JP2004049504A - スライドファスナー用スライダー - Google Patents
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Abstract
【課題】引手に過酷な負荷が加わっても、引手が自由に揺動して負荷を軽減し、破損しても引手を容易に取り替えることができるスライダーを提供する。
【解決手段】引手を自由に係止できる係止部を備え持った係止部材をスライダー胴体の上面に配し、係止部材を回動自在に保持する保持杆を胴体の案内柱に設けた取付孔に軸支し、引手の枢軸を係止部材の可撓性のある脚部に設けた凹状の係止部にスナップ係合させて支持する。したがって引手は前後左右および水平方向に360度回動し負荷を軽減できる。引手が万が一破損したときは胴体をファスナーチェンから外すことなく、新しい引手を係止部材に取り付けて簡単に交替できる。
【選択図】 図1
【解決手段】引手を自由に係止できる係止部を備え持った係止部材をスライダー胴体の上面に配し、係止部材を回動自在に保持する保持杆を胴体の案内柱に設けた取付孔に軸支し、引手の枢軸を係止部材の可撓性のある脚部に設けた凹状の係止部にスナップ係合させて支持する。したがって引手は前後左右および水平方向に360度回動し負荷を軽減できる。引手が万が一破損したときは胴体をファスナーチェンから外すことなく、新しい引手を係止部材に取り付けて簡単に交替できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スライドファスナー用スライダーであって、スライダー胴体の上翼板上で引手が揺動および回動が自由にでき、かつ引手を後付けできる引手回動タイプのスライドファスナー用スライダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スライドファスナー用スライダーにおいて、引手がスライダー胴体の上翼板上で揺動および回動自在に装備したスライダーは、たとえば図14に示すように、胴体の案内柱に貫接した取付孔に、頭部のある保持杆を挿通し、胴体と頭部との間に円盤を嵌挿し、この円盤の外面両側に切欠部を設け、この切欠部に引手に設けた軸部を嵌装するとともに、保持杆の下端を胴体下面で固定し、引手を揺動および回動自在に装備したスライダーが実公平7−46168号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、カバン業界においてはライフギャランティが盛んに行われており、カバンに装着されたスライドファスナーが破損した場合、その機能を破損前と同様に回復させることが要求されている。カバンに装着されるスライドファスナーにおいて最も破損する頻度が多い部分はスライダーであり、その原因はスライダーの引手が他の物品に引っ掛かることにより、スライダーの引手と胴体との間に捻りや引張りなどの負荷が過剰に加わり、引手の枢軸を破断して引手が脱落し、または胴体を変形させるためである。従来はこのようにスライダーが破損した場合、カバンに装着したスライドファスナーから破損したスライダーを取り外し、新たなスライダーを付け直す作業も行っていた。しかしこの作業は手間がかかり作業コストが嵩む問題があった。
【0004】
前項で述べた図14に示すスライダーは、引手が胴体に対し前後左右に揺動できるとともに、胴体上面において水平方向へ360度回動できるため、引手が捻りや引張りなどの負荷に対して反発することなく、引手と胴体との間に加わる負荷を緩和できる利点がある。しかし万が一引手の枢軸が破断した場合は、ファスナーチェンからスライダーを取り外して新しいスライダーに取り替えなければならないので、取り替えに手数を要しコスト高になるなど問題点がある。
【0005】
この発明は、上述の問題点を考慮して発明されたものであり、請求項1記載の発明は、スライドファスナーのスライダーにおける引手に過酷な捻りや引張りなどの負荷が加わっても、引手が胴体に対し前後左右また水平方向に360度回動できる形態で負荷を軽減し円滑な作動が行えるスライダーであり、また万が一引手が破損したときは、スライダーの胴体をファスナーチェンから取り外すことなく、胴体に対し新しい引手を取り付けることができるスライドファスナー用スライダーを提供することが主たる目的である。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、引手を係止部材に対してきわめて簡易に取り付けることができるスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。
【0007】
請求項3、4および5記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の目的に加え、非弾性体または弾性体から形成された何れの引手であっても、係止部材に対して引手を簡易かつ的確に係止できるスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。
【0008】
請求項6記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の目的に加え、係止部材を保持する保持杆の形態および保持杆と係止部材との関連を特定し、係止部材を安定した状態で保持するとともに、引手の係止を的確に行い維持できるスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。
【0009】
請求項7および8記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の目的に加え、カバンなどの施錠のためのリングを簡単にスライダーに設置し、簡易に施錠ができるように便宜を図ったスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。
