JP2003348363A - 色変換定義作成方法、色変換定義作成装置、および色変換定義作成プログラム - Google Patents

色変換定義作成方法、色変換定義作成装置、および色変換定義作成プログラム

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JP2003348363A
JP2003348363A JP2002152277A JP2002152277A JP2003348363A JP 2003348363 A JP2003348363 A JP 2003348363A JP 2002152277 A JP2002152277 A JP 2002152277A JP 2002152277 A JP2002152277 A JP 2002152277A JP 2003348363 A JP2003348363 A JP 2003348363A
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color space
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Takahiro Okamoto
高宏 岡本
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、画像記録媒体上に記録された画像を
入力デバイスで読み取って得た入力画像データを、画像
データに基づいて画像を出力する出力デバイスに適合し
た出力画像データに変換するための色変換定義を作成す
る色変換定義作成方法等に関し、リバーサルフィルム等
の画像記録媒体上に表現することが可能な濃度レンジが
広く、これに対し出力デバイスにより表現することが可
能な濃度レンジが狭い場合であっても、画像の濃度階調
を含め、人間の色の感覚に適合した、かつ高精度な色変
換を行なうことのできる色変換定義を作成する。 【解決手段】明度の低い側について明度を上げる方向に
変換しておいてから、L ***空間内で、出力デバイ
スに適合するように色変換を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像を入力して画
像データを得る入力デバイスにより得られた画像データ
を、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイス
で画像出力した場合に好適な色調子が得られるように色
変換を行なう基になる色変換定義を作成する色変換定義
作成方法、色変換定義作成装置、および好適な色調子が
得られる色変換定義を作成する色変換定義作成プログラ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、記録された画像を読み取って画
像データを得るカラースキャナや、固体撮像素子上に被
写体の画像を結像して読み取ることにより画像データを
得るDSC(ディジタルスチールカメラ)等、画像を入
力して画像データを得る、様々なタイプの入力デバイス
が知られている。これらの入力デバイスでは、画像デー
タは、例えばR(レッド)、G(グリーン)、B(ブル
ー)の3色についてそれぞれ例えば0〜255等の決ま
った範囲のデータで表わされ、一旦入力デバイスを用い
て画像データに変換すると、その画像データによって表
わされる画像は、そのR、G、Bからなる色空間内の、
その入力デバイスに依存した色再現領域内の色に制限さ
れる。
【0003】また、画像データに基づいて画像を出力す
る出力デバイスについても、例えば、印画紙上をレーザ
光で露光してその印画紙を現像することにより印画紙上
に画像を記録する写真プリンタ、電子写真方式やインク
ジェット方式などの方式で用紙上に画像を記録するプリ
ンタ、輪転機を回して多量の印刷物を作成する印刷機、
画像データに基づいて表示画面上に画像を表示するCR
Tディスプレイやプラズマディスプレイ等の画像表示装
置等、様々なタイプの出力デバイスが知られているが、
これらの出力デバイスについても上述の入力デバイスと
同様、各出力デバイスに応じた色再現領域が存在する。
すなわち、出力デバイスは、例えばR、G、B3色を表
現する画像データやC(シアン)、M(マゼンタ)、Y
(イエロー)、K(墨)の4色を表現する画像データに
基づいて様々な色を表現することができるが、その表現
できる色は、出力デバイス色空間(例えばRGB空間、
CMYK空間等)のある色再現領域内(例えばR、G、
Bそれぞれについて0〜255の範囲の数値で表わされ
る色再現領域内等)に制限される。このような入力デバ
イスや出力デバイスにおける色再現領域はカラーガマッ
ト(Color Gamut)と称される。
【0004】また、例えばある1つの画像データ(例え
ば(R、G、B)=(50,100,200)を表わす
画像データ)であってもその画像データに基づいて得ら
れる画像の色は出力デバイスの種類により異なる。この
点は入力デバイスと出力デバイスとの間でも同様であ
り、ある入力デバイスで得られた(R、G、B)=(5
0,100,200)の画像データをそのまま用いてあ
る出力デバイスで画像を出力しても、入力デバイスで入
力される元になった画像の色と出力デバイスで出力され
た画像の色は一般には一致しない。したがって、ある入
力デバイスで画像を読み取って画像データを得、その画
像データを基にして、ある出力デバイスで元の画像を再
現しようとしたとき、入力デバイスで得られた画像デー
タをそのまま出力デバイスに送るのではなく、その間で
画像データを変換する必要がある。ここでは画像の色に
着目しており、この画像データの変換を色変換(ガマッ
トマッピング(Gamut Mapping))と称す
る。
【0005】上述したように、色再現領域は各デバイス
によって異なるとともに、数値上同一の画像データであ
っても各デバイスにおいて表現される色はそれぞれに異
なっている。そこで、色変換(ガマットマッピング)を
行なうにあたっては、デバイスには依存しない共通色空
間(Device Independent Data
の空間)、例えばL***空間等を中間に置き、入力
デバイスで得られた入力デバイスに依存した色空間上の
画像データを共通色空間上の画像データに変換してその
共通色空間上でガマットマッピングを行ない、そのガマ
ットマッピングを行なった後の画像データを、出力デバ
イスに依存した色空間上の画像データに変換するという
手法が採用されている(例えば特開昭60−10537
6号公報、特開昭61−288662号公報、特開平4
−196675号公報参照)。
【0006】このように、従来は共通色空間上でガマッ
トマッピングが行なわれているが、この共通色空間での
ガマットマッピングは、例えばL***空間上ではL*
軸、a*軸、b*軸の3軸からなる3次元空間上でのマッ
ピングであり、自由度が大きく、如何ようにもマッピン
グを行なうことが可能であるが、その反面、自由度が大
き過ぎ、マッピングのための調整パラメータの設定が困
難であって、結果として、マッピング後の画像に調子の
不連続性(調子のジャンプや階調のつながり悪さ)を来
たす可能性が高く、また不自然な印象を与える画像とな
ってしまうことも多い。
【0007】一方、最終的に必要な画像データは出力デ
バイスに依存した色空間(出力色空間)における画像デ
ータであることから、出力色空間上の画像データに変換
し、その出力色空間(例えばRGB空間)上で、R、
G、Bそれぞれについて例えば0〜255の範囲から食
み出たデータを、負のデータについては0に、255を
越えるデータについては255にクリップすることによ
りR、G、Bそれぞれのデータを0〜255の範囲内に
圧縮する、といった手法が提案されている(特開平2−
214266号公報(CMY空間で圧縮)、特開平4−
334267号公報(濃度で圧縮))。これは、単純な
手法ではあるが、いわば出力色空間でのガマットマッピ
ングの一例に相当する。
【0008】この出力色空間上でガマットマッピングを
行なうと、出力色空間は、例えばRGB等、人間の色の
感覚に合った色空間であるため、共通色空間でガマット
マッピングを行なった場合に生じやすい調子の不連続性
や不自然な印象の画像となってしまうという不都合を避
けることができる。
【0009】しかしながら、出力色空間でのマッピング
は、その出力色空間を規定する、例えばR,G,Bの3
軸それぞれについて独立に1次元的にマッピングを行な
うのが基本であるため、自由度が低く、上述したよう
に、R,G,Bそれぞれについて例えば0〜255の範
囲から食み出たデータを単純に0又は255にクリップ
して色再現領域(ガマット)の境界(R,G,Bそれぞ
れについて0〜255の数値の立方体の表面)にマッピ
ングする程度の手法にとどまっており、特に色再現領域
(カラーガマット)の境界近傍については1つのデバイ
スの色再現領域から別のデバイスの色再現領域に精度良
く写像することが難しいという問題がある。
【0010】このような背景の下で、入力デバイスに依
存した入力RGB空間における、その入力デバイスの色
再現領域の表面と出力デバイスに依存した出力RGB空
間における、その出力デバイスの色再現領域の表面に相
互に対応する点を求めることによりマッピングの方向を
決め、実際のマッピングはデバイス非依存の、例えばL
***空間で行なうというマッピング法が提案されて
いる(特開2001−103329号公報参照)。
【0011】このマッピング法によれば、デバイスに依
存した、人間の感覚に適合した色空間でマッピングの方
向を定めるものであるため、マッピング特性の調整が容
易であり、しかも、実際のマッピングはデバイス非依存
の共通色空間で行なうため、デバイスの色再現領域の境
界近傍を含め高精度なマッピングを行なうことができ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のマッピ
ング法は、基本的に、入力デバイスにより読み取られる
画像の濃度レンジと、出力デバイスで出力することので
きる画像の濃度レンジとが互いに等しい場合を対象とし
ている。
【0013】ここで、入力デバイスに読み取らせる画像
の多くはリバーサルフィルム上に記録され、そのリバー
サルフィルム上に記録された画像をカラースキャナ等の
入力デバイスで読み取らせることが多く、一方、出力デ
バイスとしては、典型的にはカラープリンタや印刷機が
採用される。この場合、リバーサルフィルムは、読取レ
ンジが極めて広く、濃度=3.5〜4.0程度の極めて
高い濃度を表現することができるのに対し、出力デバイ
スのインクで表現される画像は濃度=2.0程度までし
か表現することができないことも多い。このように濃度
レンジが大きく異なっていると、リバーサルフィルム上
に記録された画像をカラースキャナで読み取って画像デ
ータを得、その画像データに上記のマッピング法をその
まま適用して新たな画像データを得、その新たな画像デ
ータに基づいて出力デバイスを用いて出力画像を得て
も、その出力画像上の濃度の濃い領域の明度の変化が正
しく表現されないという問題がある。
【0014】本発明は、上記事情に鑑み、リバーサルフ
ィルム等の画像記録媒体上に表現することが可能な濃度
レンジが広く、これに対し出力デバイスにより表現する
ことが可能な濃度レンジが狭い場合であっても、画像の
濃度階調を含め人間の色の感覚に適合した色変換を行な
う色変換定義を作成することのできる色変換定義作成方
法、色変換定義作成装置、および、コンピュータをその
ような色変換定義作成装置として動作させることのでき
る色変換定義作成プログラムを提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の色変換定義作成方法は、画像記録媒体上に記録され
た画像を入力デバイスで読み取って得た入力画像データ
を、画像データに基づいて画像を出力する出力デバイス
に適合した出力画像データに変換するための色変換定義
を作成する色変換定義作成方法であって、上記画像記録
媒体上に表現することが可能な色の領域を表わす、デバ
イス非依存の共通色空間における第1の色再現領域の各
点に、入力デバイスのプロファイルに従って、その入力
デバイスに依存した第1の色空間の座標を割り当てる座
標対応付過程と、デバイス非依存の共通色空間における
上記第1の色再現領域の、少なくとも明度の低い一部領
域内の各点を、明度を上げる方向に、明度の低い点ほど
大きく移動させる明度補正を行なうことにより、その共
通色空間における第2の色再現領域を形成する明度補正
過程と、デバイス非依存の共通色空間における上記第2
の色再現領域内の座標を、画像データに基づく画像を出
力する出力デバイスに依存した第2の色空間における出
力デバイスの第3の色再現領域を出力デバイスのプロフ
ァイルに従って共通色空間に写像したときのその共通色
空間における第3の色再現領域内の座標に変換するため
の共通色空間上でのマッピング定義を作成するマッピン
グ定義作成過程と、上記第1の色空間上の座標を座標対
応付過程における座標の対応付けに従って共通色空間上
の第2の座標に変換し第2の座標を明度補正過程におけ
る明度補正に従って共通色空間上の第3の座標に変換し
第3の座標をマッピング定義作成過程において作成され
たマッピング定義に従って共通色空間上の第4の座標に
変換し第4の座標を出力デバイスのプロファイルに従っ
て第2の色空間上の第5の座標に変換したときと同一の
変換を行なうための、上記第1の座標と上記第5の座標
との間の色変換定義を作成する色変換定義作成過程とを
有することを特徴とする。
【0016】本発明の色変換定義作成方法は、明度の低
い側について明度を上げる方向に変換しておいてから、
共通色空間内で、出力デバイスに適合するように色変換
を行なうものであり、こうすることにより入力側の画像
の濃度レンジが広く出力側の画像の濃度レンジが狭い場
合であっても、人間の感覚上正しく色表現された画像を
得ることのできる色変換定義を作成することができる。
【0017】明度の低い側について明度を上げる程度に
ついては、例えば、従来、色再現の技能を持った熟練者
により調整されたドラム型スキャナの入力対出力を採用
することができる。調整されたドラム型スキャナでは、
リバーサルフィルム上に記録された画像が読み取られ
て、例えば印刷機等の出力デバイスに適した色再現を持
つ画像データが得られる。そこで、カラーリバーサルフ
ィルム上にカラーチャートを記録してそのカラーチャー
トをドラム型スキャナで読み取らせて画像データを得、
この画像データを印刷等の出力デバイスのプロファイル
を用いた共通色空間、例えばL***空間に写像す
る。一方、リバーサルフィルム上に記録されたカラーチ
ャートを、今度はドラム型スキャナではなく、例えば測
色計を用いて測色することにより共通色空間(例えばL
***空間)上の座標を表わすデータを得るか、ある
いは、リバーサルフィルム上に記録された画像を通常読
み取ろうとしているカラースキャナで読み取って画像デ
ータを得、その画像データをそのカラースキャナのプロ
ファイルに従って共通色空間(例えばL***空間)
に写像する。このように共通色空間(例えばL***
空間)に写像された2つの画像データを比較することに
より、各明度ごとの補正レベルを求めることができる。
【0018】ここで、明度を補正するにあたっては、例
えばL***空間上では、明度を変数としたときの明
度補正曲線が非線形であり、したがって明度を濃度に変
換して濃度上で補正を行ない、その補正後の濃度をL*
**空間に変換する。濃度上では、その補正関数は多
項式で表現することができ、補正量を計算により求める
ことができる。
【0019】すなわち、上記本発明の色変換定義作成方
法において、上記明度補正過程は、上記共通色空間とし
てL***空間を採用したときあるいはL***空間
に変換したときの、上記第1の色再現領域内の任意の座
標の明度をL* inとし、その第1の色再現領域内の座標
を上記第2の色再現領域内の座標に変換したときのその
第2の色再現領域内の座標の明度をL* outとしたとき、
明度L* inを濃度Dinに変換する第1の変換過程と、そ
の濃度Dinを変数とする多項式に基づいてその濃度Din
を濃度Doutに変換する第2の変換過程と、その濃度D
outを明度L* outに変換する第3変換過程とを有するも
のであることが好ましい。
【0020】具体的には、例えば上記第1の変換過程
は、明度L* inを、 0<L* in≦8のとき、 Din=loge(903.29/L* in)/loge10 8<L* inのとき、 Din=−3×loge((L* in+16)/116)/l
oge10 に従って濃度Dinに変換する過程であり、上記第3の変
換過程は、中間変数tを、 t=exp(−Dout×loge10) としたとき、 t≦0.008856のとき、 L* out=903.29×t 0.008856<t<1のとき、 L* out=116×exp((1/3)×log
e(t))−16 に従って明度L* outに変換する過程であってもよい。
【0021】この場合、濃度変換カーブは十分な精度を
持って典型的には三次元多項式等で表現することができ
る。
【0022】また、上記本発明の色変換定義作成方法に
おいて、上記マッピング定義作成過程は、本発明では特
に限定されるものではないが、以下に説明するような、
例えば特願2002−082369号において提案され
た方法を採用することができる。
【0023】すなわち、上記本発明の色変換定義作成方
法は、さらに、デバイス非依存の共通色空間における上
記第1の色再現領域の各点に対応する、上記画像記録媒
体に画像を記録する第2の出力デバイスのプロファイル
に従う、その第2の出力デバイスに依存した第3の色空
間の座標を取得する座標取得過程を有するものであっ
て、上記マッピング定義作成過程は、共通色空間におけ
る第2の色再現領域内の第1の座標点に対応する、その
共通色空間における第3の色再現領域内の第2の座標点
を求めるにあたり、上記第1の座標点に基づいて、共通
色空間における第2の色再現領域に第1の基準座標点を
求め、上記第2の色空間および上記第3の色空間のうち
の少なくとも一方の色空間における座標操作を含む第1
のアルゴリズムに基づいて、上記第1の基準座標点に対
応する第2の基準座標点を、その共通色空間における第
3の色再現領域に求め、上記第1の基準座標点と上記第
2の基準座標点との差分を表わす基本差分ベクトルを用
いた第2のアルゴリズムに基づいて、上記第1の座標点
に対応する上記第2の座標点を求める第1過程を含むも
のであることが好ましい。
【0024】ここで、前述の特開2001−10332
9号公報に提案されている、入力デバイスに依存した入
力RGB空間における、その入力デバイスの色再現領域
の表面と出力デバイスに依存した出力RGB空間におけ
る、その出力デバイスの色再現領域の表面に相互に対応
する点を求めることによりマッピングの方向を決め、実
際のマッピングはデバイス非依存の、例えばL***
空間で行なうというマッピング法に関する、濃度レンジ
が大きく異なる場合に濃度階調が正しく表現されないと
いう問題点を解決するという本発明の目的以外の、その
マッピング法が抱えている別の要改善点について説明す
る。すなわち、この特開2001−103329号公報
に提案されているマッピング法がその優れた性能を充分
に発揮することができるのは、入力デバイスにより読み
取られる画像上に表現することが可能な色の領域が、そ
の入力デバイスに依存した色空間(例えば入力RGB空
間)の、その入力デバイスの色再現領域全域(例えば、
R,G,Bのいずれについても0〜255の数値を持つ
立方体領域全域)に一致する場合に限られるという点で
ある。
【0025】これに対し、例えば多数のカラーパッチを
配列したカラーチャートをリバーサルフィルム上に形成
し、このリバーサルフィルム上に形成されたカラーチャ
ートをカラースキャナで読み取って、上記の特開200
1−103329号公報に開示されたマッピング法に従
ってマッピングを行なうことを考えたとき、そのリバー
サルフィルム上のカラーチャートをカラースキャナで読
み取ったときの、そのカラースキャナに依存した色空間
(例えば入力RGB空間)上における、そのカラーチャ
ート上に表現された色が占める領域は、一般的には、そ
のカラースキャナの色再現領域である、R,G,Bのい
ずれもが0〜255の範囲内の値をとる立方体領域全域
には広がらず、その立方体領域の中の一部領域を占める
に過ぎない。しかも、同一のカラーチャートであって
も、カラースキャナの種類が異なるなど、そのカラーチ
