JP2004044627A - 差圧性能および通板性に優れた差圧シール装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】差圧シール装置内の差圧室相互間にわたって長尺薄帯を連続的に搬入出するに際し、安定した差圧と板割れや板切れの防止を達成する。
【解決手段】初期の粘性流の圧力領域については、長尺薄帯の巻きがけ案内を司る単一のガイドロールと、この巻きがけられた長尺薄帯の周囲を囲むように配設され、対向する一方の面の一部が該ガイドロール上の薄帯面に近接し、かつ該薄帯面に沿った形状に形成されると共に、対向する他方の面の一部が該ガイドロール外周面に近接し、かつ該ガイドロール外周面に沿った形状に形成され、さらに上記した対向する両部分を気密に保持する側面構造を有するシーリングアタッチメントとからなるシール機構とする一方、中間流および分子流の圧力領域については、長尺のスリット状隙間からなるシール機構とする。
【選択図】 図4
【解決手段】初期の粘性流の圧力領域については、長尺薄帯の巻きがけ案内を司る単一のガイドロールと、この巻きがけられた長尺薄帯の周囲を囲むように配設され、対向する一方の面の一部が該ガイドロール上の薄帯面に近接し、かつ該薄帯面に沿った形状に形成されると共に、対向する他方の面の一部が該ガイドロール外周面に近接し、かつ該ガイドロール外周面に沿った形状に形成され、さらに上記した対向する両部分を気密に保持する側面構造を有するシーリングアタッチメントとからなるシール機構とする一方、中間流および分子流の圧力領域については、長尺のスリット状隙間からなるシール機構とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺薄帯を対象とする連続的な差動排気システム( Air−to−Air方式)に用いて好適な差圧シール装置に関し、特に初期の粘性流の圧力領域と中間流および分子流の圧力領域におけるシール機構を区別することにより、差圧性能と共に通板性の有利な向上を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
長尺薄帯を対象として、連続的な差動排気システム( Air−to−Air 方式)を用いて、真空蒸着やイオンプレーティング、スパッタリングなどのいわゆるドライプレーティング法によって表面被覆を行う技術に関し、発明者らは先に、特公平3−53512 号公報、特公平6−72301 号公報および特許第2568920 号公報において、新規な構造になる差圧シール装置を提案した。
この装置は、差圧室相互間にわたり、圧力差を維持しつつ長尺薄帯の連続的な通過を誘導する差圧シール装置であって、長尺薄帯の巻きがけ案内を司る単一のガイドロールと、この巻きがけられた長尺薄帯の周囲を囲むように配設され、対向する一方の面の一部が該ガイドロール上の薄帯面に近接し、かつ該薄帯面に沿った形状に形成されると共に、対向する他方の面の一部が該ガイドロール外周面に近接し、かつ該ガイドロール外周面に沿った形状に形成され、さらに上記した対向する両部分を気密に保持する側面構造を有するシーリングアタッチメントとからなるシール装置である。
【0003】
図1に、この差圧シール装置に採用したシーリングアタッチメントの模式図を示す。このアタッチメント1は、ガイドロール2に薄鋼帯3を巻付け、この薄鋼帯3の周囲を囲むようにしたのが特徴である。そして、一つのガイドロール2とこのシーリングアタッチメント1とを一体構造として差圧を得る方式である。このガイドロール上の薄鋼帯とシーリングアタッチメントとの隙間は、一定のクリアランスの状態で圧力差を一定に保持しながら、薄鋼帯を搬送できるような大きさに設定されている。
【0004】
上述した連続大電流HCDイオンプレーティング装置は、上記したシーリングアタッチメントを用いて、図2に模式で示すような差圧室を構成して、薄鋼帯を連続して大気から真空槽内に搬入出する差動排気システムを採用したものである。
この例において、差圧室の段数は、入側、出側とも6段で、入側と出側差圧室の同一ステージは1系統のポンプにより排気する仕組みになっている。
【0005】
また図3に、この差圧シール装置に、幅:500 mm、厚み:0.25mmのステンレス鋼板(SUS430)を通板した時の各差圧室の圧力P、コンダクタンスC(隙間)および排気量Sの実測値および計算値(設計目標値を括弧内に示す)をまとめて示す。
