JP2004042016A - 浄水場の運転制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コスト運転が可能な浄水場の運転制御装置を提供する。
【解決手段】浄水場4の取水口近傍に配設され、取水口を介して水源から取水される原水の汚濁物質濃度を計測する濁度計2と、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると取水される原水の量を減少させるとともに、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に復帰すると取水される原水の量を当初よりさらに増加させるように制御するコントローラ6とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】浄水場4の取水口近傍に配設され、取水口を介して水源から取水される原水の汚濁物質濃度を計測する濁度計2と、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると取水される原水の量を減少させるとともに、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に復帰すると取水される原水の量を当初よりさらに増加させるように制御するコントローラ6とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、河川等の水源から原水を取水して浄化する浄水場の運転制御装置に係り、特に原水の汚濁物質濃度により取水量を制御して低コスト運転を可能にする運転制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種従来の浄水場の運転制御は、河川等の水源の原水の汚濁物質濃度を計測し、この計測された汚濁物質濃度に応じ、含まれる汚濁物質に適した凝集剤、油吸着剤、活性炭等の投入を行うことによりなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−296235号公報(段落番号0051−0058、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の浄水場の運転制御は以上のように、原水の汚濁物質濃度に応じた量の例えば凝集剤を、取水された原水に投入することにより浄化を行っているので、汚濁物質濃度が高い場合、すなわち原水の水質が悪い場合には、凝集剤等を多量に投入しなければならないため、運転コストが増大するという問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、低コスト運転が可能な浄水場の運転制御装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る浄水場の運転制御装置は、浄水場の取水口近傍に配設され、上記取水口を介して水源から取水される原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記取水される原水の量(以下、取水量と称す)を計画値より減少させて取水制限するとともに、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度以下に復帰すると上記取水量を上記計画値よりさらに増加させるように制御する取水量制御手段とを備えたものである。
【0006】
又、この発明の請求項2に係る浄水場の運転制御装置は、浄水場の取水口近傍に配設され、上記取水口を介して水源から取水される原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記水源の上記汚濁物質濃度計測手段よりも上流の所定の位置に配設され、上記水源の原水の汚濁物質濃度を計測する第2の汚濁物質濃度計測手段と、
上記第2の汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記取水量を増加させるとともに、上記上流で計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると判断された後に、上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、上記基準の汚濁物質濃度とを比較し、該計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記取水量を減少させて取水制限するように制御する取水量制御手段とを備えたものである。
【0007】
又、この発明の請求項10に係る浄水場の運転制御装置は、浄水場の取水口よりも上流の所定の位置に配設され、水源の原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると上記原水の上記取水口に到達する時点の到達予想濁度を順次演算し、上記原水の取水量を上記到達予想濁度の低い時間帯に多く、上記到達予想濁度の高い時間帯に少なく制御する取水量制御手段とを備えたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、1は河川等の水源、4は浄水場、2はこの浄水場4の取水口近傍に配設され、取水口を介して水源1から取水される原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段としての濁度計、3は水源1の原水を取水配管2a、3aを介して浄水場4に取水する取水ポンプ、5は浄水場4で得られた浄水を貯留するための浄水貯留池、4aは浄水場4で得られた浄水を浄水貯留池5へ送るための送水配管、5aは浄水を各家庭や工場等のユースポイント(図示せず)に送出する配水配管である。
また6は、濁度計2によって計測された原水の汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を減少させるとともに、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ4を制御して取水量を増加させ、取水制限期間の不足分を回収できた時点で取水量をもとの計画値に復帰させる取水量制御手段としてのコントローラであり、上記濁度計2、取水ポンプ3およびコントローラ6等で浄水場の運転制御装置100が構成されている。
【0009】
次に、上記のように構成される実施の形態1における浄水場の運転制御装置100の動作を説明する。
まず、水源1に例えば降雨等により高濁度の原水が発生すると、濁度計2によってこの原水の汚濁物質濃度が計測される。この計測された汚濁物質濃度は信号線2bを介してコントローラ6に送られ、コントローラ6において、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度と比較される。そして、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度より低い場合は、「原水は高濁度水ではない」と判断され、コントローラ6から信号線6bを介して取水ポンプ3を制御して、その時の取水量が維持される。
一方、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度より高い、すなわち上回る場合は、「原水は高濁度水である」と判断され、取水ポンプ3が制御されて予め定められた流量にまで取水量が減少される。このとき、コントローラ6はその時点での計画取水量と減少された取水量の差、すなわち不足分を積算する。
【0010】
その後、高濁度の原水が取水口を通過して元の状態に戻り、濁度計2で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3が制御されて取水量は、当初よりさらに増加させ予め定められた流量にまで増加される。コントローラ6は、その時点での計画取水量と増加された取水量の差を積算し、この積算値が上の不足分に一致した時点で、取水量をもとの計画値に復帰させる。
そして、上記のように制御されて取水された原水は浄水場2において浄化された後、浄水貯留池5にいったん貯留され、浄水として配水配管5aを介してユースポイント(図示せず)に送出される。
【0011】
このように上記実施の形態1によれば、濁度計2で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を減少させ、その後、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3を制御して取水量を当初よりさらに増加させるようにしているので、汚濁物質濃度の高い原水を避けつつ取水量を確保することができ、余分な例えば凝集剤等の投入を不要にするとともに、汚泥処分量を低減させることができるため、低コスト運転を図ることが可能になる。また、取水量を増加させた後、取水制限期間の不足分を回収できた時点で取水量をもとの計画値に復帰するようにしているので、過不足なく取水量を確保することができ、さらに低コストで信頼性の高い運転が可能になる。
