JP2004047090A - 薄膜磁気ヘッド、その製造方法及びそれを用いた磁気ディスク装置 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド、その製造方法及びそれを用いた磁気ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大容量磁気記録媒体では記録密度に対応できるMR薄膜磁気ヘッドを保護膜の膜厚を40Å程度以下に薄くしてスペーシングロスを大幅に減じることにより高密度化に対応すること。
【解決手段】磁気抵抗効果型薄膜ヘッドにおいて、少なくとも前記ヘッドが記録媒体に接触する面に原子比で表して(A)式(i)SiCXYZWTUV(ここにX=0.5〜26、Y=0.5〜13、Z=0〜6、W=0〜6、T=0〜6、U=0〜1、及びV=0〜1)及び式(ii)SiHYZWTUV(ここにY=0.0001〜0.7、Z=0〜6、W=0〜6、T=0〜6、U=0〜1、及びV=0〜1)で表される組成を有する薄膜から選択した下層と、(B)式CHabcdef(ここにa=0〜0.7、b=0〜1、c=0〜1、d=0〜1、e=0〜1、及びf=0〜1)で表される組成を有するダイヤモンド様薄膜の上層とが形成され、下層と上層の全厚が40Å以下である薄膜ヘッド、その製造法、及びそれを用いた磁気ヘッド装置。
【選択図】図1

Description

 本発明は薄膜磁気ヘッド、その製造方法及びそれを用いたスライダを有する磁気ディスク装置に関し、より詳しくはMR(Magnetoresistive)型、GMR(Giant Magnetoresistive)型、TMR(Tunneling Junction Magnetoresistive)型、CPP(Current Perpendicular in Plane)型等の磁気抵抗効果膜を用いた薄膜磁気ヘッド、その製造方法及びそれを用いたスライダを設けた磁気ディスク装置に関する。
 近年、磁気記録における高密度化が進められている。これに伴い、ハードディスク用のヘッドとして、基板上に薄膜形成法で磁極、コイル等を成膜する薄膜磁気ヘッドや、記録を誘導型ヘッドで行い、磁気抵抗効果を利用して再生を行うMR誘導複合ヘッドの開発が盛んに進められている。
 MRへッドは、磁性材料を用いた読み取りセンサー部の抵抗変化により外部磁気信号を読み出すものである。MRへッドでは再生出力が記録媒体の磁気信号に依存し記録媒体に対する相対速度に依存しないことから、線記録密度の高い磁気記録においても高い出力が得られるという特徴がある。MRヘッドでは、分解能を上げ、良好な高周波特性を得るために、通常、磁気抵抗効果膜(MR膜)を一対の磁気シールド膜で挟む構成(シールド型MRヘッド)とされる。この場合、MRヘッドは再生用へッドであるため、通常、記録を行うための誘導型へッド部をMRヘッド部と一体化したMR誘導型複合へッドが用いられている。
 薄膜磁気ヘッドは通常、記録媒体上に空気のベアリング作用で浮上させ、CSS(Contact Start Stop)方式を採用するものが多く、高速回転する磁気ディスク上に、通常0.2〜2.0μm程度の微少浮上量で保持されている。このため、ヘッドクラッシュやCSS摩耗に耐えるための表面強度、耐摩耗性が問題になる。耐摩耗性を向上させる試みも種々なされているが、例えば特開平4−276367号公報に記載されているように、磁気へッドスライダのレール上に保護皮膜を設けるといった手法が知られている。しかし、前記保護皮膜はシリコン接着層と水素含有アモルファス炭素膜とを厚さ250Å以下に形成するものであるが、接着層にシリコンを使用するため強度的に不十分である。また、磁性薄膜磁気ヘッドを構成するアルミナと炭化チタンの焼結体基板、アルミナ絶縁層、パーマロイ、センダスト、窒化鉄等の軟磁性体薄膜等の構造体にこのようなシリコン接着層を設けた場合、薄膜磁気ヘッドと保護皮膜との密着性ないし接着性が不十分であるため、剥離が生じたり、耐摩耗性が十分に得られないといった問題を生じていた。
 また、例えば特許第2571957号公報には酸化物表面に、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーバイドのバッファ層を設け、さらにその上に炭素または炭素を主成分とする皮膜を設ける点について記載されている。しかし、このようにバッファ層を設けた保護層を薄膜磁気ヘッドに適用しても、耐食性及び耐摩耗性の点で未だ不十分である。また、保護皮膜を設ける工程の他バッファ層製膜工程が必要となり、製造時間や製造コストが増加すると共に、膜厚が厚くなってしまうため、低コスト化、量産性、記録密度の増大に対する要請がますます大きくなるハードディスク用磁気ヘッド分野において極めて不利である。
