JP2004050921A - 船外機のカバー接合構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】船外機において、カバーは上カバーと、左舷下カバー21と右舷下カバー41とからなり、左舷下カバーと右舷下カバーとは樹脂製の外板部材と、各外板部材の内側に一体的に固着されたフレーム23,24,43,44とからなり、各フレームには、左舷下カバーと右舷下カバーの各外板部材を接合する固定部31,32,33,51,52を備える船外機のカバー接合構造。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右に分割形成した船外機の樹脂製カバーを接合一体化する接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
船外機の本体はアルミ合金製であり、これによって重量の大きいエンジンを船尾に対して取付支持するための剛性を確保している。一部の船外機では、樹脂製部品を採用し、軽量化とコストダウンを図っている。
例えば、エンジンを収容するためのエンジンルームを構成するカバーでは、エンジンルーム上半部の着脱自在なエンジンカバーのみならず、エンジンルームの下半部のカバーも樹脂化が図られている。
樹脂化した場合、エンジンの搭載作業やメンテナンス作業等のために上半部のカバーと下半部のカバーとの合わせ部、即ち、エンジンルームの開口はなるべく大きくすることが望ましい。
ところで、樹脂製部品はアルミ合金製部品と比較すると剛性は低く、特に上半部のカバーを着脱自在に受ける下半部のカバーの樹脂化には剛性の確保が要求される。
【0003】
従来、船外機の樹脂製カバーとして特開平6−234393号公報の技術が開示されており、この公報では樹脂製カバーの剛性確保のためのリブ構成が開示されており、リブ成型による樹脂製部品の外板部材への引けの影響を回避する技術が開示されている。
【0004】
また、左右の樹脂製カバーを組み付けるには、一般にボルト等による締着構造が採用されるが、組付け部には高い剛性が求められる。
例えば、米国特許第4,348,194号では、樹脂製の左右分割型下カバーの組付構造が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の特開平6−234393号公報開示の技術は、厚肉化を要するリブ構成は、樹脂製品の外観に引けマークが現れないことを試行によって経験的に確認する必要があり、従って多くの経験を必要とし、このため製品化に多大の時間と手間がかかる。
また、同公報開示の従来技術では、カバーのリブ部が装着相手である別の本体部品と協働してエンジンルームの仕切壁を形成する場合、同公報の符号148で示すウエブの存在によって、成形型の抜き方向を別途考慮する必要があり、或いはリブ部の抜き勾配を考慮して符号138で示す溝を余り深くしない等、結果的に設計の自由度を制限することとなる。
【0006】
上記した米国特許第4,348,194号では、樹脂製の左右分割型下カバーの組付構造の従来技術によると、同公報の符号26で示すブラケットが、符号27で示す2つのスクリュー27で、符号14,15で示す左右のカバーを固定している。
この場合、カバー側にはスクリューによる固定を維持する剛性を確保することが要求される。
【0007】
本発明の目的とする処は、船外機のカバーを樹脂製とし、樹脂製の下部カバーを左右分割構造とし、左右の下部カバーの接合に際し、接合部に高い接合剛性持たせ、樹脂製の左右分割型カバーを確実に接合一体化可能とする船外機のカバー接合構造を提供する。
また本発明の他の目的とする処は、船外機の樹脂製カバーの外観性を向上させつつ、樹脂製カバーの製造の容易化、デザインを含めて設計の自由度の向上等を図ることをも可能とした船外機のカバー接合構造を提供することにある
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、エンジンと、該エンジンで駆動されるプロペラと、前記エンジンから前記プロペラに駆動力を伝達するための駆動軸と、前記エンジンを支持し、前記駆動軸を回転可能に収容し、支持するケース手段と、前記エンジンを収容するエンジンルームの少なくとも一部を構成するカバーとからなる船外機本体を船体にチルト動可能、操舵可能に取り付けた船外機において、前記カバーは上カバーと、左舷下カバーと右舷下カバーとからなり、前記左舷下カバーと右舷下カバーとは樹脂製の外板部材と、各外板部材の内側に一体的に固着されたフレームとからなり、前記各フレームには、左舷下カバーと右舷下カバーの各外板部材を接合する固定部を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項1では、樹脂製の左舷下カバー、右舷下カバーの外板部材を補強するフレームに、各カバーを接合する固定部を備えるので、カバーの外板部材の剛性を確保できることは勿論、固定部は剛性の高いフレームに設けるので、左右の分割型カバーにおいて、接合剛性の高い接合が行える。
【0010】
請求項2では、請求項1において、前記フレームは樹脂製としたことを特徴とする。
請求項2では、左右の舷側下カバーの外板部材が樹脂製であって、フレームを樹脂製とすることで、カバー外板部材の内側にフレームを溶着等で容易、確実に固着、設置することができる。
【0011】
請求項3は、請求項1または請求項2において、前記フレームの固定部は、前記フレームを前後方向に貫通して締着するボルトを含むことを特徴とする。
請求項3では、左右の分割カバーを接合のために合わせてボルトで結合する際、半体相互の合わせ部分に凹溝や突出部が形成されず、カバー外板部材の接合部の外観を損なうことがない。
【0012】
請求項4は、請求項1または請求項2において、前記フレームの固定部は、前記フレームを上下方向に貫通して締着するボルトを含むことを特徴とする。
