JP2004045196A - 光変流器装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】導体に過大な事故電流が流れても鉄心が飽和することなく小型にとすることができる光変流器装置を提供する。
【解決手段】架設された導体Lを囲繞する鉄心3と、鉄心3に巻設された二次巻線3a及び補償巻線3bと、補償巻線3bに接続され鉄心3に発生する磁束を検出する磁気検出手段7と、磁気検出手段7の検出結果に応じて鉄心3に発生する磁束の変化を打ち消す電流を二次巻線3aに供給する磁気平衡手段8と、磁気検出手段7及び磁気平衡手段8に電源を供給する電源供給手段9と、二次巻線3aに接続され二次巻線3aに流れる誘導電流に比例する光変調信号を発生させ外部へ延びる伝送線に出力する光変調手段10,11とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】架設された導体Lを囲繞する鉄心3と、鉄心3に巻設された二次巻線3a及び補償巻線3bと、補償巻線3bに接続され鉄心3に発生する磁束を検出する磁気検出手段7と、磁気検出手段7の検出結果に応じて鉄心3に発生する磁束の変化を打ち消す電流を二次巻線3aに供給する磁気平衡手段8と、磁気検出手段7及び磁気平衡手段8に電源を供給する電源供給手段9と、二次巻線3aに接続され二次巻線3aに流れる誘導電流に比例する光変調信号を発生させ外部へ延びる伝送線に出力する光変調手段10,11とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
変電所内等に架設された導体に直接取り付けられて、送配電線絡の事故電流を高精度に検出するための光変流器装置に関し、特に小形化を実現した光変流器装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、送電線絡や変電所内などで地絡や短絡などの事故が生じた場合には、故障箇所を素早く見つけ出して、故障箇所の切り離しや修理を迅速に行うために、導体に設置した光変流器装置により事故電流を高精度に検出して、光信号を監視所に伝送する必要がある。そして、このような導体の事故電流を検出するために、例えば特開平5−273252号公報に参照されるように、リング状の鉄心及び二次巻線を用いた光変流器装置が提案されている。
【0003】
図5は例えば特開平5−273252号公報に記載された従来の光変流器装置の正面図である。図6は図5の光変流器装置の回路構成図である。図5及び図6において、変電所内に架設された一対の導体Lに、導体把持部6によって取り付けられた一対のコイルケース2が設けられている。コイルケース2内には、それぞれリング状の鉄心3が収納されている。鉄心3は中心に導体Lを貫通させている。2つの鉄心3には、それぞれ二次巻線3aが巻回されている。二次巻線3aの一端は接地されている。
【0004】
2つのコイルケース2を接続するケース本体4の内部には、二次巻線3aに接続するセンサ部5が収納されている。センサ部5は、二次巻線3aに発生した二次電流を光変調信号に変換する。
【0005】
センサ部5には、伝送線1が接続されている。伝送線1は、図示しない光ファイバ伝送碍管内に設置され遠隔の監視所まで延びている。監視所には、伝送線1に接続された信号処理回路12が設置されている。
【0006】
次に動作を説明する。導体Lに事故電流が流れると鉄心3に磁束が発生する。
この磁束により、二次巻線3aに誘導電流が発生する。センサ部5は、この誘導電流に応じた光変調信号を伝送線1に出力する。伝送線1は、この光変調信号を地上部の監視所まで伝送する。伝送された光変調信号は、信号処理回路12で電圧に変換される。
【0007】
このように構成された光変流器装置においては、変電所内に変電所内に架設された導体Lに直接取り付けられ、光変流器装置は導体Lに発生した事故電流を光変調信号に変換して伝送線1に出力するので、地絡や短絡などの事故が生じた場合に、これを監視所にて素早く検知することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような構成の従来の光変流器装置では、導体Lに過大な直流成分を含有した事故電流が流れると、コイルケース2内に収納されている鉄心3が磁束飽和して事故電流に比例した光変調信号を出力することができない。
一方、鉄心3を磁束飽和させないためには鉄心3の断面積を大きくする必要があるという課題があった。
