JP2004042059A - ろう付用材料、それを用いたろう付品およびその製造方法、ならびにろう付用熱交換チューブ、それを用いた熱交換器およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ろう材の使用量を少なくできるとともにろう付に付随する作業を簡略化できるろう付熱交換チューブ、このろう付用熱交換チューブを用いた熱交換器およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ろう付用熱交換チューブSは、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる熱交換チューブ3の表面に、Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔11が設けられたろう付用熱交換チューブであって、前記ろう材箔11と熱交換チューブ3とが、これらの相対する面において、規則的または不規則的に分布する線状接合部、点状接合部のうちの少なくとも一方の接合部20を介して部分的に接合されている。前記ろう材箔11と熱交換チューブ3とは、超音波接合、レーザー接合、接着剤のいずれかによって接合されている。
【選択図】 図3
【解決手段】ろう付用熱交換チューブSは、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる熱交換チューブ3の表面に、Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔11が設けられたろう付用熱交換チューブであって、前記ろう材箔11と熱交換チューブ3とが、これらの相対する面において、規則的または不規則的に分布する線状接合部、点状接合部のうちの少なくとも一方の接合部20を介して部分的に接合されている。前記ろう材箔11と熱交換チューブ3とは、超音波接合、レーザー接合、接着剤のいずれかによって接合されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ろう付用材料、このろう付用材料を用いたろう付品およびその製造方法、さらには、例えば自動車用、家庭用、業務用のエアコンにおける凝縮器、蒸発器の他、ラジエータ等として使用されるアルミニウムまたはアルミニウム合金製の熱交換器に用いられる熱交換チューブ、この熱交換チューブを用いた熱交換器、および熱交換器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カーエアコン用凝縮器等の熱交換器として、熱交換チューブとコルゲートフィンとが交互に積層配置された状態でろう付け一体化された熱交換器コア部を有するものが周知である。
【0003】
このような熱交換器の製造においては、外面に亜鉛を溶射したアルミニウムまたはアルミニウム合金製の熱交換チューブと、アルミニウムまたはアルミニウム合金心材の両面にろう材をクラッドしたブレージングシートからなるフィンとを用い、これら熱交換チューブとフィンとを交互に積層配置した状態にコア部組し、ろう付けにより接合一体化することが、一般に行われている。
【0004】
また、最近では、ろう材をクラッドしないベアフィンと熱交換チューブを用い、粉末状のろう材を樹脂接着剤等を用いて熱交換チューブを平坦面全面に塗布してろう付けする方法も提案されている。(例えば特開平7−88689号公報、特開平10−323792号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ブレージングシートからなるフィンを用いたものでは、接合部の面積が少ないにもかかわらず多量のろう材がクラッドされているため、ろう材を無駄に消費し、材料コストの増大および高重量化を来す恐れがある。
【0006】
また、粉末ろう材を用いたものにおいては、そのろう付け性が粉末粒子径の均一性、塗布の均一性に大きく影響されるため、実生産での制御に困難を来す恐れがある。しかも、粉末ろう材の供給部分には必然的に接着剤が供給されるため、ろう付工程で接着剤が分解してガスが発生し、炉を汚染したり、周囲への環境対策に多大な費用がかかるという問題がある。粉末ろう材の使用については、熱交換チューブの側面に供給しないことで接着剤の使用量を少なくすることが提案されている(例えば特開2000−274980号公報)が、粉末ろう材の供給部分全体に接着剤が供給されることに変わりなく、発生する分解ガスを激減するような大幅な解決に至っていない。
【0007】
このような欠点は、熱交換器だけでなく他のろう付品のろう付接合においても同様に生じるものであった。
【0008】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、ろう材の使用量を少なくできるとともにろう付に付随する作業を簡略化できるろう付用材料、このろう付用材料を用いたろう付品およびその製造方法を提供し、さらには、ろう付用熱交換チューブ、このろう付用熱交換チューブを用いた熱交換器、および熱交換器の製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、発明者は鋭意研究し、この発明を完成し得たものである。
【0010】
即ち、この発明の一つであるろう付用材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材の表面に、Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔が設けられたろう付用材料であって、前記ろう材箔と基材とが、これらの相対する面において、規則的または不規則的に分布する線状接合部、点状接合部のうちの少なくとも一方の接合部を介して部分的に接合されていることを基本要旨とする。
【0011】
この発明のろう付品は、請求項1〜12のいずれか1項に記載のろう付用材料と他の接合部材とが、前記ろう付用材料の表面のろう材箔を介してろう付されてなることを要旨とする。
【0012】
この発明のろう付品の製造方法は、Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔を、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材の表面に、これらの相対する面において、線状接合部、点状接合部のうちの少なくとも一方の接合部が規則的または不規則的に分布するように部分的に接合してろう付用材料を準備する工程と、前記ろう付用材料と他の接合部材とを組み合わせて加熱することにより、前記ろう材箔を介して前記ろう付用材料と他の接合部材をろう付接合する工程と、を含むことを基本要旨とする。
【0013】
この発明のろう付用熱交換チューブは、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる熱交換チューブの表面に、Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔が設けられたろう付用熱交換チューブであって、前記ろう材箔と熱交換チューブとが、これらの相対する面において、規則的または不規則的に分布する線状接合部、点状接合部のうちの少なくとも一方の接合部を介して部分的に接合されていることを基本要旨とする。
【0014】
この発明の熱交換器は、請求項21〜36のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブとフィンとが、前記ろう付用熱交換チューブの表面のろう材箔を介してろう付されてなることを要旨とする。
【0015】
また、この発明の熱交換器の製造方法は、熱交換チューブの表面にフィンが接合されたコア部を有する熱交換器の製造方法であって、Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔を、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる熱交換チューブの表面に、これらの相対する面において、線状接合部、点状接合部のうちの少なくとも一方の接合部が規則的または不規則的に分布するように部分的に接合してろう付用熱交換チューブを準備する工程と、前記ろう付用熱交換チューブとフィンとを組み合わせて加熱することにより、前記ろう材箔を介して前記熱交換チューブとフィンをろう付接合する工程と、を含むことをを基本要旨とする。この発明のろう付用材料の一例としては、自動車用、家庭用、業務用のエアコンにおける凝縮器、蒸発器の他、ラジエータ等として使用されるアルミニウムまたはアルミニウム合金製の熱交換器に用いられ、フィンとろう付される熱交換チューブを挙げることができる。以下の説明においては、「ろう付用材料またはろう付用熱交換チューブ」「基材または熱交換チューブ」「ろう付品または熱交換器」は、「ろう付用材料等」「基材等」「ろう付品等」と省略し、主としてろう付用材料がろう付用熱交換チューブであり、ろう付品が熱交換器である場合を例にとって説明するが、ろう付用材料、ろう付品の種類はこれに限定されるものではない。
この発明のろう付用材料等において、ろう材箔と基材等とは線状接合部または点状接合部を介して部分的に接合されている。ろう材は箔形状であるから、ろう材箔の全面ではなく部分的に接合されていれば基材等にろう材成分を付与することができ、ひいては、このろう付用材料等を用いてろう付品等を製造することが可能となる。
【0016】
前記ろう付用材料等において、ろう材箔と基材等との接合は、これらを部分的に接合し得る限り任意の方法によって行うことができる。
【0017】
具体的には、超音波接合またはレーザー接合を推奨できる。超音波接合は、高周波振動を与えて原子を拡散させて接合するものであるから、基材等への荷重負担が小さく、熱交換チューブのような中空材に対しても変形させることなく接合することができる。また、接合ツールの汚れが少ないため、清浄化、ツール交換といったメンテナンス処理も少なくて済む。一方、レーザー接合は、YAG等のレーザーを照射して発熱させて溶融溶接するものであるが、加熱は局部的であるから基材等を変形させることなく接合することができる。これらの接合方法は、いずれも短時間でろう材箔を接合することができ、部分接合に適している。また、接着剤を使用しないのであるから、ろう付時の加熱によって分解ガスは発生しない。
【0018】
また、接合は接着によっても行うことができる。部分接合であるから、接着剤の使用量はごく僅かであり、従来の粉末ろう材と接着剤の混合物を塗布する方法に比べると使用量は各段に少なく、発生する分解ガス量を激減させることができる。このため、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を激減させることができる。接着剤は、ホットメルト系、アクリル系、メタクリル系、EVA系、ゴム系の樹脂等各種接着剤を使用することができ、接着剤によって無論基材等の変形はない。接着剤の供給方法は、ノズルからの噴出塗布、スクリーン印刷による塗布等を例示できる。また、塗布面積は小さいから、塗布作業、ひいてはろう材箔の貼り合わせ作業も短時間で行うことができる。
【0019】
前記ろう材箔は、基材等の全表面に設けても、他の接合部材とのろう付予定部分にのみに設けてもよい。またろう材箔における接合位置や接合部の形状も任意に設定することができる。
【0020】
ここで、ろう材箔の接合位置および接合部の形状について、図1および図2に示す熱交換器を例に挙げて、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
前記熱交換器では、熱交換チューブ(3)の厚さ方向の両面にフィン(4)がろう付される。このため、ろう付用熱交換チューブとして熱交換チューブ(3)の上下の平坦部にろう材箔(11)が設けられたものが用いられている。
【0022】
