JP2004046941A - 光情報記録再生装置およびトラック判別方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ランド幅とグルーブ幅とがほぼ等しく形成される光ディスク(すなわち、ランド・グルーブ記録方式)において、簡単な構成で正確かつ迅速なトラック判別を行う。
【解決手段】光情報記録媒体の記録面からの反射光における中央付近のみの光を受光領域5aによって検出し、該受光領域5aの出力の大小を判定することによって、集光スポットが光ディスクのランド上にあるかグルーブ上にあるかを判別する。
【選択図】 図1
【解決手段】光情報記録媒体の記録面からの反射光における中央付近のみの光を受光領域5aによって検出し、該受光領域5aの出力の大小を判定することによって、集光スポットが光ディスクのランド上にあるかグルーブ上にあるかを判別する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、本発明は、光情報記録媒体に対して光による情報の記録または再生の少なくとも一方を行う光情報記録再生装置に関し、特に、光情報記録媒体上の集光スポットがランドとグルーブのいずれに位置しているかを判別するトラック判別が可能な光情報記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスク等の光情報記録媒体を用いて、光学的に情報の記録および再生の少なくとも一方を行う光情報記録再生装置が種々実用化されている。中でも、光ディスクを光情報記録媒体とする光ディスク装置の普及は著しく、その高記録密度化が進められている。例えば、記録再生が可能なディスクとしては、既にMD(Mini−Disk)等が実用化されている。
【0003】
MD等の記録再生が可能な光ディスクにおいては、透明基板に記録面が形成されており、対物レンズを経て光ディスクに照射された光が透明基板を経て記録面上で集光されるようになっている。記録面には、トラック案内構造としてグルーブとランドとが形成されており、これらを利用してトラックサーボ制御が行われるようになっている。
【0004】
トラックサーボ制御では、まずトラック誤差信号TESを検出する。例えばプッシュプル法によりトラック誤差信号TESを検出する場合は、図7に示すように、光ディスクに照射された光の反射光を受光部100によって受光する。受光部100は、2つの受光領域100x,100yに分割されており、該受光領域100x,100yのそれぞれの出力をX,Yとした場合、トラック誤差信号TESは、出力X,Yの差信号から検出される。すなわち、トラック誤差信号TESは、
TES=X−Y
の式によって表される。
【0005】
そして、上述のように検出されたトラック誤差信号TESが0となるようにトラックサーボ制御が行われる。このため、上記受光部100では、光ディスクに照射される光の集光スポットが、光ディスクの記録面に形成されたランド上もしくはグルーブ上にある場合に、受光領域100x,100yでの受光量が等しくなるように設定されている。尚、図7は、集光スポットがランド上もしくはグルーブ上にある時の受光部100の受光状態を示している。これにより、図8に示すように、トラック誤差信号TESは、集光スポットがランド上もしくはグルーブ上にある場合にのみ、その信号レベルが0となる。
【0006】
しかしながら、図8にも示すように、トラック誤差信号TESが0となる位置は、集光スポットがランド上にある場合とグルーブ上にある場合との2通りの場合がある。このため、トラック誤差信号TESのみからは集光スポットがランド上にあるのか、もしくはグルーブ上にあるのかといった判別はできない。そこで、通常は、トラック判別信号(あるいはクロストラック信号とも呼ばれる)CTSを用いて、集光スポットがランド上またはグルーブ上の何れにあるかを判別している。
【0007】
以下に、MD等に採用されている、情報をグルーブのみに記録するグルーブ記録方式におけるトラック判別信号CTSについて説明する。
【0008】
この場合、トラック判別信号CTSとして図7に示す受光部100から出力された信号の総和SUM(以後、和信号という)を使用する。図7の構成では、受光部100は2つの受光領域100x,100yに分割されており、和信号SUMは、
SUM=X+Y
の式によって表される。
【0009】
グルーブ記録方式の場合には、グルーブ幅がランド幅よりも広いことから、和信号SUMは、集光スポットがランド上にある場合とグルーブ上にある場合とで大きく異なり、グルーブ上にある場合の和信号SUMの方が大きくなる。すなわち、グルーブ記録方式の光ディスクでは、記録再生性能を向上させるため、ランドの幅よりグルーブの幅の方が非常に大きく設定されている。したがって、ランド上に集光スポットがある場合(図9(a)参照)よりも、グルーブ上に集光スポットがある場合(図9(b)参照)の方が光ディスクからの反射光量が大きくなる。
【0010】
したがって、トラック誤差信号TESが0となる場合に、和信号SUM(すなわち、トラック判別信号CTS)の大小により、集光スポットがランド上またはグルーブ上の何れにあるかといったトラック判別が可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年では、光ディスクにおける記録密度を高くするために、ランドおよびグルーブの双方に情報を記録するランド・グルーブ記録方式の開発がDVD−RAM等で行われている。このランド・グルーブ記録方式では、ランドおよびグルーブの双方に、ある程度幅を持たせるために両者の幅をほぼ等しくするようになっている。
【0012】
そして、トラック判別信号CTSとして受光部100からの出力の和信号SUMを用いる従来の構成では、グルーブ幅およびランド幅の大きさが異なる場合には上述のトラック判別が可能であるが、ランド・グルーブ記録方式のようにグルーブ幅およびランド幅の大きさがほぼ等しい場合には正確なトラック判別が困難になるといった問題がある。
【0013】
図10(a)にグルーブ記録方式の光ディスクにレーザ光を照射した時の反射光を示し、図10(b)にランド・グルーブ記録方式の光ディスクにレーザ光を照射した時の反射光を示す。これらの反射光は回折光(図中では、0〜±2次光を記載)として現れるものであり、この回折光が受光部100で重なった状態で受光されたものをボールパターン(図7参照)と呼ぶ。
【0014】
グルーブ記録方式の光ディスクにおけるボールパターンでは、回折光が比較的離れて発生している(図10(a)参照)ことにより、図7に示すように、0次光に±1次光のみが重なったものとなる。また、上記ボールパターンにおいて±1次光同士は重ならない。
【0015】
一方、ランド・グルーブ記録方式におけるボールパターンでは、回折光が比較的接近して発生している(図10(b)参照)ことにより、図11に示すように、0次光に±1次光および±2次光が重なったものとなる。また、上記ボールパターンにおいて±1次光同士も重なっている。
【0016】
グルーブ記録方式においては、ランドとグルーブでトラック幅が明確に異なるため、和信号SUMは集光スポットがランド上にある場合とグルーブ上にある場合とで差が明確となり、上述のトラック判別が可能となる。しかしながら、ランドとグルーブの幅がほぼ等しいランド・グルーブ記録方式においては、ランドとグルーブでトラック幅がほぼ等しいため、和信号SUMは、集光スポットがランド上にある場合とグルーブ上にある場合とでほぼ等しくなっており、ランド上とグルーブ上とで信号強度の差があまり見られない。
【0017】
また、ランド・グルーブ記録方式でも、ランドとグルーブとの幅がさらに狭くなった場合には、図12に示すように、ボールパターンにおいて0次光に±1次光のみが重なり合った状態となることがある(1次光同士は近接する)。この場合においても、ランドとグルーブでトラック幅はほぼ等しいため、和信号SUMは、集光スポットがランド上にある場合とグルーブ上にある場合とでほぼ等しいものとなる。
【0018】
したがって、上記従来技術に記載の方法でトラック判別信号CTSを生成する場合、ランド・グルーブ記録方式においては、該トラック判別信号CTSから集光スポットがランド上またはグルーブ上の何れにあるかといったトラック判別を適切に行うことは困難となる。その結果、特に、外部記憶装置や業務用映像記録・編集装置等の用途において頻繁に行われる高速シーク動作時に、所定のトラックに一度でアクセスすることが困難となり、アクセス速度が遅くなるといった問題が生じる。
【0019】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ランド幅とグルーブ幅とがほぼ等しく形成される光ディスク(すなわち、ランド・グルーブ記録方式)において、簡単な構成で正確かつ迅速なトラック判別を行うことができる光情報記録再生装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の光情報記録再生装置は、上記の課題を解決するために、光源から出射される光を光情報記録媒体の記録面に照射し、その反射光を光検出手段にて受光し、該光検出手段の出力結果に基づいて光情報記録媒体上に照射される光の集光スポットが該光情報記録媒体のランド上にあるかグルーブ上にあるかを判別するトラック判別の機能を有する光情報記録再生装置において、上記光検出手段は、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近の光を受光し、かつ、該反射光の周辺部を一部含まないトラック判別用受光領域を有しており、上記トラック判別用受光領域における受光光量の検出結果を用いて、上記トラック判別を行うことを特徴としている。
【0021】
光情報記録媒体の記録または再生時において、該光情報記録媒体に照射される光が記録面によって反射され、その反射光が光検出手段によって受光され検出される。上記光検出手段は、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近の光を受光し、かつ、該反射光の周辺部を一部含まないトラック判別用受光領域を有している。このため、トラック判別用受光領域の出力により反射光の中央付近の光強度(受光光量)のみを検出できる。
【0022】
ここで、上記光情報記録媒体がランド・グルーブ記録方式を採用したものである場合、反射光における全光量はランド照射時とグルーブ照射時とでほとんど変化がないため、全光量を用いてトラック判別を行う従来の方法では正確なトラック判別が行えない。
【0023】
