JP3902936B2 - 光学的情報再生方法及び光学的情報再生装置 - Google Patents

光学的情報再生方法及び光学的情報再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光磁気ディスク、コンパクトディスク(CD)、CD−R等の光学的情報記録媒体に用いられる光学的情報再生方法及び光学的情報再生装置に係わり、特に光磁気効果を利用して情報を再生する光磁気再生方法及び光磁気再生装置に好適に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より光磁気ディスク、コンパクトディスク、CD−R等の光学的情報記録媒体による記録・再生系においては、媒体の特性により記録信号や再生信号に波形ずれが生じることが知られている。波形ずれの概要を図25に基づいて説明する。図25において、図25(A)は再生波形を示し、図25(B)は復号データを示す。ここでは、再生系においてクロックの立ち上がりエッジで再生波形をサンプリングするものとする。図25(A)の「×」印はサンプリング信号である。媒体の特性により波形ずれが生ずると、図25(A)の時刻k1において“H”レベルから“L”レベルに変化する際に波線で示すような波形ずれにより立ち上がり位置が微小に変動する。波形ずれを生じた再生波形をサンプリングすると、後段のPLLループ及び復号部の性能劣化の要因となる。
【0003】
これに対し、例えば、特開平10−50000号公報においては、“H”レベルから“L”レベルへ移行する変化点で再生データに所定の正のオフセット値を加算した後、データ検出判定を行う方法が開示されている。また、特開平05−197957号公報においては、情報記録時に記録パルス幅等を計測し、立ち上がり位置を制御することにより、波形ずれを記録の際に補償する方法が開示されている。
【0004】
ところで、再生信号のサンプル値を基にしたPLLループ(データPLL)においては、波形ずれにより位相誤差信号に誤検出が発生する。図26はデータPLLにおける位相誤差検出の概略を示す。データPLLにおいては再生信号のエッジ部のサンプル値を基に位相誤差を得ている。図26において、920は再生信号で、「●」及び「○」はクロックによるサンプル値である。
【0005】
図26(A)は再生信号に対してクロックの位相が遅れている場合で位相誤差は正の値を出力する。図26(B)はクロックの位相が合っている場合で位相誤差はゼロとなる。図26(C)はクロックの位相が進んでいる場合で位相誤差は負の値となる。PLLループはこの位相誤差信号を基に制御を行う。しかしながら、図26(D)に示すように再生信号920に対して波形ずれ930が生じると、エッジ部で検出される位相誤差は「■」となり、誤った値が生成されてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平10−50000号公報においてはレベルの変化点にのみ言及されており、例えば、変化点に至る波形パターンに依存して波形ずれ量が変化する場合には対応できない。ここで、再生信号の“H”レベルの区間をマーク、“L”レベルの区間をスペースとすると、マークとスペースの間隔等に依存して波形ずれ量が変動する場合は、マークあるいはスペースの間隔(記録マーク長)に応じて適応的に波形ずれの補正量を設定しなければ、所望の効果を得ることはできない。
【0007】
更に、特開平05−197957号公報に記載されているような記録時に波形ずれの補償を行う方法では、高密度化のために最短マーク長を短くした場合、最短マーク長以下の記録パルスによる補償の影響で、ビット欠落等を発生する可能性が大きくなる。また、データPLLにおいては再生信号のエッジ部を用いているため、記録マーク長を適切に補正することが所望の性能を達成する上で必要となる。従って、上記特開平10−50000号公報に記載されているようなレベルの変化点で固定の補正量により補正するのみでは再生信号の波形ずれに対応できなかった。
【0008】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたもので、その目的は、媒体及び記録再生系の特性等により発生する波形ずれを補正し、正確に記録情報を再生できる光学的情報再生方法及び光学的情報再生装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、光学的情報記録媒体に形成された記録マークを検出し、再生信号を生成する光学的情報再生方法において、前記光学的情報記録媒体のユーザーデータ領域における記録マークのマーク長を検出し、該マーク長ごとに、該マーク長に対応する位相又は振幅の変位を検出し、検出された該位相又は振幅の変位に応じた補正量で該マーク長に対応して前記再生信号の波形を補正すると共に、前記波形補正された再生信号に基づいて再生クロック信号を生成することを特徴とする光学的情報再生方法によって達成される。
【0010】
また、本発明の目的は、光学的情報記録媒体に形成された記録マークを検出し、再生信号を生成する光学的情報再生装置において、前記光学的情報記録媒体のユーザーデータ領域における記録マークのマーク長を検出する第1の検出手段と、該マーク長に対応する位相又は振幅の変位を検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段により検出された該マーク長ごとに、前記第2の検出手段により検出された該位相又は振幅の変位に応じた補正量を生成する補正量生成手段と、該補正量で該マーク長に対応して前記再生信号の波形を補正する補正手段と、前記波形補正された再生信号に基づいて再生クロック信号を生成するPLL回路とを備えることを特徴とする光学的情報再生装置によって達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は、光磁気ディスク、コンパクトディスク、CD−R等の光学的情報記録媒体の情報再生方法および情報再生装置に用いられ、特に光磁気ディスク等の光磁気記録媒体の情報再生方法および情報再生装置に限定されるものではないが、以下、本発明が好適に用いられる光磁気記録媒体、特に光磁気ディスクの情報再生方法および情報再生装置を取りあげて説明する。なお、以下の全ての実施形態においては、信号のマーク部分とスペース部分を総称して記録マークという。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は本発明の光磁気再生装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。図1において、101は情報記録媒体であるところの光磁気ディスク、102は光磁気ディスク101を所定速度で回転させるためのスピンドルモータである。光磁気ディスク101の上面には記録信号に応じて変調された磁界を発生するための磁気ヘッド103が配設され、その下面には磁気ヘッド103に対向して光ヘッド104が配置されている。