この計算値は、本発明者らが、「真空、第41巻、(1998)、P.703−708 」に開示した式を用いて算出したもので、第1段目と第2段目の差圧室は粘性流、第3段目の差圧室は中間流〔CV =KC0 (m3/s)〕、そして第4段目移行は分子流の式〔CV =309 ×K1 ×(ab3/L)(m3/s)〕を用いて計算したものである。
図3に示したとおり、この差圧シール装置によれば、6段目の差圧室において10−5Torrレベルの低圧力(高真空)が安定して達成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この差圧シール装置は、10−5Torrの高真空を連続して達成できるものの、薄鋼帯の板切れや板割れ等が発生した場合には、ロールとシーリングアタッチメントとの隙間が小さいために通板性に大きな問題が生じることが判明した。
すなわち、一方向性珪素鋼板のような脆く、板割れが発生し易い鋼板の通板においては、途中の差圧室で板切れが発生した場合には、差圧室を開口してロールとシーリングアタッチメントとの小さな隙間に鋼板を通すことが重要となる。この場合、鋼板を差圧室に通板させるためには、各差圧室の蓋を開けて、ロールとシーリングアタッチメントとの小さな隙間に板を通す必要があり、この作業に多大な労力と時間が必要となる。
【0007】
また、特にセラミック膜の被覆のためのプラズマコーティングにおいては、研磨により平滑化した膜無し一方向性珪素鋼板(フォルステライト下地被膜を有しない一方向性珪素鋼板)をそのまま使用して、差圧室を通板させることが多い。その際、しばしば鋼板の両側にコーナー割れを生じた珪素鋼板の通板が不可避であることから、差圧室の開口部やロールとシーリングアタッチメント間の狭い隙間を通板させるのは大変な作業であり、その改善が求められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、発明者らは、上記の要望に応えるべく多くの試行実験を重ねた。
その結果、圧力差を維持しつつ長尺薄帯の連続的な通過を誘導する差圧シール装置において、初期の粘性流の圧力領域については、長尺薄帯の巻きがけ案内を司る単一のガイドロールとシーリングアタッチメントとからなる従来の差圧シール機構とする一方、引き続く中間流および分子流の圧力領域については、長尺のスリット状隙間をシール機構とすることに想い到った。
すわなち、本発明は、差圧性能に関し、ガイドロールとシーリングアタッチメントによるシール機構を必要とするのは、第1段目と2段目の差圧室の粘性流領域のみであり、それ以降の第3段目の中間流や第4段目以降の分子流領域では隙間(コンダクタンス)が最重要であることを新たに見出して、完成されたものである。
【0009】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.差圧室相互間にわたり、圧力差を維持しつつ長尺薄帯の連続的な通過を誘導する差圧シール装置であって、
初期の粘性流の圧力領域については、長尺薄帯の巻きがけ案内を司る単一のガイドロールと、この巻きがけられた長尺薄帯の周囲を囲むように配設され、対向する一方の面の一部が該ガイドロール上の薄帯面に近接し、かつ該薄帯面に沿った形状に形成されると共に、対向する他方の面の一部が該ガイドロール外周面に近接し、かつ該ガイドロール外周面に沿った形状に形成され、さらに上記した対向する両部分を気密に保持する側面構造を有するシーリングアタッチメントとからなるシール機構とし、
一方、中間流および分子流の圧力領域については、長尺のスリット状隙間からなるシール機構とすることを特徴とする、差圧性能および通板性に優れた差圧シール装置。
【0010】
2.上記1において、長尺のスリット状隙間について、低真空側の隙間長さa1と高真空側の隙間長さa2 との比a1/a2 を 0.8〜1.0 としたことを特徴とする、差圧性能および通板性に優れた差圧シール装置。
【0011】
3.上記1または2において、長尺のスリット状隙間の低真空側の内面に、乱流発生用の表面凹凸を設けたことを特徴とする、差圧性能および通板性に優れた差圧シール装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明を由来するに至った実験結果について説明する。
