JP2022130294A - 腸内環境改善剤及び組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い効果を呈する腸内環境改善剤及び組成物を実現できる。【解決手段】本発明の腸内環境改善剤は、HMPAと、酪酸菌とを有効成分として含有することを特徴とする。これにより、HMPAが有する腸内環境改善効果(善玉菌増大効果)によって酪酸菌の生長をサポートできるため、酪酸菌が腸を整える効果を最大限享受することができ、HMPAと、酪酸菌との相乗効果によって、高い効果を呈する腸内環境改善剤を実現できる。【選択図】なし

Description

本発明は、人間の腸内環境を整える腸内環境改善剤及び組成物に関する。
近年、食事の欧米化に伴った高脂肪食を中心とした食生活や、運動不足などによる体重増加などの影響も手伝い、肥満、便秘、免疫力の低下による種々の不快症状などを訴える人が増えている。
人間の大腸は、免疫力の要とも言われている。腸内環境を整えることにより、上述した種々の不快症状が改善される可能性を秘めており、非常に重要である。腸内環境を整えるためには、人間にとって良い効果を示す善玉菌を増大させ、人間にとって悪い効果を示す悪玉菌を減少させるように、腸内細菌のバランスを取ることが必要となる。
腸内の善玉菌を増大させる効果のある物質として、HMPA(3-(4-Hydroxy-3-methoxyphenyl)propionic acid)が知られている。このHMPAは、HMCA(3-(4-Hydroxy-3-methoxyphenyl)cinnamon acid)やクロロゲン酸、ナリンギン、クルクミンなどのポリフェノール前駆体物質が腸内において細菌によって発酵することにより生成される。HMPAは、腸内の環境を改善する効果に加えて、炎症を抑制したり、血糖値やコレステロール値を抑制するなどの健康促進効果を発揮することが知られている(例えば非特許文献1参照)。
また、腸内細菌と健康との関連性に注目が集まり、世界中で研究が行われている。腸内環境改善に関連する用語として知られる「プロバイオティクス」は、一般に腸内フローラのバランスを改善することにより人に有益な作用をもたらす生きた微生物を指し、ビフィズス菌等が一般的に知られている。また、かかるプロバイオティクスが資化するものとして「プレバイオティクス」があり、これは、消化管上部で分解・吸収されず、大腸に共生する有益な細菌の選択的な栄養源となりそれらの増殖を促進し、大腸の腸内フローラ構成を健康的なバランスに改善し維持し、ヒトの健康の増進維持に役立つものを一般に意味する。
大腸に共生する有益な細菌のひとつとして、酪酸菌がある。酪酸菌が産生する酪酸は、腸内に存在する短鎖脂肪酸のひとつであり、大腸細胞にエネルギーを提供する主要な栄養素としてだけでなく、宿主の遺伝子発現、細胞分化、腸組織発生、免疫調節、酸化ストレス低下、及び下痢コントロールなど、腸内のみならず種々の機能を調節する細胞メディエーターである(非特許文献2参照)。
Nutrients,2019;11(5),1036 酪酸菌大百科 URL:https://rakusan-labo.jp/
ところで、HMPAは、上述したように前駆体から腸内で発酵する必要があり、腸内環境が良好でない場合には生成されない。また、腸内環境が悪いと、HMPAを初めとする各種栄養素の吸収に支障が生じ、栄養素を摂取しても腸内で吸収されないなど、栄養素が本来有する効果を発揮することが出来ない可能性も指摘されている。
このため、単にHMPAを摂取するだけでは、人によっては腸内環境を整える効果が必ずしも十分でない場合があり、一段と高い腸内環境改善及びそれに伴う健康増進効果を呈する腸内環境改善剤及び組成物が要望されていた。
そこで本発明は、高い効果を呈する腸内環境改善剤及び組成物を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、本発明の腸内環境改善剤及び組成物は、HMPAと、酪酸菌とを有効成分として含有することを特徴とする。
本発明によれば、高い効果を呈する腸内環境改善剤及び組成物を提供することができる。
経口摂取された短鎖脂肪酸は速やかに小腸で吸収され、体の一部となり体内でエネルギーとして活用されるが、腸内細菌叢(腸内フローラ)で生成される短鎖脂肪酸である酪酸、プロピオン酸や酢酸は健康を維持する多くの生理作用があるといわれている。中でも酪酸は大腸粘膜上皮のエネルギー源として活用され、良質な腸内フローラ腸内細菌叢(腸内フローラ)を作るのに必須である。
腸内フローラ腸内細菌叢(腸内フローラ)は未消化食物成分を代謝し、栄養成分を供給するとともに代謝レセプターにも関与し脂質代謝や脂肪蓄積に影響を与えることが相次いで報告されている。すなわち、短鎖脂肪酸である酪酸などの短鎖脂肪酸を腸内での生成を促進することができれば、腸内細菌叢(腸内フローラ)の改善につながり、さらに脂質代謝や脂肪蓄積の改善にもつながると考えられる。
