JP2004052144A - 短繊維不織布及び壁紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】凹凸のある壁紙に好適な立体賦形に優れた不織布とそれを用いた壁紙を提供する。
【解決手段】繊維間静止摩擦係数が0.20〜0.35のポリエステル系芯鞘型熱融着性複合繊維を少なくとも一部に使用し、70℃における初期引張り抵抗度が全ての方向において300〜3500Nであることを特徴とする不織布及びそれを壁紙基材とする。
【解決手段】繊維間静止摩擦係数が0.20〜0.35のポリエステル系芯鞘型熱融着性複合繊維を少なくとも一部に使用し、70℃における初期引張り抵抗度が全ての方向において300〜3500Nであることを特徴とする不織布及びそれを壁紙基材とする。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ポリエステル系繊維を用いた不織布及びこの不織布を用いた壁紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、短繊維から不織布を製造するにあたっては、通常、繊維を紡糸、延伸して得られるマルチフィラメントに捲縮を付け、さらに切断してステープルファイバーを得、このステープルファイバーからカードウェブを作製する。また、カードウェブに代えて、ステープルファイバーを気流で飛ばしてランダムウェブを作製する場合もある。次いで、得られたウェブを複数枚重ねた状態で、ニードルパンチ、ウオーターパンチ等で繊維間を交絡させるか、接着剤を用いて繊維間を接着させるか、又は、熱融着性繊維を用いる場合には繊維表面部分の融点より高い温度に加熱することにより繊維表面を融解して繊維相互を融着させる。これにより不織布が得られる。
【0003】
このようにして得られる不織布の用途の1つとして壁紙製造がある。不織布を用いて壁紙を製造するにあたっては、難燃紙などの壁紙用基紙上に1枚または複数枚の不織布を重ね、通常、その表面上に印刷を施し、あるいはさらに撥水剤、難燃剤などを塗布する。次いで、この積層シートをエンボスローラにより熱圧接して凹凸を施す。
【0004】
しかし、不織布原料となる従来短繊維は加熱凹凸圧接に対して変形しにくく、エンボス加工により凹凸を付与すると、初期モジュラス特に加熱初期モジュラスが大きい為、凹凸のエッジにおいて丸みを帯びてしまい、エッジ効果のあるシャープな模様を有する深絞りのエンボス加工を施すときに顕著になり、壁紙の外観を損ねる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱凹凸加工されたときにシャープなエッジ効果のでる不織布、この不織布を含む壁紙を提供することを主目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成するために研究を重ね、以下の知見を見出した。
【0007】
短繊維不織布において、繊維間静止摩擦係数を特定の範囲に設定した短繊維の高温時の応力−歪み曲線の関係を適正化することで熱凹凸加工時に、繊維が微妙にずれたり、伸びたりすることでシャープなエッジを有する立体不織布を形成することが出来ること。
【0008】
前記知見に基づき、さらに研究を重ねた結果、本発明は、以下の短繊維不織布及び壁紙を提供する。
【0009】
第一発明として、繊維間静止摩擦係数が0.20〜0.35のポリエステル系繊維を少なくとも一部に使用し、70℃における初期引張り抵抗度が全ての方向において300〜3500Nであることを特徴とする不織布。
【0010】
第二発明として、ポリエステル系繊維が、繊維の長手方向に垂直な断面において、外周の少なくとも50%が鞘部で占められている芯鞘型熱融着性複合繊維であることを特徴とする第一発明に記載の不織布。
【0011】
第三発明として、芯鞘型熱融着性複合繊維の鞘部の融点が、芯部の融点より20℃以上低いことを特徴とする第二発明に記載の不織布。
【0012】
第四発明として、芯鞘型熱融着性複合繊維の鞘成分の融点が100〜180℃であることを特徴とする第二又は第三発明に記載の不織布。
【0013】
第五発明として、芯鞘型熱融着性複合繊維の主として芯部を構成するポリエステルに含まれる顔料の量が主として鞘部を構成するポリエステルに含まれる顔料の量以下であることを特徴とする第二〜第四発明のいずれかに記載の不織布。
【0014】
第六発明として、ポリエステル系繊維の繊度が1.1〜6.6dtexであることを特徴とする第一〜第五発明のいずれかに記載の不織布。
【0015】
第七発明として、 比容積が20〜60(cc/g)であることを特徴とする第一〜第六発明のいずれかに記載の不織布。
【0016】
第八発明として、第一〜第七発明のいずれかに記載の不織布を少なくとも一部に有することを特徴とする壁紙。
【0017】
(I)短繊維不織布
1)基本的構成
本発明の短繊維不織布は、熱凹凸加工においてシャープなエッジを有する立体不織布を形成することが出来る要素として、70℃における初期引張抵抗度が全ての方向において300〜3500Nであるものであり、さらには繊維間静止摩擦係数が0.20〜0.35のポリエステル系芯鞘型熱融着性繊維を使用することで部分的な粗密が発生しないものである。
【0018】
2)繊維材料
2−1)基本的構成
本発明の不織布を構成する繊維の材料は特に限定されず、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、PTFE等の合成繊維;レーヨンのような再生繊維;アセテートのような半合成繊維;綿、麻、羊毛のような天然繊維;ガラス、炭素のような無機化学繊維等のいずれも使用できる。これらは単独で又は2種以上混合して使用できる。特に、ポリプロピレン等が好ましく、ポリエステルがより好ましい。
【0019】
2−2)芯鞘型複合繊維
不織布を熱接着法により製造する場合には、高融点の芯部とそれより低融点の鞘部とからなる芯鞘型の熱融着性複合繊維を用いることが好ましい。特に、ポリエステル複合繊維を用いることが好ましい。このような芯鞘型の熱融着性ポリエステル複合繊維について以下に詳述する。
【0020】
2−2−1)芯部材料
本発明で使用される繊維が芯鞘型ポリエステル複合繊維である場合には、芯部に含まれるポリエステルとしては、例えば芳香環を主鎖中に有する芳香族ポリエステル樹脂が挙げられる。芳香族ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル誘導体とジオ−ルまたはそのエステル誘導体とを主成分として用いて縮合反応により得られる共重合体である。
【0021】
芳香族ジカルボン酸としては、それには限定されないが、例えばテレフタル酸、ナフタレン−2,6 −ジカルボン酸、4,4 ´ジカルボキシジフェニル等が挙げられる。
【0022】
ジオールとしては、それには限定されないが、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,3 −プロパンジオ−ル、1,4 −ブタンジオ−ル、1,4 −シクロヘキサンジオ−ル 、1,4 −シクロヘキサンジメタノ−ル等が挙げられる。
【0023】
芯部のポリエステル樹脂の好適な具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。特に、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。これらのポリエステルは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0024】
芯部には、繊維強度を著しく損なわない範囲内で、前記ポリエステルにおいてイソフタル酸などの非直線的な芳香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸が共重合されたポリエステル;酸成分が非直線的な芳香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸であるポリエステル;ポリオレフィン等が含まれていてもよい。
【0025】
その他の成分
また、芯部には、必要に応じて、顔料、難燃剤、安定剤、減粘剤、増粘剤などが配合されていてもよい。但し、これらの配合量は、芯部ポリエステルの強度を阻害しない範囲内とする。
【0026】
<顔料>
繊維に顔料を配合することにより、繊維の色彩を美しくすることができるのみならず、壁紙製造の際のエンボス加工時に繊維相互の接着性が向上し、また熱エンボスローラの汚れが減少する。芯部には、顔料が含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。芯部中に顔料が含まれている場合には、その配合比率は、鞘部と同じか又はそれより低いことが好ましい。これにより、顔料配合による効果を得ながら、芯部ポリエステルの結晶化度の低下を抑制できる。
