JP2004044368A - 開閉体の開閉装置 - Google Patents

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JP2004044368A JP2003120563A JP2003120563A JP2004044368A JP 2004044368 A JP2004044368 A JP 2004044368A JP 2003120563 A JP2003120563 A JP 2003120563A JP 2003120563 A JP2003120563 A JP 2003120563A JP 2004044368 A JP2004044368 A JP 2004044368A
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Yasuhisa Inaba
稲葉 泰久
Katsutama Kadoike
門池 克玲
Masumi Nishikawa
西川 増美
Satoshi Isobe
磯部 聡
Masahiro Kojima
小島 真裕
Hideyuki Nagai
永井 秀幸
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Toyota Auto Body Co Ltd
Toyota Motor Corp
Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Auto Body Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】開閉体の揺動を抑制して円滑な開閉を行うことができる開閉体の開閉装置を提供する。
【解決手段】不動部22、23、31、駆動ギヤ24、25、従動ギヤ27、並びに動力伝達機構12における可動部分間の少なくとも一箇所に摩擦部材28を介装した。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に開閉自在に設けられた開閉体をギヤ駆動で開閉する開閉体の開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、開閉体の開閉装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。すなわち、同文献には、開閉体の開閉装置として車両の後部に設けられた跳ね上げ式のバックドアへの適用例が記載されている。
【0003】
この装置は、車両本体側に設けられた駆動機構と、同駆動機構とバックドアとを連結する作動伝達機構とを備えている。そして、駆動機構の駆動力を作動伝達機構を介してバックドアに伝達することでその開閉を行っている。
【0004】
なお、駆動機構が備える電動モータの出力はギヤ連結にて作動伝達機構に伝達されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−335245号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうした跳ね上げ式のバックドアでは、ダンパーステーによってその開閉が補助されることが一般的である。このダンパーステーは、高圧ガスを封入したガスピストンの構成を有する。そして、バックドアの開放前半にはその自重と併せて閉方向の合力を発生し、急激なドア開放を防止している。一方、バックドアの開放後半にはその自重と併せて開方向の合力を発生し、ドア開放を補助している。
【0007】
図9は、このようなダンパーステーを有する装置において、ドア開放時における駆動機構のギヤ連結部での動作を示す説明図である。すなわち、同図では駆動機構の駆動ギヤ(モータ側のギヤ)91と従動ギヤ(ドア側のギヤ)92との動力伝達態様を示し、(a)はドア開放の前半を、(b)はドア開放の後半をそれぞれ示している。ここでは、説明の便宜上、駆動ギヤ91の各隣接するギヤ歯91a間の距離及び従動ギヤ92の各隣接するギヤ歯92a間の距離を誇張して図示している。
【0008】
図9(a)に示されるように、ドア開放の前半ではバックドアは閉方向の力を有するため、従動ギヤ92は駆動ギヤ91の回転方向とは反対方向に回転しようとする。従って、駆動ギヤ91は、ギヤ歯91aにて従動ギヤ92のギヤ歯92aを押圧することで同従動ギヤ92を連れ回りさせる。これにより、従動ギヤ92を介してバックドアが開方向に移動する。
【0009】