【0012】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態1と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。7はこの浄水貯留槽5に設置され貯留される浄水の水位を計測する水位計であり、信号線7bを介して取水量制御手段としてのコントローラ62と接続されている。コントローラ62は、濁度計2によって計測された原水の汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された上記実施の形態1と同様の基準の汚濁物質濃度とを比較し、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を減少させ、その後、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3を制御して取水量を増加させ、水位計7で計測された浄水貯留池7の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で取水量をもとの計画値に戻す。また、濁度計2、取水ポンプ3、水位計7およびコントローラ62で浄水場の運転制御装置200が構成されている。
【0013】
このように上記実施の形態2によれば、濁度計2で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を減少させ、その後、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3を制御して取水量を当初よりさらに増加させ、浄水貯留池7の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で取水量をもとの計画値に戻すようにしている。このため、上記実施の形態1と同様に、汚濁物質濃度の高い原水を避けつつ過不足なく取水量を確保することができ、余分な例えば凝集剤等の投入を不要にするとともに、汚泥処分量を低減させることができるため、低コスト運転を図ることが可能になるという効果を奏する。
【0014】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。40は浄水場4の運転状況に応じて最大造水量(造水量の上限値)と最小造水量(造水量の下限値)を演算する造水量演算器であり、信号線4bを介して浄水場4と、また信号線40bを介して取水量制御手段としてのコントローラ63と接続されている。コントローラ63は、濁度計2によって計測された原水の汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された上記実施の形態1と同様の基準の汚濁物質濃度とを比較し、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を最小造水量にまで減少させ、その後、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3を制御して取水量を最大造水量にまで増加させ、取水制限期間の不足分を回収できた時点で取水量をもとの計画値に復帰させる。また、濁度計2、取水ポンプ3、造水量演算器40およびコントローラ63で浄水場の運転制御装置300が構成されている。
【0015】
次に、上記のように構成される実施の形態3における浄水場の運転制御装置300の動作を説明する。
造水量演算器40は、浄水場4の運転状況に応じて最大造水量(造水量の上限値)と最小造水量(造水量の下限値)を演算する。例えば、下記のような式に従って、演算する。
QU=a1QU1+a2QU2+ ・・ +anQUn
QL=a1QL1+a2QL2+ ・・ +anQLn
ただし、
n:浄水場4の浄水プロセスの系列数
QU:浄水場4の最大造水量
QUk:k番目の系列の最大造水量(k=1・・n)
QL:浄水場4の最小造水量
QLk:k番目の系列の最小造水量(k=1・・n)
ak:係数(k番目の系列が稼動している場合は1、停止している場合は0)
【0016】
濁度計2によって計測された汚濁物質濃度はコントローラ63において、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度と比較される。そして、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度より低い場合は、「原水は高濁度水ではない」と判断され、その時の取水量が維持される。
一方、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度より高い、すなわち上回る場合は、「原水は高濁度水である」と判断され、取水ポンプ3が制御されて取水量が演算器40より入力された最小造水量にまで減少される。またコントローラ63は、その時点での計画取水量と減少された取水量との差、すなわち不足分を積算する。
その後、高濁度の原水が取水口を通過して元の状態に戻り、濁度計2で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3が制御されて取水量は演算器40より入力された最大造水量にまで増加される。コントローラ63は、その時点での計画取水量と増加された取水量との差を積算し、この積算値が上の不足分に一致した時点で、取水量をもとの計画値に復帰させる。
【0017】
このように上記実施の形態3によれば、取水制限時の取水量ならびに取水促進時の取水量が、浄水場4の運転状況に応じて調節されるので、上記実施の形態1の効果に加えて、浄水場4ならびに運転制御装置300をより安定に稼動させることができるという効果を奏する。
【0018】
なお、この実施の形態では、コントローラ63は取水制限時の取水量ならびに取水促進時の取水量を、最小造水量、最大造水量に一致するように制御したが、取水制限時の取水量を最小造水量を下回らないように、取水促進時の取水量を最大造水量を上回らないようにして制御しても良い。
また、この実施の形態では、上記実施の形態1と同様に、取水制限期間の不足分を回収できた時点で取水量をもとの計画値に復帰させたが、上記実施の形態2で示したように、水位計7を備えて浄水貯留池7の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で取水量をもとの計画値に戻すようにしても良い。
【0019】
実施の形態4.
図4はこの発明の実施の形態4における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。8は浄水貯留池5の水位変化を予測する手段としての演算器(以下、水位演算器と称す)であり、信号線7bを介して水位計7と、信号線8bを介して取水量制御手段としてのコントローラ64と接続されている。コントローラ64は、上記実施の形態2で示したコントローラ62とほぼ同様であるが、水位演算器8で推定された浄水貯留池5の水位変化により、このままでは水位が予め定められた下限値に達すると判断された時点で、濁度計2で計測された原水濁度が高くても強制的に取水量を増やす機能を有する。また、濁度計2、取水ポンプ3、水位演算器8、水位計7およびコントローラ64で浄水場の運転制御装置400が構成されている。
【0020】
次に、上記のように構成される実施の形態4における浄水場の運転制御装置400の動作を説明する。
ある時間での浄水貯留池7の水位L0は、水位計7で計測され、信号線7bを介して水位演算器8に送られる。水位演算器8では、取水ポンプ3がコントローラ64の指示により取水量を制限している間、例えば下記のような演算を行うことにより、浄水貯留池7の今後の水位変化を予測する。
L1=L0+1/A(Qmin−Q1)△T
L2=L1+1/A(Qmax−Q2)△T
L3=L2+1/A(Qmax−Q3)△T
・
・
Ln=Ln−1+1/A(Qmax−Qn)△T
ただし、
Lk:k×△T時間後の浄水貯留池7の水位(k=1〜n:nは任意)
A:浄水貯留池7の底面積
Qmin:取水制限時の取水量
Qmax:取水促進時の取水量
Qk:k×△T時間後の配水量(浄水使用量)
とし、この場合、次の△T時間後まで取水制限を実施し、△T時間後からはただちに取水促進に移行したときの浄水貯留池5の水位変化を予測するものとする。なお、k×△T時間後の浄水使用量としての配水量Qkは、配水管路網に設置された流量計の値を用いるようにしてもよいし、過去の浄水使用量データから得られるその日の浄水使用量を適用するようにしてもよい。
【0021】
演算された予測水位の値(L1〜Ln)は信号線8bを介してコントローラ64に送られる。コントローラ64は、上記実施の形態2で示したコントローラ62と同様の動作を行うと共に、予測水位の値の中に予め定められた浄水貯留池5の水位の下限値に達する値があった場合は、ただちに取水制限を解除し、取水促進に移行させる。すなわち、取水ポンプ3の流量を予め定められた取水促進時の取水量値Qmaxにまで増やす。
例えば、配水量QkがQmaxよりも大きい場合、浄水貯留池7の水位が下限に達してから取水量を増やしたのでは間に合わない(水位は下がり続ける)が、上記実施の形態4のように、取水制限の期間は常に浄水貯留池5の水位変化を予測するようにしておけば、下限値に達することを未然に防げるので、上記実施の形態2の効果に加えて、浄水供給をより確実かつ安定に行えるという効果を奏する。
【0022】
実施の形態5.
