JP2004050593A - 磁性体反転表示パネル用の磁気イレーザー - Google Patents
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Abstract
【課題】磁性体反転表示パネルの液体収容室内に収容した液体の降伏値及び粘度が高い状態でも低い状態でも、筆記面を濁らすことなく筆記線を消去することのできる磁性体反転表示パネル用の磁気イレーザーを提供する。
【解決手段】磁性体反転表示パネル用の、N極又はS極の何れか一方の磁極が磁性体反転表示パネルの筆記面に対向するように消去用磁石を容器部材に配設した磁気イレーザーにおいて、前記消去用磁石が、磁性体反転表示パネルの筆記面に対して磁気イレーザーを押圧した際に、筆記面に対して近接可能とする。
【選択図】 図5
【解決手段】磁性体反転表示パネル用の、N極又はS極の何れか一方の磁極が磁性体反転表示パネルの筆記面に対向するように消去用磁石を容器部材に配設した磁気イレーザーにおいて、前記消去用磁石が、磁性体反転表示パネルの筆記面に対して磁気イレーザーを押圧した際に、筆記面に対して近接可能とする。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性体反転表示パネル用の磁気イレーザーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばS極側表面部分を緑にN極側表面部分を白に着色した磁性体を分散媒と増稠剤とを主成分とする降伏値を有する液体中に分散してなした分散液体を、複数の液体収容室(例えば、裏面板の上に配した隔壁により仕切られたハニカムセル)に収容し、該液体収容室の表側に透明な表面板を配して筆記面とし、筆記面が白色の状態(N極側表面部分が筆記面に向いた状態)で、磁気ペンのN極を近づけることにより、磁力で磁性体を反転させて白色の背景部に緑色(S極側表面部分が筆記面に向いた状態)の筆記線を書込む構造の、いわゆる磁性体反転表示パネルは知られている。また、書込んだ筆記線を消去するには、磁性体を反転させて筆記面を白色にする消去用磁石を有する構造の磁気イレーザーを用いることも知られている。該磁気イレーザーについて、図を用いて簡単に説明する。図9は従来構造の磁気イレーザーを示す断面図で、磁気イレーザー201は、消去用磁石204を保持する枠体202と、持ち易くするための把持部材208とからなる容器部材209に消去用磁石204を配設した構造である。詳述すると、消去用磁石204は、一端部204a側がS極の磁極204s、他端部204b側がN極の磁極204nとなる平板状で、四角形の枠体202の側面に貼り付け、消去用磁石204の他端部204b側を被覆するように把持部材208を被せてある。消去用磁石204の一端部204a側に、消去用磁石204及び筆記面を保護するために布207を被覆してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記磁性体反転表示パネルの液体収容室内に収容した液体の性質はチクソトロピー性を有し、磁性体反転表示パネルの製造直後を基準とすると、放置により経時的には降伏値及び粘度が上昇する傾向(液が硬くなる傾向)にある。また、S極とN極が複数交互に配置した磁石を筆記面に当接して磁性体を移動させ磁性体と共に液体が流動したような時には、降伏値及び粘度が下降する傾向(液が柔らかくなる傾向)にある。その時の液体の状態次第で磁性体を反転させるために必要となる磁石の吸引力は変化し、降伏値及び粘度が低い状態の磁性体反転表示パネルに磁力の強い磁気イレーザーを用いた場合には、筆記面に近づけた消去用磁石から離れた磁性体にまで磁力が悪影響を及ぼして必要としない磁性体を反転してしまうことから、筆記面に当接した消去用磁石の周りが白と緑の入り混じった濁った状態になるという問題がある。この問題を防ぐために、従来の磁気イレーザーの消去用磁石は、降伏値及び粘度が低い状態の液体に適応させるように設定してある。しかしながら、従来の磁気イレーザーは、経時的に液体の降伏値及び粘度が上昇した場合には、磁性体を反転するのに充分な磁力を与えることができなくなり、不完全な消去状態になるという問題があった。
【0004】
本発明はこうした事実に鑑み、磁性体反転表示パネルの液体収容室内に収容した液体の降伏値及び粘度が高い状態でも低い状態でも、筆記面を濁らすことなく筆記線を消去することのできる磁性体反転表示パネル用の磁気イレーザーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決するために案出した本発明を説明する。
「1.S極側表面部分とN極側表面部分とを異なる色に着色した磁性体を分散媒と増稠剤とを主成分とする降伏値を有する液体中に分散してなした分散液体を、複数の液体収容室に収容し、該液体収容室の上側に筆記面となる透明な表面板を設けてなる磁性体反転表示パネル用の、N極又はS極の何れか一方の磁極が磁性体反転表示パネルの筆記面に対向するように消去用磁石を容器部材に配設した磁気イレーザーにおいて、前記消去用磁石が、磁性体反転表示パネルの筆記面に対して磁気イレーザーを押圧した際に、筆記面に対して近接可能としたことを特徴とする。
