JP2004043991A - 水性グラビア印刷用塗被紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、塗被紙の平滑度、光沢度が良好で、水性グラビアインキでの印刷適性に優れた水性グラビア印刷用塗被紙に関するものである。
【解決手段】顔料成分として、平均粒子径1.0〜2.0μmのカオリンを20〜80重量部、平均1次粒子径0.15μm以下の立方体形状軽質炭酸カルシウムを80〜20重量部含有した塗被組成物100重量部に対して、助剤として分散剤を0.2〜0.7重量部,接着剤としてラテックスを10〜15重量部の割合で含有した塗被液を塗被した水性グラビア印刷用塗被紙であって、前記水性グラビア印刷用塗被紙をブリストー試験機で,評価液に蒸留水を用いて測定した吸収係数Kaが0.23ml/m・ms1/2以上であることを特徴とする水性グラビア印刷用塗被紙である。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗被紙の平滑度、光沢度が良好で、水性グラビアインキでの印刷適性に優れた水性グラビア印刷用塗被紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
グラビア印刷の特徴は、版面の凹部の深さを変えることによってインキの厚みを変え、画像の濃淡を表現することができるため、階調の幅が広く、また、ハイライト部から中間調にかけての再現性が優れ、きれいな写真が印刷可能なところにある。そのため、近年ますます多方面に拡大使用されるようになってきている。
【0003】
一方、最近の地球環境問題や作業環境問題等から印刷業界では、溶剤を排した水性インキの開発がされている。
【0004】
しかしながら、脱溶剤化の水性印刷インキを用いて、グラビア印刷機で塗被紙に印刷した場合、溶剤を含有したインキよりも乾燥性が著しく低下することから、印刷品質に影響を及ぼすとともに、高速印刷ができない。したがって、インキ吸収性に優れた水性グラビア印刷用塗被紙が求められてきている。また、グラビア印刷の原理は、版面の凹んだ部分にインキを充填した後、そのインキを直接紙に印圧で転移させる方式であるため、ミッシングドットや網点の再現性を損ないやすいことから、グラビア印刷用塗被紙には平滑性や圧縮性等が要求される。さらに、近年、グラビア印刷機の印刷速度が高速になってきており、従来の塗被紙では、ミッシングドットの現象が生じる割合が高くなってきている。このようなことから、塗被紙に求められる性質は、用いられる印刷方式及びインキ、さらには印刷速度等によって大きく異なることとなる。
【0005】
グラビア印刷方式に適用した塗被紙として、白紙光沢が40%以下であるグラビア印刷用艶消し塗被紙において、平均粒子径が1.3μm以上である二次粒子形状の凝集性軽質炭酸カルシウムと平均粒子径が2.0μm以上である重質炭酸カルシウムの配合量が顔料100重量部に対し50〜90重量部であり、且つ該凝集性軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムの配合比率が1:1〜1:8であることを特徴とするインキ光沢が高く、しかもミッシングドットが極めて少なく、網点再現性に優れたグラビア印刷用艶消し塗被紙の製造方法が開示されている(特開平08−027694号公報参照)。
【0006】
また、グラビア印刷方式に適用した塗被紙として、塗工用原紙の表面に、BET比表面積1.5〜4.5m /gの立方形軽質炭酸カルシウムを全顔料の20〜80重量%含有し、かつ、0.77〜0.95ml/gの範囲の沈降容積を有する嵩高カオリンを全顔料の20〜40重量%含有せしめた塗工組成物を少なくても片面に乾燥重量で3〜15g/m 塗工して乾燥し、白紙光沢度が40%以下となるように、平滑化処理してミッシングドットが少なく、網点再現性に優れ、かつ、印刷光沢度に優れたグラビア印刷用艶消し中質塗工紙を製造する方法が開示されている(特許第2751753号公報参照)。しかしながら、特開平08−027694号公報及び特許第2751753号公報には、水性グラビアインキを用いて印刷した場合の印刷適性に関しては、一切記載されてはいない。
【0007】
