JP2004047826A - 回路部品実装基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回路基板26の一方の面には回路パターンが形成されており、他方の面からメインコンデンサ29のリード端子33を、回路基板26に設けられた貫通穴に根元まで挿通させている。一方の面に突出したリード端子33にかしめ部材35を挿入して、かしめ固定し取外し防止としている。その上から、回路パターンとリード端子33をはんだ付けしている。これによってメインコンデンサ29と回路パターンとの電気的導通を得ている。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リード端子を有した回路部品の基板実装に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
予め写真フイルムが装填されている1回使用型の簡易カメラとして、レンズ付きフイルムユニットが知られている。このレンズ付きフイルムユニットには用途に応じて様々な機種があるが、その中でも夜間や室内など暗い場所での撮影が行えるようにストロボ装置を組み込んだものが普及している。
【0003】
前記レンズ付きフイルムユニットは、プラスチック成形による前後の樹脂カバーと、樹脂カバー内部には撮影レンズを保持するレンズユニット、シャッター装置が設けられたメカユニット、ストロボ装置が設けられたストロボユニットなど、ユニットごとに機能が分かれて着脱自在に組み付けられている。
【0004】
ストロボユニットは、一般に放電の制御を行うためのストロボ回路が成形されたストロボ基板とストロボ光を放出する発光部ユニットから構成されている。ストロボ基板には、ストロボ回路を形成するメインコンデンサやトリガー用トランス等の回路部品がリード端子をスルーホールにインサート後、クリンチしてからハンダ付けされている。。
【0005】
現在、環境問題や産業廃棄物の削減のために、工業製品のリサイクルが行われている。レンズ付きフイルムユニットにおいても同様に、撮影後写真フイルムは現像され、レンズ付きフイルムユニット本体は工場に回収される。回収後、各ユニットは十分な検査を受けた後リユース及びリサイクルされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、リユースやリサイクルされるレンズ付きフイルムユニットのストロボユニットにおいて、多くの回路部品が回路基板に実装されており、これらの部品は高価で一般市場においても需要が高い。
【0007】
それゆえ、レンズ付きフイルムユニット本体が工場に回収される前にストロボユニットに実装してある主要部品を抜き取り横流しするブローカーが現れた。基板実装されている部品の中でも、リード端子を有した回路部品は部品と基板表面の間でリード端子が露出しているのでリード端子を切断したりハンダを溶かすことで簡単に取り外すことができ、部品単位での転用も容易に可能である。
【0008】
主要部品を抜き取られた回路基板を、製造メーカーがリユースやリサイクルするには、取られた部品を補う必要があるため余計なコストが発生する。
【0009】
本発明は上記事情を考慮しなされたもので、第三者による基板実装されたリード端子を有した回路部品の取り外しを防止し、取り外しができてもリード端子がないために、他への転用を困難にする回路部品実装基板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記の目的を達成するため、少なくとも回路基板の一方の面に回路パターンを形成し、回路部品のリード端子を他方の面側から回路基板に形成された貫通穴に根元まで挿通し、一方の面側に突出したリード端子に、このリード端子を挿入できる貫通穴を備えたかしめ部材を一方の面まで挿入し、かしめ部材をリード端子にかしめ固定し、リード端子を回路パターン面にはんだ付けしたものである。
【0011】
また、回路部品のリード端子の外表面を表面加工して摩擦面を形成し、少なくとも一方の面に回路パターンを形成した回路基板の他方の面側から、摩擦面を有したリード端子を回路基板に形成された貫通穴に根元まで圧入し、一方の面側に突出したリード端子を回路パターン面にはんだ付けしたものである。
【0012】
また、回路基板に貫通穴を備え、少なくとも回路基板の一方の面に回路パターンを形成し、断面形状を鋸刃状に形成した側端部を設けたスリーブを、回路部品のリード端子に圧入し、スリーブが圧入されたリード端子を回路基板の他方の面側から貫通穴に根元まで圧入し、一方の面側に突出したリード端子を回路パターン面にはんだ付けしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、レンズ付きフイルムユニットを示す外観斜視図である。レンズ付きフイルムユニット(以下フイルムユニットと記す)2は、予め写真フイルムが装填され、各種撮影機構が組み込まれたユニット本体3と、このユニット本体3を部分的に覆う外装ラベル4とから構成されている。
