JP2004042632A - シートを加工する機械、特に輪転印刷機におけるモーメントを補償するための装置 - Google Patents

Abstract

【課題】例えばシートを加工する機械の固定調整不能な反転装置においても使用可能な、モーメント補償のための装置を提供する。
【解決手段】シートを加工する機械、特に輪転印刷機におけるモーメント補償のための装置であって、カム制御される補償伝動装置を備え、その際エネルギ貯蔵器の力作用下にあるカムフォロワがカムディスクに当て付けられている形式のものにおいて、カムフォロワ（３９，４２）を休止位置に係止するために、少なくとも１つの調節エレメント（４６；４７；５３；５４）が設けられている。
【選択図】　　　図２

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
シートを加工する機械、特に輪転印刷機においては、周期的に加速されるグリッパシステムが交番する駆動トルクを生ぜしめ、この駆動トルクが回転振動を生ぜしめ、かつ例えば印刷品質の低下をもたらすという問題が生じる。
【０００２】
【従来の技術】
ＤＥ　４１　０９　４０９　Ａ１によって、例えば、カム制御される出力補償伝動装置を設け、この出力補償伝動装置が制御カムに作用し、かつ、振動する前グリッパの固有質量によって惹起されるトルクを直接に制御カムに係合する手段によって補償するようにすることが公知である。
【０００３】
ＤＥ　４１　０９　４０９　Ａ１による対象の根底をなす欠点は、これが常に運転していて、かつ種々の運転状態に適合させ得ることができないことである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の課題は、例えばシートを加工する機械の固定調整不能な反転装置においても使用可能な、モーメント補償のための装置を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この課題は本発明によれば、請求項１の特徴によって解決される。
【０００６】
本発明の利点は、特に、モーメント補償のための装置が運転位置にかつ運転位置から休止位置に切替可能であることである。この手段によって、輪転印刷機の切替可能な、一面では片面印刷においてかつ他面では両面印刷において働く反転ドラムにおいて使用することが可能である。
【０００７】
【発明の実施の形態】
別の利点は、旋回可能なカムセグメントの配置であり、このカムセグメントは調節機構として働き、かつ、機械の静止状態においても、また反転ドラムの回転の間にも、柔らかい離反のために操作することができる。
【０００８】
調節機構の代替的な構成では、調節機構は係止掛け金として構成されている。
【０００９】
有利な展開では、２つのモーメント補償装置が配置され、これらのモーメント補償装置は、より大きな回転数範囲をカバーするために、互いに無関係に切替可能である。
【００１０】
別の有利な構成では、補償伝動装置のエネルギ貯蔵器がコンピュータ制御で調整可能であり、したがって、エネルギ貯蔵器は常に機械の回転数に適合可能である。
【００１１】
別の有利な構成は従属請求項に記載されている。
【００１２】
【実施例】
本発明の２つの実施例が図面に示されており、かつ以下において説明する。
【００１３】
輪転印刷機１、例えばシート７を加工する印刷機は、給紙器２と、少なくとも１つの印刷機構３若しくは４と、排紙器６とを有している。シート７はシートパイル８から取り出され、個別化されあるいはうろこ形に供給テーブル９を介して印刷機構３及び４に供給される。印刷機構は公知の形式でそれぞれ印刷判板を固定するための判胴１１；１２を有している。更に各判胴１１；１２に、半自動的のあるいは全自動的の印刷判板交換のための判交換器１６；１７が所属している。
【００１４】
シートパイル８は、制御されて持ち上げ可能なパイルプレート１０上に乗っている。シート７の取り出しは、シートパイル８の上側から、いわゆる吸引ヘッド１８によって行われ、この吸引ヘッドはなかんずく、シートの個別化のために、多数の持ち上げ吸引器１９及び曳行吸引器２１を有している。更に、上方のシート層を緩めるための吹き付け装置２２及びパイル後案内のための走査エレメント２３が設けられている。シートパイル８、特に、シートパイル８の上方のシート７を整向するために多数の、側方及び後方のストッパ２４が設けられている。
【００１５】
２つの印刷機構３，４の間には、反転ドラム３５を備えた反転装置３６が配置されていて、これは片面印刷から両面印刷に切替可能である。反転ドラム３５はモーメント補償のための装置を備えている。モーメント補償のための装置は、反転ドラム３５のピン３７上に配置されたカムディスク３８を有しており、このカムディスクは反転ドラム３５と同期的に回転する。モーメント補償のための装置を接続した反転運転において、カムローラ３９ｙはカムディスク３８と作用接触している。カムローラ３９は、ローラレバー４１の端部に配置されており、ローラレバーはカムローラ３９とは逆の側の端部において旋回可能に側方フレームに支承されている。側方フレームに支えられている例えば圧縮ばね４０の形の蓄力器はローラレバー４１に作用し、かつカムローラ３９をカムディスク３８に作業接触させるように押す。
【００１６】
