JP2004043228A - ガラス物品の押し型ユニット及び成型装置 - Google Patents
ガラス物品の押し型ユニット及び成型装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004043228A JP2004043228A JP2002201515A JP2002201515A JP2004043228A JP 2004043228 A JP2004043228 A JP 2004043228A JP 2002201515 A JP2002201515 A JP 2002201515A JP 2002201515 A JP2002201515 A JP 2002201515A JP 2004043228 A JP2004043228 A JP 2004043228A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wall member
- glass article
- molding
- push
- press
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B11/00—Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
- C03B11/12—Cooling, heating, or insulating the plunger, the mould, or the glass-pressing machine; cooling or heating of the glass in the mould
- C03B11/125—Cooling
- C03B11/127—Cooling of hollow or semi-hollow articles or their moulds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B11/00—Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
- C03B11/06—Construction of plunger or mould
- C03B11/10—Construction of plunger or mould for making hollow or semi-hollow articles
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
Abstract
【課題】押し型壁部材14とヘッド体12との接合固定部に改良を加えることにより、押し型壁部材14の内面23側と外面10側との熱膨脹差に起因する冷却流体の外部漏出を防止し、ガラス物品の成型に対する悪影響並びにその製品の品質低下を回避する。
【解決手段】昇降可能なアダプタ部材(ヘッド体)12と、該アダプタ部材12の接合面20にシール部材21を介してその接合面19を固定され且つその外面10にガラス物品の内表面を成型する雄成型面を有する押し型壁部材14と、該押し型壁部材14の内面側に配備された冷却流体を用いる冷却手段15とを備えたガラス物品の押し型ユニットにおいて、押し型壁部材14とアダプタ部材12の少なくとも一方の接合面19,20の外周側部位に、逃げ部27を形成する。
【選択図】 図2
【解決手段】昇降可能なアダプタ部材(ヘッド体)12と、該アダプタ部材12の接合面20にシール部材21を介してその接合面19を固定され且つその外面10にガラス物品の内表面を成型する雄成型面を有する押し型壁部材14と、該押し型壁部材14の内面側に配備された冷却流体を用いる冷却手段15とを備えたガラス物品の押し型ユニットにおいて、押し型壁部材14とアダプタ部材12の少なくとも一方の接合面19,20の外周側部位に、逃げ部27を形成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ガラス物品の押し型ユニット及び成型装置に係り、特にその押し型ユニットの熱による悪影響を回避するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、今日市販されている各種ガラス物品の中には、溶融ガラスに対するプレス成型工程を経て製作されるものが多数存在する。この種のプレス成型工程においては、通例、雌型をなす受け型に溶融ガラス塊を供給し、この受け型内に雄型をなす押し型を侵入させて溶融ガラス塊を押延することにより、所定形状のガラス物品を成型することが行われる。
【0003】
この種のプレス成型工程を経て製作されるガラス物品としては、陰極線管に用いられるガラスパネルやガラスファンネル等の陰極線管用ガラス物品、食器類、灰皿、電子レンジ用トレー等が挙げられる。これらのガラス物品中、例えば陰極線管用ガラスパネル(以下、単にパネルという)は、次に示すような構成とされる。
【0004】
すなわち、図11に示すように、パネル1は、画像を表示する有効画面を備えたフェース部2と、該フェース部2の周縁にブレンドR部3を介して略直角に連なるスカート部4とを備える。前記スカート部4は、四つの対角部5を介して連なる長辺部6a及び短辺部6bを有し、これらの各対角部5及び各辺部6a、6bの先端における開口端に、陰極線管用ファンネルとの溶着接合に供される封着端面7が形成されている。
【0005】
この種のパネル1のプレス成型工程において使用される成型装置は、図12に示すように、主たる構成要素として、パネル1の外表面に対応する雌成型面8aを有する受け型9と、パネル1の内表面に対応する雄成型面10aを有し且つ前記受け型9の上方に昇降可能に配設された押し型(プランジャ金型)11とを備える。そして、前記受け型9内に高温の溶融ガラス塊を供給した後、押し型11を下降させて受け型9内の溶融ガラス塊を押延し、然る後、前記押し型11を上昇させて冷却等を含む所定の各処理を行うことによりパネル1の成型工程が完了する。
【0006】
前記押し型11の上端は、昇降可能なアダプタ部材としてのヘッド体(プランジャヘッド)12に固定されており、この押し型11とヘッド体12とから押し型ユニット13が構成されている。なお、前記受け型9は、底受け型(ボトム金型)9Aと中間受け型(シェル金型)9Bとに分割され、この中間受け型9Bは底受け型9Aに対して当接及び離反可能とされている。
【0007】
前記押し型11は、図13に示すように、雄成型面10aを外面10に有する押し型壁部材14を備え、該押し型壁部材14の内面側には、冷却手段の構成要素である冷却空洞15が形成されている。また、前記ヘッド体12には、冷却手段の構成要素である冷却流体の送給通路16と排出通路17とが形成され、同図に矢印で示す経路に沿って前記押し型壁部材14の冷却空洞15に冷却流体を流通させる構成とされている。
【0008】
この場合、前記押し型壁部材14とヘッド体12との接合固定部18は、冷却水が外部に漏出することを阻止し得る構造でなければならない。そこで、図14に示すように、押し型壁部材14の上端接合面19と、ヘッド体12の下端接合面20との間に、シール部材としてのガスケット21を介在させ、このような状態で押し型壁部材14とヘッド体12とを締結部材としてのボルト22により締結固定することが行なわれている。
【0009】
そして、プレス成型時に押し型11に作用する圧力や雄成型面10aの温度分布制御等を考慮して、前記押し型壁部材14の上端部の厚み方向寸法は、数十mmとされており、前記ボルト22は、押し型壁部材14の厚み方向略中央部に形成されたネジ孔22aに螺合される構造となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来における上述の接合固定部18においては、同図に示すように、押し型壁部材14の上端接合面19と、ヘッド体12の下端接合面20とが、両面共に平坦面とされていたことから、以下に示すような問題を招来していた。
【0011】