請求項4では、左右の分割カバーを接合のために合わせてボルトで結合する際、半体相互の合わせ部分に凹溝や突出部が形成されず、カバー外板部材の接合部の外観を損なうことがない。
【0013】
請求項5は、請求項1または請求項2において、前記フレームの固定部は、前記フレームを左右方向に貫通して締着するボルトを含むことを特徴とする。
請求項5では、左右の分割カバーを接合のために合わせてボルトで結合する際、上下のカバーの接合面に固定部を介在させてボルト締着することができる。
【0014】
請求項6は、請求項1または請求項5において、前記上カバーと下カバーとの合わせ面を基準に、平面視でエンジンルーム内側、かつ側面視で合わせ面よりも上方のフレーム部位に前記固定部を含むことを特徴とする。
請求項6では、合わせ面の上方部位のフレームに接合部を設けたので、左右方向からのボルトを貫通させて締着することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は、本発明に係るカバー接合構造を実施した船外機の説明的な要部破断側面図で、図においてFrは推進方向前方を、Rrは推進方向後方を示す。
船外機1はエンジンを支持するケース手段とエンジンを覆い、エンジンルームを構成するカバー手段とからなる。
【0016】
エンジン2、はクランク軸2aが縦向きのバーチカルエンジンで、シリンダ2b…(…は複数を表す。以下同じ)は軸線を横向きに上下に複数配置した複数気筒エンジンである。各シリンダ2b…内にはピストン2c…を嵌装しており、前後方向中間部位でシリンダブロック2dを構成する。
シリンダブロック2dの後方にはシリンダヘッド2eを、更にその後方にはシリンダヘッドカバー2fが設けられており、またシリンダブロック2dの前方にはクランクケース2gが配設されている。
【0017】
以上のエンジン2の下部にはポンプボディ3を介在させ、マウントケース4でエンジン2全体を支持している。そして、マウントケース4の下側にはオイルケース5が垂下するように配設されている。
シリンダヘッド2eには排気マニホールド2hが固定されており、排気マニホールド2hはエキゾーストガイド6に接続している。さらにエキゾーストガイド6は、マウントケース4に固定されており、マウントケース4に設けた接続孔4bに接続する。
【0018】
上記したマウントケース4の下面には、オイルケース5が下方に延びるように固定されており、オイルケース5のオイルパン5aに隣接して設けた下向きの排気通路5bが、前記接続孔4bと連通接続する。
これにより、排気は燃焼室からシリンダヘッド2e、排気マニホールド2h、エキゾーストガイド6,マウントケースの排気通路4b、オイルケースの排気通路5bを経て、後述するエクステンションケース13内に導出される。
なお、ポンプボディ3からは吸い上げチューブ3bがオイルパン5a内に垂下し、下端のストレーナ3aがオイルパン5aの下部内に臨んでいる。
【0019】
エンジン2の縦向きのクランクシャフト2aは、船外機1全体としては前寄り部分に位置する。クランクシャフト2aの下端部には、前記したポンプボディ3を縦通し、縦向きに縦設した駆動軸7の上端部に連結されている。
駆動軸7は、マウントケース4の前寄り部に設けた貫通孔4cを軸受けを介して貫通し、下方のオイルケース5のオイルパン5aと周壁5cの前部との間を通って下方に垂下、延出し、伝動、変速機構8を介して後方を向くように配設された出力軸9aを駆動する。
該出力軸9aの後端部には、船外機1の下端部外後方に配設されたプロペラ9が連結され、エンジン2で駆動軸7を駆動し、伝動、変速機構8を経由してプロペラ9を駆動することで推進力を得る。
【0020】
以上において、エンジン2の上方、周囲及び下方を船外機の外板部材の一部を構成するカバー手段10で覆う。
カバー手段10は、エンジン2の図の上下方向の中間部〜上部を覆う天井部及び周囲を覆い、下方に開放する下向きキャップ状の上部のエンジンカバー11と、エンジン2の下部〜ポンプボディ3、マウントケース4及びオイルケース5の周りを囲む下部カバーであるアンダーカバー20とで構成されている。
【0021】
アンダーカバー20は、後述するように左右のカバー部材である左舷下部カバー及び右舷下部カバーとからなり、分割型カバーである。左舷下部カバー及び右舷下部カバーは、後述するようにそれぞれに設けた固定部を結合して接合、一体化され、一体化されたアンダーカバー20を構成する。
エンジンカバー11及びアンダーカバー20の上部でエンジンルーム12を形成する。実際には、後述するが左舷下カバー、右舷下カバーの接合一体化カバーを横断するように該カバーで保持されたマウントケース4で区画される上の部分でエンジンルームを構成し、マウントケース4及び左舷下カバー、右舷下カバーの保持部で隔壁を構成する。これについては後に詳細に説明する。
エンジンルーム12は船外機1の上部に位置し、後述するように前述のマウントケース4がエンジンルーム12の底に相当する。
【0022】
前述のように、マウントケース4の下側にはオイルケース5が固定されている。オイルケース5の下側には、下方にアルミ合金等で形成したエクステンションケース13が垂下、連設されている。このエクステンションケース13の下方にはギヤケース14が連設され、このギヤケース14内には、前記した駆動軸7の下部、伝動、変速機構8、出力軸9aが収容されている。
このうち、マウントケース4とオイルケース5との接合部の外側を覆うように前記したアンダーカバー20の下部が垂下している。
【0023】
前記したマウントケース4の前端部のアンダーカバー20の前方の部分及びエクステンションケース13の前方の部分間にはスイベル軸15aを縦設し、スイベルケース15にスターンブラケット16をチルト軸16aを介して連結する。これにより、スターンブラケット16を介して、船外機1を船体や艇体の船尾に操舵(左右動)可能に、チルト動(上下動)可能に取付支持する。
