JP2004047196A - 電子顕微鏡 - Google Patents

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JP2004047196A JP2002200883A JP2002200883A JP2004047196A JP 2004047196 A JP2004047196 A JP 2004047196A JP 2002200883 A JP2002200883 A JP 2002200883A JP 2002200883 A JP2002200883 A JP 2002200883A JP 2004047196 A JP2004047196 A JP 2004047196A
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Akira Inoue
井上 亮
Masaaki Komatsu
小松 正明
Masatoshi Shiiki
椎木 正敏
Shin Imamura
今村 伸
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Abstract

【課題】透過型電子顕微鏡のシンチレータ、及び蛍光板の蛍光膜を構成する蛍光体の発光効率、輝度飽和低減、寿命の各特性を向上させ、高性能の電子顕微鏡及び画像観察装置を得る。
【解決手段】蛍光膜が形成されたシンチレータ11、及び蛍光板9と前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Re、(Y1−x,Gd:Eu、(Y1−x,Gd)BO:Euで表される、ただし、ReはTb及びCeの少なくとも一種の元素であり、そして、式中のxは0≦x≦1である蛍光体を用いることにより、発光効率、輝度飽和低減、寿命特性の改善を実現する電子顕微鏡及び画像観察装置ができる。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光膜が形成されたシンチレータに係わり、特に前記シンチレータを形成する蛍光膜に電子線を照射して像観察を行う手段を備えた透過型電子顕微鏡及び画像観察装置に関する。また、蛍光膜が形成された蛍光板に係わり、特に前記蛍光板を形成する蛍光膜に電子線を照射して像観察を行う手段を備えた透過型電子顕微鏡及び画像観察装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
透過型電子顕微鏡の像観察は、100kVから400kV程度の高加速電圧で行う。電子線を試料に照射し、試料を透過した電子線を蛍光膜が形成された蛍光板に当て、蛍光板の蛍光体粒子が発光したとき光の濃淡の観察を行う、または、試料を透過した電子線を蛍光膜が形成されたシンチレータにより光の濃淡に変換し、変換した光を電荷結合素子(以下CCDとする)に取り込み、CCDの映像信号出力によりテレビモニタやパソコンで観察を行う。
【0003】
高加速電圧化、CCD、テレビモニタなどのディジタル画像処理化への対応として、シンチレータ及び蛍光板に要求される特徴は、第1に電子線を蛍光膜中に止めることが必要である。高加速電圧200kVから400kV程度の場合、電子線が蛍光膜を突き抜けてしまい、発光に寄与する電子線の強度が弱くなる。その結果、蛍光膜を構成する蛍光体の発光効率を低下させてしまう。そのため、蛍光膜中に電子線を止め、発光効率を向上させる必要がある。
【0004】
第2に輝度飽和を起こし難い、つまり輝度−励起電流特性が良い蛍光体である必要がある。輝度−励起電流特性が良い蛍光体を用いることにより、励起電流に対するダイナミックレンジをより広く確保することができる。
【0005】
第3に発光スペクトル形状がCCDの受光感度分布特性へ対応していることが必要である。そのためCCDの量子効率が一番高い480nm−580nmに中心発光ピーク波長を持つ蛍光体が必要である。
【0006】
これら問題点を改善した蛍光体で構成したシンチレータ、及び蛍光板を使用することにより高加速電圧化、ディジタル画像処理化へ対応した電子顕微鏡及び画像観察装置が実現できる。
【0007】
現在までに蛍光板にZnS蛍光体、また、シンチレータにはZnS蛍光体、CaF、YAG(YAl12)単結晶、及びGdSなどが用いられている。例えば、発光ピーク波長が550nmであるセリウムをドープしたYAG、または発光ピーク波長が510nmであるプラセオジウム、セリウム、フッ素などをドープしたGdSが用いられてきた。
【0008】
中でもZnS:Cu,Al蛍光体が蛍光板、シンチレータともに主に用いられてきた。シンチレータ蛍光膜に関しては、例えば特開09−45271号公報においてシンチレータとして金属オキソシリケートを使用している。非晶質セレン膜を持った撮像管の最大受光感度波長350−450nmに対応したセリウムをドープしたガドリニウムオキソシリケート(GdSiO)、またはイットリウムオキソシリケート(YSiO)、またはルテシウムオキソシリケート(LuSiO)を使用している。
【0009】
また、特開11−126574号公報ではシンチレータ蛍光膜を構成する蛍光体としてフッ化カルシウムを適用している。非晶質セレン膜を持った撮像管の最大受光感度波長350−450nmに対応したユーロピウムを添加したフッ化カルシウムが報告されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、現在までシンチレータ、及び蛍光板として主に用いられてきたZnS:Cu,Al蛍光体よりも発光特性の優れた蛍光体、つまり具体的には、高加速電圧領域において蛍光膜中に電子線を止めることによる蛍光膜の発光効率の向上、輝度−励起電流特性の改善による輝度飽和の低減、さらにCCDの受光感度分布特性に蛍光体の発光特性を対応させた蛍光体により、優れた画像特性を有する電子顕微鏡及び画像観察装置を提供することにある。
【0011】
さらに具体的には蛍光膜が形成されたシンチレータとCCDとを備え、映像信号出力によりテレビモニタやパソコンで観察が行える高性能の電子顕微鏡及び画像観察装置を提供することにある。
【0012】