すなわち、押し型壁部材14の外面10(雄成型面10a)は、プレス成型時に高温の溶融ガラスと接触することにより加熱されるのに対して、その内面23は冷却流体により冷却されることから、押し型壁部材14の熱膨張は、外面10側が大きくなり、それに対して内面23側が小さくなる。
【0012】
この結果、図15に示すように、押し型壁部材14の上端接合面19は、外面10側が内面23側よりも高くなるように傾斜する。この場合、外面10(雄成型面10a)の温度分布制御を適切化しようとすれば、外面10側と内面23側との熱膨脹差が大きくなることから、水平面(ヘッド体12の下端接合面20)に対する押し型壁部材14の上端接合面19の傾斜角度が大きくなる。
【0013】
これに起因して、両接合面19、20の内周側でガスケット21によるシール機能が損なわれ、同図に矢印を付して示すように、押し型壁部材14の内面23側の冷却流体が、ガスケット21のボルト挿通孔24及びヘッド体12のボルト挿通孔25を通じて外部に流出することになるため、パネル1の成型に重大な悪影響を及ぼし、製品の品質低下を招くことになる。
【0014】
なお、このような不具合を回避する一手段として、押し型壁部材14とヘッド体12とのボルトによる締結箇所を押し型壁部材14の厚み方向で増加させることが考えられるが、数日〜数週間毎に錆などの汚れの除去作業を行なうべく、押し型壁部材14のヘッド体12に対する取り外し及び取り付けを頻繁に行なっている現状に照らせば、その作業に強いられる労苦が多大となり、有効な方策とはなり得ない。
【0015】
そして、以上のような問題は、陰極線管用ガラスパネルを成型するための成型装置に限らず、既述の他のガラス物品、例えば陰極線管用ガラスファンネル、食器類、灰皿、及びトレー等を成型するための成型装置についても、同様にして生じ得る。
【0016】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、押し型壁部材とアダプタ部材(ヘッド体)との接合固定部に改良を加えることにより、押し型壁部材の内面側と外面側との熱膨脹差に起因する冷却流体の外部漏出を防止し、ガラス物品の成型に対する悪影響並びにその製品の品質低下を回避することを技術的課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するためになされた本発明は、昇降可能に配置されたアダプタ部材と、該アダプタ部材の接合面にシール部材を介してその接合面を固定され且つその外面にガラス物品の内表面を成型する雄成型面を有する押し型壁部材と、該押し型壁部材の内面側に配備された冷却流体を用いる冷却手段とを備えたガラス物品の押し型ユニットにおいて、前記押し型壁部材とアダプタ部材の少なくとも一方の接合面の外周側部位に、逃げ部を形成したことを特徴とするものである。ここで、「外周側」とは、押し型壁部材の外面側を意味する(以下、同様)。
【0018】
このような構成によれば、ガラス物品のプレス成型時に、押し型壁部材の外面が溶融ガラスとの接触により加熱され、且つその内面が冷却流体により冷却されることに起因して、両面の相互間に熱膨張差が生じ、その外面側が内面側よりも伸長した場合であっても、押し型壁部材及び/またはアダプタ部材の接合面の外周側部位には逃げ部が形成されていることから、この逃げ部の大きさに対応した距離分だけ両接合面が接近した状態となる。詳述すると、逃げ部が形成されていなければ、押し型壁部材の接合面が外周側に移行するに連れて漸次伸び出す傾斜面となることにより、両接合面の離反距離が内周側に移行するに連れて漸増するが、外周側には前記逃げ部が形成されていることにより、その逃げ部に相当する距離分だけ両接合面の離反距離が縮まる。したがって、前記逃げ部の大きさを適切に設定しておけば、両接合面は、シール部材によるシール機能が損なわれる程度までには離反せず、この結果、押し型壁部材の内面側の冷却手段から冷却流体が外部に流出するという不具合が回避される。なお、前記逃げ部の大きさは、例えば押し型壁部材の接合面近傍の厚みが20〜50mmである場合に、押し型壁部材及び/またはアダプタ部材の接合面における外周端から厚み方向に5〜15mmで且つ高さ方向に0.3〜1.0mm程度とするのが好適である。
【0019】
この場合、前記逃げ部は、押し型壁部材の厚み方向中央部よりも外周側に形成されていることが好ましい。このようにすれば、押し型壁部材の内面側と外面側との熱膨張差が生じていない時或いはその熱膨張差が僅かである時に、充分なシール面積を確保することができ、押し型壁部材とアダプタ部材との間に本来保有させるべきシール機能が不当に阻害されるという不具合を防止できることになる。
【0020】
更に、前記逃げ部は、押し型壁部材のみに形成されていることが好ましい。すなわち、押し型壁部材は、外面の大部分を雄成型面が占有するものであるため、その接合面の周辺には、他の構成要素が付設されていないのが通例であるのに対して、アダプタ部材の接合面の周辺には、例えば押し型ユニットの上下昇降動作を円滑化するためのガイド部等が付設されるのが通例である。したがって、邪魔となる他の構成要素が存在しない押し型壁部材の接合面のみに逃げ部を形成するようにしたならば、その形成のための加工作業を極めて容易に行なうことが可能となる。
【0021】
そして、前記逃げ部は、外周側が窪む段付き面を形成してなるものであってもよく、或いは、外周側に移行するに連れて漸次窪む傾斜面を形成してなるものであってもよい。前者によれば、押し型壁部材の内面側と外面側との熱膨張差によってその接合面が傾斜した場合に、段付き面の段部がシール部材に食い込み得ることになり、両接合面間の離反寸法を適切値に近づかせることを容易化できる。また、後者によれば、押し型壁部材の内面側と外面側との熱膨張差によってその接合面が傾斜した場合に、傾斜面周辺が広い領域に亘ってシール部材に圧接され得ることになり、シール部材への圧接力の均一化及びこれに伴なうシール部材の長寿命化が期待できる。
【0022】
また、前記ガラス物品は、陰極線管用パネルであって、少なくともそのスカート部を構成する長辺部及び短辺部における対角部を除く領域に対応して前記逃げ部が形成されていることが好ましい。すなわち、陰極線管用パネルを成型するための押し型壁部材は、そのパネルのスカート部の構造に対応して、長軸に対応する軸と平行な長辺部と、短軸に対応する軸と平行な短辺部と、対角軸に対応する軸を含む対角部とを有する。そして、この押し型壁部材は、対角部を除く長辺部及び短辺部で内面側と外面側との熱膨張差が特に大きくなるものであるため、この対角部を除く領域に逃げ部を形成してもよく、またこのような熱膨張差の大小を考慮することなく長辺部と短辺部と対角部との全周に亘って逃げ部を形成してもよい。このように逃げ部を形成することにより、上述の熱膨張差に起因する冷却流体の外部流出を有効に防止することが可能となる。
【0023】
一方、成型装置としては、ガラス物品の外表面を成型する雌成型面を有する受け型を備え、該受け型内に供給された溶融ガラス塊を、上述の列挙した構成を備えた押し型ユニットにより押延してプレス成型を行なうように構成することができる。この成型装置によっても、上述の列挙した事項と同様の作用効果が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る成型装置を示す要部縦断正面図、図2は、その成型装置の一部を構成している押し型ユニットの要部を示す拡大縦断正面図、図3は、その押し型ユニットの構成要素である押し型壁部材を単体で示す概略平面図である。なお、この成型装置(押し型ユニット)を用いて成型される陰極線管用パネルは、既に図11に基づいて説明した通りであるので、ここではその説明を省略する。
【0025】
