JP2004049151A - 魚釣用リール - Google Patents
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Abstract
【課題】歯車を有する動力伝達機構を備えた魚釣用リールにおいて、歯車の耐久性の向上が図れると共に、振動の発生や回転不良等の発生を抑え、高負荷が作用しても動力の伝達力が不足することのない魚釣用リールを提供する。
【解決手段】本発明の魚釣用リールは、リール本体1に回転可能に支持されたハンドル6の回転操作でリール本体に支持されたロータ2を駆動すべく、駆動力を伝達する動力伝達機構7を備えており、その駆動力伝達部に、マグネットによる非接触回転動力伝達手段8b,9bと歯車による回転動力伝達手段8a,9aを併設したことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の魚釣用リールは、リール本体1に回転可能に支持されたハンドル6の回転操作でリール本体に支持されたロータ2を駆動すべく、駆動力を伝達する動力伝達機構7を備えており、その駆動力伝達部に、マグネットによる非接触回転動力伝達手段8b,9bと歯車による回転動力伝達手段8a,9aを併設したことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、魚釣用リールは、ハンドルの巻取り操作による回転駆動力をスプール側に伝達するために、歯車同士の噛合による動力伝達機構を用いている。このような動力伝達機構は、スピニングリールでは、例えば、特開昭56−134941号に開示されているように、ハンドル軸に装着された駆動歯車(フェースギヤ)、及びこれに噛合するピニオン歯車が挙げられ、両軸リールでは、例えば、実開昭58−7571号に開示されているように、ハンドル軸に装着された駆動歯車、及びこれに噛合するピニオン歯車が挙げられる。
【0003】
ところで、魚釣用リールにおける上記した歯車による動力伝達機構では、
▲1▼歯車同士の並行度を出さないと偏摩耗する。▲2▼歯車の噛み合い調整(バックラッシュ調整)を確実に行なわないと、振動の発生(ガタ付き)や回転不良(回転が重くなる)等の不具合が生じる。▲3▼複数の歯車を組み合わせて使用する場合、各歯車間のバックラッシュ量が積み重なって、最終的に入力体(ハンドル)と出力体(ロータ・スプール等)との間のガタが大きくなる。▲4▼長期間に亘って使用すると、歯車の摩耗によるバックラッシュ量の増大、摩耗粉塵などの影響による回転不良が発生する。
といった不具合があり、改善の余地が残されている。
【0004】
一方、近年においては、特開平11−55932号や、特開平11−268809号に開示されているように、歯車を用いず、且つ非接触によって動力を伝達する動力伝達手段が知られている。このような動力伝達手段は、異音の発生が無く、又不快な振動、摩耗粉塵等が発生しないことから、上記した▲1▼〜▲4▼の不具合が解決でき、新たな動力伝達手段として注目されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した動力伝達手段を魚釣用リールに用いる場合、低負荷時には動力伝達に不具合が発生することは少ないが、魚が掛かったとき等、高負荷時に動力の伝達力不足に陥り易い。すなわち、上記した動力伝達手段は、マグネットの磁気作用を利用して動力を伝達するものであることから、高負荷時にトルク不足が発生するという不具合があり、そのまま魚釣用リールに使用すると不都合が生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、上述した問題に基づいて成されたものであり、歯車を有する動力伝達機構を備えた魚釣用リールにおいて、歯車の耐久性の向上が図れると共に、振動の発生(ガタ付き)や回転不良(回転が重くなる)等の発生を抑え、高負荷が作用しても動力の伝達力が不足することのない魚釣用リールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用リールは、リール本体に回転可能に支持されたハンドルの回転操作でリール本体に支持された回転体を駆動すべく、駆動力を伝達する動力伝達機構を備えた構成において、前記動力伝達機構における駆動力伝達部に、マグネットによる非接触回転動力伝達手段と歯車同士の噛合による回転動力伝達手段を併設したことを特徴とする。
【0008】
上記した駆動力伝達部に併設されたマグネットによる非接触回転動力伝達手段と歯車同士の噛合による回転動力伝達手段は、低負荷時においては、マグネットによる非接触回転動力伝達手段が優先的に機能し、高負荷時においては、マグネットによる非接触回転動力伝達手段が滑って、歯車による回転動力伝達手段が優先的に機能するようになっている。すなわち、歯車同士は、低負荷時には動力伝達の機能を発揮せず、高負荷時に噛み合って動力を伝達するように機能することから、歯車の耐久性の向上、振動の発生の防止が図れると共に、動力の伝達力不足も解消される。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜図7は、本発明の第1の実施形態を示す図であり、図1は、スピニングリールの内部構成を示す側面図、図2は、スピニングリールの内部構成を示す平面図、図3は、駆動歯車とピニオン歯車の噛合部分を示す図、図4は、図3のA−A線に沿った断面図、図5は、駆動歯車とピニオン歯車の噛合状態、及び着磁された磁力線の方向を示す図、図6は、オシレート装置を示す図、そして、図7は、オシレート歯車とピニオン歯車の噛合部分を示す図である。
