JP2004044228A - プレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】予め余長として定着具から延出させておいたPC鋼材の端部を誤って切断してしまった場合、完成したプレストレストコンクリート構造物に、再度、緊張力を与えたいときには、プレストレストコンクリートのプレストレスを再調整し得、構造物全体の精度並びに信頼性の向上につながるプレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法及び装置を提供する。
【解決手段】定着具3を把持手段7によって把持し、該把持手段7に対してPC鋼材2の軸線延長上に延びるよう連結したテンションバー8をその軸線方向にジャッキ4によって引っ張る。
【選択図】 図3
【解決手段】定着具3を把持手段7によって把持し、該把持手段7に対してPC鋼材2の軸線延長上に延びるよう連結したテンションバー8をその軸線方向にジャッキ4によって引っ張る。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プレストレストコンクリート(PC:Prestressed Concrete)は、静荷重や動荷重による引張応力を打ち消すように、PC鋼材によってプレストレスが与えられているコンクリートであり、橋梁における床版等として用いられている。
【0003】
前記プレストレストコンクリートの場合、図7に示される如く、プレストレストコンクリート1の端面から突出するPC鋼材2の端部を定着具3によって固定しているが、プレストレストコンクリート1のプレストレスを再調整するために、前記PC鋼材2を再度緊張させるような場合には、該PC鋼材2の端部を予め余長として定着具3から延出させておき、該PC鋼材2の端部を、図7(a)に示されるように、センターホール式のジャッキ4に貫通させ、該ジャッキ4に内蔵されているウェッジ5に把持せしめ、この状態から、図7(b)に示されるように、ジャッキ4を伸長させるようになっている。
【0004】
尚、図7中、6はプレストレストコンクリート1の端面に埋め込まれた支圧板であり、該支圧板6によって、定着具3がプレストレストコンクリート1に食い込もうとする力を受けるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の如く、予め余長として定着具3から延出させておいたPC鋼材2の端部を誤って切断してしまった場合、完成したプレストレストコンクリート構造物に、再度、緊張力を与えたいときには、ジャッキ4のウェッジ5にPC鋼材2を把持させて再度緊張させることができず、プレストレストコンクリート1のプレストレスを再調整することが困難となっていた。
【0006】
本発明は、斯かる実情に鑑み、予め余長として定着具から延出させておいたPC鋼材の端部を誤って切断してしまった場合、完成したプレストレストコンクリート構造物に、再度、緊張力を与えたいときには、プレストレストコンクリートのプレストレスを再調整し得、構造物全体の精度並びに信頼性の向上につながるプレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法及び装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、端面から突出するPC鋼材の端部を定着具によって固定してなるプレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法であって、
PC鋼材の定着具を把持手段によって把持し、該把持手段に対してPC鋼材の軸線延長上に延びるよう連結したテンションバーをその軸線方向にジャッキによって引っ張ることを特徴とするプレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法にかかるものである。
【0008】
又、本発明は、端面から突出するPC鋼材の端部を定着具によって固定してなるプレストレストコンクリートのプレストレス再調整装置であって、
PC鋼材の定着具を把持する把持手段と、
該把持手段に対してPC鋼材の軸線延長上に延びるよう連結されるテンションバーと、
該テンションバーをその軸線方向に引っ張るジャッキと
を備えたことを特徴とするプレストレストコンクリートのプレストレス再調整装置にかかるものである。
【0009】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0010】
予め余長として定着具から延出させておいたPC鋼材の端部を誤って切断してしまった場合、完成したプレストレストコンクリート構造物に、再度、緊張力を与えたいときには、定着具を把持手段によって把持し、該把持手段に対してPC鋼材の軸線延長上に延びるよう連結したテンションバーをその軸線方向にジャッキによって引っ張るようにすると、PC鋼材を再度緊張させることができ、プレストレストコンクリートのプレストレスを再調整することが可能となる。
【0011】
一方、前記プレストレストコンクリートのプレストレス再調整装置においては、把持手段を、
外周面にネジ部が形成され且つ内周面が擂鉢状円錐面とされ、定着具の外周に配設されるソケットと、
定着具を覆うように前記ソケットに対して螺嵌され、テンションバーが連結されるチャックケースと、
