JP2004047210A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池が発電可能となるまでの時間を短縮し、かつ水容器内の解氷のための消費燃料、電力を削減する。
【解決手段】燃料電池(1)が、電池部と加湿部とからなり、水を蓄える水容器(5)と、この水容器(5)内の水を燃料電池(1)内部の前記加湿部へと供給する水供給装置(6、8)と、前記加湿部で使用されなかった水を水容器(5)へと戻す戻り通路(11)とを備える。この場合に燃料電池(1)内部の電池部で使用されなかった水素と酸素を燃焼させる燃焼器(2)と、燃料電池(1)の起動時に水容器(5)内の水が凍っているとき、この燃焼器(2)で燃焼したガスを水に代えて燃料電池(1)内部の前記加湿部に供給する燃焼ガス供給手段(3、8、21、22、23)とを設ける。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は燃料電池システム、特に起動時の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池車両の起動方法には例えば特開2000−236978号公報に示されるようなものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、固体高分子型燃料電池は、電解質にプロトン導電性を有する高分子膜を用い、この膜の両側に薄い多孔質触媒電極を有する。そして、それぞれの電極に水素と空気(または酸素)を供給し、水素と空気中の酸素との反応により発電させるものである。
【0004】
この場合、プロトンが高分子膜を移動する際には電気浸透効果により数個の水分子を伴って移動するため高分子膜のアノード側が乾燥しがちになり、このことが高分子膜の電気伝導度を低下させ、発電能力を低下させてしまう。これを防ぐには、水素ガスを加湿して、また空気も加湿して電極へと供給することであり、このため、多孔質セパレータの一方の面に水を、他の面に電池への供給ガス(水素、空気)を流し、セパレータを透過してくる水蒸気で供給ガスを加湿して電池に供給している。
【0005】
このように、電池への供給ガスを加湿する部分(加湿部)と、供給ガスを電極に受けて発電する部分(電池部)とがドッキングして一体化されたものが、内部加湿方式の固体高分子型燃料電池である。
【0006】
上記の加湿部はさらに、水(純水)を蓄える容器と、この容器内の水を加湿部へと供給する水供給手段と、加湿部で使用されなかった水を容器へと戻す戻り通路とを備えている。
【0007】
こうした燃料電池システムを0℃以下の外気中に放置すると容器内の水が凝結するためこの状態では水素と空気の供給ガスを加湿することができない。従ってこの場合には、容器内の氷が解凍するのを待ってからでないと燃料電池を起動させることができない。
【0008】
そこで上記の従来装置では、燃料電池内部に温水等の媒体が流れる温水通路を形成しておき、0℃以下の低温状態では加熱用ヒータを働かせて加熱した温水を燃料電池内部の温水通路に流すことにより燃料電池が発電可能となる温度にまで昇温させるようにしている。
【0009】
この従来装置を水容器に適用し、水容器内に温水通路を設けて0℃以下の低温状態で加熱用ヒータを働かせて加熱した温水を水容器内の温水通路に流すことにより、水容器内の氷を溶かそうとすることを考えると、加熱用ヒータが電気ヒータである場合に早期に水容器内の氷を溶かそうとすれば、非常に大きな熱量が必要になり電気ヒータが大型化して燃費が悪化する。かといって小さな熱量しか発生しない電気ヒータを用いたのでは、燃料電池が発電可能となるまでの時間が長引いてしまう。
【0010】
また、加熱用ヒータとして燃焼式ヒータを用いる場合には、燃料電池が発電可能となるまでの時間を短縮できるものの、燃焼式ヒータを別に設ける必要があり、コストアップになる。
【0011】