また、具体的には蛍光膜が形成された蛍光板を備え、蛍光板の蛍光体粒子が発光したときの光の濃淡により、肉眼で観察が行える高性能の電子顕微鏡及び画像観察装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は蛍光膜が形成されたシンチレータ(電子線を光に変換する素子)と前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段を備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Reで表される、ただし、ReはTb及びCeの少なくとも一種の元素であり、そして、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡で達成される。
【0014】
また、蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段を備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式がGd(Al,Ga)12:Reで表される、ただし、ReはTb及びCeの少なくとも一種の元素である蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡で達成される。
【0015】
また、蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段を備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Tbである、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡で達成される。
【0016】
また、蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段を備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式がGd(Al,Ga)12:Tbである蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡で達成される。
【0017】
また、蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段を備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd:Eu、または(Y1−x,Gd)BO:Euで表せる、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡で達成される。
【0018】
また、蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段を備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式がGd:Eu、またはGdBO:Euで表せる蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡で達成される。
【0019】
また、蛍光膜が形成された蛍光板と前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段を備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Reで、ReはTb及びCeの少なくとも一種の元素で表せる、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡で達成される。
【0020】
また、蛍光膜が形成された蛍光板と前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1− ,Gd:Eu、または(Y1−x,Gd)BO:Euで表せる、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡で達成される。
【0021】
また、蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に電子線を照射して像観察を行う手段を備えた画像観察装置であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Reで表される、ただし、ReはTb及びCeの少なくとも一種の元素であり、そして、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする画像観察装置で達成される。
【0022】
また、蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた画像観察装置であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd:Eu、または(Y1−x,Gd)BO:Euで表せる、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする画像観察装置で達成される。
【0023】
また、蛍光膜が形成された蛍光板と前記蛍光膜に電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた画像観察装置であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Reで表される、ただし、ReはTb及びCeの少なくとも一種の元素であり、そして、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする画像観察装置で達成される。
【0024】
また、蛍光膜が形成された蛍光板と前記蛍光膜に電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた画像観察装置であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd:Eu、または(Y1−x,Gd)BO:Euで表せる、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする画像観察装置で達成される。
【0025】