2.前記消去用磁石の磁性体反転表示パネル筆記面に当接する側に、圧縮可能な弾性部材を配設し、磁性体反転表示パネルの筆記面に対して磁気イレーザーを押圧した際に、前記弾性部材が圧縮して前記消去用磁石が消去面に対して近接可能とする。
3.前記消去用磁石の磁性体反転表示パネルの筆記面に当接する側に、筆記面に当接する当接部材を、容器部材に弾性手段を介して無負荷の状態で前記消去用磁石から離間するように配設し、磁性体反転表示パネルの筆記面に対して磁気イレーザーを押圧した際に、前記弾性手段が圧縮して前記消去用磁石が前記当接部材及び筆記面に対して近接可能とする。」
【0006】
本発明において、磁気イレーザーを磁性体反転表示パネルの筆記面に対して押圧した際に、消去用磁石を筆記面に対して近接可能とした構造にするのは、磁性体反転表示パネルの液体収容室内に収容した液体の降伏値及び粘度が低い状態の場合には、消去用磁石を筆記面から離間させることにより、消去用磁石が磁性体に与える吸引力を小さくし、降伏値及び粘度が高い状態の場合には、磁気イレーザーを筆記面に押圧して、消去用磁石を筆記面に接近させることにより、消去用磁石が磁性体に与える吸引力を大きくするためである。尚、消去用磁石の磁極の強さをm1、磁性体の磁極の強さをm2、その両極間の距離をr、両極間に作用する力(吸引力)をFとすると、これらの関係はクーロンの法則で、F∝(m1×m2)/r2と表される。
【0007】
請求項2における弾性部材とは、ゴムやスポンジ等のように素材的に弾性力を有するものや、コイルスプリングや板バネ等のように形状的に弾性力を有する周知のものである。請求項3における当接部材は、特に限定されないが、磁性体反転表示パネルの筆記面を傷つけることのない材質で形成することが大切である。弾性手段とは、ゴムやスポンジ等の素材的に弾性力を有するものや、コイルスプリング等を配設することが挙げられる。また、当接部材及び弾性手段に関するものは、消去用磁石の磁界に影響を及ぼさないようにするため、非磁性体で形成することが好ましい。尚、当接部材の当接面に意匠性や保護を目的として当接部を布で被覆しても良い。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明を理解し易くするために図を用いて説明を行なう。尚、本実施の形態における磁気イレーザーにおいては、磁性体反転表示パネルの筆記面に当接する側を下と表現し、その反対を上と表現する。同じ部材、同じ箇所を示す場合は同じ符号を付してある。また、磁性体反転表示パネルの磁性体の磁力は微弱であり、磁気イレーザーに用いる消去用磁石の磁力と比較すると、その値は前記計算式で無視できる程度のものであることから、本発明においては、消去用磁石と磁性体との間に作用する力は、消去用磁石の磁力による吸引力として表現してある。
【0009】
第一の実施の形態の磁気イレーザーを図1〜図3に示す。図1は本実施の形態の磁気イレーザーの姿図で、図2は図1のA−A線断面図で、図3は要部分解姿図である。磁気イレーザー1は、消去用磁石を保持する四角い貫通孔2aを有する矩形の枠体2と、該枠体2の外周面を覆う四角い貫通孔5aを有する矩形のケース体5と、持ちやすくするための把持部材8とからなる容器部材9に、消去磁石3,4を配設した構造で、枠体2の外方側面に、2枚の長い消去用磁石3と2枚の短い消去用磁石4とを両面テープ(図示せず)で貼付けてある。消去用磁石3,4は下端部3a,4aにS極の磁極3s,4sを配置し、上端部3b,4bにN極の磁極3n,4nを配置している。消去用磁石4は枠体2に形成した凹部2bに嵌めてある。その枠体2及び消去用磁石3,4を、ケース体5に納めてある。
【0010】
枠体2の貫通孔2aには、枠体2の下端及び消去用磁石3,4の下端3a,4a及びケース体5の下端を覆うフランジ部6aを有した直方体形状の弾性部材6を挿着してある。弾性部材6は多孔質のポリウレタンからなるスポンジで弾性を有している。本実施の形態では、フランジ部6aを含む底面を、磁性体反転表示パネルの筆記面(図示せず)に当接する当接部6bとしてある。また、当接部6b及びケース体5の外周には布7を被覆して保護してあり、上側より把持部材8を被せてある。
【0011】
次に、図を用いて本実施の形態の磁気イレーザーの作用の説明をする。尚、その説明の前に、磁性体反転表示パネルについて簡単に説明を行う。図10は従来公知の磁性体反転表示パネルの断面図である。磁性体反転表示パネル101は、裏面板102に複数のハニカムセル103を構成する隔壁104を固着して形成した液体収容室105の表示面側に、筆記面106aとなる透明な表面板106を隔壁104に固着して一体としてある。液体収容室105には、分散媒と増稠剤とからなる液体107中にS極とN極を有する磁性体108を分散した降伏値を有する分散液体109を収容してある。磁性体108はS極側表面部分を緑色に着色し、N極側表面部分を白色に着色してある。磁性体反転表示パネル101に筆記線を描き込むには、棒状の磁気ペン110を使用する。例えば、筆記面106aが白色(N極側表面部分)の表示状態で、磁気ペン110の軸筒111の前方部に配設した磁石112のN極112nを筆記面106aに当接して矢印T方向へ移動させると、吸引力W(図中の一点鎖線の矢印)により磁性体108の緑色(S極側表面部分)が線状に筆記面106a側へ配置される。この場合、背景が白色(N極側表面部分)の筆記面106aに、緑(S極側表面部分)の筆記線が書かれた表示状態となる。
