JP2004053711A - トナーおよび画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の画像形成方法は、静電潜像坦持体とトナー担持体とを対向配置し、静電潜像坦持体における静電潜像を非接触AC現像方式により現像して静電潜像担持体上にトナー像を形成し、得られたトナー像を中間転写体または出力用紙である転写材上に圧接転写する画像形成方法において、該トナーが、トナー母粒子表面を焔内加水分解法により得られる酸化アルミニウム−二酸化珪素混合酸化物粒子からなる外添粒子により被覆されたトナーとすることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電潜像坦持体上に形成されたトナー像を転写材上に圧接転写する画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置として、潜像坦持体である感光体ドラムや感光体ベルト等の感光体を画像形成装置の本体に回転可能に支持し、画像形成動作時には感光体における感光層に露光により静電潜像を形成した後、この潜像をトナー担持体に担持されたトナーによって接触方式または非接触方式で可視像化し、次いでその可視像をコロナ転写や転写ローラを使用して転写材に直接転写する方式や、また、転写ドラムまたは転写ベルト等の中間転写媒体に可視像を一旦転写した後、転写材に再転写する方式がある。
【0003】
カラー画像形成装置としては複数の感光体や現像機構を用い、転写ベルトや転写ドラム上の可視化像を紙等の転写材上に複数の色画像を順次重ね合わせて転写し、定着する方式が知られている。これらの方式においてベルトを使用するものはタンデム方式、ドラムを使用するものは転写ドラム方式として分類されている。また、これとは別に中間転写媒体上に色画像を順次一次転写し、その一次転写画像を一括して転写材上に二次転写する中間転写方式も知られている。
【0004】
これらの画像形成装置にあっては、ソリッド画像濃度を十分に得るためにトナー担持体の周速度を感光体の周速度より大きく設置するのが一般的であるが、露光主走査方向のライン画像は、ソリッド画像におけるトナーよりもトナー担持体と感光体との周速比分だけ多くのトナー量が潜像面に搬送され像形成されるために、必要以上にトナー層が多層化されて厚くなる傾向がある。また、露光副走査方向のライン画像はライン後端が所謂エッジ効果により必要以上にトナー層が高くなり、転写時にトナー層がライン幅方向に広がる「後端太り」が生じ易い。
【0005】
感光体上に形成されたトナー像を中間転写体や出力用紙上に圧接転写する転写法においては、必要以上にトナーが高くなる部分には感光体と中間転写または出力用紙の接触部に当接荷重が集中しやすく、転写後の画像に「中抜け」と言われるボイド状の転写不良が発生し易い欠点がある。特に、露光副走査方向のライン画像を形成するトナー層は、接触部材がライン画像の直角方向に押圧するため、露光主走査方向のライン画像よりもトナー層が厚くならなくとも荷重がライン画像部に集中し易く、「中抜け」が特に発生しやすい傾向にある。
【0006】
このような圧接転写方法において「中抜け」を防止する技術として、例えば転写装置構成として、感光体と転写媒体(中間転写体や出力用紙)とを低圧で接触させる構成とし、トナー層を機械的に圧縮することなく静電気的に転写するモードを支配的にすることで、トナー層に加わるミクロ的な荷重分布差で生じるトナー層内部凝集力やトナー層と接触する部材との界面付着力の差異に起因する「中抜け」欠陥を回避する提案がなされているが、転写媒体を均一に当接することが困難であるために左右不均一になりやすく、また、圧力による転写の機械的アシストが得られないために、転写効率が低下しやすく、転写良好域が狭いという問題がある。
【0007】
また、別の転写装置構成として、感光体と転写媒体(中間転写体や出力用紙)とを速度差を設ける構成とし、感光体と転写媒体との接触部を僅かな速度差をもって移動させることにより、トナー層を転写時に剪断により崩壊させながらトナー層の高さが小さくなるように転写体に移行させることで、トナー層に発生するミクロ的な荷重分布差を低減して「中抜け」欠陥を回避させるとする提案がなされているが、感光体と転写媒体との速度差で生じるトナー層の剪断による影響で、トナーが移動しやい方向に散乱し、特にライン画像や文字画像に「太り」や「滲み」等の欠陥が生じやすいという問題がある。
【0008】
また、トナー構成として、トナー母粒子に小粒径シリカを外添したり、トナーを球形化したりしてトナーの流動性を高め、感光体と転写媒体との接触部でトナー層に荷重が加わる際に、高い流動性を有するトナーが転写荷重を開放する方向に容易に移動させトナー層の高さが小さくなるように転写体に移行させることにより、トナー層に発生するミクロ的な荷重分布差を低減させて「中抜け」欠陥を回避させるとする提案がなされているが、特に、トナーを多層化(二次色化)して層厚を増加させるような場合には、依然として、ライン画像や文字画像に「太り」や「滲み」等の欠陥が生じ易いという問題がある。
【0009】
