JP2004039164A - ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より高い耐衝撃性を有するＬ／ＵＬ方式のディスク装置を提供する。
【解決手段】ディスクと、ディスクへ情報を記録する及び／又はディスクから情報を再生する少なくとも１つのヘッド素子を有するヘッドスライダと、ヘッドスライダを一方の端部で支持するアーム部材と、水平回動軸を中心としてアーム部材をディスク表面に対して水平な方向に回動させるためのアクチュエータと、ヘッドスライダをディスクの表面方向に付勢する荷重を発生する荷重発生手段と、ディスクの周縁より外側に配置されており、非動作時に、アーム部材のヘッドスライダ支持面側に当接してヘッドスライダをディスク表面から離隔させるリフタ手段とを備えている。
【選択図】 図３
【解決手段】ディスクと、ディスクへ情報を記録する及び／又はディスクから情報を再生する少なくとも１つのヘッド素子を有するヘッドスライダと、ヘッドスライダを一方の端部で支持するアーム部材と、水平回動軸を中心としてアーム部材をディスク表面に対して水平な方向に回動させるためのアクチュエータと、ヘッドスライダをディスクの表面方向に付勢する荷重を発生する荷重発生手段と、ディスクの周縁より外側に配置されており、非動作時に、アーム部材のヘッドスライダ支持面側に当接してヘッドスライダをディスク表面から離隔させるリフタ手段とを備えている。
【選択図】 図３
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浮上型の薄膜磁気ヘッドや光ヘッドなどの記録及び／又は再生ヘッドを有するディスク装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
磁気ディスク装置では、サスペンションの先端部に取り付けられた磁気ヘッドスライダを、回転する磁気ディスクの表面から浮上させ、その状態で、この磁気ヘッドスライダに搭載された薄膜磁気ヘッド素子により磁気ディスクへの記録及び／又は磁気ディスクからの再生が行われる。
【０００３】
ロード／アンロード（Ｌ／ＵＬ）方式を用いている磁気ディスク装置では、停止時に、支持アーム及びその先のサスペンションが磁気ディスク表面と平行に回動することにより磁気ヘッドスライダが待避領域に移動する。その際、サスペンションの先端部がリフタ機構のスロープに沿って摺動することによって磁気ヘッドスライダが磁気ディスク表面から離れて休止する。
【０００４】
図１は従来のＬ／ＵＬ機構を説明するために磁気ディスク装置の一部を示す斜視図であり、図２はこの磁気ディスク装置の平面図である。
【０００５】
これらの図において、１０は磁気ディスク装置の筐体、１１はスピンドル１２を中心として回転する磁気ディスク、１３はベアリングハウジング１４を中心にして磁気ディスク１１の表面と平行な方向に回動する支持アーム、１５はこの支持アーム１３にその基部が固着されたヘッドジンバルアセンブリ（ＨＧＡ）、１６はこのＨＧＡ１５の先端に設けられた角状の突起であるリフトタブ、１７はこのリフトタブ１６が摺動するスロープ１７ａを有するリフト機構をそれぞれ示している。
【０００６】
アンロード時に、支持アーム１３が磁気ディスク１１の中心から離心方向に回動すると、リフトタブ１６がリフト機構１７のスロープ１７ａ上を摺動し、これによって磁気ヘッドスライダが磁気ディスク１１の表面から離れる方向に持ち上げられる。
【０００７】
従来のリフト機構１７は、図２に明確に示されているように、リフトタブ１６を持ち上げる構成となっていることから、その一部が磁気ディスク１１上にオーバーラップした構造となっている。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
このようにリフト機構の一部が磁気ディスク上にオーバーラップした構造によると、磁気ディスク装置に多大な衝撃力が印加された際に、磁気ディスク面の撓みとリフト機構の撓みとによって、最悪の場合、磁気ディスク面とリフト機構とが接触してしまう可能性がある。これは、Ｌ／ＵＬ方式の磁気ディスク装置の設計及び組み立てを非常に困難にさせる要因とであった。