マウントケース4、オイルケース5、エクステンションケース13、ギヤケース14でケース手段を構成する。
【0024】
図2は、船外機1をアンダーカバー20の上カバーを外してアンダーカバーとエンジンの一部を断面とした平面図である。
アンダーカバー20は左右のカバー部材を構成する左舷下部カバー21と右舷下部カバー41とからなる。
各カバー21,41は平面視で中間部21a,41aが左右方向に膨出した左右対称の翼断面形状をなす。
【0025】
ところで、本実施の形態において左右の下カバーを左舷下部カバー、右舷下部カバーと称するが、その区別は、船外機1の推進方向を基準として決定し、推進方向の左側を左舷とし、右側を右舷と称した。
またアンダーカバー20は、図1に示すように上下方向に長さを有し、図1及び図2並びに後述する図3で明らかなように、上部の前後の部分が21b,21c,41b,41cが船外機の前後方向に膨出している。
下半部は前部側21d,41dがスイベルケース15及びスターンブラケット16を配設しているので、後方に潜るように縊れている。
【0026】
図2では、エンジン2は下半部が横断平面として示されており、エンジン2のクランクケース2gの前部で、前記カバー21,41の上部の前部21c,41cは、図3で後述するように下半部の前部側21d,41dの上端部から前方に棚状に突出している。この間は、後部21b,41bと異なり、この間に空間が形成されており、上部の前部21c,41c間にケーブル支持ブラケット61が配設され、この間に固定されている。
このケーブル支持ブラケット61は、アルミ合金等で形成されおり、エンジン2のクランクケース前方に後部が結合され、これの一部を構成する。ケーブル支持ブラケット61の詳細及び結合構造は後に詳述する。
シリンダヘッド2eの排気通路2iは、この側の側方に設けたエキゾーストマニホールド2hに接続し、反対側の2jは吸気通路で、吸気マニホールドは省略した。尚図中2kは点火プラグである。
【0027】
図3は、左舷下部カバー21、右舷下部カバー41、マウントケース4の分解斜視図、図4は図3の要部の拡大斜視図である。
各カバー21,41の細部の構造は後に詳述する。
左舷下部カバー21、右舷下部カバー41は合成樹脂で形成された樹脂成形品である。例えば、ガラス繊維入り強化プラスチック(ポリプロピレン)で形成されている。
左舷下部カバー21、右舷下部カバー41の後部21b,41bは、上部が前後方向の幅が前部に比較して広く、前記したように上下方向に長く、対向する端縁部21e,41eが突き合わせ接合後端縁部を構成する。
【0028】
一方、左舷下部カバー21、右舷下部カバー41の前部21c,41cの下半部21f,41fは、前後方向の幅が狭く、左舷下カバー21の前部21cは、前記したように上部においては棚状に前方に延出している。
他方、右舷下カバー41の前部41cは前方に棚状に延出しているが、後方の所定部分から縦向き切除して高さを上記前部21cよりも低く設定して側面視で略L形の欠除部41gとし、欠除部の41gの前端を少々の幅のある前端面41hとする。前端面41hには、半円形の凹部41iが形成されている。
【0029】
図1で明らかなように、また上記した説明で明らかなように、左舷、右舷の下カバー21,41は、下部が前部では急激に縊れ、後部が緩やかに縊れた形状で、前後に長い楕円状の筒を2つ割とした形状をなし、後部は全面的に接合後端縁部21e,41eを突き合わせて後述するように接合する。
また、前部は下半部21d,41dの対向する端縁部21j,41jを突き合わせて接合する。
前記した上部の前部21c,41cは、左舷、右舷の下部カバー21,41の接合状態で、この間にケーブル支持ブラケット61を配置して後述するように結合する。
これにより、エンジン2前方のアンダーカバー20の前部の幅方向中間部を構成する。
【0030】
尚、右舷下カバー41の前方に突出した側面視L形棚状の欠除部41gの上にはセパレートカバー65を重ねて結合する。
セパレートカバー65の前端面65aには、前記した凹部41iと対応する対称形状の円形の凹部65bが設けられている。
ところで、セパレートカバー65を欠除部41g上に載置して接合一体化し、前端面65bと41hとの間に円形の通孔66を形成する。この通孔66にスロットルケーブル、シフトケーブル、燃料配管、バッテリケーブル等の結束体を不図示のグロメットで保持しつつ通す。
左右の前部21c,41cとセパレートカバー65及びケーブル支持ブラケット61との結合構造は、図17で詳細に説明する。
【0031】
図3に示したマウントケース4は、斜め前上方から見た図である。パッキン面の範囲内に前記したオイルパン5aの接続開口4dを備え、また縦通孔4cを備える。
マウントケース4の外壁には、エンジンルームの底の一部を形成するフランジ4eが周縁部に突出するように設けられている。フランジ4eは、後部が低位であり、前部が上位であって、この間の中間部は、後下傾するような形状をなす。
【0032】
以上のマウントケース4のフランジ4eには、これの外周縁部を囲繞するようにシール材17を装着している。後述する左右の舷側下部カバー21,41の内側面に設けた補強用のフレームの一部のものに、フランジ4eの外周縁部を囲繞するように設けたシール材17を突き当てて接触或いは係合している。
以上のマウントケース4の周辺部のフランジ4e及びこれと接触或いは係合する左右の舷側下部カバー21,41の内側に設けた一部のフレームにより、エンジンルームを区画する隔壁を構成する。
【0033】
図5は、左舷下カバー21の内側の側面図、図6は、同平面図、図7は、一部を破断して示した後面図である。
