JP2004044467A - 斜板式油圧ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の斜板式油圧ポンプ(1)は、ハウジング(2)と、ハウジングに設けた軸受(5)に支承される駆動軸(4)と、駆動軸により回転されるシリンダブロック(6)と、シリンダブロックに対向して配置される斜板(7)と、斜板の直径方向に配置されて該斜板を支持する一対の球状軸(20)とを備えている。シリンダブロック(6)は、複数のシリンダルーム(10)及びピストン(11)を備える。各球状軸(20)は、斜板(7)に形成された半球状の凹状軸受(23)に係合する半球状のヘッド(21)及びハウジング(2)の受穴(24)に嵌合するステム(22)で構成される。また、各球状軸(20)のヘッド(21)及び斜板(7)の凹状軸受(23)のいずれか一方の表面には、DLC薄膜が被覆されている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業機械や作業用車両などに設置される斜板式油圧ポンプに関し、特に斜板軸受部が表面処理された斜板式油圧ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
斜板の直径方向に形成された一対の凹状軸受を球状軸に係合させて、シリンダブロックを駆動軸により回転させる斜板式油圧ポンプは従来から知られている。このタイプの油圧ポンプは、ポンプハウジングに配置されたシリンダブロック内に出没する複数のピストンを備えており、駆動軸の回転に伴ってシリンダブロックが回転すると、ピストンはその頭部が斜板に摺接しながら往復動し、蓋体に形成された吸入口と吐出口から作動油を吸入吐出してポンプ作動を行う。そのため、斜板の軸受とこれを支持する球状軸との斜板軸受部に大きな力が作用する。
従来の斜板軸受部の潤滑手段には、ピストン摺動面とブッシュとを連通する油路が斜板内に設けられ、ピストンシュー及び斜板を介してピストン内の圧力により潤滑油を供給する方式や、ポンプ吐出部からポンプケーシングの油路を介して潤滑油を供給する方式がある。また、斜板軸受部の球状軸には、硬度及び耐磨耗性を高めるために、窒素化合物の熱ガスで窒化物処理が施されるかあるいはイオンプレーティング等のPVD処理が行われている。また、軸受側は銅合金から構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、軸受部材として使用される銅合金は比較的軟質な金属であり、潤滑油切れ等が生じた場合、軸受部材が磨耗しやすいという欠点がある。従って、斜板軸受部に潤滑油が存在しなくなった状態においても、高い潤滑性を保持する機能を有し、かつ高い耐磨耗性を有する軸受部であることが望まれる。
そこで、本発明の目的は、上述のような従来技術の現状に鑑み、斜板軸受部がたとえ潤滑不良をきたしても、高い潤滑性と耐磨耗性を維持することが可能な斜板式油圧ポンプを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の斜板式油圧ポンプは、ハウジングと、該ハウジングに設けた軸受に支承される駆動軸と、複数のシリンダルーム及びピストンを有し駆動軸により回転されるシリンダブロックと、該シリンダブロックに対向して配置される斜板と、該斜板の直径方向に配置されて斜板を支持する一対の球状軸とを備え、各球状軸は、斜板に形成された半球状の凹状軸受に係合する半球状のヘッド及びハウジングの受穴に嵌合するステムで構成され、各球状軸のヘッド及び斜板の凹状軸受のいずれか一方の表面にダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC;diamond likecarbon)の薄膜が被覆されていることを特徴とする。
【0005】
【作用】
本発明によれば、球状軸のヘッド及び斜板の凹状軸受のいずれか一方の表面が潤滑性及び耐磨耗性に優れているDLC薄膜で被覆されているので、油圧ポンプの斜板軸受部に潤滑油切れ等の潤滑不良が発生しても、高い潤滑性を確保することができ、軸受部の磨耗を著しく低減することが可能である。そのため、潤滑油が存在しない状態であっても、斜板軸受部の機能が損なわれるようなことがなく、軸受部の耐久性が向上する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。
図1,2において、1は周知のポンプ機構が配置された斜板式油圧ポンプであり、そのハウジング2と蓋体3に駆動軸4が軸受5,5′で支承されている。なお、5aは軸受取付穴である。このポンプ機構において、駆動軸4にはシリンダブロック6がスプライン結合され、シリンダブロック6に対向して配置された斜板7が半球面をもつ一対の球状軸で傾斜角可変にハウジング2に支持され、シリンダブロック6に当接する弁板8が蓋体3に固定されている。9a,9bは一対の傾斜調節器であり、それぞれのバネの付勢力によって斜板7の傾斜角が調節される。
シリンダブロック6には、例えば10個のシリンダルーム10が等間隔で設けられ、軸芯からの距離が異なるシリンダポート10a,10bが交互に連設され、それぞれのシリンダルーム10にピストン11が挿入されている。各シリンダルーム10のシリンダポート10a,10bは、各ポートが吸入側に移動したときは、弁板8に設けた図示を省略した1つの吸入口に連通し、吐出側に移動したときは、内側のポート10aが内周側の吐出口に連通し、外側のポート10bが外周側の吐出口に連通するようになっている。
【0007】