【0012】
図4は磁性体反転表示パネルに本実施の形態の磁気イレーザーを使用した第一状態を示す要部断面図である。筆記面106aが白(磁性体のN極側表面部分が筆記面に向いた状態)の背景に、緑(磁性体のS極側表面部分が筆記面に向いた状態)の筆記線が表示された状態である。図4に示す磁性体反転表示パネル101は製造直後のものであり、液体107の降伏値及び粘度が低い状態にある。第一状態の磁気イレーザー1は、筆記面106a方向に圧力を掛けておらず、消去用磁石4の磁極4sは当接部6bからフランジ部6aの厚みの距離L1だけ離間している。この時の消去用磁石4の磁力が磁性体108に与える吸引力F1(図中一点鎖線の矢印)により、消去用磁石4の下に位置する磁性体(理解し易くするために108aとする)を反転して白色(S極側表面部分)を筆記面106aに向けさせている。第一状態の磁気イレーザー1は降伏値及び粘度が低い状態の液体107に適応するように設定してあるため、消去用磁石4の吸引力F1により他の磁性体が悪影響を受けることはない。この状態で、磁気イレーザー1を筆記面106a上で移動させることにより、消去用磁石4及び消去用磁石3の下の筆記線を順次消去することができる。
【0013】
図5は磁性体反転表示パネルに本実施の形態の磁気イレーザーを使用した第二状態を示す要部断面図である。図4と同様に、筆記面106aが白(磁性体のN極側表面部分が筆記面に向いた状態)の背景に、緑(磁性体のS極側表面部分が筆記面に向いた状態)の筆記線が表示された状態である。図5に示す磁性体反転表示パネル101は、放置により経時的に液体107の降伏値及び粘度が高い状態にある。図5に示す磁気イレーザー1は、筆記面106a方向に圧力を掛けて消去用磁石4がフランジ部6aを圧縮しており、消去用磁石4の磁極4sは当接部6bから距離L2に接近してある。この時の消去用磁石4の磁力が磁性体108に与える吸引力F2(図中一点鎖線の矢印)は、液体107の降伏値及び粘度が高い状態であっても充分に磁性体108に作用して、消去用磁石4の下に位置する磁性体(理解し易くするために108aとする)を反転して白色(S極側表面部分)を筆記面106aに向けさせている。尚、第二状態の磁気イレーザー1は降伏値及び粘度が高い状態の液体107に適応するように設定してあるため、消去用磁石4の吸引力F2により他の磁性体が悪影響を受けることはない。この状態で、磁気イレーザー1を筆記面106a上で移動させることにより、前述同様に消去用磁石4及び消去用磁石3の下の筆記線を順次消去することができる。
【0014】
図6は第二の実施の形態の磁気イレーザーの断面図である。磁気イレーザー10は、消去用磁石を保持する中央に四角い貫通孔20aを有し且つその隣に2つの丸い貫通孔20cを有する矩形の枠体20と、該枠体20の外周面を覆う四角い貫通孔(図示せず)を有する矩形のケース体50と、持ち易くするための把持部材80とからなる容器部材90に、消去用磁石40を配設した構造で、枠体20の外周面に消去用磁石40を両面テープ(図示せず)で貼付けてある。消去用磁石40は下端部40aにS極の磁極40sを配置し、上端部40bにN極の磁極40nを配置している。その枠体20及び消去用磁石40をケース体50に納めてある。尚、本実施の形態では、ケース体50の下方に下面を当接部60bとした樹脂からなる板状の当接部材60を配設し、当接部60b及びケース体50の外周には布70を被覆して保護してあり、上側より把持部材80を被せてある。また、枠体20の貫通孔20cには弾性手段となるコイルスプリング100を配設し、コイルスプリング100の上部を把持部材80に形成した凸部80aに嵌め、下部を当接部材60に形成した凸部60cに嵌めて固定してある。
【0015】
次に、図を用いて本実施の形態の磁気イレーザーの作用の説明をする。
図7は磁性体反転表示パネルに本実施の形態の磁気イレーザーを使用した第一状態を示す要部断面図である。筆記面106aが白(磁性体のN極側表面部分が筆記面に向いた状態)の背景に、緑(磁性体のS極側表面部分が筆記面に向いた状態)の筆記線が表示された状態である。図7に示す磁性体反転表示パネル101は製造直後のものであり、液体107の降伏値及び粘度が低い状態にある。第一状態の磁気イレーザー10は、筆記面106a方向に圧力を掛けておらず、消去用磁石40の磁極40sは当接部60bからコイルスプリング100の弾発力により距離L3だけ離間している。この時の消去用磁石40の磁力が磁性体108に与える吸引力F3(図中一点鎖線の矢印)により、消去用磁石40の下に位置する磁性体(理解し易くするために108aとする)を反転して白色(S極側表面部分)を筆記面106aに向けさせている。第一状態の磁気イレーザー10は降伏値及び粘度が低い状態の液体107に適応するように設定してあるため、消去用磁石40の吸引力F3により他の磁性体が悪影響を受けることはない。この状態で、磁気イレーザー10を筆記面106a上で移動させることにより、消去用磁石40の下の筆記線を順次消去することができる。
