JP2004046116A - 走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】そのために、本発明では、被走査面上で全スポットが主走査方向に占める間隔を、同一光源からなるスポットを通過し、全スポットが占める副走査間隔に亘るよう設定した直線の主走査方向間隔よりも短く設定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走査光学装置、及びそれを用いた画像形成装置に関し、特に高速、高記録密度を達成するために光源手段として複数の発光部を有するマルチ半導体レーザを用いて画像形成を行なうようにした、例えばレーザビームプリンタやデジタル複写機等の装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は各々2つの発光部を有する光源を複数用いた従来のマルチビーム光走査光学系の主走査方向の要部断面図である。
【0003】
同図において、2つの発光点を有するマルチ半導体レーザ91ABから出射した2つの光束は、コリメータレンズ92で略平行光とされ、副走査方向にのみ屈折力を有するシリンドリカルレンズ94によって副走査方向に収束され、更に開口絞り93でその光束を整形し光偏向器であるポリゴンミラー95の偏向面95a近傍において主走査方向に長く伸びた焦線状に結像される。
【0004】
これら2つの光束は、95b方向に一定角速度で回転しているポリゴンミラー95によって反射偏向され、fθ特性を有しレンズ96a、96bによって構成される走査レンズ96により被走査面である感光ドラム面97上にスポット状に各々集光され、矢印97b方向に一定速度で走査される。
【0005】
また、同図で他のマルチ半導体レーザ91CDから射出された光束は、光路合成プリズム98によって光路を偏向面へと折り曲げられ、偏向器95により同様にして被走査面上に集光、走査される。
【0006】
ここでマルチ半導体レーザ91ABと91CDのそれぞれの光軸は、主走査方向に所定の開き角をもって配置され、入射絞り93で光束が略一致するよう設定されている。
【0007】
マルチビーム走査光学装置においては、図8に示すように複数の発光部A,Bを副走査方向に縦に並べて配置してしまうと、感光ドラム面上での副走査方向の複数の走査線の間隔が記録密度よりも大幅に間隔が開いてしまうため、通常は図9に示すように複数の発光点A,Bを副走査方向に対応する方向に対して傾けて配置し、その傾け角度θを調整することにより、感光ドラム面上での副走査方向の複数の走査線の間隔を記録密度に合わせて正確に調整している。
【0008】
そして、ここでは更に発光部C、Dから射出された光束からなる走査線が加わるため、これら4点の発光点からのスポットを図12に示すように感光ドラム面97上で直線上に交互に並ぶように配列させている。
【0009】
交互に配置することで、ポリゴンミラー偏向面95a上で各光束が主走査方向に離間する量を小さくすることにより複数光源からの光束の主走査方向の結像位置のずれを少ない量に抑えている。
【0010】
これは、交互に配列しない場合の主走査方向のビーム占有幅は、2ビームの場合の3倍となるが、交互にビームを配置することで2ビームの場合の1.5倍に抑えられることによる。
【0011】
また、上記主走査方向の結像位置ずれが発生する理由は、特許文献1の8欄〜12欄に詳細が記載されている。
【0012】
ところで、走査光学装置を画像形成装置内部へ配置する際において、感光ドラム面に入射した光束が感光ドラム面の正反射によって光源であるマルチ半導体レーザまで戻ってしまうとレーザ発振が不安定になってしまうことがある。あるいは、その正反射光が、スキャナ内部の光学部品の表面反射等によって再度感光ドラム面に到達し、ゴーストを発生してしまうこともあるので、従来から図10に示すように、感光ドラム面へ入射する光束を感光ドラム面の法線と角度αだけずらして斜入射させて、感光ドラム面からの反射光が再度光学系や光源へ戻らないよう考慮されている。
【0013】
ただ、このような感光ドラムへ斜入射させる構成を取った場合、図11に示すように感光ドラム面上における複数の走査ラインそれぞれの主走査方向の結像位置が異なってしまうという問題点がある。
【0014】
この問題を解決するために、走査レンズに入射させる複数の光束を、収束光束もしくは発散光束とすることによって発生する複数光束の結像位置ずれを利用し相殺する、という手法が特許文献2に開示されている。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−228422号公報
【特許文献2】
特開2001−59945号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
前記提案の方法によれば、複数ビーム間の主走査方向の位置ズレはほぼ完全に補正できる。
【0017】
しかしながら実際の製品では部品加工上の誤差や組立上の配置誤差を伴っており、適正な位置に合わせ込む調整作業に時間がかかってしまう。
【0018】
特に、走査光学装置から射出された光束が結像する位置と、感光ドラム面が一致していない、つまり光軸方向に配置誤差がある場合には前記の効果が発揮されず、スポット径の増大、複数ビームの主走査方向の結像ポイントの差異が発生し画質の劣化を招いてしまう。
【0019】