【0010】
スピニングリールのリール本体1には、釣竿に装着されるリール脚1aが一体形成されており、その前方には回転可能に支持されたロータ(回転体)2と、ロータ2の回転運動と同期して前後動可能に支持されたスプール3が配設されている。
【0011】
リール本体1内には、一対の軸受を介してハンドル軸5が回転可能に支持されており、その突出端部には、ハンドル6が取り付けられている。また、ハンドル軸5には、ハンドル6の回転操作を、前記ロータ2の回転運動、及びスプールの前後動に伝達する動力伝達機構7が係合している。この動力伝達機構7は、ハンドル軸5に取り付けられ、内歯となる歯部8aが形成された駆動歯車8(フェースギヤ)と、この駆動歯車8に噛合すると共に、ハンドル軸5と直交する方向に延出し、内部に軸方向に貫通する空洞部が形成されたピニオン歯車9とを備えており、このピニオン歯車9には、前記スプール3を前後往復駆動させるためのオシレート装置10が係合している。
【0012】
ピニオン歯車9は、歯部9aを具備し、一対の軸受を介してリール本体内に回転可能に支持されており、その空洞部には、ハンドル軸5と直交する方向に延出し、先端側に前記スプール3を装着したスプール軸12が軸方向に移動可能に挿通されている。また、ピニオン歯車9には、その先端部に前記ロータ2が取り付けられると共に、その中間部分に一方向クラッチ15が係合しており、リール本体1の外部に取り付けられているレバー16を回動操作することで、一方向クラッチを作動させ、ハンドル6の逆回転を防止するようになっている。
【0013】
前記ロータ2には、スプール3の回りを回転するように、一対の腕部2aが一体形成されており、夫々の前端部には、ベール2bの基端部を取り付けたベール支持部材2cが釣糸巻取り位置と釣糸放出位置との間で回動自在に支持されている。なお、ベール2bの一方の基端部は、ベール支持部材2cに一体的に設けられた釣糸案内部2dに取り付けられている。
【0014】
前記オシレート装置10は、リール本体内に回転可能に支持され、スプール軸12と平行に延出するトラバースカム軸17と、スプール軸10の基端部に抜け止め固定された摺動子18と、トラバースカム軸17の端部に取り付けられ、前記ピニオン歯車9と噛合するオシレート歯車19とを備えている。そして、前記摺動子18には、トラバースカム軸17の外周面に形成された螺旋溝17aと係合する係合ピン18aが保持されており、トラバースカム軸17が回転駆動されることにより、係合ピン18aが螺旋溝17aに案内され、スプール軸12が前後往復駆動されるようになっている。
【0015】
上記した構成により、ハンドル6を巻取り操作することで、動力伝達機構7を介してロータ2が回転駆動されると共に、これに係合するオシレート装置10を介してスプール3が前後往復駆動され、釣糸は、釣糸案内部2dを介してスプール3に均等に巻回される。すなわち、ハンドル6の巻取り操作により、ロータ2は、駆動歯車8及びピニオン歯車9を介して回転駆動され、スプール3は、駆動歯車8、ピニオン歯車9及びオシレート歯車19を介して前後往復駆動される。
【0016】
そして、上記した動力伝達機構7には、実際に動力伝達が成される部分に、マグネットによる非接触型の回転動力伝達手段が設けられている。以下、この非接触型の回転動力伝達手段について説明する。
【0017】
上記の駆動歯車8は、図5に示すように円板状に構成されており、その外周端部に、前記ピニオン歯車9の歯部9aと噛合する歯部8aが輪帯状に形成され、かつその歯部8aの径方向内側には、歯部8aと同芯で輪帯状に磁性回転体8bが設けられている。この磁性回転体8bは、ピニオン歯車9の歯部9aの先端縁と一定の隙間が規定されるように平坦状に形成されており、N極、S極が交互となるように着磁された磁性体(永久磁石)によって構成されている。
【0018】
一方、ピニオン歯車9には、リール本体側の端部領域の前記磁性回転体8bと対向する位置において、歯部9aの一部を切欠いて歯部9aの外径と同一の外径を有する磁性回転体9bが設けられている。この磁性回転体9bは、ピニオン歯車9が回転した際、前記磁性回転体と一定の隙間が規定されるように円筒状に形成されており、N極、S極が交互となるように着磁された磁性体(永久磁石)によって構成されている。
【0019】
図5に示す点線は、それぞれ着磁された磁性回転体8b,9bの磁力線の方向を示しており、これにより、ハンドル軸5がハンドル6の巻取り操作によって回転駆動されると、各磁性回転体8b,9bの磁気作用によって、磁性回転体8bに入力された回転駆動力は、ピニオン歯車9に伝達されるようになる。
【0020】