 一般にシリコン中間層を形成するための工業的方法ではシリコン原子がスパッタされるだけであり、シリコン原子間には化学結合が形成されないため硬度が低く緻密性に欠け、シリコン原子の塊ができやすい。そのため保護膜を薄くすると耐食性及び耐摩耗性(CSS)を満足させることができなかった。すなわち、スパッタ法で形成したシリコンバッファ層の表面に薄いダイヤモンド様炭素膜を形成すると、シリコン同士の化学結合が形成されず、シリコン中間層が緻密性に欠け且つ細かい塊を有するために、ダイヤモンド様炭素膜が単にシリコン中間層を覆っているだけとなる。従ってダイヤモンド様炭素膜を薄くすると水分等の腐食性ガスがシリコン中間層に容易に透過してこれを腐食し、或いはダイヤモンド様保護膜が容易に剥離される。また薄膜磁気ヘッド側の金属が腐食したりシリコン中に拡散して電気抵抗を変化させ、薄膜磁気ヘッドの特性が低下する問題もある。
 更に、本発明者らは特開平10−289419号公報や特開平10−275308号公報において、薄膜磁気ヘッドの構成部材に対する密着力が強く、耐食性及び耐摩耗性に優れた薄膜磁気ヘッド用保護膜を提供した。すなわち、例えば特開平10−275308号公報では保護膜がSiCXYZW(X、Y、Z及びWは原子比を表し、X=3〜26、Y=0.5〜13、Z=0.5〜6、W=0〜6である)で表される組成を有する優れた耐久性を有する薄膜磁気ヘッドを提供した。しかしこの方法にも以下に指摘する問題がある。
特開平4−276367号公報 特許第2571957号公報 特開平10−289419号公報 特開平10−275308号公報
 最近では一枚のディスクで80Gpsiの容量をもつ記録媒体が使用されるように至っている。このような大容量磁気記録では記録密度を高めるためヘッドと記録媒体とのスペースは小さくする必要があるが、ヘッド上に分厚い保護膜があるとこれがスペーシングロスとなり高密度化に十分対応できていない。
 上記の特開平10−275308号公報の保護膜は厚さ約70Å程度であり、これ以上では十分な耐食性と耐摩耗性を発揮できるが、高密度化には保護膜の厚さをできるだけ薄くしてスペーシングを極力低下しなければならないが、これ以下の厚さではSiが含まれているためと思われるが耐食性が満足できず保護膜の厚さを更に薄くすることができなかった。
 本発明は、磁気抵抗効果型の薄膜磁気ヘッドにおいて、少なくとも前記ヘッドが記録媒体に接触する面に
(A)(i)SiCXYZWTUV
 (ここにX=0.5〜26、Y=0.5〜13、Z=0〜6、W=0〜6、T=0〜6、U=0〜1、及びV=0〜1)
 及び(ii)SiHYZWTUV
 (ここにY=0.0001〜0.7、Z=0〜6、W=0〜6、T=0〜6、U=0〜1、及びV=0〜1)
から選択した化学結合し且つ硬度が高く非常に緻密な下層と、
(B)CHabcdef
 (ここにa=0〜0.7、b=0〜1、c=0〜1、d=0〜1、e=0〜1、及びf=0〜1)
よりなるダイヤモンド様薄膜の上層とを保護膜として形成することにより、耐食性と耐摩耗性を高く保持しながら全膜厚を従来の限界であった約70Åを40Å、さらには30Å以下にまで薄くすることを可能にしたものである。
 下層はプラズマCVD法やイオン化蒸着法等の負バイアス印加気相成膜法(CVD法)等により形成するのが良く、スパッタ法では本発明の所期の性能を有する保護膜は得られない。その理由はスパッタによりケイ素の粗大な塊が形成されてしまい薄膜磁気ヘッドを不良にする割合が高いからである。
 一方上層を形成する方法にはプラズマCVD法やイオン化蒸着法等の負バイアス印加気相成膜法(CVD法)等の他、スパッタ法も許容される。
 本発明で用いるシリコン含有下層保護膜は従来のシリコンバッファ層とは異なり、それ自体の原子間が強固な化学結合を形成して緻密かつ化学的に安定であり、また下層保護膜と上層保護膜との間にも強固な化学結合を形成できるので、ダイヤモンド様炭素膜である上層保護膜の厚さを従来よりも遙かに薄い40Å以下にしても水分等の腐食性の気体の浸透を防止でき、耐食性に優れており、また耐摩耗性の点でも十分である。
 このようにして形成された保護膜は耐食性及び耐摩耗性を満足しながら40Åさらには30Å程度以下に形成できるので、本発明はMR薄膜磁気ヘッドのスペーシングを減じ、高密度記録化に対処できる。そしてこのような薄膜化にもかかわらず耐食性及び耐摩耗性保護膜が70Åのように厚い特開平10−275308号公報等に記載の薄膜磁気ヘッドと比して遜色がない。
 本発明では、薄膜磁気ヘッドの少なくとも記録媒体対向面、すなわち浮上面に所定の組成比の下層とアモルファスのダイヤモンド様炭素膜よりなる上層とからなる保護膜を形成する。この保護膜は薄膜磁気ヘッドにDCバイアス電圧、あるいはセルフバイアスを印加し、プラズマCVD法やイオン化蒸着法等の気相成膜法で形成することができる。
下層保護膜