そこで本発明は、燃料電池で使用されなかった供給ガスは燃焼器に導いて燃焼させていることに着目し、燃料電池の起動時に容器内の水が凍結しているときには燃焼器で燃焼させたガスを水に代えて加湿部に供給することにより、燃焼ガス中の水蒸気を用いて起動直後より供給ガスの加湿を行わせつつ燃焼ガス中の水蒸気から生成される凝縮水を加熱して水容器内に導いて水容器内の氷を溶かし、これにより水容器内の解氷のために電気ヒータにより加熱した温水を水容器内に設けた温水通路に流す場合に比べて、燃料電池が発電可能となるまでの時間を短縮し、かつ水容器内の解氷のための消費燃料、電力を削減することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、燃料電池が、電解質としての高分子膜の両側に電極を有し、これら電極にそれぞれ供給ガスとしての水素及び酸素を導いて両者の反応により発電を行わせる電池部と、多孔質セパレータの一方の面に水を、他の面に前記供給ガスを流し、該セパレータを透過してくる水蒸気で供給ガスを加湿する加湿部とからなり、前記水を蓄える水容器と、この水容器内の水を燃料電池内部の前記加湿部へと供給する水供給装置と、前記加湿部で使用されなかった水を水容器へと戻す戻り通路とを備える燃料電池システムにおいて、前記燃料電池内部の電池部で使用されなかった水素と酸素を燃焼させる燃焼器と、燃料電池の起動時に前記水容器内の水が凍っているとき、この燃焼器で燃焼したガスを水に代えて燃料電池内部の前記加湿部に供給する燃焼ガス供給手段とを設ける。
【0013】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、燃料電池の起動時に水容器内の水が凍っているとき、燃焼ガスを水に代えて燃料電池内部の加湿部に供給することで、燃料電池を直接に温度上昇させることができる。また、燃焼器における水素と酸素の燃焼により水蒸気が生成されるために供給ガスに対する加湿も行える。
【0014】
さらに、生成された水蒸気は燃焼ガスを燃料電池内部の加湿部に供給するための通路や燃料電池内部で冷やされて凝縮水へと変化すると共に、凝縮水へと変化する際には熱を放出し、この熱がさらに燃料電池を加熱するとともに、既に生じている凝縮水をも加熱する。そして、高温となった凝縮水は燃料電池より出て戻り通路より水容器内へと流れ込んで氷を溶かす。
【0015】
このようにして、請求項1に記載の発明によれば、燃焼ガスを利用することにより、水容器内の水が凍っている状態においても、燃料電池で発電を行いながら燃料電池の昇温、供給ガスの加湿を行いつつ、水容器内の解氷を行うことができる。この場合に燃焼ガスにより燃料電池を直接加熱するので、水容器内の解氷のために電気ヒータにより加熱した温水を水容器内に設けた温水通路に流す場合に比べて、燃料電池が定格発電可能となるまでの時間を短縮でき、かつ水容器内の解氷のための消費燃料、電力も削減できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明の第1実施形態の燃料電池システムの概略構成図を示す。
【0018】
図において、燃料電池1はその内部に空気通路、水素通路および水通路を備えた内部加湿方式の固体高分子型燃料電池である。すなわち、燃料電池1は加湿部と電池部とからなり、加湿部では多孔質セパレータの一方の面に水(例えば純水)、反対側の面に供給ガス(空気又は水素)を流し、セパレータを透過してくる水蒸気で供給ガスを加湿する。そして加湿した水素と空気の供給ガスを電池部の各電極に供給し、これら供給ガスの反応により発電を行わせるようになっている。燃料電池1で発生した電力は走行用電動モータやバッテリ等の電気機器に供給される。
【0019】
燃料電池1内部の加湿部に水を供給するため、電動モータ7により駆動される水供給ポンプ6を備える。
【0020】
まず、燃料電池を起動してしばらくたった後の通常運転時について述べると、水供給ポンプ6は水タンク5(水容器)内の水を加圧し水供給通路8を介して燃料電池1内部の加湿部に供給する。燃料電池1内部の加湿部で供給ガスの加湿に使用されなかった水は戻り通路11を介して熱交換器12に導かれ、ここで冷却された後に水タンク5へと戻される。
【0021】
燃料電池1内部の電池部で発電のために消費されなかった余剰の空気と水素は燃焼器2に送られて燃焼され、燃焼後のガスは排気通路3を介してコンデンサ4へと送られる。コンデンサ4では燃焼ガスを冷却して水を分離し、この燃焼ガスから分離された水は通路16より水タンク5へと回収される。