【0009】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、導体に過大な事故電流が流れても鉄心が飽和することなく小型にとすることができる光変流器装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光変流器装置は、架設された導体を囲繞するように設けられ導体に流れる電流によって磁束が発生する鉄心と、鉄心に巻設され鉄心に発生する磁束によって各々誘導電流が発生する二次巻線及び補償巻線と、補償巻線に接続され誘導電流に基づいて鉄心に発生する磁束を検出する磁気検出手段と、磁気検出手段の検出結果に応じて鉄心に発生する磁束の変化を打ち消す電流を二次巻線に出力する磁気平衡手段と、磁気検出手段及び磁気平衡手段に電源を供給する電源供給手段と、二次巻線に接続され二次巻線に流れる電流に比例する光変調信号を生成し外部へ延びる伝送線に出力する光変調手段とを備えている。
【0011】
また、光変調手段は、二次巻線に接続された抵抗と、抵抗の両端に接続され抵抗の両端電圧に基づいて光変調信号を発生させるポッケルス素子とを有する。
【0012】
また、電源供給手段は、導体を囲繞する電源用鉄心と、電源用鉄心に巻設された電源用巻線と、電源用巻線に発生する誘導電流を整流する整流回路とを有する。
【0013】
さらに、電源供給手段は、太陽電池である。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の光変流器装置の平面図である。図2は図1の光変流器装置の回路構成図である。図1及び図2において、変電所内に架設された一対の導体Lに光変流器装置が取り付けられている。光変流器装置は、一対の導体Lに導体把持部6によってそれぞれ把持取着された一対のコイルケース2を有している。コイルケース2は、例えばアルミニウムのような金属からなり気密構造を形成している。
【0015】
2つのコイルケース2内には、それぞれリング状を成す鉄心3が収納されている。鉄心3は中央位置に導体Lを貫通するように配設されている。2つの鉄心3には、それぞれ二次巻線3aが巻回されている。また、2つの鉄心3にはさらに、補償巻線3bが巻回されている。2つの補償巻線3bは、直列に接続され一端は接地されている。
【0016】
2つのコイルケース2を接続する部分のケース本体4の内部には、二次巻線3aに接続されたセンサ部5が収納されている。センサ部5は、二次巻線3aの二次側に接続された負担抵抗器10(以下、単に「抵抗10」という)と、抵抗10の両端に接続されたポッケルス素子11を有している。
【0017】
ポッケルス素子11は、二次巻線3a二次側に発生する電圧に応じた光信号を出力する。ポッケルス素子11には、図示しない光ファイバ伝送碍管内に設置された伝送線1が接続されている。伝送線1は、地上部の監視所まで延設されている。監視所には、伝送線1に接続された信号処理回路12が設置されている。抵抗10とポッケルス素子11とは、二次巻線3aに接続され二次巻線3aに流れる誘導電流に比例する光変調信号を発生させ外部へ延びる伝送線に出力する光変調手段を構成している。
【0018】
鉄心3には図2に示すように、二次巻線3aと補償巻線3bが巻回されている。補償巻線3bの出力は磁気検出回路7に接続されている。さらに磁気検出回路7の出力は磁気平衡回路8に接続されている。磁気検出回路7及び磁気平衡回路8には、両者に電力を供給する電源供給手段としてのバッテリー9が接続されている。磁気検出回路7は、鉄心3に発生する磁束を検出する磁気検出手段を構成している。磁気平衡回路8は、磁気検出回路7の検出結果に応じて鉄心3に発生する磁束の変化を打ち消す電流を二次巻線3aに供給する磁気平衡手段を構成している。
【0019】
次に動作を説明する。導体Lに事故電流が流れると鉄心3に磁束が発生する。
磁気検出回路7は、鉄心3に発生する磁束を検出する。磁気平衡回路8は、磁気検出回路7の検出結果に応じて鉄心3に発生する磁束の変化を打ち消すような電流を二次巻線3aに出力し、鉄心3内の磁束が零状態となるようにする。一方、二次巻線3aに流れる電流は、抵抗10の両端に二次電圧を発生させる。ポッケルス素子11は、抵抗10の両端電圧に応じた光変調信号を検出信号として出力する。この光変調信号は、導体Lに流れた事故電流に比例している。伝送線1は、この光変調信号を地上部の監視所まで伝送する。伝送された光変調信号は、信号処理回路12で電圧に変換される。
【0020】
