JP2004041098A - 過熱水蒸気による食品の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性が高く、しかも設備コストが廉価で済む過熱水蒸気による食品の処理方法を提供する。
【解決手段】耐圧性を有する耐熱容器12で密封した食品11を、コンベア13によって110℃以上の過熱水蒸気14を噴射しているトンネル16内に搬入し、トンネル16を通過させることによって耐熱容器12内の食品11の加工及び殺菌を行う。これにより短時間で加熱され、過度の加熱調理の問題が解消され、しかも、生産性が高く、さらに、廉価な設備コストで済むと共に、従来に比較して低圧下で処理されるので、爆発や火災等の心配のない安全な処理ができる。
【選択図】 図1
【解決手段】耐圧性を有する耐熱容器12で密封した食品11を、コンベア13によって110℃以上の過熱水蒸気14を噴射しているトンネル16内に搬入し、トンネル16を通過させることによって耐熱容器12内の食品11の加工及び殺菌を行う。これにより短時間で加熱され、過度の加熱調理の問題が解消され、しかも、生産性が高く、さらに、廉価な設備コストで済むと共に、従来に比較して低圧下で処理されるので、爆発や火災等の心配のない安全な処理ができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、過熱水蒸気を用いて耐熱容器内に密封された食品(例えば、魚、肉、米、野菜、果物)を加工及び殺菌する過熱水蒸気による食品の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、保存食品としてのレトルト食品は常温で1年以上保存でき、食べる際に加熱時間が短くて済み、しかも風味も一般の料理と殆ど変わらないメリットがあるため、広く使用されている。このレトルト食品は、肉や野菜等の食材をアルミ蒸着フィルム等の包装材で密封して、高温かつ高圧下で加工及び殺菌を行って製造される。ところが、このレトルト食品は包装材を介しての高温、高圧下での加熱となるので、熱が効率的に食品に伝達しにくく、加熱時間が長引く傾向にある。更には、アルミイオンが影響して所謂レトルト臭が食品に付いたり、あるいは食品に離水が起こって品質低下を招いている。
【0003】
このようなレトルト食品の長時間加熱の問題を解決する方法として、惣菜類を品質低下させることなく短時間で殺菌調理できる方法(特開平08−256739号公報)や、殺菌槽内の温度と圧力を、対象とする含気レトルト食品の加熱殺菌に適切な温度時間推移曲線に適合するように制御し、被殺菌物の容量に影響を受けず、所定の温度時間推移曲線に沿った殺菌処理を行うため、殺菌処理された含気レトルト食品の品質を安定した品質に維持することのできる含気レトルト食品殺菌装置(特開平07−231770号公報)等が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報記載の殺菌調理方法及び含気レトルト食品殺菌装置においては、高圧下の加熱処理を行う必要があるので、設備コストが高くなると共に、バッチ方式であるので、生産性が低いという問題があった。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、生産性が高く、しかも設備コストが廉価で済む過熱水蒸気による食品の処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法は、耐圧性を有する耐熱容器で密封した食品を、コンベアによって110℃以上の過熱水蒸気を噴射しているトンネル内に搬入し、トンネルを通過させることによって耐熱容器内の食品の加工及び殺菌を行う。これによって、耐圧性を有する耐熱容器で密封された食品は、コンベアによってトンネル内を連続して移送されながら過熱水蒸気により加工及び殺菌される。ここで、噴射する過熱水蒸気の温度を110℃以上としているのは、温度が110℃未満であれば、耐熱容器内の食品が適切に加工及び殺菌できないためである。
【0007】
本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、トンネルを出た時点で、耐熱容器内が耐熱容器の耐圧力の30%以上で100%未満の圧力になるように、トンネルの長さに対応させてコンベアの速度及びトンネル内の過熱水蒸気の温度を制御することもできる。これによって、耐熱容器の破損の恐れが無くなり、しかも耐熱容器内の食品が、さらに適切に加工及び殺菌できる。ここで、耐熱容器内の圧力を耐熱容器の耐圧力の30%以上で100%未満としたのは、30%未満では過熱水蒸気の温度が低くなって加熱時間がかかり、一方、100%を超えると耐熱容器が破損する恐れがあるためである。
【0008】
本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、耐熱容器は透光性を有し内部を視認できる合成樹脂製の袋からなるようにすることもできる。これによって、耐熱容器内部の状態を確認できる。
本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、トンネル内での過熱水蒸気の噴射は、耐熱容器に対してその上下両方から又は上下の何れか一方から行うこともできる。これによって、耐熱容器の材質、耐熱容器内の食品等に適切なコンベアの構造やトンネルの構造を設定できる。