【0010】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、引手の係止部分の形態を特定し、引手を簡易に係止部材に係止させることができるスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の発明は、スライドファスナーにおける引手5を自由に係止することができる係止部23を備え持った係止部材3をスライダー1の胴体2の案内柱8の上面に配し、この係止部材3を回動自在に保持する保持杆4を胴体2の案内柱8に貫設した取付孔12に軸支し、引手5を係止部材3の係止部23に対し後付け、すなわち保持杆4に回動自在に保持された状態の係止部材3に対して引手5を取り付けることができるように形成したスライドファスナー用スライダーを主な構成とするものである。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、引手5の枢軸42を係止部23に対し、スナップ係合すなわち凸型と凹型による係合ができるように形成したスライドファスナー用スライダーである。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、引手5は金属製の非弾性体から形成し、係止部材3は合成樹脂製またはゴム製などの弾性体から形成し、係止部材3が弾性変形して引手5の枢軸42を係止部23に係止させるスライドファスナー用スライダーである。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、引手5は合成樹脂製の弾性体から形成し、係止部材3は金属製の非弾性体から形成し、引手5が弾性変形して引手5の枢軸42を係止部23に係止させるスライドファスナー用スライダーである。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、引手5を係止する係止部23は、主に合成樹脂製の係止部材3に形成した可撓性を備え持った脚部22の表面に形成した凹陥状の凹部24、または脚部22の先端を分離対向して凹部24を設けて係止部23を形成したスライドファスナー用スライダーである。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、係止部材3を嵌挿して保持する保持杆4は、保持杆4の頭部30と胴体2との間に係止部材3を抜脱できないように介設し、保持杆4の頭部30によって係止部材3の係止部23を掩蔽し、引手5の枢軸42が係止部23から抜脱できないように形成したスライドファスナー用スライダーである。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、胴体2の案内柱8に設けた取付孔12に挿通した保持杆4は、保持杆4に設けた頭部30の表面に上方へ突出し、カバンの施錠に供するリング部36を設けたスライドファスナー用スライダーである。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、胴体2の上面の案内柱8に設けた取付孔12の周囲に胴体2の前面へ突出し、対向し突き合わせるスライダー1のリング部36と重合して施錠できるリング部材6を収容してリング部36を突設したスライドファスナー用スライダーである。
【0019】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、引手5の両側に設けた枢軸42の先端外面を斜面の面取り部46を設けて係止部材3の係止部23に簡易に挿入できるように形成したスライドファスナー用スライダーである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のスライドファスナー用スライダーの実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0021】
この発明のスライドファスナー用スライダーは、図1〜4に示す第1実施例のスライドファスナー用スライダーは、図1に示すようにスライダー1は、胴体2、係止部材3、保持杆4、引手5、ワッシャ47の5部材から構成され、胴体2は亜鉛合金、アルミニウム合金などの金属をダイカスト成形手段によって成形し、胴体2は上翼板9と下翼板10の両側にファスナーエレメントをガイドするガイドフランジ11が設けられている。上翼板9と下翼板10の表面は外方へ円板状に隆出し、その中心で案内柱8に相当する部分に円形の貫通する取付孔12を設ける。この取付孔12は上半部が大径孔17、下半部が小径孔18に形成し、小径孔18の下端は拡径状の凹陥部13が形成されている。
【0022】
係止部材3はポリアセタール、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いて射出成形手段で成形する。係止部材3は概略円板状で中心に円形の透孔20を設けてその外側に円環部21を形成し、円環部21の一部に外方へ突出する連結突片26を設け、この連結突片26から左右に円弧状に延出された脚部22を円環部21の周辺に形成し、延出された両側の脚部22の中心線上に表面が凹状に窪んだ凹部24を設けて係止部23を形成する。この係止部23は連結突片26を中心として内外に弾発し、引手5の枢軸42を係止することができる。
【0023】
