JP2004052277A - 二重締切堤の構築方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】二重締切堤の構築に要する工期と費用と大幅に縮小するとともに、環境に与える影響を少なくすることのできる二重締切堤の構築方法を提供する。
【解決手段】予め地上で組み立てたほぼ直方体状の枠体1を移動手段により二重締切堤10の構築位置に設置し、この枠体1の両側面に矢板2を、この矢板(鋼矢板)2と地盤G面との間に間隙が生じないように取り付け、この矢板2で囲まれた枠体1の内部の空間に中詰材4を充填する。必要に応じて、枠体1を構成する部材11〜15に、それらの接合部の剛性を高める火打材18,19を取り付けたり、枠体1の側面の下端部に、前記矢板2を所定の取付位置に案内する案内部材16を取り付けたりしても良い。また、枠体1を移動手段で移動可能な大きさに制作し、各枠体1を移動手段により前記二重締切堤の構築位置に並べて設置するようにしても良い。
【選択図】 図1
【解決手段】予め地上で組み立てたほぼ直方体状の枠体1を移動手段により二重締切堤10の構築位置に設置し、この枠体1の両側面に矢板2を、この矢板(鋼矢板)2と地盤G面との間に間隙が生じないように取り付け、この矢板2で囲まれた枠体1の内部の空間に中詰材4を充填する。必要に応じて、枠体1を構成する部材11〜15に、それらの接合部の剛性を高める火打材18,19を取り付けたり、枠体1の側面の下端部に、前記矢板2を所定の取付位置に案内する案内部材16を取り付けたりしても良い。また、枠体1を移動手段で移動可能な大きさに制作し、各枠体1を移動手段により前記二重締切堤の構築位置に並べて設置するようにしても良い。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海中や河川中に各種構造物を築造する際に、その構造物の基礎周辺を周囲水域から隔離するために施工される二重締切堤の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
二重締切堤の施工方法として、従来、図9に示すように、一般的に鋼矢板や鋼管矢板などの矢板102を地盤G中に二列に打ち込み、双方の壁上端をタイロッド111でつないでから、中詰土砂104を二列の矢板で囲まれた空間の内部に充填することが行われている。
【0003】
この二重締切堤の構築方法では、矢板102が水圧によって倒れ込むことを防止するため、これら矢板102を地盤G中へ打ち込むことが必須である。
【0004】
このように、矢板を地盤中に打ち込むには、比較的多大な工期・工費を必要とする。また、二重締切堤の構築現場が狭隘な場所である場合には、適用可能な施工機械が限定される。さらに、水中で施工を行うので、水質汚濁など環境に対して悪影響を与える恐れもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、二重締切堤の構築に要する工期と費用と大幅に縮小するとともに、環境に与える影響を少なくすることのできる二重締切堤の構築方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図8に示すように、予め地上で組み立てたほぼ直方体状の枠体1を移動手段(図示省略)により二重締切堤10の構築位置に設置し、
この枠体1の両側面に矢板2を、この矢板(鋼矢板)2と地盤G面との間に間隙が生じないように取り付け、
この矢板2で囲まれた前記枠体1の内部の空間に中詰材(中詰土砂)4を充填すること
を特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、水中の地盤の透水性が小さい場合、予め地上で組み立てたほぼ直方体状の枠体を移動手段により二重締切堤の構築位置に設置し、この枠体の両側面に矢板を、この矢板と地盤面との間に間隙が生じないように取り付け、この矢板で囲まれた枠体の内部の空間に中詰材を充填するので、作業が困難な水中における工数を削減できる。したがって、二重締切堤の構築に要する工期と費用と大幅に縮小することができる。
また、二重締切堤の矢板を地盤中に打ち込まないので、水中で土砂が巻き上がらず、環境に与える影響を少なくすることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば図1〜図7に示すように、請求項1に記載の二重締切堤の構築方法において、
前記枠体1を構成する部材(下枠材)11,(支柱)12,(上枠材)13,(連結材)14,15に、それらの接合部の剛性を高める火打材18,19を取り付けること