【0013】
光ヘッド104は記録用光ビームを照射して情報の記録を行い、あるいは再生用光ビームを照射し、その媒体からの反射光を検出して記録情報の再生を行うものである。この際、光ヘッド104内には記録再生用光源である半導体レーザ(図示せず)や媒体からの反射光を検出する光センサ(図示せず)が設けられている。半導体レーザはレーザ駆動回路108で駆動され、半導体レーザの光ビームを記録用と再生用に制御することによって情報の記録や再生を行う。また、光磁気ディスク101としては、磁壁移動型光磁気媒体が用いられ、磁壁移動による情報再生を行う。
【0014】
この磁壁移動型光磁気媒体を用いた再生方法については例えば特開平6−290496号公報に開示されている。この特開平6−290496号公報に開示された磁壁移動型光磁気媒体を用いた再生方法の一例について図23を用いて説明する。
【0015】
図23は、磁壁移動型光磁気記録媒体およびその再生方法における作用を説明するため模式図である。
【0016】
図23(A)は、磁壁移動型光磁気記録媒体の一構成例の模式的断面図である。この媒体の磁性層は、第1の磁性層11、第2の磁性層12、第3の磁性層13が順次積層されてなる。各層中の矢印14は原子スピンの向きを表している。スピンの向きが相互に逆向きの領域の境界部には磁壁15が形成されている。また、この記録層の記録信号も下側にグラフとして表わす。第1の磁性層11は、周囲温度近傍の温度において第3の磁性層13に比べて相対的に磁壁抗磁力が小さく磁壁移動度が大きな垂直磁化膜からなり、第2の磁性層12は、第1の磁性層11および第3の磁性層13よりもキュリー温度の低い磁性層からなり、第3の磁性層13は垂直磁化膜である。
【0017】
図23(B)は、上記光磁気記録媒体に形成される温度分布を示すグラフである。この温度分布は、再生用に照射されている光ビーム自身によって媒体上に誘起されるものでもよいが、望ましくは別の加熱手段を併用して、再生用の光ビームのスポットの手前側から温度を上昇させ、スポットの後方に温度のピークが来るような温度分布を形成する。ここで位置xs においては、媒体温度が第2の磁性層12のキュリー温度近傍の温度Ts になっている。
【0018】
図23(C)は、図23(B)の温度分布に対応する第1の磁性層11の磁壁エネルギー密度σ1 の分布を示すグラフである。この様にx方向に磁壁エネルギー密度σ1 の勾配があると、位置xに存在する各層の磁壁に対して下記式から求められる力F1 が作用する。
【0019】
【数1】
1 =∂σ1/∂x
この力F1 は、磁壁エネルギーの低い方に磁壁を移動させるように作用する。第1の磁性層11は、磁壁抗磁力が小さく磁壁移動度が大きいので、単独では、この力F1 によって容易に磁壁が移動する。しかし、位置xs より手前(図では右側)の領域では、まだ媒体温度がTs より低く、磁壁抗磁力の大きな第3の磁性層13と交換結合しているために、第3の磁性層13中の磁壁の位置に対応した位置に第1の磁性層11中の磁壁も固定されている。
【0020】
図23(A)に示す様に、磁壁15が媒体の位置xs にあると、媒体温度が第2の磁性層のキュリー温度近傍の温度Ts まで上昇し、第1の磁性層と第3の磁性層との間の交換結合が切断される。この結果、第1の磁性層中の磁壁15は、破線矢印17で示した様に、より温度が高く磁壁エネルギー密度の小さな領域へと”瞬間的”に移動する。
【0021】
再生用の光ビームのスポット16の下を磁壁15が通過すると、スポット内の第1の磁性層の原子スピンは全て一方向に揃う。そして、媒体の移動に伴って磁壁15が位置xs に来る度に、スポットの下を磁壁15が瞬間的に移動しスポット内の原子スピンの向きが反転して全て一方向に揃う。この結果、図23(A)に示す様に、再生信号振幅は記録されている磁壁の間隔(即ち記録マーク長)によらず、常に一定かつ最大の振幅になり、光学的な回折限界に起因した波形干渉等の問題から完全に解放されることになる。
【0022】
情報の記録の際には、上述した磁壁移動型光磁気媒体である光磁気ディスク101をスピンドルモータ102の駆動により所定の速度で回転させ、この状態で記録データがプリエンコーダ107に供給される。プリエンコーダ107においては、例えば、NRZI系列のデータの変調を行う。プリエンコーダ107より出力された変調信号は磁気ヘッドドライバー106に供給され、磁気ヘッドドライバー106では変調信号に応じて外部磁界発生用の磁気ヘッド103を駆動する。これにより、磁気ヘッド103は変調信号に応じた磁界を発生し、光磁気ディスク101に印加する。同時に、レーザ駆動回路108からの駆動信号により光学ヘッド104から記録用光ビームを光磁気ディスク101に照射することにより光磁気ディスク101上にデータが記録される。
【0023】
一方、情報の再生の際には、同様に光磁気ディスク101は所定の速度で回転するように制御され、光学ヘッド104から再生用光ビームが光磁気ディスク101に照射される。光磁気ディスク101からの反射光は光学ヘッド104の光センサで検出され、RF信号が生成される。このRF信号はプリアンプ105を通してAGC回路109に供給され、AGC回路109においてはRF信号に応じて利得制御を行い、所定振幅のRF信号が生成される。
【0024】
AGC回路109で処理された再生RF信号はA/D変換器110及びA/D変換器120でデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換されたRFデジタル信号は波形補正回路111と再生補償回路114に供給される。再生補償回路114はマーク長検出回路115とジッタ検出部117及び補正量生成回路116から成っていて、RFデジタル信号からデータの記録マーク長を検出し、さらに各マーク長の後エッジ近傍の再生信号からジッタを検出し、各記録マーク長に対応した波形ずれ補正信号を生成する。波形補正回路111は再生補償回路114から供給された波形ずれ補正信号に基づいてRFデジタル信号を補正する。
