JP2004048588A - 色変換定義作成方法、色変換定義作成装置および色変換定義作成プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、画像記録媒体上に記録された画像を入力デバイスで読み取って得た入力画像データを、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスに適合した出力画像データに変換するための色変換定義を作成する色変換定義作成方法等に関し、リバーサルフィルム等の画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域の広がりが入力デバイスの色再現領域の一部領域にとどまる場合等であっても、人間の色の感覚に適合した、かつ高精度な色変換を行なうことのできる色変換定義を作成する。
【解決手段】画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を表わす第1の色再現領域を内包するとともにその第1の色再現領域の表面に沿って広がる複数の平面で形成された多面体形状の第2の色再現領域を決定し、その第2の色再現領域を入力デバイスの立方体形状の色再現領域に対応づけた上で、L*a*b*空間上でのカラーマッピングを行なう。
【選択図】 図9
【解決手段】画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を表わす第1の色再現領域を内包するとともにその第1の色再現領域の表面に沿って広がる複数の平面で形成された多面体形状の第2の色再現領域を決定し、その第2の色再現領域を入力デバイスの立方体形状の色再現領域に対応づけた上で、L*a*b*空間上でのカラーマッピングを行なう。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を入力して画像データを得る入力デバイスにより得られた画像データを、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスで画像出力した場合に好適な色調子が得られるように色変換を行なう基になる色変換定義を作成する色変換定義作成方法、色変換定義作成装置、および好適な色調子が得られる色変換定義を作成する色変換定義作成プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、記録された画像を読み取って画像データを得るカラースキャナや、固体撮像素子上に被写体の画像を結像して読み取ることにより画像データを得るDSC(ディジタルスチールカメラ)等、画像を入力して画像データを得る、様々なタイプの入力デバイスが知られている。これらの入力デバイスでは、画像データは、例えばR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3色についてそれぞれ例えば0〜255等の決まった範囲のデータで表わされ、一旦入力デバイスを用いて画像データに変換すると、その画像データによって表わされる画像は、そのR、G、Bからなる色空間内の、その入力デバイスに依存した色再現領域内の色に制限される。
【0003】
また、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスについても、例えば、印画紙上をレーザ光で露光してその印画紙を現像することにより印画紙上に画像を記録する写真プリンタ、電子写真方式やインクジェット方式などの方式で用紙上に画像を記録するプリンタ、輪転機を回して多量の印刷物を作成する印刷機、画像データに基づいて表示画面上に画像を表示するCRTディスプレイやプラズマディスプレイ等の画像表示装置等、様々なタイプの出力デバイスが知られているが、これらの出力デバイスについても上述の入力デバイスと同様、各出力デバイスに応じた色再現領域が存在する。すなわち、出力デバイスは、例えばR、G、B3色を表現する画像データやC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(墨)の4色を表現する画像データに基づいて様々な色を表現することができるが、その表現できる色は、出力デバイス色空間(例えばRGB空間、CMYK空間等)のある色再現領域内(例えばR、G、Bそれぞれについて0〜255の範囲の数値で表わされる色再現領域内等)に制限される。このような入力デバイスや出力デバイスにおける色再現領域はカラーガマット(Color Gamut)と称される。
【0004】
また、例えばある1つの画像データ(例えば(R、G、B)=(50,100,200)を表わす画像データ)であってもその画像データに基づいて得られる画像の色は出力デバイスの種類により異なる。この点は入力デバイスと出力デバイスとの間でも同様であり、ある入力デバイスで得られた(R、G、B)=(50,100,200)の画像データをそのまま用いてある出力デバイスで画像を出力しても、入力デバイスで入力される元になった画像の色と出力デバイスで出力された画像の色は一般には一致しない。したがって、ある入力デバイスで画像を読み取って画像データを得、その画像データを基にして、ある出力デバイスで元の画像を再現しようとしたとき、入力デバイスで得られた画像データをそのまま出力デバイスに送るのではなく、その間で画像データを変換する必要がある。ここでは画像の色に着目しており、この画像データの変換を色変換(ガマットマッピング(Gamut Mapping))と称する。
【0005】
上述したように、色再現領域は各デバイスによって異なるとともに、数値上同一の画像データであっても各デバイスにおいて表現される色はそれぞれに異なっている。そこで、色変換(ガマットマッピング)を行なうにあたっては、デバイスには依存しない共通色空間(Device Independent Dataの空間)、例えばL*a*b*色空間等を中間に置き、入力デバイスで得られた入力デバイスに依存した色空間上の画像データを共通色空間上の画像データに変換してその共通色空間上でガマットマッピングを行ない、そのガマットマッピングを行なった後の画像データを、出力デバイスに依存した色空間上の画像データに変換するという手法が採用されている(例えば特開昭60−105376号公報、特開昭61−288662号公報、特開平4−196675号公報参照)。
【0006】
このように、従来は共通色空間上でガマットマッピングが行なわれているが、この共通色空間でのガマットマッピングは、例えばL*a*b*色空間上ではL*軸、a*軸、b*軸の3軸からなる3次元空間上でのマッピングであり、自由度が大きく、如何ようにもマッピングを行なうことが可能であるが、その反面、自由度が大き過ぎ、マッピングのための調整パラメータの設定が困難であって、結果として、マッピング後の画像に調子の不連続性(調子のジャンプや階調のつながり悪さ)を来たす可能性が高く、また不自然な印象を与える画像となってしまうことも多い。
【0007】
一方、最終的に必要な画像データは出力デバイスに依存した色空間(出力色空間)における画像データであることから、出力色空間上の画像データに変換し、その出力色空間(例えばRGB空間)上で、R、G、Bそれぞれについて例えば0〜255の範囲から食み出たデータを、負のデータについては0に、255を越えるデータについては255にクリップすることによりR、G、Bそれぞれのデータを0〜255の範囲内に圧縮する、といった手法が提案されている(特開平2−214266号公報(CMY空間で圧縮)、特開平4−334267号公報(濃度で圧縮))。これは、単純な手法ではあるが、いわば出力色空間でのガマットマッピングの一例に相当する。
【0008】
この出力色空間上でガマットマッピングを行なうと、出力色空間は、例えばRGB等、人間の色の感覚に合った色空間であるため、共通色空間でガマットマッピングを行なった場合に生じやすい調子の不連続性や不自然な印象の画像となってしまうという不都合を避けることができる。
【0009】
しかしながら、出力色空間でのマッピングは、その出力色空間を規定する、例えばR,G,Bの3軸それぞれについて独立に1次元的にマッピングを行なうのが基本であるため、自由度が低く、上述したように、R,G,Bそれぞれについて例えば0〜255の範囲から食み出たデータを単純に0又は255にクリップして色再現領域(ガマット)の境界(R,G,Bそれぞれについて0〜255の数値の立方体の表面)にマッピングする程度の手法にとどまっており、特に色再現領域(カラーガマット)の境界近傍については1つのデバイスの色再現領域から別のデバイスの色再現領域に精度良く写像することが難しいという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景の下で、入力デバイスに依存した入力RGB空間における、その入力デバイスの色再現領域の境界表面と出力デバイスに依存した出力RGB色空間における、その出力デバイスの色再現領域の表面に相互に対応する点を求めることによりマッピングの方向を決め、実際のマッピングはデバイス非依存の、例えばL*a*b*色空間で行なうというマッピング法が提案されている(特開2001−103329号公報参照)。
【0011】
このマッピング法によれば、デバイスに依存した、人間の感覚に適合した色空間でマッピングの方向を定めるものであるため、マッピング特性の調整が容易であり、しかも、実際のマッピングはデバイス非依存の共通色空間で行なうため、デバイスの色再現領域の境界近傍を含め高精度なマッピングを行なうことができる。
【0012】
しかし、上記のマッピング法を採用することができるのは、入力デバイスにより読み取られる画像上に表現することが可能な色の領域が、その入力デバイスに依存した色空間(上記の例にいう入力RGB空間)の、その入力デバイスの色再現領域(例えば、R,G,Bのいずれについても0〜255の数値を持つ立方体領域)に一致する場合に限られる。
【0013】
これに対し、例えば多数のカラーパッチを配列したカラーチャートをリバーサルフィルム上に形成し、このリバーサルフィルム上に形成されたカラーチャートをカラースキャナで読み取って、上記の特開2001−103329号公報に開示されたマッピング法に従ってマッピングを行なうことを考えたとき、そのリバーサルフィルム上のカラーチャートをカラースキャナで読み取ったときの、そのカラースキャナに依存した色空間(例えば入力RGB空間)上における、そのカラーチャート上に表現された色が占める領域は、一般的には、そのカラースキャナの色再現領域である、R,G,Bのいずれもが0〜255の範囲内の値をとる立方体領域全域には広がらず、その立方体領域の中の一部領域を占めるに過ぎない。しかも、同一のカラーチャートであっても、カラースキャナの種類が異なるなど、そのカラーチャートを読み取る入力デバイスが異なれば、その入力デバイスに依存した色空間における、そのカラーチャート上に表現された色が占める領域の広がりや形状が異なることになる。
【0014】
このように、入力デバイスにより読み取られる画像上に表現することが可能な色の領域がその入力デバイスに依存した色空間におけるその入力デバイスの色再現領域全域には広がっておらずその一部領域にのみ広がっている場合は、上記の特開2001−103329号公報に提案されたマッピング法を採用してもそのマッピング法の優れた性能が十分には発揮されず、また、同一のカラーチャートであってもカラースキャナの種類等によりそのカラーチャート上に表現された色が占める領域が異なることから、カラースキャナの種類により上記のマッピング法の効果の程度が異なるという問題がある。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑み、リバーサルフィルム等の画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域の広がりが入力デバイスの色再現領域の一部領域にとどまる場合や、入力デバイスによってその一部領域の広さや形状が異なる場合であっても、人間の色の感覚に適合した、かつ高精度な色変換を行なう色変換定義を作成することのできる色変換定義作成方法、色変換定義作成装置、および、コンピュータをそのような色変換定義作成装置として動作させることのできる色変換定義作成プログラムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の色変換定義作成方法は、画像記録媒体上に記録された画像を入力デバイスで読み取って得た入力画像データを、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスに適合した出力画像データに変換するための色変換定義を作成する色変換定義作成方法において、
上記画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を表す第1の色再現領域を内包する、所定の色空間上で多面体形状を成す第2の色再現領域を、上記出力デバイスの色再現領域を近似した、その所定の色空間上で多面体形状を成す色再現領域を元に作成する色再現領域作成過程と、
上記入力デバイスの色再現領域の境界上の各点をその入力デバイスに依存した第1の色空間で表現したときの座標と同じ座標で上記第2の色再現領域の境界上の各点が表現されるような各座標を、その第2の色再現領域全域の各点に対応づけて第2の色空間を形成する座標対応付過程と、
デバイス非依存の共通色空間上で表現されてなる第2の色再現領域の内部の座標を、その共通色空間における出力デバイスの色再現領域内の座標に変換するための共通色空間上でのマッピング定義を、出力デバイスに依存した第3の色空間および上記第2の色空間のうちの少なくともいずれか一方を使って変換方向を決定して作成するマッピング定義作成過程と、
上記第1の色空間上の第1の座標を入力デバイスのプロファイルに従って共通色空間上の第2の座標に変換しその第2の座標をマッピング定義に従って共通色空間上の第3の座標に変換しその第3の座標を出力デバイスのプロファイルに従って上記第3の色空間上の第4の座標に変換したときと同等の、第1の座標と第4の座標との間の変換を定義した色変換定義を作成する色変換定義作成過程とを有することを特徴とする。
【0017】
本発明の色変換定義作成方法では、リバーサルフィルム等の画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を表わす第1の色再現領域を内包した多面体形状の第2の色再現領域を、出力デバイスの色再現領域を近似した多面体形状の色再現領域を元に作成するので、コンピュータなどにおける自動作成が可能である。また、入力デバイスに依存した第1の色空間におけるその第2の色再現領域全域がその入力デバイスの色再現領域(例えば入力RGB空間におけるR,G,B=0〜255の立方体形状の色再現領域)の全域に対応づけられるようにマッピングを行なう。これにより、画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域が、入力デバイスの色再現領域(例えばR,G,B=0〜255の立方体領域)と同等な座標で表現される。
【0018】
本発明の色変換定義作成方法は、このようなマッピングを行なった上で、後は、例えば特開2001−103329号公報にて提案されたマッピング法を採用して、共通色空間におけるマッピング定義を作成する。こうすることにより、画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域が本来は入力デバイスの色再現領域のうちの一部の領域のみに広がり、あるいはその広がりの程度や広がりの形状が入力デバイス等により異なる場合であっても、常に安定的に高精度な色変換定義を作成することができる。
【0019】
ここで、本発明の色変換定義作成方法において、上記色再現領域作成過程は、上記共通色空間において多面体形状となる第2の色再現領域を作成する過程であることが好ましい。
【0020】
第1の色再現領域を多面体形状の第2の色再現領域で囲うにあたっては、入力デバイスに依存した第1の色空間上で行なってもよいが、その場合、画像記録媒体(画像記録媒体上のカラーチャート)が同一であっても、入力デバイスにより第1の色再現領域が異なり、入力デバイスが異なるごとに第2の色再現領域をあらたに決定し直す必要を生じる場合がある。
【0021】
これに対し、共通色空間上で、第1の色再現領域を多面体形状の第2の色再現領域で囲うことにより、画像記録媒体(画像記録媒体上のカラーチャート)が同一であれば、入力デバイスの影響を受けずに、第2の色再現領域を決定することができる。
【0022】
また、上記本発明の色変換定義作成方法において、上記色再現領域作成過程は、白、黒、レッド、グリーン、ブルー、シアン、マゼンタ、およびイエローを表わす各点を各頂点とする12面体形状の第2の色再現領域を作成する過程であることが好ましい。
【0023】
上記の12面体で囲うことにより、第1の色再現領域に極めて近い形状の第2の色再現領域を作成することができる。ただし、本発明においては第2の色再現領域は12面体である必要はなく、第1の色再現領域の形状にもよるが、その第1の色再現領域を6面体で囲い、6面体形状の第2の色再現領域を作成してもよい。
【0024】
また、上記目的を達成する本発明の色変換定義作成装置は、
画像記録媒体上に記録された画像を入力デバイスで読み取って得た入力画像データを、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスに適合した出力画像データに変換するための色変換定義を作成する色変換定義作成装置において、
上記画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を表す第1の色再現領域を内包する、所定の色空間上で多面体形状を成す第2の色再現領域を、上記出力デバイスの色再現領域を近似した、その所定の色空間上で多面体形状を成す色再現領域を元に作成する色再現領域作成部と、
上記入力デバイスの色再現領域の境界上の各点をその入力デバイスに依存した第1の色空間で表現したときの座標と同じ座標で上記第2の色再現領域の境界上の各点が表現されるような各座標を、その第2の色再現領域全域の各点に対応づけて第2の色空間を形成する座標対応付部と、
デバイス非依存の共通色空間上で表現されてなる第2の色再現領域の内部の座標を、その共通色空間における出力デバイスの色再現領域内の座標に変換するための共通色空間上でのマッピング定義を、出力デバイスに依存した第3の色空間および上記第2の色空間のうちの少なくともいずれか一方を使って変換方向を決定して作成するマッピング定義作成部と、
上記第1の色空間上の第1の座標を入力デバイスのプロファイルに従って共通色空間上の第2の座標に変換しその第2の座標をマッピング定義に従って共通色空間上の第3の座標に変換しその第3の座標を出力デバイスのプロファイルに従って上記第3の色空間上の第4の座標に変換したときと同等の、第1の座標と第4の座標との間の変換を定義した色変換定義を作成する色変換定義作成部とを備えたことを特徴とする。
【0025】
尚、本発明の色変換定義作成装置には、前述の本発明の色変換定義作成方法における全ての態様に相当する各種の態様全てが含まれる。
【0026】
さらに、本発明の色変換定義作成プログラムは、コンピュータ内で実行され、そのコンピュータを、画像記録媒体上に記録された画像を入力デバイスで読み取って得た入力画像データを、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスに適合した出力画像データに変換するための色変換定義を作成する色変換定義作成装置として作動させる色変換定義作成プログラムであって、
上記画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を表す第1の色再現領域を内包する、所定の色空間上で多面体形状を成す第2の色再現領域を、上記出力デバイスの色再現領域を近似した、その所定の色空間上で多面体形状を成す色再現領域を元に作成する色再現領域作成部と、
上記入力デバイスの色再現領域の境界上の各点をその入力デバイスに依存した第1の色空間で表現したときの座標と同じ座標で上記第2の色再現領域の境界上の各点が表現されるような各座標を、その第2の色再現領域全域の各点に対応づけて第2の色空間を形成する座標対応付部と、
デバイス非依存の共通色空間上で表現されてなる第2の色再現領域の内部の座標を、その共通色空間における出力デバイスの色再現領域内の座標に変換するための共通色空間上でのマッピング定義を、出力デバイスに依存した第3の色空間および上記第2の色空間のうちの少なくともいずれか一方を使って変換方向を決定して作成するマッピング定義作成部と、
上記第1の色空間上の第1の座標を入力デバイスのプロファイルに従って共通色空間上の第2の座標に変換しその第2の座標をマッピング定義に従って共通色空間上の第3の座標に変換しその第3の座標を出力デバイスのプロファイルに従って上記第3の色空間上の第4の座標に変換したときと同等の、第1の座標と第4の座標との間の変換を定義した色変換定義を作成する色変換定義作成部とを備えたことを特徴とする。
【0027】
尚、本発明の色変換定義作成プログラムにおいても、前述の本発明の色変換定義作成方法における全ての態様に相当する各種の態様全てが含まれる。
【0028】
なお、上記本発明の色変換定義作成装置と、上記色変換定義作成プログラムとでは、それらを構成する構成要素名として、色再現領域作成部といった互いに同一の名称を付しているが、色変換定義作成プログラムの場合は、そのような作用をなすソフトウェアを指し、色変換定義作成装置の場合は、ハードウェアを含んだものを指している。
【0029】
また、本発明の色変換定義作成プログラムを構成する色再現領域作成部などといった構成要素は、1つの構成要素の機能が1つのプログラム部品によって担われるものであってもよく、1つの構成要素の機能が複数のプログラム部品によって担われるものであってもよく、複数の構成要素の機能が1つのプログラム部品によって担われるものであってもよい。また、これらの構成要素は、そのような作用を自分自身で実行するものであってもよく、あるいは、コンピュータに組み込まれている他のプログラムやプログラム部品に指示を与えて実行させるものであっても良い。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態が適用された画像入力−色変換−画像出力システムの全体構成図である。
【0032】
ここには、カラースキャナ10が示されており、そのカラースキャナ10では、カラーリバーサルフィルム上に記録された原稿画像11が読み取られてRGB3色の画像データが生成される。このRGBの画像データはパーソナルコンピュータ20に入力される。このパーソナルコンピュータ20では、カラースキャナ10で得られた画像データが、後述するカラープリンタ30に適した画像出力用のRGB3色の画像データに変換される。この画像出力用の画像データは、カラープリンタ30に入力され、そのカラープリンタ30では、入力された画像データに基づくプリント出力が行なわれて、プリント画像31が形成される。
【0033】
ここで、このパーソナルコンピュータ20は、本発明にいう色変換定義作成装置の一実施形態を兼ねており、このパーソナルコンピュータ20では、あらかじめ色変換定義が作成され、カラースキャナ10で得られた画像データをカラープリンタ30用の画像データに変換する際は、その作成された色変換定義が参照される。この色変換定義、およびその作成方法については後述するが、その色変換定義を作成するにあたっては、カラーリバーサルフィルム上に記録された多数の色パッチが配列されたカラーチャート11aがカラースキャナ10により読み取られる。
【0034】
この図1に示すシステムでは画像データに基づく画像を出力する出力デバイスの一例としてカラープリンタ30を示したが、このカラープリンタ30は、電子写真方式のカラープリンタであってもよく、インクジェット方式のカラープリンタであってもよく、変調されたレーザ光で印画紙を露光してその印画紙を現像する方式のプリンタであってもよく、そのプリント方式の如何を問うものではない。また、出力デバイスとしては、プリンタに限定されるものではなく、印刷機であってもよく、あるいは表示画面上に画像を表示するCRTディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置等の画像表示装置であってもよい。
【0035】
ここで、この図1に示すシステムにおける、本発明の一実施形態としての特徴は、パーソナルコンピュータ20の内部で実行される処理内容にあり、以下、このパーソナルコンピュータ20について説明する。
【0036】