図3(A)(B)に示したろう付用熱交換チューブ(S)において、熱交換チューブ(3)の平坦面に配置されたろう材箔(11)は、チューブ(3)の長さ方向に沿って、「△」または(20)(20)で示す2本の平行線上の位置で接合されている。前記接合位置(20)における接合部の形状は、例えば接合代(21)が連続する線状接合部(21)(図4(A))、円形の接合代(22)が所定間隔で配列された点状接合部(図4(B))を例示できる。
【0023】
この発明において、線状接合部とは接合代が連続するもの全てを含むものであって、直線、曲線、線の太さ、線の方向、線の数を問わない。また、線の数は1本でも複数でも良い。複数の線からなる線状接合部では、複数の線が平行や格子状等の規則的に分布するものであっても良いし、不規則的に分布するものであっても良い。例えば、図5(A)(B)に示す、熱交換チューブ(3)の幅方向に平行な複数の線(24)や複数の斜線(25)は、規則的に分布する線状接合部である。
【0024】
また、点状接合部とは接合代が断続するもの全てを含み、接合代の数、個々の接合代の形状、大きさを問わない。例えば、図4(C)に示すように、多数の長方形の接合代が一列に並んで点線(23)を呈しているものも点状接合部である。また、個々の接合代は規則的に分布していても良いし、不規則的に分布していても良い。規則的分布とは、例えば一列に配列して線状を呈するもの(図4(B)(C))や、複数列に配列して格子形を呈するものである。なお、接合代が1つの場合もこの発明に含まれる。
【0025】
さらには、上述した線状接合部と点状接合部とが混在していても良い。
【0026】
次に、前記ろう材箔を熱交換チューブの全外周面に設けたろう付用熱交換チューブ例を示す。
【0027】
図6(A)(B)は、1枚のろう材箔(12)で熱交換チューブ(3)の全外周面を巻くように覆い、ろう材箔(12)の両端部を平坦部上またはRのついた側面部上で突き合わせ、「△」で示す突き合わせ線に沿って接合する例を示している。この突き合わせ部の接合によれば、最小限のろう材箔で熱交換チューブの全外周面を覆うことができる。また、図6(C)は、2枚のろう材箔(13a)(13b)で熱交換チューブ(3)の上下の平坦部を覆って左右の側面部上で互いの端部を重ね合わせ、「△」で示す重ね合わせ部分で接合する例を示している。これらの全外周面にろう材箔を設ける場合は、図3〜5のろう付予定部分のみに設けるよりも接合箇所が少なくて済み、接合作業が簡単である。また、図6(C)の2枚のろう材箔(13a)(13b)による重ね合わせ接合では、ろう材箔の位置精度が多少低くても重ね合わせ部分で融通を利かせて熱交換チューブ(3)の全外周面を覆うことができるため、簡便な装置でろう材箔の接合作業を行うことができる。
【0028】
なお、上述した突き合わせ接合は1枚のろう材箔に限定されず、2枚以上の複数枚のろう材箔をそれぞれの突き合わせ部で接合しても良い。また同様に、重ね合わせ接合は2枚のろう材箔に限定されず、1枚のろう材箔の両端部を重ねても良いし、3枚以上のろう材箔を用いて隣接するろう材箔の端部同士を重ねても良い。
【0029】
またこの発明において、前記ろう材箔と基材等とが相対する面の総面積に対して接合部の占める割合は20%以下が好ましく、特に10%以下、さらには5%以下が好ましく、なおさらに1%以下が好ましい。ろう材箔の接合は他の接合部材とろう付接合するまでの仮止めであるから、それまでの組立や搬送の段階でろう材箔の脱落や破損を防止できれば良い。接合部の面積率が小さいほど短時間で接合できエネルギーコストも少なくて済むから、面積率は可及的に小さいことが好ましい。なお、この発明は面積率の下限値を定めるものではないが、上述した点で実用に適する面積率は0.2%以上である。
【0030】
この発明において、前記基材等はアルミニウムまたはアルミニウム合金のうちから任意の組成のもので構成する。また、ろう材箔はZn含有アルミニウム合金であり、基材等あるいはろう付の相手材の材質により適宜選定する。ろう付用材料等では、Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔を用いることによってろう付後の基材等の表面にZn拡散層が形成され、犠牲腐食層による防食効果を付与しうる防食設計となっている。防食設計にはZn犠牲腐食が効果的であって、特に熱交換チューブにおいて有意義に発揮され、耐食性に優れたチューブとなし得、ひいては耐食性に優れた熱交換器となし得る。
【0031】
Zn含有アルミニウム合金ろう材として、Si:4〜13質量%、Zn:0.6〜9質量%を含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金を推奨できる。
【0032】
前記アルミニウム合金において、Siは箔をろう材として機能させるものであるが、4質量%未満の含有量では液相率が少なく十分なろう付が得られにくくなる。一方、13質量%を超えると過共晶領域となり、Znの均一拡散が困難となる。好ましいSiの含有量は6〜11質量%であり、さらに好ましいSiの含有量は7〜10質量%である。
【0033】
Znは、上述したように、ろう付時の加熱により例えば熱交換器における熱交チューブの表面に拡散して犠牲防食のためのZn拡散層を形成し、ろう付後の耐食性を向上させる役割を果たす。しかし、Znが0.6質量%未満ではZnの絶対量が不足して十分な防食効果が得られず、9質量%を超えるとZnの拡散集中が生じやすくなり、接合相手材例えば熱交換チューブと接合されるフィンの剥がれの原因ともなり、Znの均一拡散が困難となる。好ましいZnの含有量は1〜7質量%であり、さらに好ましいZnの含有量は1.5〜6質量%である。
【0034】
Alはろう材箔の母材として含有されるものである。
【0035】
なお、アルミニウムまたはアルミニウム合金製熱交換チューブの材質は特に限定されることはなく、各種のアルミニウムまたはアルミニウム合金等を用いればよいが、主としてJIS A1000系合金が用いられることが多い。
【0036】
前記ろう材箔は、常法による箔の製造方法と同じ方法によって製造しうるが、その箔厚を1〜100μmとするのが望ましい。箔厚が1μm未満では、ろう材の組成にもよるが、ろう材量が少なすぎて十分なろう付を行うことができないおそれがある。一方、100μmを超えると、ろう材の組成にもよるが、ろう材量が多すぎてエロージョンを助長するおそれがありZnの均一拡散が困難となる。またコストアップにもなる。ろう材箔の特に好ましい厚みは5〜50μmであり、とりわけ10〜30μmが好ましい。
【0037】
ろう付用材料等を他の接合部材とろう付する際には、良好なろう付を達成するために、両部材を組み付け後に外部からフラックスを供給する場合がある。このとき、ろう材箔と他の接合部材との間には十分にフラックスが供給されるが、基材等とろう材箔との間でフラックス量が不足することがある。このフラックス不足の解消策として、ろう材箔に厚さ方向に貫通する貫通部を形成することが推奨される。貫通部を設けておけば、ろう材箔の外面側から供給されたフラックスが貫通部から基材等側に侵入し、基材等−ろう材箔間にも十分な量のフラックスを供給することができる。また、この発明のろう付用材料等では、基材等とろう材箔との間にフラックスを付与したものがあるが、この場合にも貫通部を設けておくことことが好ましい。基材等側のフラックスが貫通部を介して外面側に流出して他の接合部材との間に供給されるからである。このフラックスの流出量が十分であれば外面側からのフラックス供給を省略することもできる。従って、前記貫通部によってフラックスがろう材箔の内外に過不足なく行き渡らせることができる。
【0038】
前記貫通部の形状は限定されないが、図7(A)(B)に示すような、箔を切り込んだスリット(30)や、点状の小孔(31)を例示できる。貫通部の位置や数も任意に設定することができるし、異なる形状の貫通部が混在しても良い。これらのスリットまたは孔による貫通部によってフラックスの流通が円滑に行われる。
【0039】
前記フラックスは、ろう材箔、基材等、ろう付接合の相手材に応じて任意のものを用いることができる。例えば、上述したアルミニウム製の熱交換チューブであれば、フッ化物系フラックスを推奨できる。
次に、ろう付品の一例としての図1および図2に示すパラレルフロータイプの熱交換器の製造方法について説明する。
【0040】
図2において、(1)(2)はヘッダー、(3)はアルミニウムまたはアルミニウム合金製の熱交換チューブ、(4)はコルゲート状フィン、(5)は熱交換媒体の導入口、(6)は熱交換媒体の導出口、(8)および(9)はサイドプレート、(10)は熱交換器コア部である。
【0041】
まず、図2に示すように、厚さ方向の両面にろう材箔(11)が付与された熱交換チューブ(3)を複数本準備した後、これらの熱交換チューブ(3)の両端部を、ヘッダー(1)(2)の長さ方向に形成されたチューブ挿入孔に挿入し、次いでコルゲート状フィン(4)を各熱交換チューブ(3)(3)間に組み付けて熱交換器コア部(10)を有する熱交換器組立体を製作する。
【0042】
ついで、必要に応じてフラックスを供給したのち加熱する。この加熱により、熱交換チューブ(3)の表面のろう材箔(11)が溶融して、熱交換チューブ(3)とコルゲート状フィン(4)とが良好にろう付接合される。同時に、ろう材箔(11)中のZnが熱交換チューブ(3)の表層部に均一に拡散してZn拡散層が形成され、このZn拡散層により熱交換チューブ(3)自体の耐食性が向上し、ひいては熱交換器全体の耐食性が向上する。
【0043】
しかも、従来のように、フィン(4)としてろう材をクラッドしたブレージングシートを用いなくても良く、ろう材をクラッドしないベア材を用いることができるから、ろう付品の重量減、コストダウンの効果が得られる。
【0044】
また、上述したようにろう材箔と熱交換チューブの接合は部分接合であるから、接着剤を使用したとしてもその使用量は僅かであり、接着剤の分解ガスに起因する炉の汚染は激減し、分解ガス処理等の付随作業も簡単になる。
【0045】
ろう付条件は常法に従えば良いが、常圧下のろう付を推奨できる。真空ろう付ではろう材箔中のZnが蒸発するため、十分にZn犠牲腐食層が形成されず、優れた耐食性が得られない。
【0046】
【実施例】
熱交換チューブにろう材箔を付与した種々のろう付用熱交換チューブを製作するとともに、このろう付用熱交換チューブとフィンとをコア組みしてろう付し、ろう付品についてI〜IVの観点から評価した。
【0047】
以下の実施例、比較例および比較例において用いた熱交換チューブおよびフィンは、図2に示した形状の多孔管(3)およびコルゲート状フィン(4)である。前記熱交換チューブ(3)は、JIS A1100合金からなり、高さ3mm×幅20mm×長さ250mmである。また、フィン(4)はJIS A1100合金からなる。
I.ろう材の付与方法による分解ガスの発生およびろう付性の評価
〈実施例1〉
箔厚25μmのろう材箔(ろう材合金組成:Si含有量が8質量%、Zn含有量が3質量%、残部Alおよび不純物)を用いた。
【0048】
熱交換チューブの外周面に前記ろう材箔を接合するに際しては、以下の各項目の条件を表1に示すように組合せ、No.1〜15のろう付用熱交換チューブを製作した。
(ろう材箔の付与方法)
以下のA,B,Cから選択した。
【0049】
A:図3(A)(B)示すように、熱交換チューブ(3)の上下の平坦部にそれぞれろう材箔(11)(11)を配置し、ろう材箔(11)の幅方向の両端から数mmの位置でチューブの長さ方向に沿って接合した。即ち、2本の平行線(20)(20)上で接合した。
【0050】
B:図6(B)に示すように、1枚のろう材箔(12)で熱交換チューブ(3)の全外周面を覆い、箔(12)の両端部をチューブ(3)の側面部で突き合わせ、「△」で示す突き合わせ部をチューブの長さ方向に沿って接合した。
【0051】
C:図6(C)に示すように、2枚のろう材箔(13a)(13b)で熱交換チューブ(3)の上下の平坦部を覆って左右の側面部上で互いの端部を重ね合わせ、「△」で示す重ね合わせ部分をチューブの長さ方向に沿って接合した
(接合方法)
以下の3つの方法から選択した。
【0052】
