JP2004037518A - 表面凹凸形成方法、それにより得られる光学フィルム及び拡散反射板並びに拡散反射板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便にかつ安価に樹脂表面凹凸形状を形成できる方法及びそれを用いた転写原型、転写原型を形成する転写原型、転写ベースフィルム、転写フィルム、拡散反射板、光学フィルムを提供する。
【解決手段】(a)少なくとも一種類以上の重合可能なバインダ樹脂、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含み、前記(a)バインダ樹脂と(b)モノマー又はオリゴマーの配合重量比が、(a) : (b)=80:20〜40:60である感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を形成する工程、パターン形成されたマスクを介して活性エネルギー線を少なくとも一回以上照射する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程を含む表面凹凸形成方法。
【選択図】 図1
【解決手段】(a)少なくとも一種類以上の重合可能なバインダ樹脂、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含み、前記(a)バインダ樹脂と(b)モノマー又はオリゴマーの配合重量比が、(a) : (b)=80:20〜40:60である感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を形成する工程、パターン形成されたマスクを介して活性エネルギー線を少なくとも一回以上照射する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程を含む表面凹凸形成方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を使用する表面凹凸形成方法、それを用いた転写原型、転写原型を形成する転写原型、転写ベースフィルム、転写フィルム、拡散反射板、光学フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂表面に凹凸形状を形成する場合、従来の技術では、パターン形成されたマスクを介して感光性樹脂層に紫外線を照射し、樹脂層の露光部分又は未露光部分を現像液で処理することによって凹凸形状を制御したり不要な部分を除去又は平坦化したりする方法が用いられてきた。
【0003】
しかし、従来の方法では、所望の凹凸形状を得るために、感光性樹脂の膜厚、感光性樹脂の受光感度、マスクの開口比、露光量、現像液濃度、現像液温度あるいは現像時間の調整が必要であるため、製造プロセス上の変動因子が多く、同一の条件で同一の凹凸形状を得ることは困難であり、比較的高価でもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡便にかつ安価に樹脂表面凹凸形状を形成し、所望の凹凸形状に制御する方法及びそれを用いた転写原型、転写原型を形成する転写原型、転写ベースフィルム、転写フィルム、拡散反射板、光学フィルム、それらの製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、[1](a)少なくとも一種類以上の重合可能なバインダ樹脂、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含み、前記(a)バインダ樹脂と(b)モノマー又はオリゴマーの配合重量比が、(a) : (b)=80:20〜40:60である感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を形成する工程、パターン形成されたマスクを介して活性エネルギー線を少なくとも一回以上照射する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程を含む表面凹凸形成方法であり、
[2](a)少なくとも一種類以上の重合可能なバインダ樹脂、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含み、前記(a)バインダ樹脂と(b)モノマー又はオリゴマーの配合重量比が、(a) : (b)=80:20〜40:60である感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を形成する工程、活性エネルギー線によりパターンを直接描画する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程を含む表面凹凸形成方法であり、
[3]感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーに、ペンタエリスリトールアクリレートを含む、上記[1]または上記[2]に記載の表面凹凸形成方法であり、
[4]パターンが、活性エネルギー線遮断部と活性エネルギー線透過部からなる規則的あるいは不規則的な繰り返しパターンを有し、活性エネルギー線遮断部と活性エネルギー線遮断部、又は活性エネルギー線透過部と活性エネルギー線透過部との距離が、1〜50μmである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の表面凹凸形成方法であり、
[5]後加熱が、50〜250℃の加熱である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の表面凹凸形成方法であり、
[6]活性エネルギー線が紫外光線である上記[1]または[2]に記載の凹凸形成方法であり、
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の凹凸形成方法を用いて形成された光学フィルムであり、
[8]上記[7]に記載の光学フィルムの一部または全面に、反射膜あるいは半透過反射膜を設けた拡散反射板であり、
[9]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の表面凹凸形成方法を用いて作製した表面凹凸面を型とする転写原型であり、
[10]上記[9]の転写原型を用いて作製した表面凹凸面を型とする転写原型であり、
[11]ベースフィルム上に形成した下塗り層からなる被転写層に、上記[9]または[10]に記載の転写原型を押当てることで表面凹凸形状が転写された転写ベースフィルムであり、
[12]上記[11]に記載の転写ベースフィルムを仮支持体として用い、仮支持体の転写原型を転写した面に薄膜層を形成し、薄膜層の仮支持体に形成されていない面が被転写基板への接着面を構成する転写フィルムであり、
[13]上記[12]に記載の転写フィルムにおいて、仮支持体と薄膜層の間に反射膜あるいは半透過反射膜が形成された転写フィルムであり、
[14]上記[12]に記載の転写フィルムを被転写基板に薄膜層が面するように押し当てる工程と、前記仮支持体を剥がす工程と、薄膜層の転写された表面に反射膜あるいは半透過反射膜を形成する工程により拡散反射板を作製する拡散反射板の製造方法であり、
[15]上記[11]に記載の転写ベースフィルムを基板上に形成された薄膜層に、転写された面が面するように押し当てる工程と、前記転写ベースフィルムを剥がす工程と、表面に反射膜あるいは半透過反射膜を形成する工程を含む拡散反射板の製造方法であり、
[16]上記[13]に記載の転写フィルムを被転写基板に薄膜層が面するように押し当てる工程と、前記仮支持体を剥がす工程を含む拡散反射板の製造方法であり、
[17]上記[14]〜[16]のいずれかに記載の拡散反射板の製造方法により得られた拡散反射板であり、
[18]上記[11]に記載の転写ベースフィルムの転写原型を転写した面に反射膜あるいは半透過反射膜を設けた拡散反射板であり、
[19]上記[8]、[17]、[18]のいずれかに記載の拡散反射板を反射型液晶ディスプレイに用いたことを特徴とする反射型液晶ディスプレイ用拡散反射板である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、表面凹凸形成方法であり、その一例として図2に示したように、(a)少なくとも一種類以上の重合可能なバインダ樹脂、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含む感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を基板上に形成する工程、そして、パターン形成されたマスクを介してあるいは、直接描画法で活性エネルギー線を照射する工程、そしてエッチング操作を行うことなく後加熱する工程を含むことにより表面凹凸を形成する方法である。活性エネルギー線により、それが照射された感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の膜厚は、活性エネルギー線を照射されていない部分の膜厚に比べ最終的に増加し、後加熱を行うことで、活性エネルギー線を照射された部分と照射されない部分との膜厚差が顕著になる。これには、少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有する感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層が必要である。そして、得られた表面凹凸は、光学フィルムとして適用でき、また、その表面凹凸を利用した転写原型とする。さらに、その転写原型を用いて作製した表面凹凸面を型とする転写原型とする。そして、転写原型の表面凹凸面をベースフィルム上に形成した下塗り層からなる被転写層に押当てることで表面凹凸形状が転写された転写ベースフィルムとする。この転写ベースフィルムを仮支持体として用い、仮支持体の転写原型を転写した面に薄膜層を形成し、薄膜層の仮支持体に形成されていない面が被転写基板への接着面を構成する転写フィルムとする。この転写フィルムを被転写基板に薄膜層が面するように押し当てる工程と、前記仮支持体を剥がす工程と、薄膜層の転写された表面に反射膜または透過性反射膜を形成する工程により拡散反射板を作製する。また、図2に示したように、表面凹凸形成方法を用いて形成された光学フィルムに反射膜を形成し拡散反射板とすることもできる。本発明は、(a)少なくとも一種類以上の重合可能なバインダ樹脂、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含む感エネルギー性ネガ型樹脂組成物を用いる。