ャートを読み取る入力デバイスが異なれば、その入力デ
バイスに依存した色空間における、そのカラーチャート
上に表現された色が占める領域の広がりや形状が異なる
ことになる。
【0026】このように、入力デバイスにより読み取ら
れる画像上に表現することが可能な色の領域がその入力
デバイスに依存した色空間におけるその入力デバイスの
色再現領域全域には広がっておらずその一部領域にのみ
広がっている場合は、上記の特開2001−10332
9号公報に提案されたマッピング法を採用してもそのマ
ッピング法の優れた性能が十分には発揮されず、また、
同一のカラーチャートであってもカラースキャナの種類
等によりそのカラーチャート上に表現された色が占める
領域が異なることから、カラースキャナの種類により上
記のマッピング法の効果の程度が異なる結果となる。
【0027】そこで、上記座標取得過程を置き、上記マ
ッピング生成作成過程を上記第1過程を含むように構成
する(以下では、この構成を「第1の好ましい構成」と
称する)。すなわち、この第1の好ましい構成では、リ
バーサルフィルム等の画像記録媒体上に表現することが
可能な色の領域を表わす第1の色再現領域の各点に、そ
の入力デバイスに依存した第1の色空間の座標が割り当
てられるとともに、その同じ第1の色再現領域の各点に
対応する、その同じ画像記録媒体に画像を記録する第2
の出力デバイスに依存した第3の色空間の座標を取得す
る。この第3の色空間は、その画像記録媒体上に表現す
ることが可能な色の領域(第1の色再現領域)が、第2
の出力デバイスの色再現領域である、例えば、R、G、
B=0〜255の立方体領域に一致する色空間であり、
入力デバイスに依存した第1の色空間上では、その画像
記録媒体上に表現することが可能な色の領域(第1の色
再現領域)が、その入力デバイスの色再現領域である、
例えばR、G、B=0〜255の立方体領域のうちの一
部領域にしか過ぎない場合であっても、その第1の色空
間における、第1の色再現領域に対応する一部領域を、
その第1の色再現領域を媒介して、第3の色空間の、例
えばR、G、B=0〜255の立方体領域に座標変換す
ることができる。
【0028】このようなマッピングを行なった上で、後
は、本発明における明度補正と、例えば特開2001−
103329号公報にて提案されたマッピング法とを採
用して、共通色空間におけるマッピング定義を作成す
る。こうすることにより、画像記録媒体上に表現するこ
とが可能な色の領域が本来は入力デバイスの色再現領域
のうちの一部の領域のみに広がり、あるいはその広がり
の程度や広がりの形状が入力デバイス等により異なる場
合であっても、常に安定的に高精度の色変換定義を作成
することができる。
【0029】また、上記の第1の好ましい構成におい
て、上記マッピング定義作成過程が、共通色空間におけ
る上記第2の色再現領域内の第1の座標点に基づいて、
第1の基準座標点を、共通色空間における第2の色再現
領域の境界上に求めるものであり、第1のアルゴリズム
に基づいて、第2の基準座標点を、共通色空間における
第3の色再現領域の境界上に求めるものであることが好
ましい。
【0030】第1の基準座標点、第2の基準座標点を、
共通色空間における、それぞれ第2の色再現領域、第3
の色再現領域の各境界上に求めることにより、容易に、
色変換の方向の指針となる基本差分ベクトルを求めるこ
とができる。
【0031】この場合において、上記マッピング定義作
成過程における上記第1過程が、共通色空間における第
2の色再現領域とその共通色空間における第3の色再現
領域との共通領域内の所定の座標変換基準座標点と上記
第1の座標点とを結ぶ直線と、その共通色空間における
第2の色再現領域の境界との交点を上記第1の基準座標
点として求め、その第1の基準座標点が、共通色空間に
おける第3の色再現領域から外れた座標点であった場合
に、その第1の基準座標点を出力デバイスに依存した第
2の色空間に写像して第2の色空間における第3の色再
現領域の境界上にマッピングし、その境界上へのマッピ
ングにより得られた座標点を共通色空間に写像すること
により、その写像により共通色空間上に求められた、共
通色空間における第3の色再現領域の境界上の座標点を
上記第2の基準座標点として求め、上記座標変換基準座
標点と上記第2の基準座標点とを結ぶ直線と、上記第1
の座標点を通り上記基本差分ベクトルの方向と平行に引
いた直線との交点を、その第1の座標点に対応する第2
の座標点として求めるものであってもよい。
【0032】また、上記マッピング定義作成過程におけ
る上記第1過程は、共通色空間における上記第2の色再
現領域とその共通色空間における上記第3の色再現領域
との共通領域内の所定の座標変換基準座標点と上記第1
の座標点とを結ぶ直線と、その共通色空間における第2
の色再現領域の境界との交点を上記第1の基準座標点と
して求め、その第1の基準座標点が、共通色空間におけ
る上記第3の色再現領域内の座標点であった場合に、そ
の共通色空間における第3の色再現領域の境界のうち
の、その共通色空間における第2の色再現領域から外れ
た部分の座標点を第2の出力デバイスに依存した第3の
色空間に写像してその第3の色空間における第2の色再
現領域の境界上にマッピングし、その境界上へのマッピ
ングにより得られた座標点を共通色空間に写像すること
によりその共通色空間に座標点を求める座標変換プロセ
スを経ることにより、第1の基準座標点に一致あるいは
所定の判定基準に照らして第1の基準座標点に近接した
座標点を求め、その座標点に対応する、上記座標変換プ
ロセスを経る前の、共通色空間における上記第3の色再
現領域の境界上の座標点を第2の基準座標点として求
め、上記座標変換基準座標点と上記第2の基準座標点と
を結ぶ直線と、上記第1の座標点を通り上記基本差分ベ
クトルの方向と平行に引いた直線との交点を、その第1
の座標点に対応する第2の座標点として求めるものであ
ってもよい。
【0033】あるいは、上記マッピング定義作成過程に
おける上記第1過程が、共通色空間における上記第2の
色再現領域とその共通色空間における上記第3の色再現
領域との共通領域内の所定の座標変換基準座標点と上記
第1の座標点とを結ぶ直線と、その共通色空間における
第2の色再現領域の境界との交点を第1の基準座標点と
して求め、上記第1の基準座標点が、共通色空間におけ
る第3の色再現領域内の座標点であった場合に、上記直
線と、その共通色空間における第3の色再現領域の境界
との交点を第3の基準座標点として求め、その第3の基
準座標点を第3の色空間に写像して第3の色空間におけ
る第2の色再現領域の境界上にマッピングし、その境界
上へのマッピングにより得られた座標点を共通色空間に
写像することにより、その共通色空間における上記第2
の色再現領域の境界上に第4の基準座標点を求め、上記
第1の基準座標点を通る、第3の基準座標点と第4の基
準座標点とを結ぶ直線と平行な直線と、共通色空間にお
ける上記第3の色再現領域の境界との交点を上記第2の
基準座標点として求め、上記座標変換基準座標点と上記
第2の基準座標点とを結ぶ直線と、上記第1の座標点を
通り上記基本差分ベクトルの方向と平行に引いた直線と
の交点を、その第1の座標点に対応する第2の座標点と
して求めるものであってもよい。
【0034】さらには、上記マッピング定義作成過程に
おける上記第1過程は、共通色空間における第2の色再
現領域とその共通色空間における第3の色再現領域との
共通領域内の所定の座標変換基準座標点と上記第1の座
標点とを結ぶ直線と、その共通色空間における第2の色
再現領域の境界との交点を第1の基準座標点として求
め、上記第1の基準座標点を第3の色空間に写像して第
3の色空間上の座標点を求め、その第3の色空間上の座
標点の座標値に対応した座標値を持つ第2の色空間上の
座標点を求め、その第2の色空間上の座標点を共通色空
間に写像することにより、その写像により共通色空間上
に求められた、共通色空間における第3の色再現領域の
境界上の座標点を上記第2の基準座標点として求め、上
記座標変換基準座標点と上記第2の基準座標点と結ぶ直
線と、上記第1の座標点を通り上記基本差ベクトルの方
向と平行に引いた直線との交点を、上記第1の座標点に
対応する第2の座標点として求めるものであってもよ
い。
【0035】ここで、第1の座標点に対応する第2の座
標点を求める上記の各種の態様において、上記マッピン
グ定義作成過程における上記第1過程が、上記第2の座
標点を求めるにあたり、座標変換基準座標点と第2の基
準座標点とを結ぶ直線と、上記第1の座標点を通り基本
差分ベクトルの方向と平行に引いた直線との交点を求め
ることに代え、座標変換基準座標点と第1の基準座標点
とを結ぶ直線とその座標変換基準座標点を含む所定領域
の境界との交点を通るとともに第2の基準座標点を通る
直線と、上記第1の座標点を通り基本差ベクトルの方向
と平行に引いた直線との交点を、その第1の座標点に対
応する第2の座標点として求めるものであってもよい。
【0036】こうすることにより、座標変換基準座標点
のまわりに、マッピングされずれにそのままの色が保存
される領域を確保することができる。
【0037】また、第1の座標点に対応する第2の座標
点を求める上記の各種の態様において、上記マッピング
定義作成過程における上記第1過程が、座標変換基準座
標点と上記第1の座標点とを結ぶ直線と、共通色空間に
おける第3の色再現領域の境界との交点からなる第3の
基準座標点を求め、第1の基準座標点と第2の基準座標
点との差分を表わす基本差分ベクトルに代えて、第1の
基準座標点を通り、その第1の基準座標点と第2の基準
座標点との差分を表わす第1の差分ベクトルの方向と、
第1の基準座標点と第3の基準座標点との差分を表わす
第2の差分ベクトルの方向とに基づいて求められた方向
に引いた直線と、その共通色空間における第3の色再現
領域の境界との交点を第5の基準座標点としたときに、
第1の基準座標点と第5の基準座標点との差分を表わす
ベクトルを基本差分ベクトルとするものであってもよ
い。
【0038】こうすることにより、マッピングの方向を
かなり自由に調整することができる。
【0039】さらに、第1の座標点に対応する第2の座
標点を求める上記の各種の態様において、上記マッピン
グ定義作成過程における上記第1過程は、座標変換基準
座標点として、共通色空間のグレー軸上の点を選択した
ものであることが好ましい。
【0040】座標変換基準座標点は、マッピングされず
にそのままの色が保存される。したがってこの座標変換
基準座標点をグレー軸上にとることによりグレーバラン
スを保存することができる。
【0041】また、上記第1の好ましい構成において、
上記マッピング定義作成過程が、上記第1過程の前段
に、共通色空間における第2の色再現領域の白の座標点
を、共通色空間における第3の色再現領域の白の座標点
に一致させるように変換する順応変換アルゴリズムを用
いて、共通色空間における第2の色再現領域内の座標点
を変換する第2過程を有し、上記マッピング定義作成過
程における上記第1過程が、上記第2過程を経ることに
より得られた座標点を変換対象とし、その変換対象の座
標点を、共通色空間における上記第2の色再現領域に代
わりその第2の色再現領域がさらに順応変換アルゴリズ
ムを用いて変換されてなる新たな第2の色再現領域を採
用して、変換するものであることが好ましい。
【0042】この場合に、上記マッピング定義作成過程
における上記第2過程が、順応変換アルゴリズムとし
て、共通色空間における第2の色再現領域の白の座標点
を、共通色空間における第3の色再現領域の白の座標点
に一致させるとともに、共通色空間における第2の色再
現領域の黒の座標点を、共通色空間における第3の色再
現領域の黒の座標点に一致させるように変換する順応変
換アルゴリズムを用いて、共通色空間における第2の色
再現領域の座標点を変換する過程であることがさらに好
ましい。
【0043】このように、第2の色再現領域の白(ある
いは白と黒)を、第3の色再現領域の白(あるいは白と
黒)に一致させた後上記第1過程を実行することによっ
て、一層高精度な、共通色空間上でのマッピング定義を
作成することができ、ひいては一層高精度な、入力画像
データと出力画像データとの間の色変換定義を作成する
ことができる。
【0044】また、本発明の色変換定義作成方法におい
て、上記マッピング定義作成過程は、特願2002−0
82374号において提案された方法を採用してもよ
い。
【0045】すなわち、上記本発明の色変換定義作成方
法は、さらに、上記第2の色再現領域を内包するととも
にその第2の色再現領域の表面に沿って広がる複数の平
面で形成された多面体形状の第4の色再現領域を決定す
る色再現領域決定過程と、上記第4の色再現領域が、上
記第1の色空間における入力デバイスの第5の色再現領
域全域に対応づけられるように、第4の色再現領域の各
点に各座標を割当てて第4の色空間を形成することによ
り、その第4の色空間の座標と、デバイス非依存の共通
色空間の座標との間の対応関係を決定する第2の座標対
応付過程とを有するものであって、上記マッピング定義
作成過程は、前述したマッピング定義、すなわち、デバ
イス非依存の共通色空間における第2の色再現領域内の
座標を、画像データに基づく画像を出力する出力デバイ
スに依存した第2の色空間におけるその出力デバイスの
第3の色再現領域をその出力デバイスのプロファイルに
従って共通色空間に写像したときの共通色空間における
第3の色再現領域内の座標に変換するための共通色空間
上でのマッピング定義の作成に代えて、デバイス非依存
の共通色空間における上記第4の色再現領域内の座標
を、共通色空間における上記第3の色再現領域内の座標
に変換するための共通色空間上でのマッピング定義を作
成するものであることも好ましい構成である。ここで
は、この構成を「第2の好ましい構成」と称する。
【0046】上記の第2の好ましい構成の場合、リバー
サルフィルム等の画像記録媒体上に表現することが可能
な色の領域を表わす第1の色再現領域が明度補正された
第2の色再現領域を多面体で取り囲んだ多面体形状の第
4の色再現領域を決定し、入力デバイスに依存した第1
の色空間におけるその第4の色再現領域全域がその入力
デバイスの色再現領域である第5の色再現領域(例えば
入力RGB空間におけるR,G,B=0〜255の立方
体形状の色再現領域)の全域に対応づけられるようにマ
ッピングを行なう。これにより、画像記録媒体上に表現
することが可能な色の領域が、第5の色再現領域(入力
デバイスの色再現領域である、例えばR,G,B=0〜
255の立方体領域)の全域に広げられる。
【0047】上記の第2の好ましい構成の場合、このよ
うなマッピングを行なった上で、後は、例えば特開20
01−103329号公報にて提案されたマッピング法
を採用して、共通色空間におけるマッピング定義を作成
する。こうすることにより、画像記録媒体上に表現する
ことが可能な色の領域が入力デバイスの色再現領域のう
ちの一部の領域のみに広がり、あるいはその広がりの程
度や広がりの形状が入力デバイス等により異なる場合で
あっても、常に安定的に高精度な色変換定義を作成する
ことができる。
【0048】ここで、本発明の色変換定義作成方法にお
いて、上記色再現領域決定過程は、上記共通色空間にお
いて多面体形状となる第4の色再現領域を決定する過程
であることが好ましい。
【0049】第2の色再現領域を多面体形状の第4の色
再現領域で囲うにあたっては、入力デバイスに依存した
第1の色空間上で行なってもよいが、その場合、画像記
録媒体(画像記録媒体上のカラーチャート)が同一であ
っても、入力デバイスにより第2の色再現領域が異な
り、入力デバイスが異なるごとに第4の色再現領域をあ
らたに決定し直す必要を生じる場合がある。
【0050】これに対し、共通色空間上で、第2の色再
現領域を多面体形状の第4の色再現領域で囲うことによ
り、画像記録媒体(画像記録媒体上のカラーチャート)
が同一であれば、入力デバイスの影響を受けずに、第4
の色再現領域を決定することができる。
【0051】また、上記本発明の色変換定義作成方法に
おいて、上記色再現領域決定過程は、白、黒、レッド、
グリーン、ブルー、シアン、マゼンタ、およびイエロー
を表わす各点を各頂点とする12面体形状の第4の色再
現領域を決定する過程であることが好ましい。
【0052】上記の12面体で囲うことにより、第2の
色再現領域に極めて近い形状の第4の色再現領域を決定
することができる。ただし、本発明においては第4の色
再現領域は12面体である必要はなく、第2の色再現領
域の形状にもよるが、その第2の色再現領域を6面体で
囲い、6面体形状の第4の色再現領域を決定してもよ
い。
【0053】ここで、上記の第2の好ましい構成におい
て、上記マッピング定義作成過程は、共通色空間におけ
る第4の色再現領域内の第1の座標点に対応する、その
共通色空間における第3の色再現領域内の第2の座標点
を求めるにあたり、上記第1の座標点に基づいて、共通
色空間における第4の色再現領域に第1の基準座標点を
求め、上記第2の色空間および上記第4の色空間のうち
の少なくとも一方の色空間における座標操作を含む第1
のアルゴリズムに基づいて、上記第1の基準座標点に対
応する第2の基準座標点を、その共通色空間における第
3の色再現領域に求め、上記第1の基準座標点と上記第
2の基準座標点との差分を表わす基本差分ベクトルを用
いた第2のアルゴリズムに基づいて、上記第1の座標点
に対応する上記第2の座標点を求める第1過程を含むも
のであることが好ましい。
【0054】この場合、上記の第2の座標対応付過程を
置いたことで、特開2001−103329号公報で提
案されたマッピング法の欠点が解消されたことと相俟っ
て、高精度な色変換定義が作成される。
【0055】また、上記の第2の好ましい構成におい
て、上記マッピング定義作成過程が、第1の座標点に基
づいて、第1の基準座標点を、共通色空間における第4
の色再現領域の境界上に求めるものであり、第1のアル
ゴリズムに基づいて、第2の基準座標点を、共通色空間
における第3の色再現領域の境界上に求めるものである
ことが好ましい。
【0056】第1の基準座標点、第2の基準座標点を、
共通色空間における、それぞれ第4の色再現領域、第3
の色再現領域の各境界上に求めることにより、容易に、
色変換の方向の指針となる基本差分ベクトルを求めるこ
とができる。
【0057】この場合において、上記マッピング定義作
成過程における上記第1過程が、共通色空間における第
4の色再現領域とその共通色空間における第3の色再現
領域との共通領域内の所定の座標変換基準座標点と上記
第1の座標点とを結ぶ直線と、その共通色空間における
第4の色再現領域の境界との交点を上記第1の基準座標
点として求め、その第1の基準座標点が、共通色空間に
おける第3の色再現領域から外れた座標点であった場合
に、その第1の基準座標点を出力デバイスに依存した第
2の色空間に写像して第2の色空間における第3の色再
現領域の境界上にマッピングし、その境界上へのマッピ
ングにより得られた座標点を共通色空間に写像すること
により、その写像により共通色空間上に求められた、共
通色空間における第3の色再現領域の境界上の座標点を
上記第2の基準座標点として求め、上記座標変換基準座
標点と上記第2の基準座標点とを結ぶ直線と、上記第1
の座標点を通り上記基本差分ベクトルの方向と平行に引
いた直線との交点を、その第1の座標点に対応する第2
の座標点として求めるものであってもよい。
【0058】また、上記マッピング定義作成過程におけ
る上記第1過程は、共通色空間における上記第4の色再
現領域とその共通色空間における上記第3の色再現領域
との共通領域内の所定の座標変換基準座標点と上記第1
の座標点とを結ぶ直線と、その共通色空間における第4
の色再現領域の境界との交点を上記第1の基準座標点と
して求め、その第1の基準座標点が、共通色空間におけ
る上記第3の色再現領域内の座標点であった場合に、そ
の共通色空間における第3の色再現領域の境界のうち
の、その共通色空間における第4の色再現領域から外れ
た部分の座標点を第4の色空間に写像してその第4の色
空間における第4の色再現領域の境界上にマッピング
し、その境界上へのマッピングにより得られた座標点を
共通色空間に写像することによりその共通色空間に座標
点を求める座標変換プロセスを経ることにより、第1の
基準座標点に一致あるいは所定の判定基準に照らして第
1の基準座標点に近接した座標点を求め、その座標点に
