JP2004047080A - 光磁気ディスクの再生方法および再生装置 - Google Patents

光磁気ディスクの再生方法および再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ピットエッジ記録方式の光磁気ディスク再生装置用ICの低消費電力化と、高速かつ高精度のエッジ検出を可能とする再生方法を実現する。
【解決手段】再生信号とスライスレベルの交点を記録ピットのエッジ位置として検出する光磁気ディスクの再生方法において、第1の位相比較器、チャージポンプ、ループフィルター、およびVCOからなるPLL回路と、第2の位相比較器、第2のチャージポンプ、第2のループフィルターからなる信号処理回路とを有し、二値化された再生データと前記PLL回路により該再生データへ位相同期化したクロックあるいはデジタルデータとの位相差を該第2の位相比較器により検出し、該位相差から求めた補正分を基準スライスレベルに加算することにより前記スライスレベルを補正する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光磁気ディスクの再生方法および装置に関し、特にピットエッジ記録方式で情報が記録された光磁気ディスクから記録情報を再生する光磁気ディスクの再生方法および再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光磁気ディスクは初期状態では磁化の向きは一方向(消去方向)にそろっているが、記録データを書き込む際には、記録データに対応して記録ビームで光磁気ディスクをキュリー点まで加熱して、外部磁界によって磁化の方向を消去方向とは反対にした記録ピットの列を形成する。
【0003】
記録ピットの形成方式には2種類あり、例えば記録データの”1”に対応してピットを形成するいわゆるピットポジション記録方式と、例えば記録データの”1”に対応してピットの前縁または後縁が位置するように記録ピットを形成するいわゆるピットエッジ記録方式がある。ピットエッジ記録方式は図3のように記録データの”1”を記録ピットのエッジに対応させるため、ピットポジション記録方式に比べ記録ビームの走査方向の記録密度が大幅に向上する利点がある。そのため近年の高密度光磁気ディスクの記録方式には、ピットエッジ記録方式が多く用いられている。
【0004】
再生信号からエッジ位置を検出する方法としては、別回路により求められたあるスライスレベルにより再生信号をデータスライスし、その時の交点をピットのエッジ位置として検出するレベルスライス方式と再生信号を2回微分することにより、その変曲点をピットのエッジ位置として検出する2回微分方式がある。またそうして求めたいわゆる二値化された再生データはエッジ信号として前記PLL回路に入力され、該エッジ信号に対して位相同期化したクロック信号が生成される。次に該クロック信号と前記エッジ信号はデータセパレータ回路に入り、やはり位相を同期化した再生データを得る。同期化した再生データはその後の復調回路により、記録データである通常のデジタルデータに変換される。前記PLL回路により前記エッジ信号を処理する際の処理方法としては、ピットの前縁または後縁を立ち上がりと立ち下がり位置を示す別のエッジ信号として2つのPLL回路により処理するDualPLL方式とピットの前縁または後縁の位置を示すエッジ信号を立ち上がりと立ち下がりの区別なく1つのPLL回路により処理するSinglePLL方式がある。このうちDualPLL方式の代表的な例は、特開平4−90168号公報、特開平4−121845号公報などに開示されている。またSinglePLL方式でありながら、ピットの前縁または後縁をレベルスライス方式で別々に検出し、スライスレベルあるいはエッジ位置を補正するという構成は過去にいくつか出願されており、代表的なものには特開平4−205939号公報、特開平4−291041号公報、特開平5−114189号公報などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,DualPLL方式はPLL回路を少なくとも2つ用いるため回路規模が大きくなり、消費電力が大きくなる。したがって今後益々需要が高まる電池駆動も可能なノートサイズのパーソナルコンピュータに搭載される光磁気ディスク再生装置用のICに適用するには、消費電力が大きすぎるという問題点がある。また2つ以上のPLL回路が周波数の高いクロックを介して相互に干渉するため、個々のPLLの回路動作が不安定になりやすく、回路ノイズも多いという問題点もあった。
【0006】
またSinglePLL方式でスライスレベルあるいはエッジ位置を補正するという方法は補正する前のデータをレベルスライスする場合の基準スライスレベルの設定が難しく、スライスレベルあるいはエッジ位置の補正分を演算するのに時間がかかるため、高速に補正ができず再生時のスピードが遅い、また場合によっては再生時のエラーが起こりやすくなるという問題点があった。この事はすなわち再生装置の性能の悪さを意味するものであり、再生装置の設計においては注意すべき内容である。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するものでその目的とするところは、ピットエッジ記録方式で情報が記録された光磁気ディスクから記録情報を再生する光磁気ディスクの再生方法および装置において、特に今後益々需要が高まる電池駆動も可能なノートサイズのパーソナルコンピュータに搭載される光磁気ディスク再生装置用のICに適用できる簡単な回路構成で、低消費電力を実現する光磁気ディスクの再生方法を提供することにあり、また高速でしかも精度のよいエッジ検出ができる光磁気ディスクの再生方法を提供することにもある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の光磁気ディスクの再生方法は、光磁気ディスク媒体にエッジ記録されたピットのエッジ位置を検出して記録信号を再生する再生方法であり、特に再生信号とスライスレベルの交点を記録ピットのエッジ位置として検出する光磁気ディスクの再生方法において、第1の位相比較器、チャージポンプ、ループフィルターおよびVCOからなるPLL回路と、第2の位相比較器、第2のチャージポンプおよび第2のループフィルターからなる信号処理回路とを有し、二値化された再生データと前記PLL回路により該再生データへ位相同期化したクロックあるいはデジタルデータとの位相差を該第2の位相比較器により検出し、該位相差から求めた補正分を基準スライスレベルに加算することにより前記スライスレベルを補正することを特徴とする。また前記基準スライスレベルは固定電圧または再生信号に基づき生成したスライスレベルのいずれかを選択できることを特徴とする。さらに前記信号処理回路の動作、非動作の選択および動作を開始させるタイミングは外部から制御できることを特徴とする。また前記第2の位相比較器により位相比較する場合、再生信号の立ち上がりエッジあるいは立ち下がりエッジでのみ位相比較するか、または立ち上がりと立ち下がり両エッジで位相比較することを特徴とする。