図5はこの発明の実施の形態5における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。20は水源1の濁度計2よりも上流の所定の位置に配設され、水源1の汚濁物質濃度を計測する第2の汚濁物質濃度計測手段としての第2の濁度計であり、信号線20bを介して取水量制御手段としてのコントローラ65と接続されている。コントローラ65は、第2の濁度計20によって計測された原水の汚濁物質濃度と、予め設定された上記実施の形態1と同様の基準の汚濁物質濃度とを比較し、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を増加させるとともに、上流で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると判断された後に、濁度計2によって計測された原水の汚濁物質濃度と基準の汚濁物質濃度とを比較し、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を減少させ、その後、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3を制御して取水量を当初よりさらに増加させ、取水制限期間の不足分を回収できた時点で取水量をもとの計画値に復帰させる。また、濁度計2、取水ポンプ3、第2の濁度計20およびコントローラ65で浄水場の運転制御装置500が構成されている。
【0023】
次に、上記のように構成される実施の形態5における浄水場の運転制御装置500の動作を説明する。
まず、水源1の上流側に例えば降雨等により高濁度の原水が発生すると、第2の濁度計20によってこの原水の汚濁物質濃度が計測される。この計測された汚濁物質濃度はコントローラ65において、予め設定された基準の汚濁物質濃度と比較される。そして、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回る場合、「上流で高濁度水が発生し、その後取水口に到達する」と判断され、取水ポンプ3が制御されて取水量が予め定められた流量にまで増加される。このとき、コントローラ65はその時点での計画取水量と増加された取水量との差を積算する(積算値1)。
その後、上流で発生した高濁度水が取水口に到達して、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が、基準の汚濁物質濃度を上回ると、「高濁度水が取水口に到達した」と判断され、取水ポンプ3が制御されて取水量が予め定められた流量にまで減少される。コントローラ65はその時点での計画取水量と減少された取水量の差、すなわち不足分を積算する。
【0024】
高濁度の原水が取水口を通過し、濁度計2で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減して元の状態に戻ると、取水ポンプ3が制御されて取水量は予め定められた流量にまで増加される。コントローラ65は、その時点での計画取水量と増加された取水量の差を積算し(積算値2)、この積算値1と積算値2との和が上の不足分に一致した時点で、取水量をもとの計画値に復帰させる。
以上のように制御されて取水された原水は浄水場2において浄化された後、浄水貯留池5にいったん貯留され、浄水として配水配管5aを介してユースポイント(図示せず)に送出される。
【0025】
このように上記実施の形態5によれば、上流の第2の濁度計20で高濁度水が計測された時点で取水量を増加させ、高濁度水が取水口に到達する前の原水の取水量を増やすことで、余分の取水量を確保して浄水貯留池5に貯える浄水量を多くできる。このため、上記実施の形態1と同様に、低コスト運転が可能になると共に、より少ないリスクで運用できる効果を奏する。
【0026】
実施の形態6.
なお、上記実施の形態5では、高濁度水が取水口に到達する前の原水の取水量と取水口を通過後の取水原水の量を増やす例を説明したが、前者のみを増加するようにもできる。その場合、装置構成は図5と同様であるが、コントローラ65の動作が次のようになる。
第2の濁度計20によって計測された汚濁物質濃度はコントローラ65において、予め設定された基準の汚濁物質濃度と比較される。そして、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回る場合、「上流で高濁度水が発生し、その後取水口に到達する」と判断され、取水ポンプ3が制御されて取水量が予め定められた流量にまで増加される。このとき、コントローラ65はその時点での計画取水量と増加された取水量との差を積算する(積算値1)。
その後、上流で発生した高濁度水が取水口に到達して、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が、基準の汚濁物質濃度を上回ると、「高濁度水が取水口に到達した」と判断され、取水ポンプ3が制御されて取水量が予め定められた流量にまで減少される。コントローラ65はその時点での計画取水量と減少された取水量の差、すなわち不足分を積算する。不足分の積算値が上記積算値1に一致した時点で、汚濁物質濃度が高くても強制的に取水量をもとの計画値に復帰させる。
この実施の形態6においても、低コスト運転が可能になると共に、よりリスクの少ない運用が可能になる。
【0027】
実施の形態7.
図6はこの発明の実施の形態7における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。66は、第2の濁度計20によって計測された原水の汚濁物質濃度と、予め設定された上記実施の形態1と同様の基準の汚濁物質濃度とを比較し、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を増加させるとともに、上流で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると判断された後に、濁度計2によって計測された原水の汚濁物質濃度と基準の汚濁物質濃度とを比較し、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を減少させ、その後、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3を制御して取水量を増加させ、水位計7で計測された浄水貯留池5の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で取水量をもとの計画値に戻す取水量制御手段としてのコントローラであり、上記濁度計2、取水ポンプ3、第2の濁度計20、水位計7およびコントローラ66で浄水場の運転制御装置600が構成されている。
【0028】
このように上記実施の形態7によれば、上流の第2の濁度計20で高濁度水が計測された時点で取水量を増加させ、高濁度水が取水口に到達する前の原水の取水量を増やすことで、余分の取水量を確保して浄水貯留池5に貯える浄水量を多くできる。このため、上記実施の形態5と同様に、低コスト運転が可能になると共に、よりリスクの少ない運用が可能になるという効果を奏する。
【0029】
なお、上記実施の形態7では、高濁度水が取水口に到達する前の原水の取水量と取水口を通過後の取水原水の量を増やす例を説明したが、前者のみを増加するようにもできる。その場合、装置構成は図6と同様であるが、コントローラ66の動作が次のようになる。
上流で発生した高濁度水が取水口に到達して、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が、基準の汚濁物質濃度を上回ると、「高濁度水が取水口に到達した」と判断され、取水ポンプ3が制御されて取水量が予め定められた流量にまで減少される。このときコントローラ66は、水位計7で計測された浄水貯留池5の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で、汚濁物質濃度が高くても強制的に取水量をもとの計画値に復帰させる。
この場合も、低コスト運転が可能になると共に、よりリスクの少ない運用が可能になる。
【0030】
また、上記実施の形態7では、特に制限を設けることなく高濁度水が取水口に到達する前の原水の取水量を増やす例を説明したが、浄水貯留池5の水位が予め定められた上限値に達した時点で取水量増加を打ち切るようにもできる(装置構成は図6と同様である)。この場合、浄水貯留池5を溢水させることなく安全に運用できるという効果を奏する。
【0031】
実施の形態8.
図7はこの発明の実施の形態8における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。9は水源1を流れる原水の流量を計測する流量計、90はこの流量計9で計測された原水の流量に基づいて流速を演算するとともに、例えば下記式を用いて原水が第2の濁度計20が設置されている位置から、浄水場4の取水口に到達するまでの予想到達時間を演算する演算器(以下、到達時間演算器と称す)である。
T=L/v
但し、T:予想到達時間
L:第2の濁度計20が設置されている位置から浄水場4の取水口までの距離
v:原水の流速
【0032】
また67は、第2の濁度計20によって計測された原水の汚濁物質濃度と、予め設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水口の上流に高濁度水が発生したと判断し、水位計7で計測された浄水貯留池5の水位と、到達時間演算器90で算出された高濁水の予想到達時間Tに基づき、例えば下記式を用いて適切な取水量Qを演算し、取水ポンプ3を制御して取水量をQに合わせるとともに、上流で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると判断された後に、濁度計2によって計測された原水の汚濁物質濃度と基準の汚濁物質濃度とを比較し、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を減少させ、その後、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3を制御して取水量を増加させ、水位計7で計測された浄水貯留池5の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で取水量をもとの計画値に戻す取水量制御手段としてのコントローラであり、上記濁度計2、第2の濁度計20、流量計9、到達時間演算器90、取水ポンプ3、水位計7およびコントローラ67で浄水場の運転制御装置700が構成されている。
取水量Qの演算式は、
Q=(H0−H)A/T+Qout
ただし、H0:浄水貯留池5の水位の上限値
H:水位計7で計測された浄水貯留池5の水位
A:浄水貯留池5の底面積
Qout:浄水貯留池5からの配水量(浄水使用量)
【0033】
このように上記実施の形態8によれば、上流側で高濁度水の発生が第2の濁度計20で計測されると、到達時間演算器90により高濁度水が取水口に到達するまでの予想到達時間Tを演算する。そして、コントローラ67によりこの予想到達時間Tをもとに適切な取水量Qを決定し、取水ポンプ3を制御することによりこの取水量Qで原水を取水口から取水するようにしているので、高濁度水が取水口に到達する時刻に、浄水貯留池がちょうど満水となるように浄水を貯留することができるため、低コスト運転が可能になると共に、さらに効率的に浄水量を確保することができるという効果を奏する。
【0034】
なお、浄水貯留池5からの配水量Qoutは、配水管路網に設置された流量計の値を用いるようにしてもよいし、過去の浄水使用量データから得られるその日の浄水使用量を適用するようにしてもよい。
【0035】
実施の形態9.
