JP2003342028A - 中空状ガラス物品の成型装置 - Google Patents

中空状ガラス物品の成型装置

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JP2003342028A
JP2003342028A JP2002149466A JP2002149466A JP2003342028A JP 2003342028 A JP2003342028 A JP 2003342028A JP 2002149466 A JP2002149466 A JP 2002149466A JP 2002149466 A JP2002149466 A JP 2002149466A JP 2003342028 A JP2003342028 A JP 2003342028A
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heater
molding
cavity
molding surface
hollow glass
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Yukihiro Oishi
幸博 大石
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Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要部品の小型化やランニングコストの節
減、及び必要部品の最大限にわたる能力の発揮、更には
構成要素の配設スペース上の問題回避を図りつつ、プレ
ス成型時に押し型の雄成型面の温度分布が過度に不均一
になることを回避する。 【解決手段】 雌成型面2を有し且つ溶融ガラス塊が供
給される受け型3と、雄成型面4を有し且つ内部に冷却
手段9を有する押し型5とを備えた中空状ガラス物品の
成型装置において、前記雄成型面4の側周雄成型面部4
bの内側に、ヒータ24とキャビティ12とを設ける。
そして、ヒータ24をスティック型電気ヒータで構成
し、キャビティ12を縦溝で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空状ガラス物品の成
型装置に係り、詳しくは、受け型に供給された溶融ガラ
ス塊を押し型により押延して中空状ガラス物品をプレス
成型するようにした成型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、今日市販されている各種
の中空状ガラス物品の中には、溶融ガラスに対するプレ
ス成型工程を経て製作されるものが多数存在する。この
種のプレス成型工程においては、通例、雌型をなす受け
型に溶融ガラス塊を供給し、この受け型内に雄型をなす
押し型を侵入させて溶融ガラス塊を押延することによ
り、所定形状の中空状ガラス物品を成型することが行わ
れる。
【0003】この種のプレス成型工程を経て製作される
中空状ガラス物品としては、陰極線管に用いられるガラ
スパネルやガラスファンネル等の陰極線管用ガラス物品
が代表例として挙げられる。そして、陰極線管用ガラス
パネルのプレス成型工程を例にとると、例えば図11に
示すような構成を備えた成型装置が使用されている。
【0004】この成型装置は、主たる構成要素として、
パネル1の外表面に対応する雌成型面2を有する受け型
3と、パネル1の内表面に対応する雄成型面4を有し且
つ受け型3に対して昇降可能に配設された押し型(プラ
ンジャ金型)5とを備える。前記受け型3は、底受け型
(ボトム金型)6と中間受け型(シェル金型)7とに分
割され、この中間受け型7は底受け型6に対して当接及
び離反可能とされている。なお、前記押し型5は、ヘッ
ド体8の下端に固定されている。
【0005】この成型装置を使用してプレス成型工程を
実行するには、中間受け型7の下端を底受け型6の上端
に当接させた状態の下で、溶融ガラス塊を受け型3(底
受け型6)内に供給し、この後、押し型5を下降させる
ことにより、図示のように押し型5を受け型3内に押し
込ませて溶融ガラス塊を押延する。そして、溶融ガラス
塊に対する押延を所定時間に亘って行った後、押し型5
を上昇させて所定の冷却工程等を施し、更に中間受け型
7を上昇させた後、中空状ガラス物品であるパネル1を
取り出す。
【0006】このパネル1は、図示例では緩やかな凸状
をなすフェース部1a(略フラットなフェース部であっ
てもよい)と、該フェース部1aの周縁からブレンドR
部1bを介して略直角に連なるスカート部1cとから構
成される。そして、前記フェース部1aは、受け型3
(底受け型6)の雌成型面2の内底面部を構成する底雌
成型面部2aと、押し型5の雄成型面4の外底面部を構
成する底雄成型面部4aとによって成型され、前記スカ
ート部1cは、受け型3(底受け型6及び中間受け型
7)の雌成型面2の内側周面部を構成する側周雌成型面
部2bと、押し型5の雄成型面4の外側周面部を構成す
る側周雄成型面部4bとによって大略成型される。
【0007】この成型装置を使用して高品質のパネル1
を成型するには、特にフェース部1aからブレンドR部
