や成膜材料の使用量が多くなり、成膜コストが増大してしまう。特に、低波長側の赤外線をカットするには不利なものとなっていた。
【0007】
【式1】
【0008】
【式2】
【0009】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、少ない積層数で耐久性のよい赤外線透過フィルターを生産性よく製造することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の赤外線透過フィルターの製造方法は、赤外線透過性基板の少なくとも一方の面に、ゲルマニウムからなる高屈折率物質層と希土類フッ化物からなる低屈折率物質層とを電子ビーム蒸着により交互に積層した赤外線透過フィルターの製造方法において、前記基板にイオンビームを照射しながら、前記両物質を蒸着することを特徴としている。
【0011】
また、本発明の赤外線透過フィルターの製造方法は、赤外線透過性基板の少なくとも一方の面に、ゲルマニウムからなる高屈折率物質層と希土類フッ化物からなる低屈折率物質層とを電子ビーム蒸着により交互に積層した赤外線透過フィルターの製造方法において、前記基板を保持する基板ホルダと前記基板を収容するチャンバーとの間に高周波プラズマを発生させながら、前記両物質を蒸着することを特徴としている。
【0012】
これらの方法においては、前記基板を100℃以上に加熱しながら、前記両物質を蒸着するのが望ましい。
【0013】
さらに、本発明の赤外線透過フィルターの製造方法は、赤外線透過性基板の少なくとも一方の面に、ゲルマニウムからなる高屈折率物質層と希土類フッ化物からなる低屈折率物質層とを電子ビーム蒸着により交互に積層した赤外線透過フィルターの製造方法において、前記基板を100℃以上に加熱しながら、前記両物質を蒸着することを特徴としている。
【0014】
この方法においては、前記基板を250℃よりも高い温度に加熱しながら、前記両物質を蒸着するようにしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施形態に用いられる蒸着装置の概略的構成図である。当該蒸着装置は、従来の真空蒸着装置と同様な構成であって、イオン銃16を備えている点で異なるのみである。イオン銃16は、基板ホルダ6ーに備えられた基板11に向けてイオンビーム(電子線)を照射する。第1の実施形態においては、イオンビームを基板11に照射しながら低屈折率物質層及び高屈折率物質層を交互に蒸着することを特徴とする。
【0016】
本発明においては、前記赤外線透過性基板11としてSi基板11若しくはGe基板11が好適に用いられる。また、高屈折率物質にはGeが、低屈折率物質には、フッ化イットリウム、フッ化イッテルビウム、フッ化ランタン、フッ化ネオジム、フッ化ジスプシウムなどの希土類フッ化物が用いられる。これらの蒸着物質は、チャンバー1内の2つのハース2内にそれぞれ納められる。
【0017】
基板ホルダ6上の基板11は、加熱ヒータ7によって加熱される。加熱温度は、好ましくは100℃以上、望ましくは150℃以上300℃程度までである。このとき、300℃を越えて加熱しても対温度効果は低く、実際上は150℃程度の加熱で十分である。すなわち、イオンビームを照射しない場合に比べて低い加熱温度でも十分に耐久性のある多層膜を得ることができる。
【0018】
ハース2内に入れられた蒸着物質は、それぞれ電子銃2等によって加熱蒸発し、シャッター4が開かれると基板11上に蒸着する。また、基板11上にはイオン銃16からイオンビームが照射される。イオンビームの強度は、用いられる高屈折率物質や低屈折率物質の種類によって実験的に定められるが、概ねイオン電流密度が20〜100μA/cm2、好ましくは30〜80μA/cm2、さらに望ましくは40〜60μA/cm2である。電流密度が20μA/cm2未満であれば十分なイオンビーム照射効果を得られず、100μA/cm2を越えてもそれ以上のビーム照射効果を得ることができない。
【0019】