本発明における(a)バインダ樹脂としては、ビニル共重合体が好ましく、ビニル共重合体に用いられるビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。この他に、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等が拳げられる。
【0007】
また、本発明における、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和基を少なくとも一つ以上有する一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーが好ましく、従来、光重合性多官能モノマーとして知られているものをほとんど用いることができる。この他に、ラジカルにより重合する官能基を有する化合物で、マレイミド樹脂、シトラコンイミド樹脂、ナジイミド樹脂などがあり、2種類以上を混合して使用してもよい。またラジカル重合性化合物は、モノマー、オリゴマーいずれの状態でも使用することができ、モノマーとオリゴマーを混合して用いてもよい。
【0008】
具体的には、一個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル系モノマー(アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール等)、スチレン系モノマ(スチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等)、ポリオレフィン系モノマ(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)、ビニル系モノマ(塩化ビニル、酢酸ビニル等)、ニトリル系モノマ(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、1−(メタクリロイロキシエトキシカルボニル)−2−(3′−クロロ−2′−ヒドロキシプロポキシカルボニル)ベンゼンなどが挙げられる。
【0009】
二個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジメタクリレート、ウレタンジアクリレート化合物等が挙げられる。
【0010】
三個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリメタクリレート等が挙げられる。
四個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等が挙げられる。特に、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート
【0011】
五個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等が挙げられる。
六個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。
これらの中で、特に、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートなどのペンタエリスリトールアクリレートを含むものが表面凹凸形成に好ましい。
これらの不飽和結合を有する単量体は、いずれにしても、光照射によりラジカル重合するものであればよく、また、これらの不飽和結合を有する単量体は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0012】
本発明における、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の、(a)バインダ樹脂と(b)モノマー又はオリゴマーの配合比は、 (a) : (b)=80:20〜40:60であることが好ましく、 (a) : (b)=70:30〜50:50とすることがより好ましい。
【0013】
また、所望の凹凸形状として、凹凸形状の段差を高くしたい場合は(a)バインダ樹脂と(b)モノマー又はオリゴマーの固形分配合比を(a) : (b)=65:35〜40:60とすることが好ましく、凹凸形状の段差を低くしたい場合は (a) : (b)=80:20〜55:45とすることが好ましい。(a)バインダ樹脂の固形分配合比が80を超えると凹凸形状の段差が得にくく、(b)モノマー又はオリゴマーの固形分配合比が60を超えると感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層のベタつきが増し、活性エネルギー線を照射するとき感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層にマスクを置くと表面が荒れるなどの問題を生じる。
【0014】
本発明における、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン(ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等)、ベンゾインエーテル(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等)、ベンゾイン(メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等)、ベンジル誘導体(ベンジルジメチルケタール等)、2−メルカプトベンズイミダゾール、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、(2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等)、アクリジン誘導体(9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等)などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。本成分の使用量は、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物中の固形分総量の0.01〜25重量%とすることが好ましく、1〜20重量%とすることがより好ましい。
【0015】
必要に応じプラスチック添加剤として、分子量10000以下の低融点物質を添加してもよい。例えば「プラスチックス配合剤」(遠藤 昭定、須藤 眞編、大成社発行、平成8年11月30日発行)記載の可塑剤や、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層に加熱による流動性やガラス基材との密着性を与えるシラン化合物等が挙げられる。本成分の使用量は、ネガ型組成物中の固形分総量の1〜70重量%とすることが好ましい。
【0016】
以上のネガ型樹脂組成物を必要に応じ適当な溶剤に溶解ないし分散させ、混合する。混合物の溶解成分は、透明で均一な溶液となるまで十分に混合し、常法により濾過され、塗液とする。溶剤は、好ましくは50〜250℃の範囲に沸点を有するものである。そのような溶剤の例として、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等が挙げられる。
【0017】
感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の塗布方法としては、ロールコータ塗布、スピンコータ塗布、スプレー塗布、ディップコータ塗布、カーテンフローコータ塗布、ワイヤバーコータ塗布、グラビアコータ塗布、エアナイフコータ塗布等がある。または、ベースフィルム等に上記の方法で感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を塗布し、基材に転写する。塗布した感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の厚みは、0.1〜1000μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましく、1〜50μmが特に好ましい。塗布する基材としては、ガラス板、クロムやITOなどの無機化合物を成膜したガラス板、シリコン基板、ポリカーボネート系樹脂フィルム、メタアクリル樹脂シート、ポリエチレンテレフタートフィルム、フッ素系樹脂フィルムなどを用いることができる。
【0018】
塗布した感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層は、40〜150℃で1〜30分間プリベークする。プリベークした感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層は、パターン形成されたマスクを介して、あるいは、直接描画法で活性エネルギー線を照射される。マスクまたは直接描画パターンは、活性エネルギー線遮断部と活性エネルギー線透過部からなる規則的あるいは不規則的な繰り返しパターンを有し、活性エネルギー線遮断部と活性エネルギー線遮断部、又は活性エネルギー線透過部と活性エネルギー線透過部との距離が、1〜50μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。パターン形状は、特に限定されないが、例として、円形、楕円形、円輪形、多角形、曲線、直線、あるいは各形の集合形などがある。
本発明における、活性エネルギー線としては、赤外線、可視光線、紫外線、赤外線より長波長の電磁波、紫外線より短波長の電磁波、レーザー光等を用いることができる。そのようなもののなかで、用いられる樹脂組成の反応性や装置の普及性から紫外線を用いることが好ましい。照射装置としては、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ等が挙げられる。また、活性エネルギー線量は、従来のエッチング工程を含む表面凹凸形成方法の中で照射する紫外線量に比べて少なくて済み、0.01〜1J/cm2が好ましく、0.01〜0.5J/cm2がより好ましく、0.05〜0.1J/cm2が特に好ましい。
【0019】
パターン形成されたマスクを介して、あるいは、直接描画法で活性エネルギー線を照射された感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の膜厚は、活性エネルギー線を照射されていない部分の膜厚に比べ最終的に増加する。活性エネルギー線を少なくとも一回以上照射する工程の後、後加熱として、50〜250℃の加熱を行うことが好ましく、活性エネルギー線を照射された部分と照射されない部分との膜厚差を顕著にする。さらに必要に応じ、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の凹凸形状保持が必要な箇所すべてを一括して熱硬化や活性エネルギー線照射して、形状を固定する。