また、別のトナー構成として、トナー母粒子をシリコンオイルで表面処理したシリカ微粒子により被覆したトナーとすることにより、トナー層と接触する感光体や中間転写体等との界面付着力をシリコンオイルの潤滑性により低減し、界面付着力に起因する「中抜け」欠陥を回避させるという提案がなされているが、トナーの流動性が低下することにより供給ローラによる現像ローラへのトナーの供給性能が低下し、連続したベタ画像を形成する際にトナー供給量不足を生じ、画像後端に濃度低下や五月雨状の濃度ムラ(供給遅れ)が発生するという問題がある。
【0010】
また、中間転写体方式を採用する画像形成方法においては、中間転写体の感光体に対する離当接時に生じる速度変動や、中間転写体に設けられるクリーナ離当接時に起因する帯状の濃度ムラ(バンディング)や画像の位置ズレ(レジストズレ)等の問題が生じるという問題があり、また、転写残トナーのクリーニング性能の向上を図るためには、中間転写体としては摩擦係数(μ)の低いものを使用することが必要であるが、摩擦係数(μ)の低い中間転写体を使用すると、「中抜け」が発生しやいという問題があり、摩擦係数(μ)の低い中間転写体を使用するにあたっては「中抜け」の問題の解消が不可欠である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、「中抜け」を含む画像欠陥を解消して、細部の画像バランスの向上を可能とすると共に、転写効率の低下を防止でき、廃トナーの減少を可能とし、また、中間転写方式におけるクリーナー離当接バンディングやレジストズレを防止でき、中間転写体およびクリーニングブレードの長寿命化を図る画像形成方法の提供を課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像形成方法は、静電潜像坦持体とトナー担持体とを対向配置し、静電潜像坦持体における静電潜像を非接触AC現像方式により現像して静電潜像担持体上にトナー像を形成し、得られたトナー像を転写材上に圧接転写する画像形成方法において、該トナーが、トナー母粒子表面を焔内加水分解法により得られる酸化アルミニウム−二酸化珪素混合酸化物粒子からなる外添粒子により被覆したトナーであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の画像形成方法は、静電潜像坦持体とトナー担持体とを対向配置し、静電潜像坦持体における静電潜像を非接触AC現像方式により現像して静電潜像担持体上にトナー像を形成し、得られたトナー像を中間転写体上に圧接転写し、該圧接転写により形成された中間転写体上のトナー像を転写材上に圧接転写する画像形成方法において、該トナーが、トナー母粒子表面を焔内加水分解法により得られる酸化アルミニウム−二酸化珪素混合酸化物粒子からなる外添粒子により被覆したトナーであり、かつ、感光体とトナー像との摩擦係数をμp、中間転写体とトナー像との摩擦係数をμbとしたときμp>μbの関係を満たすものであることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の画像形成方法で使用される画像形成装置の一例である。図1中、1は感光ドラム、2は帯電器、3は露光器、4はクリーナ、5は現像装置、6は転写装置、7は定着装置である。
【0015】
図2は、図1における現像装置5の拡大図であり、51は現像ローラ、52は供給ローラ、53は規制ブレード、54はシールであり、現像ローラ51は、図1において感光体ドラム1と現像ギャップを介して非接触状態で配置されている。
【0016】
図3は、図1における転写装置6の拡大図であり、1は感光体ドラム、61は中間転写ベルト、62はクリーニング装置、63は一次転写バックアップローラ、64は駆動ローラ、65は転写クリーナローラ、66はサポートローラ、67はテンションローラ、68は二次転写ガイド、69は二次転写ローラ、Sは用紙である。
【0017】
図4は、図1における定着装置7の拡大図であり、71は加熱ローラ、72はハロゲンランプ、73は加圧ローラ、74は定着紙ガイド、75は加圧ローラ剥離板、76は加熱ローラ剥離板、Sは用紙である。
【0018】
本発明におけるトナーは、離型剤を含有するトナー母粒子と、外添粒子である焔内加水分解法により得られる酸化アルミニウム−二酸化珪素混合酸化物粒子(以下、混合酸化物粒子)からなるものである。
【0019】
トナー母粒子としては、溶融混練粉砕法(以下、粉砕法)で得た粒子状の混合物、あるいは重合法により直接合成して得た粒子状の合成物、あるいは溶剤分散法により微粒子化した粒子状の混合物を用いることができる。また、本発明における外添剤とトナー母粒子とを混合して得るトナーは、トナーのみからなる1成分系現像剤として用いることができ、また、キャリアとトナーとからなる2成分系現像剤として用いることができる。
【0020】
