JP2004051105A - カバーテープ - Google Patents
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Abstract
【課題】紙キャリアテープ用への熱接着性、易剥離性、帯電防止性が優れた紙キャリアテープ用のカバーテープを提供することにある。
【解決手段】プラスチックフィルム層と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層と帯電防止性ブロッキング防止層が積層された構成、ないしはプラスチックフィルム層と帯電防止層と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層と帯電防止性ブロッキング防止層が積層された構成からなり、帯電防止性ブロッキング防止層をウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂に4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤を分散した組成物により0.01〜0.5μmの厚さに形成した構成からなるカバーテープである。
【選択図】 図1
【解決手段】プラスチックフィルム層と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層と帯電防止性ブロッキング防止層が積層された構成、ないしはプラスチックフィルム層と帯電防止層と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層と帯電防止性ブロッキング防止層が積層された構成からなり、帯電防止性ブロッキング防止層をウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂に4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤を分散した組成物により0.01〜0.5μmの厚さに形成した構成からなるカバーテープである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ型電子部品を搬送するための紙キャリアテープに熱接着されて使用されるカバーテープに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、小型電子部品を収納する収納ポケットを連続的に形成したプラスチック製キャリアテープに熱シールして使用するカバーテープにおいて、プラスチックフィルム層とシーラント層と帯電防止層の3層からなる構成のカバーテープとしては、例えば、特開平7−251860号公報に記載されているような、2軸延伸ポリエステル等からなる透明熱可塑性樹脂フィルム層と、低融点ポリエステルや低融点ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるシーラント層と、平均粒径0.1μm以下の錫、アンチモン及び/又はインジュウムの酸化物微粒子20〜80重量%と透明樹脂80〜15重量%とからなり104 〜107 Ωの表面抵抗値を有する帯電防止層を備えたカバーテープが知られている。
【0003】
しかしながら、シーラント層が低融点ポリエステルや低融点ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるものであり、カバーテープを紙キャリアテープに熱接着して取り付ける際の熱接着性及びカバーテープを紙キャリアテープから剥離する際の易剥離性が良くないという欠点がある。また、帯電防止層が、ホリビニルアルコール系、ポリエチレングリコール系、ポリエステルポリオール系、ポリオレフィン系等からなる透明樹脂と、平均粒径0.1μm以下の錫、アンチモン及び/又はインジュウムの酸化物微粒子からなる構成であり、金属酸化物微粒子を含む帯電防止層であるため価格が高くなるとともに、帯電防止層をシーラント層面にコーテイング等により形成する工程の作業性が良くないという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、紙キャリアテープ用への熱接着性、易剥離性が優れるとともに、帯電防止性においても優れた紙キャリアテープ用のカバーテープを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
プラスチックフィルム層と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層と帯電防止性ブロッキング防止層が積層された構成とすることにより、作製されたカバーテープをロール状に巻き取った際にブロッキングするのを防止できるとともに、カバーテープを紙キャリアテープに熱接着する際の接着性及びカバーテープを紙キャリアテープから剥離する際の剥離強度が安定するので、紙キャリアテープからカバーテープを剥離した際に収納されている電子部品の飛び出しを防止することができる。また、帯電防止性が優れるので、紙キャリアテープからカバーテープを剥離して収納されている電子部品を取り出す際に、剥離帯電による電子部品のカバーテープへの付着及び電子部品の静電破壊を防止できる。
【0006】
上記のカバーテープにおいて、帯電防止性ブロッキング防止層が、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂に4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤を分散した組成物により0.01〜0.5μmの厚さに形成した構成とすることにより、カバーテープのブロッキングを防止し、且つカバーテープを紙キャリアテープに熱接着する際の熱接着性、カバーテープを紙キャリアテープから剥離する際の熱易剥離性及び帯電防止性を良くすることができる。
【0007】