【０００９】
従って本発明の目的は、より高い耐衝撃性を有するＬ／ＵＬ方式のディスク装置を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ディスクと、ディスクへ情報を記録する及び／又はディスクから情報を再生する少なくとも１つのヘッド素子を有するヘッドスライダと、ヘッドスライダを一方の端部で支持するアーム部材と、水平回動軸を中心としてアーム部材をディスク表面に対して水平な方向に回動させるためのアクチュエータと、ヘッドスライダをディスクの表面方向に付勢する荷重を発生する荷重発生手段と、ディスクの周縁より外側に配置されており、非動作時に、アーム部材のヘッドスライダ支持面側に当接してヘッドスライダをディスク表面から離隔させるリフタ手段とを備えたディスク装置が提供される。
【００１１】
リフタ手段は、ディスクの周縁より外側に配置されている。これにより、磁気ディスク装置に多大な衝撃力が印加された際にも、磁気ディスク面とリフト手段とが接触することは皆無となる。これは、Ｌ／ＵＬ方式の磁気ディスク装置の設計及び組み立てを非常に容易にさせる。
【００１２】
リフタ手段が、アーム部材の水平回動軸を中心とする回動により、ヘッドスライダをディスク表面から離隔させる傾斜面即ちスロープを備えていることが好ましい。
【００１３】
リフタ手段が、荷重発生手段近傍のアーム部材の裏面に当接するように構成されているか、アーム部材の先端部と荷重発生手段との中間のアーム部材のヘッドスライダ支持面側に当接するように構成されているか、又はアーム部材の先端部のヘッドスライダ支持面側に当接するように構成されていることが好ましい。
【００１４】
アーム部材が、ヘッドスライダの浮上姿勢を制御するための弾性を有するフレクシャと、フレクシャを支持しており、荷重発生手段を構成するばね部を有すると共にヘッドスライダへの荷重印加部を有するロードビームと、ロードビームを支持する支持アームとをさらに備えていることも好ましい。
【００１５】
【発明の実施の形態】
図３は本発明の一実施形態における磁気ディスク装置の一部を概略的に示す斜視図であり、図４はこの磁気ディスク装置の平面図であり、図５はこの磁気ディスク装置におけるヘッドジンバルアセンブリ（ＨＧＡ）の構成を示す側面図であり、図６はリフタ機構の構造をより分かり易く示す断面図である。
【００１６】
これらの図において、３０は磁気ディスク装置の筐体、３１はスピンドル３２を中心として回転する磁気ディスク、３３は水平軸受部（ベアリングハウジング）３４を中心にして磁気ディスク３１の表面と平行な方向に回動する支持アーム、３５はこの支持アーム３３にその基部が固着されたＨＧＡ、３６はこのＨＧＡ３５の先端に設けられた角状の突起であるリフトタブ、３７はこのＨＧＡ３５が摺動する傾斜面（スロープ）３７ａを有するリフト機構をそれぞれ示している。
【００１７】
ＨＧＡ３５は、少なくとも１つの薄膜磁気ヘッド素子を備えた磁気ヘッドスライダ３８と、この磁気ヘッドスライダ３８を一方の端部で担持する弾性を有するフレクシャ３９と、フレクシャ３９を支持固着しておりこれも弾性を有するロードビーム４０とから主として構成されており、ロードビーム４０の基部は支持アーム３３に固着されている。ロードビーム４０は、磁気ヘッドスライダ３８への荷重を発生するばね部（本発明の荷重発生手段に対応）４０ａを有すると共にこの磁気ヘッドスライダ３８へ荷重印加する突起であるディンプル（本発明の荷重印加部に対応）４０ｂを有している。
【００１８】
磁気ヘッドスライダ３８には、磁気ディスク３１へ情報を記録する書込みヘッド素子及び磁気ディスク３１から情報を再生する磁気抵抗効果（ＭＲ）読出しヘッド素子による少なくとも１つの薄膜磁気ヘッド素子が形成されている。
【００１９】
フレクシャ３９は、ロードビーム４０に設けられたディンプル４０ｂを中心とする軟らかい舌部（図示なし）を持ち、この舌部で磁気ヘッドスライダ３８を柔軟に支えて浮上姿勢を安定させるような弾性を持っている。このフレクシャ３９は、本実施形態では、厚さ約２５μｍのステンレス鋼板（例えばＳＵＳ３０４ＴＡ）によって構成されている。
【００２０】