【0016】
図8は磁性体反転表示パネルに本実施の形態の磁気イレーザーを使用した第二状態を示す要部断面図である。図7と同様に、筆記面106aが白(磁性体のN極側表面部分が筆記面に向いた状態)の背景に、緑(磁性体のS極側表面部分が筆記面に向いた状態)の筆記線が表示された状態である。図8に示す磁性体反転表示パネル101は、放置により経時的に液体107の降伏値及び粘度が高い状態にある。図8に示す磁気イレーザー10は、筆記面106a方向に圧力を掛けてコイルスプリング100を圧縮しており、消去用磁石40の磁極40sは当接部60bから距離L4に接近してある。この時の消去用磁石40の磁力が磁性体108に与える吸引力F4(図中一点鎖線の矢印)は、液体107の降伏値及び粘度が高い状態であっても充分に磁性体108に作用して、消去用磁石40の下に位置する磁性体(理解し易くするために108aとする)を反転して白色(S極側表面部分)を筆記面106aに向けさせている。尚、第二状態の磁気イレーザー10は降伏値及び粘度が高い状態の液体107に適応するように設定してあるため、消去用磁石40の吸引力F4により他の磁性体が悪影響を受けることはない。この状態で、磁気イレーザー10を筆記面106a上で移動させることにより、前述同様に消去用磁石40の下の筆記線を順次消去することができる。
【0017】
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨の範囲内で種々の変更を行うことができるものである。尚、磁性体反転表示パネルのパネル構造としては、マイクロカプセルを液体収容室として分散液体(磁性体を降伏値を有する液体中に分散した液体)を収容したものに採用することも可能である。
【0018】
【発明の効果】
本発明の磁性体反転表示パネル用の磁気イレーザーは、使用時における磁性体反転表示パネルの液体収容室に収容した液体の状態に応じて筆記面と消去用磁石との間の距離を変化させ、消去用磁石の磁力が磁性体に及ぼす吸引力を調整できるので、液体の降伏値及び粘度が高い状態でも低い状態でも、筆記面を濁らすことなく筆記線をきれいに消去することのできるものとなった。特に、本発明の磁気イレーザーは、筆記面方向に圧力を掛けることにより消去用磁石が磁性体に与える吸引力を大きくすることができる構造のため、液体の降伏値及び粘度が高く磁性体が反転し難く、筆記線を消去し難くい時に、使用者が力みながら消すという自然の動作に適合している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の磁気イレーザーの姿図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】要部分解姿図である。
【図4】磁性体反転表示パネルに第一の実施の形態の磁気イレーザーを使用した第一状態を示す要部断面図である。
【図5】磁性体反転表示パネルに第一の実施の形態の磁気イレーザーを使用した第二状態を示す要部断面図である。
【図6】第二の実施の形態の磁気イレーザーの断面図である。
【図7】磁性体反転表示パネルに第二の実施の形態の磁気イレーザーを使用した第一状態を示す要部断面図である。
【図8】磁性体反転表示パネルに第二の実施の形態の磁気イレーザーを使用した第二状態を示す要部断面図である。
【図9】従来構造の磁気イレーザーを示す断面図である。
【図10】従来公知の磁性体反転表示パネルの断面図である。
【符号の説明】
1,10…磁気イレーザー、
2,20…枠体、2a,20a…貫通孔、20c…貫通孔、
3…消去用磁石、3a…下端部、3b…上端部、
3n…N極の磁極、3s…S極の磁極、
4,40…消去用磁石、4a,40a…下端部、4b,40b…上端部、
4n,40n…N極の磁極、4s,40s…S極の磁極、
5,50…ケース体、5a…貫通孔、
6…弾性部材、6a…フランジ部、6b…当接部、
60・・・当接部材、60b・・・当接部、
7,70…布、8,80…把持部材、
9,90・・・容器部材、100…コイルスプリング、
101…磁性体反転表示パネル、102…裏面板、103…ハニカムセル、
104…隔壁、105…液体収容室、106…表面板、106a…筆記面、
107…液体、108…磁性体、109…分散液体、
110…磁気ペン、111…軸筒、112…磁石。