上記のカバーテープにおいて、プラスチックフィルム層の外面またはプラスチックフィルム層と熱接着性樹脂層間に帯電防止層を形成した構成とすることにより、カバーテープの帯電防止性を更に優れたものとすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態の積層構成を示す図、図2は本発明の第2実施形態の積層構成を示す図であって、1はプラスチックフィルム層、2は熱接着性樹脂層、3は帯電防止性ブロッキング防止層、4は帯電防止層をそれぞれ表す。
【0009】
本発明の第1実施形態の積層構成は、図1に示すとおりであり、外面から順にプラスチックフィルム層1と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層2と帯電防止性ブロッキング防止層3が積層され、帯電防止性ブロッキング防止層3がウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂に4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤を分散した組成物により0.01〜0.5μmの厚さに形成した構成である。粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層2はカバーテープを紙キャリアテープに熱接着する際の熱接着性を良くし、且つカバーテープを紙キャリアテープから剥離する際に紙むけしない優れた易剥離性が得られるが、カバーテープをロール状に巻いた際にブロッキングを起こしやすくなるので、帯電防止性ブロッキング防止層3によりカバーテープのブロッキングを防止するとともに、カバーテープの帯電防止性が優れたものとしている。
【0010】
本発明の第2実施形態の積層構成は、図2に示すとおりであって、外面から順にプラスチックフィルム層1と帯電防止層4と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層2と帯電防止性ブロッキング防止層3が積層された構成である。第2実施形態は、積層体のプラスチックフィルム層1と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層2間に帯電防止層4を形成しているので、第1実施形態と同様の紙キャリアテープへの熱接着性、カバーテープを紙キャリアテープから剥離する際に紙むけしない優れた易剥離性が得られるとともに、カバーテープの帯電防止性を更に優れたものとなっている。第2実施形態において帯電防止層をプラスチックフィルム層の外面に形成した構成としてもよいものである。
【0011】
プラスチックフィルム層1としては、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート、2軸延伸ポリプロピレン、2軸延伸ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンナスタレート、ポリカーボネート等を使用することができる。熱接着性樹脂層2としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、熱可塑性エラストマー(スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソブチレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー)、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が使用できる。粘着性付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、水添石油樹脂、クマロン・インデン樹脂等が使用できる。添加量としては2〜30%とするのが好ましい。
【0012】
帯電防止性ブロッキング防止層3は、4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤をウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等に分散させた組成物により形成される。4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤を添加した組成物をグラビア印刷、コーテイング等により熱接着性樹脂層面に厚さが0.01〜0.5μmとなるように塗布することにより帯電防止性ブロッキング防止層3が形成される。粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層面に上記の帯電防止性ブロッキング防止層3を形成することにより、帯電防止性が優れ且つ熱接着性樹脂層の熱接着性を損なわなずに優れた耐ブロッキング性が得られる。
【0013】
帯電防止層4としては、例えば、特許第2608383号に記載されているような、側鎖に、少なくとも、カルボキシル基及び4級アンモニウム塩基を有する静電誘導防止性を有する架橋性重合体からなる接着プライマーを使用することができる。
【0014】
第2実施形態のカバーフィルムの場合は、プラスチックフィルム層1に上記の接着プライマーを塗布した後に、イソシアネート系のアンカーコートを行って、押出ラミネーションにより熱接着性樹脂層を積層するか、ないしはプラスチックフィルム層1に上記の接着プライマーを塗布した後に、ウレタン系接着剤を使用したドライラミネーションにより熱接着性樹脂からなるフィルムを積層し、熱接着性樹脂層2面に帯電防止性ブロッキング防止層3を塗布することにより積層体を作製することができる。
【0015】
実施例1