対応する、上記座標変換プロセスを経る前の、共通色空
間における上記第3の色再現領域の境界上の座標点を第
2の基準座標点として求め、上記座標変換基準座標点と
上記第2の基準座標点とを結ぶ直線と、上記第1の座標
点を通り上記基本差分ベクトルの方向と平行に引いた直
線との交点を、その第1の座標点に対応する第2の座標
点として求めるものであってもよい。
【0059】あるいは、上記マッピング定義作成過程に
おける上記第1過程が、共通色空間における上記第4の
色再現領域とその共通色空間における上記第3の色再現
領域との共通領域内の所定の座標変換基準座標点と上記
第1の座標点とを結ぶ直線と、その共通色空間における
第4の色再現領域の境界との交点を第1の基準座標点と
して求め、上記第1の基準座標点が、共通色空間におけ
る第3の色再現領域内の座標点であった場合に、上記直
線と、その共通色空間における第3の色再現領域の境界
との交点を第3の基準座標点として求め、その第3の基
準座標点を第4の色空間に写像して第4の色空間におけ
る第4の色再現領域の境界上にマッピングし、その境界
上へのマッピングにより得られた座標点を共通色空間に
写像することにより、その共通色空間における上記第4
の色再現領域の境界上に第4の基準座標点を求め、上記
第1の基準座標点を通る、第3の基準座標点と第4の基
準座標点とを結ぶ直線と平行な直線と、共通色空間にお
ける上記第3の色再現領域の境界との交点を上記第2の
基準座標点として求め、上記座標変換基準座標点と上記
第2の基準座標点とを結ぶ直線と、上記第1の座標点を
通り上記基本差分ベクトルの方向と平行に引いた直線と
の交点を、その第1の座標点に対応する第2の座標点と
して求めるものであってもよい。
【0060】さらには、上記マッピング定義作成過程に
おける上記第1過程は、共通色空間における第4の色再
現領域とその共通色空間における第3の色再現領域との
共通領域内の所定の座標変換基準座標点と上記第1の座
標点とを結ぶ直線と、その共通色空間における第4の色
再現領域の境界との交点を第1の基準座標点として求
め、上記第1の基準座標点を第4の色空間に写像して第
4の色空間上の座標点を求め、その第4の色空間上の座
標点の座標値に対応した座標値を持つ第2の色空間上の
座標点を求め、その第2の色空間上の座標点を共通色空
間に写像することにより、その写像により共通色空間上
に求められた、共通色空間における第3の色再現領域の
境界上の座標点を上記第2の基準座標点として求め、上
記座標変換基準座標点と上記第2の基準座標点と結ぶ直
線と、上記第1の座標点を通り上記基本差ベクトルの方
向と平行に引いた直線との交点を、上記第1の座標点に
対応する第2の座標点として求めるものであってもよ
い。
【0061】ここで、第1の座標点に対応する第2の座
標点を求める上記の各種の態様において、上記マッピン
グ定義作成過程における上記第1過程が、上記第2の座
標点を求めるにあたり、座標変換基準座標点と第2の基
準座標点とを結ぶ直線と、上記第1の座標点を通り基本
差分ベクトルの方向と平行に引いた直線との交点を求め
ることに代え、座標変換基準座標点と第1の基準座標点
とを結ぶ直線とその座標変換基準座標点を含む所定領域
の境界との交点を通るとともに第2の基準座標点を通る
直線と、上記第1の座標点を通り基本差ベクトルの方向
と平行に引いた直線との交点を、その第1の座標点に対
応する第2の座標点として求めるものであってもよい。
【0062】こうすることにより、座標変換基準座標点
のまわりに、マッピングされずれにそのままの色が保存
される領域を確保することができる。
【0063】また、第1の座標点に対応する第2の座標
点を求める上記の各種の態様において、上記マッピング
定義作成過程における上記第1過程が、座標変換基準座
標点と上記第1の座標点とを結ぶ直線と、共通色空間に
おける第3の色再現領域の境界との交点からなる第3の
基準座標点を求め、第1の基準座標点と第2の基準座標
点との差分を表わす基準差分ベクトルに代えて、第1の
基準座標点を通り、その第1の基準座標点と第2の基準
座標点との差分を表わす第1の差分ベクトルの方向と、
第1の基準座標点と第3の基準座標点との差分を表わす
第2の差分ベクトルの方向とに基づいて求められた方向
に引いた直線と、その共通色空間における第3の色再現
領域の境界との交点を第5の基準座標点としたときに、
第1の基準座標点と第5の基準座標点との差分を表わす
ベクトルを基準差分ベクトルとするものであってもよ
い。
【0064】こうすることにより、マッピングの方向を
かなり自由に調整することができる。
【0065】さらに、第1の座標点に対応する第2の座
標点を求める上記の各種の態様において、上記マッピン
グ定義作成過程における上記第1過程は、座標変換基準
座標点として、共通色空間のグレー軸上の点を選択した
ものであることが好ましい。
【0066】座標変換基準座標点は、マッピングされず
にそのままの色が保存される。したがってこの座標変換
基準座標点をグレー軸上にとることによりグレーバラン
スを保存することができる。
【0067】また、上記第2の好ましい構成において、
上記マッピング定義作成過程が、上記第1過程の前段
に、共通色空間における第4の色再現領域の白の座標点
を、共通色空間における第3の色再現領域の白の座標点
に一致させるように変換する順応変換アルゴリズムを用
いて、共通色空間における第4の色再現領域内の座標点
を変換する第2過程を有し、上記マッピング定義作成過
程における上記第1過程が、上記第2過程を経ることに
より得られた座標点を変換対象とし、その変換対象の座
標点を、共通色空間における上記第4の色再現領域に代
わりその第4の色再現領域がさらに順応変換アルゴリズ
ムを用いて変換されてなる新たな第4の色再現領域を採
用して、変換するものであることが好ましい。
【0068】この場合に、上記マッピング定義作成過程
における上記第2過程が、順応変換アルゴリズムとし
て、共通色空間における第4の色再現領域の白の座標点
を、共通色空間における第3の色再現領域の白の座標点
に一致させるとともに、共通色空間における第4の色再
現領域の黒の座標点を、共通色空間における第3の色再
現領域の黒の座標点に一致させるように変換する順応変
換アルゴリズムを用いて、共通色空間における第4の色
再現領域の座標点を変換する過程であることがさらに好
ましい。
【0069】このように、第4の色再現領域の白(ある
いは白と黒)を、第3の色再現領域の白(あるいは白と
黒)に一致させた後上記第1過程を実行することによっ
て、一層高精度な、共通色空間上でのマッピング定義を
作成することができ、ひいては一層高精度な、入力画像
データと出力画像データとの間の色変換定義を作成する
ことができる。
【0070】また、上記目的を達成いる本発明の色変換
定義作成装置は、画像記録媒体上に記録された画像を入
力デバイスで読み取って得た入力画像データを、画像デ
ータに基づいて画像を出力する出力デバイスに適合した
出力画像データに変換するための色変換定義を作成する
色変換定義作成装置において、画像記録媒体上に表現す
ることが可能な色の領域を表わす、デバイス非依存の共
通色空間における第1の色再現領域の各点に、入力デバ
イスのプロファイルに従って、入力デバイスに依存した
第1の色空間の座標を割り当てる座標対応付部と、デバ
イス非依存の共通色空間における第1の色再現領域の、
少なくとも明度の低い一部領域内の各点を、明度を上げ
る方向に、明度の低い点ほど大きく移動させる明度補正
を行なうことにより、共通色空間における第2の色再現
領域を形成する明度補正部と、デバイス非依存の共通色
空間における第2の色再現領域内の座標を、画像データ
に基づく画像を出力する出力デバイスに依存した第2の
色空間における出力デバイスの第3の色再現領域を出力
デバイスのプロファイルに従って共通色空間に写像した
ときの共通色空間における第3の色再現領域内の座標に
変換するための共通色空間上でのマッピング定義を作成
するマッピング定義作成部と、上記第1の色空間上の座
標を座標対応付部における座標の対応付けに従って共通
色空間上の第2の座標に変換し第2の座標を明度補正部
における明度補正に従って共通色空間上の第3の座標に
変換し第3の座標をマッピング定義作成部で作成された
マッピング定義に従って共通色空間上の第4の座標に変
換し第4の座標を出力デバイスのプロファイルに従って
第2の色空間上の第5の座標に変換したときと同一の変
換を行なうための、第1の座標と第5の座標との間の色
変換定義を作成する色変換定義作成部とを備えたことを
特徴とする。
【0071】尚、本発明の色変換定義作成装置には、前
述の本発明の色変換定義作成方法における全ての態様に
相当する各種の態様全てが含まれる。
【0072】さらに、本発明の色変換定義作成プログラ
ムは、コンピュータ内で実行され、そのコンピュータ
を、画像記録媒体上に記録された画像を入力デバイスで
読み取って得た入力画像データを画像データに基づいて
画像を出力する出力デバイスに適合した出力画像データ
に変換するための色変換定義を作成する色変換定義作成
装置として動作させる色変換定義作成プログラムであっ
て、コンピュータを、画像記録媒体上に表現することが
可能な色の領域を表わす、デバイス非依存の共通色空間
における第1の色再現領域の各点に、入力デバイスのプ
ロファイルに従って、入力デバイスに依存した第1の色
空間の座標を割り当てる座標対応付部と、デバイス非依
存の共通色空間における第1の色再現領域の、少なくと
も明度の低い一部領域内の各点を、明度を上げる方向
に、明度の低い点ほど大きく移動させる明度補正を行な
うことにより、共通色空間における第2の色再現領域を
形成する明度補正部と、デバイス非依存の共通色空間に
おける第2の色再現領域内の座標を、画像データに基づ
く画像を出力する出力デバイスに依存した第2の色空間
における出力デバイスの第3の色再現領域を出力デバイ
スのプロファイルに従って共通色空間に写像したときの
共通色空間における第3の色再現領域内の座標に変換す
るための共通色空間上でのマッピング定義を作成するマ
ッピング定義作成部と、上記第1の色空間上の座標を座
標対応付部における座標の対応付けに従って共通色空間
上の第2の座標に変換し第2の座標を明度補正部におけ
る明度補正に従って共通色空間上の第3の座標に変換し
第3の座標をマッピング定義作成部で作成されたマッピ
ング定義に従って共通色空間上の第4の座標に変換し第
4の座標を出力デバイスのプロファイルに従って第2の
色空間上の第5の座標に変換したときと同一の変換を行
なうための、第1の座標と第5の座標との間の色変換定
義を作成する色変換定義作成部とを備えた色変換定義作
成装置として動作させることを特徴とする。
【0073】尚、本発明の色変換定義作成プログラムに
おいても、前述の本発明の色変換定義作成方法における
全ての態様に相当する各種の態様全てが含まれる。
【0074】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0075】図1は、本発明の一実施形態が適用された
画像入力−色変換−画像出力システムの全体構成図であ
る。
【0076】ここには、カラースキャナ10が示されて
おり、そのカラースキャナ10では、カラーリバーサル
フィルム上に記録された原稿画像11が読み取られてR
GB3色の画像データが生成される。このRGBの画像
データはパーソナルコンピュータ20に入力される。こ
のパーソナルコンピュータ20では、カラースキャナ1
0で得られた画像データが、後述するカラープリンタ3
0に適した画像出力用のRGB3色の画像データに変換
される。この画像出力用の画像データは、カラープリン
タ30に入力され、そのカラープリンタ30では、入力
された画像データに基づくプリント出力が行なわれて、
プリント画像31が形成される。
【0077】この図1に示すシステムでは画像データに
基づく画像を出力する出力デバイスの一例としてカラー
プリンタ30を示したが、このカラープリンタ30は、
電子写真方式のカラープリンタであってもよく、インク
ジェット方式のカラープリンタであってもよく、変調さ
れたレーザ光で印画紙を露光してその印画紙を現像する
方式のプリンタであってもよく、そのプリント方式の如
何を問うものではない。また、出力デバイスとしては、
プリンタに限定されるものではなく、印刷機であっても
よく、あるいは表示画面上に画像を表示するCRTディ
スプレイ装置、プラズマディスプレイ装置等の画像表示
装置であってもよい。
【0078】ここで、このパーソナルコンピュータ20
は、本発明にいう色変換定義作成装置の一実施形態を兼
ねており、このパーソナルコンピュータ20では、あら
かじめ色変換定義が作成され、カラースキャナ10で得
られた画像データをカラープリンタ30用の画像データ
に変換する際は、その作成された色変換定義が参照され
る。この色変換定義およびその作成方法については後述
するが、その色変換定義を作成するにあたっては、カラ
ーリバーサルフィルム上に多数の色パッチが配列されて
記録されたカラーチャート11aがカラースキャナ10
により読み取られる。
【0079】このカラーチャート11aは、画像データ
(ここでは、R、G、Bともに0〜255の数値範囲内
の数値をとるR、G、Bの画像データとする)に基づい
てカラーリバーサルフィルム上に画像を記録するカラー
プリンタ40により記録されたものである。本実施形態
では、このカラープリンタ40は、前述した第1の好ま
しい構成における第2の出力デバイスの一例に相当す
る。
【0080】ここで、この図1に示すシステムにおけ
る、本発明の一実施形態としての特徴は、パーソナルコ
ンピュータ20の内部で実行される処理内容にあり、以
下、このパーソナルコンピュータ20について説明す
る。
【0081】図2は、図1に1つのブロックで示すパー
ソナルコンピュータ20の外観斜視図、図3は、そのパ
ーソナルコンピュータ20のハードウェア構成図であ
る。
【0082】このパーソナルコンピュータ20は、外観
構成上、本体装置21、その本体装置21からの指示に
応じて表示画面22a上に画像を表示する画像表示装置
22、本体装置21に、キー操作に応じた各種の情報を
入力するキーボード23、および、表示画面22a上の
任意の位置を指定することにより、その位置に表示され
た、例えばアイコン等に応じた指示を入力するマウス2
4を備えている。この本体装置21は、外観上、フレキ
シブルディスクを装填するためのフレキシブルディスク
装填口21a、およびCD−ROMを装填するためのC
D−ROM装填口21bを有する。
【0083】本体装置21の内部には、図3に示すよう
に、各種プログラムを実行するCPU211、ハードデ
ィスク装置213に格納されたプログラムが読み出され
CPU211での実行のために展開される主メモリ21
2、各種プログラムやデータ等が保存されたハードディ
スク装置213、フレキシブルディスク100が装填さ
れその装填されたフレキシブルディスク100をアクセ
スするFDドライブ214、CD−ROM110が装填
され、その装填されたCD−ROM110をアクセスす
るCD−ROMドライブ215、カラースキャナ10
(図1参照)と接続され、カラースキャナ10から画像
データを受け取る入力インタフェース216、カラープ
リンタ30(図1参照)と接続され、カラープリンタ3
0に画像データを送る出力インタフェース217が内蔵
されており、これらの各種要素と、さらに図2にも示す
画像表示装置22、キーボード23、マウス24は、バ
ス25を介して相互に接続されている。
【0084】ここで、CD−ROM110には、このパ
ーソナルコンピュータ20を色変換定義作成装置として
動作させるための色変換定義作成プログラムが記憶され
ており、そのCD−ROM110はCD−ROMドライ
ブ215に装填され、そのCD−ROM110に記憶さ
れた色変換定義作成プログラムがこのパーソナルコンピ
ュータ20にアップロードされてハードディスク装置2
13に記憶される。
【0085】次に、コンピュータ20にアップロードに
された色変換定義作成プログラムによる色変換定義の作
成方法について説明するが、ここでは、先ず、従来の一
般的な色変換の手法について説明する。
【0086】図4は、入力プロファイルの概念図であ
る。
【0087】入力プロファイルがカラースキャナ10の
メーカ等から入手できる時は、入力プロファイルを新た
に作成することは不要であるが、ここではその入力プロ
ファイルの作成方法の概要について説明する。
【0088】図1に示す原稿画像11に代えて多数の色
パッチからなるカラーパッチ画像11aを用意し、その
カラーパッチ画像11aをカラースキャナ10で読み取
って各色パッチごとの、入力RGB空間(本発明にいう
第1の色空間の一例)上の色データを得るとともに、そ
のカラーパッチ画像を測色計11aで測色して、各色パ
ッチについて、例えば、共通色空間の一例であるL**
*空間上の座標点を表わす色データを得る。尚、共通
色空間に関する詳細説明は後に譲る。
【0089】このようにして、入力RGB空間上の座標
点とL***空間上の座標点との対応が定義された入
力プロファイルが得られる。この入力プロファイルは、
カラースキャナ10の種類や、さらに一般的には入力デ
バイスの種類によってそれぞれ異なる、入力デバイスに
依存したプロファイルである。
【0090】図5は、出力プロファイルの概念図であ
る。
【0091】カラープリンタに対応する出力プロファイ
ルはそのカラープリンタのメーカから提供されることも
あり、プリント出力しようとするカラープリンタに対応
する出力プロファイルを入手することが出来れば出力プ
ロファイルの作成は不要であるが、ここでは、その出力
プロファイルを新たに作成するとした場合の作成方法の
概要について説明する。
【0092】図1に示すパーソナルコンピュータ20か
ら、RGB3色の画像データとして、R,G,Bそれぞ
れの値を順次変化させた画像データを発生し、そのよう
にして発生させた画像データに基づくカラーパッチ画像
をカラープリンタ30でプリント出力する。図1に示す
プリント画像31は、カラーパッチ画像を表わしている
画像ではないが、このプリント画像31に代えてカラー
パッチ画像をプリント出力したものとし、そのカラーパ
ッチ画像を構成する各カラーパッチを測色計で測定す
る。こうすることにより、RGB3色の色空間(本発明
にいう第2の色空間の一例)上の座標値と共通色空間
(ここではL***空間)上の座標値との対応関係を
あらわす出力プロファイルが構築される。
【0093】この出力プロファイルは、出力デバイスに
応じてそれぞれ異なる、出力デバイスに依存したプロフ
ァイルである。
【0094】ここでは、図1のカラープリンタ30を例
に挙げて出力プロファイルの作成方法を説明したが、図
1のカラープリンタ40についても同様にして、そのカ
ラープリンタ40に依存した出力プロファイルを構築す
ることができる。
【0095】図6は、入力プロファイルと出力プロファ
イルとの双方からなる色変換アルゴリズムを示す概念図
である。
【0096】図4と図5を参照して説明した入力プロフ
ァイルと出力プロファイルを図1に示すパーソナルコン
ピュータ20に記憶しておき、カラースキャナ10で得
られたRGBの画像データを、図6に示すように、入力
プロファイルにより一旦L***空間上の画像データ
に変換し、そのL***空間上の画像データを、カラ
ープリンタ30の出力プロファイルによりRGBの画像
データに変換してカラープリンタ30に伝える。こうす
ることにより、カラープリンタ30では、原稿画像11
の色表現を再現したプリント画像31を得ることができ
る。
【0097】ただし、このような単純な色変換アルゴリ
ズムの場合、以下に説明するように、カラースキャナ1
0の色再現領域(カラーガマット)とカラープリンタ3
0の色再現領域(カラーガマット)とが一般的には一致
しないという問題がある。以下この問題について説明す
る。
【0098】図7は、カラースキャナ10とカラープリ
ンタ30の色再現領域の模式図である。
【0099】図7(A)は、入力側の色空間である入力
RGB空間を示したものであるが、この図7(A)に
は、図示の簡単のためR−G平面が示されている。図7
(B),図7(C)も同様であり、図7(B)は共通色
空間の1つであるL***空間のL*−a*平面につい
て示されており、図7(C)は出力側の色空間である出
力RGB空間のR−G平面について示されている。
【0100】カラースキャナ10は、原稿画像11を、