図8はこの発明の実施の形態9における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。80は第2の濁度計20で計測された汚濁物質濃度と、流量計9で計測された水源1を流れる原水の流量とから、例えば下記式を用いて、第2の濁度計20の配設された場所の原水が浄水場2の取水口に到達する時点の到達予想濁度(取水口における濁度の経時変化予想)を演算する演算器(以下、到達濁度演算器と称す)である。
C=f(v、Co)
但し、 C:到達予想濁度
v:原水の流速
Co:第2の濁度計20の計測値
f:関数
そして、具体的な一例として、L.G.リッチ著、「環境システム工学入門」(産業図書)においては、濁度成分のような物質が河川を流下するような場合の濃度変化を次式で示している。
δC/δt=1/A(x,t)・δ/δx[E(x,t)・A(x,t)・δC/δx]
−1/A(x,t)・δ/δx[Q(x,t)C]−S(C,x,t)
ここで、C:物質濃度(濁度)、A:例えば河川の断面積、
E:分散係数、Q:流量、S:物質(濁度)の消滅速度
【0036】
また68は、第2の濁度計20で得られる汚濁物質濃度が予め設定された基準の汚濁物質濃度を上回ると、上流で高濁度水が発生したと判断し、到達濁度演算器80で算出された到達予想濁度Cを用いて、濁度の低い時間帯には多く、濁度が高くなるにつれて取水量を減らすように取水ポンプ3を制御して取水させるとともに、その後、濁度計2で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減しかつ水位計7で計測された浄水貯留池5の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で取水量をもとの計画値に戻す取水量制御手段としてのコントローラであり、上記濁度計2、第2の濁度計20、流量計9、到達濁度演算器80、取水ポンプ3、水位計7およびコントローラ68で浄水場の運転制御装置800が構成されている。
【0037】
このように上記実施の形態9によれば、上流で高濁度水が発生したと判断すると、取水口での到達予想濁度Cを用いて、濁度の低い時間帯には多く、濁度の高くなるにつれて取水量を減らすように制御しているので、より低コストの運転を図ることが可能になるという効果を奏する。
【0038】
なお、取水量の制御の際には、予め原水の濁度と必要となる凝集剤添加量や汚泥処分量の関係、凝集剤の単価、汚泥処理単価を把握しておき、トータルの処理費用が最も低くなるように計画されなければならないことは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、浄水場の取水口近傍に配設され、上記取水口を介して水源から取水される原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記取水される原水の量(以下、取水量と称す)を計画値より減少させて取水制限するとともに、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度以下に復帰すると上記取水量を上記計画値よりさらに増加させるように制御する取水量制御手段とを備えたので、低コスト運転が可能な浄水場の運転制御装置を提供することができる。
【0040】
又、この発明の請求項2によれば、浄水場の取水口近傍に配設され、上記取水口を介して水源から取水される原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記水源の上記汚濁物質濃度計測手段よりも上流の所定の位置に配設され、上記水源の原水の汚濁物質濃度を計測する第2の汚濁物質濃度計測手段と、
上記第2の汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記取水量を増加させるとともに、上記上流で計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると判断された後に、上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、上記基準の汚濁物質濃度とを比較し、該計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記取水量を減少させて取水制限するように制御する取水量制御手段とを備えたので、低コスト運転が可能になると共に、より少ないリスクで運用できる浄水場の運転制御装置を提供することができる。
【0041】
又、この発明の請求項10によれば、浄水場の取水口よりも上流の所定の位置に配設され、水源の原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると上記原水の上記取水口に到達する時点の到達予想濁度を順次演算し、上記原水の取水量を上記到達予想濁度の低い時間帯に多く、上記到達予想濁度の高い時間帯に少なく制御する取水量制御手段とを備えたので、さらに低コスト運転が可能となる浄水場の運転制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態2における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態3における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態4における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態5における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態7における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態8における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態9における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 水源、2 汚濁物質濃度計測手段としての濁度計、3 取水ポンプ、
4 浄水場、5 浄水貯留池、
6,62〜68 取水量制御手段としてのコントローラ、7 水位計、
8 水位演算器、9 流量計、
20 第2の汚濁物質濃度計測手段としての第2の濁度計、
40 造水量演算器、80 到達濁度演算器、90 到達時間演算器、
100,200,300,400,500,600,700,800 運転制御装置。
【発明の属する技術分野】
この発明は、河川等の水源から原水を取水して浄化する浄水場の運転制御装置に係り、特に原水の汚濁物質濃度により取水量を制御して低コスト運転を可能にする運転制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種従来の浄水場の運転制御は、河川等の水源の原水の汚濁物質濃度を計測し、この計測された汚濁物質濃度に応じ、含まれる汚濁物質に適した凝集剤、油吸着剤、活性炭等の投入を行うことによりなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−296235号公報(段落番号0051−0058、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の浄水場の運転制御は以上のように、原水の汚濁物質濃度に応じた量の例えば凝集剤を、取水された原水に投入することにより浄化を行っているので、汚濁物質濃度が高い場合、すなわち原水の水質が悪い場合には、凝集剤等を多量に投入しなければならないため、運転コストが増大するという問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、低コスト運転が可能な浄水場の運転制御装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る浄水場の運転制御装置は、浄水場の取水口近傍に配設され、上記取水口を介して水源から取水される原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記取水される原水の量(以下、取水量と称す)を計画値より減少させて取水制限するとともに、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度以下に復帰すると上記取水量を上記計画値よりさらに増加させるように制御する取水量制御手段とを備えたものである。
【0006】
又、この発明の請求項2に係る浄水場の運転制御装置は、浄水場の取水口近傍に配設され、上記取水口を介して水源から取水される原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記水源の上記汚濁物質濃度計測手段よりも上流の所定の位置に配設され、上記水源の原水の汚濁物質濃度を計測する第2の汚濁物質濃度計測手段と、
上記第2の汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記取水量を増加させるとともに、上記上流で計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると判断された後に、上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、上記基準の汚濁物質濃度とを比較し、該計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記取水量を減少させて取水制限するように制御する取水量制御手段とを備えたものである。
【0007】
又、この発明の請求項10に係る浄水場の運転制御装置は、浄水場の取水口よりも上流の所定の位置に配設され、水源の原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると上記原水の上記取水口に到達する時点の到達予想濁度を順次演算し、上記原水の取水量を上記到達予想濁度の低い時間帯に多く、上記到達予想濁度の高い時間帯に少なく制御する取水量制御手段とを備えたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、1は河川等の水源、4は浄水場、2はこの浄水場4の取水口近傍に配設され、取水口を介して水源1から取水される原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段としての濁度計、3は水源1の原水を取水配管2a、3aを介して浄水場4に取水する取水ポンプ、5は浄水場4で得られた浄水を貯留するための浄水貯留池、4aは浄水場4で得られた浄水を浄水貯留池5へ送るための送水配管、5aは浄水を各家庭や工場等のユースポイント(図示せず)に送出する配水配管である。