一方、水性グラビアインキ用の塗被紙として、主成分として顔料、水溶性及び/又は水分散性接着剤からなる塗工層を設けたキャストコート紙において、顔料として全顔料100重量部中に占める比沈降容積が1.20ml/g以上である顔料の比率が10〜80重量部であり、且つ水溶性及び/又は水分散性接着剤として少なくとも水性ウレタン樹脂を顔料100重量部当たり1〜30重量部含有し、さらに水溶性高分子を顔料100重量部当たり1〜25重量部含有する塗工層を設けた後、キャスト仕上げすることを特徴とする水性グラビア印刷適性、特にインク乾燥性およびインク発色性に優れた水性グラビア印刷用キャストコ−ト紙が開示されている(特許第2817643号公報)。
【0008】
しかしながら、キャストコート紙は、片面塗工量が25g/mであり光沢度が80%以上で強光沢なため、印刷面の光沢が白色面の光沢を下回る特徴をもっている。また、コストも通常のアート紙、コート紙に比べて高いことから、本の表紙やラベル等の特殊な用途に用いられている。このため、強光沢であるキャストコート紙は文字等を印刷した場合に、塗被紙の光沢により文字が読みにくい問題があった。このようなことから、近年、白紙光沢度をある程度抑えて文字を読み易くし、きれいな写真が印刷できる塗被紙が多方面に利用され需要が増えてきている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題点を解決することを目的にしたもので、水性グラビア印刷用塗被紙を開発するために鋭意研究した結果、特定の軽質炭酸カルシウムと特定のカオリンを配合することによって、平滑度、光沢度が良好で、ミッシングドットが極めて少なく、インキ吸収性に優れた水性グラビアインキでの印刷適性が良好な水性グラビア印刷用塗被紙を見出した。また、リン光等の特殊な顔料を配合した場合においても、平滑度、光沢度が良好で、ミッシングドットが極めて少なく、インキ吸収性に優れた水性グラビアインキでの印刷適性が良好な水性グラビア印刷用塗被紙が得られることを見出した。
【0010】
原紙上に顔料、助剤及び接着剤を主成分とする塗被層を設けてなる水性グラビア印刷用塗被紙において、顔料成分として、平均粒子径1.0〜2.0μmのカオリンを20〜80重量部、平均1次粒子径0.15μm以下の立方体形状軽質炭酸カルシウムを80〜20重量部含有した塗被組成物100重量部に対して、助剤として分散剤0.2〜0.7重量部、接着剤としてラテックスを10〜15重量部の割合で含有した塗被液を塗被した水性グラビア印刷用塗被紙であって、前記水性グラビア印刷用塗被紙をブリストー試験機で、評価液に蒸留水を用いて測定した吸収係数Kaが0.23ml/m・ms1/2以上であることを特徴とする水性グラビア印刷用塗被紙を提案するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、原紙上に顔料、助剤及び接着剤を主成分とする塗被層を設け、カレンダー処理してなる水性グラビア印刷用塗被紙において、顔料成分として、平均粒子径1.0〜2.0μmのカオリンを20〜80重量部、平均1次粒子径0.15μm以下の立方体形状軽質炭酸カルシウムを80〜20重量部含有した塗被組成物100重量部に対して、助剤として分散剤を0.2〜0.7重量部、接着剤としてラテックスを10〜15重量部の割合で含有した塗被液を塗被した水性グラビア印刷用塗被紙であって、前記水性グラビア印刷用塗被紙をブリストー試験機で、評価液に蒸留水を用いて測定した吸収係数Kaが0.23ml/m・ms1/2以上であることを特徴とする水性グラビア印刷用塗被紙である。
【0012】
また、本発明は、前記カオリン、前記立方体形状軽質炭酸カルシウム、前記分散剤及び接着剤を含有した塗被組成物100重量部に対して、リン光顔料を1.5〜3重量部の割合で含有した塗被液を塗被したことを特徴とする水性グラビア印刷用塗被紙である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の水性グラビア印刷用塗被紙は、原紙上に顔料、助剤及び接着剤を主成分とする塗被層を設け、カレンダー処理してなる水性グラビア印刷用塗被紙であって、顔料成分として、特定のカオリン及び特定の立方体形状軽質炭酸カルシウム、助剤として分散剤、接着剤としてラテックスを含有した塗被液を原紙上に塗被して得られるものであり、得られた水性グラビア印刷用塗被紙は、ブリストー試験機を使用して、評価液に蒸留水を用いて測定した吸収係数Kaが0.23ml/m・ms1/2以上であることを特徴とする。更に、ミッシングドットが極めて少ない水性グラビア印刷用塗被紙を得ることができる。また、上記記載の塗被組成物にリン光顔料を含有しても同様な効果を得ることができる。