なお、駆動歯車8の歯部8aとピニオン歯車9の歯部9aとは、噛合関係にあるが、両者の歯部の間には、歯車間の回転が円滑に成されるように、所定の隙間(バックラッシュ)が形成されている。この場合、図4に示すように、バックラッシュは、上記した各磁性回転体8b,9bとの関係で、両磁性回転体による磁気作用によって回転駆動力が伝達されている状態では、両歯部8a,9aの表面同士が接触しないように設定しておくことが好ましい。このように構成することで、低負荷状態では、歯車同士は噛み合わないことから駆動抵抗が無くなって回転を滑らかに行なうことが可能となり、高負荷状態では、非接触回転動力伝達手段が滑ることから、駆動歯車8の歯部8aとピニオン歯車9の歯部9aとが確実に噛み合って動力伝達が可能な状態となる。
【0021】
或いは、図4に示す構成において、磁性回転体8b,9bのいずれか一方の着磁パターンを若干ずらし、両歯部8a,9aが、円周方向で強制的に当て付けられるようにしておいても良い。このように構成することで、一方の歯車の歯部が常時、他方の歯部に向けて当て付けられた状態(付勢された状態)にあることから、バックラッシュ除去効果が得られるようになる。このようなバックラッシュ除去効果は、特に、オシレート装置において、往復運動中の往復動切換え部分で生じ易い歯面同士の衝接を無くすこととなり、振動や異音の発生を効果的に防止することが可能となる。
【0022】
以上のような歯車同士の接触による回転動力伝達手段、及び磁気作用による非接触回転動力伝達手段を、動力伝達機構7の動力伝達部分に併設したことによって以下の作用効果が得られる。
【0023】
ハンドル6を巻取り操作する際、低負荷状態では、上記した非接触回転動力伝達手段によってロータを回転駆動することが可能となり、歯車同士の噛合による駆動抵抗を軽減乃至は無くして回転を滑らかに行なうことが可能となる。また、魚が掛かった場合等、高負荷状態では、上記した非接触回転動力伝達手段が滑ることから、駆動歯車8の歯部8aとピニオン歯車9の歯部9aとが確実に噛み合って動力伝達が可能な状態となる。従って、低負荷時には歯車同士による回転動力の伝達が成されないため、歯車の耐久性の向上が図れると共に、高負荷状態における非接触回転動力手段の駆動力不足の解消を同時に図ることが可能となる。
【0024】
特に、上記した構成を、釣糸の巻取りを行なう部分(巻取り機構)に配設したことで、実釣時における仕掛けの回収や仕掛けへのアクションを加えるとき等の低負荷時は、非接触回転動力伝達手段で駆動して巻取り駆動抵抗を軽減して回転を滑らかにすることができ、魚が掛かった際や根掛かり等の高負荷時は歯車による動力伝達で強力に巻き取ることができるので、歯車の耐久性の向上、非接触回転動力伝達手段の巻上げ力不足の解消を同時に図ることができる。
【0025】
また、低負荷時に磁性回転体による動力伝達手段を用いることで、歯車を用いた場合に発生する通常巻取り時の不快な振動が無くなり、また、歯車のバックラッシュ調整等の煩わしい調整作業が必要とされなくなる。
【0026】
なお、上記したような非接触回転動力伝達手段は、図7に示すように、オシレート装置10のオシレート歯車19にも、同様に設けておくことが好ましい。すなわち、オシレート歯車19の歯部19aは、上記したピニオン歯車9の歯部9aと噛合関係にあるが、このオシレート歯車19に、上記したピニオン歯車9に設けられた磁性回転体9bと所定の間隔をおいて対向する磁性回転体19bを設けておくことが好ましい。
【0027】
このようにオシレート歯車部分にも、磁性回転体を設けておくことで、より効果的にピニオン歯車9の歯部9aの耐久性の向上が図れると共に、オシレート歯車19の歯部19aの耐久性の向上も図れるようになる。また、このように複数の駆動力伝達部に、非接触回転動力伝達手段を配設しておくことで、リール全体として、低振動で滑らかな駆動状態が得られるようになる。
【0028】
図8〜図11は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、図8は、両軸受型リールの内部構成の一部を示す平面図、図9は、駆動歯車とピニオン歯車の噛合部分を示す図、図10は、図9のB−B線に沿った断面図、そして、図11は、駆動歯車とピニオン歯車の噛合状態、及び着磁された磁力線の方向を示す図である。
【0029】
両軸受型リールのリール本体30には、左右の側板31a,31b間に、釣糸が巻回されるスプール(回転体)33が取り付けられたスプール軸34が軸受を介して回転可能に支持されている。このスプール33は、右側板31aから突出するハンドル軸35の端部に取り付けられたハンドル36を回転操作することによって動力伝達機構37を介して回転駆動される。
【0030】
そして、この動力伝達機構は、ハンドル軸35に対して回転可能に取り付けられ、環状凹所を有する駆動歯車38と、この駆動歯車38に噛合すると共に、前記スプール軸34と継脱され、軸受を介して右側板内で回転自在に支持されたピニオン歯車39とを備えている。
【0031】