このような構成の光変流器装置では、導体Lに流れた電流により鉄心3に生じた磁束を検出する磁気検出回路7の出力結果に応じた電流を磁気平衡回路8により二次巻線32に流すので、直流分を含有した事故電流が導体Lに流れても鉄心3が飽和することはない。
【0021】
このように本実施の形態の光変流器装置においては、鉄心3に補償巻線31を巻回し、補償巻線31に誘導する電流を磁気検出回路7に入力し、磁気検出回路7の検出結果に応じて鉄心3に発生する磁束の変化を打ち消すような電流を二次巻線32に供給する磁気平衡回路8を設けて、鉄心3内の磁束が零状態となるようにする。
【0022】
そして、この光変流器装置は、導体Lに流れた電流により発生する鉄心3内に生じる磁束を二次巻線3aに流す電流により打ち消すことにより鉄心3内の磁束を零状態にするため、鉄心3の断面積を大きくすることなく、装置を小型にすることができる。
【0023】
なお、本実施の形態においては、一対の導体Lに把持取着された光変流器装置の例を示しているが、一本の導体の場合も同様に構成できるものである。
【0024】
また、本実施の形態においては、光変調手段は、二次巻線3aに接続された抵抗10と、抵抗10の両端に発生する電圧に基づいて光変調信号を発生させるポッケルス素子11とからなるが、これに限られるものではない。
【0025】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2の光変流器装置の電源供給手段の回路構成図である。実施の形態1の電源供給手段はバッテリー9である。しなしながら、光変流器装置は、変電所内に架設された導体Lに直接把持取着されており、さらにバッテリー9は、気密構造のコイルケース2内に収納されているので、交換することが容易ではない。本実施の形態は、このような課題に対して提案されたものである。
【0026】
本実施の形態の電源供給手段は、図3に示されるように、導体3の周囲に配設されたリング状の電源用鉄心13と、電源用鉄心13に巻設された電源用巻線13aと、電源用巻線13aに発生する誘導電流を整流する整流回路15とを有する。整流回路15で整流された電流は、磁気検出回路7及び磁気平衡回路8に供給される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0027】
このような構成の光変流器装置のいては、コイルケース2内に電源用鉄心13を設けて、導体Lに流れる電流を電源用鉄心13で検出した出力を、整流回路15で直流に変換して電圧を得る。そのため、バッテリー等の交換作業がなくなり、保守が簡単になるので、コストダウンをすることができる。
【0028】
尚、整流回路15と磁気検出回路7及び磁気平衡回路8との間には、必要に応じて蓄電手段が設けられてもよい。
【0029】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3の光変流器装置の回路構成図である。図4において図1及び図2に示した実施の形態1と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態の電源供給手段は、図示しないコイルケースの外周面に取り付けられた太陽電池17である。太陽電池17の発生した電力は、磁気検出回路7及び磁気平衡回路8に供給される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0030】
このような構成の光変流器装置においては、コイルケース2の外部に太陽電池17を設け、太陽電池17の発生した電力は、磁気検出回路7及び磁気平衡回路8に供給されるので、バッテリー等の交換作業がなくなり、保守が簡単になるので、コストダウンをすることができる。
【0031】
尚、太陽電池17と磁気検出回路7及び磁気平衡回路8との間には、必要に応じて蓄電手段が設けられてもよい。
【0032】
【発明の効果】
この発明に係る光変流器装置は、架設された導体を囲繞するように設けられ導体に流れる電流によって磁束が発生する鉄心と、鉄心に巻設され鉄心に発生する磁束によって各々誘導電流が発生する二次巻線及び補償巻線と、補償巻線に接続され誘導電流に基づいて鉄心に発生する磁束を検出する磁気検出手段と、磁気検出手段の検出結果に応じて鉄心に発生する磁束の変化を打ち消す電流を二次巻線に出力する磁気平衡手段と、磁気検出手段及び磁気平衡手段に電源を供給する電源供給手段と、二次巻線に接続され二次巻線に流れる電流に比例する光変調信号を生成し外部へ延びる伝送線に出力する光変調手段とを備えている。そのため、直流分を含有した過大な事故電流が導体に流れても、鉄心が飽和することなく小型な光変流器装置とすることができる。