本発明においては、基板11上にまずGeを加熱蒸着して高屈折率物質層を形成し、その後シャッター4を閉じると共に別なシャッター4を開き、希土類フッ化物を加熱蒸着して低屈折率物質層を積層する。次いで低屈折率物質側のシャッター4を閉じて高屈折率物質側のシャッター4を開いて高屈折率物質層を積層する。こうして基板11上に高屈折率物質層、低屈折率物質層、高屈折率物質層、・・・というように高屈折率物質層、低屈折率物質層を交互に積層し、図2に示すような赤外線透過フィルター10を得る。
【0020】
当該方法によれば蒸着時に基板11上にイオンビームが照射されているので、蒸着物質に多大な運動エネルギーが与えられる。この結果、緻密な蒸着膜の形成がなされると共に、蒸着膜に形成された細孔等への水の吸着が少なくなる。こうして、設計された透過波長からのシフトやフィルター10特性のバラツキを抑制できる。
【0021】
特に得られた透過フィルター10には、Geと希土類フッ化物を交互に積層した多層膜が形成されているため、高屈折率物質層と低屈折率物質層における屈折率の比(nH/nL}が大きく、少ない積層数で波長選択性、特に低波長(5000nm未満、特に4000nm以下)における赤外線を効果的にカットできる。しかも、希土類フッ化物は硫化亜鉛に比してチャンバー1内における拡散が少なく、ホコリとなってチャンバー1内隙間へ堆積することが少ない。このため、ホコリ等の混入がなくなり、より一層緻密な低屈折率物質層が得られ、耐久性のあるしかも高品質な透過フィルター10を手軽に製造できる。
【0022】
次に図3は第2の実施形態で用いられる蒸着装置の概略構成図である。当該蒸着装置も従来の蒸着装置とほぼ同様であるが、この蒸着装置は、基板ホルダ6とチャンバー1の壁との間で高周波プラズマを発生させる高周波プラズマ発生装置が備えられている。該装置は、高周波電源17及びマッチングボックス18を備え、チャンバー1内は基板11等がセットされた状態から一旦チャンバー1内が真空ポンプ5によって排気される。また、当該装置では、ハース2内から蒸散された蒸着ガス(蒸着物質)がプラズマガスとしての機能を果たす。
【0023】
この第2の実施形態においては、高周波プラズマを発生させた状態で低屈折率物質層及び高屈折率物質層を交互に蒸着形成する。基板ホルダ6上の基板11は、加熱ヒータ7により加熱されるが、このときの加熱温度は、好ましくは100℃以上、望ましくは150℃以上300℃程度までである。このとき、300℃を越えて加熱しても対温度効果は低く、実際上は150℃程度の加熱で十分である。また、プラズマ発生条件は蒸着物質に併せて適宜調整されるが、高周波出力として概ね200〜600w程度である。
【0024】
このように高周波プラズマを発生させながら両物質層を積層することにより、イオンビームを照射するのと同様に緻密な膜の形成がなされ、設計された透過波長からのシフトやフィルター10特性のバラツキを抑制できる。また、ホコリ等の混入がなくなり、より一層緻密な低屈折率物質層が得られ、耐久性のあるしかも高品質な透過フィルター10を手軽に製造できるのは言うまでもない。
【0025】
次に第3の実施形態においては、従来の装置と全く同様の装置にて行なわれるものであるが、この方法によれば基板11温度を少なくとも100℃以上、好ましくは250℃以上に加熱して、蒸着物質を蒸着することとしたものである。この方法においても、蒸着物質に大きな運動エネルギーが与えられ、緻密な膜を形成することができる。
【0026】
このように本発明のいずれの方法によっても、得られた多層膜は緻密で強固な膜であり、透過波長のバラツキの少ない透過フィルター10を得ることができる。また、設計どおりの透過波長を得ることができる。
【0027】
しかも、低屈折率物質として希土類フッ化物を使用しているので、装置内部における隙間への堆積が少なく、多層膜への異物混入が減少し、高品質の赤外線透過フィルター10を簡単に製造できる。
【0028】
【実施例】
次に以下の実施例に基づき、本発明の効果について確認した。