【0020】
本発明では、上記のネガ型樹脂組成物層を形成する工程、活性エネルギー線を照射する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程により表面に凹凸が形成されたものを得ることができる。この形成された表面凹凸を型として用い、転写原型とすることができる。この場合、元の表面凹凸面と反対の形状となり、その転写原型を用いて転写した表面形状は、元の表面形状を反映し同じ形状のものになる。また、本発明の表面凹凸形成方法で得られたものを転写原型とし、さらに、その転写原型の表面凹凸面を型とする転写原型とすることもできる。この場合、2度転写しているので、最初の表面凹凸と同じ凹凸形状をした転写原型となる。
本発明では、凹凸形成方法を用いて形成したものを光学フィルムとすることができる。また、この光学フィルムに反射膜あるいは半透過反射膜を設けて拡散反射板とすることができる。
この反射膜としては、反射したい波長領域によって材料を適切に選択すれば良く、例えば反射型LCD表示装置では、可視光波長領域である300nmから800nmにおいて反射率の高い金属、例えばアルミニウムや金、銀等を真空蒸着法またはスパッタリング法等によって形成する。また反射増加膜(光学概論2、辻内順平、朝倉書店、1976年発行)を上記の方法で積層してもよい。屈折率差を利用して反射させる場合、金属単体だけでなく、ITOや五酸化タンタル、酸化チタン等の膜とシリコンやアルミニウム等の酸化膜や窒化膜、酸窒化膜を真空蒸着法またはスパッタリング法等によって積層形成する。反射膜の厚みは、0.01〜50μmが好ましい。また反射膜は、必要な部分だけフォトリソグラフィー法、マスク蒸着法等によりパターン形成してもよい。一方、半透過反射膜は、可視光線に半透過機能を付与させて、反射膜と同様に選択され、形成される。また反射増加膜を積層してもよい。屈折率差を利用して反射させる場合、金属単体だけでなく、ITOや五酸化タンタル、酸化チタン等の膜とシリコンやアルミニウム等の酸化膜や窒化膜、酸窒化膜を真空蒸着法またはスパッタリング法等によって積層形成する。半透過反射膜の厚みは、0.003〜5μmが好ましい。また半透過反射膜は、必要な部分だけフォトリソグラフィー法、マスク蒸着法等によりパターニング形成してもよい。
【0021】
本発明では、ベースフィルム上に形成した下塗り層からなる被転写層に、上記の転写原型を押当てることで表面凹凸形状が転写された転写ベースフィルムとすることができる。そして、この転写ベースフィルムを仮支持体として用い、仮支持体の転写原型を転写した面に薄膜層を形成し、薄膜層の仮支持体に形成されていない面が被転写基板への接着面を構成する転写フィルムとすることができる。本発明で用いるベースフィルムとしては、化学的、熱的に安定であり、シートまたは板状に成形できるものを用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル類、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セロハン等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエステル、あるいはアルミニウム、銅等の金属類等である。これらの中で特に好ましいのは寸法安定性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートである。
【0022】
本発明で用いる薄膜層としては、仮支持体上に塗布しフィルム状に巻き取ることが可能な樹脂組成物を用いる。また、この中に必要に応じて、染料、有機顔料、無機顔料、粉体及びその複合物を単独または混合して用いてもよい。薄膜層には光硬化性樹脂組成物を用いることができる。薄膜層の軟化温度は特に制限されないが、200℃以下であることが望ましい。また加熱による流動性を得るために分子量10000以下の低融点物質を添加することができる。
【0023】
そのようなものの中で、基板に対する密着性が良好で、ベースフィルムからの剥離性がよいものを用いるのが好ましい。たとえば光硬化性樹脂組成物に含まれる有機重合体としては、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル類、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セロハン等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル等を用いることができる。TFT液晶表示装置に用いる場合は基板に形成されたTFTとのコンタクトホールを形成するためにその部分の薄膜層を除けるように、アルカリ等で現像可能な感光性樹脂を用いることもできる。また耐熱性、耐溶剤性、形状安定性を向上させるために、熱によって硬化可能な樹脂組成物を用いることもできる。さらに、カップリング剤、接着性付与剤を添加することで基板との密着を向上させることもできる。接着を向上させる目的で基板または薄膜層の接着面に接着性付与剤を塗布することもできる。
【0024】
薄膜層の加熱による流動性を得るために分子量10000以下の低融点物質を添加する。例えば「プラスチックス配合剤」(遠藤 昭定、須藤 眞編、大成社発行、平成8年11月30日発行)記載の可塑剤や、エチレン性二重結合を分子内に少なくとも1つ以上有するモノマーを添加する。本成分の使用量は、感光性組成物中の固形分総量の1〜80重量%とすることが好ましい。
【0025】
例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、レゾルシノールジアクリレート、p,p’−ジヒドロキシジフェニルジアクリレート、スピログリコールジアクリレート、シクロヘキサンジメチロールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレングリコール化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及び上記のアクリレートに対応するメタクリレート化合物、メチレンビスアクリルアミド、ウレタン系ジアクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。また、ECH変性フタル酸ジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、エチレンオキサイド変性トリブロモフェノールアクリレート,エチレンオキサイド変性テトラブロモビスフェノールジメタクリレートなどの25℃で固体または粘度が100Pa・s(10万csp)以上であるモノマー及びオリゴマーを用いてもよい。さらに「感光材料リストブック」(フォトポリマー懇話会編、ぶんしん出版発行、1996年3月31日発行)記載のものから選ばれるのが好ましい。
【0026】
また、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、アルキルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジメチルアミノエチルメタクリレート四級化物等の単官能モノマーが挙げられる。これらの成分は単独または2種以上を混合して用いることもできる。
【0027】
光硬化性樹脂組成物の光開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等が挙げられる。これらの光開始剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。本成分の使用量は、感光性組成物中の固形分総量の0.01〜25重量%とすることが好ましく、1〜20重量%であることがより好ましい。
【0028】
ベースフィルム上に形成する下塗り層としては、凹凸形成後は薄膜層よりも硬いものが好ましい。例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル、エチレンとアクリル酸エステル、エチレンとビニルアルコールのようなエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、塩化ビニルとビニルアルコールの共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルのようなスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステルのようなビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニルのような(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、合成ゴム、セルロース誘導体等から選ばれた、少なくとも1種類以上の有機高分子を用いることができる。凹凸形成後硬化させるために必要に応じて光開始剤やエチレン性二重結合を有するモノマー等を添加することができる。ネガ型、ポジ型の感光タイプであっても問題はない。
【0029】
薄膜層や下塗り層の塗布方法としては、ロールコータ塗布、スピンコータ塗布、スプレー塗布、ディップコータ塗布、カーテンフローコータ塗布、ワイヤバーコータ塗布、グラビアコータ塗布、エアナイフコータ塗布等がある。仮支持体上等に上記の方法で薄膜層または下塗り層組成物を塗布する。
【0030】
薄膜層の基板に転写される面の保護フィルムであるカバーフィルムとしては、化学的および熱的に安定で、薄膜層との剥離が容易であるものが望ましい。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール等の薄いシート状のもので表面の平滑性が高いものが好ましい。剥離性を付与するために表面に離型処理をしたものも含まれる。
【0031】
図3に示したような転写原型をベースフィルム8と下塗り層7からなる被転写フィルムに押し当てることにより形状が転写された転写ベースフィルムを仮支持体として用い、仮支持体の転写原型を転写した面に薄膜層6を積層し(図3では薄膜層の保護のためカバーフィルムを積層している)、薄膜層の仮支持体に積層されていない面が被転写基板への接着面を構成する転写フィルム上の薄膜層を基板に転写する方法としては、図4に示したようにカバーフィルムを剥がし、ガラス基板上に加熱圧着すること等が挙げられる。さらに密着性を必要とする場合には基板を必要な薬液等で洗浄したり、基板に接着付与剤を塗布したり、基板に紫外線等を照射する等の方法を用いてもよい。薄膜層を転写する装置としては基板を加熱、加圧可能なゴムロールとベースフィルムとの間に挟み、ロールを回転させて、薄膜層を基板に押し当てながら基板を送りだすロールラミネータを用いることが好ましい。