粉砕法によるトナー母粒子は、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型剤などからなる原料を予備混合の後に溶融混練、粉砕、分級などの工程を経て得られる粒子状の混合物である。結着樹脂としては、ポリスチレンまたはその共重合体、水素添加スチレン樹脂、スチレン・イソブチレン共重合体、ABS樹脂、ASA樹脂、AS樹脂、AAS樹脂、スチレン・p−クロロスチレン共重合体、スチレン・プロピレン共重合体、スチレン・ブタジエン架橋ポリマー、スチレン・ブタジエン・水素化パラフィン共重合体、スチレン・ブタジエンゴムエマルジョン、スチレン・マレイン酸エステル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・アクリル系樹脂およびその共重合体、例えば、スチレン・アクリル共重合体、スチレン・ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル酸エステル共重合体、スチレン・メチルメタクリレート共重合体、スチレン・n−ブチルメタクリレート共重合体、スチレン・メチルメタクリレート・n−ブチルアクリレート共重合体、スチレン・メチルメタクリレート・ブチルアクリレート・N−(エトキシメチル)アクリルアミド共重合体、スチレン・アクリル酸エステル・マレイン酸エステル共重合体、スチレン・n−ブチルメタクリレート・アクリル酸共重合体、ポリエステルまたはその共重合体、ポリエチレンまたはその共重合体、ポリプロピレンまたはその共重合体、環状ポリオレフィン、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリビニルブチラール等であり、これらを1種類あるいは2種類以上を混合して用いことができ、体積平均粒径で1〜15μm、好ましくは3〜10μmのものである。
【0021】
重合法によるトナー母粒子は、重合性単量体に着色剤、帯電制御剤、離型剤、重合開始剤、あるいは分散剤や架橋剤を加えて均一分散、あるいは溶解せしめて単量体組成物とした後に、連続した液相からなる媒体(例えば水相媒体)中に滴下して分散機により前記単量体組成物を微細な液滴状に懸濁させて、重合を進行させることによって得られる体積平均粒径で1〜15μm、好ましくは3〜10μmの粒子状の合成物である。重合性単量体としては、スチレン、o(m、p)−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸、またはメタアクリル酸エステル系単量体、ブタジエン、イソプレン、シクロヘキサン、アクリロニトリル、アクリル酸アミド等のエン系単量体を用いることができる。また、これらの重合性単量体を重合して得た粒子を内核粒子として、外殻にスチレン・(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体などの樹脂層を形成することもできる。
【0022】
着色剤としては、黒色系着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化チタン、四三酸化鉄、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、スピリットブラック、ニグロシンなどの黒色系顔料または染料を用いることができる。黄色系着色剤としては、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG、黄鉛、亜鉛華、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエローなどの黄色系顔料または染料を用いることができる。赤色系着色剤としては、ウオッチングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ、ベンガラ、カドミウムレッドなどの赤色顔料または染料を用いることができる。青色系着色剤としては、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、紺青、コバルトブルー、メチレンブルーなどの青色顔料または染料を用いることができ、また、上記の着色剤は単独、または2種類以上を混合して用いることができる。さらに、上記に示した着色剤の他に橙色系着色剤、紫色系着色剤、緑色系着色剤、白色系着色剤を単独、または2種類以上を混合して用いることができる。これらは、結着樹脂あるいは重合性単量体に対して1〜10重量%、好ましくは3〜8重量%添加することが好ましい。
【0023】
離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、あるいはそれらのブロック共重合体を用いことができる。また、カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステル系ワックスを用いることができる。また、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖アルキル基を有する飽和直鎖脂肪酸類、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリンアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖アルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類のような飽和アルコール類、ソルビトールのような多価アルコール類、リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドのような脂肪酸アミド類、ステリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムのような脂肪酸金属塩を用いることができる。これらは単独、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。これらは結着樹脂あるいは重合性単量体に対して1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%添加される。
