JP2004042507A - 液体吐出ヘッドおよびヘッドカートリッジならびに画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体吐出ヘッドに形成される吐出口の高密度化に伴ってTABとエネルギー発生部との位置合わせが困難となり、電気的接続部分の信頼性が低下する。
【解決手段】液体がそれぞれ吐出される複数の吐出口から液体をそれぞれ吐出させるための複数のエネルギー発生部と、一端面側がこれらエネルギー発生部の一方側に接続するTAB25と、このTAB25に設けられてエネルギー発生部の作動を切り換える駆動部24と、この駆動部24に接続する信号コネクタ20と、TAB25の他端面側に取り付けられてエネルギー発生部の他方側に接続する共通電極板27と、この共通電極板27駆動部24とに接続する電源コネクタ21とを具える。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐出口から液滴を吐出させる液体吐出ヘッド、およびこの液体ヘッドと当該液体ヘッドに供給される液体を貯溜する液体タンクの収容部とをユニット化したヘッドカートリッジ、ならびに液体ヘッドの取り付け部を有する画像形成装置に関する。
【0002】
なお、本明細書において「プリント」とは、文字や図形など有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像,模様,パターンなどを形成したり、または媒体の加工を行う場合をも包含する。また、「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、布,プラスチックフィルム,金属板,ガラス,セラミックス,木材,皮革などのインクを受容可能な物をも含むものである。さらに、「インク」(「液体」と記述する場合もある)とは、上記「プリント」の定義と同様に広く解釈されるべきであり、プリント媒体に付与されることによって、画像,模様,パターンなどの形成またはプリント媒体の加工あるいはインクの処理(例えばプリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固や不溶化など)に供され得る液体を含み、従ってプリントに関して用いることが可能なあらゆる液体を包含している。
【0003】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、いわゆるノンインパクト方式の画像形成装置であって、プリント時における騒音がほとんど生じない特徴を持ち、高速プリントおよび種々のプリント媒体に対してプリントすることが可能である。このようなことから、一般的なプリンタの他にワードプロセッサやファクシミリ,複写機などのプリント機構を担う装置としても広く採用されている。
【0004】
このインクジェット方式のプリンタにおいて、液体を吐出口から吐出させる電気熱変換素子をエネルギー発生部としてプリントヘッド、すなわちインクジェットヘッドに採用したものが知られている。この電気熱変換素子を用いたプリントヘッドは、吐出口に臨む液室内に設けられた電気熱変換素子にプリント信号となる電気パルスを与え、これによって液体に熱エネルギーを与え、この時の液体の相変化により生ずる液体の沸騰、つまり発泡に伴う圧力を利用して吐出口からの液滴の吐出させるようにしたものであり、電気熱変換素子が形成されたヘッド基板に沿って液体を吐出口から吐出するエッジシュータタイプのものと、電気熱変換体が形成されたヘッド基板に対して垂直に液体を吐出口から吐出するサイドシュータタイプのものとが知られている。
【0005】
このような吐出口とエネルギー発生部とが形成された従来のサイドシュータタイプのプリントヘッドの主要部の外観を図6に示し、その配線パターンを図7に模式的に示す。すなわち、所定間隔で配列する複数のエネルギー発生部101と、各エネルギー発生部101に対して一対ずつ接続する複数対のリード線102,103とが形成されたヒータボード104には、個々のエネルギー発生部101を仕切る仕切り壁105を所定間隔で形成した溝付き部材106が接合され、液体が吐出される吐出口107と、これら吐出口107に続く液路108と、全ての液路108が連通すると共に図示しない液供給手段を介して液体が供給される共通液室109とをヒータボード104との間に形成する。
【0006】
ヒータボード104と、エネルギー発生部101に対する信号や電力などが図示しないプリンタ本体側からコネクタ110を介して供給されるプリント回路板111とは、ドライバIC112が実装されたTAB(Tape Automated Bonding)113を介して接続され、ドライバIC112によって各エネルギー発生部101の作動が選択的に切り換えられるようになっている。各エネルギー発生部101に接続する一対のリード線102,103のうちの一方(図示例では102)がドライバIC112に接続され、他方(図示例では103)がTAB113に形成された共通電極114に接続され、この共通電極114にはプリンタ本体側から吐出エネルギー発生用の電力が供給されるようになっている。
【0007】
なお、TAB113とヒータボード104およびプリント回路板111とは、異方性導電膜(ACF:Anisotropic Conductive Film)を介してそれぞれ電気的に接続される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