本発明においてはこれらの問題点に鑑み、特に複数の発光点を有する光源を複数使用するマルチビーム走査光学装置において、走査光学装置とドラム間の配置誤差を伴った状態においても走査線間の主走査方向の結像位置ずれの影響を低減し、高性能な走査光学装置を提供することを目的としている。
【0020】
更に本発明においては、位置調整のための作業項目の削減や、作業時間を低減することでコストダウンを図ることをも目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、
本発明における請求項1の走査光学装置は、各々が複数の発光点を有する複数の光源と、該複数の光源から射出した複数の光束を偏向手段の偏向面に導く第1の光学系と、該偏向手段により偏向された複数の光束を副走査方向に所定の間隔で被走査面上に順次スポットとして結像させる第2の光学系とを有する走査光学装置において、前記被走査面上の副走査方向に沿った各スポットの主走査方向の結像位置は、主走査方向のどちらか同じ方向へ向かって順次配列され、全スポットが主走査方向に占める間隔は、前記複数の光源のうち同一光源からなるスポットを通過し、該全スポットが占める副走査方向の間隔に亘るよう設定した直線の主走査方向の間隔よりも短かことを特徴としている。
【0022】
請求項2記載の走査光学装置は、請求項1記載の走査光学装置において、
前記被走査面上の副走査方向に沿った各スポットの主走査方向の結像位置は、主走査方向のどちらか同じ方向へ向かって順次配列され、なお且つ、副走査方向において、同一光源から射出されたスポット同士の間に他の光源からのスポットが並ぶよう配列されている時、前記複数の光源のうち異なる光源から射出され、且つ配列されたスポットの最も内側の2つのスポットの主走査方向の間隔Lが
W ≧ L > W/n....(1)
W: 前記複数の光源のうち同一光源からのスポットの主走査方向の間隔
n: 前記複数の発光点を有する複数の光源の数で規定されることを特徴としている。
【0023】
請求項3記載の走査光学装置は、請求項1記載の走査光学装置において、
前記被走査面上の副走査方向に沿った各スポットの主走査方向の結像位置は、主走査方向どちらか同じ方向へ向かって順次配列され、なお且つ、副走査方向において、前記複数の光源のうち同一光源から射出されたスポット同士の間に他の光源からのスポットが並ばないよう配列されている時、前記複数の光源のうち異なる光源から射出され、且つ隣り合ったスポットの主走査方向の間隔Lが
W > L ≧ 0....(2)
W: 前記複数の光源のうち同一光源からのスポットの主走査方向の間隔で規定されることを特徴としている。
【0024】
請求項4記載の走査光学装置は、請求項1〜3のいづれか一項記載の走査光学装置において、前記複数の光源から射出された光束を所定の射出方向に偏向する光路変換手段を備えたことを特徴としている。
【0025】
請求項5記載の走査光学装置は、請求項1〜4記載のいづれか一項記載の走査光学装置において、前記光源に複数の発光点を有する半導体レーザを用いたことを特徴としている。
【0026】
請求項6記載の走査光学装置は、請求項1〜5のいづれか一項記載の走査光学装置において、複数の光源の相互の主走査方向におけるスポット間隔が所定の間隔になるよう、各々の光源及び第1の光学系が主走査方向に開き角を成して配置されたことを特徴としている。
【0027】
請求項7記載の走査光学装置は、請求項1乃至6のいづれか一項記載の走査光学装置において、複数の光源の相互の主走査方向におけるスポット間隔が所定の間隔になるよう、前記複数の光源のうち少なくとも一つの光源を第2の光学系の光軸に対し主走査方向で一致しない位置に配置したことを特徴としている。
【0028】
請求項8記載の走査光学装置は、請求項4記載の走査光学装置において、光路変換手段は、複数のプリズムを張り合わせた合成プリズムを使用したことを特徴としている。
【0029】
請求項9記載の走査光学装置は、請求項8記載の走査光学装置において、光路変換手段におけるプリズムの頂角が、前記被走査面上での複数の光源の相互の主走査方向のスポット間隔が所望の間隔になるよう設定されることを特徴としている。
【0030】
請求項10記載の走査光学装置は、請求項4記載の走査光学装置において、光路変換手段は反射機能を有する平面部材を用いたことを特徴としている。
【0031】
請求項11記載の走査光学装置は、請求項1〜10のいづれか一項記載の走査光学装置において、偏向手段の偏向面近傍の光路中に絞りを配置したことを特徴としている。
【0032】
請求項12記載の走査光学装置は、少なくとも3つの光束を偏向手段の偏向面に導く第1の光学系と、該偏向手段により偏向された少なくとも3つの光束を副走査方向に所定の間隔で被走査面上に順次スポットとして結像させる第2の光学系とを有する走査光学装置において、
前記被走査面上の副走査方向に沿った各スポットの主走査方向の結像位置は、主走査方向のどちらか同じ方向へ向かって順次配列され、全スポットが主走査方向に占める間隔は、該全スポットを一直線上に並べた仮想直線の全スポットの両端のスポットの主走査方向の間隔よりも短かいことを特徴としている。
【0033】
請求項13記載の走査光学装置は、請求項12に記載の走査光学装置において、少なくとも3つの光束の発光点は同一基板上に設けられているモノリシック光源を備えたことを特徴としている。
【0034】
請求項14記載の走査光学装置は、請求項12記載の走査光学装置において、少なくとも3つの光束の発光点は異なる基板上に設けられているハイブリッド光源を備えたことを特徴としている。
【0035】
