JP2004039071A - 光ディスク及びその成形金型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ディスクの中心穴の片面もしくは両面の角部にR形状、或いは面取り形状を形成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクとその成形金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光を利用して高密度な情報の再生あるいは記録を行う光学的記録媒体として、光ディスクが実用化されている。光ディスクは、再生専用型、追記型、書き換え型に大別され、再生専用型は、音楽情報を記録したコンパクト・ディスクと称されるディスクや画像情報を記録したDVDと称されるディスク等として、また、追記型は、文書ファイルや静止画ファイル等として、さらに、書き換え型は、パソコン用のデータファイル等として商品化されている。
【0003】
光ディスクの形態としては、厚さ1.2mmの透明樹脂基板の一方の主面に情報層を設け、その上にオーバコート等の保護膜を設けたもの、或いは2枚の基板を接着剤により貼り合わせたものが一般的である。
【0004】
光ディスクの再生、或いは記録時には、光ディスクの中心穴をプレイヤーの保持軸に挿入して使用される。
【0005】
また、光ディスクをケースに保管する場合においても、中心穴をケースの保持軸に挿入し固定して保持されるのが一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した通り、光ディスクは記録或いは再生時には、その中心穴をプレイヤーの保持軸に挿入して保持され、また、ケースへの保管時も同様に中心穴をケースの保持軸に挿入して保持される。しかし、光ディスクを保持軸に挿着する際に、図3に示すように、光ディスク基板9の中心穴10のエッジ部11が保持軸12にこすれ、或いは引っ掛かり、光ディスク基板9の中心穴のエッジ部11に亀裂や割れが発生するという問題があった。
【0007】
また、光ディスク基板9を保持軸12に挿着する時、光ディスクの中心穴10のエッジ部11が保持軸12にこすれ、或いは引っ掛かるため光ディスクの挿入性が悪くなるという問題があった。
【0008】
また、射出成形による光ディスクの成形過程においても、成形金型内のキャビティにゲート部から溶融樹脂が流れる際に、ゲート部の下方隅部の中心穴のエッジ部では樹脂の充填率が低下し、そのため局部的にエッジ部の強度が低下し、更に、ゲート部の下方隅部では、図4(a)に示すように、溶融樹脂の流動中に渦が発生し、樹脂の流れが乱れることにより、媒体としての光学特性が悪化するという問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑み、光ディスクのプレイヤー等の保持軸、或いは保管ケースの保持軸への挿着性を高めることにより、中心穴のエッジ部における亀裂や割れの発生が無く、また、射出成形時の樹脂流動性を改善し、光学的特性の高い光ディスクを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による光ディスクは、中心穴の片面或いは両面の角部にR形状、もしくは面取り形状を有し、また、その成形用金型内に、上記形状を形成する機構を有することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、情報記憶領域を1面又は両面に有する光ディスクであって、中心穴の片面或いは両面の角部をR形状、或いは面取り形状としたことを特徴とする光ディスクであり、光ディスクの中心穴の片面または両面の角部をR形状もしくは面取り形状の面形状としたため、光ディスクを保持軸に挿着する際に、中心穴の角部と保持軸が接触しても接触時に生ずる応力は局部的に集中しないため、光ディスクの中心穴が保持軸にこすれたり、或いは引っ掛かったりすることなく、スムーズに保持軸に挿入でき、中心穴部に亀裂や割れが発生するのを防止することができる作用を有する。
【0012】
請求項2に記載の発明は、割型を構成する成形金型の固定側ミラーブロックと可動側ミラーブロックを型締めしてキャビティを形成し、キャビティに溶融樹脂を射出し、スタンバの情報が転写されたディスクを成形し、型開き時に、ゲートカットパンチによりゲート部を切断し、エジェクターにより成形品の離型を行う光ディスク成形金型において、エジェクターの先端からゲートカットパンチの外側に沿って逆R形状型部または面取り形状型部を設けたことを特徴とするものであり、エジェクターの先端からゲートカットパンチの外側に沿って逆R形状或いは面取り形状の型部が設けられており、ノズルからゲートを介してキャビティに鋳込まれる溶融樹脂は、ゲートの先端から型部に沿って、渦を発生することなくキャビティに流れるため、エッジ部における樹脂充填率の低下を防ぎ、エッジ部の強度低下及び樹脂の流れの乱れによる光ディスクの光学特性の悪化を防ぐことができる作用を有する。
【0013】
【実施の形態】
次に、本発明の実施の形態である光ディスクとその成形金型について説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態である光ディスクの中心穴部の断面形状を説明する図で、(a)は従来の中心穴の角部がエッジ形状であるもの、(b)は中心穴の角部をR形状9aにしたもの、(c)は中心穴の角部を面取り形状9bにしたもの、(d)は(b)に示す光ディスク基板同士を貼り合せ、両面の角部をR形状にしたものである。
【0015】
図1の(a)、(b)、(c)で示す部材は、それぞれ射出成形により成形された主としてポリカーボネート製基板であり、それぞれの寸法は、厚さ0.6mm、直径120mmまたは80mm、中心穴径15mmである。また、図1(d)に示す基板同士を貼り合せた基板の貼り合せ後の厚さは1.2mmとなる。
【0016】
本実施の形態は、光ディスクの中心穴の片面または両面の角部をR形状もしくは面取り形状としたことを特徴とし、光ディスクを保持軸に挿着する際に、保持軸と接触する光ディスクの中心穴の角部は面形状となるため、中心穴の角部と保持軸との接触時における応力の局部的集中が防止され、光ディスクをプレイヤー或いはケースの保持軸に挿着する際に、光ディスクの中心穴が保持軸にこすれたり、或いは引っ掛かったりすることなく、スムーズに挿入でき、中心穴部における亀裂や割れの発生を防止することができる。