 この保護膜の下層に使用できる材料の組成は下記式
(i)SiCXYZWTUV
で表されるものである。すなわちSiCXYを必須とし、他の成分は任意成分であり、X=0.5〜26、Y=0.5〜13、Z=0〜6、W=0〜6、T=0〜6、U=0〜1、及びV=0〜1である。このうち好ましいものはX=1〜8、Y=0.8〜4である。
 これに代わって保護膜の下層に使用できる材料の組成は下記式
(ii)SiHYZWTUV
で表されるものである。すなわち、SiHYを必須とし、他の成分は任意成分であり、Y=0.0001〜0.7、Z=0〜6、W=0〜6、T=0〜6、U=0〜1、及びV=0〜1である。このうち好ましいものはY=0.01〜0.2である。
 上記式(i)においてXが0.5未満であると、膜強度が弱く不十分であり、Xが26を超えると膜の内部応力が大きくなり、密着力が弱くなる。Yが0.5未満であると、膜強度が弱く不十分であり、Yが13を超えると、膜の強度が不足する。また、ZとWとTが6を超えると、膜密度と耐摩耗性が低下する。
 上記式(ii)においてYが0.0001未満であると、膜強度が弱く不十分であり、Yが0.7を超えると、膜の強度が不足する。ZとWとTが6を超えると、膜密度と耐摩耗性が低下する。
 このような下層はアモルファス状態にあり、その膜厚は20Å以下、好ましくは5〜15Åである。膜厚が5Å未満の場合には接着力が低下し本発明の効果が低くなり、膜厚が20Åを超えるとダイヤモンド様薄膜である上層が薄くなりすぎる。また上層との総合厚さが40Åを超えると記録媒体とのギャップが増加し、特性が劣化してくる。通常、この下層のビッカース硬さはHv=600〜400程度、波長632nmでの屈折率は1.5〜2.8程度である。
上層保護膜
 保護膜の上層に使用するアモルファスのダイヤモンド様薄膜は
 式CHabcdef
で表される組成を有し、Cを必須とし、原子比でa=0〜0.7、b=0〜1、c=0〜1、d=0〜1、e=0〜1、及びf=0〜1である。
 炭化水素を原料とするプラズマCVD法、イオン化蒸着法、ECRプラズマCVD等の気相成膜法によれば一般に水素がa=0.05〜0.7含有される。、しかしカーボンターゲットを用いて ホローカソード方式(FCVA)、スパッタ方式等でダイヤモンド様薄膜を形成すれば水素を含まない上層を形成することも可能である。
 ダイヤモンド状炭素(DLC)膜は、ダイヤモンド様炭素膜、i−カーボン膜等と称されることもある。ダイヤモンド状炭素膜については、例えば、特開昭62−145646号公報、同62−145647号公報、New Diamond Forum、第4巻第4号(昭和63年10月25日発行)等に記載されている。DLC膜は、上記文献(New Diamond Forum)に記載されているように、ラマン分光分析において、1400〜1700cm-1にブロードなラマン散乱スペクトルの山を有し、1333cm-1に鋭いピークを有するダイヤモンドや、1581cm-1に鋭いピークを有するグラファイトとは、明らかに異なった構造を有する物質である。DLC膜のラマン分光分析スペクトルは上記のブロードな山は、炭素及び水素以外の上記元素を含有することにより、これから相当程度変動する。DLC膜は、炭素と水素とを主成分とするアモルファス状態の薄膜であって、炭素同士のsp2及びsp3結合がランダムに存在することによって形成されている。
 本発明において、DLC膜の厚さは、通常15Å以上、好ましくは15〜25Åであり、下層と一緒に保護層を形成するとき総合厚さ約40Å以下にすることができる。これよりも厚いと耐食性及び耐摩耗性は十分であっても、MR薄膜磁気ヘッドと記録媒体の間のスペーシングが大きくなるので高密度記録用の薄膜磁気ヘッドとしては好ましくない。
 本発明は特定の下層及び上層の二層構造の保護膜を有することにより、優れた保護膜を提供できるが、その理由を若干説明しておく。まず、本発明で使用する式(i)及び(ii)の組成を有する下層は、Siを含むため基質(薄膜磁気ヘッド)と上層(DLC膜)とに対して同等の高い密着層として働き、またSi−C化学結合、Si−Si化学結合、及び/又はC−C化学結合を含むため下層のDLC膜と同様に緻密な架橋構造を有し、腐食性基体を通さず耐食性に大きく寄与し、また硬度も上層のDLC膜と同等のHv2000〜6000程度の硬度を有するので耐摩耗性(CSS)にも寄与する。