請求項15記載の走査光学装置は、請求項1〜14のいづれか一項記載の走査光学装置において、第1の光学系は、前記複数の光束を収束光束に変換する機能を備えていることを特徴としている。
【0036】
請求項16記載の画像形成装置は、請求項1〜15のいずれか一項に記載の走査光学装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記走査光学装置で走査された光束によって前記感光体上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、前記現像されたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着器とから成ることを特徴としている。
【0037】
請求項17記載の画像形成装置は、請求項1〜15のいずれか一項に記載の走査光学装置と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記走査光学装置に入力せしめるプリンタコントローラとから成ることを特徴としている。
【0038】
【発明の実施の形態】
図6は、本発明の画像形成装置の実施形態を示す副走査方向の要部断面図である。図6において、符号104は画像形成装置を示す。
【0039】
この画像形成装置104には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117からコードデータDcが入力する。
【0040】
このコードデータDcは、装置内のプリンタコントローラ111によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。この画像データDiは、実施形態1〜3に示した構成を有する光走査ユニット100に入力される。
【0041】
そして、この光走査ユニット100からは、画像データDiに応じて変調された光ビーム103が出射され、この光ビーム103によって感光ドラム101の感光面が主走査方向に走査される。
【0042】
静電潜像担持体(感光体)たる感光ドラム101は、モータ115によって時計廻りに回転させられる。
【0043】
そして、この回転に伴って、感光ドラム101の感光面が光ビーム103に対して、主走査方向と直交する副走査方向に移動する。
【0044】
感光ドラム101の上方には、感光ドラム101の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ102が表面に当接するように設けられている。
【0045】
そして、帯電ローラ102によって帯電された感光ドラム101の表面に、前記光走査ユニット100によって走査される光ビーム103が照射されるようになっている。
【0046】
先に説明したように、光ビーム103は、画像データDiに基づいて変調されており、この光ビーム103を照射することによって感光ドラム101の表面に静電潜像を形成せしめる。
【0047】
この静電潜像は、上記光ビーム103の照射位置よりもさらに感光ドラム101の回転方向の下流側で感光ドラム101に当接するように配設された現像器107によってトナー像として現像される。
【0048】
現像器107によって現像されたトナー像は、感光ドラム101の下方で、感光ドラム101に対向するように配設された転写ローラ108によって被転写材たる用紙112上に転写される。
【0049】
用紙112は感光ドラム101の前方(図6において右側)の用紙カセット109内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。用紙カセット109端部には、給紙ローラ110が配設されており、用紙カセット109内の用紙112を搬送路へ送り込む。
【0050】
以上のようにして、未定着トナー像を転写された用紙112はさらに感光ドラム101後方(図6において左側)の定着器へと搬送される。
【0051】
定着器は内部に定着ヒータ(図示せず)を有する定着ローラ113とこの定着ローラ113に圧接するように配設された加圧ローラ114とで構成されており、転写部から搬送されてきた用紙112を定着ローラ113と加圧ローラ114の圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙112上の未定着トナー像を定着せしめる。
【0052】
更に定着ローラ113の後方には排紙ローラ116が配設されており、定着された用紙112を画像形成装置の外に排出せしめる。
【0053】
図6においては図示していないが、プリントコントローラ111は、先に説明データの変換だけでなく、モータ115を始め画像形成装置内の各部や、後述する光走査ユニット内のポリゴンモータなどの制御を行う。
【0054】
次に、図1及び図2を参照しながら本発明の走査光学装置の実施形態について述べる。
【0055】
図1は、本発明における走査光学装置の主走査断面方向を示したものである。光源は1ABと1CDからなるそれぞれ2つの発光点を有する半導体レーザからなり、各半導体レーザは図示しない発光制御部によって所定のクロックにより駆動される画像信号が入力され、発光が制御される。
【0056】
2は第1の光学系としての各々の光源に対するコリメートレンズであり、ここでは各光源から射出された光束が若干の収束光として後述する走査レンズ6に入射するようにしている。
【0057】
4は同じく第1の光学系を構成する副走査方向のみにパワーを有する共通のシリンドリカルレンズであり、その焦点は一定の回転速度で制御される偏向器であるポリゴンミラー5の偏向面5a近傍に結ぶように設定されている。