超音波接合:40kHzの周波数で幅3mmの円盤状のローラー型のツールを用い、3m/minの接合速度で接合した。
【0053】
レーザー接合:50W型のパルス式のYAGレーザを用い、接合時間0.5msで照射した。
【0054】
接着剤:ホットメルト系接着剤を用い、線状(または点状)に塗布できるようなノズルを用いて20μmの厚みで塗布した。
(接合形状)
上記接合位置において、線状接合部または点状接合部を介して接合した。
【0055】
線状接合部:接合代を1mm幅とし、図4(A)に示す直線となるようにした。
【0056】
点状接合部::接合代をφ1mmの丸点とし、図4(B)に示すようにこの丸点を2mmまたは5mmの間隔で連続させた。
(ろう材箔の貫通部)
貫通部を設ける場合は、スリットまた小孔とした。
【0057】
スリット:図7(A)に示すように、ろう材箔(11)を切り込んでスリット(30)を形成するものとし、このスリット(30)をろう材箔の幅方向に5mm間隔(D1)で形成した。
【0058】
小孔:図7(B)に示すように、φ2mmの小孔(31)を5mm×5mm間隔(D2)の格子目状に形成した。
(フラックスの供給)
フラックスを供給する場合は、事前またはコア組後、あるいは両方で供給した。
【0059】
事前:ろう材箔の接合前に、熱交換チューブ表面にKAlF系フラックスをスプレー塗布により5〜10g/m2の割合で供給した。
【0060】
コア組後:熱交換チューブとフィンとをコア組した後に、同じくKAlF系フラックスをスプレー塗布により5〜10g/m2の割合で供給した。
【0061】
実施例1の各サンプルについて、ろう材箔の付与方法と接合形状の組合せによる接合部の面積率を表1に示す。
〈比較例1〉
実施例1と同じ熱交換チューブに対し、前記ろう材箔また同一組成の粉末ろう材をホットメルト系接着剤にて付与し、ろう付用熱交換チューブを製作した。また、ろう材の付与位置は、いずれも〈実施例1〉の(ろう材箔の付与方法)のAに準じ、熱交換チューブ(3)の上下の平坦部に配置するものとした(図3(A)(B)参照)
No.16は、接着剤とろう合金粉末(ろう合金組成:Si含有量8質量%、Zn含有量3質量%、残部Alおよび不純物)とを重量比1:1で混合し、熱交換チューブに塗布した。
【0062】
No.17は、接着剤と前記ろう合金粉末とKAlF系フラックスとを重量比1:1:1で混合し、熱交換チューブに塗布した。
【0063】
No.18は、〈実施例1〉で用いたと同じろう材箔を、接着剤の全面塗布により接合した。
【0064】
即ち、No.16〜18は、ろう材の全面に接着剤が付与されている。
【0065】
コア組後のフラックス供給は、実施例1と同じ方法とした。
【0066】
実施例1および比較例1の核サンプルにおける接合部の面積率を表1に示す。
【0067】
如上の方法で製作したろう付用熱交換チューブを、フィンと層状に組み合わせて、常圧、不活性雰囲気下で600℃×5minの加熱を行った。
〈評価方法1〉
実施例1と比較例1についてろう付時の分解ガス発生量とろう付性を評価した。
【0068】
分解ガス発生量の評価は、ろう付時に発生する分解ガス量をTG−GC/MS法により測定した。測定条件としては、30ml/minのAr流中で試料を600℃まで加熱し、発生する気体をトラップして分析した。分解ガスとして脂肪族系炭化水素の発生量(%)を測定した。そして、分解ガス量が1%以下のときを◎、1%以上15%以下のときを○、15%以上30%以下のときを△、30%以上のときを×とした。
【0069】
ろう付性は、作製したサンプルにおいてフィンの接合率が90%以上のものを◎、90%未満80%以上のものを○、80%未満のものを×とした。
【0070】
そして、ガス発生量、ろう付性ともに優れている物を○、ガス発生量、ろう付性のうち少なくともいずれかが劣るものを×で総合的に評価した。
【0071】
これらの結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
II.ろう材箔組成による耐食性およびろう付性の評価
〈実施例2、参考例2〉
表2に示す組成のNo.19〜69のろう材箔(箔厚25μm)を用意した。実施例2のNo.19〜55のろう材箔は、Si含有量4質量%、6質量%、7質量%、8質量%、10質量%、11質量%、13質量%に対してZn含有量を変化させた組成となされている。また参考例2のNo.56〜69のろう材箔は、Zn含有量がこの発明の範囲を逸脱する組成となされている。なお、これらのろう材箔において、SiおよびZnを除く残部はAlおよび不純物である。
【0074】
そして、熱交換チューブの外周面に以下の条件でろう材箔を接合してろう付用熱交換チューブを製作した。各項目の条件は実施例1と同じである。また、接合部の面積率は3%である。
(ろう材箔の付与方法)
B(図6(B)参照)
(接合方法)
超音波接合において、40kHzの周波数で幅3mmの円盤状のローラー型のツールを用い、3m/minの接合速度で超音波接合した。
(接合形状)
線状接合部(図4(A)参照)
(フラックスの供給)
コア組後
如上の方法で製作したろう付用熱交換チューブを、フィンと層状に組み合わせて、常圧下、不活性雰囲気下で600℃×5minの加熱を行った。
〈評価方法2〉
実施例2と参考例2について腐食試験におけるフィン部の腐食とチューブ表面の腐食形態を評価した。
【0075】
腐食試験としてはCASS試験1000時間を行った。フィン部の腐食は、作製したサンプルのフィン剥がれ率が30%以上のものを×とし、30%未満のものを○とした。腐食形態では、作製したサンプルのチューブ表面の腐食形態が孔食と面腐食のどちらであるか調べた。そして、フィン剥がれ率、腐食形態ともに極めて優れているものを◎、優れている物を○、フィン剥がれ率、腐食形態のうち少なくともいずれかが劣るものを×で評価した。
【0076】
これらの結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
III.ろう材箔組成によるZn拡散深さの評価
〈実施例3、参考例3〉
表3に示す組成のNo.70〜120のろう材箔(箔厚25μm)を用意した。実施例3のNo.70〜106のろう材箔は、Zn含有量0.6質量%、1質量%、1.5質量%、3質量%、6質量%、7質量%、9質量%に対してSi含有量を変化させた組成となされている。また参考例3のNo.107〜120のろう材箔はSi含有量がこの発明の範囲を逸脱する組成となされている。なお、これらのろう材箔において、SiおよびZnを除く残部はAlおよび不純物である。
【0079】
そして、熱交換チューブの外周面に以下の条件でろう材箔を接合してろう付用熱交換チューブを製作した。各項目の詳細は実施例1と同じである。また、接合部の面積率は2.8%である。
(ろう材箔の付与方法)
A(図3(A)(B)参照)
(接合方法)
レーザー接合において、50W型のパルス式のYAGレーザを用い、接合時間0.5msで照射した。
(接合形状)
5mm間隔の点状接合部(図4(B)参照)
(フラックスの供給)
事前およびコア組後の両方
如上の方法で製作したろう付用熱交換チューブを、フィンと層状に組み合わせて、常圧、不活性雰囲気下で600℃×5minの加熱を行った。
〈評価方法3〉
実施例3と参考例3について拡散深さとろう付性を評価した。
【0080】
拡散深さについては、作製したサンプルにおいてチューブ表面位置からのZn拡散距離を各10点測定し、平均拡散深さ、最大拡散深さを測定した。
【0081】
ろう付性は、作製したサンプルにおいてフィンの接合率が90%以上のものを◎、90%未満80%以上のものを○、80%未満のものを×とした。
【0082】
そして、均一拡散性、ろう付性ともに極めて優れているものを◎、優れている物を○、均一拡散性、ろう付性のうち少なくともいずれかが劣るものを×で総合的に評価した。
【0083】
これらの結果を表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
IV.ろう材箔厚によるZn拡散深さの評価
〈実施例4〉 同一組成(ろう材合金組成:Si含有量8質量%、Zn含有量3質量%、残部Alおよび不純物)で、箔厚が1、5、10、20、25、30、50、100μmのNo.121〜128のろう材箔を接合した。
【0086】
そして、熱交換チューブの外周面に以下の条件でろう材箔を接合してろう付用熱交換チューブを製作した。各項目の詳細は実施例1と同じである。また、接合部の面積率は2.8%である。
(ろう材箔の付与方法)
A(図3(A)(B)参照)
(接合方法)
レーザー接合において、50W型のパルス式のYAGレーザを用い、接合時間0.5msで照射した。
(接合形状)
5mm間隔の点状接合部(図4(B)参照)
(フラックスの供給)
事前
如上の方法で製作したろう付用熱交換チューブを、フィンと層状に組み合わせて、常圧、不活性雰囲気下で600℃×5minの加熱を行った。
〈評価方法4〉
実施例4について拡散深さを評価した。
【0087】
拡散深さは、作製したサンプルにおいてチューブ表面位置からのZn拡散距離を各10点測定し、平均拡散深さ、最大拡散深さを測定し、均一かつ良好に拡散しているものを○、そうでないものを×とした。
【0088】
これらの結果を表4に示す。
【0089】
【表4】
【0090】
表1〜4の結果からわかるように、本発明実施品はろう付性が良好で、Znが均一に拡散することによってろう付後の耐食性にも優れていることがわかる。また、ろう材箔付与に接着剤を用いないか、あるいは部分接合によって接着剤の使用量を大幅に減らすことができたため、分解ガスの発生を無くすか、あるいはろう材の付与面の全面で接着剤を用いた比較例1のNo.16〜18と比較して発生量を激減させることができた。
【0091】
また、ろう付および耐食性がともに良好であった本発明実施品に対し、Zn含有量が本発明範囲の下限値を下回る参考例2のNo.56、58、60、62、64、66、68は、腐食形態が孔食を示し、耐食性に問題があり、Zn含有量が本発明範囲の上限値を上回る参考例2のNo.57、59、61、63、65、67、69は、フィン剥がれが発生した。これはZnの拡散集中によるものと考えられる。
【0092】
また、Si含有量が本発明範囲の下限値を下回る参考例3のNo.107、109、111、113、115、117、119は、ろう付性に問題があり、Si含有量が本発明範囲の上限値を上回る参考例2のNo.108、110、112、114、116、118、120は、Znの拡散均一性が劣るものであった。
【0093】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、良好で安定したろう付性を発揮できるとともに、ろう材をクラッドしたブレージングシートを用いなくても良いから、ろう材の使用量を少なくでき、ろう付品の重量減、コストダウンの効果を得ることができる。しかも、部分的な接合であるから接合作業は短時間で済む。また、ろう材箔中のZnがろう付用材料の表面に拡散する結果、耐食性にも優れたものとなし得る。
【0094】
請求項2、3に係る発明によれば、基材を変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。しかも、ろう付時に分解ガスが生じず、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を無くすことができる。
【0095】
請求項4に係る発明によれば、基材を変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。また、接着剤の使用量が僅かであるため、発生する分解ガスは激減し、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を激減させることができる。
【0096】
請求項5に係る発明によれば、最小限のろう材箔で基材の全外周面を覆うことができ、しかも接合箇所は少ないから短時間で接合できる。
