JP2004047046A - 光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い反射率とモジュレーション、感度を有する記録膜を開発し、再生信号のC/Nが良好で耐候性に優れた光記録媒体を安価に提供する。
【解決手段】レーザによる照射により記録・再生する光記録媒体であって、レーザ照射側の基板1上にAgを主成分とする薄膜2と、半金属元素を主たる材料とする薄膜3とが順次積層されてなり、半金属元素を主たる材料とする薄膜3には酸素が導入されてなるものとした光記録媒体を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】レーザによる照射により記録・再生する光記録媒体であって、レーザ照射側の基板1上にAgを主成分とする薄膜2と、半金属元素を主たる材料とする薄膜3とが順次積層されてなり、半金属元素を主たる材料とする薄膜3には酸素が導入されてなるものとした光記録媒体を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エネルギービームの照射により記録層に光学的変化を生じさせて記録・再生する光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光の照射により記録可能な光記録媒体として、CD−RW、DVD−RW等の追記型光記録媒体などがある。これらの光記録媒体はCD−ROMあるいはDVD−ROMと再生互換性があり、小規模の配布メディアや保存用の媒体として使用されている。しかし、CD−RW、DVD−RWは有機色素を塗布する為ROMの工程と比較して格段に製造コストが高くなるという問題があった。そこで、CD−ライトワンス(以下WO)、DVD−WOメディアが開発されてきた。
【0003】
WOメディアには穴あけタイプと相変化タイプ、合金化タイプがある。コストの面から考えれば穴あけ記録方式が有利であるが、穴あけ記録ではC/Nが低くなってしまうという問題があった。これは穴を開けたピット部分において溶融した膜がピット内に水玉のようになって残ったり、周辺部に盛り上がったりすることが原因であった。
【0004】
また、穴あけ記録方式であれば層構成は一層となるが、それでは通常使用されてきた記録膜ではROMの高い反射率に対応できず規格外製品となってしまう場合もあった。ROM対応の高い反射率を記録膜一層で実現しようとすると、Al、Ag、Cuなどの材料が記録膜に適用されるが、反射率が高すぎ、通常のレーザ照射では穴が開かなかった。
穴あけ記録材料として、TeとAuもしくはAgの化合物を用いる例が示されているが、これらの材料の沸点は1000℃以上であり、光記録媒体としては非常に感度が低いという欠点があった(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0005】
また、400℃以下の温度で揮発性成分を遊離する第一の層と、この上に耐腐食性金属を形成させ、記録感度を高める試みが開示されているが(例えば、特許文献3参照。)、これは反射率を高めることは目的とされておらず、ROM互換とはなり得ない。また、耐腐食性金属としてAu、Agなどを適用しているが、これらは熱伝導率が極めて高く、加熱したエネルギーが拡散により逃げるため、結果的に効果は低く、高線速記録には不適切であった。
【0006】
また、合金化方式としてはGe、Si、Snの元素の中から選択された層と、Au、Ag、Al、Cuの元素から選択された元素からなる層にレーザを照射して、この二層を合金化させて記録する方法が開示されているが(例えば、特許文献4参照。)、この場合、low to highの記録となり、ROM互換とはなり得なかった。
【0007】
また、InとTeの合金で相変化タイプの記録層を成膜する発明についての開示がなされており(例えば、特許文献5参照。)、これにおいてはIn:Te=2:1〜1:1もしくは2:3〜2:5であることにより相変化タイプの光記録媒体を提供することを目的としているが、この発明では成膜時の状態が非晶質であり反射率が低い為、初期化処理が必要である。そのため工程が増えコストの増大を招いていた。
また、融点まで温度を上昇させれば良い相変化タイプに比べ、穴あけ記録方式では記録のために沸点以上まで温度を上げる大きな熱量を必要としている。そのため、相変化タイプに比べ大きなレーザパワーを必要となり、高線速記録のためには半導体レーザのパワーが足りなくなる。すなわち、より高感度な記録膜が要求されている。
【0008】
また、第1の層(相変化合金薄膜)にAg−Zn、第2の層(低融点薄膜)にTe、Se、Sから選ばれる一種類を主成分として、拡散による記録を行う発明が開示されているが(例えば、特許文献6参照。)、これは反射率を高めるために第1の層を30〜70nm、第二の層を50〜150nmと厚くしており、生産時のタクトおよびコストに不利となっていた。また、膜厚を厚くすることにより反射率を大きく上げているが、我々の調査では反射率が高く吸収率が小さすぎるため熱吸収が記録膜上でほとんど起こらず、感度が非常に悪いということが分かった。このためDVDなどの速い線速を求められるメディアでは使用できなかった。また、AgとTe、Seなどを二層メディアにすると、これらは混ざり合い、非常に低い反射率になるという問題点を有した。
【0009】
また、光ディスクの記憶容量を増加させるために、多重データ層システムが提案されている。二層以上のデータ層を有する光ディスクは、理論上、レンズの焦点を変更することによって異なる層をアクセスできる(例えば、特許文献7〜19参照。)。
【0010】
上述したような従来技術のシステムにおいては、二層以上の記録層がある場合に、記録されているデータを明確に読み取るのがきわめて困難であるという問題を有している。特に間挿記録層は吸収及び反射損失があるため、深い記録層から受け取る信号を大幅に低下させる。よってこのような問題を解決した光データ記憶システムが必要とされている。
【0011】
上述したように、無機のWO記録媒体の普及には、未だ大きな障害があり、これらの解決を図った記録媒体への要求が高まってきている。
【0012】
【特許文献1】
特開昭60−179953号公報
【特許文献2】
特開昭60−179952号公報
【特許文献3】
特開昭57−157790号公報
【特許文献4】
特開平4−226784号公報
【特許文献5】
特開平1−162247号公報
【特許文献6】
特許第2948899号公報
【特許文献7】
米国特許第3946367号明細書
【特許文献8】
米国特許第4219704号明細書
【特許文献9】
米国特許第4450553号明細書
【特許文献10】
米国特許第4905215号明細書
【特許文献11】
米国特許第5097464号明細書
【特許文献12】
米国特許第4829505号明細書
【特許文献13】
米国特許第4852077号明細書
【特許文献14】
米国特許第4845021号明細書
【特許文献15】
米国特許第4682321号明細書
【特許文献16】
米国特許第4298975号明細書
【特許文献17】
米国特許第4737427号明細書
【特許文献18】
特開昭60−202545号公報
【特許文献19】