前記駆動歯車38には、魚釣時にスプール33から釣糸が繰り出された際、スプール33にドラグ力を付与するドラグ機構40が係合している。このドラグ機構40は、前記駆動歯車38の環状凹所内に収容されるライニング材及びライニング材に面接する相手材を具備する制動部材42と、ハンドル軸35の突出端部に取り付けられたドラグ操作部材43とを備えており、このドラグ操作部材43を回転操作することで、制動部材42に対して所定の押圧力が付与され、ハンドル軸35と駆動歯車38との間に所定のドラグ力(制動力)が発生するようになっている。すなわち、ドラグ操作部材43の締め付け力を緩めておくと、魚が掛かった場合等、スプール33が釣糸繰り出し方向に回転した際、駆動歯車38は、ハンドル軸35に対して制動部材42による摩擦力が作用した状態で滑ることから、スプール33は制動力が加わった状態で回転可能となり、この結果、急激な負荷が釣糸に作用しても糸切れが防止される。
【0032】
また、左右側板31a,31b間には、レベルワインド装置50が配設されており、ハンドル36の巻取り操作に伴って、前記ハンドル軸35に装着された歯車51及びレベルワインド装置を駆動する歯車52を介して駆動力が伝達され、釣糸案内部53が左右往復駆動されるように構成されている。
【0033】
上記した構成によれば、ハンドル36を巻取り操作することで、動力伝達機構37の駆動歯車38、及びピニオン歯車39を介してスプール33が回転駆動され、釣糸は、前記レベルワインド装置50の釣糸案内部53を介してスプール33に均等に巻回される。
【0034】
そして、上記した実施形態と同様、前記動力伝達機構37には、動力伝達が成される部分にマグネットによる非接触型の回転動力伝達手段が併設されている。図9に示すように、駆動歯車38のハンドル側先端部分には、歯部38aと隣接して円筒状で、かつピニオン歯車39の歯部39aから軸方向にずれて磁性回転体38bが設けられている。この磁性回転体38bは、N極、S極が交互となるように着磁された磁性体(永久磁石)によって構成されている。
【0035】
一方、ピニオン歯車39には、その歯部39aに隣接し、前記磁性回転体38bと対向する位置に、歯部39aの外径と略同一の外径を有する磁性回転体39bが設けられている。この磁性回転体39bは、前記磁性回転体38bと一定の隙間が規定されるように円筒状に形成されており、N極、S極が交互となるように着磁された磁性体(永久磁石)によって構成されている。
【0036】
図11に示す点線は、それぞれ着磁された磁性回転体38b,39bの磁力線の方向を示しており、これにより、ハンドル軸35がハンドル36の巻取り操作によって回転駆動されると、各磁性回転体38b,39bの磁気作用によって、その回転駆動力は、ピニオン歯車39に伝達されるようになる。
【0037】
なお、駆動歯車38の歯部38aとピニオン歯車39の歯部39aとは、噛合関係にあるが、両者の歯部の間には、歯車間の回転が円滑に成されるように、所定の隙間(バックラッシュ)が形成されている。この場合、本実施形態においても、図10に示すように、バックラッシュは、上記した各磁性回転体38b,39bとの関係で、両磁性回転体による磁気作用によって回転駆動力が伝達されている状態では、両歯部38a,39aの表面同士が接触しないように設定しておくことが好ましい。
【0038】
以上のように、両軸受型リールにおいて、歯部同士の接触による回転動力伝達手段と、磁気作用による非接触回転動力伝達手段を、動力伝達機構37の動力伝達部分に併設したことによっても、上述したスピニングリールと同様な作用効果が得られる。なお、上記したような非接触回転動力伝達手段は、レベルワインド装置50を駆動する駆動力伝達部に設けても良い。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、各種の魚釣用リールにおいて適用することが可能であり、駆動力伝達が成される様々な位置に配設することが可能である。また、その併設位置は、低負荷時にマグネットによる非接触回転動力伝達手段が優先的に作動し、高負荷時には歯車による回転動力伝達手段が優先的に作動できるように構成されていれば、上記した実施形態に限定されることはない。
【0040】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、歯車を有する動力伝達機構を備えた魚釣用リールにおいて、歯車の耐久性の向上が図れると共に、振動の発生(ガタ付き)や回転不良(回転が重くなる)等の発生を抑え、高負荷が作用しても動力の伝達力が不足することのない魚釣用リールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図であり、スピニングリールの内部構成を示す側面図。
【図2】スピニングリールの内部構成を示す平面図。
【図3】駆動歯車とピニオン歯車の噛合部分を示す図。
【図4】図3のA−A線に沿った断面図。
【図5】駆動歯車とピニオン歯車の噛合状態、及び着磁された磁力線の方向を示す図。
【図6】オシレート装置を示す図。
【図7】オシレート歯車とピニオン歯車の噛合部分を示す図。
【図8】本発明の第2の実施形態を示す図であり、両軸受型リールの内部構成の一部を示す平面図。
【図9】駆動歯車とピニオン歯車の噛合部分を示す図。
【図10】図9のB−B線に沿った断面図。
【図11】駆動歯車とピニオン歯車の噛合状態、及び着磁された磁力線の方向を示す図。
【符号の説明】
1,30 リール本体
2 ロータ
6,36 ハンドル
7,37 動力伝達機構
8,38 駆動歯車