酪酸産生菌は短鎖脂肪酸である酪酸を産生する菌の総称で、特に酪酸菌(Clostridium butyricum)が代表的な菌とされている。酪酸菌(Clostridium butyricum)は、ヒトや土壌など環境中にも存在し、さらには医薬品の製造にも使われている。
酪酸菌(Clostridium butyricum)は、偏性嫌気性の芽胞を形成するグラム陽性の桿菌である。酸素が存在する好気性下では活動・増殖せず、芽胞(殻)状態となる。食品として摂取後は、生きたまま大腸へ到達し、酸素が全くない条件下で活動し、酪酸や酢酸を始めとする短鎖脂肪酸を産生する。
本願発明者は、大腸全体の状態を改善する効果のある酪酸菌と、善玉菌を増大させる効果を有するHMPAとを有効成分とすることにより、HMPAにより善玉菌を増大させる効果と、酪酸菌により大腸の状態をベースアップするという効果との相乗効果により、健康促進の効果の高い腸内環境改善剤及び組成物を見出した。
HMPA(3-(4-Hydroxy-3-methoxyphenyl)propionic acid)は、例えば、フェルラ酸もしくはフェルラ酸エチル等のフェルラ酸誘導体、またはこれらを含有する植物原料(例えば、植物の破砕物または抽出物等)を、フェノール酸還元酵素を有する微生物により醗酵させ、フェルラ酸をジヒドロフェルラ酸に変換した後、得られた発酵物を抽出・単離・精製することにより製造することができる。
フェルラ酸を含有する植物原料としては、例えば、コーヒー、コムギ、トウモロコシ、トマト、マテ、ヨモギ、ゴボウ、米ぬか等の各種植物の破砕物および抽出物などが挙げられる。さらには、 フェルラ酸は木本植物におけるリグニンの構成成分であるため、フェルラ酸を含有する組成物として、リグニンまたはこれを含有する組成物を利用してもよい。
また、野菜(菜種や紅花など)、種子(ひまわりの種、ごまなど)、穀物(小麦、大麦、米、とうもろこしなど)、豆(大豆、小豆など)において、繊維の多いぬかやふすまなどの外殻部分(種皮及び穀物の種皮、果皮、胚芽及び籾殻など、胚乳より外側に位置する部分)や、油分や油分を多く含む油含有成分を脱脂した脱脂物などを植物原料として利用しても良い。一般的にこれらの植物原料にはフェルラ酸が存在する細胞壁が豊富であり、価格も安価である上、油分が少なく、発酵に適しているからである。
一方、フェノール酸還元酵素を有する微生物としては、例えば、Lactobacillus plantarum、 Lactobacillus fermentum、 Lactobacillus gasseri、 Lactobacillus johnsonii、 Lactobacillus crispa tus、 Lactobacillus acidophilus、 Lactobacillus amylovorus、 Lactobacillus delbruec kii、 Lactobacillus buchneri、 Lactobacillus kefiranofaciens、 Lactobacillus gallin arum、 Enterococus faecalis等の乳酸菌などが挙げられる。
上記植物または発酵物などからHMPAを抽出・単離・精製する方法は特に限定されず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出処理は、抽出原料としての上記植物または発酵物を乾燥した後、そのまままたは粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒により抽出することができる。乾燥は天日または、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。
また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。抽出溶媒としては、極性溶媒を使用することが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて、室温または溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本実施形態において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコール等が挙げられる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を抽出溶媒として使用する場合には、水と低級脂肪族アルコールとの混合比が9:1~1:9(容量比)であることが好ましく、7:3~2:8(容量比)であることがさらに好ましい。また、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水と低級脂肪族ケトンとの混合比が9:1~2:8(容量比)であることが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水と多価アルコールとの混合比が5:5~1:9(容量比)であることが好ましい。