即ち、本発明の電子顕微鏡に使用する酸化物希土類蛍光体の第一の特徴は、高加速電圧領域において電子線を蛍光膜中に止めることにより、発光効率を向上させることである。また、一般的に原子番号が大きい重元素ほど電子を引きつける効果が強い。そのため蛍光体中に電子線を止めるために蛍光体に重元素を添加することで、その効果が向上する。そこで、本発明においては、重元素としてGdを蛍光体に添加した。
また、本発明で用いた酸化物希土類蛍光体の第二の特徴はZnS:Cu,Al蛍光体と比較して輝度−励起電流特性が良く輝度飽和が小さい蛍光体であり、寿命特性が良いということである。ZnS:Cu,Al蛍光体は発光中心としてドナー−アクセプタの再結合を用いており、孤立発光センタである希土類発光中心より輝度飽和を起こしやすい。
また、CCD受光感度分布特性に蛍光体の発光スペクトル特性を対応させるため発光ピーク波長480nm−580nmに中心発光ピーク波長を持つ希土類発光中心Tb、Ce、Euを用いた酸化物希土類蛍光体を適用した。
【0026】
【発明の実施の形態】
ここでは本発明の電子顕微鏡及び画像観察装置に使用するシンチレータ及び蛍光板を構成する蛍光体の発光特性について詳述するが、以下に示す実施形態は、本発明を具体化する一例を示すものであり、本発明を拘束するものではない。
【0027】
(実施形態1)
本発明の(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Tb蛍光体は以下に述べる方法で製造できる。原料として、Y、Gd、Tb、Al、及びGaを用いた。これらの材料の化学量論比率に従った所定量に、焼成のためにフラックスを上記原料による生成物のモル数の1/20モル加え、乳鉢を用いてよく混合した。この混合物をアルミナるつぼに入れ、るつぼのふたをした後、1600℃で2時間焼成した。焼成物を粉砕し、フラックス成分を除くため水洗、乾燥の後、蛍光体粉末を得た。このようにして得られた(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Tbで表される、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体についてカソードルミネッセンススペクトル特性評価を行った。
【0028】
測定する試料はNiメッキした銅基板上に沈降塗布法により水ガラスを加えて塗布した。蛍光体を塗布した基板を走査型電子顕微鏡の測定チャンバー内にセットして測定を行った。加速電圧10kV、及び30kV、励起電流3.86nA/cm、7.71nA/cm、19.3nA/cm、38.6nA/cm、及び57.8nA/cmの条件で電子線照射により特性評価を行った。
【0029】
図1にGd(Al,Ga)12:Tb、及びY(Al,Ga)12:Tb蛍光体のカソードルミネッセンススペクトルを示す。緑色発光の540nm付近に鋭い発光ピークを持つ発光帯が得られた。CCD受光感度分布特性に十分に対応した発光スペクトル特性が得られた。
【0030】
図2にZnS:Cu,Al蛍光体、Gd(Al,Ga)12:Tb、及びY(Al,Ga)12:Tb蛍光体の積算発光強度の励起電流値変化を示す。ここで積算発光強度は380nmから780nmまでの発光強度を積算したものとした。CCDからの出力である映像信号強度はCCDの受光感度分布と蛍光体の発光波長分布特性を掛け合わせ、全波長領域にわたって積算したもので表せるためである。
【0031】
積算発光強度は励起電流値の増加とともに増加する傾向にあり、その傾きはZnS:Cu,Al蛍光体と比較してGd(Al,Ga)12:Tb、及びY(Al,Ga)12:Tb蛍光体の方が明らかに大きい。
【0032】
積算発光強度の励起電流値に対するグラフの傾きは電流係数γとして表され、積算発光強度の励起電流値に対する伸びを示している。ZnS:Cu,Alの電流係数γを1とすると、Gd(Al,Ga)12:Tb(x=1の場合)は1.54、Y(Al,Ga)12:Tb(x=0の場合)では1.32となった。つまり、(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Tb蛍光体を用いた方がZnS:Cu,Al蛍光体より輝度−励起電流特性が良く、輝度飽和を低減できることが確認できた。
【0033】
(実施形態2)
本発明の(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Ceである、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体についてカソードルミネッセンススペクトル特性評価を行った。測定する試料はNiメッキした銅基板上に沈降塗布法により水ガラスを加えて塗布した。蛍光体を塗布した基板を走査型電子顕微鏡の測定チャンバー内にセットして測定を行った。加速電圧10kV、及び30kV、励起電流3.86nA/cm、7.71nA/cm、19.3nA/cm、38.6nA/cm、及び57.8nA/cmの条件で電子線照射により特性評価を行った。
【0034】
この蛍光体の電子線照射による発光スペクトル特性、輝度−励起電流特性の各特性は実施形態1と同様に良好であった。
【0035】
(実施形態3)
本発明の(Y1−x,GdS:Tbである、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体についてカソードルミネッセンススペクトル特性評価を行った。測定する試料はNiメッキした銅基板上に沈降塗布法により水ガラスを加えて塗布した。
【0036】
蛍光体を塗布した基板を走査型電子顕微鏡の測定チャンバー内にセットして測定を行った。加速電圧10kV、及び30kV、励起電流3.86nA/cm、7.71nA/cm、19.3nA/cm、38.6nA/cm、及び57.8nA/cmの条件で電子線照射により特性評価を行った。
【0037】
この蛍光体の電子線照射による発光スペクトル特性、輝度−励起電流特性の各特性は実施形態1と同様に良好であった。
【0038】
(実施形態4)
本発明の(Y1−x,Gd:Euである、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体についてカソードルミネッセンススペクトル特性評価を行った。測定する試料はNiメッキした銅基板上に沈降塗布法により水ガラスを加えて塗布した。