【0027】
芯部中の顔料の配合比率は、5重量%以下、特に2重量%以下であることが好ましい。芯部に含まれる含量が余りに多いとポリエステルの結晶化度が低くなり、繊維強度が低下する。本発明の範囲であればこのような問題は生じない。
【0028】
顔料の種類は特に限定されず、従来繊維に添加されている公知の顔料を使用できる。無機顔料としては、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン(ルチル型、アナターゼ型)、三酸化アンチモン、酸化鉄(鉄黒、べんがら)、黄色酸化鉄、フェロシアン化鉄(紺青)、紺青と黄鉛との混合物(ジンクグリーン)、酸化鉛(鉛丹)、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化コバルトと酸化アルミニウムとの複合物(コバルトブルー)、酸化コバルトと酸化錫と酸化マグネシウムとの複合物(セリアンブルー)、酸化コバルトと酸化リチウムと五酸化リンとの複合物(コバルトバイオレット)、酸化コバルトと酸化亜鉛と酸化マグネシウムとの複合物(コバルトグリーン)、リン酸コバルト(コバルトバイオレット)、リン酸マンガン(マンガン紫)等の金属酸化物;
【0029】
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、塩基性硫酸鉛、硫化亜鉛と硫酸バリウムとの複合物(リトポン)、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化亜鉛、硫化亜鉛カドミウム(カドミウムイエロー)、硫化カドミウムと硫化水銀との複合物(カドミウムマーキュリーレッド)、硫化水銀(銀朱)、硫化カドミウムとセレニウム−カドミウムの複合物(カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、カドミウムイエロー)、硫化アンチモンと三酸化アンチモンとの複合物(アンチモン朱)等の金属硫化物;
【0030】
炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸鉛と水酸化鉛との複合物(鉛白)等の金属炭酸化物;
【0031】
水酸化アルミニウム(アルミナホワイト)、水酸化アルミニウムと硫酸カルシウムとの複合物(チサン白)、水酸化アルミニウムと硫酸バリウムとの複合物(グロスホワイト)、クロム酸水和物(ビリジアン)等の金属水酸化物;
【0032】
クロム酸鉛(黄鉛)、クロム酸亜鉛(亜鉛黄)クロム酸バリウム、クロム酸鉛と酸化鉛との複合物(赤口黄鉛)、クロム酸鉛とモリブデン酸鉛と硫酸鉛との複合物(クロムバーミリオン)等のクロム酸金属塩;
モリブデン酸鉛と硫酸鉛との複合物(モリブデンレッド);紺青と黄鉛との混合物(クロムグリーン);
【0033】
スピネル型(XY2O4)構造酸化物(例えばXY=Co−Al、Co−Al−Cr、Co−Mg−Sn、Co−Ni−Ti、Co−Zn−Ni−Ti、Co−Zn−Cr−Ti、Zn−Cr−Ti、Zn−Cr−Fe、Co−Zn−Cr−Fe、Co−Ni−Cr−Fe−Si、Co−Mn−Cr−Fe、Cu−Mn−Cr、Mn−Fe等);ルチル型(Ti(XY)O2)構造酸化物(例えばXY=Pb−Sb、Ni−Sb(チタンイエロー)、Ni−W、Fe−Mo、Cr−Sb等);カーボンブラック;チタンブラック;アセチレンブラック;黒鉛;シリカ;ホワイトカーボン;ケイ藻土;タルク;クレー;アルミニウム粉顔料;ブロンズ粉;ニッケル粉;ステンレス粉;パール顔料等が挙げられる。
【0034】
有機顔料としては、例えばスチルベンビスベンゾオキサゾール誘導体であるホスタルックスKS(クラリアント社製)OB−1(イーストマンコダック社製)等が挙げられる。特に、ホスタルックスKSが好ましい。これは、ホスタルックスKSはポリエステルとの混合溶解性、溶融装置内での溶融均一性、紡糸作業性及び得られる繊維の白度均一性が良好になるためである。ホスタルックスKSの商品名を有する製品の中でもメチル基を有するタイプのもの、例えば4−(−ベンゾキサゾイル)−4’−(5−メチル−2−ベンゾキサゾイル)スチルベン、4,4−ビス−(5−メチル−2−ベンゾキサゾイル)スチルベンなどの4,4’−ビス(2−ベンゾキサゾイル)スチルベン同族体が好ましい。
【0035】
2−2−2)鞘部材料
ポリエステル
鞘部に含まれるポリエステルとしては、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸等の直線的な芳香族ジカルボン酸とフタル酸、イソフタル酸等の非直線的な芳香族ジカルボン酸とを用い、ジオール成分として、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,2 −プロパンジオ−ル、1,3 −プロパンジオ−ル、1,3 −ブタンジオ−ル、1,4 −ブタンジオ−ル、1,5 −ペンタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、1,6 −ヘキサンジオ−ル、1,4 −シクロヘキサンジオ−ル 、1,4 −シクロヘキサンジメタノ−ル、1,2−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,3−シクロヘキサンジメタノ−ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等を用いたポリエステルが挙げられる。
【0036】
フタル酸、イソフタル酸等の非直線的な芳香族ジカルボン酸の共重合比率は、酸成分の通常20〜60mol%程度、特に30〜50mol%程度であることが好ましい。
【0037】
脂肪族または脂環族ジカルボン酸の共重合比率は、酸成分の通常20〜60mol%程度、特に30〜50mol%程度であることが好ましい。
【0038】
鞘部ポリエステルの好適な具体例としては、例えばイソフタル酸共重合ポリエステル等が挙げられる。
【0039】
鞘部には、この他、溶融性を損なわない範囲で、ポリオレフィンなどの異種樹脂が配合されていてもよい。
【0040】
芯部ポリエステルと鞘部ポリエステルとの組み合わせとしては、ポリエチレンテレフタレートとイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートとの組み合わせ等が好ましい。
【0041】
その他の成分
また、鞘部には、必要に応じて、顔料、難燃剤、安定剤、減粘剤、増粘剤などが配合されていてもよい。
【0042】
<顔料>
鞘部には顔料を配合することができる。鞘部中の顔料の配合比率は、通常0.1〜10重量%程度、特に1〜5重量%程度であることが好ましい。使用可能な顔料の種類は前述したとおりである。
【0043】
2−2−3)融点
鞘部
鞘部の融点は、通常100〜180℃程度、特に110〜160℃程度であるのが好ましい。鞘部の融点は低い方が融解し易いが、余りに低いと熱処理時に芯部と鞘部との溶融粘度差が大きくなって作業性が悪化し易い。また、鞘部の融点が余りに高いと芯部との融点の差が小さくなって、芯部を溶融させずに鞘部のみ溶融させるための温度コントロールが困難になる。本発明の範囲内であれば、このような問題が生じ難い。
【0044】
本発明において、鞘部の融点は、実施例に記載の方法で測定した値である。
【0045】
芯部
また、芯部の融点は、鞘部の融点より通常20℃以上、特に30℃以上高いことが好ましい。芯部と鞘部との融点差が余りに小さいと熱融着時の温度コントロールが困難であるが、本発明の範囲であればこのような問題が生じない。芯部融点の上限は、特に限定されないが、通常260℃程度である。
【0046】
本発明において、芯部の融点は、実施例に記載の方法で測定した値である。
【0047】
2−2−4)固有粘度
高分子を構成するモノマーの重合度を反映する値として固有粘度がある。結晶性高分子では、ポリマーの重合度が高いほど延伸倍率を高く設定でき結晶化度を高くできる。
【0048】
本発明で使用する繊維が芯鞘型複合繊維である場合には、芯部の固有粘度[η]は、通常0.5dl/g以上、特に0.6dl/g以上であることが好ましい。芯部の固有粘度が余りに低いと結晶化が不十分になり複合繊維の強度が不十分になるが、本発明の範囲であればこのような問題は生じない。芯部の固有粘度の上限は特に限定されないが、通常1.2dl/g程度である。
【0049】
鞘部の固有粘度[η]は通常0.4〜0.6dl/g程度、特に0.5〜0.55dl/g程度であることが好ましい。固有粘度が余りに低いと鞘部が脆くなって熱接着点が外力により剥離し易くなる。また、固有粘度が余りに高いと熱接着時に加えるべき熱エネルギーひいてはコストが高くなりすぎる。本発明の範囲であればこのような問題は生じない。
【0050】
本発明において、固有粘度[η]は、実施例に記載の方法で測定した値である。
【0051】
