JP2004052121A - 汗取り脇パット - Google Patents
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Abstract
【課題】衣服の脇の下部分に装着して使用することで、脇の下の汗を吸収するため衣服への汗ジミを防ぎ、且つ吸汗性、消臭力に優れた装着時の違和感がなく肌ざわりが良い、加えて抗菌効果や赤外線効果も有する汗取り脇パットを提供することにある。
【解決手段】衣服の脇の下部分に装着する汗取り脇パットであって、セルロース系繊維から構成された不織布からなる吸水層と活性炭層と貼着層とが順に積層・一体化されてなることを特徴とする汗取り脇パットとする。
【選択図】 図1
【解決手段】衣服の脇の下部分に装着する汗取り脇パットであって、セルロース系繊維から構成された不織布からなる吸水層と活性炭層と貼着層とが順に積層・一体化されてなることを特徴とする汗取り脇パットとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汗取り脇パットに係り、更に詳しくは、衣服の脇の下部分に装着して使用するため、衣服への汗ジミを防ぎ、且つその吸汗性、消臭力に優れた肌ざわりの良い汗取り脇パットに関する。
【0002】
【従来の技術】
身体の中でも脇の下は汗をかきやすく、汗をかいた後はベタついたり、においが気になるなどの不快感を覚え、特に夏場は著しい。このベタつきやにおいを防止するために、消臭液や消臭スプレー、パウダーなどの制汗剤が一般的に使用されている。しかしながら、前記制汗剤などでは一時的に汗を抑えることはできるものの、経時的にその効力は低下するため、定期的に制汗剤を使用しなければならない。また、衣服の脇部分に汗ジミがつくため、部分洗濯や、クリーニングが必要となる。
上述した課題を解決するため、更に敏感な肌の人にとっては制汗剤は肌への負担が強いため、衣服の脇部分の内側に汗取り脇パットを装着して使用することにより、脇の下の汗を吸収し、衣服の汗ジミを防いでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の汗取り脇パットは衣服の汗ジミは防ぐものの、吸汗性、肌ざわりが悪く、また、消臭力に劣るため1日汗取り脇パットを装着するとにおいが気になるといった問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、吸汗性、消臭力に優れ、肌ざわりが良く、加えて抗菌効果も有する汗取り脇パットを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明のうち請求項1に係る発明は、衣服の脇の下部分に装着する汗取り脇パットであって、セルロース系繊維から構成された不織布からなる吸水層と活性炭層と貼着層とが順に積層・一体化されてなることを特徴とする汗取り脇パットに関する。
請求項2に係る発明は、前記活性炭層の活性炭が70〜160μmの粉末であることを特徴とする請求項1に記載の汗取り脇パットに関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る汗取り脇パットについて図面を参照しつつ説明する。
本発明における汗取り脇パットは図1(1)に示すような円形を基本とする多様な形状をなし、図1(2)に示すような六角形等の多角形状のものも含む。その構造は図2に示すように、セルロース系繊維から構成された吸水層(1)と活性炭層(2)と貼着層(3)とが順に積層・一体化されてなることを特徴とする。
前記汗取り脇パットの中心部は折り曲げられており、その折り線を衣服の脇の縫い線上にあわせて接着する。衣服と接着する貼着層(3)には折り曲げられた両面の中心部分に粘着テープ(4)が付けられており、この部分を衣服に接着して使用する。
【0006】
直接肌に触れる吸水層(1)は不織布からなり、該不織布を構成するセルロース系繊維は、セルロースを原料とする繊維のことであり、肌ざわりが良く通気性、通汗性に優れている。セルロース系繊維としては植物繊維である綿、パルプ、麻、カポック、パンヤ;化学繊維であるレーヨン、ナイロン、ポリノジック、キュプラなどが挙げられ、好ましくは綿、パルプ、レーヨンを使用する。また、これらのセルロース繊維を単独で使用しても良く、2種以上の混合繊維を使用しても良い。
吸水層(1)は厚さ0.08〜1.2mmとし、好ましくは厚さ0.4〜1.2mmとする。0.08mmより薄いと十分に汗を吸収することができないため好ましくなく、1.2mmより厚い場合は、肌ざわりが悪くなるので好ましくない。
【0007】
活性炭層(2)は、活性炭粉末を吸水層(1)に均一に塗着させて層となしたもので、抗菌、消臭などを目的とする。