図2は、図1に1つのブロックで示すパーソナルコンピュータ20の外観斜視図、図3は、そのパーソナルコンピュータ20のハードウェア構成図である。
【0037】
このパーソナルコンピュータ20は、外観構成上、本体装置21、その本体装置21からの指示に応じて表示画面22a上に画像を表示する画像表示装置22、本体装置21に、キー操作に応じた各種の情報を入力するキーボード23、および、表示画面22a上の任意の位置を指定することにより、その位置に表示された、例えばアイコン等に応じた指示を入力するマウス24を備えている。この本体装置21は、外観上、フレキシブルディスクを装填するためのフレキシブルディスク装填口21a、およびCD−ROMを装填するためのCD−ROM装填口21bを有する。
【0038】
本体装置21の内部には、図3に示すように、各種プログラムを実行するCPU211、ハードディスク装置213に格納されたプログラムが読み出されCPU211での実行のために展開される主メモリ212、各種プログラムやデータ等が保存されたハードディスク装置213、フレキシブルディスク100が装填されその装填されたフレキシブルディスク100をアクセスするFDドライブ214、CD−ROM110が装填され、その装填されたCD−ROM110をアクセスするCD−ROMドライブ215、カラースキャナ10(図1参照)と接続され、カラースキャナ10から画像データを受け取る入力インタフェース216、カラープリンタ30(図1参照)と接続され、カラープリンタ30に画像データを送る出力インタフェース217が内蔵されており、これらの各種要素と、さらに図2にも示す画像表示装置22、キーボード23、マウス24は、バス25を介して相互に接続されている。
【0039】
ここで、CD−ROM110には、このパーソナルコンピュータ20を色変換定義作成装置として動作させるための色変換定義作成プログラムが記憶されており、そのCD−ROM110はCD−ROMドライブ215に装填され、そのCD−ROM110に記憶された色変換定義作成プログラムがこのパーソナルコンピュータ20にアップロードされてハードディスク装置213に記憶される。
【0040】
次に、コンピュータ20にアップロードにされた色変換定義作成プログラムによる色変換定義の作成方法について説明するが、ここでは、先ず、従来の一般的な色変換の手法について説明する。
【0041】
図4は、入力プロファイルの概念図である。
【0042】
入力プロファイルがカラースキャナ10のメーカ等から入手できる時は、入力プロファイルを新たに作成することは不要であるが、ここではその入力プロファイルの作成方法の概要について説明する。
【0043】
図1に示す原稿画像11に代えて多数の色パッチからなるカラーパッチ画像11aを用意し、そのカラーパッチ画像11aをカラースキャナ10で読み取って各色パッチごとの、入力RGB空間(本発明にいう第1の色空間の一例)上の色データを得るとともに、そのカラーパッチ画像を測色計で測色して、各色パッチについて、例えば、共通色空間の一例であるL*a*b*空間上の座標点を表わす色データを得る。尚、共通色空間に関する詳細説明は後に譲る。
【0044】
このようにして、入力RGB空間上の座標点とL*a*b*色空間上の座標点との対応が定義された入力プロファイルが得られる。この入力プロファイルは、カラースキャナ10の種類や、さらに一般的には入力デバイスの種類によってそれぞれ異なる、入力デバイスに依存したプロファイルである。
【0045】
図5は、出力プロファイルの概念図である。
【0046】
カラープリンタに対応する出力プロファイルはそのカラープリンタのメーカから提供されることもあり、プリント出力しようとするカラープリンタに対応する出力プロファイルを入手することが出来れば出力プロファイルの作成は不要であるが、ここでは、その出力プロファイルを新たに作成するとした場合の作成方法の概要について説明する。
【0047】
図1に示すパーソナルコンピュータ20から、RGB3色の画像データとして、R,G,Bそれぞれの値を順次変化させた画像データを発生し、そのようにして発生させた画像データに基づくカラーパッチ画像をカラープリンタ30でプリント出力する。図1に示すプリント画像31は、カラーパッチ画像を表わしている画像ではないが、このプリント画像31に代えてカラーパッチ画像をプリント出力したものとし、そのカラーパッチ画像を構成する各カラーパッチを測色計で測定する。こうすることにより、RGB3色の色空間(本発明にいう第3の色空間の一例)上の座標値と共通色空間(ここではL*a*b*色空間)上の座標値との対応関係をあらわす出力プロファイルが構築される。
【0048】
この出力プロファイルは、出力デバイスに応じてそれぞれ異なる、出力デバイスに依存したプロファイルである。
【0049】
図6は、入力プロファイルと出力プロファイルとの双方からなる色変換アルゴリズムを示す概念図である。
【0050】
図4と図5を参照して説明した入力プロファイルと出力プロファイルを図1に示すパーソナルコンピュータ20に記憶しておき、カラースキャナ10で得られたRGBの画像データを、図6に示すように、入力プロファイルにより一旦L*a*b*色空間上の画像データに変換し、そのL*a*b*色空間上の画像データを、出力プロファイルによりRGBの画像データに変換してカラープリンタに伝える。こうすることにより、カラープリンタ30では、原稿画像11の色表現を再現したプリント画像31を得ることができる。
【0051】
ただし、このような単純な色変換アルゴリズムの場合、以下に説明するように、カラースキャナ10の色再現領域(カラーガマット)とカラープリンタ30の色再現領域(カラーガマット)とが一般的には一致しないという問題、および、図1に示すカラーチャート11aをカラースキャナ10で読み取って得た、そのカラーチャート11aの色再現領域がカラースキャナ10の色再現領域に一致しないという問題がある。
【0052】
以下では、これらの2つの問題について順次説明する。
【0053】
ここでは先ず、カラースキャナ10の色再現領域とカラープリンタ30の色再現領域とが一致しないという問題について説明する。
【0054】
図7は、カラースキャナ10とカラープリンタ30の色再現領域の模式図である。
【0055】
図7(A)は、入力側の色空間である入力RGB空間を示したものであるが、この図7(A)には、図示の簡単のためR−G平面が示されている。図7(B),図7(C)も同様であり、図7(B)は共通色空間の1つであるL*a*b*空間のL*−a*平面について示されており、図7(C)は出力側の色空間である出力RGB空間のR−G平面について示されている。
【0056】
カラースキャナ10は、原稿画像11を、R,G,Bそれぞれについて0〜255の値の数値を表わす画像データに変換するものとし、この場合、図7(A)に示す矩形領域がカラースキャナ10の色再現領域101となる。
【0057】
ここで、図4を参照して作成した入力プロファイルを用いて、図7(A)に示す、カラースキャナ10の色再現領域101を、L*a*b*空間に写像すると、そのカラースキャナ10の色再現領域は領域102のように表わされ、その色再現領域102を、さらに、図5を参照して説明した出力プロファイルを用いて出力側の色空間である出力RGB空間に写像すると、そのカラースキャナ10の色再現領域は、図7(C)に示す領域103に示すように表わされる。
【0058】
これに対し、図1に示すカラープリンタ30の色再現領域303は、図7(C)の出力RGB空間上で、R,G,Bともに0〜255の数値範囲で示される立方体領域(図7(C)ではR−G平面上の矩形領域)である。すなわち、原稿画像11をカラースキャナ10で読み取って入力RGB空間上の画像データに変換し、その画像データをL*a*b*空間を経由して出力RGB空間上の画像データに変換すると、カラープリンタ30で表現することのできる色(画像データ上でRGBともに0〜255の範囲)を超えた値、例えば図7(C)に例示するような(R,G)=(110,290)、あるいは、(R,G)=(−100,260)などの値に変換される場合がある。その場合、これらの画像データ、すなわち、カラープリンタ30の色再現領域から外れた画像データは、カラープリンタ30では出力できないため、従来は、前述した様に、それらの画像データをカラープリンタ30の色再現領域の境界に位置する画像データとなるようにクリップすることが提案されている。具体的には、(R,G)=(110,290)は、(R,G)=(110,255)に変更され、(R,G)=(−100,260)は(R,G)=(0,255)に変更されることになる。
【0059】
このような出力デバイスに依存した色空間におけるマッピングの場合、前述したように、マッピングの自由度が小さく、上記のような、出力デバイスの色再現領域から外れたデータを単純にクリップしてその色再現領域の境界に移動させるだけのマッピングが行なわれており、1つのデバイス(例えばカラースキャナ10)の色再現領域から別のデバイス(例えばカラープリンタ30)の色再現領域に写像するにあたり、特にそれらの色再現領域の境界近傍における写像の精度が大きく低下する場合がある。
【0060】
一方、図7(C)に0〜255の矩形領域で示されるカラープリンタ30の色再現領域303を出力プロファイルを用いてL*a*b*空間に写像すると、図7(B)に示す領域302のように表わされる。このL*a*b*空間に代表される共通色空間において、カラースキャナ10(入力デバイス)の色再現領域102内のデータをカラープリンタ30(出力デバイス)の色再現領域302内のデータに変換するための手法が従来いくつか提案されていることは前述した通りである。
【0061】
L*a*b*空間における色変換(マッピング)では、カラープリンタ30で表現することのできる色再現領域を広く利用しようとしたとき、一般的には、図7(B)に破線の矢印で示すような、カラースキャナ10の色再現領域101とカラープリンタ30の色再現領域302との共通領域402から外れたデータをその共通領域402の内部にマッピングする‘圧縮’と、図7(B)に実線の矢印で示すように、その共通領域402内部のデータを、カラープリンタ30の色再現領域302の内部という条件を保った上で、その共通領域402の外部に広げる‘伸長’との双方が行なわれる。
【0062】
従来提案されているL*a*b*空間に代表される共通色空間でのマッピングは、マッピングの自由度が大き過ぎ、前述したように、調子が不連続となったり不自然な印象の画像となってしまう危険性が大きい。
【0063】
図7(B)のL*a*b*空間に写像されたカラープリンタ30の色再現領域302を図7(A)の入力RGB空間にさらに写像すると、カラースキャナ10の色再現領域である矩形の領域101からはみ出た部分のある、‘ひしゃげた’形の領域301のように表現される。
【0064】
次に、図1に示すカラーチャート11aをカラースキャナ10で読み取って得たときの、そのカラーチャート11aの色再現領域とカラースキャナ10の色再現領域が一致しないという問題について説明する。
【0065】
図8は、カラーチャートとカラースキャナの色再現領域の模式図である。図7と同様、ここでも図示の簡単のために、R−G平面が示されている。
【0066】
図8に破線で示した矩形の色再現領域101は、図7(A)の色再現領域101と同一のものであり、R,G,Bそれぞれについて0〜255の数値範囲で示される、立方体形状の、カラースキャナ10の色再現領域である。
【0067】
これに対し、図8に実線で示した色再現領域501は、カラーチャートの色再現領域である。このカラーチャートの色再現領域501は、カラースキャナの色再現領域101の一部の領域を占めているに過ぎない。
【0068】
本実施形態では、後述するようにして、人間の色の感覚に適合させつつ、図7(B)に破線の矢印で示すような、‘圧縮’と‘伸長’との双方のマッピングを行なうためのマッピング定義が作成されるが、図8に示すようにカラーチャートの色再現領域501がカラースキャナの色再現領域101と大きく異なっている場合、後述するマッピング法を採用しても高精度のマッピングを行なうマッピング定義を作成することは困難である。この問題を解決するために、カラーチャートの色再現領域501を外挿してカラースキャナの色再現領域101の全域にまで広げることも考えられるが、大幅に広げる必要がある場合などは、正確な外挿は困難であり、やはり高精度のマッピングを行なうマッピング定義を作成することは困難である。
【0069】
次に、共通色空間について説明する。この共通色空間については、L*a*b*色空間がその1つの例である旨説明したが、L*a*b*色空間である必要はなく、特定の入力デバイスあるいは特定の出力デバイスに依存しないように定義された色空間であればよい。例えばL*a*b*色空間のほか、XYZ色空間であってもよく、あるいはそれらの色空間に対し、色空間上の各座標点が1対1で対応づけられるように明確に定義された座標系であってもよい。そのような座標系の例としては、以下の様に定義された標準RGB信号などがある。
【0070】
【数1】
【0071】
ここで、例えばRSRGBを8ビットで表現したものをR8bitで表記すると、
R8bit=255×12.92RSRGB (0<RSRGB<0.00304)
R8bit=255×1.055RSRGB(1.0/2.4) −0.055
(0.00304≦RSRGB≦1)
となる。GSRGB,BSRGBを8ビットで表現したG8bit,B8bitも同様に、それぞれGSRGB,BSRGBから変換することができる。
【0072】
もしくは、リバーサルフィルムのcmy濃度で定義される色空間を共通色空間として採用してもよい。共通色空間を定めると、その共通色空間における色再現領域が明確に定義される。
【0073】
次に、図1〜図3に示すコンピュータシステム20内で実行される色変換定義作成プログラムによる色変換定義作成方法について説明する。
【0074】
図9は、コンピュータシステム20内で実行される色変換定義作成プログラムによる色変換定義作成方法を示したフローチャートである。
【0075】
ここでは、色再現領域作成過程(ステップa1)、座標対応付過程(ステップa2)、マッピング定義作成過程(ステップa3)、および色変換定義作成過程(ステップa4)を経て色変換定義が作成される。マッピング定義作成過程(ステップa3)では、基本的には第1過程(ステップa32)が実行されるが、本実施形態では、一層高精度なマッピング定義が作成されるよう、その第1過程の前段に第2過程(ステップa31)が置かれている。
【0076】
以下、これらの各過程について順次説明する。
【0077】
先ず、図9のステップa1の色再現領域作成過程について説明する。
【0078】
このステップa1では、図1に示すカラーチャート画像11aがカラースキャナ10で読み取られ、図4を参照して説明したような、カラースキャナ10用の入力プロファイルが参照されて、そのカラースキャナ10に依存した入力RGB空間(本発明にいう第1の色空間の一例)における、そのカラーチャート画像11aの色再現領域(表現される色空間を問わず、そのカラーチャート画像11aの色再現領域は、本発明にいう第1の色再現領域の一例に対応する)が、デバイス非依存の共通色空間(例えばL*a*b*空間)に写像される。
【0079】
図10は、入力RGB空間における、カラースキャナの色再現領域101とカラーチャート画像の色再現領域501を示す図である。
【0080】
この図10は、図8と同じ内容をR,G,Bの3軸からなる立体として表現したものである。
【0081】
カラーチャート画像の色再現領域501の各頂点に付した、W,K,R,G,B,C,M,Yの各符号は、それぞれ、その符号が付された頂点が、そのカラーチャート画像の色再現領域501の、白、黒、レッド、グリーン、ブルー、シアン、マゼンタ、イエローの点であることを示している。
【0082】
また、図11は、図10に示す、カラーチャート画像の色再現領域501を、カラースキャナ10の入力プロファイルを参照してL*a*b*空間に写像したときの、そのL*a*b*空間におけるカラーチャート画像の色再現領域502(本発明にいう第1の色再現領域)と、その色再現領域502を内包する多面体形状(ここでは12面体形状)の色再現領域602(本発明にいう第2の色再現領域の一例に相当する)を示した図であり、図11(A)には3次元的に、図11(B)には2次元的に示されている。L*a*b*空間自体は、図11に示す2つの色再現領域502,602よりも広く広がっている。
【0083】
図10に示すカラーチャート画像の色再現領域501をカラースキャナの入力プロファイルに従って図11に示すようにL*a*b*空間に写像した後、今度は、そのL*a*b*空間における、カラーチャート画像の色再現領域502を取り囲む12面体を、以下説明するように作成する。
【0084】
先ず、色再現領域502を取り囲む12面体の元となる12面体を、出力デバイスの色再現領域を近似して算出するために、出力デバイスの色再現領域における白、黒、レッド、グリーン、ブルー、シアン、マゼンタ、イエローの各頂点W,K,R,G,B,C,M,Yの座標を出力デバイスに依存する出力RGB空間で、次のように求める。
【0085】
Black =(0,0,0)
Red =(255,0,0)
Green =(0,255,0)
Blue =(0,0,255)
Cyan =(0,255,255)
Magenta=(255,0,255)
Yellow =(255,255,0)
White =(255,255,255)
次に、これらの各頂点のうちの3点からなる組を以下のように作成する。
【0086】
Black−Red−Green
Black−Green−Blue
Black−Blue−Red
Red−Green−Yellow
Green−Blue−Cyan
Blue−Red−Magenta
Yellow−Cyan−Green
Magenta−Yellow−Red
Cyan−Magenta−Blue
White−Yellow−Cyan
White−Magenta−Yellow
White−Cyan−Magenta
以下では、これらの3点の組のうち、一例としてWhite−Cyan−Magentaの組を使って説明を続ける。
【0087】
出力デバイスのプロファイルは、出力RGB空間上の点とL*a*b*空間上の点との組み合わせによって構成されており、この出力デバイスのプロファイルを構成している出力RGB空間上の点の中から、White−Cyan−Magentaの3点からなる三角形上に存在する全ての点Pi(i=1,…,n)を抽出する。これらの点Piは、出力RGB空間での座標を(Ri,Gi,Bi)と表現すると、いずれもBi=255,Ri+Gi≧255という関係を満たしている。
【0088】
このような点Pi(i=1,…,n)それぞれと組み合わされているL*a*b*空間上の点(L*i,a*i,b*i)(i=1,…,n)を出力デバイスのプロファイルから求め、求めた点(L*i,a*i,b*i)(i=1,…,n)の集合を近似した平面を最小二乗法を用いて算出する。即ち、求めるべき平面を
L*=αa*+βb*+ave(L*)
と置いて係数α、βを算出する。ave(L*)は、各点のLi値の平均を表している。ここで、
【0089】
【数2】
【0090】
と置くと、上記平面の式は、
【0091】
【数3】
【0092】
と変形され、係数α、βが以下の式で求められる。
【0093】
【数4】
【0094】
以上の手順で、White−Cyan−Magentaの3点からなる三角形に対応するL*a*b*空間上の平面が求められる。同様の手順で、上述した各3点の組について点Piの抽出と平面の算出を行う。各組において点Piが満たす条件は以下のようになる。
【0095】
K−R−G Bi=0,Ri+Gi≦255
K−G−B Ri=0,Bi+Gi≦255
K−B−R Gi=0,Ri+Bi≦255
R−G−Y Bi=0,Ri+Gi≧255
G−B−C Ri=0,Bi+Gi≧255
B−R−M Gi=0,Ri+Bi≧255
Y−C−G Gi=255,Ri+Bi≦255
M−Y−R Ri=255,Bi+Gi≦255
C−M−B Bi=255,Ri+Gi≦255
W−Y−C Gi=255,Ri+Bi≧255
W−M−Y Ri=255,Bi+Gi≧255
これにより、出力デバイスの色再現領域を近似した12面体が得られる。このようにして得られた12面体702が、図11(B)に示されている。
【0096】
次に、このようにして得られた12面体702を元にして、上述した第2の色再現領域602を以下のように作成する。
【0097】
12面体702がカラーチャート画像の色再現領域501を完全に内包している場合には、12面体702がそのまま第2の色再現領域602となる。
【0098】
一方、図11(B)に示すように、一部分でもカラーチャート画像の色再現領域501が12面体702を飛び出している場合には、12面体702を構成している平面を、矢印が示すように、色再現領域501を内包するまで平行移動させる。これにより、色再現領域501を内包する12面体が得られる。但し、このようにして得られた12面体は、図11(A)に示す第2の色再現領域602のようにきれいに平面が交わった8頂点を有するとは限らず、それらの8頂点のうちの1つ以上の頂点について、その頂点に対応する複数の頂点を有した12面体となる可能性が高い。そこで、それら複数の頂点のうちで最も外側の頂点を、求めるべき8頂点の1つとして設定し、設定された8頂点を結ぶことにより図11(A)に示す第2の色再現領域602を作成する。以下では、このようにして作成した、L*a*b*空間上で12面体形状をなす色再現領域を、カラーチャート画像の色再現領域をいわば再設定した色再現領域であるという意味で、色空間の別を問わず、「再設定色再現領域」と称する。
【0099】
次に、図9のステップa2の座標対応付過程について説明する。
【0100】
上記のようにして、12面体の再設定色再現領域602を決定した後、再設定色再現領域602の全域を図10に破線で示すカラースキャナの色再現領域101の全域に対応づける。以下に、この対応付けのアルゴリズムの一例を示す。
【0101】
先ず、図11に示す12面体の再設定色再現領域602の各頂点を、図10が示す立方体形状のカラーチャートの色再現領域の各頂点に対応づける。
【0102】
具体的には、図11に示す、再設定色再現領域602の各頂点W,B,R,G,B,C,M,Yに、それぞれ、
W=(255,255,255)
B=(0,0,0)
R=(255,0,0)
G=(0,255,0)
B=(0,0,255)
C=(0,255,255)
M=(255,0,255)
Y=(255,255,0)
の数値(座標)を割り当てる。以下では、このように割り当てられた座標のことを、L*a*b*空間上の座標と区別するために割当座標と称する。
【0103】
次に、その12面体の各辺の上の任意の点について、その辺の両端の頂点の割当座標から補間演算によりその任意の点の割当座標を求める。
【0104】
次に、その12面体を形成する各平面内の任意の点について割当座標を割り付ける。
【0105】
図12は、12面体を構成する任意の平面上の任意の点への割当座標の割付け方法の説明図である。
【0106】
ここでは、割当座標を求めようとする点aは、3つの頂点A,B,Cで規定される平面(平面ABC)上にあるものとし、点aの、L*a*b*空間におけるL*の座標を、L*(a)とする。
【0107】
ここで、先ず、L*=L*(a)の平面を考え、そのL*=L*(a)の平面と、3つの頂点A,B,Cで規定される平面の輪郭をなす辺との交点b,cを求める。交点bの割当座標は、頂点Aの割当座標と頂点Bの割当座標とを用いた補間演算により求められており、交点Cの割当座標は頂点Aの割当座標と頂点Cの割当座標とを用いた補間演算により求められている。
【0108】
そこで、ここでは交点bの割当座標と交点cの割当座標とを用いた補間演算により平面ABC上の任意の点aの割当座標が求められる。
【0109】
次に、L*a*b*空間内の任意の点の、図10のカラースキャナの色再現領域101に相当する割当座標が求められる。
【0110】
図13は、L*a*b*空間内の任意の点の割当座標の求め方の説明図である。
【0111】
この図13では、12面体の内側の点d1あるいは12面体の外側の点d2が割当座標を求めるべき点である。
【0112】