特開昭63−276732号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明においては、上述の問題点に鑑みて、高い反射率とモジュレーション、感度を有する記録層を開発し、再生信号のC/Nが良好で耐候性に優れた光記録媒体を安価に提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、レーザ照射により記録・再生する光記録媒体であって、レーザ照射側の基板上に、Agを主成分とする薄膜と、半金属元素を主たる材料とする薄膜とがこの順で積層され、この半金属元素を主たる材料とする薄膜には酸素が導入されてなることを特徴とする光記録媒体である。
このように、レーザ照射により記録・再生できる光記録媒体において、レーザ照射側の基板の透過した側の面上に、透過方向に沿って順に、主にAgからなる薄膜、および半金属元素を主たる材料とする薄膜を形成し、この半金属元素を主たる材料とする薄膜に酸素が導入されてなるものとしたことにより、高い反射率と高感度、高モジュレーションが達成された。
これまでAgと半金属元素を隣接させて積層すると、これら二層が製膜時に混合してしまうか、読み取りレーザ照射時に混合してしまうなど非常に不安定なメディアとなっていた。本発明において特に酸素を半金属元素中に導入することによりAgと半金属元素との間に酸化物障壁が生じ、信頼性が大きく向上した。しかし、本発明において半金属元素は元素周期表で定義されているものを指し、B、C、Si、P、Ge、As、Se、Sn、Sb、Te、Bi、Po、Atである。
【0015】
請求項2の発明においては、光記録媒体を構成する半金属元素を主たる材料とする薄膜に含まれる酸素の割合xを、0.01<x<5(at%)であるものとした。これにより、C/Nはより大きくなり、大きな振幅の波形が得られる。
【0016】
請求項3の発明においては、光記録媒体を構成する半金属元素を主たる材料とする薄膜の膜厚が、10〜50nmであるものとした。
半金属元素を主たる材料とする薄膜の膜厚を10〜50nmとすることにより、二層の記録層のみのメディアにもかかわらずROM互換が可能になるほどの反射率を達成することができる。また、二層構成でhigh to low記録が可能となったためコストの大幅な低減化が可能となる。
【0017】
請求項4の発明においては、光記録媒体を構成する半金属元素を主たる材料とする薄膜の主元素が、Si、Ge、Se、Te、Sbから選ばれた少なくとも一種類からなるものとした。
これにより、高感度で高モジュレーションを有する光記録媒体が得られる。特にTeは屈折率が高く、二層メディアにした場合非常に高い反射率を示すため、好適である。
【0018】
請求項5の発明においては、光記録媒体を構成する半金属元素を主たる材料とする薄膜上に、有機保護膜が形成されてなるものとした。
これにより、膜の安定性を高め、保存信頼性を格段に向上させることができる。また、二層構成の場合においては、膜の強度が弱くレーザ照射によって穴があく場合があったが、有機保護膜を形成したことにより、膜の物理的強度が向上する。
【0019】
請求項6の発明においては、光記録媒体を構成するAgを主成分とする薄膜の膜厚が3〜20nmであるものとした。
これにより、反射率が高く、かつ感度の高い光記録媒体を得ることが可能となる。
【0020】
請求項7の発明においては、光記録媒体を構成するAgを主成分とする薄膜に、Sn、In、Biから選ばれた少なくとも一種類からなる元素が添加されてなるものとした。
これにより、高いモジュレーションで、高感度な光記録媒体が得られる。特に、添加元素としては、Inが融点が低いために感度が良く、C/Nが高い特性を有するため特に好ましい。
【0021】
請求項8の発明においては、光記録媒体を構成する半金属元素を主たる材料とする薄膜中の半金属元素の割合が50%以上であるものとした。
これにより、高感度化、高モジュレーション化を図ることができる。ここで、半金属元素以外に添加元素を混入させることにより、保存特性、感度の向上、および反射率の向上など特性を改善することが可能となる。
【0022】
請求項9の発明においては、光記録媒体を構成するAgを主成分とする薄膜と、半金属元素を主たる材料とする薄膜とを記録層組と定義したとき、一の記録層組と、他の記録層組とが、レーザ透過性媒質を挟持して積層形成されているものとした。
これにより、高い反射率と高モジュレーションを有する多層記録メディアを得ることができる。
【0023】
請求項10の発明においては、前記レーザ透過性媒質が、誘電体であるものとした。
また、請求項11の発明においては、前記レーザ透過性媒質が、接着性媒質であるものとした。
これにより、光記録媒体の作製工程を簡素化でき、信頼性の高いメディアが得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の光記録媒体の一例の概略断面図である。図1においては、DVDとしての構成例を示すが、本発明はこの例に限定されるものではない。
基板(情報基板)1上に、Agを主成分とする薄膜2、半金属元素を主たる材料とする薄膜3よりなる記録層が成膜され、この上に紫外線硬化樹脂層4が積層されている。さらに、カバー基板6が接着層5を介して接着された構造になっている。
【0025】
この光記録媒体においては、基板1面側から、レーザ照射手段7により、レーザ光を照射すると、レーザ光は基板1を透過し、低融点薄膜および半金属元素を主たる材料とする薄膜3が加熱される。この加熱により、互いの層が相互に拡散してこれらの元素の合金ないし化合物が生成するか、もしくは表面に変形が起こり、レーザ光照射部の光反射率が著しく低下する。
この反射率変化は不可逆であるのでWO型の光記録媒体として使用することができる。
【0026】
基板1の材料としては、通常、ガラス、セラミックス、あるいは樹脂が用いられるが、樹脂が成形性やコストの点で好ましい。例えば、ポリカーボネート、メチルメタクリレート、アクリル、エポキシ、ポリスチレン、ポリプロピレン、シリコン、フッ素樹脂、ABS、ウレタンなどが挙げられるが、加工性、光学特性等の点からポリカーボネート樹脂が好ましい。また、基板1の形状はディスク状、カード状、あるいはシート状のいずれであっても良い。
【0027】
光記録媒体を構成する半金属元素を主たる材料とする薄膜3は、含有割合xとしたとき、0.01<x<5(at%)の酸素が含有されたものとすることが好適である。この半金属元素を主たる材料とする薄膜3の膜厚は、10〜50nmとすることが好適である。
【0028】
半金属元素を主たる材料とする薄膜3の主元素は、Si、Ge、Se、Te、Sbから選定される少なくとも一種類からなるものとすることが好適である。特にTeは屈折率が高く、二層メディアにした場合非常に高い反射率を示すため好適である。また、半金属元素を主たる材料とする薄膜3上には、有機保護膜を形成してもよい。
【0029】
また、半金属元素を主たる材料とする薄膜3中の半金属元素の割合は50%以上であるものとする。これにより、高感度化、高モジュレーション化が図られる。半金属以外に添加元素を混入させることにより、保存特性、感度の向上、および反射率の向上など特性を改善することが可能となる。
【0030】
