JP2004041790A - 拡張カテーテル - Google Patents
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Abstract
【課題】 バルーン、複数のチューブ、アダプター等の構成部材から組み立てられた拡張カテーテルにおいて、拡張カテーテルの破損、脱落を避け安全性を確保するために、構成部材間の接合の信頼性を高くしてなる拡張カテーテルを提供する。
【解決手段】 複数のチューブ状部材1、2,3,4,5,8とそれが接続されたアダプター部材6から構成された拡張カテーテルにおいて、各部材間の接合、固定方法に接着剤を用いない、又は各部材間の接合、固定が部材間の熱溶着、又は接合される部材と同種の材料の溶融、熱変形のみによって行われることを特徴とした拡張カテーテルである。
【選択図】 図2
【解決手段】 複数のチューブ状部材1、2,3,4,5,8とそれが接続されたアダプター部材6から構成された拡張カテーテルにおいて、各部材間の接合、固定方法に接着剤を用いない、又は各部材間の接合、固定が部材間の熱溶着、又は接合される部材と同種の材料の溶融、熱変形のみによって行われることを特徴とした拡張カテーテルである。
【選択図】 図2
Description
本発明は拡張操作を目的とする手術に使用される拡張カテーテルに関するもので、特に血管拡張用カテーテルに関するものである。
拡張カテーテルは、主に狭窄、又は閉塞した血管に対しての血管形成治療に用いられている。一般に拡張カテーテル、特にオーバーザワイヤー方式と称されているカテーテルは本発明を示す図1に示されるように、内部に複数のルーメンを有するチューブ状のカテーテルシャフトの先端部に、圧力流体を供給する拡張用ルーメンに連通したバルーンを有するとともに、基端部に各ルーメンに連通したポートを有するアダプターを接続した構造のものであり、通常の状態では、前記バルーンはカテーテルシャフトに対して折り畳まれている。そして、この治療においては拡張カテーテルのバルーン部は患者の動脈を経て狭窄部位中に挿入され、そこで圧力流体をバルーンの内部に導入することにより拡張され、狭窄、又は閉塞した患部を拡げる。
拡張カテーテルは、主に治療対象の体内通路に挿入され、治療箇所で内圧を導入されることで拡張治療が行われるため、求められる機能的性質としては拡張に必要な圧力を導入した際にバルーンが破壊されないように充分な強度を有すること、また所望の拡張サイズに安全に制御可能なことである。また、体内通路は屈曲している場合が多くみられることから特に拡張カテーテルの先端部分は屈曲体内通路に対して追随性が良いように柔軟性が、手元部分は先端への力の伝達性がよいようにある程度の強度が求められる。加えて、通常、内部にガイドワイヤーを通して使用されるためガイドワイヤーとの摩擦が少ないことも重要な性質の一つである。
また、安全面においてはカテーテル自体が体内組織や血液と長時間触れあい、またカテーテル内部を通った造影剤、薬剤等が体内に注入されるため、それを構成する材料自体にも充分な安全性が求められる。更に、使用時における破壊、脱落の危険が予想されることからそれらを予防した構造にすることが望ましい。
拡張カテーテルにこれまで使用、又は提案されている材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリビニルアセテート、アイオノマー、ポリ塩化ビニール、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリイミド、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリプロピレン等があるまた、特にアダプター部の素材としては、その強度、寸法安定性の利点からポリカーボネートがほとんどの拡張カテーテルに使用されている。また一部ではポリアミドがアダプター部の材料に使用された場合もあった。