【0025】
補正されたRFデジタル信号は復号回路112に出力され、復号回路112においては差分検出することにより復号データが出力される。なお、ここでは差分検出により復号データを生成しているが、PRML、ビットバイビット等の公知の復号方式を用いてもよい。
【0026】
次に、本実施形態の特徴である再生補償のための補正係数の生成について説明する。図2は、補正係数の生成のシーケンスを示したものである。本発明の特徴は、ユーザーが再生して利用するユーザーデータから再生補償のための補正係数を生成する点にあり、再生補償のために特別な情報を記録する必要がない。
【0027】
図2のステップS0で、前述の記録再生装置により再生を開始する。
【0028】
図2のステップS1で、再生信号を基にユーザーデータ領域を検出し以下の処理を実施する。図19は、再生信号の形態の概略図である。再生信号は単一周波数の信号が記録されているVFOとユーザーデータ領域の開始を示すSYNC及びユーザーデータから構成されている。図20は、各部の詳細である。VFOは4Tパターン等のトーン信号により記録されており、SYNCは8T−7T等の記録符号系列には出現しないユニークなパターンにより構成される。マーク長検出部115は、SYNCパターンを検出し、以下の補正係数の生成処理を実行する。
【0029】
まず、不図示のPLL回路により第26図に示すように、再生波形の立上がりエッジのゼロクロス点をサンプリングする位相となるようなクロック信号を生成する。生成したクロックは1/2クロック位相を遅延させてA/D変換器110に供給される。図25(A)は、A/D変換器110によりデジタル信号に変換された信号の概略を示している。図25(A)の「×」印は先にも説明したようにサンプリング信号を示している。マーク長検出部115は、上記再生信号から図2のステップS2において、しきい値との比較により2値化することによりデータの仮判定を行う。データは“0”と“1”の2つの符号により構成されているものとする。
【0030】
図3は2値化の概要を示したものである。2値化は再生信号S(k)と所定のしきい値(0)を比較し、以下によりデータの仮判定を行う。
【0031】
S(k) < 0 → “0”
S(k) ≧ 0 → “1” ・・・・・(1)
ここで、マーク長の検出をピーク検出により実施しているが、後述のPR検出やPRML等の公知の検出方式を用いることが可能である。
【0032】
次に、図2のステップS3において、仮判定結果を基に“0”または“1”の連続する個数をカウントすることによりマーク長を得る。
【0033】
また前述のA/D変換器120には、前述のPLL回路により生成された(1/2クロック位相を遅延させていない)クロックが供給される。ジッタ検出部117には、このクロックによりサンプリングされた信号S'が供給される。
【0034】
図2のステップS4では、再生信号のジッタを検出する。図4にジッタ検出の概略を示す。図4は任意の時刻近傍の再生信号410とサンプリング信号S'(●及び○)を示したものである。ジッタ検出部117においては、S'のゼロクロス近傍のサンプル値(○)によりジッタを計測する。図4(A)は立ち上がりエッジが前にシフトした場合で、ゼロクロス近傍のサンプル値(○)は+側にシフトする。図4(B)は立ち上がりエッジの位相が一致している場合、図4(C)は立ち上がりエッジが後にシフトした場合で、ゼロクロス近傍のサンプル値(○)は−側にシフトする。
【0035】
ジッタ(J)は、ゼロクロス近傍のサンプル値S'(○)に対して比例関係にあり、所定の振幅−時間変換係数mを乗算することにより、
J=m・S' ・・・・・(2)
として生成することができる。
【0036】
マーク長検出部115とジッタ検出部117により、図5に示すように再生信号のマーク長nと、このマーク長の後エッジでのジッタJを得ることができる。
【0037】
補正量生成回路116においては、前記マーク長及びジッタから再生信号の補正量を生成する。図6に、補正量生成回路116の概略を示す。
【0038】
ここでは、記録符号としてRLL(1,7)符号を用いるものとし、従ってNRZI後のデータのマーク長は2〜8に制限されているものとする。
【0039】
図6に示すように補正量生成回路116は、データ保持部601の内部にマーク長毎の出現回数をカウントするカウンタと、各マーク長の後エッジ部でのジッタを加算する加算器を有する。
【0040】
図2のステップS5においては、前記各マーク長毎のジッタの平均値を生成する。図6の平均値算出部602においては、不図示のCPUからの制御信号によりデータ保持部601から各マーク長の出現回数と各マーク長毎のジッタの加算値を読み出し、各マーク長毎の後エッジにおけるジッタの平均値を算出する。図8(A)に、任意のマーク長におけるジッタの分布の概略を示す。
【0041】
補正係数生成部603においては、図2のステップS6に示すように、マーク長毎のジッタの平均値を基に再生補償係数を算出する。図8(B)は、横軸をマーク長、縦軸をジッタ平均値としてプロットしたものである。補正係数生成部603では、図8(B)に示すデータを基に近似ラインを例えば最小二乗法等により求める。図8(B)に示す近似ラインは以下となる。
【0042】
J=A・n+B ・・・・・(3)
ここで、Jはジッタ、nはマーク長で再生補償係数はA及びBである。
【0043】
尚、ここでは式(3)に示す線形近似によりジッタJを求める方式を示したが、次数等を任意に設定し、それに応じて補正係数を増やすことは可能である。また、図21に示すような多項式近似等の公知の方式により近似しても良い。さらに、図8(B)の各マーク長毎のジッタをメモリ等により保持し、これを読み出すことにより補正量を生成するようにすることも有効である。
【0044】
図6の補正量生成部604においては、図2のステップS7に示すように、再生信号の補正量を生成する。補正量は、再生信号を基にマーク長判別部115で検出したマーク長n及び前記補正係数A及びBを用いてジッタJを生成し、以下により補正量Yを算出する。
