JP2004049828A - 指の筋力測定方法および装置 - Google Patents

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岡田 雅博
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Abstract

【課題】一人で測定ができ、定量的な測定が可能な指の筋力の測定方法および装置を提供する。
【解決手段】指を牽引する為の1対のリングとリングを互いに外側に牽引する為の駆動部を持ち、リングを使用して指の輪を牽引し、リングA7を支える支柱A6の根元に取り付けた起歪体8の歪みを電気的に測定することにより、指の筋力を定量的に測定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はバイ・デジタル・オーリングテスト(以後、オーリングテストと呼ぶ)を簡便で、正確に実施するための指の筋力測定方法および装置に関するものである。
ここにオーリングテストとは、近年医学分野を中心に注目を集めている検査方法であり、人間を生体センサーとして利用し、生体内の状態を指の筋力変化として検出する検査法である。
【0002】
【従来の技術】
従来のオーリングテストは生体センサーとなる人間(以後、被検者と呼ぶ)の親指(第1指)と他のもう一つの指(第2指〜第5指の何れか)で作った指の輪(以後、「指の輪」と呼ぶ)を別の人間(以後、検者と呼ぶ)の両手の「指の輪」で左右に引いて開こうとし、被検者は「指の輪」を開かれまいと指の筋力で押し止まる様にする。その際の被検者の「指の輪」の開き具合によって被検者の生体内の状況を判断することが行われていた。
【0003】
また、電気的に測定する装置として図6、図7に示すように、上下にレール溝を有するレール41に4つの車輪を持つ往復動可能な台車A43と台車B49を設置し、夫々の台車A43にはラックA44が、台車B49にはラックB50が歯車42を挟んで固定されている。
歯車42はモータ53に連結され、モータ53により歯車42が回転され、ラックA44とラックB50に連動し、台車A43と台車B49がモータ53により左右方向に往復動する。
【0004】
さらに、台車A43と台車B49には」上方に向って支柱A45と支柱B51が固定され、支柱A45の先端部にはロードセル47を介してリングA46が、支柱B51の先端部には支柱B51と一体となったリングB52が連接固定されている。ロードセル47には電気的処理のための配線48が設けられている。
【0005】
本装置の測定方法は、
(イ)1対のリングA46とリングB52に親指(第1指)と他の選定されたもう1つの指(第2指〜第5指の何れか)を通し、この2つの指で輪を作る。
(ロ)モータ53のスイッチをONすると歯車42が回転し、夫々のラックA44、ラックB50により台車A43、台車B49がレール41に沿って稼動することより支柱A45、支柱B51の先端部に形成されたリングA46、リングB52は外側(離間方向)に移動され、指の輪を牽引し、指の輪を切ろうとする。
(ハ)指には輪が切れない様に力を入れ、その時の筋力をロードセル47の出力として検出するというものが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の方法には次の様な欠点あった。前者においては、検者・被検者の2人の人間によって行われるため、
(イ)検査には検者が必要であり、被検者のみでの検査はできない。
(ロ)2人の「指の筋力」および「指の大きさ」の組合せによっては、検査可能な両者の「指の輪」の組合せが無い場合があり、その場合は検査できない。
(ハ)「指の輪」の開き具合は、2人の力加減等の感覚による所が多く、検査結果の信頼性に欠ける。
(ニ)検査は「指の輪」の開き具合を基準にして行われるため、検査結果を定量的にとらえることができず、客観性に欠ける。
(ホ)以上の様な問題点と関連して、正確な検査を行うには、検者・被検者が共にオーリングテストに熟練している必要がある。
【0007】
また、後者においては、
(イ)支柱A45とリングA46の間にロードセル47を設置しなければならない為に、支柱とリングを一体化できず、強度的にも製造コストの面からも問題がある。
(ロ)装置本体から突き出した、操作部分(支柱とリング)にロードセル47を配置しなければならず、ロードセルから装置本体までの配線48が必要であり、操作時に邪魔となったり、配線の断線等の危険が有る。
(ハ)モータ53から発せられる電磁波が人体の生体反応に影響を及ぼし正確な測定が行われない場合がある。
本発明は、これらの欠点を除くためになされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
被検者の親指(第1指)と他のもう一つの指(第2指〜第5指の何れか)で作った指の輪を、外力により開かれまいとする親指と他のもうひとつの指の筋力を測定する場合に使用する指の筋力測定方法において、前記指の輪が挿入される一対の剛性を有するリングの、少なくとも一方のリングには、歪みゲージを有する変形可能な起歪体を連接固定し、起歪体を前記指の輪を開こうとする方向に駆動手段により牽引した際に生じる、起歪体の歪み量による電圧の変化を測定して、指の筋力に変換するものである。
【0009】
また、駆動手段は、牽引強度、牽引速度を独立に制御することを可能としたものである。
さらに、被検者の親指(第1指)と他のもう一つの指(第2指〜第5指の何れか)で作った指の輪を、外力により開かれまいとする親指と他のもうひとつの指の筋力を測定する場合に使用する指の筋力測定装置において、前記指の輪が挿入される一対の剛性を有するリングと、少なくとも一方のリングには、バネ材に歪みゲージが貼付された起歪体を連接固定し、起歪体は駆動手段に固定され、駆動手段は前記指の輪を開こうとする方向に、起歪体を牽引移動可能とし、起歪体の歪み量による電圧の変化により、指の筋力を測定するものである。
【0010】
また、駆動手段は、直流電源とタコジェネレータの出力を電圧調整回路に入力し、モータに供給する電圧を調整し、モータの回転数を制御し、リングの移動速度を調整することが可能であり、
【0011】