保持杆4は金属製であり、円柱状のピン31の一端に円板状の頭部30を設け、この頭部30は前記係止部材3の外径と略同一の大きさに形成し、ピン31の径は係止部材3の透孔20に嵌挿できる大きさであり、ピン31の頭部30側半部は大径部32、下半部は小径部33に形成して胴体2に穿設した取付孔12に係止部材3を挿通して挿入し、ピンの下端を圧潰して胴体2の下翼板10に凹設した凹陥部13に圧着固定する。なおピン31は胴体2と係止部材3間にワッシャ47を介在させ、係止部材3を回動自在に保持する。
【0024】
引手5は胴体2と同様に金属から成形し、一端に適宜形状の摘み部43を設け、他端は円弧状に切り欠いて凹欠部44を形成し、凹欠部44の入口両側に内方へ突出する短尺の枢軸42を設ける。引手5の両側の枢軸42は係止部材3の可撓性のある脚部22の表面に設けた係止部23に圧入し係止し、引手5は胴体2上面において水平方向に360度自由に回動できる。さらに引手5は凹欠部44を保持杆4の頭部30の外周形状に略合致させてあるから、枢軸42を中心に前後にも揺動できるスライダーである。
【0025】
以上説明したとおりの構成であり、スライダー1の組み付けは、まず保持杆4のピン31に係止部材3の透孔20を挿通し、ワッシャ47を挿通した後に胴体2の取付孔12に挿入し、取付孔12の下端に突出するピン31を圧潰して保持杆4を凹陥部13に固定する。保持杆4に回動自在に軸支された係止部材3の係止部23に対し、引手5の枢軸42を脚部22の弾発性を利用して挿入し、スナップ係合させスライダー1の組み付けが完了する。組み付けられた引手5の枢軸42は係止部材3の係止部23から上方への脱却は、保持杆4の頭部30の掩蔽によって抜脱を防止することができる。
【0026】
スライダー1に使用される係止部材3の形態は、図5〜8に示す変形例の如く各種タイプがある。図5に示す係止部材3は、樹脂製で中央に円形の透孔20を設けた円環部21を形成し、円環部21の対面から外方へ連結突片26を設け、連結突片26の先端に左右へ円弧状に延出する脚部22を設け、円弧状の脚部22の先端が対面する個所に切欠凹部25を設けて係止部23を形成し、脚部22は可撓性を備えている。
【0027】
図6に示す係止部材3は、金属製の円板29の中央に円形の透孔20を穿設し、透孔20の左右の円板29に切り起こした突片28を対向させて凹部24を形成し、円板29の左右に形成した凹部24を係止部23として用い、この際、図13に示すような引手5における枢軸42を利用して弾性変形させて係止部23に係止する。
【0028】
図7に示す係止部材3は、金属製または樹脂製の円板29の中央に円形の透孔20を穿設し、透孔20の左右の円板29に頂点が表面へ突出するU字状の凹部24を設けて係止部23を形成する。引手5の枢軸42を挿入するときは、円板29を押圧し弾性変形させて係止部23に係止させる。
【0029】
図8に示す係止部材3は、円板29の対向する外側面に凹部24を設けて係止部23を形成する。この円板29は弾性に富んだゴム材から形成し、円板29を押圧し弾性変形させて引手5の枢軸42を係止部23に係止する。
【0030】
図9、10に示す第2実施例のスライドファスナー用スライダーは、胴体2、係止部材3、保持杆4、引手5およびC形ワッシャ48の5部材から構成され、胴体2は上翼板9の上面は平坦状であり、下翼板10の下面には案内柱8の端面から案内柱8に貫設した取付孔12にかけて凹状の凹溝部15を設け、この凹溝部15にはC形ワッシャ48が挿入できるように形成する。係止部材3は第1実施例の係止部材3と同型のものを用いる。保持杆4は頭部30の上面に錠前などの錠杆を挿通することができるリング部36を突設し、頭部30の下面にはピン31を突設し、ピン31の先端にC形ワッシャ48が嵌入できる溝40が周設されている。
【0031】
引手5は基端に内方へ突出する枢軸42を設けるとともに、凹欠部44は保持杆4に設けたリング部36が挿通できる形に形成し、摘み部43にはスライダー1を対向状に突き合わせて使用する場合の便宜を図って衝合相手のスライダー1のリング部36を挿通できる長孔45を設ける。したがってスライダー1を衝合状に配置しない場合、たとえばカバンの開口部の端部に設けた止具などにリング部が回動自在に設けられているときは、引手5には長孔45を設ける必要はない。
【0032】
このスライダー1の組み付けは、保持杆4のピン31を係止部材3の透孔20に挿通して胴体2の取付孔12に挿入し、胴体2の凹溝部15内に現出している溝40にC形ワッシャ48を嵌入してピン31を回動自在に固定する。その後においてピン31に軸支された係止部材3に対し、引手5を圧入し枢軸42を脚部22の係止部23にスナップ係合させて揺動自在に軸支する。なお係止部材3は前記した他のタイプの係止部材3を用いることもできる。
【0033】
図11、12に示す第3実施例のスライドファスナー用スライダーは、胴体2、係止部材3、保持杆4、引手5、リング部材6および六角頭付ナット49の6部材から構成され、胴体2は上翼板9の上面には案内柱8には貫設した取付孔12の周囲に円形の窪みとこの窪みに連なって案内柱8の前端に向けて片寄った凹条溝19を設けてリング部材6の収容部14を形成し、下翼板10は取付孔12の周辺が多少隆起し、胴体2に設ける取付孔12は上半部が小径孔18、下半部が拡径した大径孔17に形成して、六角頭付きナット49が挿入できるように形成する。係止部材3は第1実施例の係止部材3と同型のものを用いる。
【0034】
保持杆4は、円形の頭部30の下面にピン31を突設し、ピン31は胴体2の上面に配される部分を大径部32に形成し、取付孔12に挿入する部分を小径部33に形成するとともに、小径部33の先端側にはネジ34を刻設して六角頭付ナット49と螺合する。リング部材6は胴体2の収容部14に収容できるように円形の基板38と基板38に片寄った位置に突出する突出片39を設け、基板38の中心には胴体2の取付孔12と同径の挿通孔41を設け、また突出片39には錠前の錠杆が挿入できるリング部36を横設する。引手5は第1実施例の引手5と略同型のものを用いる。