【0024】
帯電制御剤としては、Cr錯体、Zn錯体、Fe錯体、Al錯体等の金属錯体系染料、第四級アンモニウム塩化合物やニグロシン系化合物、トリフェニルメタン系顔料等を用いることができ、単独、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。帯電制御剤は、結着樹脂あいは重合性単量体に対して0.5〜5重量%、好ましくは1〜3重量%添加することが好ましい。
【0025】
本発明における外添粒子は、転写工程で生じる「中抜け」欠陥の防止を目的として、少なくとも混合酸化物粒子からなる外添粒子を使用する。混合酸化物粒子は、焔内加水分解法により形成されることにより、同一粒子内にシリカとアルミナが融着混在した状態にあるもので、単に、シリカ粒子とアルミナ粒子とを機械的に混合したものとは相違する。混合酸化物粒子におけるアルミナ:シリカ(重量%)の組成比は50〜90:10〜50である。
【0026】
混合酸化物粒子における一次粒子の体積平均粒径としては、0.001〜1μmの範囲であるが、好ましくは、0.01〜0.05μm(10〜50nm)の範囲にあり、粒度分布として0.001〜0.1μmの範囲で、ブロードな粒度分布を示すものである。
【0027】
このような混合酸化物粒子は、例えば特許第2533067号公報に記載される珪素−アルミニウム混合酸化物微粉末の製法により作製されるものが例示され、下記の作製工程より作製することができる。
(1) 珪素ハロゲン化物およびアルミニウムハロゲン化物を蒸発させ、それぞれの蒸気をキャリアガスと共に混合ユニット中で空気、酸素および水素と均一混合する。
(2) 次いで、得られた混合蒸気をバーナーに供給し、燃焼室内で焔内反応させ、得られたガスおよび固体を熱交換ユニット中で冷却する。
(3) ガスを固体から分離し、生成物に付着しているハロゲン化物残分を湿った空気を用いた熱処理により除去して混合酸化物粒子が得られる。
【0028】
混合酸化物粒子中のAl2 O3 とSiO2 の組成比は、珪素ハロゲン化物およびアルミニウムハロゲン化物の供給量、水素供給量、空気供給量等の反応条件により適宜調整される。
【0029】
焔内中で粒子化された段階での混合酸化物粒子は非晶質構造で、十分な微粒状性を有するものであり、一次粒子の体積平均粒径が7〜80nm、特に10〜40nmであり、BET法による比表面積が20〜200m2 /gである。また、混合酸化物粒子におけるAl2 O3 とSiO2 との重量比は、上記の方法によるとAl2 O3 の含有量が60重量%〜70重量%、SiO2 の含有量は30重量%〜40重量%の範囲のものが得られる。
【0030】
混合酸化物粒子は、疎水性を有する有機化合物で表面処理するのが好ましく、例えば、ジメチルジクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシリコーンオイルなど、アミノシラン、アルキルシランなどを単独、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
【0031】
本発明においては、トナー母粒子に対して混合酸化物粒子を単独で外添する構成としてもよく、他の外添剤を混合した構成としてもよい。そのような外添剤としてはシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理した一次粒子の体積平均粒径が0.001〜1μmの範囲の二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等の微粉末、あるいは一次粒子の体積平均粒径が0.01〜1μmの範囲のフッ素系樹脂、ビニル系樹脂、シリコン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の樹脂粒子、また、脂肪酸金属塩等の微粉末を単独、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。これらはトナー母粒子に対して0.1〜5重量%添加することができる。
【0032】
外添粒子として使用する混合酸化物粒子は、シリカ粒子とAl2 O3 粒子のほぼ中間の体積抵抗率を単一粒子として有し、単一粒子内にあってSiO2 による絶縁性とAl2 O3 による導電性の両部位を有する。後述する実施例と比較例2との対比から、混合酸化物粒子を外添して得られるトナーを用いて、非接触AC現像方式によりライン画像を形成すると、その詳細なメカニズムは不明であるが、得られるトナー層は、シリカ粒子を外添したトナー粒子によるトナー層とは相違し、トナー層が高くなりにくい特徴を有すると考えられ、圧接転写法によりトナー層が転写媒体(中間転写体や出力用紙)に移行する際に、転写ローラによる押圧力分布等で生じるミクロ的な荷重分布差の発生が抑制されて「中抜け」が防止できるものと考えられる。
【0033】