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5~15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温または還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物が得られる。この乾燥した抽出物には、一般的に10~70%の割合でHMPAが含有されている。この場合、有効成分の含有量としては、実際に含有されるHMPAの量となる。
また、発酵物からHMPAを単離せず、発酵物の全部又は一部を含有させても良い。元々、フェルラ酸は植物の細胞壁において、リグニンとセルロースとを接合する物質であり、そのままの状態で摂取しても吸収されにくい。乳酸菌発酵により、フェルラ酸がリグニンやセルロースから離れて吸収されやすい状態になる。また、残ったセルロースは食物繊維であるため、酪酸菌の餌となり、リグニンはポリフェノールとして健康促進効果を呈することができる。この場合、有効成分の含有量としては、発酵物を抽出処理したときに発酵物に含まれるHMPA含有量となる。
酪酸菌としては、なお、酪酸菌とは、酪酸を産生する細菌の総称である。本発明における酪酸菌は、特に限定されないが、例えばフィーカリバクテリウム属、コプロコッカス属、クロストリジウム属、ユーバクテリウム属、ゲンミゲル属等に属する細菌が挙げられ、より具体的にはヒト腸内に存在する、フィーカリバクテリウム・プラスニッチ、ゲンミゲル・フォルミシリス等が挙げられる。
本実施形態の飲食品は、HMPA及び酪酸菌をその活性を妨げないような任意の飲食品に配合したものであってもよいし、HMPA及び酪酸菌を主成分とする栄養補助食品であってもよい。
特に、有効成分であるHMPA及び酪酸菌に加えて、ヒト小腸で通常吸収されず大腸に到達する分子量666.58以上の糖類(ニストース、ケストース、シュークロース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ラクトース等が結合した高分子化合物、いわゆる食物繊維)を用いることが好ましい。大腸まで届いて酪酸菌の餌とすることができるからである。
本実施形態の飲食品を製造する際には、例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類などの任意の助剤を添加して任意の形状の飲食品にすることができる。また、助剤として、ビフィズス菌や乳酸菌を加えることもできる。
HMPA及び酪酸菌を配合し得る飲食品は特に限定されないが、その具体例としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液および調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂および油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物;その他種々の形態の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤などが挙げられ、これらの飲食品にHMPA及び酪酸菌を配合するときに、通常用いられる補助的な原料や添加物を併用することができる。
HMPA及び酪酸菌を錠剤として配合する場合、賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット等の糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α-デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン誘導体;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等のセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン類;プルラン;ステアリン酸カルシウム;二酸化珪素;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等の珪酸塩誘導体;リン酸カルシウム等のリン酸塩誘導体;炭酸カルシウム等の炭酸塩誘導体;硫酸カルシウム等の硫酸塩誘導体等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、上記賦形剤の他、ゼラチン;ポリビニルピロリドン;マクロゴール等を適宜添加することができる。