C:0.078 mass%、Si:3.45mass%、Mn:0.076 mass%、Se:0.020 mass%、Sb:0.025 mass%、Al:0.020 mass%、N:0.0077mass%およびMo:0.011 mass%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる珪素鋼連鋳スラブを、1350℃, 3時間の加熱処理後、熱間圧延により板厚:2.0 mmの熱延板とした。ついで、この熱延板に1020℃, 1分間の均一化焼鈍を施したのち、1050℃の中間焼鈍を挟む2回の圧延を施して板厚:0.23mmの最終冷延板とした。
【0013】
ついで、この最終冷延板の表面に、アルキド系樹脂を主成分とするエッチングレジストインキをグラビアオフセット印刷により、非塗布部が圧延方向にほぼ直角に幅:200 μm 、間隔:4mmで線状に残存するように塗布したのち、200 ℃で3分間焼き付けた。この時のレジスト厚は2μm であった。このようにしてエッチングレジストを塗布した鋼板に、電解エッチングを施すことにより、幅:200μm 、深さ:20μm の線状の溝を形成し、ついで有機溶剤中に浸漬してレジストを除去した。この時の電解エッチングは、NaCl電解液中で電流密度:10 A/dm2、処理時間:20秒の条件で行った。
【0014】
その後、 840℃の湿H2中で脱炭・1次再結晶焼鈍を行った後、鋼板表面にMgO(60mass%), Sr(OH)(5mass%), SbC13(30mass%), NiCl3(5mass%)の組成になる焼鈍分離剤スラリーを塗布し、ついで 850℃で15時間の焼鈍後、 850℃から10℃/hの速度で1050℃まで昇温してゴス方位に強く集積した2次再結晶粒を発達させたのち、1200℃の乾H2中で純化処理してフォルステライト被膜を有しない一方向性珪素鋼板(以下、膜無し珪素鋼板と呼ぶ)を製造した。
【0015】
かくして得られた膜無し珪素綱板の表面に、図4に示す新たに採用した差圧シール装置を用いて、1000Aの大容量HCDガンにより、TiNO膜の長時間コーティング実験を行った。
図4に示した差圧シール装置において、薄鋼帯の入側部分は前掲した図2の構造と共通するので同一の番号を付して示し、図中番号4が、本発明に係る長尺のスリット状隙間をそなえる長尺シール部材である。
【0016】
上記の差圧シール装置を設置した Air−to−Air 方式によりTiNO膜( 0.1μm厚)を被成した後の珪素鋼板の表面には、さらにマグネトロン・スパッタ法を用いて SiNX 膜(0.2 μm 厚)を被成した。
その後、この珪素鋼板表面に、燐酸塩とコロイダルシリカを主成分とする絶縁コーティング処理液を塗布、乾燥し、さらに 815℃の窒素中で1分間の焼付け処理後、窒素中にて 800℃, 3時間の歪取り焼鈍を施した。
【0017】
かくして得られた製品の磁気特性(磁束密度、鉄損)、TiNO成膜時における差圧室の真空度および差圧室の鋼板の通板状況について調べた結果を、表1に示す。
また、表1には、比較のため、図2に示した現行の差圧シール装置を用いた場合についての調査結果も併せて示す。
【0018】
【表1】
【0019】
同表から明らかなように、本発明に従う(a) の差圧シール装置を使用した場合には、差圧室の真空度が高く、また鋼板の通板性も良く、板割れや板切れは全く発生しなかった。さらに、プラズマコーティング後の製品の磁気特性も良好であった。
これに対し、現行の(b) の差圧シール装置を使用した場合には、差圧室の真空度は発明例と同程度に高く、またプラズマコーティング後の製品の磁気特性も良好ではあったが、鋼板の通板が悪く、板割れや板切れが多発した。
【0020】
さらに、発明者らは、中間流および分子流の圧力領域において、長尺のスリット状隙間の大きさを調査したところ、鋼板入側の隙間長さa1 (低真空側)と出側の隙間長さa2 (高真空側)の比が 0.8〜1.0 の範囲を満足する場合にとりわけ良好な差圧を確保できることが判明した。
【0021】
また、図5に模式で示すように、長尺シール部材4の鋼板入側の内面に、表面凹凸5を設けると、効果的に乱流が生じて、真空度を向上させ得ることも併せて見出した。
ここに、上記した表面凹凸は、長尺シール部材4の全長にわたって形成する必要はなく、長尺シール部材4の全長の鋼板入側領域:10〜20%程度で十分である。また、その形成面については、上、下面のいずれか一方であっても、両方であってもいずれでもかまわないが、少なくとも上面に形成するのが有利である。
【0022】
【実施例】
実施例1