光記録媒体を構成するAgを主成分とする薄膜2の膜厚は、3〜20nmが好適である。これにより、反射率が高く、かつ感度の高い光記録媒体を得られる。
【0031】
Agを主成分とする薄膜2は、Sn、In、Biから選ばれた少なくとも一種類からなる元素が添加されたものとしてもよい。これにより、高いモジュレーションで、高感度な光記録媒体が得られる。特に、添加元素としては、Inが融点が低いために感度が良く、C/Nが高い特性を有するため特に好ましい。
【0032】
光記録媒体の貼り合せ方式については、ラジカルUV方式、カチオン方式、ヒートシール方式、両面接着シート方式のいずれであってもよく、特に限定されないが、紫外線硬化樹脂層4を設けない構成の場合においては、ラジカルUV方式のように酸素や水分を透過しない方式が望ましい。
また、本発明の光記録媒体を構成する記録層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、電子ビーム法等によって形成することができる。
【0033】
図2に本発明の光記録媒体の他の一例の概略断面図を示す。
この例においては、Agを主成分とする薄膜2と半金属元素を主たる材料とする薄膜3とが記録層組を構成するものとし、第1の記録層組11と第2の記録層組12とが、レーザ透過性媒質8を挟持して積層形成された構成を有している。このレーザ透過性媒質8の材料としては、例えばZnO、SiO2等の誘電体や、これらの混合物を適用することができる。
また、レーザ透過性媒質8は、その他の公知の接着性媒質により形成してもよい。
なお、レーザ透過性媒質8は、例えば貼り合せ工程において、ラジカルUV式、カチオン方式、ヒートシール方式、両面接着シート方式等により形成することができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の光記録媒体について具体的な実施例を挙げて説明する。
〔実施例1〕
図1に基づいて本発明の光記録媒体の構成を説明する(DVDの場合)。
ポリカーボネート樹脂製の基板1は、ピッチ0.74μm、深さ40nmの溝付き、厚さ0.6mm、直径120mmであり、その上にAgを主成分とする薄膜2を膜厚10nm、半金属元素を主たる材料とする薄膜3を膜厚20nmに、スパッタ法により積層形成し、その上に紫外線硬化樹脂をスピンコートし、紫外線照射することにより紫外線効果樹脂層4を形成した。
Agを主成分とする薄膜2の製膜時には、アルゴン雰囲気下(5×10−3Torr)とし、半金属元素を主たる材料とする薄膜3の製膜時には、アルゴンプラス酸素混合ガス雰囲気下(5×10−3Torr)とした。
半金属元素を主たる材料とする薄膜3の製膜の際には、酸素の混合割合を0.1〜5%の範囲で振り、それぞれの組成の最適な酸化割合を出した。
カバー基板6との貼り合せは、ラジカルUV方式で行った。
【0035】
〔実施例2〜8〕、〔比較例1〜6〕
下記表1に示すように、Agを主成分とする薄膜2と半金属元素を主たる材料とする薄膜3の構成を変化させて光記録媒体を作製し、それぞれ、下記に示す評価を行った。
【0036】
評価条件については、記録線速は3.5m/s(1倍速)、線密度は0.267μm/bit、記録周波数は26.2MHz、記録レーザ波長は635nm、N.A.は0.6とし、Agを主成分とする薄膜2と半金属元素を主たる材料とする薄膜3を、それぞれ表1に示されている組成にした場合の反射率、およびC/Nが55dB以上(解像度1kHzにて測定)となるレーザパワーを、1倍速と2倍速とで比較した。
また、半金属元素を主たる材料とする薄膜3中の酸素割合を蛍光X線で測定した。
【0037】
【表1】
【0038】
上記表1に示すように、基板上にAgを主成分とする薄膜2と、半金属元素を主たる材料とする薄膜3とが順次積層され、半金属元素を主たる材料とする薄膜3には、酸素が0.01<x<5(at%)の割合で導入されたものとした実施例1〜8の光記録媒体においては、いずれも反射率、モジュレーション、および感度ともに良好な結果が得られた。
【0039】
一方、記録層を構成する薄膜をAgを成分とせずに形成した比較例1〜6の光記録媒体においては、いずれも充分な感度およびモジュレーションが得られなかった。
【0040】
図3に、半金属元素を主成分とする薄膜3をTe膜(O2を0.02at%混合)とし、Agを主成分とする薄膜2をAg膜(膜厚3、10、20nm)とし、Te膜(半金属元素を主成分とする薄膜)の膜厚を変化させた場合の反射率の変化を示す。
【0041】
図4に、半金属元素を主成分とする薄膜3をTe膜(O2を0.02at%混合)とし、Agを主成分とする薄膜2をAg膜(膜厚3、10、20nm)とし、Te膜(半金属元素を主成分とする薄膜)の膜厚を変化させた場合の記録パワーの変化を示す。なお、1倍速において55dB以上の信号強度を示したレーザパワーを示す。
【0042】
図3、図4に示すように、半金属元素を主成分とする薄膜(Te膜)の膜厚が薄いと反射率は低く、膜厚が厚過ぎると、感度が低下する。
また、(Ag膜の膜厚)/(半金属元素を主成分とする薄膜)が0.1〜1.0の範囲にあるようにすることにより、反射率が高く、かつ感度も高いという2つの特性を両立できることがわかる。なおここでの記録は3Tの矩形波記録である。
【0043】
図3、図4から明らかなように、レーザ照射側にAg薄膜があり、その次に半金属元素を主成分とする薄膜を積層する構成とし、半金属元素を主成分とする薄膜に酸素が導入されてなることにより高い反射率と高感度、そして高モジュレーションが達成された。
従来においては、Agと半金属元素を隣接させて積層すると、これらが製膜時に混合してしまうか、読み取りレーザ照射時に混合してしまうなど非常に不安定なメディアとなっていたが、本発明においては、特に酸素を膜中に導入したことにより、Agと半金属元素との間に酸化物障壁を生じさせることができ、信頼性が大きく向上した。
【0044】
上記表1に示すように、その半金属元素を主たる材料とする薄膜中の酸素含有割合を、0.01<x<5(x=at%)とすることにより、C/Nの向上が図られ、大きな振幅の波形が得られることが確かめられた。
【0045】
図3に示すように、半金属元素を主たる材料とする薄膜の膜厚を、10〜50nmとすることにより、二層の記録膜のみのメディアにもかかわらずROM互換が可能になるほどの反射率を達成できることが確かめられた。また、二層構成でhigh to low記録が可能となったためコストの大幅な低減化が図られた。
【0046】
また、上記表1に示すように、また、半金属元素を主たる材料とする薄膜3が、主にSi、Ge、Se、Te、Sbから選定される少なくとも一種類からなるものとしたことにより、高感度で高モジュレーションを有する光記録媒体が得られた。特にTeは屈折率が高く、二層メディアを作製する場合、非常に高い反射率を示すため好適であることがわかった。
【0047】
図5に、半金属元素を主成分とする薄膜3中の、酸素含有割合に対する反射率保持率の関係を示す。
反射率保持率(%)=(1週間後の反射率/初期反射率)×100とし、1週間経過後の反射率の劣化に基づいて保持率を計算した。その結果、図5に示すように、半金属元素を主成分とする薄膜3中の酸素割合が0.1〜50%とすると、劣化することなく安定した挙動を示した。なお、より安定した挙動を期待するならば、半金属膜中の酸素割合は1〜30%が望ましいことが分かった。