1bを経てスカート部1cにわたる内表面に割れやシワ
等が生じないように注意を払う必要があることから、押
し型5の雄成型面4の全域にわたる温度条件(温度分
布)が極めて重要となる。このような要請に応じるべ
く、例えば特開昭53−99213号公報によれば、図
12に示すように、押し型5及びヘッド体8の内部に、
矢印方向に沿って流通する冷却水流通経路9を形成し、
これらの経路の配設状態や流通冷却水の流量等の最適化
を企図することにより、雄成型面4の過度な温度上昇や
過冷却を防止して、パネル1の内表面の欠陥回避を行う
ための技術が開示されている。
【0008】しかるに、押し型5の雄成型面4の温度管
理を上述のような冷却手段のみに委ねていたのでは、雄
成型面4の全域にわたる温度条件を満足し得る程度に均
一にすることが困難になる。すなわち、押し型5の下降
時には、高温の溶融ガラス塊に先ず底雄成型面部4aが
接触するため、該底雄成型面部4aは極めて高温になる
のに対して、押延の終期に溶融ガラス塊が側周雄成型面
部4bに接触する時点では溶融ガラス塊が温度低下を来
たしているため、該側周雄成型面部4bはさほど高温に
はならず、この二種の成型面部4a,4bには大きな温
度差が生じる。特に、側周雄成型面部4bにおけるスカ
ート部1c先端(シールエッジ面1d)に対応する領域
Aは、ブレンドR部1b周辺に対応する領域Bよりも過
度に温度が低い状態となり、この両領域A,B間には極
めて大きな温度差が生じるが、上述の冷却手段のみによ
っては、部分的に温度の高低を的確に調整することが困
難であるため、このような両領域A,B間の大きな温度
差を要求レベルまで低減させることができない。
【0009】そこで、同公報によれば、図13に示すよ
うに、押し型5における側周雄成型面部4bの内側(裏
側)の通路壁面9aに、テフロン(登録商標)或いはア
スベスト等からなる断熱板10を押え具11により取り
付け、これにより上述の両領域A、B間の温度差を低減
させようとする構成が開示されている。しかしながら、
このような手法によれば、断熱板10及び押え具11が
別途必要になり、部品点数の増加を招くばかりでなく、
この断熱板10は、前記通路壁面9aに対して、同図に
示す断熱板10の取付壁面部分9dから主要冷却室9b
に露出している冷却壁面部分9cへの伝導による冷却を
遮断できるものではない。このため、前記取付壁面部分
9dの温度は、前記冷却壁面部分9cへの冷却水の冷却
作用に伴なって低下を来たし、冷却水温に近い温度にな
るため、側周雄成型面部4bから取付壁面部分9dに熱
が移動して側周雄成型面部4bが冷却されてしまうこと
になる。これが原因となって、この断熱板10は、冷却
水による冷却を前記領域Aに対して実質的に遮断できる
ものではないと考えられることから、同公報にも記載さ
れているように、前記両領域A,B間の大きな温度差を
低減させることが不可能になる。
【0010】このような問題に対処すべく、同公報によ
れば(図12参照)、押し型5における側周雄成型面部
4bの内側位置に、細長い縦溝12'を形成し、この縦
溝12'の断熱作用により、側周雄成型面部4bの特に
領域Aから冷却水流通経路9への熱伝導を遮断して、領
域Aの領域Bに対する過度な温度低下を防止することが
開示されている。そして、同公報によれば、この縦溝1
2'は、上述の断熱板11と異なり、前記領域Aに対す
る実質的な断熱作用を行い得るものであることが示唆さ
れている。また、特開平8−245229号公報によれ
ば、上記と同様の縦溝(同公報では断熱キャビティ)
を、押し型の厚み方向に対し相互に隔絶させて二重に形
成することが開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記両
公報に開示のように、押し型5における側周雄成型面部
4bの内側位置に、単に断熱用の縦溝12'を形成する
手法では、縦溝12'による断熱作用に限界があるた
め、依然として、上述の両領域A,B間の温度差を充分
に低減させることは困難である。
【0012】詳述すると、この両領域A,B間の温度差
は、既述のように押し型5による溶融ガラス塊に対する
押延初期と終期とで溶融ガラス塊の温度が相違すること
によるだけでなく、押し型5の側周雄成型面部4bに、
押延時に溶融ガラスと接触しない領域Cが存在すること
によっても生じる。すなわち、図12に示すように、側
周雄成型面部4bにおける中間受け型7と近接する部位
からヘッド体8への取付面13に至る領域Cは、溶融ガ
ラス塊と接触しないことが原因となって該溶融ガラス塊
から受熱が行われず、しかも冷却手段による冷却が行わ
れているため、この領域Cの温度上昇不足が顕著とな
る。
【0013】したがって、この領域Cの近傍に存する上
述の領域Aにおける温度が、溶融ガラス塊から充分な受
熱が行われる領域Bの温度と比較して極度に低温とな
り、このような状態でプレス成型を行った場合には、領
域A付近のガラスが急冷されるため、ガラスの割れやク
ラック発生等の欠陥が生じる。このような問題は、フェ
ース部1aが近年のフラット化に伴なって厚肉とされて
いる場合には、領域Bにおける溶融ガラスからの受熱量
に比して、領域Aにおける溶融ガラスからの受熱量が大