【0097】
請求項6に係る発明によれば、基材上に配置されるろう材箔の位置精度が低くても良いため、簡便な装置でろう材箔を接合することができる。
【0098】
請求項7に係る発明によれば、ろう材箔の接合作業を簡略しつつも、必要にして十分な接合が達成される。
【0099】
請求項8に係る発明によれば、良好なろう付性、耐食性を発揮させうるろう付用材料となし得る。
【0100】
請求項9に係る発明によれば、ろう材量が少なすぎて十分なろう付を行うことができないとか、ろう材量が多すぎてエロージョンを助長することもなく、良好なろう付を行うことができる。また、Zn含有アルミニウム合金ろう材の場合には、Znを均一拡散させることができるろう付用材料となし得る。
【0101】
請求項10に係る発明によれば、貫通部を介して、外部から供給したフラックスが基材側に侵入し、あるいは基材に付与したフラックスが外側に流出して、ろう材箔の内外にフラックスを過不足なく行き渡らせることができ、良好なろう付を達成することができる。
【0102】
請求項11に係る発明によれば、ろう材箔内外のフラックスの流通が円滑に行われる。
【0103】
請求項12に係る発明によれば、基材とろう材箔との接合界面に確実にフラックスが供給され、良好なろう付が達成される。
【0104】
請求項13に係る発明によれば、ろう付用材料と他の接合部材とが、ろう材の使用量を少なくして良好に接合された、耐食性に優れたたろう付品となし得る。
【0105】
請求項14に係る発明によれば、ろう付用材料と他の接合部材とが、ろう材の使用量を少なくして良好に接合された、耐食性に優れたろう付品を製造できる。
【0106】
請求項15、16に係る発明によれば、基材を変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。しかも、ろう付時に分解ガスが生じず、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を無くすことができる。
【0107】
請求項17に係る発明によれば、基材を変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。また、接着剤の使用量が僅かであるため、発生する分解ガスを激減させて、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を激減させることができる。
【0108】
請求項18に係る発明によれば、ろう材箔の接合作業を簡略しつつも、必要にして十分な接合を達成できる。
【0109】
請求項19に係る発明によれば、ろう付性、耐食性の優れたろう付品を製造できる。
【0110】
請求項20に係る発明によれば、、Zn犠牲腐食層を効果的に形成できる。
【0111】
請求項21に係る発明によれば、良好で安定したろう付性を発揮できるとともに、ろう材をクラッドしたブレージングシートを用いなくても良いから、ろう材の使用量を少なくでき、熱交換器の重量減、コストダウンの効果を得ることができる。しかも、部分的な接合であるから接合作業は短時間で済む。また、ろう材箔中のZnがろう付用熱交換チューブの表面に拡散する結果、耐食性にも優れたものとなし得る。
【0112】
請求項22、23に係る発明によれば、熱交換チューブを変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。しかも、ろう付時に分解ガスが生じず、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を無くすことができる。
【0113】
請求項24に係る発明によれば、熱交換チューブを変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。また、接着剤の使用量が僅かであるため、発生する分解ガスは激減し、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を激減させることができる。
【0114】
請求項25に係る発明によれば、最小限のろう材箔で熱交換チューブの全外周面を覆うことができ、しかも接合箇所は少ないから短時間で接合できる。
【0115】
請求項26に係る発明によれば、熱交換チューブ上に配置されるろう材箔の位置精度が低くても良いため、簡便な装置でろう材箔を接合することができる。
【0116】
請求項27に係る発明によれば、ろう材箔の接合作業を簡略しつつも、必要にして十分な接合が達成される。
【0117】
請求項28に係る発明によれば、良好なろう付性、耐食性を発揮させうるろう付用熱交換チューブとなし得る。
【0118】
請求項29に係る発明によれば、さらに良好なろう付性、耐食性を発揮させうるろう付用熱交換チューブとなし得る。
【0119】
請求項30に係る発明によれば、なお一層良好なろう付性、耐食性を発揮させうるろう付用熱交換チューブとなし得る。
【0120】
請求項31に係る発明によれば、ろう材量が少なすぎて十分なろう付を行うことができないとか、ろう材量が多すぎてエロージョンを助長することもなく、良好なろう付を行うことができる。また、Znを均一拡散させることができるろう付用熱交換チューブとなし得る。
【0121】
請求項32に係る発明によれば、さらにろう材量の過不足がなく良好なろう付とZnの均一拡散を行うことができる。
【0122】
請求項33に係る発明によれば、なお一層ろう材量の過不足がなく良好なろう付とZnの均一拡散を行うことができる。
【0123】
請求項34に係る発明によれば、外部から供給したフラックスが熱交換チューブ側に侵入し、あるいは熱交換チューブに付与したフラックスが外側に流出して、ろう材箔の内外にフラックスを過不足なく行き渡らせることができ、良好なろう付を達成することができる。
【0124】
請求項35に係る発明によれば、ろう材箔内外のフラックスの流通が円滑に行われる。
【0125】
請求項36に係る発明によれば、熱交換チューブとろう材箔との接合界面に確実にフラックスが供給され、良好なろう付が達成される。
【0126】
請求項37に係る発明によれば、ろう付用熱交換チューブと他のフィンとが、ろう材の使用量を少なくして良好に接合された、耐食性に優れた熱交換器となし得る。
【0127】
請求項38に係る発明によれば、ろう付用熱交換チューブとフィンとが、ろう材の使用量を少なくして良好に接合された、耐食性に優れた熱交換器を製造できる。
【0128】
請求項39、40に係る発明によれば、熱交換チューブを変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。しかも、ろう付時に分解ガスが生じず、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を無くすことができる。
【0129】
請求項41に係る発明によれば、熱交換チューブを変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。また、接着剤の使用量が僅かであるため、発生する分解ガスが激減し、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を激減させることができる。
【0130】
請求項42に係る発明によれば、ろう材箔の接合作業を簡略しつつも、必要にして十分な接合を達成できる。
【0131】
請求項43に係る発明によれば、ろう付性、耐食性の優れた熱交換器を製造できる。
【0132】
請求項44に係る発明によれば、Zn犠牲腐食層が効果的に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る熱交換器の正面図である。
【図2】同じく熱交換器のコア部の要部を示す斜視図である。
【図3】(A)はこの発明の一実施形態に係るろう付用熱交換チューブにおいて接合位置を示す断面図であり、(B)は同じく平面図である。
【図4】(A)(B)(C)は、図3の円内拡大図である。
【図5】(A)(B)は、ろう付用熱交換チューブにおいて接合位置の他の例を示す平面図である。
【図6】(A)(B)(C)は、熱交換チューブのおけるろう材箔の配置および接合位置の他の例を示す断面図である。
【図7】(A)(B)は、ろう材箔における貫通部の形状を模式的に示す図である。
【符号の説明】
S…ろう付用熱交換チューブ(ろう付用材料)
3…熱交換チューブ(基材)
4…フィン
10…コア部
11,12,13a,13b…ろう材箔
21…接合代(線状接合部)
22,23…接合代(点状接合部)
30…スリット(貫通部)
31…小孔(貫通部)
【発明の属する技術分野】
この発明は、ろう付用材料、このろう付用材料を用いたろう付品およびその製造方法、さらには、例えば自動車用、家庭用、業務用のエアコンにおける凝縮器、蒸発器の他、ラジエータ等として使用されるアルミニウムまたはアルミニウム合金製の熱交換器に用いられる熱交換チューブ、この熱交換チューブを用いた熱交換器、および熱交換器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カーエアコン用凝縮器等の熱交換器として、熱交換チューブとコルゲートフィンとが交互に積層配置された状態でろう付け一体化された熱交換器コア部を有するものが周知である。
【0003】
このような熱交換器の製造においては、外面に亜鉛を溶射したアルミニウムまたはアルミニウム合金製の熱交換チューブと、アルミニウムまたはアルミニウム合金心材の両面にろう材をクラッドしたブレージングシートからなるフィンとを用い、これら熱交換チューブとフィンとを交互に積層配置した状態にコア部組し、ろう付けにより接合一体化することが、一般に行われている。
【0004】
また、最近では、ろう材をクラッドしないベアフィンと熱交換チューブを用い、粉末状のろう材を樹脂接着剤等を用いて熱交換チューブを平坦面全面に塗布してろう付けする方法も提案されている。(例えば特開平7−88689号公報、特開平10−323792号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ブレージングシートからなるフィンを用いたものでは、接合部の面積が少ないにもかかわらず多量のろう材がクラッドされているため、ろう材を無駄に消費し、材料コストの増大および高重量化を来す恐れがある。
【0006】
また、粉末ろう材を用いたものにおいては、そのろう付け性が粉末粒子径の均一性、塗布の均一性に大きく影響されるため、実生産での制御に困難を来す恐れがある。しかも、粉末ろう材の供給部分には必然的に接着剤が供給されるため、ろう付工程で接着剤が分解してガスが発生し、炉を汚染したり、周囲への環境対策に多大な費用がかかるという問題がある。粉末ろう材の使用については、熱交換チューブの側面に供給しないことで接着剤の使用量を少なくすることが提案されている(例えば特開2000−274980号公報)が、粉末ろう材の供給部分全体に接着剤が供給されることに変わりなく、発生する分解ガスを激減するような大幅な解決に至っていない。
【0007】
このような欠点は、熱交換器だけでなく他のろう付品のろう付接合においても同様に生じるものであった。
【0008】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、ろう材の使用量を少なくできるとともにろう付に付随する作業を簡略化できるろう付用材料、このろう付用材料を用いたろう付品およびその製造方法を提供し、さらには、ろう付用熱交換チューブ、このろう付用熱交換チューブを用いた熱交換器、および熱交換器の製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、発明者は鋭意研究し、この発明を完成し得たものである。
【0010】
