JP2004042963A - 電子レンジ加熱用密封容器及びその製造方法 - Google Patents

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Yasuo Takeda
武田 康雄
Tetsuo Hiruma
昼間 徹夫
Kimio Hasebe
長谷部 公男
Noriko Harita
針田 紀子
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Abstract

【課題】電子レンジによる加熱時に確実に内圧を逃がすことができる電子レンジ加熱用密封容器を提供する。
【解決手段】包装材料1,1’のシーラント層同士をヒートシールして密封した容器において、シーラント層を構成する樹脂より低融点の樹脂で構成された低融点層を一部のヒートシール部を横断してシーラント層間に介在させた易剥離性ヒートシール部2bを設ける。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子レンジで加熱調理される食品などの内容物を密封収納する密封袋や密封カップなどの密封容器であって、開封することなくそのまま電子レンジで加熱できる電子レンジ加熱用密封容器及びその製造方法に関する。更に詳しくは、常温時には密封状態を維持することができ、電子レンジの加熱により内圧が上昇すると、自動的に内圧(蒸気)を逃がして破裂を防止することができる電子レンジ加熱用密封容器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、常温時には密封状態を維持することができ、電子レンジの加熱により内圧が上昇すると、自動的に内圧を逃がして破裂を防止することができる電子レンジ加熱用密封容器として、基材層とシーラント層との間に、加熱により強度が低下する樹脂層を部分的に設けた包装材料を用い、シーラント層を内側にした袋状にこの包装材料を配置し、必要箇所をヒートシールすると共に、前記樹脂層を、ヒートシール部の一部に、袋の内側から外側に向かって横断して位置させた袋が知られている(特開2000−190912号公報)。この従来の電子レンジ加熱用密封容器は、電子レンジによる加熱前の常温以下の環境においては、前記樹脂層の強度が維持されていることにより、必要なシール部のシール強度を維持できるようにする一方、電子レンジによる加熱時には、前記樹脂層の強度低下によるシーラント層の剥離や破れ(亀裂)の発生により、内圧を逃がすことができるようにしようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電子レンジ加熱用密封容器の場合、次のような問題がある。
【0004】
(1)樹脂層が基材層とシーラント層の間に一体に挟み込まれているので、熱によってこの樹脂層の強度が低下しただけでは内圧を逃がすことができず、内圧を逃がすためには樹脂層の強度低下に伴ってシーラント層に破れを生じる必要がある。
【0005】
しかしながら、加熱殺菌食品用包装のような高いシール強度を得るためには、シーラント層も比較的厚くなり、また一般的にシーラント層は比較的柔軟性のある樹脂で構成されていることから、シーラント層の背面側に設けた薄い樹脂層が単に軟化溶融して強度が低下してもシーラント層は破れにくく、シーラント層の厚さや材質によっては内圧を確実に放出させにくい問題がある。
【0006】
(2)電子レンジによる加熱によって強度が低下した樹脂層部分を介して内圧を放出させるためには、樹脂層を、袋の内側から外側に向かってヒートシール部を横断するように位置させなければならない。
【0007】
しかしながら、一般に包装材料は大きな原反から切り出されるもので、原反製造時に所定の位置に樹脂層を積層し、この位置を乱すことなく包装材料を切り出し、更に樹脂層が所定の位置となるように包装材料を配置してヒートシールしなければならず、製造時の位置合わせに多大の手間がかかる問題がある。樹脂層を全面に設ければこの手間を省くことができるが、内圧を放出するための穴がヒートシール部の何処に生じるかを制御できなくなり、例えば液状内容物の場合には電子レンジによる加熱途中で漏れを生じる原因となる。
【0008】
本発明は、上記従来の電子レンジ加熱用密封容器の問題点に鑑みてなされたもので、電子レンジによる加熱時に確実に内圧を逃がすことができる電子レンジ加熱用密封容器を提供すると共に、この電子レンジ加熱用密封容器の簡便な製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的のために、本発明の第1は、少なくとも基材層の片面にシーラント層を有する包装材料が、シーラント層同士を向き合わせて配置され、シーラント層同士が重なり合った箇所に形成されたヒートシール部で密封された電子レンジ加熱用密封容器において、シーラント層を構成する樹脂より低融点の樹脂で構成された低融点層が、一部のヒートシール部を幅方向に横断して、上記シーラント層間に介在されていることを特徴とする電子レンジ加熱用密封容器を提供するものである。
【0010】
