JP2004050707A - 熱転写用プレス機 - Google Patents

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Masaru Kaneizumi
金泉 勝
Hideaki Koga
古賀 英明
Takashi Inoue
井上 隆
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Abstract

【課題】作業者が転写準備段階作業時に危険の少ない、転写される画像の位置合わせが容易な熱転写用プレス機の提供。
【解決手段】一対の下部固定面部と上部可動面部とを構成部位として備え、写真や文字等の画像が形成された転写紙等の担体を被転写体である平坦繊維材に重ねて、前記下部固定面部と上部可動面部の間に配置し、圧およびまたは熱によって、担体上の画像を繊維材に転写する熱転写用プレス機であって、上部可動面部が加熱機能を備えかつ一部で支持されて水平移動および上下移動する機能を備えたことを特徴とする熱転写用プレス機。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、転写紙等の担体に印刷された写真や絵や文字等の画像を圧や熱を利用して衣服や布帛等の繊維材、フイルム、不織布等の平坦材へ転写するコンパクトで安全な熱転写用プレス機に関し、特に衣服や布帛等の繊維材へ転写する際の画像の位置決めを容易になし得る熱転写用プレス機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、キャラクターの絵や文字または写真等をTシャツなどの衣服に印捺して、キャラクター入り等のTシャツを製造する場合、昇華性染料含有インクを使用しての熱転写によって製造する方法がある。これは、支持台の上にTシャツなどの衣服を広げ、前記衣服の上にキャラクターの絵や文字の印刷された転写紙(担体)を衣服の所定位置に合わせて配置し、転写紙(担体)をアイロン等で加熱して衣服に前記絵や文字を昇華・転写するものである。
工場等で多量に熱転写を行う場合には、固定された支持台上に衣服、転写紙の順に配置した後、支持台の上方に昇降可能に設けられた大型のアイロンを手動で引き下げて転写紙背面にに押し当てる、或いはスイッチで自動的に昇降するように形成されている場合は前記スイッチの切り替えによって押し当てる等の方法で転写紙覆面に形成された画像を転写している。
さらに、固定部と可動部とを構成部位として備え、可動部が一部で支持されて開閉する開閉方式転写装置で、前記固定部上に衣服、転写紙の順に配置し可動部を閉めることで、圧およびまたは熱によって、転写紙上の画像を衣服等の繊維材に転写する装置も広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、広く使用されている、転写に効率よく使用できる、固定部と可動部とを構成部位として備えたコンパクトで安全な熱転写用プレス機で、例えば、前記固定部上に衣服、転写紙等担体の順に配置し可動部を固定部に圧接せしめることで、熱と圧によって、転写紙上の画像を衣服等の繊維材等の平坦材に転写する装置においては、可動部が一部で支持されて開閉することで固定部との間で熱圧を衣服等平坦材、担体に付与する機構上、可動部に備えたヒーターが作業者に接触する可能性が高く、火傷等を負う場合があり非常に問題があった。
さらに、衣服等の繊維材の所定位置に担体上の画像を位置合わせして積載し、以後熱圧を加える際の、転写における位置合わせを安全に簡単で精確に行える装置が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、固定部と可動部とを構成部位として備え、可動部が一部で支持されてなるコンパクトで安全な熱転写用プレス機であって、写真や文字等の画像が形成された担体を被転写体である平坦材に重ねて、前記固定部と可動部の間に配置し、熱と圧によって、転写紙等担体上の昇華性染料含有インクで形成された画像を平坦材に転写する装置における画像を位置合わせすることの簡単さ、正確さが用意に得られ、かつ位置合わせ等の際に作業者に火傷等の危険をなくすことができる熱転写用プレス機を提供するものである。