これらの図面に従って、以下に左舷下部カバー21を詳細に説明する。
左舷下カバー21の上端部には、上カバーである前記したエンジンカバー11の下端縁と当接する幅狭のシール面を構成するフランジ22が一体に形成されており、フランジ22は下カバー21の上端部の前後方向一杯に形成されている。
フランジ22の幅方向中間部には、図7に示すように起立片22aが一体に起設されており、フランジ22aの下面で、カバー21の内側面21kには、前後方向の全長にわたり補強用の上部横フレーム23を固着して設置する。上部横フレーム23は直線状で水平に配設されている。
【0034】
またカバー21の内側面21kの高さ方向中間部には、前後方向に補強用の下部横フレーム24を固着して設置する。下部横フレーム24は、後部24aが低位で、前部24cが上位であり、中間部24bが緩やかに後下傾するように配設されている。
下部横フレーム24の前部24bは、前記した上部の前部24cの下端部に沿って配設されており、図6に示したように中間部24bが最も内側に突出していて幅が大きく、前後の部分24c,24aの幅が狭い。
以上の下部横フレーム24の内端部には、前記したマウントケース4の周辺フランジ4eに装着したシール材17と当接、或いは係合するコ字状の溝部25が、内方に開放するように形成されている。
【0035】
以上の上下の横フレーム23,24間を縦に繋ぐ縦フレームが内側面21kに固着、一体化して設けられている。
縦フレームは、図5に示した通り、後部のもの26、中間前部のもの27、中間後部のもの28及び略々後部に位置するもの29を備える。これらの縦フレーム26,27,28,29は、上下端部が上下の横フレーム23,24に接合一体化されている。実施の形態では縦フレームの全部、或いは一部のものが横フレームと一体に形成されている。
また、後部の縦フレーム26の上下方向の中間部からカバー21の後部21bの内側面にかけてサブ横フレーム30が配設されている。
【0036】
尚、フレーム23,24,26〜30のそれぞれは、図7で示したように矩形中空断面とする。
フレームはカバーより成形性を考慮し、軟質であるが、断面が小さい矩形断面なので全体強度は高いものを選択し、例えばポリプロピレンで形成する。
フレームのカバー21内側面21kへの固着は、例えば振動溶着等とし、溶着方法はこれに限られず任意であり、また接着で一体的に固着しても良い。
【0037】
以上の上下及び中間部の横フレーム23,24及び30の後端部には、左右分割カバーの接合部を構成する固定部(結合部)31,32,33を、それぞれ一体に設ける。
上部横フレーム23の後端部の固定部31は、上下方向にボルトを通して締着するように構成し、詳細には後に詳述する。
中間部の横フレーム30の固定部32及び下部横フレーム24の固定部33は、前後方向にボルトを通して締着するように構成し、詳細には後に詳述る。
また下半部21fの下端部の前後には結合部34…を設ける。
【0038】
図7で明示したように、左舷下カバー21の後部21bの外面(後面)で、接合端縁部21eに臨む上部には、後面視で該接合端縁部21e方向に開放する略コ字状の凹欠部21nを設けている。
この凹欠部21nの上方側方及び下方を囲むように上下方向に長い座面35を設ける。この座面35には端部の上下に取付孔35a,35aを備え、後述する開口部の蓋体を兼ねるシールリッドを取り付ける。
【0039】
図8は、右舷下カバー41の内側の側面図、図9は、同平面図、図10は、一部を破断して示した後面図である。
これらの図面に従って、以下に右舷下部カバー41を詳細に説明する。
右舷下カバー41の上端部には、前記と同様にエンジンカバー11の下端縁と当接する幅狭のシール面を構成するフランジ42が一体に形成されており、フランジ42は下カバー41の上端部の前後方向一杯に形成されている。
フランジ42の幅方向中間部には、図10に示すように起立片42aが一体に起設されており、フランジ42aの下面で、カバー41の内側面41kには、前後方向の全長にわたり補強用の上部横フレーム43を水平に固着して設置する。
【0040】
カバー21の内側面41kの高さ方向中間部には、前後方向に補強用の下部横フレーム44が前記と同様に設置されている。該フレーム44は、後部44aが低位で、前部44cが上位であり、中間部44bが緩やかに後下傾するように配設されている。
下部横フレーム44の後部44aは、前記した上部の前部44cの下端部に沿って配設されており、図9に示したように中間部44bが最も内側に突出していて幅が大きく、前後の部分44c,44aの幅が狭い。
以上の下部横フレーム44の内端部には、マウントケース4の周辺フランジ4eに装着したシール材17と当接、或いは係合するコ字状の溝部45が、内方に開放するように形成されていることは前記と同様である。
【0041】
以上の上下の横フレーム43,44間を縦に繋ぐ縦フレームが内側面41kに固着、一体化して設けられている。縦フレームは、図8に示した通り、後部のもの46、中間前部のもの47、後部に位置するもの49を備え、これらの縦フレーム46,47,49は、その上下端部が前記した上下の横フレーム43,44に前記と同様に接合一体化されている。
また、後部の縦フレーム46の上下方向の中間部からカバー41の後部41bの内側面にかけてサブ横フレーム50が配設されている。
【0042】
尚、フレーム43,44,46〜50のそれぞれは、図10で示したように矩形中空断面とする。
フレームはカバーより成形性を考慮し、軟質であるが、断面が小さい矩形断面なので全体強度は高いものを選択し、例えば上記同素材であるポリプロピレンで形成する。
フレームのカバー41内側面41kへの固着は、例えば振動溶着等とし、溶着方法はこれに限られず任意であり、また接着で一体的に固着しても良い。
【0043】