一方、図9(b)に示されるように、ドア開放の後半においてドア自重とダンパーステーの力とが釣り合う位置を超えるとバックドアは開方向の力を有するため、従動ギヤ92は駆動ギヤ91の回転方向と同じ方向に回転しようとする。そして、この従動ギヤ92の回転方向の変動により、従動ギヤ92は駆動ギヤ91とのバックラッシ分の範囲で揺動するため、バックドアが急激に移動して揺れが発生してしまう。そして、ドア開放の動作も円滑でなくなっている。
【0010】
本発明の目的は、開閉体の揺動を抑制して円滑な開閉を行うことができる開閉体の開閉装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、駆動源に連結された駆動ギヤと、該駆動ギヤに噛合連結された従動ギヤと、該駆動ギヤと該従動ギヤを支持する不動部と、該従動ギヤと一体回転するように連結されて該従動ギヤから伝達された駆動源の駆動力を開閉体へと伝達する動力伝達機構とを備え、該開閉体の開閉状態に応じて該開閉体から該動力伝達機構を介して該従動ギヤに作用する回転力の方向が変動する開閉体の開閉装置において、前記不動部、前記駆動ギヤ、前記従動ギヤ、並びに前記動力伝達機構の可動部分間の少なくとも一箇所に摩擦部材を介装したことを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、駆動源に連結された駆動ギヤと、該駆動ギヤに噛合連結された従動ギヤと、該駆動ギヤと該従動ギヤを支持する不動部と、該従動ギヤと一体回転するように連結されて該従動ギヤから伝達された駆動源の駆動力を開閉体へと伝達する動力伝達機構と、該開閉体の開閉状態に応じて該開閉体に力を作用させる緩衝部材とを備え、該開閉体の自重及び該緩衝部材からの力の合力に応じて該動力伝達機構を介して該従動ギヤに作用する回転力の方向が変動する開閉体の開閉装置において、前記不動部、前記駆動ギヤ、前記従動ギヤ、並びに前記動力伝達機構の可動部分間の少なくとも一箇所に摩擦部材を介装したことを要旨とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の開閉体の開閉装置において、前記不動部は、前記従動ギヤを収容するハウジングであることを要旨とする。請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の開閉体の開閉装置において、前記摩擦部材は、少なくともばねリング、ゴムリング及び高粘性グリースのいずれか、又は組み合わせであることを要旨とする。
【0014】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、前記不動部、前記駆動ギヤ、前記従動ギヤ、並びに前記動力伝達機構の可動部分間の少なくとも一箇所に摩擦部材が介装されている。従って、開閉体の開閉状態に応じて該開閉体から動力伝達機構を介して従動ギヤに作用する回転力の方向が変動する場合であっても、この回転方向の急変は上記摩擦部材による摺動抵抗にて抑制される。そして、従動ギヤの駆動ギヤとのバックラッシ分の範囲での揺動も抑制されるため、開閉体の急激な移動による揺れも抑制される。そして、開閉体の開閉動作も円滑なものとされる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、前記不動部、前記駆動ギヤ、前記従動ギヤ、並びに前記動力伝達機構の可動部分間の少なくとも一箇所に摩擦部材が介装されている。従って、開閉体の自重及び該緩衝部材からの力の合力に応じて該動力伝達機構を介して従動ギヤに作用する回転力の方向が変動する場合であっても、この回転方向の急変は上記摩擦部材による摺動抵抗にて抑制される。そして、従動ギヤの駆動ギヤとのバックラッシ分の範囲での揺動も抑制されるため、開閉体の急激な移動による揺れも抑制される。そして、開閉体の開閉動作も円滑なものとされる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、上記不動部は従動ギヤを収容するハウジングとされる。従って、既存のハウジングを利用して上記摩擦部材の介装が可能であることから設計変更の負担も軽減される。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、上記摩擦部材は、少なくともばねリング、ゴムリング及び高粘性グリースのいずれか、又は組み合わせである。従って、この摩擦部材を従動ギヤ等と略同心軸上等に配置することで、これらの軸線方向の振動も緩衝される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図4は、本実施形態の電動バックドアシステム1の構成を示す概略図である。同図に示されるように、この電動バックドアシステム1は、車両本体2の後部上方にヒンジ連結された開閉体としてのバックドア3と、同バックドア3を電動で開閉するアクチュエータ4と、緩衝部材としてのダンパーステー5とを備えている。