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性体反転表示パネル用の磁気イレーザーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばS極側表面部分を緑にN極側表面部分を白に着色した磁性体を分散媒と増稠剤とを主成分とする降伏値を有する液体中に分散してなした分散液体を、複数の液体収容室(例えば、裏面板の上に配した隔壁により仕切られたハニカムセル)に収容し、該液体収容室の表側に透明な表面板を配して筆記面とし、筆記面が白色の状態(N極側表面部分が筆記面に向いた状態)で、磁気ペンのN極を近づけることにより、磁力で磁性体を反転させて白色の背景部に緑色(S極側表面部分が筆記面に向いた状態)の筆記線を書込む構造の、いわゆる磁性体反転表示パネルは知られている。また、書込んだ筆記線を消去するには、磁性体を反転させて筆記面を白色にする消去用磁石を有する構造の磁気イレーザーを用いることも知られている。該磁気イレーザーについて、図を用いて簡単に説明する。図9は従来構造の磁気イレーザーを示す断面図で、磁気イレーザー201は、消去用磁石204を保持する枠体202と、持ち易くするための把持部材208とからなる容器部材209に消去用磁石204を配設した構造である。詳述すると、消去用磁石204は、一端部204a側がS極の磁極204s、他端部204b側がN極の磁極204nとなる平板状で、四角形の枠体202の側面に貼り付け、消去用磁石204の他端部204b側を被覆するように把持部材208を被せてある。消去用磁石204の一端部204a側に、消去用磁石204及び筆記面を保護するために布207を被覆してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記磁性体反転表示パネルの液体収容室内に収容した液体の性質はチクソトロピー性を有し、磁性体反転表示パネルの製造直後を基準とすると、放置により経時的には降伏値及び粘度が上昇する傾向(液が硬くなる傾向)にある。また、S極とN極が複数交互に配置した磁石を筆記面に当接して磁性体を移動させ磁性体と共に液体が流動したような時には、降伏値及び粘度が下降する傾向(液が柔らかくなる傾向)にある。その時の液体の状態次第で磁性体を反転させるために必要となる磁石の吸引力は変化し、降伏値及び粘度が低い状態の磁性体反転表示パネルに磁力の強い磁気イレーザーを用いた場合には、筆記面に近づけた消去用磁石から離れた磁性体にまで磁力が悪影響を及ぼして必要としない磁性体を反転してしまうことから、筆記面に当接した消去用磁石の周りが白と緑の入り混じった濁った状態になるという問題がある。この問題を防ぐために、従来の磁気イレーザーの消去用磁石は、降伏値及び粘度が低い状態の液体に適応させるように設定してある。しかしながら、従来の磁気イレーザーは、経時的に液体の降伏値及び粘度が上昇した場合には、磁性体を反転するのに充分な磁力を与えることができなくなり、不完全な消去状態になるという問題があった。
【0004】
本発明はこうした事実に鑑み、磁性体反転表示パネルの液体収容室内に収容した液体の降伏値及び粘度が高い状態でも低い状態でも、筆記面を濁らすことなく筆記線を消去することのできる磁性体反転表示パネル用の磁気イレーザーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決するために案出した本発明を説明する。
「1.S極側表面部分とN極側表面部分とを異なる色に着色した磁性体を分散媒と増稠剤とを主成分とする降伏値を有する液体中に分散してなした分散液体を、複数の液体収容室に収容し、該液体収容室の上側に筆記面となる透明な表面板を設けてなる磁性体反転表示パネル用の、N極又はS極の何れか一方の磁極が磁性体反転表示パネルの筆記面に対向するように消去用磁石を容器部材に配設した磁気イレーザーにおいて、前記消去用磁石が、磁性体反転表示パネルの筆記面に対して磁気イレーザーを押圧した際に、筆記面に対して近接可能としたことを特徴とする。
2.前記消去用磁石の磁性体反転表示パネル筆記面に当接する側に、圧縮可能な弾性部材を配設し、磁性体反転表示パネルの筆記面に対して磁気イレーザーを押圧した際に、前記弾性部材が圧縮して前記消去用磁石が消去面に対して近接可能とする。
3.前記消去用磁石の磁性体反転表示パネルの筆記面に当接する側に、筆記面に当接する当接部材を、容器部材に弾性手段を介して無負荷の状態で前記消去用磁石から離間するように配設し、磁性体反転表示パネルの筆記面に対して磁気イレーザーを押圧した際に、前記弾性手段が圧縮して前記消去用磁石が前記当接部材及び筆記面に対して近接可能とする。」
【0006】
本発明において、磁気イレーザーを磁性体反転表示パネルの筆記面に対して押圧した際に、消去用磁石を筆記面に対して近接可能とした構造にするのは、磁性体反転表示パネルの液体収容室内に収容した液体の降伏値及び粘度が低い状態の場合には、消去用磁石を筆記面から離間させることにより、消去用磁石が磁性体に与える吸引力を小さくし、降伏値及び粘度が高い状態の場合には、磁気イレーザーを筆記面に押圧して、消去用磁石を筆記面に接近させることにより、消去用磁石が磁性体に与える吸引力を大きくするためである。尚、消去用磁石の磁極の強さをm1、磁性体の磁極の強さをm2、その両極間の距離をr、両極間に作用する力(吸引力)をFとすると、これらの関係はクーロンの法則で、F∝(m1×m2)/r2と表される。