混合酸化物粒子からなる外添粒子は、トナー母粒子に対して下式(1)により所定の外添剤被覆率(%、S×100)となるように制御して処理される。トナー母粒子を被覆する外添剤が1種類であるときは次式の第1項まで求め、外添剤がn種類であるときは第n項まで求める。
【0034】
S=(Dt・ρt・W1)/(π・D1・ρ1・Wt)+(Dt・ρt・W2)/(π・D2・ρ2・Wt)+・・・+(Dt・ρt・Wn)/(π・Dn・ρn・Wt) ・・・・ (1)
式中、Dt:トナー母粒子の体積平均粒径(μm)
ρt:トナー母粒子の比重
Wt:トナー母粒子の重量(重量部)
D1:外添剤1の一次粒子の体積平均粒径(μm)
ρ1:外添剤1の比重
W1:外添剤1の重量(重量部)
・・・・・・
Dn:外添剤nの一次粒子の体積平均粒径(μm)
ρn:外添剤nの比重
Wn:外添剤nの重量(重量部)
なお、トナー母粒子の体積平均粒径(μm)はコールター社製「コールターマルチサイザーIII 」により測定されるものである。また、外添剤の体積平均粒径(μm)は透過型電子顕微鏡(TEM)で投影した画像を画像処理装置を介して導出したものである。また、比重はユアサ・アイオニクス社製「マルチピクノメーター」により測定されるものである。
【0035】
トナー母粒子は、外添剤と所定の割合で混合して、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、反転ミキサー、ハイスピードミキサー、サイクロミックス、アキシャルミキサー等の公知の混合機に投入して外添処理され、トナー母粒子への混合酸化物粒子による被覆率が50%〜200%となるように制御される。被覆率が50%未満であると、「中抜け防止」の効果が発揮されず、また、200%より多いと定着強度が悪化するという問題が生じる。
【0036】
次に、本発明の画像形成方法について、図1〜図4の画像形成装置に基づき説明する。外径φ40mm(以下、mmを省略)のAl製素管に有機(OPC)感光層を形成した感光ドラム1に、スコトロン帯電器3により−600Vに帯電し、レーザー走査式露光器3から発せられるレーザー光でデジタル潜像を形成し、トナー層を保持した現像ローラ51を前記感光ドラム1に近接するように現像装置5を移動させ、現像ローラ51に所定の現像バイアスを印加して感光ドラム1の潜像を反転現像する。現像装置5は、ロータリーフレームに支持されながらロータリー回転動作によって移動し、Y、M、C、Kの所定の現像装置5が現像位置にて感光ドラム1上にトナー像を形成する。このとき感光体ドラムの回転速度であるプロセス速度は220mm/secである。次に、感光体ドラム1上のトナー像を中間転写ベルト61からなる転写装置6を介して用紙S上に接触転写した後、加熱ローラ71と加圧ローラ73とを有する定着装置7で熱圧力定着される。
【0037】
図2に示す現像装置5は、外径φ18のFe製素管にサンドブラスト処理後にNi−Pメッキを施した現像ローラ51に外径φ19のウレタンスポンジ製供給ローラ52を圧接対向配置し、現像ローラ51との対向配置において周速比(供給ローラ/現像ローラ)1.5で同方向回転させる。また、現像ローラ51は感光ドラム1との対向位置において周速比(現像ローラ/感光ドラム)1.6で同方向回転させる。現像ローラ51にはりん青銅の板バネの先端に中抵抗ゴム層を有する規制ブレード53を1〜5N/cm2 程度の荷重で圧接配置し、供給ローラ52により現像ローラ51上に供給したトナーを薄層規制して現像ローラ51上に所望の極性に摩擦帯電したトナー層を保持する。本発明における構成では、トナーを負極性に摩擦帯電させており、その平均帯電量は−10〜−20μC/gである。
【0038】
現像条件としては、感光ドラムと現像ローラ間には150〜200μm程度の現像ギャップを形成し、このギャップ間に直流バイアス−150〜−250v、周波数1.0〜3.0kHzの交流バイアス1100〜1300v(p−p)を同時に印加する。このとき交流バイアス成分の時間Dutyは、現像方向への成分を50〜40%程度(剥離方向への成分を少し大きく)に設定するのが好ましい。現像ローラに対して、供給ローラと規制ブレードと同電位に設定する。
【0039】
図3に示す転写装置6は、周長600mm程度の無端ベルト表面に転写機能層を設けた中間転写ベルト61に複数のローラ63〜67を掛け渡し、中間転写ベルトの一面を感光ドラム1と対向配置して一次転写バックアップローラ63との圧接により一次転写部を形成し、また、他面を用紙搬送経路において用紙背面から押し当てる二次転写ローラ69に対向配置して駆動ローラ64との圧接により二次転写部を形成する。中間転写ベルト61は、回転する感光ドラム1の移動速度(プロセス速度:220mm/sec)と略同等となるように駆動され、一次転写部で感光ドラム上のトナー像を転写してベルト表面に保持した後、二次転写部でベルト表面のトナー像を用紙S上に転写して保持させる。特に、多色画像形成時には、中間転写ベルト61上に複数回の現像で形成した複数のトナー像を順次積層させ、二次転写部において積層したトナー像を一括転写して用紙S上に多色画像を形成する。
【0040】