このようにして基板表面に形成した薄膜層の膜厚は、0.1μm〜50μmの範囲が好ましい。このとき凹凸形状の最大高低差より薄膜層の膜厚が厚い方が凹凸形状を再現しやすい。膜厚が等しいあるいは薄いと原型凸部で薄膜層を突き破ってしまい、不必要な平面部が発生し反射効率の良好な拡散反射板を得にくくなる。
【0032】
光を拡散し得る形状を保持するためには、薄膜層を露光し、感光、硬化させる。露光機としては、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ等が挙げられる。
露光は仮支持体を剥がす前、または剥がした後に行う。
露光後、温風加熱炉、または赤外線加熱炉、ホットプレート等で加熱を行う場合がある。
【0033】
以上では図6に示す様な反射型液晶ディスプレイで説明したが、本発明の拡散反射板は外部光線を拡散反射させることが必要な表示デバイスに用いることが出来る。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0034】
【実施例】
(実施例1〜7)
バインダー樹脂とモノマーの固形分配合比を80:20、70:30、65:35、60:40、55:45、50:50、および40:60として作製した表1の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液は、それぞれガラス基板上に1300rpmで15秒間、1300rpmで15秒間、1300、1100、950、800および640rpmでそれぞれ10秒間スピンコートし、ホットプレート上、90℃で4分間加熱し、膜厚5μmの感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を得た。この感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の上に紫外線照射部と紫外線遮光部の境界線が不規則的な曲線でパターニングされたマスクを置き、マスク面垂直上方より0.08J/cm2の紫外線を照射した後、230℃で30分間の後加熱により硬化し、スパッタによりAl金属膜0.1μmをそれぞれ成膜したところ、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の紫外線照射部断面が凸、紫外線遮光部断面が凹の凹凸ピッチ10μmの形状を有し、その凹凸段差が0.45、0.61、0.89、0.94、1.14、1.17および1.42μmとなる7種類の転写原型が得られた。図1にモノマー比と各転写原型の表面凹凸形状の段差の関係を示す。
(感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液):
ポリマーとしてスチレン、メタクリル酸、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート共重合樹脂を用いた(ポリマーA)。分子量は約70000、酸価は約75である。
【0035】
【表1】
【0036】
(実施例8)
ベースフィルムとして厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、このベースフィルム上に下塗り層として下記の光硬化性樹脂溶液をコンマコーターで20μmの膜厚になるよう塗布した。次に実施例1〜6で得られた転写原型を押しあて紫外線照射により光硬化性樹脂を硬化し転写原型から分離し、凹凸形状が光硬化性樹脂層(下塗り層)の表面に形成された転写ベースフィルムを得た。
(光硬化性樹脂(下塗り層)溶液):
アクリル酸−ブチルアクリレート−ビニルアセテート共重合体 5重量部
ブチルアセテート(モノマー) 8重量部
ビニルアセテート(モノマー) 2重量部
アクリル酸(モノマー) 0.3重量部
ヘキサンジオールアクリレート(モノマー) 0.2重量部
ベンゾインイソブチルエーテル(開始剤) 2.5重量%
【0037】
次に転写ベースフィルム上に上述の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液をコンマコーターで平均膜厚が8μmの膜厚になるよう塗布乾燥し、カバーフィルムとしてポリエチレンフィルムを被覆して転写フィルムを得た(図3)。次に、図4に示したように、この転写フィルムのカバーフィルムを剥がしながら、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層がガラス基板に接する様にラミネータ(ロールラミネータHLM1500、日立化成テクノプラント株式会社製商品名)を用いて基板温度90℃、ロール温度80℃、ロール圧力0.686MPa(7kg/cm2)、速度0.5m/分でラミネートし、ガラス基板上に下から感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層、転写ベースフィルムが積層された基板を得た。次に、転写ベースフィルムを剥離し、ガラス基板上に転写原型の凹凸形状と同様な感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を得た。次に、オーブンで230℃、30分間の加熱による硬化を行い、真空蒸着法で、アルミニウム薄膜を0.1μmの膜厚になるよう積層した反射層を形成し、拡散反射板を得た。
【0038】
図5には本実施例による実施例1、3、6の転写原型を用いて作製された拡散反射板の真正面への反射強度(標準白色板に対する相対強度)の入射角度依存性を示す。それぞれ所望の反射特性を有する拡散反射板を簡便に得ることができた。
【0039】
(比較例1、2)
ポリマーとモノマー又はオリゴマーの固形分配合比を90:10、20:80として調整した表2の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液をガラス基板上に毎分1300回転で25秒間スピンコートし、ホットプレート上90℃で4分間加熱し、膜厚5μmの感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を得た。この感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の上に紫外線照射部と紫外線遮光部の境界線が不規則的な曲線でパターニングされたマスクを置き、マスク面垂直上方より0.08J/cm2の紫外線を照射した後、230℃で30分間の後加熱により硬化したところ、比較例1の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の表面凹凸段差は0.1μm以下であった。また、比較例2は感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層がベタついていたため、マスクを置くと表面が荒れてマスクパタンに対応した表面凹凸段差が得られなかった。
【0040】
【表2】
【0041】
(比較例3)
ベースフィルムとして厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、このベースフィルム上に下塗り層として下記の光硬化性樹脂溶液をコンマコーターで20μmの膜厚になるよう塗布した。次に比較例1で得られた転写原型を用いて実施例8と同様の方法で拡散反射板を得た。図6には本比較例による拡散反射板の真正面への反射強度(標準白色板に対する相対強度)の入射角度依存性を示す。鏡面性の高い反射特性の拡散反射板であった。
【0042】
【発明の効果】
本発明により、簡便にかつ安価に樹脂表面凹凸形状を形成し、所望の凹凸形状に制御する方法及びそれを用いた転写原型、転写原型を形成する転写原型、転写ベースフィルム、転写フィルム、拡散反射板、光学フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜7のモノマー比と各転写原型の表面凹凸形状の段差の関係を示すグラフ。
【図2】本発明の拡散反射板の製造例を示す断面図。
【図3】本発明の転写フィルムの一例を示す断面図。
【図4】本発明の拡散反射板の製造例を示す断面図。
【図5】実施例8の実施例1、3、6の転写原型を用いて作製された拡散反射板の反射光量の出射角依存性を示す図。
【図6】比較例3の拡散反射板の反射光量の出射角依存性を示す図。
【図7】反射型液晶ディスプレイの一例を示す断面図。
【符号の説明】
1.感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層
2.ガラス基板
3.反射膜
4.フォトマスク
5.カバーフィルム
6.薄膜層
7.下塗り層
8.ベースフィルム
9.熱圧着ゴムロール
10.カラーフィルタ
11.ブラックマトリクス
12.透明電極
13.平坦化膜
14.配向膜
15.液晶層
16.スペーサ
17.位相差フィルム
18.偏光板
【発明の属する技術分野】
本発明は、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を使用する表面凹凸形成方法、それを用いた転写原型、転写原型を形成する転写原型、転写ベースフィルム、転写フィルム、拡散反射板、光学フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂表面に凹凸形状を形成する場合、従来の技術では、パターン形成されたマスクを介して感光性樹脂層に紫外線を照射し、樹脂層の露光部分又は未露光部分を現像液で処理することによって凹凸形状を制御したり不要な部分を除去又は平坦化したりする方法が用いられてきた。
【0003】