酪酸菌の含有量は、特に制限は無いが、効果を高めるために、乾燥粉末(1日当たりの摂取量)として7mg以上(菌数として5.6百万個以上)、さらには10mg(菌数として8百万個以上)であることが好ましく、費用的な観点から50mg以下(菌数として6千万個以下)であることが好ましい。酪酸菌のgあたりの菌数としては8億個~12億個以上/g含まれることが好ましい。また、HMPAの含有量(1日当たりの摂取量)も同様に、5mg以上、好ましくは10mg以上であることが好ましく、費用的な観点から100mg以下であることが好ましい。また、効果的な相乗効果を得るためには、酪酸菌とHMPAの比率(重量比)が、1:0.1~1:20、さらには1:0.5~1:5であることが好ましい。
これにより、高い腸内環境改善の効果に伴って、コレステロール値の低下や血糖値の低下、免疫力向上、代謝向上、内臓機能活性化、脂肪減少、体質改善など、種々の健康促進効果を得ることが可能となる。
本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
表1に示すように、実施例1として、酪酸菌及びHMPAを含有するハードカプセルを準備した。また、比較例1として、酪酸菌及びHMPAを含有しないハードカプセルを準備した。
HMPAとしては、米ぬかを乳酸菌を用いて発酵させた発酵物から抽出・精製された抽出物を使用した。この抽出物のHMPA含量は23-27%であることから、抽出物50mgのうち、HMPAは11.50~13.5mgである。なお、表中の含有量は1粒当たりである。
酪酸菌としては、培養した酪酸菌をそのまま14mg使用した。酪酸菌の規格菌数は1.4千万個/g以上であった。
被験者に対し、実施例1と比較例1のカプセルを、1日1錠、12週間に亘って摂取してもらい、身体に対する検査(血液検査、尿検査、CTスキャン)及びアンケート回答を行った。
Figure 2022130294000001
1)体組成、身長、脈拍
体重・BMI・体脂肪率・ウエスト周囲径など体組成、身長、脈拍について、測定機器は以下のものを使用して測定した。
体重・BMI・体脂肪率:体組成計 BC-313 (株式会社タニタ)
ヒップ周囲径(臀囲)・ウエスト周囲径(臍部周囲径):テープメジャー (シンワ測定株式会社)
2)体脂肪(内臓脂肪及び皮下脂肪)
内臓脂肪面積・皮下脂肪面積について、検査技師が腹部をDefinition AS+(SIEMENS社)でCTスキャン撮影を行い、内臓脂肪面積と皮下脂肪面積の数値を測定した。
体脂肪(内臓脂肪及び皮下脂肪):Definition AS+(SIEMENS社)
3)主観評価
全10項目の設問について、5点を「普通の状態」として、「1点:非常に悪い」から「9点:非常に良い」までの9段階で被験者自身に評価させた
4)血液検査・尿検査
採血し、以下の項目について解析を実施した。
総蛋白、アルブミン、総コレステロール、TG(中性脂肪)、AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、LD、γ-GT、CK、尿素窒素、クレアチニン、白血球数、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板、MCV、MCH、MCHC、尿比重、尿pH、HbA1c、LDLコレステロール、HDLコレステロール、尿酸、グルコース
解析は FASを採用した。主観評価 スコアは平均値±標準偏差で示した。各群の 摂取前と摂取後の比較は対応のある t 検定、群間での比較と被験者背景の偏りについてはStudentのt検定を行った。サンプルサイズとデータの多重性は考慮せず、欠損値はなかった。いずれも両側検定で危険率 5%未満(p<0.05)を有意 差ありと判定し、統計解析ソフトは,Statcel 4(柳井久江 , 2015)を使用した。
表2及び表3に、1)及び2)の結果を示している。
Figure 2022130294000002
Figure 2022130294000003
実施例1である試験品群では摂取前に比べて体重、BMI、体脂肪率、ウエスト周囲径の項目において8週目に有意に減少した。さらに12週目には脂肪面積(全体脂肪面積・内臓脂肪面積・皮下脂肪面積)も加えたすべての項目について有意に減少した。
比較例1であるプラセボ群は、摂取前に比べて12週摂取後にウエスト周囲径で有意な改善がみられたが、脂肪面積(全体、皮下)では有意な増悪が見られた。
試験品群とプラセボ群の群間比較では、摂取8週後で内臓脂肪面積を除くすべての項目で、摂取12週後ではすべての項目で有意な減少が確認された。
表4及び表5に3)の結果を示している。
Figure 2022130294000004
Figure 2022130294000005