【0014】
ユニット本体3の上面には、シャッタボタン5,カウンタ窓6,ライトガイド7が、前面にはファインダ8,撮影レンズ9,ストロボ発光部10,スライド式の充電スイッチ11が、背面側には1コマの撮影毎に回動操作される巻上げノブ12が、それぞれ露呈されている。
【0015】
外装ラベル4は、裏面に接着剤が塗布された帯状の紙片であり、ユニット本体3の中央部分に巻かれるように貼付される。外装ラベル4には、撮影レンズ9やファインダ8,カウンタ窓6等を外部に露呈させる開口が形成されており、フイルムユニット2の使用方法や使用上の注意事項等が印刷されている。
【0016】
図2は、フイルムユニットの分解斜視図である。ユニット本体3は、カートリッジ本体、ロール状に巻いた写真フィルム(図示せず)をそれぞれ収納するカートリッジ室18、フィルム室19が形成されたプラスチック製の本体基部20と、本体基部20の前面側にそれぞれ組み付けられる露光ユニット21及びストロボユニット22と、本体基部20の前面、背面にそれぞれ被せられるプラスチック製の前カバー23、後カバー24とから構成されている。露光ユニット21は、シャッタ機構、フィルムカウンタ機構、フィルム巻き止め機構など、写真撮影に必要な部材を組み合わせたもので、本体基部20に対して爪結合により着脱自在に組み付けられている。
【0017】
カートリッジ室18の上部に巻上げノブ12が組み付けられ、これを回動操作することによってフィルム巻き上げを行うことができ、フィルムの給送に連動してカウンタ窓6の下でフィルムカウンタ円板が1歩進する。1コマ分のフィルム給送が行われた時点でフィルム巻き止め機構が作動し、巻上げノブ12がロックされる。
【0018】
また、このフィルム巻き上げ期間中にシャッタ機構によりシャッタチャージが行われる。シャッタボタン5を押すことによってシャッタ羽根が開閉して一回の露光が行われ、巻上げノブ12に対するロックが解除される。そして、上記フイルム巻き上げ操作とシャッタボタンの押圧操作とを繰り返すことによって、露光済のフィルムがカートリッジ本体に巻き込まれてゆく。
【0019】
図3は、基板実装面から見たストロボユニット22の外観斜視図である。ストロボユニット22は、回路基板26,ストロボ発光部10,乾電池17とからなる。回路基板26の下部には、正極接片27と負極接片28とからなる電池ホルダが設けられ、ここにストロボ装置22の電源を成す乾電池17が取り付けられる。回路基板26には、充電用のコンデンサ29が設けられ、規定レベルまで充電されると、回路基板26に組み込まれたLEDが点灯する。その他、基板にはトランジスタ31、発振トランス32、フォトトランジスタ25等が実装されている。
【0020】
本発明では、図3に示すように、回路基板に備えられた貫通穴に回路部品のリード端子を根元まで挿通させ、リード端子の露出部をなくし、かしめ部材によるかしめ固定、リード端子の表面に摩擦面の形成し回路基板の貫通穴への圧入、リード端子にスリーブを圧入し回路基板26の貫通穴への圧入のいずれかを用いて回路部品を回路基板26へ固定することで、回路部品の取り外しの防止と他への転用を防いでいる。
【0021】
図4から図6は本発明によって実装されたメインコンデンサ29の断面図である。図4はかしめ用部材35をかしめることでメインコンデンサ29を固定した回路部品実装基板について説明する。かしめ用部材35は筒形の形状をしており、外径は貫通孔よりも大きく、内径はリード端子33を挿入できる大きさである。回路基板26より突出したリード端子33へかしめ用部材35を挿入し、基板裏面上でかしめ用部材35の内径付近をポンチなどでかしめることにより、かしめ用部材35はリード端子33へ固定され取り外しの防止となっており、その上からハンダ付けされ電気的導通を得ている。したがって、メインコンデンサ29を引っ張られてもハンダ34を溶かされても取り外しが困難である。また、筒形の部材35の長さをリード線33の突出部よりも短くすることで、ハンダのコスト削減と確実な電気的導通を得られる。
【0022】
図5は、リード端子の外側表面を表面加工し、摩擦面を成形することで回路部品を固定した回路部品実装基板について説明する。例えばサンドペーパーやヤスリ等を使用し、リード端子表面を凸凹に荒らす加工を行い凸凹の摩擦面を成形する。この凸凹の摩擦面を有したリード端子36の外径より小さい貫通孔に前記リード端子36を圧入すると、リード端子36の凸凹面が貫通孔の内壁面に食い込み引っ掛かることによって、リード端子36が回路基板26に固定され取り外し防止となっている。
【0023】
図6は多段テーパスリーブ38を使用して回路部品を固定した回路部品実装基板について説明する。図6のように多段テーパスリーブ38をリード端子33に圧入した後、スリーブ付きリード端子を多段テーパスリーブ38の外径より小さい貫通孔に圧入し固定する事で取り外し防止となっている。