【0019】
上記アクチュエータ4は、車両本体2のリアピラー2aに固着された駆動ユニット11と、同駆動ユニット11の出力軸と一体回転するように連結された動力伝達機構を構成するアーム12と、同アーム12の先端部及びバックドア3の基端部を連結するロッド13とを備えている。そして、ロッド13は、アーム12の先端部及びバックドア3の基端部とそれぞれボールジョイント構造7(図8)にて連結されて回転しながらの変位が許容されている。
【0020】
ここで、バックドア3の閉状態では、アーム12は一側(図4の下側)に先端側が伸びる配置とされ、これに対応してロッド13も折りたたまれている。一方、バックドア3の開状態では、アーム12は一側方向(図4において反時計回り方向)に回動され、一側(図4の右側)に先端側が伸びる配置とされる。そして、これに対応してロッド13が押し出され、バックドア3が開状態で支持されている。従って、駆動ユニット11の駆動によりアーム12をこれら2つの状態間に推移させることでバックドア3が開閉駆動される。
【0021】
上記ダンパーステー5は、高圧ガスを封入したガスピストンの構成を有しており、その一端及び他端はそれぞれ車両本体2の後部及びバックドア3の基端部に連結されている。このダンパーステー5は、バックドア3の開放前半にはその自重と併せて閉方向の合力を発生し、急激なドア開放を防止している。一方、バックドア3の開放後半にはその自重と併せて開方向の合力を発生し、ドア開放を補助している。換言すると、ダンパーステー5は、その発生する力とバックドア3の自重とが釣り合う位置を基準にその前後でバックドア3に閉方向若しくは開方向の力を印加する。そして、このバックドア3に加わる力の変動により、上記ロッド13を介して連結されたアーム12及び駆動ユニット11に対して作用する回転力の方向を変動させる。
【0022】
次に、本実施形態での駆動ユニット11及びアーム12について図1〜図3に基づき更に詳述する。なお、図1は駆動ユニット11を示す分解斜視図であり、図2は駆動ユニット11及びアーム12を示す部分断面図であり、図3は駆動ユニット11及びアーム12を示す正面図である。
【0023】
図1〜図3に示されるように、駆動ユニット11は、駆動源を構成する減速機付電動モータ21と、不動部、ハウジングを構成するロアケース22及びアッパーケース23と、モータ側ギヤ24と、駆動ギヤ25と、回転軸26と、従動ギヤ27と、摩擦部材としてのゴムリング28とを備えている。
【0024】
上記減速機付電動モータ21は、ウォーム及びウォームホイールからなる減速機を収容しており、その出力軸31を一側(図1において上側)に現出させている。この出力軸31には、前記モータ側ギヤ24が嵌合されるセレーション31aが周設されている。
【0025】
上記ロアケース22は、略段付板状に形成されている。そして、このロアケース22には、前記減速機付電動モータ21の出力軸31が挿通される挿通孔22aが形成されている。また、このロアケース22には、前記駆動ギヤ25に対応して一側(図1において上側)に突設された軸部22bが設けられている。駆動ギヤ25は、この軸部22bにて貫通されることでロアケース22に回動自在に支持されている。さらに、このロアケース22には、前記回転軸26に対応して形成された軸受孔22cが設けられている。回転軸26は、この軸受孔22cに挿通されることでロアケース22に回動自在に支持されている。
【0026】
上記モータ側ギヤ24は、ロアケース22の挿通孔22aに挿通された出力軸31に嵌合されて同出力軸31と一体回転するように連結されている。詳述すると、モータ側ギヤ24には、軸線方向に貫通する貫通孔が形成されており、その内周面には前記セレーション31aに対応してセレーション24aが形成されている。従って、モータ側ギヤ24は、そのセレーション24aが出力軸31のセレーション31aと嵌合することで同出力軸31と一体回転するように連結されている。
【0027】
上記駆動ギヤ25は、ロアケース22の軸部22bにて貫通されて同ロアケース22に回動自在に支持されている。この駆動ギヤ25は、上記モータ側ギヤ24よりも大径となる第1ギヤ部25aと、同第1ギヤ部25aよりも小径となる第2ギヤ部25bとを有している。駆動ギヤ25は、この第1ギヤ部25aがモータ側ギヤ24に噛合連結されるようになっており、これにより駆動ギヤ25は減速機付電動モータ21にて回動駆動される。