3)繊維形態・諸性質
3−1)芯鞘型複合繊維
本発明の不織布を構成する短繊維は、芯鞘型複合繊維であることが好ましい。この場合、熱接着法による不織布製造に好適に使用できる。芯鞘型複合繊維である場合には、この繊維は、繊維の長手方向に垂直な方向すなわち繊維径方向の断面において、芯部を中心として周縁部が完全に鞘部で覆われていてもよく、芯部が偏心していることにより外周の一部が芯部で占められたバイメタル型に近いものであってもよい。芯部が偏心しバイメタル型に近い形態の場合には、前記断面において外周の少なくとも50%、特に70%、さらに特に90%が鞘部で占められていることが好ましい。なお、外周占有率は、繊維の断面透過写真を撮影し、外周占有部分の長さを測定し、割合を求める。
【0052】
また、短繊維は、芯部と鞘部との重量比が、通常3:7〜7:3程度、特に4:6〜6:4程度であることが好ましい。
【0053】
3−2)繊度・繊維長
繊維が芯鞘型複合繊維である場合を含め、どのような繊維であっても、繊維の繊度は、通常1.1〜6.6dtex程度、特に2.2〜4.4dtex程度であることが好ましい。繊度が余りに小さいとカードの工程通過性が悪化し、繊度が余りに大きいと繊維間の接点数が少なくなる為不織布強度が低くなる。本発明の範囲であればこのような問題は生じない。
【0054】
また、繊維長は、通常32〜76mm程度、特に40〜60mm程度であることが好ましい。繊維長が余りに短いとカードの工程通過性が悪化し、繊維長が余りに長くてもカードの工程通過性が悪化する。本発明の範囲であればこのような問題は生じず、実用上十分な強度を有する不織布が得られる。
【0055】
本発明において繊度及び繊維長は、JIS L1015Aに準拠して測定した値である。
【0056】
3−3)繊維強伸度
また、繊維の引張強度は、通常1〜5cN/dtex程度、特に2〜4N/dtex程度であることが好ましく、伸度は、通常40〜80%程度、特に50〜70%程度であることが好ましい。繊維の繊度、強度及び伸度は、紡糸時のポリマーの吐出量及び延伸倍率を調節することにより、この範囲内にすることができる。強度及び伸度は、JISL1015法により測定した値である。
【0057】
3−4)捲縮
また、繊維は、不織布の強度を高めるために、捲縮を有することが好ましい。捲縮数は、通常10〜20個/25mm程度、特に10〜15個/25mm程度であることが好ましい。捲縮率は、通常8〜20%程度、特に10〜18%程度であることが好ましい。捲縮が余りに少ないとカードの工程通過性が悪化し、捲縮が余りに多くてもカードの工程通過性が悪化する。本発明の範囲であれば、このような問題は生じず、実用上十分な不織布強度が得られる。捲縮数及び捲縮率は、JISL1015法により測定した値である。
【0058】
3−5)繊維間静止摩擦係数
本発明において使用する繊維は、繊維間静止摩擦係数(F/Fμs)が0.20〜0.34程度、特に0.23〜0.32程度であることが好ましい。繊維間静摩擦係数が余りに低いとフライが発生し、カード通過性が悪くなり、余りに高いと混綿性が悪くなる。本発明の範囲であればこのような問題は生じず、実用上十分な不織布強度が得られる。繊維間静摩擦係数は、油剤の種類及び使用量を調節することによりこの範囲にすることができる。本発明において、繊維間静止摩擦係数は、JISL1015法により測定した値である。
【0059】
4)不織布の比容積
本発明の不織布は比容積が20〜60cc/gであることが好ましい。比容積が大きいほど立体的な賦形性が優れており高級感のあるものとしやすい。比容積が20cc/g未満では賦形加工後に得られる不織布が粗密の程度が不良なものとなりやすく、著しい場合は折り目が付いてしまうこともある。一方60cc/gを越える場合は賦形性には優れるものの、嵩張っているがために搬送等の効率が低下し、コストアップとなってしまう為好ましくない。好ましくは30〜50cc/gであり、更に好ましくは35〜45cc/gである。
【0060】
5)不織布の70℃の初期引張抵抗度
本発明の不織布において、不織布の初期引張抵抗度は全ての方向において300〜3500Nであることが必要である。70℃の初期引張り抵抗度は賦形加工における不織布の変形追随性と大きく相関することを見いだし、300N未満では短繊維の絡みや接着が弱く、賦形加工後の不織布に粗密な部分が出来やすい。また3500Nを越えると一方向に繊維が揃いすぎている為、賦形加工後の不織布に粗密な部分が出来やすく、シャープなエッジも形成しにくい。70℃の初期引張り抵抗度は好ましくは500〜3000Nであり、一層好ましくは800〜2400Nである。
【0061】
6)不織布の製造方法
6−1)繊維の製造方法
本発明において使用する短繊維は、合成繊維である場合には、紡糸、捲縮の付与及び切断などの工程を含む従来公知の方法で製造できる。綿、羊毛等の天然の短繊維はそのまま使用できる。短繊維が芯鞘型複合繊維である場合には、複合繊維の製造方法として従来公知の方法(例えば特開昭58−136828号公報に記載の方法)で製造できる。
【0062】
芯鞘型ポリエステル複合繊維の製造方法を以下に説明する。紡糸方法は特に制限されないが、通常溶融紡糸法が採用される。また、延伸は紡糸後に行ってもよいが、溶融紡糸の場合には高速で繊維を引き取ることにより紡糸と同時に延伸を行うこともできる。延伸倍率は、通常1.5〜4.0倍程度、特に2.5〜3.5倍程度とすることが好ましい。延伸倍率をこの範囲内とするとともに、紡糸時のポリマーの吐出量を適切に設定する場合には、繊維の繊度、引張強度及び伸度を前述した好ましい範囲とすることができる。
【0063】
また、紡糸後の繊維の加工容易性、接着性等を考慮して、繊維が吐出された後トウが収納されるまでの間に、通常油剤が付与される。油剤の種類は特に制限されず、アルキルリン酸エステル、ポリエーテルエステル、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体などの公知の油剤を組み合わせて用いることができる。油剤の配合比率を調節することにより、また断面形状を選定することにより得られる繊維の繊維間静止摩擦係数(F/Fμs)を前述した好ましい範囲にすることができる。
【0064】
さらに、繊維には、通常捲縮が付けられる。捲縮は例えばクリンパを用いて付与することができる。この際、クリンパの圧力を1〜4kgf/cm2程度、クリンパの温度を30〜50℃程度に設定することが好ましく、これらの範囲内で適宜クリンパの圧力及び温度を調節することにより、前述した好ましい範囲の捲縮数及び捲縮率が得られ、それが不織布の比容積に大きく影響する。
【0065】
不織布の70℃における初期引張抵抗度は、複合繊維として鞘部融点や外周占有率が、繊維の製造法として延伸倍率や油剤の選定が影響する。
【0066】
6−2)不織布の製造方法
6−2−1)構成繊維
本発明の不織布を構成する繊維は、前述したように特に限定されない。例えば芯鞘型ポリエステル複合繊維を主に含む場合には、この他にポリエステル系単成分繊維、レーヨン、綿などの異種繊維を含んでいてもよい。
【0067】
芯鞘型複合繊維は、熱融着性繊維として熱接着法による不織布の製造に有用であり、繊維構造を固定するための接着繊維として使用される。従来の結晶化度が低い熱融着性複合繊維の場合には、繊維の強度不足に伴うカード通過性や賦形時の製品外観が悪化するために、せいぜい全繊維の50重量%程度までしか熱融着性複合繊維を混ぜることができなかった。本発明において芯部と鞘部を構成するポリエステルの融点の差が20℃以上である場合には、芯鞘型ポリエステル複合繊維を全繊維の70重量%以上混合してもよく、構成繊維として芯鞘型ポリエステル複合繊維だけを用いることも可能である。芯鞘型ポリエステル複合繊維の混合比率が高いほど、エンボス加工時の凹凸の賦形性に優れ、シャープな凹凸を付与することができる。
【0068】
6−2−2)製造方法
短繊維間の交絡または接着方法は、特に限定されず、熱接着法、バインダ接着法、ニードルパンチ法、ウオーターパンチ法等の公知の方法を採用できる。いずれの場合にも、ウェブを複数枚重ねた状態で交絡または接着する。
【0069】
ニードルパンチ法で繊維を交絡させる場合には、本発明に規定される引張強度比とするために、刺針密度を100〜300本/cm2程度とすればよい。特に120〜260本/cm2程度が好ましく、150〜220本/cm2程度がより好ましい。ウオーターパンチ法で繊維を交絡させる場合には、本発明に規定される引張強度比とするために、水圧30〜150kg/cm2程度とすればよい。特に50〜120kg/cm2程度が好ましく、70〜100kg/cm2程度がより好ましい。
【0070】
刺針密度又は水圧が余りに高いと、エンボス加工による凹凸形成時に繊維の滑り性が悪くなり、凹凸のエッジがシャープに形成されず立体感の劣ったものになってしまう。また、刺針密度又は水圧が余りに低いと、不織布の引張強度が低くなり、また引張強度比が非常に大きく又は非常に小さくなってエンボス加工による凹凸部分で繊維の粗密が生じ易い。本発明の範囲であればこのような問題は生じない。