プリントされる画像の品質向上を企図してプリントヘッドに形成される吐出口の高密度化が進められている。これに伴い、図6および図7に示した従来のプリントヘッドにおいても、エネルギー発生部101の高密度化が必然となって来つつある。この場合、1つのエネルギー発生部101に対して各リード線102,103毎に接続端子115を形成する必要があるため、エネルギー発生部101の高密度化に伴ってこの接続端子115の幅寸法も狭くせざるを得ず、ヒータボード104とTAB113との位置合わせが困難となり、製造歩留りの低下を招いてしまう不具合があった。
【0009】
しかも、接続端子115の幅寸法の減少に抗してエネルギー発生部101に対する駆動電圧の降下を回避するため、接続端子115の形状などに特別な工夫を施す必要があるが、実際問題として従来では接続端子115の面積を単に増大させているだけであり、プリントヘッドが大型化してしまう不具合があった。
【0010】
【発明の目的】
本発明の目的は、TABとエネルギー発生部との接触面積を増大させることができる電圧降下の少ない液体吐出ヘッド、この液体ヘッドと当該液体ヘッドに供給される液体を貯溜する液体タンクの収容部とをユニット化したヘッドカートリッジ、ならびに液体ヘッドの取り付け部を有する画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の形態は、複数の吐出口から液体をそれぞれ吐出させるために利用されるエネルギーをそれぞれ発生する複数のエネルギー発生部と、一端面側が前記エネルギー発生部の一方側に接続するTABと、該TABに設けられて前記エネルギー発生部の作動を切り換える駆動部と、該駆動部に接続する信号コネクタと、前記TABの他端面側に取り付けられて前記エネルギー発生部の他方側に接続する共通電極板と、該共通電極板と前記駆動部とに接続する電源コネクタとを具えたことを特徴とする液体吐出ヘッドにある。
【0012】
本発明においては、電源コネクタから共通電極板を介して駆動電力がエネルギー発生部に供給される。一方、信号コネクタからの駆動信号に基づき、エネルギー発生部の作動がTABを介して駆動部により切り換えられ、所定のエネルギー発生部が作動して対応する吐出口から液体が吐出される。
【0013】
本発明の第2の形態は、複数の吐出口から液体をそれぞれ吐出させるために利用されるエネルギーをそれぞれ発生する複数のエネルギー発生部と、一端面側が前記エネルギー発生部の一方側に接続するTABと、該TABに設けられて前記エネルギー発生部の作動を切り換える駆動部と、該駆動部に接続する信号コネクタと、前記TABの他端面側に取り付けられて前記エネルギー発生部の他方側に接続する共通電極板と、該共通電極板および前記駆動部に接続する電源コネクタとを有する液体吐出ヘッドと、この液体吐出ヘッドに供給される液体を貯溜する液体タンクの収容部とを具えたことを特徴とするヘッドカートリッジにある。
【0014】
本発明の第3の形態は、液体吐出ヘッドの取り付け部を具え、前記液体吐出ヘッドに形成された吐出口から液体を吐出してプリント媒体に画像を形成するための画像形成装置であって、前記液体吐出ヘッドは、複数の前記吐出口から液体をそれぞれ吐出させるために利用されるエネルギーをそれぞれ発生する複数のエネルギー発生部と、一端面側が前記エネルギー発生部の一方側に接続するTABと、該TABに設けられて前記エネルギー発生部の作動を切り換える駆動部と、該駆動部に接続する信号コネクタと、前記TABの他端面側に取り付けられて前記エネルギー発生部の他方側に接続する共通電極板と、該共通電極板および前記駆動部に接続する電源コネクタとを有することを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の形態による液体吐出ヘッドにおいて、駆動部に接続する第2の共通電極板をさらに設け、この第2の共通電極板を介して駆動部と電源コネクタとを接続するものであってよい。この場合、信号コネクタ,電源コネクタおよび第2の共通電極板がそれぞれ取り付けられると共にTABが接続されるプリント回路板をさらに設けることが可能である。
共通電極板は、ワイヤーボンディングによって接続されるものであってよい。
共通電極板の表面を金で被覆することも有効である。
エネルギー発生部は、液体に膜沸騰を生じさせて吐出口から液体を吐出させるための熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有するものであってよい。
【0016】
本発明の第2の形態によるヘッドカートリッジにおいて、液体タンクが収容部に対して着脱可能に装着されるものであってよい。
【0017】
液体がインクおよび/またはプリント媒体に吐出されるこのインクのプリント性を調整する処理液であってよい。
【0018】
本発明の第3の形態による画像形成装置において、液体吐出ヘッドの取り付け部が液体吐出ヘッドから液体が吐出されるプリント媒体の搬送方向と交差する方向に走査移動可能なキャリッジを含むものであってよい。この場合、着脱手段を介して液体吐出ヘッドをキャリッジに対して着脱自在に搭載することも可能である。
【0019】
【実施例】
本発明による液体吐出ヘッドをインクジェットヘッドに応用した一実施例について、図1〜図3を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこのような実施例のみに限らず、この特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の精神に帰属する他の技術にも当然応用することができる。
【0020】