これに対し、上記の構成の光情報記録再生装置は、ランド・グルーブ記録方式を採用した光情報記録媒体において、反射光の中央部ではランド照射時とグルーブ照射時とで光強度が大きく異なるといった知見を用いてトラック判別を行う。例えば、トラック判別用受光領域の出力により反射光の中央付近の光強度の大小を判定することによってトラック判別を行うことができる。
【0024】
尚、本発明にかかる光情報記録再生装置は、光情報記録媒体に対する情報の記録機能および光情報記録媒体に記録されている情報の再生機能の少なくとも一方を有するものであり、これら両方の機能を有するものには限定されない。
【0025】
また、上記光情報記録再生装置では、上記トラック判別用受光領域は、光情報記録媒体の反射光において発生する0次回折光および±1次回折光が重なり合う重畳部分の少なくとも一部の光を受光する構成とすることが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、トラック判別用受光領域は、ランド照射時とグルーブ照射時とで光強度の変化が大きく現れる0次回折光および±1次回折光が重なり合う重畳部分の受光光量を検出するため、精度の高いトラック判別を行うことができる。
【0027】
また、上記光情報記録再生装置では、上記光検出手段は、トラック判別用受光領域を除く領域をさらに2つのトラックサーボ用受光領域として備えていると共に、上記トラック判別用受光領域がさらに2つの小受光領域に分割されており、上記2つのトラックサーボ用受光領域および上記2つの小受光領域のそれぞれは、光情報記録媒体の反射光において発生する回折光の発現方向において、該反射光の中心に対して対称となるように配置されており、上記反射光の中心に対して同じ側にある一方のトラックサーボ用受光領域と一方の小受光領域の出力との和と、他方のトラックサーボ用受光領域と他方の小受光領域との出力の和とにおける受光光量の差に基づいて、トラックサーボ制御を行う構成とすることができる。
【0028】
上記の構成によれば、上記光検出手段の出力を用いてプッシュプル法によるトラックサーボ制御を行うことができる。この際、上記トラックサーボ制御を行うために用いる出力として、トラックサーボ用受光領域からの出力以外に、トラック判別用受光領域を分割した小受光領域の出力をも使用できる。これにより、トラックサーボ用のトラック誤差信号の検出において、光検出手段における全出力を用いることができ、特に光情報記録媒体のトラックピッチが狭く、0次光と±1次光の重畳部分が少ない場合において、トラック誤差信号の検出に有利となる。
【0029】
また、上記光情報記録再生装置では、上記光検出手段は、トラック判別用受光領域を除く領域を周辺受光領域として有しており、上記トラック判別用受光領域における出力と上記周辺受光領域における出力との差を用いて、上記トラック判別を行う構成とすることができる。
【0030】
上記の構成によれば、トラック判別用受光領域の出力はランド照射時とグルーブ照射時とでその出力が異なるが、反射光における全光量はランド照射時とグルーブ照射時とでほとんど変化がないため、上記周辺受光領域における出力もランド照射時とグルーブ照射時とでその出力が異なり、その変化の向きはトラック判別用受光領域の出力と逆になる。
【0031】
このため、トラック判別用受光領域における出力と周辺受光領域における出力との差を用いてトラック判別を行う場合、ランド照射時とグルーブ照射時との出力比はトラック判別用受光領域における出力のみを用いる場合に比べて大きくなり、より精度の高いトラック判別が可能となる。
【0032】
また、上記光情報記録再生装置では、上記トラック判別用受光領域において、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光における回折光が発現する方向の幅wは、光源の波長をλ、該光情報記録媒体のトラックピッチをd、対物レンズの焦点距離をfとした場合、
w≦λf/d
を満たす構成とすることが好ましい。
【0033】
上記の構成によれば、トラック判別用受光領域の出力において、ランド照射時とグルーブ照射時との出力比が安定して高いレベルとなり、信頼性の高いトラック判別が可能となる。
【0034】
また、本発明のトラック判別方法は、上記の課題を解決するために、光情報記録媒体への情報の記録または再生時に、該光情報記録媒体の記録面上に照射される光の集光スポットが該光情報記録媒体のランド上にあるかグルーブ上にあるかを判別するトラック判別方法において、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近のみを含み、該反射光の端部を一部含まないトラック判別用受光領域の光を受光して、その受光光量を検出し、受光した領域の受光光量の検出結果を用いて、上記トラック判別を行うことを特徴としている。
【0035】
上記の構成によれば、ランド・グルーブ記録方式を採用した光情報記録媒体において、反射光の中央部ではランド照射時とグルーブ照射時とで光強度が大きく異なるといった知見を用いてトラック判別を行うことで、従来の方法では正確なトラック判別が行えなかったランド・グルーブ記録方式を採用した光情報記録媒体についてもトラック判別を行うことが可能となる。
【0036】
また、上記トラック判別方法では、さらに、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近を含まず、該反射光の周辺部の少なくとも一部を含む周辺受光領域の光を受光して、その受光光量を検出し、上記トラック判別用受光領域における受光光量と上記周辺受光領域における受光光量との差を用いて、上記トラック判別を行う構成とすることができる。
【0037】
上記の構成によれば、トラック判別を行う場合のランド照射時とグルーブ照射時との出力比が、トラック判別用受光領域における出力のみを用いる場合に比べて大きくなり、より精度の高いトラック判別が可能となる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0039】
本実施の形態に係る光情報記録再生装置の概略構成を図2を参照して説明する。光情報記録再生装置は、光ディスク(光情報記録媒体)6に対して情報の記録または再生を行うものであり、図2に示すように、光源1、コリメータレンズ2、ビームスプリッタ3、対物レンズ4、および受光部5を備えている。上記光情報記録再生装置では、光源1から出射された記録光または再生光はコリメータレンズ2によって平行光にされた後、ビームスプリッタ3によって反射され、対物レンズ4によって光ディスク6記録面に集光される。光ディスク6からの反射光は、ビームスプリッタ3を透過し、受光部5によって受光される。
【0040】
光ディスク6では、ランドとグルーブとの双方に記録を行うランド・グルーブ記録方式が採用されている。ランド・グルーブ記録方式の光ディスク6では、ランドまたはグルーブのうち一方のみを記録に用いるグルーブ記録方式とは異なり、ランドおよびグルーブの双方にある程度広い幅をもたせる必要があるため、両者の幅をほぼ等しくするようになっていることは既に述べたとおりである。
【0041】
そのため、ランド・グルーブ記録方式の光ディスク6では、そのトラックピッチが広がり、トラック案内構造であるランドおよびグルーブにより発生する回折光の回折角が小さくなる。回折角が小さくなると受光部5上のボールパターンの±1次光が互いに近付き、特にDVD−RAM等では、受光部5上のボールパターンには1次光同士が重なり合う重畳部分、および1次光と2次光とが重なり合う重畳部分ができる(図11参照)。
【0042】
図11に示すようなランド・グルーブ記録方式の光ディスク6に対するボールパターンにおいては、集光スポットが光ディスク6のランド上にある場合とグルーブ上にある場合とで、1次光同士が重なり合う重畳部分および1次光と2次光とが重なり合う重畳部分はほぼ同様に発生し、ボールパターン全体としての受光光量もほぼ同じである。
【0043】
しかしながら、本願発明者らが鋭意検討を行った結果、ランド・グルーブ記録方式の光ディスク6においては、受光部5上のボールパターン内の光量分布がランド照射時(記録再生時)とグルーブ照射時とで大きく変化するといった知見が得られた。本発明は、集光スポットが光ディスク6のランド上にあるかグルーブ上にあるかのトラック判別を、上述の知見を用いて行う方法を提供するものである。本発明のトラック判別方法について以下に詳細に説明する。
【0044】
図1(a)および図1(b)のそれぞれに、集光スポットがグルーブ上にある場合のボールパターンと集光スポットがランド上にある場合のボールパターンとを示す。これらのボールパターンは、回折光の重なり具合によって以下の3つの部分に分けられる。すなわち、0次光のみの非重畳部分11、0次光と1次光が重なり合う重畳部分12、および0次光と1次光と2次光とが重なり合う重畳部分13がある。
【0045】
これらボールパターンの光量分布の変化について、ランド幅400nm、グルーブ幅400nm、グルーブ深さ35nmのランド・グルーブ記録ディスクを用い、レーザ波長405nm、開口数0.65の光学系を用いて詳細に調べた。
【0046】
その結果、図1(a)に示すようにグルーブ照射時の受光部5上でのボールパターンは、0次光と1次光とが重畳する重畳部分12において受光光量が大きくなり、0次光と1次光と2次光とが重畳する重畳部分13において受光光量が小さくなることが分かった。一方、図2(b)に示すようにランド照射時の受光部5上でのボールパターンは、0次光と1次光とが重畳する重畳部分12において受光光量が小さくなり、0次光と1次光と2次光とが重畳する重畳部分13において受光光量が大きくなることが分かった。
【0047】
このボールパターンがランド照射時とグルーブ照射時で異なる原因については、ランドとグルーブとで偏光特性が異なることが考えられる。尚、図1(a),(b)では、各重畳部分および非重畳部分での受光光量が明確に変化しているように記載しているが、これは説明を容易にするためであり、実際には重畳部分12から重畳部分13にかけての受光光量は徐々に変化しているものである。
【0048】
このように、集光スポットのランド照射時とグルーブ照射時とでは、受光部5上のボールパターンにおいて受光光量の分布に違いが生じており、特に受光部5の中央部付近にて明暗の差が生じる。本実施の形態にかかるトラック判別方法では、このボールパターンの中央部での明暗の差を利用して集光スポットがランド上にある場合とグルーブ上にある場合とを判別するようになっている。