【0028】
上記回転軸26は、略段付円柱体に形成されており、ロアケース22の軸受孔22cにその基端側(図1の下側)の第1軸部26aが挿通されて同ロアケース22に回動自在に支持されている。この回転軸26は、第1軸部26aから先端側に向かってステップ状に縮径されており、第1セレーション軸部26b、第2軸部26c、第2セレーション軸部26d及びねじ部26eを形成している。第1セレーション軸部26bには前記従動ギヤ27が嵌合され、第2セレーション軸部26dには前記アーム12が嵌合される。
【0029】
前記従動ギヤ27は、円周の一部のみを備えたセクターギヤ構造を有し、上記回転軸26に嵌合されて同回転軸26と一体回転するように連結されている。詳述すると、従動ギヤ27には、軸線方向に貫通する貫通孔が形成されており、その内周面には前記第1セレーション軸部26bのセレーションに対応してセレーション27aが形成されている。従って、従動ギヤ27は、そのセレーション27aが第1セレーション軸部26bのセレーションと嵌合することで回転軸26と一体回転するように連結されている。また、従動ギヤ27は、前記駆動ギヤ25の第2ギヤ部25bに噛合連結されるようになっており、これにより従動ギヤ27は回転軸26とともに駆動ギヤ25にて回動駆動される。
【0030】
上記ゴムリング28は、前記従動ギヤ27のセレーション27aの内径よりも大きい内径を有して略円環状に形成されている。このゴムリング28は、従動ギヤ27に嵌合されて一側に現出する回転軸26の第2軸部26cを包囲する態様で同回転軸26に略同心軸上に貫通されている。このゴムリング28は、前記アッパーケース23が覆設されることで従動ギヤ27との間に介装されている。
【0031】
上記アッパーケース23は、略段付板状に形成されている。そして、このアッパーケース23には、前記駆動ギヤ25を貫通した軸部22bの先端部が挿通される挿通孔23aが形成されている。従って、駆動ギヤ25は、ロアケース22及びアッパーケース23の対向面間に収容されてその軸線方向の移動が規制されている。また、このアッパーケース23には、前記ゴムリング28に挿通された第2軸部26cの先端部に対応して形成された軸受孔23bが設けられている。回転軸26は、この軸受孔23bに挿通されることでアッパーケース23に回動自在に支持されている。従って、回転軸26は、ロアケース22及びアッパーケース23間において従動ギヤ27とともに回動自在に支持されている。
【0032】
図2に示されるように、前記アーム12は、アッパーケース23の軸受孔23bに挿通されて一側(図2の上側)に現出する回転軸26の第2セレーション軸部26dに嵌合されて同回転軸26と一体回転するように連結されている。詳述すると、アーム12の基端部には、回転軸26(第2セレーション軸部26d)に対応して軸線方向に突設されたスリーブ12aが固着されており、その内周面には前記第2セレーション軸部26dのセレーションに対応してセレーション12bが形成されている。従って、アーム12は、そのセレーション12bが回転軸26(第2セレーション軸部26d)のセレーションと嵌合することで同回転軸26と一体回転するように連結されている。そして、アーム12に嵌合されて一側(図2の上側)に現出する回転軸26のねじ部26eにはナット32が締結されている。
【0033】
以上により、減速機付電動モータ21が給電されて出力軸31がいずれか方向に回動駆動されると、この回動がモータ側ギヤ24、駆動ギヤ25(第1ギヤ部25a及び第2ギヤ部25b)、従動ギヤ27を介してアーム12に伝達される。これにより、アーム12の回動がロッド13を介してバックドア3に伝達され、その回動方向に応じて同バックドア3は開方向若しくは閉方向に移動する(図4参照)。
【0034】
ここで、バックドア3の自重及びダンパーステー5からの力の合力に応じてロッド13及びアーム12を介して従動ギヤ27に作用する回転力の方向が変動したとする(図9参照)。このとき、この回転方向の急変は上記ゴムリング28による摺動抵抗にて抑制される。そして、従動ギヤ27の駆動ギヤ25とのバックラッシ分の範囲での揺動も抑制されるため、バックドア3の急激な移動による揺れも抑制される。
【0035】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、従動ギヤ27とアッパーケース23との間にゴムリング28が介装されている。従って、バックドア3の自重及びダンパーステー5からの力の合力に応じてロッド13及びアーム12を介して従動ギヤ27に作用する回転力の方向が変動する場合であっても、この回転方向の急変は上記ゴムリング28による摺動抵抗にて抑制できる。そして、従動ギヤ27の駆動ギヤ25とのバックラッシ分の範囲での揺動も抑制されるため、バックドア3の急激な移動による揺れも抑制できる。そして、バックドア3の開閉動作も円滑に行うことができる。