【0008】
活性炭とは炭素物質を原料として、高温でガスや薬品などと反応させて作られる微細孔を持つ炭素のことであり、脱臭力に優れている。活性炭には分子レベルの吸着微細孔が炭素内部に網目状に構成されており、その微細孔の表面に異臭などの原因である物質を吸着させる。また、遠赤外線効果も期待できる。遠赤外線には水分の蒸散効果があり、汗の蒸発スピードを速めるためムレを抑え、身体を冷やす原因を取り除く保温効果や、老廃物の排出促進や悪臭を中和させる中和効果などがある。更に活性炭には抗菌効果があり、前記遠赤外線効果と抗菌効果の相乗効果によって脇のいやなにおいの原因となる菌の繁殖を抑制し、その効果を持続させることができる。
【0009】
活性炭の原料としては特に限定されないが、木炭、ヤシ殻炭、石炭、オイルカーボン等の粒状活性炭;おが屑、硬質の木材チップ、木炭(素炭)、草炭(ピート)等の粉末活性炭;レーヨン、アクリロニトル、石炭ピッチ、石油ピッチ、フェノール樹脂等の繊維状活性炭などが挙げられ、好ましくは備長炭を使用する。また、これらを単独で使用しても良く2種以上を混合して使用してもよい。
【0010】
前記活性炭を粉砕して粉末状とし、前記吸水層(1)に塗着する。塗着の方法としては、吸水層の片面全体に糊をつけ、粉末状にした活性炭を厚さが均一になるように吹き付け接着させる。粉砕する活性炭粉末の粒度としては70〜160μmの粒度にするのが好ましく、より好ましくは75〜150μmの粒度の活性炭粉末とする。粉砕工程上、粒度を70μmより細かくすることは難しく、160μmより粒度が大きいと肌に触れたときに痛みや違和感を覚えるため、好ましくない。
【0011】
また、前記活性炭層(2)は前記吸水層(1)に均一に塗着させるが、塗着させる量は吸水層が活性炭粉末によって十分に覆われる程度の活性炭粉末を使用すれば良く、1〜50g/m2、好ましくは10〜20g/m2の活性炭粉末を使用する。1g/m2より塗着量が少ないと活性炭の消臭効果、抗菌効果が期待できず、また、50g/m2より多く塗着してもそれ以上の効果が望めないため好ましくない。
【0012】
貼着層(3)は活性炭層(2)に圧着させる。貼着層(3)としては、特に限定されないが、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のフィルム、又は綿、パルプ、麻等の植物繊維やレーヨン、ナイロン等の化学繊維を1種又は2種以上使用した不織布が挙げられる。前記フィルム、又は前記不織布を単独で使用しても良く、組み合わせて使用することもできる。貼着層(3)はフィルムを使用する場合、厚さ0.01〜0.1mm、好ましくは0.02〜0.05mmとする。0.01mmより薄いと破けやすく、0.1mmより厚い場合は、着用時に違和感を覚えるため好ましくない。また、不織布を使用する場合は0.08〜1.2mm、好ましくは0.4〜1.2mmとする。0.08mmより薄いと着用中に擦れて破けやすく、また吸収した汗が衣服に通りやすいため好ましくなく、1.2mmより厚い場合は、ゴワつきを感じるなど着用時に違和感を覚えるため好ましくない。
【0013】
上記した方法で吸水層(1)と活性炭層(2)と貼着層(3)を順に重ねて一体化させた本発明に係る汗取り脇パットは、吸水層(1)の繊維の間に活性炭粉末が入り込み凹凸がなくなり、吸水層の表面が平らになるため、肌に触れた時の肌ざわりがよくなり、着用した時の違和感も感じなくなる。また、抗菌効果に優れているため、脇の下の菌の繁殖を防ぎ、いやなにおいを抑えることができ、その効果を持続させることができる。
【0014】
以下、本発明の汗取り脇パットを実施例に基いて更に詳細に説明するが、本発明は係る実施例のみに限定されるものではない。
【実施例】
(実施例1)
実施例1として、厚さ0.6mmの綿の不織布の片面全体に糊を塗布し、80μmの備長炭粉末を20g/m2となるように均一に塗着させた後、活性炭層の上に厚さ0.02mmポリエチレンフィルムを被せて圧着して作製したシートを用いて汗取り脇パットを作成した。
【0015】
(実施例2)
実施例2として、実施例1のうち120μmの備長炭粉末を5g/m2使用した。
【0016】
(実施例3)
実施例3として、実施例1のうちレーヨンの不織布を用いた。
【0017】
(実施例4)
実施例4として、実施例1のうち不織布に活性炭を塗着させた後、厚さ1.0mmのパルプの不織布を被せて圧着して作製したシートを用いて汗取り脇パットを作成した。
【0018】
(比較例1)
比較例1として、実施例1のうち活性炭を使用せずに作成した。
【0019】
(比較例2)
比較例2として、実施例1のうち250μmの備長炭粉末を用いた。
【0020】
(比較例3)