該チャックケース内に形成される前記ソケットと定着具との間の空隙に拡縮自在に配設され、前記チャックケースのソケットに対する締め付けに伴う楔効果により、定着具に対して締め込まれるチャックと
から構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0013】
図1〜図6は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図7と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、定着具3を把持手段7によって把持し、該把持手段7に対してPC鋼材2の軸線延長上に延びるよう連結したテンションバー8をその軸線方向にジャッキ4によって引っ張るようにしたものである。
【0014】
前記ジャッキ4は、定着具3を把持する把持手段7の両脇を囲うようにプレストレストコンクリート1の端面にセットされる門型のラムチェア9に取り付けてあり、又、前記テンションバー8の一端部は、把持手段7の後述するチャックケース15のネジ孔14に螺着し、その他端部は、前記ラムチェア9とジャッキ4を貫通させて、該ジャッキ4のナット10に螺着してある。
【0015】
前記把持手段7は、図4に示す如く、外周面にネジ部11が形成され且つ内周面が擂鉢状円錐面12とされ、定着具3の外周に配設されるソケット13と、定着具3を覆うように前記ソケット13に対して螺嵌され且つテンションバー8がネジ孔14に螺着されるチャックケース15と、該チャックケース15内に形成される前記ソケット13と定着具3との間の空隙に拡縮自在に配設され、前記チャックケース15のソケット13に対する締め付けに伴う楔効果により、定着具3に対して締め込まれるチャック16とを備えてなる構成を有している。尚、図4中、17は前記チャックケース15とチャック16との間に介装される滑りプレートであって、該滑りプレート17によって、前記チャックケース15のソケット13に対する締め付け時にチャック16端面との摺動抵抗を低減するようにしてある。
【0016】
前記把持手段7のチャック16は、図5及び図6に示す如く、外周面を前記ソケット13の擂鉢状円錐面12と係合する円錐面18とすると共に、円周方向複数箇所(図6の例では四箇所)に軸線方向ヘ延びる拡縮用のスリット19を形成し、内周面に定着具3表面との摩擦力を高めるための多数の溝20を刻設してある。
【0017】
次に、上記図示例の作用を説明する。
【0018】
プレストレストコンクリート1のプレストレスを再調整するために、前記PC鋼材2を再度緊張させるような場合には、先ず、把持手段7のチャック16を緩めた状態で定着具3に嵌装し、チャックケース15をソケット13に対して締め付けていくと、滑りプレート17を介してチャック16がソケット13に対して押し込まれ、その楔効果により、定着具3が強固に把持される形となる。
【0019】
続いて、チャックケース15のネジ孔14にテンションバー8の一端部を螺着した後、該テンションバー8の他端部をラムチェア9とジャッキ4を貫通させて、該ジャッキ4のナット10に螺着しつつ、該ラムチェア9を把持手段7の両脇を囲うようにプレストレストコンクリート1の端面にセットし、この状態から、ジャッキ4を伸長させると、前記定着具3を把持した把持手段7がテンションバー8を介して引っ張られ、定着具3とプレストレストコンクリート1端面との間に隙間が生じ、該隙間に対し、シムプレート(図示せず)をラムチェア9の上側から嵌挿すれば、PC鋼材2を再度緊張させた状態に保持することが可能となる。
【0020】
この結果、予め余長として定着具3から延出させておいたPC鋼材2の端部を誤って切断してしまった場合、完成したプレストレストコンクリート構造物に、再度、緊張力を与えたいときには、前述の如く、定着具3を把持手段7によって把持し、該把持手段7に対してPC鋼材2の軸線延長上に延びるよう連結したテンションバー8をその軸線方向にジャッキ4によって引っ張るようにすることにより、PC鋼材2を再度緊張させることができ、プレストレストコンクリート1のプレストレスを再調整することが可能となる。
【0021】
こうして、予め余長として定着具3から延出させておいたPC鋼材2の端部を誤って切断してしまった場合、完成したプレストレストコンクリート構造物に、再度、緊張力を与えたいときには、プレストレストコンクリート1のプレストレスを再調整し得、構造物全体の精度並びに信頼性の向上につながる。
【0022】
尚、本発明のプレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法及び装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0023】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明のプレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法及び装置によれば、予め余長として定着具から延出させておいたPC鋼材の端部を誤って切断してしまった場合、完成したプレストレストコンクリート構造物に、再度、緊張力を与えたいときには、プレストレストコンクリートのプレストレスを再調整し得、構造物全体の精度並びに信頼性の向上につながるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の平面図である。