9,39 ピニオン歯車
8b,9b、38b,39b 磁性回転体
33 スプール
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、魚釣用リールは、ハンドルの巻取り操作による回転駆動力をスプール側に伝達するために、歯車同士の噛合による動力伝達機構を用いている。このような動力伝達機構は、スピニングリールでは、例えば、特開昭56−134941号に開示されているように、ハンドル軸に装着された駆動歯車(フェースギヤ)、及びこれに噛合するピニオン歯車が挙げられ、両軸リールでは、例えば、実開昭58−7571号に開示されているように、ハンドル軸に装着された駆動歯車、及びこれに噛合するピニオン歯車が挙げられる。
【0003】
ところで、魚釣用リールにおける上記した歯車による動力伝達機構では、
▲1▼歯車同士の並行度を出さないと偏摩耗する。▲2▼歯車の噛み合い調整(バックラッシュ調整)を確実に行なわないと、振動の発生(ガタ付き)や回転不良(回転が重くなる)等の不具合が生じる。▲3▼複数の歯車を組み合わせて使用する場合、各歯車間のバックラッシュ量が積み重なって、最終的に入力体(ハンドル)と出力体(ロータ・スプール等)との間のガタが大きくなる。▲4▼長期間に亘って使用すると、歯車の摩耗によるバックラッシュ量の増大、摩耗粉塵などの影響による回転不良が発生する。
といった不具合があり、改善の余地が残されている。
【0004】
一方、近年においては、特開平11−55932号や、特開平11−268809号に開示されているように、歯車を用いず、且つ非接触によって動力を伝達する動力伝達手段が知られている。このような動力伝達手段は、異音の発生が無く、又不快な振動、摩耗粉塵等が発生しないことから、上記した▲1▼〜▲4▼の不具合が解決でき、新たな動力伝達手段として注目されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した動力伝達手段を魚釣用リールに用いる場合、低負荷時には動力伝達に不具合が発生することは少ないが、魚が掛かったとき等、高負荷時に動力の伝達力不足に陥り易い。すなわち、上記した動力伝達手段は、マグネットの磁気作用を利用して動力を伝達するものであることから、高負荷時にトルク不足が発生するという不具合があり、そのまま魚釣用リールに使用すると不都合が生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、上述した問題に基づいて成されたものであり、歯車を有する動力伝達機構を備えた魚釣用リールにおいて、歯車の耐久性の向上が図れると共に、振動の発生(ガタ付き)や回転不良(回転が重くなる)等の発生を抑え、高負荷が作用しても動力の伝達力が不足することのない魚釣用リールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用リールは、リール本体に回転可能に支持されたハンドルの回転操作でリール本体に支持された回転体を駆動すべく、駆動力を伝達する動力伝達機構を備えた構成において、前記動力伝達機構における駆動力伝達部に、マグネットによる非接触回転動力伝達手段と歯車同士の噛合による回転動力伝達手段を併設したことを特徴とする。
【0008】
上記した駆動力伝達部に併設されたマグネットによる非接触回転動力伝達手段と歯車同士の噛合による回転動力伝達手段は、低負荷時においては、マグネットによる非接触回転動力伝達手段が優先的に機能し、高負荷時においては、マグネットによる非接触回転動力伝達手段が滑って、歯車による回転動力伝達手段が優先的に機能するようになっている。すなわち、歯車同士は、低負荷時には動力伝達の機能を発揮せず、高負荷時に噛み合って動力を伝達するように機能することから、歯車の耐久性の向上、振動の発生の防止が図れると共に、動力の伝達力不足も解消される。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜図7は、本発明の第1の実施形態を示す図であり、図1は、スピニングリールの内部構成を示す側面図、図2は、スピニングリールの内部構成を示す平面図、図3は、駆動歯車とピニオン歯車の噛合部分を示す図、図4は、図3のA−A線に沿った断面図、図5は、駆動歯車とピニオン歯車の噛合状態、及び着磁された磁力線の方向を示す図、図6は、オシレート装置を示す図、そして、図7は、オシレート歯車とピニオン歯車の噛合部分を示す図である。
【0010】
スピニングリールのリール本体1には、釣竿に装着されるリール脚1aが一体形成されており、その前方には回転可能に支持されたロータ(回転体)2と、ロータ2の回転運動と同期して前後動可能に支持されたスプール3が配設されている。
【0011】
リール本体1内には、一対の軸受を介してハンドル軸5が回転可能に支持されており、その突出端部には、ハンドル6が取り付けられている。また、ハンドル軸5には、ハンドル6の回転操作を、前記ロータ2の回転運動、及びスプールの前後動に伝達する動力伝達機構7が係合している。この動力伝達機構7は、ハンドル軸5に取り付けられ、内歯となる歯部8aが形成された駆動歯車8(フェースギヤ)と、この駆動歯車8に噛合すると共に、ハンドル軸5と直交する方向に延出し、内部に軸方向に貫通する空洞部が形成されたピニオン歯車9とを備えており、このピニオン歯車9には、前記スプール3を前後往復駆動させるためのオシレート装置10が係合している。