【0009】
本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、コンベアは上下に過熱水蒸気が通過可能なネット状又は格子状のコンベアベルトを使用することもできる。これによって、過熱水蒸気の熱が耐熱容器内の食品に効率良く供給される。本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、トンネルの入口側及び出口側にはトンネルの入口側及び出口側の通気面積を小さくするシールド部材を設けることもできる。これによって、トンネルの過熱水蒸気の熱を食品の加熱に有効に用いることができる。
【0010】
本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、トンネルの入口側の過熱水蒸気の噴射温度がトンネルの出口側の過熱水蒸気の噴射温度より高くなるようにすることもできる。これによって、耐熱容器内の食品の加熱を効率的に行うと共に、耐熱容器の破壊を効果的に抑制することができる。
本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、耐熱容器に密封された食品は、コンベアに載せる前に、100℃未満の温度に予熱することもできる。これによって、トンネル内での過熱水蒸気による加熱効率を向上できる。
本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、食品は所定の調味料と共に耐熱容器内に収納することもできる。これによって、食品を加工及び殺菌すると共に、味付けできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る過熱水蒸気による食品の処理方法を適用する食品の処理装置の構成図、図2(A)、(B)はそれぞれ、同過熱水蒸気による食品の処理方法に用いる袋詰め品の断面図、平面図である。
【0012】
図2(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る過熱水蒸気による食品の処理方法では、肉や野菜等の食品11を、耐圧性を有する耐熱容器の一例である包装材12で密封した袋詰め品10を所定の温度で加工及び殺菌している。
【0013】
図1に袋詰め品10を所定の圧力下、所定の温度で加熱して、食品11の加工及び殺菌を行う食品の処理装置40を示す。食品の処理装置40は、食品11を包装材12で密封した袋詰め品10を、所定のピッチを開けて水平方向に搬送するコンベアの一例であるネットコンベア13と、ネットコンベア13の駆動部15とテール部15aとの中間位置に設けられ、ネットコンベア13により搬送される袋詰め品10に常圧下で110℃以上の過熱水蒸気14を噴射する噴射ノズル39を備えたトンネル16とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
【0014】
図2に示す包装材12は、アルミ蒸着フィルム等合成樹脂製の袋からなって透光性を有しており、包装材12内部の食品11を視認できるようになっている。肉や野菜等の食品11は、それぞれ適当なサイズにカットされており、それぞれの食材に応じて生又は事前に熱を通した状態で、しかも、所定の調味料と共に包装材12に収納され、完全密封状態で袋詰めされている。
【0015】
図1に示すように、ネットコンベア13は、袋詰め品10を載置して移送可能で、上下方向に過熱水蒸気14(蒸気温度が110〜300℃程度)が通過可能なネット状又は格子状のコンベアベルト17を備えている。ネットコンベア13の駆動部15には、コンベアベルト17を摩擦力により回転駆動する駆動プーリーが設けられており、該駆動プーリーには減速機構を介して速度制御が可能な電動モータ18が連結されている。
【0016】
トンネル16は、主としてステンレス鋼板からなり、ネットコンベア13の駆動部15とテール部15aとの中間位置の一部を覆う長さL(例えば、3〜10m)の箱体構造となっている。トンネル16内には、過熱水蒸気14を袋詰め品10の上方及び下方から噴射する複数の噴射ノズル39を取付けたパイプからなる上、下ノズルヘッダー19、20が設けられている。袋詰め品10はトンネル16内で、例えば、300℃以上の過熱水蒸気により加熱されると、包装材12内の水分の加熱により包装材12内の圧力が上昇して包装材12の耐圧力を超えて、包装材12が破損する恐れがある。従って、包装材12の破損を防止するために、トンネル16内の過熱水蒸気14の温度を測定する温度センサー21、21aがそれぞれ、トンネル16の入口側、出口側に設けられており、トンネル16の過熱水蒸気14の温度を管理している。
【0017】
図1に示すように、上、下ノズルヘッダー19、20の上流側端部には蒸気供給管22の先端部がそれぞれ連通連結されており、蒸気供給管22の中間位置はトンネル16の壁を貫通し、その基端はボイラー23の下流側に配置された過熱水蒸気発生手段である過熱器23aの蒸気排出口に連通連結されている。トンネル16外の蒸気供給管22には、過熱器23aからトンネル16内に供給される過熱水蒸気14の量を調整するための流量調整弁24が設けられている。流量調整弁24の開度によって、トンネル16内に供給される過熱水蒸気14の量を増減して、トンネル16内の袋詰め品10を加熱する温度を調整することができる。
【0018】