【0007】
請求項2における弾性部材とは、ゴムやスポンジ等のように素材的に弾性力を有するものや、コイルスプリングや板バネ等のように形状的に弾性力を有する周知のものである。請求項3における当接部材は、特に限定されないが、磁性体反転表示パネルの筆記面を傷つけることのない材質で形成することが大切である。弾性手段とは、ゴムやスポンジ等の素材的に弾性力を有するものや、コイルスプリング等を配設することが挙げられる。また、当接部材及び弾性手段に関するものは、消去用磁石の磁界に影響を及ぼさないようにするため、非磁性体で形成することが好ましい。尚、当接部材の当接面に意匠性や保護を目的として当接部を布で被覆しても良い。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明を理解し易くするために図を用いて説明を行なう。尚、本実施の形態における磁気イレーザーにおいては、磁性体反転表示パネルの筆記面に当接する側を下と表現し、その反対を上と表現する。同じ部材、同じ箇所を示す場合は同じ符号を付してある。また、磁性体反転表示パネルの磁性体の磁力は微弱であり、磁気イレーザーに用いる消去用磁石の磁力と比較すると、その値は前記計算式で無視できる程度のものであることから、本発明においては、消去用磁石と磁性体との間に作用する力は、消去用磁石の磁力による吸引力として表現してある。
【0009】
第一の実施の形態の磁気イレーザーを図1〜図3に示す。図1は本実施の形態の磁気イレーザーの姿図で、図2は図1のA−A線断面図で、図3は要部分解姿図である。磁気イレーザー1は、消去用磁石を保持する四角い貫通孔2aを有する矩形の枠体2と、該枠体2の外周面を覆う四角い貫通孔5aを有する矩形のケース体5と、持ちやすくするための把持部材8とからなる容器部材9に、消去磁石3,4を配設した構造で、枠体2の外方側面に、2枚の長い消去用磁石3と2枚の短い消去用磁石4とを両面テープ(図示せず)で貼付けてある。消去用磁石3,4は下端部3a,4aにS極の磁極3s,4sを配置し、上端部3b,4bにN極の磁極3n,4nを配置している。消去用磁石4は枠体2に形成した凹部2bに嵌めてある。その枠体2及び消去用磁石3,4を、ケース体5に納めてある。
【0010】
枠体2の貫通孔2aには、枠体2の下端及び消去用磁石3,4の下端3a,4a及びケース体5の下端を覆うフランジ部6aを有した直方体形状の弾性部材6を挿着してある。弾性部材6は多孔質のポリウレタンからなるスポンジで弾性を有している。本実施の形態では、フランジ部6aを含む底面を、磁性体反転表示パネルの筆記面(図示せず)に当接する当接部6bとしてある。また、当接部6b及びケース体5の外周には布7を被覆して保護してあり、上側より把持部材8を被せてある。
【0011】
次に、図を用いて本実施の形態の磁気イレーザーの作用の説明をする。尚、その説明の前に、磁性体反転表示パネルについて簡単に説明を行う。図10は従来公知の磁性体反転表示パネルの断面図である。磁性体反転表示パネル101は、裏面板102に複数のハニカムセル103を構成する隔壁104を固着して形成した液体収容室105の表示面側に、筆記面106aとなる透明な表面板106を隔壁104に固着して一体としてある。液体収容室105には、分散媒と増稠剤とからなる液体107中にS極とN極を有する磁性体108を分散した降伏値を有する分散液体109を収容してある。磁性体108はS極側表面部分を緑色に着色し、N極側表面部分を白色に着色してある。磁性体反転表示パネル101に筆記線を描き込むには、棒状の磁気ペン110を使用する。例えば、筆記面106aが白色(N極側表面部分)の表示状態で、磁気ペン110の軸筒111の前方部に配設した磁石112のN極112nを筆記面106aに当接して矢印T方向へ移動させると、吸引力W(図中の一点鎖線の矢印)により磁性体108の緑色(S極側表面部分)が線状に筆記面106a側へ配置される。この場合、背景が白色(N極側表面部分)の筆記面106aに、緑(S極側表面部分)の筆記線が書かれた表示状態となる。
【0012】
図4は磁性体反転表示パネルに本実施の形態の磁気イレーザーを使用した第一状態を示す要部断面図である。筆記面106aが白(磁性体のN極側表面部分が筆記面に向いた状態)の背景に、緑(磁性体のS極側表面部分が筆記面に向いた状態)の筆記線が表示された状態である。図4に示す磁性体反転表示パネル101は製造直後のものであり、液体107の降伏値及び粘度が低い状態にある。第一状態の磁気イレーザー1は、筆記面106a方向に圧力を掛けておらず、消去用磁石4の磁極4sは当接部6bからフランジ部6aの厚みの距離L1だけ離間している。この時の消去用磁石4の磁力が磁性体108に与える吸引力F1(図中一点鎖線の矢印)により、消去用磁石4の下に位置する磁性体(理解し易くするために108aとする)を反転して白色(S極側表面部分)を筆記面106aに向けさせている。第一状態の磁気イレーザー1は降伏値及び粘度が低い状態の液体107に適応するように設定してあるため、消去用磁石4の吸引力F1により他の磁性体が悪影響を受けることはない。この状態で、磁気イレーザー1を筆記面106a上で移動させることにより、消去用磁石4及び消去用磁石3の下の筆記線を順次消去することができる。