幅に減少するため、上記の問題が一層顕著となる。
【0014】一方、特開昭53−97014号公報によ
れば、押し型における側周雄成型面部の内側位置に凹所
を形成すると共に、この凹所の中に、ニクロム線等の発
熱体をセラミック体とともに金属管に通してなる加熱装
置を装着した構成が開示されている。
【0015】しかしながら、このように加熱装置を設け
る手法では、側周雄成型面部に対する加熱作用が行われ
ても、側周雄成型面部から熱が冷却手段へ伝導されるこ
とにより、加熱作用が打ち消されることになるため、熱
損失による無駄が生じるという難点がある。しかも、要
求に応じた充分な加熱効果を得ようとすれば、加熱装置
を大型にするか或いはその個数を増加させる等の対策を
講じなければならず、消費電力の不当な増大ひいてはラ
ンニングコストの高騰を招くと共に、加熱装置の配設ス
ペース上の問題が生じる。なお、同公報には、既に述べ
た断熱板を加熱装置とともに取り付ける構成が開示され
ている。しかしながら、このような構成によるにして
も、断熱板と押え具とが別途必要になって、部品点数の
増加や構造の複雑化更には配設スペース上の問題を招く
ばかりでなく、この断熱板は、既に述べた様に側周雄成
型面部から冷却水に熱が伝導されることを遮断できるも
のではないと考えられるため、加熱装置のみを設けた場
合と実質的に相違するものではなく、熱損失や消費電力
等に関する上記の問題が依然として残存することにな
る。
【0016】以上のような問題は、陰極線管用ガラスパ
ネルに限らず、例えば陰極線管用ガラスファンネルその
他の中空状ガラス物品についても同様に生じ得る。
【0017】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、必要部品の小型化やランニングコストの節減、
及び必要部品の最大限にわたる能力の発揮、更には構成
要素の配設スペース上の問題回避を図りつつ、プレス成
型時に押し型の雄成型面の温度分布が過度に不均一であ
ることによるガラスの割れやクラック等の欠陥発生を抑
制して、高品質の中空状ガラス物品を成型すると共に、
製品歩留まりの悪化を改善することを技術的課題とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るためになされた本発明は、雌成型面を有する受け型に
供給された溶融ガラス塊を、雄成型面を有し且つ内部に
冷却手段を有する押し型により押延して、中空状ガラス
物品をプレス成型するように構成した成型装置におい
て、前記押し型における雄成型面の側周雄成型面部の内
側に、ヒータとキャビティとを設けたことを特徴とする
ものである。ここで、キャビティは、側周雄成型面部の
周方向に対して細長い縦溝であることが好ましい。
【0019】このような構成によれば、押し型における
側周雄成型面部の内側にヒータとキャビティとが設けら
れていることから、ヒータによる加熱作用とキャビティ
による断熱作用との相乗作用によって、側周雄成型面部
が適度に加熱されつつ、側周雄成型面部から冷却手段へ
の熱伝導が好適に遮断される。すなわち、ヒータによる
側周雄成型面部への加熱作用が、キャビティの断熱作用
を伴なって無駄なく行われると共に、キャビティがヒー
タからの熱を蓄熱することによる保温作用も行われ得る
ことになる。これにより、ヒータの能力が最大限に発揮
され、熱損失が大幅に減少することになるため、ヒータ
の小型化、個数の削減、ひいては消費電力の節減が図ら
れると共に、ヒータの配設スペース上の問題も生じなく
なる。しかも、雄成型面における相対的に過冷却状態と
なる側周雄成型面部の特定箇所(ヘッド体への取付部近
傍箇所)のみに対して、ヒータによる加熱及びキャビテ
ィによる断熱・保温を行えることになるので、雄成型面
の全域にわたる温度条件を可能な限り均一にすることが
でき、プレス成型時に溶融ガラスないしは半溶融ガラス
が部分的に急冷されることによる割れやクラック等の欠
陥発生が効果的に回避される。
【0020】この場合、前記ヒータは、スティック型電
気ヒータであることが好ましい。このようにすれば、押
し型に対するヒータの取り付け、具体的には押し型の壁
部(肉部)へのヒータの挿入固定等が容易に行えるよう
になると共に、充分な熱伝達効率を確保した上で、ヒー
タのコンパクト化及びその配設スペースの狭小化をも図
り得ることになり、押し型の壁部(肉部)がさほど厚肉
でなくても、ヒータを適正なレイアウトで配設すること
が可能となる。
【0021】そして、ヒータとキャビティとのレイアウ
トの一例として、前記ヒータを、押し型に形成された挿
入孔に挿入し、且つ該挿入孔と前記キャビティとを連通
させることが挙げられる。このようにすれば、ヒータか
らの輻射熱をキャビティ内に蓄熱した上で、該キャビテ
ィによる断熱・保温作用が行われるため、側周雄成型面
部から冷却手段への熱伝導の遮断をより一層的確に行う
ことが可能となる。
【0022】また、ヒータとキャビティとのレイアウト
の他の例として、前記ヒータを、押し型に形成された挿
入孔に挿入し、且つ該挿入孔と前記キャビティとを隔絶
させた状態で近接させることが挙げられる。このように