【0014】
本発明の水性グラビア印刷用塗被紙に用いる炭酸カルシウムは、平均1次粒子径0.15μm以下の立方体形状軽質炭酸カルシウムを用いる必要がある。炭酸カルシウムは、塗被紙の白色度、不透明度、印刷適性の改良に用いられている。
重質炭酸カルシウムを用いた塗被紙にグラビア印刷を行うと、塗被紙にインキが転移されないミッシングドット現象が生じやすくなり、印刷適性に優れた塗被紙を得ることができない。また、水性グラビア印刷用塗被紙に用いる炭酸カルシウムの結晶構造及び粒子形態等については、粒子形状としては立方体形を用いる必要があり、切株状方柱形、柱状形、紡錘形のものと比較して高光沢、高平滑の水性グラビア印刷用塗被紙を得ることができる。平均1次粒子径は0.15μmよりも大きいと、塗被紙の液体吸収量が劣り、グラビア印刷時の乾燥不良が発生する場合がある。
【0015】
本発明の水性グラビア印刷用塗被紙に用いるカオリンは、平均粒子径が1.0〜2.0μmである必要がある。カオリンを含有した水性グラビア印刷用塗被紙は、高光沢、高平滑等を得ることができる。しかしながら、平均粒子径が2.0μmより大きいと塗被紙の光沢度、不透明度が失われ、グラビア印刷適性に優れた塗被紙を得ることができない。また、平均粒子径が1.0μmより小さいと塗被液の流動性が悪くなり、塗工適性が劣る傾向にある。
【0016】
本発明の水性グラビア印刷用塗被紙に用いる分散剤は、微粒子な炭酸カルシウムが2次凝集しないように添加するもので、顔料スラリー粘度の安定、液体吸収量が改良される。分散剤の添加量は、顔料成分として平均粒子径1.0〜2.0μmのカオリンを20〜80重量部、平均1次粒子径0.15μm以下の立方体形状軽質炭酸カルシウムを80〜20重量部含有した塗被組成物100重量部に対して、0.2〜0.7重量部の割合で添加する必要がある。0.7重量部以上添加すると、顔料分散に寄与しない分散剤がフロックを形成し、顔料の分散は反対に阻害されるので本発明の効果を奏することができない。分散剤はトリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムなどのリン酸塩、ナフタレンスルホン酸ナトリウム/ホルマリン縮合体、ポリカルボン酸塩等を使用することができ特に限定されるものではない。
【0017】
本発明の水性グラビア印刷用塗被紙に用いる助剤は、分散剤以外に、潤滑剤、防腐剤、消泡剤、耐水化剤、染料等を適宜添加することができる。
【0018】
本発明の水性グラビア印刷用塗被紙に用いる接着剤は、ラテックスを使用することができる。ラテックスは、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらを更にカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したものである。また、本発明に用いる接着剤は顔料成分100重量部に対して10〜15重量部を配合する必要がある。接着剤が顔料成分100重量部に対して10重量部未満で製造した水性グラビア印刷用塗被紙は塗被層の表面強度が弱くなり易く、グラビア印刷には適さない。また、接着剤が顔料成分100重量部に対して15重量部を超える量で製造した塗被紙は塗被層が硬くなるため、ミッシングドットが増加するとともに、ブロッキングやカレンダー汚れが発生し易くなる。
【0019】
本発明の水性グラビア印刷用塗被紙に用いるリン光顔料は、特に限定されるものではない。リン光顔料を含有した水性グラビア印刷用塗被紙は、紫外線等を照射した場合に発光し真偽判別することができ、証券類、切手等の貴重印刷物に本発明の水性グラビア印刷用塗被紙を用いた場合に偽造防止の有効な手段となる。
【0020】
本発明のカレンダー処理は、原紙に塗被層を形成後に行われ、紙厚の均一化、表面平滑度の向上、光沢度の向上の目的に行われる。カレンダー処理は、オンマシンで配置されているマシンカレンダー、その他にスーパーカレンダー、フリクションカレンダー、グロスカレンダー、ブラッシカレンダー、マットカレンダー、ソフトカレンダー等を用いることができ、カレンダーの種類は特に限定されるものではない。