【0012】
ピニオン歯車9は、歯部9aを具備し、一対の軸受を介してリール本体内に回転可能に支持されており、その空洞部には、ハンドル軸5と直交する方向に延出し、先端側に前記スプール3を装着したスプール軸12が軸方向に移動可能に挿通されている。また、ピニオン歯車9には、その先端部に前記ロータ2が取り付けられると共に、その中間部分に一方向クラッチ15が係合しており、リール本体1の外部に取り付けられているレバー16を回動操作することで、一方向クラッチを作動させ、ハンドル6の逆回転を防止するようになっている。
【0013】
前記ロータ2には、スプール3の回りを回転するように、一対の腕部2aが一体形成されており、夫々の前端部には、ベール2bの基端部を取り付けたベール支持部材2cが釣糸巻取り位置と釣糸放出位置との間で回動自在に支持されている。なお、ベール2bの一方の基端部は、ベール支持部材2cに一体的に設けられた釣糸案内部2dに取り付けられている。
【0014】
前記オシレート装置10は、リール本体内に回転可能に支持され、スプール軸12と平行に延出するトラバースカム軸17と、スプール軸10の基端部に抜け止め固定された摺動子18と、トラバースカム軸17の端部に取り付けられ、前記ピニオン歯車9と噛合するオシレート歯車19とを備えている。そして、前記摺動子18には、トラバースカム軸17の外周面に形成された螺旋溝17aと係合する係合ピン18aが保持されており、トラバースカム軸17が回転駆動されることにより、係合ピン18aが螺旋溝17aに案内され、スプール軸12が前後往復駆動されるようになっている。
【0015】
上記した構成により、ハンドル6を巻取り操作することで、動力伝達機構7を介してロータ2が回転駆動されると共に、これに係合するオシレート装置10を介してスプール3が前後往復駆動され、釣糸は、釣糸案内部2dを介してスプール3に均等に巻回される。すなわち、ハンドル6の巻取り操作により、ロータ2は、駆動歯車8及びピニオン歯車9を介して回転駆動され、スプール3は、駆動歯車8、ピニオン歯車9及びオシレート歯車19を介して前後往復駆動される。
【0016】
そして、上記した動力伝達機構7には、実際に動力伝達が成される部分に、マグネットによる非接触型の回転動力伝達手段が設けられている。以下、この非接触型の回転動力伝達手段について説明する。
【0017】
上記の駆動歯車8は、図5に示すように円板状に構成されており、その外周端部に、前記ピニオン歯車9の歯部9aと噛合する歯部8aが輪帯状に形成され、かつその歯部8aの径方向内側には、歯部8aと同芯で輪帯状に磁性回転体8bが設けられている。この磁性回転体8bは、ピニオン歯車9の歯部9aの先端縁と一定の隙間が規定されるように平坦状に形成されており、N極、S極が交互となるように着磁された磁性体(永久磁石)によって構成されている。
【0018】
一方、ピニオン歯車9には、リール本体側の端部領域の前記磁性回転体8bと対向する位置において、歯部9aの一部を切欠いて歯部9aの外径と同一の外径を有する磁性回転体9bが設けられている。この磁性回転体9bは、ピニオン歯車9が回転した際、前記磁性回転体と一定の隙間が規定されるように円筒状に形成されており、N極、S極が交互となるように着磁された磁性体(永久磁石)によって構成されている。
【0019】
図5に示す点線は、それぞれ着磁された磁性回転体8b,9bの磁力線の方向を示しており、これにより、ハンドル軸5がハンドル6の巻取り操作によって回転駆動されると、各磁性回転体8b,9bの磁気作用によって、磁性回転体8bに入力された回転駆動力は、ピニオン歯車9に伝達されるようになる。
【0020】
なお、駆動歯車8の歯部8aとピニオン歯車9の歯部9aとは、噛合関係にあるが、両者の歯部の間には、歯車間の回転が円滑に成されるように、所定の隙間(バックラッシュ)が形成されている。この場合、図4に示すように、バックラッシュは、上記した各磁性回転体8b,9bとの関係で、両磁性回転体による磁気作用によって回転駆動力が伝達されている状態では、両歯部8a,9aの表面同士が接触しないように設定しておくことが好ましい。このように構成することで、低負荷状態では、歯車同士は噛み合わないことから駆動抵抗が無くなって回転を滑らかに行なうことが可能となり、高負荷状態では、非接触回転動力伝達手段が滑ることから、駆動歯車8の歯部8aとピニオン歯車9の歯部9aとが確実に噛み合って動力伝達が可能な状態となる。
【0021】
或いは、図4に示す構成において、磁性回転体8b,9bのいずれか一方の着磁パターンを若干ずらし、両歯部8a,9aが、円周方向で強制的に当て付けられるようにしておいても良い。このように構成することで、一方の歯車の歯部が常時、他方の歯部に向けて当て付けられた状態(付勢された状態)にあることから、バックラッシュ除去効果が得られるようになる。このようなバックラッシュ除去効果は、特に、オシレート装置において、往復運動中の往復動切換え部分で生じ易い歯面同士の衝接を無くすこととなり、振動や異音の発生を効果的に防止することが可能となる。