上記本発明の第1は、低融点層を構成する樹脂の融点が、シーラント層を構成する樹脂の融点より5〜50℃低いこと、
シーラント層が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンであり、低融点層が、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体であること、
をその好ましい態様として含むものである。
【0011】
また、本発明の第2は、少なくとも基材層の片面にシーラント層を有する包装材料を、シーラント層同士を向き合わせて配置し、シーラント層同士が重なり合った箇所をヒートシールして密封する電子レンジ加熱用密封容器の製造方法において、ヒートシールする箇所に、シーラント層を構成する樹脂より低融点の樹脂で構成された低融点テープを、ヒートシールする箇所を幅方向に横断して、上記シーラント層間に部分的に挟み込ませてヒートシールすることを特徴とする電子レンジ加熱用密封容器の製造方法を提供するものである。
【0012】
上記本発明の第2は、低融点層を構成する樹脂の融点が、シーラント層を構成する樹脂の融点より融点が5〜50℃低い樹脂で構成された低融点テープを用いること、
低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンのシーラント層と、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の低融点テープを用いること、
粘着剤付の低融点テープを用い、粘着剤を用いて低融点テープを仮止めした後ヒートシールすること、
をその好ましい態様として含むものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明を更に説明する。
【0014】
図1は本発明に係る電子レンジ加熱用密封容器の一例を示す斜視図、図2は図1の例における易剥離性ヒートシール部と封止用ヒートシール部に跨る拡大断面図である。
【0015】
本例の電子レンジ加熱用密封容器(以下「密封容器」と略称する)は、図1に示されるように、2枚の矩形フィルム又はシート状の包装材料1,1’を重ね、四方に形成されたヒートシール部2で内部を密封した四方シール袋となっている。包装材料1,1’は、図2に示されるように、それぞれ基材層1a,1a’の片面全面にシーラント層1b,1b’を積層したもので、シーラント層1b,1b’を向き合わせて重ねられている。
【0016】
ヒートシール部2は、基本的には、重なり合った両シーラント層1b,1b’同士が直接熱融着することで形成された封止用ヒートシール部2aとして形成されているが、一部が、両シーラント層1b,1b’間に低融点層3が介在した易剥離性ヒートシール部2bとなっている。この易剥離性ヒートシール部2bは、両シーラント層1b,1b’間に、ヒートシール部2を幅方向に横断して低融点層3が介在しており、両シーラント層1b,1b’が低融点層3を介して熱融着された構造となっている。図示される例においては、一方の短辺側のヒートシール部2全体が易剥離性ヒートシール部2bとなっている。
【0017】
上記低融点層3は、シーラント層1b,1b’を構成する樹脂に比して融点が低い樹脂で構成された層で、この低融点層3が介在した易剥離性ヒートシール部2bは、本例の密封容器をそのまま電子レンジに入れて内容物を加熱した際に上昇する内圧を外に逃がす働きをなす。即ち、密封容器を電子レンジに入れて内容物を加熱し、温度が上昇すると共に内圧が高まると、低融点層3を構成する樹脂がシーラント層1b,1b’を構成する樹脂より融点が低いことから、シーラント層1b,1b’同士が直接熱融着されている封止用ヒートシール部2aが破れる前に、低融点層3が軟化又は溶融することによってシール強度が低下した易剥離性ヒートシール部2bのヒートシールが内圧に押されて剥がれ、内圧を外に逃がすことができる。従って、密封容器を破裂させることなく電子レンジによる加熱を行うことができる。また、電子レンジによる加熱時に低融点層3が溶融しても、低融点層3は粘度が高いことから、シーラント層1b,1b’間に止まり、内容物へ混入することはない。
【0018】
特に本発明においては、低融点層3が、ヒートシール部2を幅方向に横断してシーラント層1b,1b’間に介在されていることから、低融点層3の軟化又は溶融による易剥離性ヒートシール部2bの剥がれが直接内圧の逃げにつながる。従って、シーラント層1b,1b’の材質や厚さに拘わらず、低融点層3の融点を調整することによって確実に内圧を逃がすことができる。
【0019】
本発明における低融点層3を構成する樹脂は、シーラント層1b,1b’を構成する樹脂に応じて、シーラント層1b,1b’を構成する樹脂より低融点の樹脂から選択される。また、向かい合うシーラント層1b,1b’は、一般的には同種の樹脂で構成されるが、異種の樹脂であってもよく、一方のシーラント層1bと他方のシーラント層1b’の融点が相違する場合、低融点層3を構成する樹脂は、融点が低い方のシーラント層1b又は1b’よりも更に低融点の樹脂から選択される。
【0020】