【0021】
本発明で用いられる原紙は、特に限定されるものではないが、例えば、原紙の坪量としては50〜100g/m 程度の範囲で適宜、使用される。原紙の抄造に際して使用するパルプは、木材や木綿等の植物繊維を原料とするKP法やSP法によって得られる化学パルプ、GP、TMP、CTMP、CGP、SCP等の機械パルプ、半化学パルプ等のいずれかのパルプを適宜、選択して使用できる。
抄紙方法についても特に限定されるものではなく、通常の抄紙方法、例えば、抄紙PHが4.5付近で行う酸性抄紙方法又はPH7.0付近で行う中性抄紙方法によって抄紙される。また、抄紙機も長網抄紙機、円網抄紙機、長網と円網のコンビネーションマシン、ツインワイヤーを装備した抄紙機、あるいはヤンキー抄紙機等のいずれかの抄紙機を適宜、選択して使用できる。
【0022】
なお、原紙中にはパルプ繊維や填料の他に、本発明の目的効果を損なわない範囲で、一般的に使用されている各種の歩留まり向上剤、紙力向上剤、内添サイズ剤、ピッチコントロール剤、あるいは消泡剤等の薬品類を適宜、使用できる。
【0023】
抄紙原紙にパルプとともに配合される抄紙填料としては、製紙業界で一般に使用されている填料が使用される。例えば、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、クレー、二酸化チタン等が例示される。
【0024】
本発明の水性グラビア印刷用塗被紙は、原紙上に塗被組成物を一層又は二層以上の多層に分けて塗被しても良く、また、片面又は両面に塗被することも可能である。
【0025】
本発明の水性グラビア印刷用塗被紙の製造に用いる塗被装置は特に限定されるわけではなく、例えば、ロールコータ、ブレードコータ、バーコータ、エアーナイフコータ、ブラシコータ、グラビアコータ等を用いることができる。
【0026】
本発明の水性グラビア印刷用塗被紙の製造方法に関しては、原紙作製後、つまり、オフマシンで原紙に塗被組成物を塗被しても、原紙作製と共に、つまり、オンマシンで塗被組成物を塗被してもよい。
【0027】
本発明の水性グラビア印刷用塗被紙の印刷物品質評価に用いた大蔵省印刷局型グラビア印刷試験機は、規制された条件においてグラビア印刷を行い、紙、インキ等の印刷適性を試験する装置である。
【0028】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明の効果を具体的に説明する。勿論、本発明はこられの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例での吸収係数Ka、ミッシングドット、白紙光沢度、それぞれの測定結果は下記の表1に記載し、網点再現性の各評価法は、以下に示すとおりである。
【0029】
白紙光沢度は、JIS  P8142の規格に準じて測定した。ブリストー試験機による吸収係数Kaは、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験法No51に準拠して測定される。本発明では、水性インキを代用するため評価液に蒸留水を使用した。測定の概要は、ヘッドボックスに一定量の評価液を入れ、回転可能な円盤の周囲に貼り付けた塗被紙に、評価液を転移させてその転移長さを求め、円盤の回転速度を変えて行うことで、評価液と塗被紙の特定接触時間における一定面積当たりの転移量を求めることができる。評価液と塗被紙の接触時間T(ミリ秒)の平方根と、評価液の転移量V(ml/m)との関係は、ある接触時間範囲において直線関係となりこの直線の傾きを吸収係数Kaとする。本発明では、接触時間80〜2000ミリ秒の間で得られた直線の傾きから吸収係数Kaを求めた。また、ミッシングドットは、大蔵省印刷局型グラビア印刷試験機(熊谷理機工業製)により印圧50kN/m、印刷速度45m/分の条件で、ザーンカップNo.3で測定したインキ粘度が約24秒、ザーンカップNo.5で測定したインキ粘度が約6秒の水性グラビア印刷インキを用いて印刷した印刷物の網点面積率30%のハイライト部について、網点6、000個当たりのミッシングドット率を求めた。網点再現性は、前記印刷物を目視及び拡大写真によって評価し、下記の4段階で判定した。その際の判定基準は、◎:特に優れている、○:優れている、△:やや劣る、×:劣る、の各基準によって行った。
【0030】