さらに、駆動手段は、最大電流制限回路でモータに流れる最大電流を制限し、リングを開く為の最大牽引力を制御することが可能であり、駆動手段を駆動するための制限回路およびモータには電磁シールドを施し、アースを取ることにより電磁波の発生を微少量に抑え、生体反応への電磁波の影響を最小限とした。
【0012】
以上の構成とすることにより、被検者は一対のリングに親指(第1指)と他のもう一つの指(第2指〜第5指の何れか)で作った指の輪を挿入し、スイッチを入れるだけで、起歪体の歪み量による電圧の変化が測定され、指の筋力に変換することにより、筋力を定量的に測定することができるものであり、さらに、より被検者にあった牽引速度および被検者の指の筋力に応じた測定ができ、より正しい検査結果が得られるようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態の例を説明する。
図1、図2に示すごとく、上下にレール溝を有するレール1に4つの車輪を持つ往復動可能な台車A3と台車B10を設置し、夫々の台車A3にはラックA4が、台車B10にはラックB11が歯車2を挟んで固定されている。
歯車2はモータ15に連結され、モータ15により歯車2が回転され、ラックA4とラックB11に連動し、台車A3と台車B10がモータ15により左右方向に往復動する駆動手段を有し。
【0014】
さらに、台車A3と台車B10には支持部A5、支持部B12が固定されている。
支持部A5には、図3に示す構造の起歪体8を取り付け、起歪体8にはリングA7の付いた支柱A6が取り付けられる。このリングA7の付いた支柱A6は剛性の合成樹脂等の変形しにくい材料でできている。
支持部B12には、起歪体8で使用したバネ材を介してリングB14の付いた支柱B13が取り付けられるが、必ずしもバネ材を介することなく支持部B12に直接支柱B13を取り付ける構造とすることことも可能であることは言うまでも無い。
【0015】
次に、起歪体8を図3に基づき説明する。
クロムモリブデン等で形成されたバネ材21の両側に2つづつ並べて歪みゲージ22を4つ貼りつける。
さらに、バネ材21の片面に端子23を4つ貼りつけ、図4の配線図に示すように端子23のA・B間に直流電圧を与え、起歪体8が歪むと歪みの量によりC・D間の電圧が変化するように構成されている。
図示しないが、この電圧の変化を作動増幅器で電気的に増幅し、通常行われる方法でアナログまたはデジタル表示を行うことにより、指の筋力を数値表示する。
また、起歪体8の歪み量を校正済みの歪み計等で校正することにより、指の筋力をkg単位に変換表示することも可能である。
【0016】
次に、図5に示すモータの制御回路のブロック図について説明をする。モータ15にはDCサーボモータを使用し、モータには回転数を検出する為にタコジェネレータ32を装着する。
直流電源35とタコジェネレータ32の出力を電圧調整回路33に入力し、モータ15に供給する電圧を調整し、モータ15の回転数を制御し、リングA7とリングB14の移動速度を調整可能とする。
また、最大電流制限回路34でモータ15に流れる最大電流を制限し、リングA7とリングB14を離間させる為の最大牽引力を制御することができる。
【0017】
さらに、電気回路全体をアルミ等の電気シールド可能な材料および鉄等の磁気シールド可能な材料で電磁シールド36を施し、大地に接地37することにより、本装置から発せられる電磁波を測定に影響の無い程度の微小量にすることができる。
【0018】
次に本発明における指の筋力測定装置の使用方法について説明する。
先ず、牽引強度、牽引速度を被検者に合ったものに設定する。
(イ)リングA7とリングB14に親指(第1指)と他の選定されたもう1つの指(第2指〜第5指の何れか)を通し、この2つの指で輪を作る。
(ロ)その後、スイッチをONにし、モータ15で歯車2を矢印の方向に回転させ、ラックA4とラックB11を介して台車A3および台車B10が左右離間方向に動くと同時に、台車A3および台車B10に支持部A5と支持部B12そして起歪体8を介して取り付けられた、リングA7とリングB14が指の輪を左右牽引する方向に開く。
(ハ)リングA7とリングB14に通した指には指の輪が開かない様に力を入れる。
(ニ)支持部A5は動こうとするが、指で押さえられたリングA7の付いた支柱A6は動かず変形しないので、起歪体8が歪むことになる。
(ホ)起歪体8に貼付された歪ゲージ22により歪みの量が検出され電圧の変化として測定される。
(ヘ)電圧の変化を指の筋力に変換表示することにより、指の筋力を測定する。
【0019】
【発明の効果】
上述したように本発明は、次のような効果がある。
(イ)「指の輪」の牽引を本発明の装置で行うことにより被検者単独で容易に検査を可能にした。
(ロ)リングA7とリングB14の大きさを変えることにより、被検者の指の大きさに合わせることができると共に、同一金型にて成形可能なためコスト的にも安価となる。
(ハ)牽引強度、牽引速度を調節することにより、被検者の指の筋力に応じた測定が可能である。
(ニ)指の筋力を数値で表現することが可能となり、客観的な評価が可能である。
(ホ)被検者が一人で検査の練習をすることができる為、早期に熟練することができる。
(ヘ)起歪体8の配線9が操作部分(リング)にないため検査時に邪魔になることはない。
(ト)装置内から発生する電磁波は電磁シールド36を施し、接地37することにより、生体反応に影響の無い程度まで軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の正面図である。
【図2】本発明の側面図である。
【図3】本発明の起歪体の説明図である。
【図4】本発明の起歪体の配線図である。
【図5】本発明の駆動部のブロック図である。
【図6】従来の方式の正面図である。
【図7】従来の方式の側面図である。
【符号の説明】
1レール
2歯車
3台車A
4ラックA
5支持部A
6支柱A
7リングA
8起歪体
9配線
10台車B
11ラックB
12支持部B
13支柱B
14リングB
15モータ
21バネ材
22歪みゲージ
23端子
32タコジェネレータ
33電圧調整回路
34最大電流制限回路
35直流電源
36電磁シールド
37接地
41レール
42歯車
43台車A
44ラックA
45支柱A
46リングA
47ロードセル
48配線
49台車B
50ラックB
51支柱B
52リングB
53モータ