片面にコロナ処理を施した厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、ウレタン系アンカーコート剤を塗布し、溶融押出し加工により粘着性付与剤を添加したエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率8%)を25μmの厚さに積層した。エチレン−酢酸ビニル共重合体を積層する際にエチレン−酢酸ビニル共重合体の表面をオゾン処理した。その後、オゾン処理したエチレン−酢酸ビニル共重合体表面に、4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤をウレタン系樹脂に分散させた組成物からなる帯電防止性ブロッキング防止層0.5μmの厚さに塗布して、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート25μm/アンカーコート/粘着性付与剤を添加したエチレン−酢酸ビニル共重合体25μm/オゾン処理/帯電防止ブロッキング防止層0.5μmからなる構成のカバーテープを作製した。
【0016】
実施例2
片面にコロナ処理を施した厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、側鎖にカルボキシル基及び4級アンモニウム塩基を有する帯電防止剤(アルテック (株) 、ボンディップ)を塗布し、その後、ウレタン系のアンカーコート剤をコーテイングし、溶融押出し加工により粘着性付与剤を添加したエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率8%)を25μmの厚さに積層した。エチレン−酢酸ビニル共重合体を積層する際にエチレン−酢酸ビニル共重合体の表面をオゾン処理した。その後、オゾン処理したエチレン−酢酸ビニル共重合体表面に、4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤をウレタン系樹脂に分散させた組成物からなる帯電防止性ブロッキング防止層を0.5μmの厚さに塗布して、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート25μm/帯電防止層/アンカーコート/粘着性付与剤を添加したエチレン−酢酸ビニル共重合体25μm/オゾン処理/帯電防止ブロッキング防止層0.5μmからなる構成のカバーテープを作製した。
【0017】
比較例1
片面にコロナ処理を施した厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、ウレタン系のアンカーコート剤を塗布して溶融押出し加工により粘着性付与剤を添加したエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率8%)を25μmの厚さに積層して、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート25μm/アンカーコート/粘着性付与剤を添加したエチレン−酢酸ビニル共重合体25μmからなる構成のカバーテープを作製した。
【0018】
実施例1、2及び比較例1について、耐ブロッキング性、シール強度、熱接着性樹脂層表面抵抗(Ω)を測定した結果は、表−1に示すとおりである。
〔シール強度(g)〕
カバーテープとキャリアテープを5.25mm幅の短冊状にカットし、幅1mmのバーが3mm間隔で2本平行に並んでいるヒートシーラーを使用。
シール条件
160℃×0.6kgf/cm2 ×0.2s
剥離条件
180°剥離、剥離速度:300mm/分
〔耐ブロッキング性〕
カバーテープを10枚重ねて、40℃にて0.3kgf/cm2 で加圧して24時間放置した後に密着の有無を調べる。
良好:密着なし
不良:密着あり
【0019】
【0020】
【発明の効果】
プラスチックフィルム層と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層と帯電防止性ブロッキング防止層が積層され、帯電防止性ブロッキング防止層をウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂に4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤を分散した組成物により0.01〜0.5μmの厚さに形成された構成とすることにより、カバーテープの耐ブロッキング性が優れ、カバーテープを紙キャリアテープに熱接着する際の接着性及びカバーテープを紙キャリアテープから剥離する際の剥離強度が安定するので、紙キャリアテープからカバーテープを剥離した際に収納されている電子部品の飛び出しを防止することができる。また、帯電防止性が優れるので、紙キャリアテープからカバーテープを剥離して収納されている電子部品を取り出す際に、剥離帯電による電子部品のカバーテープへの付着及び電子部品の静電破壊を防止できる。
【0021】
上記のカバーテープにおいて、プラスチックフィルム層の外面またはプラスチックフィルム層と熱接着性樹脂層間に帯電防止層が形成された構成とすることにより、カバーテープの帯電防止性を更に優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の積層構成を示す図。
【図2】本発明の第2実施形態の積層構成を示す図。
【符号の説明】
1 プラスチックフィルム層
2 熱接着性樹脂層
3 帯電防止性ブロッキング防止層
4 帯電防止層
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ型電子部品を搬送するための紙キャリアテープに熱接着されて使用されるカバーテープに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、小型電子部品を収納する収納ポケットを連続的に形成したプラスチック製キャリアテープに熱シールして使用するカバーテープにおいて、プラスチックフィルム層とシーラント層と帯電防止層の3層からなる構成のカバーテープとしては、例えば、特開平7−251860号公報に記載されているような、2軸延伸ポリエステル等からなる透明熱可塑性樹脂フィルム層と、低融点ポリエステルや低融点ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるシーラント層と、平均粒径0.1μm以下の錫、アンチモン及び/又はインジュウムの酸化物微粒子20〜80重量%と透明樹脂80〜15重量%とからなり104 〜107 Ωの表面抵抗値を有する帯電防止層を備えたカバーテープが知られている。