を特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、枠体を構成する部材に、それらの接合部の剛性を高める火打材が取り付けられるので、枠体の剛性及び強度が高められる。
したがって、二重締切堤が大きな水圧を受けても、その変形や漏水を抑えることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図1〜図8に示すように、請求項1又は2に記載の二重締切堤の構築方法において、
前記枠体1の側面の下端部に、前記矢板2を所定の取付位置に案内する案内部材(押え材)16を取り付けておくこと
を特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、枠体の側面の下端部に、矢板を所定の取付位置に案内する案内部材が取り付けられるので、矢板を枠体の側面に取り付ける際に、矢板の下端部を枠体の側面の所定の取付位置に合わせやすくなる。
特に、枠体を水中に設置した後、矢板を吊り下げて枠体の側面に取り付ける作業の一部は、作業が困難な水面下で行われることになるが、この作業を簡略化できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図1〜図8に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二重締切堤の構築方法において、
前記枠体1を、前記移動手段で移動可能な大きさに制作し、
これら各枠体1を前記移動手段により前記二重締切堤の構築位置に並べて設置すること
を特徴とする。
ここで、移動手段としては、例えばクレーンなどの揚重機械や、曳船などを用いることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、枠体を、移動手段で移動可能な大きさに制作し、これら各枠体を移動手段により二重締切堤の構築位置に並べて設置するので、全長が長い二重締切堤をも簡略な工程で構築することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の二重締切堤の構築方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
本実施の形態の二重締切堤の構築方法は、河川中に橋脚などの構造物を構築する際、この構造物の基礎部分をドライな環境で施工するため、その周囲に遮水用の二重締切堤を構築する際に適用されるものである。
図1は、この二重締切堤の縦断面図である。図2〜図4はそれぞれ、図1におけるA−A矢視図及びB−B断面図、C−C断面図、D−D矢視図である。
【0016】
この二重締切堤の構築方法では、まず、河川敷などに設けた作業ヤードで、鋼材11〜19を組み合わせて、図5に示すようなほぼ直方体状の枠体1を複数個組み立てる。
【0017】
この枠体1の組立手順について説明する。まず、図5に示すように、下枠材11の上面に支柱12を立設し、この支柱12の上端を上枠材13で連結してほぼ長方形の枠を構成して、この枠の四つの隅角部に火打材18を取り付ける。
そして、図5に示すように、この枠を複数個並べた状態で、各枠の支柱12の下端と上端とをそれぞれ連結材14,15で連結するとともに、互いに隣接する支柱12の間に火打材19を取り付ける。
【0018】
枠体1の側面の連結材14,15には、後述するように、鋼矢板(矢板)2(図6参照)が当接した状態に取り付けられる。下枠材11には、下側の連結材14に沿うようにして押え材(案内部材)16を、転び止め材17で取り付ける。連結材14と押え材16との間の距離は、図1、図2に示すように、鋼矢板壁の厚さTと等しくなるように設定されている。
【0019】
そして、これら枠体1をクレーン(移動手段)(図示省略)で吊り上げて、河川中の二重締切堤10の構築線に沿って順次吊り降ろし、並べて設置する。
【0020】
次いで、図6に示すように、鋼矢板2を、その下端部を枠体1の連結材14と押え材16との間に挿入し、かつ鋼矢板2の下端と地盤G面との間に間隙が生じないように、クレーンで枠体1の側面に吊り下げて順次設置する。
枠体1の側面に全ての鋼矢板2を設置した状態を、図7に示す。
【0021】
さらに、図1、図2、図4に示すように、鋼矢板2の上端部側面に、二重締切堤10の長さ方向に沿うように、溝形鋼からなる押え材31をあてがう。そして、図1に示すように、枠体1の両側の鋼矢板2の上端部側面にそれぞれ配された押え材31同士を引き寄せるようにタイロッド3で緊結して、鋼矢板3の上端部を枠体1の側面に固定する。
【0022】
そして、図8に示すように、鋼矢板2で囲まれた枠体1の内部の空間に中詰土砂(中詰材)を充填し、圧密して、二重締切堤10が完成する。
【0023】
