JP4174171B2 - マルチビーム走査光学系およびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速、高密度記録を行うために、半導体レーザアレイ等の複数の発光部を有する光源を用いたマルチビーム走査光学系に関する。本発明のマルチビーム走査光学系は、例えばレーザビームプリンタやデジタル複写機等の画像形成装置に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、レーザビームプリンタやデジタル複写機等の画像形成装置において、高解像度の画像をより高速に形成することが求められてきている。このような要求に答えるため、しばしば、画像形成装置に半導体レーザアレイ等の複数の発光部を有する光源を用いたマルチビーム走査光学系を用いることが行われている。
【0003】
図11は、このような従来のマルチビーム走査光学系の主走査方向の要部断面図である。図11において、複数の発光部を有するマルチ半導体レーザー(半導体レーザアレイ)91から出射した複数の光束はコリメーターレンズ92で略平行光束に変換され、副走査方向にのみ所定の屈折力を有するシリンドリカルレンズ94によって副走査方向にのみ収束され、開口絞り93でその光束を整形して光偏向器であるポリゴンミラー95の偏向面(反射面)95a近傍において主走査方向に長く伸びた焦線状に結像される。そして図中矢印95b方向に一定角速度で回転しているポリゴンミラー95によって反射偏向された複数の光束は走査レンズ系96としての2つのfθレンズ96a,96bによって被走査面としての感光ドラム面97上にスポット状に各々集光され、図中矢印97b方向に一定速度で走査される。
【0004】
図12及び図13は、光源における発光部の配置を示す概略図である。図12及び図13において、A及びBはそれぞれ発光部、Mは主走査方向に対応する方向、Sは副走査方向に対応する方向を示す。
【0005】
上記のようなマルチビーム走査光学系において、図12に示すように複数の発光部A,Bを副走査方向に縦に並べて配置してしまうと、感光ドラム面上での副走査方向の複数の走査線の間隔が記録密度よりも大幅に間隔が開いてしまう。この為、通常は図13に示すように複数の発光部A,Bを結ぶ直線が、副走査方向に対応する方向(S)に対して零でない所定の角度δをなすように、光源を配置する。そして、その傾け角度δを調整することにより、感光ドラム面上での副走査方向の複数の走査線の間隔を、記録密度に合わせて正確に調整している。つまり、ここで、光源の複数の発光部は、主走査方向(M)及びそれと垂直な副走査方向(S)の異なる位置に配置されている。
【0006】
一方、感光ドラム面に入射した複数の光束が該感光ドラム面で正反射されてマルチ半導体レーザーに再度戻ってしまうと、該マルチ半導体レーザーの発振が不安定になる問題がある。また、上記の正反射光が光学系に戻った場合、該光学系の表面反射によって再度感光ドラム面に反射光が戻りゴーストが発生してしまう問題がある。これらの問題を解決するために、従来では図14に示すように感光ドラム面97に入射する複数の光束と感光ドラム面97の法線との成す副走査方向の角度が所定の角度(入射角)αを成すように設定している。これにより感光ドラム面97での正反射光が再度マルチ半導体レーザー及び光学系に戻らないような構成をとっている。図14は、従来のマルチビーム走査光学系の副走査方向の要部断面図である。図14において、図11と同一の部材には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0007】
マルチビーム走査光学系において、このような構成をとった場合、図15に示すように感光ドラム面97上における複数の走査ラインそれぞれの走査倍率が異なってしまうことになる。このことにより、感光ドラム面97上でのそれぞれのスポットの結像位置に主走査方向のずれ(D)が発生してしまい、これが原因となって高画質な画像が得られなくなってくるという問題点があった。図15は、従来のマルチビーム走査光学系の問題点を説明するための要部断面図である。図15の上方の図が主走査方向の断面図で、下方の図が副走査方向の断面図である。図15において、符号95はポリゴンミラー、96は走査レンズ系、Dはビーム位置ずれを示す。
【0008】
上記のような問題点を解決するマルチビーム走査光学系が、例えば特開平5-333281号公報や特開平9-197308号公報等で種々提案されている。特開平5-333281号公報においては、副走査方向の複数光ビームと感光ドラム面の法線とのなす角を所定角度以下に設定することによって、前記主走査方向の結像位置ずれを軽減する構成としている。特開平5-333281号公報においては、主走査方向の結像位置ずれを結像光学系を偏心させて、その偏心量を調節することによって打ち消す構成としている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら公報で提案されているマルチビーム走査光学系においては、主走査方向の結像位置ずれの低減と、良好な結像特性(スポット形状)の両方を同時に満足させることができなかった。
【0010】
例えば、特開平5-333281号公報においては副走査方向の複数光ビームと感光ドラム面の法線とのなす角を所定角度以下に設定している。しかしながら、このことは、主走査方向の結像位置ずれを軽減して目立たなくしようとしているだけである。つまり、主走査方向の結像位置ずれに対する根本的な解決策については、特開平5-333281号公報には何ら開示されていない。
【0011】
また、特開平9-197308号公報においては、主走査方向の結像位置ずれを結像光学系を偏心させて、その偏心量を調節することによって打ち消す構成としている。しかしながら、このように結像光学系を偏心させて使用すると、感光ドラム面における結像スポット形状が劣化しやすいという問題点がある。このため高画質、高記録密度を達成することは難しい。