【0003】
しかしながら、シーラント層が低融点ポリエステルや低融点ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるものであり、カバーテープを紙キャリアテープに熱接着して取り付ける際の熱接着性及びカバーテープを紙キャリアテープから剥離する際の易剥離性が良くないという欠点がある。また、帯電防止層が、ホリビニルアルコール系、ポリエチレングリコール系、ポリエステルポリオール系、ポリオレフィン系等からなる透明樹脂と、平均粒径0.1μm以下の錫、アンチモン及び/又はインジュウムの酸化物微粒子からなる構成であり、金属酸化物微粒子を含む帯電防止層であるため価格が高くなるとともに、帯電防止層をシーラント層面にコーテイング等により形成する工程の作業性が良くないという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、紙キャリアテープ用への熱接着性、易剥離性が優れるとともに、帯電防止性においても優れた紙キャリアテープ用のカバーテープを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
プラスチックフィルム層と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層と帯電防止性ブロッキング防止層が積層された構成とすることにより、作製されたカバーテープをロール状に巻き取った際にブロッキングするのを防止できるとともに、カバーテープを紙キャリアテープに熱接着する際の接着性及びカバーテープを紙キャリアテープから剥離する際の剥離強度が安定するので、紙キャリアテープからカバーテープを剥離した際に収納されている電子部品の飛び出しを防止することができる。また、帯電防止性が優れるので、紙キャリアテープからカバーテープを剥離して収納されている電子部品を取り出す際に、剥離帯電による電子部品のカバーテープへの付着及び電子部品の静電破壊を防止できる。
【0006】
上記のカバーテープにおいて、帯電防止性ブロッキング防止層が、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂に4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤を分散した組成物により0.01〜0.5μmの厚さに形成した構成とすることにより、カバーテープのブロッキングを防止し、且つカバーテープを紙キャリアテープに熱接着する際の熱接着性、カバーテープを紙キャリアテープから剥離する際の熱易剥離性及び帯電防止性を良くすることができる。
【0007】
上記のカバーテープにおいて、プラスチックフィルム層の外面またはプラスチックフィルム層と熱接着性樹脂層間に帯電防止層を形成した構成とすることにより、カバーテープの帯電防止性を更に優れたものとすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態の積層構成を示す図、図2は本発明の第2実施形態の積層構成を示す図であって、1はプラスチックフィルム層、2は熱接着性樹脂層、3は帯電防止性ブロッキング防止層、4は帯電防止層をそれぞれ表す。
【0009】
本発明の第1実施形態の積層構成は、図1に示すとおりであり、外面から順にプラスチックフィルム層1と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層2と帯電防止性ブロッキング防止層3が積層され、帯電防止性ブロッキング防止層3がウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂に4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤を分散した組成物により0.01〜0.5μmの厚さに形成した構成である。粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層2はカバーテープを紙キャリアテープに熱接着する際の熱接着性を良くし、且つカバーテープを紙キャリアテープから剥離する際に紙むけしない優れた易剥離性が得られるが、カバーテープをロール状に巻いた際にブロッキングを起こしやすくなるので、帯電防止性ブロッキング防止層3によりカバーテープのブロッキングを防止するとともに、カバーテープの帯電防止性が優れたものとしている。
【0010】
本発明の第2実施形態の積層構成は、図2に示すとおりであって、外面から順にプラスチックフィルム層1と帯電防止層4と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層2と帯電防止性ブロッキング防止層3が積層された構成である。第2実施形態は、積層体のプラスチックフィルム層1と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層2間に帯電防止層4を形成しているので、第1実施形態と同様の紙キャリアテープへの熱接着性、カバーテープを紙キャリアテープから剥離する際に紙むけしない優れた易剥離性が得られるとともに、カバーテープの帯電防止性を更に優れたものとなっている。第2実施形態において帯電防止層をプラスチックフィルム層の外面に形成した構成としてもよいものである。
【0011】