上記の原材料はカテーテルを含む医療用具用として実績があるが、拡張カテーテルに適用するにあたっては注意が必要であった。即ち、拡張カテーテルの滅菌にはエチレンオキサイドガス(以下EOGと略記)が最も頻繁に使用されているが、材料によってEOGの抜けが悪く、拡張カテーテルの残留EOGが多いという問題である。残留EOGによる障害は、皮膚、粘膜への刺激、溶血などが良く知られているが、その許容値は現在の所、公的には決められてはいない。しかし、血液又は組織と長時間接触する物は25ppm以下が安全と考えられている。これまでのEOG滅菌された市販の拡張カテーテルは、滅菌日からの経時にもよるが残留EOGが数ppmから数十ppmのオーダーで存在しており、EOGが完全に抜けきっていないことがわかった。
また、一般に拡張カテーテルは、バルーン、複数のチューブ、アダプター等の部材から構成されており、上記の材料はそのそれぞれの部材に適用されているそれぞれの構成部材が組み立てられてカテーテルは作られるが、拡張カテーテルの破損、脱落を避け安全性を確保するためには部材間の接合の信頼性が高くなければならない。その接合方法には熱溶着、接着剤が多く使われおり、特に異種材料間の接合には熱溶着を用いることが難しいため接着剤が頻繁に用いられる。しかし、医療用具用によく用いられるシアノアクリレート系及びエポキシ系、ウレタン系の接着剤は水分の影響や反応の進行等の要因で接着性に経時的変化を受けやすいため、また熱溶着と異なり接着剤の硬化時間が長いためカテーテル組立工程を管理するのが難しいという欠点があった。
本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、バルーン、複数のチューブ、アダプター等の構成部材から組み立てられた拡張カテーテルにおいて、拡張カテーテルの破損、脱落を避け安全性を確保するために、構成部材間の接合の信頼性を高くしてなる拡張カテーテルを提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、複数のチューブ状部材とそれが接続されたアダプター部材から構成された拡張カテーテルにおいて、各部材間の接合、固定方法に接着剤を用いない、又は各部材間の接合、固定が部材間の熱溶着、又は接合される部材と同種の材料の溶融、熱変形のみによって行われることを特徴とした拡張カテーテルを構成した。
ここで、チューブ状部材1とそのチューブ状部材の一端から一体的に成形されたバルーン1Aを有し、チューブ状部材1がチューブ状部材1より比較的大きい引っ張り弾性率を有するポリエチレン製のチューブ状部材2と同心的に接合されており、チューブ状部材1と2の内側にポリエチレン製のチューブ状部材3が配置されており、チューブ状部材3がチューブ状部材1のバルーン1Aが成形された端でチューブ状部材1と同心的に接合されていることが好ましい。
更に、前記チューブ状部材2のチューブ状部材1と接合していない方の一端にチューブ状部材2の外径より大きい内径を有したポリエチレン製チューブ状部材4を重ね合わせて接合したうえで円錐状にフレア加工した部分と末端がフレア状加工されたチューブ状部材5のフレアー部分を重ね合わせた部分をアダプターの本体6とキャップ7のネジを締めることによって挟み込んで固定し、アダプター本体6とキャップ7を超音波溶着によって接続し、また、チューブ状部材3の内径、外径がチューブ状部材1と接合している側が他端の内径、外径より小さくなるように連続的に一体成形されており、チューブ状部材1と接合していない方の一端にチューブ状部材3の外径より大きい内径を有したチューブ状部材8を重ね合わせて接合したうえで円錐状にフレア加工した部分をアダプターの本体6とキャップ9のネジを締めることによって挟み込んで固定し、アダプター本体6とキャップ9を超音波溶着によって接続した構造をとっていることがより好ましい。
また、各構成部材の材料については、まず種々の材料をEOGの抜け易さという観点でスクリーニング及び抽出した。そこで選んだ材料について先述したような拡張カテーテルに求められる性質、チューブ部材には強度、操作性、低摩擦性、アダプター部材には強度、寸法安定性等を、更に操作時に起こりうる危険の回避を考慮に入れて、チューブ状部材の主材料がポリエチレンであり、アダプター部材の材料がポリメチルペンテンである拡張カテーテルとした。