【0071】
また、本発明において使用する繊維が芯鞘型複合繊維である場合には、熱接着法により繊維間を接着することが好ましい。熱接着法による場合には、スルーエアボンド装置または熱カレンダ等に通すことにより、鞘部の融点より高く、芯部の融点より低い温度で、1秒〜5分間程度加熱する。これにより鞘部が融解して繊維相互が融着した不織布が得られる。特に熱接着法による場合には温度、圧力、加熱時間等を変更することによって接着点数、接着強度が変化し、不織布の70度における初期引張抵抗度を適正な範囲に調節できる。
【0072】
7)用途
本発明の不織布の用途は特に制限されず、例えばインテリア用品(壁紙、カーテン、カーペット等)、衣料用品(衣料用芯地、衣料用中入れ綿、使い捨て下着等)、寝具類、靴・鞄材料(補強剤、甲皮、裏皮、鞄用裏張り、パッキング等)、産業用資材(フィルター、ワイピングクロス、フレキシブルディスクケースや電池セパレータのような絶縁材、油吸収材等)、土木資材(コンクリート養生シート、アスファルトオーバーレイ等)、生活関連資材(紙おむつ、お絞り、封筒、ティーバッグ等)、医療用資材(手術用キャップ、手術用マスク、包帯、サージカルテープ、サニタリーナプキン、紙おむつ等)などの多くの用途に広く用いることができる。
【0073】
(II)壁紙
本発明の壁紙は、壁紙用基材及び本発明の不織布を積層したものである。不織布は1枚であってもよく、2枚以上であってもよい。また、不織布層の位置は特に制限されず、基材上に直接積層されていてもよく、または基材と不織布層との間にフィルム等の異種層が挟まれていてもよい。さらに、表面部分には、印刷層等が設けられていてもよい。また、撥水剤、難燃剤等が塗布されていてもよい。表面形状は平滑でもよく、凹凸が設けられていてもよい。
【0074】
本発明の壁紙の製造方法の一例を以下に示す。壁紙用基材の一方の面に接着剤を塗布し、その上に不織布を1枚又は2〜3枚程度重ねる。次いで、通常不織布表面に印刷を施す。さらにその表面に、必要に応じて、難燃剤、撥水剤等を塗布する。この後、エンボス加工により表面に凹凸を付し、プリント(染色)することにより壁紙が完成する。
【0075】
エンボス加工時の温度は、通常100〜260℃程度とすればよい。芯鞘型複合繊維を用いる場合には、鞘部の融点以上で芯部の融点より低い温度とすればよい。芯鞘型複合繊維を用いて熱接着法で製造された不織布の場合には、エンボス加工時に鞘部が再溶融し、フィルムに近い形態の不織布層が形成される。一方、ウェブを機械的に交絡させる等により不織布製造時に鞘部が溶融していない場合には、エンボス加工時に繊維相互が融着されるために、不織布層中に繊維形態が保持され、柔らかい風合いの壁紙が得られる。
【0076】
【実施例】
以下、実施例及び試験例を示して、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<初期引張抵抗度>
不織布を全六方向(30度ピッチ)に10縦25cm、横2.5cmの矩形試料を切り出し、JIS L−1096カットストリップ法(2.5cm×20cm)に準じて高温ボックスにより試料が70度の環境下にあるよう調整して測定を一方向について5回実施し、平均値を採用した。それぞれの平均値(各六方向)の最大値と最小値を求める。なお、初期引張抵抗度は、応力−歪曲線の最高勾配の応力を求め、この勾配で100%相当伸長すると仮定した場合の引張強力で示す。
<比容積>
100mm×100mmの正方形に切断した不織布の重さB(g)を測定し、その不織布を10枚重ね、3g/m2の荷重をかけて厚みを測定し、その値を1枚あたりの厚みA(mm)を下記式に代入して求める。
比容積(cc/g)=100×100×A/Bにて換算して求める。
<融点>
芯部の融点は、試料を示差走査熱量計(型番DSC−50)(島津社製)を用いて昇温速度10℃/分で昇温させ、吸熱曲線のピーク温度を融点とした。
鞘部の融点は、JISL1015(2000)A法に従い、微量融点測定装置(ヤナコ機器開発研究所社製)を用いて、試料をスライドグラスに載せた状態で(50)℃から、昇温速度1℃/分で昇温させ、試料の流動が始まった時の温度を融点とした。
<固有粘度>
固有粘度(IV)は、フェノール:1,1,2,2−テトラクロルエタンの1:1混合溶媒(重量比)で1g/dLの濃度の試料を調製し、ウベローデ型粘度計にて30℃での落下時間を求め、次式により求めた。
【0077】
【数1】
【0078】
ここで、[η] : IV (固有粘度、dL/g)
ηSp: 比粘度 (−)
K’ : ハギンスの恒数(=0.33)
C : 濃度 (=1g/dL)
τ : 試料の落下時間(sec)
τ0 : 溶媒の落下時間(sec)
<繊度・平均繊維長>
繊度及び平均繊維長は、JISL1015A法に準拠して測定した。
<強度・伸度・捲縮数・捲縮率・繊維間静止摩擦係数>
引張強度、伸度、捲縮数、捲縮率、繊維間静止摩擦係数は、JISL1015法に準拠して測定した。
【0079】
実施例1
イソフタル酸(酸成分として30mol%)、テレフタル酸(酸成分として70mol%)及びジオール成分としてのエチレングリコールを重合させることにより得られるイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートを鞘部材料として使用した。鞘部組成物は、融点123℃、IV=0.55であった。芯部材料としては、融点260℃、IV=0.63のポリエチレンテレフタレートを使用した。
【0080】
各樹脂のペレットを乾燥後、芯鞘型複合紡糸機にて複合紡糸し、単繊維用延伸機にて延伸し、脂肪酸エステルを主体とする油剤を付与し、クリンパを用いて捲縮を付与し、カットした。得られた芯鞘型複合繊維は、芯/鞘=50/50(重量比)、繊維の長手方向に垂直な断面における外周の100%が鞘部で占められていた。定法により不織布を製造した。繊維及び不織布の諸物性は表1に記す。
【0081】
実施例2
繊維の断面形状を三角とし、芯/鞘=70/30(重量比)、繊維の長手方向に垂直な断面における外周の75%が鞘部で占められていた以外は実施例1に従った。
【0082】
実施例3
鞘部材料としてホスタルックスKS(クラリアント社製)を1wt%含み、繊度を5.3になるよう吐出量を上げた以外は実施例1に従った。
【0083】
比較例1
芯部材料として酸化チタンを2wt%含み、鉱物を主体とする油剤を付与し、繊度を1.5dtexとした以外は実施例1に従った。
【0084】
【表1】
【0085】
各不織布をローラーによるエンボス加工を施し、目視により、不織布の繊維密度斑とエッジのシャープさを評価した。
(◎優、○良、△普通、×悪)
【0086】
【表2】
【0087】
表1及び表2から、繊維間静止摩擦係数が0.20〜0.35の繊維からなる、70℃における初期引張抵抗度が全ての方向において300〜3500Nの本発明実施例1〜3の各不織布は、凹凸を賦形する加工を施しても、繊維の粗密むらが少ない(不織布地合がよい)ために、品位が高いことが分かる。これに対して、比較例1では繊維間静止摩擦係数が低く捲縮の低い繊維から構成されている為、不織布にしたときにかさ高性(比容積)が小さく、また初期引張抵抗度も高くなっている。これに凹凸を賦形する加工を施すと、繊維の破断強度が低いことや繊維間の滑り性が悪いこと等から、変形に対する追随性が劣り、粗密斑やエッジ形成能に劣ったものとなっている。
【0088】
【発明の効果】
本発明によると、エンボス加工により繊維の粗密が生じ難い短繊維不織布、この短繊維不織布を含む壁紙が提供される。詳述すれば、本発明織布は、繊維間静止摩擦係数を適正化し、70℃に加熱した時の初期引張抵抗度の範囲を調整することで、壁紙製造に供する場合に、エンボスローラによる熱圧接時にローラ表面の凹凸への不織布の追随性が優れ、外観上問題となるような繊維の粗密は生じない。
【発明が属する技術分野】
本発明は、ポリエステル系繊維を用いた不織布及びこの不織布を用いた壁紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、短繊維から不織布を製造するにあたっては、通常、繊維を紡糸、延伸して得られるマルチフィラメントに捲縮を付け、さらに切断してステープルファイバーを得、このステープルファイバーからカードウェブを作製する。また、カードウェブに代えて、ステープルファイバーを気流で飛ばしてランダムウェブを作製する場合もある。次いで、得られたウェブを複数枚重ねた状態で、ニードルパンチ、ウオーターパンチ等で繊維間を交絡させるか、接着剤を用いて繊維間を接着させるか、又は、熱融着性繊維を用いる場合には繊維表面部分の融点より高い温度に加熱することにより繊維表面を融解して繊維相互を融着させる。これにより不織布が得られる。