C:0.075 mass%、Si:3.39mass%、Mn:0.077 mass%、Se:0.020 mass%、Sb:0.025 mass%、Al:0.020 mass%、N:0.0073mass%およびMo:0.010 mass%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる珪素鋼連鋳スラブを、1350℃, 3時間の加熱処理後、熱間圧延により厚み:2.1 mmの熱延板とした。ついで、1050℃の均一化焼鈍後、1030℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延により板厚:0.23mmの最終冷延板とした。
【0023】
ついで、この最終冷延板の表面に、アルキド系樹脂を主成分とするエッチングレジストインキをグラビアオフセット印刷により、非塗布部が圧延方向にほぼ直角に幅:200 μm 、間隔:4mmで線状に残存するように塗布したのち、200 ℃で3分間焼き付けた。この時のレジスト厚は2μm であった。このようにしてエッチングレジストを塗布した鋼板に、電解エッチングを施すことにより、幅:200μm 、深さ:20μm の線状の溝を形成し、ついで有機溶剤中に浸漬してレジストを除去した。この時の電解エッチングは、NaCl電解液中で電流密度:10 A/dm2、処理時間:20秒の条件で行った。
【0024】
ついで、 840℃の湿H2中で脱炭・1次再結晶焼鈍を行った後、鋼板表面にMgO(60mass%), A12O3(5mass%), Sr(OH)(3mass%), SbCl3(30mass%), SiO2(2mass%)の組成になる焼鈍分離剤スラリーを塗布し、ついで 850℃で15時間の焼鈍後、 850℃から15℃/hの速度で1050℃まで昇温してゴス方位に強く集積した2次再結晶粒を発達させたのち、1200℃の乾H2中で純化処理を施して膜無し一方向性珪素鋼板を作製した。
【0025】
かくして得られた膜無し珪素鋼板コイルの表面に、図4に示した差圧シール装置をそなえる Air−to−Air 方式の大容量のHCDイオンプレーティング装置(1000A)を用いて、TiNO膜を0.15μm 厚に被成した。
ついで、その上にさらにマグネトロン・スパック法により SiNX 膜(0.2μm 厚)を被成した。
その後、この珪素鋼板表面に、燐酸塩とコロイダルシリカを主成分とする絶縁コーティング処理液を塗布、乾燥し、さらに 815℃の窒素中で1分間の焼付け処理後、窒素中にて 800℃, 3時間の歪取り焼鈍を施した。
【0026】
かくして得られた製品の磁気特性(磁束密度、鉄損)、TiNO成膜時における差圧室の真空度および差圧室の鋼板の通板状況について調べた結果を、表2に示す。
また、表2には、比較のため、図2に示した現行の差圧シール装置を用いた場合についての調査結果も併せて示す。
【0027】
【表2】
【0028】
同表から明らかなように、本発明に従う(a) の差圧シール装置を使用した場合には、差圧室の真空度が高く、また鋼板の通板性も良く、板割れや板切れは全く発生しなかった。さらに、プラズマコーティング後の製品の磁気特性も良好であった。
これに対し、現行の(b) の差圧シール装置を使用した場合には、差圧室の真空度は発明例と同程度に高く、またプラズマコーティング後の製品の磁気特性も良好ではあったが、鋼板の通板が悪く、板割れや板切れが多発した。
【0029】
【発明の効果】
かくして、本発明に従い、中間流および分子流の圧力領域における差圧シール機構を、長尺のスリット状隙間とすることにより、長尺薄帯の差圧室通板中における板割れや板切れの発生を皆無とすることができる。
従って、本発明の差圧シール装置を、 Air−to−Air 方式の大容量のHCDイオンプレーティング装置等に設置することにより、TiNO膜などのセラミック被膜の形成に際し、その生産能率を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は一体構造になるガイドロールとシーリングアタッチメントの斜視図、(b) はシーリングアタッチメントの裏面図である。
【図2】Air−to−Air 方式における従来の差圧シール装置の模式図である。
【図3】各差圧室の圧力P、コンダクタンスC(隙間)および排気量Sの実測値および計算値(設計目標値を括弧内に示す)を示した図である。
【図4】本発明に従う差圧シール装置の模式図である。
【図5】(a) は本発明に従う長尺シール部材の斜視図、(b) はその内面に形成した表面凹凸を示した図である。