【図2】本発明を実施する形態の一例の側面図であって、図1のII−II矢視相当図である。
【図3】図2のIII−III断面図である。
【図4】本発明を実施する形態の一例における把持手段の平断面拡大図である。
【図5】本発明を実施する形態の一例における把持手段のチャックを表わす拡大断面図である。
【図6】図5のVI−VI矢視図である。
【図7】従来例の側面図であって、(a)はジャッキを伸長させる前の状態を表わす図、(b)はジャッキを伸長させた状態を表わす図である。
【符号の説明】
1 プレストレストコンクリート
2 PC鋼材
3 定着具
4 ジャッキ
7 把持手段
8 テンションバー
9 ラムチェア
11 ネジ部
12 擂鉢状円錐面
13 ソケット
15 チャックケース
16 チャック
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プレストレストコンクリート(PC:Prestressed Concrete)は、静荷重や動荷重による引張応力を打ち消すように、PC鋼材によってプレストレスが与えられているコンクリートであり、橋梁における床版等として用いられている。
【0003】
前記プレストレストコンクリートの場合、図7に示される如く、プレストレストコンクリート1の端面から突出するPC鋼材2の端部を定着具3によって固定しているが、プレストレストコンクリート1のプレストレスを再調整するために、前記PC鋼材2を再度緊張させるような場合には、該PC鋼材2の端部を予め余長として定着具3から延出させておき、該PC鋼材2の端部を、図7(a)に示されるように、センターホール式のジャッキ4に貫通させ、該ジャッキ4に内蔵されているウェッジ5に把持せしめ、この状態から、図7(b)に示されるように、ジャッキ4を伸長させるようになっている。
【0004】
尚、図7中、6はプレストレストコンクリート1の端面に埋め込まれた支圧板であり、該支圧板6によって、定着具3がプレストレストコンクリート1に食い込もうとする力を受けるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の如く、予め余長として定着具3から延出させておいたPC鋼材2の端部を誤って切断してしまった場合、完成したプレストレストコンクリート構造物に、再度、緊張力を与えたいときには、ジャッキ4のウェッジ5にPC鋼材2を把持させて再度緊張させることができず、プレストレストコンクリート1のプレストレスを再調整することが困難となっていた。
【0006】
本発明は、斯かる実情に鑑み、予め余長として定着具から延出させておいたPC鋼材の端部を誤って切断してしまった場合、完成したプレストレストコンクリート構造物に、再度、緊張力を与えたいときには、プレストレストコンクリートのプレストレスを再調整し得、構造物全体の精度並びに信頼性の向上につながるプレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法及び装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、端面から突出するPC鋼材の端部を定着具によって固定してなるプレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法であって、
PC鋼材の定着具を把持手段によって把持し、該把持手段に対してPC鋼材の軸線延長上に延びるよう連結したテンションバーをその軸線方向にジャッキによって引っ張ることを特徴とするプレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法にかかるものである。
【0008】
又、本発明は、端面から突出するPC鋼材の端部を定着具によって固定してなるプレストレストコンクリートのプレストレス再調整装置であって、
PC鋼材の定着具を把持する把持手段と、
該把持手段に対してPC鋼材の軸線延長上に延びるよう連結されるテンションバーと、
該テンションバーをその軸線方向に引っ張るジャッキと
を備えたことを特徴とするプレストレストコンクリートのプレストレス再調整装置にかかるものである。
【0009】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0010】
予め余長として定着具から延出させておいたPC鋼材の端部を誤って切断してしまった場合、完成したプレストレストコンクリート構造物に、再度、緊張力を与えたいときには、定着具を把持手段によって把持し、該把持手段に対してPC鋼材の軸線延長上に延びるよう連結したテンションバーをその軸線方向にジャッキによって引っ張るようにすると、PC鋼材を再度緊張させることができ、プレストレストコンクリートのプレストレスを再調整することが可能となる。
【0011】
一方、前記プレストレストコンクリートのプレストレス再調整装置においては、把持手段を、
外周面にネジ部が形成され且つ内周面が擂鉢状円錐面とされ、定着具の外周に配設されるソケットと、
定着具を覆うように前記ソケットに対して螺嵌され、テンションバーが連結されるチャックケースと、
該チャックケース内に形成される前記ソケットと定着具との間の空隙に拡縮自在に配設され、前記チャックケースのソケットに対する締め付けに伴う楔効果により、定着具に対して締め込まれるチャックと
から構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0013】