しかし、従来の方法では、所望の凹凸形状を得るために、感光性樹脂の膜厚、感光性樹脂の受光感度、マスクの開口比、露光量、現像液濃度、現像液温度あるいは現像時間の調整が必要であるため、製造プロセス上の変動因子が多く、同一の条件で同一の凹凸形状を得ることは困難であり、比較的高価でもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡便にかつ安価に樹脂表面凹凸形状を形成し、所望の凹凸形状に制御する方法及びそれを用いた転写原型、転写原型を形成する転写原型、転写ベースフィルム、転写フィルム、拡散反射板、光学フィルム、それらの製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、[1](a)少なくとも一種類以上の重合可能なバインダ樹脂、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含み、前記(a)バインダ樹脂と(b)モノマー又はオリゴマーの配合重量比が、(a) : (b)=80:20〜40:60である感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を形成する工程、パターン形成されたマスクを介して活性エネルギー線を少なくとも一回以上照射する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程を含む表面凹凸形成方法であり、
[2](a)少なくとも一種類以上の重合可能なバインダ樹脂、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含み、前記(a)バインダ樹脂と(b)モノマー又はオリゴマーの配合重量比が、(a) : (b)=80:20〜40:60である感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を形成する工程、活性エネルギー線によりパターンを直接描画する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程を含む表面凹凸形成方法であり、
[3]感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーに、ペンタエリスリトールアクリレートを含む、上記[1]または上記[2]に記載の表面凹凸形成方法であり、
[4]パターンが、活性エネルギー線遮断部と活性エネルギー線透過部からなる規則的あるいは不規則的な繰り返しパターンを有し、活性エネルギー線遮断部と活性エネルギー線遮断部、又は活性エネルギー線透過部と活性エネルギー線透過部との距離が、1〜50μmである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の表面凹凸形成方法であり、
[5]後加熱が、50〜250℃の加熱である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の表面凹凸形成方法であり、
[6]活性エネルギー線が紫外光線である上記[1]または[2]に記載の凹凸形成方法であり、
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の凹凸形成方法を用いて形成された光学フィルムであり、
[8]上記[7]に記載の光学フィルムの一部または全面に、反射膜あるいは半透過反射膜を設けた拡散反射板であり、
[9]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の表面凹凸形成方法を用いて作製した表面凹凸面を型とする転写原型であり、
[10]上記[9]の転写原型を用いて作製した表面凹凸面を型とする転写原型であり、
[11]ベースフィルム上に形成した下塗り層からなる被転写層に、上記[9]または[10]に記載の転写原型を押当てることで表面凹凸形状が転写された転写ベースフィルムであり、
[12]上記[11]に記載の転写ベースフィルムを仮支持体として用い、仮支持体の転写原型を転写した面に薄膜層を形成し、薄膜層の仮支持体に形成されていない面が被転写基板への接着面を構成する転写フィルムであり、
[13]上記[12]に記載の転写フィルムにおいて、仮支持体と薄膜層の間に反射膜あるいは半透過反射膜が形成された転写フィルムであり、
[14]上記[12]に記載の転写フィルムを被転写基板に薄膜層が面するように押し当てる工程と、前記仮支持体を剥がす工程と、薄膜層の転写された表面に反射膜あるいは半透過反射膜を形成する工程により拡散反射板を作製する拡散反射板の製造方法であり、
[15]上記[11]に記載の転写ベースフィルムを基板上に形成された薄膜層に、転写された面が面するように押し当てる工程と、前記転写ベースフィルムを剥がす工程と、表面に反射膜あるいは半透過反射膜を形成する工程を含む拡散反射板の製造方法であり、
[16]上記[13]に記載の転写フィルムを被転写基板に薄膜層が面するように押し当てる工程と、前記仮支持体を剥がす工程を含む拡散反射板の製造方法であり、
[17]上記[14]〜[16]のいずれかに記載の拡散反射板の製造方法により得られた拡散反射板であり、
[18]上記[11]に記載の転写ベースフィルムの転写原型を転写した面に反射膜あるいは半透過反射膜を設けた拡散反射板であり、
[19]上記[8]、[17]、[18]のいずれかに記載の拡散反射板を反射型液晶ディスプレイに用いたことを特徴とする反射型液晶ディスプレイ用拡散反射板である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、表面凹凸形成方法であり、その一例として図2に示したように、(a)少なくとも一種類以上の重合可能なバインダ樹脂、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含む感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を基板上に形成する工程、そして、パターン形成されたマスクを介してあるいは、直接描画法で活性エネルギー線を照射する工程、そしてエッチング操作を行うことなく後加熱する工程を含むことにより表面凹凸を形成する方法である。活性エネルギー線により、それが照射された感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の膜厚は、活性エネルギー線を照射されていない部分の膜厚に比べ最終的に増加し、後加熱を行うことで、活性エネルギー線を照射された部分と照射されない部分との膜厚差が顕著になる。これには、少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有する感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層が必要である。そして、得られた表面凹凸は、光学フィルムとして適用でき、また、その表面凹凸を利用した転写原型とする。さらに、その転写原型を用いて作製した表面凹凸面を型とする転写原型とする。そして、転写原型の表面凹凸面をベースフィルム上に形成した下塗り層からなる被転写層に押当てることで表面凹凸形状が転写された転写ベースフィルムとする。この転写ベースフィルムを仮支持体として用い、仮支持体の転写原型を転写した面に薄膜層を形成し、薄膜層の仮支持体に形成されていない面が被転写基板への接着面を構成する転写フィルムとする。この転写フィルムを被転写基板に薄膜層が面するように押し当てる工程と、前記仮支持体を剥がす工程と、薄膜層の転写された表面に反射膜または透過性反射膜を形成する工程により拡散反射板を作製する。また、図2に示したように、表面凹凸形成方法を用いて形成された光学フィルムに反射膜を形成し拡散反射板とすることもできる。本発明は、(a)少なくとも一種類以上の重合可能なバインダ樹脂、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含む感エネルギー性ネガ型樹脂組成物を用いる。
本発明における(a)バインダ樹脂としては、ビニル共重合体が好ましく、ビニル共重合体に用いられるビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。この他に、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等が拳げられる。
【0007】
また、本発明における、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和基を少なくとも一つ以上有する一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーが好ましく、従来、光重合性多官能モノマーとして知られているものをほとんど用いることができる。この他に、ラジカルにより重合する官能基を有する化合物で、マレイミド樹脂、シトラコンイミド樹脂、ナジイミド樹脂などがあり、2種類以上を混合して使用してもよい。またラジカル重合性化合物は、モノマー、オリゴマーいずれの状態でも使用することができ、モノマーとオリゴマーを混合して用いてもよい。
【0008】
具体的には、一個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル系モノマー(アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール等)、スチレン系モノマ(スチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等)、ポリオレフィン系モノマ(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)、ビニル系モノマ(塩化ビニル、酢酸ビニル等)、ニトリル系モノマ(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、1−(メタクリロイロキシエトキシカルボニル)−2−(3′−クロロ−2′−ヒドロキシプロポキシカルボニル)ベンゼンなどが挙げられる。
【0009】
二個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジメタクリレート、ウレタンジアクリレート化合物等が挙げられる。
【0010】
三個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリメタクリレート等が挙げられる。
四個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等が挙げられる。特に、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート
【0011】
五個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等が挙げられる。
六個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。
これらの中で、特に、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートなどのペンタエリスリトールアクリレートを含むものが表面凹凸形成に好ましい。