【0017】
図2(a)は、図1(a)の基板を成形するための金型形状、図2(b)は、図1(b)の基板を成形するための金型形状、図2(c)は、図1(c)の基板を成形するための金型形状である。
【0018】
図2において、1は金型の固定側ミラーブロック、2は可動側ミラーブロック、3はエジェクター、4はゲートカットパンチ、5はノズル、6はゲート部、7はキャビティ、8aはエジェクター3の先端からゲートカットパンチ4の外側に沿って設けられた逆R形状型部、8bは同様に設けられた面取り形状型部である。キャビティ3は、固定側ミラーブロック1と可動側ミラーブロック2間に形成され、可動側ミラーブロック2の中心部には、離型の際成形品を突き出すエジェクター3が設けられ、その内側には成形品の中心穴を打ち抜くゲートカットパンチ4が設けられている。
【0019】
本実施の形態では、図2(b)(c)に示すように、基板の中心穴の角部にR形状部或いは面取り形状部を設けるため、エジェクター3の先端には、逆R形状或いは面取り形状の型部8が設けられている。また、該型部の先端部にはゲートカットパンチ4側に向って成形上の理由によりわずかな水平部が設けられている。
【0020】
次に、本実施の形態の金型を用いた光ディスクの成形動作について説明する。
【0021】
固定側ミラーブロック1と可動側ミラーブロック2を閉じたのち、射出成形機によって、加熱溶融された樹脂がノズル5からゲート部6を越えてキャビティ7内に鋳込まれ、スタンパ(図示せず)に設けられた情報が樹脂に転写され冷却固化される。固化したのち、型開きと同時にミラーブロック2、エジェクター3、ゲートカットパンチ4を固定側ミラーブロック1側に移動させ、成形品の離形を行う。
【0022】
本実施の形態では、エジェクター3の先端でゲートカットパンチ4の外側に沿って逆R形状或いは面取り形状の型部8が設けられており、ノズル5からゲート6を介してキャビティ7に鋳込まれる溶融樹脂は、図4(b)に示すように、ゲート6の先端から型部8a、8bに沿ってキャビティ7に流れ、ゲート6とエジェクター3により形成される中心穴のエッジ部近傍において、図4(a)に示すような渦を発生せず、図4(b)に示すように、スムーズな流れとしてキャビティ7に流入するため、エッジ部における樹脂流動性を改善し、エッジ部における樹脂充填率の低下を防ぎ、エッジ部の強度低下及び樹脂の流れの乱れによる光ディスクの光学特性の悪化を防ぐことができ、高い光学特性を有する光ディスクを提供することができる。さらに、光ディスクの中心穴のエッジ部が保持軸と干渉しても、エッジ部をR形状或いは面取り形状にすることにより、応力の集中が緩和され、亀裂や割れが発生しない光ディスクを提供できる。
【0023】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、光ディスクをプレーヤ或いはケースに装着の際の中心穴部の亀裂や割れの発生を防止でき、かつ高い光学的特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である光ディスクの中心穴部断面形状を説明する図で、(a)は従来の中心穴部がエッジ形状であるもの、(b)は中心穴部をR形状にしたもの、(c)は中心穴部を面取り形状にしたもの、(d)は(b)の基板同士を貼り合せたものである。
【図2】(a)は図1(a)の基板を成形用金型形状、(b)は図1(b)の基板成形用の金型形状、図2(c)は図1(c)の基板成形用金型形状である。
【図3】記録媒体をプレーヤに装着する際の図である。
【図4】(a)は従来の中心穴部がエッジ形状の場合の射出成形時の溶融樹脂の流れ説明図、(b)は中心穴形状をR形状にした場合の同様の説明図である。
【符号の説明】
1 固定側ミラーブロック
2 可動側ミラーブロック
3 エジェクター
4 ゲートカットパンチ
5 ノズル
6 ゲート部
7 キャビティー部
8a R形状型部
8b 面取り形状型部
9 基板
9a R形状部
9b 面取り形状部
10 中心穴
11 エッジ部
12 保持軸
Claims (2)
- 情報記憶領域を1面又は両面に有する光ディスクであって、中心穴の片面或いは両面の角部をR形状、或いは面取り形状としたことを特徴とする光ディスク。
- 割型を構成する成形金型の固定側ミラーブロックと可動側ミラーブロックを型締めしてキャビティを形成し、キャビティに溶融樹脂を射出し、スタンバの情報が転写されたディスクを成形し、型開き時に、ゲートカットパンチによりゲート部を切断し、エジェクターにより成形品の離型を行う光ディスク成形金型において、エジェクターの先端からゲートカットパンチの外側に沿って逆R形状型部または面取り形状型部を設けたことを特徴とする光ディスク成形金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002193181A JP2004039071A (ja) | 2002-07-02 | 2002-07-02 | 光ディスク及びその成形金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002193181A JP2004039071A (ja) | 2002-07-02 | 2002-07-02 | 光ディスク及びその成形金型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004039071A true JP2004039071A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31702200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002193181A Pending JP2004039071A (ja) | 2002-07-02 | 2002-07-02 | 光ディスク及びその成形金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004039071A (ja) |
-
2002
- 2002-07-02 JP JP2002193181A patent/JP2004039071A/ja active Pending
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