【0045】
Y=−J・r ・・・・・(4)
ここで、rは媒体特性、記録再生系の特性等により定まるジッタ-振幅変換係数である。
【0046】
補正係数の生成は、初期状態ではユーザーデータを所定時間あるいは所定のデータ量再生することにより、補正係数生成のための記録マーク長及びジッタの情報を蓄積し、上述の処理により補正係数を算出する。例えば、再生開始後数十セクタ分程度、ビット数にして75000〜150000ビット分程度の再生信号を基に補正係数を生成する。次に、定常状態においては上記の記録マーク長及びジッタを逐次更新しながら補正係数を生成する。
【0047】
補正係数の更新のタイミングとして、逐次更新だけでなく所定の時間間隔毎に更新することも可能であるし、所定の時間間隔やデータ量毎の記録マーク長及びジッタを蓄積して、これを基に補正係数を更新することも可能である。
【0048】
ここで、光磁気記録において記録時にレーザ光の照射により光磁気記録媒体のレーザ光照射部位の温度はキュリー点まで達し磁化が消失する。しかし、キュリー点まで温度が上昇していない周辺部位では磁化が存在し、磁化を起因とする浮遊磁界が存在する。記録マーク端である磁壁は光ビーム進行方向後端で形成されるが、記録マーク端である磁壁形成時にそれら浮遊磁界は磁壁形成のための外部から磁気ヘッドにより印加される変調磁界に重畳される形で作用する。この浮遊磁界の大きさは直前に形成された磁壁と次に形成しようとする磁壁との間隔、即ち、形成しようとする記録マーク長、更にその前に位置するマーク長により変化する。従って、磁壁形成部位に作用する浮遊磁界強度は記録しようとするマーク長、(或いはマーク長列)によって異なる。
【0049】
以下、上記浮遊磁界について説明する。図24(C)は、磁化及びそれを起因とする浮遊磁界を示す図である。図24(C)に示すように、記録マーク端である磁壁は光ビーム進行方向後端で形成されるが、浮遊磁界は、磁壁形成のために外部から磁気ヘッドにより印加される変調磁界に重畳する。
【0050】
この浮遊磁界の大きさは、上述したように、直前に形成された磁壁と次に形成しようとする磁壁との間隔、すなわち、形成しようとする記録マーク長、さらにその前に位置するマーク長により変化する。また、磁壁の形成位置は、温度と磁界強度との関係において決定される。ここで、レーザ光強度、磁気ヘッドからの印加磁界強度は定常状態に保たれており、記録マーク長、或いは記録マーク長列が異なる場合には重畳される浮遊磁界強度が異なってくるために、磁区形成位置に印加される磁界強度は磁気ヘッドからの磁界強度に浮遊磁界強度が重畳されたものとなり、前述したように実質的に磁区形成部に印加される磁界強度は形成する記録マーク長、或いは記録マーク長列により異なる。その結果、磁壁形成位置が記録マーク長により異なる現象が現れる。
【0051】
図24を用いさらに説明を加える。図24(A)は記録符号上最長・最短の記録マークを順次形成する場合、図24(B)は記録符号上最短・最長の記録マークを順次形成する場合を表している。図24において、1は光ビーム、矢印2は光磁気記録媒体の記録層の磁化状態を、矢印3は磁気ヘッドからの印加磁界の強度・方向を示しており、矢印4は磁壁形成直前の磁化状態による浮遊磁界強度・方向を示している。矢印5は更に前に位置する記録マークからの浮遊磁界強度・方向を示している。
【0052】
ここでは、光磁気記録媒体の特性上、矢印4の浮遊磁界の向きは磁壁形成時磁気ヘッドからの印加磁界を増加させる方向に印加され、矢印5の浮遊磁界の向きは磁壁形成時磁気ヘッドからの印加磁界を現象させる方向に印加される。
【0053】
したがって、図24(A)、図24(B)の場合で磁壁形成部位の矢印3〜5の印加磁界の和が異なり、図24(B)の場合により強さのある磁界強度が記録層に印加される。その結果、磁壁形成位置はある基準位置から見ると、図24(A)の場合には、ΔAずれた位置に形成され、Bの場合はΔBずれた位置に形成されて、ΔA、ΔBの関係はΔA<ΔBなる結果となる。
【0054】
さらにいえば、磁壁移動型光磁気媒体等のように、光学系分解能の制約を排除できるような飛躍的に線記録密度の向上が可能となる光磁気記録再生方法を採用することで記録マーク長が小さくなり、(1)磁壁形成位置からの一定範囲における磁化状態の変化がより複雑化し、浮遊磁界の変化も複雑化したために記録マーク長によるエッジシフトが複雑化することになる。(2)上記要因によるエッジシフト量が、記録線密度が上がりマーク長が短くなることでマーク長に対する比率が大きくなり浮遊磁界によるエッジシフト問題が顕在化することになる。(3)光学系分解能の制約よる符号間干渉によるエッジシフトの制約が無くなり、浮遊磁界によるエッジシフト問題が顕在化することになる。
【0055】
本実施形態では、このような現象に基づいて記録マーク長に依存して生じる波形ずれを補正するものである。即ち、式(3)で示すように情報再生時に現在の記録マーク長と所定の補正係数から補正量を算出し、この補正量をもとに再生信号の波形ずれを補正するものである。
【0056】
波形補正回路111においてはA/D変換器110から供給されるRFデジタル信号を遅延し、補正量生成回路116から得られる補正量Yと変化の方向を表わす信号Fに基づいてRFデジタル信号を補正する。
【0057】
図9に補正の概略を示す。図9(A)は再生信号の波形であり、●はサンプリング点を示す。また、図9(A)の波線は補正後の波形で*は補正後のサンプリング点を示す。図9(B)は補正前のサンプル値と2値化のしきい値、図9(C)は補正後のサンプル値と2値化のしきい値である。図9(B)では識別点501でのレベル判定が困難で誤りが生じ易くなるが、補正を加えることにより図9(C)に示すようにレベル判定の精度が向上する。
【0058】
波形補正回路111では、補正量生成回路116より供給される再生信号の変化の方向Fを基に、変化の方向Fが“1”(再生信号の立ち上がり)の場合には補正量Yを変化点近傍のサンプル値に対して加算する。また変化の方向Fが“0”(再生信号の立下り)の場合には補正量Yの符号を反転し、変化点近傍のサンプル値に対して加算する。
【0059】
補正されたRFデジタル信号は復号回路112に供給される。ここでは、復号回路112では図3に示す2値化により復号処理を行う。