図1に示すように、トンネル16の入口側及び出口側には、コンベアベルト17の搬送側(上側)及びリターン側(下側)がトンネル16に挿通する部分の通気面積を小さくするため、シールド部材の一例であるゴム板25〜32が設けられている。ゴム板25〜32の先端部は軽く付勢されており、ゴム板25〜32は付勢力によりコンベアベルト17又は袋詰め品10(処理済み袋詰め品10aも含む)に当接し、ゴム板25〜32の基端部は、ねじ機構等によりトンネル16に取り外し可能に固定されている。ゴム板25〜32によって、外気の侵入及びトンネル16内の過熱水蒸気14の洩れをできるだけ抑え、熱の損失を少なくしている。また、過熱水蒸気14は袋詰め品10に熱を奪われて低温度(100〜120℃程度)になって、ゴム板25〜32付近の隙間を介してトンネル16外に流出する。
【0019】
トンネル16のゴム板25〜28を覆う入口側、ゴム板29〜32を覆う出口側にはそれぞれ、ゴム板25〜28、ゴム板29〜32付近の隙間を介してトンネル16外に流出する低温度となった過熱水蒸気を捕集するステンレス鋼板製の入、出口側フード33、34が設けられている。ゴム板25〜28、ゴム板29〜32近傍のそれぞれの開口から流出した排気となった水蒸気は入、出口側フード33、34により捕集された後、蒸気配管35、36を介して吸引ブロア37により凝縮器38に吸引されて水に凝縮されるようになっている。
【0020】
次いで、食品の処理装置40を用いた本発明の一実施の形態に係る過熱水蒸気による食品の処理方法について、図1を参照しながら説明する。
(1)過熱器23aで発生させた過熱水蒸気14を蒸気供給管22及び上、下ノズルヘッダー19、20を介して噴射ノズル39から、ネットコンベア13の搬送側のコンベアベルト17に向けて噴射する。
(2)事前に調味料を加えて食品11が包装材12により密封された袋詰め品10を、ネットコンベア13の搬送側のコンベアベルト17の上流端部に別途手段により、連続して供給する。
【0021】
(3)コンベアベルト17上に所定のピッチで載置された袋詰め品10は、入口側フード33を経由してトンネル16内に搬送される。
(4)トンネル16内を搬送されながら袋詰め品10は、噴射ノズル39から噴射される常圧下で110℃以上の過熱水蒸気14により10〜20分程度加熱されて、食品11の加工及び殺菌が行われる。
【0022】
(5)この際、包装材12内の圧力が包装材12の耐圧力の30%以上で100%未満の圧力になるように、袋詰め品10の加熱を制御している。具体的な制御方法として、トンネル16の長さLに対応させてネットコンベア13の搬送速度を調整したり、トンネル16内の過熱水蒸気14の温度を流量調整弁24の開度によって制御している。また、トンネル16の出口側の過熱水蒸気14の噴射温度が、トンネル16の入口側の過熱水蒸気14の噴射温度より低くなるよう温度センサー21、21aを用いて制御するため、必要に応じて、トンネル16の出口側において、別途、冷気の吹き込み又は水の噴霧を行っている。
【0023】
(6)食品11の加工及び殺菌が行われた処理済み袋詰め品10aは、コンベアベルト17によりトンネル16外に搬送され、出口側フード34を経由して、ネットコンベア13の下流端から次工程に搬送される。
(7)一方、噴射ノズル39から噴射されて、袋詰め品10の加熱のために熱を奪われた使用済みの過熱水蒸気は、入、出口側フード33、34及び蒸気配管35、36を介して凝縮器38に吸引されて水に凝縮される。
【0024】
食品の処理装置40においては、常圧下のトンネル16内を連続的に移送される袋詰め品10内の食品11を過熱水蒸気14により短時間に加熱することができるので、過度の加熱による問題を発生する恐れがないと共に、大量に処理することができ、しかも、従来のような高圧力を使用しないので、爆発等の問題がなく、極めて安全な方法である。
【0025】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の過熱水蒸気による食品の処理方法を構成する場合にも本発明は適用される。
前記実施の形態においては、袋詰め品10の包装材12はアルミ蒸着フィルム等の袋からなって透光性を有しており、包装材12内部の食品11を視認できるようにしたが、これに限定されず、必要に応じて、不透光性で内部が見えないものでも構わない。また、耐圧強度が許容できれば、その他の材質、例えば、合成樹脂、ガラス等の材質を用いてもよい。
【0026】
トンネル16を出た時点での包装材12内の加熱による圧力上昇を所定の範囲の圧力になるように、トンネル16の長さに対応させてコンベアの速度及びトンネル16内の過熱水蒸気14の温度を制御したが、これに限定されず、状況に応じて、包装材12内の食品の内容や調味料の有無等によってもコンベアの速度及びトンネル内の過熱水蒸気の温度を制御することもできる。これによって、それぞれの条件に最適な過熱水蒸気の噴射時間や噴射温度を設定することができる。
トンネル16内での過熱水蒸気14の噴射を、袋詰め品10に対してその上下両方向から行ったが、これに限定されず、状況に応じて、上下の何れか一方向から行うこともできる。
【0027】
コンベアとしては上下に過熱水蒸気14が通過可能なネット状又は格子状のコンベアベルト17を使用したが、これに限定されず、袋詰め品10を搬送でき、しかも過熱水蒸気14の噴射が可能であれば、他の構造のコンベアベルトを使用することもできる。