【0009】
本発明の光磁気ディスクの再生方法は、光磁気ディスク媒体にエッジ記録されたピットのエッジ位置を検出して記録信号を再生する再生方法であり、特に再生信号とスライスレベルの交点を記録ピットのエッジ位置として検出する光磁気ディスクの再生方法において、第1の位相比較器、チャージポンプ、ループフィルターおよびVCOからなるPLL回路と、第2の位相比較器、第2のチャージポンプおよび第2のループフィルターからなる信号処理回路とを有し、二値化された再生データと前記PLL回路により該再生データへ位相同期化したクロックあるいはデジタルデータとの位相差を該第2の位相比較器により検出し、該位相差から求めた補正分を基準スライスレベルに加算することにより前記スライスレベルを補正する再生方法であって、再生している光磁気ディスクの欠陥を検知したら前記信号処理回路をリセットすることを特徴とする。また前記光磁気ディスクの欠陥を検知する方法は前記再生信号とスライスレベルの比較出力を用いて行い、該比較出力のパルス幅が設定値以下なら前記信号処理回路をリセットすることとし、該設定値はエッジ記録再生の際に用いられる変調方式により異なり、前記クロック周期をTとした場合、Tの数倍に設定されることを特徴とする。さらに前記光磁気ディスクの欠陥を検知して前記信号処理回路をリセットする場合、前記第2のループフィルターの出力を基準電圧に接続することを特徴とする。
【0010】
本発明の光磁気ディスクの再生装置は、光磁気ディスク媒体にエッジ記録されたピットのエッジ位置を検出して記録信号を再生する光磁気ディスクの再生装置であり、特に再生信号とスライスレベルの交点を記録ピットのエッジ位置として検出する光磁気ディスクの再生装置において、該光磁気ディスク媒体を回転させるスピンドルモータ、該光磁気ディスク媒体にレーザー光を照射し情報の記録再生を行う光学ヘッド、該光学ヘッドを所望の位置に移動させるアクチュエータおよび制御回路部からなる再生装置であり、該制御回路部はプリアンプ回路、レーザー駆動回路、サーボ制御回路、ディスクコントローラ回路、CPU、第1の位相比較器とチャージポンプとループフィルターとVCOとからなるPLL回路、および、第2の位相比較器と第2のチャージポンプと第2のループフィルターとからなる信号処理回路、を少なくとも有することを特徴とする。また前記第2の位相比較器により、二値化された再生データと前記PLL回路により該再生データへ位相同期化したクロックあるいはデジタルデータとの位相差を検出し、該位相差から求めた補正分を加算アンプにより基準スライスレベルに加算することにより前記スライスレベルを補正することを特徴とする。さらに前記加算アンプのゲインは前記信号処理回路の動作時と非動作時で切り換えることとし、動作時はゲインが1以下であり、非動作時は1以上であることを特徴とする。また前記スライスレベルの補正精度は前記第2の位相比較器により、二値化された再生データと前記PLL回路により該再生データへ位相同期化したクロックあるいはデジタルデータとの位相差を検出し、該位相差から求めた補正出力のダイナミックレンジと、前記信号処理回路から前記加算アンプまでを閉ループにした場合のループゲインから決定されることを特徴とする。さらに前記第2のループフィルターは前記第2のチャージポンプの出力にコンデンサの一端を接続し、一端は回路のグランドレベルに接続した構成であり、該コンデンサの値により前記信号処理回路から前記加算アンプまでを閉ループにした場合のループゲインとスライスレベルを補正する速度が決定されることを特徴とする。また前記第2のループフィルターのコンデンサに並列にダンピング抵抗を設け、ループフィルターの出力振幅を制限することを特徴とする。さらに前記ダンピング抵抗の一端はチャージポンプの出力に接続し、一端は回路のグランドレベルあるいは基準電圧に接続することを特徴とする。
【0011】
本発明の光磁気ディスクの再生装置は、光磁気ディスク媒体にエッジ記録されたピットのエッジ位置を検出して記録信号を再生する光磁気ディスクの再生装置において、該再生装置を構成する制御回路部はプリアンプ回路、レーザー駆動回路、サーボ制御回路、ディスクコントローラ回路、CPU、第1の位相比較器とチャージポンプとループフィルターとVCOとからなるPLL回路、第2の位相比較器と第2のチャージポンプと第2のループフィルターとからなる信号処理回路、を少なくとも有し、該第2のループフィルターを構成するコンデンサの値は1000pF以下であることを特徴とする。また前記信号処理回路は前記PLL回路の動作周波数帯域と少なくとも同じ周波数帯域で動作させることを特徴とする。さらに前記PLL回路により、二値化された再生データへ位相同期化する際の周波数と位相の引き込み過程に用いるディスクのVFO部とデータ領域では前記PLL回路のゲインを切り換えることとし、該データ領域におけるゲインは引き込み時と同じかまたはそれ以下に設定することを特徴とする。また前記PLL回路により、二値化された再生データへ位相同期化する際の周波数と位相の引き込み過程に用いるディスクのVFO部とデータ領域では前記信号処理回路によりスライスレベルを補正する際の基準スライスレベルを切り換えることを特徴とする。
【0012】
【作用】