【0003】
このようにして得られる不織布の用途の1つとして壁紙製造がある。不織布を用いて壁紙を製造するにあたっては、難燃紙などの壁紙用基紙上に1枚または複数枚の不織布を重ね、通常、その表面上に印刷を施し、あるいはさらに撥水剤、難燃剤などを塗布する。次いで、この積層シートをエンボスローラにより熱圧接して凹凸を施す。
【0004】
しかし、不織布原料となる従来短繊維は加熱凹凸圧接に対して変形しにくく、エンボス加工により凹凸を付与すると、初期モジュラス特に加熱初期モジュラスが大きい為、凹凸のエッジにおいて丸みを帯びてしまい、エッジ効果のあるシャープな模様を有する深絞りのエンボス加工を施すときに顕著になり、壁紙の外観を損ねる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱凹凸加工されたときにシャープなエッジ効果のでる不織布、この不織布を含む壁紙を提供することを主目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成するために研究を重ね、以下の知見を見出した。
【0007】
短繊維不織布において、繊維間静止摩擦係数を特定の範囲に設定した短繊維の高温時の応力−歪み曲線の関係を適正化することで熱凹凸加工時に、繊維が微妙にずれたり、伸びたりすることでシャープなエッジを有する立体不織布を形成することが出来ること。
【0008】
前記知見に基づき、さらに研究を重ねた結果、本発明は、以下の短繊維不織布及び壁紙を提供する。
【0009】
第一発明として、繊維間静止摩擦係数が0.20〜0.35のポリエステル系繊維を少なくとも一部に使用し、70℃における初期引張り抵抗度が全ての方向において300〜3500Nであることを特徴とする不織布。
【0010】
第二発明として、ポリエステル系繊維が、繊維の長手方向に垂直な断面において、外周の少なくとも50%が鞘部で占められている芯鞘型熱融着性複合繊維であることを特徴とする第一発明に記載の不織布。
【0011】
第三発明として、芯鞘型熱融着性複合繊維の鞘部の融点が、芯部の融点より20℃以上低いことを特徴とする第二発明に記載の不織布。
【0012】
第四発明として、芯鞘型熱融着性複合繊維の鞘成分の融点が100〜180℃であることを特徴とする第二又は第三発明に記載の不織布。
【0013】
第五発明として、芯鞘型熱融着性複合繊維の主として芯部を構成するポリエステルに含まれる顔料の量が主として鞘部を構成するポリエステルに含まれる顔料の量以下であることを特徴とする第二〜第四発明のいずれかに記載の不織布。
【0014】
第六発明として、ポリエステル系繊維の繊度が1.1〜6.6dtexであることを特徴とする第一〜第五発明のいずれかに記載の不織布。
【0015】
第七発明として、 比容積が20〜60(cc/g)であることを特徴とする第一〜第六発明のいずれかに記載の不織布。
【0016】
第八発明として、第一〜第七発明のいずれかに記載の不織布を少なくとも一部に有することを特徴とする壁紙。
【0017】
(I)短繊維不織布
1)基本的構成
本発明の短繊維不織布は、熱凹凸加工においてシャープなエッジを有する立体不織布を形成することが出来る要素として、70℃における初期引張抵抗度が全ての方向において300〜3500Nであるものであり、さらには繊維間静止摩擦係数が0.20〜0.35のポリエステル系芯鞘型熱融着性繊維を使用することで部分的な粗密が発生しないものである。
【0018】
2)繊維材料
2−1)基本的構成
本発明の不織布を構成する繊維の材料は特に限定されず、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、PTFE等の合成繊維;レーヨンのような再生繊維;アセテートのような半合成繊維;綿、麻、羊毛のような天然繊維;ガラス、炭素のような無機化学繊維等のいずれも使用できる。これらは単独で又は2種以上混合して使用できる。特に、ポリプロピレン等が好ましく、ポリエステルがより好ましい。
【0019】
2−2)芯鞘型複合繊維
不織布を熱接着法により製造する場合には、高融点の芯部とそれより低融点の鞘部とからなる芯鞘型の熱融着性複合繊維を用いることが好ましい。特に、ポリエステル複合繊維を用いることが好ましい。このような芯鞘型の熱融着性ポリエステル複合繊維について以下に詳述する。
【0020】
2−2−1)芯部材料
本発明で使用される繊維が芯鞘型ポリエステル複合繊維である場合には、芯部に含まれるポリエステルとしては、例えば芳香環を主鎖中に有する芳香族ポリエステル樹脂が挙げられる。芳香族ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル誘導体とジオ−ルまたはそのエステル誘導体とを主成分として用いて縮合反応により得られる共重合体である。
【0021】
芳香族ジカルボン酸としては、それには限定されないが、例えばテレフタル酸、ナフタレン−2,6 −ジカルボン酸、4,4 ´ジカルボキシジフェニル等が挙げられる。
【0022】
ジオールとしては、それには限定されないが、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,3 −プロパンジオ−ル、1,4 −ブタンジオ−ル、1,4 −シクロヘキサンジオ−ル 、1,4 −シクロヘキサンジメタノ−ル等が挙げられる。
【0023】
芯部のポリエステル樹脂の好適な具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。特に、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。これらのポリエステルは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0024】
芯部には、繊維強度を著しく損なわない範囲内で、前記ポリエステルにおいてイソフタル酸などの非直線的な芳香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸が共重合されたポリエステル;酸成分が非直線的な芳香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸であるポリエステル;ポリオレフィン等が含まれていてもよい。
【0025】
その他の成分
また、芯部には、必要に応じて、顔料、難燃剤、安定剤、減粘剤、増粘剤などが配合されていてもよい。但し、これらの配合量は、芯部ポリエステルの強度を阻害しない範囲内とする。
【0026】
<顔料>
繊維に顔料を配合することにより、繊維の色彩を美しくすることができるのみならず、壁紙製造の際のエンボス加工時に繊維相互の接着性が向上し、また熱エンボスローラの汚れが減少する。芯部には、顔料が含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。芯部中に顔料が含まれている場合には、その配合比率は、鞘部と同じか又はそれより低いことが好ましい。これにより、顔料配合による効果を得ながら、芯部ポリエステルの結晶化度の低下を抑制できる。
【0027】
芯部中の顔料の配合比率は、5重量%以下、特に2重量%以下であることが好ましい。芯部に含まれる含量が余りに多いとポリエステルの結晶化度が低くなり、繊維強度が低下する。本発明の範囲であればこのような問題は生じない。
【0028】
顔料の種類は特に限定されず、従来繊維に添加されている公知の顔料を使用できる。無機顔料としては、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン(ルチル型、アナターゼ型)、三酸化アンチモン、酸化鉄(鉄黒、べんがら)、黄色酸化鉄、フェロシアン化鉄(紺青)、紺青と黄鉛との混合物(ジンクグリーン)、酸化鉛(鉛丹)、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化コバルトと酸化アルミニウムとの複合物(コバルトブルー)、酸化コバルトと酸化錫と酸化マグネシウムとの複合物(セリアンブルー)、酸化コバルトと酸化リチウムと五酸化リンとの複合物(コバルトバイオレット)、酸化コバルトと酸化亜鉛と酸化マグネシウムとの複合物(コバルトグリーン)、リン酸コバルト(コバルトバイオレット)、リン酸マンガン(マンガン紫)等の金属酸化物;
【0029】
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、塩基性硫酸鉛、硫化亜鉛と硫酸バリウムとの複合物(リトポン)、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫化亜鉛、硫化亜鉛カドミウム(カドミウムイエロー)、硫化カドミウムと硫化水銀との複合物(カドミウムマーキュリーレッド)、硫化水銀(銀朱)、硫化カドミウムとセレニウム−カドミウムの複合物(カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、カドミウムイエロー)、硫化アンチモンと三酸化アンチモンとの複合物(アンチモン朱)等の金属硫化物;