(実施例1)
フリーネス(csf)が両者ともに500mlとなるように叩解したLBKP90%、NBKP10%からなるパルプスラリー100%に、タルク(上)(日本タルク社製)10%を添加した後に、硫酸アルミニウム1.5%、サイズ剤1.0%を添加し、紙料を調製した。この紙料を長網抄紙機で抄紙し、坪量65g/mの塗工用原紙を得た。
【0031】
顔料として、平均1次粒子径0.15μmの立方体形状軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15:白石工業製)20%、平均粒子径1.5μmのカオリン(UW90:エンゲルハード製)80%を用い、顔料100重量部当り、分散剤としてポリカルボン酸ソーダ(アロンA−6330:東亜合成社製)0.5%を添加し、固形分濃度が60%になる如く水を添加して分散後、さらに増粘剤としてアルギン酸ソーダ0.5%、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(LX407G9:日本ゼオン製)を15%、添加して混合し、さらに固形分濃度約55%になる如く水を添加して顔料スラリーを調製した。
【0032】
上記得られた顔料スラリーを、研究用高速ブレードコータを用いて原紙の片面塗工量が13g/mになる如く片面にダブル塗工し、乾燥した。
【0033】
得られたグラビア印刷用塗被紙を実験室用スーパーカレンダー(熊谷理機工業製)を用いて、線圧120kN/mで2ニップのカレンダー処理を行い、実施例1の水性グラビア印刷用塗被紙を作製した。
【0034】
(実施例2)
実施例1の同様な塗被組成物及び方法で、立方体形状軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15:白石工業製)50%、カオリン(UW90:エンゲルハード製)50%に配合割合を変更して実施例2の水性グラビア印刷用塗被紙を作製した。
【0035】
(実施例3)
実施例1の同様な塗被組成物及び方法で、立方体形状軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15:白石工業製)80%、カオリン(UW90:エンゲルハード製)20%に配合割合を変更して実施例3の水性グラビア印刷用塗被紙を作製した。
【0036】
(実施例4)
実施例1と同様な方法で、平均粒子径1.3μmのカオリン(カオグロス90:シール製)を用い、分散剤としてポリカルボン酸ソーダ(アロンA−6330:東亜合成社製)分散剤0.7%、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(LX407G9:日本ゼオン製)を10%に配合割合を変更して実施例4の水性グラビア印刷用塗被紙を作製した。
【0037】
(実施例5)
実施例2と同様な方法で、平均粒子径1.3μmのカオリン(カオグロス90:シール製)を用い、分散剤としてポリカルボン酸ソーダ(アロンA−6330:東亜合成社製)分散剤0.7%、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(LX407G9:日本ゼオン製)を10%に配合割合を変更して実施例5の水性グラビア印刷用塗被紙を作製した。
【0038】
(実施例6)
実施例3の同様な方法で、平均粒子径1.3μmのカオリン(カオグロス90:シール製)を用い、分散剤としてポリカルボン酸ソーダ(アロンA−6330:東亜合成社製)分散剤0.7%、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(LX407G9:日本ゼオン製)を10%に配合割合を変更して実施例6の水性グラビア印刷用塗被紙を作製した。
【0039】
(実施例7)
実施例1の同様な方法で、平均粒子径1.8μmのカオリン(カオブライト:シール製)を用い、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(アロンT−40:東亜合成社製)分散剤0.3%、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(LX407G9:日本ゼオン製)を12%に配合割合を変更して実施例7の水性グラビア印刷用塗被紙を作製した。
【0040】
(実施例8)