以上、本実施の形態に記載の二重締切堤の構築方法によれば、水中の地盤の透水性が小さい場合、予め地上で組み立てたほぼ直方体状の枠体1をクレーンにより二重締切堤10の構築位置に設置し、この枠体1の両側面に鋼矢板2を、この矢板2と地盤G面との間に間隙が生じないように取り付け、この鋼矢板2で囲まれた枠体1の内部の空間に中詰土砂4を充填するので、作業が困難な水中における工数を削減できる。したがって、二重締切堤10の構築に要する工期と費用と大幅に縮小することができる。
また、二重締切堤10の鋼矢板2を地盤G中に打ち込まないので、水中で土砂が巻き上がらず、環境に与える影響を少なくすることができる。
【0024】
また、枠体1を構成する部材11〜15に、それらの接合部の剛性を高める火打材18,19が取り付けられるので、枠体1の剛性及び強度が高められる。
したがって、二重締切堤10が大きな水圧を受けても、その変形や漏水を抑えることができる。
【0025】
また、枠体1の側面の下端部に、鋼矢板2を所定の取付位置に案内する押え材16が取り付けられるので、鋼矢板2を枠体1の側面に取り付ける際に、鋼矢板2の下端部を枠体1の側面の所定の取付位置に合わせやすくなる。
特に、枠体1を水中に設置した後、鋼矢板2を吊り下げて枠体1の側面に取り付ける作業の一部は、作業が困難な水面下で行われることになるが、この作業を簡略化できる。
【0026】
また、枠体1を、クレーンで移動可能な大きさに制作し、これら各枠体1をクレーンにより二重締切堤10の構築位置に並べて設置するので、全長が長い二重締切堤をも簡略な工程で構築することができる。
【0027】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、二重締切堤の高さに応じて、枠体の幅を適宜変更することが好ましい。
その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることはもちろんである。
【0028】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、水中の地盤の透水性が小さい場合、予め地上で組み立てたほぼ直方体状の枠体を移動手段により二重締切堤の構築位置に設置し、この枠体の両側面に矢板を、この矢板と地盤面との間に間隙が生じないように取り付け、この矢板で囲まれた枠体の内部の空間に中詰材を充填するので、作業が困難な水中における工数を削減できる。したがって、二重締切堤の構築に要する工期と費用と大幅に縮小することができる。
また、二重締切堤の矢板を地盤中に打ち込まないので、水中で土砂が巻き上がらず、環境に与える影響を少なくすることができる。
【0029】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、枠体を構成する部材に、それらの接合部の剛性を高める火打材が取り付けられるので、枠体の剛性及び強度が高められる。
したがって、二重締切堤が大きな水圧を受けても、その変形や漏水を抑えることができる。
【0030】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、枠体の側面の下端部に、矢板を所定の取付位置に案内する案内部材が取り付けられるので、矢板を枠体の側面に取り付ける際に、矢板の下端部を枠体の側面の所定の取付位置に合わせやすくなる。
特に、枠体を水中に設置した後、矢板を吊り下げて枠体の側面に取り付ける作業の一部は、作業が困難な水面下で行われることになるが、この作業を簡略化できる。
【0031】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、枠体を、移動手段で移動可能な大きさに制作し、これら各枠体を移動手段により二重締切堤の構築位置に並べて設置するので、全長が長い二重締切堤をも簡略な工程で構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二重締切堤の構築方法によって構築される二重締切堤の一例を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A矢視図及びB−B断面図である。
【図3】図1におけるC−C断面図である。
【図4】図1におけるD−D断面図である。
【図5】本発明の二重締切堤の構築方法で用いられる枠体の一例を示す斜視図である。
【図6】本発明の二重締切堤の構築方法の構築中の状況を示す斜視図である。
【図7】本発明の二重締切堤の構築方法の構築中の状況を示す斜視図である。
【図8】本発明の二重締切堤の構築方法の構築中の状況を示す斜視図である。