【0060】
図9に示すように、マーク長に応じて再生信号の補正を行うことにより波形ずれによる復号エラーを低減することができる。
【0061】
次に、本実施形態の具体的な再生動作を図7に基づいて説明する。図7(A)はRFデジタル信号、図7(B)はクロック、図7(C)は仮判定データ、図7(D)はマーク長、図7(E)はジッタ、図7(F)は変化の方向、図7(G)は補正区間を設定するゲート、図7(H)は補正オフセット量、図7(I)は補正後のデジタル信号である。
【0062】
ここで、光学ヘッド104から回転している光磁気ディスク101に再生用光ビームが照射されると、光学ヘッド104で光磁気ディスク101からの反射光を検出して再生信号が生成され、プリアンプ105、AGC回路109を介してA/D変換器110に供給される。A/D変換器110では図7(A)に示すようにRFデジタル信号を図7(B)のクロックに同期して出力し、マーク長検出部115に供給する。
【0063】
マーク長検出部115においては、図7(C)に示すような仮判定データが生成され、同時に記録マーク長nが不図示のカウンタ等を基に算出される。更に、マーク長検出部115では図7(C)の仮判定データの値から立ち上がり・立ち下がりの変化の方向が検出され、図7(F)に示すように仮判定データの1→0に対しては変化の方向は1→0、仮判定データの0→1に対しては変化の方向は0→1が出力される。
【0064】
また、ジッタ検出部117には、図7(A)のRFデジタル信号に対して1/2クロック位相のシフトした不図示のRFデジタル信号が供給される。ジッタ検出部117においては、位相のシフトしたRFデジタル信号から図7(E)に示すように各マークの後エッジにおけるジッタを検出する。尚、図7のデータに付与された添え字(k+1)、(k+2)等は(k+1)番目のマークに対するデータを表す。従って、例えば図7(D)のマーク長n(k+1)は、図7(A)のRFデジタル信号のマークM(k+1)に対応するマーク長であることを示す。
【0065】
補正量生成回路116では、図7(D)の記録マーク長n及び図7(E)のジッタを基に、各マーク長毎の平均ジッタを算出し、さらに式(3)の補正係数A及びBを算出する。次に、式(3)により補正量が算出され、更に振幅のオフセット量Yに変換して、図7(H)に示すようなオフセット量Yが出力される。
【0066】
波形補正回路111においては、A/D変換器110から得られたRFデジタル信号に対して所定の遅延を施し、図7(G)に示すように補正量生成回路116からの信号を基にRFデジタル信号を補正する区間を制御する補正ゲートを内部で生成し、この補正ゲート区間のRFデジタル信号の振幅に対してオフセットを加減算する。即ち、RFデジタル信号のエッジ部に対応して図7(G)の補正ゲート信号を作成し、この補正ゲート信号の“1”の区間内でオフセットの加減算を行う。以上により、図7(I)に示すように破線の再生信号が実線で示す再生信号に補正され、波形ずれを補正することができる。
【0067】
本実施例の装置においては、再生補償のための補正係数を再生されるユーザーデータを基に生成するので、再生信号に最適な補正係数を得ることが出来る。また、ユーザーデータを用いるための再生補償のための特別なパターン等を予め記録しておく必要がない。
【0068】
さらに、上記補正係数は再生補償回路により逐次更新されているので、時間的な変動に対しても常に最適な補正を実現することが可能となる。
【0069】
尚、上記実施形態においてはRLL(1, 7)符号で発生するマーク長2〜8すべてに対応したジッタを保持し補正係数を求めているが、簡略化した方式として、特定の記録マーク長、例えば2,4及び8のジッタを基に線形近似して各マーク長における補正量を得ることも有効である。
【0070】
以上説明した実施形態では、マーク長毎のジッタ(J)をゼロクロス近傍のサンプル値に基づいて求め、さらにマーク長毎のジッタの平均値を求め、この平均値を基に補正係数A,Bを算出し、マーク長n及び補正係数A及びBを用いてジッタJを生成し、振幅方向の補正量Yを算出したが、ゼロクロス近傍のサンプル値をマーク長ごとに求め、この値のマーク長毎の平均値を求め、この平均値を基に補正係数を算出し、振幅方向の補正量を算出してもよい。図22は本発明の光磁気再生装置の第1の実施形態の他の構成例の構成を示すブロック図である。図22に示すように、図4に示すようなゼロクロス近傍のサンプル値(図4の○)を振幅の変位として検出する振幅変位検出部717、内部にマーク長毎の出現回数をカウントするカウンタと、各マーク長の後エッジ部での振幅を加算する加算器とを有するデータ保持部801、マーク長毎の振幅の平均値を求める平均値算出部802、この平均値を基に補正係数を算出する補正係数生成部803、マーク長及び補正係数を用いてマーク長に対する振幅方向の補正量Yを算出する補正量生成部804を有する。
【0071】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は前述の実施例に対して、補正係数の生成、補正量の生成方式及び補正方法が特徴である。
【0072】
図10は本発明の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。なお、図1と同一部分は同一符号を付して同一の構成及び動作をするものとして説明を省略する。
【0073】
図10の130はマーク長検出部でありPR検知によりサンプリングされた再生信号を仮判定する。131はジッタ検出部であり、サンプリングしたRFデジタル信号SをPR(1,-1)処理し、エッジ部におけるジッタを検出する。132は補正量生成回路であり、マーク長及びジッタを基に再生信号の補正量を生成する。133は波形補正回路でありA/D変換器110でデジタル信号に変換されたRFデジタル信号Sのエッジ近傍にサンプル値を補正する。134は、復号回路であり補正されたRFデジタル信号を基にPR検知によりデータを復号する。尚、復号方式としては、2値化、PRMLその他の公知の方式を用いることができることは言うまでもない。以下、各部の詳細について説明する。
【0074】