図1及び図2に示す第1実施形態に係る成型装置は、底受け型(ボトム金型)9Aと中間受け型(シェル金型)9Bとからなる受け型9を備えている点、押し型壁部材14の内面側に冷却空洞15を形成してなる押し型11と、冷却流体の送給通路16及び排出通路17が形成された昇降可能なアダプタ部材(ヘッド体)12とからなる押し型ユニット13を備えている点、並びに押し型壁部材14とヘッド体12とがシール部材(ガスケット)21を介して締結部材(ボルト)22により締結固定されている点において、既に図13及び図14に基づいて説明した事項と共通している。したがって、図1及び図2に示す成型装置において、既述の図13及び図14に示す成型装置と共通の構成要件については同一符号を付してその説明を省略することとし、以下の説明においては、相違点にみについて言及する。
【0026】
図1及び図2に示すように、押し型ユニット13の構成要素である押し型壁部材14の上端接合面19には、その外周側部位に逃げ部27が形成されている。したがって、押し型壁部材14の逃げ部27が形成された上端接合面19と、ヘッド体12の平坦な下端接合面20とは、ガスケット21を介在させた状態で接合固定されている。
【0027】
前記逃げ部27は、図2に示すように、押し型壁部材14の上端接合面19に、外周側(外面10側)が窪む段付き面28を形成することにより構成され、この実施形態では、前記段付き面28の段部28aが、ボルト22のネジ孔22aよりも外周側位置に形成されている。詳述すると、押し型壁部材14の厚み方向略中央部に前記ネジ孔22aが形成され、これに対応してガスケット21の幅方向略中央部にボルト挿通孔24が形成されると共に、押し型壁部材14の前記ネジ孔22aから僅かに外周側に離隔した位置であって且つガスケット21のボルト挿通孔24からも僅かに外周側に離隔した位置に、前記段付き面28の段部28aが形成されている。この場合、押し型壁部材14の厚みは20〜50mm(例えば30mm)であって、前記逃げ部27は、その上端接合面19の外周端から厚み方向に5〜15mm(例えば10mm)で且つ高さ方向に0.3〜1.0mm(例えば0.5mm)の大きさに設定されている。
【0028】
図3は、前記押し型壁部材14のみを示す概略平面図であって、この押し型壁部材14は、陰極線管用パネル1の長軸に対応する軸Lと平行な長辺部14aと、短軸に対応する軸Sと平行な短辺部14bと、対角軸に対応する軸Dを含む対角部14cとを備える。そして、この実施形態では、対角部14c周辺を除く長辺部14aと短辺部14bとに前記逃げ部27が形成されている。このような態様で逃げ部27を形成するのは、対角部14c周辺については逃げ部27の形成を特に必要としないことに由来するものである。したがって、長辺部14a、短辺部14b、及び対角部14cの全周に亘って逃げ部27を形成するようにしても、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
【0029】
以上のような構成によれば、パネル1のプレス成型時に、押し型壁部材14の外面10が溶融ガラスとの接触により加熱され、且つその内面23が冷却流体により冷却されることに起因して熱膨張差が生じ、図4に示すように、外面10側が内面23側よりも伸長して上端接合面19が傾斜した場合であっても、その上端接合面19の外周側部位(外面10側部位)には逃げ部27が形成されているため、その上端接合面19とヘッド体12の下端接合面20との離反距離は、逃げ部27の大きさに対応した距離分だけ縮まることになる。これにより、ガスケット21のボルト挿通孔24の周縁全域に対して、押し型壁部材14の上端接合面19とヘッド体12の下端接合面20との両者が圧接した状態となり、従来(図15に示す状態)のように冷却流体が押し型壁部材14の内面23側からガスケット21及びヘッド体12のボルト挿通孔24、25を通じて外部に流出するという事態を防止することができる。なお、この場合には、押し型壁部材14の上端接合面19に形成された段付き面28の段部28aが、例えば同図に示すように、ガスケット21に食い込んだ状態となる。
【0030】
図5は、本発明の第2実施形態に係る成型装置(押し型ユニット13)の要部を示す縦断正面図である。この第2実施形態に係る押し型ユニット13が上述の第1実施形態と相違する点は、押し型壁部材14における上端接合面19の逃げ部37が、外周側に移行するに連れて漸次窪む傾斜面38つまり外周側に移行するに連れて漸次低くなる傾斜面38を形成することにより構成されている点である。そして、ボルト22のネジ孔22a及びガスケット21のボルト挿通孔24に対する傾斜面38の形成位置や、押し型壁部材14の上端接合面19のガスケット21に対する圧接状態については、上述の第1実施形態と同一である。
【0031】
この第2実施形態に係る押し型ユニット13の構成によっても、図6に示すように、押し型壁部材14の外面10側と内面23側との熱膨張差に起因して、その外面10側が内面23側よりも伸長した場合においては、傾斜面38で構成された逃げ部37の存在によって、その上端接合面19とヘッド体12の下端接合面20との離反距離が、逃げ部37の大きさに対応した距離分だけ縮まることになり、上述の第1実施形態の場合と同様の作用効果が得られる。なお、この場合には、押し型壁部材14の上端接合面19に形成された傾斜面38周辺が局部的にガスケット21に食い込んだ状態とはならず、例えば同図に示すように、その傾斜面38周辺によってガスケット21の比較的広い領域が押圧された状態となる。
【0032】
図7は、本発明の第3実施形態に係る成型装置(押し型ユニット13)の要部を示す縦断正面図である。この第3実施形態に係る押し型ユニット13が上述の第1実施形態と相違する点は、押し型壁部材14の上端接合面19を平坦面とし、ヘッド体12の下端接合面20の外周側部位に、段付き面48で構成された逃げ部47を形成した点である。そして、この逃げ部47は、ヘッド体12のボルト挿通孔25及びガスケット21のボルト挿通孔24よりも外周側に形成されている。
【0033】
この第3実施形態に係る押し型ユニット13の構成によっても、図8に示すように、押し型壁部材14の内面23側と外面10側との熱膨張差に起因して、その外面10側が内面23側よりも伸長した場合においては、段付き面48で構成された逃げ部47の存在によって、その上端接合面19とヘッド体12の下端接合面20との離反距離が、逃げ部47の大きさに対応した距離分だけ縮まることになり、上述の第1実施形態の場合と同様の作用効果が得られる。
【0034】
図9は、本発明の第4実施形態に係る成型装置(押し型ユニット13)の要部を示す縦断正面図である。この第4実施形態に係る押し型ユニット13が上述の第2実施形態と相違する点は、押し型壁部材14の上端接合面19を平坦面とし、ヘッド体12の下端接合面20の外周側部位に、傾斜面58で構成された逃げ部57を形成した点である。そして、この逃げ部57は、ヘッド体12のボルト挿通孔25及びガスケット21のボルト挿通孔24よりも外周側に形成されている。
【0035】
この第4実施形態に係る押し型ユニット13の構成によっても、図10に示すように、押し型壁部材14の内面23側と外面10側との熱膨張差に起因して、その外面10側が内面23側よりも伸長した場合においては、傾斜面58で構成された逃げ部57の存在によって、その上端接合面19とヘッド体12の下端接合面20との離反距離が、逃げ部57の大きさに対応した距離分だけ縮まることになり、上述の第2実施形態の場合と同様の作用効果が得られる。
【0036】
なお、以上の実施形態では、パネル1のプレス成型について本発明を適用したが、その他のガラス物品、例えば陰極線管用ガラスファンネル、食器類、灰皿、電子レンジ用トレー等のプレス成型についても、同様にして本発明を適用することができる。また、これに関連して、以上の実施形態では、受け型9が底受け型9Aと中間受け型9Bとに分割された成型装置に本発明を適用したが、受け型9が分割不能な単一体とされた成型装置についても、同様にして本発明を適用することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るガラス物品の押し型ユニットによれば、ガラス物品のプレス成型時に、熱膨張差に起因して押し型壁部材の外面側が内面側よりも伸長した場合であっても、押し型壁部材及び/またはアダプタ部材の接合面の外周側部位には逃げ部が形成されていることから、この逃げ部の大きさに対応した距離分だけ両接合面の離反距離が縮まることになり、これにより押し型壁部材の内面側の冷却手段から冷却流体が外部に流出するという不具合が回避される。
