JP2004047542A - チップ品質判定方法、チップ品質判定プログラム及びそれを用いたマーキング機構、並びにウエハの異常発生解析方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウエハ1のウエハテスト結果に基づいて、良品チップ4,6,7,8を含む全ての良品チップについて、チップの近傍の設定範囲内にある複数のチップの不良チップ(×印参照)の数を第1指数として算出し、予め設定された第1しきい値としての不良チップ数と第1指数算出ステップで算出した第1指数を比較し、第1指数が第1しきい値以上の場合に判定対象チップである良品チップを不良チップと判定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置(チップとも称す)の製造工程においてウエハ上でチップの品質を判定するためのチップ品質判定方法、チップ品質判定プログラム及びそれを用いたマーキング機構、並びにウエハの異常発生解析方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程において、各工程でのパターン形成後、ウエハ状態でチップごとに電気的特性試験(ウエハテスト)を行なって良不良を判定し、不良品(不良チップ)に印を付けるインク打ち工程がある。当然、不良チップとして印を付けられるチップはウエハテスト結果に依存する。しかし、不良チップがウエハの一部に集中していると、例えウエハテストで良品と判定されたチップであってもその不良集中部に隣接するチップは充分な品質を保証できないことが経験上解っている。よって、不良チップがウエハの一部に集中している場合、品質を維持するためにそのようなウエハは破棄して対応していた。
【0003】
しかし、不良の分布状況によっては充分な品質を保証できるチップが同一ウエハ上に存在することもある。このようなウエハを救済するためにウエハテスト結果を目視により確認し、不良集中部に隣接する良品チップを不良チップとみなし、不良チップを認識するための印を付けている。以下、不良集中部に隣接する良品チップを不良チップとみなして不良チップを認識するために印を付ける作業を追加インク打ちと称す。
【0004】
追加インク打ちの方法には、ウエハに直接インク打ちする方法と、ウエハテスト結果を加工する方法がある。テスト用プローバーのインカー機能を用いる場合は前者の方法を用い、テスト用プローバーのインカー機能を用いないでインク打ち専用のプローバー(以後、マーキングプローバーと称す)を用いてインク打ちする場合は後者の方法を用いる。
【0005】
ウエハに直接インク打ちする方法では、ウエハテスト結果又はインク打ちされたウエハそのものを見ながら品質に問題のありそうなチップに対して追加インク打ち作業が行なわれる。
ウエハテスト結果を加工する方法では、専用のソフトウエア(プログラム)で画面上に展開されたウエハテスト結果のデータを見て、問題のありそうなチップに対して追加インク打ち作業が行なわれる。
【0006】
しかし、品質を保証するためとは言え、どちらの作業も多大な人的工数がかかるのが欠点である。また、問題のありそうなチップの選定は経験を元にした感覚的な判断によって行なわれるので個人差が生じていた。
【0007】
従来技術を調査したところ、ウエハテスト工程に関して特開平8−274139号公報、特開昭60−42664号公報、特開平5−267417号公報、特開平11−233581号公報等があったが、いずれもウエハテスト工程のスループットを上げるための抜き取り検査に関するものであり、追加インク打ちに関するものはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
半導体装置は様々な工程を経て製品となる。その様々な工程で処理される際の様々な異常が歩留り低下や品質低下を招く要因となっている。異常には様々な形態があり、例えば写真製版工程のステッパによるショット範囲内露光不足のように異常の影響がチップの区切れに依存するものもあるが、大半はエッチング工程での異常放電に起因するようなチップの区切れに依存しないものである。また、チップの区切れに依存しない異常の大半が異常中心から離れるほど異常の影響が少なくなる傾向がある。
【0009】
通常、各工程での処理完了後、不良チップを取り除くためにウエハテストが行なわれる。ウエハテストは各工程で発生した異常の影響を受けたチップを組立て工程で取り除くために印を付けるために行なわれる。
【0010】
ウエハテストで不良チップと判定された場合、その原因が先に述べたチップの区切れに依存する異常であり、依存すべきチップの区切れで合否が別れていれば、隣接する良品チップは異常の影響を受けていないので品質は保証される。
【0011】
しかし、不良と判定された原因が先に述べたチップの区切れに依存しない異常の場合、隣接する良品チップは異常の影響を受けている可能性があるので品質を保証できないことがある。このように、ウエハテスト結果のみに基づいて、品質を保証できる製品のみを出荷しようという考えには無理がある。
【0012】
そこで従来、製造過程で異常を発見した場合、異常の程度にもよるが、上述したように品質を保証するためにウエハごと破棄していた。また、ウエハテスト工程においても不良チップが集中分布しているウエハは破棄していた。これにより製品の品質は保証されるが、ウエハの破棄による損失は免れない。また、この損失は近年のウエハ大口径化にともなって大きくなる傾向にある。
【0013】
一方、ウエハを破棄すると受注数の確保が困難になるような状況においては、製造過程で異常を発見した場合、異常状況を詳細に示した報告書を作成し、ウエハはそのまま処理を続行している。ウエハテストを行なった後、作業者の経験的な判断により異常の影響を受けている可能性が高いと推定されるチップがウエハテストにおいて良品チップと判定されている場合には、その良品チップに対して追加インク打ちを行なって除去するようにしている。また、作業者の経験的な判断により不良チップが集中分布していると判断されたウエハには、ウエハテスト工程において、不良チップの集中分布に隣接する良品チップに追加インク打ちを行なって除去するようにしている。
【0014】
これにより品質は保証されるが、追加インク打ちを行なうために作業者により行なわれる問題のありそうなチップの選定は経験を元にした感覚的な判断によって行なわれるので個人差が生じるという問題があった。さらに、問題のありそうなチップの選定には多大な人的工数が必要であり、この人的工数はウエハ大口径化にともない増大する傾向にある。
【0015】
本発明の第1の目的は、一部に不良チップがあるウエハにおいて品質を保証しつつチップの品質を判定することができるチップ品質判定方法及びそのプログラム、並びにマーキング機構を提供することである。
本発明の第2の目的は、本発明のチップ品質判定方法で得られる情報を利用してウエハの異常発生を解析する方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のチップ品質判定方法の第1局面は、ウエハテスト結果に基づいて、判定対象チップの近傍の設定範囲内にある複数のチップについて不良チップ数、良品チップ数、不良率又は良品率を第1指数として算出する第1指数算出ステップ、及び予め設定された第1しきい値と上記第1指数を比較して判定対象チップの品質を判定する判定ステップを含む。
【0017】
経験上、判定対象チップの近傍にある不良チップが多いほど、判定対象チップの品質が低下することが解っている。第1指数として不良チップ数又は不良率を用いた場合、判定対象チップの近傍の設定範囲内にある不良チップが多いほど、第1指数は大きくなる。第1指数として良品チップ数又は良品率を用いた場合、判定対象チップの近傍の設定範囲内にある不良チップが多いほど、第1指数は小さくなる。判定ステップにおいて、適当な値に設定した第1しきい値と第1指数算出ステップで得られた第1指数を比較することにより、判定対象チップの品質を判定することができる。
【0018】
チップ品質判定方法の第1局面において、上記設定範囲として、例えば判定対象チップを取り囲む8個のチップを挙げることができる。その他、例えば判定対象チップを中心とした5×5個のチップ等を挙げることができる。ただし、上記設定範囲はこれらに限定されるものではない。
【0019】
チップ品質判定方法の第1局面において、判定対象チップは良品チップのみであることが好ましい。その結果、ウエハテスト結果で良品チップと判定されたチップについてのみ第1指数の算出及び品質の判定を行なうことにより、判定対象チップの個数を減らすことができ、処理時間を短縮することができる。
【0020】
本発明のチップ品質判定方法の第2局面は、ウエハテスト結果に基づいて、判定対象チップの近傍の設定範囲内にある複数のチップについて不良チップ数、良品チップ数、不良率又は良品率を第1指数として算出する第1指数算出ステップ、上記設定範囲内又は上記設定範囲とは異なる設定範囲内で、上記第1指数として不良チップ数又は不良率を用いる場合は最大の上記第1指数、上記第1指数として良品チップ数又は良品率を用いる場合は最小の上記第1指数を第2指数として算出する第2指数算出ステップ、及び予め設定された第2しきい値と上記第2指数を比較して判定対象チップの品質を判定する判定ステップを含む。
【0021】
第2指数は、設定範囲内にある最も大きな集中不良分布を表す。第1指数として不良チップ数又は不良率を用いた場合、判定対象チップの近傍の設定範囲内にある不良チップが多いほど第1指数は大きくなるので、第2指数も大きくなる。第1指数として良品チップ数又は良品率を用いた場合、判定対象チップの近傍の設定範囲内にある不良チップが多いほど第1指数は小さくなるので、第2指数も小さくなる。判定ステップにおいて、適当な値に設定した第2しきい値と第2指数算出ステップで得られた第2指数を比較することにより、判定対象チップの品質を判定することができる。
【0022】
チップ品質判定方法の第2局面において、上記判定ステップは、予め設定された第1しきい値と上記第1指数を比較し、上記第1しきい値と上記第1指数の比較結果、及び上記第2しきい値と上記第2指数の比較結果に基づいて判定対象チップの品質を判定することが好ましい。その結果、判定精度を向上させることができる。
【0023】
チップ品質判定方法の第1局面及び第2局面において、上記第1指数算出ステップで、上記第1指数として不良チップ数を用い、上記設定範囲内に仮想チップ領域があるときは予め設定された指数値を仮想チップ領域の個数分だけ加算して、又は上記第1指数として良品チップ数を用い、上記設定範囲内に仮想チップ領域があるときは予め設定された指数値を仮想チップ領域の個数分だけ減算して、上記第1指数を算出することが好ましい。その結果、判定精度を向上させることができる。
本明細書において、仮想チップ領域とは、設定範囲に含まれるがレイアウト上存在しないチップに対応する領域を言う。
【0024】
さらに、上記第1指数算出ステップは、複数のウエハで不良チップが多発する不良チップ多発範囲内にあるチップを良品チップ又は仮想チップ領域として上記第1指数を算出することが好ましい。その結果、判定精度を向上させることができる。
【0025】
さらに、上記第1指数算出ステップの前に、ウエハテスト結果に基づいて、各不良チップについて、対象不良チップに隣接する不良チップがあるか否かを判定する隣接不良チップ検出ステップを含み、上記第1指数算出ステップは、上記隣接不良チップ検出ステップで隣接する不良チップがないと判定された不良チップを良品チップ又は仮想チップ領域として上記第1指数を算出することが好ましい。その結果、判定精度を向上させることができる。本明細書において、特定のチップに隣接するチップとは、その特定のチップを取り囲む8個のチップを言う。
【0026】
本発明のチップ品質判定方法の第3局面は、ウエハテスト結果に基づいて、座標上での連続性に基づいて不良チップを不良グループに分別する不良チップ分別ステップ、上記不良グループについて、その不良グループに属する不良チップ数と予め設定された不良チップ数しきい値を比較し、上記不良チップ数が上記不良チップ数しきい値以上のとき又は上記不良チップ数しきい値よりも大きいときに、その不良グループを集中不良分布と判定する集中不良分布判定ステップ、及び上記集中不良分布に属する不良チップから所定範囲内にあるチップを不良チップと判定する判定ステップを含む。
【0027】