ロードビーム４０は、磁気ヘッドスライダ３８を磁気ディスク方向に押さえつけて浮上量を安定させるための弾性を持っている。このロードビーム４０は、先端に向けて幅が狭くなる形状の約６０〜６５μｍ厚の弾性を有するステンレス鋼板で構成されており、フレクシャ３９を固着支持している。フレクシャ３９とロードビーム４０とのこの固着は、レーザ溶接等によるスポット溶接でなされている。なお、本実施形態のように、フレクシャ３９とロードビーム４０とが独立した部品である構造のサスペンションでは、ロードビーム４０の剛性はフレクシャ３９の剛性より高くなっている。
【００２１】
リフト機構３７は、磁気ディスク３１の周縁より外側の筐体３０上に設けられており、磁気ディスク３１上にはオーバーラップしていない。
【００２２】
アンロード時に、支持アーム３３が磁気ディスク３１の中心から離心方向に回動すると、ロードビーム４０がリフト機構３７のスロープ３７ａ上を摺動し、これによって磁気ヘッドスライダ３８が磁気ディスク３１の表面から離れる方向に持ち上げられる。この場合、リフト機構３７には、ばね部４０ａ近傍のロードビーム４０の裏面エッジ又はロードビーム４０の先端部とばね部４０ａとの中間のロードビーム４０の裏面エッジに当接するように構成されている。
【００２３】
リフタ機構３７が磁気ディスク３１の周縁より外側に配置されているので、磁気ディスク装置に多大な衝撃力が印加された際にも、磁気ディスク３１の撓みとリフト機構３７の撓みとによって両者が接触することは皆無となる。その結果、Ｌ／ＵＬ方式の磁気ディスク装置の設計及び組み立てが非常に容易となる。
【００２４】
図７は本発明の他の実施形態における磁気ディスク装置の一部を概略的に示す斜視図であり、図８はこの磁気ディスク装置の平面図であり、図９はリフタ機構の構造をより分かり易く示す断面図である。
【００２５】
これらの図において、７０は磁気ディスク装置の筐体、７１はスピンドル７２を中心として回転する磁気ディスク、７３は水平軸受部（ベアリングハウジング）７４を中心にして磁気ディスク７１の表面と平行な方向に回動する支持アーム、７５はこの支持アーム７３にその基部が固着されたＨＧＡ、７６はこのＨＧＡ７５の先端に設けられた長い角状の突起であるリフトタブ、７７はこのリフトタブ７６が摺動する傾斜面（スロープ）７７ａを有するリフト機構をそれぞれ示している。なお、本実施形態におけるＨＧＡ７５の構成は、リフトタブ７６がより長いことを除いて図３の実施形態におけるＨＧＡ３５の構成とほぼ同様である。従って、図９における磁気ヘッドスライダ、フレクシャ、ロードビーム及びディンプルは図３の実施形態の場合と同じ参照番号を用いている。
【００２６】
リフト機構７７は、磁気ディスク７１の周縁より外側の筐体７０上に設けられており、磁気ディスク７１上にはオーバーラップしていない。この実施形態では、ＨＧＡ７５の先端に長いリフトタブ７６を設けているため、リフト機構７７を磁気ディスク７１の外側に設けていても、そのスロープ７７ａ上をリフトタブ７６が摺動することが可能となる。即ち、アンロード時に、支持アーム７３が磁気ディスク７１の中心から離心方向に回動すると、リフトタブ７６がリフト機構７７のスロープ７７ａ上を摺動し、これによって磁気ヘッドスライダ３８が磁気ディスク７１の表面から離れる方向に持ち上げられる。
【００２７】
本実施形態においても、リフタ機構７７が磁気ディスク７１の周縁より外側に配置されているので、磁気ディスク装置に多大な衝撃力が印加された際にも、磁気ディスク７１の撓みとリフト機構７７の撓みとによって両者が接触することは皆無となる。その結果、Ｌ／ＵＬ方式の磁気ディスク装置の設計及び組み立てが非常に容易となる。
【００２８】
本実施形態のその他の構成、作用効果は図３の実施形態の場合とほぼ同様である。
【００２９】
なお、上述の実施形態は、一般的な構造のヘッドアームアセンブリ（ＨＡＡ）を有する磁気ディスク装置に関するものであるが、本発明はこのような構造のＨＡＡの衝撃に対する耐性を向上させるため、ＨＡＡの主要部を剛性の高いアーム部材で構成し、そのアーム部材の一端部に磁気ヘッドスライダを取り付けると共に他端部にボイスコイルモータ（ＶＣＭ）を取り付け、その中間に磁気ディスクの面と垂直の方向に回動可能とする支点を設け、さらにその部分に荷重発生用の板ばねを取り付けるようにした構造のＨＡＡを有する磁気ディスク装置に対しても適用可能である。