【符号の説明】
1 シーリングアタッチメント
2 ガイドロール
3 薄鋼帯
4 長尺シール部材
5 表面凹凸
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺薄帯を対象とする連続的な差動排気システム( Air−to−Air方式)に用いて好適な差圧シール装置に関し、特に初期の粘性流の圧力領域と中間流および分子流の圧力領域におけるシール機構を区別することにより、差圧性能と共に通板性の有利な向上を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
長尺薄帯を対象として、連続的な差動排気システム( Air−to−Air 方式)を用いて、真空蒸着やイオンプレーティング、スパッタリングなどのいわゆるドライプレーティング法によって表面被覆を行う技術に関し、発明者らは先に、特公平3−53512 号公報、特公平6−72301 号公報および特許第2568920 号公報において、新規な構造になる差圧シール装置を提案した。
この装置は、差圧室相互間にわたり、圧力差を維持しつつ長尺薄帯の連続的な通過を誘導する差圧シール装置であって、長尺薄帯の巻きがけ案内を司る単一のガイドロールと、この巻きがけられた長尺薄帯の周囲を囲むように配設され、対向する一方の面の一部が該ガイドロール上の薄帯面に近接し、かつ該薄帯面に沿った形状に形成されると共に、対向する他方の面の一部が該ガイドロール外周面に近接し、かつ該ガイドロール外周面に沿った形状に形成され、さらに上記した対向する両部分を気密に保持する側面構造を有するシーリングアタッチメントとからなるシール装置である。
【0003】
図1に、この差圧シール装置に採用したシーリングアタッチメントの模式図を示す。このアタッチメント1は、ガイドロール2に薄鋼帯3を巻付け、この薄鋼帯3の周囲を囲むようにしたのが特徴である。そして、一つのガイドロール2とこのシーリングアタッチメント1とを一体構造として差圧を得る方式である。このガイドロール上の薄鋼帯とシーリングアタッチメントとの隙間は、一定のクリアランスの状態で圧力差を一定に保持しながら、薄鋼帯を搬送できるような大きさに設定されている。
【0004】
上述した連続大電流HCDイオンプレーティング装置は、上記したシーリングアタッチメントを用いて、図2に模式で示すような差圧室を構成して、薄鋼帯を連続して大気から真空槽内に搬入出する差動排気システムを採用したものである。
この例において、差圧室の段数は、入側、出側とも6段で、入側と出側差圧室の同一ステージは1系統のポンプにより排気する仕組みになっている。
【0005】
また図3に、この差圧シール装置に、幅:500 mm、厚み:0.25mmのステンレス鋼板(SUS430)を通板した時の各差圧室の圧力P、コンダクタンスC(隙間)および排気量Sの実測値および計算値(設計目標値を括弧内に示す)をまとめて示す。
この計算値は、本発明者らが、「真空、第41巻、(1998)、P.703−708 」に開示した式を用いて算出したもので、第1段目と第2段目の差圧室は粘性流、第3段目の差圧室は中間流〔CV =KC0 (m3/s)〕、そして第4段目移行は分子流の式〔CV =309 ×K1 ×(ab3/L)(m3/s)〕を用いて計算したものである。
図3に示したとおり、この差圧シール装置によれば、6段目の差圧室において10−5Torrレベルの低圧力(高真空)が安定して達成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この差圧シール装置は、10−5Torrの高真空を連続して達成できるものの、薄鋼帯の板切れや板割れ等が発生した場合には、ロールとシーリングアタッチメントとの隙間が小さいために通板性に大きな問題が生じることが判明した。
すなわち、一方向性珪素鋼板のような脆く、板割れが発生し易い鋼板の通板においては、途中の差圧室で板切れが発生した場合には、差圧室を開口してロールとシーリングアタッチメントとの小さな隙間に鋼板を通すことが重要となる。この場合、鋼板を差圧室に通板させるためには、各差圧室の蓋を開けて、ロールとシーリングアタッチメントとの小さな隙間に板を通す必要があり、この作業に多大な労力と時間が必要となる。
【0007】