【図9】従来の二重締切堤の構造の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 枠体
11 部材(下枠材)
12 部材(支柱)
13 部材(上枠材)
14,15 部材(連結材)
16 案内部材
18,19 火打材
2 矢板(鋼矢板)
4 中詰材(中詰土砂)
G 地盤
【発明の属する技術分野】
本発明は、海中や河川中に各種構造物を築造する際に、その構造物の基礎周辺を周囲水域から隔離するために施工される二重締切堤の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
二重締切堤の施工方法として、従来、図9に示すように、一般的に鋼矢板や鋼管矢板などの矢板102を地盤G中に二列に打ち込み、双方の壁上端をタイロッド111でつないでから、中詰土砂104を二列の矢板で囲まれた空間の内部に充填することが行われている。
【0003】
この二重締切堤の構築方法では、矢板102が水圧によって倒れ込むことを防止するため、これら矢板102を地盤G中へ打ち込むことが必須である。
【0004】
このように、矢板を地盤中に打ち込むには、比較的多大な工期・工費を必要とする。また、二重締切堤の構築現場が狭隘な場所である場合には、適用可能な施工機械が限定される。さらに、水中で施工を行うので、水質汚濁など環境に対して悪影響を与える恐れもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、二重締切堤の構築に要する工期と費用と大幅に縮小するとともに、環境に与える影響を少なくすることのできる二重締切堤の構築方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図8に示すように、予め地上で組み立てたほぼ直方体状の枠体1を移動手段(図示省略)により二重締切堤10の構築位置に設置し、
この枠体1の両側面に矢板2を、この矢板(鋼矢板)2と地盤G面との間に間隙が生じないように取り付け、
この矢板2で囲まれた前記枠体1の内部の空間に中詰材(中詰土砂)4を充填すること
を特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、水中の地盤の透水性が小さい場合、予め地上で組み立てたほぼ直方体状の枠体を移動手段により二重締切堤の構築位置に設置し、この枠体の両側面に矢板を、この矢板と地盤面との間に間隙が生じないように取り付け、この矢板で囲まれた枠体の内部の空間に中詰材を充填するので、作業が困難な水中における工数を削減できる。したがって、二重締切堤の構築に要する工期と費用と大幅に縮小することができる。
また、二重締切堤の矢板を地盤中に打ち込まないので、水中で土砂が巻き上がらず、環境に与える影響を少なくすることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば図1〜図7に示すように、請求項1に記載の二重締切堤の構築方法において、
前記枠体1を構成する部材(下枠材)11,(支柱)12,(上枠材)13,(連結材)14,15に、それらの接合部の剛性を高める火打材18,19を取り付けること
を特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、枠体を構成する部材に、それらの接合部の剛性を高める火打材が取り付けられるので、枠体の剛性及び強度が高められる。
したがって、二重締切堤が大きな水圧を受けても、その変形や漏水を抑えることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図1〜図8に示すように、請求項1又は2に記載の二重締切堤の構築方法において、
前記枠体1の側面の下端部に、前記矢板2を所定の取付位置に案内する案内部材(押え材)16を取り付けておくこと
を特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、枠体の側面の下端部に、矢板を所定の取付位置に案内する案内部材が取り付けられるので、矢板を枠体の側面に取り付ける際に、矢板の下端部を枠体の側面の所定の取付位置に合わせやすくなる。
特に、枠体を水中に設置した後、矢板を吊り下げて枠体の側面に取り付ける作業の一部は、作業が困難な水面下で行われることになるが、この作業を簡略化できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図1〜図8に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二重締切堤の構築方法において、
前記枠体1を、前記移動手段で移動可能な大きさに制作し、
これら各枠体1を前記移動手段により前記二重締切堤の構築位置に並べて設置すること