座標上での連続性に基づいて不良チップを不良グループに分別する際の不良チップの座標上での連続性は、ある不良チップを取り囲む8個のチップに不良チップがあるか否かで判断する。例えばキズ等の線形の集中不良分布の場合、キズの周辺に剥がれたパターンが散乱していることが多く、その剥がれたパターンはチップの品質低下を招くことがある。そこで、集中不良分布に属する不良チップから所定範囲内にあるチップを不良チップと判定することにより、良品チップの品質を保証することができる。ここで上記所定範囲としては、例えば集中不良分布に属するいずれかの不良チップに隣接するチップを挙げることができる。
【0028】
品質判定方法の第3局面において、上記集中不良分布判定ステップは、上記不良グループについて、不良チップが分布する座標上の方形範囲を求めて、上記方形範囲の長い方の辺のチップ数が上記方形範囲内のチップ数に対して予め定められた割合より大きい場合、上記方形範囲において短い方の辺のチップ数が長い方の辺のチップ数に対して予め定められた割合より小さい場合、上記方形範囲での長い方の辺のチップ数が短い方の辺のチップ数に対して予め定めた割合より大きい場合、上記方形範囲内での不良チップの割合が予め定められた割合より小さい場合、又は上記方形範囲での良品チップの割合が予め定めた割合より大きい場合、その不良グループを集中不良分布と判定することが好ましい。その結果、線形の集中不良分布を検出することができる。線形の集中不良分布はキズによるものが多いので、キズにより剥がれたパターンに起因して品質低下の影響を受けている可能性があるチップを不良チップと判定することができる。
【0029】
さらに、上記不良チップ分別ステップは、複数のウエハで不良チップが多発する不良チップ多発範囲内にあるチップを良品チップとして不良チップの不良グループ分別を行なうことが好ましい。その結果、不良チップ多発範囲を集中不良分布として誤って検出するのを防止することができ、判定精度を向上させることができる。
【0030】
さらに、上記不良チップ分別ステップの前に、ウエハテスト結果に基づいて、各不良チップについて、対象不良チップに隣接する不良チップがあるか否かを判定する隣接不良チップ検出ステップを含み、上記不良チップ分別ステップは、上記隣接不良チップ検出ステップで隣接する不良チップがないと判定された不良チップを良品チップとして不良チップの不良グループ分別を行なうことが好ましい。その結果、不良チップ分別ステップにおいて連続性を判断すべき不良チップ数を低減することができ、処理時間を短縮することができる。
【0031】
本発明のチップ品質判定方法の第4局面は、ウエハテスト結果及び写真製版工程でのショットレイアウト情報に基づいて、ショット範囲ごとにショット範囲内の複数のチップについて不良チップ数、良品チップ数、不良率又は良品率を第3指数として算出する第3指数算出ステップ、及び予め設定された第3しきい値と上記第3指数を比較して上記ショット範囲ごとにチップの品質を判定する判定ステップを含む。
【0032】
1ショット範囲内に不良チップが集中分布している場合、不良の原因は写真製版工程でのそのショット範囲に対する露光不良や、そのショット範囲に対応するウエハ裏面への異物の付着等が不良の原因であることが多い。そのような場合、同一ショット範囲内に良品チップがあったとしても品質に問題がある可能性が高い。ショット範囲ごとにショット範囲内の複数のチップについて不良チップ数等の第3指数を算出し、予め設定された第3しきい値と第3指数を比較することにより、ショット範囲ごとにチップの品質を判定することにより、露光不良等に起因して品質に問題がある可能性が高い良品チップを不良チップと判定することができ、チップの品質を保証することができる。
【0033】
チップ品質判定方法の第4局面において、上記判定ステップで不良ショット範囲と判定されたショット範囲に隣接する複数のチップについて不良チップ数、良品チップ数、不良率又は良品率を第4指数として算出する第4指数算出ステップ、及び予め設定された第4しきい値と上記第4指数を比較して上記ショット範囲に隣接するチップの品質を判定する判定ステップを含むことが好ましい。ここで不良ショット範囲とは、ショット範囲内に一定個数以上の不良チップがあるショット範囲をいう。
【0034】
不良ショット範囲に隣接するチップにおいては、不良ショットの原因の影響を受けている可能性がある。そこで、不良ショット範囲に隣接する複数のチップについて不良チップ数等の第4指数を算出し、予め設定された第4しきい値と第4指数を比較して不良ショット範囲に隣接する複数のチップが不良ショットの原因の影響を受けているか否かを判定することにより、不良ショットの原因の影響を受けている可能性が高い良品チップを不良と判定することができ、チップの品質を保証することができる。
【0035】
本発明のチップ品質判定方法の第5局面は、ウエハテスト結果及び写真製版工程でのショットレイアウト情報に基づいて、複数のショット範囲においてショット範囲内レイアウト位置ごとに不良チップ数、良品チップ数、不良率又は良品率を第5指数として算出する第5指数算出ステップ、及び予め設定された第5しきい値と上記第5指数を比較して上記ショット範囲内レイアウト位置ごとにチップの品質を判定する判定ステップを含む。ここでショット範囲内レイアウト位置とは複数のチップ領域を含むショット範囲内でのあるチップ領域をいう。
【0036】
写真製版工程でのショット範囲内特定部分の露光不良等が原因で、複数のショット範囲において特定のショット範囲内レイアウト位置に不良チップが発生することがある。この場合、不良チップがある基準以上の割合で発生しているショット範囲内レイアウト位置においてはウエハテストで良品チップと判定されていても品質に問題がある可能性がある。そこで、複数のショット範囲においてショット範囲内レイアウト位置ごとに不良チップ数等の第5指数を算出し、ショット範囲内レイアウト位置ごとに予め設定された第5しきい値と第5指数を比較して露光不良等に起因する特定のショット範囲内レイアウト位置での不良を判定することにより、ショット範囲内特定部分の露光不良等が原因で品質に問題がある可能性が高い良品チップを不良チップと判定することができ、チップの品質を保証することができる。
【0037】
本発明のチップ品質判定方法の第6局面は、ウエハテスト結果に基づいて、複数のウエハで不良チップが多発する不良チップ多発範囲内にあるチップについて不良チップ数、良品チップ数、不良率又は良品率を第6指数として算出する第6指数算出ステップ、及び予め設定された第6しきい値と上記第6指数を比較して上記不良チップ多発範囲内にあるチップの品質を判定する判定ステップを含む。
【0038】
ある特定の製品において、毎ロット及び毎ウエハにおいて特定範囲内で不良チップが多発することがある。本明細書ではこのような特定範囲を不良チップ多発範囲と称す。不良チップ多発範囲内に、ある基準以上の不良チップがある場合、ウエハテストで良品チップと判定されても品質に問題がある可能性がある。そこで、不良チップ多発範囲内にあるチップについて不良チップ数等の第6しきい値を算出し、予め設定された第6しきい値と上記第6指数を比較することにより、不良チップ多発範囲内にある基準以上の不良チップがある場合にその不良チップ多発範囲内の良品チップを不良チップと判定することができ、チップの品質を保証することができる。
【0039】
チップ品質判定方法の第1局面及び第2局面において、上記第1指数算出ステップで、チップ品質判断方法の第4局面、第5局面又は第6局面により不良チップと判定された良品チップ及び判定材料として用いた不良チップを良品チップ又は仮想チップ領域として上記第1指数を算出することが好ましい。その結果、チップ品質判定方法の第1局面及び第2局面において、判定精度を向上させることができる。
【0040】
チップ品質判定方法の第3局面において、上記不良チップ分別ステップで、チップ品質判断方法の第4局面、第5局面又は第6局面により不良チップと判定された良品チップ及び判定材料として用いた不良チップを良品チップとして不良チップの不良グループ分別を行なうことが好ましい。その結果、チップ品質判定方法の第3局面において、判定精度を向上させることができ、さらに処理時間を短縮することができる。
【0041】
上記隣接不良チップ検出ステップを含むチップ品質判定方法の第1局面、第2局面及び第3局面において、上記隣接不良チップ検出ステップで、チップ品質判断方法の第4局面、第5局面又は第6局面により不良チップと判定された良品チップ及び判定材料として用いた不良チップを良品チップとして、対象不良チップに隣接する不良チップがあるか否かを判定することが好ましい。その結果、チップ品質判定方法の第1局面、第2局面及び第3局面の隣接不良チップ検出ステップにおいて、判定精度を向上させることができ、さらに処理時間を短縮することができる。
【0042】
本発明のチップ品質判定方法において、ウエハ上の領域を領域分けし、領域ごとに異なる第1しきい値、第2しきい値、第3しきい値、第4しきい値、第5しきい値、第6しきい値、又は不良チップ数しきい値を用いることが好ましい。その結果、例えばウエハの外周側では中心側に比較してチップの品質に問題が起こることが多いが、このような場合にウエハの中心側と外周側とで異なるしきい値を用いてチップの品質を判定することができ、判定の信頼性を向上させることができる。
【0043】
本発明のチップ品質判定方法で用いるウエハテスト結果として、最終的なウエハテスト結果、テスト項目ごとの複数のウエハテスト結果、又は複数のテスト項目を含むテスト項目グループごとの複数のウエハテスト結果を挙げることができる。
【0044】
一般的に同一製造工程の同一異常の場合、ほとんど同じテスト項目で不良と判定される傾向がある。よって、本発明のチップ品質判定方法においてウエハテストのテスト項目ごとに判定を行なった方が判定精度を向上させることができる場合がある。しかし、テスト項目ごとの処理は時間がかかりすぎ、また、複数のテスト項目がある場合、ウエハテストにかかる時間を短縮するために通常はあるテスト項目で不良と判定された時点で以後のテスト項目についてはテストされない。そこで、テスト項目をグループ化し、テスト項目グループごとのウエハテスト結果を本発明のチップ品質判定方法に用いるようにしてもよい。テスト項目のグループ化については項目の重複があってもよい。むしろ項目を重複させることにより不良と判定された時点で以後の項目についてはテストされないことによる不具合を緩和できる。
【0045】
本発明のチップ品質判定プログラムは、本発明のチップ品質判定方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのものである。これにより、コンピュータを用いて本発明のチップ品質判定方法を実施することができ、従来、問題のありそうなチップの選定に割いていた多大な人的工数をなくすことができ、さらに作業者の経験に頼っていた判断基準を改善できる。
【0046】
本発明のマーキング機構は、ウエハの目的の位置に印を付けるためのマーキング部と、上記マーキング部の動作を制御するための制御部を備え、上記制御部は本発明のチップ品質判定プログラムを備えており、本発明のチップ品質判定プログラムが不良チップと判定したチップに対応するウエハ位置に印を付けるように上記マーキング部を動作させるものである。
これにより、しきい値等の判定条件を予め入力しておけば、一部に不良チップがあるウエハにおいて品質を保証しつつチップの品質を判定し、不良チップと判定されたチップに対して自動で印を付けることができる。
【0047】
本発明のウエハの異常発生解析方法の第1局面は、本発明のチップ品質判定方法で得られる第1指数情報、第2指数情報、集中不良分布情報、第3指数情報、第4指数情報、第5指数情報、もしくは第6指数情報、又はこれらの組合せを複数のウエハについて収集し、その収集情報に基づいて、ウエハ上で不良チップが発生しやすい個所を特定する。
【0048】
本発明のチップ品質判定方法で得られる各情報は不良分布を表すものであり、チップの座標情報と合わせると位置的なものまで確定できる。したがって、本発明のチップ品質判定方法で得られる情報を用いることにより、ウエハ上で不良チップが発生しやすい個所を特定することができる。
【0049】
本発明のウエハの異常発生解析方法の第2局面は、本発明のチップ品質判定方法で得られる第1指数情報、第2指数情報、集中不良分布情報、第3指数情報、第4指数情報、第5指数情報、もしくは第6指数情報、又はこれらの組合せを複数のウエハについて収集し、さらに各ウエハについて製造工程における処理履歴情報もしくは処理装置情報又はその両方を収集し、それらの収集情報に基づいて、不良発生工程又は不良発生処理装置を究明する。
【0050】