すなわち本発明は、一対の下部固定面部と上部可動面部とを構成部位として備え、写真や文字等の画像が形成された転写紙等の担体を被転写体である平坦材に重ねて、前記下部固定面部と上部可動面部の間に配置し、下部固定面部と上部可動面部とが密接され熱と圧によって、担体上の画像を平坦材に転写する熱転写用プレス機であって、上部可動面部が加熱機能を備えかつ一部で支持されて水平移動および上下移動する機能を備えたことを特徴とする熱転写用プレス機であり、また光源と投影板とを付設装備し光源からの光が投影板を通過もしくは反射し、投影板に描かれた線や点が下部固定面部面上に一定位置決め用線や点を形成し得る機能を備えた前記の熱転写用プレス機である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、具体的な実施の形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施の形態によって限定されるものではない。
本発明の、熱転写用プレス機における下部固定面部とは、当該部上で転写紙等の担体を被転写体である平坦繊維材の所定位置に重ねる作業を行う台でもあり、平坦面を有したものであり、鉄やアルミニウム等の平板にスペーサーや白布等を積載したものであり、加熱機能は備えてもよいが、作業者が作業を行う際の作業性などから、その最表面での表面温度が60℃程度を越えない程度の温度となるものである必要がある。またこの加熱機能はまったく備えないものであってもよいものであり、機能として水平移動と上下移動等の移動機能を有さないものであって、熱転写用プレス機において固定設置されたものである。
【0006】
本発明の、熱転写用プレス機における上部可動面部とは、当該上部可動面部が下部固定面部上で、転写紙等の担体と被転写体である布帛や繊維製品等の平坦材とが所定位置で重ねられ、これらの下部固定面部、平坦材、転写紙の積層に加熱と加圧を与え転写紙上の画像を繊維材等の平坦材に転写するものであり、平坦面を有したものであって、鉄やアルミニウム等の平板に必要に応じてスペーサーや白布等を積載したものであり、加熱機能を備え、その最表面での表面温度が150℃から220℃程度の温度となるものである。
またこの加熱機能に加えて、機能として水平移動と上下移動の移動機能を有するものであり、水平移動は、同一平面上で例えば回転移動または水平摺動によって当該上部可動面部が下部固定面部の面上から全部もしくは一部除外される移動であり、この水平移動における面の上部可動面部が下部固定面部に対する高さはせいぜい10cm程度以下であり、この値を超えるものを必要としないものである。
【0007】
上下移動は、例えば水平移動が同一平面上で回転実施され当該上部可動面部が下部固定面部の面上から全部もしくは一部除外された位置から、転写の準備が済んだときに再度、上部可動面部と下部固定面部とがその面同士が相対する位置まで戻され、その位置において上部可動面部が下部固定面部に密接するように降下させられることと、転写が済んだ際密接した上部可動面部が下部固定面部から離脱するように上昇させられることであるが、この動作に限定されるものでなく水平移動によって上部可動面部と下部固定面部とがその面同士が相対する位置まで戻されたときに、上下に両部が離れ密接状態から外れている状態を密接し得る動作およびその反対の動作を行うものであれば限定されるものではない。
上記したように熱転写用プレス機は、下部固定面部上で、転写紙等の担体と被転写体である繊維材、フイルム等の平坦材とが所定位置で重ねられ、これらの下部固定面部、平坦材、転写紙の積層に上部可動面部が加熱と加圧を与え転写紙上の画像を平坦材に転写するものであり、上部可動面部と下部固定面部とは転写時には面が密接相対するものであり、転写の準備段階に相当する下部固定面部上で、被転写体である平坦材と転写紙等の担体とを所定位置で重ねる作業時には、上部可動面部は下部固定面部から除外離脱する必要がある。
【0008】
このため従来の公知の熱転写用プレス機においては、下部固定面部の一辺(作業者の作業側から最も離れた一辺)側に設けられた支点によって支えられて開閉する上部可動面部が開いた状態にすることで下部固定面部から離れた位置をとるようにされている。この開閉状態における開いた状態は、水平に位置する下部固定面部に対し上部可動面部がせいぜい50度程度の角度を有してのものであった。そのため、転写の準備段階に相当する下部固定面部上で、被転写体である平坦繊維材と転写紙等の担体とを所定位置で重ねる作業時に、作業者がこの開いた上部可動面部に接触する可能性が極めて高くなるものであった。
【0009】
本発明における熱転写用プレス機の上部可動面部の有する水平移動機能は、上記の公知の熱転写用プレス機の抱える課題を解決するものであり、少なくとも転写の準備段階に相当する下部固定面部上で、被転写体である平坦材と転写紙等の担体とを所定位置で重ねる作業時には、上部可動面部が下部固定面部の面の垂直方向(上方向)からその大部分もしくは全てが除外された状態になるように例えば回転等で移動することであり、例えば、下部固定面部の一辺(作業者の作業側から最も離れた一辺)側に設けられた支点によって支えられて、水平位置で回転することや、下部固定面部の一辺(作業者の作業側から最も離れた一辺)側に設けられた支持体に支えられて水平移動することである。