 次に、本発明の薄膜磁気ヘッドについて説明する。図1は、本発明の薄膜磁気ヘッドの構成例を示した断面概略構成図である。図示例の薄膜磁気ヘッドは、本発明の下層1’と上層1”よりなる複合保護膜と、保護層2、上部磁極層3、ギャップ4、下部磁極層5、絶縁層6、上部シールド層7、MR素子8、下部シールド層9、下地層10、基体11、導電コイル12、及び絶縁層13とを有する。図示例の薄膜磁気ヘッドは再生用のMRヘッド部と記録用の誘導型へッド部とを有する、いわゆるMR誘導型複合へッドである。ここで、記録用の誘導型ヘッド部は、上部磁極層3と下部磁極層5、及びこれらに挟まれたギャップ4と導電コイル12により構成される。MRへッド部は上部シールド層7と下部シールド層9、及びこれらに挟まれた絶縁層13とMR素子8により構成されている。そして、図示例では誘導型へッド部がいわゆるトレーリング側であり、MRへッド部がリーディング側である。かかる構成は公知であり、例えば特開平10−275308号公報等を参照されたい。
 そして、これらの構造物が積層された薄膜磁気ヘッド素体の少なくとも走行面または摺動する面、つまり磁気記録媒体(磁気ディスク)と対向する面(図では左側の紙面と垂直な面)に本発明の下層保護膜1’と上層保護膜1”が形成される。
 なお、図1ではMR誘導型複合ヘッドの例を示したが、MR素子8に代えてより感度の高いGMR(Giant Magnetoresistive)構造、TMR(Tunneling Junction Magnetoresistive)構造、CPP(Current Perpendicular Plane)構造を用いることも可能である。
 図2は磁気ディスク装置の全体図であり、駆動部に複数の磁気ヘッド装置を支持し、それらのアーム部先端に薄膜磁気ヘッドを備えたスライダを取り付けたものである。図3は薄膜磁気ヘッドを備えるスライダの斜視図であり、スライダのトレーリング側(空気流出端)にMRヘッドを備える。
 この形態はCSS(contact start-stop)動作方式と呼ばれる方式の磁気ディスク装置を例示して説明するものとする。図2のようにこの磁気ディスク装置は、複数の磁気記録媒体21と、これらの磁気記録媒体21の各面に対応して配設された複数の磁気ヘッド装置22とを備えている。磁気記録媒体21は、筐体23に固定されたスピンドルモータ24により回転するようになっている。磁気ヘッド装置22は、筐体23に固定された固定軸25にべアリング26を介して回動可能なように取り付けられている。ここでは複数の磁気ヘッド装置22が共通のべアリング26を介して固定軸25に取り付けられており、これにより、複数の磁気ヘッド装置22が一体となって回動するようになっているものとする。磁気ヘッド装置22の先端側には磁気ヘッドスライダ27が取り付けられている。また、この磁気ディスク装置は、磁気ヘッド装置22の他方の後端側に、磁気記録媒体21のトラック上におけるスライダ27の位置決めを行うための駆動部28を備えている。駆動部28は、固定軸25を中心として磁気ヘッド装置22を回動させるものであり、これによりスライダ27は、磁気記録媒体21の径方向に移動可能となっている。
 図3は、図2に示したスライダ27の拡大斜視図である。スライダ27は例えばアルティック(Al23・TiC)よりなり、ほぼ六面体状に形成された基体100を有している。そのうちの磁気記録媒体21に対向する面が、記録媒体対向面あるいはエアべアリング面(ABS:AirBearingSnrface)29である。図3に示したように、スライダ27のABS29に直交する一側面には薄膜磁気ヘッド30が設けられている。
 続いて、このように構成された磁気ディスク装置による記録・再生の動作について、図2を参照して説明する。CSS動作方式の場合、磁気ディスク装置が動作していない時、すなわち、スピンドルモータ24が停止しており磁気記録媒体21が回転していない状態においては、スライダ27のABS29と磁気記録媒体21とを接触させておく。記録・再生動作を行う際には、スピンドルモータ24により磁気記録媒体21を高速回転させる。磁気記録媒体21が高速回転すると空気流が発生し、揚力が生まれる。スライダ27を、この揚力によって磁気記録媒体21の表面から浮上させると共に、駆動部28により、この磁気記録媒体21の表面に対して水平方向に相対的に移動させる。この際、スライダ27の一側面に形成された薄膜磁気ヘッド30によって記録・再生を行うのである。
下層保護膜の製造
 次に、薄膜磁気ヘッドの少なくとも保護すべき面、つまり記録媒体と対向する面に保護膜を形成する方法を説明する。本発明では、プラズマCVD法については、例えば特開平4−41672号公報等に記載されている。プラズマCVD法におけるプラズマは、直流、交流のいずれであってもよいが、交流を用いることが好ましい。交流としては数ヘルツからマイクロ波まで可能である。また、ダイヤモンド薄膜技術(総合技術センター発行)等に記載されているECRプラズマも使用可能である。