ほぼ１８０°ずらして第２のカムローラ４２が設けられており、これは第２のローラレバー４３の端部に配置されていて、このローラレバーは、カムローラ４２とは逆の側の端部において旋回可能にフレームの支承されている。フレームに不動に支えられている、例えば圧縮ばね４４の形の蓄力器は、ローラレバー４３に作用し、かつ第２のカムローラ４２をカムディスク３８と作業接触するように、押す。カムディスク３８のカムプロフィールは次のように選ばれている。すなわち、蓄力器４０；４４がローラレバー４１；４３を介して各時点においてポテンシャル変化を受け、このポテンシャル変化は、特定の機械速度の両面印刷の印刷状態における反転ドラムの伝動装置の補償すべき駆動モーメントに相応するように、選ばれている。
【００１７】
この補償モーメントは片面印刷の運転状態では必要でないので、制御ローラ３９；４２をカムディスク３８から離反させるために、それぞれ１つカムセグメント４６６；４７が設けられており、これらのカムセグメントは旋回可能に反転ドラム３５のピン３７上に、あるいはフレームに、配置されている。カムセグメント４６，４７はそれぞれ、フレームに固定に支えられているアクチュエータ、例えば空気力式シリンダ４８；４９によって操作可能である。カムディスク３８は直径方向で向き合って２つの高点５１，５２を有しており、これらの高点において、カムローラ３９，４２を介してローラレバー４１，４３がその最大の変位を受ける。カムセグメント４６，４７はそれぞれカムディスク３８の高点５１，５２及び低点の範囲における輪郭に適合せしめられている。この手段によってカムローラ３９，４２は静止状態においても、また反転ドラム３５の回転の場合でも、カムディスク３８に、あるいはカムディスク３８から、当て付け又は離反させることができる。カムディスク４６，４７の高点はカムディスク３８の高点よりもわずかに高い。
【００１８】
機械を片面印刷の運転状態に切り替える場合に、アクチュエータはカムセグメント４６，４７を、それが拡張された補償ローラ３９；４２をカムディスク３８の高点５１；５２を超えて持ち上げるまで、旋回させる。カムローラ３９；４２とカムディスク３８との接触はこれにより解離され、したがって何らの補償モーメントも供給されない。
【００１９】
カムローラ３９；４２をカムディスク３８から持ち上げようとする場合、カムセグメント４６は、空気力シリンダ４８；４９の外走によって係止位置から逆時計回り方向に、若しくはカムセグメント４７は時計回り方向に、旋回せしめられ、これによりカムローラ３９；４２はカムディスク３８の高点５１；５２をわずかに超えて持ち上げられる。
【００２０】
この位置からカムローラ３９，４２を当て付けるためには、カムセグメント４６は時計回り方向に、カムセグメント４７は逆時計回り方向に旋回せしめられる。この場合、カムローラ３９；４２はカムセグメント４６；４７の輪郭上で転動し、カムディスク３８上に接触するに至る。
【００２１】
ローラレバー４１，４３は他の、図示していない調節エレメントによって当て付け若しくは離反させることもでき、例えば空気力シリンダあるいは液力シリンダを介して直接にローラレバー若しくは旋回運動を阻止する係止掛け金に、あるいはモータにより駆動されるねじスピンドル又は調節偏心盤に取り付けておくことができる。
【００２２】
２つの、互いに無関係に制御可能なモーメント補償装置３９，４０若しくは４２，４４を使用することによって、これらのモーメント補償装置を順次に活動させ、かつこれにより補償可能な回転数範囲を拡大することが可能である。補償伝動装置を種々の回転数に微調整するためには、更にエネルギ貯蔵器４０，４４をエネルギ大きさ（力）に関して調整可能に構成する。制御コンピュータ６１はエネルギ貯蔵器４０，４４のための調整手段５０，５５、例えば空気力シリンダ又は調節モータと、接続されており、かつエネルギ貯蔵器４０，４４を調べられた又は所定の、例えば印刷機の回転数のようなパラメータによって自動的に調節する。
【００２３】
第２の実施例は図３に示されている。補償伝動装置を休止位置に保持するために、この場合係止掛け金５３；５４が設けられており、これらの係止掛け金は旋回可能に機械フレームに支承されていて、かつ設けられているアクチュエータ５６；５７によって休止位置に、かつ補償伝動装置の部分５８，５９との係止位置から、切り替え可能である。アクチュエータ５６，５７は制御コンピュータ６１によってプログラミング可能に制御可能である。実施例ではアクチュエータは空気力シリンダとして構成されていて、これはコンピュータ制御される電磁弁６２を介して圧力源６３と接続可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】輪転印刷機を概略的な断面図で示す。
【図２】本発明による装置を概略的な側面図で示す。
【図３】第２の実施例を示す。
【符号の説明】
１　輪転印刷機、　２　給紙器、　３　印刷機構、　４　印刷機構、　６　排紙器、　７　シート、　７ａ　次のシート、　８　シートパイル、　９　供給テーブル、　１０　パイルプレート、　１１　判胴、　１２　判胴、　１３　判板固定装置、　１４　判板固定装置、　１６　判板交換器、　１７　判板交換器、１８　吸引ヘッド、　１９　持ち上げ吸引器、　２１　曳行吸引器、　２２　吹き付け装置、　２３　走査エレメント、　２４　ストッパ、　３５　反転ドラム、　３７　ピン、　３８　カムディスク、　３９　カムローラ、　４０　圧縮ばね、　４１　ローラレバー、　４２　第２のカムローラ、　４３　第２のローラレバー、　４４　圧縮ばね、　４６　カムセグメント、　４７　カムセグメント、　４８　空気力式シリンダ、　４９　空気力式シリンダ、　５０　調整手段、　５１　高点、　５２　高点、　５３　係止掛け金、　５４　係止掛け金、　５５　調整手段、　５６　アクチュエータ、　５７　アクチュエータ、　５８　部分、　５９　部分、　６１　制御コンピュータ、　６２　電磁弁、　６３　圧力源