表1に示す条件にて、シリコン基板上に高屈折率物質層と低屈折率物質層とを交互に積層した。次いで得られた赤外線透過フィルターにつき、外観、密着度、耐湿性について評価試験を行った。外観は、剥がれやクラックの有無を目視にて観察した。密着度は、18mm幅の粘着テープ(商品名:スコッチテープ)を膜面に貼り付け。90°方向に引っ張り剥離状態を目視にて観察した。耐湿性は、熱湯中にて透過フィルターを30分間煮沸し、膜の剥がれ等を目視にて観察評価すると共に85°、85%RH下に100時間放置し、外観、分光特性の異常の有無を評価した。その結果を表1にまとめた。なお、各層における光学膜厚は表2(a)(b)に示す通りとした。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
比較例の赤外線透過フィルターでは製造時の外観そのものには問題なかったが、密着度においてクラックの発生や耐湿性において白濁の発生が見られた。一方、実施例の何れを取ってみても、外観、密着度において剥がれやクラックがなく、耐湿性についても格別異常は見られなかった。
【0032】
また、実施例及び比較例の赤外線透過フィルターにおける分光特性を図4(a)(b)に示すが、実施例ではいずれも同じような分光特性を示し、低波長側における赤外線、特に4000nm以下における赤外線を数少ない積層数で十分にカットできることが確認できた。
【0033】
【発明の効果】
本発明の赤外線透過フィルターの製造方法は、赤外線透過性基板にイオンビームを照射しながら、高屈折率物質と低屈折率物質とを蒸着することを特徴としているので、水分が少なく緻密な多層反射膜が得られる。このため、耐久性かつ設計透過波長からずれの少ない透過フィルターを容易に製造できる。
【0034】
また、本発明の赤外線透過フィルターの製造方法は、赤外線透過性基板を保持する基板ホルダと前記基板を収容するチャンバーとの間に高周波プラズマを発生させながら、高屈折率物質と低屈折率物質とを蒸着することを特徴としているので、水分が少なく緻密な多層反射膜が得られる。このため、耐久性かつ設計透過波長からずれの少ない透過フィルターを容易に製造できる。
【0035】
これらの方法においては、さらに、前記基板を100℃以上に加熱しながら、前記両物質を蒸着しているので、安定に上記赤外線透過フィルターを得ることができる。
【0036】
さらに、本発明の赤外線透過フィルターの製造方法は、赤外線透過性基板を100℃以上、望ましくは250℃よりも高い温度に加熱しながら、高屈折率物質と低屈折率物質とを蒸着することを特徴としているので、水分が少なく緻密な多層反射膜が得られる。このため、耐久性かつ設計透過波長からずれの少ない透過フィルターを容易に製造できる。
【0037】
また、これらの製造方法においては、低屈折率物質として、希土類フッ化物を用いているので、蒸着装置の隙間に蒸着物質が堆積せず、ホコリなどの異物混入が少なく、高品質の透過フィルターを簡単に製造でき、生産性を向上できる。しかも、両層の屈折率比が大きいので、少ない積層数で低波長側、特に4000nm以下の赤外線を確実にカットする赤外線透過フィルタを安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の製造方法に用いる蒸着装置を示す概略的構成図である。
【図2】同上の製造方法により得られる赤外線透過フィルターの構造図である。
【図3】本発明の第2の製造方法に用いる蒸着装置を示す概略的構成図である。
【図4】実施例及び比較例の赤外線透過フィルターにおける分光特性を示す図であって、(a)は実施例におけるもの、(b)は比較例におけるものである。
【図5】赤外線検知センサーの一例を示す分解斜視図である。
【図6】赤外線透過フィルターの機能を示す説明図である。
【図7】赤外線透過フィルターの製造方法に用いる真空蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
【図8】赤外線反射特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 チャンバー
2 ハース
3 電子銃
6 基板ホルダ
11 赤外線透過性基板
12 高屈折率物質層
13 低屈折率物質層
【発明が属する技術分野】