トンネル16の入口側及び出口側に、トンネル16の入口側及び出口側の通気面積を小さくするためのゴム板25〜32を設けたが、これに限定されず、必要に応じて、ゴム板を省略することもできる。
トンネル16の入口側の過熱水蒸気14の噴射温度がトンネル16の出口側の過熱水蒸気14の噴射温度より高くなるように制御したが、これに限定されず、状況に応じて、噴射温度を制御しなくても構わない。
【0028】
包装材12に密封された食品11は、ネットコンベア13に載せる前に、加熱処理をしなかったが、これに限定されず、必要に応じて、100℃未満の温度に予熱することもできる。これによって、トンネル16内での熱効率を向上できる。食品11は所定の調味料と共に包装材12内に収納したが、これに限定されず、必要に応じて、調味料を省略しても構わない。
【0029】
【発明の効果】
請求項1〜9記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、耐圧性を有する耐熱容器で密封された食品は、コンベアによってトンネル内を連続して移送されながら過熱水蒸気により加工及び殺菌されるので、短時間で加熱され、これにより過度の加熱調理の問題が解消され、しかも、生産性が高く、さらに、廉価な設備コストで済むと共に、従来に比較して低圧下で処理されるので、爆発や火災等の心配のない安全な処理ができる。
特に、請求項2記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、耐熱容器内の圧力を所定の範囲に制御するので、耐熱容器の破損の恐れが無くなり、しかも耐熱容器内の食品が、さらに適切に加工及び殺菌でき、これにより、さらに安全で、効果的な処理ができる。
【0030】
請求項3記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、耐熱容器内部の状態を確認できるので、製造、検査時及び販売時において品質の確認が容易である。
請求項4記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、耐熱容器の材質、耐熱容器内の食品等に適切なコンベアの構造やトンネルの構造を設定できるので、汎用性が向上する。
請求項5記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、過熱水蒸気の熱が耐熱容器内の食品に効率良く供給されるので、熱収支が向上する。
請求項6記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、トンネルの過熱水蒸気の熱を食品の加熱に有効に用いることができるので、エネルギー損失を少なくできる。
【0031】
請求項7記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、耐熱容器内の食品の加熱を効率的に行うことができるので、エネルギー損失を少なくできると共に、耐熱容器の破損を効果的に抑制することができるので、生産性が向上する。
請求項8記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、トンネル内での過熱水蒸気による加熱効率を向上できるので、燃料の消費量を軽減できる。
請求項9記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、食品を加工及び殺菌すると共に、味付けできるので、工程を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る過熱水蒸気による食品の処理方法を適用する食品の処理装置の構成図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ、同過熱水蒸気による食品の処理方法に用いる袋詰め品の断面図、平面図である。
【符号の説明】
10:袋詰め品、10a:処理済み袋詰め品、11:食品、12:包装材(耐熱容器)、13:ネットコンベア(コンベア)、14:過熱水蒸気、15:駆動部、15a:テール部、16:トンネル、17:コンベアベルト、18:電動モータ、19:上ノズルヘッダー、20:下ノズルヘッダー、21、21a:温度センサー、22:蒸気供給管、23:ボイラー、23a:過熱器(過熱水蒸気発生手段)、24:流量調整弁、25〜32:ゴム板(シールド部材)、33:入口側フード、34:出口側フード、35、36:蒸気配管、37:吸引ブロア、38:凝縮器、39:噴射ノズル、40:食品の処理装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、過熱水蒸気を用いて耐熱容器内に密封された食品(例えば、魚、肉、米、野菜、果物)を加工及び殺菌する過熱水蒸気による食品の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、保存食品としてのレトルト食品は常温で1年以上保存でき、食べる際に加熱時間が短くて済み、しかも風味も一般の料理と殆ど変わらないメリットがあるため、広く使用されている。このレトルト食品は、肉や野菜等の食材をアルミ蒸着フィルム等の包装材で密封して、高温かつ高圧下で加工及び殺菌を行って製造される。ところが、このレトルト食品は包装材を介しての高温、高圧下での加熱となるので、熱が効率的に食品に伝達しにくく、加熱時間が長引く傾向にある。更には、アルミイオンが影響して所謂レトルト臭が食品に付いたり、あるいは食品に離水が起こって品質低下を招いている。