Claims (10)

1. シートを加工する機械、特に輪転印刷機におけるモーメントを補償するための装置であって、カム制御される補償伝動装置を備え、エネルギ貯蔵器の力作用下にあるカムフォロワがカムディスクに当て付けられている形式のものにおいて、カムフォロワ（３９，４２）を休止位置に係止するために、少なくとも１つの調節エレメント（４６；４７；５３；５４）が設けられていることを特徴とする、シートを加工する機械、特に輪転印刷機におけるモーメント補償のための装置。
2. 調節エレメント（４６；４７）が旋回可能に配置されたカムセグメントであることを特徴とする、請求項１記載の装置。
3. 調節エレメントが可動の係止掛け金（５３；５４）であることを特徴とする、請求項１記載の装置。
4. カムセグメント（４６；４７）が高点及び低点を有しており、これらの高点及び低点は、カムディスク（３８）の高点及び低点にほぼ相応していることを特徴とする、請求項２記載の装置。
5. カムセグメント（４６；４７）が互いに無関係に操作可能に配置されていることを特徴とする、請求項１記載の装置。
6. 各カムセグメント（４６；４７）が補償伝動装置（３９，４０；４２，４４）と作用結合可能であることを特徴とする、請求項４又は５記載の装置。
7. 補償伝動装置（４１，４３）の各エネルギ貯蔵器（４０；４４）が調整可能に定置に支えられていることを特徴とする、請求項１から６までのいずれか１項に記載の装置。
8. エネルギ貯蔵器（４０；４４）の調整が、コンピュータ制御されて行われることを特徴とする、請求項７記載の装置。
9. 調節エレメント（４６，４７；５３，５４）のためのアクチュエータ（４８，４９；５６，５７）の接続がコンピュータ制御されてお行われることを特徴とする、請求項１から８までのいずれか１項に記載の装置。
10. 請求項１から９までのいずれか１項に記載したモーメントを補償する装置を備えている反転ドラム。

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