そして、複数のポレエンチレ製のチューブ状部材を先端部から手元部分にかけて同心状に多層に接合してカテーテルシャフトを構成し、拡張カテーテルの先端部分は屈曲体内通路に対して追随性が良いように柔軟性を付与し、手元部分は先端への力の伝達性がよいようにある程度の強度を付与している。
本発明による拡張カテーテルは、主構成材料がポリエチレン、又はポリメチルペンテンという他の高分子材料と比較して化学的に安定で生体への影響が少ない医療用への使用実績の確立されている材料を用いると、生体に悪影響を与えると考えられる物質が存在、発生する可能性が全くなく、滅菌方法にEOGを用いた場合の残留EOGが極めて少ないことから生物学的な安全性が極めて高く、かつ、バルーンがチューブから一体成形されているため、また拡張カテーテル先端チューブが基端部のチューブと熱溶着されているため使用時の脱落の危険が低減されるのである。
本発明に係る拡張カテーテルは、構成部材間の接合、固定の信頼性が高く、特にバルーンがチューブから一体成形されており、更に拡張カテーテル先端チューブが基端部のチューブと熱溶着されているため使用時の脱落の危険が低減された安全性の高いものである。
次に、本発明の拡張カテーテルの実施形態を図1及び図2に基づいて更に説明する。本発明の拡張カテーテルは、ポリエチレン製のチューブ状部材1とそのチューブ状部材の一端から一体的に成形されたバルーン1Aを有し、チューブ状部材1がチューブ状部材1より比較的大きい引っ張り弾性率を有するポリエチレン製のチューブ状部材2と同心的に接合されており、チューブ状部材1と2の内側にポリエチレン製のチューブ状部材3が配置さており、チューブ状部材3がチューブ状部材1のバルーン1Aが成形された端でチューブ状部材1と同心的に接合されており、チューブ状部材3上でバルーン1Aと重なる位置にX線による造影を目的とした金又は白金の環状部材1Bが固定されており、チューブ状部材3の内側ルーメンがポリメチルペンテン製のアダプターのポート10と連通しており、チューブ状部材1、2の内側とチューブ状部材3の外側のルーメンがアダプターのポート11と連通している構造である。
更に、前記カテーテルのチューブ状部材2のチューブ状部材1と接合していない方の一端にチューブ状部材2の外径より大きい内径を有したポリエチレン製チューブ状部材4を重ね合わせて接合したうえで円錐状にフレア加工した部分4Aと末端がフレア状加工されたポリエチレン製チューブ状部材5のフレアー部分5Aを重ね合わせた部分を、ポリメチルペンテン製のアダプターの本体6とポリメチルペンテン製のアダプターキャップ7のネジを締めることによって挟み込んで固定し、アダプター本体6とキャップ7を超音波溶着によって接続している。また、チューブ状部材3の内径、外径はチューブ状部材1と接合している側が他端の内径、外径より小さくなるように連続的に一体成形されている。更に、チューブ状部材1と接合していない方の一端にチューブ状部材3の外径より大きい内径を有したポリエチレン製チューブ状部材8を重ね合わせて接合したうえで円錐状にフレア加工した部分8Aをアダプター本体6とポリメチルペンテン製のアダプターキャップ9のネジを締めることによって挟み込んで固定し、アダプター本体6とキャップ9を超音波溶着によって接続している。
このように、本発明の拡張カテーテルのカテーテルシャフトは、バールン1Aを有する先端部分からアダプター6を接続した手元部分へかけてチューブ状部材の積層数が増した構造である。即ち、先端部分はチューブ状部材1と3の二層同心構造部であり、それより手元部分へかけて順次チューブ状部材2、4、5が積層されて三層同心構造部、四層同心構造部、五層同心構造部となっている。それにより、拡張カテーテルの先端部分は柔軟性があって屈曲体内通路に対して追随性が良く、また手元部分は曲げ強度、圧縮強度が高くなって先端への力の伝達性が良いようになっている。
以下の実施例で本発明によって作製された拡張カテーテルの一例を示し、また比較例によって従来の方法、材質で作製した比較カテーテル、市販の拡張カテーテルと比較された本発明の優れた特性を説明する。