【0022】
このように、水供給ポンプ6、水供給通路8からなる水供給装置を備える(請求項8に記載の発明)のであるが、水タンク5内の水温が0℃以下にある燃料電池の起動時には水タンク5内の水が凍り、液状の水を燃料電池1内部の加湿部へと供給できなくなるので、本発明では通路21、三方弁22、23からなる燃焼ガス供給手段を設けている(請求項8に記載の発明)。
【0023】
これについて説明すると、排気通路3から分岐して水供給ポンプ6下流の水供給通路8に合流する通路21が設けられ、この通路21の分岐部と合流部とにそれぞれ三方弁22、23を備える。
【0024】
一方の三方弁22はOFF状態(図示状態)で三方弁22上流の排気通路3と三方弁22下流の排気通路3とを連通し、三方弁22上流の排気通路3と通路21との連通を遮断しているが、ON状態に切換えられると、三方弁22上流の排気通路3と三方弁22下流の排気通路3との連通を遮断し、三方弁22上流の排気通路3と通路21とを連通する。
【0025】
また、三方弁23はOFF状態(図示状態)で三方弁23上流の水供給通路8と三方弁23下流の水供給通路8とを連通し、通路21と三方弁23下流の水供給通路8との連通を遮断しているが、ON状態に切換えられると、三方弁23上流の供給通路8と三方弁23下流の供給通路8との連通を遮断し、通路21と三方弁23下流の供給通路8とを連通する。
【0026】
このため、2つの三方弁22、23が共にOFF状態にあるときには通常運転時と同様であり、これに対して三方弁22、23が共にON状態になると、通常運転時と相違して、燃焼器2からのガスが、三方弁22上流の排気通路3、通路21、三方弁23下流の水供給通路8を還流して燃料電池1内部の加湿部へと供給される。すなわち、通路21と三方弁22、22とは燃焼器2からのガスをコンデンサ4へと導くのか、それとも燃料電池1内部の加湿部へと還流させるのかを切換えるためのものである。
【0027】
燃料電池1内部の加湿部より外部に出る戻り通路11からは、熱交換器12の上流より分岐して熱交換器12を迂回するバイパス通路25が設けられ、このバイパス通路25の分岐部にも三方弁26を備える。この三方弁26はOFF状態(図示の状態)で三方弁26上流の戻り通路11と三方弁26下流の戻り通路11とを連通し、三方弁26上流の戻り通路11とバイパス通路25との連通を遮断しているが、ON状態に切換えられると、三方弁26上流の戻り通路11と三方弁26下流の戻り通路11との連通を遮断し、三方弁26上流の戻り通路11とバイパス通路25とを連通する。
【0028】
さらに、戻り通路11からの燃料電池の停止時における水抜きのため、三方弁26と熱交換器12の間の戻り通路11から分岐して大気に開放される水抜き通路27が設けられ、この水抜き通路27にOFF状態(図示の状態)でこの通路27を開放し、ON状態になるとこの通路27を遮断する切換弁28を備える。
【0029】
上記3つの三方弁22、23、26及び切換弁28をON、OFF制御するほか、電動モータ7の駆動制御、燃料電池1への供給ガスの供給制御を行うため、主にマイコンからなるコントローラ31を備える。コントローラ31には水タンク5内の水温を検出する水温センサ32とイグニッションスイッチ33からの信号が入力し、これらの信号に基づいて燃料電池1の起動時に水タンク5内が氷結していることを判定したときには水供給ポンプ6は働かせることなく停止しておき、空気と水素の供給ガスを燃料電池1に供給した後に燃焼器2で燃焼させ、その高温の燃焼ガスを燃料電池1内部の加湿部に供給することにより、燃料電池1の昇温と供給ガスの加湿を行うだけでなく、燃焼ガス中の水蒸気が冷やされて生じる凝縮水を加熱した後で水タンク5内に導いて水タンク5内の解氷を行う。
【0030】
なお、ここでは、図1に示した燃料電池1を含むシステムを車両に搭載し、燃料電池1からの電力で車両駆動用モータ15を駆動して車両を走行させる、いわゆる燃料電池車の場合で説明する。燃料電池車においても、エンジンを搭載する車両と同じに燃料電池1の始動や燃料電池1の停止を指示するスイッチが設けられており、このスイッチをイグニッションスイッチと称している。