【0030】
炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸鉛と水酸化鉛との複合物(鉛白)等の金属炭酸化物;
【0031】
水酸化アルミニウム(アルミナホワイト)、水酸化アルミニウムと硫酸カルシウムとの複合物(チサン白)、水酸化アルミニウムと硫酸バリウムとの複合物(グロスホワイト)、クロム酸水和物(ビリジアン)等の金属水酸化物;
【0032】
クロム酸鉛(黄鉛)、クロム酸亜鉛(亜鉛黄)クロム酸バリウム、クロム酸鉛と酸化鉛との複合物(赤口黄鉛)、クロム酸鉛とモリブデン酸鉛と硫酸鉛との複合物(クロムバーミリオン)等のクロム酸金属塩;
モリブデン酸鉛と硫酸鉛との複合物(モリブデンレッド);紺青と黄鉛との混合物(クロムグリーン);
【0033】
スピネル型(XY2O4)構造酸化物(例えばXY=Co−Al、Co−Al−Cr、Co−Mg−Sn、Co−Ni−Ti、Co−Zn−Ni−Ti、Co−Zn−Cr−Ti、Zn−Cr−Ti、Zn−Cr−Fe、Co−Zn−Cr−Fe、Co−Ni−Cr−Fe−Si、Co−Mn−Cr−Fe、Cu−Mn−Cr、Mn−Fe等);ルチル型(Ti(XY)O2)構造酸化物(例えばXY=Pb−Sb、Ni−Sb(チタンイエロー)、Ni−W、Fe−Mo、Cr−Sb等);カーボンブラック;チタンブラック;アセチレンブラック;黒鉛;シリカ;ホワイトカーボン;ケイ藻土;タルク;クレー;アルミニウム粉顔料;ブロンズ粉;ニッケル粉;ステンレス粉;パール顔料等が挙げられる。
【0034】
有機顔料としては、例えばスチルベンビスベンゾオキサゾール誘導体であるホスタルックスKS(クラリアント社製)OB−1(イーストマンコダック社製)等が挙げられる。特に、ホスタルックスKSが好ましい。これは、ホスタルックスKSはポリエステルとの混合溶解性、溶融装置内での溶融均一性、紡糸作業性及び得られる繊維の白度均一性が良好になるためである。ホスタルックスKSの商品名を有する製品の中でもメチル基を有するタイプのもの、例えば4−(−ベンゾキサゾイル)−4’−(5−メチル−2−ベンゾキサゾイル)スチルベン、4,4−ビス−(5−メチル−2−ベンゾキサゾイル)スチルベンなどの4,4’−ビス(2−ベンゾキサゾイル)スチルベン同族体が好ましい。
【0035】
2−2−2)鞘部材料
ポリエステル
鞘部に含まれるポリエステルとしては、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸等の直線的な芳香族ジカルボン酸とフタル酸、イソフタル酸等の非直線的な芳香族ジカルボン酸とを用い、ジオール成分として、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,2 −プロパンジオ−ル、1,3 −プロパンジオ−ル、1,3 −ブタンジオ−ル、1,4 −ブタンジオ−ル、1,5 −ペンタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、1,6 −ヘキサンジオ−ル、1,4 −シクロヘキサンジオ−ル 、1,4 −シクロヘキサンジメタノ−ル、1,2−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,3−シクロヘキサンジメタノ−ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等を用いたポリエステルが挙げられる。
【0036】
フタル酸、イソフタル酸等の非直線的な芳香族ジカルボン酸の共重合比率は、酸成分の通常20〜60mol%程度、特に30〜50mol%程度であることが好ましい。
【0037】
脂肪族または脂環族ジカルボン酸の共重合比率は、酸成分の通常20〜60mol%程度、特に30〜50mol%程度であることが好ましい。
【0038】
鞘部ポリエステルの好適な具体例としては、例えばイソフタル酸共重合ポリエステル等が挙げられる。
【0039】
鞘部には、この他、溶融性を損なわない範囲で、ポリオレフィンなどの異種樹脂が配合されていてもよい。
【0040】
芯部ポリエステルと鞘部ポリエステルとの組み合わせとしては、ポリエチレンテレフタレートとイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートとの組み合わせ等が好ましい。
【0041】
その他の成分
また、鞘部には、必要に応じて、顔料、難燃剤、安定剤、減粘剤、増粘剤などが配合されていてもよい。
【0042】
<顔料>
鞘部には顔料を配合することができる。鞘部中の顔料の配合比率は、通常0.1〜10重量%程度、特に1〜5重量%程度であることが好ましい。使用可能な顔料の種類は前述したとおりである。
【0043】
2−2−3)融点
鞘部
鞘部の融点は、通常100〜180℃程度、特に110〜160℃程度であるのが好ましい。鞘部の融点は低い方が融解し易いが、余りに低いと熱処理時に芯部と鞘部との溶融粘度差が大きくなって作業性が悪化し易い。また、鞘部の融点が余りに高いと芯部との融点の差が小さくなって、芯部を溶融させずに鞘部のみ溶融させるための温度コントロールが困難になる。本発明の範囲内であれば、このような問題が生じ難い。
【0044】
本発明において、鞘部の融点は、実施例に記載の方法で測定した値である。
【0045】
芯部
また、芯部の融点は、鞘部の融点より通常20℃以上、特に30℃以上高いことが好ましい。芯部と鞘部との融点差が余りに小さいと熱融着時の温度コントロールが困難であるが、本発明の範囲であればこのような問題が生じない。芯部融点の上限は、特に限定されないが、通常260℃程度である。
【0046】
本発明において、芯部の融点は、実施例に記載の方法で測定した値である。
【0047】
2−2−4)固有粘度
高分子を構成するモノマーの重合度を反映する値として固有粘度がある。結晶性高分子では、ポリマーの重合度が高いほど延伸倍率を高く設定でき結晶化度を高くできる。
【0048】
本発明で使用する繊維が芯鞘型複合繊維である場合には、芯部の固有粘度[η]は、通常0.5dl/g以上、特に0.6dl/g以上であることが好ましい。芯部の固有粘度が余りに低いと結晶化が不十分になり複合繊維の強度が不十分になるが、本発明の範囲であればこのような問題は生じない。芯部の固有粘度の上限は特に限定されないが、通常1.2dl/g程度である。
【0049】
鞘部の固有粘度[η]は通常0.4〜0.6dl/g程度、特に0.5〜0.55dl/g程度であることが好ましい。固有粘度が余りに低いと鞘部が脆くなって熱接着点が外力により剥離し易くなる。また、固有粘度が余りに高いと熱接着時に加えるべき熱エネルギーひいてはコストが高くなりすぎる。本発明の範囲であればこのような問題は生じない。
【0050】
本発明において、固有粘度[η]は、実施例に記載の方法で測定した値である。
【0051】
3)繊維形態・諸性質
3−1)芯鞘型複合繊維
本発明の不織布を構成する短繊維は、芯鞘型複合繊維であることが好ましい。この場合、熱接着法による不織布製造に好適に使用できる。芯鞘型複合繊維である場合には、この繊維は、繊維の長手方向に垂直な方向すなわち繊維径方向の断面において、芯部を中心として周縁部が完全に鞘部で覆われていてもよく、芯部が偏心していることにより外周の一部が芯部で占められたバイメタル型に近いものであってもよい。芯部が偏心しバイメタル型に近い形態の場合には、前記断面において外周の少なくとも50%、特に70%、さらに特に90%が鞘部で占められていることが好ましい。なお、外周占有率は、繊維の断面透過写真を撮影し、外周占有部分の長さを測定し、割合を求める。
【0052】
また、短繊維は、芯部と鞘部との重量比が、通常3:7〜7:3程度、特に4:6〜6:4程度であることが好ましい。
【0053】
3−2)繊度・繊維長
繊維が芯鞘型複合繊維である場合を含め、どのような繊維であっても、繊維の繊度は、通常1.1〜6.6dtex程度、特に2.2〜4.4dtex程度であることが好ましい。繊度が余りに小さいとカードの工程通過性が悪化し、繊度が余りに大きいと繊維間の接点数が少なくなる為不織布強度が低くなる。本発明の範囲であればこのような問題は生じない。
【0054】
また、繊維長は、通常32〜76mm程度、特に40〜60mm程度であることが好ましい。繊維長が余りに短いとカードの工程通過性が悪化し、繊維長が余りに長くてもカードの工程通過性が悪化する。本発明の範囲であればこのような問題は生じず、実用上十分な強度を有する不織布が得られる。
【0055】
本発明において繊度及び繊維長は、JIS L1015Aに準拠して測定した値である。