(実施例)密度0.959g/cm3、融点132℃、メルトフローレート(以下MFRと略)0.7g/10分のポリエチレンと密度0.918g/cm3、融点107℃、MFR0.3g/10分のポリエチレンと密度0.930g/cm3、融点117℃、MFR1.5g/10分のポリエチレンを重量比で3:2.5:4.5の割合で混合した物を押出成形機によって押出し、バルーンに成形されるのに適切な直径、肉厚(内径約0.7mm、外径0.9mm〜1.2mm)であるチューブに成形した。更に、チューブを電子線照射装置によってバルーンに成形されるのに適切な電子線量を照射し架橋を導入した。そのチューブを金型内に配置し、加熱し、軸方向へ延伸した後、内部に圧力流体を導入し、バルーン形状にブロー成形した。そのバルーンを含むチューブをバルーンの両端で予め計算された適切な長さに切断した(チューブ状部材1)。このように作製されたチューブ状部材1の軸方向の引張弾性率は約300MPaであった。
密度0.961g/cm3、融点135℃、MFR1.0g/10分のポリエチレンを押出成形機によって押出し、内径約0.95mm、外径約1.2mmのチューブに成形した。そのチューブをクリーンオーブン内にチューブの軸方向に約0.1Nのテンションがかかるように配置し、120℃で2時間熱処理を行った後、予め計算された適切な長さに切断した(チューブ状部材2)。このように作製されたチューブ状部材2の軸方向の引張弾性率は約800MPaであった。このチューブ状部材2の末端にステンレス製の芯材を入れ、密度0.930g/cm3、融点117℃、MFR1.5g/10分のポリエチレンを押し出し機により内径をチューブ状部材2の外径より大きくするように押出成形したチューブを予め計算された道切な長さに切断した物(チューブ状部材4)を被せ、更にその上にシリコン製の外周保持材を被せて電磁誘導加熱装置で芯材を加熱し両ポリエチレンチューブを熱溶着させた。その溶着させた部分を熱せられたフレアー金型に押しつけてフレアー部分2A,4Aを成形した。
密度0.959g/cm3、融点132℃、MFR0.7g/10分のポリエチレンの内径をチューブ状部材4の外径より大きくなるように押し出し成形したチューブ状部材5を予め計算された適切な長さに切断し、その末端を熱せられたフレアー金型に押しつけてフレアー部分5Aを形成した。チューブ状部材2と4を重ね合わせフレアー加工した部分2A,4Aとチューブ状部材5のフレアー部分5Aを重ね合わせた部分を、MFR26g/10分、オルゼン剛性6000kg/cm2、ロックウェル硬度60、熱変形温度85℃のポリメチルペンテンを射出成形して作製したアダプター本体6と、MFR22g/10分、オルゼン剛性3900kg/cm2、ロックウェル硬度35、熱変形温度80℃のポリメチルペンテンを射出成形して作製したキャップ7で挟み込み、本体6とキャップ7間のネジを締めることで各部材間を固定した。更に、ネジの締め込み後、キャップ7と本体6を超音波溶着機を用いて溶着した。
チューブ状部材2のフレアー部分2Aと反対側の端に、チューブ状部材1のバルーン1Aが成形されていない方の端を挿入し、両者の重ね代部分の内部にステンレス製の芯材を配置、外部にシリコン製の外周保護材を取り付け、電磁誘導加熱装置で芯材を加熱し、両部材を熱溶着した。
密度0.961g/cm3、融点135℃、MFR1.0g/10分のポリエチレンにフタロシアニンブルーを重量比で0.3部の割合で混合した後、押出成形機によって比較的小径的な部分(内径約0.42mm、外径約0.56mm)とそこから連続的、一体的に変化した比較的大径的な部分(内径約0.50mm、外径約0.67mm)を有したチューブを押出成形した。そのチューブをクリーンオーブン内にチューブの軸方向に約0.05Nのテンションがかかるように配置し、80℃で1時間熱処理を行った後、予め計算された適切な長さに切断した(チューブ状部材3)。このチューブ状部材3の比較的大径な方の末端にステンレス製の芯材を入れ、密度0.930g/cm3、融点117℃、MFR1.5g/10分のポリエチレンを押し出し機により内径をチューブ状部材3の外径より大きくするように押出成形したチューブを予め計算された薄切な長さに切断した物(チューブ状部材8)を被せ、更にその上にシリコン製の外周保持材を被せて電磁誘導加熱装置で芯材を加熱し両ポリエチレンチューブを熱溶着させた。