JP2004052089A - めっき用鋼板の洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム、並びに窒素原子を少なくとも1個有しかつカルボキシル基を少なくとも3個有するキレート性化合物をそれぞれ特定範囲で含有する洗浄液を用いて、洗浄液温度50〜75℃で、めっき用鋼板をアルカリ電解洗浄する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、めっき用鋼板の洗浄方法に関する。さらに詳しくは、めっき用鋼板表面に発生するステインを大幅に低減できるめっき用鋼板の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼板表面の脱脂洗浄は、酸洗と共にめっき、塗装等の表面処理を行う前処理として必要であり、製品の良否を決定づける非常に大きな因子である。鋼板表面に付着している汚れとしては、冷間圧延時に付着する牛脂等のエステル、脂肪酸や鉱物油等の圧延油、防錆油などの油汚れや、鉄粉等の固体汚れ等が挙げられる。これらの中でも、特に油汚れが残っていると、焼鈍する場合に炉内でガス化して揮散はせず、鋼板表面上に炭化物として残存し、めっき、塗装むら等の原因となる。このような炭化物をはじめとして、めっき後にめっきムラを発生させる微細な因子は一般にステインと称されるが、ステインはめっき後にめっきムラが生じることにより、はじめて確認できるほど微細な表面異常であるため、その除去や発生防止は非常にやっかいである。
【0003】
一方、従来から、鋼板の電解洗浄に用いられる洗浄液については種々提案されている。特開平10−324900号には、オキシエチレン・オキシプロピレン付加型の特定の非イオン界面活性剤とアルカリ剤とを含有する、金属等の硬質表面用の洗浄剤組成物が開示されている。また、特開2000−169894号には、アルカリ剤と、特定のポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、特定の安定化剤とを含む鋼板用アルカリ洗浄剤組成物が開示されている。更に、特開昭60−55098号には、アルカリと特定のキレート剤を含有する電解洗浄液が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、めっき用鋼板の洗浄においても製造コストの低減が求められ、その一つの方策として、洗浄温度を下げることが提案されている。しかし、洗浄温度を下げた場合、鋼板表面の清浄度が低下したり、清浄度が低下しなくてもステインによるめっきムラの発生が顕在化したりする。これを、従来提案されているような洗浄液で対処しようとしても、ステインの発生を十分に抑制することは困難である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを3〜6重量%、窒素原子を少なくとも1個有しかつカルボキシル基を少なくとも3個有するキレート性化合物を0.01〜1.5重量%含有する洗浄液を用いて、洗浄液温度50〜75℃でめっき用鋼板をアルカリ電解洗浄する工程を有する、めっき用鋼板の洗浄方法に関する。
【0006】
また、本発明は、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを3〜6重量%、窒素原子を少なくとも1個有しかつカルボキシル基を少なくとも3個有するキレート性化合物を0.01〜1.5重量%含有し、洗浄液温度50〜75℃でアルカリ電解洗浄を行うめっき用鋼板の洗浄方法に用いられる、洗浄剤組成物に関する。
【0007】
また、本発明は、洗浄液温度50〜75℃でめっき用鋼板をアルカリ電解洗浄する際に、アルカリ電解に用いる負電極表面への析出物の形状が針状となるよう洗浄条件を制御する、めっき用鋼板におけるステインの発生防止方法に関する。
【0008】
本発明は、特定の温度範囲を選定し、高アルカリ条件下で、特定の含窒素キレート性化合物を特定量併用することで、めっき用鋼板におけるステインの発生を防止したものであるが、本発明のような条件でめっき用鋼板の電解洗浄は行われていない。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる洗浄液において、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム〔以下、(A)成分という〕の濃度は、ステイン発生防止や洗浄設備への負荷の点から、3〜6重量%、好ましくは3.5〜5重量%である。洗浄液中の(A)成分の濃度が3重量%未満ではステイン発生を防止できない。また、電気伝導度が低くなり、電圧が上昇し、鋼板製造コストも増大する。また、6重量%を超えると鋼板表面が不活性になり、メッキされにくくなる。また、界面活性剤等を併用する場合に、界面活性剤等が塩析されて界面活性能が低下し、洗浄性が不十分になる。
【0010】
また本発明に用いられる洗浄液において、窒素原子を少なくとも1個、好ましくは1〜3個有しかつカルボキシル基を少なくとも3個、好ましくは3〜6個有するキレート性化合物〔以下、(B)成分という〕の濃度は、ステイン発生防止やコストの点から、0.01〜1.5重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%、より好ましくは0.01〜0.5重量%、特に好ましくは0.01〜0.3重量%である。(B)成分としては、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、アルギニン酸二酢酸、グルタミン酸二酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンジアミン四酢酸等のアミノカルボン酸類及びその塩、例えばアルカリ金属塩もしくは低級アミン塩が挙げられる。好ましくは、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸及びこれらのアルカリ金属塩、特にナトリウム塩である。
【0011】