【００３０】
以上、薄膜磁気ヘッド素子を備えた磁気ディスク装置を用いて本発明を説明したが、本発明は、このような磁気ディスク装置にのみ限定されるものではなく、薄膜磁気ヘッド素子以外の例えば光ヘッド素子等のヘッド素子を備えたディスク装置にも適用可能であることは明らかである。
【００３１】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【００３２】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、リフタ手段は、ディスクの周縁より外側に配置されている。これにより、磁気ディスク装置に多大な衝撃力が印加された際にも、磁気ディスク面とリフト手段とが接触することは皆無となる。これは、Ｌ／ＵＬ方式の磁気ディスク装置の設計及び組み立てを非常に容易にさせる。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来のＬ／ＵＬ機構を説明するために磁気ディスク装置の一部を示す斜視図である。
【図２】図１の磁気ディスク装置の平面図である。
【図３】本発明の一実施形態における磁気ディスク装置の一部を概略的に示す斜視図である。
【図４】図３の磁気ディスク装置の平面図である。
【図５】図３の磁気ディスク装置におけるＨＧＡの構成を示す側面図である。
【図６】図３のリフタ機構の構造をより分かり易く示す断面図である。
【図７】本発明の他の実施形態における磁気ディスク装置の一部を概略的に示す斜視図である。
【図８】図７の磁気ディスク装置の平面図である。
【図９】図７のリフタ機構の構造をより分かり易く示す断面図である。
【符号の説明】
１０、３０、７０ 磁気ディスク装置の筐体
１１、３１、７１ 磁気ディスク
１２、３２、７２ スピンドル
１３、３３、７３ 支持アーム
１４、３４、７４ ベアリングハウジング
１５、３５、７５ ＨＧＡ
１６、３６、７６ リフトタブ
１７、３７、７７ リフト機構
１７ａ、３７ａ、７７ａ スロープ
３８ 磁気ヘッドスライダ
３９ フレクシャ
４０ ロードビーム
４０ａ ばね部
４０ｂ ディンプル
【発明の属する技術分野】
本発明は、浮上型の薄膜磁気ヘッドや光ヘッドなどの記録及び／又は再生ヘッドを有するディスク装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
磁気ディスク装置では、サスペンションの先端部に取り付けられた磁気ヘッドスライダを、回転する磁気ディスクの表面から浮上させ、その状態で、この磁気ヘッドスライダに搭載された薄膜磁気ヘッド素子により磁気ディスクへの記録及び／又は磁気ディスクからの再生が行われる。
【０００３】
ロード／アンロード（Ｌ／ＵＬ）方式を用いている磁気ディスク装置では、停止時に、支持アーム及びその先のサスペンションが磁気ディスク表面と平行に回動することにより磁気ヘッドスライダが待避領域に移動する。その際、サスペンションの先端部がリフタ機構のスロープに沿って摺動することによって磁気ヘッドスライダが磁気ディスク表面から離れて休止する。
【０００４】
図１は従来のＬ／ＵＬ機構を説明するために磁気ディスク装置の一部を示す斜視図であり、図２はこの磁気ディスク装置の平面図である。
【０００５】
これらの図において、１０は磁気ディスク装置の筐体、１１はスピンドル１２を中心として回転する磁気ディスク、１３はベアリングハウジング１４を中心にして磁気ディスク１１の表面と平行な方向に回動する支持アーム、１５はこの支持アーム１３にその基部が固着されたヘッドジンバルアセンブリ（ＨＧＡ）、１６はこのＨＧＡ１５の先端に設けられた角状の突起であるリフトタブ、１７はこのリフトタブ１６が摺動するスロープ１７ａを有するリフト機構をそれぞれ示している。
【０００６】
アンロード時に、支持アーム１３が磁気ディスク１１の中心から離心方向に回動すると、リフトタブ１６がリフト機構１７のスロープ１７ａ上を摺動し、これによって磁気ヘッドスライダが磁気ディスク１１の表面から離れる方向に持ち上げられる。