また、特にセラミック膜の被覆のためのプラズマコーティングにおいては、研磨により平滑化した膜無し一方向性珪素鋼板(フォルステライト下地被膜を有しない一方向性珪素鋼板)をそのまま使用して、差圧室を通板させることが多い。その際、しばしば鋼板の両側にコーナー割れを生じた珪素鋼板の通板が不可避であることから、差圧室の開口部やロールとシーリングアタッチメント間の狭い隙間を通板させるのは大変な作業であり、その改善が求められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、発明者らは、上記の要望に応えるべく多くの試行実験を重ねた。
その結果、圧力差を維持しつつ長尺薄帯の連続的な通過を誘導する差圧シール装置において、初期の粘性流の圧力領域については、長尺薄帯の巻きがけ案内を司る単一のガイドロールとシーリングアタッチメントとからなる従来の差圧シール機構とする一方、引き続く中間流および分子流の圧力領域については、長尺のスリット状隙間をシール機構とすることに想い到った。
すわなち、本発明は、差圧性能に関し、ガイドロールとシーリングアタッチメントによるシール機構を必要とするのは、第1段目と2段目の差圧室の粘性流領域のみであり、それ以降の第3段目の中間流や第4段目以降の分子流領域では隙間(コンダクタンス)が最重要であることを新たに見出して、完成されたものである。
【0009】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.差圧室相互間にわたり、圧力差を維持しつつ長尺薄帯の連続的な通過を誘導する差圧シール装置であって、
初期の粘性流の圧力領域については、長尺薄帯の巻きがけ案内を司る単一のガイドロールと、この巻きがけられた長尺薄帯の周囲を囲むように配設され、対向する一方の面の一部が該ガイドロール上の薄帯面に近接し、かつ該薄帯面に沿った形状に形成されると共に、対向する他方の面の一部が該ガイドロール外周面に近接し、かつ該ガイドロール外周面に沿った形状に形成され、さらに上記した対向する両部分を気密に保持する側面構造を有するシーリングアタッチメントとからなるシール機構とし、
一方、中間流および分子流の圧力領域については、長尺のスリット状隙間からなるシール機構とすることを特徴とする、差圧性能および通板性に優れた差圧シール装置。
【0010】
2.上記1において、長尺のスリット状隙間について、低真空側の隙間長さa1と高真空側の隙間長さa2 との比a1/a2 を 0.8〜1.0 としたことを特徴とする、差圧性能および通板性に優れた差圧シール装置。
【0011】
3.上記1または2において、長尺のスリット状隙間の低真空側の内面に、乱流発生用の表面凹凸を設けたことを特徴とする、差圧性能および通板性に優れた差圧シール装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明を由来するに至った実験結果について説明する。
C:0.078 mass%、Si:3.45mass%、Mn:0.076 mass%、Se:0.020 mass%、Sb:0.025 mass%、Al:0.020 mass%、N:0.0077mass%およびMo:0.011 mass%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる珪素鋼連鋳スラブを、1350℃, 3時間の加熱処理後、熱間圧延により板厚:2.0 mmの熱延板とした。ついで、この熱延板に1020℃, 1分間の均一化焼鈍を施したのち、1050℃の中間焼鈍を挟む2回の圧延を施して板厚:0.23mmの最終冷延板とした。
【0013】
ついで、この最終冷延板の表面に、アルキド系樹脂を主成分とするエッチングレジストインキをグラビアオフセット印刷により、非塗布部が圧延方向にほぼ直角に幅:200 μm 、間隔:4mmで線状に残存するように塗布したのち、200 ℃で3分間焼き付けた。この時のレジスト厚は2μm であった。このようにしてエッチングレジストを塗布した鋼板に、電解エッチングを施すことにより、幅:200μm 、深さ:20μm の線状の溝を形成し、ついで有機溶剤中に浸漬してレジストを除去した。この時の電解エッチングは、NaCl電解液中で電流密度:10 A/dm2、処理時間:20秒の条件で行った。
【0014】
その後、 840℃の湿H2中で脱炭・1次再結晶焼鈍を行った後、鋼板表面にMgO(60mass%), Sr(OH)(5mass%), SbC13(30mass%), NiCl3(5mass%)の組成になる焼鈍分離剤スラリーを塗布し、ついで 850℃で15時間の焼鈍後、 850℃から10℃/hの速度で1050℃まで昇温してゴス方位に強く集積した2次再結晶粒を発達させたのち、1200℃の乾H2中で純化処理してフォルステライト被膜を有しない一方向性珪素鋼板(以下、膜無し珪素鋼板と呼ぶ)を製造した。