【0035】
スライダー1の組み付けは、胴体2の上面に設けた収容部14にリング部材6を収容し、リング部材6の基板38上に係止部材3を重合し、この係止部材3の透孔20、基板38の挿通孔41に保持杆4のピン31における大径部32を挿通し、ピン31の小径部33を胴体2の取付孔12に挿入するとともに、胴体2の下面における取付孔12に挿入し固定されている六角頭付ナット49にピン31を螺合させ固定した後、引手5を係止部材3に対し圧入し、枢軸42を係止部材3の脚部22に設けた係止部23にスナップ係合してスライダー1が組み付けられる。このスライダー1は胴体2の前方へ向けてリング部36を片寄らせて設けたスライダー1同士を突き合わす衝合状態に配したとき、リング部36を重ね合わせて錠前の錠杆を挿通して施錠するスライダーである。
【0036】
図13に示す係止部材3と引手5の変形例は、係止部材3が樹脂製の円板29から形成し、円板29の対向外側面に凹部24を設けて係止部23を形成する。一方引手5は一端に枢軸42を内方へ向けて突設し、この枢軸42の先端外面を斜面を呈するように面取り部46を設けて、係止部23と枢軸42とを容易にスナップ係合できる形に形成したものである。
【0037】
【発明の効果】
この発明のスライドファスナー用スライダーは、以上説明したとおりの構成であり、この構成によって下記の効果を奏するものである。
【0038】
この発明のうち請求項1記載の発明は、スライダー胴体に、引手を係止できる係止部を備えた係止部材と、胴体に軸支し係止部材を回動可能に保持する保持杆とを配設し、引手を係止部材へ後付け可能に形成したことによって、スライダーに過酷な負荷が加わると、負荷に沿って引手が自由に前後左右に揺動し、また水平方向においては360度回動し負荷を軽減する効果があり、さらに引手が破損したときは、ファスナーチェンからスライダー胴体を取り外すことなく新しい引手を取り付けることができ、安価かつ迅速にカバンのライフギャランティに対応できる効果がある。
【0039】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、引手と係止部23とをスナップ係合させたことによって、引手を係止部材に対してきわめて簡易に取り付けることができ、しかも引手を自由自在に回動させることができる効果がある。
【0040】
請求項3および4記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の効果に加え、引手は非弾性体から形成し、弾性変形可能な係止部材に係止し、または引手を弾性変形可能に形成し、非弾性体の係止部材に係止させることによって、非弾性体または弾性体から形成された何れの引手であっても係止部材の係止部と引手の枢軸とを簡易かつ的確にスナップ係合させ係止できる効果がある。
【0041】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、係止部は、係止部材の可撓性を有する脚部に形成したことによって、係止部をきわめて簡単に作動効率のよい個所に設置することができる効果がある。
【0042】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、保持杆は一端に頭部を設け、保持杆の頭部と胴体との間に係止部材を抜脱不能に介設し、頭部により係止部を掩蔽したことによって、引手と係止部材とのスナップ係合部分を表面へ露呈させることなく、かつ枢軸を係止部から脱落するのを防ぎ、長期にわたって安定した係止状態を維持できる効果がある。
【0043】
請求項7および8記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の効果に加え、保持杆の頭部に施錠用のリング部を設置するか、または胴体上面に、前方へ突出する施錠用のリング部を収容できる収容部を設け、リング部を収容したことによって、各種タイプの施錠機構を備えたスライダーを簡易に作製できる効果がある。
【0044】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、引手に設けた枢軸の先端外面を斜面の面取り部を設けたことによって、引手の枢軸を係止部材の係止部に簡易かつ円滑にスナップ係合させ係止できる効果があるなど、この発明が奏する効果はきわめて顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スライドファスナーの第1実施例のスライダーの分解斜視図である。
【図2】同上スライダーの側面図である。
【図3】同上スライダーの図4におけるB−B線断面図である。
【図4】同上スライダーの図3におけるA−A線断面図である。
【図5】係止部材の第1変形例を示す斜視図である。
【図6】係止部材の第2変形例を示す斜視図である。
【図7】係止部材の第3変形例を示す斜視図である。
【図8】係止部材の第4変形例を示す斜視図である。
【図9】第2実施例のスライダーの分解斜視図である。
【図10】同上スライダーの断面図である。
【図11】第3実施例のスライダーの分解斜視図である。
【図12】同上スライダーの断面図である。
【図13】係止部材と引手の変形例を示す斜視図である。
【図14】公知のスライダーの分解斜視図である。
【符号の説明】
1 スライダー
2 胴体
3 係止部材
4 保持杆
5 引手
14 収容部
22 脚部
23 係止部
30 頭部
36 リング部
42 枢軸