【0058】
なお、2つの光源1ABと1CDからの光束は、光路変換手段である合成プリズム8により光路を合成され、双方の光束は偏向面方向へ向かい、アパーチャー3で全ての光束の主光線が一致するように構成されている。
【0059】
6は第2の光学系としての2枚の光学素子6a、6bから成る光学樹脂からなる走査レンズであり、ポリゴンミラー5によって回転偏向された光束を被走査面7に対して7b方向に一定速度で走査するfθ特性を有している。
【0060】
被走査面7は感光ドラムから成る像担持体であり、主走査と垂直な方向に対して一定速度で回転し、副走査方向に画像を順次形成する。
【0061】
以下、前記走査光学装置の作用について述べる。
【0062】
2つの発光点を持つ光源1ABと光源1CDは、被走査面7において副走査方向に所定の走査間隔だけ離れて結像するよう、半導体レーザを光軸周りにそれぞれ回転させるなどして調整され、コリメートレンズ2によって弱収束光として射出された後、各光源からの光束は合成プリズムにより主走査方向にわずかに開き角を持って、シリンドリカルレンズ4に入射する。
【0063】
主走査方向への開き角は、少なくとも一つの光源とコリメートレンズの一組を一体として主走査方向へ回転させることで設定できる。
【0064】
合成手段である合成プリズムは、ハーフミラー処理を施した直角プリズムを張り合わせて構成されるが、合成手段はこれに限定されることはなく、光源1ABと1CDの偏光方向が互いに直角方向に異なるよう配置し、ハーフミラーの代わりに偏光プリズムを用いれば同様に合成が可能であり、必要であれば波長板と組み合わせればよい。
【0065】
また頂角を直角とせず、スポットの走査面上で主走査方向の間隔が所定量になるよう頂角を設定することや、偏向面5a上で副走査方向に分離して焦線を結ぶよう副走査方向の頂角を設定することでも可能であり、さらにはプリズムの代わりに平板のハーフミラーを用いるなど必要に応じて設定すればよい。
【0066】
また別の手法として、合成手段をとることなく複数の光源やコリメータレンズを一組とし、お互いに主走査方向に開き角をなすように光軸を構成して偏向面上で略一致するようにすることも可能である。
【0067】
各々の発光点から射出した光束は、シリンドリカルレンズ4の作用によりポリゴンミラー5の偏向面5a近傍において副走査方向に所定の間隔を持って主走査方向に長い線像として結像するが、ポリゴンミラー5への入射直前の光束を制限するアパーチャ3により各光束の主光線が一致させられ、偏向面5aに入射する主走査方向の位置をほぼ同一とすることにより、被走査面7の配置誤差や走査レンズ6のピントズレによる各光束の主走査方向の結像位置ずれを抑えている(特開2001−228422参照)。
【0068】
そして、ポリゴンミラー5の回転によって偏向された光束は、順次走査レンズ6へと向けられる。
【0069】
走査レンズ6は、前述のように2枚の光学樹脂からなるレンズ6a、6bから構成されており、成形加工により高い自由度で面形状を設定できる利点を生かして、主走査方向と副走査方向で異なった形状で形成されている。
【0070】
主走査方向においては、光学素子6a、6bはともに非球面形状をなしていて、定速度で回転するポリゴンミラー5で偏向された光束を感光ドラムからなる被走査面7へ一定速度で走査するfθ性能を有している。副走査方向の面形状については主走査方向に沿って曲率が異なるような形状とされ、画角周辺まで良好な結像性能を維持するよう適正な収差補正がなされている。
【0071】
また、同副走査方向においては偏向面5aと被走査面7が共役関係となるよう設定され、偏向面5a近傍で副走査方向に一旦集光している光束を被走査面上に再度結像させる所謂面倒れ補正系を構成している。
【0072】
本実施形態の走査光学装置には、被走査面7の主走査方向片側端部に書き出しタイミングを検出するための検知部9を設けている。
【0073】
これは主走査方向に走査される走査線の一部を利用して、走査線による実画像の書き出しタイミング制御のための同期検知を行うためである。
【0074】
なお、書き出しタイミングの検出には必ずしも全てのスポットを検知する必要は無く、2ビームのうちの1ビーム、あるいは4ビームのうちの1ビームを検知して、他のビームについては遅延時間(ディレイ)をかけて制御するなど、適宜手法が取れるであろう。
【0075】
感光ドラムからなる被走査面7は、図2に示すように感光ドラム中心位置及び光束が照射されるドラム表面上の点とを結ぶ直線と走査光学装置の光軸とがαなる角度で配置されるよう光軸からシフトして配置されており、これは前述したように感光面からの戻り光が発生した場合でも元の光路を辿って光源に戻らないように斜入射するよう設定されている。
【0076】
ここで、前述の感光ドラムへ斜入射させることにより起る走査線間の主走査方向の結像位置ずれ(以降斜入射ジッターと呼ぶ)と、走査レンズに入射する光束が収束光であることに起因するジッタ(以降、収束ジッターと呼ぶ)の関係について述べておく。
【0077】
収束光として走査レンズに入射した光源1ABからの光束A,Bと,光源1CDから射出した光束C,Dの各光束は、走査レンズにより感光ドラム面上に集光される。
【0078】
なお、ここで、各発光点に対応するスポットをスポットA、B、C、Dと呼ぶこととするが、この時の感光ドラム上でのスポットの並びは図19(a−1)に示すような配列となる。
【0079】
