JP2004048914A - 位置検出装置を備えたモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ノイズを低減してモータの良好な駆動状態を確保する。
【解決手段】駆動マグネット5の着磁部6、6、・・・を、速度検出用着磁部7、7、・・・と位置速度検出用着磁部8、9とによって構成し、ステーター部10に、位置速度検出用着磁部に感応して位置検出信号を生成する複数の位置検出信号生成部17、18、19、20を有する位置検出用導体パターン13と、速度検出用着磁部又は位置速度検出用着磁部に感応して速度検出信号を生成する速度検出用導体パターン12とを設け、位置検出用導体パターンに、位置速度検出用着磁部に感応して位置検出信号を生成すると共に複数の位置検出信号生成部が速度検出用着磁部に感応したときに導体長さの相違に起因して打ち消されない分の起電力の少なくとも一部を打ち消す制御導体部21を設けた。
【選択図】 図2
【解決手段】駆動マグネット5の着磁部6、6、・・・を、速度検出用着磁部7、7、・・・と位置速度検出用着磁部8、9とによって構成し、ステーター部10に、位置速度検出用着磁部に感応して位置検出信号を生成する複数の位置検出信号生成部17、18、19、20を有する位置検出用導体パターン13と、速度検出用着磁部又は位置速度検出用着磁部に感応して速度検出信号を生成する速度検出用導体パターン12とを設け、位置検出用導体パターンに、位置速度検出用着磁部に感応して位置検出信号を生成すると共に複数の位置検出信号生成部が速度検出用着磁部に感応したときに導体長さの相違に起因して打ち消されない分の起電力の少なくとも一部を打ち消す制御導体部21を設けた。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は位置検出装置を備えたモータに関する。詳しくは、ステーター部の位置検出用パターンがローター部の速度検出用着磁部に感応するときのノイズの低減を図る技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録装置に設けられる回転ドラムの回転駆動や光ディスク装置に設けられるディスクテーブルの回転駆動等を行うためのブラシレスモータがある。
【0003】
このようなモータにあっては、駆動マグネットを有するローター部と駆動コイルを有するステーター部とが対向して配置され、ローター部の回転位置を検出するための位置検出装置が設けられているものがある。
【0004】
位置検出装置は、駆動マグネットに設けられた位置速度検出用着磁部と、ステーター部に設けられた位置検出用導体パターンとによって構成され、ローター部が回転されて位置速度検出用着磁部が位置検出用導体パターンを横切るときに発生する誘起電圧を利用して位置検出信号(以下「PG信号」と言う。)を出力するようにされている。
【0005】
出力されたPG信号が検出されると、この検出結果に基づいてローター部に対する回転位置の制御が行われ、効率的なモータの駆動が行われる。
【0006】
以下に、従来のブラシレスモータの概要について説明する(図8乃至図11参照)。
【0007】
ローター部は図示しないローターケースと該ローターケースに取り付けられ円環状に形成された駆動マグネットaとを備え、該駆動マグネットaは周方向において隣接し交互に異なる極に着磁された複数の着磁部b、b、・・・によって構成されている(図8参照)。着磁部b、b、・・・は、同じ大きさに形成された複数の速度検出用着磁部c、c、・・・と、該速度検出用着磁部c、c、・・・とは異なる大きさに形成された位置速度検出用着磁部d、eとから成る。
【0008】
位置速度検出用着磁部dは、例えば、S極とされ、周方向における長さが速度検出用着磁部bの3ピッチ分に相当するように形成されている。位置速度検出用着磁部eは、例えば、N極とされて内周側に設けられ、周方向における長さが位置速度検出用着磁部dよりも短くされている。
【0009】
ステーター部は図示しない円環状のコイル基板に駆動コイルと2種類の導体パターンとが設けられて成り、駆動マグネットaに対向して配置されている。コイル基板には、その外周側に周方向に並ぶようにして第1の端子部f、第2の端子部g及び第3の端子部hが設けられている(図9及び図10参照)。コイル基板は3層構造を為し、各層に図示しない駆動コイルと速度検出用導体パターンi(図9及び図10に一部のみを示す。)と位置検出用導体パターンjとが設けられている。
【0010】
速度検出用導体パターンiはローター部の回転速度を検出するためのパターンであり、第1の端子部f、第3の端子部h間においてコイル基板の略全周に亘って形成されている。
【0011】
位置検出用導体パターンjはローター部の回転位置を検出するためのパターンであり、第2の端子部g、第3の端子部h間においてコイル基板の限られた範囲に形成されている。
【0012】
位置検出用導体パターンjは第1の位置検出信号生成部k、第2の位置検出信号生成部l、第3の位置検出信号生成部m及び第4の位置検出信号生成部nの4つの位置検出信号生成部を有し、該位置検出信号生成部k、l、m、nはコイル基板の周方向において順に離間しコイル基板の径方向に延びるように形成されている。第1の位置検出信号生成部kと第4の位置検出信号生成部nの導体長さは同じにされており、第2の位置検出信号生成部lと第3の位置検出信号生成部mの導体長さは同じにされると共に第1の位置検出信号生成部kと第4の位置検出信号生成部nの導体長さより稍短くされている。
【0013】
位置検出用導体パターンjの第1の位置検出信号生成部kと第2の位置検出信号生成部lとの間、第2の位置検出信号生成部lと第3の位置検出信号生成部mとの間、第3の位置検出信号生成部mと第4の位置検出信号生成部nとの間、第2の端子部gと第1の位置検出信号生成部kとの間及び第4の位置検出信号生成部nと第3の端子部hとの間等をそれぞれ連結する部分は連結部o、o、・・・として形成され、該連結部o、o、・・・は周方向に延びる円弧状に形成されている。
【0014】
尚、上記した位置検出用導体パターンjの各位置検出信号生成部k、l、m、nと連結部o、o、・・・とは、何れも近接して位置する2本の線素によって構成され、各導体長さはそれぞれ当該2本の線素の合計の長さで表される。
【0015】
以上のように構成されたモータにおいて、ステーター部の駆動コイルに駆動電流が供給されてローター部が回転されると、速度検出用導体パターンiに供給される電流と速度検出用着磁部c、c、・・・に発生する磁束との関係に基づいて、ローター部の回転速度を検出するための速度検出信号(以下、「FG信号」と言う。)が出力される。
【0016】
同時に、駆動マグネットaの位置速度検出用着磁部d、eが位置検出用導体パターンjの各位置検出信号生成部k、l、m、nを横切るときに、これらに供給される電流と位置速度検出用着磁部d、eに発生する磁束との関係に基づいて誘起電圧が発生し、ローター部の回転位置を検出するためのPG信号が出力される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ローター部が回転されると、速度検出用着磁部c、c、・・・が位置検出用導体パターンjの各位置検出信号生成部k、l、m、nを横切るときにも誘起電圧が発生して起電力が生じるが、この起電力はローター部の位置検出のためには不必要であるため、ノイズとして発生することを防止する必要がある。
【0018】
例えば、図9に示すように、位置検出用導体パターンjが3つの速度検出用着磁部c、c、cに跨って中央のN極を基準として対称的に位置されたときには、それぞれS極に対応して位置し電流の方向が異なる第1の位置検出信号生成部kと第4の位置検出信号生成部nに一方の方向へ向かう同じ大きさの起電力が生じ、それぞれN極に対応して位置し電流の方向が異なる第2の位置検出信号生成部lと第3の位置検出信号生成部mに一方の方向とは逆の他方の方向へ向かう同じ大きさの起電力が生じる(図9に起電力を矢印で示す。)。従って、位置検出用導体パターンjが駆動マグネットaに対してこのように位置されているときには、同じ大きさの第1の位置検出信号生成部kに生じる起電力と第4の位置検出信号生成部nに生じる起電力とが打ち消されて相殺されると共に同じ大きさの第2の位置検出信号生成部lに生じる起電力と第3の位置検出信号生成部mに生じる起電力とが打ち消されて相殺されるため、ノイズが発生しない。