【0039】
蛍光体を塗布した基板を走査型電子顕微鏡の測定チャンバー内にセットして測定を行った。加速電圧10kV、及び30kV、励起電流3.86nA/cm、7.71nA/cm、19.3nA/cm、38.6nA/cm、及び57.8nA/cmの条件で電子線照射により特性評価を行った。
【0040】
この蛍光体の電子線照射による発光スペクトル特性、輝度−励起電流特性の各特性は実施形態1と同様に良好であった。
【0041】
(実施形態5)
本発明の(Y1−x,Gd)BO:Euである、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体についてカソードルミネッセンススペクトル特性評価を行った。測定する試料はNiメッキした銅基板上に沈降塗布法により水ガラスを加えて塗布した。
【0042】
蛍光体を塗布した基板を走査型電子顕微鏡の測定チャンバー内にセットして測定を行った。加速電圧10kV、及び30kV、励起電流3.86nA/cm、7.71nA/cm、19.3nA/cm、38.6nA/cm、及び57.8nA/cmの条件で電子線照射により特性評価を行った。
【0043】
この蛍光体の電子線照射による発光スペクトル特性、輝度−励起電流特性の各特性は実施形態1と同様に良好であった。
【0044】
上記実施形態1〜5に一般式が(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Re、(Y1−x,GdS:Tb 、(Y1−x,Gd:Eu、(Y1−x,Gd)BO:Euで表される、ただし、ReはTb及びCeの少なくとも一種の元素であり、そして、式中のxは0≦x≦1である本発明の主な蛍光体の発光特性を列記した。
【0045】
上記実施形態で例示した蛍光体を用いてシンチレータ及び蛍光板の蛍光膜を構成すれば、優れた画像特性を備えた透過型電子顕微鏡及び画像観察装置を作製できる。
【0046】
【実施例】
以下に透過型電子顕微鏡及び画像観察装置の具体的な実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される範囲の各要素の置換や設定変更がなされたものも含有することは言うまでもない。
【0047】
(実施例1)透過型電子顕微鏡その1
図3は、本発明の透過型電子顕微鏡の装置構成を示した概略図である。電子銃1から放射された電子線2は収束レンズ3、4により、試料5に照射される。
【0048】
試料5の結晶構造や組成等の影響を受けた電子線が試料5を透過する。透過した電子線2は対物レンズ6、中間レンズ7、投影レンズ8により蛍光板9に結像される。
【0049】
蛍光板9により電子像が光像に変換され肉眼で像観察ができる。蛍光板9を上げ、フィルム10を光軸上2aから外すと、シンチレータ11の光電面上(蛍光膜)に電子線が結像され、電子像が光像に変換される。変換された光像はCCDカメラ12に取り込まれ、得られた映像信号は例えばテレビモニタ、パソコンモニタで像観察、画像処理、記録等が行われる。図3ではパソコンモニタ13で像観察する例を示している。
【0050】
シンチレータ11としてGd(Al,Ga)12:Tb、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Tb、及びY(Al,Ga)12:Tb蛍光体を沈降塗布法によりコロジオン溶液を加えてそれぞれ塗布した。膜厚は約25μmとした。
【0051】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、Gd(Al,Ga)12:Tb、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Tb、及びY(Al,Ga)12:Tb蛍光体において輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0052】
(実施例2)透過型電子顕微鏡その2
本発明の透過型電子顕微鏡は(実施例1)と同様の各部にて構成されている。シンチレータ11としてGd(Al,Ga)12:Ce、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Ce、及びY(Al,Ga)12:Ce蛍光体を沈降塗布法によりコロジオン溶液を加えてそれぞれ塗布した蛍光膜がある。
【0053】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、Gd(Al,Ga)12:Ce、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Ce、及びY(Al,Ga)12:Ce蛍光体では輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0054】
(実施例3)透過型電子顕微鏡その3
本発明の透過型電子顕微鏡は(実施例1)と同様の各部にて構成されている。シンチレータ11としてGdS:Tb、(Y0.5,Gd0.5S:Tb、及びYS:Tb蛍光体を沈降塗布法によりコロジオン溶液を加えてそれぞれ塗布した蛍光膜がある。
【0055】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、GdS:Tb、(Y0.5,Gd0.5S:Tb、及びYS:Tb蛍光体では輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0056】
(実施例4)透過型電子顕微鏡その4
本発明の透過型電子顕微鏡は(実施例1)と同様の各部にて構成されている。シンチレータ11としてGd:Eu、(Y0.5,Gd0.5:Eu、及びY:Eu蛍光体を沈降塗布法によりコロジオン溶液を加えてそれぞれ塗布した蛍光膜がある。
【0057】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、Gd:Eu、(Y0.5,Gd0.5:Eu、及びY:Eu蛍光体では輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0058】
(実施例5)透過型電子顕微鏡その5