光源1AB、1CDから出射した光束が感光ドラム面7上にで図19(a−1)の如く等間隔でスポット状に結像されている場合は、各スポットA〜DそれぞれでBD検知されることにより、感光ドラム面7の中央部付近では、図19(a−2)の如く各スポットは副走査方向に直線的に配置されることとなる。
【0080】
一方、図2に示すように、本実施形態においては感光ドラム面7と走査光学装置の光軸とが副走査方向において角度αを成して配置している為、図11で説明したように感光ドラム面7上の主走査方向端部において図19(a−3)に示すような斜入射ジッターが発生する。
【0081】
なお、図19(a−3)は感光ドラム面7上の左端部における斜入射ジッターを示したものであり、感光ドラム面7上の右端部における斜入射ジッターは図19(a−3)とは逆の配置になることは容易に理解できるであろう。
【0082】
また、走査レンズ6に入射させる光束を収束光束とすることにより、図19(a−4)に示すような収束ジッターが発生する。
【0083】
図19(a−4)は、感光ドラム面7上の左端から右端までの全域を示している。
【0084】
そして、図19(a−3)に示す斜入射ジッターを図19(a−4)に示す収束ジッターで相殺することにより、図19(a−5)に示すように被走査面7上全ての位置において各スポットを副走査方向に直線的に配置し、ジッターの無い走査光学装置を実現している。
【0085】
ここで、光源1AB、1CDから出射した光束が感光ドラム面7上で図19(b−1)の如く配置されて結像されている場合を考える。
【0086】
この場合も、各スポットA〜DそれぞれでBD検知されることにより、感光ドラム面7の中央部付近では、図19(b−2)の如く各スポットは副走査方向に直線的に配置されることとなる。
【0087】
また、上記同様、感光ドラム面と走査光学装置の光軸とが副走査方向において角度αを成して配置している為、感光ドラム面上の主走査方向端部において図19(b−3)に示すような斜入射ジッターが発生する。
【0088】
ここで注意すべきことは、図19(a−1)と図19(b−1)に示すスポットの配置が異なるにも拘らず、図19(a−3)と図19(b−3)に示す斜入射ジッターが同じであるという点である。
【0089】
これは、図19(a−1)のようなスポットの配置であろうと図19(b−1)のようなスポットの配置であろうと、各々のスポットA〜D全てでBD検知を行うことによって、あるいは遅延時間を設けることによって強制的に全てのスポットが感光ドラム面7の中央付近で、図19(a−2)、図19(b−2)の如く副走査方向に直線的に配置されるからである。
【0090】
次に、走査レンズ6に入射させる光束を収束光束とすることにより発生する収束ジッターを考えると、収束ジッターは光源1AB、1CDから出射した光束が感光ドラム面7上に結像される位置によって一義的に決定される為、図19(b−4)に示すような収束ジッターが発生する。
【0091】
この理由の詳細は、特開2001−059945号公報を参照されたい。
【0092】
その結果、図19(b−3)に示す斜入射ジッターを図19(b−4)に示す収束ジッターで完全に相殺することが出来ず、結果として図19(b−5)に示すようなジッターPjが残存してしまうこととなる。
【0093】
なお、図19(b−5)は感光ドラム面7上の左端部における残存するジッターを示したものである。
【0094】
右端部における残存するジッターは図19(b−5)とは逆の配置になることはいうまでもない。
【0095】
さらに、光源1AB、1CDから出射した光束が感光ドラム面7上で図19(c−1)の如く配置されて結像されている場合を考える。
【0096】
この場合も、前述と同様の理由により、図19(c−3)に示す斜入射ジッターを図19(c−4)に示す収束ジッターで完全に相殺することが出来ず、結果として図19(c−5)に示すようなジッターPjが残存してしまうこととなる。
【0097】
図19(c−5)は感光ドラム面7上の左端部における残存するジッターを示したものであるが、先の図19(b−5)とは逆方向のジッターが残存することとなる。
【0098】
また、右端部における残存するジッターは図19(c−5)とは逆の配置になることはいうまでもない。
【0099】
なお、ここでは走査レンズ6に入射させる光束を、収束光束とすることにより発生する収束ジッターで斜入射ジッターを相殺させるという説明を行っているが、走査レンズ6に入射させる光束の収束度がマイナスの場合、即ち発散光束が走査レンズ6に入射することによっても同様に斜入射ジッターを相殺させることが可能である。
【0100】
次に走査光学装置と感光ドラムの配置誤差がある場合について考える。
【0101】
図20に示したように、ちょうど斜入射ジッタと収束ジッターがキャンセル関係にある場合は、各スポットの主走査方向の結像位置は一致する。
【0102】
ここで感光ドラム面が走査レンズの集光位置よりも光軸方向前方、または後方に配置された場合は、同図に記載された主光線を見るとわかるように各スポットの主走査方向結像位置に距離ができてしまう。
【0103】
この主走査方向の結像位置のズレ量δは、すぐわかるように感光ドラム面の光軸方向のズレ量ΔMに比例する。
【0104】
また、同様の現象は走査レンズ6の主走査のピントがずれた時にも発生する。
【0105】
前述の斜入射ジッタと収束ジッターのキャンセル残差と、感光ドラムの配置誤差や走査レンズ6のピントズレで発生するジッターを合せて考えると、図21に示すグラフのようになる。
【0106】