【0015】
かくして得られた膜無し珪素綱板の表面に、図4に示す新たに採用した差圧シール装置を用いて、1000Aの大容量HCDガンにより、TiNO膜の長時間コーティング実験を行った。
図4に示した差圧シール装置において、薄鋼帯の入側部分は前掲した図2の構造と共通するので同一の番号を付して示し、図中番号4が、本発明に係る長尺のスリット状隙間をそなえる長尺シール部材である。
【0016】
上記の差圧シール装置を設置した Air−to−Air 方式によりTiNO膜( 0.1μm厚)を被成した後の珪素鋼板の表面には、さらにマグネトロン・スパッタ法を用いて SiNX 膜(0.2 μm 厚)を被成した。
その後、この珪素鋼板表面に、燐酸塩とコロイダルシリカを主成分とする絶縁コーティング処理液を塗布、乾燥し、さらに 815℃の窒素中で1分間の焼付け処理後、窒素中にて 800℃, 3時間の歪取り焼鈍を施した。
【0017】
かくして得られた製品の磁気特性(磁束密度、鉄損)、TiNO成膜時における差圧室の真空度および差圧室の鋼板の通板状況について調べた結果を、表1に示す。
また、表1には、比較のため、図2に示した現行の差圧シール装置を用いた場合についての調査結果も併せて示す。
【0018】
【表1】
【0019】
同表から明らかなように、本発明に従う(a) の差圧シール装置を使用した場合には、差圧室の真空度が高く、また鋼板の通板性も良く、板割れや板切れは全く発生しなかった。さらに、プラズマコーティング後の製品の磁気特性も良好であった。
これに対し、現行の(b) の差圧シール装置を使用した場合には、差圧室の真空度は発明例と同程度に高く、またプラズマコーティング後の製品の磁気特性も良好ではあったが、鋼板の通板が悪く、板割れや板切れが多発した。
【0020】
さらに、発明者らは、中間流および分子流の圧力領域において、長尺のスリット状隙間の大きさを調査したところ、鋼板入側の隙間長さa1 (低真空側)と出側の隙間長さa2 (高真空側)の比が 0.8〜1.0 の範囲を満足する場合にとりわけ良好な差圧を確保できることが判明した。
【0021】
また、図5に模式で示すように、長尺シール部材4の鋼板入側の内面に、表面凹凸5を設けると、効果的に乱流が生じて、真空度を向上させ得ることも併せて見出した。
ここに、上記した表面凹凸は、長尺シール部材4の全長にわたって形成する必要はなく、長尺シール部材4の全長の鋼板入側領域:10〜20%程度で十分である。また、その形成面については、上、下面のいずれか一方であっても、両方であってもいずれでもかまわないが、少なくとも上面に形成するのが有利である。
【0022】
【実施例】
実施例1
C:0.075 mass%、Si:3.39mass%、Mn:0.077 mass%、Se:0.020 mass%、Sb:0.025 mass%、Al:0.020 mass%、N:0.0073mass%およびMo:0.010 mass%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる珪素鋼連鋳スラブを、1350℃, 3時間の加熱処理後、熱間圧延により厚み:2.1 mmの熱延板とした。ついで、1050℃の均一化焼鈍後、1030℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延により板厚:0.23mmの最終冷延板とした。
【0023】
ついで、この最終冷延板の表面に、アルキド系樹脂を主成分とするエッチングレジストインキをグラビアオフセット印刷により、非塗布部が圧延方向にほぼ直角に幅:200 μm 、間隔:4mmで線状に残存するように塗布したのち、200 ℃で3分間焼き付けた。この時のレジスト厚は2μm であった。このようにしてエッチングレジストを塗布した鋼板に、電解エッチングを施すことにより、幅:200μm 、深さ:20μm の線状の溝を形成し、ついで有機溶剤中に浸漬してレジストを除去した。この時の電解エッチングは、NaCl電解液中で電流密度:10 A/dm2、処理時間:20秒の条件で行った。
【0024】