本発明の上記構成によれば、図1のように第2の位相比較器により、二値化された再生データとPLL回路により該再生データへ位相同期化されたクロックとの位相差を検出し、該位相差出力からUpとDownパルスを生成し、チャージポンプ回路を動かす。さらにチャージポンプ回路の出力をループフィルターにかけ、DC成分としての補正出力であるVERRORを取り出す。その補正出力VERRORを図2のように加算アンプにより基準スライスレベルに加算してスライスレベルを補正する。補正されたスライスレベルにより再度データを二値化して正しい再生データを得ることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下本発明について,実施例に基づき詳細に説明する。図1は本発明を実施する再生回路主要部の回路ブロック図である。ここでデータの再生に用いるPLL回路は公知の構成であり、第1位相比較器1、チャージポンプとループフィルター2、およびVCO(電圧制御発振器)3からなる。通常光磁気を含む磁気記録装置に用いられるこの種のPLL回路はデータの高速引き込みとロックおよび追従が可能である。次に本発明によるスライスレベルの補正についてまず概略を説明する。PLL回路からのVCO出力とRAWDATA5はデータセパレータ回路4に入力され、再生信号に位相同期化されたクロックであるSYNCCLK7と再生データSYNCDATA6を得る。ここでRAWDATA5について少し説明する。図2は本発明を実施する再生回路の別の部分を示す回路ブロック図である。光学ヘッド15を用いて光磁気ディスクに再生用光スポットを照射し、磁気光学的効果により再生信号を得る。この再生信号はアンプとフィルター16を通して増幅され、コンパレータ25によりあるスライスレベルでデータスライスされる。スライスされたデータは記録ピットのエッジ位置を示すものであり、二値化回路26によりデジタル化され、いわゆるRAWDATAを得る。再び図1に戻り、第1位相比較器と同じ構成の第2位相比較器により、RAWDATAとSYNCCLKとの位相差を検出し、その位相差出力からUpパルス9とDownパルス10を生成し、チャージポンプ回路11を動かす。さらにチャージポンプ回路の出力をループフィルターにかけDC成分としての補正出力であるVERROR13を取り出す。その際、ループフィルターの構成要素としてはチャージポンプ回路出力にコンデンサC1を回路グランドレベルに対して外付けする。チャージポンプ回路出力により、このコンデンサC1は充放電される。 C1の容量値を小さくすれば充放電が速くなるため、VERRORは高速な応答になる。逆にC1の容量値を大きくすれば、VERRORの応答はゆっくりしたものになる。したがって本発明において、C1の容量値の設定は重要なポイントである。この点については後述する。こうして得られたVERROR出力は図2における加算アンプ23により基準スライスレベルに加算され、スライスレベルを補正する。補正されたスライスレベルであるSUMO24はコンパレータ25に入力され、再度データスライスを行った後、二値化回路によりデジタル化され正しい再生データを得ることになる。つまり図1のPLL回路とスライスレベル補正回路14から図2のRAWDATA生成までが1つのループをつくり、そのループを何回か回るうちにスライスレベルが補正され、正しい再生データを得る構成になっている。ここでスライスレベル補正回路の動作開始時の基準スライスレベルは固定電圧または再生信号に基づき生成したスライスレベルのいずれかを選択できる。固定電圧の場合は、図2のように基準電圧発生回路17により生成した固定電圧を用いる。この固定電圧は基準電圧と呼び、図2においてアンプとフィルター16の出力のバイアス電圧であるとともにコンパレータ25に対するDCバイアス電圧でもある。また再生信号に基づき生成したスライスレベルの場合は、ピークボトム検出回路18により再生信号のピーク出力19とボトム出力20を検出し、それらを抵抗分割した値である中間出力MID21を基準スライスレベルとする。例えばPLLによるデータ引き込みに用いるVFO部分のピークとボトムを検出し、その50%をMIDレベルとして使用することができる。VFO部分は通常、最高記録周波数の連続パターンが記録されているので、記録ピット間の干渉をよく反映している領域である。したがってデータ再生の場合に、このVFO部分で基準スライスレベルを決めることが多い。なお基準スライスレベルを切り換える場合で具体的な例を上げると、例えば再生しようとする光磁気ディスクに対して装置の最適な記録パワーを設定するモード(テストライトあるいは試し書きモードという)では再生信号に基づき生成したスライスレベルを基準とし、実際にデータを再生するモードでは固定の基準電圧を用いる。切り換えはモード切り換え信号によりアナログスイッチのような高速スイッチを動作して行う。通常のアナログスイッチであれば、数十ns以下の応答性があるので十分である。図2においては切り換えスイッチ22を動作することにより加算アンプ23の一方の入力を切り換えている。またデータ再生のモードにおいて、さらに細かく基準スライスレベルを切り換える内容については後述する。
【0014】
次に本発明によるスライスレベルの補正について、図3に基づいてさらに詳しく説明する。(a)の記録データに対しエッジ記録されたピットは(b)のような形状をしている。この記録ピットを光学ヘッドにより検出し、アンプとフィルターを通した再生信号は(c)である。今基準スライスレベルが図のように、理想より高い位置にあったとする。その基準スライスレベルによりデータスライスされ二値化されたRAWDATAは、(e)に示すように本来あるべきエッジ位置に対し、時間的なシフトを生ずる。このRAWDATA(e)とSYNCCLK(f)が位相比較されると、エッジのシフト方向と大きさに応じてUpあるいはDownのパルス(g)または(h)が生成される。このUpあるいはDownのパルスによりチャージポンプ回路が動作し、図1におけるコンデンサC1を充放電する。ゼロクロス信号(d)によりスライスレベルを補正する方向を制御すると、図3の場合はチャージ信号(i)のみが発生し、これによりC1が充電され、スライスレベルを下げるような補正出力VERRORを生ずる。逆にスライスレベルが理想より低い場合は、点線で示すようにディスチャージ信号(j)のみが発生し、C1から電荷を放電し、スライスレベルを上げるような補正出力を生ずる。例えば基準電圧をVREF、基準スライスレベルをMIDとすると、補正されたスライスレベルSUMOは次式のようになる。
【0015】
【数1】
Figure 2004047080
【0016】