また6は、濁度計2によって計測された原水の汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を減少させるとともに、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ4を制御して取水量を増加させ、取水制限期間の不足分を回収できた時点で取水量をもとの計画値に復帰させる取水量制御手段としてのコントローラであり、上記濁度計2、取水ポンプ3およびコントローラ6等で浄水場の運転制御装置100が構成されている。
【0009】
次に、上記のように構成される実施の形態1における浄水場の運転制御装置100の動作を説明する。
まず、水源1に例えば降雨等により高濁度の原水が発生すると、濁度計2によってこの原水の汚濁物質濃度が計測される。この計測された汚濁物質濃度は信号線2bを介してコントローラ6に送られ、コントローラ6において、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度と比較される。そして、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度より低い場合は、「原水は高濁度水ではない」と判断され、コントローラ6から信号線6bを介して取水ポンプ3を制御して、その時の取水量が維持される。
一方、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度より高い、すなわち上回る場合は、「原水は高濁度水である」と判断され、取水ポンプ3が制御されて予め定められた流量にまで取水量が減少される。このとき、コントローラ6はその時点での計画取水量と減少された取水量の差、すなわち不足分を積算する。
【0010】
その後、高濁度の原水が取水口を通過して元の状態に戻り、濁度計2で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3が制御されて取水量は、当初よりさらに増加させ予め定められた流量にまで増加される。コントローラ6は、その時点での計画取水量と増加された取水量の差を積算し、この積算値が上の不足分に一致した時点で、取水量をもとの計画値に復帰させる。
そして、上記のように制御されて取水された原水は浄水場2において浄化された後、浄水貯留池5にいったん貯留され、浄水として配水配管5aを介してユースポイント(図示せず)に送出される。
【0011】
このように上記実施の形態1によれば、濁度計2で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を減少させ、その後、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3を制御して取水量を当初よりさらに増加させるようにしているので、汚濁物質濃度の高い原水を避けつつ取水量を確保することができ、余分な例えば凝集剤等の投入を不要にするとともに、汚泥処分量を低減させることができるため、低コスト運転を図ることが可能になる。また、取水量を増加させた後、取水制限期間の不足分を回収できた時点で取水量をもとの計画値に復帰するようにしているので、過不足なく取水量を確保することができ、さらに低コストで信頼性の高い運転が可能になる。
【0012】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態1と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。7はこの浄水貯留槽5に設置され貯留される浄水の水位を計測する水位計であり、信号線7bを介して取水量制御手段としてのコントローラ62と接続されている。コントローラ62は、濁度計2によって計測された原水の汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された上記実施の形態1と同様の基準の汚濁物質濃度とを比較し、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を減少させ、その後、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3を制御して取水量を増加させ、水位計7で計測された浄水貯留池7の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で取水量をもとの計画値に戻す。また、濁度計2、取水ポンプ3、水位計7およびコントローラ62で浄水場の運転制御装置200が構成されている。
【0013】
このように上記実施の形態2によれば、濁度計2で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を減少させ、その後、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3を制御して取水量を当初よりさらに増加させ、浄水貯留池7の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で取水量をもとの計画値に戻すようにしている。このため、上記実施の形態1と同様に、汚濁物質濃度の高い原水を避けつつ過不足なく取水量を確保することができ、余分な例えば凝集剤等の投入を不要にするとともに、汚泥処分量を低減させることができるため、低コスト運転を図ることが可能になるという効果を奏する。
【0014】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。40は浄水場4の運転状況に応じて最大造水量(造水量の上限値)と最小造水量(造水量の下限値)を演算する造水量演算器であり、信号線4bを介して浄水場4と、また信号線40bを介して取水量制御手段としてのコントローラ63と接続されている。コントローラ63は、濁度計2によって計測された原水の汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された上記実施の形態1と同様の基準の汚濁物質濃度とを比較し、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を最小造水量にまで減少させ、その後、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3を制御して取水量を最大造水量にまで増加させ、取水制限期間の不足分を回収できた時点で取水量をもとの計画値に復帰させる。また、濁度計2、取水ポンプ3、造水量演算器40およびコントローラ63で浄水場の運転制御装置300が構成されている。
【0015】
次に、上記のように構成される実施の形態3における浄水場の運転制御装置300の動作を説明する。
造水量演算器40は、浄水場4の運転状況に応じて最大造水量(造水量の上限値)と最小造水量(造水量の下限値)を演算する。例えば、下記のような式に従って、演算する。
QU=a1QU1+a2QU2+ ・・ +anQUn
QL=a1QL1+a2QL2+ ・・ +anQLn
ただし、
n:浄水場4の浄水プロセスの系列数
QU:浄水場4の最大造水量
QUk:k番目の系列の最大造水量(k=1・・n)
QL:浄水場4の最小造水量
QLk:k番目の系列の最小造水量(k=1・・n)
ak:係数(k番目の系列が稼動している場合は1、停止している場合は0)
【0016】
濁度計2によって計測された汚濁物質濃度はコントローラ63において、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度と比較される。そして、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度より低い場合は、「原水は高濁度水ではない」と判断され、その時の取水量が維持される。
一方、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度より高い、すなわち上回る場合は、「原水は高濁度水である」と判断され、取水ポンプ3が制御されて取水量が演算器40より入力された最小造水量にまで減少される。またコントローラ63は、その時点での計画取水量と減少された取水量との差、すなわち不足分を積算する。
その後、高濁度の原水が取水口を通過して元の状態に戻り、濁度計2で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3が制御されて取水量は演算器40より入力された最大造水量にまで増加される。コントローラ63は、その時点での計画取水量と増加された取水量との差を積算し、この積算値が上の不足分に一致した時点で、取水量をもとの計画値に復帰させる。
【0017】
このように上記実施の形態3によれば、取水制限時の取水量ならびに取水促進時の取水量が、浄水場4の運転状況に応じて調節されるので、上記実施の形態1の効果に加えて、浄水場4ならびに運転制御装置300をより安定に稼動させることができるという効果を奏する。
【0018】
なお、この実施の形態では、コントローラ63は取水制限時の取水量ならびに取水促進時の取水量を、最小造水量、最大造水量に一致するように制御したが、取水制限時の取水量を最小造水量を下回らないように、取水促進時の取水量を最大造水量を上回らないようにして制御しても良い。
また、この実施の形態では、上記実施の形態1と同様に、取水制限期間の不足分を回収できた時点で取水量をもとの計画値に復帰させたが、上記実施の形態2で示したように、水位計7を備えて浄水貯留池7の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で取水量をもとの計画値に戻すようにしても良い。
【0019】
実施の形態4.