【０００７】
従来のリフト機構１７は、図２に明確に示されているように、リフトタブ１６を持ち上げる構成となっていることから、その一部が磁気ディスク１１上にオーバーラップした構造となっている。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
このようにリフト機構の一部が磁気ディスク上にオーバーラップした構造によると、磁気ディスク装置に多大な衝撃力が印加された際に、磁気ディスク面の撓みとリフト機構の撓みとによって、最悪の場合、磁気ディスク面とリフト機構とが接触してしまう可能性がある。これは、Ｌ／ＵＬ方式の磁気ディスク装置の設計及び組み立てを非常に困難にさせる要因とであった。
【０００９】
従って本発明の目的は、より高い耐衝撃性を有するＬ／ＵＬ方式のディスク装置を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ディスクと、ディスクへ情報を記録する及び／又はディスクから情報を再生する少なくとも１つのヘッド素子を有するヘッドスライダと、ヘッドスライダを一方の端部で支持するアーム部材と、水平回動軸を中心としてアーム部材をディスク表面に対して水平な方向に回動させるためのアクチュエータと、ヘッドスライダをディスクの表面方向に付勢する荷重を発生する荷重発生手段と、ディスクの周縁より外側に配置されており、非動作時に、アーム部材のヘッドスライダ支持面側に当接してヘッドスライダをディスク表面から離隔させるリフタ手段とを備えたディスク装置が提供される。
【００１１】
リフタ手段は、ディスクの周縁より外側に配置されている。これにより、磁気ディスク装置に多大な衝撃力が印加された際にも、磁気ディスク面とリフト手段とが接触することは皆無となる。これは、Ｌ／ＵＬ方式の磁気ディスク装置の設計及び組み立てを非常に容易にさせる。
【００１２】
リフタ手段が、アーム部材の水平回動軸を中心とする回動により、ヘッドスライダをディスク表面から離隔させる傾斜面即ちスロープを備えていることが好ましい。
【００１３】
リフタ手段が、荷重発生手段近傍のアーム部材の裏面に当接するように構成されているか、アーム部材の先端部と荷重発生手段との中間のアーム部材のヘッドスライダ支持面側に当接するように構成されているか、又はアーム部材の先端部のヘッドスライダ支持面側に当接するように構成されていることが好ましい。
【００１４】
アーム部材が、ヘッドスライダの浮上姿勢を制御するための弾性を有するフレクシャと、フレクシャを支持しており、荷重発生手段を構成するばね部を有すると共にヘッドスライダへの荷重印加部を有するロードビームと、ロードビームを支持する支持アームとをさらに備えていることも好ましい。
【００１５】
【発明の実施の形態】
図３は本発明の一実施形態における磁気ディスク装置の一部を概略的に示す斜視図であり、図４はこの磁気ディスク装置の平面図であり、図５はこの磁気ディスク装置におけるヘッドジンバルアセンブリ（ＨＧＡ）の構成を示す側面図であり、図６はリフタ機構の構造をより分かり易く示す断面図である。
【００１６】
これらの図において、３０は磁気ディスク装置の筐体、３１はスピンドル３２を中心として回転する磁気ディスク、３３は水平軸受部（ベアリングハウジング）３４を中心にして磁気ディスク３１の表面と平行な方向に回動する支持アーム、３５はこの支持アーム３３にその基部が固着されたＨＧＡ、３６はこのＨＧＡ３５の先端に設けられた角状の突起であるリフトタブ、３７はこのＨＧＡ３５が摺動する傾斜面（スロープ）３７ａを有するリフト機構をそれぞれ示している。
【００１７】
ＨＧＡ３５は、少なくとも１つの薄膜磁気ヘッド素子を備えた磁気ヘッドスライダ３８と、この磁気ヘッドスライダ３８を一方の端部で担持する弾性を有するフレクシャ３９と、フレクシャ３９を支持固着しておりこれも弾性を有するロードビーム４０とから主として構成されており、ロードビーム４０の基部は支持アーム３３に固着されている。ロードビーム４０は、磁気ヘッドスライダ３８への荷重を発生するばね部（本発明の荷重発生手段に対応）４０ａを有すると共にこの磁気ヘッドスライダ３８へ荷重印加する突起であるディンプル（本発明の荷重印加部に対応）４０ｂを有している。