【0013】
図5は磁性体反転表示パネルに本実施の形態の磁気イレーザーを使用した第二状態を示す要部断面図である。図4と同様に、筆記面106aが白(磁性体のN極側表面部分が筆記面に向いた状態)の背景に、緑(磁性体のS極側表面部分が筆記面に向いた状態)の筆記線が表示された状態である。図5に示す磁性体反転表示パネル101は、放置により経時的に液体107の降伏値及び粘度が高い状態にある。図5に示す磁気イレーザー1は、筆記面106a方向に圧力を掛けて消去用磁石4がフランジ部6aを圧縮しており、消去用磁石4の磁極4sは当接部6bから距離L2に接近してある。この時の消去用磁石4の磁力が磁性体108に与える吸引力F2(図中一点鎖線の矢印)は、液体107の降伏値及び粘度が高い状態であっても充分に磁性体108に作用して、消去用磁石4の下に位置する磁性体(理解し易くするために108aとする)を反転して白色(S極側表面部分)を筆記面106aに向けさせている。尚、第二状態の磁気イレーザー1は降伏値及び粘度が高い状態の液体107に適応するように設定してあるため、消去用磁石4の吸引力F2により他の磁性体が悪影響を受けることはない。この状態で、磁気イレーザー1を筆記面106a上で移動させることにより、前述同様に消去用磁石4及び消去用磁石3の下の筆記線を順次消去することができる。
【0014】
図6は第二の実施の形態の磁気イレーザーの断面図である。磁気イレーザー10は、消去用磁石を保持する中央に四角い貫通孔20aを有し且つその隣に2つの丸い貫通孔20cを有する矩形の枠体20と、該枠体20の外周面を覆う四角い貫通孔(図示せず)を有する矩形のケース体50と、持ち易くするための把持部材80とからなる容器部材90に、消去用磁石40を配設した構造で、枠体20の外周面に消去用磁石40を両面テープ(図示せず)で貼付けてある。消去用磁石40は下端部40aにS極の磁極40sを配置し、上端部40bにN極の磁極40nを配置している。その枠体20及び消去用磁石40をケース体50に納めてある。尚、本実施の形態では、ケース体50の下方に下面を当接部60bとした樹脂からなる板状の当接部材60を配設し、当接部60b及びケース体50の外周には布70を被覆して保護してあり、上側より把持部材80を被せてある。また、枠体20の貫通孔20cには弾性手段となるコイルスプリング100を配設し、コイルスプリング100の上部を把持部材80に形成した凸部80aに嵌め、下部を当接部材60に形成した凸部60cに嵌めて固定してある。
【0015】
次に、図を用いて本実施の形態の磁気イレーザーの作用の説明をする。
図7は磁性体反転表示パネルに本実施の形態の磁気イレーザーを使用した第一状態を示す要部断面図である。筆記面106aが白(磁性体のN極側表面部分が筆記面に向いた状態)の背景に、緑(磁性体のS極側表面部分が筆記面に向いた状態)の筆記線が表示された状態である。図7に示す磁性体反転表示パネル101は製造直後のものであり、液体107の降伏値及び粘度が低い状態にある。第一状態の磁気イレーザー10は、筆記面106a方向に圧力を掛けておらず、消去用磁石40の磁極40sは当接部60bからコイルスプリング100の弾発力により距離L3だけ離間している。この時の消去用磁石40の磁力が磁性体108に与える吸引力F3(図中一点鎖線の矢印)により、消去用磁石40の下に位置する磁性体(理解し易くするために108aとする)を反転して白色(S極側表面部分)を筆記面106aに向けさせている。第一状態の磁気イレーザー10は降伏値及び粘度が低い状態の液体107に適応するように設定してあるため、消去用磁石40の吸引力F3により他の磁性体が悪影響を受けることはない。この状態で、磁気イレーザー10を筆記面106a上で移動させることにより、消去用磁石40の下の筆記線を順次消去することができる。
【0016】
図8は磁性体反転表示パネルに本実施の形態の磁気イレーザーを使用した第二状態を示す要部断面図である。図7と同様に、筆記面106aが白(磁性体のN極側表面部分が筆記面に向いた状態)の背景に、緑(磁性体のS極側表面部分が筆記面に向いた状態)の筆記線が表示された状態である。図8に示す磁性体反転表示パネル101は、放置により経時的に液体107の降伏値及び粘度が高い状態にある。図8に示す磁気イレーザー10は、筆記面106a方向に圧力を掛けてコイルスプリング100を圧縮しており、消去用磁石40の磁極40sは当接部60bから距離L4に接近してある。この時の消去用磁石40の磁力が磁性体108に与える吸引力F4(図中一点鎖線の矢印)は、液体107の降伏値及び粘度が高い状態であっても充分に磁性体108に作用して、消去用磁石40の下に位置する磁性体(理解し易くするために108aとする)を反転して白色(S極側表面部分)を筆記面106aに向けさせている。尚、第二状態の磁気イレーザー10は降伏値及び粘度が高い状態の液体107に適応するように設定してあるため、消去用磁石40の吸引力F4により他の磁性体が悪影響を受けることはない。この状態で、磁気イレーザー10を筆記面106a上で移動させることにより、前述同様に消去用磁石40の下の筆記線を順次消去することができる。