【0038】
そして、前記逃げ部を、押し型壁部材の厚み方向中央部よりも外周側に形成すれば、押し型壁部材の内面側と外面側との熱膨張差が生じていない時或いはその熱膨張差が僅かである時に、充分なシール面積を確保することができ、押し型壁部材とアダプタ部材との間に本来保有させるべきシール機能が不当に阻害されるという不具合を防止することができる。
【0039】
また、前記逃げ部を、押し型壁部材のみに形成すれば、アダプタ部材に形成する場合と比較して、接合面近傍に邪魔となる他の構成要素が付設される可能性が低いことから、逃げ部形成のための加工作業を極めて容易に行なうことが可能となる。
【0040】
この場合、前記逃げ部を、外周側が窪む段付き面を形成することによって構成すれば、押し型壁部材の内面側と外面側との熱膨張差によってその接合面が傾斜した場合に、段付き面の段部がシール部材に食い込み得ることになり、両接合面間の離反寸法を適切値に近づかせることを容易化できる。
【0041】
また、前記逃げ部を、外周側に移行するに連れて漸次窪む傾斜面を形成することによって構成すれば、押し型壁部材の内面側と外面側との熱膨張差によってその接合面が傾斜した場合に、傾斜面周辺が広い領域に亘ってシール部材に圧接され得ることになり、シール部材への圧接力の均一化及びこれに伴なうシール部材の長寿命化が期待できる。
【0042】
そして、前記ガラス物品を、陰極線管用パネルとし、少なくともそのスカート部を構成する長辺部及び短辺部における対角部を除く領域に対応して前記逃げ部を形成すれば、熱膨張差が特に大きくなる部位における冷却流体の外部流出を有効に防止することが可能となる。
【0043】
一方、成型装置として、ガラス物品の外表面を成型する雌成型面を有する受け型を備え、該受け型内に供給された溶融ガラス塊を、上述の逃げ部を有する押し型ユニットにより押延してプレス成型を行なうように構成した場合であっても、上述の列挙した事項と同様の効果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るガラス物品の成型装置を示す縦断正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るガラス物品の成型装置の要部を示す拡大縦断正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るガラス物品の押し型ユニットの構成要素である押し型壁部材を示す概略平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るガラス物品の成型装置の作用を示す要部拡大縦断正面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るガラス物品の成型装置の要部を示す拡大縦断正面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るガラス物品の成型装置の作用を示す要部拡大縦断正面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るガラス物品の成型装置の要部を示す拡大縦断正面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るガラス物品の成型装置の作用を示す要部拡大縦断正面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るガラス物品の成型装置の要部を示す拡大縦断正面図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係るガラス物品の成型装置の作用を示す要部拡大縦断正面図である。
【図11】本発明の各実施形態に係る成型装置を用いて成型されるガラス物品である陰極線管用パネルを示す斜視図である。
【図12】従来例に係るガラス物品の成型装置を示す要部破断正面図である。
【図13】従来例に係るガラス物品の成型装置を示す縦断正面図である。
【図14】従来例に係るガラス物品の成型装置の要部を示す拡大縦断正面図である。
【図15】従来例に係るガラス物品の成型装置の問題点を示す要部拡大縦断正面図である。
【符号の説明】
1 ガラス物品(陰極線管用パネル)
9 受け型
10 外面(押し型壁部材の外面)
12 アダプタ部材(ヘッド体)
13 押し型ユニット
14 押し型壁部材
19 接合面(押し型壁部材の上端接合面)
20 接合面(ヘッド体の下端接合面)
21 シール部材(ガスケット)
23 内面(押し型壁部材の内面)
27、37、47、57 逃げ部
28、48 段付き面
38、58 傾斜面
【産業上の利用分野】
本発明は、ガラス物品の押し型ユニット及び成型装置に係り、特にその押し型ユニットの熱による悪影響を回避するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、今日市販されている各種ガラス物品の中には、溶融ガラスに対するプレス成型工程を経て製作されるものが多数存在する。この種のプレス成型工程においては、通例、雌型をなす受け型に溶融ガラス塊を供給し、この受け型内に雄型をなす押し型を侵入させて溶融ガラス塊を押延することにより、所定形状のガラス物品を成型することが行われる。
【0003】
この種のプレス成型工程を経て製作されるガラス物品としては、陰極線管に用いられるガラスパネルやガラスファンネル等の陰極線管用ガラス物品、食器類、灰皿、電子レンジ用トレー等が挙げられる。これらのガラス物品中、例えば陰極線管用ガラスパネル(以下、単にパネルという)は、次に示すような構成とされる。
【0004】
すなわち、図11に示すように、パネル1は、画像を表示する有効画面を備えたフェース部2と、該フェース部2の周縁にブレンドR部3を介して略直角に連なるスカート部4とを備える。前記スカート部4は、四つの対角部5を介して連なる長辺部6a及び短辺部6bを有し、これらの各対角部5及び各辺部6a、6bの先端における開口端に、陰極線管用ファンネルとの溶着接合に供される封着端面7が形成されている。
【0005】
この種のパネル1のプレス成型工程において使用される成型装置は、図12に示すように、主たる構成要素として、パネル1の外表面に対応する雌成型面8aを有する受け型9と、パネル1の内表面に対応する雄成型面10aを有し且つ前記受け型9の上方に昇降可能に配設された押し型(プランジャ金型)11とを備える。そして、前記受け型9内に高温の溶融ガラス塊を供給した後、押し型11を下降させて受け型9内の溶融ガラス塊を押延し、然る後、前記押し型11を上昇させて冷却等を含む所定の各処理を行うことによりパネル1の成型工程が完了する。
【0006】
前記押し型11の上端は、昇降可能なアダプタ部材としてのヘッド体(プランジャヘッド)12に固定されており、この押し型11とヘッド体12とから押し型ユニット13が構成されている。なお、前記受け型9は、底受け型(ボトム金型)9Aと中間受け型(シェル金型)9Bとに分割され、この中間受け型9Bは底受け型9Aに対して当接及び離反可能とされている。
【0007】
前記押し型11は、図13に示すように、雄成型面10aを外面10に有する押し型壁部材14を備え、該押し型壁部材14の内面側には、冷却手段の構成要素である冷却空洞15が形成されている。また、前記ヘッド体12には、冷却手段の構成要素である冷却流体の送給通路16と排出通路17とが形成され、同図に矢印で示す経路に沿って前記押し型壁部材14の冷却空洞15に冷却流体を流通させる構成とされている。
【0008】
この場合、前記押し型壁部材14とヘッド体12との接合固定部18は、冷却水が外部に漏出することを阻止し得る構造でなければならない。そこで、図14に示すように、押し型壁部材14の上端接合面19と、ヘッド体12の下端接合面20との間に、シール部材としてのガスケット21を介在させ、このような状態で押し型壁部材14とヘッド体12とを締結部材としてのボルト22により締結固定することが行なわれている。