【0048】
また、本発明の光記録媒体においては、半金属元素を主成分とする薄膜3上に有機保護膜を積層形成することが望ましい。これにより、膜の安定性を高め、保存信頼性を格段に向上させることができる。また、二層構成では膜の強度が弱くレーザ照射によって穴があくおそれがあるが、有機保護膜を設けることによって、膜の物理的強度を向上させることができる。
【0049】
更に、Agを主成分とする薄膜2の膜厚を3〜20nmとすることにより、反射率が高く、感度の高い光記録媒体が得られた。
【0050】
また表1に示すように、Agを主成分とする薄膜2に添加される元素を、Sn、In、Biから選定される少なくとも一種類とすることにより、高いモジュレーションで、高感度な光記録媒体を得ることができる。添加元素としては、Inが融点が低いため、感度およびC/Nの向上が図るために好適な例として挙げられる。
【0051】
〔実施例9〕
図2に基づいて、本発明の光記録媒体を説明する(DVDの場合)。
上述した実施例1と同様に、ピッチ0.74μm、深さ40nmの溝付き、厚さ0.6mm、直径120mmのポリカーボネート樹脂製基板1上に、Agを主成分とする薄膜2を膜厚10nm、半金属元素を主たる材料とする薄膜3を膜厚20nmに、順次スパッタ法により積層形成し、レーザ透過性媒質8として、ZnS・SiO2(80:20)からなる誘電体層を、膜厚1μmにスパッタ形成し、更に、Agを主成分とする薄膜2を膜厚10nm、半金属元素を主たる材料とする薄膜3を膜厚20nmに順次スパッタ法により積層した。その上に紫外線硬化樹脂をスピンコートし、紫外線照射により紫外線硬化樹脂層4を成膜した。
Agを主成分とする薄膜2の製膜時には、アルゴン雰囲気下(5×10−3Torr)、もしくはアルゴン+酸素混合ガス雰囲気下(5×10−3Torr)とした。
また、半金属元素を主たる材料とする薄膜3の製膜時には、アルゴン雰囲気下(5×10−3Torr)、もしくはアルゴン+酸素混合ガス雰囲気下(5×10−3Torr)とした。
酸素混合ガス下での成膜の際には、酸素の混合割合を0.1〜5%の範囲で振り、それぞれの組成の最適な酸化割合を出した。
カバー基板6との貼り合せは、ラジカルUV方式で行った。
【0052】
このようにして作製した光記録媒体を、上述した実施例1と同じ評価条件で記録し、評価を行ったところ、誘電体層(レーザ透過性媒質)を介在させた二組の記録層組11、12は、どちらも同等の記録特性を示し、その記録容量は実施例1のほぼ2倍となった。
【0053】
〔実施例10〕
図6に基づいて、本発明の光記録媒体の他の一例について説明する(DVDの場合)。
上述した実施例1と同様に、ピッチ0.74μm、深さ40nmの溝付き、厚さ0.6mm、直径120mmのポリカーボネート樹脂製基板1上に、Agを主成分とする薄膜2を膜厚10nm、半金属元素を主たる材料とする薄膜3を膜厚20nmに、順次スパッタ法により積層形成した。
続いて、カバー基板6に対し、半金属元素を主たる材料とする薄膜3を膜厚20nm、Agを主成分とする薄膜2を膜厚10nmに、順次スパッタ法により積層形成した。
このようにして作製した基板1とカバー基板6とを、レーザ透過性媒質、この例においては接着性媒質18を介在させて貼り合わせた。
本例においては、接着性媒質18として膜厚50μmの貼り合わせ用シートを用いた。
Agを主成分とする薄膜2の製膜時には、アルゴン雰囲気下(5×10−3Torr)、もしくはアルゴン+酸素混合ガス雰囲気下(5×10−3Torr)とした。
また、半金属元素を主たる材料とする薄膜3の製膜時には、アルゴン雰囲気下(5×10−3Torr)、もしくはアルゴン+酸素混合ガス雰囲気下(5×10−3Torr)とした。
酸素混合ガス下での成膜の際には、酸素の混合割合を0.1〜5%の範囲で振り、それぞれの組成の最適な酸化割合を出した。
カバー基板との貼り合せは、ラジカルUV方式で行った。
【0054】
このようにして作製した光記録媒体を、上述した実施例1と同じ評価条件で記録し、評価を行ったところ、接着性媒質18(レーザ透過性媒質)を介在させた二組の記録層組11、12は、どちらも同等の記録特性を示し、その記録容量は実施例1のほぼ2倍となった。
【0055】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、高感度の記録膜を有し記録再生の信頼性を向上させた光記録媒体を提供可能となる。
請求項2に係る発明によれば、C/N値を大きく取れ、大きな振幅の波形を得ることにより、記録再生の信頼性を向上させた光記録媒体を提供可能となる。
請求項3に係る発明によれば、高反射率を有し、コストダウンが可能な、記録再生の信頼性を向上させた光記録媒体を提供可能となる。
請求項4に係る発明によれば、高感度で高モジュレーションを有し、記録再生の信頼性を向上させた光記録媒体を提供可能となる。
請求項5に係る発明によれば、構成する薄膜の安定性が高く保存信頼性を向上させた、記録再生の信頼性の高い光記録媒体を提供可能となる。
請求項6に係る発明によれば、反射率と感度を高め、記録再生の信頼性を向上させた光記録媒体を提供可能となる。
請求項7に係る発明によれば、感度とC/Nが高い特性を有する、記録再生の信頼性を向上させた光記録媒体を提供可能となる。
請求項8に係る発明によれば、高感度化、高モジュレーション化を図ることができた。
請求項9に係る発明によれば、高い反射率と高モジュレーションを有する多層記録メディアを得ることができた。
請求項10、および請求項11に係る発明によれば、多層構造の光記録媒体の作製工程を簡素化でき、信頼性の高いメディアが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一例の概略断面図を示す。
【図2】本発明の光記録媒体の他の一例の概略断面図を示す。
【図3】半金属元素を主たる材料とする薄膜の膜厚と反射率との関係を示す。
【図4】半金属元素を主たる材料とする薄膜の膜厚と記録パワーとの関係を示す。
【図5】半金属元素を主たる材料とする薄膜中の酸素割合に対する反射率保持率の関係を示す。
【図6】本発明の光記録媒体の他の一例の概略断面図を示す。
【符号の説明】
1……基板
2……Agを主成分とする薄膜
3……半金属元素を主たる材料とする薄膜
4……紫外線硬化樹脂層
5……接着層
6……カバー基板
7……レーザ照射手段
8……レーザ透過性媒質
11……第1の記録層組
12……第2の記録層組
18……接着性媒質
【発明の属する技術分野】
本発明は、エネルギービームの照射により記録層に光学的変化を生じさせて記録・再生する光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光の照射により記録可能な光記録媒体として、CD−RW、DVD−RW等の追記型光記録媒体などがある。これらの光記録媒体はCD−ROMあるいはDVD−ROMと再生互換性があり、小規模の配布メディアや保存用の媒体として使用されている。しかし、CD−RW、DVD−RWは有機色素を塗布する為ROMの工程と比較して格段に製造コストが高くなるという問題があった。そこで、CD−ライトワンス(以下WO)、DVD−WOメディアが開発されてきた。