【0019】
一方、図10に示すように、位置検出用導体パターンjが2つの速度検出用着磁部c、cに跨ってN極とS極の境界線を基準として対称的に位置されたときには、それぞれN極に対応して位置し電流の方向が異なる第3の位置検出信号生成部mと第4の位置検出信号生成部nに一方の方向へ向かう異なる大きさの起電力が生じ、それぞれS極に対応して位置し電流の方向が異なる第1の位置検出信号生成部kと第2の位置検出信号生成部lに他方の方向へ向かう異なる大きさの起電力が生じる(図10に起電力を矢印で示す。)。従って、位置検出用導体パターンjが駆動マグネットaに対してこのように位置されているときには、第1の位置検出信号生成部kに生じる起電力と第2の位置検出信号生成部lに生じる起電力とが相殺されると共に第3の位置検出信号生成部mに生じる起電力と第4の位置検出信号生成部nに生じる起電力とが相殺される。
【0020】
しかしながら、第1の位置検出信号生成部kに生じる起電力と第2の位置検出信号生成部lに生じる起電力とは大きさが異なるため相殺しきれず、この異なる分の起電力がノイズとなってしまう。同様に、第3の位置検出信号生成部mに生じる起電力と第4の位置検出信号生成部nに生じる起電力も大きさが異なるため、この異なる分の起電力がノイズとなってしまう。
【0021】
このようにして生じるノイズの大きさは、第1の位置検出信号生成部kの導体長さと第2の位置検出信号生成部lの導体長さの相違量、又は、第3の位置検出信号生成部mの導体長さと第4の位置検出信号生成部nの導体長さの相違量に比例する。
【0022】
例えば、第1の位置検出信号生成部kと第4の位置検出信号生成部nの2本の線素の合計である導体長さがそれぞれ10mmであり、第2の位置検出信号生成部lと第3の位置検出信号生成部mの2本の線素の合計である導体長さがそれぞれ8mmであるとすると、合計で4mmに相当する分の起電力が相殺しきれずノイズとして発生してしまう。
【0023】
図11は従来のモータにおいて出力された位置検出信号の測定結果を示すグラフ図である。周期的に発生する各ピークは位置検出信号が出力された状態を表しており、各ピーク間のS、S、・・・で示す区間における波形が、生じたノイズを表している。
【0024】
このようなノイズが発生してしまうと、S/N比が悪化しモータの回転位置に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0025】
そこで、本発明位置検出装置を備えたモータは、ノイズを低減してモータの良好な回転位置制御状態を確保することを課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明位置検出装置を備えたモータは、位置検出用導体パターンに、位置速度検出用着磁部に感応して位置検出信号を生成すると共に複数の位置検出信号生成部が速度検出用着磁部に感応したときに導体長さの相違に起因して打ち消されない分の起電力の少なくとも一部を打ち消す制御導体部を設けたものである。
【0027】
従って、本発明位置検出装置を備えたモータにあっては、制御導体部に位置検出信号生成部間で打ち消されない起電力を打ち消す方向への起電力が発生する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明位置検出装置を備えたモータの詳細を添付図面を参照して説明する。
【0029】
モータ1は、例えば、磁気記録装置に設けられる回転ドラムの回転駆動や光ディスク装置に設けられるディスクテーブルの回転駆動等を行うためのモータとして用いられるブラシレスモータである。
【0030】
モータ1のローター部2は、ローターケース3とヨーク部材4と駆動マグネット5とを備えている(図1参照)。
【0031】
ローターケース3は円板部3aと該円板部3aの外周縁から上方へ突出された保持突部3bとが一体に形成されて成り、円板部3aの中心部に軸挿通孔3cが形成されている。
【0032】
ヨーク部材4は円筒状に形成された被取付部4aと該被取付部4aの上縁から外方へ突出されたバックヨーク部4bとが一体に形成されて成り、被取付部4aの下端部がローターケース3の円板部3aに取り付けられている。
【0033】
駆動マグネット5は円環状に形成され、ローターケース3の円板部3aの外周側に取り付けられている(図1参照)。駆動マグネット5は周方向において隣接し交互に異なる極に着磁された複数の着磁部6、6、・・・によって構成されている(図2参照)。着磁部6、6、・・・は、同じ大きさに形成された複数の速度検出用着磁部7、7、・・・と、該速度検出用着磁部7、7、・・・とは異なる大きさに形成された位置速度検出用着磁部8、9とから成る。
【0034】
位置速度検出用着磁部8は、例えば、S極とされ、周方向における長さが速度検出用着磁部7の3ピッチ分に相当するように形成されている。位置速度検出用着磁部9は、例えば、N極とされて内周側に設けられ、周方向における長さが位置速度検出用着磁部8よりも短くされている。
【0035】
モータ1のステーター部10は円環状のコイル基板11に図示しない駆動コイルと速度検出用導体パターン12と位置検出用導体パターン13とが設けられて成り、駆動マグネット5とヨーク部材4のバックヨーク部4bとの間に配置され(図1参照)、下面側に設けられた駆動コイルが駆動マグネット5に対向して位置されている。
【0036】
コイル基板11は3層構造を為し、各層に駆動コイルと速度検出用導体パターン12と位置検出用導体パターン13とが設けられている(図2及び図3参照)。コイル基板11には、その外周側に周方向に並ぶようにして第1の端子部14、第2の端子部15及び第3の端子部16が設けられている。
【0037】
速度検出用導体パターン12はローター部2の回転速度を検出するためのパターンであり、第1の端子部14、第3の端子部16間においてコイル基板11の略全周に亘って形成されている(図3参照)。
【0038】
速度検出用導体パターン12は速度信号生成部12a、12a、・・・と連結部12b、12b、・・・とから成る。速度信号生成部12a、12a、・・・はコイル基板11の周方向に離間してコイル基板11の径方向に延びるように形成されており、連結部12b、12b、・・・は速度信号生成部12a、12a、・・・を連結し又は速度信号生成部12a、12aと端子部14、16とを連結し、周方向に延びる円弧状に形成されている。
【0039】
位置検出用導体パターン13はローター部2の回転位置を検出するためのパターンであり、第2の端子部15、第3の端子部16間においてコイル基板11の限られた範囲に形成されている(図2及び図3参照)。
【0040】
位置検出用導体パターン13は、第1の位置検出信号生成部17、第2の位置検出信号生成部18、第3の位置検出信号生成部19及び第4の位置検出信号生成部20の4つの位置検出信号生成部と、制御導体部21と、複数の連結部22、22、・・・とを有している。
【0041】
位置検出信号生成部17、18、19、20及び制御導体部21は、平面で見て左側から順に並ぶようにしてコイル基板11の周方向に離間し、それぞれコイル基板11の径方向に延びるように形成されている。
【0042】
連結部22、22、・・・は、第2の端子部15と第1の位置検出信号生成部17との間、第1の位置検出信号生成部17と第2の位置検出信号生成部18との間、第2の位置検出信号生成部18と第3の位置検出信号生成部19との間、第3の位置検出信号生成部19と第4の位置検出信号生成部20との間、第4の位置検出信号生成部20と制御導体部21との間及び制御導体部21と第3の端子部16との間等に形成され、コイル基板11の周方向に延びる円弧状に形成されている。