【0031】
コントローラ31で行われる制御内容を図2のフローチャートにより説明する。図2のフローは一定時間毎に実行する。
【0032】
図2においてステップ1ではイグニッションスイッチ(図では「IGN SW」で略記)33の信号をみる。イグニッションスイッチ33が今回にON状態にあり、かつ前回はOFF状態であるとき、つまりイグニッションスイッチ33がOFFからONへと切換えられたとき(起動直後)には、ステップ3、4に進んで、切換弁28をONとすると共に三方弁26をONとする。切換弁28のONによって水抜き通路27が遮断され、三方弁26のONによって燃料電池1内部の加湿部を出た流体は、三方弁26上流の戻し通路11、バイパス通路25、戻し通路11と流れて純水タンク5へと導かれる。これは、熱交換器12は通常運転時に燃料電池1内部で温度上昇した水を冷却するためのものであり、水タンク5内の水温が0℃以下の起動時にはなるべく暖かい水を水タンク5に供給したいので、熱交換器12をバイパスして流すようにしたものである。
【0033】
ステップ7では水温センサ32からの水温を読み込み、これと0℃をステップ8において比較する。水温が0℃以下であるときには水タンク5内の水が凍結していると判断し、ステップ9で2つの三方弁22、23をON状態に切換える。三方弁22、23のONへの切換により、燃焼器2を出たガスは、三方弁22上流の排気通路3、通路21、三方弁23下流の供給通路8からなる還流通路を流れて燃料電池1内部の加湿部へと導かれる。
【0034】
また、水タンク5内が氷結している状態では水供給ポンプ6を作動させても液状の水を燃料電池1内部の加湿部へと供給できないので、ステップ10で電動モータ7をOFFとする。
【0035】
ステップ11、12では、燃焼器2を活性化させると共に、空気と水素の供給ガスの燃料電池1内部の加湿部への供給を開始する。燃焼器2が触媒であれば、触媒は活性化した状態にならないと空気中の酸素と水素を反応(燃焼)させることができないので、燃焼器2の活性化とはヒータ等を用いて触媒を活性温度にまで上昇させることである。あるいは触媒が活性化するまでは燃焼器2の上流端に設けたグロープラグで供給ガスに点火して燃焼させるようにしてもよい。
【0036】
イグニッションスイッチ33が今回、前回ともONの状態であれば、ステップ1、2よりステップ5、6に進んで切換弁28、三方弁26ともON状態に保持する。このときもステップ7で水温を読み込み、水温が0℃以下であればステップ9〜12の操作を繰り返す。
【0037】
水温が0℃以下にある燃料電池1の起動時にステップ9〜12の操作を繰り返すと、燃焼器2触媒が活性化する前は空気と水素が未反応のまま上記の還流通路を流れて燃料電池1内部の加湿部に供給されるが、燃焼器2触媒が活性化したタイミングからは空気中の酸素と水素が反応して燃焼し高温となった燃焼ガスが上記の還流通路を流れて燃料電池1内部の加湿部に供給され、加湿部より燃料電池1の外へと出た燃焼ガスは戻り通路を経て水タンク5へと導かれ、水タンク5上部の大気開放孔5aから大気へと排出される。
【0038】
この場合、燃焼ガスには水素の燃焼によって大量の水蒸気を含んでいるために、水温が0℃以下にある起動時、つまり冷間状態にある上記の還流通路や燃料電池1内部で冷却されると、燃焼ガス中の水蒸気は凝縮水に変化する。水蒸気が凝縮水に変化するときには気化潜熱を放出するため大量の熱が発生し、また燃焼ガスの高い温度によって上記の還流通路および燃料電池1内部が効率的に暖められる。また、電池部が定格発電可能な温度に達して発電を行うようになると、この電池部による発電に伴う熱が燃料電池1内部の加湿部に与えられるため、加湿部を通過する凝縮水はさらに高温になって燃料電池1を出て水タンク5へと流入する。
【0039】
この高温の凝縮水の水タンク5への流入により、水タンク5内で氷結していた水が徐々に溶かされる。
【0040】