【0012】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、主走査方向の結像位置ずれを低減し、且つ、良好な結像特性を得ることができるマルチビーム走査光学系を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、高品質な画像を高速に形成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決する本発明のマルチビーム走査光学系は、主走査方向及び副走査方向の異なる位置に配置された複数の発光部を有する光源と、前記複数の発光部から射出した複数の光束を偏向する回転多面鏡と、前記光源と前記回転多面鏡の間に配置され、主走査断面内において前記複数の光束の各々を収束光束に変換する第1の光学系と、前記第1の光学系を通過した複数の光束を前記回転多面鏡の偏向面に主走査方向に延びる線状に結像させる第2の光学系と、前記回転多面鏡の偏向面にて偏向された複数の光束を主走査方向に延びる回転軸を有する感光ドラム面上に結像させる第3の光学系とを有しており、
副走査断面内において、前記第3の光学系により前記偏向面と前記感光ドラム面とを光学的に共役関係としているマルチビーム走査光学系であって、
前記第3の光学系の後側主平面から前記第3の光学系に入射した収束光束が前記第3の光学系により収束されて前記感光ドラム面に結像される位置までの距離は、前記第3の光学系の主走査方向の焦点距離より小さく、
前記回転多面鏡の偏向面にて偏向された複数の収束光束のうち前記感光ドラム面を主走査方向に先行して走査する光束を先行光束、前記先行光束より遅れて前記感光ドラム面を主走査方向に走査する光束を後方光束とした場合、
副走査断面内において、前記先行光束及び前記後方光束の各々の主光線を前記感光ドラムの光軸方向の中心軸に対して上方向に前記感光ドラム面上に入射させ、かつ、前記先行光束及び前記後方光束の各々の主光線を前記感光ドラム面の法線に対して所定の角度をなすように傾斜して入射させ、かつ、前記先行光束の主光線を前記後方光束の主光線より前記感光ドラムの光軸方向の中心軸に対して上方向に前記感光ドラム面上に入射させることで、主走査方向において、前記第3の光学系の光軸に対して前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記先行光束の結像点が前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記後方光束の結像点より離れた位置とするように第1の方向の位置ズレを発生させ、かつ、前記回転多面鏡の偏向面にて偏向された収束光束である前記先行光束及び前記後方光束を第3の光学系に入射させることで、主走査方向において、前記第3の光学系の光軸に対して前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記先行光束の結像点が前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記後方光束の結像点より近い位置とするように前記第1の方向と反対方向の第2の方向の位置ズレを発生させており、
前記第1の方向をプラス、前記第2の方向をマイナスとした場合、
前記第1の方向の位置ずれ量の絶対値は、前記第1の方向の位置ずれ量と前記第2の方向の位置ずれ量を加算した値の絶対値より大きいことを特徴とする。
但し、前記光源に設けられた前記先行光束を射出する発光部の副走査方向の位置は、前記光源に設けられた前記後方光束を射出する発光部の副走査方向の位置より上方にあり、かつ、主走査断面内において、前記回転多面鏡の偏向面に入射する前記先行光束Aと前記第3の光学系の光軸との成す角度は、前記回転多面鏡の偏向面に入射する前記後方光束と前記第3の光学系の光軸との成す角度より小さい
【0015】
上記本発明のマルチビーム走査光学系において、主走査方向及び副走査方向の異なる位置に配置された複数の発光部を有する光源と、前記複数の発光部から射出した複数の光束を偏向する回転多面鏡と、前記光源と前記回転多面鏡の間に配置され、主走査断面内において前記複数の光束の各々を収束光束に変換する第1の光学系と、前記第1の光学系を通過した複数の光束を前記回転多面鏡の偏向面に主走査方向に延びる線状に結像させる第2の光学系と、前記回転多面鏡の偏向面にて偏向された複数の光束を主走査方向に延びる回転軸を有する感光ドラム面上に結像させる第3の光学系とを有しており、
副走査断面内において、前記第3の光学系により前記偏向面と前記感光ドラム面とを光学的に共役関係としているマルチビーム走査光学系であって、
前記第3の光学系の後側主平面から前記第3の光学系に入射した収束光束が前記第3の光学系により収束されて前記感光ドラム面に結像される位置までの距離は、前記第3の光学系の主走査方向の焦点距離より小さく、
前記回転多面鏡の偏向面にて偏向された複数の収束光束のうち前記感光ドラム面を主走査方向に先行して走査する光束を先行光束、前記先行光束より遅れて前記感光ドラム面を主走査方向に走査する光束を後方光束とした場合、
副走査断面内において、前記先行光束及び前記後方光束の各々の主光線を前記感光ドラムの光軸方向の中心軸に対して下方向に前記感光ドラム面上に入射させ、かつ、前記先行光束及び前記後方光束の各々の主光線を前記感光ドラム面の法線に対して所定の角度をなすように傾斜して入射させ、かつ、前記先行光束の主光線を前記後方光束の主光線より前記感光ドラムの光軸方向の中心軸に対して下方向に前記感光ドラム面上に入射させることで、主走査方向において、前記第3の光学系の光軸に対して前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記後方光束の結像点が前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記先行光束の結像点より離れた位置とするように第3の方向の位置ズレを発生させ、かつ、前記回転多面鏡の偏向面にて偏向された収束光束である前記先行光束及び前記後方光束を第3の光学系に入射させることで、主走査方向において、前記第3の光学系の光軸に対して前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記後方光束の結像点が前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記先行光束の結像点より近い位置とするように前記第3の方向と反対方向の第4の方向の位置ズレを発生させており、