【００１８】
磁気ヘッドスライダ３８には、磁気ディスク３１へ情報を記録する書込みヘッド素子及び磁気ディスク３１から情報を再生する磁気抵抗効果（ＭＲ）読出しヘッド素子による少なくとも１つの薄膜磁気ヘッド素子が形成されている。
【００１９】
フレクシャ３９は、ロードビーム４０に設けられたディンプル４０ｂを中心とする軟らかい舌部（図示なし）を持ち、この舌部で磁気ヘッドスライダ３８を柔軟に支えて浮上姿勢を安定させるような弾性を持っている。このフレクシャ３９は、本実施形態では、厚さ約２５μｍのステンレス鋼板（例えばＳＵＳ３０４ＴＡ）によって構成されている。
【００２０】
ロードビーム４０は、磁気ヘッドスライダ３８を磁気ディスク方向に押さえつけて浮上量を安定させるための弾性を持っている。このロードビーム４０は、先端に向けて幅が狭くなる形状の約６０〜６５μｍ厚の弾性を有するステンレス鋼板で構成されており、フレクシャ３９を固着支持している。フレクシャ３９とロードビーム４０とのこの固着は、レーザ溶接等によるスポット溶接でなされている。なお、本実施形態のように、フレクシャ３９とロードビーム４０とが独立した部品である構造のサスペンションでは、ロードビーム４０の剛性はフレクシャ３９の剛性より高くなっている。
【００２１】
リフト機構３７は、磁気ディスク３１の周縁より外側の筐体３０上に設けられており、磁気ディスク３１上にはオーバーラップしていない。
【００２２】
アンロード時に、支持アーム３３が磁気ディスク３１の中心から離心方向に回動すると、ロードビーム４０がリフト機構３７のスロープ３７ａ上を摺動し、これによって磁気ヘッドスライダ３８が磁気ディスク３１の表面から離れる方向に持ち上げられる。この場合、リフト機構３７には、ばね部４０ａ近傍のロードビーム４０の裏面エッジ又はロードビーム４０の先端部とばね部４０ａとの中間のロードビーム４０の裏面エッジに当接するように構成されている。
【００２３】
リフタ機構３７が磁気ディスク３１の周縁より外側に配置されているので、磁気ディスク装置に多大な衝撃力が印加された際にも、磁気ディスク３１の撓みとリフト機構３７の撓みとによって両者が接触することは皆無となる。その結果、Ｌ／ＵＬ方式の磁気ディスク装置の設計及び組み立てが非常に容易となる。
【００２４】
図７は本発明の他の実施形態における磁気ディスク装置の一部を概略的に示す斜視図であり、図８はこの磁気ディスク装置の平面図であり、図９はリフタ機構の構造をより分かり易く示す断面図である。
【００２５】
これらの図において、７０は磁気ディスク装置の筐体、７１はスピンドル７２を中心として回転する磁気ディスク、７３は水平軸受部（ベアリングハウジング）７４を中心にして磁気ディスク７１の表面と平行な方向に回動する支持アーム、７５はこの支持アーム７３にその基部が固着されたＨＧＡ、７６はこのＨＧＡ７５の先端に設けられた長い角状の突起であるリフトタブ、７７はこのリフトタブ７６が摺動する傾斜面（スロープ）７７ａを有するリフト機構をそれぞれ示している。なお、本実施形態におけるＨＧＡ７５の構成は、リフトタブ７６がより長いことを除いて図３の実施形態におけるＨＧＡ３５の構成とほぼ同様である。従って、図９における磁気ヘッドスライダ、フレクシャ、ロードビーム及びディンプルは図３の実施形態の場合と同じ参照番号を用いている。
【００２６】
リフト機構７７は、磁気ディスク７１の周縁より外側の筐体７０上に設けられており、磁気ディスク７１上にはオーバーラップしていない。この実施形態では、ＨＧＡ７５の先端に長いリフトタブ７６を設けているため、リフト機構７７を磁気ディスク７１の外側に設けていても、そのスロープ７７ａ上をリフトタブ７６が摺動することが可能となる。即ち、アンロード時に、支持アーム７３が磁気ディスク７１の中心から離心方向に回動すると、リフトタブ７６がリフト機構７７のスロープ７７ａ上を摺動し、これによって磁気ヘッドスライダ３８が磁気ディスク７１の表面から離れる方向に持ち上げられる。
【００２７】