ここでは、L*軸のL*=50の点を原点とし、その原点と割当座標を求めようとしている点d1を結んで延長した直線、あるいは原点と割当座標を求めようとしている点d2を結んだ直線と、12面体の表面との交点aを求める。交点aの割当座標は、図12を参照して説明したようにして既に求められている。また、原点の割当座標は、入力デバイスのプロファイルに基づいて原点を入力RGB空間に写像した点の座標とする。そこで、ここでは、原点の割当座標と点aの割当座標とを用いて内挿することにより点d1の割当座標が求められ、原点の割当座標と点aの割当座標とを用いて外挿することにより点d2の割当座標が求められる。このようにして、図11の12面体形状の再設定色再現領域602の全域が、図10に示す、立方体形状のカラースキャナの色再現領域101に対応付けられるとともに、図11の12面体形状の再設定色再現領域602の内側のみでなく、外側についても、図10の立方体形状の色再現領域101の、それぞれ、内側、外側の各点に対応づけられる。
【0113】
尚、再設定色再現領域の外部についても座標を割り当てるのは、ガマット変換の演算の際に再設定色再現領域の外側の点の座標も必要となるからである。
【0114】
このような座標の割り当ては、図11の12面体形状の再設定色再現領域602に対応する再設定色再現領域が、図10に示す色再現領域101と同じ形状となるような新たな色空間を定義したことと等価である。このような新たな色空間を、本発明では第2の色空間と称しており、以下の説明では再設定色空間と称する場合がある。また、この再設定色空間(本発明にいう第2の色空間の一例)における再設定色再現領域を説明する際に、上述した入力RGB空間の図(例えば図10)を流用し、その図における色再現領域101を、再設定色空間における再設定色再現領域を示すものとして用いる場合がある。また、入力RGB空間と再設定色空間とを特に区別せずに用いる場合もある。
【0115】
次に、図9のステップa3のマッピング定義作成過程について説明する。
【0116】
以下に説明する、図9のステップa3のマッピング定義作成過程の説明では、図7(A)、図8、図10の色再現領域101は、再設定色空間における再設定色再現領域、すなわち、図9のステップa2の座標変換過程において図11の12面体形状の再設定色再現領域602に座標が割り付けられてなる対応関係に従って再設定色再現領域602が再設定色空間に写像されたものとして説明する。
【0117】
図14は、図9のステップa31で実行される、マッピング定義作成過程における第2過程の説明図であり、L*a*b*空間における再設定色再現領域およびカラープリンタ30の色再現領域を示している。
【0118】
ここでは、コンクリース変換(Von Kries変換)を応用した順応変換が行なわれる。すなわち、ここでは、再設定色再現領域の白(図11の頂点W)に相当する座標点W1と、再設定色再現領域の黒(図11の頂点K)に相当する座標点K1が、それぞれカラープリンタ30で出力されるプリント画像31の白(そのプリント画像の用紙の色)相当する座標点W3とそのカラープリンタ30で出力することのできる黒(例えばそのカラープリンタ31がR,G,B3色のインクで画像出力を行なうプリンタの場合、R,G,Bの各色のインクを最大量使って印刷した状態)に相当する座標点K3に一致するように座標変換が行なわれる。
【0119】
図14は、この座標変換過程を図示したものであり、先ず、図14(A)に示す、再設定色再現領域102aとカラープリンタの色再現領域302aを、図14(B)に示すように、各黒点K1,K3が原点O(理論上の黒点)に一致するように平行移動する。これにより、先ず、再設定色再現領域102bの黒点とカラープリンタの色再現領域302bの黒点とが一致する。
【0120】
次に、この平行移動後の、再設定色再現領域102bの白点W1が、平行移動後の、カラープリンタの色再現領域302bの白点W3に一致するように、すなわち図14(B)の直線L1が直線L3に一致するように、再設定色再現領域102b全体について回転及び伸縮を伴う座標変換が行なわれる。
【0121】
図14(C)は、この回転及び伸縮を伴う座標変換を行なった後の状態を示しており、再設定色再現領域は、図14(B)に示す色再現領域102bから図14(C)に示す色再現領域102cのように変換される。このとき、再設定色再現領域の白点W1は、カラープリンタの色再現領域の白点W3に一致する。
【0122】
その後、図14(D)に示すように、図14(C)に示すように白点,黒点がそれぞれ一致した、再設定色再現領域102cを、カラープリンタのもともとの色再現領域、すなわち図14(A)に示す、カラープリンタの色再現領域302aの白点W3,黒点B3に一致する位置まで平行移動する。
【0123】
こうすることにより、白点W1,黒点B1がカラープリンタの白点W3,黒点B3にそれぞれ一致した、再設定色再現領域102dを得ることができる。
【0124】
以上の操作を式で示すと、以下のようになる。図14は、L*a*b*空間における色再現領域を示したが、コンクリース変換やそのコンクリース変換を応用した上記の順応変換はXYZ空間で実行されることが多く、ここではXYZ空間を想定して説明する。このXYZ空間の各座標点はL*a*b*空間の各座標点に1対1に対応する共通色空間の1つである。
【0125】
図14(A)に示す再設定色再現領域102aの白点W1,黒点B1のXYZ座標をそれぞれ(LXW1,LYW1,LZW1),(LXB1,LYB1,LZB1)とし、図14(A)に示すカラープリンタの色再現領域302aの白点W3,黒点B3のXYZ座標をそれぞれ(LXW3,LYW3,LZW3),(LXB3,LYB3,LZB3)としたとき、図14(B)に示す各白点W1,W3に相当するXYZ座標(LXW1’,LYW1’,LZW1’),(LXW3’,LYW3’,LZW3’)を、各式
LXW1’=LXW1−LXB1
LYW1’=LYW1−LYB1
LZW1’=LZW1−LZB1 ……(1)
LXW3’=LXW3−LXB3
LYW3’=LYW3−LYB3
LZW3’=LZW3−LZB3 ……(2)
により求め、白点W1(LXW1’,LYW1’,LZW1’)が白点W3(LXW3’,LYW3’,LZW3’)に一致するように回転及び伸縮するためのコンクリース(Von Kries)マトリックスを作成する。
【0126】
ここでは、このコンクリースマトリックスを、
VK=[MTXVK] ……(3)
と表記する。このコンクリースマトリックスは3行×3列のマトリックスとなる。
【0127】
次に、XYZ空間における順応変換前の多数の座標点を代表させて(X,Y,Z)で表わすと、
この(X,Y,Z)が
X1=X−LXB1
Y1=Y−LYB1
Z1=Z−LZB1 ……(4)
により黒点補正(図14(B)参照)がなされ、次に
【0128】
【数5】
【0129】
によりコンクリース変換が行なわれ(図14(C)参照)、次に
X’=X2−LXB3
Y’=Y2−LYB3
Z’=Z2−LZB3 ……(6)
により、黒点をカラープリンタの黒点に一致させるための補正(図14(D)参照)が行なわれる。
【0130】
以上の演算を全ての座標点について行なうことにより、L*a*b*空間で表わしたときの図14(A)に示す再設定色再現領域102aが、白点、黒点がカラープリンタの色再現領域302aの白点、黒点にそれぞれ一致した、図14(D)に示す色再現領域102dに変換される。
【0131】
上記の順応変換をXYZ空間で行なうと、順応変換前の黒点(図14(A)の黒点B1,B3)の座標(X,Y,Z)がほぼ(0,0,0)に近く、したがって黒点の補正は数値を僅かに変化させるだけであって、(1)式,(2)式に従って白点の座標を移動させてもその移動量は僅かで済み、XYZ空間内の広い領域を使って順応変化を行なうことができる点で有利であるが、この順応変化は、必ずしもXYZ空間で行なわなければならない訳でなく、L*a*b*空間で行なってもよく、あるいはその他の共通色空間で行なってもよい。
【0132】
また、ここでは、白点と黒点との双方をそれぞれ一致させる順応変換について説明したが、色変換の精度は多少落ちるものの、簡略的には、黒点は考慮せずに白点のみ一致させるように順応変換を行なってもよい。
【0133】
この白点のみ一致させる順応変換は、図14を参照して説明すると、図14(A)に示す直線L1’が直線L3’に一致するとともに白点W1が白点W3に一致するような座標変換をいい、数式的には、(1)式,(2)式のように黒点の座標を引き算することなく、白点W1(LXW1,LYW1,LZW1)が白点W3(LXW3,LYW3,LZW3)に一致するように回転及び伸縮するためのコンクリースマトリックスを求め、(4)式のように、黒点の座標を引き算することなく、そのコンクリースマトリックスを使って(X,Y,Z)をそのまま変換することを意味する。
【0134】
さらに、この順応変換は、例えばCRTディスプレイ表示画面上の‘白’はかなり青みかかった白であり、そのCRTディスプレイ表示画面に表示された画像をプリント出力する必要があるときのような、測色的にかなり離れた白を持つデバイス間での色変換の場合に必要となるが、図1に示すカラースキャナ10で読み取られる画像の白とカラープリンタ30で出力される画像の白がほぼ一致している場合、この順応変換、すなわち、図9のマッピング定義作成過程の第2過程(ステップa31)は省略してもかまわない。
【0135】
次に、図9に示すフローチャートのマッピング定義作成過程中の第1過程(ステップa32)について、いくつかの例を説明する。
【0136】
図15は、その第1過程における座標変換の第1例の説明図、図16は、その第1例のフローチャートである。図15には、L*a*b*空間内のうちのL*−a*平面について明示されているが、これは図示の便宜上のものであって、実際には、L*a*b*空間内で3次元的な座標変換が行なわれる。図15のみでなく、その後に説明する各種の例についても同様である。
【0137】
ここでは、先ず、座標変換の基準となる座標変換基準座標点cが設定される。この座標変換基準座標点cは、経験的にあるいは所定の設定基準に従ってある程度任意に設定されるが、L*a*b*空間における再設定色変換領域102とカラープリンタの色再現領域302との共通領域内に設定される。さらに、座標変換基準座標点cは、その共通領域内であって、さらに本実施形態ではL*軸(グレー軸)上に設定される。そうすることにより、以下の説明からわかるように、この座標変換基準座標点cは他の座標点にはマッピングされず、したがってグレーバランスを保ちやすいからである。ここでは例えば(L*,a*,b*)=(50,0,0)の点が座標変換基準座標点cとして設定される。
【0138】
尚、図9のフローチャートのマッピング定義作成過程(ステップa3)に図14を参照して説明したような順応変換(ステップa31)を含むときは、L*a*b*空間における再設定色再現領域102は、その順応変換後の色再現領域を指すものとする。
【0139】
ここでは、マッピングを行なう対象となるL*a*b*空間上の再設定色再現領域102内の座標点を第1の座標点tとする。
【0140】
ここで、座標変換基準座標点cと第1の座標点tとを結ぶ直線を考え、その直線と、再設定色再現領域102の境界との交点を求める(図16ステップb1)。ここではこの交点を第1の基準座標点aと呼ぶ。
【0141】
図16に示すフローチャートは、このようにして求めた第1の基準座標点aが、図15に示すように、L*a*b*空間に写像したカラープリンタの色再現領域302から外れている場合のフローチャートであり、この条件を満たすとき、さらに以下のように処理が進められる。
【0142】
上記のようにして求めた第1の基準座標点aについて、L*a*b*空間からカラープリンタ30に依存した出力RGB空間(本発明にいう第3の色空間の一例)に写像する(図16ステップb2)。この出力RGB空間に写像された第1の基準座標点をP1とする。
【0143】
次に、出力RGB空間において、その第1の基準座標点P1の座標値を、前述のように、例えばR,G,Bそれぞれについてマイナスの値を0に、255を越える値を255にクリップすることにより、その出力RGB空間のカラープリンタ30の色再現領域の境界上にマッピングする(ステップb3)。このマッピングによりカラープリンタ30の色再現領域の境界上に得られた点P2を、今度はその出力RGB空間からL*a*b*空間に写像する(ステップb4)。このL*a*b*空間内に写像された座標点を第2の基準座標点bとする(図15参照)。
【0144】
次に、図15に示す第1の基準座標点aと第2の基準座標点bとの差分を表わす、第1の基準座標点aを始点とし、第2の基準座標点を終点とする基本差分ベクトルvを求め(ステップb5)、マッピングを行なおうとしている第1の座標点tを、その基本差分ベクトルvの方向と同一方向に、座標変換基準座標点cと第2の基準座標点bとを結ぶ直線上まで移動させ、その点を、第1の座標点tがマッピングされた第2の座標点sとする(ステップb6)。
【0145】
このような座標変換が、L*a*b*空間における再設定色再現領域102に含まれる座標点のうちの、ステップb1により求められた第1の基準座標点aが再設定色再現領域102の外にある全ての座標点について行なわれる(ステップ7)。
【0146】
このように、図15,図16を参照して説明した座標変換は、その座標変換の方向を決めるにあたっては、すなわち基本差分ベクトルvを求めるあたっては、出力RGB空間を使って、再設定色再現領域の境界上の第1の基準座標点aに対応する、カラープリンタの色再現領域の境界上の第2の基準座標点bを定めることにより行なわれ、実際のマッピングは、L*a*b*空間で行なわれる。
【0147】
すなわち、出力RGB空間(デバイス依存の色空間)という人間の色の感覚に合致した色空間で座標変換(マッピング)の方向が定められるため、調子の不連続性や不自然な画像となってしまう恐れが極めて小さく抑えられ、かつ、実際の座標変換は、L*a*b*空間(共通色空間)で行なわれるため、色彩上高精度の座標変換(マッピング)が行なわれる。
【0148】
尚、図15は、図示の都合上、2次元平面上で座標変換(マッピング)が行なわれるように描かれているが、実際には3次元的なマッピングが行なわれることは前述したとおりである。
【0149】
図17は、図15,図16を参照して説明した座標変換の変形例を示す図である。
【0150】
ここでは、座標変換基準座標点cを取り巻く領域Dが設定され、座標変換基準座標点cと第1の基準座標点aを結ぶ直線とその領域Dの境界との交点dを求め、第1の座標点tのマッピングにあたっては、その交点dと第2の基準座標点bとを結ぶ直線上の座標点sにマッピングされる。
【0151】
こうすることにより、領域Dという、座標が移動しない領域を設定することができる。前述したように、グレーバランスを保つためにはL*軸(グレー軸)については座標を移動させないことが好ましい旨説明したが、この図17に示すように領域Dを設定することにより座標を移動しない領域を任意に設定することができる。
【0152】
図18は、図9に示すフローチャートの第1過程における座標変換の第2例の説明図、図19は、その第2例のフローチャートである。
【0153】
ここでは、図15,図16を参照して説明した第1例と同様に、L*軸(グレー軸)上に座標変換の基準となる座標変換基準座標点cが設定される。
【0154】
この座標変換基準座標点cと、座標変換の対象としている第1の座標点tとを結ぶ直線を考え、その直線と、L*a*b*空間における再設定色再現領域102の境界との交点を求める。その交点を第1の基準座標点と呼ぶ。ここで、このL*a*b*空間に写像した再設定色再現領域102は、図9のフローチャートの第2過程(ステップa31)における順応変換が行なわれるときは、その順応変換後の再設定色再現領域を指すものであることは前述したとおりである。
【0155】
図18に示すフローチャートは、図16に示すフローチャートとは異なり、このようにして求めた第1の基準座標点aが、図18に示すように、L*a*b*空間に写像したカラープリンタの色再現領域302の内部に存在する場合のフローチャートであり、この条件を満たすときさらに以下のように処理が進められる。
【0156】
上記のようにして求めた、再設定色再現領域の境界上の第1の基準座標点aに対応する、カラープリンタの色再現領域の境界上の第2の基準座標点bを求める(ステップc2)。この第2の基準座標点bを求めるにあたっては、ここでは、図18に示すように、第1の基準座標点aがカラープリンタの色再現領域302の内部に存在するため、図15,図16を参照して説明した手法を使うことはできない。すなわち、第1の基準座標点aがカラープリンタの色再現領域302の外に存在する場合と同様にして、その第1の基準座標点aを出力RGB空間に写像しても、その写像された第1の基準座標点は出力RGB空間におけるカラープリンタの色再現領域の内部に位置することになり、前述したクリップの手法を使うことができないこととなってしまう。そこで、ここでは、以下のようにして、第2の基準座標点bが求められる。
【0157】
先ず、出力RGB空間におけるカラープリンタの色再現領域(ガマット)の境界上の全ての点(点P1で代表させる)について、出力RGB空間からL*a*b*空間に写像し(ステップc21)、さらにそのL*a*b*空間に写像された全ての点P2を再設定色空間としての入力RGB空間(本発明にいう第2の色空間の一例)に写像する(ステップc22)。次いで、その入力RGB空間に写像された点P3のうちの、入力RGB空間上の再設定色再現領域から外れた点を、前述のように、例えばR,G,Bそれぞれについてマイナスの値を0に、255を越える値を255にクリップすることにより、その再設定色再現領域の境界上にマッピングする(ステップc23)。
【0158】
このようにして得られた、入力RGB空間に写像され、さらにクリップされた全ての点P4を、入力RGB空間からL*a*b*空間に写像する(ステップc24)。このようにしてL*a*b*空間に写像された点P5のうち、第1の基準座標点aに一致した、あるいは一致はしなくても最も近接した点P5’を見つけ、出力RGB空間の、カラープリンタの色再現領域の境界上の全ての点P1のうち、その点P5’を得る基になった点P1’を見つけ、その点P1’を第2の基準座標点bとする(ステップc25)。
【0159】
このような手順を踏むことにより、図18に示す基準座標点aに対応する第2の基準座標点bを求めることができる。
【0160】
尚、図19に示すフローチャートの場合、出力RGB空間におけるカラープリンタの色再現領域の境界上の全ての点P1について一律に入力RGB空間に写像したが、図18に示す、L*a*b*空間に写像したカラープリンタの色再現領域302の境界上の座標点のうち、L*a*b*空間に写像した再設定色再現領域102の色再現領域から食み出した部分の座標点のみ、入力RGB空間に写像すればよく、あるいはその食み出した部分のうち、推測等により第2の基準座標点bの座標位置をさらに絞り込むことができるときは、その絞り込まれた領域内の座標点のみ入力RGB空間に写像してクリップしてもよい。
【0161】
図19に示すステップc2において、第2の基準座標点bが検出されると、図16のフローチャートの場合と同様、図18に示すように、第1の基準座標点aから第2の基準座標点bに向かう基本差分ベクトルvが求められ(ステップc3)、さらに図15,図16の第1例の場合と同様にして、第1の座標点に対応する第2の座標点が求められる(ステップc4)。
【0162】
このような座標変換が、L*a*b*空間における再設定色再現領域102内の各座標点のうちの、ステップc1により求められた第1の基準座標点aがカラープリンタの色再現領域302の内部に存在する全ての座標点について行なわれる(ステップc5)。
【0163】
図20は、図18,図19を参照して説明した座標変換の第2例の変形例を示す図である。
【0164】
ここには、図17と同様、座標変換基準座標点cを取り巻く領域Dが設定され、座標変換基準座標点cと第1の基準座標点aとを結ぶ直線とその領域Dの境界との交点dが求められ、第1の座標点tは、その交点dと第2の基準座標点bとを結ぶ直線上の座標点sにマッピングされる。こうすることにより、座標を移動させない領域Dを設定することができる。
【0165】
図21は、図15,図16を参照して説明した‘圧縮’と図18,図19を参照して説明した‘伸長’とを組み合わせて行なったマッピングの効果説明図である。
【0166】
L*a*b*空間上の再設定色再現領域102よりもL*a*b*空間上のカラープリンタの色再現領域302の方が広いラインLN1上の座標点は,カラープリンタの色再現領域302を最大限使うように伸長され、再設定色再現領域102の方が広いラインLN2上の各座標点は、カラープリンタ30の色再現領域302を最大限使うレベルまで圧縮される。これらの伸長、圧縮の方向は、デバイスに依存したRGB空間を利用して求めたものであるため、マッピングそのものはL*a*b*空間上で行なっても、調子の不連続や不自然な画像の発生が防止され、かつマッピングそのものはL*a*b*空間を行なうことから高精度のマッピングが行なわれている。また、再設定色再現領域102とカラープリンタの色再現領域302との広さが一致したラインLN3上の各座標点は移動せずにそのままの色が保たれることになる。
【0167】
尚、ここで行なわれるマッピングは、図21では図示の都合上L*−a*平面で行なわれるかのように描かれているが、3次元的に行なわれるものであることは前述した通りである。
【0168】
図22は、図9に示すフローチャートの第1過程における座標変換の第3例の説明図、図23は、その第3例のフローチャートである。ここで説明する第3例は、図17,図18を参照して説明した第2例の場合と同様、ステップd1で求められた第1の基準座標点a1が、L*a*b*空間に写像したカラープリンタの色再現領域302の内部に存在する場合の一例である。
【0169】
ここでも、前述の第1例および第2例と同様に、L*軸(グレー軸)上に座標変換の基準となる座標変換基準座標点cを設定し、その座標変換基準座標点cと座標変換の対象としている第1の座標点tとを結ぶ直線を考え、その直線と、L*a*b*空間における再設定色再現領域102の境界との交点を求め、その交点を第1の基準座標点a1とし、さらに、その直線と、L*a*b*空間に写像したカラープリンタの色再現領域302の境界との交点を求め、その交点を第3の基準座標点a2とする(ステップd1)。このL*a*b*空間における再設定色再現領域102は、図9のフローチャートの第2過程(ステップa31)における順応変換が行なわれるときは、その順応変換後の再設定色再現領域を指すものであることは、これまでの第1例、第2例の場合と同様である。
【0170】
次に、上記のようにして求めた第3の基準座標点a2をL*a*b*空間から再設定色空間としての入力RGB空間(本発明にいう第2の色空間の一例)に写像し(ステップd2)、その入力RGB空間に写像した点P1をその入力RGB空間でクリップすることにより再設定色再現領域の境界上にマッピングし(ステップd3)、そのマッピングにより得られた点P2をL*a*b*空間にマッピングする(ステップd4)。このようにして得られたL*a*b*空間の、再設定色再現領域102の境界上の点を第4の基準座標点b2と呼ぶ。
【0171】
次に、第3の基準座標点a2から第4の基準座標点b2に向かう差分ベクトルv1を求め(ステップd5)、第1の基準座標点a1を通りその差分ベクトルv1と平行な直線を考えて、その直線と、L*a*b*空間上のカラープリンタの色再現領域302の境界との交点を第2の基準座標点b1とし、第1の基準座標点a1から第2の基準座標点b1に向かう基本差分ベクトルvを求める(ステップd6)。その後はこれまで説明した第1例、第2例と同様にして、第1の座標点tが、その第1の座標点tを基本差分ベクトルvと平行に移動し、座標変換基準座標点cと第2の基準座標点b1とを結んだ直線にぶつかった座標点(第2の座標点s)にマッピングされる(ステップd7)。
【0172】
このような座標変換が、L*a*b*空間上の再設定色再現領域内の座標点のうちの、ステップd1において、L*a*b*空間上のカラープリンタの色再現領域302の内部に位置する第1の基準座標点a1が求められる全ての座標点について行なわれる(ステップd8)。
【0173】
この図22,図23に示す第3例は、L*a*b*空間上の再設定色再現領域102とカラープリンタの色再現領域302が大きくずれているとき、すなわち、差分ベクトルv1と基本差分ベクトルvが大きく離れているときは誤差を持つが、それら2つのベクトルv1,vの距離が近く、それら2つのベクトルv1,vの間の誤差を無視できるときは、この第3例を採用することができ、図18,図19を参照して説明した第2例と比べ高速演算が可能となる。
【0174】
図24は、図22,図23を参照して説明した座標変換の第3例の変形例を示す図である。
【0175】