本発明の透過型電子顕微鏡は(実施例1)と同様の各部にて構成されている。シンチレータ11としてGdBO:Eu、(Y0.5,Gd0.5)BO:Eu、及びYBO:Eu蛍光体を沈降塗布法によりコロジオン溶液を加えてそれぞれ塗布した蛍光膜がある。
【0059】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、GdBO:Eu、(Y0.5,Gd0.5)BO:Eu、及びYBO:Eu蛍光体では輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Alより広いダイナミックレンジが確保できた。
【0060】
(実施例6)透過型電子顕微鏡その6
本発明の透過型電子顕微鏡は(実施例1)と同様の各部にて構成されている。蛍光板9としてGd(Al,Ga)12:Tb、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Tb、及びY(Al,Ga)12:Tb蛍光体を沈降塗布法によりコロジオン溶液を加えてそれぞれ塗布した蛍光膜がある。
【0061】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、Gd(Al,Ga)12:Tb、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Tb、及びY(Al,Ga)12:Tb蛍光体では輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0062】
(実施例7)透過型電子顕微鏡その7
発明の透過型電子顕微鏡は(実施例1)と同様の各部にて構成されている。蛍光板9としてGd(Al,Ga)12:Ce、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Ce、及びY(Al,Ga)12:Ce蛍光体を沈降塗布法によりコロジオン溶液を加えてそれぞれ塗布した蛍光膜がある。
【0063】
速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、Gd(Al,Ga)12:Ce、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Ce、及びY(Al,Ga)12:Ce蛍光体では輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0064】
(実施例8)透過型電子顕微鏡その8
本発明の透過型電子顕微鏡は(実施例1)と同様の各部にて構成されている。蛍光板9としてGdS:Tb、(Y0.5,Gd0.5S:Tb、及びYS:Tb蛍光体を沈降塗布法によりコロジオン溶液を加えてそれぞれ塗布した蛍光膜がある。
【0065】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、GdS:Tb、(Y0.5,Gd0.5S:Tb、及びYS:Tb蛍光体では輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0066】
(実施例9)透過型電子顕微鏡その9
本発明の透過型電子顕微鏡は(実施例1)と同様の各部にて構成されている。蛍光板9としてGd:Eu、(Y0.5,Gd0.5:Eu、及びY:Eu蛍光体を沈降塗布法によりコロジオン溶液を加えてそれぞれ塗布した蛍光膜がある。
【0067】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、Gd:Eu、(Y0.5,Gd0.5:Eu、及びY:Eu蛍光体では輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0068】
(実施例10)透過型電子顕微鏡その10
本発明の透過型電子顕微鏡は(実施例1)と同様の各部にて構成されている。蛍光板9としてGdBO:Eu、(Y0.5,Gd0.5)BO:Eu、及びYBO:Eu蛍光体を沈降塗布法によりコロジオン溶液を加えてそれぞれ塗布した蛍光膜がある。
【0069】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、GdBO:Eu、(Y0.5,Gd0.5)BO:Eu、及びYBO:Eu蛍光体では輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Alより広いダイナミックレンジが確保できた。
【0070】
(実施例11)画像観察装置その1
本発明の画像観察装置では、電子銃から放射された電子線は収束レンズにより、試料に照射される。そして、試料の結晶構造や組成等の影響を受けた電子線が反射、または透過する。反射、または透過した電子線は蛍光板により電子像が光像に変換され、肉眼で像観察ができる。
【0071】
また、反射、または透過した電子線はシンチレータの光電面上(蛍光膜)に電子線が結像され、電子像が光像に変換される。変換された光像は検出器に取り込まれ、得られた信号は例えばテレビモニタ、パソコンモニタで像観察、画像処理、記録等が行われる。
【0072】
シンチレータとしてGd(Al,Ga)12:Tb、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Tb、及びY(Al,Ga)12:Tb蛍光体を沈降塗布法によりそれぞれ塗布した。
【0073】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、Gd(Al,Ga)12:Tb、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Tb、及びY(Al,Ga)12:Tb蛍光体において輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0074】
(実施例12)画像観察装置その2
本発明の画像観察装置は(実施例11)と同様の各部にて構成されている。シンチレータとしてGd(Al,Ga)12:Ce、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Ce、及びY(Al,Ga)12:Ce蛍光体を沈降塗布法によりそれぞれ塗布した。