中間転写ベルト61表面の転写機能層は、少なくとも最外層となる抵抗層Aと中間層となる導電層Bとからなる。抵抗層Aは、ウレタン樹脂等の結着樹脂に酸化錫等の導電性粒子とPTFE等の滑剤とからなり20μm程度の厚さに層形成されるもので、導電性粒子は、抵抗層Aの電気抵抗を108 〜1014Ω・cm程度に調整することを目的として添加されるものであり、また、滑剤は抵抗体層Aのトナー層との摩擦係数(μ)を0.1〜0.4程度に調整することを目的として添加されるものである。導電層Bは、金属の蒸着膜であり、例えば1μm未満の薄膜アルミニウムであり、ベルト基体となる樹脂膜(例えば、100μm程度の膜厚のPETフィルム)の上に形成したものである。
【0041】
感光ドラム1と中間転写ベルト61とが対向する一次転写部は、感光ドラムに対して中間転写ベルトを一次転写バックアップローラ63により0.2〜1.0N/cm2 の荷重で押圧する構成とし、中間転写ベルト(さらに詳しくは導電層B)に50〜400v程度の一次転写バイアスを印加することで、感光ドラム上のトナー像を中間転写ベルト上に接触転写する。用紙Sを介して二次転写ローラが対向する二次転写部は、駆動ローラ64と二次転写ローラ69により中間転写ベルトと用紙を1〜5N/cm2 の荷重で押圧する構成とし、二次転写ローラに1〜100μA程度の二次転写バイアスを印加することで中間転写ベルト上のトナー像を用紙上に接触転写する。また、二次転写ローラは離接クラッチにより用紙を介した中間転写ベルトへの当接状態と、中間転写ベルトへの離間状態とに所定のタイミングで切り替えることができる。
【0042】
感光ドラム/中間転写ベルトには、一次転写/二次転写残トナーをそれぞれ除去するためにウレタンゴム板で形成したクリーニングブレードを圧接するクリーニング装置をそれぞれ備える。図1に示す感光ドラム用クリーナ4は、感光ドラムに対して0.1〜0.3N/cm程度の荷重で圧接するように定荷重で配置され、感光ドラム上の一次転写残トナーを順次掻き落とす。図3に示す中間転写ベルト用クリーニング装置62は、離接クラッチにより中間転写ベルトへの当接状態と、中間転写ベルトへの離間状態とに所定のタイミングで切替えることができる。さらに、中間転写ベルトに対して0.1〜0.3N/cm程度の荷重で圧接するように定荷重で配置し、中間転写ベルト上の二次転写残トナーを順次掻き落とす。
【0043】
図4に示す定着装置7は、ハロゲンランプ72を熱源として内蔵した外径φ30の加熱ローラ71と外径φ35の加圧ローラ73を備える。加熱ローラと加圧ローラは略平行に配置され、付勢手段によって5〜30N/cm2 程度の押圧力で互いに接触させる。また、加熱ローラと加圧ローラは芯金の周囲にシリコンゴム等より成る弾性層とフッ素ゴムやフッ素樹脂(PFA:パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、PTFE:ポリテトラフルオロエチレン等)より成る表面層より構成する。加熱ローラ及び加圧ローラの近傍には定着直後の用紙を剥離するための剥離板75、76がそれぞれ配置される。
【0044】
定着に際しては、加圧ローラ71と加圧ローラ73との間に、両ローラの接触面によりニップ部が形成される。ニップ部はニップ幅が両端部で広く、中央部で狭い、所謂逆クラウン形状をなしていることが好ましい。本実施例では、両端ニップ幅8mm、中央ニップ幅7mmの構成とした。加熱ローラと加圧ローラは、用紙の搬送速度がプロセス速度(220mm/sec)と略同等となるように所定の回転数で回転させる。また、加熱ローラは、その表面温度が140〜200℃、好ましくは150〜190℃の範囲になるように、ハロゲンランプ72の出力を制御して所定の定着温度に維持される。
【0045】
本発明において、中間転写体方式を採用する画像形成方法においては、感光体とトナー像との摩擦係数をμp、中間転写体とトナー像との摩擦係数をμbとしたときμp>μbの関係を満たすものとされる。
【0046】
図5に摩擦係数の測定方法を示す。基板上にトナー固定層として粘着剤層を塗布乾燥して形成した後、その上にトナーを1〜3mg/cm2 の厚さで固定し、トナー層用基板とする。他方、別の基板上に粘着剤層を形成した後、その上に感光体、または中間転写ベルトを切り出して貼着し、感光体用基板、または中間転写ベルト用基板とする。
【0047】
得られた感光体用基板、または中間転写ベルト用基板を、中間転写ベルト用基板の例を以て図5に示すように、JIS P−8147、同 K−7125に準拠するテスター産業(株)製「摩擦係数測定機」に装着し、トナー層用基板に対して中間転写ベルト用基板を総荷重500gfで押圧(F1)し、引張り荷重ゲージ(F2)により、剪断方向に作用する静止摩擦力を測定し、F2をF1で除した値を以て、中間転写ベルトとトナー層との摩擦係数(μb)とする。なお、感光体用基板とトナー層との摩擦係数(μp)も同様に測定する。
【0048】
感光体とトナー像との摩擦係数(μp)は0.2〜0.6、好ましくは0.3〜0.5とするとよく、また、中間転写体とトナー像との摩擦係数(μb)は0.1〜0.4、好ましくは0.2〜0.3とするとよく、μpはμbより少なくとも0.1以上大きいものとするとよい。
【0049】