R,G,Bそれぞれについて0〜255の値の数値を表
わす画像データに変換するものとし、この場合、図7
(A)に示す矩形領域がカラースキャナ10の色再現領
域101となる。
【0101】ここで、図4を参照して作成した入力プロ
ファイルを用いて、図7(A)に示す、カラースキャナ
10の色再現領域101を、L***空間に写像する
と、そのカラースキャナ10の色再現領域は領域102
のように表わされ、その色再現領域102を、さらに、
図5を参照して説明したカラープリンタ30の出力プロ
ファイルを用いて出力側の色空間である出力RGB空間
に写像すると、そのカラースキャナ10の色再現領域
は、図7(C)に示す領域103に示すように表わされ
る。
【0102】これに対し、図1に示すカラープリンタ3
0の色再現領域303は、図7(C)の出力RGB空間
上で、R,G,Bともに0〜255の数値範囲で示され
る立方体領域(図7(C)ではR−G平面上の矩形領
域)である。すなわち、原稿画像11をカラースキャナ
10で読み取って入力RGB空間上の画像データに変換
し、その画像データをL***空間を経由して出力R
GB空間上の画像データに変換すると、カラープリンタ
30で表現することのできる色(画像データ上でRGB
ともに0〜255の範囲)を超えた値、例えば図7
(C)に例示するような(R,G)=(110,29
0)、あるいは、(R,G)=(−100,260)な
どの値に変換される場合がある。その場合、これらの画
像データ、すなわち、カラープリンタ30の色再現領域
から外れた画像データは、カラープリンタ30では出力
できないため、従来は、前述した様に、それらの画像デ
ータをカラープリンタ30の色再現領域の境界に位置す
る画像データとなるようにクリップすることが提案され
ている。具体的には、(R,G)=(110,290)
は、(R,G)=(110,255)に変更され、
(R,G)=(−100,260)は(R,G)=
(0,255)に変更されることになる。
【0103】このような出力デバイスに依存した色空間
におけるマッピングの場合、前述したように、マッピン
グの自由度が小さく、上記のような、出力デバイスの色
再現領域から外れたデータを単純にクリップしてその色
再現領域の境界に移動させるだけのマッピングが行なわ
れており、1つのデバイス(例えばカラースキャナ1
0)の色再現領域から別のデバイス(例えばカラープリ
ンタ30)の色再現領域に写像するにあたり、特にそれ
らの色再現領域の境界近傍における写像の精度が大きく
低下する場合がある。
【0104】一方、図7(C)に0〜255の矩形領域
で示されるカラープリンタ30の色再現領域303を出
力プロファイルを用いてL***空間に写像すると、
図7(B)に示す領域302のように表わされる。この
***空間に代表される共通色空間において、カラ
ースキャナ10(入力デバイス)の色再現領域102内
のデータをカラープリンタ30(出力デバイス)の色再
現領域302内のデータに変換するための手法が従来い
くつか提案されていることは前述した通りである。
【0105】L***空間における色変換(マッピン
グ)では、カラープリンタ30で表現することのできる
色再現領域を広く利用しようとしたとき、一般的には、
図7(B)に破線の矢印で示すような、カラースキャナ
10の色再現領域101とカラープリンタ30の色再現
領域302との共通領域402から外れたデータをその
共通領域402の内部にマッピングする‘圧縮’と、図
7(B)に実線の矢印で示すように、その共通領域40
2内部のデータを、カラープリンタ30の色再現領域3
02の内部という条件を保った上で、その共通領域40
2の外部に広げる‘伸長’との双方が行なわれる。
【0106】従来提案されているL***空間に代表
される共通色空間でのマッピングは、マッピングの自由
度が大き過ぎ、前述したように、調子が不連続となった
り不自然な印象の画像となってしまう危険性が大きい。
【0107】図7(B)のL***空間に写像された
カラープリンタ30の色再現領域302を図7(A)の
入力RGB空間にさらに写像すると、カラースキャナ1
0の色再現領域である矩形の領域101からはみ出た部
分のある、‘ひしゃげた’形の領域301のように表現
される。
【0108】次に、カラーリバーサルフィルムは濃度レ
ンジが極めて広く、一方、出力デバイスは一般にそれほ
ど広い濃度レンジを再現することができないという問題
について説明する。
【0109】この場合、出力デバイスで得られた出力画
像上の濃度の濃い領域の濃度変化が人間の感覚上正しく
表現されず、ほとんど濃度変化のない一様な濃い濃度の
領域して表現されてしまう場合がある。本発明は、この
濃度を人間の感覚上正しく表現することを目指すもので
あるが、本実施形態は、濃度の問題だけでなく、上記の
問題点や下記の問題点も合わせて解決し、濃度を含め、
人間の感覚上正しい色表現を持った画像を得るための色
変換定義の作成を目指すものである。
【0110】本実施形態では、図1に示すカラーチャー
ト11aをカラースキャナ10で読み取って得たとき
の、そのカラーチャート11aの色再現領域とカラース
キャナ10の色再現領域が一致しないという点について
も問題とし、この問題点についての解決も図られてい
る。以下、この問題点について説明する。
【0111】図8は、カラーチャートとカラースキャナ
の色再現領域の模式図である。図7と同様、ここでも図
示の簡単のために、R−G平面が示されている。
【0112】図8に実線で示した矩形の色再現領域10
1は、図7(A)の色再現領域101と同一のものであ
り、R,G,Bそれぞれについて0〜255の数値範囲
で示される、立方体形状の、カラースキャナ10の色再
現領域である。
【0113】これに対し、図8に破線で示した色再現領
域501は、カラーチャートの色再現領域である。この
カラーチャートの色再現領域501は、カラースキャナ
の色再現領域101の一部の領域を占めているに過ぎな
い。
【0114】本実施形態では、後述するようにして、人
間の色の感覚に適合させつつ、図7(B)に破線の矢印
で示すような、‘圧縮’と‘伸長’との双方のマッピン
グを行なうためのマッピング定義が作成されるが、図8
に示すようにカラーチャートの色再現領域501がカラ
ースキャナの色再現領域101と大きく異なっている場
合、後述するマッピング法を採用しても高精度のマッピ
ングを行なうマッピング定義を作成することは困難であ
る。この問題を解決するために、カラーチャートの色再
現領域501を外挿してカラースキャナの色再現領域1
01の全域にまで広げることも考えられるが、大幅に広
げる必要がある場合などは、正確な外挿は困難であり、
やはり高精度のマッピングを行なうマッピング定義を作
成することは困難である。
【0115】以上で、本実施形態で解決を図ろうとして
いる各種問題点の説明を終了し、次に、共通色空間につ
いて説明する。この共通色空間については、L***
空間がその1つの例である旨説明したが、L***
間である必要はなく、特定の入力デバイスあるいは特定
の出力デバイスに依存しないように定義された色空間で
あればよい。例えばL***空間のほか、XYZ色空
間であってもよく、あるいはそれらの色空間に対し、色
空間上の各座標点が1対1で対応づけられるように明確
に定義された座標系であってもよい。そのような座標系
の例としては、以下の様に定義された標準RGB信号な
どがある。
【0116】
【数1】
【0117】ここで、例えばRSRGBを8ビットで表現し
たものをR8bitで表記すると、 R8bit=255×12.92RSRGB (0<RSRGB
0.00304) R8bit=255×1.055RSRGB (1.0/2.4) −0.
055(0.00304≦RSRGB≦1) となる。GSRGB,BSRGBを8ビットで表現したG8bit
8bitも同様に、それぞれGSRGB,BSRGBから変換する
ことができる。
【0118】もしくは、リバーサルフィルムのCMY濃
度で定義される色空間を共通色空間として採用してもよ
い。共通色空間を定めると、その共通色空間における色
再現領域が明確に定義される。
【0119】次に、図1〜図3に示すコンピュータシス
テム20内で実行される色変換定義作成プログラムによ
る色変換定義作成方法について説明する。
【0120】図9は、コンピュータシステム20内で実
行される色変換定義作成プログラムによる色変換定義作
成方法を示したフローチャートである。
【0121】ここでは、座標対対応付過程(ステップa
1)、明度補正過程(ステップa2)、座標取得過程
(ステップa3)、マッピング定義作成過程(ステップ
a4)、および色変換定義作成過程(ステップa5)を
経て色変換定義が作成される。マッピング定義作成過程
(ステップa4)では、基本的には第1過程(ステップ
a42)が実行されるが、本実施形態では、一層高精度
なマッピング定義が作成されるよう、その第1過程の前
段に第2過程(ステップa41)が置かれている。
【0122】以下、これらの各過程について順次説明す
る。
【0123】先ず、図9のステップa1の座標対応付過
程について説明する。
【0124】このステップa1では、図1に示すカラー
チャート11aがカラースキャナ10で読み取られ、図
4を参照して説明したような、カラースキャナ10用の
入力プロファイルが参照されて、そのカラースキャナ1
0に依存した入力RGB空間(本発明にいう第1の色空
間の一例)における、そのカラーチャート11aの色再
現領域(表現される色空間を問わず、そのカラーチャー
ト11aの色再現領域は、本発明にいう第1の色再現領
域の一例に対応する)が、デバイス非依存の共通色空間
(例えばL***空間)に写像される。
【0125】図10は、入力RGB空間における、カラ
ースキャナの色再現領域101とカラーチャートの色再
現領域501を示す図である。
【0126】この図10は、図8と同じ内容をR,G,
Bの3軸からなる立体として表現したものである。
【0127】カラーチャートの色再現領域501の各頂
点に付した、W,K,R,G,B,C,M,Yの各符号
は、それぞれ、その符号が付された頂点が、そのカラー
チャートの色再現領域501の、白、黒、レッド、グリ
ーン、ブルー、シアン、マゼンタ、イエローの点である
ことを示している。
【0128】また、図11は、図10に示す、カラーチ
ャートの色再現領域501を、カラースキャナ10の入
力プロファイルを参照してL***空間に写像したと
きの、そのL***空間におけるカラーチャートの色
再現領域502を示した図である。L***空間自体
は、図11に示す色再現領域502よりも広く広がって
いる。
【0129】図9のステップa1の座標対応付過程で
は、上記のようにして、カラーチャートをカラースキャ
ナ10で読み取ることにより、カラーチャートの色再現
領域501の各点(カラーチャートを構成する多数の色
パッチにより表わされる多数の点それぞれ)に、カラー
スキャナ10に依存した入力RGB空間(図10参照)
の各座標が割り当てられる。
【0130】尚、測定誤差や変換誤差等の誤差の議論は
除き、カラーチャートを構成する多数の色パッチを測色
計で測色して得たときのカラーチャートのL***
間上での色再現領域と、そのカラーチャートをカラース
キャナ10で読み取って得た入力RGB空間上の画像デ
ータをそのカラースキャナ10のプロファイルに従って
***空間に写像したときの、そのカラーチャート
のL***空間上での色再現領域は、相互に一致し、
いずれも例えば図11に示される色再現領域502とな
る。
【0131】次に、図9のステップa2の明度補正過程
について説明する。
【0132】この明度補正過程では、共通色空間(ここ
ではL***空間)における第1の色再現領域502
(図11参照)の明度の低い領域(L*軸の下方の領
域)内の各点を明度を上げる方向(L*軸の上方)に、
明度の低い点ほど大きく移動させる明度補正が行われ
る。
【0133】図12は、明度補正前後の明度L*の対応
関係を示す図である。
【0134】横軸のL* inは、明度補正前の、図11に
示す第1の色再現領域502の明度、縦軸のL* outは、
明度補正後の図11に示す第2の色再現領域503の明
度である。
【0135】明度の低い領域の明度を持ち上げる明度補
正カーブになっている。
【0136】この明度補正カーブは、図1に示すカラー
リバーサルフィルム上に記録されたカラーチャート11
aを測色計で測定して得たL***データ、あるい
は、そのカラーチャート11aをカラースキャナ10で
読み取ったRGBデータをそのカラースキャナ10のプ
ロファイルに基づいて変換したL***データのうち
の明度L* inを横軸にとり、前述した、そのカラーリバ
ーサルフィルム上のカラーチャートを、熟練者によって
調整されたドラム型スキャナで読み取って得た濃度デー
タを出力デバイスのプロファイルに基づいて変換された
***データのうちの明度L* outを縦軸にとってそ
れらの明度L* in,L* outを相互に対応づけることによ
り求められる。
【0137】図12に示す、L* in−L* outの明度補正
カーブは、単純な関数式で表わすことはできない。そこ
で、ここでは、以下のようにして濃度対濃度の関係式を
求め、その関係式に基づいて明度補正を行なう。
【0138】図13は、明度補正前の明度L* inに対応
する濃度Dinと明度補正後の明度L* outに対応する濃度
outとの関係を示す図である。
【0139】この濃度Din対濃度Doutの明度(ここで
は濃度)補正カーブは、多項式で表わすことができ、こ
こでは、 Dout=a・Din 3+b・Din 2+c・Din+d の三次式で表わされている。
【0140】明度L*から濃度Dへの変換式、あるいは
濃度DからL*への変換式は広く知られており、ここで
はその概要のみ説明する。
【0141】すなわち、ここでは、変換前の明度L* in
が 0<L* in≦8のとき、 Din=loge(903.29/L* in)/loge10 8<L* inのとき、 Din=−3×loge((L* in+16)/116)/l
oge10 に従って濃度Dinに変換される。
【0142】このようにして求めた濃度Dinを上記の三
次式にあてはめて濃度Doutを求め、今度はこの濃度D
outが、中間変数tを、 t=exp(−Dout×loge10) としたとき、 t≦0.008856のとき、 L* out=903.29×t 0.008856<t<1のとき、 L* out=116×exp((1/3)×log
e(t))−16 に従って明度L* outに変換される。
【0143】このような、明度L* inを濃度Dinに変換
し、濃度Dinを多項式に基づいて濃度Doutに変換し、
その濃度Doutを明度L* outに変換する過程を経ること
により、明度L* inを解析的に明度L* outに変換するこ
とができる。
【0144】次に図9のステップa3の座標取得過程に
ついて説明する。尚、この座標取得過程は、図9のフロ
ーチャートではステップa1の座標対応付過程およびス
テップa2の明度補正過程よりも後段に置かれている
が、これら座標対応付過程および明度補正過程と座標取
得過程はどちらが先であってもよい。
【0145】図14は、図1に示すカラーチャートの記
録に用いたカラープリンタ40に依存した第2の出力R
GB空間(本発明にいう第3の色空間の一例に相当す
る)を示す図である。
【0146】この図14に示す、R、G、Bともに0〜
255の数値範囲の立方体形状の領域は、この第2の出
力RGB空間における、このカラープリンタ40の色再
現領域であり、このカラープリンタ40では、この立方
体形状の表面および内部の座標に対応する画像データに
基づいてカラーリバーサルフィルム上に画像が記録され
る。
【0147】このカラープリンタ40でカラーリバーサ
ルフィルム上に図1のカラーチャート11aを記録する
にあたっては、図14の立方体の各頂点W、K、R、
G、B、C、M、Yや、その立方体の表面や、さらにそ
の立方体の内部の多数の座標に相当する多数画像データ
に基づく多数の色パッチからなるカラーチャートが記録
される。
【0148】図14において、カラープリンタ40の色
再現領域を表わす立方体の各頂点W、K、R、G、B、
C、M、Yの各座標は W=(255,255,255) B=(0,0,0) R=(255,0,0) G=(0,255,0) B=(0,0,255) C=(0,255,255) M=(255,0,255) Y=(255,255,0) であり、これらの各頂点W、K、R、G、B、C、M、
Yが、図11のL** *空間における、カラーチャー
トの色再現領域502の各頂点W、K、R、G、B、
C、M、Yにそれぞれ対応し、さらに、図10に示す、
カラースキャナ10に依存した入力RGB空間におけ
る、カラーチャートの色再現領域501の各頂点W、
K、R、G、B、C、M、Yにそれぞれ対応する。ここ
では、頂点の対応関係のみを説明したが、カラープリン
タ40の色再現領域である図14の立方体領域の各点
(カラーチャートを記録する際の各色パッチに対応する
各座標)それぞれが、図11に示す、L***空間に
おけるカラーチャートの色再現領域501の各点(L*
**空間上の各座標)、および図10に示す、入力R
GB空間におけるカラーチャートの色再現領域501の
各点(入力RGB空間上の各座標)に対応している。
【0149】すなわち、図14の立方体領域はカラープ
リンタ40に依存した第2の出力RGB空間における、
カラーチャートの色再現領域である。
【0150】図9のステップa3の座標取得過程では、
カラープリンタ40でカラーリバーサルフィルム上に図
1のカラーチャート11aを記録したときの、カラープ
リンタ40に依存する第2の出力RGB空間(図14参
照)における、そのカラーチャート11aを構成する多
数の色パッチそれぞれに対応する座標が取得される。
【0151】この第1の出力RGB空間における座標
は、図1のカラープリンタ40でカラーチャート11a
を記録するときの画像データをパーソナルコンピュータ
20で発生させたときは、そのパーソナルコンピュータ
20の内部で、色変換定義作成プログラムにそのデータ
が受け渡される。あるいは、図1のカラープリンタ40
でカラーチャート11aを記録するときの画像データ
を、図1に示すパーソナルコンピュータ20とは異なる
装置で発生させたときは、そのデータが入手されて、図
1のパーソナルコンピュータ20に入力される。この場
合、このパーソナルコンピュータ20は、その入力によ
ってそのデータを取得することになる。
【0152】こうすることにより、カラースキャナ30
に依存した入力RGB空間は、カラーチャートの色再現
領域を媒介としてカラープリンタ40に依存した第2の
出力RGB空間に対応づけられる。
【0153】以下では、図14に立方体形状として示
す、カラープリンタ40の色再現領域は、カラースキャ
ナ10でカラーチャート11aを読み取って得た、その
カラーチャートの色再現領域を、そのカラースキャナ1
0のプロファイルと、そのカラーチャートを記録したカ
ラープリンタ40のプロファイルとを用いて、カラープ
リンタ40に依存する第2の出力RGB空間上に再設定
した色再現領域に相当することに鑑み、そのカラープリ
ンタ40の色再現領域を、便宜上、「再設定色再現領
域」と称する。この再設定色再現領域は、R,G,Bと
もに0〜255の数値範囲内の立方体の色再現領域であ
り、この再設定色再現領域は、図11の第1の色再現領
域502に対応づけられており、図9のステップa2の
明度補正過程における明度補正を経て、図11の第2の
色再現領域503とも対応づけられている。以下では、
この再設定色再現領域は、明度補正が行なわれた後の第
2の色再現領域503で表わされるものとして説明す
る。
【0154】次に、図9のステップa4のマッピング定
義作成過程について説明する。
【0155】以下に説明する、図9のステップa4のマ
ッピング定義作成過程の説明では、図7(A)、図8、
図10の色再現領域101は、図1のカラープリンタ4
0に依存した第2の出力RGB空間(前述した第1の好
ましい構成における第3の色空間の一例)における、そ
のカラープリンタ40の色再現領域、すなわち、上記の
用語の定義における「再設定色再現領域」であるとして
説明する。
【0156】図15は、図9のステップa41で実行さ
れる、マッピング定義作成過程における第2過程の説明
図であり、L***空間における再設定色再現領域お
よびカラープリンタ30の色再現領域を示している。