ここには、図17,図20と同様、座標変換基準座標点cを取り巻く領域Dが設定され、座標変換基準座標点cと第1の基準座標点a1とを結ぶ直線と、その領域Dの境界との交点dが求められ、第1の座標点tは、交点dと第2の基準座標点b1とを結ぶ直線上にマッピングされる。
【0176】
このようにして、座標移動が行なわれない領域Dを設定することができる。
【0177】
図25は、図9に示すフローチャートの第1過程における座標変換の第4例の説明図、図26はその第4例のフローチャートである。
【0178】
この第4例は、ステップe1で求められる第1の基準座標点aがL*a*b*空間に写像したカラープリンタの色再現領域302の内部に存在するか、あるいはその色再現領域302から外れているかを考慮することなく適用することができる方法である。
【0179】
ここでも、前述の第1例〜第3例と同様に、L*軸(グレー軸)上に座標変換基準座標点cを設定し、その座標変換基準座標点cと座標変換の対象としている第1の座標点tとを結ぶ直線を考え、その直線と、L*a*b*空間上の再設定色再現領域102の境界との交点を求め、その交点を第1の基準座標点aとする(ステップe1)。
【0180】
次に、この第1の基準座標点aを再設定色空間としての入力RGB空間に写像する(ステップe2)。
【0181】
次に、このようにして入力RGB空間に写像された入力RGB空間上の点P1の座標値に対応した座標値、典型的にはその点P1の座標値と同一の座標値を持つ、カラープリンタに依存した色空間である出力RGB空間上の座標点P2を求める(ステップe3)。具体例を示すと、図25に示す第1の基準座標点aを入力RGB空間に写像した点P1の座標値を(R,G,B)=(0,255,0)としたとき、同一の座標値(R,G,B)=(0,255,0)を持つ出力RGB空間上の点を点P2とする。
【0182】
次にその出力RGB空間上の点P2を出力RGB空間からL*a*b*空間に写像し、その写像された点を第2の基準座標点bとする(ステップe4)。
【0183】
第1の基準座標点aはL*a*b*空間上の再設定色再現領域102の境界上の点であるため、この第1の基準座標点aを、再設定色空間としての入力RGB空間に写像しても、その入力RGB空間における再設定色再現領域の境界上の点(例えば上記の(R,G,B)=(0,255,0))となる。
【0184】
これをそのまま、出力RGB空間上の点とすると、出力RGB空間上では今度はカラープリンタの色再現領域の境界上の点となり、その点をL*a*b*空間に写像して求めた第2の基準座標点bも、そのL*a*b*空間上のカラープリンタの色再現領域302の境界上の点となる。
【0185】
このようにして求めた第1の基準座標点aから第2の基準座標点bに向かう基本差分ベクトルvを求め(ステップe5)、第1の座標点tを通り、基本差分ベクトルvと平行に引いた直線と、座標変換基準座標点cと第2の基準座標点bとを結ぶ直線との交点である第2の座標点sを求める(ステップe6)。
【0186】
上記の座標変換が、L*a*b*空間上の再設定色再現領域102の全域について順次行なわれる。
【0187】
図27は、図25,図26を参照して説明した座標変換の第4例の変形例を示す図である。
【0188】
ここには、図17,図20,図24の各例と同様、座標変換基準座標点cのまわりに領域Dが設定され、その領域D内はマッピングされないようにしている。領域D内がマッピングされないようにするための手法は、図17,図20,図24の各例の場合と同様であり、説明は省略する。
【0189】
図28は、図9に示すフローチャートの第1過程における座標変換の第5例の途中過程を示す図である。この図28のみを考えると、これは本発明の実施形態ではなく、それと対比されるべき比較例に相当する。
【0190】
ここでは、L*軸(グレー軸)上の座標変換基準座標点cと、座標変換の対象とされる第1の座標点tと結ぶ直線と、L*a*b*空間上の再設定色再現領域102との交点(第1の基準座標点a1)およびカラープリンタの色再現領域302との交点(第3の基準座標点a2)を求め、第1の基準座標点a1から第3の基準座標点a2に向かう差分ベクトルv2を求める。この差分ベクトルv2は、デバイス依存の色空間(入力RGB空間あるいは出力RGB空間)でのクリップ等のマッピングを経ることなく求められる差分ベクトルであり、このままでは本発明とは合致しない。
【0191】
この差分ベクトルv2を仮に本発明にいう基本差分ベクトルvと考え、座標変換基準座標点cと第1の基準座標点a1との間の距離ca1と、座標変換基準座標点cと第1の座標点tとの間の距離ctとの比率をct/ca1とし、差分ベクトルv2の長さを|v2|としたとき、第1の座標点tを、差分ベクトルv2と同一方向に、(ct/ca1)×|v2|だけ移動させ、その点を座標変換後の第2の座標点sとする。こうすることによっても一応マッピングは可能であるが、マッピングの方向(差分ベクトルv2の方向)は、人間の色の感覚にあったデバイス依存の色空間上で求めた方向ではなく、このマッピングの手法は、人間の色の感覚が無視されて機械的に定められた方向であり、前述したように調子の不連続が生じたり不自然な画像となる可能性が高い手法である。
【0192】
図29は、図9に示すフローチャートの第1過程における座標変換の第5例の説明図である。
【0193】
この図29において、第1の基準座標点a1,第3の基準座標点a2,差分ベクトルv2は、図28を参照して説明したものと同様である。また第2の基準座標点bは、前述の第1例〜第4例のいずれの手法で求めたものであってもよい。ここでは、第1の基準座標点a1から第2の基準座標点bに向かうベクトルを差分ベクトルv3と称する。
【0194】
この図29に示す例では、このようにして求めた2つの差分ベクトルv2,v3が方向に関し重み付け加算され、第1の基準座標点a1を通り、その重み付け加算により求められた方向に引いた直線と、L*a*b*空間上のカラープリンタの色再現領域302の境界との交点を第5の基準座標点eとして求め、第1の基準座標点a1から第5の基準座標点eに向かう差分ベクトルを基本差分ベクトルvとする。
【0195】
第1の座標点tをマッピングするにあたっては、座標変換基準座標点cと第5の基準座標点eとを結ぶ直線と、第1の座標点tを通り基本差分ベクトルvと平行に引いた直線との交点を、その第1の座標点tがマッピングされるべき第2の座標点sとする。
【0196】
ここで、2つの差分ベクトルv2,v3の方向に関する重み付け係数をオペレータにより任意に可変できるようにしておくことで、本発明の手法による座標変換をその重み付け分だけ加味させたマッピングが可能となる。
【0197】
次に、図9に戻り、色変換定義作成過程(ステップa4)について説明する。
【0198】
この色変換定義作成過程(ステップa4)では、これまでの各ステップa1〜a3の各過程での処理を踏まえ、図1のカラースキャナ10に依存した入力RGB空間(本発明にいう第1の色空間の一例)から、カラープリンタ30に依存した出力RGB空間(本発明にいう第3の色空間の一例)への色変換を定義した色変換定義が作成される。
【0199】
ここでは、先ず、図1のカラーチャート画像11aをカラースキャナ10で読み取ったときの、カラースキャナ10に依存する入力RGB空間(本発明にいう第1の色空間の一例)上の任意の座標(これを代表的に第1の座標と称する)を、入力デバイスのプロファイルに従って、L*a*b*空間上の第2の座標に変換する。さらに、この第2の座標を、図9のマッピング定義作成過程で作成されたマッピング定義に従ってカラープリンタのL*a*b*空間における色再現領域に依存した、L*a*b*空間上の第3の座標に変換する。さらに、この第3の座標を、カラープリンタのプロファイルに従って出力RGB空間上の第4の座標に変換する。
【0200】
このような一連の座標変換の出発点となった、カラースキャナ10に依存する入力RGB空間(本発明にいう第1の色空間の一例)の第1の座標と出力RGB空間(本発明にいう第3の色空間の一例)上の第4の座標とを対応づけることにより、図1に示す原稿画像11をカラースキャナ10で読み取って得た入力画像データを、カラープリンタ30に適合した出力画像データに変換するための色変換定義が作成される。
【0201】
図30は、本発明の色変換定義作成装置の一実施形態を含む色変換定義作成/色変換装置の機能ブロック図である。
【0202】
この図30に示す色変換定義作成/色変換装置は、図2,図3に示すパーソナルコンピュータ20と、そのパーソナルコンピュータで実行されるプログラムとの結合により実現される。
【0203】
この図30に示す色変換定義作成/色変換装置は、データ取得部310と、LUT作成/データ変換部320と、データ出力部330と、記憶部340と、指定部350とから構成されている。
【0204】
記憶部340には、複数種類の入力デバイスそれぞれに対応した複数種類の入力プロファイル341a,…,341mと、複数種類の出力デバイスそれぞれに対応した複数種類の出力プロファイル342a,…,342nと、複数種類の色変換定義343a,…,343pと、さらに、色変換定義作成プログラム344が記憶されている。
【0205】
入力プロファイル341a,…,341mのそれぞれは、各種の入力デバイスについて、基本的には図4を参照した作成方法により作成されたものである。尚、図1には、入力デバイスは一種類のカラースキャナ10のみ示されているが、図30の色変換定義作成/色変換装置には、汎用性を持たせるため、複数種類の入力デバイスそれぞれに対応する複数種類の入力プロファイルが用意されている。
【0206】
また、記憶部340に記憶された出力プロファイル342a,…,342nは、各種の出力デバイスについて、基本的には図5を参照して説明した作成方法により作成された出力プロファイルである。
【0207】
尚、入力プロファイルの場合と同様、図1には、出力デバイスとして一種類のカラープリンタ30のみ示されているが、図30の色変換定義作成/色変換装置は、出力デバイスに関しても汎用性を持たせるため、複数種類の出力デバイスそれぞれに対応する複数種類の出力プロファイルが用意されている。
【0208】
また、記憶部340に記憶された色変換定義343a,…,343pは、記憶部340に記憶された色変換定義作成プログラム344がLUT作成/データ変換部320に読み出されて実行されることにより、図9およびその後の各図を参照して説明したようにして作成されたものであり、各色変換定義は、各入力プロファイルと各出力プロファイルとの各組合せに対応している。ここではこれらの色変換定義341a,…,341pは、それぞれLUT(Look Up Table)の形式にまとめられている。
【0209】
なお、この記憶部340は、ハードウェア上は、図3に示すハードディスク装置213の内部に設定されている。
【0210】
指定部350では、入力デバイス、出力デバイス、および、色変換定義作成モードとデータ変換モードとの区別が指定される。この指定部350は、ハードウェア上は、図2,図3に示すキーボード23あるいはマウス24がその役割りを担っている。
【0211】
指定部350で、色変換定義作成モードが指定されるとともに、入力デバイスと出力デバイスが指定されると、記憶部340から色変換定義作成プログラム344がLUT作成/データ変換部32に読み出されて実行される。この色変換定義作成プログラム344は、図9を参照して説明した色再現領域作成過程(ステップa1)、座標対応付過程(ステップa2)、マッピング定義作成過程(ステップa3)(第2過程(ステップa31)および第1過程(ステップa32))、および色変換定義作成過程(ステップa4)のそれぞれに対応する処理を実行する、色再現領域作成部3441、座標対応付部3442、マッピング定義作成部3443(第2過程3443aおよび第1過程3443b)、および色変換定義作成部3444から構成されており、前述したアルゴリズムに基づき、指定された入力デバイス(ここでは、図1に示すカラースキャナ10とする)に応じた入力プロファイル(ここでは、入力プロファイル341aとする)と、指定された出力デバイス(ここでは図1に示すカラープリンタ30とする)に応じた出力プロファイル(ここでは出力プロファイル342aとする)が参照されると共に、カラースキャナ10で読み取られたカラーチャート画像の画像データが参照されて、それらカラースキャナ10とカラープリンタ30との組合せに適合した色変換定義(ここでは色変換定義341aとする)が作成される。この作成された色変換定義341aは記憶部340に記憶される。
【0212】
このとき、指定部350から、色変換定義作成のための各種のパラメータ、例えば、マッピング定義作成部の第2過程を実行するか省略するか、あるいはその第2過程を実行する場合に白点と黒点との双方をそれぞれ一致させるか白点のみを一致させるか、図15等に示す座標変換基準座標点cの座標値、図17等に示す領域Dを設定するか否か、領域Dを設定する場合のその領域の指定、色変換定義作成過程の第1過程として各種の例を示したが、それら各種の例のうちのいずれのアルゴリズムを選択するか、図29を参照して説明した重み付けの手法を採用する場合のその重み付け係数等を指定できるように構成し、様々なバリエーションの色変換定義を作成することができるようにすることが好ましい。
【0213】
また、指定部350からデータ変換モードが指定され、さらに入力デバイスおよび出力デバイスが指定されると(ここでは入力デバイス、出力デバイスとしてそれぞれ図1に示すカラースキャナ10、カラープリンタ30が指定されるものとする)、それら指定されたカラースキャナ10およびカラープリンタ30の組合せに適合した色変換定義341aが読み出されてLUT作成/データ変換部320に入力される。
【0214】
データ取得部310は、入力デバイスで得られた色データを受け取る役割りを担うものであり、ハードウェア上は、図3に示す入力インタフェース216がこれに相当する。
【0215】
また、データ出力部330は、定義作成データ変換部320で色変換された後の色データの出力を担うものであり、ハードウェア上は、図3に示す出力インタフェース217がこれに相当する。
【0216】
入力デバイス、例えば図1に示すカラースキャナ10で得られた画像データがデータ取得部310を経由してLUT作成/データ変換部320に入力されると、LUT作成/データ変換部320では、色変換定義343aによる画像データの変換が行なわれる。この変換後の画像データはデータ出力部330を経由して、出力デバイス、例えば図1に示すカラープリンタ30に向けて出力される。
【0217】
このLUT作成/データ変換部320による画像データの変換は、本発明に特有な色変換定義作成方法により作成された色変換定義が参照された変換であり、色調子の優れた出力画像を得ることができる。
【0218】
ここで、図30に示す色変換定義作成/色変換装置において、記憶部340に記憶された複数の出力プロファイル342a,…,342mのうちの1つとして、図2,図3に示す画像表示装置22に対応する出力プロファイルを用意しておき、LUT作成/データ変換部320で変換された後の画像データに基づく画像をその画像表示装置22の表示画面22a(図2参照)上に表示し、かつ、指定部350(キーボード23やマウス24)に、データ変換モードにおいても色変換定義を補正する機能を持たせ、表示画面上に表示された画像を見ながら、その画像がより好ましい色調子を持った画像となるように色変換定義を補正できるように構成してもよい。
【0219】
図31は、図30に示す色変換定義作成/色変換装置のLUT作成/データ変換部の機能ブロック図である。
【0220】
このLUT作成/データ変換部320は、LUT作成部321とデータ変換部322とから構成されている。さらにLUT作成部321は、色再現領域作成部3211と、座標対応付部3212と、マッピング定義作成部3213(第2過程3213aおよび第1過程3213b)と、色変換定義作成部3214とから構成されている。
【0221】
LUT作成部321は、色変換定義作成モードにおいて動作し、このLUT作成部321には、図30に示す指定部350で指定された入力プロファイルを持つカラースキャナで読み取られたカラーチャート画像を表わす画像データが入力されるとともに、そのLUT作成部321に、図30に示す色変換定義作成プログラム344が設定されて実行される。これにより、そのLUT作成部321の、色再現領域作成部3211、座標対応付部3212、マッピング定義作成部3213(第2過程3213aと第1過程3213b)、および色変換定義作成部214では、図9に示す色変換定義作成方法の、色再現領域作成過程(ステップa1)、座標対応付過程(ステップa2)、マッピング定義作成過程(ステップa3)(第2過程(ステップa31)と第1過程(ステップa32))、および色変換定義作成過程(ステップa4)に対応する各処理が実行され、LUT形式の色変換定義が作成される。この作成された色変換定義は、図30の記憶部340に記憶される。
【0222】
また、指定部350でデータ変換モードが指定されると、データ変換部322に、指定部350で指定された入力プロファイルと出力プロファイルとの組合せに応じた色変換定義が設定され、入力画像データがその設定された色変換定義に従って出力画像データに変換される。
【0223】
図32は、本発明の色変換定義作成プログラムのもう1つの実施形態を示す図である。
【0224】
図30を参照して、図30に示す色変換定義作成/色変換装置の記憶部340に本発明の一実施形態としての色変定義作成プログラムが記憶されている旨説明したが、この図32には、もう1つの例として、図3に示すCD−ROM110に、色変換定義作成プログラム344が記憶された例が示されている。このように、色変換定義作成プログラムを可搬型記憶媒体に記憶させて流通させてもよい。
【0225】
このような色変換定義作成プログラムを入手したユーザは、自分のパーソナルコンピュータにその入手した色変換定義作成プログラムをアップロードし、その色変換定義作成プログラムを使って、色調子の優れた色変換を行なうことのできる色変換定義を作成することができる。
【0226】
尚、ここで説明した実施形態はカラーチャート画像の色再現領域をL*a*b*空間上で12面体形状の色再現領域で囲う例であるが、12面体形状の色再現領域で囲うことに代え、図11に示す一点鎖線が多面体の辺とならないように、W,K,R,G,B,C,M,Yの各点を定めることにより6面体形状の色再現領域で囲ってもよい。また、カラーチャート画像の色再現領域を多面体形状の色再現領域で囲うにあたっては、L*a*b*空間等の共通色空間で囲うことに代え、カラースキャナに依存した入力色空間で多面体形状となるように囲ってもよい。
【0227】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域の広さや形状にかかわらず、共通色空間でガマットマッピングを行なったときに生じ易い調子の不連続や不自然な画像となってしまうことが避けられた、かつ色調子の優れた再生画像を得ることのできる色変換定義を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用された画像入力−色変換−画像出力システムの全体構成図である。
【図2】図1に1つのブロックで示すパーソナルコンピュータの外観斜視図である。
【図3】パーソナルコンピュータのハードウェア構成図である。
【図4】入力プロファイルの概念図である。
【図5】出力プロファイルの概念図である。
【図6】入力プロファイルと出力プロファイルとの双方からなる色変換アルゴリズムを示す概念図である。
【図7】カラースキャナとカラープリンタの色再現領域の模式図である。
【図8】カラーチャートとカラースキャナの色再現領域の模式図である。
【図9】コンピュータシステム内で実行される色変換定義作成プログラムによる色変換定義作成方法を示したフローチャートである。
【図10】入力RGB空間における、カラースキャナの色再現領域とカラーチャート画像の色再現領域501を示す図である。
【図11】L*a*b*空間におけるカラーチャート画像の色再現領域(本発明にいう第1の色再現領域)と、その色再現領域を内包する12面体形状の色再現領域(本発明にいう第2の色再現領域の一例に相当する)を示した図である。
【図12】12面体を構成する任意の平面上の任意の点への数値(割当座標)の割付け方法の説明図である。
【図13】L*a*b*空間内の任意の点の割当座標の求め方の説明図である。
【図14】マッピング定義作成過程の第2過程の説明図である。
【図15】第1過程における座標変換の第1例の説明図である。
【図16】その第1例のフローチャートである。
【図17】座標変換の第1例の変形例を示す図である。
【図18】第1過程における座標変換の第2例の説明図である。
【図19】座標変換の第2例のフローチャートである。
【図20】座標変換の第2例の変形例を示す図である。
【図21】‘圧縮’と‘伸長’とを組み合わせて行なったマッピングの効果説明図である。
【図22】第1過程における座標変換の第3例の説明図である。
【図23】座標変換の第3例のフローチャートである。
【図24】座標変換の第3例の変形例を示す図である。
【図25】第1過程における座標変換の第4例の説明図である。
【図26】座標変換の第4例のフローチャートである。
【図27】座標変換の第3例の変形例を示す図である。
【図28】第1過程における座標変換の第5例の途中過程を示す図である。
【図29】第1過程における座標変換の第5例の説明図である。
【図30】本発明の色変換定義作成装置の一実施形態を含む色変換定義作成/色変換装置の機能ブロック図である。
【図31】図30に示すLUT/データ変換部の機能ブロック図である。
【図32】色変換定義作成プログラムのもう1つの実施形態を示す図である。
【符号の説明】
10 カラースキャナ
11 原稿画像
11a カラーチャート画像
20 パーソナルコンピュータ
21 本体装置
22 画像表示装置
22a 表示画面
23 キーボード
24 マウス
25 バス
30 カラープリンタ
100 フレキシブルディスク
110 CD−ROM
211 CPU
212 主メモリ
213 ハードディスク装置
214 FDドライブ
215 CD−ROMドライブ
216 入力インタフェース
217 出力インタフェース
310 データ取得部
320 LUT作成/データ変換部
330 データ出力部
340 定義記憶部
341a,…,341m 入力プロファイル
342a,…,342n 出力プロファイル
343,343a,…,343p 色変換定義
344 色変換定義作成プログラム
350 指定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を入力して画像データを得る入力デバイスにより得られた画像データを、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスで画像出力した場合に好適な色調子が得られるように色変換を行なう基になる色変換定義を作成する色変換定義作成方法、色変換定義作成装置、および好適な色調子が得られる色変換定義を作成する色変換定義作成プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、記録された画像を読み取って画像データを得るカラースキャナや、固体撮像素子上に被写体の画像を結像して読み取ることにより画像データを得るDSC(ディジタルスチールカメラ)等、画像を入力して画像データを得る、様々なタイプの入力デバイスが知られている。これらの入力デバイスでは、画像データは、例えばR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3色についてそれぞれ例えば0〜255等の決まった範囲のデータで表わされ、一旦入力デバイスを用いて画像データに変換すると、その画像データによって表わされる画像は、そのR、G、Bからなる色空間内の、その入力デバイスに依存した色再現領域内の色に制限される。
【0003】
また、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスについても、例えば、印画紙上をレーザ光で露光してその印画紙を現像することにより印画紙上に画像を記録する写真プリンタ、電子写真方式やインクジェット方式などの方式で用紙上に画像を記録するプリンタ、輪転機を回して多量の印刷物を作成する印刷機、画像データに基づいて表示画面上に画像を表示するCRTディスプレイやプラズマディスプレイ等の画像表示装置等、様々なタイプの出力デバイスが知られているが、これらの出力デバイスについても上述の入力デバイスと同様、各出力デバイスに応じた色再現領域が存在する。すなわち、出力デバイスは、例えばR、G、B3色を表現する画像データやC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(墨)の4色を表現する画像データに基づいて様々な色を表現することができるが、その表現できる色は、出力デバイス色空間(例えばRGB空間、CMYK空間等)のある色再現領域内(例えばR、G、Bそれぞれについて0〜255の範囲の数値で表わされる色再現領域内等)に制限される。このような入力デバイスや出力デバイスにおける色再現領域はカラーガマット(Color Gamut)と称される。