かかる水平移動することで、上部可動面部の150℃から220℃程度の温度になっている加熱された面が下方を向いたままで、常に作業者の作業範囲から離れ、作業者がこの加熱された面と接触する機会が激減し安全面での効果が大きいものとなる。
【0010】
本発明の熱転写用プレス機における上部可動面部は、上記の水平移動機能に加え、上下移動機能をもそなえたものであり、この上下移動機能により、転写紙等の担体と被転写体である平坦繊維材とが所定位置で重ねられ、これらの下部固定面部、平坦繊維材、転写紙の積層に上部可動面部が加熱と加圧を与え転写紙上の画像を繊維材等の平坦材に転写し得るものであり、この上下移動機能は例えば、水平移動によって上部可動面部が下部固定面部上の相対する位置になったときに、上部可動面部が下方に垂直移動して下部固定面部に圧接されるようにすることや、水平移動によって上部可動面部が下部固定面部上の相対する位置になったときに、下部固定面部の一辺(作業者の作業側から最も離れた一辺)側に設けられた支点によって支えられて開閉する上部可動面部が閉まった状態にすることで下部固定面部に圧接されることが挙げられるが、後者の場合はその開閉状態における開いた状態は、水平に位置する下部固定面部に対し上部可動面部がせいぜい20度程度の角度を有して開くことで充分であり、作業者の転写準備作業時にも20度程度の開角度であっても、同時に水平移動が施されているため何ら支障が無いものである。
本発明の熱転写用プレス機は、一対の下部固定面部と上部可動面部とで構成され、上部可動面部が限られた範囲内での水平移動と上下移動をするものであり、設置面積および転写前後における上部可動面部の移動範囲も小さくコンパクトでかつ安全なものである。
【0011】
本発明における熱転写用プレス機においては、前記したように、転写紙等の担体と被転写体である平坦材とが所定位置で重ねられ、これらの下部固定面部、平坦材、転写紙の積層に上部可動面部が加熱と加圧を与え転写紙上の画像を平坦材に転写し得る機能を有している。
この平坦材上の所定位置に精確に画像が転写される必要がある場合には、物差し等を平坦材上に置きその物差しに従って転写紙を位置合わせして重ねることで作業を行うことが従来採用されてきたが、物差しそのものが位置合わせに支障をきたす等不都合な場合が多かった。
そのため本発明においては、前記した本発明の熱転写用プレス機に加えて、当該熱転写用プレス機に付設して、少なくとも光源と投影板とを装備し光源からの光が投影板を通過もしくは反射し、下部固定面部面上に一定位置決め用陰影を形成し得る機能を備えることで、かかる課題を解決した熱転写用プレス機を提供し得るものである。
【0012】
本発明における光源は、必要なら屈曲可能な支持体に光源を配することで、作業に支障の無い位置に自由に光源を配置可能としたものでもよく、固定位置に光源を配したものでもよいものである。
本発明における投影板は、例えば透明フイルムや透明シートに光不透過性の黒色で適当な間隔で縦横に直線を引いたものや、透明フイルムや透明シートに光不透過性の黒色で、被転写材である平坦材の形状に相応する線と予め画像転写位置が決められた位置に曲線およびまたは直線を描いたものが挙げられる、これらの投影板は、例えば、光源と下部固定面部の間に配設し、その投影板に描かれた直線や曲線が陰影として下部固定面部の面上に形成され位置合わせに供され、しかも厚さ等物理的形状を持たないため、準備段階作業における支障が全く生じない効果を本発明の熱転写用プレス機に付加するものである。
【0013】
本発明の熱転写用プレス機においては、下部固定面部に必要に応じて、スペーサー積層・設置し、下部固定面部と上部可動面部との相対する面における圧接時の圧力並びに温度の均一化を一層向上させることができる、このスペーサーは、例えば、最大厚さが10mm以下好ましくは5mm以下の板状体であり、厚さが一辺部において最小で当該一辺に対向する一辺で最大であるように変化している板状体であり、熱転写用プレス機における上下両面の相対面の不均一を補うものであれば特に限定されるものではない。