【0033】
また、光変調手段は、二次巻線に接続された抵抗と、抵抗の両端に接続され抵抗の両端電圧に基づいて光変調信号を発生させるポッケルス素子とを有する。そのため、簡単な構成で信頼性の高い光変調手段を実現することができる。
【0034】
また、電源供給手段は、導体を囲繞する電源用鉄心と、電源用鉄心に巻設された電源用巻線と、電源用巻線に発生する誘導電流を整流する整流回路とを有する。そのため、保守が容易な光変流器装置とすることができ、コストダウンをすることができる。
【0035】
さらに、電源供給手段は、太陽電池である。そのため、保守が容易な光変流器装置とすることができ、コストダウンをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の光変流器装置の平面図である。
【図2】図1の光変流器装置の回路構成図である。
【図3】この発明の実施の形態2の光変流器装置の電源供給手段の回路構成図である。
【図4】この発明の実施の形態3の光変流器装置の回路構成図である。
【図5】従来の光変流器装置の正面図である。
【図6】図5の光変流器装置の回路構成図である。
【符号の説明】
L 導体、1 伝送線、3 鉄心、3a 二次巻線、3b 補償巻線、5 センサ部、7 磁気検出回路(磁気検出手段)、8 磁気平衡回路(磁気平衡手段)、9 バッテリー(電源供給手段)、10 抵抗(光変調手段)、11 ポッケルス素子(光変調手段)、12 信号処理回路、13 電源用鉄心(電源供給手段)、13b 電源用巻線(電源供給手段)、15 整流回路(電源供給手段)、17 太陽電池(電源供給手段)。
【発明の属する技術分野】
変電所内等に架設された導体に直接取り付けられて、送配電線絡の事故電流を高精度に検出するための光変流器装置に関し、特に小形化を実現した光変流器装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、送電線絡や変電所内などで地絡や短絡などの事故が生じた場合には、故障箇所を素早く見つけ出して、故障箇所の切り離しや修理を迅速に行うために、導体に設置した光変流器装置により事故電流を高精度に検出して、光信号を監視所に伝送する必要がある。そして、このような導体の事故電流を検出するために、例えば特開平5−273252号公報に参照されるように、リング状の鉄心及び二次巻線を用いた光変流器装置が提案されている。
【0003】
図5は例えば特開平5−273252号公報に記載された従来の光変流器装置の正面図である。図6は図5の光変流器装置の回路構成図である。図5及び図6において、変電所内に架設された一対の導体Lに、導体把持部6によって取り付けられた一対のコイルケース2が設けられている。コイルケース2内には、それぞれリング状の鉄心3が収納されている。鉄心3は中心に導体Lを貫通させている。2つの鉄心3には、それぞれ二次巻線3aが巻回されている。二次巻線3aの一端は接地されている。
【0004】
2つのコイルケース2を接続するケース本体4の内部には、二次巻線3aに接続するセンサ部5が収納されている。センサ部5は、二次巻線3aに発生した二次電流を光変調信号に変換する。
【0005】
センサ部5には、伝送線1が接続されている。伝送線1は、図示しない光ファイバ伝送碍管内に設置され遠隔の監視所まで延びている。監視所には、伝送線1に接続された信号処理回路12が設置されている。
【0006】
次に動作を説明する。導体Lに事故電流が流れると鉄心3に磁束が発生する。
この磁束により、二次巻線3aに誘導電流が発生する。センサ部5は、この誘導電流に応じた光変調信号を伝送線1に出力する。伝送線1は、この光変調信号を地上部の監視所まで伝送する。伝送された光変調信号は、信号処理回路12で電圧に変換される。
【0007】
このように構成された光変流器装置においては、変電所内に変電所内に架設された導体Lに直接取り付けられ、光変流器装置は導体Lに発生した事故電流を光変調信号に変換して伝送線1に出力するので、地絡や短絡などの事故が生じた場合に、これを監視所にて素早く検知することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような構成の従来の光変流器装置では、導体Lに過大な直流成分を含有した事故電流が流れると、コイルケース2内に収納されている鉄心3が磁束飽和して事故電流に比例した光変調信号を出力することができない。
一方、鉄心3を磁束飽和させないためには鉄心3の断面積を大きくする必要があるという課題があった。