【0049】
具体的には、上記トラック判別方法を適用した本実施の形態にかかる光情報記録再生装置では、受光部5が3つの受光領域5a〜5cに分割されている。受光領域5a〜5cの分割方向は、回折光が発現する方向(図1中のX方向)に対応している。
【0050】
受光領域5aは受光部5の中央に位置し、集光スポットが光ディスク6のランド上またはグルーブ上にある場合に、ボールパターンの中央部の受光光量を検出する。上記受光領域5aは、重畳部分12のうち、少なくと±1次光同士が重畳する重畳部分12aを含むように設定されることが好ましい。また、受光領域5b,5cは受光部5の両側に位置し、集光スポットが光ディスク6のランド上またはグルーブ上にある場合に、ボールパターンの周辺部の受光光量を検出する。言い換えれば、受光領域5aは主にボールパターンにおける重畳部分12の光量を検出するものであり、受光領域5b,5cは主にボールパターンにおける重畳部分13の光量を検出するものである。
【0051】
上記受光部5での検出結果を用いてトラック判別を行う手順を以下に説明する。トラック判別を行うにあたっては、先ず、トラックサーボ制御によって集光スポットが光ディスク6のランド上もしくはグルーブ上に追随させられている必要がある。
【0052】
トラックサーボ制御では、従来と同じくプッシュプル法を用いることができる。プッシュプル法によるトラックサーボ制御では、まずトラック誤差信号TESを以下のように検出する。受光領域5a,5b,5cのそれぞれの出力をA,B,Cとした場合、トラック誤差信号TESは出力B,Cの差信号から検出される。すなわち、トラック誤差信号TESは、
TES=B−C
の式によって表される。
【0053】
次に、集光スポットがランド上にあるかグルーブ上にあるかのトラック判別については、上記トラック誤差信号TESが0となるときに、受光領域5aの出力Aをそのままトラック判別信号CTSとして用いる。このトラック判別信号CTSの大小を検出することにより、トラック判別が可能となる。
【0054】
図1(a),(b)において説明したように、ボールパターンの中央付近における受光部5aの出力Aは、グルーブ照射時よりランド照射時の方が小さくなる。このため、トラック判別信号CTS(すなわち出力A)が大きい場合はグルーブ上に集光スポットがあり、小さい場合はランド上に集光スポットがあると判断することができる。
【0055】
また、上記説明では、受光部5上のボールパターンにおいて、±1次光同士が重なり、さらに該ボールパターン上に±2次光が現れる場合を示している。しかしながら、図12に示したボールパターンのように、ランド・グルーブ記録方式でランドとグルーブとの幅がさらに狭い記録媒体を記録再生する場合には、±1次光同士が近接はするが重ならず、かつ、ボールパターン上に±2次光が現れないボールパターンとなる場合もある。
【0056】
但し、受光部5上のボールパターンが図12に示すようになる場合でも、±1次光同士が近接している部分および±2次光がボールパターン端部に近接している部分では、ランド照射時とグルーブ照射時で光量が変化し、図1に示したボールパターンと同様にボールパターン中央部での受光光量はグルーブ照射時に大きくなりランド照射時に小さくなることがわかった。したがって、図12に示すようなボールパターンとなる場合であっても、図3に示すように、受光部5を図1の場合と同様に3つの受光領域5a〜5cに分割し、中央の分割領域5aの出力Aを用いてトラック判別を行うことが可能である。
【0057】
次に、中央部付近の受光部5aの回折光が発現する方向(X方向)の幅とトラック判別信号CTSの大きさの関係を調べた。その実験結果を図4に示す。
【0058】
図4では、横軸に中央部付近の受光部5aの幅と受光部5上でのビームスポットの直径との比率を、縦軸にグルーブ照射時とランド照射時との受光部5aでの出力比を示している。また、図4においてp1,p2と記載しているのは、それぞれ図1(a),(b)で1次光の円周部の位置P1および2次光の円周部の位置P2に受光部5aの端部が一致する幅となる場合の比率を表している。p1およびp2の値は、それぞれ次式により計算される。
【0059】
p1=1−λ/(d・NA)
p2=2λ/(d・NA)−1
ここで、λはレーザ波長を、dはトラックピッチ(=ランド幅+グルーブ幅)を、NAは開口数を表す。また、図4においてp3と記載しているのは、p1およびp2の平均値である。
【0060】
上式より、この実験時(λ=405nm、d=800nm、NA=0.65)にはp1が22.1%、p2が55.8%となる。次に、図4より、受光部5aの幅がp1およびp2の平均値p3以下の値に設定された場合、受光部5aの出力Aにおけるグルーブ照射時とランド照射時との出力比が、高い水準でほぼ一定していることが分かる。この場合の受光部5aの出力比は常に1.4以上となっており、上記出力Aはトラック判別信号CTSとして好適に用いられる十分なレベルを有している。
【0061】
一方、受光部5aの幅が上記p3よりも大きい値に設定されると、受光部5aの幅が大きくなるに従って、グルーブ照射時とランド照射時とにおける受光部5aの出力比が小さくなることが分かる。これより、受光部5aの幅は、受光部5aの出力Aから良好なトラック判別信号CTSを得るために、p3以下に設定されることが好ましいといえる。
【0062】
ここで、上記p3はp1とp2の平均値であることから、
p3=(p1+p2)/2
=λ/(2d・NA)
として表される。すなわち、受光部5aの幅と受光部5上に発生するボールパターンの直径との比率が、λ/(2d・NA)で計算される比率以下となることが好ましい。言い換えれば、受光部5aの幅wが次式を満たす値となることが好ましい。
【0063】
w≦p3×2r=λf/d
ここで、rは対物レンズ4の半径、fは対物レンズ4の焦点距離である。
【0064】
上記図4に示した例について、トラック判別信号CTSとして従来の方法である受光部5全体の和信号SUMを用いた場合と比較する。従来の方法によるトラック判別信号CTS、すなわち和信号SUMの出力は、図4において横軸が100%のときに相当する。その結果、従来の方法によるトラック判別信号CTSではグルーブ照射時にランド照射時の1.06倍の出力しか得られず、トラック判別が困難であることが分かる。
【0065】
以上の説明において実験結果として示したものは、ランド幅400nm、グルーブ幅400nm、グルーブ深さ35nm、レーザ波長405nm、開口数0.65での条件の下で実験を行った結果であるが、本発明が適用可能となるのは、この条件に限定される訳ではなく、例えば光源1に赤色レーザを用いるDVD−RAM等を含めて、他の組み合わせについても適用可能である。
【0066】
また、図3に示すように反射光の中央部付近において±1次光が重ならないボールパターンとなるような光情報記録媒体については、光ディスク6からの反射光によるボールパターンにおいて±2次光が含まれなくなる。しかしながら、この場合でも、±2次光が反射光の外周部に近接しているため、反射光の外周部では多少その影響を受け、0次光と±1次光が重なる場合と同様に、ボールパターンと中央部と周辺部との受光光量はランド照射時とグルーブとで互いに反対の変化をする。よって、そのような構成でも、上記と受光部5aの幅wをλf/d以下とすることが望ましい。
【0067】
さらに、本発明にかかるトラック判別方法および該トラック判別方法を適用した光情報記録再生装置の変形例について以下に説明する。
【0068】
上述のトラック判別方法では、受光部5における中央部の受光領域5aの出力Aのみをトラック判別信号CTSとして用いているが、さらに受光部5における周辺部の受光領域5b,5cの出力B,Cをもトラック判別信号CTSの演算に用いることによってトラック判別の精度を向上させることができる。
【0069】
つまり、ランド照射時とグルーブ照射時との受光部5上のボールパターンの全光量はほぼ同じであるため、受光領域5aの受光光量が増加しているときには周辺の受光領域5b、5cの受光光量は減少している。したがって、トラック判別信号CTSとして受光領域5aの出力Aから受光領域5b、5cの出力B,Cの差分をとる構成とする。すなわち、
CTS=A−(B+C)
となるような演算を行う。これにより、上述のように、中央部付近の光量変化のみでランド・グルーブ判別を行う場合に比べて、さらにランド照射時とグルーブ照射時との信号出力比を大きくでき、トラック判別をより精度よく行うことが可能となる。
【0070】
また、受光部の分割形態に関しても、本発明は図1に示すものに限定されるものではなく、以下のような変形例が考えられる。
【0071】
例えば、図5に示す受光部5’では、受光領域5aをさらに2つの小受光領域5d,5eに分割している。この時、受光領域5b,5c小受光領域および5d,5eのそれぞれは、光ディスク6からの反射光において発生する回折光の発現方向において、該反射光の中心に対して対称となるように配置される(但し、レンズシフトがない場合)。ここで、小受光領域5d,5eの出力をそれぞれD,Eとした場合、受光部5’を用いた構成では、トラック判別信号CTSには小受光領域5d,5eの出力D,Eの和信号を用い、トラック誤差信号TESには受光領域5b,5cの出力B,Cに加えて小受光領域5d,5eの出力D,Eを用いることができる。すなわち、この場合、トラック判別信号CTSおよびトラック誤差信号TESは、
CTS=D+E
TES=(B+D)−(C+E)
の式によって演算される。尚、図5の受光部5’を用いる構成では、特に光ディスク6のトラックピッチが狭く、0次光と±1次光の重畳部分が少ない場合において、トラック誤差信号TESの検出に有利となる。
【0072】
さらに、図1に示した受光部5では、受光領域5aないし5cの形状が長方形となるような分割を行っているが、分割される各受光領域は特に限定されるものではない。例えば、図6に示す受光部7のように、トラック判別信号CTSの生成に用いる受光領域7aの形状を楕円形状としても良い。尚、受光部7においても、ランド照射時とグルーブ照射時との信号出力比を高めるために、受光領域7aの幅(回折光の発現方向の幅)はλf/dより小さいことが望ましい。
【0073】
以上は一つの受光部5を複数の受光領域に分割した場合について述べてきたが、光ディスク6からの反射ビーム自体を分割し、分割された各ビームを異なる受光部にて検出する構成とすることも可能である。
【0074】