図21は感光ドラム面上の左端もしくは右端での各ジッター量を示しているもので、縦軸は各要因によるジッター量を表しており、また横軸は感光ドラム面上での主走査方向のスポット並びの方向と量を表していて、それぞれ対応するスポット配列が記載されている。
【0107】
グラフ中の各データについては、(1)は斜入射ジッターと収束ジッターのキャンセル残差の絶対値であり、主走査方向のスポット配列のちがいによる変化を示している。
【0108】
(2)は感光ドラム配置誤差またはピントずれがある場合の光軸方向1mm当たりのピントズレ量により発生するジッター量の絶対値を示し、(3)は(1)と(2)の合計値を示している。
【0109】
同グラフからわかるように、合計されるジッター量としてはc−1のように配置したときよりもb−1のように配置した時のほうが小さい。
【0110】
つまり、走査光学装置と感光ドラムの配置誤差やピントずれにより発生するジッターの影響を受けにくくするには、各スポットの間隔を主走査方向に均等に配置した全間隔よりも短く設定したほうが、配置誤差に対して有利な条件であることがわかる。
【0111】
次に以上述べてきた効果を利用するためのスポット配列の条件について述べる。
【0112】
2つの発光点を有する光源を2つ用いる走査光学装置でマルチ走査を行う場合、たとえば図14に示すように2つの光源から出射した光束が作るスポットが交互に配置されて主走査、副走査それぞれの方向に均一な距離をおいて配置された時、同一光源から射出したスポット同士の主走査間隔をWとすると、異なる光源間のスポット間隔はW/n(nは複数の発光点を有する光源数)である。
【0113】
また、図15においては、前述した配置誤差やピントズレに有利な配置である図21におけるcの場合であり、同一光源から射出された光束が作るスポットC,Dを他の光源から射出された光束が作るスポットA,Bに主走査方向に近づける方向にずらし、A、C間の主走査間隔がpとなるように配置された例である。
【0114】
この時の各スポットの間隔は左からp、W−p、pとなる。
【0115】
この図のような場合の各スポットの強度分布は図18のようになっていて、各スポットごとに同期検知を行う際にはスポットを分離するための間隔ωを最低限取る必要があるが、近年ではこれらスポットのうちの一つを同期検知に利用し、他のスポットは電気的に遅延をかけて同期を取るなどの手法がとられており、必須の項目ではない。
【0116】
そのためジッターの有利な条件となるL=Wとなる状態まで取ることを考える。
【0117】
以上のようにスポットの主走査方向の間隔については、配置誤差によるジッタ−の影響を考慮することによって上限下限が設定され、被走査面上の副走査方向に沿った各スポットの主走査方向の結像位置は、主走査方向のどちらか同じ方向へ向かって順次配列されており、且つ副走査方向においては、同一光源から射出されたスポット同士の間に他の光源からのスポットが並ぶよう配列されている時、異なる光源から射出され、且つ配列されたスポットの最も内側の2つのスポットの主走査方向の間隔Lは
W ≧ L > W/n ....(1)
W: 同一光源からのスポットの主走査方向結像間隔
n: 複数の発光点を有する光源数となり、全スポットが占有する主走査方向間隔は、均等に並んだ図14の時の主走査方向の間隔よりも短い間隔になる。
【0118】
因みに図16に示すように上記範囲を超えて前記L=ω(ω:スポット径)などに設定された場合、主走査方向の全間隔は2W−ωとなり、主走査方向の全間隔は図14の時の3/2Wよりも長くなり図19(c−3)の場合に相当するため配置誤差に対して不利な構成となる。
【0119】
図4の形態の場合、上述した図19〜図21の入れ子の形態で説明した原理と同様に考えれば良い。但し、その原理に従うと、スポットAとスポットDの主走査方向の間隔を狭めるためには、スポットAとスポットDの主走査方向の間隔を狭める方が良いので、図3の入れ子の形態と逆になる。
【0120】
また、被走査面上に光源ごとに主走査方向に配列した場合においては、前記同様主走査方向に均等に配置した場合よりも主走査方向の占有範囲を短く設定し、またジッタの残差を抑えるために、異なった光源から射出され、且つ隣り合ったスポットの主走査方向の間隔Lを
W > L ≧ 0 ....(2)
として設定する。
【0121】
なお、光源数n、スポット径ωでの各スポットで同期検知を取る際には
前記条件式(1)は
W−(n−1)ω ≧ L > W/2....(3)
条件式(2)は
W > L ≧ ω ...........(4)
として設定すればよい。
【0122】
以下に本発明におけるスポット配列を適用した場合の例を図を用いて説明する。
【0123】
(実施形態1)
図3は2つの発光点を持つ半導体レーザから発せられた光束を合成し、各々2つのスポットを被走査面上に主走査方向に交互に並べた状態、いわゆる入れ子の状態で配置したものである。
【0124】
2つの光源は光軸周りに同じ角度で傾けて副走査方向の間隔を構成し、更に偏向器偏向面への4光束の入射角度が副走査方向で異なるように光源とコリメータレンズを副走査方向に傾斜させる、あるいはプリズム等の合成手段で副走査方向の出射角度に角度差がつくようにするなどして設定する。
【0125】
この場合は、2つの光源からのスポットが入れ違っている部分の間隔Lが通常の発光点間隔Wよりも短く、前記条件式のほぼ上限側であるW−ωを確保することで配置誤差に有利な状態としている。
【0126】
この例での各スポットの主走査間隔は左からω、W−ω、ωとなる。