本発明に用いられる洗浄液には、上記(A)成分と(B)成分以外にも、この分野で公知の成分を配合することができる。例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤が挙げられる。
【0012】
本発明では、電解洗浄の際に洗浄液の温度を、ステイン発生防止やエネルギー消費の点から、50〜75℃、好ましくは60〜70℃とする。
【0013】
また、本発明では、アルカリ電解洗浄に正負電極を用いるが、そのうち電解槽の負電極表面への析出物の形状が針状となる条件で洗浄を行うことが、ステイン発生防止の点で特に好ましい。一方、負電極表面に析出する物質が球状や粒状である場合は、ステイン発生の抑制効果に劣る傾向がある。
【0014】
負電極表面への析出物の形状を針状とするための洗浄条件は、例えば洗浄温度の調整、(A)成分の濃度の調整等により達成できる。特に、洗浄温度の調整に加え(A)成分濃度を高くすることが、針状析出物を形成させる上で有効である。水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを3〜6重量%、窒素原子を少なくとも1個有しかつカルボキシル基を少なくとも3個有するキレート性化合物を0.01〜1.5重量%含有する洗浄液を、液温50〜75℃で用いることは、析出物の形状を針状とするための洗浄条件の一つである。
【0015】
負電極表面に析出する物質の形状は、走査型電子顕微鏡(SEM)により容易に確認できる。ここで、「針状」とは、球状や粒状といった形状に対する相対的なものであるが、一般に、最大長が1〜50μm、アスペクト比が1/10〜1/100のものが好ましい。
【0016】
本発明では、めっき用鋼板の電解洗浄の際に洗浄液の温度を50〜75℃とする。また、本発明では電極に流す電流密度は5〜40A/dm2、更に10〜30A/dm2、特に15〜20A/dm2が好ましい。また、鋼板1m当たりの電解時間は0.1〜20秒、更に0.5〜7秒、特に0.7〜3秒が好ましい。
【0017】
【発明の効果】
本発明の洗浄方法は、電解洗浄工程が寄与するめっき鋼板製造時のステインの発生を効果的に抑制することができる。特に、クロムめっき鋼板、錫めっき鋼板等のめっき鋼板に有効である。また、本発明は、ティン・フリー・スチールライン(TFS)、電気錫めっきライン(ETL)で発生するステインの発生防止にも有効である。
【0018】
【実施例】
実施例1〜10、比較例1〜8
表1に示す洗浄液を用い、表1に示す洗浄液温度、電流密度17A/dm2及び鋼板1m当たりの電解時間1秒の条件にて、ティン・フリー・スチールライン(TFS)によりめっき用鋼板の洗浄を行った。ステインの発生は、めっき後の鋼板表面をそのままの状態で又はクリアニス塗装を行った後、目視にて確認した。ステインが発生しなかったものを「○」、発生したものを「×」で評価した。また、負極表面に析出した結晶の構造をSEMで観察した。針状結晶が生成したものを「○」、粒状結晶が生成したものを「×」として評価した。結果を表1に示す。なお、実施例3で観察された針状結晶を図1に、比較例8で観察された粒状結晶を図2に示す。
【0019】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で観察された針状結晶のSEM写真である。
【図2】比較例8で観察された粒状結晶のSEM写真である。
Claims (5)
- 水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを3〜6重量%、窒素原子を少なくとも1個有しかつカルボキシル基を少なくとも3個有するキレート性化合物を0.01〜1.5重量%含有する洗浄液を用いて、洗浄液温度50〜75℃でめっき用鋼板をアルカリ電解洗浄する工程を有する、めっき用鋼板の洗浄方法。
- アルカリ電解洗浄に用いる電解槽の負電極表面への析出物の形状が針状となる条件で洗浄を行う請求項1記載のめっき用鋼板の洗浄方法。
- 水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを3〜6重量%、窒素原子を少なくとも1個有しかつカルボキシル基を少なくとも3個有するキレート性化合物を0.01〜1.5重量%含有し、洗浄液温度50〜75℃でアルカリ電解洗浄を行うめっき用鋼板の洗浄方法に用いられる、洗浄剤組成物。
- 洗浄液温度50〜75℃でめっき用鋼板をアルカリ電解洗浄する際に、アルカリ電解に用いる負電極表面への析出物の形状が針状となるよう洗浄条件を制御する、めっき用鋼板におけるステインの発生防止方法。
- 洗浄条件の制御が、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを3〜6重量%、窒素原子を少なくとも1個有しかつカルボキシル基を少なくとも3個有するキレート性化合物を0.01〜1.5重量%含有する洗浄液を液温50〜75℃で用いることである、請求項4記載のステインの発生防止方法。
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JP2002214922A JP2004052089A (ja) | 2002-07-24 | 2002-07-24 | めっき用鋼板の洗浄方法 |
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WO2008110587A1 (en) * | 2007-03-13 | 2008-09-18 | Novo Nordisk A/S | An electrolytic cip-cleaning process for removing impurities from the inner surface of a metallic container |
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2002
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