ここでGは加算アンプのゲインを示しており、スライスレベルの補正精度と補正出力VERRORの応答性も加味して決定される。このGについては後述する。また基準スライスレベルとして基準電圧を用いる場合は上式のMIDがVREFとなる。このようにしてスライスレベルの補正が行われるが、近年記録データの転送レートも上がり、扱う信号の周波数が数十MHzにも及ぶため、スライスレベルの補正もμsオーダーの応答が必要となる。実験およびシミュレーションを重ねた結果、C1<100pFにしてスライスレベル補正回路を高速動作させれば、スライスレベルの補正もμsオーダーの応答が可能なことがわかった。周辺の付加的な回路によってもこのC1の値は異なるので、実用的にはC1<1000pFに設定するのがよいと思われる。
【0017】
次に実際のデータによりスライスレベル補正の効果をみる。図4は従来の再生方法における再生波形とデータパルスの時間間隔測定結果を示す図である。ディスクに記録されたあるパターンを再生し、その再生信号をオシロスコープにより観測した結果が(a)に示す再生波形エンベロープA27である。この場合は再生信号のピークとボトムを検出し、その50%値を適切なスライスレベルとしている。またスライスレベル補正回路は動いていないので、28に示す補正出力A1は固定値を示している。そのスライスレベル29でデータスライスし二値化した再生データのパルス時間間隔をタイムインターバルアナライザーにより測定した結果が(b)である。この例は1/7変調方式の2T、4T、5T成分を含んだパターンであるので、(b)のような分布結果が得られた。各T成分の分布はほぼガウス分布を示している。この分布の拡がりがデータ再生の際のエラーレートを左右する。つまり分布の拡がりが大きいほど、エラーを起こしやすくエラーレートが悪いことになる。例えば2T成分について分布の拡がり、つまり標準偏差δを測定すると(b)に示すように2.49nsであった。これに対し、本発明による再生方法を用いると、図5のような結果になった。スライスレベル補正回路が高速に動作し、補正出力は30のようにパターンに応じて微妙に変化している。この補正出力から31のスライスレベルA2が生成され、図4と同じようにして再生データのパルス時間間隔を測定した結果が(b)である。図4の(b)と比較すると2T、4T、5T各成分の分布が急峻になっているのがわかる。2T成分の標準偏差は2.24nsであった。データ再生の際に用いるデコードウインドウから、あるエラーレートを想定して分布の拡がりを統計的処理したものを差し引いた値をウインドウマージンと呼ぶ。図4(b)と図5(b)で2T成分の標準偏差の差は2.49−2.24=0.25nsと僅かな差のように思われるが、この標準偏差の差は1×10−5のエラーレートの場合を考えるとデコードウインドウに対して約5%を占有する。つまり本発明によるスライスレベルの補正を行うと、この例の場合はウインドウマージンが約5%改善されるのである。実際エッジ記録を用いるような高記録密度の場合を考えると、この5%の改善は非常に大きい効果である。このように従来の再生方法に比べ、本発明の再生方法を用いるとウインドウマージンが改善され、データ再生の際のエラーレートが実質的に向上する。図4、図5は本発明によるスライスレベルの補正の有効性を証明しているデータである。さらに図6は別なパターンにおけるスライスレベルの補正を示す図である。図のようにDC的に変動するようなパターンに対しても、スライスレベルの補正は適切にでき、33あるいは35のようにμsオーダーの応答が可能である。このように数十MHzの信号に対し、スライスレベルの補正がピットバイピットで十分にできる。
【0018】
またスライスレベル補正回路を含む本発明の信号処理回路の動作、非動作の選択は外部から制御できる。実際には図2における加算アンプ23のON、OFFを外部から制御できるようにしているので、前記信号処理回路の動作、非動作の選択が容易にできる。さらに前記信号処理回路の動作を開始させるタイミングも外部から制御できる。具体的にはタイミングの設定は、光磁気ディスクのディスクフォーマットに対応して設定できる。図8は光磁気ディスクのディスクフォーマットの一例を示した図であるが、光磁気ディスクは記録データの管理上の必要から1トラックが数十セクターに分割され、各セクターは例えばこの図のように、セクターの開始を示すセクターマーク信号SM、セクターを特定するID番号を示すID部、 PLL回路によるデータの引き込みに用いるVFO部を含むPre−FormattedHeader部およびユーザーが記録するための領域であるRecordingfield部などから構成されている。図の中でDatafieldが実際にデータが記録される領域である。タイミングの設定は、例えばセクターマーク信号を検出したという信号をトリガーにしてカウンターを動かし、カウント数に従いスライスレベル補正回路の中の位相比較器の動作を開始させる信号を出力すれば、ディスクフォーマットに対応させて任意に設定できる。PLLによりデータの引き込みを完了してすぐに位相比較器を動かすこともできるし、VFO部が終了するまで待って動かすということもできる。このようなタイミングの設定は例えば、VFO部に欠陥があって再生時にエラーを起こした場合にタイミングをずらしてリトライすることができるので非常に有効である。
【0019】
次にスライスレベル補正回路の中の第2の位相比較器による位相比較方法について説明する。図9は本発明の再生方法における位相比較器の位相比較タイミングを説明する図である。(a)の再生信号はスライスレベル(e)によりデータスライスされ、二値化後にRAWDATA(b)となる。再生信号の立ち上がり、立ち下がり両エッジで位相比較するとはRAWDATAのそれぞれのエッジについてクロックあるいはデジタルデータとの位相比較を行い、スライスレベル補正をすることである。これとは別に、再生信号の立ち上がりエッジあるいは立ち下がりエッジでのみ位相比較することもできる。図9で(c)は立ち上がりデータ、(d)は立ち下がりデータを示す。(c)とクロック、(d)とクロックというようにRAWADATAの一つおきのエッジについて位相比較が行われる。このように位相比較の間隔を広げることで、スライスレベル補正回路を含む本発明の信号処理回路の動作周波数帯域を下げることができ、高周波ノイズに対して回路動作の安定化を図ることができる。
【0020】