【0043】
尚、上記した位置検出用導体パターン13の各位置検出信号生成部17、18、19、20、制御導体部21及び連結部22、22、・・・は、何れも近接して位置する2本の線素によって構成されている。
【0044】
第2の位置検出信号生成部18、第3の位置検出信号生成部19の導体長さ、即ち、各2本の線素の合計の長さは同じにされており、第1の位置検出信号生成部17の導体長さより稍短くされている。また、第4の位置検出信号生成部20と制御導体部21の合計の導体長さは、第1の位置検出信号生成部17の導体長さと同じにされている。
【0045】
即ち、第1の位置検出信号生成部17の導体長さをAとし、第2の位置検出信号生成部18の導体長さをBとし、第3の位置検出信号生成部19の導体長さをCとし、第4の位置検出信号生成部20の導体長さをDとし、制御導体部21の導体長さをEとすると、B=C、A=D+Eが成立する。尚、モータ1の位置検出用導体パターン13にあっては、B=C=Dが成立するように、各位置検出信号生成部17、18、19、20及び制御導体部21の導体長さが設定されているが、B=C、A=D+Eが成立すればDはB、Cと異なる長さであってもよい。
【0046】
位置検出用導体パターン13は駆動マグネット5の外周部側でその上側に位置され、このように位置検出用導体パターン13と駆動マグネット5とが配置されることによりローター部2の回転位置を検出する位置検出装置23が構成される(図2参照)。
【0047】
上記ローター部2のローターケース3の軸挿通孔3cには、モータ軸24の下端部が取り付けられている(図1参照)。
【0048】
以上のようにして構成されたモータ1において、ステーター部10の駆動コイルに駆動電流が供給されてローター部2とモータ軸24とが一体となって回転されると、速度検出用導体パターン12の速度信号生成部12a、12a、・・・に供給される電流と速度検出用着磁部7、7、・・・に発生する磁束との関係に基づいて、ローター部2の回転速度を検出するためのFG信号が出力される。
【0049】
同時に、駆動マグネット5の位置速度検出用着磁部8、9が位置検出用導体パターン13の各位置検出信号生成部17、18、19、20を横切るときに、これらに供給される電流と位置速度検出用着磁部8、9に発生する磁束との関係に基づいて誘起電圧が発生し、ローター部2の回転位置を検出するためのPG信号が出力される。
【0050】
ローター部2が回転されると、速度検出用着磁部7、7、・・・が位置検出用導体パターン13の各位置検出信号生成部17、18、19、20を横切るときにも誘起電圧が発生して起電力が生じるが、この起電力はローター部2の位置検出のためには不必要である。このとき起電力に基づくノイズがキャンセルされる条件は、起電力の大きさが導体長さに比例することから、各位置検出信号生成部17、18、19、20、制御導体部21の各導体長さA、B、C、D、E間の関係において以下の通りである。
【0051】
第1の位置検出信号生成部17、第4の位置検出信号生成部20及び制御導体部21が一方の極に着磁された着磁部7、7に対応して位置されると共に第2の位置検出信号生成部18、第3の位置検出信号生成部19が他方の極に着磁された着磁部7に対応して位置された状態(図4参照)においては、A+B=C+D+Eである。また、第1の位置検出信号生成部17、第2の位置検出信号生成部18及び制御導体部21が一方の極に着磁された着磁部7、7に対応して位置されると共に第3の位置検出信号生成部19、第4の位置検出信号生成部20が他方の極に着磁された着磁部7に対応して位置された状態(図5参照)においては、A―B―E=0、かつ、D―C=0である。
【0052】
ローター部2の回転中に、例えば、図4に示すように、各位置検出信号生成部17、18、19、20が3つの速度検出用着磁部7、7、7に跨って中央のN極を基準として対称的に位置されたときには、それぞれS極に対応して位置し電流の方向が異なる第1の位置検出信号生成部17と第4の位置検出信号生成部20に一方の方向へ向かう異なる大きさの起電力が生じ、それぞれN極に対応して位置し電流の方向が異なる第2の位置検出信号生成部18と第3の位置検出信号生成部19に一方の方向とは逆の他方の方向へ向かう同じ大きさの起電力が生じ、S極に対応して位置し第4の位置検出信号生成部20と電流の方向が同じである制御導体部21に、第1の位置検出信号生成部17と第4の位置検出信号生成部20との差分の一方の方向へ向かう起電力が生じる(図4に起電力を矢印で示す。)。従って、位置検出用導体パターン13が駆動マグネット5に対してこのように位置されているときには、同じ大きさの第1の位置検出信号生成部17に生じる起電力と第4の位置検出信号生成部20、制御導体部21に生じる合計の起電力とが打ち消されて相殺されると共に同じ大きさの第2の位置検出信号生成部18に生じる起電力と第3の位置検出信号生成部19に生じる起電力とが打ち消されて相殺されるため、ノイズの発生が防止される。
【0053】
一方、図5に示すように、各位置検出信号生成部17、18、19、20が2つの速度検出用着磁部7、7に跨ってN極とS極の境界線を基準として対称的に位置されたときに、それぞれN極に対応して位置し電流の方向が異なる第3の位置検出信号生成部19と第4の位置検出信号生成部20に一方の方向へ向かう同じ大きさの起電力が生じ、それぞれS極に対応して位置し電流の方向が異なる第1の位置検出信号生成部17と第2の位置検出信号生成部18に他方の方向へ向かう異なる大きさの起電力が生じ、S極に対応して位置し第4の位置検出信号生成部20と電流の方向が同じである制御導体部21に、第1の位置検出信号生成部17と第2の位置検出信号生成部18との差分の他方の方向へ向かう起電力が生じる(図5に起電力を矢印で示す。)。従って、位置検出用導体パターン13が駆動マグネット5に対してこのように位置されているときには、同じ大きさの第3の位置検出信号生成部19に生じる起電力と第4の位置検出信号生成部20に生じる起電力とが打ち消されて相殺されると共に同じ大きさの第1の位置検出信号生成部17に生じる起電力と第2の位置検出信号生成部18、制御導体部21に生じる合計の起電力とが打ち消されて相殺されるため、ノイズの発生が防止される。
【0054】
尚、モータ1にあっては、駆動マグネット5の位置速度検出用着磁部8、9が位置検出用導体パターン13の制御導体部21を横切るときにも僅かな誘起電圧が発生し、PG信号の出力に寄与する。
【0055】
図6はモータ1において出力された位置検出信号の測定結果を示すグラフ図である。周期的に発生する各ピークは位置検出信号が出力された状態を表しており、各ピーク間のS、S、・・・で示す区間における波形が、生じたノイズを表している。図6に示したグラフ図を図11に示した従来のモータにおけるグラフ図と比較すると、区間S、S、・・・において発生するノイズが低減されているという結果が得られた。
【0056】
図7は本発明に係るモータ1と従来のモータにおける、FG信号の出力値、PG信号の出力値、ノイズ、S/N比に関するデーターを示した図表である。上段にモータ1についてのデーターを示し、下段に従来のモータについてのデーターを示している。モータ1及び従来のモータとも、各測定値毎に10回の測定を行っている。
【0057】
図7に示す通り、モータ1におけるFG信号の出力値は、最小値101.1mV、最大値105.3mV、平均値102.7mVであり、PG信号の出力値は、最小値5.3mV、最大値5.6mV、平均値5.4mVである。一方、従来のモータにおけるFG信号の出力値は、最小値99.7mV、最大値104.0mV、平均値101.8mVであり、PG信号の出力値は、最小値5.3mV、最大値5.6mV、平均値5.5mVである。このようにモータ1においては、従来のモータと比較して、FG信号及びPG信号の出力は低下しないという結果が得られた。