すれば、ヒータからの伝導熱をキャビティ内に蓄熱した
上で、該キャビティによる断熱・保温作用が行われるこ
とになり、したがってこの場合にも、側周雄成型面部か
ら冷却手段への熱伝導の遮断を的確に行うことが可能と
なる。しかも、挿入孔の加工は、キャビティの存在とは
無関係に、例えばドリル等の穴あけ工具を用いて行うこ
とができるため、この挿入孔の加工時に生じ得る穴あけ
工具の逃げ等を回避することが可能となり、その孔加工
が容易化される。
【0023】そして、前記ヒータの挿入孔と前記キャビ
ティとは、前記押し型におけるヘッド体との取付面に開
口していることが好ましい。このようにすれば、ヘッド
体を取り外してその取付面を露出させた状態で、前記挿
入孔及びキャビティの加工作業、並びに挿入孔へのヒー
タの挿入作業を行えると共に、同じくヘッド体を取り外
した状態でヒータ及びキャビティの保守点検を行えるこ
とになり、製造作業や保守点検作業の容易化並びに簡易
化が図られることになる。
【0024】以上の構成において、前記キャビティは、
放電加工により形成されていることが好ましい。すなわ
ち、放電加工は、硬い材料で形成された物品への穴あけ
や研削に適していることから、押し型へのキャビティの
形成を容易に行うことが可能であり、特にキャビティが
上述のように細長い縦溝である場合に有利となる。しか
も、この放電加工によって形成されたキャビティの内周
面は、例えば梨地状のように表面粗さが粗くなるため、
後述するようにキャビティの内部に埋設体を埋め込んだ
場合には、キャビティ内周面と埋設体との界面に比較的
大きな隙間が生成され、この隙間が良好な断熱作用を行
い得ることになる。
【0025】また、以上の構成において、前記キャビテ
ィの内部に、埋設体を埋め込むようにしてもよい。ここ
で、埋設体は、押し型よりも熱伝導性の低い材料で形成
されていることが好ましいが、押し型と同じ材料或いは
熱伝導性が押し型と略同等の材料で形成されていてもよ
い。このようにすれば、キャビティ内周面と埋設体との
界面に生成される隙間、或いは相対的に熱伝導性が低い
埋設体によって、好適な断熱効果を確保した上で、埋設
体の存在によって、キャビティの熱変形を抑制できると
共に、挿入孔の加工を容易に行えることになる。すなわ
ち、キャビティの加工後に挿入孔を形成する際には、埋
設体の存在によりドリル等の穴あけ工具の逃げがなくな
り、挿入孔を容易に且つ精度良く加工できることにな
る。なお、埋設体の反挿入側の端面は、挿入孔の開口縁
或いはその内周面に溶接で固着されていることが好まし
い。
【0026】更に、前記ヒータが挿入されている深さ及
びキャビティが形成されている深さは、プレス成型時に
前記雄成型面の側周雄成型面部が溶融ガラス塊と接触し
ない領域の深さと同等またはそれよりも深いことが好ま
しい。このようにすれば、プレス成型時に溶融ガラス塊
から接触による熱を受けない側周雄成型面部の非受熱部
分が、他の部分に比して大幅に低温になり得る状態にあ
っても、この非受熱部分に対してはヒータによる加熱作
用、及びキャビティによる保温・断熱作用が行われるこ
とから、側周雄成型面部の全域にわたる温度条件の不均
一が緩和される。これにより、プレス成型時に溶融ガラ
スが前記側周雄成型面部の非受熱部分によって急冷され
る事態が回避され、割れやクラック等の発生が効果的に
抑止されることになる。
【0027】そして、以上の構成を備えた成型装置の成
型対象の一例として、陰極線管用ガラスパネルを挙げる
ことができる。これによれば、陰極線管用ガラスパネル
の特にスカート部のシールエッジ面近傍にシワやクラッ
クが発生する確率を可及的に低減でき、製品歩留まりの
低下を招くことなく高品位のガラスパネルを提供できる
ことになる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係
る成型装置及び中空状ガラス物品(陰極線管用ガラスパ
ネル)を示す縦断正面図、図2は、その成型装置の押し
型であって且つヘッド体を取り払った状態を示す概略平
面図、図3は、その要部拡大平面図である。なお、本発
明の第一実施形態(第二〜第四実施形態も同様)に係る
成型装置の概略構成及びその作用は、既に図11,12
に基づいて説明した事項と同一であるので、以下におい
ては、その詳細な説明を省略すると共に、これらの各図
に示す構成要件と共通のものについては同一符号を参酌
して説明を行うものとする。
【0029】先ず、本発明の第一実施形態に係る成型装
置の要部について説明すると、図1に示すように、押し
型(プランジャ金型)5は、主として、側壁部15と底
壁部16とから構成され、側壁部15の外表面が側周雄
成型面部4bとされると共に、底壁部16の外表面が底
雄成型面部4aとされている。そして、側壁部15の上
端にはヘッド体8が取り付けられている。
【0030】この押し型5の冷却構造は、押し型5の内
部に側周雄成型面部4b及び底雄成形面部4aに沿う冷
却空洞17が設けられ、この冷却空洞17を内側(中心
軸側)から仕切る仕切壁部18の内方に分配室19が形
成されている。そして、冷却水(または冷却空気)は、
同図に矢印で示すように、ヘッド体8の中央部に形成さ