【0004】
また、例えばある1つの画像データ(例えば(R、G、B)=(50,100,200)を表わす画像データ)であってもその画像データに基づいて得られる画像の色は出力デバイスの種類により異なる。この点は入力デバイスと出力デバイスとの間でも同様であり、ある入力デバイスで得られた(R、G、B)=(50,100,200)の画像データをそのまま用いてある出力デバイスで画像を出力しても、入力デバイスで入力される元になった画像の色と出力デバイスで出力された画像の色は一般には一致しない。したがって、ある入力デバイスで画像を読み取って画像データを得、その画像データを基にして、ある出力デバイスで元の画像を再現しようとしたとき、入力デバイスで得られた画像データをそのまま出力デバイスに送るのではなく、その間で画像データを変換する必要がある。ここでは画像の色に着目しており、この画像データの変換を色変換(ガマットマッピング(Gamut Mapping))と称する。
【0005】
上述したように、色再現領域は各デバイスによって異なるとともに、数値上同一の画像データであっても各デバイスにおいて表現される色はそれぞれに異なっている。そこで、色変換(ガマットマッピング)を行なうにあたっては、デバイスには依存しない共通色空間(Device Independent Dataの空間)、例えばL*a*b*色空間等を中間に置き、入力デバイスで得られた入力デバイスに依存した色空間上の画像データを共通色空間上の画像データに変換してその共通色空間上でガマットマッピングを行ない、そのガマットマッピングを行なった後の画像データを、出力デバイスに依存した色空間上の画像データに変換するという手法が採用されている(例えば特開昭60−105376号公報、特開昭61−288662号公報、特開平4−196675号公報参照)。
【0006】
このように、従来は共通色空間上でガマットマッピングが行なわれているが、この共通色空間でのガマットマッピングは、例えばL*a*b*色空間上ではL*軸、a*軸、b*軸の3軸からなる3次元空間上でのマッピングであり、自由度が大きく、如何ようにもマッピングを行なうことが可能であるが、その反面、自由度が大き過ぎ、マッピングのための調整パラメータの設定が困難であって、結果として、マッピング後の画像に調子の不連続性(調子のジャンプや階調のつながり悪さ)を来たす可能性が高く、また不自然な印象を与える画像となってしまうことも多い。
【0007】
一方、最終的に必要な画像データは出力デバイスに依存した色空間(出力色空間)における画像データであることから、出力色空間上の画像データに変換し、その出力色空間(例えばRGB空間)上で、R、G、Bそれぞれについて例えば0〜255の範囲から食み出たデータを、負のデータについては0に、255を越えるデータについては255にクリップすることによりR、G、Bそれぞれのデータを0〜255の範囲内に圧縮する、といった手法が提案されている(特開平2−214266号公報(CMY空間で圧縮)、特開平4−334267号公報(濃度で圧縮))。これは、単純な手法ではあるが、いわば出力色空間でのガマットマッピングの一例に相当する。
【0008】
この出力色空間上でガマットマッピングを行なうと、出力色空間は、例えばRGB等、人間の色の感覚に合った色空間であるため、共通色空間でガマットマッピングを行なった場合に生じやすい調子の不連続性や不自然な印象の画像となってしまうという不都合を避けることができる。
【0009】
しかしながら、出力色空間でのマッピングは、その出力色空間を規定する、例えばR,G,Bの3軸それぞれについて独立に1次元的にマッピングを行なうのが基本であるため、自由度が低く、上述したように、R,G,Bそれぞれについて例えば0〜255の範囲から食み出たデータを単純に0又は255にクリップして色再現領域(ガマット)の境界(R,G,Bそれぞれについて0〜255の数値の立方体の表面)にマッピングする程度の手法にとどまっており、特に色再現領域(カラーガマット)の境界近傍については1つのデバイスの色再現領域から別のデバイスの色再現領域に精度良く写像することが難しいという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景の下で、入力デバイスに依存した入力RGB空間における、その入力デバイスの色再現領域の境界表面と出力デバイスに依存した出力RGB色空間における、その出力デバイスの色再現領域の表面に相互に対応する点を求めることによりマッピングの方向を決め、実際のマッピングはデバイス非依存の、例えばL*a*b*色空間で行なうというマッピング法が提案されている(特開2001−103329号公報参照)。
【0011】
このマッピング法によれば、デバイスに依存した、人間の感覚に適合した色空間でマッピングの方向を定めるものであるため、マッピング特性の調整が容易であり、しかも、実際のマッピングはデバイス非依存の共通色空間で行なうため、デバイスの色再現領域の境界近傍を含め高精度なマッピングを行なうことができる。
【0012】
しかし、上記のマッピング法を採用することができるのは、入力デバイスにより読み取られる画像上に表現することが可能な色の領域が、その入力デバイスに依存した色空間(上記の例にいう入力RGB空間)の、その入力デバイスの色再現領域(例えば、R,G,Bのいずれについても0〜255の数値を持つ立方体領域)に一致する場合に限られる。
【0013】
これに対し、例えば多数のカラーパッチを配列したカラーチャートをリバーサルフィルム上に形成し、このリバーサルフィルム上に形成されたカラーチャートをカラースキャナで読み取って、上記の特開2001−103329号公報に開示されたマッピング法に従ってマッピングを行なうことを考えたとき、そのリバーサルフィルム上のカラーチャートをカラースキャナで読み取ったときの、そのカラースキャナに依存した色空間(例えば入力RGB空間)上における、そのカラーチャート上に表現された色が占める領域は、一般的には、そのカラースキャナの色再現領域である、R,G,Bのいずれもが0〜255の範囲内の値をとる立方体領域全域には広がらず、その立方体領域の中の一部領域を占めるに過ぎない。しかも、同一のカラーチャートであっても、カラースキャナの種類が異なるなど、そのカラーチャートを読み取る入力デバイスが異なれば、その入力デバイスに依存した色空間における、そのカラーチャート上に表現された色が占める領域の広がりや形状が異なることになる。
【0014】
このように、入力デバイスにより読み取られる画像上に表現することが可能な色の領域がその入力デバイスに依存した色空間におけるその入力デバイスの色再現領域全域には広がっておらずその一部領域にのみ広がっている場合は、上記の特開2001−103329号公報に提案されたマッピング法を採用してもそのマッピング法の優れた性能が十分には発揮されず、また、同一のカラーチャートであってもカラースキャナの種類等によりそのカラーチャート上に表現された色が占める領域が異なることから、カラースキャナの種類により上記のマッピング法の効果の程度が異なるという問題がある。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑み、リバーサルフィルム等の画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域の広がりが入力デバイスの色再現領域の一部領域にとどまる場合や、入力デバイスによってその一部領域の広さや形状が異なる場合であっても、人間の色の感覚に適合した、かつ高精度な色変換を行なう色変換定義を作成することのできる色変換定義作成方法、色変換定義作成装置、および、コンピュータをそのような色変換定義作成装置として動作させることのできる色変換定義作成プログラムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の色変換定義作成方法は、画像記録媒体上に記録された画像を入力デバイスで読み取って得た入力画像データを、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスに適合した出力画像データに変換するための色変換定義を作成する色変換定義作成方法において、
上記画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を表す第1の色再現領域を内包する、所定の色空間上で多面体形状を成す第2の色再現領域を、上記出力デバイスの色再現領域を近似した、その所定の色空間上で多面体形状を成す色再現領域を元に作成する色再現領域作成過程と、
上記入力デバイスの色再現領域の境界上の各点をその入力デバイスに依存した第1の色空間で表現したときの座標と同じ座標で上記第2の色再現領域の境界上の各点が表現されるような各座標を、その第2の色再現領域全域の各点に対応づけて第2の色空間を形成する座標対応付過程と、
デバイス非依存の共通色空間上で表現されてなる第2の色再現領域の内部の座標を、その共通色空間における出力デバイスの色再現領域内の座標に変換するための共通色空間上でのマッピング定義を、出力デバイスに依存した第3の色空間および上記第2の色空間のうちの少なくともいずれか一方を使って変換方向を決定して作成するマッピング定義作成過程と、
上記第1の色空間上の第1の座標を入力デバイスのプロファイルに従って共通色空間上の第2の座標に変換しその第2の座標をマッピング定義に従って共通色空間上の第3の座標に変換しその第3の座標を出力デバイスのプロファイルに従って上記第3の色空間上の第4の座標に変換したときと同等の、第1の座標と第4の座標との間の変換を定義した色変換定義を作成する色変換定義作成過程とを有することを特徴とする。
【0017】
本発明の色変換定義作成方法では、リバーサルフィルム等の画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を表わす第1の色再現領域を内包した多面体形状の第2の色再現領域を、出力デバイスの色再現領域を近似した多面体形状の色再現領域を元に作成するので、コンピュータなどにおける自動作成が可能である。また、入力デバイスに依存した第1の色空間におけるその第2の色再現領域全域がその入力デバイスの色再現領域(例えば入力RGB空間におけるR,G,B=0〜255の立方体形状の色再現領域)の全域に対応づけられるようにマッピングを行なう。これにより、画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域が、入力デバイスの色再現領域(例えばR,G,B=0〜255の立方体領域)と同等な座標で表現される。
【0018】
本発明の色変換定義作成方法は、このようなマッピングを行なった上で、後は、例えば特開2001−103329号公報にて提案されたマッピング法を採用して、共通色空間におけるマッピング定義を作成する。こうすることにより、画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域が本来は入力デバイスの色再現領域のうちの一部の領域のみに広がり、あるいはその広がりの程度や広がりの形状が入力デバイス等により異なる場合であっても、常に安定的に高精度な色変換定義を作成することができる。
【0019】
ここで、本発明の色変換定義作成方法において、上記色再現領域作成過程は、上記共通色空間において多面体形状となる第2の色再現領域を作成する過程であることが好ましい。
【0020】
第1の色再現領域を多面体形状の第2の色再現領域で囲うにあたっては、入力デバイスに依存した第1の色空間上で行なってもよいが、その場合、画像記録媒体(画像記録媒体上のカラーチャート)が同一であっても、入力デバイスにより第1の色再現領域が異なり、入力デバイスが異なるごとに第2の色再現領域をあらたに決定し直す必要を生じる場合がある。
【0021】
これに対し、共通色空間上で、第1の色再現領域を多面体形状の第2の色再現領域で囲うことにより、画像記録媒体(画像記録媒体上のカラーチャート)が同一であれば、入力デバイスの影響を受けずに、第2の色再現領域を決定することができる。
【0022】
また、上記本発明の色変換定義作成方法において、上記色再現領域作成過程は、白、黒、レッド、グリーン、ブルー、シアン、マゼンタ、およびイエローを表わす各点を各頂点とする12面体形状の第2の色再現領域を作成する過程であることが好ましい。
【0023】
上記の12面体で囲うことにより、第1の色再現領域に極めて近い形状の第2の色再現領域を作成することができる。ただし、本発明においては第2の色再現領域は12面体である必要はなく、第1の色再現領域の形状にもよるが、その第1の色再現領域を6面体で囲い、6面体形状の第2の色再現領域を作成してもよい。
【0024】
また、上記目的を達成する本発明の色変換定義作成装置は、
画像記録媒体上に記録された画像を入力デバイスで読み取って得た入力画像データを、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスに適合した出力画像データに変換するための色変換定義を作成する色変換定義作成装置において、
上記画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を表す第1の色再現領域を内包する、所定の色空間上で多面体形状を成す第2の色再現領域を、上記出力デバイスの色再現領域を近似した、その所定の色空間上で多面体形状を成す色再現領域を元に作成する色再現領域作成部と、
上記入力デバイスの色再現領域の境界上の各点をその入力デバイスに依存した第1の色空間で表現したときの座標と同じ座標で上記第2の色再現領域の境界上の各点が表現されるような各座標を、その第2の色再現領域全域の各点に対応づけて第2の色空間を形成する座標対応付部と、
デバイス非依存の共通色空間上で表現されてなる第2の色再現領域の内部の座標を、その共通色空間における出力デバイスの色再現領域内の座標に変換するための共通色空間上でのマッピング定義を、出力デバイスに依存した第3の色空間および上記第2の色空間のうちの少なくともいずれか一方を使って変換方向を決定して作成するマッピング定義作成部と、
上記第1の色空間上の第1の座標を入力デバイスのプロファイルに従って共通色空間上の第2の座標に変換しその第2の座標をマッピング定義に従って共通色空間上の第3の座標に変換しその第3の座標を出力デバイスのプロファイルに従って上記第3の色空間上の第4の座標に変換したときと同等の、第1の座標と第4の座標との間の変換を定義した色変換定義を作成する色変換定義作成部とを備えたことを特徴とする。
【0025】
尚、本発明の色変換定義作成装置には、前述の本発明の色変換定義作成方法における全ての態様に相当する各種の態様全てが含まれる。
【0026】
さらに、本発明の色変換定義作成プログラムは、コンピュータ内で実行され、そのコンピュータを、画像記録媒体上に記録された画像を入力デバイスで読み取って得た入力画像データを、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスに適合した出力画像データに変換するための色変換定義を作成する色変換定義作成装置として作動させる色変換定義作成プログラムであって、
上記画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を表す第1の色再現領域を内包する、所定の色空間上で多面体形状を成す第2の色再現領域を、上記出力デバイスの色再現領域を近似した、その所定の色空間上で多面体形状を成す色再現領域を元に作成する色再現領域作成部と、
上記入力デバイスの色再現領域の境界上の各点をその入力デバイスに依存した第1の色空間で表現したときの座標と同じ座標で上記第2の色再現領域の境界上の各点が表現されるような各座標を、その第2の色再現領域全域の各点に対応づけて第2の色空間を形成する座標対応付部と、
デバイス非依存の共通色空間上で表現されてなる第2の色再現領域の内部の座標を、その共通色空間における出力デバイスの色再現領域内の座標に変換するための共通色空間上でのマッピング定義を、出力デバイスに依存した第3の色空間および上記第2の色空間のうちの少なくともいずれか一方を使って変換方向を決定して作成するマッピング定義作成部と、
上記第1の色空間上の第1の座標を入力デバイスのプロファイルに従って共通色空間上の第2の座標に変換しその第2の座標をマッピング定義に従って共通色空間上の第3の座標に変換しその第3の座標を出力デバイスのプロファイルに従って上記第3の色空間上の第4の座標に変換したときと同等の、第1の座標と第4の座標との間の変換を定義した色変換定義を作成する色変換定義作成部とを備えたことを特徴とする。
【0027】
尚、本発明の色変換定義作成プログラムにおいても、前述の本発明の色変換定義作成方法における全ての態様に相当する各種の態様全てが含まれる。
【0028】
なお、上記本発明の色変換定義作成装置と、上記色変換定義作成プログラムとでは、それらを構成する構成要素名として、色再現領域作成部といった互いに同一の名称を付しているが、色変換定義作成プログラムの場合は、そのような作用をなすソフトウェアを指し、色変換定義作成装置の場合は、ハードウェアを含んだものを指している。
【0029】
また、本発明の色変換定義作成プログラムを構成する色再現領域作成部などといった構成要素は、1つの構成要素の機能が1つのプログラム部品によって担われるものであってもよく、1つの構成要素の機能が複数のプログラム部品によって担われるものであってもよく、複数の構成要素の機能が1つのプログラム部品によって担われるものであってもよい。また、これらの構成要素は、そのような作用を自分自身で実行するものであってもよく、あるいは、コンピュータに組み込まれている他のプログラムやプログラム部品に指示を与えて実行させるものであっても良い。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態が適用された画像入力−色変換−画像出力システムの全体構成図である。
【0032】
ここには、カラースキャナ10が示されており、そのカラースキャナ10では、カラーリバーサルフィルム上に記録された原稿画像11が読み取られてRGB3色の画像データが生成される。このRGBの画像データはパーソナルコンピュータ20に入力される。このパーソナルコンピュータ20では、カラースキャナ10で得られた画像データが、後述するカラープリンタ30に適した画像出力用のRGB3色の画像データに変換される。この画像出力用の画像データは、カラープリンタ30に入力され、そのカラープリンタ30では、入力された画像データに基づくプリント出力が行なわれて、プリント画像31が形成される。
【0033】
ここで、このパーソナルコンピュータ20は、本発明にいう色変換定義作成装置の一実施形態を兼ねており、このパーソナルコンピュータ20では、あらかじめ色変換定義が作成され、カラースキャナ10で得られた画像データをカラープリンタ30用の画像データに変換する際は、その作成された色変換定義が参照される。この色変換定義、およびその作成方法については後述するが、その色変換定義を作成するにあたっては、カラーリバーサルフィルム上に記録された多数の色パッチが配列されたカラーチャート11aがカラースキャナ10により読み取られる。
【0034】
この図1に示すシステムでは画像データに基づく画像を出力する出力デバイスの一例としてカラープリンタ30を示したが、このカラープリンタ30は、電子写真方式のカラープリンタであってもよく、インクジェット方式のカラープリンタであってもよく、変調されたレーザ光で印画紙を露光してその印画紙を現像する方式のプリンタであってもよく、そのプリント方式の如何を問うものではない。また、出力デバイスとしては、プリンタに限定されるものではなく、印刷機であってもよく、あるいは表示画面上に画像を表示するCRTディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置等の画像表示装置であってもよい。
【0035】
ここで、この図1に示すシステムにおける、本発明の一実施形態としての特徴は、パーソナルコンピュータ20の内部で実行される処理内容にあり、以下、このパーソナルコンピュータ20について説明する。
【0036】
図2は、図1に1つのブロックで示すパーソナルコンピュータ20の外観斜視図、図3は、そのパーソナルコンピュータ20のハードウェア構成図である。
【0037】
このパーソナルコンピュータ20は、外観構成上、本体装置21、その本体装置21からの指示に応じて表示画面22a上に画像を表示する画像表示装置22、本体装置21に、キー操作に応じた各種の情報を入力するキーボード23、および、表示画面22a上の任意の位置を指定することにより、その位置に表示された、例えばアイコン等に応じた指示を入力するマウス24を備えている。この本体装置21は、外観上、フレキシブルディスクを装填するためのフレキシブルディスク装填口21a、およびCD−ROMを装填するためのCD−ROM装填口21bを有する。
【0038】
本体装置21の内部には、図3に示すように、各種プログラムを実行するCPU211、ハードディスク装置213に格納されたプログラムが読み出されCPU211での実行のために展開される主メモリ212、各種プログラムやデータ等が保存されたハードディスク装置213、フレキシブルディスク100が装填されその装填されたフレキシブルディスク100をアクセスするFDドライブ214、CD−ROM110が装填され、その装填されたCD−ROM110をアクセスするCD−ROMドライブ215、カラースキャナ10(図1参照)と接続され、カラースキャナ10から画像データを受け取る入力インタフェース216、カラープリンタ30(図1参照)と接続され、カラープリンタ30に画像データを送る出力インタフェース217が内蔵されており、これらの各種要素と、さらに図2にも示す画像表示装置22、キーボード23、マウス24は、バス25を介して相互に接続されている。
【0039】
ここで、CD−ROM110には、このパーソナルコンピュータ20を色変換定義作成装置として動作させるための色変換定義作成プログラムが記憶されており、そのCD−ROM110はCD−ROMドライブ215に装填され、そのCD−ROM110に記憶された色変換定義作成プログラムがこのパーソナルコンピュータ20にアップロードされてハードディスク装置213に記憶される。
【0040】
次に、コンピュータ20にアップロードにされた色変換定義作成プログラムによる色変換定義の作成方法について説明するが、ここでは、先ず、従来の一般的な色変換の手法について説明する。
【0041】
図4は、入力プロファイルの概念図である。
【0042】
入力プロファイルがカラースキャナ10のメーカ等から入手できる時は、入力プロファイルを新たに作成することは不要であるが、ここではその入力プロファイルの作成方法の概要について説明する。
【0043】
図1に示す原稿画像11に代えて多数の色パッチからなるカラーパッチ画像11aを用意し、そのカラーパッチ画像11aをカラースキャナ10で読み取って各色パッチごとの、入力RGB空間(本発明にいう第1の色空間の一例)上の色データを得るとともに、そのカラーパッチ画像を測色計で測色して、各色パッチについて、例えば、共通色空間の一例であるL*a*b*空間上の座標点を表わす色データを得る。尚、共通色空間に関する詳細説明は後に譲る。
【0044】
このようにして、入力RGB空間上の座標点とL*a*b*色空間上の座標点との対応が定義された入力プロファイルが得られる。この入力プロファイルは、カラースキャナ10の種類や、さらに一般的には入力デバイスの種類によってそれぞれ異なる、入力デバイスに依存したプロファイルである。
【0045】
図5は、出力プロファイルの概念図である。
【0046】
カラープリンタに対応する出力プロファイルはそのカラープリンタのメーカから提供されることもあり、プリント出力しようとするカラープリンタに対応する出力プロファイルを入手することが出来れば出力プロファイルの作成は不要であるが、ここでは、その出力プロファイルを新たに作成するとした場合の作成方法の概要について説明する。
【0047】