【0009】
そして、プレス成型時に押し型11に作用する圧力や雄成型面10aの温度分布制御等を考慮して、前記押し型壁部材14の上端部の厚み方向寸法は、数十mmとされており、前記ボルト22は、押し型壁部材14の厚み方向略中央部に形成されたネジ孔22aに螺合される構造となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来における上述の接合固定部18においては、同図に示すように、押し型壁部材14の上端接合面19と、ヘッド体12の下端接合面20とが、両面共に平坦面とされていたことから、以下に示すような問題を招来していた。
【0011】
すなわち、押し型壁部材14の外面10(雄成型面10a)は、プレス成型時に高温の溶融ガラスと接触することにより加熱されるのに対して、その内面23は冷却流体により冷却されることから、押し型壁部材14の熱膨張は、外面10側が大きくなり、それに対して内面23側が小さくなる。
【0012】
この結果、図15に示すように、押し型壁部材14の上端接合面19は、外面10側が内面23側よりも高くなるように傾斜する。この場合、外面10(雄成型面10a)の温度分布制御を適切化しようとすれば、外面10側と内面23側との熱膨脹差が大きくなることから、水平面(ヘッド体12の下端接合面20)に対する押し型壁部材14の上端接合面19の傾斜角度が大きくなる。
【0013】
これに起因して、両接合面19、20の内周側でガスケット21によるシール機能が損なわれ、同図に矢印を付して示すように、押し型壁部材14の内面23側の冷却流体が、ガスケット21のボルト挿通孔24及びヘッド体12のボルト挿通孔25を通じて外部に流出することになるため、パネル1の成型に重大な悪影響を及ぼし、製品の品質低下を招くことになる。
【0014】
なお、このような不具合を回避する一手段として、押し型壁部材14とヘッド体12とのボルトによる締結箇所を押し型壁部材14の厚み方向で増加させることが考えられるが、数日〜数週間毎に錆などの汚れの除去作業を行なうべく、押し型壁部材14のヘッド体12に対する取り外し及び取り付けを頻繁に行なっている現状に照らせば、その作業に強いられる労苦が多大となり、有効な方策とはなり得ない。
【0015】
そして、以上のような問題は、陰極線管用ガラスパネルを成型するための成型装置に限らず、既述の他のガラス物品、例えば陰極線管用ガラスファンネル、食器類、灰皿、及びトレー等を成型するための成型装置についても、同様にして生じ得る。
【0016】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、押し型壁部材とアダプタ部材(ヘッド体)との接合固定部に改良を加えることにより、押し型壁部材の内面側と外面側との熱膨脹差に起因する冷却流体の外部漏出を防止し、ガラス物品の成型に対する悪影響並びにその製品の品質低下を回避することを技術的課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するためになされた本発明は、昇降可能に配置されたアダプタ部材と、該アダプタ部材の接合面にシール部材を介してその接合面を固定され且つその外面にガラス物品の内表面を成型する雄成型面を有する押し型壁部材と、該押し型壁部材の内面側に配備された冷却流体を用いる冷却手段とを備えたガラス物品の押し型ユニットにおいて、前記押し型壁部材とアダプタ部材の少なくとも一方の接合面の外周側部位に、逃げ部を形成したことを特徴とするものである。ここで、「外周側」とは、押し型壁部材の外面側を意味する(以下、同様)。
【0018】
このような構成によれば、ガラス物品のプレス成型時に、押し型壁部材の外面が溶融ガラスとの接触により加熱され、且つその内面が冷却流体により冷却されることに起因して、両面の相互間に熱膨張差が生じ、その外面側が内面側よりも伸長した場合であっても、押し型壁部材及び/またはアダプタ部材の接合面の外周側部位には逃げ部が形成されていることから、この逃げ部の大きさに対応した距離分だけ両接合面が接近した状態となる。詳述すると、逃げ部が形成されていなければ、押し型壁部材の接合面が外周側に移行するに連れて漸次伸び出す傾斜面となることにより、両接合面の離反距離が内周側に移行するに連れて漸増するが、外周側には前記逃げ部が形成されていることにより、その逃げ部に相当する距離分だけ両接合面の離反距離が縮まる。したがって、前記逃げ部の大きさを適切に設定しておけば、両接合面は、シール部材によるシール機能が損なわれる程度までには離反せず、この結果、押し型壁部材の内面側の冷却手段から冷却流体が外部に流出するという不具合が回避される。なお、前記逃げ部の大きさは、例えば押し型壁部材の接合面近傍の厚みが20〜50mmである場合に、押し型壁部材及び/またはアダプタ部材の接合面における外周端から厚み方向に5〜15mmで且つ高さ方向に0.3〜1.0mm程度とするのが好適である。
【0019】
この場合、前記逃げ部は、押し型壁部材の厚み方向中央部よりも外周側に形成されていることが好ましい。このようにすれば、押し型壁部材の内面側と外面側との熱膨張差が生じていない時或いはその熱膨張差が僅かである時に、充分なシール面積を確保することができ、押し型壁部材とアダプタ部材との間に本来保有させるべきシール機能が不当に阻害されるという不具合を防止できることになる。
【0020】
更に、前記逃げ部は、押し型壁部材のみに形成されていることが好ましい。すなわち、押し型壁部材は、外面の大部分を雄成型面が占有するものであるため、その接合面の周辺には、他の構成要素が付設されていないのが通例であるのに対して、アダプタ部材の接合面の周辺には、例えば押し型ユニットの上下昇降動作を円滑化するためのガイド部等が付設されるのが通例である。したがって、邪魔となる他の構成要素が存在しない押し型壁部材の接合面のみに逃げ部を形成するようにしたならば、その形成のための加工作業を極めて容易に行なうことが可能となる。
【0021】
そして、前記逃げ部は、外周側が窪む段付き面を形成してなるものであってもよく、或いは、外周側に移行するに連れて漸次窪む傾斜面を形成してなるものであってもよい。前者によれば、押し型壁部材の内面側と外面側との熱膨張差によってその接合面が傾斜した場合に、段付き面の段部がシール部材に食い込み得ることになり、両接合面間の離反寸法を適切値に近づかせることを容易化できる。また、後者によれば、押し型壁部材の内面側と外面側との熱膨張差によってその接合面が傾斜した場合に、傾斜面周辺が広い領域に亘ってシール部材に圧接され得ることになり、シール部材への圧接力の均一化及びこれに伴なうシール部材の長寿命化が期待できる。
【0022】
また、前記ガラス物品は、陰極線管用パネルであって、少なくともそのスカート部を構成する長辺部及び短辺部における対角部を除く領域に対応して前記逃げ部が形成されていることが好ましい。すなわち、陰極線管用パネルを成型するための押し型壁部材は、そのパネルのスカート部の構造に対応して、長軸に対応する軸と平行な長辺部と、短軸に対応する軸と平行な短辺部と、対角軸に対応する軸を含む対角部とを有する。そして、この押し型壁部材は、対角部を除く長辺部及び短辺部で内面側と外面側との熱膨張差が特に大きくなるものであるため、この対角部を除く領域に逃げ部を形成してもよく、またこのような熱膨張差の大小を考慮することなく長辺部と短辺部と対角部との全周に亘って逃げ部を形成してもよい。このように逃げ部を形成することにより、上述の熱膨張差に起因する冷却流体の外部流出を有効に防止することが可能となる。
【0023】