れた供給路20から前記分配室19に供給された後、仕
切壁部18の複数箇所に形成されたノズル21から前記
冷却空洞17に導かれ、側周雄成型面部4b及び底雄成
形面部4aを冷却して、ヘッド体8に形成された排出路
22を通じて流出するように構成されている。また、前
記冷却空洞17には、側周雄成型面部4bと底雄成形面
部4aとの連接部(コーナー部)4cに向かって突出す
ることにより流路面積が広くされた主要冷却室9bが設
けられている。
【0031】受け型3は、底受け型(ボトム金型)6と
中間受け型(シェル金型)7とから構成され、底受け型
6に底雌成形面部2aが形成されると共に、底受け型6
と中間受け型7とに側周雌成型面部2b、2bが形成さ
れ、且つ中間受け型7にシールエッジ成型面部2cが形
成されている。そして、溶融状態または半溶融状態にあ
るパネル1のフェース部1aが、受け型3の底雌成型面
部2aと前記押し型5の底雄成型面部4aとによって成
型され、そのパネル1のスカート部1cが、受け型3の
側周雌成型面部2b及びシールエッジ成型面部2cと前
記押し型5の側周雄成型面部4bとによって成型される
ようになっている。
【0032】前記押し型5における側周雄成型面部4b
の内側位置、つまり側壁部15の厚み方向中間位置に
は、図1及び図2に示すように、側周雄成型面部4bの
周方向に対して長尺な矩形の縦溝12と、この縦溝12
に連通する円孔状の挿入孔23とが、周方向に沿って複
数箇所に直列状に形成され、各挿入孔23にスティック
型電気ヒータ24(棒状のヒータ)が挿入保持されてい
る。これらの縦溝12及び挿入孔23は、押し型5の側
壁部15におけるヘッド体8への取付面13に開口して
おり、縦溝12の幅よりも挿入孔23の直径の方が長
く、且つ縦溝12よりも挿入孔23の方が深く形成され
ている。
【0033】具体的には、縦溝12の幅が0.5〜5.
0mm、好ましくは3mmに設定され、挿入孔23の直
径が5.0〜12.0mm、好ましくは9mmに設定さ
れている。また、縦溝12の深さが40.0〜50.0
mm,好ましくは45.0mmに設定され、挿入孔23
の深さが45.0〜55.0mm,好ましくは50.0
mmに設定されている。したがって、ヒータ24が挿入
されている深さ及び縦溝12が形成されている深さは、
側周雄成型面部4bが溶融ガラス塊(パネル1のスカー
ト部1c)から熱を受けない領域Cを含み、且つその領
域Cの二倍または三倍程度下方の位置まで達している。
更に、一本当たりの縦溝12の長さは、押し型5の変形
を防止することを目的として、10.0〜50.0mm
に設定されている。この場合、縦溝12は、断熱作用を
行うキャビティとしての役割を果たすものであり、また
挿入孔23は、その内部にヒータ24を嵌合保持するこ
とによりヒータ24の熱を周囲に伝導する役割を果たす
ものである。このスティック型電気ヒータ24は、他の
ヒータと比較して、熱伝達効率がよく、コンパクトで、
しかも取り付けが容易である等の有利性を備えている。
【0034】そして、押し型5における側壁部15の直
線状をなす部位においては、図3(a)に示すように、一
本の縦溝12の長手方向略中央部にヒータ24を嵌合保
持する挿入孔23が形成された態様となり、また側壁部
15の対角部位においては、図3(b)に示すように、略
直角に屈曲する縦溝12の屈曲部にヒータ24を嵌合保
持する挿入孔23が形成された態様となる。この場合、
縦溝12は、放電加工により形成され、また挿入孔23
は、ドリル等の穴あけ工具により形成されたものであっ
て、これらの縦溝12及び挿入孔23は、図2に示すよ
うに、側壁部15とヘッド体8とを固定するためのボル
ト25その他の必須構成部分と干渉しないように配列さ
れている。なお、図2においては、便宜上、冷却構造の
構成要素を不図示とした。
【0035】以上のような構成によれば、図1に示す押
し型5の側周雄成型面部4bに沿う冷却空洞部分17a
を冷却水が流れた場合に、側周雄成型面部4b側、特に
側周雄成型面部4bにおけるパネル1のシールエッジ面
1d近傍の領域Aから冷却空洞部分17aに熱が伝導さ
れようとしても、この冷却空洞部分17aと領域Aとの
間には、ヒータ24と縦溝12とが介在している。した
がって、ヒータ24による加熱作用によって領域Aが適
度に加熱されると同時に、縦溝12の断熱作用によって
領域Aへからの熱伝導が好適に遮断される。しかも、ヒ
ータ24による領域Aへの加熱作用が縦溝12の断熱作
用を伴なって無駄なく行われることに加えて、縦溝12
の内部空間がヒータ24からの熱を蓄熱することによる
保温作用も行われることから、領域Aの過度な温度低下
が生じなくなって、既に述べた理由に由来する領域Aと
領域Bとの相互間の大きな温度差がなくなり、プレス成
型時に溶融ガラスが部分的に急冷されることによる割れ
やクラック等の発生を未然に防止できることになる。更
に、ヒータ24の能力が最大限に発揮され、熱損失が大
幅に減少することから、ヒータの小型化、個数の削減、
ひいては消費電力の節減が図られると共に、ヒータの配
設スペース上の問題も生じなくなる。
【0036】図4、図5、及び図6は、本発明の第二実