図1に示すパーソナルコンピュータ20から、RGB3色の画像データとして、R,G,Bそれぞれの値を順次変化させた画像データを発生し、そのようにして発生させた画像データに基づくカラーパッチ画像をカラープリンタ30でプリント出力する。図1に示すプリント画像31は、カラーパッチ画像を表わしている画像ではないが、このプリント画像31に代えてカラーパッチ画像をプリント出力したものとし、そのカラーパッチ画像を構成する各カラーパッチを測色計で測定する。こうすることにより、RGB3色の色空間(本発明にいう第3の色空間の一例)上の座標値と共通色空間(ここではL*a*b*色空間)上の座標値との対応関係をあらわす出力プロファイルが構築される。
【0048】
この出力プロファイルは、出力デバイスに応じてそれぞれ異なる、出力デバイスに依存したプロファイルである。
【0049】
図6は、入力プロファイルと出力プロファイルとの双方からなる色変換アルゴリズムを示す概念図である。
【0050】
図4と図5を参照して説明した入力プロファイルと出力プロファイルを図1に示すパーソナルコンピュータ20に記憶しておき、カラースキャナ10で得られたRGBの画像データを、図6に示すように、入力プロファイルにより一旦L*a*b*色空間上の画像データに変換し、そのL*a*b*色空間上の画像データを、出力プロファイルによりRGBの画像データに変換してカラープリンタに伝える。こうすることにより、カラープリンタ30では、原稿画像11の色表現を再現したプリント画像31を得ることができる。
【0051】
ただし、このような単純な色変換アルゴリズムの場合、以下に説明するように、カラースキャナ10の色再現領域(カラーガマット)とカラープリンタ30の色再現領域(カラーガマット)とが一般的には一致しないという問題、および、図1に示すカラーチャート11aをカラースキャナ10で読み取って得た、そのカラーチャート11aの色再現領域がカラースキャナ10の色再現領域に一致しないという問題がある。
【0052】
以下では、これらの2つの問題について順次説明する。
【0053】
ここでは先ず、カラースキャナ10の色再現領域とカラープリンタ30の色再現領域とが一致しないという問題について説明する。
【0054】
図7は、カラースキャナ10とカラープリンタ30の色再現領域の模式図である。
【0055】
図7(A)は、入力側の色空間である入力RGB空間を示したものであるが、この図7(A)には、図示の簡単のためR−G平面が示されている。図7(B),図7(C)も同様であり、図7(B)は共通色空間の1つであるL*a*b*空間のL*−a*平面について示されており、図7(C)は出力側の色空間である出力RGB空間のR−G平面について示されている。
【0056】
カラースキャナ10は、原稿画像11を、R,G,Bそれぞれについて0〜255の値の数値を表わす画像データに変換するものとし、この場合、図7(A)に示す矩形領域がカラースキャナ10の色再現領域101となる。
【0057】
ここで、図4を参照して作成した入力プロファイルを用いて、図7(A)に示す、カラースキャナ10の色再現領域101を、L*a*b*空間に写像すると、そのカラースキャナ10の色再現領域は領域102のように表わされ、その色再現領域102を、さらに、図5を参照して説明した出力プロファイルを用いて出力側の色空間である出力RGB空間に写像すると、そのカラースキャナ10の色再現領域は、図7(C)に示す領域103に示すように表わされる。
【0058】
これに対し、図1に示すカラープリンタ30の色再現領域303は、図7(C)の出力RGB空間上で、R,G,Bともに0〜255の数値範囲で示される立方体領域(図7(C)ではR−G平面上の矩形領域)である。すなわち、原稿画像11をカラースキャナ10で読み取って入力RGB空間上の画像データに変換し、その画像データをL*a*b*空間を経由して出力RGB空間上の画像データに変換すると、カラープリンタ30で表現することのできる色(画像データ上でRGBともに0〜255の範囲)を超えた値、例えば図7(C)に例示するような(R,G)=(110,290)、あるいは、(R,G)=(−100,260)などの値に変換される場合がある。その場合、これらの画像データ、すなわち、カラープリンタ30の色再現領域から外れた画像データは、カラープリンタ30では出力できないため、従来は、前述した様に、それらの画像データをカラープリンタ30の色再現領域の境界に位置する画像データとなるようにクリップすることが提案されている。具体的には、(R,G)=(110,290)は、(R,G)=(110,255)に変更され、(R,G)=(−100,260)は(R,G)=(0,255)に変更されることになる。
【0059】
このような出力デバイスに依存した色空間におけるマッピングの場合、前述したように、マッピングの自由度が小さく、上記のような、出力デバイスの色再現領域から外れたデータを単純にクリップしてその色再現領域の境界に移動させるだけのマッピングが行なわれており、1つのデバイス(例えばカラースキャナ10)の色再現領域から別のデバイス(例えばカラープリンタ30)の色再現領域に写像するにあたり、特にそれらの色再現領域の境界近傍における写像の精度が大きく低下する場合がある。
【0060】
一方、図7(C)に0〜255の矩形領域で示されるカラープリンタ30の色再現領域303を出力プロファイルを用いてL*a*b*空間に写像すると、図7(B)に示す領域302のように表わされる。このL*a*b*空間に代表される共通色空間において、カラースキャナ10(入力デバイス)の色再現領域102内のデータをカラープリンタ30(出力デバイス)の色再現領域302内のデータに変換するための手法が従来いくつか提案されていることは前述した通りである。
【0061】
L*a*b*空間における色変換(マッピング)では、カラープリンタ30で表現することのできる色再現領域を広く利用しようとしたとき、一般的には、図7(B)に破線の矢印で示すような、カラースキャナ10の色再現領域101とカラープリンタ30の色再現領域302との共通領域402から外れたデータをその共通領域402の内部にマッピングする‘圧縮’と、図7(B)に実線の矢印で示すように、その共通領域402内部のデータを、カラープリンタ30の色再現領域302の内部という条件を保った上で、その共通領域402の外部に広げる‘伸長’との双方が行なわれる。
【0062】
従来提案されているL*a*b*空間に代表される共通色空間でのマッピングは、マッピングの自由度が大き過ぎ、前述したように、調子が不連続となったり不自然な印象の画像となってしまう危険性が大きい。
【0063】
図7(B)のL*a*b*空間に写像されたカラープリンタ30の色再現領域302を図7(A)の入力RGB空間にさらに写像すると、カラースキャナ10の色再現領域である矩形の領域101からはみ出た部分のある、‘ひしゃげた’形の領域301のように表現される。
【0064】
次に、図1に示すカラーチャート11aをカラースキャナ10で読み取って得たときの、そのカラーチャート11aの色再現領域とカラースキャナ10の色再現領域が一致しないという問題について説明する。
【0065】
図8は、カラーチャートとカラースキャナの色再現領域の模式図である。図7と同様、ここでも図示の簡単のために、R−G平面が示されている。
【0066】
図8に破線で示した矩形の色再現領域101は、図7(A)の色再現領域101と同一のものであり、R,G,Bそれぞれについて0〜255の数値範囲で示される、立方体形状の、カラースキャナ10の色再現領域である。
【0067】
これに対し、図8に実線で示した色再現領域501は、カラーチャートの色再現領域である。このカラーチャートの色再現領域501は、カラースキャナの色再現領域101の一部の領域を占めているに過ぎない。
【0068】
本実施形態では、後述するようにして、人間の色の感覚に適合させつつ、図7(B)に破線の矢印で示すような、‘圧縮’と‘伸長’との双方のマッピングを行なうためのマッピング定義が作成されるが、図8に示すようにカラーチャートの色再現領域501がカラースキャナの色再現領域101と大きく異なっている場合、後述するマッピング法を採用しても高精度のマッピングを行なうマッピング定義を作成することは困難である。この問題を解決するために、カラーチャートの色再現領域501を外挿してカラースキャナの色再現領域101の全域にまで広げることも考えられるが、大幅に広げる必要がある場合などは、正確な外挿は困難であり、やはり高精度のマッピングを行なうマッピング定義を作成することは困難である。
【0069】
次に、共通色空間について説明する。この共通色空間については、L*a*b*色空間がその1つの例である旨説明したが、L*a*b*色空間である必要はなく、特定の入力デバイスあるいは特定の出力デバイスに依存しないように定義された色空間であればよい。例えばL*a*b*色空間のほか、XYZ色空間であってもよく、あるいはそれらの色空間に対し、色空間上の各座標点が1対1で対応づけられるように明確に定義された座標系であってもよい。そのような座標系の例としては、以下の様に定義された標準RGB信号などがある。
【0070】
【数1】
【0071】
ここで、例えばRSRGBを8ビットで表現したものをR8bitで表記すると、
R8bit=255×12.92RSRGB (0<RSRGB<0.00304)
R8bit=255×1.055RSRGB(1.0/2.4) −0.055
(0.00304≦RSRGB≦1)
となる。GSRGB,BSRGBを8ビットで表現したG8bit,B8bitも同様に、それぞれGSRGB,BSRGBから変換することができる。
【0072】
もしくは、リバーサルフィルムのcmy濃度で定義される色空間を共通色空間として採用してもよい。共通色空間を定めると、その共通色空間における色再現領域が明確に定義される。
【0073】
次に、図1〜図3に示すコンピュータシステム20内で実行される色変換定義作成プログラムによる色変換定義作成方法について説明する。
【0074】
図9は、コンピュータシステム20内で実行される色変換定義作成プログラムによる色変換定義作成方法を示したフローチャートである。
【0075】
ここでは、色再現領域作成過程(ステップa1)、座標対応付過程(ステップa2)、マッピング定義作成過程(ステップa3)、および色変換定義作成過程(ステップa4)を経て色変換定義が作成される。マッピング定義作成過程(ステップa3)では、基本的には第1過程(ステップa32)が実行されるが、本実施形態では、一層高精度なマッピング定義が作成されるよう、その第1過程の前段に第2過程(ステップa31)が置かれている。
【0076】
以下、これらの各過程について順次説明する。
【0077】
先ず、図9のステップa1の色再現領域作成過程について説明する。
【0078】
このステップa1では、図1に示すカラーチャート画像11aがカラースキャナ10で読み取られ、図4を参照して説明したような、カラースキャナ10用の入力プロファイルが参照されて、そのカラースキャナ10に依存した入力RGB空間(本発明にいう第1の色空間の一例)における、そのカラーチャート画像11aの色再現領域(表現される色空間を問わず、そのカラーチャート画像11aの色再現領域は、本発明にいう第1の色再現領域の一例に対応する)が、デバイス非依存の共通色空間(例えばL*a*b*空間)に写像される。
【0079】
図10は、入力RGB空間における、カラースキャナの色再現領域101とカラーチャート画像の色再現領域501を示す図である。
【0080】
この図10は、図8と同じ内容をR,G,Bの3軸からなる立体として表現したものである。
【0081】
カラーチャート画像の色再現領域501の各頂点に付した、W,K,R,G,B,C,M,Yの各符号は、それぞれ、その符号が付された頂点が、そのカラーチャート画像の色再現領域501の、白、黒、レッド、グリーン、ブルー、シアン、マゼンタ、イエローの点であることを示している。
【0082】
また、図11は、図10に示す、カラーチャート画像の色再現領域501を、カラースキャナ10の入力プロファイルを参照してL*a*b*空間に写像したときの、そのL*a*b*空間におけるカラーチャート画像の色再現領域502(本発明にいう第1の色再現領域)と、その色再現領域502を内包する多面体形状(ここでは12面体形状)の色再現領域602(本発明にいう第2の色再現領域の一例に相当する)を示した図であり、図11(A)には3次元的に、図11(B)には2次元的に示されている。L*a*b*空間自体は、図11に示す2つの色再現領域502,602よりも広く広がっている。
【0083】
図10に示すカラーチャート画像の色再現領域501をカラースキャナの入力プロファイルに従って図11に示すようにL*a*b*空間に写像した後、今度は、そのL*a*b*空間における、カラーチャート画像の色再現領域502を取り囲む12面体を、以下説明するように作成する。
【0084】
先ず、色再現領域502を取り囲む12面体の元となる12面体を、出力デバイスの色再現領域を近似して算出するために、出力デバイスの色再現領域における白、黒、レッド、グリーン、ブルー、シアン、マゼンタ、イエローの各頂点W,K,R,G,B,C,M,Yの座標を出力デバイスに依存する出力RGB空間で、次のように求める。
【0085】
Black =(0,0,0)
Red =(255,0,0)
Green =(0,255,0)
Blue =(0,0,255)
Cyan =(0,255,255)
Magenta=(255,0,255)
Yellow =(255,255,0)
White =(255,255,255)
次に、これらの各頂点のうちの3点からなる組を以下のように作成する。
【0086】
Black−Red−Green
Black−Green−Blue
Black−Blue−Red
Red−Green−Yellow
Green−Blue−Cyan
Blue−Red−Magenta
Yellow−Cyan−Green
Magenta−Yellow−Red
Cyan−Magenta−Blue
White−Yellow−Cyan
White−Magenta−Yellow
White−Cyan−Magenta
以下では、これらの3点の組のうち、一例としてWhite−Cyan−Magentaの組を使って説明を続ける。
【0087】
出力デバイスのプロファイルは、出力RGB空間上の点とL*a*b*空間上の点との組み合わせによって構成されており、この出力デバイスのプロファイルを構成している出力RGB空間上の点の中から、White−Cyan−Magentaの3点からなる三角形上に存在する全ての点Pi(i=1,…,n)を抽出する。これらの点Piは、出力RGB空間での座標を(Ri,Gi,Bi)と表現すると、いずれもBi=255,Ri+Gi≧255という関係を満たしている。
【0088】
このような点Pi(i=1,…,n)それぞれと組み合わされているL*a*b*空間上の点(L*i,a*i,b*i)(i=1,…,n)を出力デバイスのプロファイルから求め、求めた点(L*i,a*i,b*i)(i=1,…,n)の集合を近似した平面を最小二乗法を用いて算出する。即ち、求めるべき平面を
L*=αa*+βb*+ave(L*)
と置いて係数α、βを算出する。ave(L*)は、各点のLi値の平均を表している。ここで、
【0089】
【数2】
【0090】
と置くと、上記平面の式は、
【0091】
【数3】
【0092】
と変形され、係数α、βが以下の式で求められる。
【0093】
【数4】
【0094】
以上の手順で、White−Cyan−Magentaの3点からなる三角形に対応するL*a*b*空間上の平面が求められる。同様の手順で、上述した各3点の組について点Piの抽出と平面の算出を行う。各組において点Piが満たす条件は以下のようになる。
【0095】
K−R−G Bi=0,Ri+Gi≦255
K−G−B Ri=0,Bi+Gi≦255
K−B−R Gi=0,Ri+Bi≦255
R−G−Y Bi=0,Ri+Gi≧255
G−B−C Ri=0,Bi+Gi≧255
B−R−M Gi=0,Ri+Bi≧255
Y−C−G Gi=255,Ri+Bi≦255
M−Y−R Ri=255,Bi+Gi≦255
C−M−B Bi=255,Ri+Gi≦255
W−Y−C Gi=255,Ri+Bi≧255
W−M−Y Ri=255,Bi+Gi≧255
これにより、出力デバイスの色再現領域を近似した12面体が得られる。このようにして得られた12面体702が、図11(B)に示されている。
【0096】
次に、このようにして得られた12面体702を元にして、上述した第2の色再現領域602を以下のように作成する。
【0097】
12面体702がカラーチャート画像の色再現領域501を完全に内包している場合には、12面体702がそのまま第2の色再現領域602となる。
【0098】
一方、図11(B)に示すように、一部分でもカラーチャート画像の色再現領域501が12面体702を飛び出している場合には、12面体702を構成している平面を、矢印が示すように、色再現領域501を内包するまで平行移動させる。これにより、色再現領域501を内包する12面体が得られる。但し、このようにして得られた12面体は、図11(A)に示す第2の色再現領域602のようにきれいに平面が交わった8頂点を有するとは限らず、それらの8頂点のうちの1つ以上の頂点について、その頂点に対応する複数の頂点を有した12面体となる可能性が高い。そこで、それら複数の頂点のうちで最も外側の頂点を、求めるべき8頂点の1つとして設定し、設定された8頂点を結ぶことにより図11(A)に示す第2の色再現領域602を作成する。以下では、このようにして作成した、L*a*b*空間上で12面体形状をなす色再現領域を、カラーチャート画像の色再現領域をいわば再設定した色再現領域であるという意味で、色空間の別を問わず、「再設定色再現領域」と称する。
【0099】
次に、図9のステップa2の座標対応付過程について説明する。
【0100】
上記のようにして、12面体の再設定色再現領域602を決定した後、再設定色再現領域602の全域を図10に破線で示すカラースキャナの色再現領域101の全域に対応づける。以下に、この対応付けのアルゴリズムの一例を示す。
【0101】
先ず、図11に示す12面体の再設定色再現領域602の各頂点を、図10が示す立方体形状のカラーチャートの色再現領域の各頂点に対応づける。
【0102】
具体的には、図11に示す、再設定色再現領域602の各頂点W,B,R,G,B,C,M,Yに、それぞれ、
W=(255,255,255)
B=(0,0,0)
R=(255,0,0)
G=(0,255,0)
B=(0,0,255)
C=(0,255,255)
M=(255,0,255)
Y=(255,255,0)
の数値(座標)を割り当てる。以下では、このように割り当てられた座標のことを、L*a*b*空間上の座標と区別するために割当座標と称する。
【0103】
次に、その12面体の各辺の上の任意の点について、その辺の両端の頂点の割当座標から補間演算によりその任意の点の割当座標を求める。
【0104】
次に、その12面体を形成する各平面内の任意の点について割当座標を割り付ける。
【0105】
図12は、12面体を構成する任意の平面上の任意の点への割当座標の割付け方法の説明図である。
【0106】
ここでは、割当座標を求めようとする点aは、3つの頂点A,B,Cで規定される平面(平面ABC)上にあるものとし、点aの、L*a*b*空間におけるL*の座標を、L*(a)とする。
【0107】
ここで、先ず、L*=L*(a)の平面を考え、そのL*=L*(a)の平面と、3つの頂点A,B,Cで規定される平面の輪郭をなす辺との交点b,cを求める。交点bの割当座標は、頂点Aの割当座標と頂点Bの割当座標とを用いた補間演算により求められており、交点Cの割当座標は頂点Aの割当座標と頂点Cの割当座標とを用いた補間演算により求められている。
【0108】
そこで、ここでは交点bの割当座標と交点cの割当座標とを用いた補間演算により平面ABC上の任意の点aの割当座標が求められる。
【0109】
次に、L*a*b*空間内の任意の点の、図10のカラースキャナの色再現領域101に相当する割当座標が求められる。
【0110】
図13は、L*a*b*空間内の任意の点の割当座標の求め方の説明図である。
【0111】
この図13では、12面体の内側の点d1あるいは12面体の外側の点d2が割当座標を求めるべき点である。
【0112】
ここでは、L*軸のL*=50の点を原点とし、その原点と割当座標を求めようとしている点d1を結んで延長した直線、あるいは原点と割当座標を求めようとしている点d2を結んだ直線と、12面体の表面との交点aを求める。交点aの割当座標は、図12を参照して説明したようにして既に求められている。また、原点の割当座標は、入力デバイスのプロファイルに基づいて原点を入力RGB空間に写像した点の座標とする。そこで、ここでは、原点の割当座標と点aの割当座標とを用いて内挿することにより点d1の割当座標が求められ、原点の割当座標と点aの割当座標とを用いて外挿することにより点d2の割当座標が求められる。このようにして、図11の12面体形状の再設定色再現領域602の全域が、図10に示す、立方体形状のカラースキャナの色再現領域101に対応付けられるとともに、図11の12面体形状の再設定色再現領域602の内側のみでなく、外側についても、図10の立方体形状の色再現領域101の、それぞれ、内側、外側の各点に対応づけられる。
【0113】
尚、再設定色再現領域の外部についても座標を割り当てるのは、ガマット変換の演算の際に再設定色再現領域の外側の点の座標も必要となるからである。
【0114】
このような座標の割り当ては、図11の12面体形状の再設定色再現領域602に対応する再設定色再現領域が、図10に示す色再現領域101と同じ形状となるような新たな色空間を定義したことと等価である。このような新たな色空間を、本発明では第2の色空間と称しており、以下の説明では再設定色空間と称する場合がある。また、この再設定色空間(本発明にいう第2の色空間の一例)における再設定色再現領域を説明する際に、上述した入力RGB空間の図(例えば図10)を流用し、その図における色再現領域101を、再設定色空間における再設定色再現領域を示すものとして用いる場合がある。また、入力RGB空間と再設定色空間とを特に区別せずに用いる場合もある。
【0115】
次に、図9のステップa3のマッピング定義作成過程について説明する。
【0116】
以下に説明する、図9のステップa3のマッピング定義作成過程の説明では、図7(A)、図8、図10の色再現領域101は、再設定色空間における再設定色再現領域、すなわち、図9のステップa2の座標変換過程において図11の12面体形状の再設定色再現領域602に座標が割り付けられてなる対応関係に従って再設定色再現領域602が再設定色空間に写像されたものとして説明する。
【0117】
図14は、図9のステップa31で実行される、マッピング定義作成過程における第2過程の説明図であり、L*a*b*空間における再設定色再現領域およびカラープリンタ30の色再現領域を示している。
【0118】
ここでは、コンクリース変換(Von Kries変換)を応用した順応変換が行なわれる。すなわち、ここでは、再設定色再現領域の白(図11の頂点W)に相当する座標点W1と、再設定色再現領域の黒(図11の頂点K)に相当する座標点K1が、それぞれカラープリンタ30で出力されるプリント画像31の白(そのプリント画像の用紙の色)相当する座標点W3とそのカラープリンタ30で出力することのできる黒(例えばそのカラープリンタ31がR,G,B3色のインクで画像出力を行なうプリンタの場合、R,G,Bの各色のインクを最大量使って印刷した状態)に相当する座標点K3に一致するように座標変換が行なわれる。
【0119】
図14は、この座標変換過程を図示したものであり、先ず、図14(A)に示す、再設定色再現領域102aとカラープリンタの色再現領域302aを、図14(B)に示すように、各黒点K1,K3が原点O(理論上の黒点)に一致するように平行移動する。これにより、先ず、再設定色再現領域102bの黒点とカラープリンタの色再現領域302bの黒点とが一致する。
【0120】
次に、この平行移動後の、再設定色再現領域102bの白点W1が、平行移動後の、カラープリンタの色再現領域302bの白点W3に一致するように、すなわち図14(B)の直線L1が直線L3に一致するように、再設定色再現領域102b全体について回転及び伸縮を伴う座標変換が行なわれる。
【0121】
図14(C)は、この回転及び伸縮を伴う座標変換を行なった後の状態を示しており、再設定色再現領域は、図14(B)に示す色再現領域102bから図14(C)に示す色再現領域102cのように変換される。このとき、再設定色再現領域の白点W1は、カラープリンタの色再現領域の白点W3に一致する。