本発明は赤外線透過フィルター、特に高屈折率物質層と低屈折率物質層を交互に積層した赤外線透過フィルターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば人体検知センサーや炎検知センサーに使用される赤外線検知センサーは、その用途に応じて検出に必要とされる波長が特定されている。図5は赤外線検知センサー20の一例を示す分解斜視図である。検知センサー20は、検知素子22が配置されたセンサー本体21とカバー体23とから構成されている。カバー体23には赤外線透過フィルター10が配設されており、図6に示す如く当該フィルター10は必要としない波長の光を反射し、必要とする波長の光を透過させ、透過した光を検知素子22に入射させる。
【0003】
このような赤外線透過フィルター10として、例えば特開平1−108504号公報に開示されたものがある。当該赤外線透過フィルター10は、シリコン(Si)基板表面に、ゲルマニウム(Ge)からなる高屈折率物質層と硫化亜鉛(ZnS)からなる低屈折率物質層が交互に積層された多層膜が形成されたものである。
【0004】
この透過フィルターは、例えば図7に示すような真空蒸着装置によって形成される。基板11は、真空チャンバー1内の基板ホルダ6の所定位置に取り付けられ、駆動装置9によって所定の回転数で回転される。基板ホルダ6の背面側には、基板11を一定温度に加熱する加熱ヒータ7が備えられている。加熱蒸着機構は、蒸着物質が収納されるハース2と電子銃2を備える。多層膜の形成は、真空ポンプ5によって真空にされたチャンバー1内にて、電子銃2等により加熱蒸発させられた蒸着物質が回転している基板11に付着することにより行なわれる。なお、真空蒸着装置は、2つの蒸着物質を納める2つのハース2を備えており、それぞれのハース2に備えられたシャッター4が交互に開かれ、2種の蒸着物質が交互に蒸着される。また、光学式の膜厚モニター8によって蒸着された各層の膜厚が検知され、所定厚になれば自動的にシャッター4が閉じられ、蒸着がストップする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような真空蒸着方法により得られた多層膜の強度が弱いものであった。特にゲルマニウム層の付着強度が比較的低く、耐久性が不十分であった。また、低屈折率物質層に用いる硫化亜鉛は、真空蒸着装置内部に存在する微小な隙間に侵入、堆積しやすく、ダストを発生し、膜品質の低下を引き起こす原因ともなっていた。このため、装置内部の清掃を頻繁に行なわなければならず、生産性の低下にも繋がっていた。
【0006】
一方、ゲルマニウムの屈折率は約4、硫化亜鉛の屈折率は約2.2であって、この両者の組み合わせでは分光特性的に不十分なものである。すなわち、図8のような反射特性を示す多層反射膜を考えてみた場合、次の式1から理解されるように、積層数が多く、高屈折率物質と低屈折率物質の屈折率比(nH/nL)が大きい程反射率が高く、式2から理解されるように、高屈折率物質と低屈折率物質の屈折率比(nH/nL)が大きい程反射率の高い波長帯域(Δλ/λ)が広くなる。しかし、この程度の屈折率比では、必要な反射帯域、反射率を得ようとすれば積層する数を多くしなければならず、成膜時間や成膜材料の使用量が多くなり、成膜コストが増大してしまう。特に、低波長側の赤外線をカットするには不利なものとなっていた。
【0007】
【式1】
【0008】
【式2】
【0009】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、少ない積層数で耐久性のよい赤外線透過フィルターを生産性よく製造することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の赤外線透過フィルターの製造方法は、赤外線透過性基板の少なくとも一方の面に、ゲルマニウムからなる高屈折率物質層と希土類フッ化物からなる低屈折率物質層とを電子ビーム蒸着により交互に積層した赤外線透過フィルターの製造方法において、前記基板にイオンビームを照射しながら、前記両物質を蒸着することを特徴としている。
【0011】
また、本発明の赤外線透過フィルターの製造方法は、赤外線透過性基板の少なくとも一方の面に、ゲルマニウムからなる高屈折率物質層と希土類フッ化物からなる低屈折率物質層とを電子ビーム蒸着により交互に積層した赤外線透過フィルターの製造方法において、前記基板を保持する基板ホルダと前記基板を収容するチャンバーとの間に高周波プラズマを発生させながら、前記両物質を蒸着することを特徴としている。