施形態に係る成型装置を例示している。この第二実施形
態に係る成型装置が上述の第一実施形態に係る成型装置
と相違している点は、各縦溝12にそれぞれ埋設体26
を埋め込んだ点である。その他の構成要素は上述の第一
実施形態に係る成型装置と同一であるので、これらの各
図において、上述の第一実施形態と共通の構成要素につ
いては同一符号を付してその説明を省略する。
【0037】この第二実施形態に係る成型装置は、押し
型5と同材質(Crステンレス鋼)であり且つ縦溝12
と同形状の埋設体26を、縦溝12に圧入等により埋め
込み、埋設体26の上端面と縦溝12の開口縁とを溶接
によって固着したものである。この場合の加工手順とし
ては、先ず一本の縦溝12を放電加工により形成した
後、この縦溝12に単一の埋設体26を埋め込み、この
状態の下で、埋設体26の長手方向中央部にドリル等の
穴あけ工具を用いて挿入孔23を形成することが行われ
る。
【0038】このような構成によれば、縦溝12が放電
加工により形成されることから、縦溝12の内周面は面
粗さが粗い梨地状のような面となっており、したがって
縦溝12の内周面と埋設体26の外周面との界面には、
適度な隙間が生成される。そして、この隙間によって好
適な断熱効果が得られると共に、埋設体26の存在によ
って縦溝12の熱変形を効果的に抑制できる。しかも、
縦溝12の加工後に挿入孔23を形成する際には、埋設
体26の存在によりドリル等の穴あけ工具の逃げがなく
なり、挿入孔23を容易に且つ精度良く加工できること
になる。
【0039】図7及び図8は、本発明の第三実施形態に
係る成型装置を例示している。この第三実施形態に係る
成型装置が上述の第一実施形態に係る成型装置と相違し
ている点は、各縦溝12と各挿入孔23とが、周方向に
対して隔絶した状態で近接して配置されている点であ
る。その他の構成要素は上述の第一実施形態に係る成型
装置と同一であるので、これらの各図において、上述の
第一実施形態と共通の構成要素については同一符号を付
してその説明を省略する。
【0040】この第三実施形態に係る成型装置において
も、ヒータ24によって所要箇所(領域A)に対する加
熱作用が行われると共に、縦溝12によって断熱作用が
行われ、且つヒータ24から伝導された熱を縦溝12で
蓄熱することによる保温作用も行われることになり、領
域Aの過度な温度低下が有効に抑制される。しかも、挿
入孔23をドリル等の穴あけ工具によって形成する際に
は、縦溝12の存在が邪魔にならず、工具の逃げを生じ
ることなく容易に穴加工を行うことが可能となる。
【0041】図9及び図10は、本発明の第四実施形態
に係る成型装置を例示している。この第四実施形態に係
る成型装置が上述の第一実施形態に係る成型装置と相違
している点は、各縦溝12と各挿入孔23とが、周方向
に対して隔絶した状態で近接して配置され、且つ各縦溝
12にそれぞれ埋設体26aが埋め込まれている点であ
る。その他の構成要素は上述の第一実施形態に係る成型
装置と同一であるので、これらの各図において、上述の
第一実施形態と共通の構成要素については同一符号を付
してその説明を省略する。
【0042】この第4実施形態に係る成型装置において
も、ヒータ24によって所要箇所(領域A)に対する加
熱作用が行われること、縦溝12と埋設体26aとの間
の隙間によって断熱作用が行われること、ヒータ24か
ら伝導された熱を縦溝12と埋設体26aとの間の隙間
で蓄熱できること、及びこれらに伴なって領域Aの過度
な温度低下を抑制できること等の利点が得られると共
に、工具の逃げを生じることなく容易に挿入孔23の加
工を行える等の利点が得られる。
【0043】なお、以上の実施形態は、フェース部1a
が曲面形状をなす所謂曲面パネルの成型装置に本発明を
適用したが、フェース部がフラット化及び厚肉化された
所謂フラットパネルの成型装置についても同様にして本
発明を適用することが可能である。
【0044】また、以上の実施形態は、陰極線管用ガラ
スパネルの成型装置に本発明を適用したものであるが、
これ以外に、陰極線管用ガラスファンネル或いはその他
の中空状ガラス物品の成型装置についても同様に本発明
を適用することが可能である。
【0045】
【実施例】本発明の第一実施例として、図2に示す構成
(既述の本発明の第一実施形態の構成)と同様であっ
て、幅が3mm、長さが30mm、及び深さが50mm
の縦溝と、この縦溝の長さ方向中央部に形成され且つ直
径が9mm、及び深さが55mmの挿入孔と、この挿入
孔に嵌合保持されたヒータとを有する押し型を製作し
た。そして、この製作した押し型を用いて多数回にわた
って陰極線管用ガラスパネルのプレス成型を実行し、金
型温度が安定した状態で領域A(図1参照)近傍の温度
を測定したところ、450℃以上に達していることを確
認した。
【0046】また、本発明の第二実施例として、上記と
同一の幅、長さ、及び深さの縦溝と、上記と同一の直径
及び深さの挿入孔とを、図7に示す構成(既述の本発明
の第三実施形態の構成)と同様に隔絶させて形成し、且
つ挿入孔にヒータを嵌合保持させてなる押し型を製作し
た。そして、この製作した押し型を用いて上記と同一の