【0036】
(2)本実施形態では、従動ギヤ27等を収容する既存のハウジング(アッパーケース23)を利用してゴムリング28の介装が可能であることから設計変更の負担も軽減できる。
【0037】
(3)本実施形態では、ゴムリング28を従動ギヤ27等と略同心軸上に配置することで、これらの軸線方向の振動を緩衝できる。
(4)本実施形態では、駆動ユニット11において回転方向の急変を抑制するゴムリング28を同駆動ユニット11の最終減速部、すなわち負荷側(バックドア3)に最も近い部分に介装したことで、バックラッシ分の範囲での揺動を初期の段階で迅速に行うことができる。
【0038】
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
・前記実施形態においては、摩擦部材としてゴムリング28を設けた。これに対して、図5及び図6に示されるように、摩擦部材としてウェーブワッシャ41を設けてもよい。また、同図では複数(3枚)のウェーブワッシャ41を積層する構成を採用しているが、その弾性力によって好適な摺動抵抗が発生しうるのであれば1枚であってもよいしその他の枚数であってもよい。さらに、ウェーブワッシャ41に代えて皿ばねやコイルばねを採用してもよい。
【0039】
・前記実施形態において、摩擦部材はゴムリング28やウェーブワッシャ41等の円環状のものに限定されるものではない。例えば、摩擦部材としてのゴム板をアッパーケース23と従動ギヤ27との間の適宜位置に介装した構成であってもよい。このように変更をしても前記実施形態の(1)、(2)、(4)と同様の効果が得られる。
【0040】
・前記実施形態において、ゴムリング28やウェーブワッシャ41等の摩擦部材をアッパーケース23と従動ギヤ27との間に介装した。これに対して、こうした摩擦部材をアッパーケース23とアーム12との間に介装してもよい。あるいは、回転軸26にアッパーケース23と対向するフランジ等を設け、これとアッパーケース23との間に介装してもよい。
【0041】
・前記実施形態において、ゴムリング28やウェーブワッシャ41等の摩擦部材をアッパーケース23と従動ギヤ27との間に介装した。これに対して、こうした摩擦部材をロアケース22と従動ギヤ27との間に介装してもよい。
【0042】
・前記実施形態においては、回転軸26及び従動ギヤ27を別体で設けてこれらを嵌合する構成を採用したが、これらを一体形成してもよい。このように変更することで、前記実施形態と同様の効果に加え部品点数を削減できる。
【0043】
・上記した実施例において、ゴムリング28やウェーブワッシャ41等の摩擦部材は必ずしも一箇所に限らず、複数箇所に介在させて最適な効果を得るようにしてもよい。
【0044】
・上記した実施例において、摩擦部材としてゴムリング28やウェーブワッシャ41を示したが、摩擦部材として高粘性グリースを用いてもよい。高粘性グリースとしては、JIS K2220で規定される混和ちょう度が250以下(度数が小さいほど粘性が高い)を選択することによって良い効果が得られる。この方法によれば、実質部品の変更無しに、製品に展開できることから安価に大きな効果が得られる。
【0045】
・高粘性グリースを、図7に各可動部分27b,25c,22d,31bで示すところの一箇所または複数箇所に塗布するとよい。
・以上の実施例で、ギヤ間のバックラッシに起因して、作用する荷重の変化位置でバックドア3が急激に移動して揺れが発生してしまう現象を解決するために、駆動ユニット11の内部または駆動ユニット11とアーム12に摩擦部材を介在させて解決する方法を詳述した。しかしながら、駆動ユニット11からバックドア3に至る作動力の伝達メカニズムから明らかなように、アーム12とロッド13を連結するボールジョイント構造7に連結の遊び、所謂ガタがある場合にも同様にバックドア3が揺れる現象が発生する。この問題を解決するために、上記と同様の対応が有効である。即ち、図8に示されるように、ロッド13の端部に形成されたボールジョイント構造7の受部13aとアーム12側に固定されたボール71間にグリース溜まりの隙間72を設け、隙間72に高粘性グリースを充填することによってガタによる急激な荷重変化を抑えることができるようになる。さらに図8に矢印aで示される方向へのロッド13の回転でアーム12とロッド13が干渉して音を発生しないように緩衝部材73を介在させると更によい効果が得られる。