46 面取り部
【発明の属する技術分野】
この発明は、スライドファスナー用スライダーであって、スライダー胴体の上翼板上で引手が揺動および回動が自由にでき、かつ引手を後付けできる引手回動タイプのスライドファスナー用スライダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スライドファスナー用スライダーにおいて、引手がスライダー胴体の上翼板上で揺動および回動自在に装備したスライダーは、たとえば図14に示すように、胴体の案内柱に貫接した取付孔に、頭部のある保持杆を挿通し、胴体と頭部との間に円盤を嵌挿し、この円盤の外面両側に切欠部を設け、この切欠部に引手に設けた軸部を嵌装するとともに、保持杆の下端を胴体下面で固定し、引手を揺動および回動自在に装備したスライダーが実公平7−46168号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、カバン業界においてはライフギャランティが盛んに行われており、カバンに装着されたスライドファスナーが破損した場合、その機能を破損前と同様に回復させることが要求されている。カバンに装着されるスライドファスナーにおいて最も破損する頻度が多い部分はスライダーであり、その原因はスライダーの引手が他の物品に引っ掛かることにより、スライダーの引手と胴体との間に捻りや引張りなどの負荷が過剰に加わり、引手の枢軸を破断して引手が脱落し、または胴体を変形させるためである。従来はこのようにスライダーが破損した場合、カバンに装着したスライドファスナーから破損したスライダーを取り外し、新たなスライダーを付け直す作業も行っていた。しかしこの作業は手間がかかり作業コストが嵩む問題があった。
【0004】
前項で述べた図14に示すスライダーは、引手が胴体に対し前後左右に揺動できるとともに、胴体上面において水平方向へ360度回動できるため、引手が捻りや引張りなどの負荷に対して反発することなく、引手と胴体との間に加わる負荷を緩和できる利点がある。しかし万が一引手の枢軸が破断した場合は、ファスナーチェンからスライダーを取り外して新しいスライダーに取り替えなければならないので、取り替えに手数を要しコスト高になるなど問題点がある。
【0005】
この発明は、上述の問題点を考慮して発明されたものであり、請求項1記載の発明は、スライドファスナーのスライダーにおける引手に過酷な捻りや引張りなどの負荷が加わっても、引手が胴体に対し前後左右また水平方向に360度回動できる形態で負荷を軽減し円滑な作動が行えるスライダーであり、また万が一引手が破損したときは、スライダーの胴体をファスナーチェンから取り外すことなく、胴体に対し新しい引手を取り付けることができるスライドファスナー用スライダーを提供することが主たる目的である。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、引手を係止部材に対してきわめて簡易に取り付けることができるスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。
【0007】
請求項3、4および5記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の目的に加え、非弾性体または弾性体から形成された何れの引手であっても、係止部材に対して引手を簡易かつ的確に係止できるスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。
【0008】
請求項6記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の目的に加え、係止部材を保持する保持杆の形態および保持杆と係止部材との関連を特定し、係止部材を安定した状態で保持するとともに、引手の係止を的確に行い維持できるスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。
【0009】
請求項7および8記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の目的に加え、カバンなどの施錠のためのリングを簡単にスライダーに設置し、簡易に施錠ができるように便宜を図ったスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。
【0010】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、引手の係止部分の形態を特定し、引手を簡易に係止部材に係止させることができるスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の発明は、スライドファスナーにおける引手5を自由に係止することができる係止部23を備え持った係止部材3をスライダー1の胴体2の案内柱8の上面に配し、この係止部材3を回動自在に保持する保持杆4を胴体2の案内柱8に貫設した取付孔12に軸支し、引手5を係止部材3の係止部23に対し後付け、すなわち保持杆4に回動自在に保持された状態の係止部材3に対して引手5を取り付けることができるように形成したスライドファスナー用スライダーを主な構成とするものである。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、引手5の枢軸42を係止部23に対し、スナップ係合すなわち凸型と凹型による係合ができるように形成したスライドファスナー用スライダーである。