この場合の光情報記録再生装置としては、例えば図13(a)に示すように、光ディスク6からの反射ビームの光量を検出する受光部として3つの受光部51〜53を具備し、ビームスプリッタ3と受光部5との間に回折格子8を設置する。回折格子8は、図13(b)に示すように、スポットの中央に対応する部分8aとその周辺部分8b・8cとで異なる格子パターンを有する。
【0075】
回折格子8を通過する光ディスク6からの反射ビームは、スポットの中央に対応する部分8aとその周辺部分8b・8cとで異なる方向に回折され、回折された各反射ビームは、受光部51〜53のそれぞれに対応する受光素子によって検出される。尚、図13における回折格子8の格子パターンや受光部の分割は、あくまで一例を示すものである。
【0076】
すなわち、回折格子8により反射ビームは3つ(±1次回折光まで考慮の場合)に分割されるが、該回折格子8の中央部と周辺部とで格子パターンが異なるため、中央部と周辺部とでは異なる方向に回折される。異なる方向に回折された光はそれぞれ対応する受光素子により受光され、ランド・グルーブ判別に使用される。尚、受光部51〜53について、51が中央部、52と53が周辺部という対応は特に無い。
【0077】
【発明の効果】
本発明の光情報記録再生装置は、以上のように、光源から出射される光を光情報記録媒体の記録面に照射し、その反射光を光検出手段にて受光し、該光検出手段の出力結果に基づいて光情報記録媒体上に照射される光の集光スポットが該光情報記録媒体のランド上にあるかグルーブ上にあるかを判別するトラック判別の機能を有する光情報記録再生装置において、上記光検出手段は、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近の光を受光し、かつ、該反射光の周辺部を一部含まないトラック判別用受光領域を有しており、上記トラック判別用受光領域における受光光量の検出結果を用いて、上記トラック判別を行う構成である。
【0078】
それゆえ、ランド・グルーブ記録方式を採用した光情報記録媒体において、反射光の中央部ではランド照射時とグルーブ照射時とで光強度が大きく異なるといった知見を用いてトラック判別を行うことで、従来の方法では正確なトラック判別が行えなかったランド・グルーブ記録方式を採用した光情報記録媒体についてもトラック判別を行うことができるといった効果を奏する。
【0079】
また、上記光情報記録再生装置では、上記トラック判別用受光領域は、光情報記録媒体の反射光において発生する0次回折光および±1次回折光が重なり合う重畳部分の少なくとも一部の光を受光する構成とすることが好ましい。
【0080】
それゆえ、トラック判別用受光領域は、ランド照射時とグルーブ照射時とで光強度の変化が大きく現れる0次回折光および±1次回折光が重なり合う重畳部分の受光光量を検出でき、精度の高いトラック判別を行うことができるといった効果を奏する。
【0081】
また、上記光情報記録再生装置では、上記光検出手段は、トラック判別用受光領域を除く領域をさらに2つのトラックサーボ用受光領域として備えていると共に、上記トラック判別用受光領域がさらに2つの小受光領域に分割されており、上記2つのトラックサーボ用受光領域および上記2つの小受光領域のそれぞれは、光情報記録媒体の反射光において発生する回折光の発現方向において、該反射光の中心に対して対称となるように配置されており、上記反射光の中心に対して同じ側にある一方のトラックサーボ用受光領域と一方の小受光領域の出力との和と、他方のトラックサーボ用受光領域と他方の小受光領域との出力の和とにおける受光光量の差に基づいて、トラックサーボ制御を行う構成とすることができる。
【0082】
それゆえ、トラックサーボ用のトラック誤差信号の検出において、光検出手段における全出力を用いることができ、特に光情報記録媒体のトラックピッチが狭く、0次光と±1次光の重畳部分が少ない場合において、トラック誤差信号の検出に有利となるといった効果を奏する。
【0083】
また、上記光情報記録再生装置では、上記光検出手段は、トラック判別用受光領域を除く領域を周辺受光領域として有しており、上記トラック判別用受光領域における出力と上記周辺受光領域における出力との差を用いて、上記トラック判別を行う構成とすることができる。
【0084】
それゆえ、トラック判別用受光領域における出力と周辺受光領域における出力との差を用いてトラック判別を行うことで、ランド照射時とグルーブ照射時との出力比はトラック判別用受光領域における出力のみを用いる場合に比べて大きくなり、より精度の高いトラック判別が可能となるといった効果を奏する。
【0085】
また、上記光情報記録再生装置では、上記トラック判別用受光領域において、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光における回折光が発現する方向の幅wは、光源の波長をλ、該光情報記録媒体のトラックピッチをd、対物レンズの焦点距離をfとした場合、
w≦λf/d
を満たす構成とすることが好ましい。
【0086】
それゆえ、トラック判別用受光領域の出力において、ランド照射時とグルーブ照射時との出力比が安定して高いレベルとなり、信頼性の高いトラック判別が可能となるといった効果を奏する。
【0087】
また、本発明のトラック判別方法は、以上のように、光情報記録媒体への情報の記録または再生時に、該光情報記録媒体の記録面上に照射される光の集光スポットが該光情報記録媒体のランド上にあるかグルーブ上にあるかを判別するトラック判別方法において、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近のみを含み、該反射光の端部を一部含まないトラック判別用受光領域の光を受光して、その受光光量を検出し、受光した領域の受光光量の検出結果を用いて、上記トラック判別を行う構成である。
【0088】
それゆえ、ランド・グルーブ記録方式を採用した光情報記録媒体において、反射光の中央部ではランド照射時とグルーブ照射時とで光強度が大きく異なるといった知見を用いてトラック判別を行うことで、従来の方法では正確なトラック判別が行えなかったランド・グルーブ記録方式を採用した光情報記録媒体についてもトラック判別を行うことが可能となるといった効果を奏する。
【0089】
また、上記トラック判別方法では、さらに、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近を含まず、該反射光の周辺部の少なくとも一部を含む周辺受光領域の光を受光して、その受光光量を検出し、上記トラック判別用受光領域における受光光量と上記周辺受光領域における受光光量との差を用いて、上記トラック判別を行う構成とすることができる。
【0090】
それゆえ、トラック判別を行う場合のランド照射時とグルーブ照射時との出力比が、トラック判別用受光領域における出力のみを用いる場合に比べて大きくなり、より精度の高いトラック判別が可能となるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、図1(a)は受光部の形態およびグルーブ照射時のボールパターンの受光光量分布を示す平面図であり、図1(b)は受光部の形態およびランド照射時のボールパターンの受光光量分布を示す平面図である。
【図2】本実施の形態にかかる光情報記録再生装置の概略構成を示す図である。
【図3】上記受光部において1次回折光が重畳していない場合のボールパターンの受光状態を示す平面図である。
【図4】上記受光部における中央部付近の受光領域の幅と、ランド照射時とグルーブ照射時との中央部付近の受光領域の信号出力比との関係を表すグラフである。
【図5】本発明における受光部の分割の変形例を示す平面図である。
【図6】本発明における受光部の分割の他の変形例を示す平面図である。
【図7】従来例における受光部を示す平面図である。
【図8】図7に示す上記受光部からのトラック誤差信号を示す波形図である。
【図9】グルーブ記録方式の光ディスクへの照射状態を示すものであり、図9(a)はランド照射時を示す断面図、図9(b)はグルーブ照射時を示す断面図である。
【図10】光ディスクに照射したときの回折光を示すものであり、図10(a)はグルーブ記録方式の光ディスクへの照射時を示す図、図10(b)はランド・グルーブ記録方式の光ディスクへの照射時を示す図である。
【図11】ランド・グルーブ記録方式の光ディスクを照射した場合の反射光におけるボールパターンを示す図である。
【図12】ランドおよびグルーブの幅が狭く設定されているランド・グルーブ記録方式の光ディスクを照射した場合の反射光におけるボールパターンを示す図である。
【図13】図13(a)は本実施の形態にかかる光情報記録再生装置の図2とは異なる例を示す図であり、図13(b)は該光情報記録再生装置で用いられる回折格子の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 光源
4 対物レンズ
5 受光部(光検出手段)
5a 受光領域(トラック判別用受光領域)
5b 受光領域(トラックサーボ用受光領域、周辺受光領域)
5c 受光領域(トラックサーボ用受光領域、周辺受光領域)
5d 受光領域(小受光領域)
5e 受光領域(小受光領域)
6 光ディスク(光情報記録媒体)
7a 受光領域(トラック判別用受光領域)
【発明の属する技術分野】
本発明は、本発明は、光情報記録媒体に対して光による情報の記録または再生の少なくとも一方を行う光情報記録再生装置に関し、特に、光情報記録媒体上の集光スポットがランドとグルーブのいずれに位置しているかを判別するトラック判別が可能な光情報記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスク等の光情報記録媒体を用いて、光学的に情報の記録および再生の少なくとも一方を行う光情報記録再生装置が種々実用化されている。中でも、光ディスクを光情報記録媒体とする光ディスク装置の普及は著しく、その高記録密度化が進められている。例えば、記録再生が可能なディスクとしては、既にMD(Mini−Disk)等が実用化されている。
【0003】
MD等の記録再生が可能な光ディスクにおいては、透明基板に記録面が形成されており、対物レンズを経て光ディスクに照射された光が透明基板を経て記録面上で集光されるようになっている。記録面には、トラック案内構造としてグルーブとランドとが形成されており、これらを利用してトラックサーボ制御が行われるようになっている。
【0004】