【0009】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、導体に過大な事故電流が流れても鉄心が飽和することなく小型にとすることができる光変流器装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光変流器装置は、架設された導体を囲繞するように設けられ導体に流れる電流によって磁束が発生する鉄心と、鉄心に巻設され鉄心に発生する磁束によって各々誘導電流が発生する二次巻線及び補償巻線と、補償巻線に接続され誘導電流に基づいて鉄心に発生する磁束を検出する磁気検出手段と、磁気検出手段の検出結果に応じて鉄心に発生する磁束の変化を打ち消す電流を二次巻線に出力する磁気平衡手段と、磁気検出手段及び磁気平衡手段に電源を供給する電源供給手段と、二次巻線に接続され二次巻線に流れる電流に比例する光変調信号を生成し外部へ延びる伝送線に出力する光変調手段とを備えている。
【0011】
また、光変調手段は、二次巻線に接続された抵抗と、抵抗の両端に接続され抵抗の両端電圧に基づいて光変調信号を発生させるポッケルス素子とを有する。
【0012】
また、電源供給手段は、導体を囲繞する電源用鉄心と、電源用鉄心に巻設された電源用巻線と、電源用巻線に発生する誘導電流を整流する整流回路とを有する。
【0013】
さらに、電源供給手段は、太陽電池である。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の光変流器装置の平面図である。図2は図1の光変流器装置の回路構成図である。図1及び図2において、変電所内に架設された一対の導体Lに光変流器装置が取り付けられている。光変流器装置は、一対の導体Lに導体把持部6によってそれぞれ把持取着された一対のコイルケース2を有している。コイルケース2は、例えばアルミニウムのような金属からなり気密構造を形成している。
【0015】
2つのコイルケース2内には、それぞれリング状を成す鉄心3が収納されている。鉄心3は中央位置に導体Lを貫通するように配設されている。2つの鉄心3には、それぞれ二次巻線3aが巻回されている。また、2つの鉄心3にはさらに、補償巻線3bが巻回されている。2つの補償巻線3bは、直列に接続され一端は接地されている。
【0016】
2つのコイルケース2を接続する部分のケース本体4の内部には、二次巻線3aに接続されたセンサ部5が収納されている。センサ部5は、二次巻線3aの二次側に接続された負担抵抗器10(以下、単に「抵抗10」という)と、抵抗10の両端に接続されたポッケルス素子11を有している。
【0017】
ポッケルス素子11は、二次巻線3a二次側に発生する電圧に応じた光信号を出力する。ポッケルス素子11には、図示しない光ファイバ伝送碍管内に設置された伝送線1が接続されている。伝送線1は、地上部の監視所まで延設されている。監視所には、伝送線1に接続された信号処理回路12が設置されている。抵抗10とポッケルス素子11とは、二次巻線3aに接続され二次巻線3aに流れる誘導電流に比例する光変調信号を発生させ外部へ延びる伝送線に出力する光変調手段を構成している。
【0018】
鉄心3には図2に示すように、二次巻線3aと補償巻線3bが巻回されている。補償巻線3bの出力は磁気検出回路7に接続されている。さらに磁気検出回路7の出力は磁気平衡回路8に接続されている。磁気検出回路7及び磁気平衡回路8には、両者に電力を供給する電源供給手段としてのバッテリー9が接続されている。磁気検出回路7は、鉄心3に発生する磁束を検出する磁気検出手段を構成している。磁気平衡回路8は、磁気検出回路7の検出結果に応じて鉄心3に発生する磁束の変化を打ち消す電流を二次巻線3aに供給する磁気平衡手段を構成している。
【0019】
次に動作を説明する。導体Lに事故電流が流れると鉄心3に磁束が発生する。
磁気検出回路7は、鉄心3に発生する磁束を検出する。磁気平衡回路8は、磁気検出回路7の検出結果に応じて鉄心3に発生する磁束の変化を打ち消すような電流を二次巻線3aに出力し、鉄心3内の磁束が零状態となるようにする。一方、二次巻線3aに流れる電流は、抵抗10の両端に二次電圧を発生させる。ポッケルス素子11は、抵抗10の両端電圧に応じた光変調信号を検出信号として出力する。この光変調信号は、導体Lに流れた事故電流に比例している。伝送線1は、この光変調信号を地上部の監視所まで伝送する。伝送された光変調信号は、信号処理回路12で電圧に変換される。
【0020】