【0157】ここでは、コンクリース変換(Von K
ries変換)を応用した順応変換が行なわれる。すな
わち、ここでは、再設定色再現領域の白(図11の第2
の色再現領域503の頂点W)に相当する座標点W
1と、再設定色再現領域の黒(図11の第2の色再現領
域503の頂点K)に相当する座標点K1が、それぞれ
カラープリンタ30で出力されるプリント画像31の白
(そのプリント画像の用紙の色)相当する座標点W3
そのカラープリンタ30で出力することのできる黒(例
えばそのカラープリンタ31がR,G,B3色のインク
で画像出力を行なうプリンタの場合、R,G,Bの各色
のインクを最大量使って印刷した状態)に相当する座標
点K3に一致するように座標変換が行なわれる。
【0158】図15は、この座標変換過程を図示したも
のであり、先ず、図15(A)に示す、再設定色再現領
域102a(図11の第2の色再現領域503と同一)
とカラープリンタ30の色再現領域302aを、図15
(B)に示すように、各黒点K1,K3が原点O(理論上
の黒点)に一致するように平行移動する。これにより、
先ず、再設定色再現領域102bの黒点とカラープリン
タ30の色再現領域302bの黒点とが一致する。
【0159】次に、この平行移動後の、再設定色再現領
域102bの白点W1が、平行移動後の、カラープリン
タ30の色再現領域302bの白点W3に一致するよう
に、すなわち図15(B)の直線L1が直線L3に一致す
るように、再設定色再現領域102b全体について回転
及び伸縮を伴う座標変換が行なわれる。
【0160】図15(C)は、この回転及び伸縮を伴う
座標変換を行なった後の状態を示しており、色再現領域
は、図15(B)に示す色再現領域102bから図15
(C)に示す色再現領域102cのように変換される。
このとき、再設定色再現領域の白点W1は、カラープリ
ンタ30の色再現領域の白点W3に一致する。
【0161】その後、図15(D)に示すように、図1
5(C)に示すように白点,黒点がそれぞれ一致した、
再設定色再現領域102cを、カラープリンタ30のも
ともとの色再現領域、すなわち図15(A)に示す、カ
ラープリンタ30の色再現領域302aの白点W3,黒
点B3に一致する位置まで平行移動する。
【0162】こうすることにより、白点W1,黒点B1
カラープリンタ30の白点W3,黒点B3にそれぞれ一致
した、再設定色再現領域102dを得ることができる。
【0163】以上の操作を式で示すと、以下のようにな
る。図15は、L***空間における色再現領域を示
したが、コンクリース変換やそのコンクリース変換を応
用した上記の順応変換はXYZ空間で実行されることが
多く、ここではXYZ空間を想定して説明する。このX
YZ空間の各座標点はL***空間の各座標点に1対
1に対応する共通色空間の1つである。
【0164】図15(A)に示す再設定色再現領域10
2aの白点W1,黒点B1のXYZ座標をそれぞれ(LX
1,LYW1,LZW1),(LXB1,LYB1,LZ
1)とし、図15(A)に示すカラープリンタ30の
色再現領域302aの白点W3,黒点B3のXYZ座標を
それぞれ(LXW3,LYW3,LZW3),(LXB3
LYB3,LZB3)としたとき、図15(B)に示す各
白点W1,W3に相当するXYZ座標(LXW1’,LY
1’,LZW1’),(LXW3’,LYW3’,LZW
3’)を、各式 LXW1’=LXW1−LXB1 LYW1’=LYW1−LYB1 LZW1’=LZW1−LZB1 ……(1) LXW3’=LXW3−LXB3 LYW3’=LYW3−LYB3 LZW3’=LZW3−LZB3 ……(2) により求め、白点W1(LXW1’,LYW1’,LZ
1’)が白点W3(LXW3’,LYW3’,LZ
3’)に一致するように回転及び伸縮するためのコン
クリース(Von Kries)マトリックスを作成す
る。
【0165】ここでは、このコンクリースマトリックス
を、 VK=[MTXVK] ……(3) と表記する。このコンクリースマトリックスは3行×3
列のマトリックスとなる。
【0166】次に、XYZ空間における順応変換前の多
数の座標点を代表させて(X,Y,Z)で表わすと、 この(X,Y,Z)が X1=X−LXB1 Y1=Y−LYB1 Z1=Z−LZB1 ……(4) により黒点補正(図15(B)参照)がなされ、次に
【0167】
【数2】
【0168】によりコンクリース変換が行なわれ(図1
5(C)参照)、次に X’=X2−LXB3 Y’=Y2−LYB3 Z’=Z2−LZB3 ……(6) により、黒点をカラープリンタ30の黒点に一致させる
ための補正(図15(D)参照)が行なわれる。
【0169】以上の演算を全ての座標点について行なう
ことにより、L***空間で表わしたときの図15
(A)に示す再設定色再現領域102aが、白点、黒点
がカラープリンタの色再現領域302aの白点、黒点に
それぞれ一致した、図15(D)に示す色再現領域10
2dに変換される。
【0170】上記の順応変換をXYZ空間で行なうと、
順応変換前の黒点(図15(A)の黒点B1,B3)の座
標(X,Y,Z)がほぼ(0,0,0)に近く、したが
って黒点の補正は数値を僅かに変化させるだけであっ
て、(1)式,(2)式に従って白点の座標を移動させ
てもその移動量は僅かで済み、XYZ空間内の広い領域
を使って順応変化を行なうことができる点で有利である
が、この順応変化は、必ずしもXYZ空間で行なわなけ
ればならない訳でなく、L***空間で行なってもよ
く、あるいはその他の共通色空間で行なってもよい。
【0171】また、ここでは、白点と黒点との双方をそ
れぞれ一致させる順応変換について説明したが、色変換
の精度は多少落ちるものの、簡易的には、黒点は考慮せ
ずに白点のみ一致させるように順応変換を行なってもよ
い。
【0172】この白点のみ一致させる順応変換は、図1
5を参照して説明すると、図15(A)に示す直線
1’が直線L3’に一致するとともに白点W1が白点W3
に一致するような座標変換をいい、数式的には、(1)
式,(2)式のように黒点の座標を引き算することな
く、白点W1(LXW1,LYW1,LZW1)が白点W3
(LXW3,LYW3,LZW3)に一致するように回転
及び伸縮するためのコンクリースマトリックスを求め、
(4)式のように、黒点の座標を引き算することなく、
そのコンクリースマトリックスを使って(X,Y,Z)
をそのまま変換することを意味する。
【0173】さらに、この順応変換は、例えばCRTデ
ィスプレイ表示画面上の‘白’はかなり青みかかった白
であり、そのCRTディスプレイ表示画面に表示された
画像をプリント出力する必要があるときのような、測色
的にかなり離れた白を持つデバイス間での色変換の場合
に必要となるが、図1に示すカラースキャナ10で読み
取られる画像の白とカラープリンタ30で出力される画
像の白がほぼ一致している場合、この順応変換、すなわ
ち、図9のマッピング定義作成過程の第2過程(ステッ
プa41)は省略してもかまわない。
【0174】次に、図9に示すフローチャートのマッピ
ング定義作成過程中の第1過程(ステップa42)につ
いて、いくつかの例を説明する。
【0175】図16は、その第1過程における座標変換
の第1例の説明図、図17は、その第1例のフローチャ
ートである。図16には、L***空間内のうちのL*
−a *平面について明示されているが、これは図示の便
宜上のものであって、実際には、L***空間内で3
次元的な座標変換が行なわれる。図16のみでなく、そ
の後に説明する各種の例についても同様である。
【0176】ここでは、先ず、座標変換の基準となる座
標変換基準座標点cが設定される。この座標変換基準座
標点cは、経験的にあるいは所定の設定基準に従ってあ
る程度任意に設定されるが、L***空間における再
設定色変換領域102とカラープリンタの色再現領域3
02との共通領域内に設定される。さらに、座標変換基
準座標点cは、その共通領域内であって、さらに本実施
形態ではL*軸(グレー軸)上に設定される。そうする
ことにより、以下の説明からわかるように、この座標変
換基準座標点cは他の座標点にはマッピングされず、し
たがってグレーバランスを保ちやすいからである。ここ
では例えば(L*,a*,b*)=(50,0,0)の点
が座標変換基準座標点cとして設定される。
【0177】尚、図9のフローチャートのマッピング定
義作成過程(ステップa4)に図15を参照して説明し
たような順応変換(ステップa41)を含むときは、L
***空間における再設定色再現領域102は、その
順応変換後の色再現領域を指すものとする。
【0178】ここでは、マッピングを行なう対象となる
***空間上の再設定色再現領域102内の座標点
を第1の座標点tとする。
【0179】ここで、座標変換基準座標点cと第1の座
標点tとを結ぶ直線を考え、その直線と、再設定色再現
領域102の境界との交点を求める(図17ステップb
1)。ここではこの交点を第1の基準座標点aと呼ぶ。
【0180】図17に示すフローチャートは、このよう
にして求めた第1の基準座標点aが、図16に示すよう
に、L***空間に写像したカラープリンタの色再現
領域302から外れている場合のフローチャートであ
り、この条件を満たすとき、さらに以下のように処理が
進められる。
【0181】上記のようにして求めた第1の基準座標点
aについて、L***空間からカラープリンタ30に
依存した出力RGB空間に写像する(図17ステップb
2)。この出力RGB空間に写像された第1の基準座標
点をP1とする。
【0182】以下では、図1のカラープリンタ30に依
存した出力RGB空間を、図1のカラープリンタ40の
出力RGB空間(第2の出力RGB空間)との区別のた
めに第1の出力RGB空間と称することがある。
【0183】次に、第1の出力RGB空間において、そ
の第1の基準座標点P1の座標値をクリップすることに
より、その第1の出力RGB空間のカラープリンタ30
の色再現領域の境界上にマッピングする(ステップb
3)。このマッピングによりカラープリンタ30の色再
現領域の境界上に得られた点P2を、今度はその第1の
出力RGB空間からL***空間に写像する(ステッ
プb4)。このL***空間内に写像された座標点を
第2の基準座標点bとする(図16参照)。
【0184】次に、図16に示す第1の基準座標点aと
第2の基準座標点bとの差分を表わす、第1の基準座標
点aを始点とし、第2の基準座標点を終点とする基本差
分ベクトルvを求め(ステップb5)、マッピングを行
なおうとしている第1の座標点tを、その基本差分ベク
トルvの方向と同一方向に、座標変換基準座標点cと第
2の基準座標点bとを結ぶ直線上まで移動させ、その点
を、第1の座標点tがマッピングされた第2の座標点s
とする(ステップb6)。
【0185】このような座標変換が、L***空間に
おける再設定色再現領域102(図11の第2の色再現
領域503)に含まれる座標点のうちの、ステップb1
により求められた第1の基準座標点aが再設定色再現領
域102の外にある全ての座標点について行なわれる
(ステップ7)。
【0186】このように、図16,図17を参照して説
明した座標変換は、その座標変換の方向を決めるにあた
っては、すなわち基本差分ベクトルvを求めるあたって
は、第1の出力RGB空間を使って、再設定色再現領域
の境界上の第1の基準座標点aに対応する、カラープリ
ンタ30の色再現領域の境界上の第2の基準座標点bを
定めることにより行なわれ、実際のマッピングは、L*
**空間で行なわれる。
【0187】すなわち、第1の出力RGB空間(デバイ
ス依存の色空間)という人間の色の感覚に合致した色空
間で座標変換(マッピング)の方向が定められるため、
調子の不連続性や不自然な画像となってしまう恐れが極
めて小さく抑えられ、かつ、実際の座標変換は、L**
*空間(共通色空間)で行なわれるため、色彩上高精
度の座標変換(マッピング)が行なわれる。
【0188】尚、図16は、図示の都合上、2次元平面
上で座標変換(マッピング)が行なわれるように描かれ
ているが、実際には3次元的なマッピングが行なわれる
ことは前述したとおりである。
【0189】図18は、図16,図17を参照して説明
した座標変換の変形例を示す図である。
【0190】ここでは、座標変換基準座標点cを取り巻
く領域Dが設定され、座標変換基準座標点cと第1の基
準座標点aを結ぶ直線とその領域Dの境界との交点dを
求め、第1の座標点tのマッピングにあたっては、その
交点dと第2の基準座標点bとを結ぶ直線上の座標点s
にマッピングされる。
【0191】こうすることにより、領域Dという、座標
が移動しない領域を設定することができる。前述したよ
うに、グレーバランスを保つためにはL*軸(グレー
軸)については座標を移動させないことが好ましい旨説
明したが、この図18に示すように領域Dを設定するこ
とにより座標を移動しない領域を任意に設定することが
できる。
【0192】図19は、図9に示すフローチャートの第
1過程における座標変換の第2例の説明図、図20は、
その第2例のフローチャートである。
【0193】ここでは、図16,図17を参照して説明
した第1例と同様に、L*軸(グレー軸)上に座標変換
の基準となる座標変換基準座標点cが設定される。
【0194】この座標変換基準座標点cと、座標変換の
対象としている第1の座標点tとを結ぶ直線を考え、そ
の直線と、L***空間における再設定色再現領域1
02の境界との交点を求める。その交点を第1の基準座
標点と呼ぶ。ここで、このL ***空間に写像した再
設定色再現領域102は、図9のフローチャートの第2
過程(ステップa41)における順応変換が行なわれる
ときは、その順応変換後の再設定色再現領域を指すもの
であることは前述したとおりである。
【0195】図19に示すフローチャートは、図17に
示すフローチャートとは異なり、このようにして求めた
第1の基準座標点aが、図19に示すように、L**
*空間に写像したカラープリンタ30の色再現領域30
2の内部に存在する場合のフローチャートであり、この
条件を満たすときさらに以下のように処理が進められ
る。
【0196】上記のようにして求めた、再設定色再現領
域の境界上の第1の基準座標点aに対応する、カラープ
リンタ30の色再現領域の境界上の第2の基準座標点b
を求める(ステップc2)。この第2の基準座標点bを
求めるにあたっては、ここでは、図19に示すように、
第1の基準座標点aがカラープリンタの色再現領域30
2の内部に存在するため、図16,図17を参照して説
明した手法を使うことはできない。すなわち、第1の基
準座標点aがカラープリンタ30の色再現領域302の
外に存在する場合と同様にして、その第1の基準座標点
aを第1の出力RGB空間に写像しても、その写像され
た第1の基準座標点は第1の出力RGB空間におけるカ
ラープリンタ30の色再現領域の内部に位置することに
なり、前述したクリップの手法を使うことができないこ
ととなってしまう。そこで、ここでは、以下のようにし
て、第2の基準座標点bが求められる。
【0197】先ず、第1の出力RGB空間におけるカラ
ープリンタ30の色再現領域(ガマット)の境界上の全
ての点(点P1で代表させる)について、第1の出力R
GB空間からL***空間に写像し(ステップc2
1)、さらにそのL***空間に写像された全ての点
2をカラープリンタ40に依存する第2の出力RGB
空間(上述したように、この第2の出力RGB空間は、
(本発明にいう第3の色空間の一例)は、図9のステッ
プa1〜a3の座標対応付過程、明度補正過程および座
標取得過程で、カラーチャートの色再現領域がR,G,
Bともb=0〜255の立方体形状の色再現領域に対応
づけられた空間である。)に写像する(ステップc2
2)。次いで、その第2の出力RGB空間に写像された
点P3のうちの、第2の出力RGB空間上の再設定色再
現領域から外れた点を、前述のように、例えばR,G,
Bそれぞれについてマイナスの値を0に、255を越え
る値を255にクリップすることにより、その再設定色
再現領域の境界上にマッピングする(ステップc2
3)。
【0198】このようにして得られた、第2の出力RG
B空間に写像され、さらにクリップされた全ての点P4
を、第2の出力RGB空間からL***空間に写像す
る(ステップc24)。このようにしてL***空間
に写像された点P5のうち、第1の基準座標点aに一致
した、あるいは一致はしなくても最も近接した点P5
を見つけ、第1の出力RGB空間の、カラープリンタ3
0の色再現領域の境界上の全ての点P1のうち、その点
5’を得る基になった点P1’を見つけ、その点P1
を第2の基準座標点bとする(ステップc25)。
【0199】このような手順を踏むことにより、図19
に示す基準座標点aに対応する第2の基準座標点bを求
めることができる。
【0200】尚、図20に示すフローチャートの場合、
第1の出力RGB空間におけるカラープリンタ30の色
再現領域の境界上の全ての点P1について一律に第2の
出力RGB空間に写像したが、図19に示す、L**
*空間に写像したカラープリンタ30の色再現領域30
2の境界上の座標点のうち、L***空間に写像した
再設定色再現領域102の色再現領域から食み出した部
分の座標点のみ、第2の出力RGB空間に写像すればよ
く、あるいはその食み出した部分のうち、推測等により
第2の基準座標点bの座標位置をさらに絞り込むことが
できるときは、その絞り込まれた領域内の座標点のみ第
2の出力RGB空間に写像してクリップしてもよい。
【0201】図20に示すステップc2において、第2
の基準座標点bが検出されると、図19のフローチャー
トの場合と同様、図19に示すように、第1の基準座標
点aから第2の基準座標点bに向かう基本差分ベクトル
vが求められ(ステップc3)、さらに図16,図17
の第1例の場合と同様にして、第1の座標点に対応する
第2の座標点が求められる(ステップc4)。
【0202】このような座標変換が、L***空間に
おける再設定色再現領域102内の各座標点のうちの、
ステップc1により求められた第1の基準座標点aがカ
ラープリンタ30の色再現領域302の内部に存在する
全ての座標点について行なわれる(ステップc5)。
【0203】図21は、図19,図20を参照して説明
した座標変換の第2例の変形例を示す図である。
【0204】ここには、図18と同様、座標変換基準座
標点cを取り巻く領域Dが設定され、座標変換基準座標
点cと第1の基準座標点aとを結ぶ直線とその領域Dの
境界との交点dが求められ、第1の座標点tは、その交
点dと第2の基準座標点bとを結ぶ直線上の座標点sに
マッピングされる。こうすることにより、座標を移動さ
せない領域Dを設定することができる。
【0205】図22は、図16,図17を参照して説明
した‘圧縮’と図19,図20を参照して説明した‘伸
長’とを組み合わせて行なったマッピングの効果説明図
である。
【0206】L***空間上の再設定色再現領域10
2よりもL***空間上のカラープリンタ30の色再
現領域302の方が広いラインLN1上の座標点は,カ
ラープリンタの色再現領域302を最大限使うように伸
長され、再設定色再現領域102の方が広いラインLN
2上の各座標点は、カラープリンタ30の色再現領域3
02を最大限使うレベルまで圧縮される。これらの伸
長、圧縮の方向は、デバイスに依存したRGB空間を利
用して求めたものであるため、マッピングそのものはL
***空間上で行なっても、調子の不連続や不自然な
画像の発生が防止され、かつマッピングそのものはL*
**空間を行なうことから高精度のマッピングが行な
われている。また、再設定色再現領域102とカラープ
リンタ30の色再現領域302との広さが一致したライ
ンLN3上の各座標点は移動せずにそのままの色が保た
れることになる。
【0207】尚、ここで行なわれるマッピングは、図2
2では図示の都合上L*−a*平面で行なわれるかのよう
に描かれているが、3次元的に行なわれるものであるこ
とは前述した通りである。
【0208】図23は、図9に示すフローチャートの第
1過程における座標変換の第3例の説明図、図24は、
その第3例のフローチャートである。ここで説明する第
3例は、図18,図19を参照して説明した第2例の場
合と同様、ステップd1で求められた第1の基準座標点
a1が、L***空間に写像したカラープリンタ30
の色再現領域302の内部に存在する場合の一例であ
る。
【0209】ここでも、前述の第1例および第2例と同