ピストン11の球状端部11aには段付きのシュー12が嵌合され、押板12aと球面付きの押部材13が重ねられている。これらを斜板7側に加圧するために、シリンダブロック6の他端部内周にリング14が固定され、このリング14に支持されたばね15と、このバネ15で付勢される可動リング16とニードル17が駆動軸4回りに配置され、ピストン11を押し出している。
また、蓋体3には、1つの吸入路18と2つの吐出路19a,19bが形成され、これらは前記弁板8に設けた図示省略の1つの吸入口と、内周側又は外周側の吐出口のいずれか一方の吐出口を介して、シリンダルーム10内に連通している。そして、シリンダポート10a,10bの作動油は、それぞれの吐出路19a,19bから流出して、別個のアクチュエータなどに作用する。
【0008】
前記一対の球状軸として、吐出側球状軸20a及び吸入側球状軸20bが図2に図示されている。球状軸20a,20bは、半球状のヘッド21a,21bとステム22a,22bとからなる。ヘッド21a,21bは、斜板7に半球状に凹設された凹状軸受23a,23bに係合する。ステム22a,22bは、ハウジング2側に穿設された受穴24a,24bに嵌合する。
なお、各球状軸、ヘッド、ステム、斜板側軸受及び受穴は、以下に符号20〜24で代表する。
【0009】
本発明の油圧ポンプ1は、斜板軸受部が球状軸20のヘッド21と斜板7の凹状軸受23とで構成される。この斜板軸受部のヘッド21及び斜板側軸受23のいずれか一方の表面は、図3に示すように、DLC薄膜25で被覆されている。図4には、ヘッド21表面にDLC薄膜25aが被覆された球状軸20と、凹状表面にDLC薄膜25bが被覆された軸受23とが、それぞれ図示されている。球状軸20は合金鋼等で構成され、斜板側軸受23は銅合金等で構成される。これらの部材、特に球状軸20には、熱処理等の表面処理による硬化層を形成することが望ましい。そして、上記ヘッド21及び軸受23のいずれか一方の表面にDLC薄膜を被覆する前に、これらの表面を研削することが望ましい。
【0010】
DLC薄膜は、炭素単体または炭素含有化合物をPVDやCVD処理することにより、数μm程度の膜厚でヘッドまたは軸受上に形成することができる。DLCは、炭素原子に水素原子を一部含み、部分的にダイヤモンド構造を有するアモルファスからなり、硬度が高く(ヴィカースHv3000以上)かつ摩擦係数が小さく、耐摩耗性、表面平滑性(潤滑性)及び耐食性に著しく優れている。このように、斜板軸受部の一方の表面のみにDLC薄膜を被覆するだけで、軸受部の耐摩耗性及び潤滑性が著しく向上する。
従って、球状軸のヘッド表面をDLC薄膜で被覆して、斜板側軸受が例えば銅合金で構成される場合でも、潤滑不良による斜板側軸受の磨耗が著しく抑制される。また、斜板側軸受の表面をDLC薄膜で被覆して、球状軸のヘッドが例えば窒化物層で構成される場合も、斜板軸受部の潤滑性は良好である。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、斜板軸受部における球状軸のヘッド及び斜板側の凹状軸受のいずれか一方の表面をDLC薄膜で被覆したものである。そのため、油圧ポンプの斜板軸受部に潤滑油切れが発生しても、潤滑特性が損なわれることがなく、軸受部の磨耗を著しく低減することができる。従って、長期にわたって斜板軸受部の機能が維持され、斜板軸受部を構成する部材の耐久性が向上する。また、斜板軸受部の材料選択の自由度が大きくなるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜板式油圧ポンプの縦断面図である。
【図2】図1の横断面図である。
【図3】図1の要部拡大図である。
【図4】球状軸とその軸受部の分解斜視図である。
【符号の説明】
1・・・ 斜板式油圧ポンプ、2・・・ ハウジング、4・・・ 駆動軸、6・・・ シリンダブロック、7・・・ 斜板、10・・・ シリンダルーム、11・・・ ピストン、20・・・ 球状軸、21・・・ ヘッド、22・・・ ステム、23・・・ 軸受、24・・・ 受穴、25・・・ DLC薄膜。
Claims (1)
- ハウジングと、該ハウジングに設けた軸受に支承される駆動軸と、複数のシリンダルーム及びピストンを有し駆動軸により回転されるシリンダブロックと、該シリンダブロックに対向して配置される斜板と、該斜板の直径方向に配置されて斜板を支持する一対の球状軸とを備え、各球状軸は、斜板に形成された半球状の凹状軸受に係合する半球状のヘッド及びハウジングの受穴に嵌合するステムで構成され、各球状軸のヘッド及び斜板の凹状軸受のいずれか一方の表面にダイヤモンド・ライク・カーボンの薄膜が被覆されていることを特徴とする斜板式油圧ポンプ。
Priority Applications (1)
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JP2002202252A JP2004044467A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | 斜板式油圧ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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2002
- 2002-07-11 JP JP2002202252A patent/JP2004044467A/ja active Pending
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