即ち、この発明の一つであるろう付用材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材の表面に、Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔が設けられたろう付用材料であって、前記ろう材箔と基材とが、これらの相対する面において、規則的または不規則的に分布する線状接合部、点状接合部のうちの少なくとも一方の接合部を介して部分的に接合されていることを基本要旨とする。
【0011】
この発明のろう付品は、請求項1〜12のいずれか1項に記載のろう付用材料と他の接合部材とが、前記ろう付用材料の表面のろう材箔を介してろう付されてなることを要旨とする。
【0012】
この発明のろう付品の製造方法は、Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔を、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材の表面に、これらの相対する面において、線状接合部、点状接合部のうちの少なくとも一方の接合部が規則的または不規則的に分布するように部分的に接合してろう付用材料を準備する工程と、前記ろう付用材料と他の接合部材とを組み合わせて加熱することにより、前記ろう材箔を介して前記ろう付用材料と他の接合部材をろう付接合する工程と、を含むことを基本要旨とする。
【0013】
この発明のろう付用熱交換チューブは、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる熱交換チューブの表面に、Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔が設けられたろう付用熱交換チューブであって、前記ろう材箔と熱交換チューブとが、これらの相対する面において、規則的または不規則的に分布する線状接合部、点状接合部のうちの少なくとも一方の接合部を介して部分的に接合されていることを基本要旨とする。
【0014】
この発明の熱交換器は、請求項21〜36のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブとフィンとが、前記ろう付用熱交換チューブの表面のろう材箔を介してろう付されてなることを要旨とする。
【0015】
また、この発明の熱交換器の製造方法は、熱交換チューブの表面にフィンが接合されたコア部を有する熱交換器の製造方法であって、Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔を、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる熱交換チューブの表面に、これらの相対する面において、線状接合部、点状接合部のうちの少なくとも一方の接合部が規則的または不規則的に分布するように部分的に接合してろう付用熱交換チューブを準備する工程と、前記ろう付用熱交換チューブとフィンとを組み合わせて加熱することにより、前記ろう材箔を介して前記熱交換チューブとフィンをろう付接合する工程と、を含むことをを基本要旨とする。この発明のろう付用材料の一例としては、自動車用、家庭用、業務用のエアコンにおける凝縮器、蒸発器の他、ラジエータ等として使用されるアルミニウムまたはアルミニウム合金製の熱交換器に用いられ、フィンとろう付される熱交換チューブを挙げることができる。以下の説明においては、「ろう付用材料またはろう付用熱交換チューブ」「基材または熱交換チューブ」「ろう付品または熱交換器」は、「ろう付用材料等」「基材等」「ろう付品等」と省略し、主としてろう付用材料がろう付用熱交換チューブであり、ろう付品が熱交換器である場合を例にとって説明するが、ろう付用材料、ろう付品の種類はこれに限定されるものではない。
この発明のろう付用材料等において、ろう材箔と基材等とは線状接合部または点状接合部を介して部分的に接合されている。ろう材は箔形状であるから、ろう材箔の全面ではなく部分的に接合されていれば基材等にろう材成分を付与することができ、ひいては、このろう付用材料等を用いてろう付品等を製造することが可能となる。
【0016】
前記ろう付用材料等において、ろう材箔と基材等との接合は、これらを部分的に接合し得る限り任意の方法によって行うことができる。
【0017】
具体的には、超音波接合またはレーザー接合を推奨できる。超音波接合は、高周波振動を与えて原子を拡散させて接合するものであるから、基材等への荷重負担が小さく、熱交換チューブのような中空材に対しても変形させることなく接合することができる。また、接合ツールの汚れが少ないため、清浄化、ツール交換といったメンテナンス処理も少なくて済む。一方、レーザー接合は、YAG等のレーザーを照射して発熱させて溶融溶接するものであるが、加熱は局部的であるから基材等を変形させることなく接合することができる。これらの接合方法は、いずれも短時間でろう材箔を接合することができ、部分接合に適している。また、接着剤を使用しないのであるから、ろう付時の加熱によって分解ガスは発生しない。
【0018】
また、接合は接着によっても行うことができる。部分接合であるから、接着剤の使用量はごく僅かであり、従来の粉末ろう材と接着剤の混合物を塗布する方法に比べると使用量は各段に少なく、発生する分解ガス量を激減させることができる。このため、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を激減させることができる。接着剤は、ホットメルト系、アクリル系、メタクリル系、EVA系、ゴム系の樹脂等各種接着剤を使用することができ、接着剤によって無論基材等の変形はない。接着剤の供給方法は、ノズルからの噴出塗布、スクリーン印刷による塗布等を例示できる。また、塗布面積は小さいから、塗布作業、ひいてはろう材箔の貼り合わせ作業も短時間で行うことができる。
【0019】
前記ろう材箔は、基材等の全表面に設けても、他の接合部材とのろう付予定部分にのみに設けてもよい。またろう材箔における接合位置や接合部の形状も任意に設定することができる。
【0020】
ここで、ろう材箔の接合位置および接合部の形状について、図1および図2に示す熱交換器を例に挙げて、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
前記熱交換器では、熱交換チューブ(3)の厚さ方向の両面にフィン(4)がろう付される。このため、ろう付用熱交換チューブとして熱交換チューブ(3)の上下の平坦部にろう材箔(11)が設けられたものが用いられている。
【0022】
図3(A)(B)に示したろう付用熱交換チューブ(S)において、熱交換チューブ(3)の平坦面に配置されたろう材箔(11)は、チューブ(3)の長さ方向に沿って、「△」または(20)(20)で示す2本の平行線上の位置で接合されている。前記接合位置(20)における接合部の形状は、例えば接合代(21)が連続する線状接合部(21)(図4(A))、円形の接合代(22)が所定間隔で配列された点状接合部(図4(B))を例示できる。
【0023】
この発明において、線状接合部とは接合代が連続するもの全てを含むものであって、直線、曲線、線の太さ、線の方向、線の数を問わない。また、線の数は1本でも複数でも良い。複数の線からなる線状接合部では、複数の線が平行や格子状等の規則的に分布するものであっても良いし、不規則的に分布するものであっても良い。例えば、図5(A)(B)に示す、熱交換チューブ(3)の幅方向に平行な複数の線(24)や複数の斜線(25)は、規則的に分布する線状接合部である。
【0024】
また、点状接合部とは接合代が断続するもの全てを含み、接合代の数、個々の接合代の形状、大きさを問わない。例えば、図4(C)に示すように、多数の長方形の接合代が一列に並んで点線(23)を呈しているものも点状接合部である。また、個々の接合代は規則的に分布していても良いし、不規則的に分布していても良い。規則的分布とは、例えば一列に配列して線状を呈するもの(図4(B)(C))や、複数列に配列して格子形を呈するものである。なお、接合代が1つの場合もこの発明に含まれる。
【0025】
さらには、上述した線状接合部と点状接合部とが混在していても良い。
【0026】
次に、前記ろう材箔を熱交換チューブの全外周面に設けたろう付用熱交換チューブ例を示す。
【0027】
図6(A)(B)は、1枚のろう材箔(12)で熱交換チューブ(3)の全外周面を巻くように覆い、ろう材箔(12)の両端部を平坦部上またはRのついた側面部上で突き合わせ、「△」で示す突き合わせ線に沿って接合する例を示している。この突き合わせ部の接合によれば、最小限のろう材箔で熱交換チューブの全外周面を覆うことができる。また、図6(C)は、2枚のろう材箔(13a)(13b)で熱交換チューブ(3)の上下の平坦部を覆って左右の側面部上で互いの端部を重ね合わせ、「△」で示す重ね合わせ部分で接合する例を示している。これらの全外周面にろう材箔を設ける場合は、図3〜5のろう付予定部分のみに設けるよりも接合箇所が少なくて済み、接合作業が簡単である。また、図6(C)の2枚のろう材箔(13a)(13b)による重ね合わせ接合では、ろう材箔の位置精度が多少低くても重ね合わせ部分で融通を利かせて熱交換チューブ(3)の全外周面を覆うことができるため、簡便な装置でろう材箔の接合作業を行うことができる。
【0028】
なお、上述した突き合わせ接合は1枚のろう材箔に限定されず、2枚以上の複数枚のろう材箔をそれぞれの突き合わせ部で接合しても良い。また同様に、重ね合わせ接合は2枚のろう材箔に限定されず、1枚のろう材箔の両端部を重ねても良いし、3枚以上のろう材箔を用いて隣接するろう材箔の端部同士を重ねても良い。
【0029】
またこの発明において、前記ろう材箔と基材等とが相対する面の総面積に対して接合部の占める割合は20%以下が好ましく、特に10%以下、さらには5%以下が好ましく、なおさらに1%以下が好ましい。ろう材箔の接合は他の接合部材とろう付接合するまでの仮止めであるから、それまでの組立や搬送の段階でろう材箔の脱落や破損を防止できれば良い。接合部の面積率が小さいほど短時間で接合できエネルギーコストも少なくて済むから、面積率は可及的に小さいことが好ましい。なお、この発明は面積率の下限値を定めるものではないが、上述した点で実用に適する面積率は0.2%以上である。
【0030】
この発明において、前記基材等はアルミニウムまたはアルミニウム合金のうちから任意の組成のもので構成する。また、ろう材箔はZn含有アルミニウム合金であり、基材等あるいはろう付の相手材の材質により適宜選定する。ろう付用材料等では、Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔を用いることによってろう付後の基材等の表面にZn拡散層が形成され、犠牲腐食層による防食効果を付与しうる防食設計となっている。防食設計にはZn犠牲腐食が効果的であって、特に熱交換チューブにおいて有意義に発揮され、耐食性に優れたチューブとなし得、ひいては耐食性に優れた熱交換器となし得る。
【0031】
Zn含有アルミニウム合金ろう材として、Si:4〜13質量%、Zn:0.6〜9質量%を含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金を推奨できる。
【0032】
前記アルミニウム合金において、Siは箔をろう材として機能させるものであるが、4質量%未満の含有量では液相率が少なく十分なろう付が得られにくくなる。一方、13質量%を超えると過共晶領域となり、Znの均一拡散が困難となる。好ましいSiの含有量は6〜11質量%であり、さらに好ましいSiの含有量は7〜10質量%である。
【0033】
Znは、上述したように、ろう付時の加熱により例えば熱交換器における熱交チューブの表面に拡散して犠牲防食のためのZn拡散層を形成し、ろう付後の耐食性を向上させる役割を果たす。しかし、Znが0.6質量%未満ではZnの絶対量が不足して十分な防食効果が得られず、9質量%を超えるとZnの拡散集中が生じやすくなり、接合相手材例えば熱交換チューブと接合されるフィンの剥がれの原因ともなり、Znの均一拡散が困難となる。好ましいZnの含有量は1〜7質量%であり、さらに好ましいZnの含有量は1.5〜6質量%である。