4)の血液検査については、標準値の範囲内での変動は見られたものの、群間での有意な差は見られなかった。言い換えると、カプセルの摂取による健康被害は確認されなかった。
カプセルを摂取開始から1週間前、4週間後、8週間後、12週間後に被験者の便を採取し、分析を行うと共に、排便に関するアンケート調査(項目No.21)を実施した。
便の分析としては、便に含まれる短鎖脂肪酸である酢酸及びn-酪酸の量(項目No.22~23)と、便内に存在した腸内細菌(項目No.24~29)について分析した。
結果を表6及び表7に示している。
Figure 2022130294000006
Figure 2022130294000007
酢酸とn酪酸(項目No.22、23)の量において、有意差が見られ、試験品群では被験者の便において明確に増大した。また、排便の爽快感(項目No.21)についても有意差が見られ、試験品群において顕著な改善が確認された。
また試験品群では、酪酸菌であるClostridium butyricum(種)(項目No.24)及び酪酸産生菌であるCoprococcus(属)(項目No.27)の増大が有意に確認された。腸内の最優生菌であるLachnospiraceae(科)(項目No.29)については、増加傾向が見受けられるものの、プラセボ群との有意差は確認されなかった。また、その他の細菌については、有意差が求められなかった。
すなわち、全体的に細菌バランスの変化がいろいろ見られたものの、酪酸菌が有意に増加しており、全体として短鎖脂肪酸が増大しており、排便の爽快感が増大した。
このように、酪酸菌及びHMPAを含有しない比較例1と比較して、実施例1では、腸内環境が改善されたことが示された。また、体重及び脂肪量の明確な減少が確認された。
以上の構成において、本発明の腸内環境改善剤は、HMPAと、酪酸菌とを有効成分として含有することを特徴とする。
これにより、HMPAが有する腸内環境改善効果(善玉菌増大効果)によって酪酸菌の生長をサポートできるため、酪酸菌が腸を整える効果を最大限享受することができる。
腸内環境改善剤において、前記HMPAは、植物原料の発酵物、又は植物原料の発酵物の抽出物であることを特徴とする。これにより、植物原料が細胞壁に有するフェルラ酸を効果的にHMPAに変換することができる。
腸内環境改善剤において、前記HMPAは、植物原料の乳酸菌発酵物、又は植物原料の乳酸菌発酵物の抽出物であることを特徴とする。これにより、植物原料が細胞壁に有するフェルラ酸を効果的にHMPAに変換することができる。
腸内環境改善剤において、前記植物原料は、
植物の種子や実の外殻、種皮であることを特徴とする。これらの部位は、細胞壁に有するフェルラ酸が多いため、効果的にHMPAを得ることができる。
腸内環境改善剤において、酪酸菌とHMPAとの比率が、1:0.5~1:20であることを特徴とする。これにより、酪酸菌とHMPAの効果的な相乗効果を得ることができる。
腸内環境改善剤において、HMPAと酪酸菌との合計量が、全体の20%以上、80%未満であることを特徴とする。これにより、HMPAと酪酸菌との含有率が高いため、摂取の全体量を低減でき、摂取が容易となる。
本発明は、生活習慣病予防や健康促進に効果を有するサプリメント剤などに適用することができる。


Claims (7)

  1. HMPA(3-(4-Hydroxy-3-methoxyphenyl)propionic acid)と、酪酸菌とを有効成分として含有する
    ことを特徴とする腸内環境改善剤。
  2. HMPAは、
    植物原料の発酵物、又は植物原料の発酵物の抽出物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の腸内環境改善剤。
  3. 前記HMPAは、
    植物原料の乳酸菌発酵物、又は植物原料の乳酸菌発酵物の抽出物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の腸内環境改善剤。
  4. 前記植物原料は、
    植物の種子や実の外殻、種皮である
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の腸内環境改善剤。
  5. 酪酸菌とHMPAとの比率が、1:0.1~1:20である
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の腸内環境改善剤。
  6. HMPAと酪酸菌との合計量が、全体の20%以上、80%未満である
    ことを特徴とする請求項1に記載の腸内環境改善剤。
  7. HMPA(3-(4-Hydroxy-3-methoxyphenyl)propionic acid)と、酪酸菌とを有効成分として含有する
    ことを特徴とする組成物。


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