本実施形態においても、リフタ機構７７が磁気ディスク７１の周縁より外側に配置されているので、磁気ディスク装置に多大な衝撃力が印加された際にも、磁気ディスク７１の撓みとリフト機構７７の撓みとによって両者が接触することは皆無となる。その結果、Ｌ／ＵＬ方式の磁気ディスク装置の設計及び組み立てが非常に容易となる。
【００２８】
本実施形態のその他の構成、作用効果は図３の実施形態の場合とほぼ同様である。
【００２９】
なお、上述の実施形態は、一般的な構造のヘッドアームアセンブリ（ＨＡＡ）を有する磁気ディスク装置に関するものであるが、本発明はこのような構造のＨＡＡの衝撃に対する耐性を向上させるため、ＨＡＡの主要部を剛性の高いアーム部材で構成し、そのアーム部材の一端部に磁気ヘッドスライダを取り付けると共に他端部にボイスコイルモータ（ＶＣＭ）を取り付け、その中間に磁気ディスクの面と垂直の方向に回動可能とする支点を設け、さらにその部分に荷重発生用の板ばねを取り付けるようにした構造のＨＡＡを有する磁気ディスク装置に対しても適用可能である。
【００３０】
以上、薄膜磁気ヘッド素子を備えた磁気ディスク装置を用いて本発明を説明したが、本発明は、このような磁気ディスク装置にのみ限定されるものではなく、薄膜磁気ヘッド素子以外の例えば光ヘッド素子等のヘッド素子を備えたディスク装置にも適用可能であることは明らかである。
【００３１】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【００３２】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、リフタ手段は、ディスクの周縁より外側に配置されている。これにより、磁気ディスク装置に多大な衝撃力が印加された際にも、磁気ディスク面とリフト手段とが接触することは皆無となる。これは、Ｌ／ＵＬ方式の磁気ディスク装置の設計及び組み立てを非常に容易にさせる。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来のＬ／ＵＬ機構を説明するために磁気ディスク装置の一部を示す斜視図である。
【図２】図１の磁気ディスク装置の平面図である。
【図３】本発明の一実施形態における磁気ディスク装置の一部を概略的に示す斜視図である。
【図４】図３の磁気ディスク装置の平面図である。
【図５】図３の磁気ディスク装置におけるＨＧＡの構成を示す側面図である。
【図６】図３のリフタ機構の構造をより分かり易く示す断面図である。
【図７】本発明の他の実施形態における磁気ディスク装置の一部を概略的に示す斜視図である。
【図８】図７の磁気ディスク装置の平面図である。
【図９】図７のリフタ機構の構造をより分かり易く示す断面図である。
【符号の説明】
１０、３０、７０ 磁気ディスク装置の筐体
１１、３１、７１ 磁気ディスク
１２、３２、７２ スピンドル
１３、３３、７３ 支持アーム
１４、３４、７４ ベアリングハウジング
１５、３５、７５ ＨＧＡ
１６、３６、７６ リフトタブ
１７、３７、７７ リフト機構
１７ａ、３７ａ、７７ａ スロープ
３８ 磁気ヘッドスライダ
３９ フレクシャ
４０ ロードビーム
４０ａ ばね部
４０ｂ ディンプル
Claims (6)
- ディスクと、該ディスクへ情報を記録する及び／又は該ディスクから情報を再生する少なくとも１つのヘッド素子を有するヘッドスライダと、該ヘッドスライダを一方の端部で支持するアーム部材と、水平回動軸を中心として該アーム部材をディスク表面に対して水平な方向に回動させるためのアクチュエータと、前記ヘッドスライダを前記ディスクの表面方向に付勢する荷重を発生する荷重発生手段と、前記ディスクの周縁より外側に配置されており、非動作時に、前記アーム部材のヘッドスライダ支持面側に当接して該ヘッドスライダを前記ディスク表面から離隔させるリフタ手段とを備えたことを特徴とするディスク装置。
- 前記リフタ手段が、前記アーム部材の前記水平回動軸を中心とする回動により、前記ヘッドスライダを前記ディスク表面から離隔させる傾斜面を備えていることを特徴とする請求項１に記載のディスク装置。
- 前記リフタ手段が、前記荷重発生手段近傍の前記アーム部材の前記ヘッドスライダ支持面側に当接するように構成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載のディスク装置。