低融点層3の融点は、シーラント層1b,1b’の融点より5〜50℃低いことが好ましい。融点の差が5℃未満では、内圧の放出時に大きな破裂音を生じやすくなり、融点の差が50℃を超えると、易剥離性ヒートシール部2bの常温下でのシール強度が不足しやすくなる。
【0021】
特に製造工程で100℃未満の加熱殺菌を伴う食品包装用用途においては、低融点層3の融点を100℃未満でかつ加熱殺菌温度より高いものとすることで、加熱殺菌時及び加熱殺菌後に十分なシール強度を発揮し、電子レンジによる加熱時に剥離して蒸気の放出をスムーズに行うことができる易剥離性ヒートシール部2bとすることができる。
【0022】
シーラント層1b,1b’及び低融点層3を構成する樹脂は、一般のヒートシール性樹脂から、融点及びシール強度を考慮して選択することができる。具体的には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、アイオノマー樹脂などを用いることができる。
【0023】
ところで、加熱殺菌食品用包装においては、内容物の質量が大きく、やや強いヒートシール強度を要する場合、常温におけるシール強度が15N/15mm以上であり、製造工程における加熱殺菌に耐えるものであることが要求される。本発明の密封容器を電子レンジ加熱が可能な加熱殺菌食品用包装として用いる場合、これを満たすと共に、電子レンジによる加熱時に確実に内圧を放出できることが必要となる。これを満たす観点からすると、製造工程における加熱殺菌が100℃未満である場合、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンのシーラント層1b,1b’と、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の低融点層3の組み合わせが好ましく、特にシーラント層1b,1b’としては直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
【0024】
低融点層3の厚みは、15〜80μmであることが好ましい。厚すぎると、ヒートシール時に、低融点層3を介在させる箇所と、低融点層3を介在させない箇所との間の段差が大きくなって、段差境界部でのシール不良を生じやすくなる。また、薄すぎると、電子レンジによる加熱時に易剥離性ヒートシール部2bの剥離を生じさせにくくなる。
【0025】
基材層1a,1a’としては、単層又は複層のフィルム又はシートを用いることができる。複層のフィルム又はシートとしては、異なる複数の樹脂を積層したものの他、金属又はアルミナやシリカなどの金属酸化物などの蒸着層を介在させたフィルム又はシートなどを用いることができる。
【0026】
本例の密封容器は、一方の短辺側のヒートシール部2全体が易剥離性ヒートシール部2bとなっているが、1辺のヒートシール部2の一部に短い易剥離性ヒートシール部2bを1箇所または複数箇所設けたり、複数辺のヒートシール部2にそれぞれ短い易剥離性ヒートシール部2bを設けることもできる。例えば固形冷凍食品を内容物とし、密封容器内で蒸して調理する場合、複数箇所に短い易剥離性ヒートシール部2bを設けることにより、内部の蒸気密度の均一化を図りつつ内圧を逃がしやすくすることができる。また、図示されるように、1辺のヒートシール部2全体を易剥離性ヒートシール部2bとする場合、後述するように、製造作業が容易になる利点がある。
【0027】
本例の密封容器は、四方シール袋となっているが、1枚の包装材料1(1’)を、シーラント層1b(1b’)が内側になるように二つ折りし、三方をヒートシールした三方シール袋、1枚の包装材料1(1’)をシーラント層1b(1b’)を内側にして丸めて合掌背貼りヒートシールし、更に両端をヒートシールしたピロー袋、側壁を構成する包装材料1(1’)の一端に底部を構成する包装材料1’(1)をヒートシールし、更に側壁を構成する包装材料1(1’)の他端をヒートシールした自立性袋などとすることもできる。特に液体の内容物又は液体を含む内容物の場合、上記自立性袋とし、自立させたときに上端に位置する上記他端側ヒートシール部に前記易剥離性ヒートシール部2bを形成すると、内圧を逃がすときの内容物の漏れを防止できるので好ましい。また、上記ピロー袋とし、合掌背貼りヒートシール部に前記易剥離性ヒートシール部を形成し、この合掌背貼りヒートシール部を上方に向けて電子レンジで加熱することでも内容物の漏れを防止することができる。
【0028】
次に、上述した四方シール袋の密封容器の製造方法の一例を図1〜図3に基づいて説明する。なお、図3における点線斜線部がヒートシール箇所を示す。
【0029】
まず、2枚の包装材料1,1’の原反を、シーラント層1b,1b’を向き合わせ、易剥離性ヒートシール部2bとする箇所(図示される例では一方の短辺側で、通常は袋の上辺)に低融点テープ4を引き出して挟み込む。この状態で、低融点テープ4を挟み込んだ辺(袋の上辺)をヒートシール幅が該融着テープ4の幅内に収まるようにヒートシールすると共に、これに直交する2辺(袋の側辺)もそれぞれヒートシールし、袋の側辺を構成するヒートシール部分で切り離して、一辺(袋の底辺)のみが開放された袋状とする。その後、開放された一辺から内容物を入れ、この開放された一辺をヒートシールすることで図1に示される密封容器を得ることができる。