【0046】
・前記実施形態において、駆動ユニット11(従動ギヤ27)の駆動力をバックドア3に伝達する構成(アーム12及びロッド13)は一例であってその他の構成を採用してもよい。
【0047】
・前記実施形態において、駆動ユニット11の駆動ギヤ25に動力伝達する減速機付電動モータ21側の構成は一例であってその他の構成を採用してもよい。・前記実施形態においては、電動バックドアシステム1に本発明を適用したが、例えば車両側面のドアを上方に跳ね上げる、いわゆるガルウイングドアを電動で開閉するシステムに本発明を適用してもよい。
【0048】
・前記実施形態においては、ダンパーステー5を備えた開閉体(バックドア3)に本発明を適用したが、ダンパーステー5は必ずしも必要ではない。例えば、開閉体の自重のみであってもその回動範囲と重力方向との関係によっては同様に従動ギヤ27に作用する回転力の方向が変動する。従って、この場合であっても前記実施形態と同様の効果が得られる。
【0049】
・前記実施形態においては、車両のドアに本発明を適用したが、例えば家屋のドアなどに本発明を適用してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1又は2に記載の発明によれば、開閉体の揺動を抑制して円滑な開閉を行うことができる。
【0051】
請求項3に記載の発明によれば、既存のハウジングを利用して摩擦部材の介装が可能であることから設計変更の負担を軽減できる。
請求項4に記載の発明によれば、摩擦部材を従動ギヤ等と略同心軸上等に配置することで、これらの軸線方向の振動を緩衝できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す分解斜視図。
【図2】同実施形態を示す部分断面図。
【図3】同実施形態を示す正面図。
【図4】同実施形態を示す概略図。
【図5】同実施形態の別例を示す分解斜視図。
【図6】同実施形態の別例を示す部分断面図。
【図7】同実施形態の別例を示す分解斜視図、特に高粘性グリース塗布箇所を示す。
【図8】図3におけるA−A断面図。
【図9】(a)(b)は、駆動ギヤ及び従動ギヤの動力伝達態様を示す模式図。
【符号の説明】
3 開閉体としてのバックドア
5 緩衝部材としてのダンパーステー
12 動力伝達機構を構成するアーム
21 駆動源を構成する減速機付電動モータ
23 不動部及びハウジングを構成するアッパーケース
25 駆動ギヤ
26 回転軸
27 従動ギヤ
28 摩擦部材としてのゴムリング
41 摩擦部材としてのウェーブワッシャ

Claims (4)

  1. 駆動源に連結された駆動ギヤと、
    該駆動ギヤに噛合連結された従動ギヤと、
    該駆動ギヤと該従動ギヤを支持する不動部と、
    該従動ギヤと一体回転するように連結されて該従動ギヤから伝達された駆動源の駆動力を開閉体へと伝達する動力伝達機構とを備え、該開閉体の開閉状態に応じて該開閉体から該動力伝達機構を介して該従動ギヤに作用する回転力の方向が変動する開閉体の開閉装置において、
    前記不動部、前記駆動ギヤ、前記従動ギヤ、並びに前記動力伝達機構の可動部分間の少なくとも一箇所に摩擦部材を介装したことを特徴とする開閉体の開閉装置。
  2. 駆動源に連結された駆動ギヤと、
    該駆動ギヤに噛合連結された従動ギヤと、
    該駆動ギヤと該従動ギヤを支持する不動部と、
    該従動ギヤと一体回転するように連結されて該従動ギヤから伝達された駆動源の駆動力を開閉体へと伝達する動力伝達機構と、該開閉体の開閉状態に応じて該開閉体に力を作用させる緩衝部材とを備え、該開閉体の自重及び該緩衝部材からの力の合力に応じて該動力伝達機構を介して該従動ギヤに作用する回転力の方向が変動する開閉体の開閉装置において、
    前記不動部、前記駆動ギヤ、前記従動ギヤ、並びに前記動力伝達機構の可動部分間の少なくとも一箇所に摩擦部材を介装したことを特徴とする開閉体の開閉装置。
  3. 請求項1又は2に記載の開閉体の開閉装置において、
    前記不動部は、前記従動ギヤを収容するハウジングであることを特徴とする開閉体の開閉装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の開閉体の開閉装置において、
    前記摩擦部材は、少なくともばねリング、ゴムリング及び高粘性グリースのいずれか、又は組み合わせであることを特徴とする開閉体の開閉装置。
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