比較例3として、実施例1のうち0.5g/m2となるように備長炭粉末を塗着した。
【0021】
【試験例】
実施例1乃至4、及び比較例1乃至3で作成した汗取り脇パットを用い、本発明の汗取り脇パットの効果を以下の試験例に基き説明する。
(試験例1:汗取り脇パットの官能試験)
吸汗性、消臭力、装着時の肌ざわりについて年齢18〜35才までの男女計20人を無差別に選び、官能テストを行った。悪いを0、良いを5として数値評価させて、その平均値をとり、平均0〜2.9を×、3.0〜3.9を△、4.0〜5.0を○として評価した。
その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
上記の結果から、本発明に係る汗取り脇パットは吸汗性に優れ、消臭力もあり、且つ肌ざわりも良いことがわかった。
【0024】
下記の方法により、備長炭加工紙の抗菌防臭性能、備長炭の消臭能力、抗菌能力、遠赤外線分光放射率について試験を行った。尚、備長炭加工紙は80μmの備長炭粉末を不織布に油性コートして作成した。
【0025】
(試験例2:備長炭加工紙の抗菌防臭性能評価)
バイアル瓶に備長炭加工紙0.4gを入れ、1/20濃度のニュートリエントブロスで生菌数を105に調製した菌液0.2mlを滴下し、37℃で18時間培養後菌を洗い出し、10倍希釈系列作成し生菌数をカウントし、生菌活性値を求めた。尚、使用菌種については黄色葡萄状球菌(Staphyococcus aureus 6538P)を用いた。また、測定は備長炭加工紙の黒面にて行い、ブランクとしてナイロン準白紙を用いた。
上記の試験により得られた結果を表2に示す。(繊維製品新機能評価協議会における抗菌防臭性の基準値は静菌活性値2.2以上である。)
【0026】
【表2】
【0027】
(試験例3:備長炭の消臭検査)
テトラーバックに備長炭0.6gを入れ、アンモニアガス190ppmを封入し経時的に消臭効果を測定した。
その結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
(試験例4:備長炭の抗菌検査)
備長炭0.6gを入れた三角フラスコに黄色葡萄球菌21,000個を加え、37℃にて18時間培養し、菌数を測定した。ブランクとして備長炭の代わりに一般に市販されているガーゼを入れて測定した。
その結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】
(試験例5:備長炭の遠赤外線分光放射率の測定)
備長炭の遠赤外線分光放射率をフーリェ変換型赤外線分光光度計(FTIR)により測定した。
その結果を表5に示す。(放射率70以上は効果が優れている。)
【0032】
【表5】
【0033】
以上の結果から、活性炭には優れた抗菌、消臭能力があり、遠赤外線分光放射率にも優れ、その加工紙も同様に優れた抗菌防臭効果を有することが分かった。更にその消臭力は持続性に優れることがわかった。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1に係る発明は衣服の脇の下部分に装着する汗取り脇パットであって、セルロース系繊維から構成された不織布からなる吸水層と活性炭層と貼着層とが順に積層・一体化されてなることを特徴とする汗取り脇パットであるので、衣服への汗ジミを防ぎ、且つ効果的に汗の消臭ができる。更に、抗菌効果や遠赤外線効果によって汗のにおいの原因となる菌を抗菌し、その効果を持続することができる。
【0035】
請求項2に係る発明は、前記活性炭層の活性炭が70〜160μmの粉末であることを特徴とする請求項1に記載の汗取り脇パットであるので、粒度の細かい活性炭が吸水層の繊維の間に入り込み、表面の凹凸をなくし平らにするので装着時の違和感がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)は、本発明に係る汗取り脇パットのうち、円形の汗取り脇パットの概略図である。
(2)は、本発明に係る汗取り脇パットのうち、六角形状の汗取り脇パットの概略図である。
【図2】本発明に係る汗取り脇パットの断面図である。
【符号の説明】
1 吸水層
2 活性炭層
3 貼着層
4 粘着テープ
【発明の属する技術分野】
本発明は、汗取り脇パットに係り、更に詳しくは、衣服の脇の下部分に装着して使用するため、衣服への汗ジミを防ぎ、且つその吸汗性、消臭力に優れた肌ざわりの良い汗取り脇パットに関する。
【0002】
【従来の技術】
身体の中でも脇の下は汗をかきやすく、汗をかいた後はベタついたり、においが気になるなどの不快感を覚え、特に夏場は著しい。このベタつきやにおいを防止するために、消臭液や消臭スプレー、パウダーなどの制汗剤が一般的に使用されている。しかしながら、前記制汗剤などでは一時的に汗を抑えることはできるものの、経時的にその効力は低下するため、定期的に制汗剤を使用しなければならない。また、衣服の脇部分に汗ジミがつくため、部分洗濯や、クリーニングが必要となる。