を特徴とする。
ここで、移動手段としては、例えばクレーンなどの揚重機械や、曳船などを用いることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、枠体を、移動手段で移動可能な大きさに制作し、これら各枠体を移動手段により二重締切堤の構築位置に並べて設置するので、全長が長い二重締切堤をも簡略な工程で構築することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の二重締切堤の構築方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
本実施の形態の二重締切堤の構築方法は、河川中に橋脚などの構造物を構築する際、この構造物の基礎部分をドライな環境で施工するため、その周囲に遮水用の二重締切堤を構築する際に適用されるものである。
図1は、この二重締切堤の縦断面図である。図2〜図4はそれぞれ、図1におけるA−A矢視図及びB−B断面図、C−C断面図、D−D矢視図である。
【0016】
この二重締切堤の構築方法では、まず、河川敷などに設けた作業ヤードで、鋼材11〜19を組み合わせて、図5に示すようなほぼ直方体状の枠体1を複数個組み立てる。
【0017】
この枠体1の組立手順について説明する。まず、図5に示すように、下枠材11の上面に支柱12を立設し、この支柱12の上端を上枠材13で連結してほぼ長方形の枠を構成して、この枠の四つの隅角部に火打材18を取り付ける。
そして、図5に示すように、この枠を複数個並べた状態で、各枠の支柱12の下端と上端とをそれぞれ連結材14,15で連結するとともに、互いに隣接する支柱12の間に火打材19を取り付ける。
【0018】
枠体1の側面の連結材14,15には、後述するように、鋼矢板(矢板)2(図6参照)が当接した状態に取り付けられる。下枠材11には、下側の連結材14に沿うようにして押え材(案内部材)16を、転び止め材17で取り付ける。連結材14と押え材16との間の距離は、図1、図2に示すように、鋼矢板壁の厚さTと等しくなるように設定されている。
【0019】
そして、これら枠体1をクレーン(移動手段)(図示省略)で吊り上げて、河川中の二重締切堤10の構築線に沿って順次吊り降ろし、並べて設置する。
【0020】
次いで、図6に示すように、鋼矢板2を、その下端部を枠体1の連結材14と押え材16との間に挿入し、かつ鋼矢板2の下端と地盤G面との間に間隙が生じないように、クレーンで枠体1の側面に吊り下げて順次設置する。
枠体1の側面に全ての鋼矢板2を設置した状態を、図7に示す。
【0021】
さらに、図1、図2、図4に示すように、鋼矢板2の上端部側面に、二重締切堤10の長さ方向に沿うように、溝形鋼からなる押え材31をあてがう。そして、図1に示すように、枠体1の両側の鋼矢板2の上端部側面にそれぞれ配された押え材31同士を引き寄せるようにタイロッド3で緊結して、鋼矢板3の上端部を枠体1の側面に固定する。
【0022】
そして、図8に示すように、鋼矢板2で囲まれた枠体1の内部の空間に中詰土砂(中詰材)を充填し、圧密して、二重締切堤10が完成する。
【0023】
以上、本実施の形態に記載の二重締切堤の構築方法によれば、水中の地盤の透水性が小さい場合、予め地上で組み立てたほぼ直方体状の枠体1をクレーンにより二重締切堤10の構築位置に設置し、この枠体1の両側面に鋼矢板2を、この矢板2と地盤G面との間に間隙が生じないように取り付け、この鋼矢板2で囲まれた枠体1の内部の空間に中詰土砂4を充填するので、作業が困難な水中における工数を削減できる。したがって、二重締切堤10の構築に要する工期と費用と大幅に縮小することができる。
また、二重締切堤10の鋼矢板2を地盤G中に打ち込まないので、水中で土砂が巻き上がらず、環境に与える影響を少なくすることができる。
【0024】
また、枠体1を構成する部材11〜15に、それらの接合部の剛性を高める火打材18,19が取り付けられるので、枠体1の剛性及び強度が高められる。
したがって、二重締切堤10が大きな水圧を受けても、その変形や漏水を抑えることができる。
【0025】
また、枠体1の側面の下端部に、鋼矢板2を所定の取付位置に案内する押え材16が取り付けられるので、鋼矢板2を枠体1の側面に取り付ける際に、鋼矢板2の下端部を枠体1の側面の所定の取付位置に合わせやすくなる。
特に、枠体1を水中に設置した後、鋼矢板2を吊り下げて枠体1の側面に取り付ける作業の一部は、作業が困難な水面下で行われることになるが、この作業を簡略化できる。
【0026】
また、枠体1を、クレーンで移動可能な大きさに制作し、これら各枠体1をクレーンにより二重締切堤10の構築位置に並べて設置するので、全長が長い二重締切堤をも簡略な工程で構築することができる。