【0058】
モータ1におけるノイズの値は、最小値0.86mV、最大値1.06mV、平均値0.97mVであり、S/N比の値は、最小値14.25dB、最大値16.33dB、平均値15.04dBである。一方、従来のモータにおけるノイズの値は、最小値1.12mV、最大値1.27mV、平均値1.17mVであり、S/N比の値は、最小値12.70dB、最大値13.90dB、平均値13.39dBである。このようにモータ1においては、従来のモータと比較して、ノイズの低減及びこれに伴うS/N比の向上という結果が得られた。
【0059】
以上に記載した通り、モータ1にあっては、位置検出用導体パターン13に、ノイズの発生原因となる位置検出信号生成部17、18、19、20の導体長さの相違量と同じ導体長さを有する制御導体部21を形成したので、各位置検出信号生成部17、18、19、20及び制御導体部21が駆動マグネット5の速度検出用着磁部7、7、・・・に感応したときに発生する起電力が相殺されるため、ノイズの低減を図ることができ、また、制御導体部21は位置速度検出用着磁部8、9と感応して位置検出信号の出力に寄与するため、位置検出信号の出力の低下を来たすことがない。
【0060】
また、第1の位置検出信号生成部17の導体長さをAとし、第2の位置検出信号生成部18の導体長さをBとし、第3の位置検出信号生成部19の導体長さをCとし、第4の位置検出信号生成部20の導体長さをDとし、制御導体部21の導体長さをEとしたときに、A―B―E=0、かつ、D―C=0を満足するため、第1の位置検出信号生成部17、第2の位置検出信号生成部18及び制御導体部21が一方の極に着磁された着磁部7、7に対応して位置されると共に第3の位置検出信号生成部19、第4の位置検出信号生成部20が他方の極に着磁された着磁部7に対応して位置された状態において、ノイズを確実に低減することができる。
【0061】
さらに、モータ1にあっては、A+B=C+D+Eを満足するため、第1の位置検出信号生成部17、第4の位置検出信号生成部20及び制御導体部21が一方の極に着磁された着磁部7、7に対応して位置されると共に第2の位置検出信号生成部18、第3の位置検出信号生成部19が他方の極に着磁された着磁部7に対応して位置された状態において、ノイズを確実に低減することができる。
【0062】
尚、上記には、制御導体部21を、第4の位置検出信号生成部20を挟んで第3の位置検出信号生成部19の反対側に形成した例を示したが、制御導体部21を第1の位置検出信号生成部17を挟んで第2の位置検出信号生成部18の反対側に形成するようにしてもよい。
【0063】
上記した実施の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0064】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、請求項1に記載した発明によれば、各位置検出信号生成部及び制御導体部が駆動マグネットの速度検出用着磁部に感応したときに発生する起電力が相殺されるため、ノイズの低減を図ることができ、また、制御導体部は位置速度検出用着磁部と感応して位置検出信号の出力に寄与するため、位置検出信号の出力の低下を来たすことがない。
【0065】
請求項2に記載した発明によれば、第1の位置検出信号生成部、第2の位置検出信号生成部及び制御導体部が一方の極に着磁された着磁部に対応して位置されると共に第3の位置検出信号生成部、第4の位置検出信号生成部が他方の極に着磁された着磁部に対応して位置された状態において、ノイズを確実に低減することができる。
【0066】
請求項3及び請求項4に記載した発明によれば、第1の位置検出信号生成部、第4の位置検出信号生成部及び制御導体部が一方の極に着磁された着磁部に対応して位置されると共に第2の位置検出信号生成部、第3の位置検出信号生成部が他方の極に着磁された着磁部に対応して位置された状態において、ノイズを確実に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図7と共に本発明位置検出装置を備えたモータの実施の形態を示すものであり、本図はモータの縦断面図である。
【図2】ローター部の駆動マグネットとステーター部の位置検出用導体パターンとの位置関係を示す平面図である。
【図3】ステーター部の速度検出用導体パターンと位置検出用導体パターンとを示す平面図である。
【図4】ステーター部の各位置検出信号生成部がローター部の隣接する3極の速度検出用着磁部に感応している状態を示す拡大平面図である。
【図5】ステーター部の各位置検出信号生成部がローター部の隣接する2極の速度検出用着磁部に感応している状態を示す拡大平面図である。
【図6】位置検出信号の測定結果を示すグラフ図である。
【図7】FG信号の出力値、PG信号の出力値、ノイズ、S/N比についての測定結果を示す図表であり、上段は本発明のモータにおける測定結果であり、下段は従来のモータにおける測定結果である。
【図8】図9乃至図11と共に従来のモータに関するものであり、本図は駆動マグネットの平面図である。
【図9】ステーター部の各位置検出信号生成部がローター部の隣接する3極の速度検出用着磁部に感応している状態を示す拡大平面図である。
【図10】ステーター部の各位置検出信号生成部がローター部の隣接する2極の速度検出用着磁部に感応している状態を示す拡大平面図である。
【図11】位置検出信号の測定結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1…モータ、2…ローター部、5…駆動マグネット、6…着磁部、7…速度検出用着磁部、8…位置速度検出用着磁部、9…位置速度検出用着磁部、10…ステーター部、12…速度検出用導体パターン、13…位置検出用導体パターン、17…第1の位置検出信号生成部、18…第2の位置検出信号生成部、19…第3の位置検出信号生成部、20…第4の位置検出信号生成部、21…制御導体部、23…位置検出装置、24…モータ軸
【発明の属する技術分野】
本発明は位置検出装置を備えたモータに関する。詳しくは、ステーター部の位置検出用パターンがローター部の速度検出用着磁部に感応するときのノイズの低減を図る技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録装置に設けられる回転ドラムの回転駆動や光ディスク装置に設けられるディスクテーブルの回転駆動等を行うためのブラシレスモータがある。
【0003】
このようなモータにあっては、駆動マグネットを有するローター部と駆動コイルを有するステーター部とが対向して配置され、ローター部の回転位置を検出するための位置検出装置が設けられているものがある。
【0004】
位置検出装置は、駆動マグネットに設けられた位置速度検出用着磁部と、ステーター部に設けられた位置検出用導体パターンとによって構成され、ローター部が回転されて位置速度検出用着磁部が位置検出用導体パターンを横切るときに発生する誘起電圧を利用して位置検出信号(以下「PG信号」と言う。)を出力するようにされている。
【0005】
出力されたPG信号が検出されると、この検出結果に基づいてローター部に対する回転位置の制御が行われ、効率的なモータの駆動が行われる。
【0006】
以下に、従来のブラシレスモータの概要について説明する(図8乃至図11参照)。
【0007】
ローター部は図示しないローターケースと該ローターケースに取り付けられ円環状に形成された駆動マグネットaとを備え、該駆動マグネットaは周方向において隣接し交互に異なる極に着磁された複数の着磁部b、b、・・・によって構成されている(図8参照)。着磁部b、b、・・・は、同じ大きさに形成された複数の速度検出用着磁部c、c、・・・と、該速度検出用着磁部c、c、・・・とは異なる大きさに形成された位置速度検出用着磁部d、eとから成る。