本発明にあっては、外添粒子として混合酸化物粒子を使用してトナー粒子とすることにより、「中抜け」を防止できることを見いだしたものであり、また、μp>μbを満足するように中間転写体の材質を選定することで、感光ドラムに対する中間転写体の当接時に発生する摩擦力を小さくすることが可能となる。その結果、中間転写の感光ドラムに対する離当接時の速度変動が抑えられ、バンディング発生を防止する効果が得られる。
【0050】
また、中間転写体とトナー層とを低摩擦係数とすることにより、中間転写体に対するトナー層の機械的な付着力を低減することができる。その結果、中間転写体上のトナー層は、機械的なアンカー効果を得やすい出力用紙に対して移行しやすくなるために残トナーを少なくすることができる。また、転写残トナーが生じても、低い当接力によるクリーニングブレードで容易にトナーをクリーニングすることができる。クリーニングブレードの当接力を低く設定することで、(a)クリーナ離当接バンディングを防止する効果や、(b) 中間転写体及びクリーニングブレード寿命を延ばす効果を得ることができる。
【0051】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。
(混合酸化物粒子の製造)
図6は混合酸化物粒子を製造するためのバーナー装置である。図中1は燃焼室、2は二重ジャケット管、3は環状ダイヤフラム、4は内側管、5は外側管、6は水冷焔管である。燃焼室1には二重ジャケット管2が突出させられ、二重ジャケット管2の内側管4からは水素1.4Nm3 /h、空気5.5Nm3 /hおよび予め蒸発させたガス状SiCl4 1.30kg/hの割合で混合した200℃の熱混合蒸気が導入され、次いで、この熱混合蒸気に予め300℃で蒸発させたガス状AlCl3 が2.34kg/hの割合で付加供給されて炎管中に導入されると共に付加的に空気12Nm3 /hが供給されて燃焼させられる。この際、燃焼室には空気が導入され、また、環状ダイヤフラム3から付加的に空気が導入される。焔中では、生成する水と塩化物との急激な反応が生じ、混合酸化物粒子が形成される。炎管通過後に、生じた粉末はフィルターまたはサイクロンを使用して分離され、また、粉末に付着した塩酸分が除去される。得られる混合酸化物粒子の組成はAl2 O3 65重量%、SiO2 35重量%であり、BET比表面積74m2 /g、体積抵抗率1012Ω・cm、比重2.5、体積平均粒径0.025μmである。得られた混合酸化物粒子をジメチルジクロロシランにより疎水処理し、外添用粒子とした。
【0052】
(中間転写ベルトの作成)
アルミニウムを蒸着した厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上に、
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 ・・・ 30重量部
・導電性カーボンブラック ・・・ 10重量部
・メチルアルコール ・・・ 70重量部
からなる均一分散液を、厚さが20μmになるようにロールコーティング法にて塗工乾燥し、中間導電性層を形成した。
【0053】
次いで、中間導電性層上に
の組成を混合分散してなる塗工液を厚さ10μmとなるようにロールコーティング法にて同様に塗工乾燥し、転写層を形成した。
【0054】
この塗工シートを長さ540mmに裁断し、塗工面を上にして端部を合わせ、超音波溶着を行うことにより中間転写媒体(転写ベルト)を作製した。この転写ベルトの体積抵抗は2.5×1010Ω・cmであった。
【0055】
の組成物をヘンシェルミキサーで予備混合した後、2軸押出機にて熱溶融混練した。混練物は2軸押出機から取り出し直後にドラムフレーカーで急冷して粗粉砕した。粗粉砕物をさらにジェットミル気流微粉砕機で微粉砕後、風力分級機で粒度分布を調整し、体積平均粒径8μm、比重1.2のマゼンタトナー母粒子を得た。
【0056】
・ 得られたマゼンタトナー母粒子 ・・・ 97重量%
・ 上記で得た混合酸化物粒子 ・・・ 3重量%
の組成物100重量部をヘンシェルミキサーで混合して、混合酸化物粒子による被覆率150%で、体積平均粒径8μmのマゼンタトナーを得た。
【0057】
なお、式(1)との関係で整理すると、トナー母粒子の体積平均粒径は8μm、比重は1.2、添加量97重量部、混合酸化物粒子の体積平均粒径は0.025μm、比重は2.5、添加量3重量部であり、式S=(Dt・ρt・W1)/(π・D1・ρ1・Wt)×100に代入するとS=147%に相当する。
【0058】
得られたマゼンタトナーを装填した現像装置を、前述の画像形成装置において市販標準グレードの感光ドラム(「OPC−4DU」山梨電子(株)製)と上記で作成した中間転写体を組み込んだ画像形成装置に搭載して、現像ギャップ150μm、直流バイアス−150v、周波数2.0kHzの交流バイアス1200v(p−p)、Duty47%の条件下で、ACジャンピング現像法により、ライン画像(1.0mm幅)および文字画像(カラー)を形成した。
【0059】
使用した感光ドラムとトナー層の摩擦係数(μp)は0.44、中間転写ベルトとトナー層との摩擦抵抗(μb)は0.25であり、μp>μbの関係を満たすものであった。
【0060】