前記第3の方向をプラス、前記第4の方向をマイナスとした場合、
前記第3の方向の位置ずれ量の絶対値は、前記第3の方向の位置ずれ量と前記第4の方向の位置ずれ量を加算した値の絶対値より大きいことを特徴とする。
但し、前記光源に設けられた前記先行光束を射出する発光部の副走査方向の位置は、前記光源に設けられた前記後方光束を射出する発光部の副走査方向の位置より下方にあり、かつ、主走査断面内において、前記回転多面鏡の偏向面に入射する前記先行光束と前記第3の光学系の光軸との成す角度は、前記回転多面鏡の偏向面に入射する前記後方光束と前記第3の光学系の光軸との成す角度より小さい
【0018】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1のマルチビーム走査光学系を、レーザービームプリンタやデジタル複写機等の画像形成装置に適用したときの主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。また、図2は図1に示したマルチビーム走査光学系の副走査方向の要部断面図(副走査断面図)である。図2において、図1と同一の部材には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0019】
図1において符号1は光源を示す。光源1は、例えば複数の発光部(発光点)A,Bを結ぶ直線が、副走査方向に対応する方向に対して任意の角度をなすように、傾けて配置したマルチ半導体レーザー(半導体レーザアレイ)より成っている。図1において、円で囲まれた図は、光源1を矢印Eの方向から見たときの発光部A及びBの配置を示す。ここで、Mは主走査方向に対応する方向を、Sは副走査方向に対応する方向を示す。
【0020】
図1において、符号2は第1の光学系としての集光レンズを示す。集光レンズ2は、光源1から出射された複数の光束を収束光束(もしくは発散光束)に変換している。符号4は第2の光学系としてのシリンドリカルレンズ(シリンダーレンズ)を示す。シリンドリカルレンズ4は、副走査方向にのみ所定の屈折力を有しており、集光レンズ2を通過した複数の光束を副走査断面内で後述する回転多面鏡5の偏向面(ポリゴン面)5aにほぼ線像として結像させている。符号3は開口絞りを示す。この開口絞り3は、シリンドリカルレンズ4を通過した複数の光束の光束幅を制限している。
【0021】
符号5、は偏向手段(光偏向器)としての、回転多面鏡を示す。この回転多面鏡5は、モーター等の駆動手段(不図示)により図中矢印5b方向に一定速度で回転している。
【0022】
符号6は第3の光学系としてのfθ特性を有するfθレンズ系(走査レンズ系)を示す。このfθレンズ系6は、2枚のfθレンズ(第1fθレンズ、第2fθレンズ)6a,6bを有している。このfθレンズ系6は回転多面鏡5で偏向反射された複数の光束を被走査面7に結像させる。また、このfθレンズ系6は、副走査断面内において回転多面鏡5の偏向面5aと被走査面7との間を実質的に光学的共役関係にしている。このような構成の光学系は、回転多面鏡の回転軸の傾きや、偏向面5aの作製誤差による倒れを補正するもので、通常倒れ補正光学系と呼ばれている。符号7は被走査面である感光ドラム面(像担持体面)を示す。被走査面(感光ドラム面)7は、主走査方向に延びる回転軸を有するドラム状である。
【0023】
上記2枚のfθレンズ6a,6bは、それぞれ例えばトーリックレンズから構成されている。これらのfθレンズの少なくとも1つのレンズ面は、主走査方向に沿った断面において、非球面形状を有するように形成されるのが望ましい。このようなfθレンズは、例えばプラスチックを材料とし、金型を用いた射出成形によって形成される。
【0024】
本実施形態において光源(マルチ半導体レーザー)1から出射した複数の光束は集光レンズ2によって収束光束に変換され、シリンドリカルレンズ4に入射する。シリンドリカルレンズ4に入射した複数の収束光束のうち主走査断面内においてはそのままの状態で射出し、開口絞り3によってその複数の光束(光量)が制限される。また副走査断面内においては収束して開口絞り3により複数の光束(光量)が制限され、回転多面鏡5の偏向面5aにほぼ線像(主走査方向に長手の線像)として結像する。そして回転多面鏡5の偏向面5aで偏向反射された複数の光束はfθレンズ系6を介して被走査面(感光ドラム面)7上にスポット状に結像される。そして、回転多面鏡5を図中矢印5b方向に回転させることによって、結像スポットにより被走査面(感光ドラム面)7上を図中矢印7b方向(主走査方向)に走査している。これにより記録媒体としての被走査面(感光ドラム面)7上に画像記録を行なっている。
【0025】
本実施形態においては、前述の如く被走査面(感光ドラム面)7からの正反射光が再度光学系に戻らないように、図2に示すように被走査面(感光ドラム面)7に入射する複数の光束の主光線と感光ドラム面の法線との成す副走査方向の角度が零でない所定の角度(入射角)αを成すように設定している。
【0026】