【0075】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、Gd(Al,Ga)12:Ce、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Ce、及びY(Al,Ga)12:Ce蛍光体において輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0076】
(実施例13)画像観察装置その3
本発明の画像観察装置は(実施例11)と同様の各部にて構成されている。シンチレータとしてGdS:Tb、(Y0.5,Gd0.5S:Tb、及びYS:Tb蛍光体を沈降塗布法によりそれぞれ塗布した。
【0077】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、GdS:Tb、(Y0.5,Gd0.5S:Tb、及びYS:Tb蛍光体において輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0078】
(実施例14)画像観察装置その4
本発明の画像観察装置は(実施例11)と同様の各部にて構成されている。シンチレータとしてGd:Eu、(Y0.5,Gd0.5:Eu、及びY:Eu蛍光体を沈降塗布法によりそれぞれ塗布した蛍光膜がある。
【0079】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、Gd:Eu、(Y0.5,Gd0.5:Eu、及びY:Eu蛍光体では輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0080】
(実施例15)画像観察装置その5
本発明の画像観察装置は(実施例11)と同様の各部にて構成されている。シンチレータとしてGdBO:Eu、(Y0.5,Gd0.5)BO:Eu、及びYBO:Eu蛍光体を沈降塗布法によりそれぞれ塗布した蛍光膜がある。
【0081】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、GdBO:Eu、(Y0.5,Gd0.5)BO:Eu、及びYBO:Eu蛍光体では輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Alより広いダイナミックレンジが確保できた。
【0082】
(実施例16)画像観察装置その6
本発明の画像観察装置は(実施例11)と同様の各部にて構成されている。蛍光板としてGd(Al,Ga)12:Tb、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Tb、及びY(Al,Ga)12:Tb蛍光体を沈降塗布法によりそれぞれ塗布した。
【0083】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、Gd(Al,Ga)12:Tb、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Tb、及びY(Al,Ga)12:Tb蛍光体において輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0084】
(実施例17)画像観察装置その7
本発明の画像観察装置は(実施例11)と同様の各部にて構成されている。蛍光板としてGd(Al,Ga)12:Ce、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Ce、及びY(Al,Ga)12:Ce蛍光体を沈降塗布法によりそれぞれ塗布した。
【0085】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、Gd(Al,Ga)12:Ce、(Y0.5,Gd0.5(Al,Ga)12:Ce、及びY(Al,Ga)12:Ce蛍光体において輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0086】
(実施例18)画像観察装置その8
本発明の画像観察装置は(実施例11)と同様の各部にて構成されている。蛍光板としてGdS:Tb、(Y0.5,Gd0.5S:Tb、及びYS:Tb蛍光体を沈降塗布法によりそれぞれ塗布した。
【0087】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、GdS:Tb、(Y0.5,Gd0.5S:Tb、及びYS:Tb蛍光体において輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0088】
(実施例19)画像観察装置その9
本発明の画像観察装置は(実施例11)と同様の各部にて構成されている。蛍光板としてGd:Eu、(Y0.5,Gd0.5:Eu、及びY:Eu蛍光体を沈降塗布法によりそれぞれ塗布した蛍光膜がある。
【0089】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、Gd:Eu、(Y0.5,Gd0.5:Eu、及びY:Eu蛍光体では輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Al蛍光体より広いダイナミックレンジが確保できた。
【0090】
(実施例20)画像観察装置その10
本発明の画像観察装置は(実施例11)と同様の各部にて構成されている。蛍光板としてGdBO:Eu、(Y0.5,Gd0.5)BO:Eu、及びYBO:Eu蛍光体を沈降塗布法によりそれぞれ塗布した蛍光膜がある。
【0091】
加速電圧100kVにおいて励起電流値を増加させていくと、GdBO:Eu、(Y0.5,Gd0.5)BO:Eu、及びYBO:Eu蛍光体では輝度飽和は起きず、ZnS:Cu,Alより広いダイナミックレンジが確保できた。
【0092】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、高加速電圧領域において蛍光膜中に電子線を止めることによる蛍光膜の発光効率の向上、輝度−励起電流特性の改善による輝度飽和の低減、さらにCCDの受光感度分布特性に蛍光膜の発光特性を対応させることにより、優れた画像特性を有する電子顕微鏡及び画像観察装置を提供すると言う所期の目的を達成することができた。