やがて、水タンク37内の水が全て溶けると、水タンク5内の解氷は終了である。従ってこのとき、つまり水タンク5内の水温が0℃を越えたときには通常運転モードへと移行させるため、ステップ8よりステップ13、14に進み、三方弁22、23をOFF状態へと切換えると共に、電動モータ7をON状態へと切換える。三方弁22、23のOFFへの切換により、燃焼器2からの燃焼ガスはコンデンサ4へと導かれ、また解凍されて液体となった水タンク5内の水は水供給ポンプ6により加圧されて水供給通路8より燃料電池1内部の加湿部へと供給される。
【0041】
このように、本実施形態では、水タンク5内の水が凍っている起動時に、燃焼器2からの燃焼ガスを燃料電池1内部の加湿部に直接に供給することによって、冷間状態にある還流通路や燃料電池1内部の加湿部を加熱して電池部をも加熱し、電池部を定格発電可能な温度へと上昇させ、その一方で温度低下した燃焼ガスより凝縮水が生成されるためこの凝縮水を用いて燃料電池の加湿を行う。これを続けると凝縮水が増えてゆき、この凝縮水が水タンク5に流れ込む。そのうち燃料電池1が暖まってくると、凝縮水の温度も上がり、このようにして温度上昇した凝縮水によりやがて水タンク内の解氷が終了する。
【0042】
これにより、水容器内の解氷のために電気ヒータにより加熱した温水を水容器内に設けた温水通路に流す場合に比べて、燃料電池が定格発電可能となるまでの時間を短縮でき、かつ水容器内の解氷のための消費燃料、電力も削減できる。
【0043】
一方、ステップ1でイグニッションスイッチ33がOFF状態であるときにはステップ15に進み、前回のイグニッションスイッチ33の状態をみる。前回はイグニッションスイッチ33がON状態にあり今回イグニッションスイッチ33がOFFであるとき、つまりイグニッションスイッチ33がONからOFFへと切換えられたときには燃料電池の停止時であると判断し、ステップ16で切換弁28をOFFとする。これは、燃料電池の停止時に戻り通路11内の水を戻り通路11からすべて抜き、水は水タンク5内にしかない状態にしておくためである(請求項7に記載の発明)。
【0044】
ステップ17、18、19では電動モータ7をOFFとし、空気と水素の燃料電池1への供給を停止し、燃焼器2の働きを停止させる。
【0045】
図3は第2実施形態の燃料電池システムの概略構成図で、図1と置き換わるものである。図1と同一部分には同一番号を付けている。
【0046】
この実施形態は、第1実施形態に対して、さらに水タンク5内が氷結状態にあるとき、凍った水を直接に加熱し得る加熱装置41を設けたものである(請求項2、3に記載の発明)。すなわち、加熱装置41は、燃焼器2内の燃焼ガスとの間で吸熱を行う熱交換器42と、水タンク5内の氷との間で放熱を行う熱交換器43と、これら2つの交換器42、43の間で伝熱媒体を流す通路44、45と、電動モータ47により駆動され、燃焼ガスとの間で熱交換を行わせた伝熱媒体を熱交換器43へ、氷との間で熱交換を行わせた伝熱媒体を熱交換器42へと循環させる、電動モータ47駆動のポンプ46とからなっている(請求項3に記載の発明)。そして、加熱装置41もコントローラ31により駆動する。
【0047】
また、水タンク5内が氷結しているとき燃焼器2からの燃焼ガスを燃料電池1内部の加湿部に供給する際に燃焼ガスの温度が加湿部入口において高過ぎると、燃料電池1の耐久性を低下させてしまうので、燃料電池1内部の加湿部を通る水供給通路のうち入口近くに温度センサ51を設けて加湿部入口のガス温度を検出し、検出したガス温度をコントローラ31に入力させ、コントローラ31において、加湿部入口のガス温度が所定値を超えるときには一時的に燃焼ガスの燃料電池1内部の加湿部への供給を中止する(請求項5に記載の発明)。
【0048】
コントロールユニット31により行われるこれらの制御を図4、図5のフローによりさらに詳述する。なお、図4、図5において図2と同一部分には同一のステップ番号を付けており、図2と相違する部分を主に説明する。
【0049】
図5のステップ21では温度センサ51により検出されるガス温度を読み込み、この温度と所定値をステップ22において比較する。所定値は燃料電池1の使用温度として許容される上限温度であり、例えば100℃前後の値に設定する。加湿部入口のガス温度が所定値以下であれば、第1実施形態の処理に加えて加熱装置41を働かせる。すなわち、図5のステップ7以降に進み、水温が0℃以下のときには、ステップ9〜12の操作を行うと共にステップ23で電動モータ47をONにして加熱装置41を働かせる。また、水温が0℃を超えると、ステップ13、14の操作を行うと共にステップ24で電動モータ47をOFFにする。