なお、被走査面(感光ドラム面)7上にスポットAを形成する光束の主光線と、スポットBを形成する光束の主光線とは、厳密には平行ではない。また、被走査面(感光ドラム面)7において、スポットA及びBが形成される位置は副走査方向に異なっており、被走査面はドラム状のため、これらの位置における法線の方向もわずかに相違している。したがって、各光束の被走査面への入射の様子を正確に表現すると、「副走査方向において、被走査面に入射する各々の光束は、それらの主光線が被走査面の法線に対してそれぞれ零でない角度をなすように、同方向に傾斜して入射している」となる。以下、説明を簡単にするため、このような入射の様子を「複数の光束の主光線と被走査面の法線との成す副走査方向の角度が所定の角度αを成す」と表現する。
【0027】
上記のように、被走査面(感光ドラム面)7に入射する複数の光束の主光線と被走査面(感光ドラム面)7の法線との成す副走査方向の角度が所定の角度αを成すように設定した場合、それぞれのスポットの結像位置が主走査方向にずれるという問題点が発生する。
【0028】
ここで、それぞれのスポットの結像位置が主走査方向にずれる原理を図3を用いて説明する。尚、説明を簡単にする為に、ここでは発光部の数を2つと仮定して説明する。
【0029】
図3は被走査面(感光ドラム面)7上に、2本の走査線が平行して走査される様子を表わした要部斜視図である。図3において主走査方向をY軸とし、副走査方向、即ち被走査面(感光ドラム面)7が移動する方向をZ軸とし、被走査面(感光ドラム面)7の法線方向をX軸とする直交座標系を考える。
【0030】
図3は最大走査画角のときにおける光束の様子を示す。このときの光束の主光線とfθレンズ系6の光軸との成す角をβとし、XY平面と感光ドラム面7に入射する光束が形成する平面との成す角度をαとする。
【0031】
このとき2本の走査線の間には、光束の進行方向に光路長差δXが発生し、その光路長差δXは被走査面(感光ドラム面)7上を同時に走査される各走査線の副走査方向の間隔をPとしたとき、以下の(1)式のように表される。
【0032】
δX=P×sinα ・・・・・(1)
【0033】
さらに上記光束の進行方向の光路長差δXが発生することにより、被走査面(感光ドラム面)7に入射する2つの光束の主光線は主走査方向(Y方向)にも位置ずれが発生してしまい、その位置ずれ量δY1(最大値)は図3のY方向の端部において、例えば走査幅の大きくなる方向、即ち、矢印Yに示す方向をプラスにとって、以下の(2)式のように表される。なお、図3においては、δY1の値はマイナスとなる。
【0034】
δY1=δX×tanβ=P×sinα×tanβ ・・・・・(2)
で表わすことができる。尚、同図の場合、δY1はマイナスとなる。
【0035】
本実施形態では上記位置ずれ量δY1の値がマイナスなので、後述するようにfθレンズ系6に入射させる光束を収束光束とすることによって生じる感光ドラム面7上におけるそれぞれの光束の結像点の主走査方向の位置ずれ量δY2(最大値)がプラスになるように構成している。一方、本実施形態の場合とは逆に、位置ずれ量δY1がプラスの場合、位置ずれ量δY2がマイナスになるようにしている。このように、それぞれの要因による位置ずれが互いに相殺されるように前記角度(入射角)αとfθレンズ系6に入射させる光束の収束度合いを設定している。
【0036】
次に、fθレンズ系6に入射する複数の光束を収束光束とした場合に、被走査面(感光ドラム面)7上における複数の光束の結像点に、主走査方向の位置ずれが発生する原理を説明する。尚、説明を簡単にする為に、前述と同様、発光部の数を2つと仮定して説明する。
【0037】
前述の図14に示すように、2つの発光部を副走査方向に対応する方向に対して傾けて配置する構成のマルチビーム走査光学系においては、2つの光束が回転多面鏡で偏向反射された後の反射角がそれぞれ異なる為に、被走査面(感光ドラム面)上においては互いに主走査方向に離れた位置にスポットが結像されてしまう。よってこのような構成のマルチビーム走査光学系においては、ある1つの基準の発光部から出射した光束が被走査面(感光ドラム面)上に結像する位置に、もう一方の発光部から出射した光束の結像位置を合わせるように所定時間δTだけタイミングをずらして画像データを送っている。
【0038】
この様子を示したのが図4である。図4は走査開始側における2つの光束の主光線が回転多面鏡の偏向面(ポリゴン面)で反射される様子を示した説明図である。
【0039】
図4において、最初に発光部Aから出射された光束が回転多面鏡の偏向面5aで反射されて図中A1の方向に反射され、不図示のfθレンズ系6により被走査面(感光ドラム面)7上に結像される。
【0040】
次に、所定時間δTだけ時間がずれたとき、偏向面5a´によって発光部Bから出射された光束が反射され、図中B1´の方向、即ち図中A1と同じ方向に反射される。このことによって互いのスポットの結像位置が一致することになる。
【0041】
但し、回転多面鏡の偏向面5a,5a′で偏向反射された後の2つの光束の主光線はfθレンズ系6に入射する角度は等しいものの、それぞれの光束の主光線の反射位置にずれが生じる為に主走査方向にδysだけずれてfθレンズ系6に入射することになる。
【0042】
fθレンズ系6に入射する2つの光束が略平行光束の場合には、それぞれの光束の主光線に主走査方向にδysだけずれが生じても被走査面(感光ドラム面)7上におけるスポットの結像位置は同じである。
【0043】
しかしながらfθレンズ系6に入射する2つの光束が収束光束の場合には、それぞれの光束の主光線に主走査方向にδysだけずれが生じると被走査面(感光ドラム面)7上におけるスポットの主走査方向の結像位置にもずれが生じる。
【0044】
図5はこの現象を説明する為の光学系の要部概略図である。図5において符号6はfθレンズ系を示す。ここで、fθレンズ系6の後ろ側主平面11からfθレンズ系6に入射する収束光束の自然収束点14までの距離をSd、fθレンズ系6の焦点距離をf、fθレンズ系6の後ろ側主平面11からfθレンズ系6に入射した収束光束がfθレンズ系6によって収束されて結像される位置(即ち、ここが感光ドラム面となる)12までの距離をSkとする。ここで、これらの距離の関係は、下記の(3)式で表される。
【0045】
【外1】