様に、L*軸(グレー軸)上に座標変換の基準となる座
標変換基準座標点cを設定し、その座標変換基準座標点
cと座標変換の対象としている第1の座標点tとを結ぶ
直線を考え、その直線と、L ***空間における再設
定色再現領域102の境界との交点を求め、その交点を
第1の基準座標点a1とし、さらに、その直線と、L*
**空間に写像したカラープリンタ30の色再現領域
302の境界との交点を求め、その交点を第3の基準座
標点a2とする(ステップd1)。このL***空間
における再設定色再現領域102は、図9のフローチャ
ートの第2過程(ステップa41)における順応変換が
行なわれるときは、その順応変換後の再設定色再現領域
を指すものであることは、これまでの第1例、第2例の
場合と同様である。
【0210】次に、上記のようにして求めた第3の基準
座標点a2をL***空間から第2の出力RGB空間
(本発明の第1の好ましい構成における第3の色空間の
一例に相当する)に写像し(ステップd2)、その第2
の出力RGB空間に写像した点P1をその第2の出力R
GB空間でクリップすることにより再設定色再現領域の
境界上にマッピングし(ステップd3)、そのマッピン
グにより得られた点P 2をL***空間にマッピングす
る(ステップd4)。このようにして得られたL**
*空間の、再設定色再現領域102の境界上の点を第4
の基準座標点b2と呼ぶ。
【0211】次に、第3の基準座標点a2から第4の基
準座標点b2に向かう差分ベクトルv1を求め(ステッ
プd5)、第1の基準座標点a1を通りその差分ベクト
ルv1と平行な直線を考えて、その直線と、L***
空間上のカラープリンタ30の色再現領域302の境界
との交点を第2の基準座標点b1とし、第1の基準座標
点a1から第2の基準座標点b1に向かう基本差分ベク
トルvを求める(ステップd6)。その後はこれまで説
明した第1例、第2例と同様にして、第1の座標点t
が、その第1の座標点tを基本差分ベクトルvと平行に
移動し、座標変換基準座標点cと第2の基準座標点b1
とを結んだ直線にぶつかった座標点(第2の座標点s)
にマッピングされる(ステップd7)。
【0212】このような座標変換が、L***空間上
の再設定色再現領域内の座標点のうちの、ステップd1
において、L***空間上のカラープリンタ30の色
再現領域302の内部に位置する第1の基準座標点a1
が求められる全ての座標点について行なわれる(ステッ
プd8)。
【0213】この図23,図24に示す第3例は、L*
**空間上の再設定色再現領域102とカラープリン
タ30の色再現領域302が大きくずれているとき、す
なわち、差分ベクトルv1と基本差分ベクトルvが大き
く離れているときは誤差を持つが、それら2つのベクト
ルv1,vの距離が近く、それら2つのベクトルv1,
vの間の誤差を無視できるときは、この第3例を採用す
ることができ、図19,図20を参照して説明した第2
例と比べ高速演算が可能となる。
【0214】図25は、図23,図24を参照して説明
した座標変換の第3例の変形例を示す図である。
【0215】ここには、図18,図21と同様、座標変
換基準座標点cを取り巻く領域Dが設定され、座標変換
基準座標点cと第1の基準座標点a1とを結ぶ直線と、
その領域Dの境界との交点dが求められ、第1の座標点
tは、交点dと第2の基準座標点b1とを結ぶ直線上に
マッピングされる。
【0216】このようにして、座標移動が行なわれない
領域Dを設定することができる。
【0217】図26は、図9に示すフローチャートの第
1過程における座標変換の第4例の説明図、図27はそ
の第4例のフローチャートである。
【0218】この第4例は、ステップe1で求められる
第1の基準座標点aがL***空間に写像したカラー
プリンタ30の色再現領域302の内部に存在するか、
あるいはその色再現領域302から外れているかを考慮
することなく適用することができる方法である。
【0219】ここでも、前述の第1例〜第3例と同様
に、L*軸(グレー軸)上に座標変換基準座標点cを設
定し、その座標変換基準座標点cと座標変換の対象とし
ている第1の座標点tとを結ぶ直線を考え、その直線
と、L***空間上の再設定色再現領域102の境界
との交点を求め、その交点を第1の基準座標点aとする
(ステップe1)。
【0220】次に、この第1の基準座標点aを第2の出
力RGB空間に写像する(ステップe2)。
【0221】次に、このようにして第2の出力RGB空
間に写像された第2の出力RGB空間上の点P1の座標
値に対応した座標値、典型的にはその点P1の座標値と
同一の座標値を持つ、カラープリンタ30に依存した色
空間である第1の出力RGB空間上の座標点P2を求め
る(ステップe3)。具体例を示すと、図26に示す第
1の基準座標点aを第2の出力RGB空間に写像した点
1の座標値を(R,G,B)=(0,255,0)と
したとき、同一の座標値(R,G,B)=(0,25
5,0)を持つ第1の出力RGB空間上の点を点P2
する。
【0222】次にその第1の出力RGB空間上の点P2
を第1の出力RGB空間からL***空間に写像し、
その写像された点を第2の基準座標点bとする(ステッ
プe4)。
【0223】第1の基準座標点aはL***空間上の
再設定色再現領域102の境界上の点であるため、この
第1の基準座標点aを第2の出力RGB空間に写像して
も、その第2の出力RGB空間における再設定色再現領
域の境界上の点(例えば上記の(R,G,B)=(0,
255,0))となる。
【0224】これをそのまま、第1の出力RGB空間上
の点とすると、第1の出力RGB空間上では今度はカラ
ープリンタ30の色再現領域の境界上の点となり、その
点をL***空間に写像して求めた第2の基準座標点
bも、そのL***空間上のカラープリンタ30の色
再現領域302の境界上の点となる。
【0225】このようにして求めた第1の基準座標点a
から第2の基準座標点bに向かう基本差分ベクトルvを
求め(ステップe5)、第1の座標点tを通り、基本差
分ベクトルvと平行に引いた直線と、座標変換基準座標
点cと第2の基準座標点bとを結ぶ直線との交点である
第2の座標点sを求める(ステップe6)。
【0226】上記の座標変換が、L***空間上の再
設定色再現領域102の全域について順次行なわれる。
【0227】図28は、図26,図27を参照して説明
した座標変換の第3例の変形例を示す図である。
【0228】ここには、図18,図21,図25の各例
と同様、座標変換基準座標点cのまわりに領域Dが設定
され、その領域D内はマッピングされないようにしてい
る。領域D内がマッピングされないようにするための手
法は、図18,図21,図25の各例の場合と同様であ
り、説明は省略する。
【0229】図29は、図9に示すフローチャートの第
1過程における座標変換の第5例の途中過程を示す図で
ある。この図29のみを考えると、これは本発明の第1
の好ましい構成の実施形態ではなく、それと対比される
べき比較例に相当する。
【0230】ここでは、L*軸(グレー軸)上の座標変
換基準座標点cと、座標変換の対象とされる第1の座標
点tと結ぶ直線と、L***空間上の再設定色再現領
域102との交点(第1の基準座標点a1)およびカラ
ープリンタ30の色再現領域302との交点(第3の基
準座標点a2)を求め、第1の基準座標点a1から第3
の基準座標点a2に向かう差分ベクトルv2を求める。
この差分ベクトルv2は、デバイス依存の色空間(第1
の出力RGB空間あるいは第2の出力RGB空間)での
クリップ等のマッピングを経ることなく求められる差分
ベクトルであり、このままでは本発明の第1の好ましい
構成とは合致しない。
【0231】この差分ベクトルv2を仮に本発明の第1
の好ましい構成にいう基本差分ベクトルvと考え、座標
変換基準座標点cと第1の基準座標点a1との間の距離
ca1と、座標変換基準座標点cと第1の座標点tとの
間の距離ctとの比率をct/ca1とし、差分ベクト
ルv2の長さを|v2|としたとき、第1の座標点t
を、差分ベクトルv2と同一方向に、(ct/ca1)
×|v2|だけ移動させ、その点を座標変換後の第2の
座標点sとする。こうすることによっても一応マッピン
グは可能であるが、マッピングの方向(差分ベクトルv
2の方向)は、人間の色の感覚にあったデバイス依存の
色空間上で求めた方向ではなく、このマッピングの手法
は、人間の色の感覚が無視されて機械的に定められた方
向であり、前述したように調子の不連続が生じたり不自
然な画像となる可能性が高い手法である。
【0232】図30は、図9に示すフローチャートの第
1過程における座標変換の第5例の説明図である。
【0233】この図30において、第1の基準座標点a
1,第3の基準座標点a2,差分ベクトルv2は、図2
9を参照して説明したものと同様である。また第2の基
準座標点bは、前述の第1例〜第4例のいずれの手法で
求めたものであってもよい。ここでは、第1の基準座標
点a1から第2の基準座標点bに向かうベクトルを差分
ベクトルv3と称する。
【0234】この図30に示す例では、このようにして
求めた2つの差分ベクトルv2,v3が方向に関し重み
付け加算され、第1の基準座標点a1を通り、その重み
付け加算により求められた方向に引いた直線と、L**
*空間上のカラープリンタ30の色再現領域302の
境界との交点を第5の基準座標点eとして求め、第1の
基準座標点a1から第5の基準座標点eに向かう差分ベ
クトルを基本差分ベクトルvとする。
【0235】第1の座標点tをマッピングするにあたっ
ては、座標変換基準座標点cと第5の基準座標点eとを
結ぶ直線と、第1の座標点tを通り基本差分ベクトルv
と平行に引いた直線との交点を、その第1の座標点tが
マッピングされるべき第2の座標点sとする。
【0236】ここで、2つの差分ベクトルv2,v3の
方向に関する重み付け係数をオペレータにより任意に可
変できるようにしておくことで、本発明の手法による座
標変換をその重み付け分だけ加味させたマッピングが可
能となる。
【0237】次に、図9に戻り、色変換定義作成過程
(ステップa5)について説明する。
【0238】この色変換定義作成過程(ステップa5)
では、これまでの各ステップa1〜a4の各過程での処
理を踏まえ、図1のカラースキャナ10に依存した入力
RGB空間(本発明にいう第1の色空間の一例)から、
カラープリンタ30に依存した第1の出力RGB空間
(本発明にいう第2の色空間の一例)への色変換を定義
した色変換定義が作成される。
【0239】ここでは、先ず、図1のカラーチャート1
1aをカラースキャナ10で読み取ったときの、カラー
スキャナ10に依存する入力RGB空間(本発明にいう
第1の色空間の一例)上の任意の座標(これを代表的に
第1の座標と称する)を図9の座標対応付過程で対応づ
けられた座標の対応関係に従ってL***空間上の第
2の座標に変換する。
【0240】次に、このL***空間上第2の座標
を、明度補正過程における明度補正に従って、L**
*空間上の再設定色再現領域(第2の色再現領域)に依
存した第3の座標に変換する。さらに、この第3の座標
を、図9のマッピング定義作成過程で作成されたマッピ
ング定義に従ってカラープリンタのL***空間にお
ける色再現領域に依存した、L***空間上の第4の
座標に変換する。さらに、この第4の座標を、カラープ
リンタ30のプロファイルに従って第1の出力RGB空
間(本発明にいう第2の色空間の一例に相当する)上の
第5の座標に変換する。
【0241】このような一連の座標変換の出発点となっ
た、カラースキャナ10に依存する入力RGB空間(本
発明にいう第1の色空間の一例)の第1の座標と第1の
出力RGB空間上の第5の座標とを対応づけることによ
り、図1に示す原稿画像11をカラースキャナ10で読
み取って得た入力画像データを、カラープリンタ30に
適合した出力画像データに変換するための色変換定義が
作成される。
【0242】図31は、本発明の色変換定義作成装置の
一実施形態を含む色変換定義作成/色変換装置の機能ブ
ロック図である。
【0243】この図31に示す色変換定義作成/色変換
装置は、図2,図3に示すパーソナルコンピュータ20
と、そのパーソナルコンピュータで実行されるプログラ
ムとの複合により実現される。
【0244】この図31に示す色変換定義作成/色変換
装置は、データ取得部310と、LUT作成/データ変
換部320と、データ出力部330と、記憶部340
と、指定部350とから構成されている。
【0245】記憶部340には、複数種類の入力デバイ
スそれぞれに対応した複数種類の入力プロファイル34
1a,…,341mと、複数種類の出力デバイスそれぞ
れに対応した複数種類の出力プロファイル342a,
…,342nと、複数種類の色変換定義343a,…,
343pと、さらに、色変換定義作成プログラム344
が記憶されている。
【0246】入力プロファイル341a,…,341m
のそれぞれは、各種の入力デバイスについて、基本的に
は図4を参照した作成方法により作成されたものであ
る。尚、図1には、入力デバイスは一種類のカラースキ
ャナ10のみ示されているが、図31の色変換定義作成
/色変換装置には、汎用性を持たせるため、複数種類の
入力デバイスそれぞれに対応する複数種類の入力プロフ
ァイルが用意されている。
【0247】また、記憶部340に記憶された出力プロ
ファイル342a,…,342nは、各種の出力デバイ
スについて、基本的には図5を参照して説明した作成方
法により作成された出力プロファイルである。ここで
は、入力プロファイルの場合と同様、出力デバイスに関
しても汎用性を持たせるため、複数種類の出力デバイス
それぞれに対応する複数種類の出力プロファイルが用意
されている。
【0248】また、記憶部340に記憶された色変換定
義343a,…,343pは、記憶部340に記憶され
た色変換定義作成プログラム344がLUT作成/デー
タ変換部320に読み出されて実行されることにより、
図9およびその後の各図を参照して説明したようにして
作成されたものであり、各色変換定義は、各入力プロフ
ァイルと各出力プロファイルとの各組合せに対応してい
る。ここではこれらの色変換定義341a,…,341
pは、それぞれLUT(Look Up Table)
の形式にまとめられている。
【0249】なお、この記憶部340は、ハードウェア
上は、図3に示す、パーソナルコンピュータ20のハー
ドディスク装置213の内部に設定されている。
【0250】指定部350では、入力デバイス、出力デ
バイス、および、色変換定義作成モードとデータ変換モ
ードとの区別が指定される。この指定部350は、ハー
ドウェア上は、図2,図3に示すキーボード23あるい
はマウス24がその役割りを担っている。
【0251】指定部350で、色変換定義作成モードが
指定されるとともに、入力デバイスと出力デバイスが指
定されると、記憶部340から色変換定義作成プログラ
ム344がLUT作成/データ変換部320に読み出さ
れて実行される。この色変換定義作成プログラム344
は、図9を参照して説明した座標対応付過程(ステップ
a1)、明度補正部(ステップa2)、座標取得過程
(ステップa3)、マッピング定義作成過程(ステップ
a4)(第2過程(ステップa41)および第1過程
(ステップa42))、および色変換定義作成過程(ス
テップa5)のそれぞれに対応する処理を実行する、座
標対応付部3441、明度補正部3442、座標取得部
3443、マッピング定義作成部3444(第2過程3
444aおよび第1過程3444b)、および色変換定
義作成部3445から構成されており、前述したアルゴ
リズムに基づき、指定された入力デバイス(ここでは、
図1に示すカラースキャナ10とする)に応じた入力プ
ロファイル(ここでは、入力プロファイル341aとす
る)と、指定された出力デバイス(ここでは図1に示す
カラープリンタ30とする)に応じた出力プロファイル
(ここでは出力プロファイル342aとする)が参照さ
れると共に、カラースキャナ10で読み取られた、カラ
ーリバーサルフィルム上のカラーチャートの画像データ
が参照され、さらに、そのカラーチャートをカラーリバ
ーサルフィルム上に記録したカラープリンタ(図1に示
すカラープリンタ40)に依存する第2の出力RGB空
間(図14参照)上の、カラーチャート(多数の色パッ
チ)に対応する座標(そのカラープリンタ40の出力プ
ロファイル)が参照されて、カラースキャナ10とカラ
ープリンタ30との組合せに適合した色変換定義(ここ
では色変換定義341aとする)が作成される。この作
成された色変換定義341aは記憶部340に記憶され
る。
【0252】このとき、指定部350から、色変換定義
作成のための各種のパラメータ、例えば、マッピング定
義作成部の第2過程を実行するか省略するか、あるいは
その第2過程を実行する場合に白点と黒点との双方をそ
れぞれ一致させるか白点のみを一致させるか、図16等
に示す座標変換基準座標点cの座標値、図18等に示す
領域Dを設定するか否か、領域Dを設定する場合のその
領域の指定、色変換定義作成過程の第1過程として各種
の例を示したが、それら各種の例のうちのいずれのアル
ゴリズムを選択するか、図30を参照して説明した重み
付けの手法を採用する場合のその重み付け係数等を指定
できるように構成し、様々なバリエーションの色変換定
義を作成することができるようにすることが好ましい。
【0253】また、指定部310からデータ変換モード
が指定され、さらに入力デバイスおよび出力デバイスが
指定されると(ここでは入力デバイス、出力デバイスと
してそれぞれ図1に示すカラースキャナ10、カラープ
リンタ30が指定されるものとする)、それら指定され
たカラースキャナ10およびカラープリンタ30の組合
せに適合した色変換定義341aが読み出されてLUT
作成/データ変換部320に入力される。
【0254】データ取得部310は、入力デバイスで得
られた色データを受け取る役割りを担うものであり、ハ
ードウェア上は、図3に示す入力インタフェース216
がこれに相当する。
【0255】また、データ出力部330は、LUT作成
/データ変換部320で色変換された後の色データの出
力を担うものであり、ハードウェア上は、図3に示す出
力インタフェース217がこれに相当する。
【0256】入力デバイス、例えば図1に示すカラース
キャナ10で得られた画像データがデータ取得部310
を経由してLUT作成/データ変換部320に入力され
ると、LUT作成/データ変換部320では、色変換定
義343aによる画像データの変換が行なわれる。この
変換後の画像データはデータ出力部330を経由して、
出力デバイス、例えば図1に示すカラープリンタ30に
向けて出力される。
【0257】このLUT作成/データ変換部320によ
る画像データの変換は、本発明に特有な色変換定義作成
方法により作成された色変換定義が参照された変換であ
り、色調子の優れた出力画像を得ることができる。
【0258】ここで、図31に示す色変換定義作成/色
変換装置において、記憶部340に記憶された複数の出
力プロファイル342a,…,342mのうちの1つと
して、図2,図3に示す画像表示装置22に対応する出
力プロファイルを用意しておき、LUT作成/データ変
換部320で変換された後の画像データに基づく画像を
その画像表示装置22の表示画面22a(図2参照)上
に表示し、かつ、指定部350(キーボード23やマウ
ス24)に、データ変換モードにおいても色変換定義を
補正する機能を持たせ、表示画面上に表示された画像を
見ながら、その画像がより好ましい色調子を持った画像
となるように色変換定義を補正できるように構成しても
よい。
【0259】図32は、図31に示す色変換定義作成/
色変換装置のLUT作成/データ変換部の機能ブロック
図である。
【0260】このLUT作成/データ変換部320は、
LUT作成部321とデータ変換部322とから構成さ
れている。さらにLUT作成部321は、座標対応付部
3211と、明度補正部3212と、座標取得部321
3と、マッピング定義作成部3214(第2過程321
4aおよび第1過程3214b)と、色変換定義作成部
3215とから構成されている。
【0261】LUT作成部321は、色変換定義作成モ
ードにおいて動作し、このLUT作成部321の座標対
応付部3211には、図31に示す指定部350で指定
された入力プロファイルを持つカラースキャナで読み取
られたカラーチャートを表わす画像データが入力される
とともに、そのLUT作成部321の座標取得部321