マーク長検出部130は、RFデジタル信号Sに対して現時刻のサンプル値S(k)から一つ前の時刻のサンプル値S(k-1)を減算する処理を逐次実行する。この処理を以下ではPR(1,-1)とする。図11はPR(1,-1)の概略である。図11(A)はRFデジタル信号のサンプル値、図11(B)はPR(1,-1)後のサンプル値、図11(C)は仮判定後のデータである。図11(B)に示すようにPR(1,-1)によりエッジ部以外のサンプル値は略ゼロとなり、低域の変動成分を除去できるという特徴がある。図11(B)に対して正及び負のしきい値±Eを設定し、以下の条件により仮判定を行う。尚、PR(1,-1)後のサンプル値をSdとする。
【0075】
Sd > +E → 1
Sd < -E → 0
上記以外では、一つ前の判定結果を保持する。
【0076】
図11(C)に仮判定結果を示す。仮判定の結果、図11のサンプル値列は“11110”となる。このとき、符号“1”または“0”が連続する個数をカウンタ等によりカウントすることによりマーク長を検出する。
【0077】
ジッタ検出部131においては、RFデジタル信号に対して前述と同様にPR(1,-1)を実行する。図12(A)は、A/D変換器110でデジタル化されたRFデジタル信号であり、図12(B)はPR(1,-1)後のサンプル値Sd、図12(C)はエッジ部における位相誤差Spである。
【0078】
ジッタ検出部131では、サンプル値列Sdに対して所定のしきい値を設定し、各サンプル値Sdとしきい値との比較を行う。サンプル値がしきい値より大きい場合は立ち上がりエッジ部と判別し、サンプル値がしきい値より小さい場合はたち下がりエッジ部と判別する。判別したエッジ近傍のサンプル値Sdを基に以下により位相誤差Spを生成する。
【0079】
Sp(k) = Sd(k-2)-Sd(k) ・・・・・(5)
式(5)は、PR(1,-1)後のサンプル値のピークを挟む2点の差分を表すものである。クロックとの位相が一致している場合はゼロとなり、位相が進んでいる場合は負、位相が遅れている場合は正となる。
【0080】
例えば、図13(A)に示すように、クロックとの位相が一致している場合の再生信号のサンプリング値Sを「○」で示し、位相が遅れている場合の再生信号のサンプリング値S′を「△」で示す。PR(1,-1)後のサンプル値列Sd(「●」で示す)、Sd′(「▲」で示す)に対して所定のしきい値を設定し、各サンプル値Sd、Sd′としきい値との比較を行う。サンプル値Sd、Sd′がしきい値より大きい場合は立ち上がりエッジ部と判別され、ここではSd(k+1)、Sd(k+1) ′が立ち上がりエッジ部と判断される。図13(B)に示すように、再生信号とクロックとの位相が一致している場合には、Sp(k+2) = Sd(k)-Sd(k+2) = 0となり、再生信号がクロックに対して位相が遅れている場合には、Sp(k+2) ′ = Sd(k) ′-Sd(k+2) ′>0となる。
【0081】
図12(C)の位相誤差Sp(k+2)は、PR(1,-1)のピークSd(k+1)を挟む2点により得られる位相誤差であり、Sp(k+6)はピークSd(k+5)を挟む2点により得られる位相誤差である。但し、立下りエッジ部(前述のピーク値が負の場合)において得られる位相誤差Spは符号を反転する。これにより図12(C)に示すようにエッジ部における位相誤差情報を得ることができる。
【0082】
ジッタ検出部131においては、位相誤差情報に対して媒体特性、あるいは記録再生系の特性により得られる位相誤差-ジッタ変換係数hにより、前述の位相誤差情報を以下により時間軸のジッタJに変換する。
【0083】
J=h・Sp ・・・・・(6)
次に、補正量生成回路132について説明する。補正量生成回路132では、マーク長検出部130及びジッタ検出部131よりマーク長及びジッタの情報が供給される。
【0084】
本実施例においては、k番目及びk+1番目のマーク長とk+1番目のマークの後エッジにおけるジッタを一組として再生補償のためのデータを保持する。
【0085】
図14に再生信号に対してマーク長検出部130において検出されたマーク長とジッタ検出部131において検出されたジッタの関係を示す。図14のジッタ情報のJ82は、再生信号のマーク長8T−2Tの組み合わせにおける2Tマークでの後エッジにおけるジッタを示す。
【0086】
補正量生成回路132においては、k番目とk+1番目のマーク長の組み合わせ毎にジッタの平均値を算出し、図15に示すテーブルにより保持する。
【0087】
補正係数の更新のタイミングとして、本実施例においてはデータの論理的な区分(ファイル単位など)や識別情報に基づく区分(記録時間、日付など)毎に補正係数の更新を実施する。
【0088】
次に、再生信号の波形補正について説明する。
【0089】
A/D変換器110によりデジタル化されたRFデジタル信号は、マーク長検出部130に供給される。マーク長検出部130においては、前述したようにRFデジタル信号のサンプル値よりマーク長を検出する。検出された隣接する2つのマーク長は、補正量生成部132に供給される。補正量生成回路132においては、2つのマーク長を基に図15に示すテーブルよりジッタJij(i:k番目のマーク長、j:k+1番目のマーク長)を呼び出し、波形補正回路133に供給する。
【0090】
波形補正回路133においては、図16に示すようにエッジ部のサンプル値E1〜E3及び補間係数G(=−J)から線形補間により補正したサンプル値E2′及びE3′を算出する(■で示す)。例えば、E2′は以下の式(4)により得ることができる。
【0091】
(E2′−E2)/(E1−E2)=G/T
より、
E2′=(G/T)・E1+((T−G)/T)・E2 ・・・・・(7)
Tはサンプリングクロックの間隔を示す。なお、ここでは線形補間の場合を示すが他の公知の補間方式により代用することも可能である。これにより、波形ずれによるエッジシフトを低減することができるので、復号エラーの要因を排除し、記録密度の向上を図ることが可能となる。
【0092】
本実施例においては、前記ジッタの検出にPR(1,-1)処理後の信号を用いているので、第1の実施例におけるジッタ検出用のA/D変換器が不要となる。また隣接トラックの記録信号の影響によるクロストークで、再生信号に低域の変動が生じる場合にも、PR(1,-1)により低域成分が抑制されるため安定した再生処理を行うことができる。