【0056】
3−3)繊維強伸度
また、繊維の引張強度は、通常1〜5cN/dtex程度、特に2〜4N/dtex程度であることが好ましく、伸度は、通常40〜80%程度、特に50〜70%程度であることが好ましい。繊維の繊度、強度及び伸度は、紡糸時のポリマーの吐出量及び延伸倍率を調節することにより、この範囲内にすることができる。強度及び伸度は、JISL1015法により測定した値である。
【0057】
3−4)捲縮
また、繊維は、不織布の強度を高めるために、捲縮を有することが好ましい。捲縮数は、通常10〜20個/25mm程度、特に10〜15個/25mm程度であることが好ましい。捲縮率は、通常8〜20%程度、特に10〜18%程度であることが好ましい。捲縮が余りに少ないとカードの工程通過性が悪化し、捲縮が余りに多くてもカードの工程通過性が悪化する。本発明の範囲であれば、このような問題は生じず、実用上十分な不織布強度が得られる。捲縮数及び捲縮率は、JISL1015法により測定した値である。
【0058】
3−5)繊維間静止摩擦係数
本発明において使用する繊維は、繊維間静止摩擦係数(F/Fμs)が0.20〜0.34程度、特に0.23〜0.32程度であることが好ましい。繊維間静摩擦係数が余りに低いとフライが発生し、カード通過性が悪くなり、余りに高いと混綿性が悪くなる。本発明の範囲であればこのような問題は生じず、実用上十分な不織布強度が得られる。繊維間静摩擦係数は、油剤の種類及び使用量を調節することによりこの範囲にすることができる。本発明において、繊維間静止摩擦係数は、JISL1015法により測定した値である。
【0059】
4)不織布の比容積
本発明の不織布は比容積が20〜60cc/gであることが好ましい。比容積が大きいほど立体的な賦形性が優れており高級感のあるものとしやすい。比容積が20cc/g未満では賦形加工後に得られる不織布が粗密の程度が不良なものとなりやすく、著しい場合は折り目が付いてしまうこともある。一方60cc/gを越える場合は賦形性には優れるものの、嵩張っているがために搬送等の効率が低下し、コストアップとなってしまう為好ましくない。好ましくは30〜50cc/gであり、更に好ましくは35〜45cc/gである。
【0060】
5)不織布の70℃の初期引張抵抗度
本発明の不織布において、不織布の初期引張抵抗度は全ての方向において300〜3500Nであることが必要である。70℃の初期引張り抵抗度は賦形加工における不織布の変形追随性と大きく相関することを見いだし、300N未満では短繊維の絡みや接着が弱く、賦形加工後の不織布に粗密な部分が出来やすい。また3500Nを越えると一方向に繊維が揃いすぎている為、賦形加工後の不織布に粗密な部分が出来やすく、シャープなエッジも形成しにくい。70℃の初期引張り抵抗度は好ましくは500〜3000Nであり、一層好ましくは800〜2400Nである。
【0061】
6)不織布の製造方法
6−1)繊維の製造方法
本発明において使用する短繊維は、合成繊維である場合には、紡糸、捲縮の付与及び切断などの工程を含む従来公知の方法で製造できる。綿、羊毛等の天然の短繊維はそのまま使用できる。短繊維が芯鞘型複合繊維である場合には、複合繊維の製造方法として従来公知の方法(例えば特開昭58−136828号公報に記載の方法)で製造できる。
【0062】
芯鞘型ポリエステル複合繊維の製造方法を以下に説明する。紡糸方法は特に制限されないが、通常溶融紡糸法が採用される。また、延伸は紡糸後に行ってもよいが、溶融紡糸の場合には高速で繊維を引き取ることにより紡糸と同時に延伸を行うこともできる。延伸倍率は、通常1.5〜4.0倍程度、特に2.5〜3.5倍程度とすることが好ましい。延伸倍率をこの範囲内とするとともに、紡糸時のポリマーの吐出量を適切に設定する場合には、繊維の繊度、引張強度及び伸度を前述した好ましい範囲とすることができる。
【0063】
また、紡糸後の繊維の加工容易性、接着性等を考慮して、繊維が吐出された後トウが収納されるまでの間に、通常油剤が付与される。油剤の種類は特に制限されず、アルキルリン酸エステル、ポリエーテルエステル、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体などの公知の油剤を組み合わせて用いることができる。油剤の配合比率を調節することにより、また断面形状を選定することにより得られる繊維の繊維間静止摩擦係数(F/Fμs)を前述した好ましい範囲にすることができる。
【0064】
さらに、繊維には、通常捲縮が付けられる。捲縮は例えばクリンパを用いて付与することができる。この際、クリンパの圧力を1〜4kgf/cm2程度、クリンパの温度を30〜50℃程度に設定することが好ましく、これらの範囲内で適宜クリンパの圧力及び温度を調節することにより、前述した好ましい範囲の捲縮数及び捲縮率が得られ、それが不織布の比容積に大きく影響する。
【0065】
不織布の70℃における初期引張抵抗度は、複合繊維として鞘部融点や外周占有率が、繊維の製造法として延伸倍率や油剤の選定が影響する。
【0066】
6−2)不織布の製造方法
6−2−1)構成繊維
本発明の不織布を構成する繊維は、前述したように特に限定されない。例えば芯鞘型ポリエステル複合繊維を主に含む場合には、この他にポリエステル系単成分繊維、レーヨン、綿などの異種繊維を含んでいてもよい。
【0067】
芯鞘型複合繊維は、熱融着性繊維として熱接着法による不織布の製造に有用であり、繊維構造を固定するための接着繊維として使用される。従来の結晶化度が低い熱融着性複合繊維の場合には、繊維の強度不足に伴うカード通過性や賦形時の製品外観が悪化するために、せいぜい全繊維の50重量%程度までしか熱融着性複合繊維を混ぜることができなかった。本発明において芯部と鞘部を構成するポリエステルの融点の差が20℃以上である場合には、芯鞘型ポリエステル複合繊維を全繊維の70重量%以上混合してもよく、構成繊維として芯鞘型ポリエステル複合繊維だけを用いることも可能である。芯鞘型ポリエステル複合繊維の混合比率が高いほど、エンボス加工時の凹凸の賦形性に優れ、シャープな凹凸を付与することができる。
【0068】
6−2−2)製造方法
短繊維間の交絡または接着方法は、特に限定されず、熱接着法、バインダ接着法、ニードルパンチ法、ウオーターパンチ法等の公知の方法を採用できる。いずれの場合にも、ウェブを複数枚重ねた状態で交絡または接着する。
【0069】
ニードルパンチ法で繊維を交絡させる場合には、本発明に規定される引張強度比とするために、刺針密度を100〜300本/cm2程度とすればよい。特に120〜260本/cm2程度が好ましく、150〜220本/cm2程度がより好ましい。ウオーターパンチ法で繊維を交絡させる場合には、本発明に規定される引張強度比とするために、水圧30〜150kg/cm2程度とすればよい。特に50〜120kg/cm2程度が好ましく、70〜100kg/cm2程度がより好ましい。
【0070】
刺針密度又は水圧が余りに高いと、エンボス加工による凹凸形成時に繊維の滑り性が悪くなり、凹凸のエッジがシャープに形成されず立体感の劣ったものになってしまう。また、刺針密度又は水圧が余りに低いと、不織布の引張強度が低くなり、また引張強度比が非常に大きく又は非常に小さくなってエンボス加工による凹凸部分で繊維の粗密が生じ易い。本発明の範囲であればこのような問題は生じない。
【0071】
また、本発明において使用する繊維が芯鞘型複合繊維である場合には、熱接着法により繊維間を接着することが好ましい。熱接着法による場合には、スルーエアボンド装置または熱カレンダ等に通すことにより、鞘部の融点より高く、芯部の融点より低い温度で、1秒〜5分間程度加熱する。これにより鞘部が融解して繊維相互が融着した不織布が得られる。特に熱接着法による場合には温度、圧力、加熱時間等を変更することによって接着点数、接着強度が変化し、不織布の70度における初期引張抵抗度を適正な範囲に調節できる。
【0072】
7)用途
本発明の不織布の用途は特に制限されず、例えばインテリア用品(壁紙、カーテン、カーペット等)、衣料用品(衣料用芯地、衣料用中入れ綿、使い捨て下着等)、寝具類、靴・鞄材料(補強剤、甲皮、裏皮、鞄用裏張り、パッキング等)、産業用資材(フィルター、ワイピングクロス、フレキシブルディスクケースや電池セパレータのような絶縁材、油吸収材等)、土木資材(コンクリート養生シート、アスファルトオーバーレイ等)、生活関連資材(紙おむつ、お絞り、封筒、ティーバッグ等)、医療用資材(手術用キャップ、手術用マスク、包帯、サージカルテープ、サニタリーナプキン、紙おむつ等)などの多くの用途に広く用いることができる。
【0073】
(II)壁紙
本発明の壁紙は、壁紙用基材及び本発明の不織布を積層したものである。不織布は1枚であってもよく、2枚以上であってもよい。また、不織布層の位置は特に制限されず、基材上に直接積層されていてもよく、または基材と不織布層との間にフィルム等の異種層が挟まれていてもよい。さらに、表面部分には、印刷層等が設けられていてもよい。また、撥水剤、難燃剤等が塗布されていてもよい。表面形状は平滑でもよく、凹凸が設けられていてもよい。