【0034】
Alはろう材箔の母材として含有されるものである。
【0035】
なお、アルミニウムまたはアルミニウム合金製熱交換チューブの材質は特に限定されることはなく、各種のアルミニウムまたはアルミニウム合金等を用いればよいが、主としてJIS A1000系合金が用いられることが多い。
【0036】
前記ろう材箔は、常法による箔の製造方法と同じ方法によって製造しうるが、その箔厚を1〜100μmとするのが望ましい。箔厚が1μm未満では、ろう材の組成にもよるが、ろう材量が少なすぎて十分なろう付を行うことができないおそれがある。一方、100μmを超えると、ろう材の組成にもよるが、ろう材量が多すぎてエロージョンを助長するおそれがありZnの均一拡散が困難となる。またコストアップにもなる。ろう材箔の特に好ましい厚みは5〜50μmであり、とりわけ10〜30μmが好ましい。
【0037】
ろう付用材料等を他の接合部材とろう付する際には、良好なろう付を達成するために、両部材を組み付け後に外部からフラックスを供給する場合がある。このとき、ろう材箔と他の接合部材との間には十分にフラックスが供給されるが、基材等とろう材箔との間でフラックス量が不足することがある。このフラックス不足の解消策として、ろう材箔に厚さ方向に貫通する貫通部を形成することが推奨される。貫通部を設けておけば、ろう材箔の外面側から供給されたフラックスが貫通部から基材等側に侵入し、基材等−ろう材箔間にも十分な量のフラックスを供給することができる。また、この発明のろう付用材料等では、基材等とろう材箔との間にフラックスを付与したものがあるが、この場合にも貫通部を設けておくことことが好ましい。基材等側のフラックスが貫通部を介して外面側に流出して他の接合部材との間に供給されるからである。このフラックスの流出量が十分であれば外面側からのフラックス供給を省略することもできる。従って、前記貫通部によってフラックスがろう材箔の内外に過不足なく行き渡らせることができる。
【0038】
前記貫通部の形状は限定されないが、図7(A)(B)に示すような、箔を切り込んだスリット(30)や、点状の小孔(31)を例示できる。貫通部の位置や数も任意に設定することができるし、異なる形状の貫通部が混在しても良い。これらのスリットまたは孔による貫通部によってフラックスの流通が円滑に行われる。
【0039】
前記フラックスは、ろう材箔、基材等、ろう付接合の相手材に応じて任意のものを用いることができる。例えば、上述したアルミニウム製の熱交換チューブであれば、フッ化物系フラックスを推奨できる。
次に、ろう付品の一例としての図1および図2に示すパラレルフロータイプの熱交換器の製造方法について説明する。
【0040】
図2において、(1)(2)はヘッダー、(3)はアルミニウムまたはアルミニウム合金製の熱交換チューブ、(4)はコルゲート状フィン、(5)は熱交換媒体の導入口、(6)は熱交換媒体の導出口、(8)および(9)はサイドプレート、(10)は熱交換器コア部である。
【0041】
まず、図2に示すように、厚さ方向の両面にろう材箔(11)が付与された熱交換チューブ(3)を複数本準備した後、これらの熱交換チューブ(3)の両端部を、ヘッダー(1)(2)の長さ方向に形成されたチューブ挿入孔に挿入し、次いでコルゲート状フィン(4)を各熱交換チューブ(3)(3)間に組み付けて熱交換器コア部(10)を有する熱交換器組立体を製作する。
【0042】
ついで、必要に応じてフラックスを供給したのち加熱する。この加熱により、熱交換チューブ(3)の表面のろう材箔(11)が溶融して、熱交換チューブ(3)とコルゲート状フィン(4)とが良好にろう付接合される。同時に、ろう材箔(11)中のZnが熱交換チューブ(3)の表層部に均一に拡散してZn拡散層が形成され、このZn拡散層により熱交換チューブ(3)自体の耐食性が向上し、ひいては熱交換器全体の耐食性が向上する。
【0043】
しかも、従来のように、フィン(4)としてろう材をクラッドしたブレージングシートを用いなくても良く、ろう材をクラッドしないベア材を用いることができるから、ろう付品の重量減、コストダウンの効果が得られる。
【0044】
また、上述したようにろう材箔と熱交換チューブの接合は部分接合であるから、接着剤を使用したとしてもその使用量は僅かであり、接着剤の分解ガスに起因する炉の汚染は激減し、分解ガス処理等の付随作業も簡単になる。
【0045】
ろう付条件は常法に従えば良いが、常圧下のろう付を推奨できる。真空ろう付ではろう材箔中のZnが蒸発するため、十分にZn犠牲腐食層が形成されず、優れた耐食性が得られない。
【0046】
【実施例】
熱交換チューブにろう材箔を付与した種々のろう付用熱交換チューブを製作するとともに、このろう付用熱交換チューブとフィンとをコア組みしてろう付し、ろう付品についてI〜IVの観点から評価した。
【0047】
以下の実施例、比較例および比較例において用いた熱交換チューブおよびフィンは、図2に示した形状の多孔管(3)およびコルゲート状フィン(4)である。前記熱交換チューブ(3)は、JIS A1100合金からなり、高さ3mm×幅20mm×長さ250mmである。また、フィン(4)はJIS A1100合金からなる。
I.ろう材の付与方法による分解ガスの発生およびろう付性の評価
〈実施例1〉
箔厚25μmのろう材箔(ろう材合金組成:Si含有量が8質量%、Zn含有量が3質量%、残部Alおよび不純物)を用いた。
【0048】
熱交換チューブの外周面に前記ろう材箔を接合するに際しては、以下の各項目の条件を表1に示すように組合せ、No.1〜15のろう付用熱交換チューブを製作した。
(ろう材箔の付与方法)
以下のA,B,Cから選択した。
【0049】
A:図3(A)(B)示すように、熱交換チューブ(3)の上下の平坦部にそれぞれろう材箔(11)(11)を配置し、ろう材箔(11)の幅方向の両端から数mmの位置でチューブの長さ方向に沿って接合した。即ち、2本の平行線(20)(20)上で接合した。
【0050】
B:図6(B)に示すように、1枚のろう材箔(12)で熱交換チューブ(3)の全外周面を覆い、箔(12)の両端部をチューブ(3)の側面部で突き合わせ、「△」で示す突き合わせ部をチューブの長さ方向に沿って接合した。
【0051】
C:図6(C)に示すように、2枚のろう材箔(13a)(13b)で熱交換チューブ(3)の上下の平坦部を覆って左右の側面部上で互いの端部を重ね合わせ、「△」で示す重ね合わせ部分をチューブの長さ方向に沿って接合した
(接合方法)
以下の3つの方法から選択した。
【0052】
超音波接合:40kHzの周波数で幅3mmの円盤状のローラー型のツールを用い、3m/minの接合速度で接合した。
【0053】
レーザー接合:50W型のパルス式のYAGレーザを用い、接合時間0.5msで照射した。
【0054】
接着剤:ホットメルト系接着剤を用い、線状(または点状)に塗布できるようなノズルを用いて20μmの厚みで塗布した。
(接合形状)
上記接合位置において、線状接合部または点状接合部を介して接合した。
【0055】
線状接合部:接合代を1mm幅とし、図4(A)に示す直線となるようにした。
【0056】
点状接合部::接合代をφ1mmの丸点とし、図4(B)に示すようにこの丸点を2mmまたは5mmの間隔で連続させた。
(ろう材箔の貫通部)
貫通部を設ける場合は、スリットまた小孔とした。
【0057】
スリット:図7(A)に示すように、ろう材箔(11)を切り込んでスリット(30)を形成するものとし、このスリット(30)をろう材箔の幅方向に5mm間隔(D1)で形成した。
【0058】
小孔:図7(B)に示すように、φ2mmの小孔(31)を5mm×5mm間隔(D2)の格子目状に形成した。
(フラックスの供給)
フラックスを供給する場合は、事前またはコア組後、あるいは両方で供給した。
【0059】
事前:ろう材箔の接合前に、熱交換チューブ表面にKAlF系フラックスをスプレー塗布により5〜10g/m2の割合で供給した。
【0060】
コア組後:熱交換チューブとフィンとをコア組した後に、同じくKAlF系フラックスをスプレー塗布により5〜10g/m2の割合で供給した。
【0061】
実施例1の各サンプルについて、ろう材箔の付与方法と接合形状の組合せによる接合部の面積率を表1に示す。
〈比較例1〉
実施例1と同じ熱交換チューブに対し、前記ろう材箔また同一組成の粉末ろう材をホットメルト系接着剤にて付与し、ろう付用熱交換チューブを製作した。また、ろう材の付与位置は、いずれも〈実施例1〉の(ろう材箔の付与方法)のAに準じ、熱交換チューブ(3)の上下の平坦部に配置するものとした(図3(A)(B)参照)
No.16は、接着剤とろう合金粉末(ろう合金組成:Si含有量8質量%、Zn含有量3質量%、残部Alおよび不純物)とを重量比1:1で混合し、熱交換チューブに塗布した。
【0062】
No.17は、接着剤と前記ろう合金粉末とKAlF系フラックスとを重量比1:1:1で混合し、熱交換チューブに塗布した。
【0063】
No.18は、〈実施例1〉で用いたと同じろう材箔を、接着剤の全面塗布により接合した。
【0064】
即ち、No.16〜18は、ろう材の全面に接着剤が付与されている。
【0065】
コア組後のフラックス供給は、実施例1と同じ方法とした。
【0066】
実施例1および比較例1の核サンプルにおける接合部の面積率を表1に示す。
【0067】
如上の方法で製作したろう付用熱交換チューブを、フィンと層状に組み合わせて、常圧、不活性雰囲気下で600℃×5minの加熱を行った。
〈評価方法1〉
実施例1と比較例1についてろう付時の分解ガス発生量とろう付性を評価した。
【0068】
分解ガス発生量の評価は、ろう付時に発生する分解ガス量をTG−GC/MS法により測定した。測定条件としては、30ml/minのAr流中で試料を600℃まで加熱し、発生する気体をトラップして分析した。分解ガスとして脂肪族系炭化水素の発生量(%)を測定した。そして、分解ガス量が1%以下のときを◎、1%以上15%以下のときを○、15%以上30%以下のときを△、30%以上のときを×とした。
【0069】
ろう付性は、作製したサンプルにおいてフィンの接合率が90%以上のものを◎、90%未満80%以上のものを○、80%未満のものを×とした。
【0070】
そして、ガス発生量、ろう付性ともに優れている物を○、ガス発生量、ろう付性のうち少なくともいずれかが劣るものを×で総合的に評価した。
【0071】
これらの結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
II.ろう材箔組成による耐食性およびろう付性の評価
〈実施例2、参考例2〉
表2に示す組成のNo.19〜69のろう材箔(箔厚25μm)を用意した。実施例2のNo.19〜55のろう材箔は、Si含有量4質量%、6質量%、7質量%、8質量%、10質量%、11質量%、13質量%に対してZn含有量を変化させた組成となされている。また参考例2のNo.56〜69のろう材箔は、Zn含有量がこの発明の範囲を逸脱する組成となされている。なお、これらのろう材箔において、SiおよびZnを除く残部はAlおよび不純物である。
【0074】
そして、熱交換チューブの外周面に以下の条件でろう材箔を接合してろう付用熱交換チューブを製作した。各項目の条件は実施例1と同じである。また、接合部の面積率は3%である。
(ろう材箔の付与方法)
B(図6(B)参照)
(接合方法)
超音波接合において、40kHzの周波数で幅3mmの円盤状のローラー型のツールを用い、3m/minの接合速度で超音波接合した。
(接合形状)
線状接合部(図4(A)参照)
(フラックスの供給)
コア組後
如上の方法で製作したろう付用熱交換チューブを、フィンと層状に組み合わせて、常圧下、不活性雰囲気下で600℃×5minの加熱を行った。
〈評価方法2〉
実施例2と参考例2について腐食試験におけるフィン部の腐食とチューブ表面の腐食形態を評価した。
【0075】