一方図7は従来の再生方法の一例を示す回路ブロック図である。なお本発明の実施例と同一部材、同一信号には同一符号を付しているので、その説明は省略する。図はDualPLL方式を示しているが、この方式は再生信号の立ち上がりと立ち下がりエッジを別々に検出し、その検出信号を2つのPLL回路に通して処理し、その後に合成して再生データを得るという方式である。DualPLL方式は図7のように、また特開平4−90168号公報、特開平4−121845号公報などに開示されているように、PLL回路を少なくとも2つ用いるため回路規模が大きくなり、消費電力が大きくなる。具体的には回路を集積化したとしても、5V単一電源で約5W以上の消費電力を要すると思われる。これでは、今後益々需要が高まる電池駆動も可能なノートサイズのパーソナルコンピュータに搭載される光磁気ディスク再生装置用のICに適用するには、消費電力が大きすぎるという問題点がある。また扱う信号の周波数が数十MHzにも及ぶと、2つ以上のPLL回路が周波数の高いクロックを介して相互に干渉するため、個々のPLLの回路動作が不安定になりやすく、回路ノイズも多いという問題も生ずる。これに対し本発明の再生方法によると、SinglePLL方式のため従来のDualPLL方式に比べ回路規模を小さくでき、回路全体で約2〜3Wの消費電力が達成できる。したがって電池駆動も可能なノートサイズのパーソナルコンピュータに搭載される光磁気ディスク再生装置用のICに十分適用できる。またSinglePLL方式でスライスレベルあるいはエッジ位置を補正するという方法は特開平4−205939号公報、特開平4−291041号公報、特開平5−114189号公報などに示すように補正する前のデータをレベルスライスする場合の基準スライスレベルの設定が難しく、スライスレベルあるいはエッジ位置の補正分を演算するのに時間がかかるため、高速に補正ができないという問題点がある。またエッジ記録を用いた高密度光磁気記録においては記録ピット間の干渉が大きいので、理想的な位置に対する実際のエッジ位置のずれが大きい。したがってピット毎にエッジ位置を補正するためにはμsオーダーで動作する補正回路が必要である。本発明の再生方法によると、例えばコンデンサC1を100pF以下にしてスライスレベル補正回路を高速動作させれば、μs オーダーの応答が可能であるため、ピット毎のスライスレベルの補正が高速にでき、したがって光磁気ディスク再生装置の再生速度の向上が期待できる。
【0021】
(実施例2)
本発明の別の実施例について説明する。図10は本発明の再生方法の別の実施例における位相比較方法を説明する図である。図1と比べるとPLL回路からのVCO出力とRAWDATAがデータセパレータ回路に入力され、再生信号に位相同期化されたクロックであるSYNCCLKと再生データSYNCDATAを得るところまでは同じである。この例ではRAWDATAと位相比較する対象がSYNCCLKではなくてSYNCDATAである。以下の処理は実施例1と同じであり、第2位相比較器によりRAWDATAとSYNCDATAとの位相差を検出し、その位相差出力からUpパルスとDownパルスを生成し、チャージポンプ回路を動かす。さらにチャージポンプ回路の出力をループフィルターにかけDC成分としての補正出力であるVERRORを取り出す。VERROR出力は図2における加算アンプにより基準スライスレベルに加算され、スライスレベルを補正する。補正されたスライスレベルであるSUMOはコンパレータに入力され、再度データスライスを行った後、二値化回路によりデジタル化され正しい再生データを得ることになる。SYNCDATAとの位相比較をする意味は、何らかの原因でデータのエッジ位置がSYNCCLK周期の二分の一以上大きくシフトした場合に、 SYNCCLKを位相比較対象にしていると、本来比較すべきCLKエッジの次のCLKエッジ、あるいはひとつ前のCLKエッジとRAWADATAが位相比較されてしまい、誤った位相差出力が得られる。これに対し、
SYNCDATAはRAWADATAと一対一に対応しているため、大きくエッジシフトを起こしてもひとつ次のあるいはひとつ前のエッジにまで遡って位相比較されることはほとんどない。データのエッジ位置がSYNCCLK周期の二分の一以上に大きくシフトすることは通常は考えにくい。したがってSYNCCLKを位相比較対象としてよいと思うが、再生装置を設計する場合安全のためには、位相比較対象をSYNCDATAにするかSYNCCLKにするかを外部から選択できるようにしておき、SYNCCLKでエラーを起こした場合に対象をSYNCDATAに変えて再生をリトライするようにしておけば有効である。
【0022】
次に本発明の別の再生方法について説明する。
【0023】
(実施例3)
図11は本発明の再生方法における光磁気ディスクの欠陥を検知する方法を説明する図である。今光磁気ディスクに欠陥がある場合の再生波形Dを例にして考える。図では1/7変調の2Tくり返し信号45の中に欠陥46がある。スライスレベル補正回路を動作させて欠陥部分を再生すると、補正出力VERRORは(b)の52のように、欠陥の影響を受けてレベルが上がり暫くはそのままでゆっくりと所望のレベルまで下がってくる。この間スライスレベルも補正出力を反映して51のようにレベルが上がるため、欠陥通過後暫くは誤ったデータが続くことになる。本発明はその現象を回避するために、再生している光磁気ディスクの欠陥を検知したらスライスレベル補正回路をリセットするというものである。その際の光磁気ディスクの欠陥を検知する方法を次に説明する。まず図11(a)において再生波形45をスライスレベル47によりスライスし、49に示すコンパレータ出力D1を得る。そしてこのコンパレータ出力のパルス幅を常時モニターしていてその幅がある設定値以下であればディスクに欠陥があると判断し、リセット開始信号を発してスライスレベル補正回路をリセットするようにする。図11の例は1/7変調で2Tのくり返し信号の場合である。したがって図の中で欠陥前のパルス幅Pw1は2T幅である。設定値を1.5Tにして欠陥部を再生したところ、欠陥通過後にパルス幅Pw2が1.5T以下になったため、リセット開始信号50が立ち上がったのである。1/7変調において最短ピット長は2T幅である。そこでこの場合は設定値を最短ピット長に対して少し狭い幅である1.5Tにした。この設定値はエッジ記録再生の際に用いられる変調方式により異なるが変調方式が異なる場合にも、最短ピット長に対して少し狭い幅に設定するようにする。つまりクロック周期をTとすると、Tの数倍に設定する。次にディスクの欠陥を検知してスライスレベル補正回路をリセットする場合は、補正出力VERRORを基準電圧に接続するようにする。ディスクの欠陥を検知して発せられるリセット開始信号により、補正出力VERRORを基準電圧に接続すると、補正出力は48のようになる。そうすると欠陥通過後にスライスレベルがすばやく所望のレベルに達するため、欠陥により失われるデータが少なくて済むようになる。つまり欠陥があっても極端なエラーレートの悪化は防止される。