一方、成型装置としては、ガラス物品の外表面を成型する雌成型面を有する受け型を備え、該受け型内に供給された溶融ガラス塊を、上述の列挙した構成を備えた押し型ユニットにより押延してプレス成型を行なうように構成することができる。この成型装置によっても、上述の列挙した事項と同様の作用効果が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る成型装置を示す要部縦断正面図、図2は、その成型装置の一部を構成している押し型ユニットの要部を示す拡大縦断正面図、図3は、その押し型ユニットの構成要素である押し型壁部材を単体で示す概略平面図である。なお、この成型装置(押し型ユニット)を用いて成型される陰極線管用パネルは、既に図11に基づいて説明した通りであるので、ここではその説明を省略する。
【0025】
図1及び図2に示す第1実施形態に係る成型装置は、底受け型(ボトム金型)9Aと中間受け型(シェル金型)9Bとからなる受け型9を備えている点、押し型壁部材14の内面側に冷却空洞15を形成してなる押し型11と、冷却流体の送給通路16及び排出通路17が形成された昇降可能なアダプタ部材(ヘッド体)12とからなる押し型ユニット13を備えている点、並びに押し型壁部材14とヘッド体12とがシール部材(ガスケット)21を介して締結部材(ボルト)22により締結固定されている点において、既に図13及び図14に基づいて説明した事項と共通している。したがって、図1及び図2に示す成型装置において、既述の図13及び図14に示す成型装置と共通の構成要件については同一符号を付してその説明を省略することとし、以下の説明においては、相違点にみについて言及する。
【0026】
図1及び図2に示すように、押し型ユニット13の構成要素である押し型壁部材14の上端接合面19には、その外周側部位に逃げ部27が形成されている。したがって、押し型壁部材14の逃げ部27が形成された上端接合面19と、ヘッド体12の平坦な下端接合面20とは、ガスケット21を介在させた状態で接合固定されている。
【0027】
前記逃げ部27は、図2に示すように、押し型壁部材14の上端接合面19に、外周側(外面10側)が窪む段付き面28を形成することにより構成され、この実施形態では、前記段付き面28の段部28aが、ボルト22のネジ孔22aよりも外周側位置に形成されている。詳述すると、押し型壁部材14の厚み方向略中央部に前記ネジ孔22aが形成され、これに対応してガスケット21の幅方向略中央部にボルト挿通孔24が形成されると共に、押し型壁部材14の前記ネジ孔22aから僅かに外周側に離隔した位置であって且つガスケット21のボルト挿通孔24からも僅かに外周側に離隔した位置に、前記段付き面28の段部28aが形成されている。この場合、押し型壁部材14の厚みは20〜50mm(例えば30mm)であって、前記逃げ部27は、その上端接合面19の外周端から厚み方向に5〜15mm(例えば10mm)で且つ高さ方向に0.3〜1.0mm(例えば0.5mm)の大きさに設定されている。
【0028】
図3は、前記押し型壁部材14のみを示す概略平面図であって、この押し型壁部材14は、陰極線管用パネル1の長軸に対応する軸Lと平行な長辺部14aと、短軸に対応する軸Sと平行な短辺部14bと、対角軸に対応する軸Dを含む対角部14cとを備える。そして、この実施形態では、対角部14c周辺を除く長辺部14aと短辺部14bとに前記逃げ部27が形成されている。このような態様で逃げ部27を形成するのは、対角部14c周辺については逃げ部27の形成を特に必要としないことに由来するものである。したがって、長辺部14a、短辺部14b、及び対角部14cの全周に亘って逃げ部27を形成するようにしても、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
【0029】
以上のような構成によれば、パネル1のプレス成型時に、押し型壁部材14の外面10が溶融ガラスとの接触により加熱され、且つその内面23が冷却流体により冷却されることに起因して熱膨張差が生じ、図4に示すように、外面10側が内面23側よりも伸長して上端接合面19が傾斜した場合であっても、その上端接合面19の外周側部位(外面10側部位)には逃げ部27が形成されているため、その上端接合面19とヘッド体12の下端接合面20との離反距離は、逃げ部27の大きさに対応した距離分だけ縮まることになる。これにより、ガスケット21のボルト挿通孔24の周縁全域に対して、押し型壁部材14の上端接合面19とヘッド体12の下端接合面20との両者が圧接した状態となり、従来(図15に示す状態)のように冷却流体が押し型壁部材14の内面23側からガスケット21及びヘッド体12のボルト挿通孔24、25を通じて外部に流出するという事態を防止することができる。なお、この場合には、押し型壁部材14の上端接合面19に形成された段付き面28の段部28aが、例えば同図に示すように、ガスケット21に食い込んだ状態となる。
【0030】
図5は、本発明の第2実施形態に係る成型装置(押し型ユニット13)の要部を示す縦断正面図である。この第2実施形態に係る押し型ユニット13が上述の第1実施形態と相違する点は、押し型壁部材14における上端接合面19の逃げ部37が、外周側に移行するに連れて漸次窪む傾斜面38つまり外周側に移行するに連れて漸次低くなる傾斜面38を形成することにより構成されている点である。そして、ボルト22のネジ孔22a及びガスケット21のボルト挿通孔24に対する傾斜面38の形成位置や、押し型壁部材14の上端接合面19のガスケット21に対する圧接状態については、上述の第1実施形態と同一である。
【0031】
この第2実施形態に係る押し型ユニット13の構成によっても、図6に示すように、押し型壁部材14の外面10側と内面23側との熱膨張差に起因して、その外面10側が内面23側よりも伸長した場合においては、傾斜面38で構成された逃げ部37の存在によって、その上端接合面19とヘッド体12の下端接合面20との離反距離が、逃げ部37の大きさに対応した距離分だけ縮まることになり、上述の第1実施形態の場合と同様の作用効果が得られる。なお、この場合には、押し型壁部材14の上端接合面19に形成された傾斜面38周辺が局部的にガスケット21に食い込んだ状態とはならず、例えば同図に示すように、その傾斜面38周辺によってガスケット21の比較的広い領域が押圧された状態となる。
【0032】
図7は、本発明の第3実施形態に係る成型装置(押し型ユニット13)の要部を示す縦断正面図である。この第3実施形態に係る押し型ユニット13が上述の第1実施形態と相違する点は、押し型壁部材14の上端接合面19を平坦面とし、ヘッド体12の下端接合面20の外周側部位に、段付き面48で構成された逃げ部47を形成した点である。そして、この逃げ部47は、ヘッド体12のボルト挿通孔25及びガスケット21のボルト挿通孔24よりも外周側に形成されている。
【0033】
この第3実施形態に係る押し型ユニット13の構成によっても、図8に示すように、押し型壁部材14の内面23側と外面10側との熱膨張差に起因して、その外面10側が内面23側よりも伸長した場合においては、段付き面48で構成された逃げ部47の存在によって、その上端接合面19とヘッド体12の下端接合面20との離反距離が、逃げ部47の大きさに対応した距離分だけ縮まることになり、上述の第1実施形態の場合と同様の作用効果が得られる。
【0034】
図9は、本発明の第4実施形態に係る成型装置(押し型ユニット13)の要部を示す縦断正面図である。この第4実施形態に係る押し型ユニット13が上述の第2実施形態と相違する点は、押し型壁部材14の上端接合面19を平坦面とし、ヘッド体12の下端接合面20の外周側部位に、傾斜面58で構成された逃げ部57を形成した点である。そして、この逃げ部57は、ヘッド体12のボルト挿通孔25及びガスケット21のボルト挿通孔24よりも外周側に形成されている。
【0035】
この第4実施形態に係る押し型ユニット13の構成によっても、図10に示すように、押し型壁部材14の内面23側と外面10側との熱膨張差に起因して、その外面10側が内面23側よりも伸長した場合においては、傾斜面58で構成された逃げ部57の存在によって、その上端接合面19とヘッド体12の下端接合面20との離反距離が、逃げ部57の大きさに対応した距離分だけ縮まることになり、上述の第2実施形態の場合と同様の作用効果が得られる。