上記(3)式から、焦点距離fは、下記の(4)式のように求められる。
【0046】
【外2】
【0047】
また、発光部Aと発光部Bとから出射した2つの光束の主光線の主走査方向のずれ量をδy、発光部Aと発光部Bから出射した2つの光束の被走査面(感光ドラム面)7上における主走査方向のスポットの結像位置のずれ量δY2(最大値)とすれば、図10からδY2が下記の(5)式のように求められるのは明らかである。
【0048】
【外3】
【0049】
尚、位置ずれ量δY2は、走査幅の大きくなる方向をプラスにとっている。図5の場合、δY2の値はプラスとなる。
【0050】
図6は、走査終了側における2つの光束の主光線が光偏向器の偏向面で偏向反射される様子を示した説明図である。
【0051】
図6において最初に発光部Aから出射された光束が回転多面鏡の偏向面5aで反射されて図中A1の方向に反射され、不図示のfθレンズ系6により被走査面(感光ドラム面)7上に結像される。
【0052】
次に所定時間δTだけ時間がずれたときの偏向面5a´によって発光部Bから出射された光束が反射され、図中B1´の方向、即ち図中A1と同じ方向に反射され、このときそれぞれの光束の主光線は主走査方向にδyeだけずれてfθレンズ系6に入射する。
【0053】
図4及び図6からわかるように、走査開始側及び走査終了側ともに発光部Aから出射した光束A´よりも発光部Bから出射した光束B´の方がfθレンズ系6の光軸側にずれている為、被走査面(感光ドラム面)7上では図7に示すように光束A´で走査したラインよりも光束B´で走査したラインの方が短くなる。ここで、図7は、被走査面(感光ドラム面)上の走査ラインの様子を示す概略図である。
【0054】
即ち、fθレンズ系6に入射させる2つの光束を収束光束とした場合には、被走査面(感光ドラム面)7上におけるそれぞれの光束の結像点に主走査方向の位置ずれが発生することになる。
【0055】
本実施形態においては、図3にて説明したように被走査面(感光ドラム面)7に入射する2つの光束の主光線と該感光ドラム面7の法線との成す副走査方向の角度が所定の角度αを成して設定した場合に生じる、それぞれのスポットの結像位置の主走査方向のずれ量と、上記fθレンズ系6に入射させる2つの光束を収束光束とした場合に生じるそれぞれのスポットの結像位置の主走査方向のずれ量とが互いに逆の方向にずれて相殺される関係になるようにしたものである。このため、本実施形態では、上記角度(入射角)α、及び図5に示すfθレンズ系6の後ろ側主平面11からfθレンズ系6に入射する収束光束の自然収束点14までの距離Sd、fθレンズ系6の後ろ側主平面11からfθレンズ系6に入射した収束光束がfθレンズ系6によって収束されて結像される位置12までの距離Sk等を最適に設定している。そして、このことによって、被走査面(感光ドラム面)7全域において2つのスポットの主走査方向の結像位置のずれをほぼ完全に補正している。
【0056】
ところで画像形成装置内部の構成によっては、被走査面(感光ドラム面)7に入射する2つの光束の主光線と、被走査面(感光ドラム面)7の法線との成す副走査方向の所定の角度αを任意に設定することができない場合も有り得る。そのような場合においては、2つのスポットの主走査方向の結像位置のずれをほぼ完全に補正することは難しいので画像上許容できる程度にまで補正してやれば良い。
【0057】
例えば副走査方向の走査線間隔をPとした場合、上記ずれ量がP/3を超えてしまうと通常画像に対する影響が目立ってくる。そこで本実施形態では被走査面(感光ドラム面)7に入射する2つの光束の主光線と被走査面(感光ドラム面)7の法線との成す副走査方向の角度が所定の角度αを成すことによって生じる、被走査面(感光ドラム面)7上におけるそれぞれの光束の結像点の主走査方向の位置ずれ量の最大値をδY1、集光レンズ2によって収束光束に変換された2つの光束をfθレンズ系6に入射させることによって生じる感光ドラム面7上における2つの光束の結像点の主走査方向の位置ずれ量の最大値をδY2としたとき、δY1とδY2のずれる方向が互いに逆であり、かつ下記(6)式の条件を満足するように各要素を設定している。
【0058】
|δY1+δY2| ≦ P/3 ・・・・・(6)
ここで、δY1とδY2のずれる方向が互いに反対であることから、δY1及びδY2は互いに反対の符号が付されている。このような構成により、被走査面(感光ドラム面)7の全域において2つのスポットの主走査方向の結像位置のずれを画像上許容できる程度にまで補正している。
【0059】
尚、本実施形態では説明を簡単にする為に発光部の数を2つと仮定して説明してきたが、もちろん本実施形態においては発光部の数を2つに限定するものではなく、むしろ発光部の数が多数の場合に、より一層の効果を得ることができる。
【0060】
表-1,表-2に本発明の実施形態1のマルチビーム光走査光学系の諸特性を示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
本実施形態においてfθレンズ系6を構成するレンズの主走査断面の非球面形状は、各レンズ面と光軸との交点を原点とし、光軸方向をX軸、主走査断面内において光軸と直交する軸をY軸、副走査断面内において光軸と直交する軸をZ軸としたときに、下記の(7)式のように表される。
【0064】
【外4】
ここで、Rは曲率半径、k、B4 、B6 、B8 、B10は非球面係数を示す。前記各係数がyの値の正負によって異なる場合は、yの値が正のときは係数として添字uのついたku、B4u〜B10u を、yの値が負のときは係数として添字lのついたkl、B4l〜B10l を使用する。
【0065】
一方、副走査断面の形状は主走査方向のレンズ面座標がyであるところの曲率半径r′が、下記(8)式で表される形状をしている。
【0066】
r'=r(1+D2y2+D4y4+D6y6+D8y8+D10y10) ・・・・・(8)
ここで、rは光軸上における曲率半径、D2 〜D10は各係数を示す。