このような構成の光変流器装置では、導体Lに流れた電流により鉄心3に生じた磁束を検出する磁気検出回路7の出力結果に応じた電流を磁気平衡回路8により二次巻線32に流すので、直流分を含有した事故電流が導体Lに流れても鉄心3が飽和することはない。
【0021】
このように本実施の形態の光変流器装置においては、鉄心3に補償巻線31を巻回し、補償巻線31に誘導する電流を磁気検出回路7に入力し、磁気検出回路7の検出結果に応じて鉄心3に発生する磁束の変化を打ち消すような電流を二次巻線32に供給する磁気平衡回路8を設けて、鉄心3内の磁束が零状態となるようにする。
【0022】
そして、この光変流器装置は、導体Lに流れた電流により発生する鉄心3内に生じる磁束を二次巻線3aに流す電流により打ち消すことにより鉄心3内の磁束を零状態にするため、鉄心3の断面積を大きくすることなく、装置を小型にすることができる。
【0023】
なお、本実施の形態においては、一対の導体Lに把持取着された光変流器装置の例を示しているが、一本の導体の場合も同様に構成できるものである。
【0024】
また、本実施の形態においては、光変調手段は、二次巻線3aに接続された抵抗10と、抵抗10の両端に発生する電圧に基づいて光変調信号を発生させるポッケルス素子11とからなるが、これに限られるものではない。
【0025】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2の光変流器装置の電源供給手段の回路構成図である。実施の形態1の電源供給手段はバッテリー9である。しなしながら、光変流器装置は、変電所内に架設された導体Lに直接把持取着されており、さらにバッテリー9は、気密構造のコイルケース2内に収納されているので、交換することが容易ではない。本実施の形態は、このような課題に対して提案されたものである。
【0026】
本実施の形態の電源供給手段は、図3に示されるように、導体3の周囲に配設されたリング状の電源用鉄心13と、電源用鉄心13に巻設された電源用巻線13aと、電源用巻線13aに発生する誘導電流を整流する整流回路15とを有する。整流回路15で整流された電流は、磁気検出回路7及び磁気平衡回路8に供給される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0027】
このような構成の光変流器装置のいては、コイルケース2内に電源用鉄心13を設けて、導体Lに流れる電流を電源用鉄心13で検出した出力を、整流回路15で直流に変換して電圧を得る。そのため、バッテリー等の交換作業がなくなり、保守が簡単になるので、コストダウンをすることができる。
【0028】
尚、整流回路15と磁気検出回路7及び磁気平衡回路8との間には、必要に応じて蓄電手段が設けられてもよい。
【0029】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3の光変流器装置の回路構成図である。図4において図1及び図2に示した実施の形態1と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態の電源供給手段は、図示しないコイルケースの外周面に取り付けられた太陽電池17である。太陽電池17の発生した電力は、磁気検出回路7及び磁気平衡回路8に供給される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0030】
このような構成の光変流器装置においては、コイルケース2の外部に太陽電池17を設け、太陽電池17の発生した電力は、磁気検出回路7及び磁気平衡回路8に供給されるので、バッテリー等の交換作業がなくなり、保守が簡単になるので、コストダウンをすることができる。
【0031】
尚、太陽電池17と磁気検出回路7及び磁気平衡回路8との間には、必要に応じて蓄電手段が設けられてもよい。
【0032】
【発明の効果】
この発明に係る光変流器装置は、架設された導体を囲繞するように設けられ導体に流れる電流によって磁束が発生する鉄心と、鉄心に巻設され鉄心に発生する磁束によって各々誘導電流が発生する二次巻線及び補償巻線と、補償巻線に接続され誘導電流に基づいて鉄心に発生する磁束を検出する磁気検出手段と、磁気検出手段の検出結果に応じて鉄心に発生する磁束の変化を打ち消す電流を二次巻線に出力する磁気平衡手段と、磁気検出手段及び磁気平衡手段に電源を供給する電源供給手段と、二次巻線に接続され二次巻線に流れる電流に比例する光変調信号を生成し外部へ延びる伝送線に出力する光変調手段とを備えている。そのため、直流分を含有した過大な事故電流が導体に流れても、鉄心が飽和することなく小型な光変流器装置とすることができる。