以上の上下及び中間部の横フレーム43,44及び50の後端部には、左右分割カバーの接合部を構成する固定部(結合部)51,52,53を、それぞれ一体に設ける。
上部横フレーム43の後端部の固定部51は上下方向にボルトを通して締着するように構成し、詳細には後述する。中間部の横フレーム50の固定部52及び下部横フレーム44の固定部53は、前後方向にボルトを通して締着するように構成し、詳細には後述する。
また下半部51fの下端部の前後には結合部54…を設ける。
【0044】
図10で明示したように、右舷下カバー41の後部41bの外面(後面)で、接合端縁部41eに臨む上部には、後面視で該接合端縁部41e方向に開放する略コ字状の凹欠部41nを設けている。
この凹欠部41nの上方側方及び下方を囲むように上下方向に長い座面55を設け、座面には端部の上下に取付孔55a,55aを備え、後述する開口部の蓋体を兼ねるシールリッドを取り付ける。
【0045】
図11は、左舷下カバー21及び右舷下カバー41を前記した固定部で接合し、形成したアンダーカバー20の平面図である。
左右の舷側下カバー21,41の後部21b,41bの接合端縁部21e,441eを突き合わせ、固定部31と51、固定部32と52、固定部33と53とを上下に、また前後に重ね合わせ、ボルトで締着し、結合し、該カバー21,41の後部を接合一体化する。
【0046】
尚、左舷下カバー21及び右舷下カバー41の前部21c,41cは、棚状のこの部分間にケーブル支持ブラケット61を介在させ、前部21c,41cとケーブル支持ブラケット61とをボルト70…で結合して前部を接合一体化する。これの詳細については後に詳述する。
ところで、左舷下カバー21及び右舷下カバー41の下半部21f,41fは、前後の結合部34…、54…をボルト71…を介して、アンダーカバー20の下方に垂下延出される鎖線で示したエクステンションケース13の上部に締着する。
【0047】
図12〜図14(a)〜(c)は、左舷下カバー21、右舷下カバー41の後部の接合端縁部の最上部の固定部による締着構造を示す図で、図12は、組み付け前の分解斜視図、図13は組み付け状態の斜視図、図14(a)は図13の14−14線断面図で、同(b)及び同(C)は他の実施例である。
最上部の固定部31,51は、水平方向に延出する棚状片31a,51aを備え、該棚状片の一方31aには縦向きの取付孔31bを、また他方51aには筒状のナット51bを縦通埋設する。これを図12で示した。
棚状片31a,51aを上下に重ね合わせ、上からボルト70を取付孔51b、ナット51bに螺合挿通し、固定部31,51相互を結合し、この部分を接合一体化する。結合状態を図13で示し、この断面を図14(a)で示した。
【0048】
図14(b)は他の実施例を示し、左舷下カバー21、右舷下カバー41の構成部分には同一符号を付し、説明は省略する。
固定部31と51とは前記したと同様に、上下に重ね合わせ、ボルトで締着するものであるが、フランジのない筒状ナット151bを下方の固定部51の棚状片51aに縦通させて固定し、上方の固定部51の棚状片31aを縦通し、ナットと螺合する段付きボルト70の大径首部70a下端部に、ナット151bの上端部151b´を当接させ、樹脂製の固定部51を潰さないようにした。
【0049】
図14(c)は同様に他の実施例を示し、左舷下カバー21、右舷下カバー41の構成部分には同一符号を付し、説明は省略する。
下方の固定部51の棚状片51aに上下のフランジ251a,251cを設けたナット251bを、フランジ251a,251c間で棚状片51aを挟持するように加締め付ける。
上部フランジ251aは上面が棚状片51aの上面と面一とし、上方の固定部51の棚状片31aを縦通し、ナットと螺合する段付きボルト70の大径首部70a下端部に、ナット251bの上端部251b´を当接させ、樹脂製の固定部51を潰さないようにした。
【0050】
図15(a)〜(c)は、左舷下カバー21、右舷下カバー41の後部の接合端縁部の最下部の固定部による締着構造を示す要部の3つの実施例の横断平面図である。
図15(a)に示すように、最下位のフレーム24,44の端部には、前記した固定部33,53が接合端縁部から突出するように一体に設けられており、固定部33,53は縦方向の面を有する突片部33a,53aを備える。一方の突片部33aには前後方向に取付孔33bを備え、他方の突片部53aには筒状ナット53bを軸線を前後方向に向けて埋設する。
突片部33a,53aを前後方向に重ね合わせ、ボルト72を螺合挿通し、固定部33,53相互を結合し、この部分を接合一体化する。
【0051】
図15(b)は他の実施例を示し、左舷下カバー21、右舷下カバー41の構成部分には同一符号を付し、説明は省略する。
固定部33と53とは前記したと同様に、前後に重ね合わせ、ボルトで締着するものであるが、フランジのない筒状ナット153bを前方のの固定部53の突片部53aに縦通させて固定し、後方の固定部33の突片部33aを貫通し、ナットと螺合する段付きボルト72の大径首部72a下端部に、ナット153bの上端部153b´を当接させ、樹脂製の固定部51を潰さないようにした。
【0052】
図15(c)は同様に他の実施例を示し、左舷下カバー21、右舷下カバー41の構成部分には同一符号を付し、説明は省略する。
前方の固定部53の突片部53aに上下のフランジ253a,253cを設けたナット253bを、フランジ253a,253c間で突片部53aを挟持するように加締め付ける。
上部フランジ253aは上面が棚状片53aの上面と面一とし、後方の固定部53の突片部53aを縦通し、ナットと螺合する段付きボルト72の大径首部72a下端部に、ナット253bの上端部253b´を当接させ、樹脂製の固定部53を潰さないようにした。
【0053】