【0067】
ここで各係数がyの値の正負によって異なる場合は、yの値が正のときは係数として添字uのついたD2u〜D10u を用いて計算された曲率半径r´となっており、yの値が負のときは係数として添字lのついたD2l〜D101 を用いて計算された曲率半径r´となっている。
【0068】
このように本実施形態においては上述の如く図1及び図2に示すように複数の発光部A、Bの位置及び角度αを決定して設定することにより、fθレンズ系6に入射させる複数の光束を収束光束とした場合に発生する光束の結像点の主走査方向の位置ずれ量と、感光ドラム面7に入射する複数の光束の主光線と該感光ドラム面7の法線との成す副走査方向の角度が所定の角度αを成して設定した場合に生じるそれぞれのスポットの結像位置の主走査方向のずれ量とを完全に相殺し補正している。
【0069】
本実施形態のマルチビーム光走査光学系を使用するレーザービームプリンタあるいはデジタル複写機等の画像形成装置として、例えば記録密度を600DPIを想定した場合、前記の条件式(6)の各パラメーターP,δY1,δY2は各々、下記のような値をとる。
【0070】
P = 0.04233
δY1=+0.00212
δY2=-0.00229
これらの値から、以下のように本実施形態が条件式(6)を満足していることがわかる。
【0071】
|δY1+δY2|=0.00017 ≦P/3=0.01411
【0072】
即ち、本実施形態においては上述の如く被走査面(感光ドラム面)7に入射する複数の光束の主光線と被走査面(感光ドラム面)7の法線との成す副走査方向の角度α、及びfθレンズ系6の後ろ側主平面から該fθレンズ系6に入射する収束光束の自然収束点までの距離Sd、fθレンズ系6の後ろ側主平面から該fθレンズ系6に入射した収束光束が該fθレンズ系6によって収束されて結像される位置までの距離Sk等を最適に設定している。そして、このことによって、結像特性(スポット形状)を全く劣化させることなく、被走査面(感光ドラム面)7全域において複数のスポットの主走査方向の結像位置のずれをほぼ完全に相殺することができる。本実施形態のマルチビーム走査光学系を用いた画像形成装置は、高速、高記録密度に適している。
【0073】
[実施形態2]
図8は、本発明の実施形態2のマルチビーム走査光学系を、レーザービームプリンタやデジタル複写機等の画像形成装置に適用したときの主走査方向の要部断面図(主走査断面図)である。また、図9は図8に示したマルチビーム走査光学系の副走査方向の要部断面図(副走査断面図)である。図8及び図9において、先に説明した図1及び図2と同一の部材には、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。図1の場合と同様に、図8において円で囲まれた図は、光源1を矢印Eの方向から見たときの発光部A及びBの配置を示す。ここで、Mは主走査方向に対応する方向を、Sは副走査方向に対応する方向を示す。
【0074】
本実施形態において、前述の実施形態1と異なる点は、被走査面(感光ドラム面)7に入射する複数の光束の主光線と、被走査面(感光ドラム面)7の法線との成す副走査方向の角度αを異ならせた点と、それに伴ない複数の発光部A,Bの配置位置を異ならせたことである。その他の構成及び光学的作用は実施形態1と略同様である。
【0075】
即ち、本実施形態では本体の配置の自由度の都合などにより、図9に示すように感光ドラムの光軸方向の中心軸Oより下方向に角度αを設定している。
【0076】
この場合は、被走査面(感光ドラム面)7に入射する複数の光束の主光線と、被走査面(感光ドラム面)7の法線との成す副走査方向の角度が所定の角度αを成して配置した場合に生じるそれぞれのスポットの結像位置の主走査方向のずれ量と、上記fθレンズ系6に入射させる複数の光束を収束光束とした場合に生じるそれぞれのスポットの結像位置の主走査方向のずれ量と、が互いに相殺関係とはならずに増長しあう関係となってしまう。
【0077】
そこで本実施形態の場合には、図8、特に円で囲まれた図に示すように、複数の発光部A、Bの配置関係を実施形態1に対し異ならせて設定(例えば発光部A,Bの位置を任意の角度だけ回転)している。このことにより、被走査面(感光ドラム面)7に入射する複数の光束の主光線と、被走査面(感光ドラム面)7の法線との成す副走査方向の角度が所定の角度αを成して配置した場合に生じるそれぞれのスポットの結像位置の主走査方向のずれ量と、上記fθレンズ系6に入射させる複数の光束を収束光束とした場合に生じるそれぞれのスポットの結像位置の主走査方向のずれ量と、を互いに相殺する関係としている。これにより本実施形態では前述の実施形態1と同様な効果を得ている。
【0078】
尚、本実施形態においては上述の如く被走査面(感光ドラム面)7に入射する複数光束の入射方向が感光ドラムの中心軸Oに対して反転した場合は複数の発光部A、Bの配置関係を変更してやれば良いことを示した。これに対し、収束光束を入射させた場合に生じるそれぞれのスポットの結像位置の主走査方向のずれの方向と、発散光束を入射させた場合に生じるそれぞれのスポットの結像位置の主走査方向のずれの方向は逆転することから、fθレンズ系6に入射させる複数の光束を発散光束としても本発明は前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】
以上説明した本発明のマルチビーム走査光学系は、レーザービームプリンタ(LBP)やデジタル複写機などの画像形成装置に好適に用いることができる。この例を図10を用いて説明する。
【0080】