本実施例によるインクジェットヘッドの主要部の外観を図1に示し、その側面形状を図2に示し、その平面形状を模式的に図3に示す。すなわち、所定間隔で配列する複数のエネルギー発生部11と、各エネルギー発生部11に対して一対ずつ接続する複数対のリード線12,13とが形成されたヒータボード14には、個々のエネルギー発生部11を仕切る仕切り壁15を所定間隔で形成した溝付き部材16が接合され、液体が吐出される吐出口17と、これら吐出口17に続く液路18と、全ての液路18が連通すると共に図示しない液供給手段を介して液体が供給される共通液室19とがヒータボード14との間に形成される。
【0021】
ヒータボード14と、図示しないプリンタ本体側からエネルギー発生部11に対する駆動信号が供給される信号用コネクタ20および電力が供給される電力用コネクタ21を設けたプリント回路板22とは、ベース板23上に相隔てて搭載され、これらは各エネルギー発生部11の作動を選択的に切り換える本発明の駆動部としてのドライバIC24が下面側に実装されたTAB25を介して相互に電気的に接続されている。TAB25の上面には、ボンディングワイヤ26を介して電力用コネクタ21に接続する1枚の共通電極板27が取り付けられており、この共通電極板27には各エネルギー発生部11に接続する一対のリード線12,13のうちの一方(図示例では12)がそれぞれボンディングワイヤ28を介して接続され、他方(図示例では13)がTAB23を介してドライバIC24に接続されている。本実施例では、プリント回路板22にもボンディングワイヤ29を介して電力用コネクタ21に接続する第2の共通電極板30が取り付けられており、この第2の共通電極板30はそれぞれボンディングワイヤ31を介してプリント回路板22に電気的に接続されている。
【0022】
アルミニウムや銅などで形成される共通電極板27および第2の共通電極板30は、これらの表面が金めっき処理されており、銅線などを用いたボンディングワイヤ29との接合部分でのなじみを良くし、電気的接続部分での信頼性を高めるように配慮している。本実施例では、製造コストが嵩む4層構造のプリント回路板を使用せずに2層構造のプリント回路板22を採用することが可能となるため、その製造コストを低減させることができる。
【0023】
なお、TAB23とヒータボード14およびプリント回路板22とは、ACF(異方性導電膜)を介してそれぞれ電気的に接続される。
【0024】
従って、図示しないプリンタ本体側から与えられる電力の一部は、プリント回路板22の電力用コネクタ21からボンディングワイヤ26,共通電極板27,ボンディングワイヤ28および一方のリード線12を通ってエネルギー発生部11に供給され、吐出口17から液体を吐出させるための吐出エネルギーの発生に利用される。また、残りの電力は電力用コネクタ21からボンディングワイヤ29,第2の共通電極板30,ボンディングワイヤ31,プリント回路板22およびTAB25を通ってドライバIC24に供給される。一方、図示しないプリンタ本体側から与えられる駆動信号などは、プリント回路板22の信号用コネクタ20からプリント回路板22,TAB25を通ってドライバIC24に送られる。
【0025】
本実施例では、エネルギー発生部11の一方側のリード線12にボンディングワイヤ28を介して接続する共通電極板27をTAB23の上面側に取り付ける一方、エネルギー発生部11の作動を切り換えるドライバIC24が設けられたTAB23の下面側をエネルギー発生部11の他方のリード線13に接続するようにしたので、TAB23に対してエネルギー発生部11の他方側のリード線13にのみ電気的に接続させることが可能となる。この結果、TAB23とヒータボード14のリード線13との接続端子32の面積を拡大させ、隣接する接続端子32間の距離も充分にとってこれらの接続部分での信頼性を向上させることが可能である。しかも、TAB23の配線ピッチを大きくすることができるため、TAB23の製造歩留まりを向上させることも可能である。また、共通電極板27を用いて電力をエネルギー発生部11に供給することができるため、電圧降下の少ないインクジェットヘッド10とすることができる。
【0026】
上述の如きインクジェットヘッド10を用いた本発明によるヘッドカートリッジの一実施例の外観を図4に示すが、先の実施例と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、本実施例におけるヘッドカートリッジ40は、上述したインクジェットヘッド10と、このインクジェットヘッド10に供給される液体を収容する液体タンク41と、図示しないプリンタ本体側との電気的な接続を行うための端子板42とで主要部が構成され、インクジェットヘッド10の共通液室19と液体タンク41とが図示しない液供給路を介して連通状態となっている。液体タンク41には、この液体タンク41と共にヘッドカートリッジ40の筐体を兼ねる蓋部材43が装着され、液体タンク41内を密閉した状態となっている。インクジェットヘッド10の信号用コネクタ20および電力用コネクタ21は、端子板42の図示しない電極パッドに接続され、これら電極パッドを介して駆動信号および電力がプリンタ本体側からインクジェットヘッド10に供給される。
【0027】
上述したヘッドカートリッジ40を用いた本発明による画像形成装置をシリアルスキャンタイプのインクジェット装置に応用した一実施例の外観を図5に示す。すなわち、本実施例のインクジェット装置50は、紙送りモータ51によって駆動回転するプラテンローラ52と平行に配設された一対の案内棒53には、キャリッジ54が摺動自在に保持されている。また、案内棒53の両端側に回転自在に取り付けられた一対のプーリ55, 56には、走査ワイヤ57が案内棒53と平行に巻き掛けられ、その両端部がキャリッジ54に連結されている。一方のプーリ55には、キャリッジ駆動モータ58が連結され、このキャリッジ駆動モータ58の正逆転によって、キャリッジ54は案内棒53に案内されながらプラテンローラ52に沿ってその長手方向に走査移動するようになっている。