- 前記リフタ手段が、前記アーム部材の先端部と前記荷重発生手段との中間の前記アーム部材の前記ヘッドスライダ支持面側に当接するように構成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載のディスク装置。
- 前記リフタ手段が、前記アーム部材の先端部の前記ヘッドスライダ支持面側に当接するように構成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載のディスク装置。
- 前記アーム部材が、前記ヘッドスライダの浮上姿勢を制御するための弾性を有するフレクシャと、該フレクシャを支持しており、前記荷重発生手段を構成するばね部を有すると共に前記ヘッドスライダへの荷重印加部を有するロードビームと、該ロードビームを支持する支持アームとをさらに備えたことを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載のディスク装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002197121A JP2004039164A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | ディスク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002197121A JP2004039164A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | ディスク装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004039164A true JP2004039164A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31704973
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002197121A Pending JP2004039164A (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | ディスク装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004039164A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7450347B2 (en) | 2004-03-31 | 2008-11-11 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | Head suspension with bridge portion separating apertures near lift tab |
| JP2016076282A (ja) * | 2014-10-03 | 2016-05-12 | Tdk株式会社 | ヘッドスタックアセンブリの製造装置 |
-
2002
- 2002-07-05 JP JP2002197121A patent/JP2004039164A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7450347B2 (en) | 2004-03-31 | 2008-11-11 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | Head suspension with bridge portion separating apertures near lift tab |
| JP2016076282A (ja) * | 2014-10-03 | 2016-05-12 | Tdk株式会社 | ヘッドスタックアセンブリの製造装置 |
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