【0003】
WOメディアには穴あけタイプと相変化タイプ、合金化タイプがある。コストの面から考えれば穴あけ記録方式が有利であるが、穴あけ記録ではC/Nが低くなってしまうという問題があった。これは穴を開けたピット部分において溶融した膜がピット内に水玉のようになって残ったり、周辺部に盛り上がったりすることが原因であった。
【0004】
また、穴あけ記録方式であれば層構成は一層となるが、それでは通常使用されてきた記録膜ではROMの高い反射率に対応できず規格外製品となってしまう場合もあった。ROM対応の高い反射率を記録膜一層で実現しようとすると、Al、Ag、Cuなどの材料が記録膜に適用されるが、反射率が高すぎ、通常のレーザ照射では穴が開かなかった。
穴あけ記録材料として、TeとAuもしくはAgの化合物を用いる例が示されているが、これらの材料の沸点は1000℃以上であり、光記録媒体としては非常に感度が低いという欠点があった(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0005】
また、400℃以下の温度で揮発性成分を遊離する第一の層と、この上に耐腐食性金属を形成させ、記録感度を高める試みが開示されているが(例えば、特許文献3参照。)、これは反射率を高めることは目的とされておらず、ROM互換とはなり得ない。また、耐腐食性金属としてAu、Agなどを適用しているが、これらは熱伝導率が極めて高く、加熱したエネルギーが拡散により逃げるため、結果的に効果は低く、高線速記録には不適切であった。
【0006】
また、合金化方式としてはGe、Si、Snの元素の中から選択された層と、Au、Ag、Al、Cuの元素から選択された元素からなる層にレーザを照射して、この二層を合金化させて記録する方法が開示されているが(例えば、特許文献4参照。)、この場合、low to highの記録となり、ROM互換とはなり得なかった。
【0007】
また、InとTeの合金で相変化タイプの記録層を成膜する発明についての開示がなされており(例えば、特許文献5参照。)、これにおいてはIn:Te=2:1〜1:1もしくは2:3〜2:5であることにより相変化タイプの光記録媒体を提供することを目的としているが、この発明では成膜時の状態が非晶質であり反射率が低い為、初期化処理が必要である。そのため工程が増えコストの増大を招いていた。
また、融点まで温度を上昇させれば良い相変化タイプに比べ、穴あけ記録方式では記録のために沸点以上まで温度を上げる大きな熱量を必要としている。そのため、相変化タイプに比べ大きなレーザパワーを必要となり、高線速記録のためには半導体レーザのパワーが足りなくなる。すなわち、より高感度な記録膜が要求されている。
【0008】
また、第1の層(相変化合金薄膜)にAg−Zn、第2の層(低融点薄膜)にTe、Se、Sから選ばれる一種類を主成分として、拡散による記録を行う発明が開示されているが(例えば、特許文献6参照。)、これは反射率を高めるために第1の層を30〜70nm、第二の層を50〜150nmと厚くしており、生産時のタクトおよびコストに不利となっていた。また、膜厚を厚くすることにより反射率を大きく上げているが、我々の調査では反射率が高く吸収率が小さすぎるため熱吸収が記録膜上でほとんど起こらず、感度が非常に悪いということが分かった。このためDVDなどの速い線速を求められるメディアでは使用できなかった。また、AgとTe、Seなどを二層メディアにすると、これらは混ざり合い、非常に低い反射率になるという問題点を有した。
【0009】
また、光ディスクの記憶容量を増加させるために、多重データ層システムが提案されている。二層以上のデータ層を有する光ディスクは、理論上、レンズの焦点を変更することによって異なる層をアクセスできる(例えば、特許文献7〜19参照。)。
【0010】
上述したような従来技術のシステムにおいては、二層以上の記録層がある場合に、記録されているデータを明確に読み取るのがきわめて困難であるという問題を有している。特に間挿記録層は吸収及び反射損失があるため、深い記録層から受け取る信号を大幅に低下させる。よってこのような問題を解決した光データ記憶システムが必要とされている。
【0011】
上述したように、無機のWO記録媒体の普及には、未だ大きな障害があり、これらの解決を図った記録媒体への要求が高まってきている。
【0012】
【特許文献1】
特開昭60−179953号公報
【特許文献2】
特開昭60−179952号公報
【特許文献3】
特開昭57−157790号公報
【特許文献4】
特開平4−226784号公報
【特許文献5】
特開平1−162247号公報
【特許文献6】
特許第2948899号公報
【特許文献7】
米国特許第3946367号明細書
【特許文献8】
米国特許第4219704号明細書
【特許文献9】
米国特許第4450553号明細書
【特許文献10】
米国特許第4905215号明細書
【特許文献11】
米国特許第5097464号明細書
【特許文献12】
米国特許第4829505号明細書
【特許文献13】
米国特許第4852077号明細書
【特許文献14】
米国特許第4845021号明細書
【特許文献15】
米国特許第4682321号明細書
【特許文献16】
米国特許第4298975号明細書
【特許文献17】
米国特許第4737427号明細書
【特許文献18】
特開昭60−202545号公報
【特許文献19】
特開昭63−276732号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明においては、上述の問題点に鑑みて、高い反射率とモジュレーション、感度を有する記録層を開発し、再生信号のC/Nが良好で耐候性に優れた光記録媒体を安価に提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、レーザ照射により記録・再生する光記録媒体であって、レーザ照射側の基板上に、Agを主成分とする薄膜と、半金属元素を主たる材料とする薄膜とがこの順で積層され、この半金属元素を主たる材料とする薄膜には酸素が導入されてなることを特徴とする光記録媒体である。
このように、レーザ照射により記録・再生できる光記録媒体において、レーザ照射側の基板の透過した側の面上に、透過方向に沿って順に、主にAgからなる薄膜、および半金属元素を主たる材料とする薄膜を形成し、この半金属元素を主たる材料とする薄膜に酸素が導入されてなるものとしたことにより、高い反射率と高感度、高モジュレーションが達成された。
これまでAgと半金属元素を隣接させて積層すると、これら二層が製膜時に混合してしまうか、読み取りレーザ照射時に混合してしまうなど非常に不安定なメディアとなっていた。本発明において特に酸素を半金属元素中に導入することによりAgと半金属元素との間に酸化物障壁が生じ、信頼性が大きく向上した。しかし、本発明において半金属元素は元素周期表で定義されているものを指し、B、C、Si、P、Ge、As、Se、Sn、Sb、Te、Bi、Po、Atである。
【0015】
請求項2の発明においては、光記録媒体を構成する半金属元素を主たる材料とする薄膜に含まれる酸素の割合xを、0.01<x<5(at%)であるものとした。これにより、C/Nはより大きくなり、大きな振幅の波形が得られる。
【0016】