これらの不飽和結合を有する単量体は、いずれにしても、光照射によりラジカル重合するものであればよく、また、これらの不飽和結合を有する単量体は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0012】
本発明における、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の、(a)バインダ樹脂と(b)モノマー又はオリゴマーの配合比は、 (a) : (b)=80:20〜40:60であることが好ましく、 (a) : (b)=70:30〜50:50とすることがより好ましい。
【0013】
また、所望の凹凸形状として、凹凸形状の段差を高くしたい場合は(a)バインダ樹脂と(b)モノマー又はオリゴマーの固形分配合比を(a) : (b)=65:35〜40:60とすることが好ましく、凹凸形状の段差を低くしたい場合は (a) : (b)=80:20〜55:45とすることが好ましい。(a)バインダ樹脂の固形分配合比が80を超えると凹凸形状の段差が得にくく、(b)モノマー又はオリゴマーの固形分配合比が60を超えると感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層のベタつきが増し、活性エネルギー線を照射するとき感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層にマスクを置くと表面が荒れるなどの問題を生じる。
【0014】
本発明における、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン(ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等)、ベンゾインエーテル(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等)、ベンゾイン(メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等)、ベンジル誘導体(ベンジルジメチルケタール等)、2−メルカプトベンズイミダゾール、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、(2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等)、アクリジン誘導体(9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等)などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。本成分の使用量は、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物中の固形分総量の0.01〜25重量%とすることが好ましく、1〜20重量%とすることがより好ましい。
【0015】
必要に応じプラスチック添加剤として、分子量10000以下の低融点物質を添加してもよい。例えば「プラスチックス配合剤」(遠藤 昭定、須藤 眞編、大成社発行、平成8年11月30日発行)記載の可塑剤や、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層に加熱による流動性やガラス基材との密着性を与えるシラン化合物等が挙げられる。本成分の使用量は、ネガ型組成物中の固形分総量の1〜70重量%とすることが好ましい。
【0016】
以上のネガ型樹脂組成物を必要に応じ適当な溶剤に溶解ないし分散させ、混合する。混合物の溶解成分は、透明で均一な溶液となるまで十分に混合し、常法により濾過され、塗液とする。溶剤は、好ましくは50〜250℃の範囲に沸点を有するものである。そのような溶剤の例として、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等が挙げられる。
【0017】
感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の塗布方法としては、ロールコータ塗布、スピンコータ塗布、スプレー塗布、ディップコータ塗布、カーテンフローコータ塗布、ワイヤバーコータ塗布、グラビアコータ塗布、エアナイフコータ塗布等がある。または、ベースフィルム等に上記の方法で感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を塗布し、基材に転写する。塗布した感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の厚みは、0.1〜1000μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましく、1〜50μmが特に好ましい。塗布する基材としては、ガラス板、クロムやITOなどの無機化合物を成膜したガラス板、シリコン基板、ポリカーボネート系樹脂フィルム、メタアクリル樹脂シート、ポリエチレンテレフタートフィルム、フッ素系樹脂フィルムなどを用いることができる。
【0018】
塗布した感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層は、40〜150℃で1〜30分間プリベークする。プリベークした感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層は、パターン形成されたマスクを介して、あるいは、直接描画法で活性エネルギー線を照射される。マスクまたは直接描画パターンは、活性エネルギー線遮断部と活性エネルギー線透過部からなる規則的あるいは不規則的な繰り返しパターンを有し、活性エネルギー線遮断部と活性エネルギー線遮断部、又は活性エネルギー線透過部と活性エネルギー線透過部との距離が、1〜50μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。パターン形状は、特に限定されないが、例として、円形、楕円形、円輪形、多角形、曲線、直線、あるいは各形の集合形などがある。
本発明における、活性エネルギー線としては、赤外線、可視光線、紫外線、赤外線より長波長の電磁波、紫外線より短波長の電磁波、レーザー光等を用いることができる。そのようなもののなかで、用いられる樹脂組成の反応性や装置の普及性から紫外線を用いることが好ましい。照射装置としては、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ等が挙げられる。また、活性エネルギー線量は、従来のエッチング工程を含む表面凹凸形成方法の中で照射する紫外線量に比べて少なくて済み、0.01〜1J/cm2が好ましく、0.01〜0.5J/cm2がより好ましく、0.05〜0.1J/cm2が特に好ましい。
【0019】
パターン形成されたマスクを介して、あるいは、直接描画法で活性エネルギー線を照射された感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の膜厚は、活性エネルギー線を照射されていない部分の膜厚に比べ最終的に増加する。活性エネルギー線を少なくとも一回以上照射する工程の後、後加熱として、50〜250℃の加熱を行うことが好ましく、活性エネルギー線を照射された部分と照射されない部分との膜厚差を顕著にする。さらに必要に応じ、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の凹凸形状保持が必要な箇所すべてを一括して熱硬化や活性エネルギー線照射して、形状を固定する。
【0020】
本発明では、上記のネガ型樹脂組成物層を形成する工程、活性エネルギー線を照射する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程により表面に凹凸が形成されたものを得ることができる。この形成された表面凹凸を型として用い、転写原型とすることができる。この場合、元の表面凹凸面と反対の形状となり、その転写原型を用いて転写した表面形状は、元の表面形状を反映し同じ形状のものになる。また、本発明の表面凹凸形成方法で得られたものを転写原型とし、さらに、その転写原型の表面凹凸面を型とする転写原型とすることもできる。この場合、2度転写しているので、最初の表面凹凸と同じ凹凸形状をした転写原型となる。
本発明では、凹凸形成方法を用いて形成したものを光学フィルムとすることができる。また、この光学フィルムに反射膜あるいは半透過反射膜を設けて拡散反射板とすることができる。
この反射膜としては、反射したい波長領域によって材料を適切に選択すれば良く、例えば反射型LCD表示装置では、可視光波長領域である300nmから800nmにおいて反射率の高い金属、例えばアルミニウムや金、銀等を真空蒸着法またはスパッタリング法等によって形成する。また反射増加膜(光学概論2、辻内順平、朝倉書店、1976年発行)を上記の方法で積層してもよい。屈折率差を利用して反射させる場合、金属単体だけでなく、ITOや五酸化タンタル、酸化チタン等の膜とシリコンやアルミニウム等の酸化膜や窒化膜、酸窒化膜を真空蒸着法またはスパッタリング法等によって積層形成する。反射膜の厚みは、0.01〜50μmが好ましい。また反射膜は、必要な部分だけフォトリソグラフィー法、マスク蒸着法等によりパターン形成してもよい。一方、半透過反射膜は、可視光線に半透過機能を付与させて、反射膜と同様に選択され、形成される。また反射増加膜を積層してもよい。屈折率差を利用して反射させる場合、金属単体だけでなく、ITOや五酸化タンタル、酸化チタン等の膜とシリコンやアルミニウム等の酸化膜や窒化膜、酸窒化膜を真空蒸着法またはスパッタリング法等によって積層形成する。半透過反射膜の厚みは、0.003〜5μmが好ましい。また半透過反射膜は、必要な部分だけフォトリソグラフィー法、マスク蒸着法等によりパターニング形成してもよい。
【0021】
本発明では、ベースフィルム上に形成した下塗り層からなる被転写層に、上記の転写原型を押当てることで表面凹凸形状が転写された転写ベースフィルムとすることができる。そして、この転写ベースフィルムを仮支持体として用い、仮支持体の転写原型を転写した面に薄膜層を形成し、薄膜層の仮支持体に形成されていない面が被転写基板への接着面を構成する転写フィルムとすることができる。本発明で用いるベースフィルムとしては、化学的、熱的に安定であり、シートまたは板状に成形できるものを用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル類、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セロハン等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエステル、あるいはアルミニウム、銅等の金属類等である。これらの中で特に好ましいのは寸法安定性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートである。