【0122】
その後、図14(D)に示すように、図14(C)に示すように白点,黒点がそれぞれ一致した、再設定色再現領域102cを、カラープリンタのもともとの色再現領域、すなわち図14(A)に示す、カラープリンタの色再現領域302aの白点W3,黒点B3に一致する位置まで平行移動する。
【0123】
こうすることにより、白点W1,黒点B1がカラープリンタの白点W3,黒点B3にそれぞれ一致した、再設定色再現領域102dを得ることができる。
【0124】
以上の操作を式で示すと、以下のようになる。図14は、L*a*b*空間における色再現領域を示したが、コンクリース変換やそのコンクリース変換を応用した上記の順応変換はXYZ空間で実行されることが多く、ここではXYZ空間を想定して説明する。このXYZ空間の各座標点はL*a*b*空間の各座標点に1対1に対応する共通色空間の1つである。
【0125】
図14(A)に示す再設定色再現領域102aの白点W1,黒点B1のXYZ座標をそれぞれ(LXW1,LYW1,LZW1),(LXB1,LYB1,LZB1)とし、図14(A)に示すカラープリンタの色再現領域302aの白点W3,黒点B3のXYZ座標をそれぞれ(LXW3,LYW3,LZW3),(LXB3,LYB3,LZB3)としたとき、図14(B)に示す各白点W1,W3に相当するXYZ座標(LXW1’,LYW1’,LZW1’),(LXW3’,LYW3’,LZW3’)を、各式
LXW1’=LXW1−LXB1
LYW1’=LYW1−LYB1
LZW1’=LZW1−LZB1 ……(1)
LXW3’=LXW3−LXB3
LYW3’=LYW3−LYB3
LZW3’=LZW3−LZB3 ……(2)
により求め、白点W1(LXW1’,LYW1’,LZW1’)が白点W3(LXW3’,LYW3’,LZW3’)に一致するように回転及び伸縮するためのコンクリース(Von Kries)マトリックスを作成する。
【0126】
ここでは、このコンクリースマトリックスを、
VK=[MTXVK] ……(3)
と表記する。このコンクリースマトリックスは3行×3列のマトリックスとなる。
【0127】
次に、XYZ空間における順応変換前の多数の座標点を代表させて(X,Y,Z)で表わすと、
この(X,Y,Z)が
X1=X−LXB1
Y1=Y−LYB1
Z1=Z−LZB1 ……(4)
により黒点補正(図14(B)参照)がなされ、次に
【0128】
【数5】
【0129】
によりコンクリース変換が行なわれ(図14(C)参照)、次に
X’=X2−LXB3
Y’=Y2−LYB3
Z’=Z2−LZB3 ……(6)
により、黒点をカラープリンタの黒点に一致させるための補正(図14(D)参照)が行なわれる。
【0130】
以上の演算を全ての座標点について行なうことにより、L*a*b*空間で表わしたときの図14(A)に示す再設定色再現領域102aが、白点、黒点がカラープリンタの色再現領域302aの白点、黒点にそれぞれ一致した、図14(D)に示す色再現領域102dに変換される。
【0131】
上記の順応変換をXYZ空間で行なうと、順応変換前の黒点(図14(A)の黒点B1,B3)の座標(X,Y,Z)がほぼ(0,0,0)に近く、したがって黒点の補正は数値を僅かに変化させるだけであって、(1)式,(2)式に従って白点の座標を移動させてもその移動量は僅かで済み、XYZ空間内の広い領域を使って順応変化を行なうことができる点で有利であるが、この順応変化は、必ずしもXYZ空間で行なわなければならない訳でなく、L*a*b*空間で行なってもよく、あるいはその他の共通色空間で行なってもよい。
【0132】
また、ここでは、白点と黒点との双方をそれぞれ一致させる順応変換について説明したが、色変換の精度は多少落ちるものの、簡略的には、黒点は考慮せずに白点のみ一致させるように順応変換を行なってもよい。
【0133】
この白点のみ一致させる順応変換は、図14を参照して説明すると、図14(A)に示す直線L1’が直線L3’に一致するとともに白点W1が白点W3に一致するような座標変換をいい、数式的には、(1)式,(2)式のように黒点の座標を引き算することなく、白点W1(LXW1,LYW1,LZW1)が白点W3(LXW3,LYW3,LZW3)に一致するように回転及び伸縮するためのコンクリースマトリックスを求め、(4)式のように、黒点の座標を引き算することなく、そのコンクリースマトリックスを使って(X,Y,Z)をそのまま変換することを意味する。
【0134】
さらに、この順応変換は、例えばCRTディスプレイ表示画面上の‘白’はかなり青みかかった白であり、そのCRTディスプレイ表示画面に表示された画像をプリント出力する必要があるときのような、測色的にかなり離れた白を持つデバイス間での色変換の場合に必要となるが、図1に示すカラースキャナ10で読み取られる画像の白とカラープリンタ30で出力される画像の白がほぼ一致している場合、この順応変換、すなわち、図9のマッピング定義作成過程の第2過程(ステップa31)は省略してもかまわない。
【0135】
次に、図9に示すフローチャートのマッピング定義作成過程中の第1過程(ステップa32)について、いくつかの例を説明する。
【0136】
図15は、その第1過程における座標変換の第1例の説明図、図16は、その第1例のフローチャートである。図15には、L*a*b*空間内のうちのL*−a*平面について明示されているが、これは図示の便宜上のものであって、実際には、L*a*b*空間内で3次元的な座標変換が行なわれる。図15のみでなく、その後に説明する各種の例についても同様である。
【0137】
ここでは、先ず、座標変換の基準となる座標変換基準座標点cが設定される。この座標変換基準座標点cは、経験的にあるいは所定の設定基準に従ってある程度任意に設定されるが、L*a*b*空間における再設定色変換領域102とカラープリンタの色再現領域302との共通領域内に設定される。さらに、座標変換基準座標点cは、その共通領域内であって、さらに本実施形態ではL*軸(グレー軸)上に設定される。そうすることにより、以下の説明からわかるように、この座標変換基準座標点cは他の座標点にはマッピングされず、したがってグレーバランスを保ちやすいからである。ここでは例えば(L*,a*,b*)=(50,0,0)の点が座標変換基準座標点cとして設定される。
【0138】
尚、図9のフローチャートのマッピング定義作成過程(ステップa3)に図14を参照して説明したような順応変換(ステップa31)を含むときは、L*a*b*空間における再設定色再現領域102は、その順応変換後の色再現領域を指すものとする。
【0139】
ここでは、マッピングを行なう対象となるL*a*b*空間上の再設定色再現領域102内の座標点を第1の座標点tとする。
【0140】
ここで、座標変換基準座標点cと第1の座標点tとを結ぶ直線を考え、その直線と、再設定色再現領域102の境界との交点を求める(図16ステップb1)。ここではこの交点を第1の基準座標点aと呼ぶ。
【0141】
図16に示すフローチャートは、このようにして求めた第1の基準座標点aが、図15に示すように、L*a*b*空間に写像したカラープリンタの色再現領域302から外れている場合のフローチャートであり、この条件を満たすとき、さらに以下のように処理が進められる。
【0142】
上記のようにして求めた第1の基準座標点aについて、L*a*b*空間からカラープリンタ30に依存した出力RGB空間(本発明にいう第3の色空間の一例)に写像する(図16ステップb2)。この出力RGB空間に写像された第1の基準座標点をP1とする。
【0143】
次に、出力RGB空間において、その第1の基準座標点P1の座標値を、前述のように、例えばR,G,Bそれぞれについてマイナスの値を0に、255を越える値を255にクリップすることにより、その出力RGB空間のカラープリンタ30の色再現領域の境界上にマッピングする(ステップb3)。このマッピングによりカラープリンタ30の色再現領域の境界上に得られた点P2を、今度はその出力RGB空間からL*a*b*空間に写像する(ステップb4)。このL*a*b*空間内に写像された座標点を第2の基準座標点bとする(図15参照)。
【0144】
次に、図15に示す第1の基準座標点aと第2の基準座標点bとの差分を表わす、第1の基準座標点aを始点とし、第2の基準座標点を終点とする基本差分ベクトルvを求め(ステップb5)、マッピングを行なおうとしている第1の座標点tを、その基本差分ベクトルvの方向と同一方向に、座標変換基準座標点cと第2の基準座標点bとを結ぶ直線上まで移動させ、その点を、第1の座標点tがマッピングされた第2の座標点sとする(ステップb6)。
【0145】
このような座標変換が、L*a*b*空間における再設定色再現領域102に含まれる座標点のうちの、ステップb1により求められた第1の基準座標点aが再設定色再現領域102の外にある全ての座標点について行なわれる(ステップ7)。
【0146】
このように、図15,図16を参照して説明した座標変換は、その座標変換の方向を決めるにあたっては、すなわち基本差分ベクトルvを求めるあたっては、出力RGB空間を使って、再設定色再現領域の境界上の第1の基準座標点aに対応する、カラープリンタの色再現領域の境界上の第2の基準座標点bを定めることにより行なわれ、実際のマッピングは、L*a*b*空間で行なわれる。
【0147】
すなわち、出力RGB空間(デバイス依存の色空間)という人間の色の感覚に合致した色空間で座標変換(マッピング)の方向が定められるため、調子の不連続性や不自然な画像となってしまう恐れが極めて小さく抑えられ、かつ、実際の座標変換は、L*a*b*空間(共通色空間)で行なわれるため、色彩上高精度の座標変換(マッピング)が行なわれる。
【0148】
尚、図15は、図示の都合上、2次元平面上で座標変換(マッピング)が行なわれるように描かれているが、実際には3次元的なマッピングが行なわれることは前述したとおりである。
【0149】
図17は、図15,図16を参照して説明した座標変換の変形例を示す図である。
【0150】
ここでは、座標変換基準座標点cを取り巻く領域Dが設定され、座標変換基準座標点cと第1の基準座標点aを結ぶ直線とその領域Dの境界との交点dを求め、第1の座標点tのマッピングにあたっては、その交点dと第2の基準座標点bとを結ぶ直線上の座標点sにマッピングされる。
【0151】
こうすることにより、領域Dという、座標が移動しない領域を設定することができる。前述したように、グレーバランスを保つためにはL*軸(グレー軸)については座標を移動させないことが好ましい旨説明したが、この図17に示すように領域Dを設定することにより座標を移動しない領域を任意に設定することができる。
【0152】
図18は、図9に示すフローチャートの第1過程における座標変換の第2例の説明図、図19は、その第2例のフローチャートである。
【0153】
ここでは、図15,図16を参照して説明した第1例と同様に、L*軸(グレー軸)上に座標変換の基準となる座標変換基準座標点cが設定される。
【0154】
この座標変換基準座標点cと、座標変換の対象としている第1の座標点tとを結ぶ直線を考え、その直線と、L*a*b*空間における再設定色再現領域102の境界との交点を求める。その交点を第1の基準座標点と呼ぶ。ここで、このL*a*b*空間に写像した再設定色再現領域102は、図9のフローチャートの第2過程(ステップa31)における順応変換が行なわれるときは、その順応変換後の再設定色再現領域を指すものであることは前述したとおりである。
【0155】
図18に示すフローチャートは、図16に示すフローチャートとは異なり、このようにして求めた第1の基準座標点aが、図18に示すように、L*a*b*空間に写像したカラープリンタの色再現領域302の内部に存在する場合のフローチャートであり、この条件を満たすときさらに以下のように処理が進められる。
【0156】
上記のようにして求めた、再設定色再現領域の境界上の第1の基準座標点aに対応する、カラープリンタの色再現領域の境界上の第2の基準座標点bを求める(ステップc2)。この第2の基準座標点bを求めるにあたっては、ここでは、図18に示すように、第1の基準座標点aがカラープリンタの色再現領域302の内部に存在するため、図15,図16を参照して説明した手法を使うことはできない。すなわち、第1の基準座標点aがカラープリンタの色再現領域302の外に存在する場合と同様にして、その第1の基準座標点aを出力RGB空間に写像しても、その写像された第1の基準座標点は出力RGB空間におけるカラープリンタの色再現領域の内部に位置することになり、前述したクリップの手法を使うことができないこととなってしまう。そこで、ここでは、以下のようにして、第2の基準座標点bが求められる。
【0157】
先ず、出力RGB空間におけるカラープリンタの色再現領域(ガマット)の境界上の全ての点(点P1で代表させる)について、出力RGB空間からL*a*b*空間に写像し(ステップc21)、さらにそのL*a*b*空間に写像された全ての点P2を再設定色空間としての入力RGB空間(本発明にいう第2の色空間の一例)に写像する(ステップc22)。次いで、その入力RGB空間に写像された点P3のうちの、入力RGB空間上の再設定色再現領域から外れた点を、前述のように、例えばR,G,Bそれぞれについてマイナスの値を0に、255を越える値を255にクリップすることにより、その再設定色再現領域の境界上にマッピングする(ステップc23)。
【0158】
このようにして得られた、入力RGB空間に写像され、さらにクリップされた全ての点P4を、入力RGB空間からL*a*b*空間に写像する(ステップc24)。このようにしてL*a*b*空間に写像された点P5のうち、第1の基準座標点aに一致した、あるいは一致はしなくても最も近接した点P5’を見つけ、出力RGB空間の、カラープリンタの色再現領域の境界上の全ての点P1のうち、その点P5’を得る基になった点P1’を見つけ、その点P1’を第2の基準座標点bとする(ステップc25)。
【0159】
このような手順を踏むことにより、図18に示す基準座標点aに対応する第2の基準座標点bを求めることができる。
【0160】
尚、図19に示すフローチャートの場合、出力RGB空間におけるカラープリンタの色再現領域の境界上の全ての点P1について一律に入力RGB空間に写像したが、図18に示す、L*a*b*空間に写像したカラープリンタの色再現領域302の境界上の座標点のうち、L*a*b*空間に写像した再設定色再現領域102の色再現領域から食み出した部分の座標点のみ、入力RGB空間に写像すればよく、あるいはその食み出した部分のうち、推測等により第2の基準座標点bの座標位置をさらに絞り込むことができるときは、その絞り込まれた領域内の座標点のみ入力RGB空間に写像してクリップしてもよい。
【0161】
図19に示すステップc2において、第2の基準座標点bが検出されると、図16のフローチャートの場合と同様、図18に示すように、第1の基準座標点aから第2の基準座標点bに向かう基本差分ベクトルvが求められ(ステップc3)、さらに図15,図16の第1例の場合と同様にして、第1の座標点に対応する第2の座標点が求められる(ステップc4)。
【0162】
このような座標変換が、L*a*b*空間における再設定色再現領域102内の各座標点のうちの、ステップc1により求められた第1の基準座標点aがカラープリンタの色再現領域302の内部に存在する全ての座標点について行なわれる(ステップc5)。
【0163】
図20は、図18,図19を参照して説明した座標変換の第2例の変形例を示す図である。
【0164】
ここには、図17と同様、座標変換基準座標点cを取り巻く領域Dが設定され、座標変換基準座標点cと第1の基準座標点aとを結ぶ直線とその領域Dの境界との交点dが求められ、第1の座標点tは、その交点dと第2の基準座標点bとを結ぶ直線上の座標点sにマッピングされる。こうすることにより、座標を移動させない領域Dを設定することができる。
【0165】
図21は、図15,図16を参照して説明した‘圧縮’と図18,図19を参照して説明した‘伸長’とを組み合わせて行なったマッピングの効果説明図である。
【0166】
L*a*b*空間上の再設定色再現領域102よりもL*a*b*空間上のカラープリンタの色再現領域302の方が広いラインLN1上の座標点は,カラープリンタの色再現領域302を最大限使うように伸長され、再設定色再現領域102の方が広いラインLN2上の各座標点は、カラープリンタ30の色再現領域302を最大限使うレベルまで圧縮される。これらの伸長、圧縮の方向は、デバイスに依存したRGB空間を利用して求めたものであるため、マッピングそのものはL*a*b*空間上で行なっても、調子の不連続や不自然な画像の発生が防止され、かつマッピングそのものはL*a*b*空間を行なうことから高精度のマッピングが行なわれている。また、再設定色再現領域102とカラープリンタの色再現領域302との広さが一致したラインLN3上の各座標点は移動せずにそのままの色が保たれることになる。
【0167】
尚、ここで行なわれるマッピングは、図21では図示の都合上L*−a*平面で行なわれるかのように描かれているが、3次元的に行なわれるものであることは前述した通りである。
【0168】
図22は、図9に示すフローチャートの第1過程における座標変換の第3例の説明図、図23は、その第3例のフローチャートである。ここで説明する第3例は、図17,図18を参照して説明した第2例の場合と同様、ステップd1で求められた第1の基準座標点a1が、L*a*b*空間に写像したカラープリンタの色再現領域302の内部に存在する場合の一例である。
【0169】
ここでも、前述の第1例および第2例と同様に、L*軸(グレー軸)上に座標変換の基準となる座標変換基準座標点cを設定し、その座標変換基準座標点cと座標変換の対象としている第1の座標点tとを結ぶ直線を考え、その直線と、L*a*b*空間における再設定色再現領域102の境界との交点を求め、その交点を第1の基準座標点a1とし、さらに、その直線と、L*a*b*空間に写像したカラープリンタの色再現領域302の境界との交点を求め、その交点を第3の基準座標点a2とする(ステップd1)。このL*a*b*空間における再設定色再現領域102は、図9のフローチャートの第2過程(ステップa31)における順応変換が行なわれるときは、その順応変換後の再設定色再現領域を指すものであることは、これまでの第1例、第2例の場合と同様である。
【0170】
次に、上記のようにして求めた第3の基準座標点a2をL*a*b*空間から再設定色空間としての入力RGB空間(本発明にいう第2の色空間の一例)に写像し(ステップd2)、その入力RGB空間に写像した点P1をその入力RGB空間でクリップすることにより再設定色再現領域の境界上にマッピングし(ステップd3)、そのマッピングにより得られた点P2をL*a*b*空間にマッピングする(ステップd4)。このようにして得られたL*a*b*空間の、再設定色再現領域102の境界上の点を第4の基準座標点b2と呼ぶ。
【0171】
次に、第3の基準座標点a2から第4の基準座標点b2に向かう差分ベクトルv1を求め(ステップd5)、第1の基準座標点a1を通りその差分ベクトルv1と平行な直線を考えて、その直線と、L*a*b*空間上のカラープリンタの色再現領域302の境界との交点を第2の基準座標点b1とし、第1の基準座標点a1から第2の基準座標点b1に向かう基本差分ベクトルvを求める(ステップd6)。その後はこれまで説明した第1例、第2例と同様にして、第1の座標点tが、その第1の座標点tを基本差分ベクトルvと平行に移動し、座標変換基準座標点cと第2の基準座標点b1とを結んだ直線にぶつかった座標点(第2の座標点s)にマッピングされる(ステップd7)。
【0172】
このような座標変換が、L*a*b*空間上の再設定色再現領域内の座標点のうちの、ステップd1において、L*a*b*空間上のカラープリンタの色再現領域302の内部に位置する第1の基準座標点a1が求められる全ての座標点について行なわれる(ステップd8)。
【0173】
この図22,図23に示す第3例は、L*a*b*空間上の再設定色再現領域102とカラープリンタの色再現領域302が大きくずれているとき、すなわち、差分ベクトルv1と基本差分ベクトルvが大きく離れているときは誤差を持つが、それら2つのベクトルv1,vの距離が近く、それら2つのベクトルv1,vの間の誤差を無視できるときは、この第3例を採用することができ、図18,図19を参照して説明した第2例と比べ高速演算が可能となる。
【0174】
図24は、図22,図23を参照して説明した座標変換の第3例の変形例を示す図である。
【0175】
ここには、図17,図20と同様、座標変換基準座標点cを取り巻く領域Dが設定され、座標変換基準座標点cと第1の基準座標点a1とを結ぶ直線と、その領域Dの境界との交点dが求められ、第1の座標点tは、交点dと第2の基準座標点b1とを結ぶ直線上にマッピングされる。
【0176】
このようにして、座標移動が行なわれない領域Dを設定することができる。
【0177】
図25は、図9に示すフローチャートの第1過程における座標変換の第4例の説明図、図26はその第4例のフローチャートである。
【0178】
この第4例は、ステップe1で求められる第1の基準座標点aがL*a*b*空間に写像したカラープリンタの色再現領域302の内部に存在するか、あるいはその色再現領域302から外れているかを考慮することなく適用することができる方法である。
【0179】
ここでも、前述の第1例〜第3例と同様に、L*軸(グレー軸)上に座標変換基準座標点cを設定し、その座標変換基準座標点cと座標変換の対象としている第1の座標点tとを結ぶ直線を考え、その直線と、L*a*b*空間上の再設定色再現領域102の境界との交点を求め、その交点を第1の基準座標点aとする(ステップe1)。
【0180】
次に、この第1の基準座標点aを再設定色空間としての入力RGB空間に写像する(ステップe2)。
【0181】
次に、このようにして入力RGB空間に写像された入力RGB空間上の点P1の座標値に対応した座標値、典型的にはその点P1の座標値と同一の座標値を持つ、カラープリンタに依存した色空間である出力RGB空間上の座標点P2を求める(ステップe3)。具体例を示すと、図25に示す第1の基準座標点aを入力RGB空間に写像した点P1の座標値を(R,G,B)=(0,255,0)としたとき、同一の座標値(R,G,B)=(0,255,0)を持つ出力RGB空間上の点を点P2とする。
【0182】
次にその出力RGB空間上の点P2を出力RGB空間からL*a*b*空間に写像し、その写像された点を第2の基準座標点bとする(ステップe4)。
【0183】
第1の基準座標点aはL*a*b*空間上の再設定色再現領域102の境界上の点であるため、この第1の基準座標点aを、再設定色空間としての入力RGB空間に写像しても、その入力RGB空間における再設定色再現領域の境界上の点(例えば上記の(R,G,B)=(0,255,0))となる。
【0184】
これをそのまま、出力RGB空間上の点とすると、出力RGB空間上では今度はカラープリンタの色再現領域の境界上の点となり、その点をL*a*b*空間に写像して求めた第2の基準座標点bも、そのL*a*b*空間上のカラープリンタの色再現領域302の境界上の点となる。
【0185】
このようにして求めた第1の基準座標点aから第2の基準座標点bに向かう基本差分ベクトルvを求め(ステップe5)、第1の座標点tを通り、基本差分ベクトルvと平行に引いた直線と、座標変換基準座標点cと第2の基準座標点bとを結ぶ直線との交点である第2の座標点sを求める(ステップe6)。
【0186】
上記の座標変換が、L*a*b*空間上の再設定色再現領域102の全域について順次行なわれる。
【0187】
図27は、図25,図26を参照して説明した座標変換の第4例の変形例を示す図である。
【0188】
ここには、図17,図20,図24の各例と同様、座標変換基準座標点cのまわりに領域Dが設定され、その領域D内はマッピングされないようにしている。領域D内がマッピングされないようにするための手法は、図17,図20,図24の各例の場合と同様であり、説明は省略する。
【0189】
図28は、図9に示すフローチャートの第1過程における座標変換の第5例の途中過程を示す図である。この図28のみを考えると、これは本発明の実施形態ではなく、それと対比されるべき比較例に相当する。
【0190】
ここでは、L*軸(グレー軸)上の座標変換基準座標点cと、座標変換の対象とされる第1の座標点tと結ぶ直線と、L*a*b*空間上の再設定色再現領域102との交点(第1の基準座標点a1)およびカラープリンタの色再現領域302との交点(第3の基準座標点a2)を求め、第1の基準座標点a1から第3の基準座標点a2に向かう差分ベクトルv2を求める。この差分ベクトルv2は、デバイス依存の色空間(入力RGB空間あるいは出力RGB空間)でのクリップ等のマッピングを経ることなく求められる差分ベクトルであり、このままでは本発明とは合致しない。