ところで、最上部の固定部31,51と最下位の固定部33,53との間の中間部の固定部32,52であるが、該固定部32,52は、前後方向にボルト結合する固定部である。
従って、上記で述べた図15と同様の手法で結合され、接合一体化される。
【0054】
図16は、接後一体化したアンダーカバー20の後部にリッドを取り付ける説明図である。
前記した凹欠部21n,41nは、左右の舷側下カバー21,41の接合一体化によって、左右方向に長い略々矩形の開口80が形成される。
開口80を図のように開放した状態で、エンジンルーム12の下部のアンダーカバー20の後部内に該開口80から工具を差し込み、プラグキャップや点火プラグの修理や清掃、或いは交換等のメンテナンスを行うように設定した。
【0055】
図において81はリッドで、ゴムや樹脂で形成し、外面の上部81bと下半部81aとの間にヒンジ85が横断するように設けられており、上部81bで蓋部86を形成し、これの裏面には上記開口80と係合する矩形枠状のシール83を備える。
またリッド81の裏面の周辺部には、一体化されて縦長略々矩形の座面35,55に設けた取付孔35a…,55a…と係合する係止突起82…が突設されている。この係止突起82…を回避するようにループ状にシールリップ84を裏面に突設して備える。
【0056】
リッド81は、係止突起82…を座面35,55に設けた取付孔35a…,55a…に係合し、蓋部86のシール83を開口80に係合してこれを閉塞シールする。また、シールリップ84は、開口80を囲み、座面35,55の周辺部に当接してシールする。
シールリップ84による座面35,55のシールで、固定部の締着部を含むこの部分のシールを行う。
【0057】
左右の舷側下カバー21,41の前部の固定構造を説明すると、図3は全体の分解斜視図、図4は前部の一部の斜視図、図17は結合し、カバー21,41の前部とケーブル支持ブラケット61を接合一体化した状態を示す要部の正面図である。
これらの図面を参照して詳細に説明する。
右舷下カバー41の前部の棚状の略L形の欠除部41gに、前記したように上にはセパレートカバー65を重ねて結合する。セパレートカバー65には、前端部に固定部68を、後端部に固定部67を備える。
また左舷下カバー21の前部21cの前端部には起立片22aの前端部と一体に固定部36を設ける。
【0058】
前記したケーブル支持ブラケット61には、左右両側の上下端部に固定部62,6,63,63を設ける。
一方、左舷舷側カバー21のこれとの突き合わせ部の上下には固定部36,37を設け、右舷下カバー41の突き合わせ部の下部には固定部57を設ける。
【0059】
ケーブル支持ブラケット61の図17における右側の上下の固定部62,63を、左舷下カバー21の前部の上下の固定部36,37に横向きのボルト74,74を介して締着する。
また、ケーブル支持ブラケット61の左側の上下の固定部62,63を、上部のもの62は、セパレートカバー65の固定部68に横向きのボルト74を介して締着する。
下部の固定部63は右舷下カバー41の前部41cの下部に設けた固定部57に横向きのボルト74で締着する。
【0060】
ところで、セパレートカバー65の後部の固定部67は、縦向きのボルト73で右舷下カバー41の前部41cの欠除部41gの前部に設けた図示しない固定部に締着する。
以上により、ケーブル支持ブラケット61、セパレートカバー65を左右の舷側下カバー21,41の前部に接合一体化し、アンダーカバー20の前部の上部を構成する。
【0061】
ところで、ケーブル支持ブラケット61には、右舷下カバー41方向に延出するアーム部61aを一体に設け、アーム部61aには下方に湾曲したケーブル受け部61bを備える。
ケーブル支持ブラケット61の取り付け状態で、セパレートカバー65の端面65aと端面41hとの凹部65b,41iで形成されるスロットルケーブル、シフトケーブル、燃料配管、バッテリケーブル等の結束体を通す通孔66の前方を支持する樋部を形成する。
【0062】
図18は、左右の舷側下カバー21,41とエクステンションケース13との結合状態を示す要部の横断平面図である。
カバー21、41の前後の端部に一方には、向かい合って空所を形成する固定部34,54を設け、この固定部34,54の空所間に、エクステンションケース13の前後の端部の一方に設けた取付ボス部13aを設け、この部分の左右側面にネジ孔13b,13bを設け、一方、固定部34,54の外側から横向きにボルト75,75を螺合して挿通する。
これにより、左右の舷側下カバー21,41の前後部の一方とエクステンションケース13の前後部に一方とを結合し、双方を接合一体化する。
【0063】
図19は、図11の19−19線の拡大した断面図である。
図では右舷下カバー41側を示し、これの上端部のフランジ42の下面に前記した上部横フレーム43が内側面41kに固着されており、上部横フレームの43の一部に棚片状の支持ステイ43aを一体に内側方向に突設されている。
91はアルミ合金等で形成したブラケットで、ブラケット91の外側端部にはステイ92を延設し、これと前記支持ステイ43aとを縦向きのボルト75で締着して結合する。
【0064】
ブラケット91の内側端部にはL形に起立するステイ94を備え、該ステイ94をエンジン2の側にボルト76で締着して結合する。図示では、エンジン側としてエキゾーストマニホールド2mの側壁にブラケット91のステイ94を締着して結合支持させたものである。
11は、アンダーカバー20の上に着脱自在に被せ、エンジンルーム12の上部を構成する上カバーであるエンジンカバーである。
【0065】
エンジンカバー11の周辺下端部11aには、シールリップ11bを装着し、内側には、位置決め及びロック用のストライカ11cを部分的に垂下、設置しておく。前記したブラケット91には、位置決め孔93を設けておき、これの下方にキャッチャー11dを配設しておく。