【0127】
この配列は前述の図20で示した光源のプラス方向のズレを示した状態と同じ構成であり、配置誤差においては最もジッターのばらつきが出にくい有利な配置となる。
【0128】
なお、ここでは同期検知を各スポットごとに行うことを考慮して主走査方向の間隔をωだけあけて主走査方向の位置の分離を図ったが、前述のように1光束のみで同期検知を行うなどの手法をとる場合にはL=Wとしてもよい。
【0129】
(実施形態2)
次の実施形態は図4に示すように、2つの発光点を有する光源を2つ用いて4つのスポットを被走査面上に光源ごとに順番に並ぶように配列したものである。
【0130】
この場合、実施形態1よりもジッターの発生量は大きいが、その量を低減させるためにも本発明が有効である。
【0131】
なぜならば、スポットAとスポットBの主走査方向の間隔、スポットCとスポットDの主走査方向の間隔の夫々を図3の入れ子の形態と同一長さとした場合、図4の形態の方がスポットAとスポットDの主走査方向の間隔は長くなるので、ジッタの発生量は大きくなる。
【0132】
本実施形態においては中央の2つのスポット間の距離Lをスポット径ωまで短く設定している。
【0133】
こうすると主走査方向に占める全体の幅は2W+ω、それぞれの間隔はW,ω、Wとなり、均等に並べた時の同幅3Wよりも小さくでき、前述の主走査方向の広がりを抑えた形の配列にすることができる。
【0134】
(実施形態3)
高速化を進めながら高い解像度を維持するためには前記2つの光源のほか、3つの光源、またはそれ以上の光源数の設定で構成することが有効である。
【0135】
ここでは2つの発光点を持つ半導体レーザを3つ使用して入れ子の状態で使用した例を示す。
【0136】
3つの半導体レーザによる光路の合成は前述のように合成プリズムを使用する方法や、ミラーを2枚使用して順次合成していく方法などがあるが、これに限定されるものではなく、プリズムとミラーを組み合わせた構成としてもよい。
【0137】
図5において6ビームとなっている本実施例においては、スポット配列の主走査両端部から狭まっているような配列となっている。
【0138】
つまり入れ子にしない通常配列では5Wの間隔であるが、入れ子の状態にすると5/3Wとなり、この間隔を詰めてW+2ωという間隔で配列している。
【0139】
こうすることで先述の走査系とドラム面の光軸方向の配置がずれている場合でも発生するジッターの影響を小さく抑えることができる。
【0140】
なお、この場合の配列の間隔はω、ω、W−2ω、ω、ωとなっている。
【0141】
(実施形態4)
図1の如く、実施形態1〜3では、異なる場所に配置された2つの発光点を有するモノリシック半導体レーザ1を合成したハイブリッド光源配置をとったが本発明はそれに限定されない。
【0142】
少なくとも3つ以上の発光点を同一基板上に配置したモノリシック半導体レーザを1枚からなるモノリシック光源配置をとっても良い。そのモノリシック半導体レーザは、一次元方向に少なくとも3つ以上の発光点を並べた端面発光型でも二次元に少なくとも3つ以上の発光点を並べた面発光型でも良い。
【0143】
【発明の効果】
以上述べてきたように、被走査面上で全スポットが主走査方向に占める間隔を、同一光源からなるスポットを通過し、全スポットが占める副走査間隔に亘るよう設定した直線の主走査方向間隔よりも短く設定することで、走査光学装置と感光ドラム間の配置誤差、あるいは走査レンズのピントズレを制限するために厳しい公差を設定したり多大な調整時間をかけることなく、画質性能を良好に保つことが容易となる。
【0144】
更に、この発明の効果は、前述のように調整が容易となり歩留りが向上するほか、調整時間も削減されるためコストダウンに貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における主走査方向の要部断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における副走査方向の要部断面図である。
【図3】本発明の実施形態1を示す図である。
【図4】本発明の実施形態2を示す図である。
【図5】本発明の実施形態3を示す図である。
【図6】本発明の画像形成装置の実施形態を示す副走査方向要部断面図である。
【図7】従来のマルチビーム走査光学装置の主走査方向の要部断面図である。
【図8】発光点を副走査方向に垂直に配列したときの図である。
【図9】発光点を光軸周りに回転して設定したときの様子を示した図である。
【図10】感光ドラム面への斜入射時の様子を示す副走査方向断面図である。
【図11】感光ドラムへの斜入射により2ビーム間で主走査方向の結像位置が異なることを示す図である。
【図12】走査面上に4ビームが理想的に一直線上に配置された状態を示す図である。
【図13】4ビームの直線性が損なわれたときのスポット配列の図である。
【図14】交互配列における4ビームの理想スポット配列状態を示す図である。
【図15】交互配列における4ビームの双方が寄った時のスポット配列を示す図である。
【図16】交互配列における4ビームの双方が離れる方向でのスポット配列を示す図である。
【図17】図14に示すスポット配列時のスポット強度分布を示す図である。
【図18】図15に示すスポット配列時のスポット強度分布を示す図である。
【図19】スポット配列による斜入射ジッタと収束ジッタのキャンセル状態を表す図である。
【図20】感光ドラムの配置誤差や走査レンズのピントずれの量と、主走査方向の結像位置ずれ量との関係を表す図である。