腐食試験としてはCASS試験1000時間を行った。フィン部の腐食は、作製したサンプルのフィン剥がれ率が30%以上のものを×とし、30%未満のものを○とした。腐食形態では、作製したサンプルのチューブ表面の腐食形態が孔食と面腐食のどちらであるか調べた。そして、フィン剥がれ率、腐食形態ともに極めて優れているものを◎、優れている物を○、フィン剥がれ率、腐食形態のうち少なくともいずれかが劣るものを×で評価した。
【0076】
これらの結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
III.ろう材箔組成によるZn拡散深さの評価
〈実施例3、参考例3〉
表3に示す組成のNo.70〜120のろう材箔(箔厚25μm)を用意した。実施例3のNo.70〜106のろう材箔は、Zn含有量0.6質量%、1質量%、1.5質量%、3質量%、6質量%、7質量%、9質量%に対してSi含有量を変化させた組成となされている。また参考例3のNo.107〜120のろう材箔はSi含有量がこの発明の範囲を逸脱する組成となされている。なお、これらのろう材箔において、SiおよびZnを除く残部はAlおよび不純物である。
【0079】
そして、熱交換チューブの外周面に以下の条件でろう材箔を接合してろう付用熱交換チューブを製作した。各項目の詳細は実施例1と同じである。また、接合部の面積率は2.8%である。
(ろう材箔の付与方法)
A(図3(A)(B)参照)
(接合方法)
レーザー接合において、50W型のパルス式のYAGレーザを用い、接合時間0.5msで照射した。
(接合形状)
5mm間隔の点状接合部(図4(B)参照)
(フラックスの供給)
事前およびコア組後の両方
如上の方法で製作したろう付用熱交換チューブを、フィンと層状に組み合わせて、常圧、不活性雰囲気下で600℃×5minの加熱を行った。
〈評価方法3〉
実施例3と参考例3について拡散深さとろう付性を評価した。
【0080】
拡散深さについては、作製したサンプルにおいてチューブ表面位置からのZn拡散距離を各10点測定し、平均拡散深さ、最大拡散深さを測定した。
【0081】
ろう付性は、作製したサンプルにおいてフィンの接合率が90%以上のものを◎、90%未満80%以上のものを○、80%未満のものを×とした。
【0082】
そして、均一拡散性、ろう付性ともに極めて優れているものを◎、優れている物を○、均一拡散性、ろう付性のうち少なくともいずれかが劣るものを×で総合的に評価した。
【0083】
これらの結果を表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
IV.ろう材箔厚によるZn拡散深さの評価
〈実施例4〉 同一組成(ろう材合金組成:Si含有量8質量%、Zn含有量3質量%、残部Alおよび不純物)で、箔厚が1、5、10、20、25、30、50、100μmのNo.121〜128のろう材箔を接合した。
【0086】
そして、熱交換チューブの外周面に以下の条件でろう材箔を接合してろう付用熱交換チューブを製作した。各項目の詳細は実施例1と同じである。また、接合部の面積率は2.8%である。
(ろう材箔の付与方法)
A(図3(A)(B)参照)
(接合方法)
レーザー接合において、50W型のパルス式のYAGレーザを用い、接合時間0.5msで照射した。
(接合形状)
5mm間隔の点状接合部(図4(B)参照)
(フラックスの供給)
事前
如上の方法で製作したろう付用熱交換チューブを、フィンと層状に組み合わせて、常圧、不活性雰囲気下で600℃×5minの加熱を行った。
〈評価方法4〉
実施例4について拡散深さを評価した。
【0087】
拡散深さは、作製したサンプルにおいてチューブ表面位置からのZn拡散距離を各10点測定し、平均拡散深さ、最大拡散深さを測定し、均一かつ良好に拡散しているものを○、そうでないものを×とした。
【0088】
これらの結果を表4に示す。
【0089】
【表4】
【0090】
表1〜4の結果からわかるように、本発明実施品はろう付性が良好で、Znが均一に拡散することによってろう付後の耐食性にも優れていることがわかる。また、ろう材箔付与に接着剤を用いないか、あるいは部分接合によって接着剤の使用量を大幅に減らすことができたため、分解ガスの発生を無くすか、あるいはろう材の付与面の全面で接着剤を用いた比較例1のNo.16〜18と比較して発生量を激減させることができた。
【0091】
また、ろう付および耐食性がともに良好であった本発明実施品に対し、Zn含有量が本発明範囲の下限値を下回る参考例2のNo.56、58、60、62、64、66、68は、腐食形態が孔食を示し、耐食性に問題があり、Zn含有量が本発明範囲の上限値を上回る参考例2のNo.57、59、61、63、65、67、69は、フィン剥がれが発生した。これはZnの拡散集中によるものと考えられる。
【0092】
また、Si含有量が本発明範囲の下限値を下回る参考例3のNo.107、109、111、113、115、117、119は、ろう付性に問題があり、Si含有量が本発明範囲の上限値を上回る参考例2のNo.108、110、112、114、116、118、120は、Znの拡散均一性が劣るものであった。
【0093】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、良好で安定したろう付性を発揮できるとともに、ろう材をクラッドしたブレージングシートを用いなくても良いから、ろう材の使用量を少なくでき、ろう付品の重量減、コストダウンの効果を得ることができる。しかも、部分的な接合であるから接合作業は短時間で済む。また、ろう材箔中のZnがろう付用材料の表面に拡散する結果、耐食性にも優れたものとなし得る。
【0094】
請求項2、3に係る発明によれば、基材を変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。しかも、ろう付時に分解ガスが生じず、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を無くすことができる。
【0095】
請求項4に係る発明によれば、基材を変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。また、接着剤の使用量が僅かであるため、発生する分解ガスは激減し、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を激減させることができる。
【0096】
請求項5に係る発明によれば、最小限のろう材箔で基材の全外周面を覆うことができ、しかも接合箇所は少ないから短時間で接合できる。
【0097】
請求項6に係る発明によれば、基材上に配置されるろう材箔の位置精度が低くても良いため、簡便な装置でろう材箔を接合することができる。
【0098】
請求項7に係る発明によれば、ろう材箔の接合作業を簡略しつつも、必要にして十分な接合が達成される。
【0099】
請求項8に係る発明によれば、良好なろう付性、耐食性を発揮させうるろう付用材料となし得る。
【0100】
請求項9に係る発明によれば、ろう材量が少なすぎて十分なろう付を行うことができないとか、ろう材量が多すぎてエロージョンを助長することもなく、良好なろう付を行うことができる。また、Zn含有アルミニウム合金ろう材の場合には、Znを均一拡散させることができるろう付用材料となし得る。
【0101】
請求項10に係る発明によれば、貫通部を介して、外部から供給したフラックスが基材側に侵入し、あるいは基材に付与したフラックスが外側に流出して、ろう材箔の内外にフラックスを過不足なく行き渡らせることができ、良好なろう付を達成することができる。
【0102】
請求項11に係る発明によれば、ろう材箔内外のフラックスの流通が円滑に行われる。
【0103】
請求項12に係る発明によれば、基材とろう材箔との接合界面に確実にフラックスが供給され、良好なろう付が達成される。
【0104】
請求項13に係る発明によれば、ろう付用材料と他の接合部材とが、ろう材の使用量を少なくして良好に接合された、耐食性に優れたたろう付品となし得る。
【0105】
請求項14に係る発明によれば、ろう付用材料と他の接合部材とが、ろう材の使用量を少なくして良好に接合された、耐食性に優れたろう付品を製造できる。
【0106】
請求項15、16に係る発明によれば、基材を変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。しかも、ろう付時に分解ガスが生じず、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を無くすことができる。
【0107】
請求項17に係る発明によれば、基材を変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。また、接着剤の使用量が僅かであるため、発生する分解ガスを激減させて、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を激減させることができる。
【0108】
請求項18に係る発明によれば、ろう材箔の接合作業を簡略しつつも、必要にして十分な接合を達成できる。
【0109】
請求項19に係る発明によれば、ろう付性、耐食性の優れたろう付品を製造できる。
【0110】
請求項20に係る発明によれば、、Zn犠牲腐食層を効果的に形成できる。
【0111】
請求項21に係る発明によれば、良好で安定したろう付性を発揮できるとともに、ろう材をクラッドしたブレージングシートを用いなくても良いから、ろう材の使用量を少なくでき、熱交換器の重量減、コストダウンの効果を得ることができる。しかも、部分的な接合であるから接合作業は短時間で済む。また、ろう材箔中のZnがろう付用熱交換チューブの表面に拡散する結果、耐食性にも優れたものとなし得る。
【0112】
請求項22、23に係る発明によれば、熱交換チューブを変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。しかも、ろう付時に分解ガスが生じず、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を無くすことができる。
【0113】
請求項24に係る発明によれば、熱交換チューブを変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。また、接着剤の使用量が僅かであるため、発生する分解ガスは激減し、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を激減させることができる。
【0114】
請求項25に係る発明によれば、最小限のろう材箔で熱交換チューブの全外周面を覆うことができ、しかも接合箇所は少ないから短時間で接合できる。
【0115】
請求項26に係る発明によれば、熱交換チューブ上に配置されるろう材箔の位置精度が低くても良いため、簡便な装置でろう材箔を接合することができる。
【0116】
請求項27に係る発明によれば、ろう材箔の接合作業を簡略しつつも、必要にして十分な接合が達成される。
【0117】
請求項28に係る発明によれば、良好なろう付性、耐食性を発揮させうるろう付用熱交換チューブとなし得る。
【0118】
請求項29に係る発明によれば、さらに良好なろう付性、耐食性を発揮させうるろう付用熱交換チューブとなし得る。
【0119】
請求項30に係る発明によれば、なお一層良好なろう付性、耐食性を発揮させうるろう付用熱交換チューブとなし得る。
【0120】
請求項31に係る発明によれば、ろう材量が少なすぎて十分なろう付を行うことができないとか、ろう材量が多すぎてエロージョンを助長することもなく、良好なろう付を行うことができる。また、Znを均一拡散させることができるろう付用熱交換チューブとなし得る。
【0121】
請求項32に係る発明によれば、さらにろう材量の過不足がなく良好なろう付とZnの均一拡散を行うことができる。
【0122】
請求項33に係る発明によれば、なお一層ろう材量の過不足がなく良好なろう付とZnの均一拡散を行うことができる。