【0024】
次に本発明の再生装置について説明する。
【0025】
(実施例4)
本発明の再生装置は図12のように上記の再生方法を実現した回路を搭載した装置である。本装置は主に光磁気ディスク媒体54を回転させるスピンドルモータ56、その光磁気ディスク媒体にレーザー光を照射し情報の記録再生を行う光学ヘッド59、その光学ヘッドを所望の位置に移動させるフォーカスおよびトラック系のアクチュエータ57、リニアアクチュエータであるVCM58および制御回路部から構成されている。そして制御回路部はプリアンプ回路63、レーザー駆動回路64、サーボ制御回路68、ディスクコントローラ回路67およびCPU69さらには第1の位相比較器、チャージポンプ、ループフィルター、VCOからなるPLL回路と第2の位相比較器、第2のチャージポンプ、第2のループフィルターからなる信号処理回路を含むアナログ信号処理回路65から構成されている。さらにスライスレベル補正回路66を含むアナログ信号処理回路、サーボ制御回路、ディスクコントローラ回路はカスタムあるいは汎用にIC化されている。再生方法のところで述べたようにしてスライスレベルの補正が行われる。スライスレベルの補正出力をVERROR、基準電圧をVREF、基準スライスレベルをMIDとすると、補正されたスライスレベルSUMOは次式のようになる。
【0026】
【数2】
Figure 2004047080
【0027】
ここでGは加算アンプのゲインを示している。スライスレベル補正回路を動かす場合はGは1以下とする。スライスレベルの補正精度を上げるためには小さな位相差に対してVERRORが大きく変化するようにする。そうすると上式の括弧内の値が大きくなるので、加算アンプのゲインは小さめに設定し、SUMOが飽和するのを防ぐ。これがGを1以下に設定する理由であるが、具体的には必要なSUMOのレベルを想定し、回路的に飽和しないようにGを決めることになる。またスライスレベルの補正を行わない場合はGを1以上にする。この場合は通常はVERRORとVREFを等しくするので上式の括弧内の値はゼロとなる。そうするとSUMOはMIDと等しくなり、Gの値は大きな意味を持たない。さらにデータ再生の回路を設計する上では、スライスレベル補正回路を含む信号処理回路から加算アンプまでを閉ループにした場合のループゲインの設定が非常に重要である。本発明の再生装置においては第2のループフィルターは第2のチャージポンプの出力にコンデンサC1の一端を接続し、一端は回路のグランドレベルに接続した構成をとっている。このC1の容量値により前記ループゲインとVERRORの応答性、つまりスライスレベルを補正する速度が決定される。ループゲインを変化させると、VERRORのダイナミックレンジも変化する。スライスレベルの補正精度を上げるためには、 VERRORのダイナミックレンジも大きくとれるようにC1の設定を行う。近年記録データの転送レートも上がり、扱う信号の周波数が数十MHzにも及ぶため、スライスレベルの補正もμsオーダーの応答が必要となる。実験およびシミュレーションを重ねた結果、C1<100pFにしてスライスレベル補正回路を高速動作させれば、スライスレベルの補正もμsオーダーの応答が可能なことがわかった。周辺の付加的な回路によってもこのC1の値は異なるので、実用的にはC1<1000pFに設定するのがよいと思われる。上述したように本発明によると、データ再生にSinglePLL方式を用いるため、従来のDualPLL方式に比べ回路規模を小さくできる。また機能を集積化したカスタムICなどの採用により回路部品を低減することができ、回路全体で約2〜3Wの消費電力が達成できた。
【0028】
(実施例5)
本発明の別の実施例について図13により説明する。図13は本発明の再生装置におけるダンピング抵抗を説明する図である。この場合、図1のスライスレベル補正回路14の中のループフィルターを構成する73に示すコンデンサC1に加え、並列に74のダンピング抵抗R1を設けている。この抵抗は数Kから数十Kオームとし、一端はチャージポンプの出力に、もう一端は回路のグランドレベルあるいは基準電圧発生回路に接続する。その切り換えは切り換えスイッチ75により外部から制御できる。ダンピング抵抗を設けると、スライスレベル補正出力の振幅がある程度制限される。扱う信号の周波数が数十MHzにも及ぶため、スライスレベルを高速に補正しようとすると、様々なノイズに対して敏感になり、補正精度にも影響がでる。これに対し図13のように例えば接続先を基準電圧として、ダンピング抵抗を通じてある程度の電流を基準電圧に向けて流していた方がより安定した応答が得られることを実験により確認した。抵抗値を小さくし、ダンピングを大きくとると補正出力振幅が制限されすぎるので、特に図6のようなDC的に変動するようなパターンに対しては、スライスレベルの補正精度が悪くなる。したがって上記のように、抵抗値は小さくしても数Kオームまでがよい。
【0029】
次に本発明の別の再生装置について説明する。
【0030】
(実施例6)
この再生装置は基本構成は上述した再生装置と同じである。ただし図1のスライスレベル補正回路14の中のループフィルターを構成するコンデンサC1の容量値を1000pF以下に限定する。C1を小さく設定することでスライスレベル補正回路を含む信号処理回路はデータ再生に用いるPLL回路の動作周波数帯域と少なくとも同じ周波数帯域で動作させることが可能となる。そうするとエッジ記録を用いた高密度光磁気記録において、特に記録ピット間の干渉が大きく、理想的な位置に対する実際のエッジ位置のずれが大きい場合にもピット毎のスライスレベルの補正が高速にでき、したがって光磁気ディスク再生装置の再生速度の向上が期待できる。また本発明の再生装置ではPLL回路により、二値化された再生データへ位相同期化する際の周波数と位相の引き込み過程に用いるディスクのVFO部とデータ領域では前記PLL回路のゲインを切り換える。図14は本発明の再生装置におけるPLLゲインの切り換えを説明する図である。図の中で再生信号(a)はSyncパターンを挟んでVFO部とデータ領域の一部を示したものである。リードゲート信号(b)が立ち下がるとPLL回路が動作を開始し、二値化された再生データへ位相同期化する際の周波数と位相の引き込みを完了すると、PLLLock信号(c)が立ち下がる。またVFO部を過ぎてSyncパターンを検出すると、Sync検出信号(d)が立ち上がる。 Syncパターンはここからデータ領域が始まることを示す目印の信号である。PLLのゲインは(e)に示すようにVFO部は高ゲインとし、データ領域はゲインを引き込み時と同じかまたはそれ以下に設定する。ゲインの切り換えはSync検出信号(d)をトリガーにして行えば容易である。データ領域はゲインを引き込み時と同じかまたはそれ以下に設定することにより、位相同期化したデジタルデータが外部ノイズなどに対して安定するとともに、そのデジタルデータを位相比較に用いるスライスレベル補正回路の動作も安定することになる。