条件でプレス成型を実行し、金型温度が安定した状態で
領域A近傍の温度を測定したところ、420℃以上に達
していることを確認した。
【0047】これに対して、上記の本発明の第一、第二
実施例と同一の縦溝を有し、且つ挿入孔及びヒータを有
していない押し型を製作すると共に、この押し型を用い
て上記と同一の条件でプレス成型を実行し、金型温度が
安定した状態で領域A近傍の温度を測定したところ、4
00℃であった。
【0048】更に、縦溝、挿入孔、及びヒータの何れを
も有していない押し型を製作すると共に、この押し型を
用いて上記と同一の条件でプレス成型を実行し、金型温
度が安定した状態で領域A近傍の温度を測定したとこ
ろ、300℃であった。
【0049】以上の測定結果から判断して、本発明の第
一、第二実施例に係る押し型を備えた成型装置は、充分
な効果を奏するものであると言える。
【0050】なお、本発明の第三実施例として、上記第
一実施例と同様の構成であって且つ縦溝に埋設体を埋め
込んでなる押し型(図5に示す構成と同種類の押し型)
を製作し、また本発明の第四実施例として、上記第二実
施例と同様の構成であって且つ縦溝に埋設体を埋め込ん
でなる押し型(図9に示す構成と同種類の押し型)を製
作したが、この第三、第四実施例についても、充分な効
果を奏するものであることを確認するに至った。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明に係る中空状ガラス
物品の成型装置によれば、押し型における雄成型面の側
周雄成型面部の内側に、ヒータとキャビティとを設けた
から、ヒータによる側周雄成型面部への加熱作用が、キ
ャビティの断熱作用を伴なって無駄なく行われると共
に、キャビティがヒータからの熱を蓄熱することによる
保温作用も行われ得ることになる。これにより、ヒータ
の能力が最大限に発揮され、熱損失が大幅に減少するこ
とになるため、ヒータの小型化、個数の削減、ひいては
消費電力の節減が図られると共に、ヒータの配設スペー
ス上の問題も生じなくなる。しかも、雄成型面における
相対的に過冷却状態となる側周雄成型面部の特定箇所
(ヘッド体への取付部近傍箇所)のみに対して、ヒータ
による加熱及びキャビティによる断熱・保温を行えるこ
とになるので、雄成型面の全域にわたる温度条件を可能
な限り均一にすることができ、プレス成型時に溶融ガラ
スないしは半溶融ガラスが部分的に急冷されることによ
る割れやクラック等の欠陥発生が効果的に回避される。
【0052】この場合、前記ヒータを、スティック型電
気ヒータとすれば、押し型の壁部へのヒータの挿入固定
等が容易に行えるようになると共に、充分な熱伝達効率
を確保した上で、ヒータのコンパクト化及びその配設ス
ペースの狭小化をも図り得ることになり、押し型の壁部
がさほど厚肉でなくても、ヒータを適正なレイアウトで
配設することが可能となる。
【0053】そして、ヒータとキャビティとのレイアウ
トの一例として、前記ヒータを、押し型に形成された挿
入孔に挿入し、且つ該挿入孔と前記キャビティとを連通
させるようにすれば、ヒータからの輻射熱をキャビティ
内に蓄熱した上で、該キャビティによる断熱・保温作用
を行えるため、側周雄成型面部から冷却手段への伝導に
よる放熱の遮断をより一層的確に行うことが可能とな
る。
【0054】また、ヒータとキャビティとのレイアウト
の他の例として、前記ヒータを、押し型に形成された挿
入孔に挿入し、且つ該挿入孔と前記キャビティとを隔絶
させるようにすれば、ヒータからの伝導熱をキャビティ
内に蓄熱した上で、該キャビティによる断熱・保温作用
を行えることに加えて、挿入孔の加工を、キャビティの
存在とは無関係に、例えばドリル等の穴あけ工具を用い
て行うことができるため、この挿入孔の加工時に生じ得
る穴あけ工具の逃げ等を回避することが可能となり、そ
の孔加工の容易化を図ることができる。
【0055】そして、前記ヒータの挿入孔と前記キャビ
ティとを、押し型におけるヘッド体との取付面に開口さ
せれば、ヘッド体を取り外してその取付面を露出させた
状態で、前記挿入孔及びキャビティの加工作業、並びに
挿入孔へのヒータの挿入作業が行えると共に、同じくヘ
ッド体を取り外した状態でヒータ及びキャビティの保守
点検が行えることになり、製造作業や保守点検作業の容
易化並びに簡易化が図られることになる。
【0056】また、前記キャビティを、放電加工により
形成すれば、該キャビティの内周面の表面粗さを粗くで
きるため、該キャビティの内部に埋設体を埋め込んだ状
態において、キャビティ内周面と埋設体との界面に断熱
作用を行い得る比較的大きな隙間を生成でき、好適な断
熱効果を確保できると共に、埋設体の存在によって、キ
ャビティの熱変形の抑制、並びに挿入孔の加工の容易化
を図ることが可能となる。
【0057】更に、前記ヒータが挿入されている深さ及
びキャビティが形成されている深さを、プレス成型時に
前記雄成型面の側周雄成型面部が溶融ガラス塊と接触し
ない領域の深さと同等またはそれよりも深くすれば、プ
レス成型時に溶融ガラス塊から接触による熱を受けない
側周雄成型面部の非受熱部分に対して適切なヒータによ
る加熱作用、及びキャビティによる保温・断熱作用が行