【0012】
これらの方法においては、前記基板を100℃以上に加熱しながら、前記両物質を蒸着するのが望ましい。
【0013】
さらに、本発明の赤外線透過フィルターの製造方法は、赤外線透過性基板の少なくとも一方の面に、ゲルマニウムからなる高屈折率物質層と希土類フッ化物からなる低屈折率物質層とを電子ビーム蒸着により交互に積層した赤外線透過フィルターの製造方法において、前記基板を100℃以上に加熱しながら、前記両物質を蒸着することを特徴としている。
【0014】
この方法においては、前記基板を250℃よりも高い温度に加熱しながら、前記両物質を蒸着するようにしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施形態に用いられる蒸着装置の概略的構成図である。当該蒸着装置は、従来の真空蒸着装置と同様な構成であって、イオン銃16を備えている点で異なるのみである。イオン銃16は、基板ホルダ6ーに備えられた基板11に向けてイオンビーム(電子線)を照射する。第1の実施形態においては、イオンビームを基板11に照射しながら低屈折率物質層及び高屈折率物質層を交互に蒸着することを特徴とする。
【0016】
本発明においては、前記赤外線透過性基板11としてSi基板11若しくはGe基板11が好適に用いられる。また、高屈折率物質にはGeが、低屈折率物質には、フッ化イットリウム、フッ化イッテルビウム、フッ化ランタン、フッ化ネオジム、フッ化ジスプシウムなどの希土類フッ化物が用いられる。これらの蒸着物質は、チャンバー1内の2つのハース2内にそれぞれ納められる。
【0017】
基板ホルダ6上の基板11は、加熱ヒータ7によって加熱される。加熱温度は、好ましくは100℃以上、望ましくは150℃以上300℃程度までである。このとき、300℃を越えて加熱しても対温度効果は低く、実際上は150℃程度の加熱で十分である。すなわち、イオンビームを照射しない場合に比べて低い加熱温度でも十分に耐久性のある多層膜を得ることができる。
【0018】
ハース2内に入れられた蒸着物質は、それぞれ電子銃2等によって加熱蒸発し、シャッター4が開かれると基板11上に蒸着する。また、基板11上にはイオン銃16からイオンビームが照射される。イオンビームの強度は、用いられる高屈折率物質や低屈折率物質の種類によって実験的に定められるが、概ねイオン電流密度が20〜100μA/cm2、好ましくは30〜80μA/cm2、さらに望ましくは40〜60μA/cm2である。電流密度が20μA/cm2未満であれば十分なイオンビーム照射効果を得られず、100μA/cm2を越えてもそれ以上のビーム照射効果を得ることができない。
【0019】
本発明においては、基板11上にまずGeを加熱蒸着して高屈折率物質層を形成し、その後シャッター4を閉じると共に別なシャッター4を開き、希土類フッ化物を加熱蒸着して低屈折率物質層を積層する。次いで低屈折率物質側のシャッター4を閉じて高屈折率物質側のシャッター4を開いて高屈折率物質層を積層する。こうして基板11上に高屈折率物質層、低屈折率物質層、高屈折率物質層、・・・というように高屈折率物質層、低屈折率物質層を交互に積層し、図2に示すような赤外線透過フィルター10を得る。
【0020】
当該方法によれば蒸着時に基板11上にイオンビームが照射されているので、蒸着物質に多大な運動エネルギーが与えられる。この結果、緻密な蒸着膜の形成がなされると共に、蒸着膜に形成された細孔等への水の吸着が少なくなる。こうして、設計された透過波長からのシフトやフィルター10特性のバラツキを抑制できる。
【0021】
特に得られた透過フィルター10には、Geと希土類フッ化物を交互に積層した多層膜が形成されているため、高屈折率物質層と低屈折率物質層における屈折率の比(nH/nL}が大きく、少ない積層数で波長選択性、特に低波長(5000nm未満、特に4000nm以下)における赤外線を効果的にカットできる。しかも、希土類フッ化物は硫化亜鉛に比してチャンバー1内における拡散が少なく、ホコリとなってチャンバー1内隙間へ堆積することが少ない。このため、ホコリ等の混入がなくなり、より一層緻密な低屈折率物質層が得られ、耐久性のあるしかも高品質な透過フィルター10を手軽に製造できる。