【0031】
次に本発明の再生装置における基準スライスレベルの切り換えについて説明する。例えばディスクのVFO部は最高記録周波数のくり返し信号が記録されている。したがってVFO部の信号は図2の基準電圧発生回路により発生する基準電圧を中心にしてバイアスされている。そこでVFO部では基準電圧を基準スライスレベルにしてPLL回路による周波数と位相の引き込みを行う。そうすると安定したデータスライスができるため、高速にデータへの位相同期化ができる。これに対し、データ領域では基準スライスレベルを例えばピークボトム検出回路の中間出力であるMIDに切り換える。この場合、基準電圧のような固定電圧を用いるよりもMIDを用いた方が最適スライスレベルに近いレベルに基準スライスレベルを設定できるので、スライスレベルの補正が正確にできる。このほかに基準スライスレベルは図8におけるPre−formattedHeader部とRecordingfield部で切り換えることも可能である。
【0032】
その他本発明の再生方法あるいは再生装置において、スライスレベルの補正に用いる第2の位相比較器の構成は第1の位相比較器と異なった構成でもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば,SinglePLL回路にスライスレベル補正回路を付加するという構成がとれるので、従来の再生方法に比べ低消費電力が実現できる。また再生データの各エッジごとに位相比較したデータによりスライスレベルを補正するので高速に補正ができる。さらに位相差を検出してスライスレベル補正するので補正精度がよいという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する再生回路主要部の回路ブロック図。
【図2】本発明を実施する再生回路の別の部分を示す回路ブロック図。
【図3】ピットエッジ記録再生方式と本発明の再生方法におけるスライスレベルの補正を説明する図。
【図4】従来の再生方法における再生波形とデータパルスの時間間隔測定結果を示す図。
【図5】本発明の再生方法における再生波形とデータパルスの時間間隔測定結果を示す図。
【図6】本発明の再生方法における再生波形とスライスレベルを示す図。
【図7】従来の再生方法の一例を示す回路ブロック図。
【図8】光磁気ディスクのディスクフォーマットの一例を示す図。
【図9】本発明の再生方法における位相比較器の位相比較タイミングを説明する図。
【図10】本発明の再生方法の別の実施例における位相比較方法を説明する図。
【図11】本発明の再生方法における光磁気ディスクの欠陥を検知する方法を説明する図。
【図12】本発明の再生装置の構成を示すブロック図。
【図13】本発明の再生装置におけるダンピング抵抗を説明する図。
【図14】本発明の再生装置におけるPLLゲインの切り換えを説明する図。
【符号の説明】
1 第1位相比較器
2 チャージポンプとループフィルター
3 VCO(電圧制御発振器)
4 データセパレータ回路
5 RAWDATA
6 SYNCDATA
7 SYNCCLK
8 第2位相比較器
9 Upパルス
10 Downパルス
11 チャージポンプ
12 ループフィルター
13 補正出力(VERROR)
14 スライスレベル補正回路
15 光学ヘッド
16 アンプとフィルター
17 基準電圧発生回路
18 ピークボトム検出回路
19 ピーク出力(TOP)
20 ボトム出力(BTM)
21 中間出力(MID)
22 切り換えスイッチ
23 加算アンプ
24 補正スライスレベル(SUMO)
25 コンパレータ
26 二値化回路
27 再生波形エンベロープA
28 補正出力A1(VERROR)
29 スライスレベルA1
30 補正出力A2(VERROR)
31 スライスレベルA2
32 再生波形エンベロープB1
33 補正出力B1
34 再生波形エンベロープB2
35 補正出力B2
36 スライスレベルB2
37 立上りエッジ検出回路と二値化回路
38 立下りエッジ検出回路と二値化回路
39 第1PLL回路
40 第1データセパレータ回路
41 第2PLL回路
42 第2データセパレータ回路
43 データ合成回路
44 ディスクフォーマットの一例
45 再生波形D
46 欠陥
47 スライスレベルD1
48 補正出力D1
49 コンパレータ出力D1
50 リセット開始信号
51 スライスレベルD2
52 補正出力D2
53 コンパレータ出力D2
54 光磁気ディスク
55 バイアスマグネット
56 スピンドルモータ
57 アクチュエータ
58 ボイスコイルモータ(VCM)
59 光学ヘッド
60 スピンドルモータ駆動回路
61 VCM駆動回路
62 アクチュエータ駆動回路
63 プリアンプ回路
64 レーザー駆動回路
65 アナログ信号処理回路
66 スライスレベル補正用信号処理回路
67 ディスクコントローラ回路
68 サーボ制御回路
69 CPU
70 SRAM
71 DRAM
72 インターフェースコネクター
73 ループフィルター用コンデンサC1
74 ダンピング抵抗R1
75 切り換えスイッチ

Claims (18)

  1. 再生信号とスライスレベルの交点を記録ピットのエッジ位置として検出する光磁気ディスクの再生方法において、第1の位相比較器、チャージポンプ、ループフィルターおよびVCOからなるPLL回路と、第2の位相比較器、第2のチャージポンプおよび第2のループフィルターからなる信号処理回路とを有し、二値化された再生データと前記PLL回路により該再生データへ位相同期化したクロックあるいはデジタルデータとの位相差を該第2の位相比較器により検出し、該位相差から求めた補正分を基準スライスレベルに加算することにより前記スライスレベルを補正することを特徴とする光磁気ディスクの再生方法。