図10は、本発明のマルチビーム走査光学系を用いた画像形成装置の構成例を示す副走査方向の要部断面図である。図中、符号104は画像形成装置を示す。また、符号100は先に説明した本発明の実施形態1又は2のいずれかのマルチビーム走査光学系を示す。101は静電潜像担持体たる感光ドラムであり、該感光ドラム101の上方には該感光ドラム101の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ102が該表面に当接している。該帯電ローラ102の当接位置よりも下方の上記感光ドラム101の回転方向下流側の帯電された表面には、マルチビーム走査光学系100によって走査される複数の光ビーム103が照射されるようになっている。
【0081】
複数の光ビーム103は、画像データに基づいてそれぞれ変調されており、これらの光ビーム103を照射することによって上記感光ドラム101の表面に静電潜像を形成せしめる。該静電潜像は、上記光ビーム103の照射位置よりもさらに上記感光ドラム101の回転方向下流側で該感光ドラム101に当接するように配設された現像装置107によってトナー像として現像される。該トナー像は、上記感光ドラム101の下方で該感光ドラム101に対向するように配設された転写ローラ108によって被転写材たる用紙112上に転写される。該用紙112は上記感光ドラム101の前方(図10において右側)の用紙カセット109内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。該用紙カセット109端部には、給紙ローラ110が配設されており、該用紙カセット109内の用紙112を搬送路へ送り込む。
【0082】
以上のようにして、未定着トナー像を転写された用紙112はさらに感光ドラム101後方(図10において左側)の定着器へと搬送される。該定着器は内部に定着ヒータ(図示せず)を有する定着ローラ113と該定着ローラ113に圧接するように配設された加圧ローラ114とで構成されており、転写部から搬送されてきた用紙112を上記定着ローラ113と加圧ローラ114の圧接部にて加圧しながら加熱することにより用紙112上の未定着トナー像を定着せしめる。更に定着ローラ113の後方には排紙ローラ116が配設されており、定着された用紙112をプリンタの外に排出せしめる。
【0083】
本発明は、以上説明した実施形態の他にも種々の応用が可能である。本発明は特許請求の範囲を逸脱しない限りにおいて、このような応用を全て包含するものである。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマルチビーム走査光学系は、副走査方向において、被走査面に入射する各々の光束が、それらの主光線が被走査面の法線に対してそれぞれ零でない角度をなすように同方向に傾斜して入射するようにし、このことによって被走査面上の各光束の結像点間に相対的に主走査方向に平行な第1の方向に位置ズレが生じ、また、主走査方向において収束光束又は発散光束が走査光学系に入射することによって、被走査面上の各光束の結像点間に相対的に主走査方向に平行で、且つ、第1の方向と反対の第2の方向に位置ズレが生じるようにすることによって、主走査方向の結像位置ずれを低減し、且つ、良好な結像特性を得ることができるという効果を奏する。また、このようなマルチビーム走査光学系を用いた画像形成装置は、高品質な画像を高速に形成することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のマルチビーム走査光学系の主走査方向の要部断面図である。
【図2】図1に示したマルチビーム走査光学系の副走査方向の要部断面図である。
【図3】被走査面上に、2本の走査線が平行して走査される様子を表わした要部斜視図である。
【図4】走査開始側において2つの光束の主光線が回転多面鏡の偏向面で反射される様子を示した説明図である。
【図5】fθレンズ系に2つの収束光束が入射した場合に生じる主走査方向の結像位置ずれを説明する為の光学系の要部概略図である。
【図6】走査終了側において2つの光束の主光線が回転多面鏡の偏向面で反射される様子を示した説明図である。
【図7】被走査面上の走査ラインの様子を示す概略図である。
【図8】本発明の実施形態2のマルチビーム走査光学系の主走査方向の要部断面図である。
【図9】図8に示したマルチビーム走査光学系の副走査方向の要部断面図である。
【図10】実施形態1又は2のマルチビーム走査光学系を用いた画像形成装置の構成例を示す副走査方向の要部断面図である。
【図11】従来のマルチビーム走査光学系の主走査方向の要部断面図である。
【図12】光源における発光部の配置の一例を示す概略図である。
【図13】光源における発光部の配置の他の例を示す概略図である。
【図14】従来のマルチビーム走査光学系の副走査方向の要部断面図である。
【図15】従来のマルチビーム走査光学系の問題点を説明するための主走査方向及び副走査方向の要部断面図である。
【符号の説明】
1 光源
2 集光レンズ
3 開口絞り
4 シリンドリカルレンズ
5 回転多面鏡
6 fθレンズ系
7 被走査面
Claims (3)
- 主走査方向及び副走査方向の異なる位置に配置された複数の発光部を有する光源と、前記複数の発光部から射出した複数の光束を偏向する回転多面鏡と、前記光源と前記回転多面鏡の間に配置され、主走査断面内において前記複数の光束の各々を収束光束に変換する第1の光学系と、前記第1の光学系を通過した複数の光束を前記回転多面鏡の偏向面に主走査方向に延びる線状に結像させる第2の光学系と、前記回転多面鏡の偏向面にて偏向された複数の光束を主走査方向に延びる回転軸を有する感光ドラム面上に結像させる第3の光学系とを有しており、
副走査断面内において、前記第3の光学系により前記偏向面と前記感光ドラム面とを光学的に共役関係としているマルチビーム走査光学系であって、
前記第3の光学系の後側主平面から前記第3の光学系に入射した収束光束が前記第3の光学系により収束されて前記感光ドラム面に結像される位置までの距離は、前記第3の光学系の主走査方向の焦点距離より小さく、
前記回転多面鏡の偏向面にて偏向された複数の収束光束のうち前記感光ドラム面を主走査方向に先行して走査する光束を先行光束、前記先行光束より遅れて前記感光ドラム面を主走査方向に走査する光束を後方光束とした場合、