本発明のチップ品質判定方法で得られる各情報は不良分布を表すものであり、チップの座標情報と合わせると位置的なものまで確定できる。したがって、本発明のチップ品質判定方法で得られる情報と製造工程における処理履歴情報を用いることにより不良発生工程を究明することができる。また、本発明のチップ品質判定方法で得られる情報と処理装置情報を用いることにより、不良発生処理装置を究明することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図示例とともに説明する。本発明は一部に不良チップがあるウエハを救済するために行なう追加インク打ちにおいて、品質を保証しつつチップの品質を判定する方法であり、コンピュータを用いてそのチップ品質判定方法をシステム化することによりウエハ破棄による損失や多大な人的工数を犠牲にせずに製品の品質を保証する。まず、追加インク打ち対象チップ、つまり、品質に問題がある可能性があるチップのチップ品質判定方法から説明する。このチップ品質判定方法には様々な方法があるのでそれぞれ説明を行なう。
【0052】
図1(A)はウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示し、(B)は本発明のチップ品質判定方法の第1局面の第1指数算出ステップで算出した各チップの第1指数Aを示す。図1は本発明のチップ品質判定方法の第1局面の一実施例を説明するための図である。
【0053】
ウエハ1上に例えば120個のチップが縦横に配置されている。各チップはX座標情報2、Y座標情報3によりウエハ1上での位置が明確になっている。例えば良品チップ4は座標(14,11)の位置にある。ウエハテスト結果で良品チップと判定されたチップは良品チップ4のように無印、不良チップと判定されたチップは不良チップ5のように×印で示されている。
【0054】
図1(A)に示したように不良チップが分布している場合、経験上、追加インク打ちの対象となる良品チップは、良品チップ6や良品チップ7のように、隣接するチップに不良チップが多いチップである。良品チップ8も良品チップ7と同様に隣接するチップに不良チップが3つあるが、良品チップ7とは違い、隣接するチップに良品が4つあるので追加インク打ちの対象外となる。
【0055】
経験的ではなく機械的に追加インク打ち対象チップの判定(チップ品質判定)を行なうために、座標情報とウエハテスト結果に基づいて、判定対象チップの第1指数Aを求める。例えば第1指数Aの算出に用いる判定対象チップの近傍の設定範囲を、判定対象チップを取り囲む8個のチップとし、その8個のチップに含まれる不良チップ数を第1指数Aとして求める(第1指数算出ステップ)。ここでは処理時間を短縮すべく、良品チップに対してのみ第1指数Aを算出した。ただし、不良チップを含む全てにチップに対して第1指数Aを算出してもよい。
【0056】
例えば図1の良品チップ6に隣接するチップは図2に示す8個のチップである。良品チップ6については隣接する8個のチップに不良チップが6個あるので、良品チップ6の第1指数Aは「6」になる。
【0057】
ウエハ1上の全ての良品チップに関して、個々に第1指数Aを求めた結果を図1(B)に示す。なお、ウエハ1の外周近傍で、取り囲むチップ数が8個でないチップ、例えば取り囲むチップ数が3個の良品チップ7や、取り囲むチップ数が7個の良品チップ8があるが、そのようなチップに対しても単純に不良チップ数を求め、第1指数Aとしている。
【0058】
各チップにおいて第1指数Aは隣接する不良チップが多いほど高くなる。経験上、隣接するチップに不良チップが多いほど品質が低下することが解っているので、第1指数Aに対して第1しきい値Aを設定し、第1指数Aが第1しきい値A以上であった場合、その良品チップの品質が低いと判断することができる(判定ステップ)。
【0059】
例えば、しきい値を「4」とすれば、第1指数Aが「4」以上の良品チップを不良チップと判定し、追加インク打ち対象チップとする。経験上追加インク打ちの対象となるべき良品チップ6は第1指数Aが「6」なので、追加インク打ち対象チップになる。このような第1指数算出ステップ及び判定ステップの処理は、コンピュータを用いて機械的に行なうことができる。
【0060】
しかし、経験上追加インク打ちの対象となるべき良品チップ7に関しては第1指数Aが「3」であるので良品チップと判定され、追加インク打ちの対象外になってしまう。第1しきい値Aを変更して、第1指数Aが「3」以上のチップを対象にしようとすると、本来追加インク打ちの対象とはならない良品チップ8が追加インク打ちの対象になってしまう。これは第1指数Aを求める際のレイアウト上の不具合である。
【0061】
この不具合は第1指数Aに取り囲むチップ中の不良チップ数ではなく、例えば取り囲むチップ中の不良チップの割合(不良率)を用いることにより克服することができる。例えば不良率である第1指数Aが50%以上のチップを追加インク打ちの対象とすれば、図1の良品チップ7は第1指数Aが100%なので、追加インク打ちの対象とすることができる。
【0062】
また、判定対象チップの近傍の設定範囲内に、仮想チップ領域がある場合に補償を行なう方法もある。つまり、設定範囲内のチップが不良チップの時だけでなく、仮想チップ領域である時にも第1指数Aを加算するようにする。
例えば、図1(B)の第1指数Aに対して、仮想チップ領域ごとに0.5だけ第1指数Aを加算して第1指数Aを求めた結果を図3に示す。
【0063】
図4に示した第1指数Aに対して第1しきい値Aを「4」に設定すると、良品チップ6、良品チップ7を追加インク打ちの対象とすることができるとともに、良品チップ8を追加インク打ちの対象外とすることができる。
【0064】
以下、良品チップを取り囲む不良チップ数により求めた第1指数Aに基づいて各良品チップの品質を判定するチップ品質判定方法をアルゴリズム1Aと称する。
アルゴリズム1Aを図4のフローチャートを用いて説明すると次の通りである。
【0065】
各チップの座標情報とウエハテスト結果情報を読み込み(ステップS1)、各チップの座標情報及びウエハテスト結果情報に基づいて第1指数Aを算出し(ステップS2)、第1指数Aと第1しきい値Aを比較して追加インク打ち判定を行なって追加インク打ち対象チップを特定する(ステップS3)。
【0066】
ウエハテスト結果を修正し、特定された追加インク打ち対象チップを含むウエハ全体のマーキングデータ又は特定された追加インク打ち対象チップのみのマーキングデータからなる修正ウエハテスト結果を作成する(ステップS4)。作成されたマーキングデータはマーキング機構を備えたテスター又はマーキングプローバーに送られ、インク打ちが実施される。
【0067】
なお、アルゴリズム1Aにおいて、製品の種類や生産ラインの工程能力に応じて、第1しきい値Aの数値や、第1指数Aとして不良チップ数を用いた場合の仮想チップ領域の補償度合いを変更してもよい。また、第1指数Aとして不良チップ数及び不良率のほか、設定範囲内のチップの良品チップ数や良品率を用いてもよい。第1指数Aとして良品チップ数を用いる場合、設定範囲内に仮想チップ領域があるときは予め設定された指数値を仮想チップ領域の個数分だけ減算して第1指数Aを算出する。
【0068】
図5(A)はウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示し、(B)は本発明のチップ品質判定方法の第1局面の第1指数算出ステップで算出した各チップの第1指数Bを示す。図5は本発明のチップ品質判定方法の第1局面の他の実施例を説明するための図である。
【0069】
ウエハ1上に例えば120個のチップが縦横に配置されている。各チップはX座標情報2、Y座標情報3によりウエハ1上での位置が明確になっている。例えば良品チップ4は座標(14,11)の位置にある。ウエハテスト結果で良品チップと判定されたチップは良品チップ4のように無印、不良チップと判定されたチップは不良チップ9のように×印で示されている。
【0070】
経験上、図5(A)に示したように不良チップが分布している場合、追加インク打ちの対象となるチップは座標(X,Y)が(8,6),(8,8),(9,5),(9、9),(11,5),(11,9),(12,6),(12,8)というように、集中した不良分布を囲む8個のチップ、又はさらに大きく囲むチップとなる。なお、作業者が追加インク打ち対象チップを判定する場合は、(7,12),(8,11),(9,12),(11,12)の不良チップは単独で分布しているものと判断し、追加インク打ち対象チップ検討の際考慮しない。
【0071】
経験的ではなく機械的に追加インク打ち対象チップの判定を行なうために、座標情報とウエハテスト結果に基づいて、判定対象チップの第1指数Bを求める。例えば第1指数Bの算出に用いる判定対象チップの近傍の設定範囲を、判定対象チップを中心する25チップ(5×5チップ)とし、その25個のチップに含まれる不良チップ数を第1指数Bとして求める(第1指数算出ステップ)。ここでは不良チップを含む全てのチップに対して第1指数Bを算出した。ただし、良品チップに対してのみ第1指数Bを算出してもよい。
【0072】
例えば図5の良品チップ10に対する設定範囲は図6に示す25チップである。この25チップの中に不良チップが6個あるので、良品チップ10の第1指数Bは「6」になる。不良チップを含むウエハ1上の全てのチップに関して、個々に第1指数Bを求めた結果を図5(B)に示す。なお、ウエハ1の外周近傍で設定範囲内のチップ数が25個でないチップ、例えば設定範囲内のチップ数が9個の良品チップ4があるが、そのようなチップに対しても単純に設定範囲内の不良チップ数を求め、第1指数Bとしている。図5(B)においては不良チップの位置を理解しやすくするために、不良チップには例えば不良チップ9のようにシボを記した。
【0073】
第1指数Bは設定範囲内に不良チップが多いほど高くなる。経験上、不良チップが密集する範囲に近いチップほど品質が低下することが解っているので、第1指数Bが第1しきい値B以上であった場合、その良品チップの品質が低いと判断することができる。
【0074】
例えば第1しきい値Bを「8」に設定すれば、第1指数Bが「8」以上の良品チップを不良チップと判定し、追加インク打ち対象チップとする(判定ステップ)。先に述べた、経験上追加インク打ちの対象となるべき8個のチップ(8,6),(8,8),(9,5),(9、9),(11,5),(11,9),(12,6),(12,8)はいずれも第1指数Bが「8」以上なので、追加インク打ち対象チップになる。
【0075】
以下、判定対象チップの近傍の設定範囲内の不良チップ数により求めた第1指数Bに基づいて各良品チップの品質を判断するチップ品質判定方法をアルゴリズム1Bと称する。
アルゴリズム1Bを図7のフローチャートを用いて説明すると次の通りである。
【0076】
各チップの座標情報とウエハテスト結果情報を読み込み(ステップS11)、各チップにおいて設定範囲内のチップの座標情報及びウエハテスト結果情報に基づいて第1指数Bを算出し(ステップS12)、第1指数Bと第1しきい値Bを比較して追加インク打ち判定を行なって追加インク打ち対象チップを特定する(ステップS13)。
【0077】
ウエハテスト結果を修正し、特定された追加インク打ち対象チップを含むウエハ全体のマーキングデータ又は特定された追加インク打ち対象チップのみのマーキングデータからなる修正ウエハテスト結果を作成する(ステップS14)。作成されたマーキングデータはマーキング機構を備えたテスター又はマーキングプローバーに送られ、インク打ちが実施される。
【0078】
アルゴリズム1Bで用いる第1指数Bは、設定範囲内にあるチップに対する不良チップの割合(不良率)であってもよい。不良率を用いた場合、アルゴリズム1Aと同様に、仮想チップ領域が設定範囲内に含まれるウエハ外周近傍のチップに対する不具合を改善することができる。
【0079】
また、仮想チップ領域に関して、アルゴリズム1Aのように補償を行なってもよい。ただし、現実問題としては、アルゴリズム1Bにおいて、仮想チップ領域の補償処理を行なうよりも、アルゴリズム1Aにおいて仮想チップ領域の補償処理を行なって第1指数Aを求め、第1指数Aとアルゴリズム1Bで求めた第2指数Bを組み合わせて用いた方がデータの処理速度が早く、追加インク打ち対象チップの検出精度(判定精度)も高い。
【0080】
なお、アルゴリズム1Bにおいて、製品の種類や生産ラインの工程能力に応じて、第1しきい値Bの数値や、第1指数Bとして不良チップ数を用いた場合の仮想チップ領域の補償度合いを変更してもよい。また、第1指数Bとして不良チップ数及び不良率のほか、設定範囲内のチップの良品チップ数や良品率を用いてもよい。
【0081】