【0003】
このようなレトルト食品の長時間加熱の問題を解決する方法として、惣菜類を品質低下させることなく短時間で殺菌調理できる方法(特開平08−256739号公報)や、殺菌槽内の温度と圧力を、対象とする含気レトルト食品の加熱殺菌に適切な温度時間推移曲線に適合するように制御し、被殺菌物の容量に影響を受けず、所定の温度時間推移曲線に沿った殺菌処理を行うため、殺菌処理された含気レトルト食品の品質を安定した品質に維持することのできる含気レトルト食品殺菌装置(特開平07−231770号公報)等が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報記載の殺菌調理方法及び含気レトルト食品殺菌装置においては、高圧下の加熱処理を行う必要があるので、設備コストが高くなると共に、バッチ方式であるので、生産性が低いという問題があった。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、生産性が高く、しかも設備コストが廉価で済む過熱水蒸気による食品の処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法は、耐圧性を有する耐熱容器で密封した食品を、コンベアによって110℃以上の過熱水蒸気を噴射しているトンネル内に搬入し、トンネルを通過させることによって耐熱容器内の食品の加工及び殺菌を行う。これによって、耐圧性を有する耐熱容器で密封された食品は、コンベアによってトンネル内を連続して移送されながら過熱水蒸気により加工及び殺菌される。ここで、噴射する過熱水蒸気の温度を110℃以上としているのは、温度が110℃未満であれば、耐熱容器内の食品が適切に加工及び殺菌できないためである。
【0007】
本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、トンネルを出た時点で、耐熱容器内が耐熱容器の耐圧力の30%以上で100%未満の圧力になるように、トンネルの長さに対応させてコンベアの速度及びトンネル内の過熱水蒸気の温度を制御することもできる。これによって、耐熱容器の破損の恐れが無くなり、しかも耐熱容器内の食品が、さらに適切に加工及び殺菌できる。ここで、耐熱容器内の圧力を耐熱容器の耐圧力の30%以上で100%未満としたのは、30%未満では過熱水蒸気の温度が低くなって加熱時間がかかり、一方、100%を超えると耐熱容器が破損する恐れがあるためである。
【0008】
本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、耐熱容器は透光性を有し内部を視認できる合成樹脂製の袋からなるようにすることもできる。これによって、耐熱容器内部の状態を確認できる。
本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、トンネル内での過熱水蒸気の噴射は、耐熱容器に対してその上下両方から又は上下の何れか一方から行うこともできる。これによって、耐熱容器の材質、耐熱容器内の食品等に適切なコンベアの構造やトンネルの構造を設定できる。
【0009】
本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、コンベアは上下に過熱水蒸気が通過可能なネット状又は格子状のコンベアベルトを使用することもできる。これによって、過熱水蒸気の熱が耐熱容器内の食品に効率良く供給される。本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、トンネルの入口側及び出口側にはトンネルの入口側及び出口側の通気面積を小さくするシールド部材を設けることもできる。これによって、トンネルの過熱水蒸気の熱を食品の加熱に有効に用いることができる。
【0010】
本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、トンネルの入口側の過熱水蒸気の噴射温度がトンネルの出口側の過熱水蒸気の噴射温度より高くなるようにすることもできる。これによって、耐熱容器内の食品の加熱を効率的に行うと共に、耐熱容器の破壊を効果的に抑制することができる。
本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、耐熱容器に密封された食品は、コンベアに載せる前に、100℃未満の温度に予熱することもできる。これによって、トンネル内での過熱水蒸気による加熱効率を向上できる。
本発明に係る過熱水蒸気による食品の処理方法において、食品は所定の調味料と共に耐熱容器内に収納することもできる。これによって、食品を加工及び殺菌すると共に、味付けできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る過熱水蒸気による食品の処理方法を適用する食品の処理装置の構成図、図2(A)、(B)はそれぞれ、同過熱水蒸気による食品の処理方法に用いる袋詰め品の断面図、平面図である。
【0012】
図2(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る過熱水蒸気による食品の処理方法では、肉や野菜等の食品11を、耐圧性を有する耐熱容器の一例である包装材12で密封した袋詰め品10を所定の温度で加工及び殺菌している。
