JP2004051608A - 大腸潰瘍の改善予防剤 - Google Patents

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Kazuo Kaminakai
上中居 和男
Masatoshi Nishino
西野 雅俊
Yasushi Nishikawa
西川 泰
Mariko Matsui
松井 摩里子
Kumiko Minamida
南田 久美子
Yumi Shimoji
下地 由美
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Abstract

【課題】大腸潰瘍に対して優れた抑制効果を有し、大腸潰瘍の改善及び予防に有効であり、経口投与した場合であっても、大腸組織に影響を与えず、腸内微生物等も死滅させないだけでなく、「潰瘍性大腸炎」及び「クローン病」についての改善、緩和にも効果が発揮される、食酢中から分離された組成物を有効成分とする大腸潰瘍の改善予防剤を提供する。
【解決手段】本願発明の大腸潰瘍の改善予防剤は、食酢中から分離された組成物を有効成分とする。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、食酢中から分離された組成物を有効成分とする大腸潰瘍の改善予防剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大腸に組織傷害が起こり、潰瘍やただれができると、全身倦怠、腹痛、下痢、血便、下血、発熱、食欲不振、体重減少などの症状が生じる。
【0003】
大腸の組織傷害による症状には様々なものがあるが、近年、大腸炎の代表格ともされる「潰瘍性大腸炎」や「クローン病」が増加し、研究が進められているが、決定的な病因は未だ明らかにされていない。
【0004】
食酢は、古くから調味料として広く使用されているが、調味のみならず、抗菌等の他の機能も利用されてきた。特に、経験的に酢を摂ると健康によいということが知られている。食酢は、民間薬的な効用を期待した使われ方もされ、食酢には、胃液の分泌促進等の効果があるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
現在、潰瘍の治療・緩和には、化学合成された抗炎症剤や抗生物質の投与等が行われているが、特に、消化器系器官において、例えば、大腸炎や食物アレルギーに伴う組織傷害等において適当でない場合も多い。すなわち、化学合成された抗炎症剤や抗生物質は、大腸組織に障害を与え、一時的に消化作用の一端を担っている腸内微生物が死滅して下痢等の原因となる場合もあるという問題点がある。
【0006】
また、「潰瘍性大腸炎」及び「クローン病」については、治療が難しいため、厚生労働省により難病指定され、現在のところ有効な薬剤はなく、その予防・治療に使用できる製剤の開発が望まれている。
【0007】
一方、食酢は胃の粘膜を保護するといわれているが、食酢が大腸潰瘍に対し、どのように作用するか等に関し、未だ具体的にされていない。
【0008】
本願発明は、大腸潰瘍に効果的であり、経口投与した場合であっても、大腸組織に影響を与えず、腸内微生物等も死滅させない、食酢中から分離された組成物を有効成分とする大腸潰瘍の改善予防剤を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、上述の課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、食酢中から分離された組成物が大腸に生じる潰瘍に対して有効であることを見い出し、本願発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本願発明の大腸潰瘍の改善予防剤は、食酢中から分離された組成物を有効成分とする。
【0011】
この発明の好適形態においては、上記食酢は黒酢である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本願発明の大腸潰瘍の改善予防剤は、食酢中から分離された組成物を有効成分とする。
【0013】
本願発明において用いられる食酢は、醸造酢であり、例えば、黒酢、米酢、穀物酢、アルコール酢、果実酢等が挙げられるが、黒酢であることが好ましい。黒酢は、通常の酢が持つ一般的効能の他、種々の生理活性作用を有するといわれているからである。
【0014】
黒酢には、水分、酢酸等の有機酸、アミノ酸等の窒素化合物、炭水化物を中心に、カリウムやカルシウム等のミネラル類、ビタミンB1、B2等のビタミン類などの成分が含まれている。
【0015】
黒酢の原料としては、玄米及び水を基本とするが、麦、大豆、酵母等を用いることがある。
【0016】
黒酢については、脂質代謝改善、赤血球変形能改善、抗アレルギー作用、血圧調節及び血糖調節等の多くの生体調節機能を有することが確認されている。
【0017】
なお、本願発明において好ましく用いられる黒酢には、広く一般に黒酢と呼ばれるものはすべて含まれ、天然壺酢製法によるものに限定されない。
【0018】
本願発明において、食酢中から分離された組成物を得る方法としては特に限定されず、例えば、吸着剤、減圧濃縮、分配抽出、溶媒抽出、凍結乾燥、膜分離などのいずれか一種以上を用いた方法を例示することができる。
【0019】
具体的には、例えば、食酢を樹脂カラムに一定時間通液した後、樹脂カラムへの吸着物を溶出させ、その溶出液から溶媒を除去し、残留物から有効成分を抽出して、その抽出物を減圧濃縮するという方法を採用すると、処理が簡便で、短時間に効率よく行うことができる。
【0020】
前記方法において、樹脂カラムへの吸着物を溶出させる溶媒としては、メタノール、エタノール、酢酸エチル、クロロホルム等を使用することができ、残留物からの有効成分の抽出溶媒には、例えば、酢酸エチル、水、エタノール、メタノール、クロロホルム、アセトニトリル、ブタノール、1−プロパノール、ジエチルエーテルなどを使用することができる。
【0021】
本願発明において、有効成分の効能をより効果的に発揮させることを目的として、上述の方法により得られた食酢中から分離された組成物を精製することは好ましく、上述の方法により食酢中から分離された組成物を精製する方法としては、特に限定されないが、例えば、吸着剤、減圧濃縮、分配抽出、溶媒抽出、凍結乾燥、乾固、膜分離のいずれか一種以上を用いた方法を例示することができる。