図1〜図6は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図7と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、定着具3を把持手段7によって把持し、該把持手段7に対してPC鋼材2の軸線延長上に延びるよう連結したテンションバー8をその軸線方向にジャッキ4によって引っ張るようにしたものである。
【0014】
前記ジャッキ4は、定着具3を把持する把持手段7の両脇を囲うようにプレストレストコンクリート1の端面にセットされる門型のラムチェア9に取り付けてあり、又、前記テンションバー8の一端部は、把持手段7の後述するチャックケース15のネジ孔14に螺着し、その他端部は、前記ラムチェア9とジャッキ4を貫通させて、該ジャッキ4のナット10に螺着してある。
【0015】
前記把持手段7は、図4に示す如く、外周面にネジ部11が形成され且つ内周面が擂鉢状円錐面12とされ、定着具3の外周に配設されるソケット13と、定着具3を覆うように前記ソケット13に対して螺嵌され且つテンションバー8がネジ孔14に螺着されるチャックケース15と、該チャックケース15内に形成される前記ソケット13と定着具3との間の空隙に拡縮自在に配設され、前記チャックケース15のソケット13に対する締め付けに伴う楔効果により、定着具3に対して締め込まれるチャック16とを備えてなる構成を有している。尚、図4中、17は前記チャックケース15とチャック16との間に介装される滑りプレートであって、該滑りプレート17によって、前記チャックケース15のソケット13に対する締め付け時にチャック16端面との摺動抵抗を低減するようにしてある。
【0016】
前記把持手段7のチャック16は、図5及び図6に示す如く、外周面を前記ソケット13の擂鉢状円錐面12と係合する円錐面18とすると共に、円周方向複数箇所(図6の例では四箇所)に軸線方向ヘ延びる拡縮用のスリット19を形成し、内周面に定着具3表面との摩擦力を高めるための多数の溝20を刻設してある。
【0017】
次に、上記図示例の作用を説明する。
【0018】
プレストレストコンクリート1のプレストレスを再調整するために、前記PC鋼材2を再度緊張させるような場合には、先ず、把持手段7のチャック16を緩めた状態で定着具3に嵌装し、チャックケース15をソケット13に対して締め付けていくと、滑りプレート17を介してチャック16がソケット13に対して押し込まれ、その楔効果により、定着具3が強固に把持される形となる。
【0019】
続いて、チャックケース15のネジ孔14にテンションバー8の一端部を螺着した後、該テンションバー8の他端部をラムチェア9とジャッキ4を貫通させて、該ジャッキ4のナット10に螺着しつつ、該ラムチェア9を把持手段7の両脇を囲うようにプレストレストコンクリート1の端面にセットし、この状態から、ジャッキ4を伸長させると、前記定着具3を把持した把持手段7がテンションバー8を介して引っ張られ、定着具3とプレストレストコンクリート1端面との間に隙間が生じ、該隙間に対し、シムプレート(図示せず)をラムチェア9の上側から嵌挿すれば、PC鋼材2を再度緊張させた状態に保持することが可能となる。
【0020】
この結果、予め余長として定着具3から延出させておいたPC鋼材2の端部を誤って切断してしまった場合、完成したプレストレストコンクリート構造物に、再度、緊張力を与えたいときには、前述の如く、定着具3を把持手段7によって把持し、該把持手段7に対してPC鋼材2の軸線延長上に延びるよう連結したテンションバー8をその軸線方向にジャッキ4によって引っ張るようにすることにより、PC鋼材2を再度緊張させることができ、プレストレストコンクリート1のプレストレスを再調整することが可能となる。
【0021】
こうして、予め余長として定着具3から延出させておいたPC鋼材2の端部を誤って切断してしまった場合、完成したプレストレストコンクリート構造物に、再度、緊張力を与えたいときには、プレストレストコンクリート1のプレストレスを再調整し得、構造物全体の精度並びに信頼性の向上につながる。
【0022】
尚、本発明のプレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法及び装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0023】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明のプレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法及び装置によれば、予め余長として定着具から延出させておいたPC鋼材の端部を誤って切断してしまった場合、完成したプレストレストコンクリート構造物に、再度、緊張力を与えたいときには、プレストレストコンクリートのプレストレスを再調整し得、構造物全体の精度並びに信頼性の向上につながるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の平面図である。
【図2】本発明を実施する形態の一例の側面図であって、図1のII−II矢視相当図である。
【図3】図2のIII−III断面図である。
【図4】本発明を実施する形態の一例における把持手段の平断面拡大図である。