  2. 前記基準スライスレベルは固定電圧または再生信号に基づき生成したスライスレベルのいずれかを選択できることを特徴とする請求項1記載の光磁気ディスクの再生方法。
  3. 前記信号処理回路の動作、非動作の選択および動作を開始させるタイミングは外部から制御できることを特徴とする請求項1記載の光磁気ディスクの再生方法。
  4. 前記第2の位相比較器により位相比較する場合、再生信号の立ち上がりエッジあるいは立ち下がりエッジでのみ位相比較するか、または立ち上がりと立ち下がり両エッジで位相比較することを特徴とする請求項1記載の光磁気ディスクの再生方法。
  5. 再生信号とスライスレベルの交点を記録ピットのエッジ位置として検出する光磁気ディスクの再生方法において、第1の位相比較器、チャージポンプ、ループフィルターおよびVCOからなるPLL回路と、第2の位相比較器、第2のチャージポンプおよび第2のループフィルターからなる信号処理回路とを有し、二値化された再生データと前記PLL回路により該再生データへ位相同期化したクロックあるいはデジタルデータとの位相差を該第2の位相比較器により検出し、該位相差から求めた補正分を基準スライスレベルに加算することにより前記スライスレベルを補正する再生方法であって、再生している光磁気ディスクの欠陥を検知したら前記信号処理回路をリセットすることを特徴とする光磁気ディスクの再生方法。
  6. 前記光磁気ディスクの欠陥を検知する方法は前記再生信号とスライスレベルの比較出力を用いて行い、該比較出力のパルス幅が設定値以下なら前記信号処理回路をリセットすることとし、該設定値はエッジ記録再生の際に用いられる変調方式により異なり、前記クロック周期をTとした場合、Tの数倍に設定されることを特徴とする請求項5記載の光磁気ディスクの再生方法。
  7. 前記光磁気ディスクの欠陥を検知して前記信号処理回路をリセットする場合、前記第2のループフィルターの出力を基準電圧に接続することを特徴とする請求項5記載の光磁気ディスクの再生方法。
  8. 再生信号とスライスレベルの交点を記録ピットのエッジ位置として検出する光磁気ディスクの再生装置において、該光磁気ディスク媒体を回転させるスピンドルモータ、該光磁気ディスク媒体にレーザー光を照射し情報の記録再生を行う光学ヘッド、該光学ヘッドを所望の位置に移動させるアクチュエータおよび制御回路部からなる再生装置であり、該制御回路部はプリアンプ回路、レーザー駆動回路、サーボ制御回路、ディスクコントローラ回路、CPU、第1の位相比較器とチャージポンプとループフィルターとVCOとからなるPLL回路、および、第2の位相比較器と第2のチャージポンプと第2のループフィルターとからなる信号処理回路、を少なくとも有することを特徴とする光磁気ディスクの再生装置。
  9. 前記第2の位相比較器により、二値化された再生データと前記PLL回路により該再生データへ位相同期化したクロックあるいはデジタルデータとの位相差を検出し、該位相差から求めた補正分を加算アンプにより基準スライスレベルに加算することにより前記スライスレベルを補正することを特徴とする請求項8記載の光磁気ディスクの再生装置。
  10. 前記加算アンプのゲインは前記信号処理回路の動作時と非動作時で切り換えることとし、動作時はゲインが1以下であり、非動作時は1以上であることを特徴とする請求項8記載の光磁気ディスクの再生装置。
  11. 前記スライスレベルの補正精度は前記第2の位相比較器により、二値化された再生データと前記PLL回路により該再生データへ位相同期化したクロックあるいはデジタルデータとの位相差を検出し、該位相差から求めた補正出力のダイナミックレンジと、前記信号処理回路から前記加算アンプまでを閉ループにした場合のループゲインから決定されることを特徴とする請求項8記載の光磁気ディスクの再生装置。
  12. 前記第2のループフィルターは前記第2のチャージポンプの出力にコンデンサの一端を接続し、一端は回路のグランドレベルに接続した構成であり、該コンデンサの値により前記信号処理回路から前記加算アンプまでを閉ループにした場合のループゲインとスライスレベルを補正する速度が決定されることを特徴とする請求項8記載の光磁気ディスクの再生装置。
  13. 前記第2のループフィルターのコンデンサに並列にダンピング抵抗を設け、ループフィルターの出力振幅を制限することを特徴とする請求項8記載の光磁気ディスクの再生装置。
  14. 前記ダンピング抵抗の一端はチャージポンプの出力に接続し、一端は回路のグランドレベルあるいは基準電圧に接続することを特徴とする請求項8記載の光磁気ディスクの再生装置。
  15. 光磁気ディスク媒体にエッジ記録されたピットのエッジ位置を検出して記録信号を再生する光磁気ディスクの再生装置において、該再生装置を構成する制御回路部はプリアンプ回路、レーザー駆動回路、サーボ制御回路、ディスクコントローラ回路、CPU、第1の位相比較器とチャージポンプとループフィルターとVCOとからなるPLL回路、第2の位相比較器と第2のチャージポンプと第2のループフィルターとからなる信号処理回路、を少なくとも有し、該第2のループフィルターを構成するコンデンサの値は1000pF以下であることを特徴とする光磁気ディスクの再生装置。
  16. 前記信号処理回路は前記PLL回路の動作周波数帯域と少なくとも同じ周波数帯域で動作させることを特徴とする請求項15記載の光磁気ディスクの再生装置。
  17. 前記PLL回路により、二値化された再生データへ位相同期化する際の周波数と位相の引き込み過程に用いるディスクのVFO部とデータ領域では前記PLL回路のゲインを切り換えることとし、該データ領域におけるゲインは引き込み時と同じかまたはそれ以下に設定することを特徴とする請求項15記載の光磁気ディスクの再生装置。
  18. 前記PLL回路により、二値化された再生データへ位相同期化する際の周波数と位相の引き込み過程に用いるディスクのVFO部とデータ領域では前記信号処理回路によりスライスレベルを補正する際の基準スライスレベルを切り換えることを特徴とする請求項15記載の光磁気ディスクの再生装置。
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