プラスチックフィルム層1としては、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート、2軸延伸ポリプロピレン、2軸延伸ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンナスタレート、ポリカーボネート等を使用することができる。熱接着性樹脂層2としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、熱可塑性エラストマー(スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソブチレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー)、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が使用できる。粘着性付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、水添石油樹脂、クマロン・インデン樹脂等が使用できる。添加量としては2〜30%とするのが好ましい。
【0012】
帯電防止性ブロッキング防止層3は、4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤をウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等に分散させた組成物により形成される。4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤を添加した組成物をグラビア印刷、コーテイング等により熱接着性樹脂層面に厚さが0.01〜0.5μmとなるように塗布することにより帯電防止性ブロッキング防止層3が形成される。粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層面に上記の帯電防止性ブロッキング防止層3を形成することにより、帯電防止性が優れ且つ熱接着性樹脂層の熱接着性を損なわなずに優れた耐ブロッキング性が得られる。
【0013】
帯電防止層4としては、例えば、特許第2608383号に記載されているような、側鎖に、少なくとも、カルボキシル基及び4級アンモニウム塩基を有する静電誘導防止性を有する架橋性重合体からなる接着プライマーを使用することができる。
【0014】
第2実施形態のカバーフィルムの場合は、プラスチックフィルム層1に上記の接着プライマーを塗布した後に、イソシアネート系のアンカーコートを行って、押出ラミネーションにより熱接着性樹脂層を積層するか、ないしはプラスチックフィルム層1に上記の接着プライマーを塗布した後に、ウレタン系接着剤を使用したドライラミネーションにより熱接着性樹脂からなるフィルムを積層し、熱接着性樹脂層2面に帯電防止性ブロッキング防止層3を塗布することにより積層体を作製することができる。
【0015】
実施例1
片面にコロナ処理を施した厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、ウレタン系アンカーコート剤を塗布し、溶融押出し加工により粘着性付与剤を添加したエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率8%)を25μmの厚さに積層した。エチレン−酢酸ビニル共重合体を積層する際にエチレン−酢酸ビニル共重合体の表面をオゾン処理した。その後、オゾン処理したエチレン−酢酸ビニル共重合体表面に、4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤をウレタン系樹脂に分散させた組成物からなる帯電防止性ブロッキング防止層0.5μmの厚さに塗布して、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート25μm/アンカーコート/粘着性付与剤を添加したエチレン−酢酸ビニル共重合体25μm/オゾン処理/帯電防止ブロッキング防止層0.5μmからなる構成のカバーテープを作製した。
【0016】
実施例2
片面にコロナ処理を施した厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、側鎖にカルボキシル基及び4級アンモニウム塩基を有する帯電防止剤(アルテック (株) 、ボンディップ)を塗布し、その後、ウレタン系のアンカーコート剤をコーテイングし、溶融押出し加工により粘着性付与剤を添加したエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率8%)を25μmの厚さに積層した。エチレン−酢酸ビニル共重合体を積層する際にエチレン−酢酸ビニル共重合体の表面をオゾン処理した。その後、オゾン処理したエチレン−酢酸ビニル共重合体表面に、4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤をウレタン系樹脂に分散させた組成物からなる帯電防止性ブロッキング防止層を0.5μmの厚さに塗布して、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート25μm/帯電防止層/アンカーコート/粘着性付与剤を添加したエチレン−酢酸ビニル共重合体25μm/オゾン処理/帯電防止ブロッキング防止層0.5μmからなる構成のカバーテープを作製した。
【0017】
比較例1
片面にコロナ処理を施した厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、ウレタン系のアンカーコート剤を塗布して溶融押出し加工により粘着性付与剤を添加したエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率8%)を25μmの厚さに積層して、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート25μm/アンカーコート/粘着性付与剤を添加したエチレン−酢酸ビニル共重合体25μmからなる構成のカバーテープを作製した。
【0018】
実施例1、2及び比較例1について、耐ブロッキング性、シール強度、熱接着性樹脂層表面抵抗(Ω)を測定した結果は、表−1に示すとおりである。
〔シール強度(g)〕