 本発明では、プラズマCVD法としてバイアス印加プラズマCVD法を用いることが好ましい。バイアス印加プラズマCVD法ては、薄膜磁気ヘッドに負のバイアス電圧を印加する。この方法については、例えばM.Nakayama et al Journal of the Ceramic Society of Japan Intnl.Edition Vol 98、pp607−609(1990)等に詳細に記載されている。また、バイアス電圧を印加せずにセルフバイアスを利用してもよい。交流電源であるプラズマ電源を装置の電極に按統するとプラズマが発生する。このプラズマは電子、イオン、ラジカルを含み、全体としては中性である。しかし、プラズマ電源の周波数がオーディオ波(AF)、高周波(RF)、マイクロ波(MW)になると、イオンと電子の移動度に差が生じるため、印加した電極側(通常、アースしない側)に負電圧状態を生じる。これをセルフバイアス電圧という。上記のバイアス電圧は、好ましくは−10〜−2000Vであり、より好ましくは−50〜−1000Vである。
 下層保護膜をプラズマCVD法により形成する場合、原料ガスには、下記のグループに属する化合物を使用することが好ましい。すなわち、Si+C+H+Oの組成を得る単独化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、へキサメチルシクロシロキサン、へキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、トリエトキシビニルシラン、ジメチルエトキシビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメトキシメチルクロロシラン、ジメトキシメチルシラン、トリメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、トリメトキシシラノール、ハイドロキシメチルトリメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、エトキシトリメトキシシラン等がある。これらは併用しても良く、これに他の化合物を併用しても良い。
 また、下層保護膜としてSi+C+H+O+Nの組成を得るには、上記原料ガスに加え、N源としてN2、N+H源としてNH3等、N+O源として、NO、NO2、N2O等NOxで表示できるNとOの化合物等を用いれば良い。この他、Si+C+H、Si+C+H+OあるいはSi+C+H+Nを含む化合物等とO源あるいはON源やN源等とを組み合わせてもよく、O源としてO2、O3等、C+H源としてCH4、C24、C26、C38、C56等の炭化水素等を用いても良い。
 下層保護膜としてSi、C及びHを含む化合物としては、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエチルシラン、テトラエチルシラン、テトラブチルシラン、ジメチルジエチルシラン、テトラフェニルシラン、メチルトリフェニルシラン、ジメチルジフェニルシラン、トリメチルフェニルシラン、トリメチルシリル−トリメチルシラン、トリメチルシリルメチル−トリメチルシラン等があり、Si、C、H及びNを有する化合物としては、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、5(3−アミノプロピルトリエトキシシラン等がある。これらは併用しても良く、シラン系化合物と炭化水素を用いても良い。
 また下層保護膜としてSi+Hの組成を有する場合にはシラン(SiH4)が使用できる。Fを含有する場合にはCF4、HnFn(n=0〜6)、F2等が使用でき、Pを含有する場合にはホスフィン(PH3)等、Bを含有する場合にはBF3、B26等がある。
 上記原料ガスの流量は原料ガスの種類に応じて適宜決定すればよい。動作圧力は通常1.33〜6.66Pa、投入電力は通常10W〜5KW程度が好ましい。
 本発明ではまた下層保護膜をイオン化蒸着法等が使用できる。イオン化蒸着法は、例えば特開昭59−174508号公報等に記載されている。ただし、これらに開示された方法、装置に限られるものではなく、保護膜の原料用イオン化ガスの加速が可能であれば他の方式のイオン蒸着技術を用いても良い。
 この場合の装置の好ましい例としては、例えば、特開昭59−174508号公報に記載されたイオン直進型またはイオン偏向型のものを用いることができる。イオン化蒸着法においては、真空容器内を1.33×10-4Pa程度までの高真空とする。この真空容器内には交流電源によって加熱されて熱電子を発生するフィラメントが設けられ、このフィラメントを取り囲んで対電極が配置され、フィラメントとの間に電圧Vdを与える。また、フィラメント、対電極を取り囲んでイオン化ガス閉じこめ用の磁界を発生する電磁コイルが配置されている。原料ガスはフィラメントからの熱電子と衝突して、プラスの熱分解イオンと電子を生じ、このプラスイオンはグリッドに印加された負電位Vaにより加速される。この、Vd、Va及びコイルの磁界を調整することにより、組成や膜質を変えることができる。本発明では、Vd=10〜500V、Va=−10〜−500V程度が好ましい。前記と同様薄膜磁気ヘッドに加えるバイアスは負のバイアス電圧を印加する。バイアス電圧は、直流が好ましい。また、バイアス電圧を印加せずにセルフバイアスを利用してもよい。バイアス電圧は、前記同様好ましくは−10〜−2000Vであり、より好ましくは−50〜−1000Vである。