【0030】
上記のように、低融点テープ4を用いて易剥離性ヒートシール部2bを形成すると、ヒートシール時に低融点テープ4を引き出して所望の位置に挟み込ませれば足るので、例えば包装材料1,1’の重ね合わせ時の位置合わせなどを簡略化することができ、製造が容易となる。また、特に前述した短い易剥離性ヒートシール部2bを形成する場合、低融点テープ4を粘着剤付とし、適宜の長さに切断した低融点テープ4を粘着剤を用いて所望の位置に仮止めしてからヒートシールすると、ヒートシール時の低融点テープ4のずれを防止することができ、作業が容易となる。
【0031】
低融点テープ4は、前記低融点層3を形成するもので、その厚みは、ヒートシール時に多少押し潰されることを考慮して、前記低融点層3の厚みよりやや厚い16〜85μmとすることが好ましい。また、粘着剤付の低融点テープ4を用いる場合、粘着剤によりヒートシールが妨げられないよう、粘着剤の厚さを50μm以下とすることが好ましい。
【0032】
上記の製造例においては、最初の三辺のヒートシール時に低融点テープ4を介在させているが、三辺をヒートシールした後の残りの一辺のヒートシール時に低融点テープ4を介在させるようにしてもよい。つまり、本発明の製造方法は、内容物を入れる前に行われるヒートシール箇所に、上記低融点テープ4の挟み込みにより易剥離性ヒートシール部2bを形成する方法、内容物を入れた後に行われるヒートシール箇所に、上記低融点テープ4の挟み込みにより易剥離性ヒートシール部2bを形成する方法、更にはこの両者の併用のいずれでもよい。
【0033】
次に、図4及び図2に基づいて本発明に係る密封容器の他の例を説明する。
【0034】
本例の密封容器は、図4に示されるように、開口部周縁から外方にフランジ部が突き出たフランジ付カップ状の包装材料1’上に蓋材状の包装材料1が被せられ、両者間をヒートシール部2で内部を密封した密封カップとなっている。
【0035】
図2は、図4の例における易剥離性ヒートシール部2bと封止用ヒートシール部2aに跨る拡大断面図でもあり、包装材料1,1’は、それぞれ基材層1a,1a’の片面全面にシーラント層1b,1b’を積層したもので、蓋材状の包装材料1は、その下面側にシーラント層1bが積層され、フランジ付容器状の包装材料1’は、本体部の内面側とフランジ部の上面側にシーラント層1b’が積層され、両者はこのシーラント層1b,1b’を向き合わせて配置されている。また、蓋材状の包装材料1の外周縁部と、フランジ付容器状の包装材料1’のフランジ部とでシーラント層1b,1b’が重なり合っており、この部分にヒートシール部2が形成されている。
【0036】
上記ヒートシール部2が、一部に形成された易剥離性ヒートシール部2bと、残りの封止用ヒートシール部2aとで構成されており、易剥離性ヒートシール部2bに低融点層3が介在しているのは前記図1の例と同様である。また、本例の密封容器をそのまま電子レンジで加熱した場合に、易剥離性ヒートシール部2bのヒートシールが剥がれて、本例の密封容器を破裂させることなく内圧を逃がしながら加熱することができるのも、図1の例と同様である。
【0037】
本例の密封容器の製造は、図5に示されるように、フランジ付カップ状の包装材料1’上に蓋材状の包装材料1を被せてヒートシールする際に、ヒートシールすべきフランジ付カップ状の包装材料1’のフランジ部と、蓋材状の包装材料1の外周縁部との間に低融点テープ4を挟み込んでからヒートシールすることで容易に行うことができる。
【0038】
【実施例】
実施例
包装材料としては、厚さ15μmのポリアミド層の片面に、シリカ蒸着層を有する厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート層を表層として積層すると共に、ポリアミド層の他面に、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)をシーラント層として厚さ50μmで積層した多層フィルムで、融点が128℃のLLDPEを用いたものと、融点が109℃のLLDPEを用いたものの2種類とした。また、低融点テープとしては、融点が94℃のエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)で構成された幅10mmのテープと、融点が105℃のEMAAで構成された幅10mmのテープの2種類とした。
【0039】
上記包装材料と低融点テープを用い、内容物としてチルドハンバーグを密封した包装体を形成した。包装体は、130mm×170mmの矩形形状の上記包装材料を、シーラント層同士を向き合わせて2枚重ね、四方の外周縁部を幅8mmでヒートシールして上記内容物を収容して密封したもので、一方の短辺をヒートシールする際に、上記低融点テープを当該短辺と平行に引き出し、ヒートシールする箇所に挟み込ませることで、一方の短辺側ヒートシール部を易剥離性ヒートシール部としたものとした。