Claims (6)

  1. 被検者の親指(第1指)と他のもう一つの指(第2指〜第5指の何れか)で作った指の輪を、外力により開かれまいとする親指と他のもうひとつの指の筋力を測定する場合に使用する指の筋力測定方法において、前記指の輪が挿入される一対の剛性を有するリングの、少なくとも一方のリングには、歪みゲージを有する変形可能な起歪体を連接固定し、起歪体を前記指の輪を開こうとする方向に駆動手段により牽引した際に生じる、起歪体の歪み量による電圧の変化により、指の筋力を測定することを特徴とする指の筋力測定方法。
  2. 駆動手段は、牽引強度、牽引速度を独立に制御することを可能としたことを特徴とする請求項1に記載の指の筋力測定方法。
  3. 被検者の親指(第1指)と他のもう一つの指(第2指〜第5指の何れか)で作った指の輪を、外力により開かれまいとする親指と他のもうひとつの指の筋力を測定する場合に使用する指の筋力測定装置において、前記指の輪が挿入される一対の剛性を有するリングと、少なくとも一方のリングには、バネ材に歪みゲージが貼付された起歪体を連接固定し、起歪体は駆動手段に固定され、駆動手段は前記指の輪を開こうとする方向に、起歪体を牽引移動可能とし、起歪体の歪み量による電圧の変化により、指の筋力を測定することを特徴とする指の筋力測定装置。
  4. 駆動手段は、直流電源とタコジェネレータの出力を電圧調整回路に入力し、モータに供給する電圧を調整し、モータの回転数を制御し、リングの移動速度を調整することを特徴とする請求項3に記載の指の筋力測定装置。
  5. 駆動手段は、最大電流制限回路でモータに流れる最大電流を制限し、リングを開く為の最大牽引力を制御することを特徴とする請求項3ないし請求項4に記載の指の筋力測定装置。
  6. 駆動手段を駆動するための制限回路およびモータには、電磁シールドを施し、アースを取ることにより、電磁波の発生を微小量に抑えたことを特徴とする請求項3ないし請求項5に記載の指の筋力測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100996204B1 (ko) 2008-03-24 2010-11-23 한국표준과학연구원 근력측정장치 및 그 측정방법
KR101218289B1 (ko) 2011-10-26 2013-01-09 한양대학교 에리카산학협력단 목 디스크 진단장치

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