【0013】
図1に袋詰め品10を所定の圧力下、所定の温度で加熱して、食品11の加工及び殺菌を行う食品の処理装置40を示す。食品の処理装置40は、食品11を包装材12で密封した袋詰め品10を、所定のピッチを開けて水平方向に搬送するコンベアの一例であるネットコンベア13と、ネットコンベア13の駆動部15とテール部15aとの中間位置に設けられ、ネットコンベア13により搬送される袋詰め品10に常圧下で110℃以上の過熱水蒸気14を噴射する噴射ノズル39を備えたトンネル16とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
【0014】
図2に示す包装材12は、アルミ蒸着フィルム等合成樹脂製の袋からなって透光性を有しており、包装材12内部の食品11を視認できるようになっている。肉や野菜等の食品11は、それぞれ適当なサイズにカットされており、それぞれの食材に応じて生又は事前に熱を通した状態で、しかも、所定の調味料と共に包装材12に収納され、完全密封状態で袋詰めされている。
【0015】
図1に示すように、ネットコンベア13は、袋詰め品10を載置して移送可能で、上下方向に過熱水蒸気14(蒸気温度が110〜300℃程度)が通過可能なネット状又は格子状のコンベアベルト17を備えている。ネットコンベア13の駆動部15には、コンベアベルト17を摩擦力により回転駆動する駆動プーリーが設けられており、該駆動プーリーには減速機構を介して速度制御が可能な電動モータ18が連結されている。
【0016】
トンネル16は、主としてステンレス鋼板からなり、ネットコンベア13の駆動部15とテール部15aとの中間位置の一部を覆う長さL(例えば、3〜10m)の箱体構造となっている。トンネル16内には、過熱水蒸気14を袋詰め品10の上方及び下方から噴射する複数の噴射ノズル39を取付けたパイプからなる上、下ノズルヘッダー19、20が設けられている。袋詰め品10はトンネル16内で、例えば、300℃以上の過熱水蒸気により加熱されると、包装材12内の水分の加熱により包装材12内の圧力が上昇して包装材12の耐圧力を超えて、包装材12が破損する恐れがある。従って、包装材12の破損を防止するために、トンネル16内の過熱水蒸気14の温度を測定する温度センサー21、21aがそれぞれ、トンネル16の入口側、出口側に設けられており、トンネル16の過熱水蒸気14の温度を管理している。
【0017】
図1に示すように、上、下ノズルヘッダー19、20の上流側端部には蒸気供給管22の先端部がそれぞれ連通連結されており、蒸気供給管22の中間位置はトンネル16の壁を貫通し、その基端はボイラー23の下流側に配置された過熱水蒸気発生手段である過熱器23aの蒸気排出口に連通連結されている。トンネル16外の蒸気供給管22には、過熱器23aからトンネル16内に供給される過熱水蒸気14の量を調整するための流量調整弁24が設けられている。流量調整弁24の開度によって、トンネル16内に供給される過熱水蒸気14の量を増減して、トンネル16内の袋詰め品10を加熱する温度を調整することができる。
【0018】
図1に示すように、トンネル16の入口側及び出口側には、コンベアベルト17の搬送側(上側)及びリターン側(下側)がトンネル16に挿通する部分の通気面積を小さくするため、シールド部材の一例であるゴム板25〜32が設けられている。ゴム板25〜32の先端部は軽く付勢されており、ゴム板25〜32は付勢力によりコンベアベルト17又は袋詰め品10(処理済み袋詰め品10aも含む)に当接し、ゴム板25〜32の基端部は、ねじ機構等によりトンネル16に取り外し可能に固定されている。ゴム板25〜32によって、外気の侵入及びトンネル16内の過熱水蒸気14の洩れをできるだけ抑え、熱の損失を少なくしている。また、過熱水蒸気14は袋詰め品10に熱を奪われて低温度(100〜120℃程度)になって、ゴム板25〜32付近の隙間を介してトンネル16外に流出する。
【0019】
トンネル16のゴム板25〜28を覆う入口側、ゴム板29〜32を覆う出口側にはそれぞれ、ゴム板25〜28、ゴム板29〜32付近の隙間を介してトンネル16外に流出する低温度となった過熱水蒸気を捕集するステンレス鋼板製の入、出口側フード33、34が設けられている。ゴム板25〜28、ゴム板29〜32近傍のそれぞれの開口から流出した排気となった水蒸気は入、出口側フード33、34により捕集された後、蒸気配管35、36を介して吸引ブロア37により凝縮器38に吸引されて水に凝縮されるようになっている。
【0020】
次いで、食品の処理装置40を用いた本発明の一実施の形態に係る過熱水蒸気による食品の処理方法について、図1を参照しながら説明する。
(1)過熱器23aで発生させた過熱水蒸気14を蒸気供給管22及び上、下ノズルヘッダー19、20を介して噴射ノズル39から、ネットコンベア13の搬送側のコンベアベルト17に向けて噴射する。
(2)事前に調味料を加えて食品11が包装材12により密封された袋詰め品10を、ネットコンベア13の搬送側のコンベアベルト17の上流端部に別途手段により、連続して供給する。
【0021】
(3)コンベアベルト17上に所定のピッチで載置された袋詰め品10は、入口側フード33を経由してトンネル16内に搬送される。