【0028】
前記キャリッジ54には、図4に示したヘッドカートリッジ40が着脱操作レバー59を介して交換可能に位置決め状態で搭載され、インクジェットヘッド10の吐出口17がプラテンローラ52に巻き付けられた紙などのプリント媒体70と所定の間隙を以て対向する。また、ヘッドカートリッジ40の端子板42(図4参照)には、キャリッジ54に連結されたフレキシブルケーブル60を介して適宜のデータ供給源からのデータに応じたインクの吐出信号および駆動電力が供給される。そして、紙送りモータ51によるプリント媒体70の送り動作と、キャリッジ駆動モータ58によるキャリッジ54の走査移動とを交互に繰り返すことにより、プリント媒体70の所定箇所に所望のデータをプリントすることができる。
【0029】
本実施例では、使用するインクの色などに応じて1つ以上(図示例では2つ)のヘッドカートリッジ40をキャリッジ54に搭載することができるようになっている。
【0030】
なお、本発明は液体の吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光など)を具え、この熱エネルギーにより液体の状態変化を生起させるインクジェット方式の液体吐出ヘッドやヘッドカートリッジまたは画像形成装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば、プリントの高密度化および高精細化が達成できるからである。
【0031】
その代表的な構成や原理については、例えば米国特許第4723129号明細書や、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は、いわゆるオンデマンド型およびコンティニュアス型の何れにも適用可能であるが、特にオンデマンド型の場合には、液体が保持されているシートや流路に対応して配置される電気熱変換体に、プリント情報に対応した核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することにより熱エネルギーを発生させ、液体吐出ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせ、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長および収縮により、吐出口を介して液体を吐出させ、少なくとも1つの液滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書や、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。
【0032】
この場合、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れたプリントを行うことができる。
【0033】
液体吐出ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口と液路と電気熱変換体との組合せ構成(電気熱変換体が液路に沿って配置された直線状液路または電気熱変換体が液路を挟んで吐出口と正対する直角液路)の他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書や、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対し、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や、熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示した特開昭59−138461号公報に基いた構成としても、本発明の効果は有効である。すなわち、液体吐出ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によればプリントを確実に効率良く行うことができるようになるからである。
【0034】
画像形成装置がプリントできるプリント媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの液体吐出ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。このような液体吐出ヘッドとしては、複数の液体吐出ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の液体吐出ヘッドとしての構成の何れでもよい。
【0035】
上述した実施例の如きシリアルタイプのものでも、走査移動するキャリッジに対して一体的に固定された液体吐出ヘッドや、キャリッジに対して交換可能に装着されることでキャリッジとの電気的な接続や装置本体からの液体の供給が可能となる交換自在のチップインタイプのヘッドカートリッジ、あるいは液体吐出ヘッド自体に液体を貯溜したタンクが交換可能に設けられるヘッドカートリッジを用いた場合にも本発明は有効である。
【0036】