【0050】
一方、燃料電池1の起動直後に燃料電池1内部の加湿部に燃焼器2からの燃焼ガスを供給している場合に、燃焼ガスが加湿部入口に近い付近で所定値を越えることがある。このときにはステップ22よりステップ25に進み、タイマが起動されているかどうかをみる。このタイマは温度センサ51により検出される加湿部入口付近のガス温度が所定値を超えてからの経過時間を計測するためのものである。温度センサ51により検出される加湿部入口付近のガス温度が初めて所定値を越えたときにはまだタイマは起動されていないので、ステップ26に進んでタイマを起動し、ステップ27においてタイマ値と一定時間を比較する。
【0051】
タイマを起動した当初は一定時間に満たないため、ステップ28に進み、三方弁22、23をOFFへと切換えることにより、燃料電池1内部の加湿部への燃焼ガスの供給を停止する。
【0052】
ただし、凍結した水の加熱装置41による加熱は継続するためステップ29で電動モータ47をONとしておく。水供給ポンプ6は、働かせても液状の水を燃料電池1内部の加湿部へと供給できないので、ステップ30で電動モータ7をOFFとする。
【0053】
そして、一定時間が経過したときには加湿部入口付近のガス温度が所定値以下に低下していると判断して、再びステップ7以降に進む。
【0054】
このように、燃料電池1の起動時に水タンク5内の水温が0℃以下のとき、第2実施形態によればさらに加熱装置41を働かせて水タンク5内の氷に熱を直接与えるようにしたので、より迅速に水タンク5内の氷を溶かすことができ、より早い通常運転への移行が可能となる。
【0055】
また、水タンク5内の解氷のため燃料電池1内部の加湿部に燃焼器2からの燃焼ガスを供給している場合に、燃焼ガスの温度が燃料電池1内部の加湿部入口付近で所定値を越えたときには燃焼器2からの燃焼ガスの燃料電池1内部の加湿部への供給を一時的に中止するようにしたので、燃料電池1の耐久性が悪くなることがない。
【0056】
第2実施形態では、加熱装置41の熱源として燃焼器2の燃焼ガスとの間で熱交換を行わせて上昇した伝熱媒体を用いる場合で説明したが、これに限られるものでなく、電気ヒータで直接に水容器内の氷を加熱するようにしてもかまわない(請求項4に記載の発明)。ただし、燃焼器2からの伝熱媒体を介した加熱装置41を用いたほうが、より消費燃料が少なく水タンク5内の解氷を完了できるため、電気ヒータで直接に水容器内の氷を加熱する場合より望ましい。
【0057】
第2実施形態では、温度センサ51により検出される加湿部入り口付近の燃焼ガス温度が高すぎる場合に燃焼ガスの燃料電池1内部の加湿部への供給を一時的に停止する場合で説明したが、これに代えて次の方策をとることができる(請求項6に記載の発明)。
【0058】
他の方策1:燃料電池1への水素と空気の供給量を減量(調節)して燃焼器2
の燃焼ガス温度を所定値以下へと低下させる。
【0059】
他の方策2:加熱装置41の伝熱媒体の循環流量を増大させて燃料電池1に供
給される燃焼ガスの温度を所定値以下へと低下させる。
【0060】
第1実施形態に対して、第2実施形態の加熱装置41のみを追加した態様も考えられる。
【0061】
実施形態では、燃料電池システムを燃料電池車に適用した場合で説明したが、これに限らず定置式のものにも適用することができる。
【0062】
実施形態で燃料電池1に供給する水素は、炭化水素系原料を改質して得られる水素(改質ガス)でもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の燃料電池システムの概略構成図。
【図2】第1実施形態の制御内容を説明するためのフローチャート。
【図3】第2実施形態の燃料電池システムの概略構成図。
【図4】第2実施形態の制御内容を説明するためのフローチャート。