請求項3の発明においては、光記録媒体を構成する半金属元素を主たる材料とする薄膜の膜厚が、10〜50nmであるものとした。
半金属元素を主たる材料とする薄膜の膜厚を10〜50nmとすることにより、二層の記録層のみのメディアにもかかわらずROM互換が可能になるほどの反射率を達成することができる。また、二層構成でhigh to low記録が可能となったためコストの大幅な低減化が可能となる。
【0017】
請求項4の発明においては、光記録媒体を構成する半金属元素を主たる材料とする薄膜の主元素が、Si、Ge、Se、Te、Sbから選ばれた少なくとも一種類からなるものとした。
これにより、高感度で高モジュレーションを有する光記録媒体が得られる。特にTeは屈折率が高く、二層メディアにした場合非常に高い反射率を示すため、好適である。
【0018】
請求項5の発明においては、光記録媒体を構成する半金属元素を主たる材料とする薄膜上に、有機保護膜が形成されてなるものとした。
これにより、膜の安定性を高め、保存信頼性を格段に向上させることができる。また、二層構成の場合においては、膜の強度が弱くレーザ照射によって穴があく場合があったが、有機保護膜を形成したことにより、膜の物理的強度が向上する。
【0019】
請求項6の発明においては、光記録媒体を構成するAgを主成分とする薄膜の膜厚が3〜20nmであるものとした。
これにより、反射率が高く、かつ感度の高い光記録媒体を得ることが可能となる。
【0020】
請求項7の発明においては、光記録媒体を構成するAgを主成分とする薄膜に、Sn、In、Biから選ばれた少なくとも一種類からなる元素が添加されてなるものとした。
これにより、高いモジュレーションで、高感度な光記録媒体が得られる。特に、添加元素としては、Inが融点が低いために感度が良く、C/Nが高い特性を有するため特に好ましい。
【0021】
請求項8の発明においては、光記録媒体を構成する半金属元素を主たる材料とする薄膜中の半金属元素の割合が50%以上であるものとした。
これにより、高感度化、高モジュレーション化を図ることができる。ここで、半金属元素以外に添加元素を混入させることにより、保存特性、感度の向上、および反射率の向上など特性を改善することが可能となる。
【0022】
請求項9の発明においては、光記録媒体を構成するAgを主成分とする薄膜と、半金属元素を主たる材料とする薄膜とを記録層組と定義したとき、一の記録層組と、他の記録層組とが、レーザ透過性媒質を挟持して積層形成されているものとした。
これにより、高い反射率と高モジュレーションを有する多層記録メディアを得ることができる。
【0023】
請求項10の発明においては、前記レーザ透過性媒質が、誘電体であるものとした。
また、請求項11の発明においては、前記レーザ透過性媒質が、接着性媒質であるものとした。
これにより、光記録媒体の作製工程を簡素化でき、信頼性の高いメディアが得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の光記録媒体の一例の概略断面図である。図1においては、DVDとしての構成例を示すが、本発明はこの例に限定されるものではない。
基板(情報基板)1上に、Agを主成分とする薄膜2、半金属元素を主たる材料とする薄膜3よりなる記録層が成膜され、この上に紫外線硬化樹脂層4が積層されている。さらに、カバー基板6が接着層5を介して接着された構造になっている。
【0025】
この光記録媒体においては、基板1面側から、レーザ照射手段7により、レーザ光を照射すると、レーザ光は基板1を透過し、低融点薄膜および半金属元素を主たる材料とする薄膜3が加熱される。この加熱により、互いの層が相互に拡散してこれらの元素の合金ないし化合物が生成するか、もしくは表面に変形が起こり、レーザ光照射部の光反射率が著しく低下する。
この反射率変化は不可逆であるのでWO型の光記録媒体として使用することができる。
【0026】
基板1の材料としては、通常、ガラス、セラミックス、あるいは樹脂が用いられるが、樹脂が成形性やコストの点で好ましい。例えば、ポリカーボネート、メチルメタクリレート、アクリル、エポキシ、ポリスチレン、ポリプロピレン、シリコン、フッ素樹脂、ABS、ウレタンなどが挙げられるが、加工性、光学特性等の点からポリカーボネート樹脂が好ましい。また、基板1の形状はディスク状、カード状、あるいはシート状のいずれであっても良い。
【0027】
光記録媒体を構成する半金属元素を主たる材料とする薄膜3は、含有割合xとしたとき、0.01<x<5(at%)の酸素が含有されたものとすることが好適である。この半金属元素を主たる材料とする薄膜3の膜厚は、10〜50nmとすることが好適である。
【0028】
半金属元素を主たる材料とする薄膜3の主元素は、Si、Ge、Se、Te、Sbから選定される少なくとも一種類からなるものとすることが好適である。特にTeは屈折率が高く、二層メディアにした場合非常に高い反射率を示すため好適である。また、半金属元素を主たる材料とする薄膜3上には、有機保護膜を形成してもよい。
【0029】
また、半金属元素を主たる材料とする薄膜3中の半金属元素の割合は50%以上であるものとする。これにより、高感度化、高モジュレーション化が図られる。半金属以外に添加元素を混入させることにより、保存特性、感度の向上、および反射率の向上など特性を改善することが可能となる。
【0030】
光記録媒体を構成するAgを主成分とする薄膜2の膜厚は、3〜20nmが好適である。これにより、反射率が高く、かつ感度の高い光記録媒体を得られる。
【0031】
Agを主成分とする薄膜2は、Sn、In、Biから選ばれた少なくとも一種類からなる元素が添加されたものとしてもよい。これにより、高いモジュレーションで、高感度な光記録媒体が得られる。特に、添加元素としては、Inが融点が低いために感度が良く、C/Nが高い特性を有するため特に好ましい。
【0032】
光記録媒体の貼り合せ方式については、ラジカルUV方式、カチオン方式、ヒートシール方式、両面接着シート方式のいずれであってもよく、特に限定されないが、紫外線硬化樹脂層4を設けない構成の場合においては、ラジカルUV方式のように酸素や水分を透過しない方式が望ましい。
また、本発明の光記録媒体を構成する記録層は、各種気相成長法、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、電子ビーム法等によって形成することができる。
【0033】
図2に本発明の光記録媒体の他の一例の概略断面図を示す。
この例においては、Agを主成分とする薄膜2と半金属元素を主たる材料とする薄膜3とが記録層組を構成するものとし、第1の記録層組11と第2の記録層組12とが、レーザ透過性媒質8を挟持して積層形成された構成を有している。このレーザ透過性媒質8の材料としては、例えばZnO、SiO2等の誘電体や、これらの混合物を適用することができる。
また、レーザ透過性媒質8は、その他の公知の接着性媒質により形成してもよい。
なお、レーザ透過性媒質8は、例えば貼り合せ工程において、ラジカルUV式、カチオン方式、ヒートシール方式、両面接着シート方式等により形成することができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の光記録媒体について具体的な実施例を挙げて説明する。