本発明の画像形成装置の構成として、液体吐出ヘッドからの液体の吐出状態を適正にするための回復手段や、予備的な補助手段などを付加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、液体吐出ヘッドに対するキャッピング手段,クリーニング手段,加圧あるいは吸引手段,電気熱変換体やこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段,プリント作業とは別に吐出を行う予備吐出手段を挙げることができる。
【0037】
搭載される液体吐出ヘッドの種類や個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたものの他、プリント色や濃度(明度)を異にする複数種のインクに対応して複数個設けられるものであってもよい。すなわち、例えば画像形成装置のプリントモードとしては黒色などの主流色のみのプリントモードだけではなく、液体吐出ヘッドを一体的に構成するか、複数個の組み合わせによるか何れでもよいが、異なる色の複色カラーまたは混色によるフルカラーの各プリントモードの少なくとも一つを備えた画像形成装置にも本発明は極めて有効である。この場合、プリント媒体の種類やプリントモードに応じてインクのプリント性を調整するための処理液(プリント性向上液)を専用あるいは共通の液体吐出ヘッドからプリント媒体に吐出することも有効である。
【0038】
以上説明した本発明の実施例においては、室温やそれ以下で固化し、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式では液体自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行って液体の粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用プリント信号付与時に液状をなすものを用いてもよい。加えて、熱エネルギーによる昇温を、固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用させることで積極的に防止するため、または液体の蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するものを用いてもよい。何れにしても熱エネルギーのプリント信号に応じた付与によって液化し、液体が吐出されるものや、プリント媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるものなどのような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のものを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合の液体は、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シートの凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各液体に対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0039】
本発明にかかる画像形成装置の形態としては、コンピュータなどの情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダなどと組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置や捺染装置、あるいはエッチング装置の形態を採るものなどであっても良く、プリント媒体としては、シート状あるいは長尺の紙や布帛、あるいは板状をなす木材や皮革,石材,樹脂,ガラス,金属などの他に、3次元立体構造物などを挙げることができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によると、エネルギー発生部の作動を切り換える駆動部が設けられたTABの一端面側をエネルギー発生部の一方側に接続する一方、エネルギー発生部の他方側に接続する共通電極板をTABの他端面側に取り付けるようにしたので、TABに対してエネルギー発生部の一方側にのみ電気的に接続させることが可能となり、TABとエネルギー発生部の一方側との接触面積を増大させて信頼性の向上を図ることができる。また、共通電極板を用いて電力をエネルギー発生部に供給することができるため、電圧降下の少ない液体吐出ヘッドとすることができる。
【0041】
駆動部と電源コネクタとの間に第2の共通電極板を介在させた場合、駆動部に対する供給電力に余裕を持たせることが可能となり、駆動部を安定して駆動させることができる。
【0042】
特に、信号コネクタ,電源コネクタおよび第2の共通電極板がそれぞれ取り付けられ、かつTABが接続されるプリント回路板を設けた場合には、このプリント回路板を4層構造から2層構造にすることが可能となり、その製造コストを削減することができる。
【0043】
共通電極板の表面を金で被覆した場合には、共通電極板の酸化を防止して電気抵抗値を経時的に安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体吐出ヘッドをインクジェットヘッドに応用した一実施例の主要部の外観を表す斜視図である。
【図2】図1に示したインクジェットヘッドの側面図である。
【図3】図1に示したインクジェットヘッドの配線パターンを模式的に表す平面図である。
【図4】本発明によるヘッドカートリッジの一実施例の外観を表す斜視図である。
【図5】本発明による画像形成装置をシリアルタイプのインクジェットプリンタに応用した一実施例の概略構成を表す破断斜視図である。
【図6】従来のインクジェットヘッドの外観を模式的に表す斜視図である。