図4はこの発明の実施の形態4における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。8は浄水貯留池5の水位変化を予測する手段としての演算器(以下、水位演算器と称す)であり、信号線7bを介して水位計7と、信号線8bを介して取水量制御手段としてのコントローラ64と接続されている。コントローラ64は、上記実施の形態2で示したコントローラ62とほぼ同様であるが、水位演算器8で推定された浄水貯留池5の水位変化により、このままでは水位が予め定められた下限値に達すると判断された時点で、濁度計2で計測された原水濁度が高くても強制的に取水量を増やす機能を有する。また、濁度計2、取水ポンプ3、水位演算器8、水位計7およびコントローラ64で浄水場の運転制御装置400が構成されている。
【0020】
次に、上記のように構成される実施の形態4における浄水場の運転制御装置400の動作を説明する。
ある時間での浄水貯留池7の水位L0は、水位計7で計測され、信号線7bを介して水位演算器8に送られる。水位演算器8では、取水ポンプ3がコントローラ64の指示により取水量を制限している間、例えば下記のような演算を行うことにより、浄水貯留池7の今後の水位変化を予測する。
L1=L0+1/A(Qmin−Q1)△T
L2=L1+1/A(Qmax−Q2)△T
L3=L2+1/A(Qmax−Q3)△T
・
・
Ln=Ln−1+1/A(Qmax−Qn)△T
ただし、
Lk:k×△T時間後の浄水貯留池7の水位(k=1〜n:nは任意)
A:浄水貯留池7の底面積
Qmin:取水制限時の取水量
Qmax:取水促進時の取水量
Qk:k×△T時間後の配水量(浄水使用量)
とし、この場合、次の△T時間後まで取水制限を実施し、△T時間後からはただちに取水促進に移行したときの浄水貯留池5の水位変化を予測するものとする。なお、k×△T時間後の浄水使用量としての配水量Qkは、配水管路網に設置された流量計の値を用いるようにしてもよいし、過去の浄水使用量データから得られるその日の浄水使用量を適用するようにしてもよい。
【0021】
演算された予測水位の値(L1〜Ln)は信号線8bを介してコントローラ64に送られる。コントローラ64は、上記実施の形態2で示したコントローラ62と同様の動作を行うと共に、予測水位の値の中に予め定められた浄水貯留池5の水位の下限値に達する値があった場合は、ただちに取水制限を解除し、取水促進に移行させる。すなわち、取水ポンプ3の流量を予め定められた取水促進時の取水量値Qmaxにまで増やす。
例えば、配水量QkがQmaxよりも大きい場合、浄水貯留池7の水位が下限に達してから取水量を増やしたのでは間に合わない(水位は下がり続ける)が、上記実施の形態4のように、取水制限の期間は常に浄水貯留池5の水位変化を予測するようにしておけば、下限値に達することを未然に防げるので、上記実施の形態2の効果に加えて、浄水供給をより確実かつ安定に行えるという効果を奏する。
【0022】
実施の形態5.
図5はこの発明の実施の形態5における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。20は水源1の濁度計2よりも上流の所定の位置に配設され、水源1の汚濁物質濃度を計測する第2の汚濁物質濃度計測手段としての第2の濁度計であり、信号線20bを介して取水量制御手段としてのコントローラ65と接続されている。コントローラ65は、第2の濁度計20によって計測された原水の汚濁物質濃度と、予め設定された上記実施の形態1と同様の基準の汚濁物質濃度とを比較し、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を増加させるとともに、上流で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると判断された後に、濁度計2によって計測された原水の汚濁物質濃度と基準の汚濁物質濃度とを比較し、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を減少させ、その後、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3を制御して取水量を当初よりさらに増加させ、取水制限期間の不足分を回収できた時点で取水量をもとの計画値に復帰させる。また、濁度計2、取水ポンプ3、第2の濁度計20およびコントローラ65で浄水場の運転制御装置500が構成されている。
【0023】
次に、上記のように構成される実施の形態5における浄水場の運転制御装置500の動作を説明する。
まず、水源1の上流側に例えば降雨等により高濁度の原水が発生すると、第2の濁度計20によってこの原水の汚濁物質濃度が計測される。この計測された汚濁物質濃度はコントローラ65において、予め設定された基準の汚濁物質濃度と比較される。そして、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回る場合、「上流で高濁度水が発生し、その後取水口に到達する」と判断され、取水ポンプ3が制御されて取水量が予め定められた流量にまで増加される。このとき、コントローラ65はその時点での計画取水量と増加された取水量との差を積算する(積算値1)。
その後、上流で発生した高濁度水が取水口に到達して、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が、基準の汚濁物質濃度を上回ると、「高濁度水が取水口に到達した」と判断され、取水ポンプ3が制御されて取水量が予め定められた流量にまで減少される。コントローラ65はその時点での計画取水量と減少された取水量の差、すなわち不足分を積算する。
【0024】
高濁度の原水が取水口を通過し、濁度計2で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減して元の状態に戻ると、取水ポンプ3が制御されて取水量は予め定められた流量にまで増加される。コントローラ65は、その時点での計画取水量と増加された取水量の差を積算し(積算値2)、この積算値1と積算値2との和が上の不足分に一致した時点で、取水量をもとの計画値に復帰させる。
以上のように制御されて取水された原水は浄水場2において浄化された後、浄水貯留池5にいったん貯留され、浄水として配水配管5aを介してユースポイント(図示せず)に送出される。
【0025】
このように上記実施の形態5によれば、上流の第2の濁度計20で高濁度水が計測された時点で取水量を増加させ、高濁度水が取水口に到達する前の原水の取水量を増やすことで、余分の取水量を確保して浄水貯留池5に貯える浄水量を多くできる。このため、上記実施の形態1と同様に、低コスト運転が可能になると共に、より少ないリスクで運用できる効果を奏する。
【0026】
実施の形態6.
なお、上記実施の形態5では、高濁度水が取水口に到達する前の原水の取水量と取水口を通過後の取水原水の量を増やす例を説明したが、前者のみを増加するようにもできる。その場合、装置構成は図5と同様であるが、コントローラ65の動作が次のようになる。
第2の濁度計20によって計測された汚濁物質濃度はコントローラ65において、予め設定された基準の汚濁物質濃度と比較される。そして、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回る場合、「上流で高濁度水が発生し、その後取水口に到達する」と判断され、取水ポンプ3が制御されて取水量が予め定められた流量にまで増加される。このとき、コントローラ65はその時点での計画取水量と増加された取水量との差を積算する(積算値1)。
その後、上流で発生した高濁度水が取水口に到達して、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が、基準の汚濁物質濃度を上回ると、「高濁度水が取水口に到達した」と判断され、取水ポンプ3が制御されて取水量が予め定められた流量にまで減少される。コントローラ65はその時点での計画取水量と減少された取水量の差、すなわち不足分を積算する。不足分の積算値が上記積算値1に一致した時点で、汚濁物質濃度が高くても強制的に取水量をもとの計画値に復帰させる。
この実施の形態6においても、低コスト運転が可能になると共に、よりリスクの少ない運用が可能になる。
【0027】
実施の形態7.