実施例2の同様な方法で、平均粒子径1.8μmのカオリン(カオブライト:シール製)を用い、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(アロンT−40:東亜合成社製)分散剤0.3%、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(LX407G9:日本ゼオン製)を12%に配合割合を変更して実施例8の水性グラビア印刷用塗被紙を作製した。
【0041】
(実施例9)
実施例3の同様な方法で、平均粒子径1.8μmのカオリン(カオブライト:シール製)を用い、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(アロンT−40:東亜合成社製)分散剤0.3%、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(LX407G9:日本ゼオン製)を12%に配合割合を変更して実施例9の水性グラビア印刷用塗被紙を作製した。
【0042】
(比較例1)
実施例1の同様な方法で、平均1次粒子短辺0.2μm×長辺1.5μmの柱状軽質炭酸カルシウム(TP−123:奥多摩工業製)を用い、分散剤としてポリカルボン酸ソーダ(アロンA−6330:東亜合成社製)分散剤0.7%、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(LX407G9:日本ゼオン製)を15%に配合割合を変更して実施例10の水性グラビア印刷用塗被紙を作製した。
【0043】
(比較例2)
実施例3の同様な方法で、平均1次粒子径3.0μmの立方体形状軽質炭酸カルシウム(PZ:白石カルシウム製)を用い、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(アロンT−40:東亜合成社製)分散剤0.7%、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(LX407G9:日本ゼオン製)を16%に配合割合を変更して実施例11の水性グラビア印刷用塗被紙を作製した。
【0044】
(比較例3)
実施例1の同様な塗被組成物及び方法で、立方体形状軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15:白石カルシウム製)85%、カオリン(UW−90:エンゲルハード製)15%に配合割合を変更し、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(LX407G9:日本ゼオン製)を10%に配合割合を変更して比較例1の塗被紙を作製した。
【0045】
(比較例4)
実施例1の同様な塗被組成物及び方法で、立方体形状軽質炭酸カルシウム(ブリリアント15:白石カルシウム製)15%、カオリン(UW−90:エンゲルハード製)85%に配合割合を変更し、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(LX407G9:日本ゼオン製)を12%に配合割合を変更して比較例2の塗被紙を作製した。
【0046】
(比較例5)
実施例1の同様な方法、配合割合で、平均粒子径4μmの紡錘形状軽質炭酸カルシウム(ツネックスE:白石カルシウム製)を用いて、比較例3の塗被紙を作製した。
【0047】
(比較例6)
実施例2の同様な方法、配合割合で、平均粒子径4μmの紡錘形状軽質炭酸カルシウム(ツネックスE:白石カルシウム製)を用いて比較例4の塗被紙を作製した。
【0048】
(比較例7)
実施例3の同様な方法で、平均粒子径4μmの紡錘形状軽質炭酸カルシウム(ツネックスE:白石カルシウム製)を用いて比較例4の塗被紙を作製した。
【0049】
(比較例8)
実施例3の同様な方法で、分散剤としてポリカルボン酸ソーダ(アロンA−6330:東亜合成社製)分散剤0.1%、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(LX407G9:日本ゼオン製)を7%に配合割合を変更して比較例6の塗被紙を作製した。
【0050】
(比較例9)