3には、カラーリバーサルフィルム上にそのカラーチャ
ートを記録したカラープリンタ40(図1参照)に依存
した第2の出力RGB空間(図14参照)の、そのカラ
ーチャートを構成する多数のパッチに対応する多数の座
標(そのカラープリンタ40の出力プロファイル)が入
力され、さらに、そのLUT作成部321に、図31に
示す色変換定義作成プログラム344が設定されて実行
される。これにより、そのLUT作成部321の、座標
対応付部3211、明度補正部3212、座標取得部3
213、マッピング定義作成部3214(第2過程32
14aと第1過程3214b)、および色変換定義作成
部3215では、図9に示す色変換定義作成方法の、座
標対応付過程(ステップa1)、明度補正過程(ステッ
プa2)、座標取得過程(ステップa3)、マッピング
定義作成過程(ステップa4)(第2過程(ステップa
41)と第1過程(ステップa42))、および色変換
定義作成過程(ステップa5)に対応する各処理が実行
され、LUT形式の色変換定義が作成される。この作成
された色変換定義は、図31の記憶部340に記憶され
る。
【0262】また、指定部350でデータ変換モードが
指定されると、データ変換部322に、指定部350で
指定された入力プロファイルと出力プロファイルとの組
合せに応じた色変換定義が設定され、入力画像データが
その設定された色変換定義に従って出力画像データに変
換される。
【0263】図33は、本発明の色変換定義作成プログ
ラムのもう1つの実施形態を示す図である。
【0264】図31を参照して、図31に示す色変換定
義作成/色変換装置の記憶部340に本発明の一実施形
態としての色変定義作成プログラムが記憶されている旨
説明したが、この図33には、もう1つの例として、図
3に示すCD−ROM110に、色変換定義作成プログ
ラム344が記憶された例が示されている。このよう
に、色変換定義作成プログラムを可搬型記憶媒体に記憶
させて流通させてもよい。
【0265】このような色変換定義作成プログラムを入
手したユーザは、自分のパーソナルコンピュータにその
入手した色変換定義作成プログラムをアップロードし、
その色変換定義作成プログラムを使って、色調子の優れ
た色変換を行なうことのできる色変換定義を作成するこ
とができる。
【0266】次に、図1〜図3に示すコンピュータシス
テム20内で実行される色変換定義作成プログラムによ
る色変換定義作成方法の他の実施形態について説明す
る。
【0267】この実施形態では、図1に示すカラーリバ
ーサルフィルム上に記録されたカラーチャート11aは
必要であるが、そのカラーチャート11aがどのカラー
プリンタで出力されたものであるか知る必要はない。す
なわち、図1に示す2つのカラープリンタ40のプロフ
ァイルを知る必要はなく、換言すれば、以下に示す実施
形態は、そのカラープリンタ40のプロファイルを知ら
なくても実施できる実施形態である。
【0268】図34は、コンピュータシステム20内で
実行される色変換定義作成プログラムによる色変換定義
作成方法を示したフローチャートである。
【0269】ここでは、座標対応過程(ステップf
1)、明度補正過程(ステップf2)、色再現領域決定
過程(ステップf3)、第2の座標対応付過程(ステッ
プf4)、マッピング定義作成過程(ステップf5)、
および色変換定義作成過程(ステップf6)を経て色変
換定義が作成される。マッピング定義作成過程(ステッ
プf5)では、基本的には第1過程(ステップf52)
が実行されるが、本実施形態では、一層高精度なマッピ
ング定義が作成されるよう、その第1過程の前段に第2
過程(ステップf51)が置かれている。
【0270】上記の各過程(ステップf1〜f6)のう
ち、座標対応付過程(ステップf1)および明度補正過
程(ステップf2)は、図9を参照して説明した色変換
定義作成方法における座標対応付過程(ステップa1)
および明度補正過程(ステップa2)とそれぞれ同一で
あり、ここではそれらの過程については概要のみ説明
し、図34のステップf3の色再現領域決定過程以降を
中心に説明する。
【0271】図34のステップf1の座標対応付過程で
は、図1に示すカラーチャート画像11aがカラースキ
ャナ10で読み取られ、図4を参照して説明したよう
な、カラースキャナ10用の入力プロファイルが参照さ
れて、そのカラースキャナ10に依存した入力RGB空
間(本発明にいう第1の色空間の一例)における、その
カラーチャート画像11aの色再現領域(表現される色
空間を問わず、そのカラーチャート画像11aの色再現
領域は、本発明にいう第1の色再現領域の一例に対応す
る)が、デバイス非依存の共通色空間(例えばL**
*空間)に写像され、その後ステップf2の明度補正過
程において、図11〜図13を参照して説明したように
して明度補正が行なわれる。
【0272】図35は、入力RGB空間における、カラ
ースキャナの色再現領域101とカラーチャート画像の
色再現領域501を示す図である。
【0273】この図35は、図8と同じ内容をR,G,
Bの3軸からなる立体として表現したものである。
【0274】カラーチャート画像の色再現領域501の
各頂点に付した、W,K,R,G,B,C,M,Yの各
符号は、それぞれ、その符号が付された頂点が、そのカ
ラーチャート画像の色再現領域501の、白、黒、レッ
ド、グリーン、ブルー、シアン、マゼンタ、イエローの
点であることを示している。
【0275】また、図36は、図30に示す、カラーチ
ャート画像の色再現領域501を、カラースキャナ10
の入力プロファイルを参照してL***空間に写像し
て、さらに明度補正を行なった後の、そのL***
間におけるカラーチャート画像の色再現領域503(本
発明にいう第2の色再現領域;図11に実線で示す色再
現領域503と同じ色再現領域)と、その色再現領域5
03を内包するとともに、その色再現領域503の表面
に沿って広がる複数平面で形成された多面体形状(ここ
では12面体形状)の色再現領域504(本発明の、前
述した第2の好ましい構成における第4の色再現領域の
一例に相当する)を示した図である。L ***空間自
体は、図35に示す2つの色再現領域503,504よ
りも広く広がっている。
【0276】図34のステップf1の座標対応付過程に
おいて、図35に示すカラーチャート画像の色再現領域
501をカラースキャナの入力プロファイルに従って図
36L***空間に写像し、さらに図34のステップ
f2の明度補正過程においてその明度を補正した後、今
度は、図34のステップf3の色再現領域決定過程にお
いて、そのL***空間における、カラーチャート画
像の色再現領域502が、図36に示すような12面体
で取り囲まれる。
【0277】色再現領域503を12面体で取り囲むに
あたっては、その色再現領域503のW,K,R,G,
B,C,M,Yの各頂点(図36では色再現領域503
の各頂点に対する符号は省略)の近傍に、色再現領域5
03を内包するとともにその色再現領域503に近似し
た外形形状を有する12面体の各頂点W,K,R,G,
B,C,M,Yを定め、これにより、図示の12面体形
状の色再現領域504を定める。ここで、これらW,
K,R,G,B,C,M,Yを頂点とする多面体が12
面体であることを一例を挙げて説明すると、W,C,
G,Yの4つの頂点は1つの平面上に位置するとは限ら
ず、一般的には、CとYを結ぶ一点鎖線で示す線分も多
面体の1つの辺を形成している。他の部分についても同
様である。したがって、これらW,K,R,G,B,
C,M,Yを頂点とする多面体は、一般的には12面体
となる。以下では、このようにして求めた、L***
空間上で12面体形状をなす色再現領域(本発明の第2
の好ましい構成における第4の色再現領域)を、カラー
チャート画像の色再現領域を再設定した色再現領域であ
ることに鑑み、色空間の別を問わず、「再設定色再現領
域」と称する。
【0278】次に、図34のステップf4の第2の座標
対応付過程について説明する。
【0279】上記のようにして、12面体の再設定色再
現領域504を決定した後、その再設定色再現領域50
4の全域を図35に実線で示すカラースキャナの色再現
領域101の全域に対応づける。以下に、この対応付け
のアルゴリズムの一例を示す。
【0280】先ず、図36に示す12面体の再設定色再
現領域504の各頂点を、図35に示す立方体形状のカ
ラーチャートの色再現領域の各頂点に対応づける。
【0281】具体的には、図36に示す、色再現領域5
04の各頂点W,B,R,G,B,C,M,Yに、それ
ぞれ、 W=(255,255,255) B=(0,0,0) R=(255,0,0) G=(0,255,0) B=(0,0,255) C=(0,255,255) M=(255,0,255) Y=(255,255,0) の数値(座標)を割り当てる。
【0282】次に、その12面体の各辺の上の任意の点
について、その辺の両端の頂点の座標から補間演算によ
りその任意の点の座標を求める。
【0283】次に、その12面体を形成する各平面内の
任意の点について座標を割り付ける。
【0284】図37は、12面体を構成する任意の平面
上の任意の点への座標の割付け方法の説明図である。
【0285】ここでは、座標を求めようとする点aは、
3つの頂点A,B,Cで規定される平面(平面ABC)
上にあるものとし、点aの、L***空間におけるL*
の座標を、L*(a)とする。
【0286】ここで、先ず、L*=L*(a)の平面を考
え、そのL*=L*(a)の平面と、3つの頂点A,B,
Cで規定される平面の輪郭をなす辺との交点b,cを求
める。交点bの座標は、頂点Aの座標と頂点Bの座標と
を用いた補間演算により求められており、交点Cの座標
は頂点Aの座標と頂点Cの座標とを用いた補間演算によ
り求められている。
【0287】そこで、ここでは交点bの座標と交点cの
座標とを用いた補間演算により平面ABC上の任意の点
aの座標が求められる。
【0288】次に、L***空間内の任意の点の、図
35のカラースキャナの色再現領域101における座標
が求められる。
【0289】図38は、L***空間内の任意の点の
座標の求め方の説明図である。
【0290】この図38では、12面体の内側の点d1
あるいは12面体の外側の点d2が座標を求めるべき点
である。
【0291】ここでは、L*軸のL*=50の点を原点と
し、その原点と座標を求めようとしている点d1を結ん
で延長した直線、あるいは原点と座標を求めようとして
いる点d2を結んだ直線と、12面体の表面との交点a
を求める。交点aの座標は、図37を参照して説明した
ようにして既に求められている。そこで、ここでは、原
点の座標(L*,a*,b*)=(50,0,0)と、点
aの座標とを用いて内挿することにより点d1の座標が
求められ、原点の座標と点aの座標とを用いて外挿する
ことにより点d2の座標が求められる。このようにし
て、図36の12面体形状の再設定色再現領域504の
全域が、図35に示す、立方体形状のカラースキャナの
色再現領域101に対応付けられるとともに、図36の
12面体形状の再設定色再現領域602の内側のみでな
く、外側についても、図35の立方体形状の色再現領域
101の、それぞれ、内側、外側の各点に対応づけられ
る。
【0292】尚、色再現領域の外部についても座標を割
り当てるのは、ガマット変換の演算の際に色再現領域の
外側の点の座標も必要となるからである。
【0293】図36の12面体形状の再設定色再現領域
504を図35の立方体形状の色再現領域101に割り
当てたときの、図35の色再現領域101を規定する色
空間を、本発明の第2の好ましい構成では第4の色空間
と称している。この第4の色空間における色再現領域1
01は、その第4の色空間における再設定色再現領域で
ある。
【0294】図34のマッピング定義作成過程(ステッ
プf5)に関しては、図14〜図30を参照して説明し
た、図9に示す色変換定義作成方法のステップa4のマ
ッピング定義作成過程と同一であり、重複説明は省略す
る。ただし、前述の説明を参照するにあたっては、図1
4の第2の出力RGB空間に代わり、図36の12面体
の色再現領域504を、図35の入力RGB空間101
の全域に対応づけたときの入力RGB空間(第2の好ま
しい構成にいう第4の色空間)が採用される。このマッ
ピング定義作成過程(ステップf5)では、図36の1
2面体の色再現領域(再設定色再現領域;本発明の第2
の好ましい構成における第4の色再現領域)内の各座標
を、L***空間に写像された、カラープリンタ30
(図1参照)の色再現領域(第3の色再現領域)内の各
座標にマッピングするマッピング定義が作成される。
【0295】次に、図35の色変換定義作成過程(ステ
ップf6)について説明する。
【0296】この色変換定義作成過程(ステップf6)
では、これまでの各ステップf1〜f5の各過程での処
理を踏まえ、図1のカラースキャナ10に依存した入力
RGB空間(本発明にいう第1の色空間の一例)から、
カラープリンタ30に依存した出力RGB空間(本発明
にいう第2の色空間の一例)への色変換を定義した色変
換定義が作成される。
【0297】ここでは、先ず、図1のカラーチャート画
像11aをカラースキャナ10で読み取ったときの、カ
ラースキャナ10に依存する入力RGB空間(本発明に
いう第1の色空間の一例)上の任意の座標(これを代表
的に第1の座標と称する)を図34の座標対応付過程
(ステップf1)で対応づけられた座標の対応関係に従
ってL***空間上の第2の座標に変換する。
【0298】次に、このL***空間上の第2の座標
を図34の明度補正過程(ステップf2)における明度
補正によりL***空間上の第3の座標に変換する。
さらに、この第3の座標を、図34のマッピング定義作
成過程で作成されたマッピング定義に従って、カラープ
リンタのL***空間における色再現領域に依存し
た、L***空間上の第4の座標に変換する。さら
に、この第4の座標を、カラープリンタのプロファイル
に従って出力RGB空間上の第5の座標に変換する。
【0299】このような一連の座標変換の出発点となっ
た、カラースキャナ10に依存する入力RGB空間(本
発明にいう第1の色空間の一例)の第1の座標と出力R
GB空間上の第5の座標とを対応づけることにより、図
1に示す原稿画像11をカラースキャナ10で読み取っ
て得た入力画像データを、カラープリンタ30に適合し
た出力画像データに変換するための色変換定義が作成さ
れる。
【0300】図39は、本発明の色変換定義作成装置の
一実施形態を含む色変換定義作成/色変換装置の機能ブ
ロック図である。
【0301】この図39に示す色変換定義作成/色変換
装置は、図2,図3に示すパーソナルコンピュータ20
と、そのパーソナルコンピュータで実行されるプログラ
ムとの結合により実現される。
【0302】この図39に示す色変換定義作成/色変換
装置は、データ取得部710と、LUT作成/データ変
換部720と、データ出力部730と、記憶部740
と、指定部750とから構成されている。
【0303】記憶部740には、複数種類の入力デバイ
スそれぞれに対応した複数種類の入力プロファイル74
1a,…,741mと、複数種類の出力デバイスそれぞ
れに対応した複数種類の出力プロファイル742a,
…,742nと、複数種類の色変換定義743a,…,
743pと、さらに、色変換定義作成プログラム744
が記憶されている。
【0304】入力プロファイル741a,…,741m
のそれぞれは、各種の入力デバイスについて、基本的に
は図4を参照した作成方法により作成されたものであ
る。尚、図1には、入力デバイスは一種類のカラースキ
ャナ10のみ示されているが、図39の色変換定義作成
/色変換装置には、汎用性を持たせるため、複数種類の
入力デバイスそれぞれに対応する複数種類の入力プロフ
ァイルが用意されている。
【0305】また、記憶部740に記憶された出力プロ
ファイル742a,…,742nは、各種の出力デバイ
スについて、基本的には図5を参照して説明した作成方
法により作成された出力プロファイルである。
【0306】尚、入力プロファイルの場合と同様、図1
には、出力デバイスとして一種類のカラープリンタ30
のみ示されているが、図39の色変換定義作成/色変換
装置は、出力デバイスに関しても汎用性を持たせるた
め、複数種類の出力デバイスそれぞれに対応する複数種
類の出力プロファイルが用意されている。
【0307】また、記憶部740に記憶された色変換定
義743a,…,743pは、記憶部740に記憶され
た色変換定義作成プログラム744がLUT作成/デー
タ変換部720に読み出されて実行されることにより、
図34を参照して説明したようにして作成されたもので
あり、各色変換定義は、各入力プロファイルと各出力プ
ロファイルとの各組合せに対応している。ここではこれ
らの色変換定義741a,…,741pは、それぞれL
UT(Look Up Table)の形式にまとめら
れている。
【0308】なお、この記憶部740は、ハードウェア
上は、図3に示す、パーソナルコンピュータ20のハー
ドディスク装置213の内部に設定されている。
【0309】指定部750では、入力デバイス、出力デ
バイス、および、色変換定義作成モードとデータ変換モ
ードとの区別が指定される。この指定部750は、ハー
ドウェア上は、図2,図3に示すキーボード23あるい
はマウス24がその役割りを担っている。
【0310】指定部750で、色変換定義作成モードが
指定されるとともに、入力デバイスと出力デバイスが指
定されると、記憶部740から色変換定義作成プログラ
ム744がLUT作成/データ変換部32に読み出され
て実行される。この色変換定義作成プログラム744
は、図34を参照して説明した、座標対応過程(ステッ
プf1)、明度補正過程(ステップf2)、色再現領域
決定過程(ステップf3)、第2の座標対応付過程(ス
テップf4)、マッピング定義作成過程(ステップf
5)(第2過程(ステップf51)および第1過程(ス
テップf52))、および色変換定義作成過程(ステッ
プf6)のそれぞれに対応する処理を実行する、座標対
応付部7441、明度補正部7442、色再現領域決定
部7443、第2の座標対応付部7444、マッピング
定義作成部7443(第2過程7444aおよび第1過
程7447b)、および色変換定義作成部7445から
構成されており、前述したアルゴリズムに基づき、指定
された入力デバイス(ここでは、図1に示すカラースキ
ャナ10とする)に応じた入力プロファイル(ここで
は、入力プロファイル741aとする)と、指定された
出力デバイス(ここでは図1に示すカラープリンタ30
とする)に応じた出力プロファイル(ここでは出力プロ
ファイル742aとする)が参照されると共に、カラー
スキャナ10で読み取られたカラーチャート画像の画像
データが参照されて、それらカラースキャナ10とカラ
ープリンタ30との組合せに適合した色変換定義(ここ
では色変換定義741aとする)が作成される。この作
成された色変換定義741aは記憶部740に記憶され
る。
【0311】このとき、指定部750から、色変換定義
作成のための各種のパラメータ、例えば、マッピング定
義作成部の第2過程を実行するか省略するか、あるいは
その第2過程を実行する場合に白点と黒点との双方をそ
れぞれ一致させるか白点のみを一致させるか、図16等
に示す座標変換基準座標点cの座標値、図18等に示す
領域Dを設定するか否か、領域Dを設定する場合のその
領域の指定、色変換定義作成過程の第1過程として各種
の例を示したが、それら各種の例のうちのいずれのアル
ゴリズムを選択するか、図30を参照して説明した重み
付けの手法を採用する場合のその重み付け係数等を指定
できるように構成し、様々なバリエーションの色変換定
義を作成することができるようにすることが好ましい。
【0312】また、指定部310からデータ変換モード
が指定され、さらに入力デバイスおよび出力デバイスが
指定されると(ここでは入力デバイス、出力デバイスと
してそれぞれ図1に示すカラースキャナ10、カラープ
リンタ30が指定されるものとする)、それら指定され
たカラースキャナ10およびカラープリンタ30の組合
せに適合した色変換定義741aが読み出されてLUT
作成/データ変換部720に入力される。
【0313】データ取得部710は、入力デバイスで得
られた色データを受け取る役割りを担うものであり、ハ
ードウェア上は、図3に示す入力インタフェース216
がこれに相当する。
【0314】また、データ出力部730は、LUT作成