【0022】
以上のような歯車同士の接触による回転動力伝達手段、及び磁気作用による非接触回転動力伝達手段を、動力伝達機構7の動力伝達部分に併設したことによって以下の作用効果が得られる。
【0023】
ハンドル6を巻取り操作する際、低負荷状態では、上記した非接触回転動力伝達手段によってロータを回転駆動することが可能となり、歯車同士の噛合による駆動抵抗を軽減乃至は無くして回転を滑らかに行なうことが可能となる。また、魚が掛かった場合等、高負荷状態では、上記した非接触回転動力伝達手段が滑ることから、駆動歯車8の歯部8aとピニオン歯車9の歯部9aとが確実に噛み合って動力伝達が可能な状態となる。従って、低負荷時には歯車同士による回転動力の伝達が成されないため、歯車の耐久性の向上が図れると共に、高負荷状態における非接触回転動力手段の駆動力不足の解消を同時に図ることが可能となる。
【0024】
特に、上記した構成を、釣糸の巻取りを行なう部分(巻取り機構)に配設したことで、実釣時における仕掛けの回収や仕掛けへのアクションを加えるとき等の低負荷時は、非接触回転動力伝達手段で駆動して巻取り駆動抵抗を軽減して回転を滑らかにすることができ、魚が掛かった際や根掛かり等の高負荷時は歯車による動力伝達で強力に巻き取ることができるので、歯車の耐久性の向上、非接触回転動力伝達手段の巻上げ力不足の解消を同時に図ることができる。
【0025】
また、低負荷時に磁性回転体による動力伝達手段を用いることで、歯車を用いた場合に発生する通常巻取り時の不快な振動が無くなり、また、歯車のバックラッシュ調整等の煩わしい調整作業が必要とされなくなる。
【0026】
なお、上記したような非接触回転動力伝達手段は、図7に示すように、オシレート装置10のオシレート歯車19にも、同様に設けておくことが好ましい。すなわち、オシレート歯車19の歯部19aは、上記したピニオン歯車9の歯部9aと噛合関係にあるが、このオシレート歯車19に、上記したピニオン歯車9に設けられた磁性回転体9bと所定の間隔をおいて対向する磁性回転体19bを設けておくことが好ましい。
【0027】
このようにオシレート歯車部分にも、磁性回転体を設けておくことで、より効果的にピニオン歯車9の歯部9aの耐久性の向上が図れると共に、オシレート歯車19の歯部19aの耐久性の向上も図れるようになる。また、このように複数の駆動力伝達部に、非接触回転動力伝達手段を配設しておくことで、リール全体として、低振動で滑らかな駆動状態が得られるようになる。
【0028】
図8〜図11は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、図8は、両軸受型リールの内部構成の一部を示す平面図、図9は、駆動歯車とピニオン歯車の噛合部分を示す図、図10は、図9のB−B線に沿った断面図、そして、図11は、駆動歯車とピニオン歯車の噛合状態、及び着磁された磁力線の方向を示す図である。
【0029】
両軸受型リールのリール本体30には、左右の側板31a,31b間に、釣糸が巻回されるスプール(回転体)33が取り付けられたスプール軸34が軸受を介して回転可能に支持されている。このスプール33は、右側板31aから突出するハンドル軸35の端部に取り付けられたハンドル36を回転操作することによって動力伝達機構37を介して回転駆動される。
【0030】
そして、この動力伝達機構は、ハンドル軸35に対して回転可能に取り付けられ、環状凹所を有する駆動歯車38と、この駆動歯車38に噛合すると共に、前記スプール軸34と継脱され、軸受を介して右側板内で回転自在に支持されたピニオン歯車39とを備えている。
【0031】
前記駆動歯車38には、魚釣時にスプール33から釣糸が繰り出された際、スプール33にドラグ力を付与するドラグ機構40が係合している。このドラグ機構40は、前記駆動歯車38の環状凹所内に収容されるライニング材及びライニング材に面接する相手材を具備する制動部材42と、ハンドル軸35の突出端部に取り付けられたドラグ操作部材43とを備えており、このドラグ操作部材43を回転操作することで、制動部材42に対して所定の押圧力が付与され、ハンドル軸35と駆動歯車38との間に所定のドラグ力(制動力)が発生するようになっている。すなわち、ドラグ操作部材43の締め付け力を緩めておくと、魚が掛かった場合等、スプール33が釣糸繰り出し方向に回転した際、駆動歯車38は、ハンドル軸35に対して制動部材42による摩擦力が作用した状態で滑ることから、スプール33は制動力が加わった状態で回転可能となり、この結果、急激な負荷が釣糸に作用しても糸切れが防止される。
【0032】
また、左右側板31a,31b間には、レベルワインド装置50が配設されており、ハンドル36の巻取り操作に伴って、前記ハンドル軸35に装着された歯車51及びレベルワインド装置を駆動する歯車52を介して駆動力が伝達され、釣糸案内部53が左右往復駆動されるように構成されている。
【0033】
上記した構成によれば、ハンドル36を巻取り操作することで、動力伝達機構37の駆動歯車38、及びピニオン歯車39を介してスプール33が回転駆動され、釣糸は、前記レベルワインド装置50の釣糸案内部53を介してスプール33に均等に巻回される。