【0074】
本発明の壁紙の製造方法の一例を以下に示す。壁紙用基材の一方の面に接着剤を塗布し、その上に不織布を1枚又は2〜3枚程度重ねる。次いで、通常不織布表面に印刷を施す。さらにその表面に、必要に応じて、難燃剤、撥水剤等を塗布する。この後、エンボス加工により表面に凹凸を付し、プリント(染色)することにより壁紙が完成する。
【0075】
エンボス加工時の温度は、通常100〜260℃程度とすればよい。芯鞘型複合繊維を用いる場合には、鞘部の融点以上で芯部の融点より低い温度とすればよい。芯鞘型複合繊維を用いて熱接着法で製造された不織布の場合には、エンボス加工時に鞘部が再溶融し、フィルムに近い形態の不織布層が形成される。一方、ウェブを機械的に交絡させる等により不織布製造時に鞘部が溶融していない場合には、エンボス加工時に繊維相互が融着されるために、不織布層中に繊維形態が保持され、柔らかい風合いの壁紙が得られる。
【0076】
【実施例】
以下、実施例及び試験例を示して、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<初期引張抵抗度>
不織布を全六方向(30度ピッチ)に10縦25cm、横2.5cmの矩形試料を切り出し、JIS L−1096カットストリップ法(2.5cm×20cm)に準じて高温ボックスにより試料が70度の環境下にあるよう調整して測定を一方向について5回実施し、平均値を採用した。それぞれの平均値(各六方向)の最大値と最小値を求める。なお、初期引張抵抗度は、応力−歪曲線の最高勾配の応力を求め、この勾配で100%相当伸長すると仮定した場合の引張強力で示す。
<比容積>
100mm×100mmの正方形に切断した不織布の重さB(g)を測定し、その不織布を10枚重ね、3g/m2の荷重をかけて厚みを測定し、その値を1枚あたりの厚みA(mm)を下記式に代入して求める。
比容積(cc/g)=100×100×A/Bにて換算して求める。
<融点>
芯部の融点は、試料を示差走査熱量計(型番DSC−50)(島津社製)を用いて昇温速度10℃/分で昇温させ、吸熱曲線のピーク温度を融点とした。
鞘部の融点は、JISL1015(2000)A法に従い、微量融点測定装置(ヤナコ機器開発研究所社製)を用いて、試料をスライドグラスに載せた状態で(50)℃から、昇温速度1℃/分で昇温させ、試料の流動が始まった時の温度を融点とした。
<固有粘度>
固有粘度(IV)は、フェノール:1,1,2,2−テトラクロルエタンの1:1混合溶媒(重量比)で1g/dLの濃度の試料を調製し、ウベローデ型粘度計にて30℃での落下時間を求め、次式により求めた。
【0077】
【数1】
【0078】
ここで、[η] : IV (固有粘度、dL/g)
ηSp: 比粘度 (−)
K’ : ハギンスの恒数(=0.33)
C : 濃度 (=1g/dL)
τ : 試料の落下時間(sec)
τ0 : 溶媒の落下時間(sec)
<繊度・平均繊維長>
繊度及び平均繊維長は、JISL1015A法に準拠して測定した。
<強度・伸度・捲縮数・捲縮率・繊維間静止摩擦係数>
引張強度、伸度、捲縮数、捲縮率、繊維間静止摩擦係数は、JISL1015法に準拠して測定した。
【0079】
実施例1
イソフタル酸(酸成分として30mol%)、テレフタル酸(酸成分として70mol%)及びジオール成分としてのエチレングリコールを重合させることにより得られるイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートを鞘部材料として使用した。鞘部組成物は、融点123℃、IV=0.55であった。芯部材料としては、融点260℃、IV=0.63のポリエチレンテレフタレートを使用した。
【0080】
各樹脂のペレットを乾燥後、芯鞘型複合紡糸機にて複合紡糸し、単繊維用延伸機にて延伸し、脂肪酸エステルを主体とする油剤を付与し、クリンパを用いて捲縮を付与し、カットした。得られた芯鞘型複合繊維は、芯/鞘=50/50(重量比)、繊維の長手方向に垂直な断面における外周の100%が鞘部で占められていた。定法により不織布を製造した。繊維及び不織布の諸物性は表1に記す。
【0081】
実施例2
繊維の断面形状を三角とし、芯/鞘=70/30(重量比)、繊維の長手方向に垂直な断面における外周の75%が鞘部で占められていた以外は実施例1に従った。
【0082】
実施例3
鞘部材料としてホスタルックスKS(クラリアント社製)を1wt%含み、繊度を5.3になるよう吐出量を上げた以外は実施例1に従った。
【0083】
比較例1
芯部材料として酸化チタンを2wt%含み、鉱物を主体とする油剤を付与し、繊度を1.5dtexとした以外は実施例1に従った。
【0084】
【表1】
【0085】
各不織布をローラーによるエンボス加工を施し、目視により、不織布の繊維密度斑とエッジのシャープさを評価した。
(◎優、○良、△普通、×悪)
【0086】
【表2】
【0087】
表1及び表2から、繊維間静止摩擦係数が0.20〜0.35の繊維からなる、70℃における初期引張抵抗度が全ての方向において300〜3500Nの本発明実施例1〜3の各不織布は、凹凸を賦形する加工を施しても、繊維の粗密むらが少ない(不織布地合がよい)ために、品位が高いことが分かる。これに対して、比較例1では繊維間静止摩擦係数が低く捲縮の低い繊維から構成されている為、不織布にしたときにかさ高性(比容積)が小さく、また初期引張抵抗度も高くなっている。これに凹凸を賦形する加工を施すと、繊維の破断強度が低いことや繊維間の滑り性が悪いこと等から、変形に対する追随性が劣り、粗密斑やエッジ形成能に劣ったものとなっている。
【0088】
【発明の効果】
本発明によると、エンボス加工により繊維の粗密が生じ難い短繊維不織布、この短繊維不織布を含む壁紙が提供される。詳述すれば、本発明織布は、繊維間静止摩擦係数を適正化し、70℃に加熱した時の初期引張抵抗度の範囲を調整することで、壁紙製造に供する場合に、エンボスローラによる熱圧接時にローラ表面の凹凸への不織布の追随性が優れ、外観上問題となるような繊維の粗密は生じない。
Claims (8)
- 繊維間静止摩擦係数が0.20〜0.35のポリエステル系繊維を少なくとも一部に使用し、70℃における初期引張り抵抗度が全ての方向において300〜3500Nであることを特徴とする不織布。
- ポリエステル系繊維が、繊維の長手方向に垂直な断面において、外周の少なくとも50%が鞘部で占められている芯鞘型熱融着性複合繊維であることを特徴とする請求項1に記載の不織布。
- 芯鞘型熱融着性複合繊維の鞘部の融点が、芯部の融点より20℃以上低いことを特徴とする請求項2に記載の不織布。
- 芯鞘型熱融着性複合繊維の鞘成分の融点が100〜180℃であることを特徴とする請求項2又は3に記載の不織布。
- 芯鞘型熱融着性複合繊維の主として芯部を構成するポリエステルに含まれる顔料の量が主として鞘部を構成するポリエステルに含まれる顔料の量以下であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の不織布。
- ポリエステル系繊維の繊度が1.1〜6.6dtexであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の不織布。
- 比容積が20〜60(cc/g)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかにに記載の不織布。
- 請求項1〜7のいずれか記載の不織布を少なくとも一部に有することを特徴とする壁紙。
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JP2002209861A JP2004052144A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 短繊維不織布及び壁紙 |
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WO2007066699A1 (ja) * | 2005-12-06 | 2007-06-14 | Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd. | 多層吸収性衛生物品 |
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- 2002-07-18 JP JP2002209861A patent/JP2004052144A/ja active Pending
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