ストライカ11cを位置決め孔93を通して下降させ、キャッチャー11dに係合させ、上カバー11をアンダーカバー20側にロックする。
【0066】
尚、図11では、左舷下カバー21の後部の内側にブラケット95を取り付けておき、これに内方に突出するボルト77,77を設置し、エンジン2の後部の左側に該ブラケット95に取付、支持する。
これにより、左右のカバー21,41は、前側をケーブル支持ブラケット61で、後ろ側をブラケット91,95でエンジン側に固定されており、カバー全体の剛性が確保されている。
【0067】
図20及び図21は、左右の舷側下カバー後部の最上部の固定部の他の実施の形態を示す図で、図20は平面図、図21は図20の矢視21方向の図である。
左舷下カバー21及び右舷下カバー41の後部21b,41bであって、これの上端部の起立片22a,42aを設けたシール用のフランジ22,42の前方寄り部分には、平面視が対称的にL形であり、背面視(正面視)が接合端縁部131d,151dが鉛直で、略三角形の板状の接合フランジ131,151を、シール面であるフランジ22,42の面よりも上方に起立するように設ける。
【0068】
接合フランジ131,151は、接合縁部131d,151dに対向して突き当てる接合片131b,151bを備える。この接合片131b,151bに横向きのボルト78を取付孔151c、ナット131cを介して螺合挿通し、接合フランジ131,151相互を締着して接合一体化する。
このように、最上部の固定部を左右方向のボルトを介して締着して接合一体化しても良い。
【0069】
ところで、上記した構造では、固定部131,151は、シール面であるフランジ22,42の上面から上方に突出する。
しかしながら、起立片22a,42aは、接合フランジ131,151よりも外側にあり、上カバー11をアンダーカバー20に被せた状態では該接合フランジ131,151は隠蔽される。
従って、左右方向にボルトを通す締着構造を採用しつつ、固定部は露出することがなく、外観性の点で優れる。
【0070】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、エンジンと、エンジンで駆動されるプロペラと、エンジンからプロペラに駆動力を伝達するための駆動軸と、エンジンを支持し、駆動軸を回転可能に収容し、支持するケース手段と、エンジンを収容するエンジンルームの少なくとも一部を構成するカバーとからなる船外機本体を船体にチルト動可能、操舵可能に取り付けた船外機において、カバーは上カバーと、左舷下カバーと右舷下カバーとからなり、左舷下カバーと右舷下カバーとは樹脂製の外板部材と、各外板部材の内側に一体的に固着されたフレームとからなり、各フレームには、左舷下カバーと右舷下カバーの各外板部材を接合する固定部を備えるようにした。
【0071】
請求項1では、樹脂製の左舷下カバー、右舷下カバーの外板部材を補強するフレームに、各カバーを接合する固定部を備えるので、カバーの外板部材の剛性を確保できることは勿論、固定部を剛性の高いフレームに設け、固定部の結合を介して分割した左舷、右舷の各下カバー相互を接合するので、剛性の高い接合が行える。
また、フレームの固定部を接合部とするので、固定部(結合部)を樹脂製カバーの殻状外板部材に設ける必要がなく、接合、固定部をカバーに設けつつ、カバーの外板部材の構造が簡素で、成形が容易となり、またフレームで外板部材の剛性を保持させるので、リブを一体に設けた従来のように、成形時の引けの影響等がなく、外観性に優れた船外機の外観カバーを得ることができる。
さらに、フレームに固定部を設け、この部分で分割カバーを接合、一体化するので、固定部(結合部)の形成も容易であり、固定部の構造や形状が任意に、容易に選択でき、船外機の外観カバーの外部露出する外観との関係で、各接合部を外観上最適の構成、配置することができる
【0072】
請求項2では、請求項1において、前記フレームは樹脂製とした。
【0073】
請求項2では、請求項1の効果に加えるに、左右の舷側下カバーの外板部材が樹脂製であって、フレームが樹脂製なので、カバー外板部材の内側に、外板部材の製作後にフレームを溶着等で容易、確実に固着、設置することができる。
従って、外観カバーの補強を簡素な構成で、容易な製作手法により行うことができ、また樹脂製のフレームを外板部材の内側に溶着等で固着するので、従来のような補強リブ成形時の引け等の影響も一切なく、外観性に優れた船外機のカバーーを製作容易に成形することができる。
またフレームが樹脂製であり、カバーの外板部材を含んで樹脂製なので、軽量化を図ることができ、フレームよる補強と併せて剛性の向上と軽量化という相反する要請を合理的にマッチングして解決することができる。
【0074】
請求項3は、請求項1または請求項2において、フレームの固定部は、フレームを前後方向に貫通して締着するボルトを含むようにした。
【0075】
請求項3では、請求項1及び請求項2の効果に加えるに、左右の分割カバーを接合のために合わせてボルトで結合する際、フレームの固定部を前後方向に締着するボルトで貫通して接合するようにしたので、分割カバーの半体相互の合わせ部分に凹溝や突出部が形成を避けることができる。
従って、分割カバーの外板部材の接合部にボルト締着部、結合用固定部の明らかな露出を回避することができ、分割カバー接合部の外観を損なうことがない。
【0076】
請求項4は、請求項1または請求項2において、フレームの固定部は、フレームを上下方向に貫通して締着するボルトを含むようにした。
【0077】
請求項4では、請求項1または請求項2の効果に加えるに、左右の分割カバーを接合のために合わせてボルトで結合する際、フレームの固定部を上下方向に締着するボルトで貫通して接合するようにしたので、分割カバーの半体相互の合わせ部分に凹溝や突出部が形成を避けることができる。