【0008】
位置速度検出用着磁部dは、例えば、S極とされ、周方向における長さが速度検出用着磁部bの3ピッチ分に相当するように形成されている。位置速度検出用着磁部eは、例えば、N極とされて内周側に設けられ、周方向における長さが位置速度検出用着磁部dよりも短くされている。
【0009】
ステーター部は図示しない円環状のコイル基板に駆動コイルと2種類の導体パターンとが設けられて成り、駆動マグネットaに対向して配置されている。コイル基板には、その外周側に周方向に並ぶようにして第1の端子部f、第2の端子部g及び第3の端子部hが設けられている(図9及び図10参照)。コイル基板は3層構造を為し、各層に図示しない駆動コイルと速度検出用導体パターンi(図9及び図10に一部のみを示す。)と位置検出用導体パターンjとが設けられている。
【0010】
速度検出用導体パターンiはローター部の回転速度を検出するためのパターンであり、第1の端子部f、第3の端子部h間においてコイル基板の略全周に亘って形成されている。
【0011】
位置検出用導体パターンjはローター部の回転位置を検出するためのパターンであり、第2の端子部g、第3の端子部h間においてコイル基板の限られた範囲に形成されている。
【0012】
位置検出用導体パターンjは第1の位置検出信号生成部k、第2の位置検出信号生成部l、第3の位置検出信号生成部m及び第4の位置検出信号生成部nの4つの位置検出信号生成部を有し、該位置検出信号生成部k、l、m、nはコイル基板の周方向において順に離間しコイル基板の径方向に延びるように形成されている。第1の位置検出信号生成部kと第4の位置検出信号生成部nの導体長さは同じにされており、第2の位置検出信号生成部lと第3の位置検出信号生成部mの導体長さは同じにされると共に第1の位置検出信号生成部kと第4の位置検出信号生成部nの導体長さより稍短くされている。
【0013】
位置検出用導体パターンjの第1の位置検出信号生成部kと第2の位置検出信号生成部lとの間、第2の位置検出信号生成部lと第3の位置検出信号生成部mとの間、第3の位置検出信号生成部mと第4の位置検出信号生成部nとの間、第2の端子部gと第1の位置検出信号生成部kとの間及び第4の位置検出信号生成部nと第3の端子部hとの間等をそれぞれ連結する部分は連結部o、o、・・・として形成され、該連結部o、o、・・・は周方向に延びる円弧状に形成されている。
【0014】
尚、上記した位置検出用導体パターンjの各位置検出信号生成部k、l、m、nと連結部o、o、・・・とは、何れも近接して位置する2本の線素によって構成され、各導体長さはそれぞれ当該2本の線素の合計の長さで表される。
【0015】
以上のように構成されたモータにおいて、ステーター部の駆動コイルに駆動電流が供給されてローター部が回転されると、速度検出用導体パターンiに供給される電流と速度検出用着磁部c、c、・・・に発生する磁束との関係に基づいて、ローター部の回転速度を検出するための速度検出信号(以下、「FG信号」と言う。)が出力される。
【0016】
同時に、駆動マグネットaの位置速度検出用着磁部d、eが位置検出用導体パターンjの各位置検出信号生成部k、l、m、nを横切るときに、これらに供給される電流と位置速度検出用着磁部d、eに発生する磁束との関係に基づいて誘起電圧が発生し、ローター部の回転位置を検出するためのPG信号が出力される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ローター部が回転されると、速度検出用着磁部c、c、・・・が位置検出用導体パターンjの各位置検出信号生成部k、l、m、nを横切るときにも誘起電圧が発生して起電力が生じるが、この起電力はローター部の位置検出のためには不必要であるため、ノイズとして発生することを防止する必要がある。
【0018】
例えば、図9に示すように、位置検出用導体パターンjが3つの速度検出用着磁部c、c、cに跨って中央のN極を基準として対称的に位置されたときには、それぞれS極に対応して位置し電流の方向が異なる第1の位置検出信号生成部kと第4の位置検出信号生成部nに一方の方向へ向かう同じ大きさの起電力が生じ、それぞれN極に対応して位置し電流の方向が異なる第2の位置検出信号生成部lと第3の位置検出信号生成部mに一方の方向とは逆の他方の方向へ向かう同じ大きさの起電力が生じる(図9に起電力を矢印で示す。)。従って、位置検出用導体パターンjが駆動マグネットaに対してこのように位置されているときには、同じ大きさの第1の位置検出信号生成部kに生じる起電力と第4の位置検出信号生成部nに生じる起電力とが打ち消されて相殺されると共に同じ大きさの第2の位置検出信号生成部lに生じる起電力と第3の位置検出信号生成部mに生じる起電力とが打ち消されて相殺されるため、ノイズが発生しない。
【0019】
一方、図10に示すように、位置検出用導体パターンjが2つの速度検出用着磁部c、cに跨ってN極とS極の境界線を基準として対称的に位置されたときには、それぞれN極に対応して位置し電流の方向が異なる第3の位置検出信号生成部mと第4の位置検出信号生成部nに一方の方向へ向かう異なる大きさの起電力が生じ、それぞれS極に対応して位置し電流の方向が異なる第1の位置検出信号生成部kと第2の位置検出信号生成部lに他方の方向へ向かう異なる大きさの起電力が生じる(図10に起電力を矢印で示す。)。従って、位置検出用導体パターンjが駆動マグネットaに対してこのように位置されているときには、第1の位置検出信号生成部kに生じる起電力と第2の位置検出信号生成部lに生じる起電力とが相殺されると共に第3の位置検出信号生成部mに生じる起電力と第4の位置検出信号生成部nに生じる起電力とが相殺される。
【0020】
しかしながら、第1の位置検出信号生成部kに生じる起電力と第2の位置検出信号生成部lに生じる起電力とは大きさが異なるため相殺しきれず、この異なる分の起電力がノイズとなってしまう。同様に、第3の位置検出信号生成部mに生じる起電力と第4の位置検出信号生成部nに生じる起電力も大きさが異なるため、この異なる分の起電力がノイズとなってしまう。
【0021】
このようにして生じるノイズの大きさは、第1の位置検出信号生成部kの導体長さと第2の位置検出信号生成部lの導体長さの相違量、又は、第3の位置検出信号生成部mの導体長さと第4の位置検出信号生成部nの導体長さの相違量に比例する。
【0022】
例えば、第1の位置検出信号生成部kと第4の位置検出信号生成部nの2本の線素の合計である導体長さがそれぞれ10mmであり、第2の位置検出信号生成部lと第3の位置検出信号生成部mの2本の線素の合計である導体長さがそれぞれ8mmであるとすると、合計で4mmに相当する分の起電力が相殺しきれずノイズとして発生してしまう。
【0023】
図11は従来のモータにおいて出力された位置検出信号の測定結果を示すグラフ図である。周期的に発生する各ピークは位置検出信号が出力された状態を表しており、各ピーク間のS、S、・・・で示す区間における波形が、生じたノイズを表している。
【0024】
このようなノイズが発生してしまうと、S/N比が悪化しモータの回転位置に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0025】
そこで、本発明位置検出装置を備えたモータは、ノイズを低減してモータの良好な回転位置制御状態を確保することを課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明位置検出装置を備えたモータは、位置検出用導体パターンに、位置速度検出用着磁部に感応して位置検出信号を生成すると共に複数の位置検出信号生成部が速度検出用着磁部に感応したときに導体長さの相違に起因して打ち消されない分の起電力の少なくとも一部を打ち消す制御導体部を設けたものである。
【0027】