〔実施例1〕
図1に基づいて本発明の光記録媒体の構成を説明する(DVDの場合)。
ポリカーボネート樹脂製の基板1は、ピッチ0.74μm、深さ40nmの溝付き、厚さ0.6mm、直径120mmであり、その上にAgを主成分とする薄膜2を膜厚10nm、半金属元素を主たる材料とする薄膜3を膜厚20nmに、スパッタ法により積層形成し、その上に紫外線硬化樹脂をスピンコートし、紫外線照射することにより紫外線効果樹脂層4を形成した。
Agを主成分とする薄膜2の製膜時には、アルゴン雰囲気下(5×10−3Torr)とし、半金属元素を主たる材料とする薄膜3の製膜時には、アルゴンプラス酸素混合ガス雰囲気下(5×10−3Torr)とした。
半金属元素を主たる材料とする薄膜3の製膜の際には、酸素の混合割合を0.1〜5%の範囲で振り、それぞれの組成の最適な酸化割合を出した。
カバー基板6との貼り合せは、ラジカルUV方式で行った。
【0035】
〔実施例2〜8〕、〔比較例1〜6〕
下記表1に示すように、Agを主成分とする薄膜2と半金属元素を主たる材料とする薄膜3の構成を変化させて光記録媒体を作製し、それぞれ、下記に示す評価を行った。
【0036】
評価条件については、記録線速は3.5m/s(1倍速)、線密度は0.267μm/bit、記録周波数は26.2MHz、記録レーザ波長は635nm、N.A.は0.6とし、Agを主成分とする薄膜2と半金属元素を主たる材料とする薄膜3を、それぞれ表1に示されている組成にした場合の反射率、およびC/Nが55dB以上(解像度1kHzにて測定)となるレーザパワーを、1倍速と2倍速とで比較した。
また、半金属元素を主たる材料とする薄膜3中の酸素割合を蛍光X線で測定した。
【0037】
【表1】
【0038】
上記表1に示すように、基板上にAgを主成分とする薄膜2と、半金属元素を主たる材料とする薄膜3とが順次積層され、半金属元素を主たる材料とする薄膜3には、酸素が0.01<x<5(at%)の割合で導入されたものとした実施例1〜8の光記録媒体においては、いずれも反射率、モジュレーション、および感度ともに良好な結果が得られた。
【0039】
一方、記録層を構成する薄膜をAgを成分とせずに形成した比較例1〜6の光記録媒体においては、いずれも充分な感度およびモジュレーションが得られなかった。
【0040】
図3に、半金属元素を主成分とする薄膜3をTe膜(O2を0.02at%混合)とし、Agを主成分とする薄膜2をAg膜(膜厚3、10、20nm)とし、Te膜(半金属元素を主成分とする薄膜)の膜厚を変化させた場合の反射率の変化を示す。
【0041】
図4に、半金属元素を主成分とする薄膜3をTe膜(O2を0.02at%混合)とし、Agを主成分とする薄膜2をAg膜(膜厚3、10、20nm)とし、Te膜(半金属元素を主成分とする薄膜)の膜厚を変化させた場合の記録パワーの変化を示す。なお、1倍速において55dB以上の信号強度を示したレーザパワーを示す。
【0042】
図3、図4に示すように、半金属元素を主成分とする薄膜(Te膜)の膜厚が薄いと反射率は低く、膜厚が厚過ぎると、感度が低下する。
また、(Ag膜の膜厚)/(半金属元素を主成分とする薄膜)が0.1〜1.0の範囲にあるようにすることにより、反射率が高く、かつ感度も高いという2つの特性を両立できることがわかる。なおここでの記録は3Tの矩形波記録である。
【0043】
図3、図4から明らかなように、レーザ照射側にAg薄膜があり、その次に半金属元素を主成分とする薄膜を積層する構成とし、半金属元素を主成分とする薄膜に酸素が導入されてなることにより高い反射率と高感度、そして高モジュレーションが達成された。
従来においては、Agと半金属元素を隣接させて積層すると、これらが製膜時に混合してしまうか、読み取りレーザ照射時に混合してしまうなど非常に不安定なメディアとなっていたが、本発明においては、特に酸素を膜中に導入したことにより、Agと半金属元素との間に酸化物障壁を生じさせることができ、信頼性が大きく向上した。
【0044】
上記表1に示すように、その半金属元素を主たる材料とする薄膜中の酸素含有割合を、0.01<x<5(x=at%)とすることにより、C/Nの向上が図られ、大きな振幅の波形が得られることが確かめられた。
【0045】
図3に示すように、半金属元素を主たる材料とする薄膜の膜厚を、10〜50nmとすることにより、二層の記録膜のみのメディアにもかかわらずROM互換が可能になるほどの反射率を達成できることが確かめられた。また、二層構成でhigh to low記録が可能となったためコストの大幅な低減化が図られた。
【0046】
また、上記表1に示すように、また、半金属元素を主たる材料とする薄膜3が、主にSi、Ge、Se、Te、Sbから選定される少なくとも一種類からなるものとしたことにより、高感度で高モジュレーションを有する光記録媒体が得られた。特にTeは屈折率が高く、二層メディアを作製する場合、非常に高い反射率を示すため好適であることがわかった。
【0047】
図5に、半金属元素を主成分とする薄膜3中の、酸素含有割合に対する反射率保持率の関係を示す。
反射率保持率(%)=(1週間後の反射率/初期反射率)×100とし、1週間経過後の反射率の劣化に基づいて保持率を計算した。その結果、図5に示すように、半金属元素を主成分とする薄膜3中の酸素割合が0.1〜50%とすると、劣化することなく安定した挙動を示した。なお、より安定した挙動を期待するならば、半金属膜中の酸素割合は1〜30%が望ましいことが分かった。
【0048】
また、本発明の光記録媒体においては、半金属元素を主成分とする薄膜3上に有機保護膜を積層形成することが望ましい。これにより、膜の安定性を高め、保存信頼性を格段に向上させることができる。また、二層構成では膜の強度が弱くレーザ照射によって穴があくおそれがあるが、有機保護膜を設けることによって、膜の物理的強度を向上させることができる。
【0049】
更に、Agを主成分とする薄膜2の膜厚を3〜20nmとすることにより、反射率が高く、感度の高い光記録媒体が得られた。
【0050】
また表1に示すように、Agを主成分とする薄膜2に添加される元素を、Sn、In、Biから選定される少なくとも一種類とすることにより、高いモジュレーションで、高感度な光記録媒体を得ることができる。添加元素としては、Inが融点が低いため、感度およびC/Nの向上が図るために好適な例として挙げられる。
【0051】
〔実施例9〕
図2に基づいて、本発明の光記録媒体を説明する(DVDの場合)。
上述した実施例1と同様に、ピッチ0.74μm、深さ40nmの溝付き、厚さ0.6mm、直径120mmのポリカーボネート樹脂製基板1上に、Agを主成分とする薄膜2を膜厚10nm、半金属元素を主たる材料とする薄膜3を膜厚20nmに、順次スパッタ法により積層形成し、レーザ透過性媒質8として、ZnS・SiO2(80:20)からなる誘電体層を、膜厚1μmにスパッタ形成し、更に、Agを主成分とする薄膜2を膜厚10nm、半金属元素を主たる材料とする薄膜3を膜厚20nmに順次スパッタ法により積層した。その上に紫外線硬化樹脂をスピンコートし、紫外線照射により紫外線硬化樹脂層4を成膜した。