【0022】
本発明で用いる薄膜層としては、仮支持体上に塗布しフィルム状に巻き取ることが可能な樹脂組成物を用いる。また、この中に必要に応じて、染料、有機顔料、無機顔料、粉体及びその複合物を単独または混合して用いてもよい。薄膜層には光硬化性樹脂組成物を用いることができる。薄膜層の軟化温度は特に制限されないが、200℃以下であることが望ましい。また加熱による流動性を得るために分子量10000以下の低融点物質を添加することができる。
【0023】
そのようなものの中で、基板に対する密着性が良好で、ベースフィルムからの剥離性がよいものを用いるのが好ましい。たとえば光硬化性樹脂組成物に含まれる有機重合体としては、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル類、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セロハン等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル等を用いることができる。TFT液晶表示装置に用いる場合は基板に形成されたTFTとのコンタクトホールを形成するためにその部分の薄膜層を除けるように、アルカリ等で現像可能な感光性樹脂を用いることもできる。また耐熱性、耐溶剤性、形状安定性を向上させるために、熱によって硬化可能な樹脂組成物を用いることもできる。さらに、カップリング剤、接着性付与剤を添加することで基板との密着を向上させることもできる。接着を向上させる目的で基板または薄膜層の接着面に接着性付与剤を塗布することもできる。
【0024】
薄膜層の加熱による流動性を得るために分子量10000以下の低融点物質を添加する。例えば「プラスチックス配合剤」(遠藤 昭定、須藤 眞編、大成社発行、平成8年11月30日発行)記載の可塑剤や、エチレン性二重結合を分子内に少なくとも1つ以上有するモノマーを添加する。本成分の使用量は、感光性組成物中の固形分総量の1〜80重量%とすることが好ましい。
【0025】
例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、レゾルシノールジアクリレート、p,p’−ジヒドロキシジフェニルジアクリレート、スピログリコールジアクリレート、シクロヘキサンジメチロールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレングリコール化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及び上記のアクリレートに対応するメタクリレート化合物、メチレンビスアクリルアミド、ウレタン系ジアクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。また、ECH変性フタル酸ジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、エチレンオキサイド変性トリブロモフェノールアクリレート,エチレンオキサイド変性テトラブロモビスフェノールジメタクリレートなどの25℃で固体または粘度が100Pa・s(10万csp)以上であるモノマー及びオリゴマーを用いてもよい。さらに「感光材料リストブック」(フォトポリマー懇話会編、ぶんしん出版発行、1996年3月31日発行)記載のものから選ばれるのが好ましい。
【0026】
また、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、アルキルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジメチルアミノエチルメタクリレート四級化物等の単官能モノマーが挙げられる。これらの成分は単独または2種以上を混合して用いることもできる。
【0027】
光硬化性樹脂組成物の光開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等が挙げられる。これらの光開始剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。本成分の使用量は、感光性組成物中の固形分総量の0.01〜25重量%とすることが好ましく、1〜20重量%であることがより好ましい。
【0028】
ベースフィルム上に形成する下塗り層としては、凹凸形成後は薄膜層よりも硬いものが好ましい。例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル、エチレンとアクリル酸エステル、エチレンとビニルアルコールのようなエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、塩化ビニルとビニルアルコールの共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルのようなスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステルのようなビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニルのような(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、合成ゴム、セルロース誘導体等から選ばれた、少なくとも1種類以上の有機高分子を用いることができる。凹凸形成後硬化させるために必要に応じて光開始剤やエチレン性二重結合を有するモノマー等を添加することができる。ネガ型、ポジ型の感光タイプであっても問題はない。
【0029】
薄膜層や下塗り層の塗布方法としては、ロールコータ塗布、スピンコータ塗布、スプレー塗布、ディップコータ塗布、カーテンフローコータ塗布、ワイヤバーコータ塗布、グラビアコータ塗布、エアナイフコータ塗布等がある。仮支持体上等に上記の方法で薄膜層または下塗り層組成物を塗布する。
【0030】
薄膜層の基板に転写される面の保護フィルムであるカバーフィルムとしては、化学的および熱的に安定で、薄膜層との剥離が容易であるものが望ましい。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール等の薄いシート状のもので表面の平滑性が高いものが好ましい。剥離性を付与するために表面に離型処理をしたものも含まれる。
【0031】
図3に示したような転写原型をベースフィルム8と下塗り層7からなる被転写フィルムに押し当てることにより形状が転写された転写ベースフィルムを仮支持体として用い、仮支持体の転写原型を転写した面に薄膜層6を積層し(図3では薄膜層の保護のためカバーフィルムを積層している)、薄膜層の仮支持体に積層されていない面が被転写基板への接着面を構成する転写フィルム上の薄膜層を基板に転写する方法としては、図4に示したようにカバーフィルムを剥がし、ガラス基板上に加熱圧着すること等が挙げられる。さらに密着性を必要とする場合には基板を必要な薬液等で洗浄したり、基板に接着付与剤を塗布したり、基板に紫外線等を照射する等の方法を用いてもよい。薄膜層を転写する装置としては基板を加熱、加圧可能なゴムロールとベースフィルムとの間に挟み、ロールを回転させて、薄膜層を基板に押し当てながら基板を送りだすロールラミネータを用いることが好ましい。
このようにして基板表面に形成した薄膜層の膜厚は、0.1μm〜50μmの範囲が好ましい。このとき凹凸形状の最大高低差より薄膜層の膜厚が厚い方が凹凸形状を再現しやすい。膜厚が等しいあるいは薄いと原型凸部で薄膜層を突き破ってしまい、不必要な平面部が発生し反射効率の良好な拡散反射板を得にくくなる。
【0032】
光を拡散し得る形状を保持するためには、薄膜層を露光し、感光、硬化させる。露光機としては、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ等が挙げられる。
露光は仮支持体を剥がす前、または剥がした後に行う。
露光後、温風加熱炉、または赤外線加熱炉、ホットプレート等で加熱を行う場合がある。
【0033】
以上では図6に示す様な反射型液晶ディスプレイで説明したが、本発明の拡散反射板は外部光線を拡散反射させることが必要な表示デバイスに用いることが出来る。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0034】
【実施例】
(実施例1〜7)
バインダー樹脂とモノマーの固形分配合比を80:20、70:30、65:35、60:40、55:45、50:50、および40:60として作製した表1の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液は、それぞれガラス基板上に1300rpmで15秒間、1300rpmで15秒間、1300、1100、950、800および640rpmでそれぞれ10秒間スピンコートし、ホットプレート上、90℃で4分間加熱し、膜厚5μmの感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を得た。この感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の上に紫外線照射部と紫外線遮光部の境界線が不規則的な曲線でパターニングされたマスクを置き、マスク面垂直上方より0.08J/cm2の紫外線を照射した後、230℃で30分間の後加熱により硬化し、スパッタによりAl金属膜0.1μmをそれぞれ成膜したところ、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の紫外線照射部断面が凸、紫外線遮光部断面が凹の凹凸ピッチ10μmの形状を有し、その凹凸段差が0.45、0.61、0.89、0.94、1.14、1.17および1.42μmとなる7種類の転写原型が得られた。図1にモノマー比と各転写原型の表面凹凸形状の段差の関係を示す。
(感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液):
ポリマーとしてスチレン、メタクリル酸、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート共重合樹脂を用いた(ポリマーA)。分子量は約70000、酸価は約75である。