トラックサーボ制御では、まずトラック誤差信号TESを検出する。例えばプッシュプル法によりトラック誤差信号TESを検出する場合は、図7に示すように、光ディスクに照射された光の反射光を受光部100によって受光する。受光部100は、2つの受光領域100x,100yに分割されており、該受光領域100x,100yのそれぞれの出力をX,Yとした場合、トラック誤差信号TESは、出力X,Yの差信号から検出される。すなわち、トラック誤差信号TESは、
TES=X−Y
の式によって表される。
【0005】
そして、上述のように検出されたトラック誤差信号TESが0となるようにトラックサーボ制御が行われる。このため、上記受光部100では、光ディスクに照射される光の集光スポットが、光ディスクの記録面に形成されたランド上もしくはグルーブ上にある場合に、受光領域100x,100yでの受光量が等しくなるように設定されている。尚、図7は、集光スポットがランド上もしくはグルーブ上にある時の受光部100の受光状態を示している。これにより、図8に示すように、トラック誤差信号TESは、集光スポットがランド上もしくはグルーブ上にある場合にのみ、その信号レベルが0となる。
【0006】
しかしながら、図8にも示すように、トラック誤差信号TESが0となる位置は、集光スポットがランド上にある場合とグルーブ上にある場合との2通りの場合がある。このため、トラック誤差信号TESのみからは集光スポットがランド上にあるのか、もしくはグルーブ上にあるのかといった判別はできない。そこで、通常は、トラック判別信号(あるいはクロストラック信号とも呼ばれる)CTSを用いて、集光スポットがランド上またはグルーブ上の何れにあるかを判別している。
【0007】
以下に、MD等に採用されている、情報をグルーブのみに記録するグルーブ記録方式におけるトラック判別信号CTSについて説明する。
【0008】
この場合、トラック判別信号CTSとして図7に示す受光部100から出力された信号の総和SUM(以後、和信号という)を使用する。図7の構成では、受光部100は2つの受光領域100x,100yに分割されており、和信号SUMは、
SUM=X+Y
の式によって表される。
【0009】
グルーブ記録方式の場合には、グルーブ幅がランド幅よりも広いことから、和信号SUMは、集光スポットがランド上にある場合とグルーブ上にある場合とで大きく異なり、グルーブ上にある場合の和信号SUMの方が大きくなる。すなわち、グルーブ記録方式の光ディスクでは、記録再生性能を向上させるため、ランドの幅よりグルーブの幅の方が非常に大きく設定されている。したがって、ランド上に集光スポットがある場合(図9(a)参照)よりも、グルーブ上に集光スポットがある場合(図9(b)参照)の方が光ディスクからの反射光量が大きくなる。
【0010】
したがって、トラック誤差信号TESが0となる場合に、和信号SUM(すなわち、トラック判別信号CTS)の大小により、集光スポットがランド上またはグルーブ上の何れにあるかといったトラック判別が可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、近年では、光ディスクにおける記録密度を高くするために、ランドおよびグルーブの双方に情報を記録するランド・グルーブ記録方式の開発がDVD−RAM等で行われている。このランド・グルーブ記録方式では、ランドおよびグルーブの双方に、ある程度幅を持たせるために両者の幅をほぼ等しくするようになっている。
【0012】
そして、トラック判別信号CTSとして受光部100からの出力の和信号SUMを用いる従来の構成では、グルーブ幅およびランド幅の大きさが異なる場合には上述のトラック判別が可能であるが、ランド・グルーブ記録方式のようにグルーブ幅およびランド幅の大きさがほぼ等しい場合には正確なトラック判別が困難になるといった問題がある。
【0013】
図10(a)にグルーブ記録方式の光ディスクにレーザ光を照射した時の反射光を示し、図10(b)にランド・グルーブ記録方式の光ディスクにレーザ光を照射した時の反射光を示す。これらの反射光は回折光(図中では、0〜±2次光を記載)として現れるものであり、この回折光が受光部100で重なった状態で受光されたものをボールパターン(図7参照)と呼ぶ。
【0014】
グルーブ記録方式の光ディスクにおけるボールパターンでは、回折光が比較的離れて発生している(図10(a)参照)ことにより、図7に示すように、0次光に±1次光のみが重なったものとなる。また、上記ボールパターンにおいて±1次光同士は重ならない。
【0015】
一方、ランド・グルーブ記録方式におけるボールパターンでは、回折光が比較的接近して発生している(図10(b)参照)ことにより、図11に示すように、0次光に±1次光および±2次光が重なったものとなる。また、上記ボールパターンにおいて±1次光同士も重なっている。
【0016】
グルーブ記録方式においては、ランドとグルーブでトラック幅が明確に異なるため、和信号SUMは集光スポットがランド上にある場合とグルーブ上にある場合とで差が明確となり、上述のトラック判別が可能となる。しかしながら、ランドとグルーブの幅がほぼ等しいランド・グルーブ記録方式においては、ランドとグルーブでトラック幅がほぼ等しいため、和信号SUMは、集光スポットがランド上にある場合とグルーブ上にある場合とでほぼ等しくなっており、ランド上とグルーブ上とで信号強度の差があまり見られない。
【0017】
また、ランド・グルーブ記録方式でも、ランドとグルーブとの幅がさらに狭くなった場合には、図12に示すように、ボールパターンにおいて0次光に±1次光のみが重なり合った状態となることがある(1次光同士は近接する)。この場合においても、ランドとグルーブでトラック幅はほぼ等しいため、和信号SUMは、集光スポットがランド上にある場合とグルーブ上にある場合とでほぼ等しいものとなる。
【0018】
したがって、上記従来技術に記載の方法でトラック判別信号CTSを生成する場合、ランド・グルーブ記録方式においては、該トラック判別信号CTSから集光スポットがランド上またはグルーブ上の何れにあるかといったトラック判別を適切に行うことは困難となる。その結果、特に、外部記憶装置や業務用映像記録・編集装置等の用途において頻繁に行われる高速シーク動作時に、所定のトラックに一度でアクセスすることが困難となり、アクセス速度が遅くなるといった問題が生じる。
【0019】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ランド幅とグルーブ幅とがほぼ等しく形成される光ディスク(すなわち、ランド・グルーブ記録方式)において、簡単な構成で正確かつ迅速なトラック判別を行うことができる光情報記録再生装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の光情報記録再生装置は、上記の課題を解決するために、光源から出射される光を光情報記録媒体の記録面に照射し、その反射光を光検出手段にて受光し、該光検出手段の出力結果に基づいて光情報記録媒体上に照射される光の集光スポットが該光情報記録媒体のランド上にあるかグルーブ上にあるかを判別するトラック判別の機能を有する光情報記録再生装置において、上記光検出手段は、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近の光を受光し、かつ、該反射光の周辺部を一部含まないトラック判別用受光領域を有しており、上記トラック判別用受光領域における受光光量の検出結果を用いて、上記トラック判別を行うことを特徴としている。
【0021】
光情報記録媒体の記録または再生時において、該光情報記録媒体に照射される光が記録面によって反射され、その反射光が光検出手段によって受光され検出される。上記光検出手段は、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近の光を受光し、かつ、該反射光の周辺部を一部含まないトラック判別用受光領域を有している。このため、トラック判別用受光領域の出力により反射光の中央付近の光強度(受光光量)のみを検出できる。
【0022】
ここで、上記光情報記録媒体がランド・グルーブ記録方式を採用したものである場合、反射光における全光量はランド照射時とグルーブ照射時とでほとんど変化がないため、全光量を用いてトラック判別を行う従来の方法では正確なトラック判別が行えない。
【0023】
これに対し、上記の構成の光情報記録再生装置は、ランド・グルーブ記録方式を採用した光情報記録媒体において、反射光の中央部ではランド照射時とグルーブ照射時とで光強度が大きく異なるといった知見を用いてトラック判別を行う。例えば、トラック判別用受光領域の出力により反射光の中央付近の光強度の大小を判定することによってトラック判別を行うことができる。
【0024】
尚、本発明にかかる光情報記録再生装置は、光情報記録媒体に対する情報の記録機能および光情報記録媒体に記録されている情報の再生機能の少なくとも一方を有するものであり、これら両方の機能を有するものには限定されない。
【0025】
また、上記光情報記録再生装置では、上記トラック判別用受光領域は、光情報記録媒体の反射光において発生する0次回折光および±1次回折光が重なり合う重畳部分の少なくとも一部の光を受光する構成とすることが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、トラック判別用受光領域は、ランド照射時とグルーブ照射時とで光強度の変化が大きく現れる0次回折光および±1次回折光が重なり合う重畳部分の受光光量を検出するため、精度の高いトラック判別を行うことができる。
【0027】
また、上記光情報記録再生装置では、上記光検出手段は、トラック判別用受光領域を除く領域をさらに2つのトラックサーボ用受光領域として備えていると共に、上記トラック判別用受光領域がさらに2つの小受光領域に分割されており、上記2つのトラックサーボ用受光領域および上記2つの小受光領域のそれぞれは、光情報記録媒体の反射光において発生する回折光の発現方向において、該反射光の中心に対して対称となるように配置されており、上記反射光の中心に対して同じ側にある一方のトラックサーボ用受光領域と一方の小受光領域の出力との和と、他方のトラックサーボ用受光領域と他方の小受光領域との出力の和とにおける受光光量の差に基づいて、トラックサーボ制御を行う構成とすることができる。
【0028】
上記の構成によれば、上記光検出手段の出力を用いてプッシュプル法によるトラックサーボ制御を行うことができる。この際、上記トラックサーボ制御を行うために用いる出力として、トラックサーボ用受光領域からの出力以外に、トラック判別用受光領域を分割した小受光領域の出力をも使用できる。これにより、トラックサーボ用のトラック誤差信号の検出において、光検出手段における全出力を用いることができ、特に光情報記録媒体のトラックピッチが狭く、0次光と±1次光の重畳部分が少ない場合において、トラック誤差信号の検出に有利となる。