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、引手5は金属製の非弾性体から形成し、係止部材3は合成樹脂製またはゴム製などの弾性体から形成し、係止部材3が弾性変形して引手5の枢軸42を係止部23に係止させるスライドファスナー用スライダーである。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、引手5は合成樹脂製の弾性体から形成し、係止部材3は金属製の非弾性体から形成し、引手5が弾性変形して引手5の枢軸42を係止部23に係止させるスライドファスナー用スライダーである。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、引手5を係止する係止部23は、主に合成樹脂製の係止部材3に形成した可撓性を備え持った脚部22の表面に形成した凹陥状の凹部24、または脚部22の先端を分離対向して凹部24を設けて係止部23を形成したスライドファスナー用スライダーである。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、係止部材3を嵌挿して保持する保持杆4は、保持杆4の頭部30と胴体2との間に係止部材3を抜脱できないように介設し、保持杆4の頭部30によって係止部材3の係止部23を掩蔽し、引手5の枢軸42が係止部23から抜脱できないように形成したスライドファスナー用スライダーである。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、胴体2の案内柱8に設けた取付孔12に挿通した保持杆4は、保持杆4に設けた頭部30の表面に上方へ突出し、カバンの施錠に供するリング部36を設けたスライドファスナー用スライダーである。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、胴体2の上面の案内柱8に設けた取付孔12の周囲に胴体2の前面へ突出し、対向し突き合わせるスライダー1のリング部36と重合して施錠できるリング部材6を収容してリング部36を突設したスライドファスナー用スライダーである。
【0019】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、引手5の両側に設けた枢軸42の先端外面を斜面の面取り部46を設けて係止部材3の係止部23に簡易に挿入できるように形成したスライドファスナー用スライダーである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のスライドファスナー用スライダーの実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0021】
この発明のスライドファスナー用スライダーは、図1〜4に示す第1実施例のスライドファスナー用スライダーは、図1に示すようにスライダー1は、胴体2、係止部材3、保持杆4、引手5、ワッシャ47の5部材から構成され、胴体2は亜鉛合金、アルミニウム合金などの金属をダイカスト成形手段によって成形し、胴体2は上翼板9と下翼板10の両側にファスナーエレメントをガイドするガイドフランジ11が設けられている。上翼板9と下翼板10の表面は外方へ円板状に隆出し、その中心で案内柱8に相当する部分に円形の貫通する取付孔12を設ける。この取付孔12は上半部が大径孔17、下半部が小径孔18に形成し、小径孔18の下端は拡径状の凹陥部13が形成されている。
【0022】
係止部材3はポリアセタール、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いて射出成形手段で成形する。係止部材3は概略円板状で中心に円形の透孔20を設けてその外側に円環部21を形成し、円環部21の一部に外方へ突出する連結突片26を設け、この連結突片26から左右に円弧状に延出された脚部22を円環部21の周辺に形成し、延出された両側の脚部22の中心線上に表面が凹状に窪んだ凹部24を設けて係止部23を形成する。この係止部23は連結突片26を中心として内外に弾発し、引手5の枢軸42を係止することができる。
【0023】
保持杆4は金属製であり、円柱状のピン31の一端に円板状の頭部30を設け、この頭部30は前記係止部材3の外径と略同一の大きさに形成し、ピン31の径は係止部材3の透孔20に嵌挿できる大きさであり、ピン31の頭部30側半部は大径部32、下半部は小径部33に形成して胴体2に穿設した取付孔12に係止部材3を挿通して挿入し、ピンの下端を圧潰して胴体2の下翼板10に凹設した凹陥部13に圧着固定する。なおピン31は胴体2と係止部材3間にワッシャ47を介在させ、係止部材3を回動自在に保持する。
【0024】
引手5は胴体2と同様に金属から成形し、一端に適宜形状の摘み部43を設け、他端は円弧状に切り欠いて凹欠部44を形成し、凹欠部44の入口両側に内方へ突出する短尺の枢軸42を設ける。引手5の両側の枢軸42は係止部材3の可撓性のある脚部22の表面に設けた係止部23に圧入し係止し、引手5は胴体2上面において水平方向に360度自由に回動できる。さらに引手5は凹欠部44を保持杆4の頭部30の外周形状に略合致させてあるから、枢軸42を中心に前後にも揺動できるスライダーである。
【0025】
以上説明したとおりの構成であり、スライダー1の組み付けは、まず保持杆4のピン31に係止部材3の透孔20を挿通し、ワッシャ47を挿通した後に胴体2の取付孔12に挿入し、取付孔12の下端に突出するピン31を圧潰して保持杆4を凹陥部13に固定する。保持杆4に回動自在に軸支された係止部材3の係止部23に対し、引手5の枢軸42を脚部22の弾発性を利用して挿入し、スナップ係合させスライダー1の組み付けが完了する。組み付けられた引手5の枢軸42は係止部材3の係止部23から上方への脱却は、保持杆4の頭部30の掩蔽によって抜脱を防止することができる。