(4)トンネル16内を搬送されながら袋詰め品10は、噴射ノズル39から噴射される常圧下で110℃以上の過熱水蒸気14により10〜20分程度加熱されて、食品11の加工及び殺菌が行われる。
【0022】
(5)この際、包装材12内の圧力が包装材12の耐圧力の30%以上で100%未満の圧力になるように、袋詰め品10の加熱を制御している。具体的な制御方法として、トンネル16の長さLに対応させてネットコンベア13の搬送速度を調整したり、トンネル16内の過熱水蒸気14の温度を流量調整弁24の開度によって制御している。また、トンネル16の出口側の過熱水蒸気14の噴射温度が、トンネル16の入口側の過熱水蒸気14の噴射温度より低くなるよう温度センサー21、21aを用いて制御するため、必要に応じて、トンネル16の出口側において、別途、冷気の吹き込み又は水の噴霧を行っている。
【0023】
(6)食品11の加工及び殺菌が行われた処理済み袋詰め品10aは、コンベアベルト17によりトンネル16外に搬送され、出口側フード34を経由して、ネットコンベア13の下流端から次工程に搬送される。
(7)一方、噴射ノズル39から噴射されて、袋詰め品10の加熱のために熱を奪われた使用済みの過熱水蒸気は、入、出口側フード33、34及び蒸気配管35、36を介して凝縮器38に吸引されて水に凝縮される。
【0024】
食品の処理装置40においては、常圧下のトンネル16内を連続的に移送される袋詰め品10内の食品11を過熱水蒸気14により短時間に加熱することができるので、過度の加熱による問題を発生する恐れがないと共に、大量に処理することができ、しかも、従来のような高圧力を使用しないので、爆発等の問題がなく、極めて安全な方法である。
【0025】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の過熱水蒸気による食品の処理方法を構成する場合にも本発明は適用される。
前記実施の形態においては、袋詰め品10の包装材12はアルミ蒸着フィルム等の袋からなって透光性を有しており、包装材12内部の食品11を視認できるようにしたが、これに限定されず、必要に応じて、不透光性で内部が見えないものでも構わない。また、耐圧強度が許容できれば、その他の材質、例えば、合成樹脂、ガラス等の材質を用いてもよい。
【0026】
トンネル16を出た時点での包装材12内の加熱による圧力上昇を所定の範囲の圧力になるように、トンネル16の長さに対応させてコンベアの速度及びトンネル16内の過熱水蒸気14の温度を制御したが、これに限定されず、状況に応じて、包装材12内の食品の内容や調味料の有無等によってもコンベアの速度及びトンネル内の過熱水蒸気の温度を制御することもできる。これによって、それぞれの条件に最適な過熱水蒸気の噴射時間や噴射温度を設定することができる。
トンネル16内での過熱水蒸気14の噴射を、袋詰め品10に対してその上下両方向から行ったが、これに限定されず、状況に応じて、上下の何れか一方向から行うこともできる。
【0027】
コンベアとしては上下に過熱水蒸気14が通過可能なネット状又は格子状のコンベアベルト17を使用したが、これに限定されず、袋詰め品10を搬送でき、しかも過熱水蒸気14の噴射が可能であれば、他の構造のコンベアベルトを使用することもできる。
トンネル16の入口側及び出口側に、トンネル16の入口側及び出口側の通気面積を小さくするためのゴム板25〜32を設けたが、これに限定されず、必要に応じて、ゴム板を省略することもできる。
トンネル16の入口側の過熱水蒸気14の噴射温度がトンネル16の出口側の過熱水蒸気14の噴射温度より高くなるように制御したが、これに限定されず、状況に応じて、噴射温度を制御しなくても構わない。
【0028】
包装材12に密封された食品11は、ネットコンベア13に載せる前に、加熱処理をしなかったが、これに限定されず、必要に応じて、100℃未満の温度に予熱することもできる。これによって、トンネル16内での熱効率を向上できる。食品11は所定の調味料と共に包装材12内に収納したが、これに限定されず、必要に応じて、調味料を省略しても構わない。
【0029】
【発明の効果】
請求項1〜9記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、耐圧性を有する耐熱容器で密封された食品は、コンベアによってトンネル内を連続して移送されながら過熱水蒸気により加工及び殺菌されるので、短時間で加熱され、これにより過度の加熱調理の問題が解消され、しかも、生産性が高く、さらに、廉価な設備コストで済むと共に、従来に比較して低圧下で処理されるので、爆発や火災等の心配のない安全な処理ができる。
特に、請求項2記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、耐熱容器内の圧力を所定の範囲に制御するので、耐熱容器の破損の恐れが無くなり、しかも耐熱容器内の食品が、さらに適切に加工及び殺菌でき、これにより、さらに安全で、効果的な処理ができる。
【0030】
請求項3記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、耐熱容器内部の状態を確認できるので、製造、検査時及び販売時において品質の確認が容易である。
請求項4記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、耐熱容器の材質、耐熱容器内の食品等に適切なコンベアの構造やトンネルの構造を設定できるので、汎用性が向上する。