/データ変換部720で色変換された後の色データの出
力を担うものであり、ハードウェア上は、図3に示す出
力インタフェース217がこれに相当する。
【0315】入力デバイス、例えば図1に示すカラース
キャナ10で得られた画像データがデータ取得部710
を経由してLUT作成/データ変換部720に入力され
ると、LUT作成/データ変換部720では、色変換定
義743aによる画像データの変換が行なわれる。この
変換後の画像データはデータ出力部730を経由して、
出力デバイス、例えば図1に示すカラープリンタ30に
向けて出力される。
【0316】このLUT作成/データ変換部720によ
る画像データの変換は、本発明に特有な色変換定義作成
方法により作成された色変換定義が参照された変換であ
り、色調子の優れた出力画像を得ることができる。
【0317】ここで、図39に示す色変換定義作成/色
変換装置において、記憶部740に記憶された複数の出
力プロファイル742a,…,742mのうちの1つと
して、図2,図7に示す画像表示装置22に対応する出
力プロファイルを用意しておき、LUT作成/データ変
換部720で変換された後の画像データに基づく画像を
その画像表示装置22の表示画面22a(図2参照)上
に表示し、かつ、指定部750(キーボード27やマウ
ス24)に、データ変換モードにおいても色変換定義を
補正する機能を持たせ、表示画面上に表示された画像を
見ながら、その画像がより好ましい色調子を持った画像
となるように色変換定義を補正できるように構成しても
よい。
【0318】図40は、図39に示す色変換定義作成/
色変換装置のLUT作成/データ変換部の機能ブロック
図である。
【0319】このLUT作成/データ変換部720は、
LUT作成部721とデータ変換部722とから構成さ
れている。さらにLUT作成部721は、座標対応付部
7211、明度補正部7212、色再現領域決定部72
13と、第2の座標対応付部7214と、マッピング定
義作成部7215(第2過程7215aおよび第1過程
7215b)と、色変換定義作成部7216とから構成
されている。
【0320】LUT作成部721は、色変換定義作成モ
ードにおいて動作し、このLUT作成部721には、図
39に示す指定部750で指定された入力プロファイル
を持つカラースキャナで読み取られたカラーチャート画
像を表わす画像データが入力されるとともに、そのLU
T作成部721に、図39に示す色変換定義作成プログ
ラム744が設定されて実行される。これにより、その
LUT作成部721の、座標対応付部7211、明度補
正部7212、色再現領域決定部7213、第2の座標
対応付部7214、マッピング定義作成部7214(第
2過程7214aと第1過程7214b)、および色変
換定義作成部7215では、図34に示す色変換定義作
成方法の、座標対応付部(ステップf1)、明度補正部
(ステップf2)、色再現領域決定過程(ステップf
3)、第2の座標対応付過程(ステップf4)、マッピ
ング定義作成過程(ステップf5)(第2過程(ステッ
プf51)と第1過程(ステップf52))、および色
変換定義作成過程(ステップf6)に対応する各処理が
実行され、LUT形式の色変換定義が作成される。この
作成された色変換定義は、図39の記憶部740に記憶
される。
【0321】また、指定部750でデータ変換モードが
指定されると、データ変換部722に、指定部750で
指定された入力プロファイルと出力プロファイルとの組
合せに応じた色変換定義が設定され、入力画像データが
その設定された色変換定義に従って出力画像データに変
換される。
【0322】図41は、本発明の色変換定義作成プログ
ラムのもう1つの実施形態を示す図である。
【0323】図39を参照して、図39に示す色変換定
義作成/色変換装置の記憶部740に本発明の一実施形
態としての色変定義作成プログラムが記憶されている旨
説明したが、この図39には、もう1つの例として、図
3に示すCD−ROM110に、色変換定義作成プログ
ラム744が記憶された例が示されている。このよう
に、色変換定義作成プログラムを可搬型記憶媒体に記憶
させて流通させてもよい。
【0324】このような色変換定義作成プログラムを入
手したユーザは、自分のパーソナルコンピュータにその
入手した色変換定義作成プログラムをアップロードし、
その色変換定義作成プログラムを使って、色調子の優れ
た色変換を行なうことのできる色変換定義を作成するこ
とができる。
【0325】尚、ここで説明した実施形態はカラーチャ
ート画像の色再現領域をL***空間上で12面体形
状の色再現領域で囲う例であるが、12面体形状の色再
現領域で囲うことに代え、図36に示す一点鎖線が多面
体の辺とならないように、W,K,R,G,B,C,
M,Yの各点を定めることにより6面体形状の色再現領
域で囲ってもよい。また、カラーチャート画像の色再現
領域を多面体形状の色再現領域で囲うにあたっては、L
***空間等の共通色空間で囲うことに代え、カラー
スキャナに依存した入力色空間で多面体形状となるよう
に囲ってもよい。
【0326】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
原画像が記録された、カラーリバーサルフイルム等の画
像記録媒体で表現することのできる濃度レンジと比べ出
力デバイスで表現することのできる濃度レンジが狭い場
合であっても、その出力デバイスで得られた画像が不自
然な濃度階調の画像となってしまうことを避け、観察者
にとって自然な濃度階調を持った画像を生成することが
できる。
【0327】また、上述した実施形態によれば、画像記
録媒体上に表現することが可能な色の領域の広さや形状
にかかわらず、共通色空間でガマットマッピングを行な
ったときに生じ易い調子の不連続や不自然な画像となっ
てしまうことが避けられ、色調子の優れた再生画像を得
ることのできる色変換定義を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用された画像入力−色
変換−画像出力システムの全体構成図である。
【図2】図1に1つのブロックで示すパーソナルコンピ
ュータの外観斜視図である。
【図3】パーソナルコンピュータのハードウェア構成図
である。
【図4】入力プロファイルの概念図である。
【図5】出力プロファイルの概念図である。
【図6】入力プロファイルと出力プロファイルとの双方
からなる色変換アルゴリズムを示す概念図である。
【図7】カラースキャナとカラープリンタの色再現領域
の模式図である。
【図8】カラーチャートとカラースキャナの色再現領域
の模式図である。
【図9】コンピュータシステム内で実行される色変換定
義作成プログラムによる色変換定義作成方法を示したフ
ローチャートである。
【図10】入力RGB空間における、カラースキャナの
色再現領域とカラーチャートの色再現領域を示す図であ
る。
【図11】L***空間におけるカラーチャートの色
再現領域を示した図である。
【図12】明度補正前後の明度L*の対応関係を示す図
である。
【図13】明度補正前の明度L* inに対応する濃度Din
と明度補正後の明度L* outに対応する濃度Doutとの関
係を示す図である。
【図14】カラーチャートの記録に用いたカラープリン
タに依存した第2の出力RGB空間を示す図である。
【図15】マッピング定義作成過程の第2過程の説明図
である。
【図16】第1過程における座標変換の第1例の説明図
である。
【図17】その第1例のフローチャートである。
【図18】座標変換の第1例の変形例を示す図である。
【図19】第1過程における座標変換の第2例の説明図
である。
【図20】座標変換の第2例のフローチャートである。
【図21】座標変換の第2例の変形例を示す図である。
【図22】‘圧縮’と‘伸長’とを組み合わせて行なっ
たマッピングの効果説明図である。
【図23】第1過程における座標変換の第3例の説明図
である。
【図24】座標変換の第3例のフローチャートである。
【図25】座標変換の第3例の変形例を示す図である。
【図26】第1過程における座標変換の第4例の説明図
である。
【図27】座標変換の第4例のフローチャートである。
【図28】座標変換の第3例の変形例を示す図である。
【図29】第1過程における座標変換の第5例の途中過
程を示す図である。
【図30】第1過程における座標変換の第5例の説明図
である。
【図31】本発明の色変換定義作成装置の一実施形態を
含む色変換定義作成/色変換装置の機能ブロック図であ
る。
【図32】図32に示すLUT/データ変換部の機能ブ
ロック図である。
【図33】色変換定義作成プログラムのもう1つの実施
形態を示す図である。
【図34】コンピュータシステム内で実行される色変換
定義作成プログラムによる色変換定義作成方法を示した
フローチャートである。
【図35】入力RGB空間における、カラースキャナの
色再現領域とカラーチャート画像の色再現領域501を
示す図である。
【図36】L***空間におけるカラーチャート画像
の、明度補正後の色再現領域と、その色再現領域を内包
する12面体形状の色再現領域を示した図である。
【図37】12面体を構成する任意の平面上の任意の点
への数値(座標)の割付け方法の説明図である。
【図38】L***空間内の任意の点の座標の求め方
の説明図である。
【図39】本発明の色変換定義作成装置の一実施形態を
含む色変換定義作成/色変換装置の機能ブロック図であ
る。
【図40】図30に示すLUT/データ変換部の機能ブ
ロック図である。
【図41】色変換定義作成プログラムのもう1つの実施
形態を示す図である。
【符号の説明】
10 カラースキャナ 11 原稿画像 11a カラーチャート 20 パーソナルコンピュータ 21 本体装置 22 画像表示装置 22a 表示画面 23 キーボード 24 マウス 25 バス 30,40 カラープリンタ 100 フレキシブルディスク 110 CD−ROM 211 CPU 212 主メモリ 213 ハードディスク装置 214 FDドライブ 215 CD−ROMドライブ 216 入力インタフェース 217 出力インタフェース 310 データ取得部 320 LUT作成/データ変換部 330 データ出力部 340 定義記憶部 341a,…,341m 入力プロファイル 342a,…,342n 出力プロファイル 343,343a,…,343p 色変換定義 344 色変換定義作成プログラム 350 指定部 710 データ取得部 720 LUT作成/データ変換部 770 データ出力部 740 定義記憶部 741a,…,741m 入力プロファイル 742a,…,742n 出力プロファイル 743,743a,…,743p 色変換定義 744 色変換定義作成プログラム 750 指定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C262 AB11 AC04 BA01 BA16 BC19 EA12 5B057 AA11 BA02 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CC01 CE17 CE18 CH07 CH08 5C077 LL19 MP08 PP32 PP33 PP36 PP37 PQ12 PQ23 SS06 TT02 TT06 5C079 HB01 HB02 HB05 HB08 HB11 HB12 LB02 MA05 MA11 NA03 PA02 PA03 PA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像記録媒体上に記録された画像を入力
    デバイスで読み取って得た入力画像データを、画像デー
    タに基づいて画像を出力する出力デバイスに適合した出
    力画像データに変換するための色変換定義を作成する色
    変換定義作成方法において、 前記画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を
    表わす、デバイス非依存の共通色空間における第1の色
    再現領域の各点に、前記入力デバイスのプロファイルに
    従って、該入力デバイスに依存した第1の色空間の座標
    を割り当てる座標対応付過程と、 デバイス非依存の共通色空間における前記第1の色再現
    領域の、少なくとも明度の低い一部領域内の各点を、明
    度を上げる方向に、明度の低い点ほど大きく移動させる
    明度補正を行なうことにより、該共通色空間における第
    2の色再現領域を形成する明度補正過程と、 デバイス非依存の共通色空間における前記第2の色再現
    領域内の座標を、画像データに基づく画像を出力する出
    力デバイスに依存した第2の色空間における該出力デバ
    イスの第3の色再現領域を該出力デバイスのプロファイ
    ルに従って前記共通色空間に写像したときの該共通色空
    間における該第3の色再現領域内の座標に変換するため
    の該共通色空間上でのマッピング定義を作成するマッピ
    ング定義作成過程と、 前記第1の色空間上の座標を前記座標対応付過程におけ
    る座標の対応付けに従って前記共通色空間上の第2の座
    標に変換し該第2の座標を前記明度補正過程における明
    度補正に従って該共通色空間上の第3の座標に変換し該
    第3の座標を前記マッピング定義作成過程において作成
    されたマッピング定義に従って該共通色空間上の第4の
    座標に変換し該第4の座標を前記出力デバイスのプロフ
    ァイルに従って前記第2の色空間上の第5の座標に変換
    したときと同一の変換を行なうための、前記第1の座標
    と前記第5の座標との間の色変換定義を作成する色変換
    定義作成過程とを有することを特徴とする色変換定義作
    成方法。
  2. 【請求項2】 前記明度補正過程は、前記共通色空間と
    してL***空間を採用したときあるいはL***
    間に変換したときの、前記第1の色再現領域内の任意の
    座標の明度をL* inとし、該第1の色再現領域内の座標
    を前記第2の色再現領域内の座標に変換したときの該第
    2の色再現領域内の座標の明度をL * outとしたとき、 明度L* inを濃度Dinに変換する第1の変換過程と、 該濃度Dinを変数とする多項式に基づいて該濃度Din
    濃度Doutに変換する第2の変換過程と、 該濃度Doutを明度L* outに変換する第3変換過程とを
    有することを特徴とする請求項1記載の色変換定義作成
    方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の変換過程は、明度L* inを、 0<L* in≦8のとき、 Din=loge(903.29/L* in)/loge10 8<L* inのとき、 Din=−3×loge((L* in+16)/116)/l
    oge10 に従って濃度Dinに変換する過程であり、 前記第3の変換過程は、中間変数tを、 t=exp(−Dout×loge10) としたとき、 t≦0.008856のとき、 L* out=903.29×t 0.008856<t<1のとき、 L* out=116×exp((1/3)×log
    e(t))−16 に従って明度L* outに変換する過程であることを特徴と
    する請求項2記載の色変換定義作成方法。
  4. 【請求項4】 画像記録媒体上に記録された画像を入力
    デバイスで読み取って得た入力画像データを、画像デー
    タに基づいて画像を出力する出力デバイスに適合した出
    力画像データに変換するための色変換定義を作成する色
    変換定義作成装置において、 前記画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を
    表わす、デバイス非依存の共通色空間における第1の色
    再現領域の各点に、前記入力デバイスのプロファイルに
    従って、該入力デバイスに依存した第1の色空間の座標
    を割り当てる座標対応付部と、 デバイス非依存の共通色空間における前記第1の色再現
    領域の、少なくとも明度の低い一部領域内の各点を、明
    度を上げる方向に、明度の低い点ほど大きく移動させる
    明度補正を行なうことにより、該共通色空間における第
    2の色再現領域を形成する明度補正部と、 デバイス非依存の共通色空間における前記第2の色再現
    領域内の座標を、画像データに基づく画像を出力する出
    力デバイスに依存した第2の色空間における該出力デバ
    イスの第3の色再現領域を該出力デバイスのプロファイ
    ルに従って前記共通色空間に写像したときの該共通色空
    間における該第3の色再現領域内の座標に変換するため
    の該共通色空間上でのマッピング定義を作成するマッピ
    ング定義作成部と、 前記第1の色空間上の座標を前記座標対応付部における
    座標の対応付けに従って前記共通色空間上の第2の座標
    に変換し該第2の座標を前記明度補正部における明度補
    正に従って該共通色空間上の第3の座標に変換し該第3
    の座標を前記マッピング定義作成部で作成されたマッピ
    ング定義に従って該共通色空間上の第4の座標に変換し
    該第4の座標を前記出力デバイスのプロファイルに従っ
    て前記第2の色空間上の第5の座標に変換したときと同
    一の変換を行なうための、前記第1の座標と前記第5の
    座標との間の色変換定義を作成する色変換定義作成部と
    を備えたことを特徴とする色変換定義作成装置。
  5. 【請求項5】 コンピュータ内で実行され、該コンピュ
    ータを、画像記録媒体上に記録された画像を入力デバイ
    スで読み取って得た入力画像データを画像データに基づ
    いて画像を出力する出力デバイスに適合した出力画像デ
    ータに変換するための色変換定義を作成する色変換定義
    作成装置として動作させる色変換定義作成プログラムで
    あって、 該コンピュータを、 前記画像記録媒体上に表現することが可能な色の領域を
    表わす、デバイス非依存の共通色空間における第1の色
    再現領域の各点に、前記入力デバイスのプロファイルに
    従って、該入力デバイスに依存した第1の色空間の座標
    を割り当てる座標対応付部と、 デバイス非依存の共通色空間における前記第1の色再現
    領域の、少なくとも明度の低い一部領域内の各点を、明
    度を上げる方向に、明度の低い点ほど大きく移動させる
    明度補正を行なうことにより、該共通色空間における第
    2の色再現領域を形成する明度補正部と、 デバイス非依存の共通色空間における前記第2の色再現
    領域内の座標を、画像データに基づく画像を出力する出
    力デバイスに依存した第2の色空間における該出力デバ
    イスの第3の色再現領域を該出力デバイスのプロファイ
    ルに従って前記共通色空間に写像したときの該共通色空
    間における該第3の色再現領域内の座標に変換するため
    の該共通色空間上でのマッピング定義を作成するマッピ
    ング定義作成部と、 前記第1の色空間上の座標を前記座標対応付部における
    座標の対応付けに従って前記共通色空間上の第2の座標
    に変換し該第2の座標を前記明度補正部における明度補
    正に従って該共通色空間上の第3の座標に変換し該第3
    の座標を前記マッピング定義作成部で作成されたマッピ
    ング定義に従って該共通色空間上の第4の座標に変換し
    該第4の座標を前記出力デバイスのプロファイルに従っ
    て前記第2の色空間上の第5の座標に変換したときと同
    一の変換を行なうための、前記第1の座標と前記第5の
    座標との間の色変換定義を作成する色変換定義作成部と
    を備えた色変換定義作成装置として動作させることを特
    徴とする色変換定義作成プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016095214A (ja) * 2014-11-14 2016-05-26 セイコーエプソン株式会社 測色装置、印刷制御装置、及び、印刷制御方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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