【0026】
スライダー1に使用される係止部材3の形態は、図5〜8に示す変形例の如く各種タイプがある。図5に示す係止部材3は、樹脂製で中央に円形の透孔20を設けた円環部21を形成し、円環部21の対面から外方へ連結突片26を設け、連結突片26の先端に左右へ円弧状に延出する脚部22を設け、円弧状の脚部22の先端が対面する個所に切欠凹部25を設けて係止部23を形成し、脚部22は可撓性を備えている。
【0027】
図6に示す係止部材3は、金属製の円板29の中央に円形の透孔20を穿設し、透孔20の左右の円板29に切り起こした突片28を対向させて凹部24を形成し、円板29の左右に形成した凹部24を係止部23として用い、この際、図13に示すような引手5における枢軸42を利用して弾性変形させて係止部23に係止する。
【0028】
図7に示す係止部材3は、金属製または樹脂製の円板29の中央に円形の透孔20を穿設し、透孔20の左右の円板29に頂点が表面へ突出するU字状の凹部24を設けて係止部23を形成する。引手5の枢軸42を挿入するときは、円板29を押圧し弾性変形させて係止部23に係止させる。
【0029】
図8に示す係止部材3は、円板29の対向する外側面に凹部24を設けて係止部23を形成する。この円板29は弾性に富んだゴム材から形成し、円板29を押圧し弾性変形させて引手5の枢軸42を係止部23に係止する。
【0030】
図9、10に示す第2実施例のスライドファスナー用スライダーは、胴体2、係止部材3、保持杆4、引手5およびC形ワッシャ48の5部材から構成され、胴体2は上翼板9の上面は平坦状であり、下翼板10の下面には案内柱8の端面から案内柱8に貫設した取付孔12にかけて凹状の凹溝部15を設け、この凹溝部15にはC形ワッシャ48が挿入できるように形成する。係止部材3は第1実施例の係止部材3と同型のものを用いる。保持杆4は頭部30の上面に錠前などの錠杆を挿通することができるリング部36を突設し、頭部30の下面にはピン31を突設し、ピン31の先端にC形ワッシャ48が嵌入できる溝40が周設されている。
【0031】
引手5は基端に内方へ突出する枢軸42を設けるとともに、凹欠部44は保持杆4に設けたリング部36が挿通できる形に形成し、摘み部43にはスライダー1を対向状に突き合わせて使用する場合の便宜を図って衝合相手のスライダー1のリング部36を挿通できる長孔45を設ける。したがってスライダー1を衝合状に配置しない場合、たとえばカバンの開口部の端部に設けた止具などにリング部が回動自在に設けられているときは、引手5には長孔45を設ける必要はない。
【0032】
このスライダー1の組み付けは、保持杆4のピン31を係止部材3の透孔20に挿通して胴体2の取付孔12に挿入し、胴体2の凹溝部15内に現出している溝40にC形ワッシャ48を嵌入してピン31を回動自在に固定する。その後においてピン31に軸支された係止部材3に対し、引手5を圧入し枢軸42を脚部22の係止部23にスナップ係合させて揺動自在に軸支する。なお係止部材3は前記した他のタイプの係止部材3を用いることもできる。
【0033】
図11、12に示す第3実施例のスライドファスナー用スライダーは、胴体2、係止部材3、保持杆4、引手5、リング部材6および六角頭付ナット49の6部材から構成され、胴体2は上翼板9の上面には案内柱8には貫設した取付孔12の周囲に円形の窪みとこの窪みに連なって案内柱8の前端に向けて片寄った凹条溝19を設けてリング部材6の収容部14を形成し、下翼板10は取付孔12の周辺が多少隆起し、胴体2に設ける取付孔12は上半部が小径孔18、下半部が拡径した大径孔17に形成して、六角頭付きナット49が挿入できるように形成する。係止部材3は第1実施例の係止部材3と同型のものを用いる。
【0034】
保持杆4は、円形の頭部30の下面にピン31を突設し、ピン31は胴体2の上面に配される部分を大径部32に形成し、取付孔12に挿入する部分を小径部33に形成するとともに、小径部33の先端側にはネジ34を刻設して六角頭付ナット49と螺合する。リング部材6は胴体2の収容部14に収容できるように円形の基板38と基板38に片寄った位置に突出する突出片39を設け、基板38の中心には胴体2の取付孔12と同径の挿通孔41を設け、また突出片39には錠前の錠杆が挿入できるリング部36を横設する。引手5は第1実施例の引手5と略同型のものを用いる。
【0035】
スライダー1の組み付けは、胴体2の上面に設けた収容部14にリング部材6を収容し、リング部材6の基板38上に係止部材3を重合し、この係止部材3の透孔20、基板38の挿通孔41に保持杆4のピン31における大径部32を挿通し、ピン31の小径部33を胴体2の取付孔12に挿入するとともに、胴体2の下面における取付孔12に挿入し固定されている六角頭付ナット49にピン31を螺合させ固定した後、引手5を係止部材3に対し圧入し、枢軸42を係止部材3の脚部22に設けた係止部23にスナップ係合してスライダー1が組み付けられる。このスライダー1は胴体2の前方へ向けてリング部36を片寄らせて設けたスライダー1同士を突き合わす衝合状態に配したとき、リング部36を重ね合わせて錠前の錠杆を挿通して施錠するスライダーである。
【0036】
図13に示す係止部材3と引手5の変形例は、係止部材3が樹脂製の円板29から形成し、円板29の対向外側面に凹部24を設けて係止部23を形成する。一方引手5は一端に枢軸42を内方へ向けて突設し、この枢軸42の先端外面を斜面を呈するように面取り部46を設けて、係止部23と枢軸42とを容易にスナップ係合できる形に形成したものである。
【0037】
【発明の効果】