【0093】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、図10の補正量生成回路132における補正量の生成方法が第2の実施例と異なる。
【0094】
既に説明したように、浮遊磁界の大きさは直前に形成された磁壁と次に形成しようとする磁壁との間隔、即ち、形成しようとする記録マーク長、更にその前に位置するマーク長により変化する。したがって、波形ずれによるエッジシフトは形成しようとする記録マーク長、更にその前に位置するマーク長の影響を受ける。
【0095】
そこで、補正量Jをk番目及びk+1番目のマーク長より以下の式により生成する。
【0096】
J=−A・n(k)+B・n(k+1) ・・・・・(8)
ここでn(k)はk番目のマーク長、n(k+1)はk+1番目のマーク長である。
【0097】
式(8)の係数A及びBは、図15の隣接するマーク長の組み合わせ毎にサンプル値を保持し、収集したサンプル値を基に最小二乗法等により算出する。従って、本実施例においては図15の各セル内のジッタJに変えて、係数A及びBを保持するテーブルを生成する。
【0098】
波形補正の方法は第2の実施例と同様で、隣接するマーク長を検出してテーブルより前述の係数A及びBを呼び出し、式(8)により補正量を算出する。以下時間軸方向の補間により波形を補正することにより、波形ずれによるエッジシフトを低減することが可能となる。
【0099】
また、式(8)を簡略化したものとして係数A及びBをA=Bとすることによりシステムの構造を簡略化することもできる。係数AとBの差が微小な場合などは、この方式により簡略化することが有効である。さらに、係数AをA=0として現時点でのマーク長n(k+1)のみを用いて補正量を生成することにより式(8)を簡略化することも可能である。これにより1つ前のマーク長を保持する必要がなくなる。
【0100】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図17は本発明の第4の実施形態の構成を示すブロック図である。図17は図1に対してデータPLL154が追加されている。その他は図1と同様である。データPLL154は第1の実施形態と同様の方法により波形補正回路111で波形ずれが補正された再生信号を基にクロック信号を生成する。
【0101】
図18はデータPLL154の構成を示すブロック図である。図中301は位相誤差検出部であり、再生信号の立ち上がりエッジ部のサンプル値を基に位相誤差を検出する。302はループフィルタで、位相誤差信号の不要なノイズの除去及び低減補償を施すものである。303はVCOで、制御電圧に対応した周波数のクロック信号を生成する。データPLLは補正された再生信号のエッジ部から位相誤差を検出し、検出した信号をフィルタ処理後にVCOの制御信号として供給する。これをループとすることにより再生信号に同期したクロックを得ることが出来る。
【0102】
本実施形態の装置では、波形ずれを補正した再生信号により位相誤差を検出するので、図26(D)に示すような誤検出の影響を低減することができ、適正な再生信号を得ることが出来る。これによりPLLループの誤差信号等によるロック外れを抑制することができ、また誤差によるクロックの変動が減少するので安定した動作が可能となる。尚、位相誤差の検出方法は上記に限らず他の公知の技術を用いることができる。
【0103】
なお本実施形態は、記録媒体の形状はディスク状に限定されず、例えばカード状であってもよい。その場合記録マークはライン状に配置され、カードと再生ヘッドとを相対的に直線移動することで情報を再生することができる。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、記録媒体に記録された記録マーク長を検出し、記録マーク長に応じた補正量で再生信号を補正することにより、再生信号の波形ずれを補正でき、エッジシフトを相殺できるので、記録信号を正確に再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す構成図である。
【図2】図1の補正係数生成のシーケンスを示すブロック図である。
【図3】再生信号の2値化を説明するための図である。
【図4】ジッタ検出の方式を説明するための図である。
【図5】マーク長とジッタの関係を説明するための図である。
【図6】図1の再生補償回路を説明するための図である。
【図7】第1の実施形態の動作を説明するタイミングチャートである。
【図8】補正係数の生成方法を説明する図である。
【図9】波形補正の方式を説明する図である。
【図10】本発明の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図11】図10のマーク長検出のPR検出を説明する図である。
【図12】図10のジッタ検出の概略を説明する図である。
【図13】図10のジッタ検出の概略を説明する図である。
【図14】図10の補正量の生成を説明する図である。
【図15】図10の補正量について説明する図である。
【図16】図10の波形補正について説明する図である。
【図17】本発明の第4の実施形態を示すブロック図である。
【図18】図17のデータPLLを説明する図である。
【図19】本発明のユーザーデータを説明する図である。
【図20】本発明のユーザーデータを説明する図である。
【図21】補正係数の生成方法を説明する図である。
【図22】本発明の光磁気再生装置の第1の実施形態の他の構成例の構成を示すブロック図である。
【図23】磁壁移動型光磁気媒体を用いた再生方法の一例を示す図である。
【図24】浮遊磁界について説明するための図である。
【図25】従来の再生信号の波形ずれを説明するための図である。
【図26】データPLLにおける位相誤差検出を説明する図である。
【符号の説明】
101 光磁気ディスク
102 スピンドルモータ
103 磁気ヘッド
104 光学ヘッド
105 プリアンプ
106 磁気ヘッドドライバー
107 プリエンコーダ
108 レーザ駆動回路
109 AGC回路
110 A/D変換器
111 波形補正回路
112 復号回路
114 再生補償回路
115 マーク検出部
116 補正量生成部
117 ジッタ検出部
130 マーク長検出部
131 ジッタ検出部
132 補正量生成回路
133 波形補正回路
134 復号回路
140 再生補償回路
151 位相誤差検出部