請求項5記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、過熱水蒸気の熱が耐熱容器内の食品に効率良く供給されるので、熱収支が向上する。
請求項6記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、トンネルの過熱水蒸気の熱を食品の加熱に有効に用いることができるので、エネルギー損失を少なくできる。
【0031】
請求項7記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、耐熱容器内の食品の加熱を効率的に行うことができるので、エネルギー損失を少なくできると共に、耐熱容器の破損を効果的に抑制することができるので、生産性が向上する。
請求項8記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、トンネル内での過熱水蒸気による加熱効率を向上できるので、燃料の消費量を軽減できる。
請求項9記載の過熱水蒸気による食品の処理方法においては、食品を加工及び殺菌すると共に、味付けできるので、工程を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る過熱水蒸気による食品の処理方法を適用する食品の処理装置の構成図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ、同過熱水蒸気による食品の処理方法に用いる袋詰め品の断面図、平面図である。
【符号の説明】
10:袋詰め品、10a:処理済み袋詰め品、11:食品、12:包装材(耐熱容器)、13:ネットコンベア(コンベア)、14:過熱水蒸気、15:駆動部、15a:テール部、16:トンネル、17:コンベアベルト、18:電動モータ、19:上ノズルヘッダー、20:下ノズルヘッダー、21、21a:温度センサー、22:蒸気供給管、23:ボイラー、23a:過熱器(過熱水蒸気発生手段)、24:流量調整弁、25〜32:ゴム板(シールド部材)、33:入口側フード、34:出口側フード、35、36:蒸気配管、37:吸引ブロア、38:凝縮器、39:噴射ノズル、40:食品の処理装置
Claims (9)
- 耐圧性を有する耐熱容器で密封した食品を、コンベアによって110℃以上の過熱水蒸気を噴射しているトンネル内に搬入し、該トンネルを通過させることによって前記耐熱容器内の食品の加工及び殺菌を行うことを特徴とする過熱水蒸気による食品の処理方法。
- 請求項1記載の過熱水蒸気による食品の処理方法において、前記トンネルを出た時点で、前記耐熱容器内が該耐熱容器の耐圧力の30%以上で100%未満の圧力になるように、前記トンネルの長さに対応させて前記コンベアの速度及び前記トンネル内の過熱水蒸気の温度が制御されていることを特徴とする過熱水蒸気による食品の処理方法。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の過熱水蒸気による食品の処理方法において、前記耐熱容器は透光性を有し内部を視認できる合成樹脂製の袋からなっていることを特徴とする過熱水蒸気による食品の処理方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の過熱水蒸気による食品の処理方法において、前記トンネル内での前記過熱水蒸気の噴射は、前記耐熱容器に対してその上下両方から又は上下の何れか一方から行われていることを特徴とする過熱水蒸気による食品の処理方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の過熱水蒸気による食品の処理方法において、前記コンベアは上下に過熱水蒸気が通過可能なネット状又は格子状のコンベアベルトを使用していることを特徴とする過熱水蒸気による食品の処理方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の過熱水蒸気による食品の処理方法において、前記トンネルの入口側及び出口側には該トンネルの入口側及び出口側の通気面積を小さくするシールド部材が設けられていることを特徴とする過熱水蒸気による食品の処理方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の過熱水蒸気による食品の処理方法において、前記トンネルの入口側の過熱水蒸気の噴射温度が前記トンネルの出口側の過熱水蒸気の噴射温度より高くなっていることを特徴とする過熱水蒸気による食品の処理方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の過熱水蒸気による食品の処理方法において、前記耐熱容器に密封された食品は、前記コンベアに載せる前に、100℃未満の温度に予熱されていることを特徴とする過熱水蒸気による食品の処理方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の過熱水蒸気による食品の処理方法において、前記食品は所定の調味料と共に前記耐熱容器内に収納されていることを特徴とする過熱水蒸気による食品の処理方法。
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