 下層保護膜をイオン化蒸着法により形成する場合、原料ガスには、プラズマCVD法と同様のものを用いれば良い。上記原料ガスの流量はその種類に応じて適宜決定すればよい。動作圧力は、通常1.33〜6.66Pa程度が好ましい。
上層保護膜の製造
 上層保護膜であるDLC膜は、下層と同様にプラズマCVD法、イオン化蒸着法、フォローカソード法、ECRプラズマCVD法等により形成できるほか、スパッタ法でも形成することができる。
 DLC膜をプラズマCVD法により形成する場合、例えば特開平4−41672号公報等に記載されている方法により成膜することができる。プラズマCVD法におけるプラズマは、直流、交流のいずれであってもよいが、交流を用いることが好ましい。交流としては数ヘルツからマイクロ波まで使用可能である。また、ダイヤモンド薄膜技術(総合技術センター発行)等に記載されているECRプラズマも使用可能である。また、バイアス電圧を印加してもよい。
 DLC膜をプラズマCVD法により形成する場合、原料ガスには、下記化合物を使用することが好ましい。
 C及びHを含有する化合物として、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、エチレン、プロピレン等の炭化水素が挙げられる。
 C+H+Oを含む化合物としては、CH3OH、C25OH、HCHO、CH3COCH3等がある。
 C+H+Nを含む化合物としては、シアン化アンモニウム、シアン化水素、モノメチルアミン、ジメチルアミン、アリルアミン、アニリン、ジエチルアミン、アセトニトリル、アゾイソブタン、ジアリルアミン、エチルアミン、MMH、DMH、トリアリルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等がある。
 この他、上記の化合物、O源あるいはON源、N源、H源、F源、B源、P源等とを組み合わせてもよい。
 O源としてO2、O3等、C+O源としてCO、CO2等、H源としてH2等、H+O源としてH2O等、N源としてN2、N+H源としてNH3等、N+O源としてNO、NO2、N2O等NOxで表示できるNとOの化合物等、N+C源として(CN)2等、N+H+F源としてNH4F等、O+F源としてO2+F2等を用いてもよい。
 上記原料ガスの流量は原料ガスの種類に応じて適宜決定すればよい。動作圧力は、通常、1〜70Pa、投入電力は、通常、10W〜5KW程度が好ましい。
 DLC膜は、イオン化蒸着法により形成してもよい。イオン化蒸着法は、例えば特開昭59−174508号公報等に記載されている。ただし、これらに開示された方法、装置に限られるものではなく、原料用イオン化ガスの加速が可能であれば他の方式のイオン蒸着技術を用いてもよい。この場合の装置の好ましい例としては、例えば、特開昭59−174508号公報に記載されたイオン直進型またはイオン偏向型のものを用いることができる。
 イオン化蒸着法においては、真空容器内を10-4Pa程度までの高真空とする。この真空容器内には交流電源によって加熱されて熱電子を発生するフィラメントが設けられ、このフィラメントを取り囲んで対電極が配置され、フィラメントとの間に電圧Vdを与える。また、フィラメント、対電極を取り囲んでイオン化ガス閉じこめ用の磁界を発生する電磁コイルが配置されている。原料ガスはフィラメントからの熱電子と衝突して、プラスの熱分解イオンと電子を生じ、このプラスイオンはグリッドに印加された負電位Vaにより加速される。この、Vd、Va及びコイルの磁界を調整することにより、組成や膜質を変えることができる。また、バイアス電圧を印加してもよい。
 DLC膜をイオン化蒸着法により形成する場合、原料ガスには、プラズマCVD法と同様のものを用いればよい。上記原料ガスの流量はその種類に応じて適宜決定すればよい。動作圧力は、通常、1〜70Pa程度が好ましい。
 DLC膜は、スパッタ法により形成することもできる。この場合、Ar、Kr等のスパッタ用のスパッタガスに加えて、O2、N2、NH3、CH4、H2等のガスを反応性ガスとして導入すると共に、Cをターゲットとしたり、C、N、O等を含む混成ターゲット或いは2以上のターゲットを用いてもよい。また、ポリマーをターゲットとして用いることも可能である。このようなターゲットを用いて高周波電力、交流電力、直流電力のいずれかを印加し、ターゲットをスパッタし、これを基板上にスパッタ堆積させることによりDLC膜を形成する。高周波スパッタ電力は、通常、50W〜2KW程度である。動作圧力は、通常、10-3〜0.1Paが好ましい。