【0029】
また、上記光情報記録再生装置では、上記光検出手段は、トラック判別用受光領域を除く領域を周辺受光領域として有しており、上記トラック判別用受光領域における出力と上記周辺受光領域における出力との差を用いて、上記トラック判別を行う構成とすることができる。
【0030】
上記の構成によれば、トラック判別用受光領域の出力はランド照射時とグルーブ照射時とでその出力が異なるが、反射光における全光量はランド照射時とグルーブ照射時とでほとんど変化がないため、上記周辺受光領域における出力もランド照射時とグルーブ照射時とでその出力が異なり、その変化の向きはトラック判別用受光領域の出力と逆になる。
【0031】
このため、トラック判別用受光領域における出力と周辺受光領域における出力との差を用いてトラック判別を行う場合、ランド照射時とグルーブ照射時との出力比はトラック判別用受光領域における出力のみを用いる場合に比べて大きくなり、より精度の高いトラック判別が可能となる。
【0032】
また、上記光情報記録再生装置では、上記トラック判別用受光領域において、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光における回折光が発現する方向の幅wは、光源の波長をλ、該光情報記録媒体のトラックピッチをd、対物レンズの焦点距離をfとした場合、
w≦λf/d
を満たす構成とすることが好ましい。
【0033】
上記の構成によれば、トラック判別用受光領域の出力において、ランド照射時とグルーブ照射時との出力比が安定して高いレベルとなり、信頼性の高いトラック判別が可能となる。
【0034】
また、本発明のトラック判別方法は、上記の課題を解決するために、光情報記録媒体への情報の記録または再生時に、該光情報記録媒体の記録面上に照射される光の集光スポットが該光情報記録媒体のランド上にあるかグルーブ上にあるかを判別するトラック判別方法において、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近のみを含み、該反射光の端部を一部含まないトラック判別用受光領域の光を受光して、その受光光量を検出し、受光した領域の受光光量の検出結果を用いて、上記トラック判別を行うことを特徴としている。
【0035】
上記の構成によれば、ランド・グルーブ記録方式を採用した光情報記録媒体において、反射光の中央部ではランド照射時とグルーブ照射時とで光強度が大きく異なるといった知見を用いてトラック判別を行うことで、従来の方法では正確なトラック判別が行えなかったランド・グルーブ記録方式を採用した光情報記録媒体についてもトラック判別を行うことが可能となる。
【0036】
また、上記トラック判別方法では、さらに、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近を含まず、該反射光の周辺部の少なくとも一部を含む周辺受光領域の光を受光して、その受光光量を検出し、上記トラック判別用受光領域における受光光量と上記周辺受光領域における受光光量との差を用いて、上記トラック判別を行う構成とすることができる。
【0037】
上記の構成によれば、トラック判別を行う場合のランド照射時とグルーブ照射時との出力比が、トラック判別用受光領域における出力のみを用いる場合に比べて大きくなり、より精度の高いトラック判別が可能となる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0039】
本実施の形態に係る光情報記録再生装置の概略構成を図2を参照して説明する。光情報記録再生装置は、光ディスク(光情報記録媒体)6に対して情報の記録または再生を行うものであり、図2に示すように、光源1、コリメータレンズ2、ビームスプリッタ3、対物レンズ4、および受光部5を備えている。上記光情報記録再生装置では、光源1から出射された記録光または再生光はコリメータレンズ2によって平行光にされた後、ビームスプリッタ3によって反射され、対物レンズ4によって光ディスク6記録面に集光される。光ディスク6からの反射光は、ビームスプリッタ3を透過し、受光部5によって受光される。
【0040】
光ディスク6では、ランドとグルーブとの双方に記録を行うランド・グルーブ記録方式が採用されている。ランド・グルーブ記録方式の光ディスク6では、ランドまたはグルーブのうち一方のみを記録に用いるグルーブ記録方式とは異なり、ランドおよびグルーブの双方にある程度広い幅をもたせる必要があるため、両者の幅をほぼ等しくするようになっていることは既に述べたとおりである。
【0041】
そのため、ランド・グルーブ記録方式の光ディスク6では、そのトラックピッチが広がり、トラック案内構造であるランドおよびグルーブにより発生する回折光の回折角が小さくなる。回折角が小さくなると受光部5上のボールパターンの±1次光が互いに近付き、特にDVD−RAM等では、受光部5上のボールパターンには1次光同士が重なり合う重畳部分、および1次光と2次光とが重なり合う重畳部分ができる(図11参照)。
【0042】
図11に示すようなランド・グルーブ記録方式の光ディスク6に対するボールパターンにおいては、集光スポットが光ディスク6のランド上にある場合とグルーブ上にある場合とで、1次光同士が重なり合う重畳部分および1次光と2次光とが重なり合う重畳部分はほぼ同様に発生し、ボールパターン全体としての受光光量もほぼ同じである。
【0043】
しかしながら、本願発明者らが鋭意検討を行った結果、ランド・グルーブ記録方式の光ディスク6においては、受光部5上のボールパターン内の光量分布がランド照射時(記録再生時)とグルーブ照射時とで大きく変化するといった知見が得られた。本発明は、集光スポットが光ディスク6のランド上にあるかグルーブ上にあるかのトラック判別を、上述の知見を用いて行う方法を提供するものである。本発明のトラック判別方法について以下に詳細に説明する。
【0044】
図1(a)および図1(b)のそれぞれに、集光スポットがグルーブ上にある場合のボールパターンと集光スポットがランド上にある場合のボールパターンとを示す。これらのボールパターンは、回折光の重なり具合によって以下の3つの部分に分けられる。すなわち、0次光のみの非重畳部分11、0次光と1次光が重なり合う重畳部分12、および0次光と1次光と2次光とが重なり合う重畳部分13がある。
【0045】
これらボールパターンの光量分布の変化について、ランド幅400nm、グルーブ幅400nm、グルーブ深さ35nmのランド・グルーブ記録ディスクを用い、レーザ波長405nm、開口数0.65の光学系を用いて詳細に調べた。
【0046】
その結果、図1(a)に示すようにグルーブ照射時の受光部5上でのボールパターンは、0次光と1次光とが重畳する重畳部分12において受光光量が大きくなり、0次光と1次光と2次光とが重畳する重畳部分13において受光光量が小さくなることが分かった。一方、図2(b)に示すようにランド照射時の受光部5上でのボールパターンは、0次光と1次光とが重畳する重畳部分12において受光光量が小さくなり、0次光と1次光と2次光とが重畳する重畳部分13において受光光量が大きくなることが分かった。
【0047】
このボールパターンがランド照射時とグルーブ照射時で異なる原因については、ランドとグルーブとで偏光特性が異なることが考えられる。尚、図1(a),(b)では、各重畳部分および非重畳部分での受光光量が明確に変化しているように記載しているが、これは説明を容易にするためであり、実際には重畳部分12から重畳部分13にかけての受光光量は徐々に変化しているものである。
【0048】
このように、集光スポットのランド照射時とグルーブ照射時とでは、受光部5上のボールパターンにおいて受光光量の分布に違いが生じており、特に受光部5の中央部付近にて明暗の差が生じる。本実施の形態にかかるトラック判別方法では、このボールパターンの中央部での明暗の差を利用して集光スポットがランド上にある場合とグルーブ上にある場合とを判別するようになっている。
【0049】
具体的には、上記トラック判別方法を適用した本実施の形態にかかる光情報記録再生装置では、受光部5が3つの受光領域5a〜5cに分割されている。受光領域5a〜5cの分割方向は、回折光が発現する方向(図1中のX方向)に対応している。
【0050】
受光領域5aは受光部5の中央に位置し、集光スポットが光ディスク6のランド上またはグルーブ上にある場合に、ボールパターンの中央部の受光光量を検出する。上記受光領域5aは、重畳部分12のうち、少なくと±1次光同士が重畳する重畳部分12aを含むように設定されることが好ましい。また、受光領域5b,5cは受光部5の両側に位置し、集光スポットが光ディスク6のランド上またはグルーブ上にある場合に、ボールパターンの周辺部の受光光量を検出する。言い換えれば、受光領域5aは主にボールパターンにおける重畳部分12の光量を検出するものであり、受光領域5b,5cは主にボールパターンにおける重畳部分13の光量を検出するものである。
【0051】
上記受光部5での検出結果を用いてトラック判別を行う手順を以下に説明する。トラック判別を行うにあたっては、先ず、トラックサーボ制御によって集光スポットが光ディスク6のランド上もしくはグルーブ上に追随させられている必要がある。
【0052】
トラックサーボ制御では、従来と同じくプッシュプル法を用いることができる。プッシュプル法によるトラックサーボ制御では、まずトラック誤差信号TESを以下のように検出する。受光領域5a,5b,5cのそれぞれの出力をA,B,Cとした場合、トラック誤差信号TESは出力B,Cの差信号から検出される。すなわち、トラック誤差信号TESは、
TES=B−C
の式によって表される。
【0053】
次に、集光スポットがランド上にあるかグルーブ上にあるかのトラック判別については、上記トラック誤差信号TESが0となるときに、受光領域5aの出力Aをそのままトラック判別信号CTSとして用いる。このトラック判別信号CTSの大小を検出することにより、トラック判別が可能となる。
【0054】
図1(a),(b)において説明したように、ボールパターンの中央付近における受光部5aの出力Aは、グルーブ照射時よりランド照射時の方が小さくなる。このため、トラック判別信号CTS(すなわち出力A)が大きい場合はグルーブ上に集光スポットがあり、小さい場合はランド上に集光スポットがあると判断することができる。