図6はこの発明の実施の形態7における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。66は、第2の濁度計20によって計測された原水の汚濁物質濃度と、予め設定された上記実施の形態1と同様の基準の汚濁物質濃度とを比較し、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を増加させるとともに、上流で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると判断された後に、濁度計2によって計測された原水の汚濁物質濃度と基準の汚濁物質濃度とを比較し、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を減少させ、その後、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3を制御して取水量を増加させ、水位計7で計測された浄水貯留池5の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で取水量をもとの計画値に戻す取水量制御手段としてのコントローラであり、上記濁度計2、取水ポンプ3、第2の濁度計20、水位計7およびコントローラ66で浄水場の運転制御装置600が構成されている。
【0028】
このように上記実施の形態7によれば、上流の第2の濁度計20で高濁度水が計測された時点で取水量を増加させ、高濁度水が取水口に到達する前の原水の取水量を増やすことで、余分の取水量を確保して浄水貯留池5に貯える浄水量を多くできる。このため、上記実施の形態5と同様に、低コスト運転が可能になると共に、よりリスクの少ない運用が可能になるという効果を奏する。
【0029】
なお、上記実施の形態7では、高濁度水が取水口に到達する前の原水の取水量と取水口を通過後の取水原水の量を増やす例を説明したが、前者のみを増加するようにもできる。その場合、装置構成は図6と同様であるが、コントローラ66の動作が次のようになる。
上流で発生した高濁度水が取水口に到達して、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が、基準の汚濁物質濃度を上回ると、「高濁度水が取水口に到達した」と判断され、取水ポンプ3が制御されて取水量が予め定められた流量にまで減少される。このときコントローラ66は、水位計7で計測された浄水貯留池5の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で、汚濁物質濃度が高くても強制的に取水量をもとの計画値に復帰させる。
この場合も、低コスト運転が可能になると共に、よりリスクの少ない運用が可能になる。
【0030】
また、上記実施の形態7では、特に制限を設けることなく高濁度水が取水口に到達する前の原水の取水量を増やす例を説明したが、浄水貯留池5の水位が予め定められた上限値に達した時点で取水量増加を打ち切るようにもできる(装置構成は図6と同様である)。この場合、浄水貯留池5を溢水させることなく安全に運用できるという効果を奏する。
【0031】
実施の形態8.
図7はこの発明の実施の形態8における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。9は水源1を流れる原水の流量を計測する流量計、90はこの流量計9で計測された原水の流量に基づいて流速を演算するとともに、例えば下記式を用いて原水が第2の濁度計20が設置されている位置から、浄水場4の取水口に到達するまでの予想到達時間を演算する演算器(以下、到達時間演算器と称す)である。
T=L/v
但し、T:予想到達時間
L:第2の濁度計20が設置されている位置から浄水場4の取水口までの距離
v:原水の流速
【0032】
また67は、第2の濁度計20によって計測された原水の汚濁物質濃度と、予め設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水口の上流に高濁度水が発生したと判断し、水位計7で計測された浄水貯留池5の水位と、到達時間演算器90で算出された高濁水の予想到達時間Tに基づき、例えば下記式を用いて適切な取水量Qを演算し、取水ポンプ3を制御して取水量をQに合わせるとともに、上流で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると判断された後に、濁度計2によって計測された原水の汚濁物質濃度と基準の汚濁物質濃度とを比較し、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると、取水ポンプ3を制御して取水量を減少させ、その後、濁度計2によって計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減すると、取水ポンプ3を制御して取水量を増加させ、水位計7で計測された浄水貯留池5の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で取水量をもとの計画値に戻す取水量制御手段としてのコントローラであり、上記濁度計2、第2の濁度計20、流量計9、到達時間演算器90、取水ポンプ3、水位計7およびコントローラ67で浄水場の運転制御装置700が構成されている。
取水量Qの演算式は、
Q=(H0−H)A/T+Qout
ただし、H0:浄水貯留池5の水位の上限値
H:水位計7で計測された浄水貯留池5の水位
A:浄水貯留池5の底面積
Qout:浄水貯留池5からの配水量(浄水使用量)
【0033】
このように上記実施の形態8によれば、上流側で高濁度水の発生が第2の濁度計20で計測されると、到達時間演算器90により高濁度水が取水口に到達するまでの予想到達時間Tを演算する。そして、コントローラ67によりこの予想到達時間Tをもとに適切な取水量Qを決定し、取水ポンプ3を制御することによりこの取水量Qで原水を取水口から取水するようにしているので、高濁度水が取水口に到達する時刻に、浄水貯留池がちょうど満水となるように浄水を貯留することができるため、低コスト運転が可能になると共に、さらに効率的に浄水量を確保することができるという効果を奏する。
【0034】
なお、浄水貯留池5からの配水量Qoutは、配水管路網に設置された流量計の値を用いるようにしてもよいし、過去の浄水使用量データから得られるその日の浄水使用量を適用するようにしてもよい。
【0035】
実施の形態9.