 このようなターゲットを用いて高周波電力を加え、ターゲットをスパッタし、これを下層上にスパッタ堆積させることにより上層保護膜を形成する。なお、この場合も基板ないし薄膜磁気ヘッドに加えるバイアスは負のバイアス電圧を印加する。バイアス電圧は、直流が好ましい。また、バイアス電圧を印加せずにセルフバイアスを利用してもよい。上記のバイアス電圧は、好ましくは−10〜−2000Vであり、より好ましくは−50〜−1000Vである。高周波スパッタ電力は、通常50W〜2KW程度である。動作圧力は、通常10-3〜0.1Paが好ましい。
実施例の保護膜の成膜
下層の成膜法1(プラズマCVD法)
 (試料1)Si、C及びHを含む化合物の原料ガスとして、Si(CH34と、C24とをそれぞれ流量8SCCMと、20SCCMにて導入した。プラズマ発生用の交流としてRF500Wを加え、動作圧力6.66Paで、MR薄膜磁気ヘッドの走行面に、セルフバイアス−400Vにて5Å成膜した。
 (試料2)Si、C及びHを含む化合物の原料ガスとしてSi(CH34と、C24とを、それぞれ流量10SCCMと、30SCCMにて導入した。プラズマ発生用の交流としてRF500Wを加え、動作圧力6.66Paで、MR薄膜磁気ヘッドの走行面に、セルフバイアス−400Vにて10Å成膜した。
 (試料3)Si、C及びHを含む化合物の原料ガスとして、Si(CH34と、C24とをそれぞれ流量8SCCMと、20SCCMにて導入した。プラズマ発生用の交流としてRF500Wを加え、動作圧力6.66Paで、MR薄膜磁気ヘッドの走行面面に、セルフバイアス−400Vにて15Å成膜した。
下層の成膜法2(イオン化蒸着法)
 (試料4)Si+C+H+Oの原料ガスとしてSi(OCH34を流量5SCCM、CH4を流量6SCCMにて導入した。動作圧13.3PaでVa=−80V、Vd=+40Vを加え、MR薄膜磁気ヘッドの走行面に、バイアス−500Vにて5Å成膜した。
 (試料5)Si+C+H+Oの原料ガスとしてSi(OCH34を流量5SCCMにて導入した。動作圧13.3PaでVa=−80V、Vd=+40Vを加え、MR薄膜磁気ヘッドの走行面に、バイアス−500Vにて10Å成膜した。
 (試料6)Si+C+H+Oの原料ガスとしてSi(OC254を流量5SCCM、C24を流量5SCCMにて導入した。動作圧13.3PaでVa=−80V、Vd=+40Vを加え、MR薄膜磁気ヘッドの走行面に、バイアス−500Vにて10Å成膜した。
 (試料7)Si+C+H+Oの原料ガスとしてSi(OC254を流量5SCCM、C24を流量1SCCMにて導入した。動作圧13.3PaでVa=−80V、Vd=+40Vを加え、MR薄膜磁気ヘッドの走行面に、バイアス−400Vにて15Å成膜した。
上層(DLC)の成膜法
 下層の上にDLC1及びDLC2膜は自己バイアスRFプラズマCVD法により次の条件で成膜した。
DLC1
 原料ガス:C24(0.017Pa・m3・s-1
 電源:RF
 動作圧:66.5Pa
 投入電力:500W
 成膜レート:100nm/min
 膜組成:CH0.21
 膜厚:20〜25Å
DLC2
 原料ガス:C24とN2(0.085Pa・m3・s-1
 電源:RF
 動作圧:66.5Pa
 投入電力:500W
 成膜レート:100nm/min
 膜組成:CH0.250.030.08
 膜厚:15Å
DLC3
 DLC3膜はフォローカソード法により成膜した。
 膜組成は炭素単一であり、膜厚20Åであった。
各層の組み合わせは表1の示すとおりであった。
比較例の保護膜の成膜
 比較のため薄膜磁気ヘッドの走行面に下層にSiのスパッタによる成膜を15〜25Åの厚さが得られるまで行った。
 その上に上記DLC1及びDLC2を表1に示した組み合わせ及び厚さで成膜した。
 これらの結果を表1に示す。ここにCSSはスタート/ストップを100×104回行い読み取り不良が発生した不良個数(1000個当たり)を100回の試験で平均した値である。
 また耐食性は、加速試験として試料を80℃に加熱した純水に48時間浸漬後に、読み取り不良が発生した不良個数(1000個当たり)を100回の試験で平均した値である。
Figure 2004047090
 表1の結果をみると、比較例のうちSiスパッタによる下層を形成した場合、DLC薄膜の厚さが25Åでも耐久性及び耐食性が十分でない。これは先に説明したようにSiがスパッタ時に緻密な膜が形成できずまた微小な塊を形成し易いためと考えられる。また本発明で使用する下層単独でも膜厚が70Å以上でないと十分な耐久性及び耐食性が得られず、40Å以下では耐久性及び耐食性が大きく低下する。