ライン画像および文字画像共に、図7に示すような、中抜け状の画像欠陥は観察されなかった。また、中間転写ベルト用クリーニング装置の離当接動作に起因するクリーナ離当接バンディング(帯状の濃度ムラ)やレジストズレ(画像の位置ズレ)は画像上観察されなかった。さらに、上記の構成で印字率5%Dutyの耐久試験を行ったところ、中間転写体の寿命は約10万枚(A4サイズ基準)、中間転写ベルトクリーニング装置の寿命は約30万枚(A4サイズ基準)であり、良好な耐久性能を江ことができた。このとき、一次転写廃トナー率は9mg/枚(A4サイズ基準)、二次転写廃トナー率は5mg/枚(A4サイズ基準)であり、少ない廃トナー率の良好な転写特性を示した。
【0061】
(比較例1)
実施例1におけるマゼンタトナーを装填した現像装置を、市販の低摩擦係数グレードの感光ドラム(「OPC−低μ開発品」山梨電子(株)製)と、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を使用しないで同様に作成した中間転写ベルトを組み込んだ画像形成装置に搭載した以外は、実施例1と同様にして画像形成した。
【0062】
使用した感光ドラムとトナー層の摩擦係数(μp)は0.30、中間転写ベルトとトナー層との摩擦抵抗(μb)は0.38であり、μp<μbであり、μp>μbの関係を満たすものではなかった。
【0063】
トナー外添材として混合酸化物粒子を使用することにより、ライン画像および文字画像共に、実施例1同様に、中抜け状の画像欠陥は観察されなかったが、中間転写ベルト用クリーニング装置の離当接動作に起因するクリーナ離当接バンディング(帯状の濃度ムラ)やレジストズレ(画像の位置ズレ)が画像上で顕著に観察された。
【0064】
の組成物100重量部をヘンシェルミキサーで混合して、外添粒子による被覆率180%で、体積平均粒径8μmのマゼンタトナーを得た。
【0065】
得られたトナーを使用して、実施例1に記載の画像形成装置に組み込み、同様にライン画像および文字画像を形成した。
【0066】
使用した感光ドラムとトナー層の摩擦係数(μp)は0.44、中間転写ベルトとトナー層との摩擦抵抗(μb)は0.25であり、μp>μbの関係を満たすものであったが、ライン画像および文字画像共に、図7に示すような、中抜け状の顕著な画像欠陥が認められた。一方、中間転写ベルト用クリーニング装置の離当接動作に起因するクリーナ離当接バンディング(帯状の濃度ムラ)やレジストズレ(画像の位置ズレ)は画像上観察されなかった。また、一次転写廃トナー率は17mg/枚(A4サイズ基準)、二次転写廃トナー率は9mg/枚(A4サイズ基準)であり、廃トナー率の高い劣悪な転写特性を示した。
【0067】
【発明の効果】
本発明の画像形成方法は、「中抜け」を含む画像欠陥を解消して細部の画像バランスが向上すると共に、転写効率の低下を防止でき、廃トナーの減少を可能とし、また、中間転写方式におけるクリーナー離当接バンディングやレジストズレを防止でき、また、中間転写体およびクリーニングブレードの長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の画像形成方法で使用される画像形成装置の一例である。
【図2】現像装置5の拡大図である。
【図3】転写装置6の拡大図である。
【図4】定着装置7の拡大図である。
【図5】摩擦係数の測定方法を説明するための図である。
【図6】混合酸化物粒子の製造装置を説明するための図である。
【図7】実施例1、比較例2で得られた画像の「中抜け」の状態を説明するための図である。
【符号の説明】
1は感光ドラム、2は帯電器、3は露光器、4はクリーナ、5は現像装置、6は転写装置、7は定着装置、51は現像ローラ、52は供給ローラ、53は規制ブレード、54はシール、61は中間転写ベルト、62はクリーニング装置、63は一次転写バックアップローラ、64は駆動ローラ、65は転写クリーナローラ、66はサポートローラ、67はテンションローラ、68は二次転写ガイド、69は二次転写ローラ、Sは用紙、71は加熱ローラ、72はハロゲンランプ、73は加圧ローラ、74は定着紙ガイド、75は加圧ローラ剥離板、76は加熱ローラ剥離板
Claims (2)
- 静電潜像坦持体とトナー担持体とを対向配置し、静電潜像坦持体における静電潜像を非接触AC現像方式により現像して静電潜像担持体上にトナー像を形成し、得られたトナー像を転写材上に圧接転写する画像形成方法において、該トナーが、トナー母粒子表面を焔内加水分解法により得られる酸化アルミニウム−二酸化珪素混合酸化物粒子からなる外添粒子により被覆したトナーであることを特徴とする画像形成方法。
- 静電潜像坦持体とトナー担持体とを対向配置し、静電潜像坦持体における静電潜像を非接触AC現像方式により現像して静電潜像担持体上にトナー像を形成し、得られたトナー像を中間転写体上に圧接転写し、該圧接転写により形成された中間転写体上のトナー像を転写材上に圧接転写する画像形成方法において、該トナーが、トナー母粒子表面を焔内加水分解法により得られる酸化アルミニウム−二酸化珪素混合酸化物粒子からなる外添粒子により被覆したトナーであり、かつ、感光体とトナー像との摩擦係数をμp、中間転写体とトナー像との摩擦係数をμbとしたときμp>μbの関係を満たすものであることを特徴とする画像形成方法。
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