【図5】本発明を実施する形態の一例における把持手段のチャックを表わす拡大断面図である。
【図6】図5のVI−VI矢視図である。
【図7】従来例の側面図であって、(a)はジャッキを伸長させる前の状態を表わす図、(b)はジャッキを伸長させた状態を表わす図である。
【符号の説明】
1 プレストレストコンクリート
2 PC鋼材
3 定着具
4 ジャッキ
7 把持手段
8 テンションバー
9 ラムチェア
11 ネジ部
12 擂鉢状円錐面
13 ソケット
15 チャックケース
16 チャック
Claims (3)
- 端面から突出するPC鋼材の端部を定着具によって固定してなるプレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法であって、
PC鋼材の定着具を把持手段によって把持し、該把持手段に対してPC鋼材の軸線延長上に延びるよう連結したテンションバーをその軸線方向にジャッキによって引っ張ることを特徴とするプレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法。 - 端面から突出するPC鋼材の端部を定着具によって固定してなるプレストレストコンクリートのプレストレス再調整装置であって、
PC鋼材の定着具を把持する把持手段と、
該把持手段に対してPC鋼材の軸線延長上に延びるよう連結されるテンションバーと、
該テンションバーをその軸線方向に引っ張るジャッキと
を備えたことを特徴とするプレストレストコンクリートのプレストレス再調整装置。 - 把持手段を、
外周面にネジ部が形成され且つ内周面が擂鉢状円錐面とされ、定着具の外周に配設されるソケットと、
定着具を覆うように前記ソケットに対して螺嵌され、テンションバーが連結されるチャックケースと、
該チャックケース内に形成される前記ソケットと定着具との間の空隙に拡縮自在に配設され、前記チャックケースのソケットに対する締め付けに伴う楔効果により、定着具に対して締め込まれるチャックと
から構成した請求項2記載のプレストレストコンクリートのプレストレス再調整装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002203051A JP2004044228A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | プレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002203051A JP2004044228A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | プレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004044228A true JP2004044228A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31709055
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002203051A Pending JP2004044228A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | プレストレストコンクリートのプレストレス再調整工法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004044228A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102155094A (zh) * | 2011-01-30 | 2011-08-17 | 中冶建工有限公司 | 钢筋砼预应力张拉失效控制方法 |
CN103362311A (zh) * | 2013-08-06 | 2013-10-23 | 天津鑫坤泰预应力专业技术有限公司 | 一种成品钢绞线束用带锚具的牵引器 |
CN111844423A (zh) * | 2020-07-23 | 2020-10-30 | 江苏维骏工业设备有限公司 | 一种具备预应力拉杆自锁机构的张拉机 |
JP2021075920A (ja) * | 2019-11-11 | 2021-05-20 | 神鋼鋼線工業株式会社 | Pc鋼材の緊張力調整治具およびpc鋼材の緊張力調整方法 |
-
2002
- 2002-07-11 JP JP2002203051A patent/JP2004044228A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021075920A (ja) * | 2019-11-11 | 2021-05-20 | 神鋼鋼線工業株式会社 | Pc鋼材の緊張力調整治具およびpc鋼材の緊張力調整方法 |
JP7412139B2 (ja) | 2019-11-11 | 2024-01-12 | 神鋼鋼線工業株式会社 | Pc鋼材の緊張力調整治具およびpc鋼材の緊張力調整方法 |
CN111844423A (zh) * | 2020-07-23 | 2020-10-30 | 江苏维骏工业设备有限公司 | 一种具备预应力拉杆自锁机构的张拉机 |
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