【0024】
図4から図6のいずれも、基板裏面において回路パターンとリード端子をハンダ付けし、電気的導通を得ているが、スポット溶着によって行ってもよい。
【0025】
なお本実施例では、かしめ用の部材は筒形の形状としているが、もちろん球形や円錐形などでも良く形状は問わない。また、多段テーパスリーブやリード端子表面形状においても同様に、リード端子と回路基板とが固定され取り外し防止となるものであれば形状は問わない。
【0026】
本発明による前記の固定手段を用いた回路部品実装基板において、基板の機械的強度や回路部品の確実な固定と電気的導通が得られれば、無はんだ実装工程の構築も考えられる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明の回路部品実装基板によれば、かしめ加工や表面加工による摩擦面の成形や、多段テーパスリーブを圧入することによって、回路部品を固定し取り外しを防止することで、回路基板に実装してある高価な回路部品の第三者による取り外しや、部品の転用を防止することができる。
【0028】
また、回路基板に貫通させるリード端子を備えた面と回路基板を接触させることで、回路部品の基板との位置決め精度が向上し、リード端子が短くて済むため材料費のコスト削減にもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズ付きフイルムユニットの外観斜視図である。
【図2】ユニット本体の構成を示す分解図である。
【図3】本発明を実施したストロボユニットの実装基板の斜視図である。
【図4】かしめ加工による基板実装の一例を示す断面図である。
【図5】リード端子の表面を凸凹に荒らした基板実装の一例を示す断面図である。
【図6】多段テーパスリーブを利用した基板実装の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
2 レンズ付きフイルムユニット
3 ユニット本体
10 ストロボ発光部
17 電源電池
21 露光ユニット
22 ストロボユニット
25 フォトトランジスタ
26 回路基板
29 メインコンデンサ
35 かしめ用部材
36 摩擦面を有したリード端子
38 多段テーパスリーブ
Claims (3)
- 少なくとも回路基板の一方の面に回路パターンを形成し、回路部品のリード端子を他方の面側から前記回路基板に形成された貫通穴に根元まで挿通し、前記一方の面側に突出した前記リード端子に、このリード端子を挿入できる貫通穴を備えたかしめ部材を前記一方の面まで挿入し、前記かしめ部材を前記リード端子にかしめ固定し、前記リード端子を前記回路パターン面にはんだ付けした、回路部品実装基板。
- 回路部品のリード端子の外表面を表面加工して摩擦面を形成し、少なくとも一方の面に回路パターンを形成した回路基板の他方の面側から、前記リード端子を前記回路基板に形成された貫通穴に根元まで圧入し、前記一方の面側に突出した前記リード端子を前記回路パターン面にはんだ付けした、回路部品実装基板。
- 回路基板に貫通穴を備え、少なくとも回路基板の一方の面に回路パターンを形成し、断面形状を鋸刃状に形成した側端部を設けたスリーブを、回路部品のリード端子に圧入し、前記スリーブが圧入されたリード端子を前記回路基板の他方の面側から前記貫通穴に根元まで圧入し、前記一方の面側に突出した前期リード端子を前記回路パターン面にはんだ付けした、回路部品実装基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002204758A JP2004047826A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | 回路部品実装基板 |
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JP2013522897A (ja) * | 2010-03-17 | 2013-06-13 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 電気および/または電子モジュールと回路支持体とを有する装置 |
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2002
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JP2013522897A (ja) * | 2010-03-17 | 2013-06-13 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 電気および/または電子モジュールと回路支持体とを有する装置 |
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