カバーテープとキャリアテープを5.25mm幅の短冊状にカットし、幅1mmのバーが3mm間隔で2本平行に並んでいるヒートシーラーを使用。
シール条件
160℃×0.6kgf/cm2 ×0.2s
剥離条件
180°剥離、剥離速度:300mm/分
〔耐ブロッキング性〕
カバーテープを10枚重ねて、40℃にて0.3kgf/cm2 で加圧して24時間放置した後に密着の有無を調べる。
良好:密着なし
不良:密着あり
【0019】
【0020】
【発明の効果】
プラスチックフィルム層と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層と帯電防止性ブロッキング防止層が積層され、帯電防止性ブロッキング防止層をウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂に4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤を分散した組成物により0.01〜0.5μmの厚さに形成された構成とすることにより、カバーテープの耐ブロッキング性が優れ、カバーテープを紙キャリアテープに熱接着する際の接着性及びカバーテープを紙キャリアテープから剥離する際の剥離強度が安定するので、紙キャリアテープからカバーテープを剥離した際に収納されている電子部品の飛び出しを防止することができる。また、帯電防止性が優れるので、紙キャリアテープからカバーテープを剥離して収納されている電子部品を取り出す際に、剥離帯電による電子部品のカバーテープへの付着及び電子部品の静電破壊を防止できる。
【0021】
上記のカバーテープにおいて、プラスチックフィルム層の外面またはプラスチックフィルム層と熱接着性樹脂層間に帯電防止層が形成された構成とすることにより、カバーテープの帯電防止性を更に優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の積層構成を示す図。
【図2】本発明の第2実施形態の積層構成を示す図。
【符号の説明】
1 プラスチックフィルム層
2 熱接着性樹脂層
3 帯電防止性ブロッキング防止層
4 帯電防止層
Claims (3)
- プラスチックフィルム層と粘着性付与剤を含む熱接着性樹脂層と帯電防止性ブロッキング防止層が積層された構成からなることを特徴とするカバーテープ。
- 前記帯電防止性ブロッキング防止層が、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂に4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤を分散した組成物により0.01〜0.5μmの厚さに形成されたものであることを特徴とする請求項1記載のカバーテープ。
- 前記プラスチックフィルム層の外面または前記プラスチックフィルム層と前記熱接着性樹脂層間に帯電防止層が形成された構成からなることを特徴とする請求項1または2に記載のカバーテープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002206938A JP2004051105A (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | カバーテープ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002206938A JP2004051105A (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | カバーテープ |
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JP2004051105A true JP2004051105A (ja) | 2004-02-19 |
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ID=31931528
Family Applications (1)
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JP2002206938A Withdrawn JP2004051105A (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | カバーテープ |
Country Status (1)
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR20140107183A (ko) | 2011-10-14 | 2014-09-04 | 덴끼 가가꾸 고교 가부시키가이샤 | 커버 테이프 |
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KR20210141645A (ko) | 2019-03-27 | 2021-11-23 | 미츠이·다우 폴리케미칼 가부시키가이샤 | 종이 캐리어 테이프용 커버 테이프, 전자 부품 반송용 포장체 및 전자 부품 포장체 |
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2002
- 2002-07-16 JP JP2002206938A patent/JP2004051105A/ja not_active Withdrawn
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KR20240025041A (ko) | 2019-03-27 | 2024-02-26 | 미츠이·다우 폴리케미칼 가부시키가이샤 | 종이 캐리어 테이프용 커버 테이프, 전자 부품 반송용 포장체 및 전자 부품 포장체 |
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