図8はこの発明の実施の形態9における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図において、上記各実施の形態と同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。80は第2の濁度計20で計測された汚濁物質濃度と、流量計9で計測された水源1を流れる原水の流量とから、例えば下記式を用いて、第2の濁度計20の配設された場所の原水が浄水場2の取水口に到達する時点の到達予想濁度(取水口における濁度の経時変化予想)を演算する演算器(以下、到達濁度演算器と称す)である。
C=f(v、Co)
但し、 C:到達予想濁度
v:原水の流速
Co:第2の濁度計20の計測値
f:関数
そして、具体的な一例として、L.G.リッチ著、「環境システム工学入門」(産業図書)においては、濁度成分のような物質が河川を流下するような場合の濃度変化を次式で示している。
δC/δt=1/A(x,t)・δ/δx[E(x,t)・A(x,t)・δC/δx]
−1/A(x,t)・δ/δx[Q(x,t)C]−S(C,x,t)
ここで、C:物質濃度(濁度)、A:例えば河川の断面積、
E:分散係数、Q:流量、S:物質(濁度)の消滅速度
【0036】
また68は、第2の濁度計20で得られる汚濁物質濃度が予め設定された基準の汚濁物質濃度を上回ると、上流で高濁度水が発生したと判断し、到達濁度演算器80で算出された到達予想濁度Cを用いて、濁度の低い時間帯には多く、濁度が高くなるにつれて取水量を減らすように取水ポンプ3を制御して取水させるとともに、その後、濁度計2で計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度以下に低減しかつ水位計7で計測された浄水貯留池5の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で取水量をもとの計画値に戻す取水量制御手段としてのコントローラであり、上記濁度計2、第2の濁度計20、流量計9、到達濁度演算器80、取水ポンプ3、水位計7およびコントローラ68で浄水場の運転制御装置800が構成されている。
【0037】
このように上記実施の形態9によれば、上流で高濁度水が発生したと判断すると、取水口での到達予想濁度Cを用いて、濁度の低い時間帯には多く、濁度の高くなるにつれて取水量を減らすように制御しているので、より低コストの運転を図ることが可能になるという効果を奏する。
【0038】
なお、取水量の制御の際には、予め原水の濁度と必要となる凝集剤添加量や汚泥処分量の関係、凝集剤の単価、汚泥処理単価を把握しておき、トータルの処理費用が最も低くなるように計画されなければならないことは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、浄水場の取水口近傍に配設され、上記取水口を介して水源から取水される原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記取水される原水の量(以下、取水量と称す)を計画値より減少させて取水制限するとともに、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度以下に復帰すると上記取水量を上記計画値よりさらに増加させるように制御する取水量制御手段とを備えたので、低コスト運転が可能な浄水場の運転制御装置を提供することができる。
【0040】
又、この発明の請求項2によれば、浄水場の取水口近傍に配設され、上記取水口を介して水源から取水される原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記水源の上記汚濁物質濃度計測手段よりも上流の所定の位置に配設され、上記水源の原水の汚濁物質濃度を計測する第2の汚濁物質濃度計測手段と、
上記第2の汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記取水量を増加させるとともに、上記上流で計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると判断された後に、上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、上記基準の汚濁物質濃度とを比較し、該計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記取水量を減少させて取水制限するように制御する取水量制御手段とを備えたので、低コスト運転が可能になると共に、より少ないリスクで運用できる浄水場の運転制御装置を提供することができる。
【0041】
又、この発明の請求項10によれば、浄水場の取水口よりも上流の所定の位置に配設され、水源の原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると上記原水の上記取水口に到達する時点の到達予想濁度を順次演算し、上記原水の取水量を上記到達予想濁度の低い時間帯に多く、上記到達予想濁度の高い時間帯に少なく制御する取水量制御手段とを備えたので、さらに低コスト運転が可能となる浄水場の運転制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態2における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態3における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態4における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態5における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態7における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態8における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態9における浄水場の運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 水源、2 汚濁物質濃度計測手段としての濁度計、3 取水ポンプ、
4 浄水場、5 浄水貯留池、
6,62〜68 取水量制御手段としてのコントローラ、7 水位計、
8 水位演算器、9 流量計、
20 第2の汚濁物質濃度計測手段としての第2の濁度計、
40 造水量演算器、80 到達濁度演算器、90 到達時間演算器、
100,200,300,400,500,600,700,800 運転制御装置。
Claims (11)
- 浄水場の取水口近傍に配設され、上記取水口を介して水源から取水される原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記取水される原水の量(以下、取水量と称す)を計画値より減少させて取水制限するとともに、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度以下に復帰すると上記取水量を上記計画値よりさらに増加させるように制御する取水量制御手段とを備えたことを特徴とする浄水場の運転制御装置。 - 浄水場の取水口近傍に配設され、上記取水口を介して水源から取水される原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記水源の上記汚濁物質濃度計測手段よりも上流の所定の位置に配設され、上記水源の原水の汚濁物質濃度を計測する第2の汚濁物質濃度計測手段と、
上記第2の汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記原水の取水量を増加させるとともに、上記上流で計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると判断された後に、上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、上記基準の汚濁物質濃度とを比較し、該計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると上記取水量を減少させて取水制限するように制御する取水量制御手段とを備えたことを特徴とする浄水場の運転制御装置。 - 上記取水量制御手段は、上記取水制限において、該取水制限時とそれ以前の取水量増加時との期間における該取水量の過不足分を検出し、該検出量に基づいて上記取水制限を解除することを特徴とする請求項2記載の浄水場の運転制御装置。
- 上記浄水場の浄水貯留池の水位を計測する手段を備え、上記取水量制御手段は、上記取水制限において、計測された上記浄水貯留池の水位に基づいて上記取水制限を解除することを特徴とする請求項2記載の浄水場の運転制御装置。
- 上記取水量制御手段は、上記取水制限後に上記汚濁物質濃度計測手段にて計測された上記汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度以下に復帰すると上記取水量を計画値よりもさらに増加させるように制御することを特徴とする請求項2記載の浄水場の運転制御装置。
- 上記取水量制御手段は、上記取水制限後に上記汚濁物質濃度計測手段にて計測された上記汚濁物質濃度の復帰により上記取水量を増加させた後、取水制限期間の不足分を回収できた時点で上記取水量を上記計画値に復帰するように制御することを特徴とする請求項1または5記載の浄水場の運転制御装置。
- 上記浄水場の浄水貯留池の水位を計測する手段を備え、上記取水量制御手段は、取水制限後に上記汚濁物質濃度計測手段にて計測された上記汚濁物質濃度の復帰により上記取水量を増加させた後、計測された上記浄水貯留池の水位が予め定められた基準値に復帰した時点で上記取水量を上記計画値に復帰するように制御することを特徴とする請求項1または5記載の浄水場の運転制御装置。
- 上記第2の汚濁物質濃度計測手段にて上流で計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回ると判断された原水が、上記浄水場の取水口に到達する時間を予測演算する演算手段と、上記浄水場の浄水貯留池の水位を計測する手段とを備え、上記第2の汚濁物質濃度計測手段にて計測された汚濁物質濃度が上記基準の汚濁物質濃度を上回るとき、上記予測演算された到達時間と計測された上記浄水貯留池の水位とに基づいて、上記取水量制御手段にて上記取水量を増加させることを特徴とする請求項2または5記載の浄水場の運転制御装置。
- 上記浄水貯留池の計測された水位からその後の該水位変化を予測する手段を備え、上記取水量制御手段は、上記浄水貯留池の水位が予め定められた下限値に達することが予測されると、強制的に上記取水量を増やすことを特徴とする請求項4、7または8のいずれかに記載の浄水場の運転制御装置。
- 浄水場の取水口よりも上流の所定の位置に配設され、水源の原水の汚濁物質濃度を計測する汚濁物質濃度計測手段と、
上記汚濁物質濃度計測手段によって計測された汚濁物質濃度と、予め所定の値に設定された基準の汚濁物質濃度とを比較し、上記計測された汚濁物質濃度が基準の汚濁物質濃度を上回ると上記原水の上記取水口に到達する時点の到達予想濁度を順次演算し、上記原水の取水量を上記到達予想濁度の低い時間帯に多く、上記到達予想濁度の高い時間帯に少なく制御する取水量制御手段とを備えたことを特徴とする浄水場の運転制御装置。 - 上記浄水場の運転状況に応じて最大造水量と最小造水量を演算する手段を備え、上記取水量制御手段は、上記最大造水量と最小造水量とに基づいて上記取水量を制御することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の浄水場の運転制御装置。
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