図5(B)の第1指数Bにおいて、第1指数Bのしきい値を「8」とすると、座標(9,10)に位置するチップも第1指数Bが「8」であり、追加インク打ち対象チップになる。これはアルゴリズム1Bを適用するに際に無視すべき座標(7,12),(8,11),(9,12),(11,12)の不良チップの影響を受けたためである。
【0082】
このような問題を解決する方法として、本発明のチップ品質判定方法の第2局面の一実施例を説明する。
追加インク打ち対象チップの判定精度を高めるために、座標情報と第1指数Bに基づいて各チップに対して設定範囲内にある最大の第1指数Bを第2指数として求める(第2指数算出ステップ)。この実施例では、設定範囲として判定対象チップを中心する25チップ(5×5チップ)の範囲を用いた。
【0083】
例えば図5の良品チップ10に対する設定範囲は図8に示す25チップである。図8は良品チップ10の設定範囲内における各チップの第1指数Bを示す。図8をみて分かるように、良品チップ10に対する設定範囲内にある最大の第1指数Bは「13」である。よって、良品チップ10の第2指数は「13」になる。
【0084】
図9にウエハ1の全てのチップに関して第2指数を求め結果を示す。図9においては不良チップの位置を理解しやすくするために、不良チップには例えば不良チップ9のようにシボを記した。なお、ウエハ1の外周近傍のチップで設定範囲内に仮想チップ領域を含む場合は、仮想チップ領域を除く設定範囲内のチップで最大の第1指数Bを第2指数としている。
【0085】
第2指数にしきい値(第2しきい値)を設けて、第2指数が第2しきい値以上の良品チップを不良チップと判定し、追加インク打ち対象チップとする(判定ステップ)。
【0086】
図9に示した第2指数は各チップの設定範囲内にある最も大きな集中不良分布を表している。つまり、第2指数が高い場合、そのチップの設定範囲内には大きな集中不良分布があることになる。
以下、各チップについて設定範囲内の第1指数Bにより求めた第2指数に基づいて各良品チップの品質を判断する手法をアルゴリズム2と称する。
【0087】
アルゴリズム2は第2指数にしきい値(第2しきい値)を設けて単体でも使用できるが、追加インク打ち対象チップの検出精度はあまり高くない。そこで、アルゴリズム1Bの第1指数Bとアンド条件で用いるのが好ましい。ここでアンド条件とは、2以上の条件の全てを満たす場合に条件を満たしたと判定することをいう。
【0088】
例えば、図5(A)に示したウエハテスト結果の場合、図5(B)に示した第1指数Bが「8」以上で、かつ図9に示した第2指数が「13」以上の良品チップを追加インク打ち対象チップとする。その結果、集中した不良分布を囲む座標(8,6),(8,8),(9,5),(9、9),(11,5),(11,9),(12,6),(12,8)の8個のチップを追加インク打ちの対象に、座標(9,10)のチップを追加インク打ちの対象外にして判定できる。
【0089】
アルゴリズム1Bとアルゴリズム2をアンド条件で用いるチップ品質判定方法を図10のフローチャートを用いて説明すると次の通りである。
各チップの座標情報とウエハテスト結果情報を読み込む(ステップS21)。
【0090】
アルゴリズム1Bにより各チップにおいて設定範囲内のチップのウエハテスト結果情報に基づいて第1指数Bを算出する(ステップS22)。
アルゴリズム2により、各チップにおいて設定範囲内の最大の第1指数Bを第2指数として求める(ステップS23)。
【0091】
各チップについて、第1指数Bと第1しきい値Bを比較し、かつ第2指数と第2しきい値を比較し、アンド条件で追加インク打ち判定を行なって追加インク打ち対象チップを特定する(ステップS24)。
【0092】
ウエハテスト結果を修正し、特定された追加インク打ち対象チップを含むウエハ全体のマーキングデータ又は特定された追加インク打ち対象チップのみのマーキングデータからなる修正ウエハテスト結果を作成する(ステップS25)。作成されたマーキングデータはマーキング機構を備えたテスター又はマーキングプローバーに送られ、インク打ちが実施される。
【0093】
図11(A)はウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示し、(B)は本発明のチップ品質判定方法の第3局面の一実施例による判定結果を示す。
ウエハ1上に120個のチップが縦横に配置されている。各チップはX座標情報2、Y座標情報3によりウエハ上の位置が明確になっている。例えば良品チップ4は座標(14,11)の位置にある。ウエハテスト結果で良品チップと判定されたチップは良品チップ4のように無印、不良チップと判定されたチップは不良チップ11のように×印で示されている。
【0094】
図11に示される不良チップは線形に分布している。このような分布(線形の集中不良分布)をした不良の原因は製造過程でのキズによるものが多く、キズの周辺には剥がれたパターンが散乱していることが多い。剥がれたパターンを含むチップはウエハテストで不良チップと判断されることもあるが、ウエハテストでは不良チップと判断されない欠陥にとどまることもある。つまり、品質に疑いのある良品チップになる可能性がある。そこで、経験上、線形の集中不良分布を発見した場合、図11(B)に○印で示すように、線形の集中不良分布のいずれかの不良チップに隣接するチップ、すなわち線形の集中不良分布を取り囲むチップを追加インク打ちの対象にしている。
【0095】
経験的ではなく機械的に追加インク打ち対象チップの判定を行なうためには、まず座標情報とウエハテスト結果に基づいて、連続する不良チップごとにグループ分けする必要がある。ウエハ内の各不良チップについて隣接する不良チップの存在の確認を行なって連続性を確認し、各不良チップがどの不良グループに属すかを明確にする(不良チップ分別ステップ)。
【0096】
次に、追加インク打ちの検討が必要な程度の不良の分布であるかの判定を行なう。例えば不良チップ数しきい値を5個とし、不良グループが不良チップを5個以上含むか否かによって集中不良分布を判定する。さらに、集中不良分布の線形性の判定を行なう(集中不良分布判定ステップ)。集中不良分布の線形性の判定方法としては例えば3つある。
【0097】
第1の方法は、判定対象の集中不良分布について座標情報に基づいて座標上の方形範囲を求め、その方形範囲の長い方の辺のチップ数がその方形範囲内のチップ数に対して予め定めた割合より大きい場合に線形の集中不良分布と判定する。
【0098】
第2の方法は、判定対象の集中不良分布について座標情報に基づいて座標上の方形範囲を求め、その方形範囲での短い方の辺のチップ数が長い方の辺のチップ数に対して予め定めた割合より小さい場合、又はその方形範囲での長い方の辺のチップ数が短い方の辺のチップ数に対して予め定めた割合より大きい場合に線形の集中不良分布と判定する。
【0099】
第3の方法は、判定対象の集中不良分布について座標情報に基づいて座標上の方形範囲を求め、その方形範囲での不良チップの割合が予め定めた割合より小さい場合、又はその方形範囲での良品チップの割合が予め定めた割合より大きい場合に線形の集中不良分布と判定する。
【0100】
集中不良分布が線形の集中不良分布と判定した場合、線形の集中不良分布のいずれかの不良チップに隣接する良品チップを追加インク打ちの対象とする(判定ステップ、図11(B)の○印参照)。コンピュータを用いてこのような処理を実現することにより、線形の集中不良分布の検出及び線形の集中不良分布の原因に起因する品質低下の影響を受けた可能性がある良品チップの特定を機械的に行なうことができる。
【0101】
以下、上記の不良チップ分別ステップ、集中不良分布判定ステップ及び判定ステップに基づいて各良品チップの品質を判断する手法をアルゴリズム3と称する。
なお、アルゴリズム3で線形と判断されなかった集中不良分布においても不良チップに隣接する良品チップ又は設定範囲内にある良品チップを追加インク打ちの対象としてもよい。ただし、その場合、他のアルゴリズムの判定に委ねた方がよいこともある。
【0102】
アルゴリズム3を図12のフローチャートを用いて説明すると次の通りである。
各チップの座標情報とウエハテスト結果情報を読み込む(ステップS31)。各チップにおいて隣接するチップのウエハテスト結果情報に基づいて不良チップのグループ分けを行なって、各不良チップが属する不良グループを明確にする(ステップS32)。
【0103】
追加インク打ちの検討が必要な程度の不良の分布であるかを判定するための各不良グループの規模判定を行なう(ステップS33)。さらに、各不良グループの形状判定(線形であるか否かの判定)により、追加インク打ちの検討が必要な形状の不良の分布であるかの判定を行なう(ステップS34)。
【0104】
各不良グループの規模判定(ステップS33)の結果及び各不良グループの形状判定(ステップS34)の結果に基づいて追加インク打ち判定を行なって追加インク打ちの必要な不良グループを確定し、追加インク打ち対象チップを特定する(ステップS35)。
【0105】
ウエハテスト結果を修正し、特定された追加インク打ち対象チップを含むウエハ全体のマーキングデータ又は特定された追加インク打ち対象チップのみのマーキングデータからなる修正ウエハテスト結果を作成する(ステップS36)。作成されたマーキングデータはマーキング機構を備えたテスター又はマーキングプローバーに送られ、インク打ちが実施される。
【0106】
この実施例では線形の集中不良分布のいずれかの不良チップに隣接する良品チップを追加インク打ちの対象としているが、本発明のチップ品質判定方法の第3局面はこれに限定されるものではなく、線形の集中不良分布のいずれかの不良チップから予め設定された所定範囲内、例えば不良チップを中心とする5×5チップの範囲内の良品チップを追加インク打ちの対象としてもよい。
【0107】
図13は、本発明のチップ品質判定方法の第4局面の一実施例を説明するためのウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示す。
ウエハ1上に120個のチップが縦横に配置されている。各チップはX座標情報2、Y座標情報3によりウエハ上の位置が明確になっている。例えば良品チップ4は座標(14,11)の位置にある。ウエハテスト結果で良品チップと判定されたチップは良品チップ4のように無印、不良チップと判定されたチップは不良チップ12のように×印で示されている。ウエハ1内の太線の枠で囲まれた範囲は半導体装置製造工程における写真製版工程の露光処理での1ショット範囲であり、1ショット範囲内にはX方向に2チップ、Y方向に3チップが配置されている。
【0108】
図13に示したウエハテスト結果では、不良チップ12の属するショット範囲に不良チップが集中している。つまり、特定のショット範囲に集中分布している。このような分布をした不良の原因は写真製版工程での特定ショット範囲の露光不良である場合が多く、同一ショット範囲内に良品チップがあったとしても品質に問題がある場合が多い。よって、経験上、露光不良のあったショット範囲の全ての良品チップに対して追加インク打ちを行なっている。
【0109】
経験的ではなく機械的に追加インク打ち対象チップの判定を行なうためには、まず座標情報、ウエハテスト結果及びショットレイアウト情報に基づいて、例えばウエハ1におけるショット範囲ごとの歩留り(例えば良品率)を第3指数として求める(第3指数算出ステップ)。
【0110】
判定対象ショット範囲の第3指数が予め定めた歩留り(第3しきい値)よりも低い場合、露光不良に起因する不良ショット範囲と判断し、不良ショット範囲内の全ての良品チップを不良チップと判定して追加インク打ちの対象とする(判定ステップ)。
ここでは第3指数として歩留りを用いているが、第3指数としてショット範囲内の不良率、不良チップ数又は良品チップ数を用いてもよい。
【0111】
また、ウエハ裏面に異物が付着していた際に起こるウエハ内部分的解像不良においても図13に示したような不良分布となる。この場合、不良ショット範囲に隣接するショット範囲においても、不良ショット範囲に近い側のチップが露光不良の影響を受けている可能性がある。
【0112】
そこで、例えば不良ショット範囲に隣接する14個のチップの不良チップ数を第4指数として求める(第4指数算出ステップ)。
予め設定された第4しきい値以上に不良チップが多い場合は、露光不良と判断されたショット範囲に隣接するチップも追加インク打ちの対象とする(判定ステップ)。
ここでは第4指数として不良チップ数を用いているが、不良率、良品率又は良品チップ数を用いてもよい。
【0113】
以下、上記第3指数算出ステップ及び判定ステップ、並びに上記第4指数算出ステップ及び判定ステップにより、判定対象ショット範囲内のチップの品質を判定するチップ品質判定方法及び不良ショット範囲に隣接するチップの品質を判定するチップ品質判定方法をアルゴリズム4と称する。