上述した課題を解決するため、更に敏感な肌の人にとっては制汗剤は肌への負担が強いため、衣服の脇部分の内側に汗取り脇パットを装着して使用することにより、脇の下の汗を吸収し、衣服の汗ジミを防いでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の汗取り脇パットは衣服の汗ジミは防ぐものの、吸汗性、肌ざわりが悪く、また、消臭力に劣るため1日汗取り脇パットを装着するとにおいが気になるといった問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、吸汗性、消臭力に優れ、肌ざわりが良く、加えて抗菌効果も有する汗取り脇パットを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明のうち請求項1に係る発明は、衣服の脇の下部分に装着する汗取り脇パットであって、セルロース系繊維から構成された不織布からなる吸水層と活性炭層と貼着層とが順に積層・一体化されてなることを特徴とする汗取り脇パットに関する。
請求項2に係る発明は、前記活性炭層の活性炭が70〜160μmの粉末であることを特徴とする請求項1に記載の汗取り脇パットに関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る汗取り脇パットについて図面を参照しつつ説明する。
本発明における汗取り脇パットは図1(1)に示すような円形を基本とする多様な形状をなし、図1(2)に示すような六角形等の多角形状のものも含む。その構造は図2に示すように、セルロース系繊維から構成された吸水層(1)と活性炭層(2)と貼着層(3)とが順に積層・一体化されてなることを特徴とする。
前記汗取り脇パットの中心部は折り曲げられており、その折り線を衣服の脇の縫い線上にあわせて接着する。衣服と接着する貼着層(3)には折り曲げられた両面の中心部分に粘着テープ(4)が付けられており、この部分を衣服に接着して使用する。
【0006】
直接肌に触れる吸水層(1)は不織布からなり、該不織布を構成するセルロース系繊維は、セルロースを原料とする繊維のことであり、肌ざわりが良く通気性、通汗性に優れている。セルロース系繊維としては植物繊維である綿、パルプ、麻、カポック、パンヤ;化学繊維であるレーヨン、ナイロン、ポリノジック、キュプラなどが挙げられ、好ましくは綿、パルプ、レーヨンを使用する。また、これらのセルロース繊維を単独で使用しても良く、2種以上の混合繊維を使用しても良い。
吸水層(1)は厚さ0.08〜1.2mmとし、好ましくは厚さ0.4〜1.2mmとする。0.08mmより薄いと十分に汗を吸収することができないため好ましくなく、1.2mmより厚い場合は、肌ざわりが悪くなるので好ましくない。
【0007】
活性炭層(2)は、活性炭粉末を吸水層(1)に均一に塗着させて層となしたもので、抗菌、消臭などを目的とする。
【0008】
活性炭とは炭素物質を原料として、高温でガスや薬品などと反応させて作られる微細孔を持つ炭素のことであり、脱臭力に優れている。活性炭には分子レベルの吸着微細孔が炭素内部に網目状に構成されており、その微細孔の表面に異臭などの原因である物質を吸着させる。また、遠赤外線効果も期待できる。遠赤外線には水分の蒸散効果があり、汗の蒸発スピードを速めるためムレを抑え、身体を冷やす原因を取り除く保温効果や、老廃物の排出促進や悪臭を中和させる中和効果などがある。更に活性炭には抗菌効果があり、前記遠赤外線効果と抗菌効果の相乗効果によって脇のいやなにおいの原因となる菌の繁殖を抑制し、その効果を持続させることができる。
【0009】
活性炭の原料としては特に限定されないが、木炭、ヤシ殻炭、石炭、オイルカーボン等の粒状活性炭;おが屑、硬質の木材チップ、木炭(素炭)、草炭(ピート)等の粉末活性炭;レーヨン、アクリロニトル、石炭ピッチ、石油ピッチ、フェノール樹脂等の繊維状活性炭などが挙げられ、好ましくは備長炭を使用する。また、これらを単独で使用しても良く2種以上を混合して使用してもよい。
【0010】
前記活性炭を粉砕して粉末状とし、前記吸水層(1)に塗着する。塗着の方法としては、吸水層の片面全体に糊をつけ、粉末状にした活性炭を厚さが均一になるように吹き付け接着させる。粉砕する活性炭粉末の粒度としては70〜160μmの粒度にするのが好ましく、より好ましくは75〜150μmの粒度の活性炭粉末とする。粉砕工程上、粒度を70μmより細かくすることは難しく、160μmより粒度が大きいと肌に触れたときに痛みや違和感を覚えるため、好ましくない。