副走査断面内において、前記先行光束及び前記後方光束の各々の主光線を前記感光ドラムの光軸方向の中心軸に対して上方向に前記感光ドラム面上に入射させ、かつ、前記先行光束及び前記後方光束の各々の主光線を前記感光ドラム面の法線に対して所定の角度をなすように傾斜して入射させ、かつ、前記先行光束の主光線を前記後方光束の主光線より前記感光ドラムの光軸方向の中心軸に対して上方向に前記感光ドラム面上に入射させることで、主走査方向において、前記第3の光学系の光軸に対して前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記先行光束の結像点が前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記後方光束の結像点より離れた位置とするように第1の方向の位置ズレを発生させ、
かつ、前記回転多面鏡の偏向面にて偏向された収束光束である前記先行光束及び前記後方光束を第3の光学系に入射させることで、主走査方向において、前記第3の光学系の光軸に対して前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記先行光束の結像点が前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記後方光束の結像点より近い位置とするように前記第1の方向と反対方向の第2の方向の位置ズレを発生させており、
前記第1の方向をプラス、前記第2の方向をマイナスとした場合、
前記第1の方向の位置ずれ量の絶対値は、前記第1の方向の位置ずれ量と前記第2の方向の位置ずれ量を加算した値の絶対値より大きいことを特徴とするマルチビーム走査光学系。
但し、前記光源に設けられた前記先行光束を射出する発光部の副走査方向の位置は、前記光源に設けられた前記後方光束を射出する発光部の副走査方向の位置より上方にあり、かつ、主走査断面内において、前記回転多面鏡の偏向面に入射する前記先行光束Aと前記第3の光学系の光軸との成す角度は、前記回転多面鏡の偏向面に入射する前記後方光束と前記第3の光学系の光軸との成す角度より小さい - 主走査方向及び副走査方向の異なる位置に配置された複数の発光部を有する光源と、前記複数の発光部から射出した複数の光束を偏向する回転多面鏡と、前記光源と前記回転多面鏡の間に配置され、主走査断面内において前記複数の光束の各々を収束光束に変換する第1の光学系と、前記第1の光学系を通過した複数の光束を前記回転多面鏡の偏向面に主走査方向に延びる線状に結像させる第2の光学系と、前記回転多面鏡の偏向面にて偏向された複数の光束を主走査方向に延びる回転軸を有する感光ドラム面上に結像させる第3の光学系とを有しており、
副走査断面内において、前記第3の光学系により前記偏向面と前記感光ドラム面とを光学的に共役関係としているマルチビーム走査光学系であって、
前記第3の光学系の後側主平面から前記第3の光学系に入射した収束光束が前記第3の光学系により収束されて前記感光ドラム面に結像される位置までの距離は、前記第3の光学系の主走査方向の焦点距離より小さく、
前記回転多面鏡の偏向面にて偏向された複数の収束光束のうち前記感光ドラム面を主走査方向に先行して走査する光束を先行光束、前記先行光束より遅れて前記感光ドラム面を主走査方向に走査する光束を後方光束とした場合、
副走査断面内において、前記先行光束及び前記後方光束の各々の主光線を前記感光ドラムの光軸方向の中心軸に対して下方向に前記感光ドラム面上に入射させ、かつ、前記先行光束及び前記後方光束の各々の主光線を前記感光ドラム面の法線に対して所定の角度をなすように傾斜して入射させ、かつ、前記先行光束の主光線を前記後方光束の主光線より前記感光ドラムの光軸方向の中心軸に対して下方向に前記感光ドラム面上に入射させることで、主走査方向において、前記第3の光学系の光軸に対して前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記後方光束の結像点が前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記先行光束の結像点より離れた位置とするように第3の方向の位置ズレを発生させ、
かつ、前記回転多面鏡の偏向面にて偏向された収束光束である前記先行光束及び前記後方光束を第3の光学系に入射させることで、主走査方向において、前記第3の光学系の光軸に対して前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記後方光束の結像点が前記感光ドラム面上の走査開始位置における前記先行光束の結像点より近い位置とするように前記第3の方向と反対方向の第4の方向の位置ズレを発生させており、
前記第3の方向をプラス、前記第4の方向をマイナスとした場合、
前記第3の方向の位置ずれ量の絶対値は、前記第3の方向の位置ずれ量と前記第4の方向の位置ずれ量を加算した値の絶対値より大きいことを特徴とするマルチビーム走査光学系。
但し、前記光源に設けられた前記先行光束を射出する発光部の副走査方向の位置は、前記光源に設けられた前記後方光束を射出する発光部の副走査方向の位置より下方にあり、かつ、主走査断面内において、前記回転多面鏡の偏向面に入射する前記先行光束と前記第3の光学系の光軸との成す角度は、前記回転多面鏡の偏向面に入射する前記後方光束と前記第3の光学系の光軸との成す角度より小さい - 請求項1又は2に記載のマルチビーム走査光学系と、前記感光ドラムと、前記感光ドラムの表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、前記現像されたトナー像を前記被転写材に転写する転写手段と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着手段とを有する画像形成装置。
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