 これに対して本発明の実施例では下層に上記A(i)または(ii)の下層を使用したため耐久性及び耐食性が大幅に向上し、膜厚40Å以下、さらには30Å以下でもMRヘッドの保護膜として使用が可能となるため、スペーシングロスが大幅に低下し、そのため記録密度が非常に高い記録媒体に対して十分使用できることが分かる。
発明によるMR薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 発明によるMR薄膜磁気ヘッドが使用されるスライダを備えた磁気ディスク装置を示す斜視図である。 図2の薄膜磁気ヘッドを備えたスライダ部分の拡大斜視図である。
符号の説明
1’ 下層(保護膜)
1” 上層(保護膜)
2  保護層
3  上部磁極層
4  ギャップ
5  下部磁極層
6  絶縁層
7  上部シールド層
8  MR素子
9  下部シールド層
10 下地層
11 基体
12 導電コイル
13 絶縁層
21 磁気記録媒体
22 磁気ヘッド装置
 22A スライダ支持部
 22B アーム部
 22C スライダ
23 筐体
24 スピンドルモータ
25 固定軸
26 ベアリング
27 スライダ
28 駆動部
29 記録媒体対向面
30 薄膜磁気ヘッド
100 基体

Claims (11)

  1.  磁気抵抗効果素子を含むヘッド部を備える薄膜磁気ヘッドにおいて、少なくとも前記ヘッド部の記録媒体に対向する面が原子比で表して
    (A)式(i)SiCXYZWTUV
     (ここにX=0.5〜26、Y=0.5〜13、Z=0〜6、W=0〜6、T=0〜6、U=0〜1、及びV=0〜1)
     及び式(ii)SiHYZWTUV
     (ここにY=0.0001〜0.7、Z=0〜6、W=0〜6、T=0〜6、U=0〜1、及びV=0〜1)
    で表される組成を有する薄膜から選択した下層と、
    (B)式CHabcdef
     (ここにa=0〜0.7、b=0〜1、c=0〜1、d=0〜1、e=0〜1、及びf=0〜1)
    で表される組成を有するダイヤモンド様薄膜の上層とが形成されたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2.  下層と上層の全厚が40Å以下である薄膜磁気ヘッド。
  3.  下層と上層が気相成膜法により形成された請求項1又は2の薄膜磁気ヘッド。
  4.  下層の厚さが20Å以下、上層の厚さが20Å以下である請求項1又は2の薄膜磁気ヘッド。
  5. (A)式(i)SiCXYZWTUV
     (ここにX=0.5〜26、Y=0.5〜13、Z=0〜6、W=0〜6、T=0〜6、U=0〜1、及びV=0〜1)
     及び式(ii)SiHYZWTUV
     (ここにY=0.0001〜0.7、Z=0〜6、W=0〜6、T=0〜6、U=0〜1、及びV=0〜1)
    で表される組成を有する薄膜から選択した下層と、
    (B)式CHabcdef
     (ここにa=0〜0.7、b=0〜1、c=0〜1、d=0〜1、e=0〜1、及びf=0〜1)
    で表される組成を有するダイヤモンド様薄膜の上層とが形成されるように、前記薄膜磁気ヘッドの少なくとも記録媒体との対向表面に気相成膜する薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  6.  下層の厚さが20Å以下、上層の厚さが20Å以下となるように成膜される請求項5の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  7.  薄膜磁気ヘッドに負のバイアス電圧を印加して気相成膜を実施する請求項5の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  8.  前記バイアス電圧は、印加したDC電源または印加した高周波電力により発生したセルフバイアスによって印加される請求項7の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  9.  前記請求項1〜4の薄膜磁気ヘッドを備えた少なくとも1つのスライダを有する磁気ディスク装置。
  10.  磁気抵抗効果素子はMR型、GMR型、TMR型、またはCPP型の磁気抵抗効果素子である前記請求項1〜4のいずれかの薄膜磁気ヘッド。
  11.  薄膜磁気ヘッドは磁気抵抗効果素子としてMR型、GMR型、TMR型、またはCPP型の磁気抵抗効果素子を含む請求項5〜8のいずれかの薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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