【図21】各スポット配列時のジッタの残差分と、感光ドラムの配置誤差や走査レンズのピントずれがある場合のジッタへの影響を示した図である。
【符号の説明】
1AB、1CD 光源
2 コリメートレンズ
3 絞り
4 シリンドリカルレンズ
5 ポリゴンミラー
6 fθレンズ
7 被走査面
Claims (17)
- 各々が複数の発光点を有する複数の光源と、該複数の光源から射出した複数の光束を偏向手段の偏向面に導く第1の光学系と、該偏向手段により偏向された複数の光束を副走査方向に所定の間隔で被走査面上に順次スポットとして結像させる第2の光学系とを有する走査光学装置において、
前記被走査面上の副走査方向に沿った各スポットの主走査方向の結像位置は、主走査方向のどちらか同じ方向へ向かって順次配列され、全スポットが主走査方向に占める間隔は、前記複数の光源のうち同一光源からなるスポットを通過し、該全スポットが占める副走査方向の間隔に亘るよう設定した直線の主走査方向の間隔よりも短かいことを特徴とする走査光学装置。 - 前記被走査面上の副走査方向に沿った各スポットの主走査方向の結像位置は、主走査方向のどちらか同じ方向へ向かって順次配列され、なお且つ、副走査方向において、同一光源から射出されたスポット同士の間に他の光源からのスポットが並ぶよう配列されている時、前記複数の光源のうち異なる光源から射出され、且つ配列されたスポットの最も内側の2つのスポットの主走査方向の間隔Lが
W ≧ L > W/n....(1)
W:前記複数の光源のうち同一光源からのスポットの主走査方向の間隔
n:前記複数の発光点を有する複数の光源の数で規定される請求項1記載の走査光学装置。 - 前記被走査面上の副走査方向に沿った各スポットの主走査方向の結像位置は、主走査方向どちらか同じ方向へ向かって順次配列され、なお且つ、副走査方向において、前記複数の光源のうち同一光源から射出されたスポット同士の間に他の光源からのスポットが並ばないよう配列されている時、前記複数の光源のうち異なる光源から射出され、且つ隣り合ったスポットの主走査方向の間隔Lが
W > L ≧ 0....(2)
W: 前記複数の光源のうち同一光源からのスポットの主走査方向の間隔で規定される請求項1記載の走査光学装置。 - 前記複数の光源から射出された光束を所定の射出方向に偏向する光路変換手段を備えた請求項1〜3のいづれか一項記載の走査光学装置。
- 前記光源に複数の発光点を有する半導体レーザを用いた請求項1〜4記載のいづれか一項記載の走査光学装置。
- 前記複数の光源の相互の主走査方向におけるスポット間隔が所定の間隔になるよう、各々の光源及び第1の光学系が主走査方向に開き角を成して配置された請求項1〜5のいづれか一項記載走査光学装置。
- 前記複数の光源の相互の主走査方向におけるスポット間隔が所定の間隔になるよう、前記複数の光源のうち少なくとも一つの光源を第2の光学系の光軸に対し主走査方向で一致しない位置に配置させた請求項1乃至6のいづれか一項記載の走査光学装置。
- 前記光路変換手段は、複数のプリズムを張り合わせた合成プリズムを使用した請求項4記載の走査光学装置。
- 前記光路変換手段におけるプリズムの頂角が、前記被走査面上での複数の光源の相互の主走査方向のスポット間隔が所望の間隔になるよう設定される請求項8記載の走査光学装置。
- 前記光路変換手段は反射機能を有する平面部材を用いた請求項4記載の走査光学装置。
- 前記偏向手段の偏向面近傍の光路中に絞りを配置した請求項1〜10のいづれか一項記載の走査光学装置。
- 少なくとも3つの光束を偏向手段の偏向面に導く第1の光学系と、該偏向手段により偏向された少なくとも3つの光束を副走査方向に所定の間隔で被走査面上に順次スポットとして結像させる第2の光学系とを有する走査光学装置において、
前記被走査面上の副走査方向に沿った各スポットの主走査方向の結像位置は、主走査方向のどちらか同じ方向へ向かって順次配列され、全スポットが主走査方向に占める間隔は、該全スポットを一直線上に並べた仮想直線の全スポットの両端のスポットの主走査方向の間隔よりも短かいことを特徴とする走査光学装置。 - 前記少なくとも3つの光束の発光点は同一基板上に設けられているモノリシック光源を備えた請求項12記載に走査光学装置。
- 前記少なくとも3つの光束の発光点は異なる基板上に設けられているハイブリッド光源を備えた請求項12記載に走査光学装置。
- 第1の光学系は、前記複数の光束を収束光束に変換する機能を備えている請求項1〜14のいづれか一項記載の走査光学装置。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の走査光学装置と、前記被走査面に配置された感光体と、前記走査光学装置で走査された光束によって前記感光体上に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、前記現像されたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着器とから成る画像形成装置。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の走査光学装置と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記走査光学装置に入力せしめるプリンタコントローラとから成る画像形成装置。
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