ついで、 840℃の湿H2中で脱炭・1次再結晶焼鈍を行った後、鋼板表面にMgO(60mass%), A12O3(5mass%), Sr(OH)(3mass%), SbCl3(30mass%), SiO2(2mass%)の組成になる焼鈍分離剤スラリーを塗布し、ついで 850℃で15時間の焼鈍後、 850℃から15℃/hの速度で1050℃まで昇温してゴス方位に強く集積した2次再結晶粒を発達させたのち、1200℃の乾H2中で純化処理を施して膜無し一方向性珪素鋼板を作製した。
【0025】
かくして得られた膜無し珪素鋼板コイルの表面に、図4に示した差圧シール装置をそなえる Air−to−Air 方式の大容量のHCDイオンプレーティング装置(1000A)を用いて、TiNO膜を0.15μm 厚に被成した。
ついで、その上にさらにマグネトロン・スパック法により SiNX 膜(0.2μm 厚)を被成した。
その後、この珪素鋼板表面に、燐酸塩とコロイダルシリカを主成分とする絶縁コーティング処理液を塗布、乾燥し、さらに 815℃の窒素中で1分間の焼付け処理後、窒素中にて 800℃, 3時間の歪取り焼鈍を施した。
【0026】
かくして得られた製品の磁気特性(磁束密度、鉄損)、TiNO成膜時における差圧室の真空度および差圧室の鋼板の通板状況について調べた結果を、表2に示す。
また、表2には、比較のため、図2に示した現行の差圧シール装置を用いた場合についての調査結果も併せて示す。
【0027】
【表2】
【0028】
同表から明らかなように、本発明に従う(a) の差圧シール装置を使用した場合には、差圧室の真空度が高く、また鋼板の通板性も良く、板割れや板切れは全く発生しなかった。さらに、プラズマコーティング後の製品の磁気特性も良好であった。
これに対し、現行の(b) の差圧シール装置を使用した場合には、差圧室の真空度は発明例と同程度に高く、またプラズマコーティング後の製品の磁気特性も良好ではあったが、鋼板の通板が悪く、板割れや板切れが多発した。
【0029】
【発明の効果】
かくして、本発明に従い、中間流および分子流の圧力領域における差圧シール機構を、長尺のスリット状隙間とすることにより、長尺薄帯の差圧室通板中における板割れや板切れの発生を皆無とすることができる。
従って、本発明の差圧シール装置を、 Air−to−Air 方式の大容量のHCDイオンプレーティング装置等に設置することにより、TiNO膜などのセラミック被膜の形成に際し、その生産能率を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は一体構造になるガイドロールとシーリングアタッチメントの斜視図、(b) はシーリングアタッチメントの裏面図である。
【図2】Air−to−Air 方式における従来の差圧シール装置の模式図である。
【図3】各差圧室の圧力P、コンダクタンスC(隙間)および排気量Sの実測値および計算値(設計目標値を括弧内に示す)を示した図である。
【図4】本発明に従う差圧シール装置の模式図である。
【図5】(a) は本発明に従う長尺シール部材の斜視図、(b) はその内面に形成した表面凹凸を示した図である。
【符号の説明】
1 シーリングアタッチメント
2 ガイドロール
3 薄鋼帯
4 長尺シール部材
5 表面凹凸
Claims (3)
- 差圧室相互間にわたり、圧力差を維持しつつ長尺薄帯の連続的な通過を誘導する差圧シール装置であって、
初期の粘性流の圧力領域については、長尺薄帯の巻きがけ案内を司る単一のガイドロールと、この巻きがけられた長尺薄帯の周囲を囲むように配設され、対向する一方の面の一部が該ガイドロール上の薄帯面に近接し、かつ該薄帯面に沿った形状に形成されると共に、対向する他方の面の一部が該ガイドロール外周面に近接し、かつ該ガイドロール外周面に沿った形状に形成され、さらに上記した対向する両部分を気密に保持する側面構造を有するシーリングアタッチメントとからなるシール機構とし、
一方、中間流および分子流の圧力領域については、長尺のスリット状隙間からなるシール機構とすることを特徴とする、差圧性能および通板性に優れた差圧シール装置。 - 請求項1において、長尺のスリット状隙間について、低真空側の隙間長さa1 と高真空側の隙間長さa2 との比a1/a2 を 0.8〜1.0 としたことを特徴とする、差圧性能および通板性に優れた差圧シール装置。
- 請求項1または2において、長尺のスリット状隙間の低真空側の内面に、乱流発生用の表面凹凸を設けたことを特徴とする、差圧性能および通板性に優れた差圧シール装置。
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