その溶着させた部分を熱せられたフレアー金型に押しつけてフレアー部分3A,8Aを成形した。また、チューブ状部材3のフレアー部分3Aの反対側にステンレス製の芯材を挿入し、予め計算された位置に金製の環状部材1Bを配置し、更にその環状部材1Bの両端に、密度0.920g/cm3、融点129℃、MFR1.6g/10分のポリエチレンを内径約0.62mm、外径0.72mmに押し出したチューブを長さ約0.5mmに切断したものを配置し、その部分をシリコンシートによる圧迫下において熱風により加熱、金製環状部材1Bの両端に配置されたポリエチレンを溶かすことによってチューブ状部材3に金製環状部材1Bを固定した。上記金製環状部材1Bが固定され、一端がフレア加工されたチューブ状部材3をフレア加工されていない方から前記アダプター本体6内とそれに接続されたチューブ状部材2、1内に通して配置し、フレアー部分3A,8Aをアダプター本体6とMFR26g/10分、オルゼン剛性10000kg/cm2、ロックウェル硬度85、熱変形温度90℃のポリメチルペンテンを射出成形して作製したキャップ9により挟み込み、本体6とキャップ9間のネジを締めることで各部材間を固定した。更に、ネジの締め込み後、キャップ9と本体6を超音波溶着機を用いて溶着した。
上記まで組み立てられた後、キャップ9からチューブ状部材3の内部を通して芯材を貫通させた状態で、チューブ状部材3とチューブ状部材1の端部の重なった部分を熱風により加熱、加熱部を両端方向に引っ張り、両チューブ状部材1,3を実質上減径させるとともに同心円的に溶着させた。また、溶着部を所定の長さに切断、ラッピングフィルムシートを用いて最先端部をより減径するように研磨した。
チューブ状部材3の内部にヘキサンに溶解されたポリジメチルシロキサンを塗布した後、へキサンを蒸散させる方法でポリジメチルシロキサンをコーティング、更にバルーン1Aを含むチューブ状部材1部分をポリジメチルシロキサンを直接塗布することでコーティングした。
バルーン1Aをチューブ状部材3の周囲に折り畳み、その折り畳まれた直径より若干大きい内径を有するポリエチレン製のチューブに内に形状を保持させながら挿入し、その折り畳まれたバルーン部分のみを約65℃〜70℃、10分程度加熱して折り癖を持たせた。尚、加熱温度を約65℃〜70℃としたのは、バルーン部分のサイズによって最適な加熱温度が異なるためである。
以上に示すように作製された本発明の拡張カテーテルは、それを構成する部材間の接合、固定に接着剤を使用せず、構成部材間の熱溶着によって組み立てが達成された。特に、アダプター部のネジ締め付けによるチューブの固定では実施例中に示したようにアダプター本体に対してそれぞれ異なった硬度を有したキャップを用いることで良好な締め付け性が得られるように調整した。上記実施例による拡張カテーテルは、バルーン近傍の部分に引張弾性率が比較的小さいチューブ状部材1と、アダプター近傍部分に引張弾性率が比較的大きいチューブ状部材2を有しているので、手元の力がアダプターからバルーン方向へ伝わり易い、操作性に比較的優れた拡張カテーテルであった。また、使用時にはガイドワイヤ一が内部を通過するチューブ状部材3は、アダプター近傍の内径が比較的大きいのと同時に、内部にポリジメチルシロキサンがコーティングされていることにより、ガイドワイヤーとの摩擦が少なく操作性が優れた拡張カテーテルであった。
(比較例)本発明による拡張カテーテルと、比較例として市販の拡張カテーテルに典型的な材料構成、接着剤を使用して作製したカテーテル及び市販の拡張カテーテルを対象としてEOG滅菌後の残留EOG量を評価した。比較例として以下の3例を示す。比較例1は、本発明と同等のサイズのポリエチレン製チューブ及び同じ金型を使用して成形したポリカーボネート製のアダプターから構成され、チューブとアダプターの接着にはポリウレタン系の接着剤を用いて組み立てた拡張カテーテルである。比較例2は、本発明と同等のサイズのポリアミド(ナイロン12)製チューブ及び別成形されたポリアミド(ナイロン12)製のバルーン及び同じ金型を使用して成形したポリアミド(ナイロン12)製のアダプターから構成され、チューブとバルーンの接着にはシアノアクリレート系接着剤を、アダプターの接着にはポリウレタン系の接着剤を用いて組み立てられた拡張カテーテルである。比較例3は、ポリエチレン製チューブとポリカーボネート製のアダプターから構成されており、チューブとアダプターの接着は充填材としてタルクを含むポリウレタン系の接着剤によってされている市販の拡張カテーテルである。