【0034】
そして、上記した実施形態と同様、前記動力伝達機構37には、動力伝達が成される部分にマグネットによる非接触型の回転動力伝達手段が併設されている。図9に示すように、駆動歯車38のハンドル側先端部分には、歯部38aと隣接して円筒状で、かつピニオン歯車39の歯部39aから軸方向にずれて磁性回転体38bが設けられている。この磁性回転体38bは、N極、S極が交互となるように着磁された磁性体(永久磁石)によって構成されている。
【0035】
一方、ピニオン歯車39には、その歯部39aに隣接し、前記磁性回転体38bと対向する位置に、歯部39aの外径と略同一の外径を有する磁性回転体39bが設けられている。この磁性回転体39bは、前記磁性回転体38bと一定の隙間が規定されるように円筒状に形成されており、N極、S極が交互となるように着磁された磁性体(永久磁石)によって構成されている。
【0036】
図11に示す点線は、それぞれ着磁された磁性回転体38b,39bの磁力線の方向を示しており、これにより、ハンドル軸35がハンドル36の巻取り操作によって回転駆動されると、各磁性回転体38b,39bの磁気作用によって、その回転駆動力は、ピニオン歯車39に伝達されるようになる。
【0037】
なお、駆動歯車38の歯部38aとピニオン歯車39の歯部39aとは、噛合関係にあるが、両者の歯部の間には、歯車間の回転が円滑に成されるように、所定の隙間(バックラッシュ)が形成されている。この場合、本実施形態においても、図10に示すように、バックラッシュは、上記した各磁性回転体38b,39bとの関係で、両磁性回転体による磁気作用によって回転駆動力が伝達されている状態では、両歯部38a,39aの表面同士が接触しないように設定しておくことが好ましい。
【0038】
以上のように、両軸受型リールにおいて、歯部同士の接触による回転動力伝達手段と、磁気作用による非接触回転動力伝達手段を、動力伝達機構37の動力伝達部分に併設したことによっても、上述したスピニングリールと同様な作用効果が得られる。なお、上記したような非接触回転動力伝達手段は、レベルワインド装置50を駆動する駆動力伝達部に設けても良い。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、各種の魚釣用リールにおいて適用することが可能であり、駆動力伝達が成される様々な位置に配設することが可能である。また、その併設位置は、低負荷時にマグネットによる非接触回転動力伝達手段が優先的に作動し、高負荷時には歯車による回転動力伝達手段が優先的に作動できるように構成されていれば、上記した実施形態に限定されることはない。
【0040】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、歯車を有する動力伝達機構を備えた魚釣用リールにおいて、歯車の耐久性の向上が図れると共に、振動の発生(ガタ付き)や回転不良(回転が重くなる)等の発生を抑え、高負荷が作用しても動力の伝達力が不足することのない魚釣用リールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図であり、スピニングリールの内部構成を示す側面図。
【図2】スピニングリールの内部構成を示す平面図。
【図3】駆動歯車とピニオン歯車の噛合部分を示す図。
【図4】図3のA−A線に沿った断面図。
【図5】駆動歯車とピニオン歯車の噛合状態、及び着磁された磁力線の方向を示す図。
【図6】オシレート装置を示す図。
【図7】オシレート歯車とピニオン歯車の噛合部分を示す図。
【図8】本発明の第2の実施形態を示す図であり、両軸受型リールの内部構成の一部を示す平面図。
【図9】駆動歯車とピニオン歯車の噛合部分を示す図。
【図10】図9のB−B線に沿った断面図。
【図11】駆動歯車とピニオン歯車の噛合状態、及び着磁された磁力線の方向を示す図。
【符号の説明】
1,30 リール本体
2 ロータ
6,36 ハンドル
7,37 動力伝達機構
8,38 駆動歯車
9,39 ピニオン歯車
8b,9b、38b,39b 磁性回転体
33 スプール
Claims (3)
- リール本体に回転可能に支持されたハンドルの回転操作でリール本体に支持された回転体を駆動すべく、駆動力を伝達する動力伝達機構を備えた魚釣用リールにおいて、
前記動力伝達機構における駆動力伝達部に、マグネットによる非接触回転動力伝達手段と歯車同士の噛合による回転動力伝達手段を併設したことを特徴とする魚釣用リール。 - 前記歯車同士のバックラッシュは、前記マグネットによる非接触回転動力伝達手段が作動しているときは、各歯車の歯部が接触しないように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
- 前記マグネットによる非接触回転動力伝達手段と歯車による回転動力伝達手段を併設した駆動力伝達部は、釣糸の巻取りを行なう巻取り機構に配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚釣用リール。
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