【0191】
この差分ベクトルv2を仮に本発明にいう基本差分ベクトルvと考え、座標変換基準座標点cと第1の基準座標点a1との間の距離ca1と、座標変換基準座標点cと第1の座標点tとの間の距離ctとの比率をct/ca1とし、差分ベクトルv2の長さを|v2|としたとき、第1の座標点tを、差分ベクトルv2と同一方向に、(ct/ca1)×|v2|だけ移動させ、その点を座標変換後の第2の座標点sとする。こうすることによっても一応マッピングは可能であるが、マッピングの方向(差分ベクトルv2の方向)は、人間の色の感覚にあったデバイス依存の色空間上で求めた方向ではなく、このマッピングの手法は、人間の色の感覚が無視されて機械的に定められた方向であり、前述したように調子の不連続が生じたり不自然な画像となる可能性が高い手法である。
【0192】
図29は、図9に示すフローチャートの第1過程における座標変換の第5例の説明図である。
【0193】
この図29において、第1の基準座標点a1,第3の基準座標点a2,差分ベクトルv2は、図28を参照して説明したものと同様である。また第2の基準座標点bは、前述の第1例〜第4例のいずれの手法で求めたものであってもよい。ここでは、第1の基準座標点a1から第2の基準座標点bに向かうベクトルを差分ベクトルv3と称する。
【0194】
この図29に示す例では、このようにして求めた2つの差分ベクトルv2,v3が方向に関し重み付け加算され、第1の基準座標点a1を通り、その重み付け加算により求められた方向に引いた直線と、L*a*b*空間上のカラープリンタの色再現領域302の境界との交点を第5の基準座標点eとして求め、第1の基準座標点a1から第5の基準座標点eに向かう差分ベクトルを基本差分ベクトルvとする。
【0195】
第1の座標点tをマッピングするにあたっては、座標変換基準座標点cと第5の基準座標点eとを結ぶ直線と、第1の座標点tを通り基本差分ベクトルvと平行に引いた直線との交点を、その第1の座標点tがマッピングされるべき第2の座標点sとする。
【0196】
ここで、2つの差分ベクトルv2,v3の方向に関する重み付け係数をオペレータにより任意に可変できるようにしておくことで、本発明の手法による座標変換をその重み付け分だけ加味させたマッピングが可能となる。
【0197】
次に、図9に戻り、色変換定義作成過程(ステップa4)について説明する。
【0198】
この色変換定義作成過程(ステップa4)では、これまでの各ステップa1〜a3の各過程での処理を踏まえ、図1のカラースキャナ10に依存した入力RGB空間(本発明にいう第1の色空間の一例)から、カラープリンタ30に依存した出力RGB空間(本発明にいう第3の色空間の一例)への色変換を定義した色変換定義が作成される。
【0199】
ここでは、先ず、図1のカラーチャート画像11aをカラースキャナ10で読み取ったときの、カラースキャナ10に依存する入力RGB空間(本発明にいう第1の色空間の一例)上の任意の座標(これを代表的に第1の座標と称する)を、入力デバイスのプロファイルに従って、L*a*b*空間上の第2の座標に変換する。さらに、この第2の座標を、図9のマッピング定義作成過程で作成されたマッピング定義に従ってカラープリンタのL*a*b*空間における色再現領域に依存した、L*a*b*空間上の第3の座標に変換する。さらに、この第3の座標を、カラープリンタのプロファイルに従って出力RGB空間上の第4の座標に変換する。
【0200】
このような一連の座標変換の出発点となった、カラースキャナ10に依存する入力RGB空間(本発明にいう第1の色空間の一例)の第1の座標と出力RGB空間(本発明にいう第3の色空間の一例)上の第4の座標とを対応づけることにより、図1に示す原稿画像11をカラースキャナ10で読み取って得た入力画像データを、カラープリンタ30に適合した出力画像データに変換するための色変換定義が作成される。
【0201】
図30は、本発明の色変換定義作成装置の一実施形態を含む色変換定義作成/色変換装置の機能ブロック図である。
【0202】
この図30に示す色変換定義作成/色変換装置は、図2,図3に示すパーソナルコンピュータ20と、そのパーソナルコンピュータで実行されるプログラムとの結合により実現される。
【0203】
この図30に示す色変換定義作成/色変換装置は、データ取得部310と、LUT作成/データ変換部320と、データ出力部330と、記憶部340と、指定部350とから構成されている。
【0204】
記憶部340には、複数種類の入力デバイスそれぞれに対応した複数種類の入力プロファイル341a,…,341mと、複数種類の出力デバイスそれぞれに対応した複数種類の出力プロファイル342a,…,342nと、複数種類の色変換定義343a,…,343pと、さらに、色変換定義作成プログラム344が記憶されている。
【0205】
入力プロファイル341a,…,341mのそれぞれは、各種の入力デバイスについて、基本的には図4を参照した作成方法により作成されたものである。尚、図1には、入力デバイスは一種類のカラースキャナ10のみ示されているが、図30の色変換定義作成/色変換装置には、汎用性を持たせるため、複数種類の入力デバイスそれぞれに対応する複数種類の入力プロファイルが用意されている。
【0206】
また、記憶部340に記憶された出力プロファイル342a,…,342nは、各種の出力デバイスについて、基本的には図5を参照して説明した作成方法により作成された出力プロファイルである。
【0207】
尚、入力プロファイルの場合と同様、図1には、出力デバイスとして一種類のカラープリンタ30のみ示されているが、図30の色変換定義作成/色変換装置は、出力デバイスに関しても汎用性を持たせるため、複数種類の出力デバイスそれぞれに対応する複数種類の出力プロファイルが用意されている。
【0208】
また、記憶部340に記憶された色変換定義343a,…,343pは、記憶部340に記憶された色変換定義作成プログラム344がLUT作成/データ変換部320に読み出されて実行されることにより、図9およびその後の各図を参照して説明したようにして作成されたものであり、各色変換定義は、各入力プロファイルと各出力プロファイルとの各組合せに対応している。ここではこれらの色変換定義341a,…,341pは、それぞれLUT(Look Up Table)の形式にまとめられている。
【0209】
なお、この記憶部340は、ハードウェア上は、図3に示すハードディスク装置213の内部に設定されている。
【0210】
指定部350では、入力デバイス、出力デバイス、および、色変換定義作成モードとデータ変換モードとの区別が指定される。この指定部350は、ハードウェア上は、図2,図3に示すキーボード23あるいはマウス24がその役割りを担っている。
【0211】
指定部350で、色変換定義作成モードが指定されるとともに、入力デバイスと出力デバイスが指定されると、記憶部340から色変換定義作成プログラム344がLUT作成/データ変換部32に読み出されて実行される。この色変換定義作成プログラム344は、図9を参照して説明した色再現領域作成過程(ステップa1)、座標対応付過程(ステップa2)、マッピング定義作成過程(ステップa3)(第2過程(ステップa31)および第1過程(ステップa32))、および色変換定義作成過程(ステップa4)のそれぞれに対応する処理を実行する、色再現領域作成部3441、座標対応付部3442、マッピング定義作成部3443(第2過程3443aおよび第1過程3443b)、および色変換定義作成部3444から構成されており、前述したアルゴリズムに基づき、指定された入力デバイス(ここでは、図1に示すカラースキャナ10とする)に応じた入力プロファイル(ここでは、入力プロファイル341aとする)と、指定された出力デバイス(ここでは図1に示すカラープリンタ30とする)に応じた出力プロファイル(ここでは出力プロファイル342aとする)が参照されると共に、カラースキャナ10で読み取られたカラーチャート画像の画像データが参照されて、それらカラースキャナ10とカラープリンタ30との組合せに適合した色変換定義(ここでは色変換定義341aとする)が作成される。この作成された色変換定義341aは記憶部340に記憶される。
【0212】
このとき、指定部350から、色変換定義作成のための各種のパラメータ、例えば、マッピング定義作成部の第2過程を実行するか省略するか、あるいはその第2過程を実行する場合に白点と黒点との双方をそれぞれ一致させるか白点のみを一致させるか、図15等に示す座標変換基準座標点cの座標値、図17等に示す領域Dを設定するか否か、領域Dを設定する場合のその領域の指定、色変換定義作成過程の第1過程として各種の例を示したが、それら各種の例のうちのいずれのアルゴリズムを選択するか、図29を参照して説明した重み付けの手法を採用する場合のその重み付け係数等を指定できるように構成し、様々なバリエーションの色変換定義を作成することができるようにすることが好ましい。
【0213】
また、指定部350からデータ変換モードが指定され、さらに入力デバイスおよび出力デバイスが指定されると(ここでは入力デバイス、出力デバイスとしてそれぞれ図1に示すカラースキャナ10、カラープリンタ30が指定されるものとする)、それら指定されたカラースキャナ10およびカラープリンタ30の組合せに適合した色変換定義341aが読み出されてLUT作成/データ変換部320に入力される。
【0214】
データ取得部310は、入力デバイスで得られた色データを受け取る役割りを担うものであり、ハードウェア上は、図3に示す入力インタフェース216がこれに相当する。
【0215】
また、データ出力部330は、定義作成データ変換部320で色変換された後の色データの出力を担うものであり、ハードウェア上は、図3に示す出力インタフェース217がこれに相当する。
【0216】
入力デバイス、例えば図1に示すカラースキャナ10で得られた画像データがデータ取得部310を経由してLUT作成/データ変換部320に入力されると、LUT作成/データ変換部320では、色変換定義343aによる画像データの変換が行なわれる。この変換後の画像データはデータ出力部330を経由して、出力デバイス、例えば図1に示すカラープリンタ30に向けて出力される。
【0217】
このLUT作成/データ変換部320による画像データの変換は、本発明に特有な色変換定義作成方法により作成された色変換定義が参照された変換であり、色調子の優れた出力画像を得ることができる。
【0218】
ここで、図30に示す色変換定義作成/色変換装置において、記憶部340に記憶された複数の出力プロファイル342a,…,342mのうちの1つとして、図2,図3に示す画像表示装置22に対応する出力プロファイルを用意しておき、LUT作成/データ変換部320で変換された後の画像データに基づく画像をその画像表示装置22の表示画面22a(図2参照)上に表示し、かつ、指定部350(キーボード23やマウス24)に、データ変換モードにおいても色変換定義を補正する機能を持たせ、表示画面上に表示された画像を見ながら、その画像がより好ましい色調子を持った画像となるように色変換定義を補正できるように構成してもよい。
【0219】
図31は、図30に示す色変換定義作成/色変換装置のLUT作成/データ変換部の機能ブロック図である。
【0220】
このLUT作成/データ変換部320は、LUT作成部321とデータ変換部322とから構成されている。さらにLUT作成部321は、色再現領域作成部3211と、座標対応付部3212と、マッピング定義作成部3213(第2過程3213aおよび第1過程3213b)と、色変換定義作成部3214とから構成されている。
【0221】
LUT作成部321は、色変換定義作成モードにおいて動作し、このLUT作成部321には、図30に示す指定部350で指定された入力プロファイルを持つカラースキャナで読み取られたカラーチャート画像を表わす画像データが入力されるとともに、そのLUT作成部321に、図30に示す色変換定義作成プログラム344が設定されて実行される。これにより、そのLUT作成部321の、色再現領域作成部3211、座標対応付部3212、マッピング定義作成部3213(第2過程3213aと第1過程3213b)、および色変換定義作成部214では、図9に示す色変換定義作成方法の、色再現領域作成過程(ステップa1)、座標対応付過程(ステップa2)、マッピング定義作成過程(ステップa3)(第2過程(ステップa31)と第1過程(ステップa32))、および色変換定義作成過程(ステップa4)に対応する各処理が実行され、LUT形式の色変換定義が作成される。この作成された色変換定義は、図30の記憶部340に記憶される。
【0222】
また、指定部350でデータ変換モードが指定されると、データ変換部322に、指定部350で指定された入力プロファイルと出力プロファイルとの組合せに応じた色変換定義が設定され、入力画像データがその設定された色変換定義に従って出力画像データに変換される。
【0223】
図32は、本発明の色変換定義作成プログラムのもう1つの実施形態を示す図である。
【0224】
図30を参照して、図30に示す色変換定義作成/色変換装置の記憶部340に本発明の一実施形態としての色変定義作成プログラムが記憶されている旨説明したが、この図32には、もう1つの例として、図3に示すCD−ROM110に、色変換定義作成プログラム344が記憶された例が示されている。このように、色変換定義作成プログラムを可搬型記憶媒体に記憶させて流通させてもよい。
【0225】
このような色変換定義作成プログラムを入手したユーザは、自分のパーソナルコンピュータにその入手した色変換定義作成プログラムをアップロードし、その色変換定義作成プログラムを使って、色調子の優れた色変換を行なうことのできる色変換定義を作成することができる。
【0226】
尚、ここで説明した実施形態はカラーチャート画像の色再現領域をL*a*b*空間上で12面体形状の色再現領域で囲う例であるが、12面体形状の色再現領域で囲うことに代え、図11に示す一点鎖線が多面体の辺とならないように、W,K,R,G,B,C,M,Yの各点を定めることにより6面体形状の色再現領域で囲ってもよい。また、カラーチャート画像の色再現領域を多面体形状の色再現領域で囲うにあたっては、L*a*b*空間等の共通色空間で囲うことに代え、カラースキャナに依存した入力色空間で多面体形状となるように囲ってもよい。
【0227】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域の広さや形状にかかわらず、共通色空間でガマットマッピングを行なったときに生じ易い調子の不連続や不自然な画像となってしまうことが避けられた、かつ色調子の優れた再生画像を得ることのできる色変換定義を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用された画像入力−色変換−画像出力システムの全体構成図である。
【図2】図1に1つのブロックで示すパーソナルコンピュータの外観斜視図である。
【図3】パーソナルコンピュータのハードウェア構成図である。
【図4】入力プロファイルの概念図である。
【図5】出力プロファイルの概念図である。
【図6】入力プロファイルと出力プロファイルとの双方からなる色変換アルゴリズムを示す概念図である。
【図7】カラースキャナとカラープリンタの色再現領域の模式図である。
【図8】カラーチャートとカラースキャナの色再現領域の模式図である。
【図9】コンピュータシステム内で実行される色変換定義作成プログラムによる色変換定義作成方法を示したフローチャートである。
【図10】入力RGB空間における、カラースキャナの色再現領域とカラーチャート画像の色再現領域501を示す図である。
【図11】L*a*b*空間におけるカラーチャート画像の色再現領域(本発明にいう第1の色再現領域)と、その色再現領域を内包する12面体形状の色再現領域(本発明にいう第2の色再現領域の一例に相当する)を示した図である。
【図12】12面体を構成する任意の平面上の任意の点への数値(割当座標)の割付け方法の説明図である。
【図13】L*a*b*空間内の任意の点の割当座標の求め方の説明図である。
【図14】マッピング定義作成過程の第2過程の説明図である。
【図15】第1過程における座標変換の第1例の説明図である。
【図16】その第1例のフローチャートである。
【図17】座標変換の第1例の変形例を示す図である。
【図18】第1過程における座標変換の第2例の説明図である。
【図19】座標変換の第2例のフローチャートである。
【図20】座標変換の第2例の変形例を示す図である。
【図21】‘圧縮’と‘伸長’とを組み合わせて行なったマッピングの効果説明図である。
【図22】第1過程における座標変換の第3例の説明図である。
【図23】座標変換の第3例のフローチャートである。
【図24】座標変換の第3例の変形例を示す図である。
【図25】第1過程における座標変換の第4例の説明図である。
【図26】座標変換の第4例のフローチャートである。
【図27】座標変換の第3例の変形例を示す図である。
【図28】第1過程における座標変換の第5例の途中過程を示す図である。
【図29】第1過程における座標変換の第5例の説明図である。
【図30】本発明の色変換定義作成装置の一実施形態を含む色変換定義作成/色変換装置の機能ブロック図である。
【図31】図30に示すLUT/データ変換部の機能ブロック図である。
【図32】色変換定義作成プログラムのもう1つの実施形態を示す図である。
【符号の説明】
10 カラースキャナ
11 原稿画像
11a カラーチャート画像
20 パーソナルコンピュータ
21 本体装置
22 画像表示装置
22a 表示画面
23 キーボード
24 マウス
25 バス
30 カラープリンタ
100 フレキシブルディスク
110 CD−ROM
211 CPU
212 主メモリ
213 ハードディスク装置
214 FDドライブ
215 CD−ROMドライブ
216 入力インタフェース
217 出力インタフェース
310 データ取得部
320 LUT作成/データ変換部
330 データ出力部
340 定義記憶部
341a,…,341m 入力プロファイル
342a,…,342n 出力プロファイル
343,343a,…,343p 色変換定義
344 色変換定義作成プログラム
350 指定部
Claims (5)
- 画像記録媒体上に記録された画像を入力デバイスで読み取って得た入力画像データを、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスに適合した出力画像データに変換するための色変換定義を作成する色変換定義作成方法において、
前記画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を表す第1の色再現領域を内包する、所定の色空間上で多面体形状を成す第2の色再現領域を、前記出力デバイスの色再現領域を近似した、該所定の色空間上で多面体形状を成す色再現領域を元に作成する色再現領域作成過程と、
前記入力デバイスの色再現領域の境界上の各点を該入力デバイスに依存した第1の色空間で表現したときの座標と同じ座標で前記第2の色再現領域の境界上の各点が表現されるような各座標を、該第2の色再現領域全域の各点に対応づけて第2の色空間を形成する座標対応付過程と、
デバイス非依存の共通色空間上で表現されてなる第2の色再現領域の内部の座標を、該共通色空間における前記出力デバイスの色再現領域内の座標に変換するための該共通色空間上でのマッピング定義を、前記出力デバイスに依存した第3の色空間および前記第2の色空間のうちの少なくともいずれか一方を使って変換方向を決定して作成するマッピング定義作成過程と、
前記第1の色空間上の第1の座標を前記入力デバイスのプロファイルに従って前記共通色空間上の第2の座標に変換し該第2の座標を前記マッピング定義に従って該共通色空間上の第3の座標に変換し該第3の座標を前記出力デバイスのプロファイルに従って前記第3の色空間上の第4の座標に変換したときと同等の、第1の座標と第4の座標との間の変換を定義した色変換定義を作成する色変換定義作成過程とを有することを特徴とする請求項1記載の色変換定義作成方法。 - 前記色再現領域作成過程は、前記共通色空間において多面体形状となる第2の色再現領域を作成する過程であることを特徴とする請求項1記載の色変換定義作成方法。
- 前記色再現領域作成過程は、白、黒、レッド、グリーン、ブルー、シアン、マゼンタ、およびイエローを表わす各点を各頂点とする12面体形状の第2の色再現領域を作成する過程であることを特徴とする請求項1記載の色変換定義作成方法。
- 画像記録媒体上に記録された画像を入力デバイスで読み取って得た入力画像データを、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスに適合した出力画像データに変換するための色変換定義を作成する色変換定義作成装置において、
前記画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を表す第1の色再現領域を内包する、所定の色空間上で多面体形状を成す第2の色再現領域を、前記出力デバイスの色再現領域を近似した、該所定の色空間上で多面体形状を成す色再現領域を元に作成する色再現領域作成部と、
前記入力デバイスの色再現領域の境界上の各点を該入力デバイスに依存した第1の色空間で表現したときの座標と同じ座標で前記第2の色再現領域の境界上の各点が表現されるような各座標を、該第2の色再現領域全域の各点に対応づけて第2の色空間を形成する座標対応付部と、
デバイス非依存の共通色空間上で表現されてなる第2の色再現領域の内部の座標を、該共通色空間における前記出力デバイスの色再現領域内の座標に変換するための該共通色空間上でのマッピング定義を、前記出力デバイスに依存した第3の色空間および前記第2の色空間のうちの少なくともいずれか一方を使って変換方向を決定して作成するマッピング定義作成部と、
前記第1の色空間上の第1の座標を前記入力デバイスのプロファイルに従って前記共通色空間上の第2の座標に変換し該第2の座標を前記マッピング定義に従って該共通色空間上の第3の座標に変換し該第3の座標を前記出力デバイスのプロファイルに従って前記第3の色空間上の第4の座標に変換したときと同等の、第1の座標と第4の座標との間の変換を定義した色変換定義を作成する色変換定義作成部とを有することを特徴とする色変換定義作成装置。 - コンピュータ内で実行され、該コンピュータを、画像記録媒体上に記録された画像を入力デバイスで読み取って得た入力画像データを、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイスに適合した出力画像データに変換するための色変換定義を作成する色変換定義作成装置として動作させる色変換定義作成プログラムであって、
前記画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を表す第1の色再現領域を内包する、所定の色空間上で多面体形状を成す第2の色再現領域を、前記出力デバイスの色再現領域を近似した、該所定の色空間上で多面体形状を成す色再現領域を元に作成する色再現領域作成部と、
前記入力デバイスの色再現領域の境界上の各点を該入力デバイスに依存した第1の色空間で表現したときの座標と同じ座標で前記第2の色再現領域の境界上の各点が表現されるような各座標を、該第2の色再現領域全域の各点に対応づけて第2の色空間を形成する座標対応付部と、
デバイス非依存の共通色空間上で表現されてなる第2の色再現領域の内部の座標を、該共通色空間における前記出力デバイスの色再現領域内の座標に変換するための該共通色空間上でのマッピング定義を、前記出力デバイスに依存した第3の色空間および前記第2の色空間のうちの少なくともいずれか一方を使って変換方向を決定して作成するマッピング定義作成部と、
前記第1の色空間上の第1の座標を前記入力デバイスのプロファイルに従って前記共通色空間上の第2の座標に変換し該第2の座標を前記マッピング定義に従って該共通色空間上の第3の座標に変換し該第3の座標を前記出力デバイスのプロファイルに従って前記第3の色空間上の第4の座標に変換したときと同等の、第1の座標と第4の座標との間の変換を定義した色変換定義を作成する色変換定義作成部とを有することを特徴とする色変換定義作成プログラム。
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