【0093】
すなわち、具体的には本発明の電子顕微鏡及び画像観察装置の技術的な特徴であるシンチレータ及び蛍光板の蛍光膜に(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Re、(Y1−x,Gd:Eu、(Y1−x,Gd)BO:Euで表される、ただし、ReはTb及びCeの少なくとも一種の元素であり、そして、式中のxは0≦x≦1である酸化物希土類蛍光体を使用するものであり、これにより蛍光膜中に電子線を止めることが容易となり、発光効率を向上させることができ、優れた画像特性が得られる。また、輝度飽和を低減し、CCD受光感度分布特性に対応した発光特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光体のカソードルミネッセンススペクトルを示すグラフ。
【図2】本発明に用いた蛍光体の積算発光強度の励起電流値変化を示すグラフ。
【図3】本発明の透過型電子顕微鏡の概略図。
【符号の説明】
1…電子銃、
2…電子線、
2a…光軸、
3…収束レンズ1、
4…収束レンズ2、
5…試料、
6…対物レンズ、
7…中間レンズ、
8…投影レンズ、
9…蛍光板、
10…フィルム、
11…シンチレータ、
12…CCDカメラ、
13…コンピュータ。

Claims (12)

  1. 蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Reで表される、ただし、ReはTb及びCeの少なくとも一種の元素であり、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡。
  2. 蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式がGd(Al,Ga)12:Reで表される、ただし、ReはTb及びCeの少なくとも一種の元素である蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡。
  3. 蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Tbである、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡。
  4. 蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式がGd(Al,Ga)12:Tbである蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡。
  5. 蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd:Eu、または(Y1−x,Gd)BO:Euで表せる、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡。
  6. 蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式がGd:Eu、またはGdBO:Euで表せる蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡。
  7. 蛍光膜が形成された蛍光板と前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Reで、ReはTb及びCeの少なくとも一種の元素で表せる、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡。
  8. 蛍光膜が形成された蛍光板と前記蛍光膜に透過電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた透過型電子顕微鏡であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd:Eu、または(Y1−x,Gd)BO:Euで表せる、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする電子顕微鏡。
  9. 蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた画像観察装置であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Reで表される、ただし、ReはTb及びCeの少なくとも一種の元素であり、そして、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする画像観察装置。
  10. 蛍光膜が形成されたシンチレータと前記蛍光膜に電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた画像観察装置であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd:Eu、または(Y1−x,Gd)BO:Euで表せる、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする画像観察装置。
  11. 蛍光膜が形成された蛍光板と前記蛍光膜に電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた画像観察装置であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd(Al,Ga)12:Reで表される、ただし、ReはTb及びCeの少なくとも一種の元素であり、そして、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする画像観察装置。
  12. 蛍光膜が形成された蛍光板と前記蛍光膜に電子線を照射して像観察を行う手段とを備えた画像観察装置であって、前記蛍光膜を、一般式が(Y1−x,Gd:Eu、または(Y1−x,Gd)BO:Euで表せる、ただし、式中のxは0≦x≦1である蛍光体で構成したことを特徴とする画像観察装置。
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