【0022】
次に図3は第2の実施形態で用いられる蒸着装置の概略構成図である。当該蒸着装置も従来の蒸着装置とほぼ同様であるが、この蒸着装置は、基板ホルダ6とチャンバー1の壁との間で高周波プラズマを発生させる高周波プラズマ発生装置が備えられている。該装置は、高周波電源17及びマッチングボックス18を備え、チャンバー1内は基板11等がセットされた状態から一旦チャンバー1内が真空ポンプ5によって排気される。また、当該装置では、ハース2内から蒸散された蒸着ガス(蒸着物質)がプラズマガスとしての機能を果たす。
【0023】
この第2の実施形態においては、高周波プラズマを発生させた状態で低屈折率物質層及び高屈折率物質層を交互に蒸着形成する。基板ホルダ6上の基板11は、加熱ヒータ7により加熱されるが、このときの加熱温度は、好ましくは100℃以上、望ましくは150℃以上300℃程度までである。このとき、300℃を越えて加熱しても対温度効果は低く、実際上は150℃程度の加熱で十分である。また、プラズマ発生条件は蒸着物質に併せて適宜調整されるが、高周波出力として概ね200〜600w程度である。
【0024】
このように高周波プラズマを発生させながら両物質層を積層することにより、イオンビームを照射するのと同様に緻密な膜の形成がなされ、設計された透過波長からのシフトやフィルター10特性のバラツキを抑制できる。また、ホコリ等の混入がなくなり、より一層緻密な低屈折率物質層が得られ、耐久性のあるしかも高品質な透過フィルター10を手軽に製造できるのは言うまでもない。
【0025】
次に第3の実施形態においては、従来の装置と全く同様の装置にて行なわれるものであるが、この方法によれば基板11温度を少なくとも100℃以上、好ましくは250℃以上に加熱して、蒸着物質を蒸着することとしたものである。この方法においても、蒸着物質に大きな運動エネルギーが与えられ、緻密な膜を形成することができる。
【0026】
このように本発明のいずれの方法によっても、得られた多層膜は緻密で強固な膜であり、透過波長のバラツキの少ない透過フィルター10を得ることができる。また、設計どおりの透過波長を得ることができる。
【0027】
しかも、低屈折率物質として希土類フッ化物を使用しているので、装置内部における隙間への堆積が少なく、多層膜への異物混入が減少し、高品質の赤外線透過フィルター10を簡単に製造できる。
【0028】
【実施例】
次に以下の実施例に基づき、本発明の効果について確認した。
表1に示す条件にて、シリコン基板上に高屈折率物質層と低屈折率物質層とを交互に積層した。次いで得られた赤外線透過フィルターにつき、外観、密着度、耐湿性について評価試験を行った。外観は、剥がれやクラックの有無を目視にて観察した。密着度は、18mm幅の粘着テープ(商品名:スコッチテープ)を膜面に貼り付け。90°方向に引っ張り剥離状態を目視にて観察した。耐湿性は、熱湯中にて透過フィルターを30分間煮沸し、膜の剥がれ等を目視にて観察評価すると共に85°、85%RH下に100時間放置し、外観、分光特性の異常の有無を評価した。その結果を表1にまとめた。なお、各層における光学膜厚は表2(a)(b)に示す通りとした。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
比較例の赤外線透過フィルターでは製造時の外観そのものには問題なかったが、密着度においてクラックの発生や耐湿性において白濁の発生が見られた。一方、実施例の何れを取ってみても、外観、密着度において剥がれやクラックがなく、耐湿性についても格別異常は見られなかった。
【0032】
また、実施例及び比較例の赤外線透過フィルターにおける分光特性を図4(a)(b)に示すが、実施例ではいずれも同じような分光特性を示し、低波長側における赤外線、特に4000nm以下における赤外線を数少ない積層数で十分にカットできることが確認できた。
【0033】
【発明の効果】
本発明の赤外線透過フィルターの製造方法は、赤外線透過性基板にイオンビームを照射しながら、高屈折率物質と低屈折率物質とを蒸着することを特徴としているので、水分が少なく緻密な多層反射膜が得られる。このため、耐久性かつ設計透過波長からずれの少ない透過フィルターを容易に製造できる。