【0033】
また、光変調手段は、二次巻線に接続された抵抗と、抵抗の両端に接続され抵抗の両端電圧に基づいて光変調信号を発生させるポッケルス素子とを有する。そのため、簡単な構成で信頼性の高い光変調手段を実現することができる。
【0034】
また、電源供給手段は、導体を囲繞する電源用鉄心と、電源用鉄心に巻設された電源用巻線と、電源用巻線に発生する誘導電流を整流する整流回路とを有する。そのため、保守が容易な光変流器装置とすることができ、コストダウンをすることができる。
【0035】
さらに、電源供給手段は、太陽電池である。そのため、保守が容易な光変流器装置とすることができ、コストダウンをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の光変流器装置の平面図である。
【図2】図1の光変流器装置の回路構成図である。
【図3】この発明の実施の形態2の光変流器装置の電源供給手段の回路構成図である。
【図4】この発明の実施の形態3の光変流器装置の回路構成図である。
【図5】従来の光変流器装置の正面図である。
【図6】図5の光変流器装置の回路構成図である。
【符号の説明】
L 導体、1 伝送線、3 鉄心、3a 二次巻線、3b 補償巻線、5 センサ部、7 磁気検出回路(磁気検出手段)、8 磁気平衡回路(磁気平衡手段)、9 バッテリー(電源供給手段)、10 抵抗(光変調手段)、11 ポッケルス素子(光変調手段)、12 信号処理回路、13 電源用鉄心(電源供給手段)、13b 電源用巻線(電源供給手段)、15 整流回路(電源供給手段)、17 太陽電池(電源供給手段)。
Claims (4)
- 架設された導体を囲繞するように設けられ該導体に流れる電流によって磁束が発生する鉄心と、
前記鉄心に巻設され該鉄心に発生する磁束によって各々誘導電流が発生する二次巻線及び補償巻線と、
前記補償巻線に接続され前記誘導電流に基づいて前記鉄心に発生する磁束を検出する磁気検出手段と、
前記磁気検出手段の検出結果に応じて前記鉄心に発生する磁束の変化を打ち消す電流を前記二次巻線に出力する磁気平衡手段と、
前記磁気検出手段及び前記磁気平衡手段に電源を供給する電源供給手段と、
前記二次巻線に接続され該二次巻線に流れる電流に比例する光変調信号を生成し外部へ延びる伝送線に出力する光変調手段とを備えた
ことを特徴とする光変流器装置。 - 前記光変調手段は、
前記二次巻線に接続された抵抗と、
前記抵抗の両端に接続され該抵抗の両端電圧に基づいて前記光変調信号を発生させるポッケルス素子とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の光変流器装置。 - 前記電源供給手段は、
前記導体を囲繞する電源用鉄心と、
前記電源用鉄心に巻設された電源用巻線と、
前記電源用巻線に発生する誘導電流を整流する整流回路とを有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光変流器装置。 - 前記電源供給手段は、太陽電池である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光変流器装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103592491A (zh) * | 2013-11-26 | 2014-02-19 | 国家电网公司 | 一种电流隔离互感器 |
CN108291928A (zh) * | 2015-11-24 | 2018-07-17 | 菲尼克斯电气公司 | 感应式电流互感器 |
-
2002
- 2002-07-11 JP JP2002202701A patent/JP2004045196A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103592491A (zh) * | 2013-11-26 | 2014-02-19 | 国家电网公司 | 一种电流隔离互感器 |
CN108291928A (zh) * | 2015-11-24 | 2018-07-17 | 菲尼克斯电气公司 | 感应式电流互感器 |
CN108291928B (zh) * | 2015-11-24 | 2021-09-10 | 菲尼克斯电气公司 | 感应式电流互感器 |
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