本発明品と比較例1、2のEOG滅菌はEOG20%、炭酸ガス80%の混合ガスを用い、ガス濃度600mg/L、温度50〜60℃、湿度40〜75%RH、圧力1kg/cm2、処理時間6時間の条件で行い、ガス抜きはエアーレーション5回で行った。処理後はガス抜き期間として16日以上室温で保存した物を測定した。また、比較例3の市販品の滅菌条件、滅菌日からの正確な期間は不明であったが滅菌月の表示から約4カ月であると推定された。残留エチレンオキサイドの定量は日本医療器材協会の残留エチレンオキサイドの定量法によって行った。測定結果を以下の表に示す。
表に示されるように本発明による拡張カテーテルは、滅菌終了から測定までの期間が最も短いにも関わらず残留EOGの量は最も少なかった。この結果は先述した本発明の優れた安全性の一端を示すものである。
本実施形態の拡張カテーテルは、主構成材料がポリエチレン、及びポリメチルペンテンという他の高分子材料と比較して化学的に安定で生体への影響が少ない医療用への使用実績の確立されている材料を用い、更に各部材間の接合に接着剤を用いていないため生体に悪影響を与えると考えられる物質が存在、発生する可能性が全くなく、滅菌方法にEOGを用いた場合の残留EOGが極めて少ないことから生物学的な安全性が極めて高い。
1 チューブ状部材
2 チューブ状部材
3 チューブ状部材
4 チューブ状部材
5 チューブ状部材
6 アダプター本体
7 アダプターキャップ
8 チューブ状部材
9 アダプターキャップ
10 ポート
11 ポート
2 チューブ状部材
3 チューブ状部材
4 チューブ状部材
5 チューブ状部材
6 アダプター本体
7 アダプターキャップ
8 チューブ状部材
9 アダプターキャップ
10 ポート
11 ポート
Claims (3)
- 複数のチューブ状部材とそれが接続されたアダプター部材から構成された拡張カテーテルにおいて、各部材間の接合、固定方法に接着剤を用いない、又は各部材間の接合、固定が部材間の熱溶着、又は接合される部材と同種の材料の溶融、熱変形のみによって行われることを特徴とした拡張カテーテル。
- チューブ状部材1とそのチューブ状部材の一端から一体的に成形されたバルーン1Aを有し、チューブ状部材1がチューブ状部材1より比較的大きい引っ張り弾性率を有するポリエチレン製のチューブ状部材2と同心的に接合されており、チューブ状部材1と2の内側にポリエチレン製のチューブ状部材3が配置されており、チューブ状部材3がチューブ状部材1のバルーン1Aが成形された端でチューブ状部材1と同心的に接合されている請求項1記載の拡張カテーテル。
- 前記チューブ状部材2のチューブ状部材1と接合していない方の一端にチューブ状部材2の外径より大きい内径を有したポリエチレン製チューブ状部材4を重ね合わせて接合したうえで円錐状にフレア加工した部分と末端がフレア状加工されたチューブ状部材5のフレアー部分を重ね合わせた部分をアダプターの本体6とキャップ7のネジを締めることによって挟み込んで固定し、アダプター本体6とキャップ7を超音波溶着によって接続し、また、チューブ状部材3の内径、外径がチューブ状部材1と接合している側が他端の内径、外径より小さくなるように連続的に一体成形されており、チューブ状部材1と接合していない方の一端にチューブ状部材3の外径より大きい内径を有したチューブ状部材8を重ね合わせて接合したうえで円錐状にフレア加工した部分をアダプターの本体6とキャップ9のネジを締めることによって挟み込んで固定し、アダプター本体6とキャップ9を超音波溶着によって接続した構造をとっている請求項2記載の拡張カテーテル。
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