実施例2の同様な方法で、分散剤としてポリカルボン酸ソーダ(アロンA−6330:東亜合成社製)分散剤2.0%、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(LX407G9:日本ゼオン製)を8%に配合割合を変更して比較例7の塗被紙を作製した。
【0051】
(比較例10)
実施例1の同様な方法で、平均粒子径1.8μmの重質炭酸カルシウム(ソフトン1200:白石カルシウム製)を用いて、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(LX407G9:日本ゼオン製)を17%に配合割合を変更して比較例8の水性グラビア印刷用塗被紙を作製した。
【0052】
上記実施例1〜9及び比較例1〜10で作成した水性グラビア印刷用塗被紙及びその印刷物の評価結果は表1に示す通りであった。
【0053】
【表1】
Figure 2004043991
【0054】
上記の表の結果より、実施例1〜9で作製したグラビア印刷用塗被紙及びその印刷物は、水性グラビア印刷用塗被紙をブリストー試験機で、評価液に蒸留水を用いて測定した吸収係数Kaが0.23ml/m・ms1/2以上である場合、グラビア印刷適性試験機でミッシングドット率が1.0%以下であり、水性グラビアインキ適性が良好であることがわかった。
【0055】
更に、上記記載の実施例1〜9の同様な配合割合の塗被組成物にリン光顔料を1.5〜3%配合した塗被組成物を塗被した水性グラビア印刷用塗被紙においても、評価液に蒸留水を用いて測定した吸収係数Kaが0.23ml/m・ms1/2以上であり、グラビア印刷適性試験機でミッシングドット率が1.0%以下であり、水性グラビアインキ適性が良好であることがわかった。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、水性グラビア印刷用塗被紙に関するものであり、特定の軽質炭酸カルシウムと特定のカオリンを配合することによって、グラビア印刷用塗被紙をブリストー試験機で、評価液に蒸留水を用いて測定した吸収係数Kaが0.23ml/m・ms1/2以上であり、平滑度、光沢度が良好で、ミッシングドットが極めて少なく、インキ吸収性に優れた水性グラビアインキでの印刷適性が良好な水性グラビア印刷用塗被紙を作製することができた。また、リン光等の特殊な顔料を配合した場合においても平滑度、光沢度が良好で、ミッシングドットが極めて少なく、インキ吸収性に優れた水性グラビアインキでの印刷適性が良好な水性グラビア印刷用塗被紙が得られ、リン光顔料を含有した水性グラビア印刷用塗被紙は、紫外線等を照射した場合に発光し真偽判別することができ、証券類、切手等の貴重印刷物に本発明の水性グラビア印刷用塗被紙を用いた場合に偽造防止の有効な手段となる。

Claims (2)

  1. 原紙上に顔料、助剤及び接着剤を主成分とする塗被層を設け、カレンダー処理してなる水性グラビア印刷用塗被紙において、
    顔料成分として、平均粒子径1.0〜2.0μmのカオリンを20〜80重量部、平均1次粒子径0.15μm以下の立方体形状軽質炭酸カルシウムを80〜20重量部含有した塗被組成物100重量部に対して、助剤として分散剤を0.2〜0.7重量部、接着剤としてラテックスを10〜15重量部の割合で含有した塗被液を塗被した水性グラビア印刷用塗被紙であって、
    前記水性グラビア印刷用塗被紙をブリストー試験機で、評価液に蒸留水を用いて測定した吸収係数Kaが0.23ml/m・ms1/2以上であることを特徴とする水性グラビア印刷用塗被紙。
  2. 前記カオリン、前記立方体形状軽質炭酸カルシウム、前記分散剤及び接着剤を含有した塗被組成物100重量部に対して、リン光顔料を1.5〜3重量部の割合で含有した塗被液を塗被したことを特徴とする請求項1記載の水性グラビア印刷用塗被紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007217810A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Hokuetsu Paper Mills Ltd 水性グラビア印刷用塗被紙
JP2014141773A (ja) * 2012-12-26 2014-08-07 Chuetsu Pulp Kogyo Kk 印刷用塗工紙

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