【0022】
本願発明の大腸潰瘍の改善予防剤は、発明の効果という観点から、食酢中から分離された総フェノールが没食子酸等量で3重量%以上含有してなるものが好ましい。また、本願発明の大腸潰瘍の改善予防剤は、食酢中から分離されたジヒドロフェルラ酸及び/又はジヒドロシナピン酸を含有してなるのがより好ましく、食酢中から分離されたジヒドロフェルラ酸が1重量%以上又はジヒドロシナピン酸が0.2重量%以上を含有してなるのがさらに好ましい。なお、黒酢に塩基性物質、例えば、水酸化ナトリウムや炭酸カリウムを添加して中和し、酢酸エチル、塩化メチレン、ベンゼン等の有機溶媒を加えて数回抽出を行っても、ジヒドロフェルラ酸は1重量%未満であり、かつジヒドロシナピン酸は0.2重量%未満である。
【0023】
本願発明の大腸潰瘍の改善予防剤は、医薬品又は健康食品としての用途が挙げられる。
【0024】
本願発明の大腸潰瘍の改善予防剤は、それ自体又は適宜製剤上で一般的に使用される賦形剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤を混合してなるものであり、さらに適当なコーティングを施してもよい。
【0025】
本願発明の大腸潰瘍の改善予防剤の投与方法としては、ドリンク剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤などによる経口投与、座薬、浣腸などによる経腸投与、注射剤による静脈投与や皮下投与、軟膏剤による経皮投与を挙げることができる。
【0026】
本願発明の大腸潰瘍の改善予防剤は、そのまま用いるだけでなく、濃縮したり、凍結乾燥や噴霧乾燥等により乾燥したり、必要成分を精製したりして用いることができ、本願発明の効果を妨げない範囲で各種物質を混合することもできる。
【0027】
【実施例】
(1)食酢中から分離された組成物の作製
(実施例1)
黒酢(玄米酢、タマノイ酢株式会社製)50リットル(約50kg)を、4リットルの樹脂カラム(オルガノ株式会社製、製品名:アンバーライトXAD−4)に通液した後、イオン交換水を流して洗浄し、樹脂カラムに吸着した吸着物(吸着画分)を12リットルのメタノールで溶出させて溶出液1aを得た。
【0028】
その溶出液1aを減圧濃縮してメタノールを留去し、残留物1bを得た。
【0029】
残留物1bを酢酸エチルで抽出し、抽出液1cを得た。
【0030】
抽出液1cを減圧濃縮し、本願発明となる大腸潰瘍の改善予防剤1を20g得た。改善予防剤1には、総フェノールが没食子酸等量で3重量%以上含まれており、改善予防剤1を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量したところ、ジヒドロフェルラ酸が6.3重量%、ジヒドロシナピン酸が1.0重量%含まれていることがわかった。
【0031】
(2)食酢中から分離された組成物によるデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発マウスの大腸潰瘍の抑制効果
(実施例2)
実施例1と同様の操作を繰り返し、大腸潰瘍の改善予防剤2を得た。
【0032】
50匹の雄ICRマウスを6群に分け、以下の条件で飼育した。
【0033】
イ)1〜4群(各10匹)には、水に、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)2重量%混ぜた溶液2aを、飲水により1週間自由摂取させた。その後、水に、改善予防剤2をそれぞれ、0重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%混ぜた溶液2b〜2eを、飲水により1週間自由摂取させた。
【0034】
ロ)5群(5匹)には、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を摂取させず、水を1週間自由摂取させた後、水に、改善予防剤2を0.2重量%混ぜた溶液2eを、飲水により1週間自由摂取させた。
【0035】
ハ)6群(5匹)には、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)及び改善予防剤2を摂取させず、水のみを与え、コントロールとした。
【0036】
実験を開始してから2週間後、大腸を取り出し、大腸組織に発生している潰瘍の数を測定し、大腸炎を点数化した。
【0037】
改善予防剤2の含有濃度、潰瘍の発生個数及び大腸炎スコアの一覧を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 2004051608
【0039】
水に改善予防剤2を含有させた溶液2c〜2eを与えた2群〜4群は、水に改善予防剤2を含有させなかった溶液2bを与えた1群に比べ、潰瘍の発生個数を減少させることができ、特に、改善予防剤2を0.1重量%含有させた溶液2dを与えた3群及び改善予防剤2を0.2重量%含有させた溶液2eを与えた4群については、1群に比べ、潰瘍の発生個数を有意に減少させることができることが分かった。
【0040】
また、大腸炎スコアについても、改善予防剤2を含有させた溶液2c〜2eを与えた2群〜4群は、水に改善予防剤2を含有させなかった溶液2bを与えた1群に比べ、大腸炎を有意に抑制することができることが分かった。
【0041】
【発明の効果】
本願発明の大腸潰瘍の改善予防剤は、大腸潰瘍に対して優れた抑制効果を有し、大腸潰瘍の改善及び予防に有効である。
【0042】
また、本願発明の大腸潰瘍の改善予防剤は、経口投与した場合であっても、大腸組織に影響を与えず、腸内微生物等も死滅させないという利点がある。
【0043】
さらに、本願発明の大腸潰瘍の改善予防剤は、「潰瘍性大腸炎」及び「クローン病」についての改善、緩和にも効果が発揮される。

Claims (2)

  1. 食酢中から分離された組成物を有効成分とする大腸潰瘍の改善予防剤。
  2. 食酢は黒酢であることを特徴とする請求項1記載の大腸潰瘍の改善予防剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008087704A1 (ja) * 2007-01-16 2008-07-24 Mizkan Group Corporation 脳機能改善用組成物
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