従って、本発明位置検出装置を備えたモータにあっては、制御導体部に位置検出信号生成部間で打ち消されない起電力を打ち消す方向への起電力が発生する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明位置検出装置を備えたモータの詳細を添付図面を参照して説明する。
【0029】
モータ1は、例えば、磁気記録装置に設けられる回転ドラムの回転駆動や光ディスク装置に設けられるディスクテーブルの回転駆動等を行うためのモータとして用いられるブラシレスモータである。
【0030】
モータ1のローター部2は、ローターケース3とヨーク部材4と駆動マグネット5とを備えている(図1参照)。
【0031】
ローターケース3は円板部3aと該円板部3aの外周縁から上方へ突出された保持突部3bとが一体に形成されて成り、円板部3aの中心部に軸挿通孔3cが形成されている。
【0032】
ヨーク部材4は円筒状に形成された被取付部4aと該被取付部4aの上縁から外方へ突出されたバックヨーク部4bとが一体に形成されて成り、被取付部4aの下端部がローターケース3の円板部3aに取り付けられている。
【0033】
駆動マグネット5は円環状に形成され、ローターケース3の円板部3aの外周側に取り付けられている(図1参照)。駆動マグネット5は周方向において隣接し交互に異なる極に着磁された複数の着磁部6、6、・・・によって構成されている(図2参照)。着磁部6、6、・・・は、同じ大きさに形成された複数の速度検出用着磁部7、7、・・・と、該速度検出用着磁部7、7、・・・とは異なる大きさに形成された位置速度検出用着磁部8、9とから成る。
【0034】
位置速度検出用着磁部8は、例えば、S極とされ、周方向における長さが速度検出用着磁部7の3ピッチ分に相当するように形成されている。位置速度検出用着磁部9は、例えば、N極とされて内周側に設けられ、周方向における長さが位置速度検出用着磁部8よりも短くされている。
【0035】
モータ1のステーター部10は円環状のコイル基板11に図示しない駆動コイルと速度検出用導体パターン12と位置検出用導体パターン13とが設けられて成り、駆動マグネット5とヨーク部材4のバックヨーク部4bとの間に配置され(図1参照)、下面側に設けられた駆動コイルが駆動マグネット5に対向して位置されている。
【0036】
コイル基板11は3層構造を為し、各層に駆動コイルと速度検出用導体パターン12と位置検出用導体パターン13とが設けられている(図2及び図3参照)。コイル基板11には、その外周側に周方向に並ぶようにして第1の端子部14、第2の端子部15及び第3の端子部16が設けられている。
【0037】
速度検出用導体パターン12はローター部2の回転速度を検出するためのパターンであり、第1の端子部14、第3の端子部16間においてコイル基板11の略全周に亘って形成されている(図3参照)。
【0038】
速度検出用導体パターン12は速度信号生成部12a、12a、・・・と連結部12b、12b、・・・とから成る。速度信号生成部12a、12a、・・・はコイル基板11の周方向に離間してコイル基板11の径方向に延びるように形成されており、連結部12b、12b、・・・は速度信号生成部12a、12a、・・・を連結し又は速度信号生成部12a、12aと端子部14、16とを連結し、周方向に延びる円弧状に形成されている。
【0039】
位置検出用導体パターン13はローター部2の回転位置を検出するためのパターンであり、第2の端子部15、第3の端子部16間においてコイル基板11の限られた範囲に形成されている(図2及び図3参照)。
【0040】
位置検出用導体パターン13は、第1の位置検出信号生成部17、第2の位置検出信号生成部18、第3の位置検出信号生成部19及び第4の位置検出信号生成部20の4つの位置検出信号生成部と、制御導体部21と、複数の連結部22、22、・・・とを有している。
【0041】
位置検出信号生成部17、18、19、20及び制御導体部21は、平面で見て左側から順に並ぶようにしてコイル基板11の周方向に離間し、それぞれコイル基板11の径方向に延びるように形成されている。
【0042】
連結部22、22、・・・は、第2の端子部15と第1の位置検出信号生成部17との間、第1の位置検出信号生成部17と第2の位置検出信号生成部18との間、第2の位置検出信号生成部18と第3の位置検出信号生成部19との間、第3の位置検出信号生成部19と第4の位置検出信号生成部20との間、第4の位置検出信号生成部20と制御導体部21との間及び制御導体部21と第3の端子部16との間等に形成され、コイル基板11の周方向に延びる円弧状に形成されている。
【0043】
尚、上記した位置検出用導体パターン13の各位置検出信号生成部17、18、19、20、制御導体部21及び連結部22、22、・・・は、何れも近接して位置する2本の線素によって構成されている。
【0044】
第2の位置検出信号生成部18、第3の位置検出信号生成部19の導体長さ、即ち、各2本の線素の合計の長さは同じにされており、第1の位置検出信号生成部17の導体長さより稍短くされている。また、第4の位置検出信号生成部20と制御導体部21の合計の導体長さは、第1の位置検出信号生成部17の導体長さと同じにされている。
【0045】
即ち、第1の位置検出信号生成部17の導体長さをAとし、第2の位置検出信号生成部18の導体長さをBとし、第3の位置検出信号生成部19の導体長さをCとし、第4の位置検出信号生成部20の導体長さをDとし、制御導体部21の導体長さをEとすると、B=C、A=D+Eが成立する。尚、モータ1の位置検出用導体パターン13にあっては、B=C=Dが成立するように、各位置検出信号生成部17、18、19、20及び制御導体部21の導体長さが設定されているが、B=C、A=D+Eが成立すればDはB、Cと異なる長さであってもよい。
【0046】
位置検出用導体パターン13は駆動マグネット5の外周部側でその上側に位置され、このように位置検出用導体パターン13と駆動マグネット5とが配置されることによりローター部2の回転位置を検出する位置検出装置23が構成される(図2参照)。
【0047】
上記ローター部2のローターケース3の軸挿通孔3cには、モータ軸24の下端部が取り付けられている(図1参照)。
【0048】
以上のようにして構成されたモータ1において、ステーター部10の駆動コイルに駆動電流が供給されてローター部2とモータ軸24とが一体となって回転されると、速度検出用導体パターン12の速度信号生成部12a、12a、・・・に供給される電流と速度検出用着磁部7、7、・・・に発生する磁束との関係に基づいて、ローター部2の回転速度を検出するためのFG信号が出力される。
【0049】
同時に、駆動マグネット5の位置速度検出用着磁部8、9が位置検出用導体パターン13の各位置検出信号生成部17、18、19、20を横切るときに、これらに供給される電流と位置速度検出用着磁部8、9に発生する磁束との関係に基づいて誘起電圧が発生し、ローター部2の回転位置を検出するためのPG信号が出力される。
【0050】
ローター部2が回転されると、速度検出用着磁部7、7、・・・が位置検出用導体パターン13の各位置検出信号生成部17、18、19、20を横切るときにも誘起電圧が発生して起電力が生じるが、この起電力はローター部2の位置検出のためには不必要である。このとき起電力に基づくノイズがキャンセルされる条件は、起電力の大きさが導体長さに比例することから、各位置検出信号生成部17、18、19、20、制御導体部21の各導体長さA、B、C、D、E間の関係において以下の通りである。
【0051】
第1の位置検出信号生成部17、第4の位置検出信号生成部20及び制御導体部21が一方の極に着磁された着磁部7、7に対応して位置されると共に第2の位置検出信号生成部18、第3の位置検出信号生成部19が他方の極に着磁された着磁部7に対応して位置された状態(図4参照)においては、A+B=C+D+Eである。また、第1の位置検出信号生成部17、第2の位置検出信号生成部18及び制御導体部21が一方の極に着磁された着磁部7、7に対応して位置されると共に第3の位置検出信号生成部19、第4の位置検出信号生成部20が他方の極に着磁された着磁部7に対応して位置された状態(図5参照)においては、A―B―E=0、かつ、D―C=0である。