従って、分割カバーの外板部材の接合部にボルト締着部、結合用固定部の明らかな露出を回避することができ、分割カバー接合部の外観を損なうことがない。
【0078】
請求項5は、請求項1または請求項2において、前記フレームの固定部は、前記フレームを左右方向に貫通して締着するボルトを含むことを特徴とする。
【0079】
請求項5では、請求項1または請求項2の効果に加えるに、左右の分割カバーを接合のために合わせてボルトで結合する際、上下のカバーの接合面に固定部を介在させてボルト締着することができるので、接合部位である固定部が凹溝や突出部として露出することがない。
従って、分割カバーの外板部材の接合部にボルト締着部、結合用固定部の明らかな露出を回避することができ、分割カバー接合部の外観を損なうことがない。
【0080】
請求項6は、請求項1または請求項5において、上カバーと下カバーとの合わせ面を基準に、平面視でエンジンルーム内側、かつ側面視で合わせ面よりも上方のフレーム部位に前記固定部を含むようにした。
【0081】
請求項6では、請求項1または請求項5の効果に加えるに、上カバーと下カバーとの合わせ面に、この合わせ面よりも上方のフレーム部位に接合部を設けたので、左右方向からのボルトを貫通させて容易に、確実に締着することができる。このため、合わせ面よりも上方の部位で接合しつつ、接合部位は上下のカバーの合わせ面間に隠蔽され、カバー外板部材にボルト締着のための凹溝等が表れず、外観性の点で優れるとともに、結合作業も、合わせ面の上方に結合部が突出しているので行いやすく、左右分割カバーの組立性の点でも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカバー接合構造を実施した船外機の説明的な要部破断側面図
【図2】船外機をアンダーカバーの上カバーを外してアンダーカバーとエンジンの一部を断面とした平面図船外機をアンダーカバーの部分で断面とした平面図
【図3】左舷下部カバー、右舷下部カバー、マウントケースの分解斜視図
【図4】図3の要部の拡大斜視図
【図5】左舷下カバーの内側の側面図
【図6】同平面図
【図7】一部を破断して示した後面図
【図8】右舷下カバーの内側の側面図
【図9】同平面図
【図10】一部を破断して示した後面図
【図11】左舷下カバー及び右舷下カバーを固定部で接合し、形成したアンダーカバーの平面図
【図12】図12〜図14は、左舷下カバー、右舷下カバーの後部の接合端縁部の最上部の固定部による締着構造を示す図で、図12は組み付け前の分解斜視図
【図13】組み付け状態の斜視図
【図14】図14(a)は図13の14−14線断面図で、同(b)及び同(C)は他の実施例を示す拡大断面図
【図15】図15(a)〜(c)は、左舷下カバー、右舷下カバーの後部の接合端縁部の最下部の固定部による締着構造を示す要部の3つの実施例の横断平面図
【図16】接後一体化したアンダーカバーの後部にリッドを取り付ける説明図
【図17】左右の舷側下カバーの前部の固定構造を説明する図で、カバーの前部とケーブル支持ブラケットを接合一体化した状態を示す要部の正面図
【図18】左右の舷側下カバーとエクステンションケースとの結合状態を示す要部の横断平面図
【図19】図11の19−19線の拡大した断面図
【図20】図20及び図21は、左右の舷側下カバー後部の最上部の固定部の他の実施の形態を示す図で、図20は平面図
【図21】図20の矢視21方向の図
【符号の説明】
1…船外機、 2…エンジン、 11…上カバー、 7…駆動軸、 3,4,5,13,14…ケース手段、 10…カバー手段、 11…エンジンカバーである上カバー、 12…エンジンルーム、 21,41…左舷及び右舷の下カバー、 23,24,42,43,44…フレーム、 31,32,33,51,52,53,131,151…固定部、 22,42…合わせ面であるシール面を構成するフランジ。
Claims (6)
- エンジンと、該エンジンで駆動されるプロペラと、前記エンジンから前記プロペラに駆動力を伝達するための駆動軸と、前記エンジンを支持し、前記駆動軸を回転可能に収容し、支持するケース手段と、前記エンジンを収容するエンジンルームの少なくとも一部を構成するカバーとからなる船外機本体を船体にチルト動可能、操舵可能に取り付けた船外機において、
前記カバーは上カバーと、左舷下カバーと右舷下カバーとからなり、
前記左舷下カバーと右舷下カバーとは樹脂製の外板部材と、各外板部材の内側に一体的に固着されたフレームとからなり、
前記各フレームには、左舷下カバーと右舷下カバーの各外板部材を接合する固定部を備える、
ことを特徴とする船外機のカバー接合構造。 - 前記フレームは樹脂製であることを特徴とする請求項1記載の船外機のカバー接合構造。
- 前記フレームの固定部は、前記フレームを前後方向に貫通して締着するボルトを含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の船外機のカバー接合構造。
- 前記フレームの固定部は、前記フレームを上下方向に貫通して締着するボルトを含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の船外機のカバー接合構造。
- 前記フレームの固定部は、前記フレームを左右方向に貫通して締着するボルトを含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の船外機のカバー接合構造。
- 前記上カバーと下カバーとの合わせ面を基準に、平面視でエンジンルーム内側、かつ側面視で合わせ面よりも上方のフレーム部位に前記固定部を含むことを特徴とする請求項1または請求項5記載の船外機のカバー接合構造。
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