【0011】
また、前記活性炭層(2)は前記吸水層(1)に均一に塗着させるが、塗着させる量は吸水層が活性炭粉末によって十分に覆われる程度の活性炭粉末を使用すれば良く、1〜50g/m2、好ましくは10〜20g/m2の活性炭粉末を使用する。1g/m2より塗着量が少ないと活性炭の消臭効果、抗菌効果が期待できず、また、50g/m2より多く塗着してもそれ以上の効果が望めないため好ましくない。
【0012】
貼着層(3)は活性炭層(2)に圧着させる。貼着層(3)としては、特に限定されないが、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のフィルム、又は綿、パルプ、麻等の植物繊維やレーヨン、ナイロン等の化学繊維を1種又は2種以上使用した不織布が挙げられる。前記フィルム、又は前記不織布を単独で使用しても良く、組み合わせて使用することもできる。貼着層(3)はフィルムを使用する場合、厚さ0.01〜0.1mm、好ましくは0.02〜0.05mmとする。0.01mmより薄いと破けやすく、0.1mmより厚い場合は、着用時に違和感を覚えるため好ましくない。また、不織布を使用する場合は0.08〜1.2mm、好ましくは0.4〜1.2mmとする。0.08mmより薄いと着用中に擦れて破けやすく、また吸収した汗が衣服に通りやすいため好ましくなく、1.2mmより厚い場合は、ゴワつきを感じるなど着用時に違和感を覚えるため好ましくない。
【0013】
上記した方法で吸水層(1)と活性炭層(2)と貼着層(3)を順に重ねて一体化させた本発明に係る汗取り脇パットは、吸水層(1)の繊維の間に活性炭粉末が入り込み凹凸がなくなり、吸水層の表面が平らになるため、肌に触れた時の肌ざわりがよくなり、着用した時の違和感も感じなくなる。また、抗菌効果に優れているため、脇の下の菌の繁殖を防ぎ、いやなにおいを抑えることができ、その効果を持続させることができる。
【0014】
以下、本発明の汗取り脇パットを実施例に基いて更に詳細に説明するが、本発明は係る実施例のみに限定されるものではない。
【実施例】
(実施例1)
実施例1として、厚さ0.6mmの綿の不織布の片面全体に糊を塗布し、80μmの備長炭粉末を20g/m2となるように均一に塗着させた後、活性炭層の上に厚さ0.02mmポリエチレンフィルムを被せて圧着して作製したシートを用いて汗取り脇パットを作成した。
【0015】
(実施例2)
実施例2として、実施例1のうち120μmの備長炭粉末を5g/m2使用した。
【0016】
(実施例3)
実施例3として、実施例1のうちレーヨンの不織布を用いた。
【0017】
(実施例4)
実施例4として、実施例1のうち不織布に活性炭を塗着させた後、厚さ1.0mmのパルプの不織布を被せて圧着して作製したシートを用いて汗取り脇パットを作成した。
【0018】
(比較例1)
比較例1として、実施例1のうち活性炭を使用せずに作成した。
【0019】
(比較例2)
比較例2として、実施例1のうち250μmの備長炭粉末を用いた。
【0020】
(比較例3)
比較例3として、実施例1のうち0.5g/m2となるように備長炭粉末を塗着した。
【0021】
【試験例】
実施例1乃至4、及び比較例1乃至3で作成した汗取り脇パットを用い、本発明の汗取り脇パットの効果を以下の試験例に基き説明する。
(試験例1:汗取り脇パットの官能試験)
吸汗性、消臭力、装着時の肌ざわりについて年齢18〜35才までの男女計20人を無差別に選び、官能テストを行った。悪いを0、良いを5として数値評価させて、その平均値をとり、平均0〜2.9を×、3.0〜3.9を△、4.0〜5.0を○として評価した。
その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
上記の結果から、本発明に係る汗取り脇パットは吸汗性に優れ、消臭力もあり、且つ肌ざわりも良いことがわかった。
【0024】
下記の方法により、備長炭加工紙の抗菌防臭性能、備長炭の消臭能力、抗菌能力、遠赤外線分光放射率について試験を行った。尚、備長炭加工紙は80μmの備長炭粉末を不織布に油性コートして作成した。
【0025】
(試験例2:備長炭加工紙の抗菌防臭性能評価)
バイアル瓶に備長炭加工紙0.4gを入れ、1/20濃度のニュートリエントブロスで生菌数を105に調製した菌液0.2mlを滴下し、37℃で18時間培養後菌を洗い出し、10倍希釈系列作成し生菌数をカウントし、生菌活性値を求めた。尚、使用菌種については黄色葡萄状球菌(Staphyococcus aureus 6538P)を用いた。また、測定は備長炭加工紙の黒面にて行い、ブランクとしてナイロン準白紙を用いた。