【0055】
また、上記説明では、受光部5上のボールパターンにおいて、±1次光同士が重なり、さらに該ボールパターン上に±2次光が現れる場合を示している。しかしながら、図12に示したボールパターンのように、ランド・グルーブ記録方式でランドとグルーブとの幅がさらに狭い記録媒体を記録再生する場合には、±1次光同士が近接はするが重ならず、かつ、ボールパターン上に±2次光が現れないボールパターンとなる場合もある。
【0056】
但し、受光部5上のボールパターンが図12に示すようになる場合でも、±1次光同士が近接している部分および±2次光がボールパターン端部に近接している部分では、ランド照射時とグルーブ照射時で光量が変化し、図1に示したボールパターンと同様にボールパターン中央部での受光光量はグルーブ照射時に大きくなりランド照射時に小さくなることがわかった。したがって、図12に示すようなボールパターンとなる場合であっても、図3に示すように、受光部5を図1の場合と同様に3つの受光領域5a〜5cに分割し、中央の分割領域5aの出力Aを用いてトラック判別を行うことが可能である。
【0057】
次に、中央部付近の受光部5aの回折光が発現する方向(X方向)の幅とトラック判別信号CTSの大きさの関係を調べた。その実験結果を図4に示す。
【0058】
図4では、横軸に中央部付近の受光部5aの幅と受光部5上でのビームスポットの直径との比率を、縦軸にグルーブ照射時とランド照射時との受光部5aでの出力比を示している。また、図4においてp1,p2と記載しているのは、それぞれ図1(a),(b)で1次光の円周部の位置P1および2次光の円周部の位置P2に受光部5aの端部が一致する幅となる場合の比率を表している。p1およびp2の値は、それぞれ次式により計算される。
【0059】
p1=1−λ/(d・NA)
p2=2λ/(d・NA)−1
ここで、λはレーザ波長を、dはトラックピッチ(=ランド幅+グルーブ幅)を、NAは開口数を表す。また、図4においてp3と記載しているのは、p1およびp2の平均値である。
【0060】
上式より、この実験時(λ=405nm、d=800nm、NA=0.65)にはp1が22.1%、p2が55.8%となる。次に、図4より、受光部5aの幅がp1およびp2の平均値p3以下の値に設定された場合、受光部5aの出力Aにおけるグルーブ照射時とランド照射時との出力比が、高い水準でほぼ一定していることが分かる。この場合の受光部5aの出力比は常に1.4以上となっており、上記出力Aはトラック判別信号CTSとして好適に用いられる十分なレベルを有している。
【0061】
一方、受光部5aの幅が上記p3よりも大きい値に設定されると、受光部5aの幅が大きくなるに従って、グルーブ照射時とランド照射時とにおける受光部5aの出力比が小さくなることが分かる。これより、受光部5aの幅は、受光部5aの出力Aから良好なトラック判別信号CTSを得るために、p3以下に設定されることが好ましいといえる。
【0062】
ここで、上記p3はp1とp2の平均値であることから、
p3=(p1+p2)/2
=λ/(2d・NA)
として表される。すなわち、受光部5aの幅と受光部5上に発生するボールパターンの直径との比率が、λ/(2d・NA)で計算される比率以下となることが好ましい。言い換えれば、受光部5aの幅wが次式を満たす値となることが好ましい。
【0063】
w≦p3×2r=λf/d
ここで、rは対物レンズ4の半径、fは対物レンズ4の焦点距離である。
【0064】
上記図4に示した例について、トラック判別信号CTSとして従来の方法である受光部5全体の和信号SUMを用いた場合と比較する。従来の方法によるトラック判別信号CTS、すなわち和信号SUMの出力は、図4において横軸が100%のときに相当する。その結果、従来の方法によるトラック判別信号CTSではグルーブ照射時にランド照射時の1.06倍の出力しか得られず、トラック判別が困難であることが分かる。
【0065】
以上の説明において実験結果として示したものは、ランド幅400nm、グルーブ幅400nm、グルーブ深さ35nm、レーザ波長405nm、開口数0.65での条件の下で実験を行った結果であるが、本発明が適用可能となるのは、この条件に限定される訳ではなく、例えば光源1に赤色レーザを用いるDVD−RAM等を含めて、他の組み合わせについても適用可能である。
【0066】
また、図3に示すように反射光の中央部付近において±1次光が重ならないボールパターンとなるような光情報記録媒体については、光ディスク6からの反射光によるボールパターンにおいて±2次光が含まれなくなる。しかしながら、この場合でも、±2次光が反射光の外周部に近接しているため、反射光の外周部では多少その影響を受け、0次光と±1次光が重なる場合と同様に、ボールパターンと中央部と周辺部との受光光量はランド照射時とグルーブとで互いに反対の変化をする。よって、そのような構成でも、上記と受光部5aの幅wをλf/d以下とすることが望ましい。
【0067】
さらに、本発明にかかるトラック判別方法および該トラック判別方法を適用した光情報記録再生装置の変形例について以下に説明する。
【0068】
上述のトラック判別方法では、受光部5における中央部の受光領域5aの出力Aのみをトラック判別信号CTSとして用いているが、さらに受光部5における周辺部の受光領域5b,5cの出力B,Cをもトラック判別信号CTSの演算に用いることによってトラック判別の精度を向上させることができる。
【0069】
つまり、ランド照射時とグルーブ照射時との受光部5上のボールパターンの全光量はほぼ同じであるため、受光領域5aの受光光量が増加しているときには周辺の受光領域5b、5cの受光光量は減少している。したがって、トラック判別信号CTSとして受光領域5aの出力Aから受光領域5b、5cの出力B,Cの差分をとる構成とする。すなわち、
CTS=A−(B+C)
となるような演算を行う。これにより、上述のように、中央部付近の光量変化のみでランド・グルーブ判別を行う場合に比べて、さらにランド照射時とグルーブ照射時との信号出力比を大きくでき、トラック判別をより精度よく行うことが可能となる。
【0070】
また、受光部の分割形態に関しても、本発明は図1に示すものに限定されるものではなく、以下のような変形例が考えられる。
【0071】
例えば、図5に示す受光部5’では、受光領域5aをさらに2つの小受光領域5d,5eに分割している。この時、受光領域5b,5c小受光領域および5d,5eのそれぞれは、光ディスク6からの反射光において発生する回折光の発現方向において、該反射光の中心に対して対称となるように配置される(但し、レンズシフトがない場合)。ここで、小受光領域5d,5eの出力をそれぞれD,Eとした場合、受光部5’を用いた構成では、トラック判別信号CTSには小受光領域5d,5eの出力D,Eの和信号を用い、トラック誤差信号TESには受光領域5b,5cの出力B,Cに加えて小受光領域5d,5eの出力D,Eを用いることができる。すなわち、この場合、トラック判別信号CTSおよびトラック誤差信号TESは、
CTS=D+E
TES=(B+D)−(C+E)
の式によって演算される。尚、図5の受光部5’を用いる構成では、特に光ディスク6のトラックピッチが狭く、0次光と±1次光の重畳部分が少ない場合において、トラック誤差信号TESの検出に有利となる。
【0072】
さらに、図1に示した受光部5では、受光領域5aないし5cの形状が長方形となるような分割を行っているが、分割される各受光領域は特に限定されるものではない。例えば、図6に示す受光部7のように、トラック判別信号CTSの生成に用いる受光領域7aの形状を楕円形状としても良い。尚、受光部7においても、ランド照射時とグルーブ照射時との信号出力比を高めるために、受光領域7aの幅(回折光の発現方向の幅)はλf/dより小さいことが望ましい。
【0073】
以上は一つの受光部5を複数の受光領域に分割した場合について述べてきたが、光ディスク6からの反射ビーム自体を分割し、分割された各ビームを異なる受光部にて検出する構成とすることも可能である。
【0074】
この場合の光情報記録再生装置としては、例えば図13(a)に示すように、光ディスク6からの反射ビームの光量を検出する受光部として3つの受光部51〜53を具備し、ビームスプリッタ3と受光部5との間に回折格子8を設置する。回折格子8は、図13(b)に示すように、スポットの中央に対応する部分8aとその周辺部分8b・8cとで異なる格子パターンを有する。
【0075】
回折格子8を通過する光ディスク6からの反射ビームは、スポットの中央に対応する部分8aとその周辺部分8b・8cとで異なる方向に回折され、回折された各反射ビームは、受光部51〜53のそれぞれに対応する受光素子によって検出される。尚、図13における回折格子8の格子パターンや受光部の分割は、あくまで一例を示すものである。
【0076】
すなわち、回折格子8により反射ビームは3つ(±1次回折光まで考慮の場合)に分割されるが、該回折格子8の中央部と周辺部とで格子パターンが異なるため、中央部と周辺部とでは異なる方向に回折される。異なる方向に回折された光はそれぞれ対応する受光素子により受光され、ランド・グルーブ判別に使用される。尚、受光部51〜53について、51が中央部、52と53が周辺部という対応は特に無い。
【0077】
【発明の効果】
本発明の光情報記録再生装置は、以上のように、光源から出射される光を光情報記録媒体の記録面に照射し、その反射光を光検出手段にて受光し、該光検出手段の出力結果に基づいて光情報記録媒体上に照射される光の集光スポットが該光情報記録媒体のランド上にあるかグルーブ上にあるかを判別するトラック判別の機能を有する光情報記録再生装置において、上記光検出手段は、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近の光を受光し、かつ、該反射光の周辺部を一部含まないトラック判別用受光領域を有しており、上記トラック判別用受光領域における受光光量の検出結果を用いて、上記トラック判別を行う構成である。
【0078】
それゆえ、ランド・グルーブ記録方式を採用した光情報記録媒体において、反射光の中央部ではランド照射時とグルーブ照射時とで光強度が大きく異なるといった知見を用いてトラック判別を行うことで、従来の方法では正確なトラック判別が行えなかったランド・グルーブ記録方式を採用した光情報記録媒体についてもトラック判別を行うことができるといった効果を奏する。
【0079】