【0114】
アルゴリズム4を図14のフローチャートを用いて説明すると次の通りである。
各チップの座標情報とウエハテスト結果情報を読み込む(ステップS41)。ショットレイアウト情報を読み込み、各チップが何処のショット範囲に属するかを明確にする(ステップS42)。
【0115】
ショット範囲別に歩留りを求め(ステップS43)、問題のあるレベルの歩留りのショット範囲を追加インク打ち判定で明確にし、追加インク打ちの必要なチップを特定する(ステップS44)。
【0116】
ステップS44で不良ショット範囲と判定されたショット範囲に隣接するチップについて不良チップ数を算出し(ステップS45)、ある基準値以上の不良チップ数がある場合は追加インク打ち判定で追加インク打ちの対象と判定する(ステップS46)。
【0117】
ウエハテスト結果を修正し、特定された追加インク打ち対象チップを含むウエハ全体のマーキングデータ又は特定された追加インク打ち対象チップのみのマーキングデータからなる修正ウエハテスト結果を作成する(ステップS47)。作成されたマーキングデータはマーキング機構を備えたテスター又はマーキングプローバーに送られ、インク打ちが実施される。
【0118】
図15は、本発明のチップ品質判定方法の第5局面の一実施例を説明するためのウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示す。
ウエハ1上に120個のチップが縦横に配置されている。各チップはX座標情報2、Y座標情報3によりウエハ上の位置が明確になっている。例えば良品チップ4は座標(14,11)の位置にある。ウエハテスト結果で良品チップと判定されたチップは良品チップ4のように無印、不良チップと判定されたチップは不良チップ13のように×印で示されている。ウエハ1内の太線の枠で囲まれた範囲は半導体装置製造工程における写真製版工程の露光処理での1ショット範囲であり、1ショット範囲内にはX方向に2チップ、Y方向に3チップが配置されている。
【0119】
図18に示したウエハテスト結果において、不良は各ショット範囲の特定のショット範囲内レイアウト位置に集中している。このような分布をした不良の原因は写真製版工程での特定のショット範囲内レイアウト位置での露光不良である場合が多く、別のショット範囲の同一ショット範囲内レイアウト位置に良品チップがあったとしても品質に問題がある場合が多い。よって、経験上、複数のショット範囲で同じショット範囲内レイアウト位置に不良チップが発見された場合、全てのショット範囲におけるそのショット範囲内レイアウト位置について良品チップに対して追加インク打ちを行なっている。
【0120】
経験的ではなく機械的に追加インク打ち対象チップの判定を行なうためには、まず座標情報、ウエハテスト結果及びショットレイアウト情報に基づいて、ウエハ内の全てのショット範囲について、ショット範囲内レイアウト位置ごとに例えば歩留り(例えば良品率)を第5指数として求める(第5指数算出ステップ)。
【0121】
第5指数が予め定められた歩留り(第5しきい値)よりも低い場合、そのショット範囲内レイアウト位置での露光不良と判断し、全てのショット範囲のそのショット範囲内レイアウト位置の良品チップを追加インク打ちの対象とする(判定ステップ)。
ここでは第5指数として歩留りを用いているが、各ショット範囲内レイアウト位置での不良率、不良チップ数又は良品チップ数を用いてもよい。
【0122】
以下、上記第5指数算出ステップ及び判定ステップにより、ショット範囲内レイアウト位置ごとにチップの品質を判定するチップ品質判定方法をアルゴリズム5と称する。
【0123】
アルゴリズム5を図16のフローチャートを用いて説明すると次の通りである。
各チップの座標情報とウエハテスト結果情報を読み込む(ステップS51)。レイアウト情報を読み込み、各チップがショット範囲内の何処のショット範囲内レイアウト位置に属するかを明確にする(ステップS52)。
【0124】
ショット範囲内レイアウト位置別に歩留りを求め(ステップS53)、問題のあるレベルの歩留りのショット範囲内レイアウト位置を追加インク打ち判定で明確にし、追加インク打ちの必要なチップを特定する(ステップS54)。
【0125】
ウエハテスト結果を修正し、特定された追加インク打ち対象チップを含むウエハ全体のマーキングデータ又は特定された追加インク打ち対象チップのみのマーキングデータからなる修正ウエハテスト結果を作成する(ステップS55)。作成されたマーキングデータはマーキング機構を備えたテスター又はマーキングプローバーに送られ、インク打ちが実施される。
【0126】
図17は、本発明のチップ品質判定方法の第6局面の一実施例を説明するためのウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示す。
ウエハ1上に120個のチップが縦横に配置されている。各チップはX座標情報2、Y座標情報3によりウエハ上の位置が明確になっている。例えば良品チップ4は座標(14,11)の位置にある。ウエハテスト結果で良品チップと判定されたチップは良品チップ4のように無印、不良チップと判定されたチップは不良チップ14のように×印で示されている。
【0127】
ここまで説明したアルゴリズム1A,1B,2,3,4,5によって追加インク打ちの対象とすべき良品チップのほとんどを検出できるが、図17に示したように、ある特定の製品において毎ロットに毎ウエハで例えばY座標3のチップの多くが不良チップになることが現実にある。原因はともかくこれは品種に固有の不良傾向である。図17に示したウエハテスト結果の場合、経験上の追加インク打ち対象チップは座標(7,3)の良品チップである。
【0128】
しかし、ここまで説明したアルゴリズム1A,1B,2,3,4,5を適用すれば、しきい値の設定にもよるが、例えばアルゴリズム3により、座標(8,3)、(9,3)、(10,3)、(11,3)及び(12,3)の不良チップが線形の集中不良分布と判定されて、座標(7,3)、(7,4)、(8,4)、(9,4)、(10,4)、(11,4)及び(12,4)の良品チップが追加インク打ち対象チップになってしまう。
【0129】
このように製品固有で特定の範囲(不良チップ多発範囲)に不良チップが集中する場合は、予め不良チップ多発範囲を情報として保持しておき、不良チップ多発範囲の例えば歩留りを第6指数として算出し(第6指数算出ステップ)、予め定めた歩留まり(第6しきい値)よりも低い場合、不良チップ多発範囲内の全ての良品チップを追加インク打ち対象チップとする(判定ステップ)。
ここでは第6指数として歩留りを用いているが、各ショット範囲内レイアウト位置での不良率、不良チップ数又は良品チップ数を用いてもよい。
【0130】
ここで保持しておく不良チップ多発範囲の情報は、範囲を表す座標情報でもよいし、不良チップ多発範囲に属するチップの座標情報でもよい。不良チップ多発範囲に属するチップの座標情報を保持する場合は、座標上斜めに連続するチップを対象にする範囲等も設定できるので柔軟な範囲の指定が可能になる。
【0131】
以下、上記第6指数算出ステップ及び判定ステップにより、予め設定された不良チップ多発範囲内の歩留りに基づいて不良チップ多発範囲内の良品チップの品質を判定するチップ品質判定方法をアルゴリズム6と称する。
【0132】
アルゴリズム6を図18のフローチャートを用いて説明すると次の通りである。
各チップの座標情報とウエハテスト結果情報を読み込む(ステップS61)。不良チップ多発範囲情報を読み込み、不良チップ多発範囲に属するチップを明確にする(ステップS62)。
【0133】
不良チップ多発範囲の歩留りを求める(ステップS63)。
不良チップ多発範囲の歩留りがしきい値以上であるか否かを判定して追加インク打ち判定を行なって、追加インク打ちの必要なチップを特定する(ステップS64)。
【0134】
ウエハテスト結果を修正し、特定された追加インク打ち対象チップを含むウエハ全体のマーキングデータ又は特定された追加インク打ち対象チップのみのマーキングデータからなる修正ウエハテスト結果を作成する(ステップS65)。作成されたマーキングデータはマーキング機構を備えたテスター又はマーキングプローバーに送られ、インク打ちが実施される。
【0135】
アルゴリズム1A,1B,2,3,4,5を実施する際、不良チップ多発範囲のチップについては良品チップ又は仮想チップ領域として処理することが好ましい。その結果、例えば上記で説明したような不良チップ多発範囲の不良チップに起因するアルゴリズム3での不具合等、アルゴリズム1A,1B,2,3,4,5で不良チップ多発範囲の不良チップに起因する不具合をなくすことができる。
【0136】
アルゴリズム1A,1B,2,3,4,5を実施する際に良品チップ又は仮想チップ領域として処理するチップは、不良チップ多発範囲内の全てのチップであってもよいし、不良チップ多発範囲内の不良チップだけであってもよいし、特定のウエハテスト項目で不良チップと判断された不良チップ多発範囲内のチップだけであってもよい。
【0137】
また、アルゴリズム4及びアルゴリズム5によって明らかに傾向のある不良分布が見つかった場合、その不良分布内にある良品チップ又は判断材料になった不良チップを除外して他のアルゴリズムを実施した方が追加インク打ち対象チップの判定精度向上につながる傾向がある。
【0138】
また、アルゴリズム1Aにおいて、各良品チップの第1指数Aを求めるついでに各不良チップに隣接する不良チップがあるか否かの判定を行ない、アルゴリズム1Bを実施する際に隣接する他の不良チップがない不良チップを除外して第1指数B算出を行なうことにより追加インク打ち対象チップ特定精度向上につながる傾向がある。さらに、隣接する他の不良チップがない不良チップを明確にしておけば、アルゴリズム3においても処理対象から除外できるので、処理時間の短縮につながる。
【0139】
以上、品質に問題がある可能性があるチップの特定方法として7種類のアルゴリズムを説明した。7種類のアルゴリズムはそれぞれ特徴をもっている。先にアルゴリズム1Bとアルゴリズム2はアンド条件で用いることが好ましいと述べた。ただし、アルゴリズムの組合せはこれに限定されるものではなく、7種類のアルゴリズムの全部又はそれらのうちのいくつかの組合せをアンド条件で用いてもよいし、7種類のアルゴリズムの全部又はそれらのうちのいくつかの組合せをオア条件で用いてもよい。これにより、追加インク打ち対象チップの検出精度を高めることができる。ここでオア条件とは、2以上の条件のうちいずれかを満たす場合に条件を満たしたと判定することをいう。
【0140】
また、例えばアルゴリズム1Bとアルゴリズム2をアンド条件で用いたときの判定結果と、アルゴリズム1Aの判定結果をオア条件で用いる場合、アルゴリズム1Aで仮想チップ領域の補償処理を行なえば、アルゴリズム1Bで仮想チップ領域の補償処理を行なわなくても検出精度を高めることができるので、処理時間を短縮することができる。
このように複数のアルゴリズムを併用することにより、検出精度の向上とデータ処理速度の向上が期待できる。
【0141】
また、ウエハ面内において外周側では中央側と比較してチップの品質に問題が起こることが多い。よって、アルゴリズムによる追加インク打ち対象チップの判定をさらに経験による結果に近づけるには、ウエハの外周側と中央側とで指数の求め方やしきい値を変えることが好ましい。以下、チップがウエハ面内のどの位置に属するかをウエハ内位置的属性と称する。
【0142】
コンピュータを用いて機械的に各チップがウエハの外周側と中央側のどちらに属するか判断する方法としては、例えば、チップサイズとチップレイアウトに基づいて各チップのウエハ中心からの相対座標を求めて三平方の定理を用いウエハ中心からの距離を求め、その距離が所定の距離を越えていればウエハ外周近傍にあるチップと判断すればよい。
【0143】
現実的には毎ロット、毎ウエハ及び毎チップにおいてウエハ中心からの距離の算出と外周近傍か否かの判断を行なうとデータ処理に時間がかかるので、予め各チップのウエハ内位置的属性情報をファイルやデータベースで保持しておき、座標情報やチップの個別情報を用いて判定対象チップのウエハ内位置的属性を識別すればよい。
【0144】
ウエハ内位置的属性情報を保持する場合、各チップのウエハ内位置的属性情報は先に述べた三平方の定理で求めた結果でもよいし、製品の種類によってはその結果を一部変更したものでもよいし、三平方の定理に準じていなくてもよいし、ウエハ内位置的属性は外周側と中央側の2種類でなくてもよい。
【0145】
このように各チップのウエハ内位置的属性の識別を行ない、ウエハ内位置的属性ごとに各アルゴリズムを適用するかはもとより、各アルゴリズムの指数の求め方や判別基準のしきい値を変えることができる。