【0036】
なお、以上の実施形態では、パネル1のプレス成型について本発明を適用したが、その他のガラス物品、例えば陰極線管用ガラスファンネル、食器類、灰皿、電子レンジ用トレー等のプレス成型についても、同様にして本発明を適用することができる。また、これに関連して、以上の実施形態では、受け型9が底受け型9Aと中間受け型9Bとに分割された成型装置に本発明を適用したが、受け型9が分割不能な単一体とされた成型装置についても、同様にして本発明を適用することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るガラス物品の押し型ユニットによれば、ガラス物品のプレス成型時に、熱膨張差に起因して押し型壁部材の外面側が内面側よりも伸長した場合であっても、押し型壁部材及び/またはアダプタ部材の接合面の外周側部位には逃げ部が形成されていることから、この逃げ部の大きさに対応した距離分だけ両接合面の離反距離が縮まることになり、これにより押し型壁部材の内面側の冷却手段から冷却流体が外部に流出するという不具合が回避される。
【0038】
そして、前記逃げ部を、押し型壁部材の厚み方向中央部よりも外周側に形成すれば、押し型壁部材の内面側と外面側との熱膨張差が生じていない時或いはその熱膨張差が僅かである時に、充分なシール面積を確保することができ、押し型壁部材とアダプタ部材との間に本来保有させるべきシール機能が不当に阻害されるという不具合を防止することができる。
【0039】
また、前記逃げ部を、押し型壁部材のみに形成すれば、アダプタ部材に形成する場合と比較して、接合面近傍に邪魔となる他の構成要素が付設される可能性が低いことから、逃げ部形成のための加工作業を極めて容易に行なうことが可能となる。
【0040】
この場合、前記逃げ部を、外周側が窪む段付き面を形成することによって構成すれば、押し型壁部材の内面側と外面側との熱膨張差によってその接合面が傾斜した場合に、段付き面の段部がシール部材に食い込み得ることになり、両接合面間の離反寸法を適切値に近づかせることを容易化できる。
【0041】
また、前記逃げ部を、外周側に移行するに連れて漸次窪む傾斜面を形成することによって構成すれば、押し型壁部材の内面側と外面側との熱膨張差によってその接合面が傾斜した場合に、傾斜面周辺が広い領域に亘ってシール部材に圧接され得ることになり、シール部材への圧接力の均一化及びこれに伴なうシール部材の長寿命化が期待できる。
【0042】
そして、前記ガラス物品を、陰極線管用パネルとし、少なくともそのスカート部を構成する長辺部及び短辺部における対角部を除く領域に対応して前記逃げ部を形成すれば、熱膨張差が特に大きくなる部位における冷却流体の外部流出を有効に防止することが可能となる。
【0043】
一方、成型装置として、ガラス物品の外表面を成型する雌成型面を有する受け型を備え、該受け型内に供給された溶融ガラス塊を、上述の逃げ部を有する押し型ユニットにより押延してプレス成型を行なうように構成した場合であっても、上述の列挙した事項と同様の効果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るガラス物品の成型装置を示す縦断正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るガラス物品の成型装置の要部を示す拡大縦断正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るガラス物品の押し型ユニットの構成要素である押し型壁部材を示す概略平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るガラス物品の成型装置の作用を示す要部拡大縦断正面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るガラス物品の成型装置の要部を示す拡大縦断正面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るガラス物品の成型装置の作用を示す要部拡大縦断正面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るガラス物品の成型装置の要部を示す拡大縦断正面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るガラス物品の成型装置の作用を示す要部拡大縦断正面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るガラス物品の成型装置の要部を示す拡大縦断正面図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係るガラス物品の成型装置の作用を示す要部拡大縦断正面図である。
【図11】本発明の各実施形態に係る成型装置を用いて成型されるガラス物品である陰極線管用パネルを示す斜視図である。
【図12】従来例に係るガラス物品の成型装置を示す要部破断正面図である。
【図13】従来例に係るガラス物品の成型装置を示す縦断正面図である。
【図14】従来例に係るガラス物品の成型装置の要部を示す拡大縦断正面図である。
【図15】従来例に係るガラス物品の成型装置の問題点を示す要部拡大縦断正面図である。
【符号の説明】
1 ガラス物品(陰極線管用パネル)
9 受け型
10 外面(押し型壁部材の外面)
12 アダプタ部材(ヘッド体)
13 押し型ユニット
14 押し型壁部材
19 接合面(押し型壁部材の上端接合面)
20 接合面(ヘッド体の下端接合面)
21 シール部材(ガスケット)
23 内面(押し型壁部材の内面)
27、37、47、57 逃げ部
28、48 段付き面
38、58 傾斜面
Claims (7)
- 昇降可能に配置されたアダプタ部材と、該アダプタ部材の接合面にシール部材を介してその接合面を固定され且つその外面にガラス物品の内表面を成型する雄成型面を有する押し型壁部材と、該押し型壁部材の内面側に配備された冷却流体を用いる冷却手段とを備えたガラス物品の押し型ユニットにおいて、
前記押し型壁部材とアダプタ部材の少なくとも一方の接合面の外周側部位に、逃げ部を形成したことを特徴とするガラス物品の押し型ユニット。 - 前記逃げ部は、押し型壁部材の厚み方向中央部よりも外周側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガラス物品の押し型ユニット。
- 前記逃げ部は、押し型壁部材のみに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス物品の押し型ユニット。
- 前記逃げ部は、外周側が窪む段付き面を形成してなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス物品の押し型ユニット。
- 前記逃げ部は、外周側に移行するに連れて漸次窪む傾斜面を形成してなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラス物品の押し型ユニット。
- 前記ガラス物品は、陰極線管用パネルであって、少なくともそのスカート部を構成する長辺部及び短辺部における対角部を除く領域に対応して前記逃げ部が形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のガラス物品の押し型ユニット。