【0052】
ローター部2の回転中に、例えば、図4に示すように、各位置検出信号生成部17、18、19、20が3つの速度検出用着磁部7、7、7に跨って中央のN極を基準として対称的に位置されたときには、それぞれS極に対応して位置し電流の方向が異なる第1の位置検出信号生成部17と第4の位置検出信号生成部20に一方の方向へ向かう異なる大きさの起電力が生じ、それぞれN極に対応して位置し電流の方向が異なる第2の位置検出信号生成部18と第3の位置検出信号生成部19に一方の方向とは逆の他方の方向へ向かう同じ大きさの起電力が生じ、S極に対応して位置し第4の位置検出信号生成部20と電流の方向が同じである制御導体部21に、第1の位置検出信号生成部17と第4の位置検出信号生成部20との差分の一方の方向へ向かう起電力が生じる(図4に起電力を矢印で示す。)。従って、位置検出用導体パターン13が駆動マグネット5に対してこのように位置されているときには、同じ大きさの第1の位置検出信号生成部17に生じる起電力と第4の位置検出信号生成部20、制御導体部21に生じる合計の起電力とが打ち消されて相殺されると共に同じ大きさの第2の位置検出信号生成部18に生じる起電力と第3の位置検出信号生成部19に生じる起電力とが打ち消されて相殺されるため、ノイズの発生が防止される。
【0053】
一方、図5に示すように、各位置検出信号生成部17、18、19、20が2つの速度検出用着磁部7、7に跨ってN極とS極の境界線を基準として対称的に位置されたときに、それぞれN極に対応して位置し電流の方向が異なる第3の位置検出信号生成部19と第4の位置検出信号生成部20に一方の方向へ向かう同じ大きさの起電力が生じ、それぞれS極に対応して位置し電流の方向が異なる第1の位置検出信号生成部17と第2の位置検出信号生成部18に他方の方向へ向かう異なる大きさの起電力が生じ、S極に対応して位置し第4の位置検出信号生成部20と電流の方向が同じである制御導体部21に、第1の位置検出信号生成部17と第2の位置検出信号生成部18との差分の他方の方向へ向かう起電力が生じる(図5に起電力を矢印で示す。)。従って、位置検出用導体パターン13が駆動マグネット5に対してこのように位置されているときには、同じ大きさの第3の位置検出信号生成部19に生じる起電力と第4の位置検出信号生成部20に生じる起電力とが打ち消されて相殺されると共に同じ大きさの第1の位置検出信号生成部17に生じる起電力と第2の位置検出信号生成部18、制御導体部21に生じる合計の起電力とが打ち消されて相殺されるため、ノイズの発生が防止される。
【0054】
尚、モータ1にあっては、駆動マグネット5の位置速度検出用着磁部8、9が位置検出用導体パターン13の制御導体部21を横切るときにも僅かな誘起電圧が発生し、PG信号の出力に寄与する。
【0055】
図6はモータ1において出力された位置検出信号の測定結果を示すグラフ図である。周期的に発生する各ピークは位置検出信号が出力された状態を表しており、各ピーク間のS、S、・・・で示す区間における波形が、生じたノイズを表している。図6に示したグラフ図を図11に示した従来のモータにおけるグラフ図と比較すると、区間S、S、・・・において発生するノイズが低減されているという結果が得られた。
【0056】
図7は本発明に係るモータ1と従来のモータにおける、FG信号の出力値、PG信号の出力値、ノイズ、S/N比に関するデーターを示した図表である。上段にモータ1についてのデーターを示し、下段に従来のモータについてのデーターを示している。モータ1及び従来のモータとも、各測定値毎に10回の測定を行っている。
【0057】
図7に示す通り、モータ1におけるFG信号の出力値は、最小値101.1mV、最大値105.3mV、平均値102.7mVであり、PG信号の出力値は、最小値5.3mV、最大値5.6mV、平均値5.4mVである。一方、従来のモータにおけるFG信号の出力値は、最小値99.7mV、最大値104.0mV、平均値101.8mVであり、PG信号の出力値は、最小値5.3mV、最大値5.6mV、平均値5.5mVである。このようにモータ1においては、従来のモータと比較して、FG信号及びPG信号の出力は低下しないという結果が得られた。
【0058】
モータ1におけるノイズの値は、最小値0.86mV、最大値1.06mV、平均値0.97mVであり、S/N比の値は、最小値14.25dB、最大値16.33dB、平均値15.04dBである。一方、従来のモータにおけるノイズの値は、最小値1.12mV、最大値1.27mV、平均値1.17mVであり、S/N比の値は、最小値12.70dB、最大値13.90dB、平均値13.39dBである。このようにモータ1においては、従来のモータと比較して、ノイズの低減及びこれに伴うS/N比の向上という結果が得られた。
【0059】
以上に記載した通り、モータ1にあっては、位置検出用導体パターン13に、ノイズの発生原因となる位置検出信号生成部17、18、19、20の導体長さの相違量と同じ導体長さを有する制御導体部21を形成したので、各位置検出信号生成部17、18、19、20及び制御導体部21が駆動マグネット5の速度検出用着磁部7、7、・・・に感応したときに発生する起電力が相殺されるため、ノイズの低減を図ることができ、また、制御導体部21は位置速度検出用着磁部8、9と感応して位置検出信号の出力に寄与するため、位置検出信号の出力の低下を来たすことがない。
【0060】
また、第1の位置検出信号生成部17の導体長さをAとし、第2の位置検出信号生成部18の導体長さをBとし、第3の位置検出信号生成部19の導体長さをCとし、第4の位置検出信号生成部20の導体長さをDとし、制御導体部21の導体長さをEとしたときに、A―B―E=0、かつ、D―C=0を満足するため、第1の位置検出信号生成部17、第2の位置検出信号生成部18及び制御導体部21が一方の極に着磁された着磁部7、7に対応して位置されると共に第3の位置検出信号生成部19、第4の位置検出信号生成部20が他方の極に着磁された着磁部7に対応して位置された状態において、ノイズを確実に低減することができる。
【0061】
さらに、モータ1にあっては、A+B=C+D+Eを満足するため、第1の位置検出信号生成部17、第4の位置検出信号生成部20及び制御導体部21が一方の極に着磁された着磁部7、7に対応して位置されると共に第2の位置検出信号生成部18、第3の位置検出信号生成部19が他方の極に着磁された着磁部7に対応して位置された状態において、ノイズを確実に低減することができる。
【0062】
尚、上記には、制御導体部21を、第4の位置検出信号生成部20を挟んで第3の位置検出信号生成部19の反対側に形成した例を示したが、制御導体部21を第1の位置検出信号生成部17を挟んで第2の位置検出信号生成部18の反対側に形成するようにしてもよい。
【0063】
上記した実施の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0064】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、請求項1に記載した発明によれば、各位置検出信号生成部及び制御導体部が駆動マグネットの速度検出用着磁部に感応したときに発生する起電力が相殺されるため、ノイズの低減を図ることができ、また、制御導体部は位置速度検出用着磁部と感応して位置検出信号の出力に寄与するため、位置検出信号の出力の低下を来たすことがない。
【0065】
請求項2に記載した発明によれば、第1の位置検出信号生成部、第2の位置検出信号生成部及び制御導体部が一方の極に着磁された着磁部に対応して位置されると共に第3の位置検出信号生成部、第4の位置検出信号生成部が他方の極に着磁された着磁部に対応して位置された状態において、ノイズを確実に低減することができる。