【0146】
なお、アルゴリズム4はショットレイアウト情報を、アルゴリズム5はショット範囲内レイアウト位置情報を用いて処理される。これらの情報も座標データを用いて算出することは可能であるが、処理にかかる時間を考慮すると、それらの情報はファイルやデータベースで保持しておき、座標情報やチップの個別情報等を用いてウエハ内位置的属性を識別するのが最も効率がよい。ウエハ内位置的属性情報やショットレイアウト情報、ショット範囲内レイアウト位置情報等は別々にファイルやデータベースでもっていてもよいが、まとめてもっていてもよい。
【0147】
また、ウエハ内位置的属性情報、ショットレイアウト情報及びショット範囲内レイアウト位置情報以外の製品特有の情報を設定し、各アルゴリズムの適用を行なってもよい。
【0148】
上記で説明した追加インク打ちの対象は、基本的に同一製造工程の同一異常による品質に問題の有りそうな良品チップである。本発明のチップ品質判定方法は、品質に問題の有りそうな良品チップをウエハテスト結果に基づいてアルゴリズムを用いて判定しようというものである。単純な半導体装置の場合、テスト内容は単純でテスト項目も少ないが、集積回路になると、テスト内容は複雑になり、テスト項目も多くなる。一般的に同一製造工程の同一異常の場合、ほとんど同じテスト項目で不良と判定される傾向がある。
【0149】
そこで、上記で説明したアルゴリズム1A,1B,2,3,4,5,6を実施するに際して、最終的なウエハテスト結果ではなく、テスト項目ごとのウエハテスト結果を用いて処理を行なった方が検出精度を向上させることができる場合がある。
【0150】
ただし、テスト項目が多数に及ぶ場合はテスト項目ごとの処理は時間がかかりすぎるため現実的ではない。また、複数のテスト項目がある場合、ウエハテストにかかる時間を短縮するために通常は不良チップと判定された時点でそのチップについての以後のテスト項目を行なわない。
【0151】
そこで、テスト項目をグループ化し、テスト項目グループごとのウエハテスト結果を用いて上記のアルゴリズムを実施して追加インク打ちの対象を特定するのが好ましい。テスト項目のグループ化についてはテスト項目の重複があってもよい。むしろテスト項目を重複させることにより不良チップと判定された時点でそのチップについての以後のテスト項目が行なわれないことによる不具合を緩和できる。
以上、品質に問題がある可能性があるチップのチップ品質判定方法の実施例の説明を行なった。
【0152】
次に、コンピュータを用いたシステム化について説明する。
図19は、従来の品質判定システムの一例を示す概略構成図である。この品質判定システムは、テスト時プローバーに備えられたインカー機能を用いないで、マーキングプローバーを用いてインク打ちを行なうものである。
【0153】
プローバー16にウエハが配置され、ウエハ上の検査対象チップの電極にプローブ針を接触させた状態でテスター15から電力供給及び試験信号供給が行なわれてウエハテストが実施される。ウエハテスト結果はプローバー16から情報管理用ワークステーション17に送られる。ウエハテスト結果をマーキングプローバー19へ直接送る構成であってもよいが、通常、テスター15、プローバー16及びマーキングプローバー19は複数台備えられているので、ウエハテスト結果を情報管理用ワークステーション17に一旦集める方が合理的である。
【0154】
作業者は、情報管理用ワークステーション17でウエハテスト結果を確認し、手作業で追加インク打ち判定及びマーキングデータの作成を行なう。この作業はX端末18を用いて行なわれることもある。マーキング対象を確定させた後、マーキングプローバー19にロットをかける。マーキングプローバー19は情報管理用ワークステーション17からマーキングデータを読み込み、ウエハテスト結果に基づく不良チップ及び追加インク打ち判定で設定された不良チップに対してインク打ちを行なう。
【0155】
図20は、本発明のマーキング機構を含む品質判定システムの一例を示す概略構成図である。
情報管理用ワークステーション17にパーソナルコンピュータ20が接続されている。パーソナルコンピュータ20には、本発明のチップ品質判定方法をコンピュータに実行させるための品質判定プログラムを組み込んだアプリケーションソフトがインストールされている。その他の構成は図19に示した品質判定システムと同様である。図19に示した品質判定システムと同様に、ウエハテスト結果はプローバー16から情報管理用ワークステーション17に送られる。
【0156】
ウエハテスト結果には、各チップの座標情報、合否情報、不良カテゴリー情報等が含まれ、情報管理用ワークステーション17ではウエハテスト結果に関連付けてショットレイアウト情報、ショット範囲内レイアウト位置情報、不良チップ多発範囲情報等が保持されている。マーキングプローバー19は本発明のマーキング機構のマーキング部を構成し、情報管理用ワークステーション17、マーキングプローバー19の動作を制御する制御部、及びパーソナルコンピュータ20は本発明のマーキング機構の制御部を構成する。
【0157】
本発明の品質判定プログラムを組み込んだアプリケーションソフトの一例のフローチャートを図21に示す。このアプリケーションソフトは、上記で説明したアルゴリズムによる追加インク打ちチップ判定に関する自動判定結果をパーソナルコンピュータ20の画面上に表示し、さらに作業者による追加インク打ち対象チップの変更ができるものである。
【0158】
まず、ウエハテスト結果の転送(ステップS71)で、FTP(File Transfer Protocol)等を用いて情報管理用ワークステーション17からパーソナルコンピュータ20へウエハテスト結果及び関連付けられた情報を転送する。
【0159】
ウエハテスト結果の読込み(ステップS72)により、情報管理用ワークステーション17から転送されたウエハテスト結果から、各チップの座標情報、ウエハテスト結果情報、不良カテゴリー情報等の情報を読み込む。
【0160】
レイアウト情報の読込み(ステップS73)により、ショットレイアウト情報、ショット範囲内レイアウト位置情報、不良チップ多発範囲情報等の読込みを行ない、各チップの位置的属性を明確にする。
【0161】
アルゴリズム1A、アルゴリズム1B及びアルゴリズム2により第1指数A、第1指数B及び第2指数を求め(ステップS74)、アルゴリズム3により不良チップのグループ分けを行なって不良グループ情報を得る(ステップS75)。
【0162】
各チップの座標情報をキーにして、ウエハテスト結果情報、不良カテゴリー情報、第1指数A、第1指数B、第2指数、不良グループ情報、ショットレイアウト情報、ショット範囲内レイアウト位置情報、不良チップ多発範囲情報等をデータベース化する(ステップS76)。
【0163】
上記で説明した各アルゴリズム1A,1B,2,3,4,5,6により、追加インク打ち判定を順次行なう。例えば第1指数Aと第1しきい値A、第1指数Bと第1しきい値B、第2指数と第2しきい値をそれぞれ比較し、追加インク打ち対象チップを特定する(ステップS77)。
【0164】
なお、追加インク打ち判定(ステップS77)の処理に必要な情報は情報のデータベース変換(ステップS76)によりデータベース化されているので、アルゴリズム3の各不良グループの規模判定(図12のステップS33参照)及び各不良グループの形状判定(図12のステップS34参照)、アルゴリズム4のショット範囲別歩留りの算出(図14のステップS43参照)、アルゴリズム5のショット範囲内レイアウト位置別歩留りの算出(図16のステップS53参照)、アルゴリズム6の不良チップ多発範囲別歩留りの算出(図18のステップS63参照)は、SQL(Structured Query Language)文を用いて簡単に求めることができる。図21のフローチャートでは、これらの処理も追加インク打ち判定(ステップS77)に含まれる。
【0165】
追加インク打ち判定(ステップS77)で特定された追加インク打ち対象チップをパーソナルコンピュータ20の画面上の表示画面に表示する(ステップS78)。作業者はどのように追加インク打ち対象チップが特定されたかをパーソナルコンピュータ20の画面上で確認する(ステップS79)。
【0166】
作業者による判定結果の確認(ステップS79)で、作業者により追加インク打ち対象チップの特定に過不足があり妥当なものでないと判断された場合、作業者の手操作入力によりアルゴリズムのしきい値が変更された後(ステップS80)、追加インク打ち判定(ステップS77)に戻り、又は、作業者の手操作入力により追加インク打ち対象チップの設定がされた後(ステップS81)、追加インク打ち対象チップをパーソナルコンピュータ20の画面上に表示画面に表示する(ステップS78)。
【0167】
しきい値の変更(ステップS80)は、アルゴリズムの各しきい値の設定が不適当であったために妥当な追加インク打ち対象チップの特定結果が得られなかったときに用いられる。
手操作入力による追加インク打ち対象チップの設定(ステップS81)は、アルゴリズムを用いた判定では対応できないような追加インク打ち対象チップの特定に用いられる。
【0168】
作業者による判定結果の確認(ステップS79)で、作業者により追加インク打ち対象チップが妥当なものであると判断された場合、処理はウエハテスト結果の修正(ステップS82)へと移る。ウエハテスト結果の修正(ステップS82)では、特定された追加インク打ち対象チップを含むマーキングデータ、又は特定された追加インク打ち対象チップのみのマーキングデータからなる修正ウエハテスト結果を作成する。作成した修正ウエハテスト結果を例えばFTP等を用い情報管理用ワークステーション17に転送する(ステップS83)。
【0169】
修正ウエハテスト結果は情報管理用ワークステーション17からマーキングプローバー19へ送られる。マーキングプローバー19は、追加インク打ち対象チップの情報が入ったマーキングデータ(修正ウエハテスト結果)を用いてインク打ちを行なうので、追加インク打ち情報は実際のインク打ちに反映される。
【0170】
上記の品質判定システムの構成は一例であり、例えば本発明の品質判定プログラムを情報管理用ワークステーション17や、マーキングプローバー19で動作させる等、種々の変更が可能である。
【0171】
以上説明したように、本発明のチップ品質判定方法によれば、一部に不良チップがあるウエハにおいて品質を保証しつつチップの品質を判定することができる。さらに、本発明のチップ品質判定プログラムによれば、本発明のチップ品質判定方法の各ステップをコンピュータに実行させることができるので、従来、問題のありそうなチップの選定に割いていた多大な人的工数をなくすことができ、さらに作業者の経験に頼っていた判断基準を改善できる。さらに、工数的な問題で追加インク打ちを行なっていなかった工場においても本発明のマーキング機構を用いた追加インク打ちシステムを用いることにより、ウエハ破棄による損失を低減することができる。
【0172】
以上説明した本発明のアルゴリズムで算出した各指数情報及び集中不良分布情報は半導体装置製造工程の安定化に有用な情報であり、データベースに収集し異常発生工程究明に利用できる。
従来、ウエハテスト工程のデータと言えば歩留りと不良カテゴリーであり、いずれも不良の分布を現す情報ではなかった。
本発明のアルゴリズムで求められる各指数情報及び集中不良分布情報は不良分布を表すものであり、チップの座標情報と合わせると位置的なものまで確定できる。
【0173】
本発明のウエハの異常発生解析方法では、本発明のアルゴリズムで求められる各指数情報及び集中不良分布情報を用いて、ウエハ上で不良チップが発生しやすい個所の特定や、不良発生工程及び不良発生処理装置の究明を行なう。
【0174】
例えば追加インク打ちを行なうかどうかに関わらず、ウエハテストを行なった全てのロットの全てのウエハにおいて、ウエハ内でのアルゴリズム1Bの第1指数Bの最大値と、最大値のチップ座標をデータベースに収集し、蓄積すれば、集中不良分布の発生し易い個所の解析に役立てることができる。
また、集中不良分布の発生しているロットと発生していないロットを層別し、製造工程内の処理履歴や処理装置と括り付ければ、集中不良分布の発生工程や原因となっている処理装置の究明にも役立てることができる。
【0175】
以上、チップ品質判定方法、チップ品質判定プログラム及びそれを用いたマーキング機構、並びにウエハの異常発生解析方法の実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0176】
【発明の効果】