【0123】
請求項34に係る発明によれば、外部から供給したフラックスが熱交換チューブ側に侵入し、あるいは熱交換チューブに付与したフラックスが外側に流出して、ろう材箔の内外にフラックスを過不足なく行き渡らせることができ、良好なろう付を達成することができる。
【0124】
請求項35に係る発明によれば、ろう材箔内外のフラックスの流通が円滑に行われる。
【0125】
請求項36に係る発明によれば、熱交換チューブとろう材箔との接合界面に確実にフラックスが供給され、良好なろう付が達成される。
【0126】
請求項37に係る発明によれば、ろう付用熱交換チューブと他のフィンとが、ろう材の使用量を少なくして良好に接合された、耐食性に優れた熱交換器となし得る。
【0127】
請求項38に係る発明によれば、ろう付用熱交換チューブとフィンとが、ろう材の使用量を少なくして良好に接合された、耐食性に優れた熱交換器を製造できる。
【0128】
請求項39、40に係る発明によれば、熱交換チューブを変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。しかも、ろう付時に分解ガスが生じず、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を無くすことができる。
【0129】
請求項41に係る発明によれば、熱交換チューブを変形させることなく短時間でろう材箔を接合することができる。また、接着剤の使用量が僅かであるため、発生する分解ガスが激減し、分解ガスによる炉の汚染や分解ガスの処理作業を激減させることができる。
【0130】
請求項42に係る発明によれば、ろう材箔の接合作業を簡略しつつも、必要にして十分な接合を達成できる。
【0131】
請求項43に係る発明によれば、ろう付性、耐食性の優れた熱交換器を製造できる。
【0132】
請求項44に係る発明によれば、Zn犠牲腐食層が効果的に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る熱交換器の正面図である。
【図2】同じく熱交換器のコア部の要部を示す斜視図である。
【図3】(A)はこの発明の一実施形態に係るろう付用熱交換チューブにおいて接合位置を示す断面図であり、(B)は同じく平面図である。
【図4】(A)(B)(C)は、図3の円内拡大図である。
【図5】(A)(B)は、ろう付用熱交換チューブにおいて接合位置の他の例を示す平面図である。
【図6】(A)(B)(C)は、熱交換チューブのおけるろう材箔の配置および接合位置の他の例を示す断面図である。
【図7】(A)(B)は、ろう材箔における貫通部の形状を模式的に示す図である。
【符号の説明】
S…ろう付用熱交換チューブ(ろう付用材料)
3…熱交換チューブ(基材)
4…フィン
10…コア部
11,12,13a,13b…ろう材箔
21…接合代(線状接合部)
22,23…接合代(点状接合部)
30…スリット(貫通部)
31…小孔(貫通部)
Claims (44)
- アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材の表面に、Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔が設けられたろう付用材料であって、
前記ろう材箔と基材とが、これらの相対する面において、規則的または不規則的に分布する線状接合部、点状接合部のうちの少なくとも一方の接合部を介して部分的に接合されていることを特徴とするろう付用材料。 - 前記接合部は、超音波接合によって形成されている請求項1に記載のろう付用材料。
- 前記接合部は、レーザー接合によって形成されている請求項1に記載のろう付用材料。
- 前記接合部は、接着によって形成されている請求項1に記載のろう付用材料。
- 前記接合部において、1枚また複数枚のろう材箔の端部同士の少なくとも一部が突き合わせ状態に接合されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のろう付用材料。
- 前記接合部において、1枚また複数枚のろう材箔の端部同士の少なくとも一部が重ね合わせ状態に接合されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のろう付用材料。
- 前記ろう材箔と基材とが相対する面の総面積に対して、接合部の占める割合は20%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載のろう付用材料。
- 前記ろう材箔は、Si:4〜13質量%、Zn:0.6〜9質量%を含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載のろう付用材料。
- 前記ろう材箔の箔厚は1〜100μmである請求項1〜8のいずれか1項に記載のろう付用材料。
- 前記ろう材箔に、箔厚方向に貫通する貫通部が形成されている請求項1〜9のいずれか1項に記載のろう付用材料。
- 前記貫通部はスリットまたは孔である請求項10に記載のろう付用材料。
- 前記ろう材箔と基材との間にフラックスが付与されている請求項1〜11のいずれか1項に記載のろう付用材料。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載のろう付用材料と他の接合部材とが、前記ろう付用材料の表面のろう材箔を介してろう付されてなることを特徴とするろう付品。
- Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔を、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基材の表面に、これらの相対する面において、線状接合部、点状接合部のうちの少なくとも一方の接合部が規則的または不規則的に分布するように部分的に接合してろう付用材料を準備する工程と、
前記ろう付用材料と他の接合部材とを組み合わせて加熱することにより、前記ろう材箔を介して前記ろう付用材料と他の接合部材をろう付接合する工程と、
を含むことを特徴とするろう付品の製造方法。 - 前記接合を超音波接合によって行う請求項14に記載のろう付品の製造方法。
- 前記接合をレーザー接合によって行う請求項14に記載のろう付品の製造方法。
- 前記接合を接着によって行う請求項14に記載のろう品の製造方法。
- 前記ろう材箔と基材とが相対する面の総面積に対して、接合部の占める割合を20%以下とする請求項14〜17のいずれか1項に記載のろう付品の製造方法。
- 前記ろう材箔は、Si:4〜13質量%、Zn:0.6〜9質量%を含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成されている請求項14〜18のいずれか1項に記載のろう付品の製造方法。
- 前記ろう付接合する工程は、常圧下で行う請求項14〜19のいずれかに記載のろう付品の製造方法。
- アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる熱交換チューブの表面に、Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔が設けられたろう付用熱交換チューブであって、
前記ろう材箔と熱交換チューブとが、これらの相対する面において、規則的または不規則的に分布する線状接合部、点状接合部のうちの少なくとも一方の接合部を介して部分的に接合されていることを特徴とするろう付用熱交換チューブ。 - 前記接合部は、超音波接合によって形成されている請求項21に記載のろう付用熱交換チューブ。
- 前記接合部は、レーザー接合によって形成されている請求項21に記載のろう付用熱交換チューブ。
- 前記接合部は、接着によって形成されている請求項21に記載のろう付用熱交換チューブ。
- 前記接合部において、1枚また複数枚のろう材箔の端部同士の少なくとも一部が突き合わせ状態に接合されている請求項21〜24のいずれか1項に記載のろう付用材熱交換チューブ。
- 前記接合部において、1枚また複数枚のろう材箔の端部同士の少なくとも一部が重ね合わせ状態に接合されている請求項21〜24のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブ。
- 前記ろう材箔と熱交換チューブとが相対する面の総面積に対して、接合部の占める割合は20%以下である請求項21〜26のいずれか1項に記載のろう付熱交換チューブ。
- 前記ろう材箔は、Si:4〜13質量%、Zn:0.6〜9質量%を含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成されている請求項21〜27のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブ。
- 前記ろう材箔におけるSi含有量が6〜11質量%、Zn含有量が1〜7質量%である請求項28に記載のろう付用熱交換チューブ。
- 前記ろう材箔におけるSi含有量が7〜10質量%、Zn含有量が1.5〜6質量%である請求項28に記載のろう付用熱交換チューブ。
- 前記ろう材箔の箔厚は1〜100μmである請求項21〜30のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブ。
- 前記ろう材箔の箔厚は5〜50μmである請求項31に記載のろう付用熱交換チューブ。
- 前記ろう材箔の箔厚は10〜30μmである請求項31に記載のろう付用熱交換チューブ。
- 前記ろう材箔に、箔厚方向に貫通する貫通部が形成されている請求項21〜33のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブ。
- 前記貫通部はスリットまたは孔である請求項34に記載のろう付用熱交換チューブ。
- 前記ろう材箔と熱交換チューブとの間にフラックスが付与されている請求項21〜35のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブ。
- 請求項21〜36のいずれか1項に記載のろう付用熱交換チューブとフィンとが、前記ろう付用熱交換チューブの表面のろう材箔を介してろう付されてなることを特徴とする熱交換器。
- 熱交換チューブの表面にフィンが接合されたコア部を有する熱交換器の製造方法であって、
Zn含有アルミニウム合金からなるろう材箔を、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる熱交換チューブの表面に、これらの相対する面において、線状接合部、点状接合部のうちの少なくとも一方の接合部が規則的または不規則的に分布するように部分的に接合してろう付用熱交換チューブを準備する工程と、
前記ろう付用熱交換チューブとフィンとを組み合わせて加熱することにより、前記ろう材箔を介して前記熱交換チューブとフィンをろう付接合する工程と、
を含むことを特徴とする熱交換器の製造方法。 - 前記接合を超音波接合によって行う請求項38に記載の熱交換器の製造方法。
- 前記接合をレーザー接合によって行う請求項38に記載の熱交換器の製造方法。
- 前記接合を接着によって行う請求項38に記載の熱交換器の製造方法。
- 前記ろう材箔と熱交換チューブとが相対する面の総面積に対して、接合部の占める割合を20%以下とする請求項38〜41のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法。
- 前記ろう材箔は、Si:4〜13質量%、Zn:0.6〜9質量%を含有し、残部がAlおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成されている請求項38〜43のいずれか1項に記載の熱交換器の製造方法。
- 前記ろう付接合する工程を常圧下で行う請求項38〜43のいずれかに記載の熱交換器の製造方法。
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