【図5】第2実施形態の制御内容を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1 燃料電池
2 燃焼器
3 排気通路
5 水タンク(水容器)
6 水供給ポンプ
8 水供給通路
11 戻り通路
21 通路
22、23 三方弁
27 水抜き通路
28 切換弁

Claims (11)

  1. 燃料電池が、電解質としての高分子膜の両側に電極を有し、これら電極にそれぞれ供給ガスとしての水素及び酸素を導いて両者の反応により発電を行わせる電池部と、多孔質セパレータの一方の面に水を、他の面に前記供給ガスを流し、該セパレータを透過してくる水蒸気で供給ガスを加湿する加湿部とからなり、
    前記水を蓄える水容器と、
    この水容器内の水を燃料電池内部の前記加湿部へと供給する水供給装置と、
    前記加湿部で使用されなかった水を水容器へと戻す戻り通路と
    を備える燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池内部の電池部で使用されなかった水素と酸素を燃焼させる燃焼器と、
    燃料電池の起動時に前記水容器内の水が凍っているとき、この燃焼器で燃焼したガスを水に代えて燃料電池内部の前記加湿部に供給する燃焼ガス供給手段と
    を設けることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料電池の起動時に前記水容器内の水が凍っているとき、その凍った水を直接に加熱する加熱装置を設けることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記加熱装置は、燃焼器内で燃焼ガスとの間で熱交換を行って吸熱した伝熱媒体を前記水容器内に設けた伝熱媒体通路を循環させるものであることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記加熱装置は、前記水容器内の氷を直接に加熱する電気ヒータであることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃焼したガスを水に代えて燃料電池内部の前記加湿部に供給する場合に、この燃焼したガスの温度が加湿部入口において予め定めた所定値を超えるとき、この燃焼したガスの燃料電池内部の前記加湿部への供給を一時的に停止することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃焼したガスを水に代えて燃料電池内部の前記加湿部に供給する場合に、この燃焼したガスの温度が加湿部入口において予め定めた所定値を超えるとき、この燃焼したガスの温度を低下させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  7. 燃料電池の停止時に前記戻り通路内の水を抜き取ることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  8. 前記水供給装置は、水容器内の水を加圧して吐出する水供給ポンプと、この加圧された水を燃料電池内部の前記加湿部に供給する水供給通路とからなり、前記燃焼ガス供給手段は、燃焼器からの燃焼ガスを逃す排気通路と、この排気通路から分岐して前記水供給ポンプ下流の水供給通路に合流する通路と、この通路の分岐部と合流部にあって流路を切換える三方弁とからなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  9. 前記水は純水であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  10. 前記供給ガスの一方は酸素に代えて酸素を含んだ気体であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  11. 前記供給ガスの一方は水素に代えて改質ガスであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
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