具体的に説明すれば、本発明の熱転写用プレス機のプレス面である下部固定面部または上部可動面部の小さい方の面積、形状にほぼ等しいものである薄い板状のものであり、例えばその厚さが一方(開閉される支持部のある辺と対向する辺が相対する方向における)から他方に向けて徐々に変化しているものである。例えば▲1▼40cmかける30cmの長方形であり、長辺の一辺の厚さが0.5mmで長辺の一方から他方に向かい徐々に厚さが変化して、他長辺の一辺における厚さが3mmであり、短辺方向での厚さの変化がない板材、▲2▼上記例と短辺方向に左右同形で中央部が最大厚さを有するような円弧状である以外同じ数値である板材が挙げられる。本発明のスペーサーを構成する材料は、転写時の温度が最高で220℃、時間が100秒程度であることからして、少なくとも220℃に耐え得る材質のものが好ましく、かかる性質をもったものであれば特に限定はされないが、耐熱性フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、銅板、アルミニウム板、鉛板、天然ゴム板、耐熱性合成ゴム板材、木板等が適宜選択使用できる。
【0014】
【実施例】
*実施例1
アルミニウム製下部固定面部を長辺約50cm短辺約40cmとし、アルミニウム製上部可動面部の形状も固定部に同じくし、長辺部の一辺に移動機能支持部を設置し、上部可動面部が最大20度に開けるようにした開閉機能を設け、さらにこの移動機能支持部に最大120度の範囲で上部可動面部が回転水平移動ができる機構を設け(概念的に二枚貝の形状で上の一枚が開いた状態で水平回転し得るように)、上部可動面部にはその内部に、加熱機能であるヒーターと測温機能とヒーター制御機能を埋め込んで、最高230℃にその最表面温度が上昇維持し得るようにし、熱転写用プレス機を作製した。
この下部固定面部に木綿布帛をカバーとして配設し、上部可動面部面には耐熱性カーボン入り耐熱性フッ素樹脂フイルムをカバーとして配設し、かつ光源、レンズ、投影板を熱転写用プレス機の移動機能支持部に併設して設けた別の支持体に装備した。
一方、CMYおよび黒の4色の昇華性染料インクを使用し、インクジェットプリンターで、原画像である風景写真をコンピューターに取り込み色調整して、A−4の大きさで転写紙に印刷した。この転写紙印刷面を、ポリエステル・木綿のダブルニットで表がポリエステルであるTシャツのポリエステル表地腹部側を上にして下部固定面部上に載置し、光源からの光によって、投影板上に描いた位置合わせ用線下を、部固定面部面上またはTシャツ上に転写紙画像位置合わせ用陰影を形成せしめ、この陰影を参考にして転写紙を位置決めして重ね、上記熱転写用プレス機の下部固定面部木綿布帛上にTシャツ、転写紙の順で載置した、この転写準備段階である載置時には、上部可動面部は水平回転(110度)されて下部固定面部上から外れた位置にある。
【0015】
上部可動面部の温度を195℃に設定し、当該温度が設定温度に上昇維持されているのを確認し、上部可動面部を水平回転と開閉の閉の作動を行わせ、上部可動面部と下部固定面部とを相対し圧接して、60秒間プレスし、印刷された転写紙上の画像をTシャツに昇華転写し、60秒後に開と水平回転で上部可動面部を元の位置に戻し、転写捺染Tシャツを得た。
得られた転写捺染Tシャツにおける画像は鮮明であり、かつ画像の転写位置が精確に合致されており、さらに作業者の作業性は極めてよく、上部可動面部に接触する危険が殆どないものであった。
【0016】
【発明の効果】
本発明の熱転写用プレス機は、例えばインクジェットで昇華性染料インクで写真や絵や文字等の画像を印刷した転写紙を布帛等に、圧や熱を利用して転写する場合に、これらの転写紙を布帛等の平坦繊維材に画像位置を合わして重ね、下部固定面部上に載置する作業における作業上の危険が無く、かつ平坦繊維材に画像位置を精確に合わして転写することが簡明に実施できるものであり、熱転写捺染生産上に極めて有用である。

Claims (2)

  1. 一対の下部固定面部と上部可動面部とを構成部位として備え、写真や文字等の画像が形成された転写紙等の担体を被転写体である平坦材に重ねて、前記下部固定面部と上部可動面部の間に配置し、下部固定面部と上部可動面部とが密接され熱と圧によって、担体上の画像を平坦材に転写する熱転写用プレス機であって、上部可動面部が加熱機能を備えかつ一部で支持されて水平移動および上下移動する機能を備えたことを特徴とする熱転写用プレス機。
  2. 光源と投影板とを付設装備し光源からの光が投影板を通過もしくは反射し、投影板に描かれた線や点が下部固定面部面上に一定位置決め用の線や点を形成し得る機能を備えた請求項1記載の熱転写用プレス機。
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