【図7】図6に示したインクジェットヘッドの配線パターンを模式的に表す平面図である。
【符号の説明】
10 インクジェットヘッド
11 エネルギー発生部
12,13 リード線
14 ヒータボード
15 仕切り壁
16 溝付き部材
17 吐出口
18 液路
19 共通液室
20 信号用コネクタ
21 電力用コネクタ
22 プリント回路板
23 ベース板
24 ドライバIC
25 TAB
26 ボンディングワイヤ
27 共通電極板
28,29 ボンディングワイヤ
30 第2の共通電極板
31 ボンディングワイヤ
32 接続端子
40 ヘッドカートリッジ
41 液体タンク
42 端子板
43 蓋部材
50 インクジェット装置
51 紙送りモータ
52 プラテンローラ
53 案内棒
54 キャリッジ
55, 56 プーリ
57 走査ワイヤ
58 キャリッジ駆動モータ
59 着脱操作レバー
60 フレキシブルケーブル
70 プリント媒体

Claims (12)

  1. 複数の吐出口から液体をそれぞれ吐出させるために利用されるエネルギーをそれぞれ発生する複数のエネルギー発生部と、
    一端面側が前記エネルギー発生部の一方側に接続するTABと、
    該TABに設けられて前記エネルギー発生部の作動を切り換える駆動部と、
    該駆動部に接続する信号コネクタと、
    前記TABの他端面側に取り付けられて前記エネルギー発生部の他方側に接続する共通電極板と、
    該共通電極板と前記駆動部とに接続する電源コネクタと
    を具えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記駆動部に接続する第2の共通電極板をさらに具え、前記駆動部と前記電源コネクタとはこの第2の共通電極板を介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記信号コネクタ,前記電源コネクタおよび前記第2の共通電極板がそれぞれ取り付けられると共に前記TABが接続されるプリント回路板をさらに具えたことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記共通電極板は、ワイヤーボンディングにより接続されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記共通電極板の表面が金で被覆されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記エネルギー発生部は、液体に膜沸騰を生じさせて前記吐出口から液体を吐出させるための熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有することを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の液体吐出ヘッド。
  7. 複数の吐出口から液体をそれぞれ吐出させるために利用されるエネルギーをそれぞれ発生する複数のエネルギー発生部と、一端面側が前記エネルギー発生部の一方側に接続するTABと、該TABに設けられて前記エネルギー発生部の作動を切り換える駆動部と、該駆動部に接続する信号コネクタと、前記TABの他端面側に取り付けられて前記エネルギー発生部の他方側に接続する共通電極板と、該共通電極板および前記駆動部に接続する電源コネクタとを有する液体吐出ヘッドと、
    この液体吐出ヘッドに供給される液体を貯溜する液体タンクの収容部と
    を具えたことを特徴とするヘッドカートリッジ。
  8. 前記液体タンクは、前記収容部に対して着脱可能に装着されることを特徴とする請求項7に記載のヘッドカートリッジ。
  9. 液体は、インクおよび/またはプリント媒体に吐出されるこのインクのプリント性を調整する処理液であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のヘッドカートリッジ。
  10. 液体吐出ヘッドの取り付け部を具え、前記液体吐出ヘッドに形成された吐出口から液体を吐出してプリント媒体に画像を形成するための画像形成装置であって、
    前記液体吐出ヘッドは、複数の前記吐出口から液体をそれぞれ吐出させるために利用されるエネルギーをそれぞれ発生する複数のエネルギー発生部と、一端面側が前記エネルギー発生部の一方側に接続するTABと、該TABに設けられて前記エネルギー発生部の作動を切り換える駆動部と、該駆動部に接続する信号コネクタと、前記TABの他端面側に取り付けられて前記エネルギー発生部の他方側に接続する共通電極板と、該共通電極板および前記駆動部に接続する電源コネクタとを有することを特徴とする画像形成装置。
  11. 前記液体吐出ヘッドの前記取り付け部は、前記液体吐出ヘッドから液体が吐出されるプリント媒体の搬送方向と交差する方向に走査移動可能なキャリッジを含むことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記液体吐出ヘッドは、着脱手段を介して前記キャリッジに対して着脱自在に搭載されることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
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JP2012126028A (ja) * 2010-12-15 2012-07-05 Konica Minolta Holdings Inc インクジェットヘッドユニット

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