【0066】
請求項3及び請求項4に記載した発明によれば、第1の位置検出信号生成部、第4の位置検出信号生成部及び制御導体部が一方の極に着磁された着磁部に対応して位置されると共に第2の位置検出信号生成部、第3の位置検出信号生成部が他方の極に着磁された着磁部に対応して位置された状態において、ノイズを確実に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図7と共に本発明位置検出装置を備えたモータの実施の形態を示すものであり、本図はモータの縦断面図である。
【図2】ローター部の駆動マグネットとステーター部の位置検出用導体パターンとの位置関係を示す平面図である。
【図3】ステーター部の速度検出用導体パターンと位置検出用導体パターンとを示す平面図である。
【図4】ステーター部の各位置検出信号生成部がローター部の隣接する3極の速度検出用着磁部に感応している状態を示す拡大平面図である。
【図5】ステーター部の各位置検出信号生成部がローター部の隣接する2極の速度検出用着磁部に感応している状態を示す拡大平面図である。
【図6】位置検出信号の測定結果を示すグラフ図である。
【図7】FG信号の出力値、PG信号の出力値、ノイズ、S/N比についての測定結果を示す図表であり、上段は本発明のモータにおける測定結果であり、下段は従来のモータにおける測定結果である。
【図8】図9乃至図11と共に従来のモータに関するものであり、本図は駆動マグネットの平面図である。
【図9】ステーター部の各位置検出信号生成部がローター部の隣接する3極の速度検出用着磁部に感応している状態を示す拡大平面図である。
【図10】ステーター部の各位置検出信号生成部がローター部の隣接する2極の速度検出用着磁部に感応している状態を示す拡大平面図である。
【図11】位置検出信号の測定結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1…モータ、2…ローター部、5…駆動マグネット、6…着磁部、7…速度検出用着磁部、8…位置速度検出用着磁部、9…位置速度検出用着磁部、10…ステーター部、12…速度検出用導体パターン、13…位置検出用導体パターン、17…第1の位置検出信号生成部、18…第2の位置検出信号生成部、19…第3の位置検出信号生成部、20…第4の位置検出信号生成部、21…制御導体部、23…位置検出装置、24…モータ軸
Claims (4)
- 周方向において隣接し交互に異なる極に着磁された複数の着磁部によって構成された円環状の駆動マグネットを有するローター部と、
該ローター部の駆動マグネットに対向して配置された複数の駆動コイルを有するステーター部と、
ローター部と一体となって回転されるモーター軸とを備え、
駆動マグネットの着磁部は、ローター部の回転速度を検出する速度検出用着磁部とローター部の回転位置及び回転速度を検出する位置速度検出用着磁部とから成り、
ステーター部に、位置速度検出用着磁部に感応して位置検出信号を生成する複数の位置検出信号生成部を有する位置検出用導体パターンと、速度検出用着磁部又は位置速度検出用着磁部に感応して速度検出信号を生成する速度検出用導体パターンとが設けられ、
複数の位置検出信号生成部のうちの少なくとも1つは、他の位置検出信号生成部に対して導体長さが異なるように形成され、
位置検出用導体パターンに、位置速度検出用着磁部に感応して位置検出信号を生成すると共に複数の位置検出信号生成部が速度検出用着磁部に感応したときに導体長さの相違に起因して打ち消されない分の起電力の少なくとも一部を打ち消す制御導体部を設けた
ことを特徴とする位置検出装置を備えたモータ。 - 上記複数の位置検出信号生成部は、互いに駆動マグネットの周方向において離間して順に位置された第1の位置検出信号生成部、第2の位置検出信号生成部、第3の位置検出信号生成部及び第4の位置検出信号生成部から成り、
制御導体部を、第4の位置検出信号生成部を挟んで駆動マグネットの周方向における第3の位置検出信号生成部の反対側に離間して、又は、第1の位置検出信号生成部を挟んで駆動マグネットの周方向における第2の位置検出信号生成部の反対側に離間して設け、
第1の位置検出信号生成部の導体長さをAとし、第2の位置検出信号生成部の導体長さをBとし、第3の位置検出信号生成部の導体長さをCとし、第4の位置検出信号生成部の導体長さをDとし、制御導体部の導体長さをEとしたときに、
A―B―E=0、かつ、D―C=0を満足するようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置を備えたモータ。 - 上記複数の位置検出信号生成部は、互いに駆動マグネットの周方向において離間して順に位置された第1の位置検出信号生成部、第2の位置検出信号生成部、第3の位置検出信号生成部及び第4の位置検出信号生成部から成り、
制御導体部を、第4の位置検出信号生成部を挟んで駆動マグネットの周方向における第3の位置検出信号生成部の反対側に離間して、又は、第1の位置検出信号生成部を挟んで駆動マグネットの周方向における第2の位置検出信号生成部の反対側に離間して設け、
第1の位置検出信号生成部の導体長さをAとし、第2の位置検出信号生成部の導体長さをBとし、第3の位置検出信号生成部の導体長さをCとし、第4の位置検出信号生成部の導体長さをDとし、制御導体部の導体長さをEとしたときに、
A+B=C+D+Eを満足するようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置を備えたモータ。 - A+B=C+D+Eを満足するようにした
ことを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置を備えたモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002203469A JP2004048914A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 位置検出装置を備えたモータ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002203469A JP2004048914A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 位置検出装置を備えたモータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004048914A true JP2004048914A (ja) | 2004-02-12 |
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ID=31709325
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004048914A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009089588A (ja) * | 2007-09-13 | 2009-04-23 | Mitsuba Corp | 始動発電機 |
JP2013233030A (ja) * | 2012-04-27 | 2013-11-14 | Denso Trim Kk | 始動発電機 |
CN109245476A (zh) * | 2018-10-31 | 2019-01-18 | 湖北工业大学 | 一种微型pcb电机 |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002203469A patent/JP2004048914A/ja active Pending
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