また、上記光情報記録再生装置では、上記トラック判別用受光領域は、光情報記録媒体の反射光において発生する0次回折光および±1次回折光が重なり合う重畳部分の少なくとも一部の光を受光する構成とすることが好ましい。
【0080】
それゆえ、トラック判別用受光領域は、ランド照射時とグルーブ照射時とで光強度の変化が大きく現れる0次回折光および±1次回折光が重なり合う重畳部分の受光光量を検出でき、精度の高いトラック判別を行うことができるといった効果を奏する。
【0081】
また、上記光情報記録再生装置では、上記光検出手段は、トラック判別用受光領域を除く領域をさらに2つのトラックサーボ用受光領域として備えていると共に、上記トラック判別用受光領域がさらに2つの小受光領域に分割されており、上記2つのトラックサーボ用受光領域および上記2つの小受光領域のそれぞれは、光情報記録媒体の反射光において発生する回折光の発現方向において、該反射光の中心に対して対称となるように配置されており、上記反射光の中心に対して同じ側にある一方のトラックサーボ用受光領域と一方の小受光領域の出力との和と、他方のトラックサーボ用受光領域と他方の小受光領域との出力の和とにおける受光光量の差に基づいて、トラックサーボ制御を行う構成とすることができる。
【0082】
それゆえ、トラックサーボ用のトラック誤差信号の検出において、光検出手段における全出力を用いることができ、特に光情報記録媒体のトラックピッチが狭く、0次光と±1次光の重畳部分が少ない場合において、トラック誤差信号の検出に有利となるといった効果を奏する。
【0083】
また、上記光情報記録再生装置では、上記光検出手段は、トラック判別用受光領域を除く領域を周辺受光領域として有しており、上記トラック判別用受光領域における出力と上記周辺受光領域における出力との差を用いて、上記トラック判別を行う構成とすることができる。
【0084】
それゆえ、トラック判別用受光領域における出力と周辺受光領域における出力との差を用いてトラック判別を行うことで、ランド照射時とグルーブ照射時との出力比はトラック判別用受光領域における出力のみを用いる場合に比べて大きくなり、より精度の高いトラック判別が可能となるといった効果を奏する。
【0085】
また、上記光情報記録再生装置では、上記トラック判別用受光領域において、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光における回折光が発現する方向の幅wは、光源の波長をλ、該光情報記録媒体のトラックピッチをd、対物レンズの焦点距離をfとした場合、
w≦λf/d
を満たす構成とすることが好ましい。
【0086】
それゆえ、トラック判別用受光領域の出力において、ランド照射時とグルーブ照射時との出力比が安定して高いレベルとなり、信頼性の高いトラック判別が可能となるといった効果を奏する。
【0087】
また、本発明のトラック判別方法は、以上のように、光情報記録媒体への情報の記録または再生時に、該光情報記録媒体の記録面上に照射される光の集光スポットが該光情報記録媒体のランド上にあるかグルーブ上にあるかを判別するトラック判別方法において、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近のみを含み、該反射光の端部を一部含まないトラック判別用受光領域の光を受光して、その受光光量を検出し、受光した領域の受光光量の検出結果を用いて、上記トラック判別を行う構成である。
【0088】
それゆえ、ランド・グルーブ記録方式を採用した光情報記録媒体において、反射光の中央部ではランド照射時とグルーブ照射時とで光強度が大きく異なるといった知見を用いてトラック判別を行うことで、従来の方法では正確なトラック判別が行えなかったランド・グルーブ記録方式を採用した光情報記録媒体についてもトラック判別を行うことが可能となるといった効果を奏する。
【0089】
また、上記トラック判別方法では、さらに、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近を含まず、該反射光の周辺部の少なくとも一部を含む周辺受光領域の光を受光して、その受光光量を検出し、上記トラック判別用受光領域における受光光量と上記周辺受光領域における受光光量との差を用いて、上記トラック判別を行う構成とすることができる。
【0090】
それゆえ、トラック判別を行う場合のランド照射時とグルーブ照射時との出力比が、トラック判別用受光領域における出力のみを用いる場合に比べて大きくなり、より精度の高いトラック判別が可能となるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、図1(a)は受光部の形態およびグルーブ照射時のボールパターンの受光光量分布を示す平面図であり、図1(b)は受光部の形態およびランド照射時のボールパターンの受光光量分布を示す平面図である。
【図2】本実施の形態にかかる光情報記録再生装置の概略構成を示す図である。
【図3】上記受光部において1次回折光が重畳していない場合のボールパターンの受光状態を示す平面図である。
【図4】上記受光部における中央部付近の受光領域の幅と、ランド照射時とグルーブ照射時との中央部付近の受光領域の信号出力比との関係を表すグラフである。
【図5】本発明における受光部の分割の変形例を示す平面図である。
【図6】本発明における受光部の分割の他の変形例を示す平面図である。
【図7】従来例における受光部を示す平面図である。
【図8】図7に示す上記受光部からのトラック誤差信号を示す波形図である。
【図9】グルーブ記録方式の光ディスクへの照射状態を示すものであり、図9(a)はランド照射時を示す断面図、図9(b)はグルーブ照射時を示す断面図である。
【図10】光ディスクに照射したときの回折光を示すものであり、図10(a)はグルーブ記録方式の光ディスクへの照射時を示す図、図10(b)はランド・グルーブ記録方式の光ディスクへの照射時を示す図である。
【図11】ランド・グルーブ記録方式の光ディスクを照射した場合の反射光におけるボールパターンを示す図である。
【図12】ランドおよびグルーブの幅が狭く設定されているランド・グルーブ記録方式の光ディスクを照射した場合の反射光におけるボールパターンを示す図である。
【図13】図13(a)は本実施の形態にかかる光情報記録再生装置の図2とは異なる例を示す図であり、図13(b)は該光情報記録再生装置で用いられる回折格子の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 光源
4 対物レンズ
5 受光部(光検出手段)
5a 受光領域(トラック判別用受光領域)
5b 受光領域(トラックサーボ用受光領域、周辺受光領域)
5c 受光領域(トラックサーボ用受光領域、周辺受光領域)
5d 受光領域(小受光領域)
5e 受光領域(小受光領域)
6 光ディスク(光情報記録媒体)
7a 受光領域(トラック判別用受光領域)
Claims (7)
- 光源から出射される光を光情報記録媒体の記録面に照射し、その反射光を光検出手段にて受光し、該光検出手段の出力結果に基づいて光情報記録媒体上に照射される光の集光スポットが該光情報記録媒体のランド上にあるかグルーブ上にあるかを判別するトラック判別の機能を有する光情報記録再生装置において、
上記光検出手段は、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近の光を受光し、かつ、該反射光の周辺部を一部含まないトラック判別用受光領域を有しており、
上記トラック判別用受光領域における受光光量の検出結果を用いて、上記トラック判別を行うことを特徴とする光情報記録再生装置。 - 上記トラック判別用受光領域は、光情報記録媒体の反射光において発生する0次回折光および±1次回折光が重なり合う重畳部分の少なくとも一部の光を受光することを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。
- 上記光検出手段は、トラック判別用受光領域を除く領域をさらに2つのトラックサーボ用受光領域として備えていると共に、上記トラック判別用受光領域がさらに2つの小受光領域に分割されており、
上記2つのトラックサーボ用受光領域および上記2つの小受光領域のそれぞれは、光情報記録媒体の反射光において発生する回折光の発現方向において、該反射光の中心に対して対称となるように配置されており、
上記反射光の中心に対して同じ側にある一方のトラックサーボ用受光領域と一方の小受光領域の出力との和と、他方のトラックサーボ用受光領域と他方の小受光領域との出力の和とにおける受光光量の差に基づいて、トラックサーボ制御を行うことを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。 - 上記光検出手段は、トラック判別用受光領域を除く領域を周辺受光領域として有しており、
上記トラック判別用受光領域における出力と上記周辺受光領域における出力との差を用いて、上記トラック判別を行うことを特徴とする請求項1記載の光情報記録再生装置。 - 上記トラック判別用受光領域において、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光における回折光が発現する方向の幅wは、光源の波長をλ、該光情報記録媒体のトラックピッチをd、対物レンズの焦点距離をfとした場合、
w≦λf/d
を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光情報記録再生装置。 - 光情報記録媒体への情報の記録または再生時に、該光情報記録媒体の記録面上に照射される光の集光スポットが該光情報記録媒体のランド上にあるかグルーブ上にあるかを判別するトラック判別方法において、
上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近のみを含み、該反射光の端部を一部含まないトラック判別用受光領域の光を受光して、その受光光量を検出し、
受光した領域の受光光量の検出結果を用いて、上記トラック判別を行うことを特徴とするトラック判別方法。 - さらに、上記光情報記録媒体の記録面からの反射光の中央付近を含まず、該反射光の周辺部の少なくとも一部を含む周辺受光領域の光を受光して、その受光光量を検出し、
上記トラック判別用受光領域における受光光量と上記周辺受光領域における受光光量との差を用いて、上記トラック判別を行うことを特徴とする請求項6記載のトラック判別方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051004 |