上記の試験により得られた結果を表2に示す。(繊維製品新機能評価協議会における抗菌防臭性の基準値は静菌活性値2.2以上である。)
【0026】
【表2】
【0027】
(試験例3:備長炭の消臭検査)
テトラーバックに備長炭0.6gを入れ、アンモニアガス190ppmを封入し経時的に消臭効果を測定した。
その結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
(試験例4:備長炭の抗菌検査)
備長炭0.6gを入れた三角フラスコに黄色葡萄球菌21,000個を加え、37℃にて18時間培養し、菌数を測定した。ブランクとして備長炭の代わりに一般に市販されているガーゼを入れて測定した。
その結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】
(試験例5:備長炭の遠赤外線分光放射率の測定)
備長炭の遠赤外線分光放射率をフーリェ変換型赤外線分光光度計(FTIR)により測定した。
その結果を表5に示す。(放射率70以上は効果が優れている。)
【0032】
【表5】
【0033】
以上の結果から、活性炭には優れた抗菌、消臭能力があり、遠赤外線分光放射率にも優れ、その加工紙も同様に優れた抗菌防臭効果を有することが分かった。更にその消臭力は持続性に優れることがわかった。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1に係る発明は衣服の脇の下部分に装着する汗取り脇パットであって、セルロース系繊維から構成された不織布からなる吸水層と活性炭層と貼着層とが順に積層・一体化されてなることを特徴とする汗取り脇パットであるので、衣服への汗ジミを防ぎ、且つ効果的に汗の消臭ができる。更に、抗菌効果や遠赤外線効果によって汗のにおいの原因となる菌を抗菌し、その効果を持続することができる。
【0035】
請求項2に係る発明は、前記活性炭層の活性炭が70〜160μmの粉末であることを特徴とする請求項1に記載の汗取り脇パットであるので、粒度の細かい活性炭が吸水層の繊維の間に入り込み、表面の凹凸をなくし平らにするので装着時の違和感がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)は、本発明に係る汗取り脇パットのうち、円形の汗取り脇パットの概略図である。
(2)は、本発明に係る汗取り脇パットのうち、六角形状の汗取り脇パットの概略図である。
【図2】本発明に係る汗取り脇パットの断面図である。
【符号の説明】
1 吸水層
2 活性炭層
3 貼着層
4 粘着テープ
Claims (2)
- 衣服の脇の下部分に装着する汗取り脇パットであって、セルロース系繊維から構成された不織布からなる吸水層と活性炭層と貼着層とが順に積層・一体化されてなることを特徴とする汗取り脇パット。
- 前記活性炭層の活性炭が70〜160μmの粉末であることを特徴とする請求項1に記載の汗取り脇パット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002207077A JP2004052121A (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | 汗取り脇パット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002207077A JP2004052121A (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | 汗取り脇パット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004052121A true JP2004052121A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31931628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002207077A Pending JP2004052121A (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | 汗取り脇パット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004052121A (ja) |
-
2002
- 2002-07-16 JP JP2002207077A patent/JP2004052121A/ja active Pending
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