- ガラス物品の外表面を成型する雌成型面を有する受け型を備え、該受け型内に供給された溶融ガラス塊を、請求項1〜6の何れかに記載の押し型ユニットにより押延してプレス成型を行なうように構成されていることを特徴とするガラス物品の成型装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002201515A JP2004043228A (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | ガラス物品の押し型ユニット及び成型装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002201515A JP2004043228A (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | ガラス物品の押し型ユニット及び成型装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004043228A true JP2004043228A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31708036
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002201515A Withdrawn JP2004043228A (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | ガラス物品の押し型ユニット及び成型装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004043228A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012072020A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-04-12 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 反射鏡基体のプレス成形金型 |
ITMI20121497A1 (it) * | 2012-09-10 | 2014-03-11 | Vetreria Di Borgonovo Spa | Stampo a matrice monolitica per lo stampaggio di un articolo di vetro, quale un' insalatiera o un contenitore simile, con almeno un foro passante, relativa attrezzatura di produzione e corrispondente procedimeto di stampaggio. |
WO2019097866A1 (ja) * | 2017-11-16 | 2019-05-23 | オリンパス株式会社 | 成形型 |
-
2002
- 2002-07-10 JP JP2002201515A patent/JP2004043228A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012072020A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-04-12 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 反射鏡基体のプレス成形金型 |
ITMI20121497A1 (it) * | 2012-09-10 | 2014-03-11 | Vetreria Di Borgonovo Spa | Stampo a matrice monolitica per lo stampaggio di un articolo di vetro, quale un' insalatiera o un contenitore simile, con almeno un foro passante, relativa attrezzatura di produzione e corrispondente procedimeto di stampaggio. |
EP2706046A1 (en) * | 2012-09-10 | 2014-03-12 | Vetreria di Borgonovo S.p.A. | One-piece die mold for molding a glass article, such as a salad bowl or a similar container, having at least one through hole, associated manufacturing equipment and corresponding molding process |
WO2019097866A1 (ja) * | 2017-11-16 | 2019-05-23 | オリンパス株式会社 | 成形型 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
BR102013013246A2 (pt) | Porta para um refrigerador, método para produzir uma porta, recipiente de metal, método para produzir um recipiente de metal, método para processar uma folha de metal e aparato para processar uma folha de metal | |
JP2004043228A (ja) | ガラス物品の押し型ユニット及び成型装置 | |
JP2009091166A (ja) | ガラス成形用プレス金型 | |
JP3656250B2 (ja) | 陰極線管用ガラス物品 | |
KR100276171B1 (ko) | 플랫패널의 성형장치 및 플랫패널의 제조방법과 이러한 장치 및 방법을이용하여제조된음극선관용플랫패널성형품 | |
JPH09309734A (ja) | ガラス製品の成型方法及びその装置 | |
KR200325373Y1 (ko) | 음극선관용 패널금형냉각장치 | |
JP2004018306A (ja) | ガラス物品の成型方法及びその装置 | |
KR100432767B1 (ko) | 음극선관용 플랫패널 성형장치 | |
KR100438411B1 (ko) | 음극선관용 플랫패널 성형장치 및 이를 이용하여 성형된음극선관용 플랫패널 | |
KR100276169B1 (ko) | 플랫패널성형용 플런저장치 | |
KR100432766B1 (ko) | 음극선관용 플랫패널 성형장치 및 이를 이용하여 성형된음극선관용 플랫패널 | |
KR100592815B1 (ko) | 프로젝션용 유리퍼넬 | |
CN212372731U (zh) | 一种口罩封边定位模及口罩封边装置 | |
KR20000050540A (ko) | 음극선관용 패널성형장치 | |
KR100355538B1 (ko) | 플랫패널의성형장치및플랫패널의성형방법 | |
US7093732B1 (en) | CRT funnel with positioning reference portions | |
KR100250624B1 (ko) | 중공유리제품성형용플런저 | |
JP2003342028A (ja) | 中空状ガラス物品の成型装置 | |
JPH11302023A (ja) | 中空硝子製品成形用プランジャー | |
KR200291190Y1 (ko) | 패널성형용하부몰드 | |
KR100282558B1 (ko) | 음극선관용 펀넬의 성형장치 | |
JP2007031205A (ja) | 陰極線管用ファンネルの成型用プランジャ及び成型装置 | |
JPH06226841A (ja) | プラスチック製半殻状材料上にネック領域を形成する装置 | |
KR20180136408A (ko) | 웨이퍼 절반-쉘의 생산 절차 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050603 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20060905 |