【0027】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、二重締切堤の高さに応じて、枠体の幅を適宜変更することが好ましい。
その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることはもちろんである。
【0028】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、水中の地盤の透水性が小さい場合、予め地上で組み立てたほぼ直方体状の枠体を移動手段により二重締切堤の構築位置に設置し、この枠体の両側面に矢板を、この矢板と地盤面との間に間隙が生じないように取り付け、この矢板で囲まれた枠体の内部の空間に中詰材を充填するので、作業が困難な水中における工数を削減できる。したがって、二重締切堤の構築に要する工期と費用と大幅に縮小することができる。
また、二重締切堤の矢板を地盤中に打ち込まないので、水中で土砂が巻き上がらず、環境に与える影響を少なくすることができる。
【0029】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、枠体を構成する部材に、それらの接合部の剛性を高める火打材が取り付けられるので、枠体の剛性及び強度が高められる。
したがって、二重締切堤が大きな水圧を受けても、その変形や漏水を抑えることができる。
【0030】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、枠体の側面の下端部に、矢板を所定の取付位置に案内する案内部材が取り付けられるので、矢板を枠体の側面に取り付ける際に、矢板の下端部を枠体の側面の所定の取付位置に合わせやすくなる。
特に、枠体を水中に設置した後、矢板を吊り下げて枠体の側面に取り付ける作業の一部は、作業が困難な水面下で行われることになるが、この作業を簡略化できる。
【0031】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、枠体を、移動手段で移動可能な大きさに制作し、これら各枠体を移動手段により二重締切堤の構築位置に並べて設置するので、全長が長い二重締切堤をも簡略な工程で構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二重締切堤の構築方法によって構築される二重締切堤の一例を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A矢視図及びB−B断面図である。
【図3】図1におけるC−C断面図である。
【図4】図1におけるD−D断面図である。
【図5】本発明の二重締切堤の構築方法で用いられる枠体の一例を示す斜視図である。
【図6】本発明の二重締切堤の構築方法の構築中の状況を示す斜視図である。
【図7】本発明の二重締切堤の構築方法の構築中の状況を示す斜視図である。
【図8】本発明の二重締切堤の構築方法の構築中の状況を示す斜視図である。
【図9】従来の二重締切堤の構造の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 枠体
11 部材(下枠材)
12 部材(支柱)
13 部材(上枠材)
14,15 部材(連結材)
16 案内部材
18,19 火打材
2 矢板(鋼矢板)
4 中詰材(中詰土砂)
G 地盤
Claims (4)
- 予め地上で組み立てたほぼ直方体状の枠体を移動手段により二重締切堤の構築位置に設置し、
この枠体の両側面に矢板を、この止水版と地盤面との間に間隙が生じないように取り付け、
この矢板で囲まれた前記枠体の内部の空間に中詰材を充填すること
を特徴とする二重締切堤の構築方法。 - 請求項1に記載の二重締切堤の構築方法において、
前記枠体を構成する部材に、それらの接合部の接合強度を高める火打材を取り付けること
を特徴とする二重締切堤の構築方法。 - 請求項1又は2に記載の二重締切堤の構築方法において、
前記枠体の側面の下端部に、前記矢板を所定の取付位置に案内する案内部材を取り付けておくこと
を特徴とする二重締切堤の構築方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の二重締切堤の構築方法において、
前記枠体を、前記移動手段で移動可能な大きさに制作し、
これら各枠体を前記移動手段により前記二重締切堤の構築位置に並べて設置すること
を特徴とする二重締切堤の構築方法。
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