【0040】
得られた包装体について、常温における易剥離性ヒートシール部を含むヒートシール部のシール強度を測定すると共に、電子レンジに入れて加熱した時の蒸気抜け状態を観察した。
【0041】
結果を表1に示す。
【0042】
また、電子レンジによる加熱に先立って、90℃で3分間の加熱殺菌を行った後易剥離性ヒートシール部の状態及びシール強度を調べたが、剥離は観察されず、またシール強度への影響も認められなかった。
【0043】
【表1】
Figure 2004042963
【0044】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したとおりのものであり、次の効果を奏するものである。
【0045】
(1)シーラント層同士が直接熱融着されている封止用ヒートシール部が破れる前に、低融点層が軟化又は溶融することによってシール強度が低下した易剥離性ヒートシール部のヒートシールが内圧に押されて剥がれ、内圧を外に逃がすことができるので、密封容器を破裂させることなく電子レンジによる加熱を行うことができる。
【0046】
(2)低融点層が、ヒートシール部を横断してシーラント層間に介在されていることから、低融点層の軟化又は溶融による易剥離性ヒートシール部の剥がれが直接内圧の逃げにつながるため、シーラント層の材質や厚さに拘わらず、低融点層の融点を調整することによって確実に内圧を逃がすことができる。
【0047】
(3)製造に際しては、ヒートシール時に低融点テープを所望の位置にセットすれば足るので、例えば包装材料の重ね合わせ時の位置合わせなどを簡略化することができ、容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子レンジ加熱用密封容器の一例を示す斜視図である。
【図2】図1及び図4の例における易剥離性ヒートシール部と封止用ヒートシール部に跨る拡大断面図である。
【図3】図1の例に係る電子レンジ加熱用密封容器の製造方法の説明図である。
【図4】本発明に係る電子レンジ加熱用密封容器の他の例を示す斜視図である。
【図5】図4の例に係る電子レンジ加熱用密封容器の製造方法の説明図である。
【符号の説明】
1  包装材料
1’ 包装材料
1a 基材層
1b シーラント層
1a’ 基材層
1b’ シーラント層
2  ヒートシール部
2a 封止用ヒートシール部
2b 易剥離性ヒートシール部
3  低融点層
4  低融点テープ

Claims (7)

  1. 少なくとも基材層の片面にシーラント層を有する包装材料が、シーラント層同士を向き合わせて配置され、シーラント層同士が重なり合った箇所に形成されたヒートシール部で密封された電子レンジ加熱用密封容器において、
    シーラント層を構成する樹脂より低融点の樹脂で構成された低融点層が、一部のヒートシール部を幅方向に横断して、上記シーラント層間に介在されていることを特徴とする電子レンジ加熱用密封容器。
  2. 低融点層を構成する樹脂の融点が、シーラント層を構成する樹脂の融点より5〜50℃低いことを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ加熱用密封容器。
  3. シーラント層が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンであり、低融点層が、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子レンジ加熱用密封包装体。
  4. 少なくとも基材層の片面にシーラント層を有する包装材料を、シーラント層同士を向き合わせて配置し、シーラント層同士が重なり合った箇所をヒートシールして密封する電子レンジ加熱用密封容器の製造方法において、ヒートシールする箇所に、シーラント層を構成する樹脂より低融点の樹脂で構成された低融点テープを、ヒートシールする箇所を幅方向に横断して、上記シーラント層間に部分的に挟み込ませてヒートシールすることを特徴とする電子レンジ加熱用密封容器の製造方法。
  5. 低融点層を構成する樹脂の融点が、シーラント層を構成する樹脂の融点より融点が5〜50℃低い樹脂で構成された低融点テープを用いることを特徴とする請求項4に記載の電子レンジ加熱用密封容器の製造方法。
  6. 低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又は高密度ポリエチレンのシーラント層と、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体の低融点テープを用いることを特徴とする請求項4又は5に記載の電子レンジ加熱用密封包装体の製造方法。
  7. 粘着剤付の低融点テープを用い、粘着剤を用いて低融点テープを仮止めした後ヒートシールすることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の電子レンジ加熱用密封容器の製造方法。
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