請求項1及び2に記載されたチップ品質判定方法では、ウエハテスト結果に基づいて、判定対象チップの近傍の設定範囲内にある複数のチップについて不良チップ数等を第1指数として算出する第1指数算出ステップ、及び予め設定された第1しきい値と上記第1指数を比較して判定対象チップの品質を判定する判定ステップを含むようにしたので、品質を保証しつつ判定対象チップの品質を判定することができる。
【0177】
請求項3に記載されたチップ品質判定方法では、判定対象チップは良品チップのみであるようにしたので、判定対象チップの個数を減らすことができ、処理時間を短縮することができる。
【0178】
請求項4に記載されたチップ品質判定方法では、ウエハテスト結果に基づいて、判定対象チップの近傍の設定範囲内にある複数のチップについて不良チップ数等を第1指数として算出する第1指数算出ステップ、上記設定範囲内又は上記設定範囲とは異なる設定範囲内で最大又は最小の上記第1指数を第2指数として算出する第2指数算出ステップ、及び予め設定された第2しきい値と上記第2指数を比較して判定対象チップの品質を判定する判定ステップを含むようにしたので、品質を保証しつつ判定対象チップの品質を判定することができる。
【0179】
請求項5に記載されたチップ品質判定方法では、請求項4に記載されたチップ品質判定方法において、上記判定ステップは、予め設定された第1しきい値と上記第1指数を比較し、上記第1しきい値と上記第1指数の比較結果、及び上記第2しきい値と上記第2指数の比較結果に基づいて判定対象チップの品質を判定するようにしたので、判定精度を向上させることができる。
【0180】
請求項6に記載されたチップ品質判定方法では、請求項1から5のいずれかに記載されたチップ品質判定方法において、上記第1指数算出ステップで、上記第1指数として不良チップ数又は良品チップ数を用い、上記設定範囲内に、仮想チップ領域があるときは、予め設定された指数値を仮想チップ領域の個数分だけ加算又は減算して上記第1指数を算出するようにしたので、判定精度を向上させることができる。
【0181】
請求項7に記載されたチップ品質判定方法では、請求項1から6のいずれかに記載されたチップ品質判定方法において、上記第1指数算出ステップで、複数のウエハで不良チップが多発する不良チップ多発範囲内にあるチップを良品チップ又は仮想チップ領域として上記第1指数を算出するようにしたので、判定精度を向上させることができる。
【0182】
請求項8に記載されたチップ品質判定方法では、請求項1から7のいずれかに記載されたチップ品質判定方法において、上記第1指数算出ステップの前に、対象不良チップに隣接する不良チップがあるか否かを判定する隣接不良チップ検出ステップを含み、上記第1指数算出ステップで、上記隣接不良チップ検出ステップで隣接する不良チップがないと判定された不良チップを良品チップ又は仮想チップ領域として上記第1指数を算出するようにしたので、判定精度を向上させることができる。
【0183】
請求項9に記載されたチップ品質判定方法では、ウエハテスト結果に基づいて、座標上での連続性に基づいて不良チップを不良グループに分別する不良チップ分別ステップ、上記不良グループについて、その不良グループに属する不良チップ数と予め設定された不良チップ数しきい値を比較し、上記不良チップ数が上記不良チップ数しきい値以上のとき又は上記不良チップ数しきい値よりも大きいときに、その不良グループを集中不良分布と判定する集中不良分布判定ステップ、及び上記集中不良分布に属する不良チップから所定範囲内にあるチップを不良チップと判定する判定ステップを含むようにしたので、品質を保証しつつ判定対象チップの品質を判定することができる。
【0184】
請求項10に記載されたチップ品質判定方法では、請求項9に記載されたチップ品質判定方法において、上記集中不良分布判定ステップは、上記不良グループについて、不良チップが分布する座標上の方形範囲を求めて、上記方形範囲の長い方の辺のチップ数が上記方形範囲内のチップ数に対して予め定められた割合より大きい場合、上記方形範囲において短い方の辺のチップ数が長い方の辺のチップ数に対して予め定められた割合より小さい場合、上記方形範囲での長い方の辺のチップ数が短い方の辺のチップ数に対して予め定めた割合より大きい場合、上記方形範囲内での不良チップの割合が予め定められた割合より小さい場合、又は上記方形範囲での良品チップの割合が予め定めた割合より大きい場合、その不良グループを集中不良分布と判定するようにしたので、線形の集中不良分布を検出することができ、キズにより剥がれたパターンに起因して品質低下の影響を受けている可能性があるチップを不良チップと判定することができる。
【0185】
請求項11に記載されたチップ品質判定方法では、請求項9又は10に記載されたチップ品質判定方法において、上記不良チップ分別ステップで、複数のウエハで不良チップが多発する不良チップ多発範囲内にあるチップを良品チップとして不良チップの不良グループ分別を行なうようにしたので、不良チップ多発範囲を集中不良分布として誤って検出するのを防止することができ、判定精度を向上させることができる。
【0186】
請求項12に記載されたチップ品質判定方法では、請求項9、10又は11のいずれかに記載されたチップ品質判定方法において、上記不良チップ分別ステップの前に、ウエハテスト結果に基づいて、各不良チップについて、対象不良チップに隣接する不良チップがあるか否かを判定する隣接不良チップ検出ステップを含み、上記不良チップ分別ステップは、上記隣接不良チップ検出ステップで隣接する不良チップがないと判定された不良チップを良品チップとして不良チップの不良グループ分別を行なうようにしたので、不良チップ分別ステップにおいて連続性を判断すべき不良チップ数を低減することができ、処理時間を短縮することができる。
【0187】
請求項13に記載されたチップ品質判定方法では、ウエハテスト結果及び写真製版工程でのショットレイアウト情報に基づいて、ショット範囲ごとにショット範囲内の複数のチップについて不良チップ数等を第3指数として算出する第3指数算出ステップ、及び予め設定された第3しきい値と上記第3指数を比較して上記ショット範囲ごとにチップの品質を判定する判定ステップを含むようにしたので、露光不良等に起因して品質に問題がある可能性が高い良品チップを不良チップと判定することができ、品質を保証しつつ判定対象チップの品質を判定することができる。
【0188】
請求項14に記載されたチップ品質判定方法では、請求項13に記載されたチップ品質判定方法において、上記判定ステップで不良ショット範囲と判定されたショット範囲に隣接する複数のチップについて不良チップ数等を第4指数として算出する第4指数算出ステップ、及び予め設定された第4しきい値と上記第4指数を比較して上記ショット範囲に隣接するチップの品質を判定する判定ステップを含むようにしたので、不良ショットの原因の影響を受けている可能性が高い良品チップを不良と判定することができ、チップの品質を保証することができる。
【0189】
請求項15に記載されたチップ品質判定方法では、ウエハテスト結果及び写真製版工程でのショットレイアウト情報に基づいて、複数のショット範囲においてショット範囲内レイアウト位置ごとに不良チップ数等を第5指数として算出する第5指数算出ステップ、及び予め設定された第5しきい値と上記第5指数を比較して上記ショット範囲内レイアウト位置ごとにチップの品質を判定する判定ステップを含むようにしたので、ショット範囲内特定部分の露光不良等が原因で品質に問題がある可能性が高い良品チップを不良チップと判定することができ、チップの品質を保証することができる。
【0190】
請求項16に記載されたチップ品質判定方法では、ウエハテスト結果に基づいて、複数のウエハで不良チップが多発する不良チップ多発範囲内にあるチップについて不良チップ数等を第6指数として算出する第6指数算出ステップ、及び予め設定された第6しきい値と上記第6指数を比較して上記不良チップ多発範囲内にあるチップの品質を判定する判定ステップを含むようにしたので、不良チップ多発範囲内にある基準以上の不良チップがある場合にその不良チップ多発範囲内の良品チップを不良チップと判定することができ、チップの品質を保証することができる。
【0191】
請求項17に記載されたチップ品質判定方法では、請求項1から8のいずれかに記載されたチップ品質判定方法において、上記第1指数算出ステップで、請求項13から16のいずれかに記載されたチップ品質判断方法により不良チップと判定された良品チップ及び判定材料として用いた不良チップを良品チップ又は仮想チップ領域として上記第1指数を算出するようにしたので、判定精度を向上させることができる。
【0192】
請求項18に記載されたチップ品質判定方法では、請求項9から11のいずれかに記載されたチップ品質判定方法において、上記不良チップ分別ステップで、請求項13から16のいずれかに記載されたチップ品質判断方法により不良チップと判定された良品チップ及び判定材料として用いた不良チップを良品チップとして不良チップの不良グループ分別を行なうようにしたので、請求項9から11のいずれかに記載されたチップ品質判定方法において、判定精度を向上させることができ、さらに処理時間を短縮することができる。
【0193】
請求項19に記載されたチップ品質判定方法では、請求項8又は12に記載されたチップ品質判定方法において、上記隣接不良チップ検出ステップで、請求項13から16のいずれかに記載されたチップ品質判断方法により不良チップと判定された良品チップ及び判定材料として用いた不良チップを良品チップとして、対象不良チップに隣接する不良チップがあるか否かを判定するようにしたので、請求項8又は12に記載されたチップ品質判定方法の隣接不良チップ検出ステップにおいて判定精度を向上させることができ、さらに処理時間を短縮することができる。
【0194】
請求項20に記載されたチップ品質判定方法では、本発明のチップ品質判定方法において、ウエハ上の領域を領域分けし、領域ごとに異なる第1しきい値、第2しきい値、第3しきい値、第4しきい値、第5しきい値、第6しきい値、又は不良チップ数しきい値を用いるようにしたので、判定の信頼性を向上させることができる。
【0195】
請求項21に記載されたチップ品質判定方法では、本発明のチップ品質判定方法で用いるウエハテスト結果として、最終的なウエハテスト結果、テスト項目ごとの複数のウエハテスト結果、又は複数のテスト項目を含むテスト項目グループごとの複数のウエハテスト結果を用いるようにしたので、場合によっては判定精度を向上させることができる。
【0196】
請求項22に記載されたチップ品質判定プログラムでは、本発明のチップ品質判定方法の各ステップをコンピュータに実行させるようにしたので、コンピュータを用いて本発明のチップ品質判定方法を実施することができ、従来、問題のありそうなチップの選定に割いていた多大な人的工数をなくすことができ、さらに作業者の経験に頼っていた判断基準を改善できる。
【0197】
請求項23に記載されたマーキング機構では、ウエハの目的の位置に印を付けるためのマーキング部と、上記マーキング部の動作を制御するための制御部を備え、上記制御部は本発明のチップ品質判定プログラムを備えており、本発明のチップ品質判定プログラムが不良チップと判定したチップに対応するウエハ位置に印を付けるように上記マーキング部を動作させるようにしたので、しきい値等の判定条件を予め入力しておけば、一部に不良チップがあるウエハにおいて品質を保証しつつチップの品質を判定し、不良チップと判定されたチップに対して自動で印を付けることができ、チップ品質判定の自動化を図ることができる。
【0198】
請求項24に記載されたウエハの異常発生解析方法では、本発明のチップ品質判定方法で得られる第1指数情報、第2指数情報、集中不良分布情報、第3指数情報、第4指数情報、第5指数情報、もしくは第6指数情報、又はこれらの組合せを複数のウエハについて収集し、その収集情報に基づいて、ウエハ上で不良チップが発生しやすい個所を特定するようにしたので、ウエハ上で不良チップが発生しやすい個所を特定することができる。
【0199】
請求項25に記載されたウエハの異常発生解析方法では、本発明のチップ品質判定方法で得られる第1指数情報、第2指数情報、集中不良分布情報、第3指数情報、第4指数情報、第5指数情報、もしくは第6指数情報、又はこれらの組合せを複数のウエハについて収集し、さらに各ウエハについて製造工程における処理履歴情報もしくは処理装置情報又はその両方を収集し、それらの収集情報に基づいて、不良発生工程又は不良発生処理装置を究明するようにしたので、不良発生工程や不良発生処理装置を究明することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示す図であり、(B)はアルゴリズム1Aで算出した各チップの第1指数Aを示す図である。