われることになり、側周雄成型面部の全域にわたる温度
条件の不均一が緩和され、プレス成型時における中空状
ガラス物品の割れやクラック等の発生が効果的に抑止さ
れる。
【0058】そして、本発明に係る成型装置の成型対象
を、陰極線管用ガラスパネルとすれば、特にスカート部
のシールエッジ面近傍に出現しがちであったシワやクラ
ックの発生確率を可及的に低減でき、製品歩留まりの低
下を招くことなく高品位のガラスパネルを提供できるこ
とになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る成型装置の要部を
示す縦断正面図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る成型装置の押し型
を示す概略平面図である。
【図3】図3(a),(b)はそれぞれ、本発明の第一実施形
態に係る成型装置の押し型の要部を拡大して示す概略平
面図である。
【図4】本発明の第二実施形態に係る成型装置の要部を
示す縦断正面図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る成型装置の押し型
を示す概略平面図である。
【図6】図6(a),(b)はそれぞれ、本発明の第二実施形
態に係る成型装置の押し型の要部を拡大して示す概略平
面図である。
【図7】本発明の第三実施形態に係る成型装置の押し型
を示す概略平面図である。
【図8】本発明の第三実施形態に係る成型装置の押し型
の要部を拡大して示す概略平面図である。
【図9】本発明の第四実施形態に係る成型装置の押し型
を示す概略平面図である。
【図10】本発明の第四実施形態に係る成型装置の押し
型の要部を拡大して示す概略平面図である。
【図11】本発明の対象となる成型装置の全体構成を示
す概略縦断正面図である。
【図12】従来の成型装置の要部を示す縦断正面図であ
る。
【図13】従来の成型装置の要部を示す縦断正面図であ
る。
【符号の説明】
1 陰極線管用ガラスパネル 2 雄成型面 3 受け型 4 雄成型面 4b 側周雄成型面部 5 押し型(プランジャ金型) 6 底受け型(ボトム金型) 7 中間受け型(シェル金型) 8 ヘッド体 9 冷却水流通経路(冷却手段) 12 縦溝(キャビティ) 23 挿入孔 24 ヒータ(スティック型電気ヒータ) 26 埋設体 26a 埋設体

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雌成型面を有する受け型に供給された溶
    融ガラス塊を、雄成型面を有し且つ内部に冷却手段を有
    する押し型により押延して、中空状ガラス物品をプレス
    成型するように構成した成型装置において、 前記押し型における雄成型面の側周雄成型面部の内側
    に、ヒータとキャビティとを設けたことを特徴とする中
    空状ガラス物品の成型装置。
  2. 【請求項2】 前記ヒータが、スティック型電気ヒータ
    であることを特徴とする請求項1に記載の中空状ガラス
    物品の成型装置。
  3. 【請求項3】 前記ヒータが、押し型に形成された挿入
    孔に挿入され、且つ該挿入孔と前記キャビティとが連通
    していることを特徴とする請求項1または2に記載の中
    空状ガラス物品の成型装置。
  4. 【請求項4】 前記ヒータが、押し型に形成された挿入
    孔に挿入され、且つ該挿入孔と前記キャビティとが隔絶
    した状態で近接していることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の中空状ガラス物品の成型装置。
  5. 【請求項5】 前記ヒータの挿入孔と前記キャビティと
    が、前記押し型におけるヘッド体との取付面に開口して
    いることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の中
    空状ガラス物品の成型装置。
  6. 【請求項6】 前記キャビティが、放電加工により形成
    されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記
    載の中空状ガラス物品の成型装置。
  7. 【請求項7】 前記キャビティの内部に、埋設体を埋め
    込んだことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の
    中空状ガラス物品の成型装置。
  8. 【請求項8】 前記ヒータが挿入されている深さ及びキ
    ャビティが形成されている深さが、プレス成型時に前記
    雄成型面の側周雄成型面部が溶融ガラス塊と接触しない
    領域の深さと同等またはそれよりも深いことを特徴とす
    る請求項1〜7の何れかに記載の中空状ガラス物品の成
    型装置。
  9. 【請求項9】 前記中空状ガラス物品が、陰極線管用ガ
    ラスパネルであることを特徴とする請求項1〜8の何れ
    かに記載の中空状ガラス物品の成型装置。
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