【0034】
また、本発明の赤外線透過フィルターの製造方法は、赤外線透過性基板を保持する基板ホルダと前記基板を収容するチャンバーとの間に高周波プラズマを発生させながら、高屈折率物質と低屈折率物質とを蒸着することを特徴としているので、水分が少なく緻密な多層反射膜が得られる。このため、耐久性かつ設計透過波長からずれの少ない透過フィルターを容易に製造できる。
【0035】
これらの方法においては、さらに、前記基板を100℃以上に加熱しながら、前記両物質を蒸着しているので、安定に上記赤外線透過フィルターを得ることができる。
【0036】
さらに、本発明の赤外線透過フィルターの製造方法は、赤外線透過性基板を100℃以上、望ましくは250℃よりも高い温度に加熱しながら、高屈折率物質と低屈折率物質とを蒸着することを特徴としているので、水分が少なく緻密な多層反射膜が得られる。このため、耐久性かつ設計透過波長からずれの少ない透過フィルターを容易に製造できる。
【0037】
また、これらの製造方法においては、低屈折率物質として、希土類フッ化物を用いているので、蒸着装置の隙間に蒸着物質が堆積せず、ホコリなどの異物混入が少なく、高品質の透過フィルターを簡単に製造でき、生産性を向上できる。しかも、両層の屈折率比が大きいので、少ない積層数で低波長側、特に4000nm以下の赤外線を確実にカットする赤外線透過フィルタを安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の製造方法に用いる蒸着装置を示す概略的構成図である。
【図2】同上の製造方法により得られる赤外線透過フィルターの構造図である。
【図3】本発明の第2の製造方法に用いる蒸着装置を示す概略的構成図である。
【図4】実施例及び比較例の赤外線透過フィルターにおける分光特性を示す図であって、(a)は実施例におけるもの、(b)は比較例におけるものである。
【図5】赤外線検知センサーの一例を示す分解斜視図である。
【図6】赤外線透過フィルターの機能を示す説明図である。
【図7】赤外線透過フィルターの製造方法に用いる真空蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。
【図8】赤外線反射特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 チャンバー
2 ハース
3 電子銃
6 基板ホルダ
11 赤外線透過性基板
12 高屈折率物質層
13 低屈折率物質層
Claims (5)
- 赤外線透過性基板の少なくとも一方の面に、ゲルマニウムからなる高屈折率物質層と希土類フッ化物からなる低屈折率物質層とを電子ビーム蒸着により交互に積層した赤外線透過フィルターの製造方法において、
前記基板にイオンビームを照射しながら、前記両物質を蒸着することを特徴とする赤外線透過フィルターの製造方法。 - 赤外線透過性基板の少なくとも一方の面に、ゲルマニウムからなる高屈折率物質層と希土類フッ化物からなる低屈折率物質層とを電子ビーム蒸着により交互に積層した赤外線透過フィルターの製造方法において、
前記基板を保持する基板ホルダと前記基板を収容するチャンバーとの間に高周波プラズマを発生させながら、前記両物質を蒸着することを特徴とする赤外線透過フィルターの製造方法。 - 前記基板を100℃以上に加熱しながら、前記両物質を蒸着することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の赤外線透過フィルターの製造方法。
- 赤外線透過性基板の少なくとも一方の面に、ゲルマニウムからなる高屈折率物質層と希土類フッ化物からなる低屈折率物質層とを電子ビーム蒸着により交互に積層した赤外線透過フィルターの製造方法において、
前記基板を100℃以上に加熱しながら、前記両物質を蒸着することを特徴とする赤外線透過フィルターの製造方法。 - 前記基板を250℃よりも高い温度に加熱しながら、前記両物質を蒸着することを特徴とする請求項4に記載の赤外線透過フィルターの製造方法。
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