Agを主成分とする薄膜2の製膜時には、アルゴン雰囲気下(5×10−3Torr)、もしくはアルゴン+酸素混合ガス雰囲気下(5×10−3Torr)とした。
また、半金属元素を主たる材料とする薄膜3の製膜時には、アルゴン雰囲気下(5×10−3Torr)、もしくはアルゴン+酸素混合ガス雰囲気下(5×10−3Torr)とした。
酸素混合ガス下での成膜の際には、酸素の混合割合を0.1〜5%の範囲で振り、それぞれの組成の最適な酸化割合を出した。
カバー基板6との貼り合せは、ラジカルUV方式で行った。
【0052】
このようにして作製した光記録媒体を、上述した実施例1と同じ評価条件で記録し、評価を行ったところ、誘電体層(レーザ透過性媒質)を介在させた二組の記録層組11、12は、どちらも同等の記録特性を示し、その記録容量は実施例1のほぼ2倍となった。
【0053】
〔実施例10〕
図6に基づいて、本発明の光記録媒体の他の一例について説明する(DVDの場合)。
上述した実施例1と同様に、ピッチ0.74μm、深さ40nmの溝付き、厚さ0.6mm、直径120mmのポリカーボネート樹脂製基板1上に、Agを主成分とする薄膜2を膜厚10nm、半金属元素を主たる材料とする薄膜3を膜厚20nmに、順次スパッタ法により積層形成した。
続いて、カバー基板6に対し、半金属元素を主たる材料とする薄膜3を膜厚20nm、Agを主成分とする薄膜2を膜厚10nmに、順次スパッタ法により積層形成した。
このようにして作製した基板1とカバー基板6とを、レーザ透過性媒質、この例においては接着性媒質18を介在させて貼り合わせた。
本例においては、接着性媒質18として膜厚50μmの貼り合わせ用シートを用いた。
Agを主成分とする薄膜2の製膜時には、アルゴン雰囲気下(5×10−3Torr)、もしくはアルゴン+酸素混合ガス雰囲気下(5×10−3Torr)とした。
また、半金属元素を主たる材料とする薄膜3の製膜時には、アルゴン雰囲気下(5×10−3Torr)、もしくはアルゴン+酸素混合ガス雰囲気下(5×10−3Torr)とした。
酸素混合ガス下での成膜の際には、酸素の混合割合を0.1〜5%の範囲で振り、それぞれの組成の最適な酸化割合を出した。
カバー基板との貼り合せは、ラジカルUV方式で行った。
【0054】
このようにして作製した光記録媒体を、上述した実施例1と同じ評価条件で記録し、評価を行ったところ、接着性媒質18(レーザ透過性媒質)を介在させた二組の記録層組11、12は、どちらも同等の記録特性を示し、その記録容量は実施例1のほぼ2倍となった。
【0055】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、高感度の記録膜を有し記録再生の信頼性を向上させた光記録媒体を提供可能となる。
請求項2に係る発明によれば、C/N値を大きく取れ、大きな振幅の波形を得ることにより、記録再生の信頼性を向上させた光記録媒体を提供可能となる。
請求項3に係る発明によれば、高反射率を有し、コストダウンが可能な、記録再生の信頼性を向上させた光記録媒体を提供可能となる。
請求項4に係る発明によれば、高感度で高モジュレーションを有し、記録再生の信頼性を向上させた光記録媒体を提供可能となる。
請求項5に係る発明によれば、構成する薄膜の安定性が高く保存信頼性を向上させた、記録再生の信頼性の高い光記録媒体を提供可能となる。
請求項6に係る発明によれば、反射率と感度を高め、記録再生の信頼性を向上させた光記録媒体を提供可能となる。
請求項7に係る発明によれば、感度とC/Nが高い特性を有する、記録再生の信頼性を向上させた光記録媒体を提供可能となる。
請求項8に係る発明によれば、高感度化、高モジュレーション化を図ることができた。
請求項9に係る発明によれば、高い反射率と高モジュレーションを有する多層記録メディアを得ることができた。
請求項10、および請求項11に係る発明によれば、多層構造の光記録媒体の作製工程を簡素化でき、信頼性の高いメディアが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一例の概略断面図を示す。
【図2】本発明の光記録媒体の他の一例の概略断面図を示す。
【図3】半金属元素を主たる材料とする薄膜の膜厚と反射率との関係を示す。
【図4】半金属元素を主たる材料とする薄膜の膜厚と記録パワーとの関係を示す。
【図5】半金属元素を主たる材料とする薄膜中の酸素割合に対する反射率保持率の関係を示す。
【図6】本発明の光記録媒体の他の一例の概略断面図を示す。
【符号の説明】
1……基板
2……Agを主成分とする薄膜
3……半金属元素を主たる材料とする薄膜
4……紫外線硬化樹脂層
5……接着層
6……カバー基板
7……レーザ照射手段
8……レーザ透過性媒質
11……第1の記録層組
12……第2の記録層組
18……接着性媒質
Claims (11)
- レーザによる照射により記録・再生する光記録媒体であって、当該レーザ照射側の基板上にAgを主成分とする薄膜と、半金属元素を主たる材料とする薄膜とがこの順で積層され、当該半金属元素を主たる材料とする薄膜には酸素が導入されてなることを特徴とする光記録媒体。
- 前記半金属元素を主たる材料とする薄膜に含まれる酸素の割合が0.01<x<5(at%)であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 前記半金属元素を主たる材料とする薄膜の膜厚が、10〜50nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
- 前記半金属元素を主たる材料とする薄膜の主元素が、Si、Ge、Se、Te、Sbから選ばれた少なくとも一種類からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光記録媒体。
- 前記半金属元素を主たる材料とする薄膜上に有機保護膜が形成されてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光記録媒体。
- 前記Agを主成分とする薄膜の膜厚が3〜20nmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光記録媒体。
- 前記主にAgを主成分とする薄膜には、Sn、In、Biから選ばれた少なくとも1種類からなる元素が添加されてなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光記録媒体。
- 前記半金属元素を主たる材料とする薄膜中の半金属元素の割合が50%以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光記録媒体。
- 上記Agを主成分とする薄膜および半金属元素を主たる材料とする薄膜により構成されてなる一の記録層組が、他の記録層組と、レーザ透過性媒質を挟持して積層形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の光記録媒体。
- 前記レーザ透過性媒質が、誘電体であることを特徴とする請求項8に記載の光記録媒体。
- 前記レーザ透過性媒質が、接着性媒質であることを特徴とする請求項8に記載の光記録媒体。
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