152 ループフィルタ
153 VCO
154 データPLL

Claims (26)

  1. 光学的情報記録媒体に形成された記録マークを検出し、再生信号を生成する光学的情報再生方法において、
    前記光学的情報記録媒体のユーザーデータ領域における記録マークのマーク長を検出し、該マーク長ごとに、該マーク長に対応する位相又は振幅の変位を検出し、検出された該位相又は振幅の変位に応じた補正量で該マーク長に対応して前記再生信号の波形を補正すると共に、前記波形補正された再生信号に基づいてクロック信号を生成することを特徴とする光学的情報再生方法。
  2. 前記補正は、前記補正量に応じたオフセットを前記再生信号に加減算することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の光学的情報再生方法。
  3. 前記補正は、前記補正量に対応する補間係数で前記再生信号を補間することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の光学的情報再生方法。
  4. 前記補正量は、特定の記録マーク長を再生した際に得られた再生信号の位相又は振幅の変位を計測し、その計測値に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報再生方法。
  5. 前記補正量を基にPLLループの位相誤差を検出することを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の光学的情報再生方法。
  6. 前記光学的情報記録媒体は光磁気記録媒体である請求項1から5のいずれか1項に記載の光学的情報再生方法。
  7. 前記光磁気記録媒体は、磁壁移動型光磁気記録媒体であることを特徴とする請求項6に記載の光学的情報再生方法。
  8. 前記補正量は、浮遊磁界による記録マークエッジの変動を補償する量であることを特徴とする請求項6又は7に記載の光学的情報再生方法。
  9. 前記補正量をJとしたとき、補正量Jは関係式
    J=−A・n(k)+B・n(k+1)
    (A,B:定数、n(k):一つ前の記録マークのマーク長、n(k+1):現時点の記録マークのマーク長)
    を満足することを特徴とする請求項8に記載の光学的情報再生方法。
  10. 前記関係式において、A=Bであることを特徴とする請求項9に記載の光学的情報再生方法。
  11. 前記関係式において、A=0であることを特徴とする請求項9に記載の光学的情報再生方法。
  12. 前記補正量は、n(k)及びn(k+1)(n(k):一つ前の記録マークのマーク長、n(k+1):現時点の記録マークのマーク長)の組合わせ毎にテーブルで保持することを特徴とする請求項8に記載の光学的情報再生方法。
  13. 前記補正量をJとしたとき、補正量Jは関係式
    J=A・n(k+1)+B
    (A,B:定数、n(k+1):現時点の記録マークのマーク長)を満足することを特徴とする請求項8に記載の光学的情報再生方法。
  14. 光学的情報記録媒体に形成された記録マークを検出し、再生信号を生成する光学的情報再生装置において、
    前記光学的情報記録媒体のユーザーデータ領域における記録マークのマーク長を検出する第1の検出手段と、該マーク長に対応する位相又は振幅の変位を検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段により検出された該マーク長ごとに、前記第2の検出手段により検出された該位相又は振幅の変位に応じた補正量を生成する補正量生成手段と、該補正量で該マーク長に対応して前記再生信号の波形を補正する補正手段と、前記波形補正された再生信号に基づいてクロック信号を生成するPLL回路とを備えることを特徴とする光学的情報再生装置。
  15. 前記補正手段は、前記補正量に応じたオフセットを前記再生信号に加減算する手段であることを特徴とする請求項14に記載の光学的情報再生装置。
  16. 前記補正手段は、前記補正量に応じた補間係数で前記再生信号を補間することにより行うことを特徴とする請求項14に記載の光学的情報再生装置。
  17. 前記補正量生成手段は、特定の記録マーク長を再生した際に得られた再生信号の位相又は振幅の変位を計測し、その計測値に基づいて補正量を算出することを特徴とする請求項14に記載の光学的情報再生装置。
  18. 前記補正手段は、クロック信号を供給するPLL回路に接続されていることを特徴とする請求項14に記載の光学的情報再生装置。
  19. 前記光学的情報記録媒体は光磁気記録媒体である請求項14から18のいずれか1項に記載の光学的情報再生装置。
  20. 前記光磁気記録媒体は、磁壁移動型光磁気記録媒体であることを特徴とする請求項19に記載の光学的情報再生装置。
  21. 前記補正量生成手段は、浮遊磁界による記録マークエッジの変動を補償する量であることを特徴とする請求項19又は20に記載の光学的情報再生装置。
  22. 前記補正量生成手段は、前記補正量をJとしたとき、補正量Jが関係式
    J=−A・n(k)+B・n(k+1)
    (A,B:定数、n(k):一つ前の記録マークのマーク長、n(k+1):現時点の記録マークのマーク長)
    を満足するように前記補正量を生成することを特徴とする請求項21に記載の光学的情報再生装置。
  23. 前記関係式において、A=Bであることを特徴とする請求項22に記載の光学的情報再生装置。
  24. 前記関係式において、A=0であることを特徴とする請求項22に記載の光学的情報再生装置。
  25. 前記補正量生成手段は、前記補正量を、n(k)及びn(k+1)(n(k):一つ前の記録マークのマーク長、n(k+1):現時点の記録マークのマーク長)の組合わせ毎にテーブルで保持することを特徴とする請求項21に記載の光学的情報再生装置。
  26. 前記補正量生成手段は、前記補正量をJとしたとき、補正量Jが関係式
    J=A・n(k+1)+B
    (A,B:定数、n(k+1):現時点の記録マークのマーク長)
    を満足するように前記補正量を生成することを特徴とする請求項21に記載の光学的情報再生装置。
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