【0035】
【表1】
【0036】
(実施例8)
ベースフィルムとして厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、このベースフィルム上に下塗り層として下記の光硬化性樹脂溶液をコンマコーターで20μmの膜厚になるよう塗布した。次に実施例1〜6で得られた転写原型を押しあて紫外線照射により光硬化性樹脂を硬化し転写原型から分離し、凹凸形状が光硬化性樹脂層(下塗り層)の表面に形成された転写ベースフィルムを得た。
(光硬化性樹脂(下塗り層)溶液):
アクリル酸−ブチルアクリレート−ビニルアセテート共重合体 5重量部
ブチルアセテート(モノマー) 8重量部
ビニルアセテート(モノマー) 2重量部
アクリル酸(モノマー) 0.3重量部
ヘキサンジオールアクリレート(モノマー) 0.2重量部
ベンゾインイソブチルエーテル(開始剤) 2.5重量%
【0037】
次に転写ベースフィルム上に上述の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液をコンマコーターで平均膜厚が8μmの膜厚になるよう塗布乾燥し、カバーフィルムとしてポリエチレンフィルムを被覆して転写フィルムを得た(図3)。次に、図4に示したように、この転写フィルムのカバーフィルムを剥がしながら、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層がガラス基板に接する様にラミネータ(ロールラミネータHLM1500、日立化成テクノプラント株式会社製商品名)を用いて基板温度90℃、ロール温度80℃、ロール圧力0.686MPa(7kg/cm2)、速度0.5m/分でラミネートし、ガラス基板上に下から感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層、転写ベースフィルムが積層された基板を得た。次に、転写ベースフィルムを剥離し、ガラス基板上に転写原型の凹凸形状と同様な感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を得た。次に、オーブンで230℃、30分間の加熱による硬化を行い、真空蒸着法で、アルミニウム薄膜を0.1μmの膜厚になるよう積層した反射層を形成し、拡散反射板を得た。
【0038】
図5には本実施例による実施例1、3、6の転写原型を用いて作製された拡散反射板の真正面への反射強度(標準白色板に対する相対強度)の入射角度依存性を示す。それぞれ所望の反射特性を有する拡散反射板を簡便に得ることができた。
【0039】
(比較例1、2)
ポリマーとモノマー又はオリゴマーの固形分配合比を90:10、20:80として調整した表2の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液をガラス基板上に毎分1300回転で25秒間スピンコートし、ホットプレート上90℃で4分間加熱し、膜厚5μmの感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を得た。この感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の上に紫外線照射部と紫外線遮光部の境界線が不規則的な曲線でパターニングされたマスクを置き、マスク面垂直上方より0.08J/cm2の紫外線を照射した後、230℃で30分間の後加熱により硬化したところ、比較例1の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の表面凹凸段差は0.1μm以下であった。また、比較例2は感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層がベタついていたため、マスクを置くと表面が荒れてマスクパタンに対応した表面凹凸段差が得られなかった。
【0040】
【表2】
【0041】
(比較例3)
ベースフィルムとして厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、このベースフィルム上に下塗り層として下記の光硬化性樹脂溶液をコンマコーターで20μmの膜厚になるよう塗布した。次に比較例1で得られた転写原型を用いて実施例8と同様の方法で拡散反射板を得た。図6には本比較例による拡散反射板の真正面への反射強度(標準白色板に対する相対強度)の入射角度依存性を示す。鏡面性の高い反射特性の拡散反射板であった。
【0042】
【発明の効果】
本発明により、簡便にかつ安価に樹脂表面凹凸形状を形成し、所望の凹凸形状に制御する方法及びそれを用いた転写原型、転写原型を形成する転写原型、転写ベースフィルム、転写フィルム、拡散反射板、光学フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜7のモノマー比と各転写原型の表面凹凸形状の段差の関係を示すグラフ。
【図2】本発明の拡散反射板の製造例を示す断面図。
【図3】本発明の転写フィルムの一例を示す断面図。
【図4】本発明の拡散反射板の製造例を示す断面図。
【図5】実施例8の実施例1、3、6の転写原型を用いて作製された拡散反射板の反射光量の出射角依存性を示す図。
【図6】比較例3の拡散反射板の反射光量の出射角依存性を示す図。
【図7】反射型液晶ディスプレイの一例を示す断面図。
【符号の説明】
1.感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層
2.ガラス基板
3.反射膜
4.フォトマスク
5.カバーフィルム
6.薄膜層
7.下塗り層
8.ベースフィルム
9.熱圧着ゴムロール
10.カラーフィルタ
11.ブラックマトリクス
12.透明電極
13.平坦化膜
14.配向膜
15.液晶層
16.スペーサ
17.位相差フィルム
18.偏光板
Claims (19)
- (a)少なくとも一種類以上の重合可能なバインダ樹脂、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含み、前記(a)バインダ樹脂と(b)モノマー又はオリゴマーの配合重量比が、(a) : (b)=80:20〜40:60である感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を形成する工程、パターン形成されたマスクを介して活性エネルギー線を少なくとも一回以上照射する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程を含む表面凹凸形成方法。
- (a)少なくとも一種類以上の重合可能なバインダ樹脂、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含み、前記(a)バインダ樹脂と(b)モノマー又はオリゴマーの配合重量比が、(a) : (b)=80:20〜40:60である感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を形成する工程、活性エネルギー線によりパターンを直接描画する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程を含む表面凹凸形成方法。
- 感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の、(b)少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーに、ペンタエリスリトールアクリレートを含む、請求項1または請求項2に記載の表面凹凸形成方法。
- パターンが、活性エネルギー線遮断部と活性エネルギー線透過部からなる規則的あるいは不規則的な繰り返しパターンを有し、活性エネルギー線遮断部と活性エネルギー線遮断部又は活性エネルギー線透過部と活性エネルギー線透過部との距離が、1〜50μmである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の表面凹凸形成方法。
- 後加熱が、50〜250℃の加熱である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の表面凹凸形成方法。
- 活性エネルギー線が紫外光線である請求項1または請求項2に記載の凹凸形成方法。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の凹凸形成方法を用いて形成された光学フィルム。
- 請求項7に記載の光学フィルムの一部または全面に、反射膜あるいは半透過反射膜を設けた拡散反射板。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の表面凹凸形成方法を用いて作製した表面凹凸面を型とする転写原型。
- 請求項9の転写原型を用いて作製した表面凹凸面を型とする転写原型。
- ベースフィルム上に形成した下塗り層からなる被転写層に、請求項9または請求項10に記載の転写原型を押当てることで表面凹凸形状が転写された転写ベースフィルム。
- 請求項11に記載の転写ベースフィルムを仮支持体として用い、仮支持体の転写原型を転写した面に薄膜層を形成し、薄膜層の仮支持体に形成されていない面が被転写基板への接着面を構成する転写フィルム。
- 請求項12に記載の転写フィルムにおいて、仮支持体と薄膜層の間に反射膜あるいは半透過反射膜が形成された転写フィルム。
- 請求項12に記載の転写フィルムを被転写基板に薄膜層が面するように押し当てる工程と、前記仮支持体を剥がす工程と、薄膜層の転写された表面に反射膜あるいは半透過反射膜を形成する工程により拡散反射板を作製する拡散反射板の製造方法。
- 請求項11に記載の転写ベースフィルムを基板上に形成された薄膜層に、転写された面が面するように押し当てる工程と、前記転写ベースフィルムを剥がす工程と、表面に反射膜あるいは半透過反射膜を形成する工程を含む拡散反射板の製造方法。
- 請求項13に記載の転写フィルムを被転写基板に薄膜層が面するように押し当てる工程と、前記仮支持体を剥がす工程を含む拡散反射板の製造方法。
- 請求項14ないし請求項16のいずれかに記載の拡散反射板の製造方法により得られた拡散反射板。
- 請求項11に記載の転写ベースフィルムの転写原型を転写した面に反射膜あるは半透過反射膜を設けた拡散反射板。
- 請求項8、17、18のいずれかに記載の拡散反射板を反射型液晶ディスプレイに用いたことを特徴とする反射型液晶ディスプレイ用拡散反射板。
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