【0017】
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨の範囲内で種々の変更を行うことができるものである。尚、磁性体反転表示パネルのパネル構造としては、マイクロカプセルを液体収容室として分散液体(磁性体を降伏値を有する液体中に分散した液体)を収容したものに採用することも可能である。
【0018】
【発明の効果】
本発明の磁性体反転表示パネル用の磁気イレーザーは、使用時における磁性体反転表示パネルの液体収容室に収容した液体の状態に応じて筆記面と消去用磁石との間の距離を変化させ、消去用磁石の磁力が磁性体に及ぼす吸引力を調整できるので、液体の降伏値及び粘度が高い状態でも低い状態でも、筆記面を濁らすことなく筆記線をきれいに消去することのできるものとなった。特に、本発明の磁気イレーザーは、筆記面方向に圧力を掛けることにより消去用磁石が磁性体に与える吸引力を大きくすることができる構造のため、液体の降伏値及び粘度が高く磁性体が反転し難く、筆記線を消去し難くい時に、使用者が力みながら消すという自然の動作に適合している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の磁気イレーザーの姿図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】要部分解姿図である。
【図4】磁性体反転表示パネルに第一の実施の形態の磁気イレーザーを使用した第一状態を示す要部断面図である。
【図5】磁性体反転表示パネルに第一の実施の形態の磁気イレーザーを使用した第二状態を示す要部断面図である。
【図6】第二の実施の形態の磁気イレーザーの断面図である。
【図7】磁性体反転表示パネルに第二の実施の形態の磁気イレーザーを使用した第一状態を示す要部断面図である。
【図8】磁性体反転表示パネルに第二の実施の形態の磁気イレーザーを使用した第二状態を示す要部断面図である。
【図9】従来構造の磁気イレーザーを示す断面図である。
【図10】従来公知の磁性体反転表示パネルの断面図である。
【符号の説明】
1,10…磁気イレーザー、
2,20…枠体、2a,20a…貫通孔、20c…貫通孔、
3…消去用磁石、3a…下端部、3b…上端部、
3n…N極の磁極、3s…S極の磁極、
4,40…消去用磁石、4a,40a…下端部、4b,40b…上端部、
4n,40n…N極の磁極、4s,40s…S極の磁極、
5,50…ケース体、5a…貫通孔、
6…弾性部材、6a…フランジ部、6b…当接部、
60・・・当接部材、60b・・・当接部、
7,70…布、8,80…把持部材、
9,90・・・容器部材、100…コイルスプリング、
101…磁性体反転表示パネル、102…裏面板、103…ハニカムセル、
104…隔壁、105…液体収容室、106…表面板、106a…筆記面、
107…液体、108…磁性体、109…分散液体、
110…磁気ペン、111…軸筒、112…磁石。
Claims (3)
- S極側表面部分とN極側表面部分とを異なる色に着色した磁性体を分散媒と増稠剤とを主成分とする降伏値を有する液体中に分散してなした分散液体を、複数の液体収容室に収容し、該液体収容室の上側に筆記面となる透明な表面板を設けてなる磁性体反転表示パネル用の、N極又はS極の何れか一方の磁極が磁性体反転表示パネルの筆記面に対向するように消去用磁石を容器部材に配設した磁気イレーザーにおいて、前記消去用磁石が、磁性体反転表示パネルの筆記面に対して磁気イレーザーを押圧した際に、筆記面に対して近接可能としたことを特徴とする磁性体反転表示パネル用の磁気イレーザー。
- 前記消去用磁石の磁性体反転表示パネル筆記面に当接する側に、圧縮可能な弾性部材を配設し、磁性体反転表示パネルの筆記面に対して磁気イレーザーを押圧した際に、前記弾性部材が圧縮して前記消去用磁石が消去面に対して近接可能とした、請求項1に記載の磁性体反転表示パネル用の磁気イレーザー。
- 前記消去用磁石の磁性体反転表示パネルの筆記面に当接する側に、筆記面に当接する当接部材を、容器部材に弾性手段を介して無負荷の状態で前記消去用磁石から離間するように配設し、磁性体反転表示パネルの筆記面に対して磁気イレーザーを押圧した際に、前記弾性手段が圧縮して前記消去用磁石が前記当接部材及び筆記面に対して近接可能とした、請求項1に記載の磁性体反転表示パネル用の磁気イレーザー。
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