【図2】第1指数Aを算出するための設定範囲の一例を説明するための図である。
【図3】図1(B)の第1指数Aに対して、仮想チップ領域ごとに0.5だけ第1指数Aを加算して第1指数Aを求めた結果を示す図である。
【図4】アルゴリズム1Aのフローチャートである。
【図5】(A)はウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示す図であり、(B)はアルゴリズム1Bで算出した各チップの第1指数Bを示す図である。
【図6】第1指数Bを算出するための設定範囲の一例を説明するための図である。
【図7】アルゴリズム1Bのフローチャートである。
【図8】第2指数を算出するための設定範囲の一例を説明するための図である。
【図9】アルゴリズム2で算出した第2指数を求め結果を示す図である。
【図10】アルゴリズム3のフローチャートである。
【図11】(A)はウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示す図であり、(B)はアルゴリズム3で算出した各チップの第3指数を示す図である。
【図12】アルゴリズム3のフローチャートである。
【図13】アルゴリズム4を説明するためのウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示す図である。
【図14】アルゴリズム4のフローチャートである。
【図15】アルゴリズム5を説明するためのウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示す図である。
【図16】アルゴリズム5のフローチャートである。
【図17】アルゴリズム6を説明するためのウエハテスト工程の最終的なウエハテスト結果の一例を示す図である。
【図18】アルゴリズム6のフローチャートである。
【図19】従来の品質判定システムの一例を示す概略構成図である。
【図20】本発明のマーキング機構を含む品質判定システムの一例を示す概略構成図である。
【図21】本発明の品質判定プログラムを組み込んだアプリケーションソフトの一例のフローチャートである。
【符号の説明】
1 ウエハ
2 X座標情報
3 Y座標情報
4,6,7,8 良品チップ
5 不良チップ
Claims (25)
- ウエハテスト結果に基づいて、判定対象チップの近傍の設定範囲内にある複数のチップについて不良チップ数、良品チップ数、不良率又は良品率を第1指数として算出する第1指数算出ステップ、及び
予め設定された第1しきい値と前記第1指数を比較して判定対象チップの品質を判定する判定ステップを含むチップ品質判定方法。 - 前記設定範囲は判定対象チップを取り囲む8個のチップである請求項1に記載のチップ品質判定方法。
- 判定対象チップは良品チップのみである請求項1又は2に記載のチップ品質判定方法。
- ウエハテスト結果に基づいて、判定対象チップの近傍の設定範囲内にある複数のチップについて不良チップ数、良品チップ数、不良率又は良品率を第1指数として算出する第1指数算出ステップ、
前記設定範囲内又は前記設定範囲とは異なる設定範囲内で、前記第1指数として不良チップ数又は不良率を用いる場合は最大の前記第1指数、前記第1指数として良品チップ数又は良品率を用いる場合は最小の前記第1指数を第2指数として算出する第2指数算出ステップ、及び
予め設定された第2しきい値と前記第2指数を比較して判定対象チップの品質を判定する判定ステップを含むチップ品質判定方法。 - 前記判定ステップは、予め設定された第1しきい値と前記第1指数を比較し、前記第1しきい値と前記第1指数の比較結果、及び前記第2しきい値と前記第2指数の比較結果に基づいて判定対象チップの品質を判定する請求項4に記載のチップ品質判定方法。
- 前記第1指数算出ステップは、前記第1指数として不良チップ数を用い、前記設定範囲内に仮想チップ領域があるときは予め設定された指数値を仮想チップ領域の個数分だけ加算して、又は前記第1指数として良品チップ数を用い、前記設定範囲内に仮想チップ領域があるときは予め設定された指数値を仮想チップ領域の個数分だけ減算して、前記第1指数を算出する請求項1から5のいずれかに記載のチップ品質判定方法。
- 前記第1指数算出ステップは、複数のウエハで不良チップが多発する不良チップ多発範囲内にあるチップを良品チップ又は仮想チップ領域として前記第1指数を算出する請求項1から6のいずれかに記載のチップ品質判定方法。
- 前記第1指数算出ステップの前に、ウエハテスト結果に基づいて、各不良チップについて、対象不良チップに隣接する不良チップがあるか否かを判定する隣接不良チップ検出ステップを含み、
前記第1指数算出ステップは、前記隣接不良チップ検出ステップで隣接する不良チップがないと判定された不良チップを良品チップ又は仮想チップ領域として前記第1指数を算出する請求項1から7のいずれかに記載のチップ品質判定方法。 - ウエハテスト結果に基づいて、座標上での連続性に基づいて不良チップを不良グループに分別する不良チップ分別ステップ、
前記不良グループについて、その不良グループに属する不良チップ数と予め設定された不良チップ数しきい値を比較し、前記不良チップ数が前記不良チップ数しきい値以上のとき又は前記不良チップ数しきい値よりも大きいときに、その不良グループを集中不良分布と判定する集中不良分布判定ステップ、及び
前記集中不良分布に属する不良チップから所定範囲内にあるチップを不良チップと判定する判定ステップを含むチップ品質判定方法。 - 前記集中不良分布判定ステップは、前記不良グループについて、不良チップが分布する座標上の方形範囲を求めて、前記方形範囲の長い方の辺のチップ数が前記方形範囲内のチップ数に対して予め定められた割合より大きい場合、前記方形範囲において短い方の辺のチップ数が長い方の辺のチップ数に対して予め定められた割合より小さい場合、前記方形範囲での長い方の辺のチップ数が短い方の辺のチップ数に対して予め定めた割合より大きい場合、前記方形範囲内での不良チップの割合が予め定められた割合より小さい場合、又は前記方形範囲での良品チップの割合が予め定めた割合より大きい場合、その不良グループを集中不良分布と判定する請求項9に記載のチップ品質判定方法。
- 前記不良チップ分別ステップは、複数のウエハで不良チップが多発する不良チップ多発範囲内にあるチップを良品チップとして不良チップの不良グループ分別を行なう請求項9又は10に記載のチップ品質判定方法。
- 前記不良チップ分別ステップの前に、ウエハテスト結果に基づいて、各不良チップについて、対象不良チップに隣接する不良チップがあるか否かを判定する隣接不良チップ検出ステップを含み、
前記不良チップ分別ステップは、前記隣接不良チップ検出ステップで隣接する不良チップがないと判定された不良チップを良品チップとして不良チップの不良グループ分別を行なう請求項9、10又は11のいずれかに記載のチップ品質判定方法。 - ウエハテスト結果及び写真製版工程でのショットレイアウト情報に基づいて、ショット範囲ごとにショット範囲内の複数のチップについて不良チップ数、良品チップ数、不良率又は良品率を第3指数として算出する第3指数算出ステップ、及び
予め設定された第3しきい値と前記第3指数を比較して前記ショット範囲ごとにチップの品質を判定する判定ステップを含むチップ品質判定方法。 - 前記判定ステップで不良ショット範囲と判定されたショット範囲に隣接する複数のチップについて不良チップ数、良品チップ数、不良率又は良品率を第4指数として算出する第4指数算出ステップ、及び
予め設定された第4しきい値と前記第4指数を比較して前記ショット範囲に隣接するチップの品質を判定する判定ステップを含む請求項13に記載のチップ品質判定方法。 - ウエハテスト結果及び写真製版工程でのショットレイアウト情報に基づいて、複数のショット範囲においてショット範囲内レイアウト位置ごとに不良チップ数、良品チップ数、不良率又は良品率を第5指数として算出する第5指数算出ステップ、及び
予め設定された第5しきい値と前記第5指数を比較して前記ショット範囲内レイアウト位置ごとにチップの品質を判定する判定ステップを含むチップ品質判定方法。 - ウエハテスト結果に基づいて、複数のウエハで不良チップが多発する不良チップ多発範囲内にあるチップについて不良チップ数、良品チップ数、不良率又は良品率を第6指数として算出する第6指数算出ステップ、及び予め設定された第6しきい値と前記第6指数を比較して前記不良チップ多発範囲内にあるチップの品質を判定する判定ステップを含むチップ品質判定方法。
- 前記第1指数算出ステップは、請求項13から16のいずれかに記載のチップ品質判断方法により不良チップと判定された良品チップ及び判定材料として用いた不良チップを良品チップ又は仮想チップ領域として前記第1指数を算出する請求項1から8のいずれかに記載のチップ品質判定方法。
- 前記不良チップ分別ステップは、請求項13から16のいずれかに記載のチップ品質判断方法により不良チップと判定された良品チップ及び判定材料として用いた不良チップを良品チップとして不良チップの不良グループ分別を行なう請求項9から12のいずれかに記載のチップ品質判定方法。
- 前記隣接不良チップ検出ステップは、請求項13から16のいずれかに記載のチップ品質判断方法により不良チップと判定された良品チップ及び判定材料として用いた不良チップを良品チップとして、対象不良チップに隣接する不良チップがあるか否かを判定する請求項8又は12に記載のチップ品質判定方法。
- ウエハ上の領域を領域分けし、領域ごとに異なる第1しきい値、第2しきい値、第3しきい値、第4しきい値、第5しきい値、第6しきい値、又は不良チップ数しきい値を用いる請求項1から19のいずれかに記載のチップ品質判定方法。
- 前記ウエハテスト結果として、最終的なウエハテスト結果、テスト項目ごとの複数のウエハテスト結果、又は複数のテスト項目を含むテスト項目グループごとの複数のウエハテスト結果を用いる請求項1から20のいずれかに記載のチップ品質判定方法。
- 請求項1から21のいずれかに記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのチップ品質判定プログラム。
- ウエハの目的の位置に印を付けるためのマーキング部と、前記マーキング部の動作を制御するための制御部を備え、前記制御部は請求項22に記載のチップ品質判定プログラムを備えており、前記チップ品質判定プログラムが不良チップと判定したチップに対応するウエハ位置に印を付けるように前記マーキング部を動作させるマーキング機構。
- 請求項1から8、17、19、20もしくは21のいずれかに記載の第1指数算出ステップで算出した第1指数情報、請求項4から8、17、19、20もしくは21のいずれかに記載の第2指数算出ステップで算出した第2指数情報、請求項9から12、もしくは18から21のいずれかに記載の集中不良分布判定ステップで得られた集中不良分布情報、請求項13、20もしくは21に記載の第3指数算出ステップで算出した第3指数情報、請求項14、20もしくは21に記載の第4指数算出ステップで算出した第4指数情報、請求項15、20もしくは21に記載の第5指数算出ステップで算出した第5指数情報、もしくは請求項16、20もしくは21に記載の第6指数算出ステップで算出した第6指数情報、又はこれらの組合せを複数のウエハについて収集し、その収集情報に基づいて、ウエハ上で不良チップが発生しやすい個所を特定するウエハの異常発生解析方法。
- 請求項1から8、17、19、20もしくは21のいずれかに記載の第1指数算出ステップで算出した第1指数情報、請求項4から8、17、19、20もしくは21のいずれかに記載の第2指数算出ステップで算出した第2指数情報、請求項9から12、もしくは18から21のいずれかに記載の集中不良分布判定ステップで得られた集中不良分布情報、請求項13、20もしくは21に記載の第3指数算出ステップで算出した第3指数情報、請求項14、20もしくは21に記載の第4指数算出ステップで算出した第4指数情報、請求項15、20もしくは21に記載の第5指数算出ステップで算出した第5指数情報、もしくは請求項16、20もしくは21に記載の第6指数算出ステップで算出した第6指数情報、又はこれらの組合せを複数のウエハについて収集し、さらに各ウエハについて製造工程における処理履歴情報もしくは処理装置情報又はその両方を収集し、それらの収集情報に基づいて、不良発生工程又は不良発生処理装置を究明するウエハの異常発生解析方法。
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