この発明のスライドファスナー用スライダーは、以上説明したとおりの構成であり、この構成によって下記の効果を奏するものである。
【0038】
この発明のうち請求項1記載の発明は、スライダー胴体に、引手を係止できる係止部を備えた係止部材と、胴体に軸支し係止部材を回動可能に保持する保持杆とを配設し、引手を係止部材へ後付け可能に形成したことによって、スライダーに過酷な負荷が加わると、負荷に沿って引手が自由に前後左右に揺動し、また水平方向においては360度回動し負荷を軽減する効果があり、さらに引手が破損したときは、ファスナーチェンからスライダー胴体を取り外すことなく新しい引手を取り付けることができ、安価かつ迅速にカバンのライフギャランティに対応できる効果がある。
【0039】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、引手と係止部23とをスナップ係合させたことによって、引手を係止部材に対してきわめて簡易に取り付けることができ、しかも引手を自由自在に回動させることができる効果がある。
【0040】
請求項3および4記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の効果に加え、引手は非弾性体から形成し、弾性変形可能な係止部材に係止し、または引手を弾性変形可能に形成し、非弾性体の係止部材に係止させることによって、非弾性体または弾性体から形成された何れの引手であっても係止部材の係止部と引手の枢軸とを簡易かつ的確にスナップ係合させ係止できる効果がある。
【0041】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、係止部は、係止部材の可撓性を有する脚部に形成したことによって、係止部をきわめて簡単に作動効率のよい個所に設置することができる効果がある。
【0042】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、保持杆は一端に頭部を設け、保持杆の頭部と胴体との間に係止部材を抜脱不能に介設し、頭部により係止部を掩蔽したことによって、引手と係止部材とのスナップ係合部分を表面へ露呈させることなく、かつ枢軸を係止部から脱落するのを防ぎ、長期にわたって安定した係止状態を維持できる効果がある。
【0043】
請求項7および8記載の発明は、それぞれ請求項1記載の発明の効果に加え、保持杆の頭部に施錠用のリング部を設置するか、または胴体上面に、前方へ突出する施錠用のリング部を収容できる収容部を設け、リング部を収容したことによって、各種タイプの施錠機構を備えたスライダーを簡易に作製できる効果がある。
【0044】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、引手に設けた枢軸の先端外面を斜面の面取り部を設けたことによって、引手の枢軸を係止部材の係止部に簡易かつ円滑にスナップ係合させ係止できる効果があるなど、この発明が奏する効果はきわめて顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スライドファスナーの第1実施例のスライダーの分解斜視図である。
【図2】同上スライダーの側面図である。
【図3】同上スライダーの図4におけるB−B線断面図である。
【図4】同上スライダーの図3におけるA−A線断面図である。
【図5】係止部材の第1変形例を示す斜視図である。
【図6】係止部材の第2変形例を示す斜視図である。
【図7】係止部材の第3変形例を示す斜視図である。
【図8】係止部材の第4変形例を示す斜視図である。
【図9】第2実施例のスライダーの分解斜視図である。
【図10】同上スライダーの断面図である。
【図11】第3実施例のスライダーの分解斜視図である。
【図12】同上スライダーの断面図である。
【図13】係止部材と引手の変形例を示す斜視図である。
【図14】公知のスライダーの分解斜視図である。
【符号の説明】
1 スライダー
2 胴体
3 係止部材
4 保持杆
5 引手
14 収容部
22 脚部
23 係止部
30 頭部
36 リング部
42 枢軸
46 面取り部
Claims (9)
- スライダー胴体2に、引手5を係止できる係止部23を備えた係止部材3と、胴体2に軸支し係止部材3を回動可能に保持する保持杆4とを配設し、引手5を係止部材3へ後付け可能に形成してなることを特徴とするスライドファスナー用スライダー。
- 引手5と係止部23とをスナップ係合させてなる請求項1記載のスライドファスナー用スライダー。
- 引手5は非弾性体から形成し、弾性変形可能な係止部材3に係止してなる請求項1記載のスライドファスナー用スライダー。
- 引手5は弾性変形可能に形成し、非弾性体の係止部材3に係止してなる請求項1記載のスライドファスナー用スライダー。
- 係止部23は、係止部材3の可撓性を有する脚部22に形成してなる請求項1記載のスライドファスナー用スライダー。
- 保持杆4は一端に頭部30を設け、保持杆4の頭部30と胴体2との間に係止部材3を抜脱不能に介設し、頭部30によって係止部23を掩蔽してなる請求項1記載のスライドファスナー用スライダー。
- 保持杆4の頭部30に施錠用のリング部36を設置してなる請求項1記載のスライドファスナー用スライダー。
- 胴体2上面に、前方へ突出する施錠用のリング部36を収容できる収容部14を設け、リング部36を収容してなる請求項1記載のスライドファスナー用スライダー。
- 引手5に設けた枢軸42の先端外面を斜面に面取り部46を設けてなる請求項1記載のスライドファスナー用スライダー。
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